(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スプール軸方向に延びるスプール孔と、当該スプール孔に接続され前記スプール軸方向に延びるブリッジ通路と、当該ブリッジ通路に接続可能であり且つ前記スプール軸方向に互いにずれた位置に設けられる複数の供給通路とを有する弁本体と、
前記スプール孔に挿入されるスプールと、
前記複数の供給通路の各々と前記ブリッジ通路との間の作動油の流れをコントロールする複数の規制部材と、を備え、
前記弁本体には、前記複数の規制部材が通過可能な複数の通過孔が形成され、
前記複数の通過孔は、前記弁本体の同一面において開口し、
前記複数の通過孔は、前記弁本体のうち前記複数の通過孔が開口する面から見た場合に、同一直線上には配置されない方向切換弁。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0017】
以下の実施形態では、複数の供給通路の各々とブリッジ通路との間の作動油(作動流体)の流れをコントロールする「規制部材(例えばチェック弁や盲栓等)」を備えるスプール式の方向切換弁について例示する。この方向切換弁は、本体一体型の所謂モノブロックタイプの方向切換弁であってもよいし、本体分離型の所謂セクショナルタイプの方向切換弁であってもよい。したがって例えば、モノブロックタイプのバルブ構造を採用し、パラレル回路及び/又はタンデム回路を構成する複数の供給通路の各々とブリッジ通路との間にチェック弁が設けられる方向切換弁に対し、本発明は有効に適用可能である。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る方向切換弁30の回路図である。
図2は、
図1に示す回路構成を実現する方向切換弁30の一例を示す平面図(上から見た図)である。
図3は、
図2のIII−III線に沿った方向切換弁30の断面図である。
図4は、
図2のIV−IV線に沿った方向切換弁30の断面図である。
図5は、
図2のV−V線に沿った方向切換弁30の断面図である。
図6は、
図2のVI−VI線に沿った方向切換弁30の断面図である。
【0019】
図1〜
図6に示す方向切換弁30は、スプール孔33が形成される弁本体31と、スプール孔33に挿入されるスプール80と、複数の通路(41、42、45、51、52、53、61、62(以下、通路(41〜62)とも称する))と、通路(101、102、301、302)を形成可能な複数の領域(201、202、401、402)と、複数の供給通路の各々とブリッジ通路53との間に配置可能な複数のチェック弁(71〜74)を設けるための通過孔(701〜704)を形成可能な複数の領域(711〜714)と、を備える。
【0020】
この方向切換弁30は、建設機械用油圧回路(図示省略)に適用される方向切換弁である。方向切換弁30は、建設機械用油圧回路において、例えばポンプ(図示省略)とアクチュエータ(図示省略)とに接続され、ポンプからの作動油をアクチュエータに対して供排(供給及び排出)するための弁である。
【0021】
上記の領域(201、202、401、402)において形成可能な通路(101、102、301、302)は、ポンプから吐出される作動油(吐出油)を、アクチュエータに供給するための通路である。この方向切換弁30は、複数の領域(201、202、401、402)の少なくともいずれかにおいて通路(101、102、301、302)が形成された場合に、アクチュエータに対して作動油を供排(供給及び排出)することが可能である。
【0022】
すなわち、
図1〜
図6に示す方向切換弁30は、油圧回路に適用されて作動油の流れを適切に切り換える方向切換弁を製造するための中間体(ベース体及びベース部材)とも言える。この方向切換弁30は、上記のような複数の領域(201、202、401、402)を備えることにより、ポンプからアクチュエータに作動油を供給するための複数種類の通路パターンを、選択的に形成することが可能である。
【0023】
方向切換弁30が接続されるアクチュエータは、建設機械を作動させる油圧アクチュエータである。この方向切換弁30が接続可能なアクチュエータの種類には、例えば油圧モータと、油圧シリンダと、がある。方向切換弁30が接続されるアクチュエータは、第1ポートと、第2ポートと、を備えるアクチュエータである。第1ポート及び第2ポートのそれぞれは、アクチュエータに対する作動油の供排口(供給口及び排出口)である。このようなアクチュエータは、第1ポートに作動油が供給され、かつ、第2ポートから作動油が排出されることにより、一方側に作動する。具体的には例えば、油圧シリンダが伸びる、また例えば、油圧モータが一方側に回転する。第2ポートに作動油が供給され、かつ、第1ポートから作動油が排出されることにより、アクチュエータは他方側(上記「一方側」とは逆側)に作動する。具体的には例えば、油圧シリンダが縮む、また例えば、油圧モータが他方側に回転する。方向切換弁30は、このようなアクチュエータに対し、後述するアクチュエータ通路(61、62)を介して接続されることが想定されている。
【0024】
この方向切換弁30は、スプール孔33におけるスプール80の軸方向位置(ストローク位置;スライド位置)に応じて、作動油の流れる方向などを変えるスプール弁である。方向切換弁30は、スプール80のストローク位置に応じて切換位置が定められ、スプール孔33に開口する開口部の全閉鎖、全開放及び一部開放(一部閉鎖)を切り換える。方向切換弁30の切換位置には、中立位置30a(
図1参照)と、第1作動位置30b(
図1における中立位置30aの左側参照)と、第2作動位置30c(
図1における中立位置30aの右側参照)と、がある。
【0025】
弁本体31は、スプール孔33、ブリッジ通路53及び供給通路を含む複数の通路(41〜62)、領域(201、202、401、402)及び領域(711〜714)が形成される部分である。本例の弁本体31は、ブロック状(塊状)のモノブロックタイプのバルブ構造を有し、
図2に示すように単一の弁本体31に対して複数の方向切換弁(スプール弁)が形成される。以下では、弁本体31に形成される複数の方向切換弁のうちの特定の1つの方向切換弁30(
図2参照)に注目して説明する。弁本体31に形成される他の方向切換弁は、以下に説明する方向切換弁30と同様の構成を有していてもよいし、他の構成を有していてもよい。
【0026】
スプール孔33は、弁本体31の内部に形成される。スプール孔33は、スプール80を差し込み可能な孔である。スプール80は、着脱可能に、スプール孔33に挿入される。
【0027】
複数の通路(41〜62)の各々は、作動油が流れる流路(油路、配管)である。複数の通路(41〜62)の各々は、弁本体31の内部に形成される。複数の通路(41〜62)のうちの通路(41、42、45、53、55、61、62)は、スプール孔33に開口する。スプール孔33に開口する通路(41、42、45、53、55、61、62)のスプール孔33への開口の具体的な形成態様は特に限定されず、例えばそれぞれの開口がスプール孔33の周方向に延びていてもよい。複数の通路(41〜62)のうちの通路(41、42、45、61、62)は、弁本体31の外部と連通するように、弁本体31の表面に開口する。また、複数の通路(41〜62)のうちの通路(51、52)も、弁本体31の外部と連通するように、弁本体31の表面に開口する。複数の通路(41〜62)は、アンロード通路(41、42)と、タンク通路45と、供給通路(51、52)と、ブリッジ通路53と、バイパス通路55と、アクチュエータ通路(61、62)と、を含む。
【0028】
アンロード通路(41、42)は、ポンプから吐出される作動油を、アクチュエータに供給せずに、タンクに戻すための通路である。ただし、例えばアンロード通路(41、42)から他の通路が分岐する場合(図示省略)は、アンロード通路(41、42)からアクチュエータに作動油が供給されてもよい。アンロード通路(41、42)は、2本設けられ、このような態様はデュアルバイパスとも呼ばれる。アンロード通路(41、42)は、第1アンロード通路41と、第2アンロード通路42と、を備える。
【0029】
第1アンロード通路41と第2アンロード通路42とは、方向切換弁30が油圧回路に適用された場合に、互いに異なるポンプに接続される通路である。以下、第1アンロード通路41が接続されるポンプを第1ポンプ(図示省略)と呼ぶ。第2アンロード通路42が接続されるポンプを第2ポンプ(図示省略)と呼ぶ。
【0030】
第1アンロード通路41は、第1ポンプに接続される通路である。第1アンロード通路41は、タンクに接続される通路である。第1アンロード通路41は、上流側第1アンロード通路41aと、下流側第1アンロード通路41bと、を備える。上流側第1アンロード通路41aは、第1アンロード通路41のうち、スプール孔33よりも上流側(第1ポンプ側)の通路である。下流側第1アンロード通路41bは、第1アンロード通路41のうち、スプール孔33よりも下流側(タンク側)の通路である。
【0031】
第2アンロード通路42は、第1アンロード通路41が接続する第1ポンプとは異なる第2ポンプに接続される通路である。第2アンロード通路42は、タンクに接続される通路である。第2アンロード通路42は、上流側第2アンロード通路42aと、下流側第2アンロード通路42bと、を備える。上流側第2アンロード通路42aは、第2アンロード通路42のうち、スプール孔33よりも上流側(第2ポンプ側)の通路である。下流側第2アンロード通路42bは、第2アンロード通路42のうち、スプール孔33よりも下流側(タンク側)の通路である。
【0032】
なお後述のように、本実施形態では、第1供給通路51及び第2供給通路52だけではなく、第1アンロード通路41及び第2アンロード通路42の各々に連通される第1タンデム通路301及び第2タンデム通路302も、「ブリッジ通路53に接続可能な供給通路であって、作動油をブリッジ通路53に供給可能な複数の供給通路」として機能する。すなわち本実施形態に係る「複数の供給通路」は、ポンプ(作動流体供給源)に対する接続態様が相互に異なる通路であってポンプからの作動油の供給機能(供給方式)が相互に異なる通路を含む。具体的には、ポンプ(作動流体供給源)に対する接続方式がパラレル方式(本例では第1供給通路51及び第2供給通路52)の通路及びタンデム方式の通路(本例では第1アンロード通路41及び第2アンロード通路42にそれぞれ接続される後述の第1タンデム通路301及び第2タンデム通路302)が、複数の供給通路に含まれる。
【0033】
一般に、作動油の流れ方向に関して上流側のパラレル方式の通路における作動油の流れが遮断されても遮断されなくても、下流側のパラレル方式の通路に作動油を流通させることができる。したがって流路断面積を減少させる絞りを特定のパラレル方式の通路(例えば下流側通路)に設けることにより、絞りが設けられていない他のパラレル方式の通路(例えば上流側通路)において作動油を優先的に流すことができ、パラレル方式の通路を流れる作動油の流量を調整することができる。ただし、絞りが設けられたパラレル方式の通路のみに作動油を流す場合には、絞りの影響により、ポンプ圧(作動油の供給圧)が必要以上に上昇してしまう傾向がある。一方、タンデム方式の通路において作動油を流すと、下流側のタンデム方式の通路は基本的に遮断され作動油が流れない。例えば、上流側及び下流側にアクチュエータを設けた場合に、上流側アクチュエータには絞りのないパラレル方式の通路を介して作動油を供給する一方で、下流側アクチュエータには絞りのあるパラレル方式の通路及びタンデム方式の通路の両方を介して作動油を供給するように方向切換弁30を構成することも可能である。この場合、上流側アクチュエータに作動油が供給されるときにタンデム方式の通路を遮断することで、下流側アクチュエータよりも上流側アクチュエータに対して優先的に作動油を供給しつつ、上流側アクチュエータ及び下流側アクチュエータの両者に対しパラレル方式の通路を介して作動油を供給できる。一方、上流側アクチュエータへの作動油の供給を遮断するときにタンデム方式の通路を開放することで、ポンプ圧の上昇を抑えつつ、タンデム方式の通路を介して下流側アクチュエータのみに作動油を供給できる。
【0034】
タンク通路45は、タンク(図示省略)に接続される通路である。タンク通路45は、アクチュエータから排出された作動油やアンロード通路(41、42)を介して排出される作動油をタンクに戻すための通路である。
【0035】
供給通路(51、52)は、ポンプの吐出油を、アクチュエータに供給するための通路である。供給通路(51、52)は、第1供給通路51及び第2供給通路52を備え、ブリッジ通路53に接続可能となっている。
【0036】
第1供給通路51は、ポンプに接続可能な通路である。なお、第1供給通路51は、ポンプに接続されなくてもよい。第1供給通路51は、スプール孔33に直接的に開口していない。第1供給通路51は、ポンプに接続される場合、第1アンロード通路41が接続する第1ポンプに接続される。第1供給通路51は、第1ポンプに接続される場合、第1ポンプから吐出される作動油を、アクチュエータに供給するために、受け入れる。第1供給通路51は、第1ポンプに接続される場合、第1アンロード通路41(上流側第1アンロード通路41a)に接続されてもよい。言い換えると、第1供給通路51は、第1アンロード通路41を介して第1ポンプに接続されてもよい。この場合、第1供給通路51の第1アンロード通路41への接続は、方向切換弁30の外部で行われる。
【0037】
第2供給通路52は、ポンプに接続可能な通路である。なお、第2供給通路52は、ポンプに接続されなくてもよい。第2供給通路52は、スプール孔33に直接的に開口していない。第2供給通路52は、ポンプに接続される場合、第2アンロード通路42が接続する第2ポンプに接続される。第2供給通路52は、第2ポンプに接続される場合、第2ポンプから吐出される作動油を、アクチュエータに供給するために、受け入れる。第2供給通路52は、第2ポンプに接続される場合、第2アンロード通路42(上流側第2アンロード通路42a)に接続されてもよい。言い換えると、第2供給通路52は、第2アンロード通路42を介して第2ポンプに接続されてもよい。この場合、第2供給通路52の第2アンロード通路42への接続は、方向切換弁30の外部で行われる。
【0038】
ブリッジ通路53は、複数の領域(201、202、401、402)の少なくともいずれかにおいて通路(101、102、301、302)が形成された場合に、第1ポンプ及び第2ポンプのうちの少なくともいずれかからの作動油を、アクチュエータに供給するための通路である。
図3等に示すように、ブリッジ通路53はスプール孔33に開口し、第1ブリッジ通路53a及び第2ブリッジ通路53bを備える。第1ブリッジ通路53aは、第1ポンプ及び第2ポンプのうちの少なくともいずれかからの作動油を、第1アクチュエータ通路61に供給するための通路である。第2ブリッジ通路53bは、第1ポンプ及び第2ポンプのうちの少なくともいずれかからの作動油を、第2アクチュエータ通路62に供給するための通路である。
【0039】
バイパス通路55は、両端部がスプール孔33に開口し、ブリッジ通路53(図示の例では特に第1ブリッジ通路53a)とアクチュエータ通路(図示の例では特に第1アクチュエータ通路61)とを連通するための通路である。すなわち、スプール80のスプール孔33内におけるストローク位置が「第1ブリッジ通路53aと第1アクチュエータ通路61とを連通することを意図する位置(すなわち第1ブリッジ通路53aから第1アクチュエータ通路61に作動油を供給するための位置)」にある場合に、スプール80の切欠き部81によって「第1ブリッジ通路53aとバイパス通路55の一方の開口部とを繋ぐ流路」及び「第1アクチュエータ通路61とバイパス通路55の他方の開口部とを繋ぐ流路」がスプール孔33に形成される。これにより、第1ブリッジ通路53aからスプール孔33に流出した作動油は、「バイパス通路55を経た後に、スプール孔33を介して第1アクチュエータ通路61に流入するためのルート」及び「第1アクチュエータ通路61に直接的に流入するためのルート」を介し、第1アクチュエータ通路61に送られる。
【0040】
なお、上述の「スプール孔33及びバイパス通路55を介した第1ブリッジ通路53aと第1アクチュエータ通路61との連通状態」は、「スプール孔33のみを介した第1ブリッジ通路53aと第1アクチュエータ通路61との連通状態」とともに実現されることが好ましい。ただし上述の「スプール孔33及びバイパス通路55を介した第1ブリッジ通路53aと第1アクチュエータ通路61との連通状態」及び「スプール孔33のみを介した第1ブリッジ通路53aと第1アクチュエータ通路61との連通状態」のうちのいずれか一方が実現されるのであれば、他方は必ずしも実現されなくてもよい。また、スプール80のスプール孔33内におけるストローク位置が「第1ブリッジ通路53aと第1アクチュエータ通路61とを連通しないことを意図する位置(すなわち第1ブリッジ通路53aから第1アクチュエータ通路61に作動油を供給しないための位置)」にある場合には、スプール80のランド部83によって、スプール孔33に開口するバイパス通路55の両開口部のうちの少なくともいずれか一方は閉鎖される。
【0041】
アクチュエータ通路(61、62)は、複数の領域(201、202、401、402)の少なくともいずれかにおいて通路(101、102、301、302)が形成された場合に、第1ポンプ及び第2ポンプのうちの少なくともいずれかからの作動油を、ブリッジ通路53を介して、アクチュエータに供給するために弁本体31に形成される通路である。アクチュエータ通路(61、62)は、スプール孔33に開口する一方で、アクチュエータに接続される。アクチュエータ通路(61、62)は、上述した第1アクチュエータ通路61と、第2アクチュエータ通路62と、を備える。
【0042】
第1アクチュエータ通路61は、アクチュエータの第1ポートに接続される通路である。第2アクチュエータ通路62は、アクチュエータの第2ポートに接続される通路である。
【0043】
領域(201、202、401、402)は、第1ポンプ及び第2ポンプのうちの少なくともいずれかの作動油を、アクチュエータに供給するための通路(101、102、301、302)を形成するための領域である。領域(201、202、401、402)には、第1パラレル用領域201、第2パラレル用領域202、第1タンデム用領域401及び第2タンデム用領域402がある。
【0044】
第1パラレル用領域201は、第1供給通路51をブリッジ通路に接続する第1パラレル通路101を形成可能な領域である。第2パラレル用領域202は、第2供給通路52をブリッジ通路53に接続する第2パラレル通路102を形成可能な領域である。
【0045】
第1タンデム用領域401は、第1アンロード通路41をブリッジ通路53に接続する第1タンデム通路301を形成可能な領域である。第1タンデム通路301は、第1アンロード通路41とブリッジ通路53とを方向切換弁30の内部で接続するものでもよい。第1タンデム通路301は、第1アンロード通路41とブリッジ通路53とを方向切換弁30の外部で接続するものでもよい。図示の例では、第1タンデム通路301は、形成された場合に、第1アンロード通路41とブリッジ通路53とを方向切換弁30の内部で接続するものである。第2タンデム用領域402は、第2アンロード通路42をブリッジ通路53に接続する第2タンデム通路302を形成可能な領域である。第2タンデム通路302は、第2アンロード通路42とブリッジ通路53とを方向切換弁30の内部で接続するものでもよい。第2タンデム通路302は、第2アンロード通路42とブリッジ通路53とを方向切換弁30の外部で接続するものでもよい。図示の例では、第2タンデム通路302は、形成された場合に、第2アンロード通路42とブリッジ通路53とを方向切換弁30の内部で接続するものである。
【0046】
第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成された場合に、ブリッジ通路53は、第1供給通路51に接続される。第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成された場合に、ブリッジ通路53は、第2供給通路52に接続される。第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成され、第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成された場合に、ブリッジ通路53は、第1供給通路51及び第2供給通路52に接続される。
【0047】
第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成され、第1供給通路51が第1ポンプに接続される場合には、ブリッジ通路53には、第1ポンプから供給されて第1供給通路51を流れる作動油が流れることが可能となる。第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成され、第2供給通路52が第2ポンプに接続される場合には、ブリッジ通路53には、第2ポンプから供給されて第2供給通路52を流れる作動油が流れることが可能となる。第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成され、第1供給通路51が第1ポンプに接続され、第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成され、第2供給通路52が第2ポンプに接続される場合には、ブリッジ通路53には、第1ポンプから供給されて第1供給通路51を流れる作動油と第2ポンプから供給されて第2供給通路52を流れる作動油とが合流した作動油が流れることが可能となる。
【0048】
第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成された場合に、ブリッジ通路53は、第1アンロード通路41に接続される。第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成された場合に、ブリッジ通路53は、第2アンロード通路42に接続される。第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成され、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成された場合に、ブリッジ通路53は、第1アンロード通路41及び第2アンロード通路42に接続される。
【0049】
第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成される場合には、ブリッジ通路53には、第1アンロード通路41を流れる作動油が流れることが可能となる。第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成される場合には、ブリッジ通路53には、第2アンロード通路42を流れる作動油が流れることが可能となる。第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成され、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成される場合には、ブリッジ通路53には、第1アンロード通路41を流れる作動油と第2アンロード通路42を流れる作動油とが合流した作動油が流れることが可能となる。
【0050】
また、第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成され、第1供給通路51が第1ポンプに接続され、第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成される場合には、ブリッジ通路53には、第1供給通路51を流れる作動油と第1アンロード通路41を流れる作動油とが合流した作動油が流れることが可能となる。
【0051】
第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成され、第2供給通路52が第2ポンプに接続され、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成される場合には、ブリッジ通路53には、第2供給通路52を流れる作動油と第2アンロード通路42を流れる作動油とが合流した作動油が流れることが可能となる。
【0052】
第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成され、第1供給通路51が第1ポンプに接続され、第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成され、第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成され、第2供給通路52が第2ポンプに接続され、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成される場合には、ブリッジ通路53には、第1供給通路51を流れる作動油と第1アンロード通路41を流れる作動油とが合流した作動油、及び、第2供給通路52を流れる作動油と第2アンロード通路42を流れる作動油とが合流した作動油が流れることが可能となる。なお、第1パラレル通路101、第2パラレル通路102、第1タンデム通路301及び第2タンデム通路302の一以上が形成された場合のブリッジ通路53に対する作動油の流入パターンは、上記以外のパターンも存在する。
【0053】
図3等に示すように、領域(711〜714)は、チェック弁や盲栓等の規制部材を設けるための複数の通過孔(701〜704)を形成するための領域である。すなわち複数の通過孔(701〜704)は、複数の供給通路(第1供給通路51、第2供給通路52、第1アンロード通路41に接続される第1タンデム通路301、及び第2アンロード通路42に接続される第2タンデム通路302)の各々とブリッジ通路53との間に配置される複数の規制部材が通過可能なように、弁本体31に形成される。そして本実施形態の方向切換弁30では、これらの複数の通過孔(701〜704)が、弁本体31の同一面において開口する。弁本体31におけるこれらの複数の通過孔(701〜704)の開口面は特に限定されないが、本実施形態では複数の通過孔(701〜704)は、アクチュエータ通路(第1アクチュエータ通路61及び第2アクチュエータ通路62)が開口する面と同じ面(図示の例では弁本体31の上面(
図2参照))において開口する。すなわち本実施形態のアクチュエータ通路(第1アクチュエータ通路61及び第2アクチュエータ通路62)は、弁本体31のうち複数の通過孔(701〜704)が開口する面と同一面において開口する。
【0054】
以下では規制部材としてチェック弁(71〜74)が適用される例について説明するが、盲栓等の他の規制部材についても同様に設置することができる。領域(711〜714)には、第1通過孔701を形成可能な第1規制部材領域711、第2通過孔702を形成可能な第2規制部材領域712、第3通過孔703を形成可能な第3規制部材領域713及び第4通過孔704を形成可能な第4規制部材領域714がある。
【0055】
第1規制部材領域711は、第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成された場合に第1パラレル通路101とブリッジ通路53との間に配置されるチェック弁71が通過可能な第1通過孔701を形成するための領域である。ブリッジ通路53から第1パラレル通路101への作動油の逆流を防ぐチェック弁71は、第1通過孔701に挿入された後に所定の設置箇所に配置され、及び所定の設置箇所から第1通過孔701を介して方向切換弁30の外部に取り出される。なお、例えば第1パラレル用領域201に形成された第1パラレル通路101が不要となった場合には、チェック弁71の代わりに盲栓を設置することができる。この盲栓は、ブリッジ通路53と第1パラレル通路101との間の連通を遮断する部材であり、第1通過孔701に挿入された後に所定の設置箇所に設置され、及び所定の設置箇所から第1通過孔701を介して方向切換弁30の外部に取り出される。
【0056】
第2規制部材領域712は、第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成された場合に第2パラレル通路102とブリッジ通路53との間に配置されるチェック弁72が通過可能な第2通過孔702を形成するための領域である。ブリッジ通路53から第2パラレル通路102への作動油の逆流を防ぐチェック弁72は、第2通過孔702に挿入された後に所定の設置箇所に配置され、及び所定の設置箇所から第2通過孔702を介して方向切換弁30の外部に取り出される。なお、例えば第2パラレル用領域202に形成された第2パラレル通路102が不要となった場合には、チェック弁72の代わりに盲栓を設置することができる。この盲栓は、ブリッジ通路53と第2パラレル通路102との間の連通を遮断する部材であり、第2通過孔702に挿入された後に所定の設置箇所に設置され、及び所定の設置箇所から第2通過孔702を介して方向切換弁30の外部に取り出される。
【0057】
第3規制部材領域713は、第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成された場合に第1タンデム通路301とブリッジ通路53との間に配置されるチェック弁73が通過可能な第3通過孔703を形成するための領域である。ブリッジ通路53から第1タンデム通路301への作動油の逆流を防ぐチェック弁73は、第3通過孔703に挿入された後に所定の設置箇所に配置され、及び所定の設置箇所から第3通過孔703を介して方向切換弁30の外部に取り出される。なお、例えば第1タンデム用領域401に形成された第1タンデム通路301が不要となった場合には、チェック弁73の代わりに盲栓を設置することができる。この盲栓は、ブリッジ通路53と第1タンデム通路301との間の連通を遮断する部材であり、第3通過孔703に挿入された後に所定の設置箇所に設置され、及び所定の設置箇所から第3通過孔703を介して方向切換弁30の外部に取り出される。
【0058】
第4規制部材領域714は、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成された場合に第2タンデム通路302とブリッジ通路53との間に配置されるチェック弁74が通過可能な第4通過孔704を形成するための領域である。ブリッジ通路53から第2タンデム通路302への作動油の逆流を防ぐチェック弁74は、第4通過孔704に挿入された後に所定の設置箇所に配置され、及び所定の設置箇所から第4通過孔704を介して方向切換弁30の外部に取り出される。なお、例えば第2タンデム用領域402に形成された第2タンデム通路302が不要となった場合には、チェック弁74の代わりに盲栓を設置することができる。この盲栓は、ブリッジ通路53と第2タンデム通路302との間の連通を遮断する部材であり、第4通過孔704に挿入された後に所定の設置箇所に設置され、及び所定の設置箇所から第4通過孔704を介して方向切換弁30の外部に取り出される。
【0059】
なお、上述の領域(711〜714)及び複数の通過孔(701〜704)の配置形態は特に限定されない。上述の領域(711〜714)及び複数の通過孔(701〜704)は、例えば同一直線上に配置されてもよいし、同一直線上には配置されなくてもよい。したがって、複数のチェック弁(71〜74)や複数の通過孔(701〜704)は、弁本体31のうち複数の通過孔(701〜704)が開口する面から見た場合(
図2に示す例では弁本体31の上面から見た場合)に、同一直線上に配置されてもよいし、同一直線上には配置されなくてもよい。上述の領域(711〜714)、複数の通過孔(701〜704)及び複数のチェック弁(71〜74)を同一直線上に配置する場合には、製造が容易であるというメリットがある。一方、上述の領域(711〜714)、複数の通過孔(701〜704)及び複数のチェック弁(71〜74)を同一直線上には配置しない場合には、これらの要素をスペース効率良く配置することができ、方向切換弁30を小型化(特にスプール80及びスプール孔33の延在方向に関して小型化)できるというメリットがある。
【0060】
図7は、弁本体31のうち複数の通過孔(701〜704)が開口する面からブリッジ通路53等を見た状態を示す概念図である。
図7には、領域(711〜714)、複数の通過孔(701〜704)及び複数のチェック弁(71〜74)の配置態様の一例が概念的に示されており、弁本体31に形成される一部要素のみが示されている。なお
図7では理解を容易にするため、ブリッジ通路53が実線で示され、他の要素(チェック弁(71〜74)、通過孔(701〜704)及び領域(711〜714))が点線で示されている。
【0061】
図7に示す例において、上述の領域(711〜714)、複数の通過孔(701〜704)及び複数のチェック弁(71〜74)は、ブリッジ通路53の延在方向(すなわちスプール軸方向A)に関して千鳥状に配置されている。具体的には、弁本体31のうち複数の通過孔(701〜704)が開口する面から各要素を見た状態において、チェック弁73とチェック弁72(第3通過孔703と第2通過孔702;第3規制部材領域713と第2規制部材領域712)は同一直線上に配置され、チェック弁71とチェック弁74(第1通過孔701と第4通過孔704;第1規制部材領域711と第4規制部材領域714)は同一直線上に配置されている。しかしながら「チェック弁73及びチェック弁72(第3通過孔703及び第2通過孔702;第3規制部材領域713及び第2規制部材領域712)」と「チェック弁71及びチェック弁74(第1通過孔701及び第4通過孔704;第1規制部材領域711及び第4規制部材領域714)」とは同一直線上には配置されない。
【0062】
なお領域(711〜714)、複数の通過孔(701〜704)及び複数のチェック弁(71〜74)の配置形態は
図7に示す例に限定されず、複数の供給通路(第1供給通路51、第2供給通路52、第1アンロード通路41に接続される第1タンデム通路301、及び第2アンロード通路42に接続される第2タンデム通路302)の各々とブリッジ通路53との間の作動油の流れを適切にコントロール可能であれば、どのような配置形態であってもよい。例えば、ブリッジ通路53の延在方向(すなわちスプール軸方向A)に関する並び順に関し、
図7に示す例ではチェック弁73、チェック弁71、チェック弁72及びチェック弁74の順番となっているが、これらのチェック弁(71〜74)はどのような並び順であってもよい。また領域(711〜714)及び複数の通過孔(701〜704)も、ブリッジ通路53の延在方向に関してどのような並び順であってもよい。またブリッジ通路53の延在方向(すなわちスプール軸方向A)と垂直を成す方向に関し、
図7に示す例では2つのチェック弁(チェック弁71及びチェック弁74)が他の2つのチェック弁(チェック弁73及びチェック弁72)とは異なる位置に配置されているが、任意の1つ又は3つのチェック弁が他のチェック弁と異なる位置に配置されてもよい。また領域(711〜714)及び複数の通過孔(701〜704)も、ブリッジ通路53の延在方向と垂直を成す方向に関し、任意の1つ又は3つが他とは異なる位置に配置されてもよい。またブリッジ通路53の延在方向(すなわちスプール軸方向A)と垂直を成す方向に関し、
図7に示す例では2つのチェック弁(チェック弁71及びチェック弁74)が他の2つのチェック弁(チェック弁73及びチェック弁72)に対して同じ方向に配置されているが、相互に異なる方向に配置されてもよい。また領域(711〜714)及び複数の通過孔(701〜704)も、ブリッジ通路53の延在方向と垂直を成す方向に関し、任意の2つが他の2つに対して同じ方向に配置されてもよいし、相互に異なる方向に配置されてもよい。
【0063】
一方、スプール80は、
図3等に示すように、スプール孔33に挿入される。スプール80は、略円柱状である。スプール80の軸方向(略円柱の中心軸の方向)を、スプール軸方向Aとする。スプール軸方向Aにおける一方側を一方側A1、他方側を他方側A2とする。スプール80は、スプール孔33に対してスプール軸方向Aにスライド(ストローク)自在である。
【0064】
スプール80は、通路同士(例えば、ブリッジ通路53とアクチュエータ通路(61、62))の接続及び遮断を切り換える。このスプール80は、通路同士の接続の有無、及び、接続の開度(弁開度)を切り換える。さらに詳しくは、スプール80は、通路同士を「遮断状態(全閉状態)」及び「接続状態(「全開状態」及び「絞り状態」を含む)」のいずれかの状態にする。「遮断状態」は、通路同士が接続されていない状態(遮断された状態)である。「接続状態」は、通路同士が接続された状態(連通された状態)である。この「接続状態」には、「全開状態」と「絞り状態」とがある。「全開状態」は、通路同士の流路の開度が最大の状態(スプール80を一方側A1の端から他方側A2の端までストロークさせたときに開度が様々に変化するところ、この開度が最大の状態)である。例えば、「全開状態」は、通路同士の流路が絞られていない状態である。「絞り状態」は、通路同士の流路が、上記「全開状態」よりも絞られた状態(遮断状態を除く)である。
【0065】
このスプール80は、複数の領域(201、202、401、402)に形成される通路(101、102、301、302)のパターンによって、異なる構成が採用される。具体的には、ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れるように通路(101、102、301、302)が形成された場合と、ブリッジ通路53に第1ポンプのみからの作動油が流れるように通路(101、102、301、302)が形成された場合と、ブリッジ通路53に第2ポンプのみからの作動油が流れるように通路(101、102、301、302)が形成された場合とで、異なる構成のスプールが用いられる。
【0066】
<ブリッジ通路に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れる構成の場合>
この場合、スプール80では、以下の構成が採用される。
スプール80は、ブリッジ通路53と、アクチュエータ通路(61、62)と、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、アクチュエータ通路(61、62)と、タンク通路45と、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、上流側第1アンロード通路41aと、下流側第1アンロード通路41bと、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、上流側第2アンロード通路42aと、下流側第2アンロード通路42bと、の接続及び遮断を切り換える。
【0067】
スプール80は、複数の切欠き部81と、複数のランド部83と、を備える。切欠き部81とランド部83とは、スプール軸方向Aに交互に配置される(形成される)。
【0068】
切欠き部81は、通路同士(通路間)を接続させる。切欠き部81は、通路のスプール孔33への開口同士を接続させる。以下、スプール孔33への開口を、「開口」という。なお、図示の例では、複数の通路(41〜62)のうちの通路(41、42、45、53、55、61、62)がスプール孔33へ開口する。切欠き部81は、通路同士を、スプール孔33を介して接続させる。
図3等に示すように、切欠き部81は、ランド部83に対して、スプール80の径方向内側に凹む部分である。切欠き部81は、複数設けられ、例えば4か所設けられてもよいし、2か所、3か所、または5か所以上設けられてもよい。切欠き部81は、例えば、第1アンロード通路用切欠き部と、第2アンロード通路用切欠き部と、を備える。第1アンロード通路用切欠き部は、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを接続させる。第2アンロード通路用切欠き部は、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを接続させる。
【0069】
ランド部83は、通路同士が接続されない状態(遮断状態)にする。ランド部83は、切欠き部81による通路同士の接続が行われないようにする。ランド部83は、スプール孔33を形成する壁部(スプール孔33の内面)に接触する。ランド部83は、通路(41、42、45、53、55、61、62)の開口を塞ぐ。または、ランド部83は、通路同士の間のスプール孔33を塞ぐ。ランド部83は、通路同士を絞り状態にする。ランド部83は、通路(41、42、45、53、55、61、62)の開口を、全開状態よりも狭くする。ランド部83は、複数設けられ、例えば5か所設けられてもよいし、4か所以下、または6か所以上設けられてもよい。ランド部83は、例えば、アンロード通路用ランド部を備える。
【0070】
アンロード通路用ランド部は、アンロード通路(41、42)を遮断可能である(遮断状態にすることが可能である)。アンロード通路用ランド部は、第1アンロード通路用ランド部と、第2アンロード通路用ランド部と、第3アンロード通路用ランド部と、を備える。
【0071】
第1アンロード通路用ランド部は、方向切換弁30が
図1に示す中立位置30aから第1作動位置30bに移行した場合に、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。第2アンロード通路用ランド部は、
図1に示す中立位置30aから第2作動位置30cに移行した場合に、第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。
【0072】
第3アンロード通路用ランド部は、第1アンロード通路41を遮断可能、かつ、第2アンロード通路42を遮断可能である。この構成では、第3アンロード通路用ランド部が2つの用途に使われるため、ランド部を共通化できる。第3アンロード通路用ランド部は、第1作動位置30bのときに、第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。第3アンロード通路用ランド部は、第2作動位置30cのときに、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。以上が、ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れる構成の場合のスプール80の構成である。ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプのうちのいずれかからの作動油が流れる構成の場合は、スプール80は、以下の構成が採用される。
【0073】
<ブリッジ通路に第1ポンプのみからの作動油が流れる構成の場合>
この場合、スプール80では、以下の構成が採用される。
スプール80は、ブリッジ通路53と、アクチュエータ通路(61、62)と、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、アクチュエータ通路(61、62)と、タンク通路45と、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、上流側第1アンロード通路41aと、下流側第1アンロード通路41bと、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、上流側第2アンロード通路42aと、下流側第2アンロード通路42bと、を常時、接続状態とする。
【0074】
この場合、アンロード通路用ランド部が、以下のように機能する。
【0075】
第1アンロード通路用ランド部は、中立位置30aから第1作動位置30bに移行した場合、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。第2アンロード通路用ランド部は、中立位置30aから第2作動位置30cに移行した場合、第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態にする機能を有さず、第2アンロード通路42は全開状態に維持される。
【0076】
第3アンロード通路用ランド部は、第1作動位置30bのときに第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態にする機能を有さず、第2アンロード通路42は全開状態に維持される。第3アンロード通路用ランド部は、第2作動位置30cのときに、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。
【0077】
その他の構成は、ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れる構成の場合と同様である。
【0078】
<ブリッジ通路に第2ポンプのみからの作動油が流れる構成の場合>
この場合、スプール80では、以下の構成が採用される。
スプール80は、ブリッジ通路53と、アクチュエータ通路(61、62)と、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、アクチュエータ通路(61、62)と、タンク通路45と、の接続及び遮断を切り換える。
スプール80は、上流側第1アンロード通路41aと、下流側第1アンロード通路41bと、を常時、接続状態とする。
スプール80は、上流側第2アンロード通路42aと、下流側第2アンロード通路42bと、の接続及び遮断を切り換える。
【0079】
この場合、アンロード通路用ランド部が、以下のように機能する。
【0080】
第1アンロード通路用ランド部は、中立位置30aから第1作動位置30bに移行した場合、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態にする機能を有さず、第1アンロード通路41は全開状態に維持される。第2アンロード通路用ランド部は、中立位置30aから第2作動位置30cに移行した場合、第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。
【0081】
第3アンロード通路用ランド部は、第1作動位置30bのときに、第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。第3アンロード通路用ランド部は、第2作動位置30cのときに第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態にする機能を有さず、第1アンロード通路41は全開状態に維持される。
【0082】
その他の構成は、ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れる構成の場合と同様である。
【0083】
(通路(41〜62)の配置)
複数の通路(41〜62)のうちのスプール孔33に開口する通路(41、42、45、53、55、61、62)の開口(スプール孔33への開口)は、スプール軸方向Aの一方側A1から他方側A2に向かって、例えば「一方側A1のタンク通路45、第1アクチュエータ通路61、バイパス通路55の2つの開口部のうちの一つ(他方の開口部)、第1ブリッジ通路53a(一方側A1のブリッジ通路53)、バイパス通路55の2つの開口部のうちの一つ(一方の開口部)、アンロード通路(41、42)、第2ブリッジ通路53b(他方側A2のブリッジ通路53)、第2アクチュエータ通路62、及び他方側A2のタンク通路45」の順に並ぶ。一方側A1のタンク通路45の開口と、他方側A2のタンク通路45の開口とは、弁本体31の内部で連通する(弁本体31の内部で連通しなくてもよい)。
【0084】
(アンロード通路(41、42)の配置)
アンロード通路(41、42)は、次のように配置される。アンロード通路(41、42)は、スプール軸方向Aにおけるスプール孔33の寸法(スプール80の寸法)が大きくなりすぎることを抑制できるように配置される。具体的には次の通りである。
【0085】
(アンロード通路(41、42)の配置順)
アンロード通路(41、42)は、第1アンロード通路41及び第2アンロード通路42の両方の接続及び遮断を切り換える必要がある場合に、第1アンロード通路41及び第2アンロード通路42で第3アンロード通路用ランド部の共通化(上記)ができるように配置される。具体的には、第1アンロード通路41と第2アンロード通路42とは、隣り合う(スプール軸方向Aに隣り合う、以下同様)ように配置される(「隣り合う」については下記参照)。例えば、下流側第1アンロード通路41bと上流側第2アンロード通路42aとは、隣り合うように配置される。例えば、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとは、隣り合うように配置される。例えば、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとは、隣り合うように配置される。
【0086】
ここで、通路αと通路βとが「隣り合う」とは、次の[配置例1]または[配置例2]のように配置されることである。
[配置例1] 通路αと通路βとの間に、他の通路(通路α及び通路β以外の通路)が配置されない。スプール孔33では、通路αの開口(スプール孔33への開口)と、通路βの開口と、の間に他の通路の開口が配置されない。
[配置例2] 通路αと通路βとがスプール軸方向Aに順番に配置される。さらに詳しくは、スプール軸方向Aの一方側A1から他方側A2の順に、通路αの次に通路βが配置される(または、通路βの次に通路αが配置される)。スプール孔33では、通路αの開口と通路βの開口とがスプール軸方向Aに順番に配置される。
【0087】
第1アンロード通路41及び第2アンロード通路42は、弁本体31の一側面とこの側面に対向する他側面とにわたって、スプール軸方向Aに直交する方向に延びている。詳しくは、第1アンロード通路41では、上流側第1アンロード通路41aが、スプール孔33への開口側からスプール軸方向Aに直交する方向に延びて、弁本体31の前記一側面において弁本体31の外部に開口する。下流側第1アンロード通路41bは、スプール孔33への開口側から、スプール軸方向Aに直交する方向における上流側第1アンロード通路41aが延びる側とは反対側に延びて、弁本体31の前記他側面において弁本体31の外部に開口する。第2アンロード通路42では、上流側第2アンロード通路42aが、スプール孔33への開口側からスプール軸方向Aに直交する方向に延びて、弁本体31の前記一側面において弁本体31の外部に開口する。下流側第2アンロード通路42bは、スプール孔33への開口側から、スプール軸方向Aに直交する方向における上流側第2アンロード通路42aが延びる側とは反対側に延びて、弁本体31の前記他側面において弁本体31の外部に開口する。
【0088】
(供給通路(51、52)の配置)
供給通路(51、52)は、アンロード通路(41、42)に沿って延びている。供給通路(51、52)は、アンロード通路(41、42)よりも径方向外側に配置される。第1供給通路51は、第1アンロード通路41(上流側第1アンロード通路41a)が開口する弁本体31の前記一側面から前記他側面に向けて延びる。第1供給通路51は、弁本体31の前記一側面と前記他側面との間の中間位置に至る。第2供給通路52は、第2アンロード通路42(上流側第2アンロード通路42a)が開口する弁本体31の前記一側面から前記他側面に向けて延びる。第2供給通路52は、弁本体31の前記一側面と前記他側面との間の中間位置に至る。第1アンロード通路41と第1供給通路51とは、互いの少なくとも一部が径方向で重なる位置に配置される。第2アンロード通路42と第2供給通路52とは、互いの少なくとも一部が径方向で重なる位置に配置される。
【0089】
(ブリッジ通路(53)の配置)
アンロード通路(41、42)及び供給通路(51、52)が延びる方向に直交する断面視において、第1ブリッジ通路53aは、スプール孔33への開口側からスプール軸方向Aに対する径方向の外側に延び、その後、スプール軸方向Aに沿って第2ブリッジ通路53b側に延びる。そして、第1ブリッジ通路53aは、第1供給通路51の径方向外側に至る。第2ブリッジ通路53bは、スプール孔33への開口側からスプール軸方向Aに対する径方向の外側に延び、その後、スプール軸方向Aに沿って第1ブリッジ通路53a側に延びる。そして、第2ブリッジ通路53bは、第2供給通路52の径方向外側に至る。そして、第1ブリッジ通路53aと第2ブリッジ通路53bとは、第1供給通路51及び第2供給通路52の径方向外側の位置で互いに接続する。
【0090】
図4等に示す断面視で、ブリッジ通路53は、逆U字状に形成される。ブリッジ通路53は、アンロード通路(41、42)及び供給通路(51、52)を、スプール軸方向Aの両側及び径方向の外側から覆っている。第1ブリッジ通路53aのうちの第2ブリッジ通路53bとの接続部側の部分と第1供給通路51とは、径方向で重なっている。第2ブリッジ通路53bのうちの第1ブリッジ通路53aとの接続部側の部分と第2供給通路52とは、径方向で重なっている。一方、側面視において、第1ブリッジ通路53aの中間部分(スプール孔33への開口側と第2ブリッジ通路53bとの接続部側との中間位置)と第1アンロード通路41(上流側第1アンロード通路41a)とは、スプール軸方向及び径方向で近接している。第2ブリッジ通路53bの中間部分(スプール孔33への開口側と第1ブリッジ通路53aとの接続部側との中間位置)と第2アンロード通路42(上流側第2アンロード通路42a)とは、スプール軸方向及び径方向で近接している。
【0091】
(領域(201、202、401、402)の位置)
第1パラレル用領域201は、その一部が第1供給通路51に面し、他の一部が、ブリッジ通路53に面する位置に設定される。具体的には、第1パラレル用領域201は、第1ブリッジ通路53aのうちの第2ブリッジ通路53bとの接続部側の部分と第1供給通路51との間に設定される。すなわち、第1ブリッジ通路53aのうちの第2ブリッジ通路53bとの接続部側の部分と、第1パラレル用領域201と、第1供給通路51とは、径方向で重なっている。したがって、第1ブリッジ通路53aから第1供給通路51に向けて径方向に沿って第1パラレル用領域201に孔を形成することにより、第1パラレル通路101を形成できる。第2パラレル用領域202は、その一部が第2供給通路52に面し、他の一部が、ブリッジ通路53に面する位置に設定される。具体的には、第2パラレル用領域202は、第2ブリッジ通路53bのうちの第1ブリッジ通路53aとの接続部側の部分と第2供給通路52との間に設定される。すなわち、第2ブリッジ通路53bのうちの第1ブリッジ通路53aとの接続部側の部分と、第2パラレル用領域202と、第2供給通路52とは、径方向で重なっている。したがって、第2ブリッジ通路53bから第2供給通路52に向けて径方向に沿って第2パラレル用領域202に孔を形成することにより、第2パラレル通路102を形成できる。
【0092】
第1タンデム用領域401は、その一部が第1アンロード通路41及び弁本体31の外部に面し、他の一部が、ブリッジ通路53に面する位置に設定される。具体的には、第1タンデム用領域401は、第1ブリッジ通路53aの中間部分と第1アンロード通路41(上流側第1アンロード通路41a)との間に設定される。したがって、第1タンデム用領域401においては、弁本体31の一側面から第1ブリッジ通路53aの中間部分と第1アンロード通路41(上流側第1アンロード通路41a)との間に孔を形成することにより、第1タンデム通路301を形成できる。なお、第1タンデム通路301が弁本体31の外部で第1アンロード通路41に接続される構成のときは、第1タンデム用領域401の一部は、第1アンロード通路41に面していなくてもよい。
【0093】
第2タンデム用領域402は、その一部が第2アンロード通路42に面し、他の一部が、弁本体31の外部に面する位置に設定される。具体的には、第2タンデム用領域402は、第2ブリッジ通路53bの中間部分と第2アンロード通路42(下流側第2アンロード通路42b)との間に設定される。したがって、第2タンデム用領域402においては、弁本体31の一側面から第2ブリッジ通路53bの中間部分と第2アンロード通路42(下流側第2アンロード通路42b)との間に孔を形成することにより、第2タンデム通路302をコンパクトに形成できる。なお、第2タンデム通路302が弁本体31の内部で第2アンロード通路42に接続される構成のときは、第2タンデム用領域402の一部は、第2アンロード通路42に面するように設定される。
【0094】
(領域(711〜714)の位置)
第1規制部材領域711は、第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成される場合に、第1規制部材領域711のうちの一部が、第1パラレル通路101とブリッジ通路53との接続位置に面し、その他の一部が、方向切換弁30の外部に面する位置に設定される。これにより、第1通過孔701を、ブリッジ通路53の内部、第1パラレル通路101の内部及び方向切換弁30の外部に連通する孔として形成できる。これにより、方向切換弁30の外部から第1通過孔701を通して、第1パラレル通路101とブリッジ通路53との間に、チェック弁71(規制部材)を設けることができる。具体的には、第1規制部材領域711は、第1ブリッジ通路53aのうちの第2ブリッジ通路53bとの接続部側の部分と、第1パラレル用領域201と、第1供給通路51とに、径方向で重なる位置に設定される。
【0095】
第2規制部材領域712は、第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成される場合に、第2規制部材領域712のうちの一部が、第2パラレル通路102とブリッジ通路53との接続位置に面し、その他の一部が、方向切換弁30の外部に面する位置に設定される。これにより、第2通過孔702を、ブリッジ通路53の内部、第2パラレル通路102の内部及び方向切換弁30の外部に連通する孔として形成できる。これにより、方向切換弁30の外部から第2通過孔702を通して、第2パラレル通路102とブリッジ通路53との間に、チェック弁72(規制部材)を設けることができる。具体的には、第2規制部材領域712は、第2ブリッジ通路53bのうちの第1ブリッジ通路53aとの接続部側の部分と、第2パラレル用領域202と、第2供給通路52とに、径方向で重なる位置に設定される。
【0096】
第3規制部材領域713は、第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成される場合に、第3規制部材領域713のうちの一部が、第1タンデム通路301とブリッジ通路53との接続位置に面し、その他の一部が、方向切換弁30の外部に面する位置に設定される。これにより、第3通過孔703を、ブリッジ通路53の内部、第1タンデム通路301の内部及び方向切換弁30の外部に連通する孔として形成できる。これにより、方向切換弁30の外部から第3通過孔703を通して、第1タンデム通路301とブリッジ通路53との間に、チェック弁73(規制部材)を設けることができる。具体的に、第3規制部材領域713は、第1ブリッジ通路53aのうちの中間部分と、第1タンデム用領域401と、第1アンロード通路41とに、径方向で重なる位置に設定される。
【0097】
第4規制部材領域714は、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成される場合に、第4規制部材領域714のうちの一部が、第2タンデム通路302とブリッジ通路53との接続位置に面し、その他の一部が、方向切換弁30の外部に面する位置に設定される。これにより、第4通過孔704を、ブリッジ通路53の内部、第2タンデム通路302の内部及び方向切換弁30の外部に連通する孔として形成できる。これにより、方向切換弁30の外部から第4通過孔704を通して、第2タンデム通路302とブリッジ通路53との間に、チェック弁74(規制部材)を設けることができる。具体的に、第4規制部材領域714は、第2ブリッジ通路53bのうちの中間部分と、第2タンデム用領域402と、第2アンロード通路42とに、径方向で重なる位置に設定される。
【0098】
(作動)
方向切換弁30は、方向切換弁30の操作(建設機械の操縦者による操作、例えばレバー操作)に応じて作動することが可能である。この操作に応じて、方向切換弁30は、中立位置30aと、第1作動位置30bと、第2作動位置30cと、を切り換える。この操作に応じて、スプール80は、ストローク位置を変える。その結果、スプール80は、通路同士の接続の有無、及び、接続の開度(弁開度)を切り換える。そして、複数の領域(201、202、401、402)の少なくともいずれかにおいて通路(101、102、301、302)が形成された場合に、第1ポンプ及び第2ポンプのうちの少なくともいずれかからの作動油のアクチュエータへの供排(供給及び排出)の有無、及び、アクチュエータに対して供排する作動油の流量を調整することが可能となる。
【0099】
スプール80は、複数の領域(201、202、401、402)に形成される通路(101、102、301、302)のパターンによって、異なる作動を実施する。具体的には、ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れるように通路(101、102、301、302)が形成された場合と、ブリッジ通路53に第1ポンプのみからの作動油が流れるように通路(101、102、301、302)が形成された場合と、ブリッジ通路53に第2ポンプのみからの作動油が流れるように通路(101、102、301、302)が形成された場合とで、異なる作動を実施する。パターン毎に、異なる作動を実施する場合には、それぞれのパターンに対応したスプール80が用いられる。
【0100】
<ブリッジ通路に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れる構成の場合>
第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が、ブリッジ通路53に流れるように、領域(201、202、401、402)において通路(101、102、301、302)が形成された場合には、方向切換弁30は、以下のように作動する。
【0101】
(中立位置30a)
方向切換弁30の切換位置が中立位置30aのとき、方向切換弁30は、次のように作動する。
[作動1a]方向切換弁30は、第1アンロード通路41を全開状態にする。具体的には、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを、第1アンロード通路用切欠き部を介して、全開状態にする。
[作動1b]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を全開状態にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを、第2アンロード通路用切欠き部を介して、全開状態にする。
[作動1c]方向切換弁30は、ブリッジ通路53(第1ブリッジ通路53a及び第2ブリッジ通路53b)を遮断状態にする。
[作動1d]方向切換弁30は、アクチュエータ通路(61、62)を遮断状態にする。
[作動1e]方向切換弁30は、タンク通路45を遮断状態にする。
[作動1f]その結果、アンロード通路(41、42)がタンクに接続された場合に、第1ポンプ及び第2ポンプから吐出される作動油は、アンロード通路(41、42)を通り、タンクに戻される状態となる。アクチュエータ通路(61、62)がアクチュエータに接続された場合に、第1ポンプ及び第2ポンプから吐出される作動油は、方向切換弁30からアクチュエータに供給されない状態となる。
【0102】
(第1作動位置30b)
切換位置が第1作動位置30bのときの方向切換弁30は、アクチュエータ通路(61、62)に対する作動油の供排をする状態となる。方向切換弁30の切換位置が第1作動位置30bのとき、方向切換弁30は、次のように作動する。
[作動2a]方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを、第1アンロード通路用ランド部により、遮断状態または絞り状態にする。
[作動2b]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを、第3アンロード通路用ランド部により、遮断状態または絞り状態にする。
[作動2c]方向切換弁30は、第1ブリッジ通路53a(ブリッジ通路53)と、第1アクチュエータ通路61と、を接続状態にする。
[作動2d]方向切換弁30は、第2ブリッジ通路53bを遮断状態にする。
[作動2e]方向切換弁30は、第2アクチュエータ通路62とタンク通路45とを接続状態にする。
[作動2f]その結果、第1ポンプ及び第2ポンプから吐出される作動油は、ブリッジ通路53に流れる状態となる。
[作動2g]ブリッジ通路53を流れる作動油は、第1アクチュエータ通路61を流れる状態となる。第1アクチュエータ通路61がアクチュエータに接続された場合に、第1アクチュエータ通路61を流れる作動油が、アクチュエータに供給される状態となる。アクチュエータから排出される作動油は、第2アクチュエータ通路62を介して、タンク通路45を流れる状態になる。タンク通路45を流れる作動油は、タンクに戻る状態となる。
【0103】
(第2作動位置30c)
切換位置が第2作動位置30cのときの方向切換弁30は、アクチュエータ通路(61、62)に対する作動油の供排をする状態となる。方向切換弁30の切換位置が第2作動位置30cのとき、方向切換弁30は、次のように作動する。
[作動3a]方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、遮断状態または絞り状態にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを、第3アンロード通路用ランド部により、遮断状態または絞り状態にする。
[作動3b]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを、第2アンロード通路用ランド部により、遮断状態または絞り状態にする。
[作動3c]方向切換弁30は、第2ブリッジ通路53b(ブリッジ通路53)と、第2アクチュエータ通路62と、を接続状態にする。
[作動3d]方向切換弁30は、第1ブリッジ通路53aを遮断状態にする。
[作動3e]方向切換弁30は、第1アクチュエータ通路61とタンク通路45とを接続状態にする。
[作動3f]その結果、第1ポンプ及び第2ポンプから吐出される作動油は、ブリッジ通路53に流れる状態となる。
[作動3g]ブリッジ通路53を流れる作動油は、第2アクチュエータ通路62を流れる状態となる。第2アクチュエータ通路62がアクチュエータに接続された場合に、第2アクチュエータ通路62を流れる作動油が、アクチュエータに供給される状態となる。アクチュエータから排出される作動油は、第1アクチュエータ通路61を介して、タンク通路45を流れる状態になる。タンク通路45を流れる作動油は、タンクに戻る状態となる。
【0104】
<ブリッジ通路に第1ポンプのみからの作動油が流れる構成の場合>
第1ポンプからの作動油のみが、ブリッジ通路53に流れるように、領域(201、202、401、402)において通路(101、102、301、302)が形成された場合には、方向切換弁30は、第1作動位置30bにおいて、以下のように作動する。
[作動2a−1]方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。
[作動2b−1]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、全開状態とする。
[作動2f−1]第1ポンプから吐出される作動油は、ブリッジ通路53に流れる状態となる。
方向切換弁30は、第2作動位置30cにおいて、以下のように作動する。
[作動3a−1]方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。
[作動3b−1]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、全開状態とする。
[作動3f−1]第1ポンプから吐出される作動油は、ブリッジ通路53に流れる状態となる。
【0105】
その他の構成は、ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れる構成の場合と、同様である。
【0106】
<ブリッジ通路に第2ポンプのみからの作動油が流れる構成の場合>
第2ポンプからの作動油のみが、ブリッジ通路53に流れるように、領域(201、202、401、402)において通路(101、102、301、302)が形成された場合には、方向切換弁30は、第1作動位置30bにおいて、以下のように作動する。
[作動2a−2]方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、全開状態とする。
[作動2b−2]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。
[作動2f−2]第2ポンプから吐出される作動油は、ブリッジ通路53に流れる状態となる。
方向切換弁30は、第2作動位置30cにおいて、以下のように作動する。
[作動3a−2]方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、全開状態とする。
[作動3b−2]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、遮断状態または絞り状態(図示省略)にする。
[作動3f−2]第2ポンプから吐出される作動油は、ブリッジ通路53に流れる状態となる。
【0107】
その他の構成は、ブリッジ通路53に第1ポンプ及び第2ポンプの両方からの作動油が流れる構成の場合と、同様である。
【0108】
上述の構成によれば、第1パラレル用領域201、第2パラレル用領域202、第1タンデム用領域401及び第2タンデム用領域402の中から、通路(101、102、301、302)を選択的に1つまたは複数形成することができる。これにより、ポンプ(第1ポンプ、第2ポンプ)とブリッジ通路53とを接続する複数種類のパターンを形成することができる。そして、スプール80は、その位置によって、ブリッジ通路53とアクチュエータ通路(61、62)との接続及び遮断を切り換える。これにより、選択的に形成された通路(101、102、301、302)に応じた複数種類の通路パターンで、ポンプからブリッジ通路53に作動油を供給することが可能となる。よって、この方向切換弁30によれば、第1パラレル用領域201、第2パラレル用領域202、第1タンデム用領域401及び第2タンデム用領域402の中から、通路(101、102、301、302)を選択的に1つまたは複数形成することにより、ポンプからアクチュエータに作動油を供給するための複数種類の通路パターンを、選択的に形成できる。
【0109】
また、第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成された場合に、ブリッジ通路53から第1パラレル通路101への作動油の逆流を防ぐチェック弁71が設けられているので、油圧回路において適切に作動油を通流させることができる。また、例えば第1パラレル用領域201に形成された第1パラレル通路101が不要となった場合、ブリッジ通路53と第1パラレル通路101との連通を遮断する盲栓を規制部材として設けることができる。この場合、方向切換弁30における、ポンプからアクチュエータに作動油を供給するための通路パターンを、異なる通路パターンに切り換えることができる。第2規制部材領域712、第3規制部材領域713及び第4規制部材領域714も、第1規制部材領域711と同様である。
【0110】
方向切換弁30においてポンプからアクチュエータに作動油を供給するための複数種類の通路パターンを、選択的に形成した例を以下に説明する。
【0111】
図8は、通路パターンが形成された上述の方向切換弁30(30A、30B)が複数適用された建設機械用油圧回路1(以下、油圧回路1と記す)の回路図を示す。油圧回路1は、建設機械(図示省略)に用いられる油圧回路である。建設機械は、建設作業を行うための機械(油圧システム)である。建設機械は、例えば油圧ショベルである。油圧回路1は、作動流体供給源として働くポンプ(11、12)と、タンク15と、アクチュエータ20(20A、20B)と、通路パターンが形成された方向切換弁30(30A、30B)と、を備える。
【0112】
ポンプ(11、12)は、油(圧油、作動油)を吐出する油圧ポンプであり、方向切換弁30(30A、30B)の複数の供給通路(第1供給通路51、第2供給通路52、第1アンロード通路41に接続される第1タンデム通路301、及び第2アンロード通路42に接続される第2タンデム通路302)に連通する。ポンプ(11、12)は、容量可変型である。ポンプ(11、12)では、例えば斜板の傾転角が変わることで容量が変わり、容量が変わると吐出量(入力軸1回転あたりの作動油の吐出量)が変わる。ポンプ(11、12)は、2つのポンプで構成される。ポンプ(11、12)は、第1ポンプ11と、第2ポンプ12と、を備える。ポンプ(11、12)は、例えばスプリットポンプである。スプリットポンプは、1つの入力軸により、複数のポンプ(第1ポンプ11及び第2ポンプ12)が駆動されるポンプである。スプリットポンプでは、第1ポンプ11と第2ポンプ12とが一体的に構成される。スプリットポンプでは、第1ポンプ11の吐出量と第2ポンプ12の吐出量とが等しい。なお、ポンプ(11、12)は、スプリットポンプでなくてもよい。第1ポンプ11と第2ポンプ12とは、別体でもよい。第1ポンプ11の入力軸と第2ポンプ12の入力軸とは、共通でもよく、共通でなくてもよい。第1ポンプ11の吐出量と第2ポンプ12の吐出量とは、同一でもよく、相違してもよい。
【0113】
タンク15は、作動油を貯留する。タンク15は、ポンプ(11、12)に作動油を供給する。タンク15には、ポンプ(11、12)から吐出され、アクチュエータ20を通った作動油が戻される。タンク15には、ポンプ(11、12)から吐出され、アクチュエータ20を通らない作動油が戻される。
【0114】
アクチュエータ20は、建設機械を作動させる。アクチュエータ20は、方向切換弁30(30A、30B)のアクチュエータ通路(61、62)に連通しており、ポンプ(11、12)から作動油が供給されることにより駆動する油圧アクチュエータである。アクチュエータ20は、第1ポンプ11及び第2ポンプ12の少なくとも一方から作動油が供給されることで駆動する。建設機械が油圧ショベルの場合、アクチュエータ20の用途には、走行用、旋回用、バケット回動用、アーム起伏用、及びブーム起伏用などがある。
【0115】
図8中のアクチュエータ20Aは、一例として、ブームに対してアームを起伏(上げ下げ、回動)させるための油圧シリンダ(アーム用シリンダ)である。アクチュエータ20Bは、一例として、下部走行体に対して上部旋回体を旋回させるための油圧モータ(旋回用モータ)である。アクチュエータ20A及びアクチュエータ20Bのそれぞれは、第1ポート21及び第2ポート22を有する。第1ポート21及び第2ポート22は、アクチュエータ20に対する作動油の供排口(供給口及び排出口)である。第1ポート21に作動油が供給され、かつ、第2ポート22から作動油が排出されることにより、アクチュエータ20は一方側に作動する。具体的には例えば、油圧シリンダが伸びる、また例えば、油圧モータ(図示省略)が一方側に回転する。第2ポート22に作動油が供給され、かつ、第1ポート21から作動油が排出されることにより、アクチュエータ20は他方側(上記「一方側」とは逆側)に作動する。具体的には例えば、油圧シリンダが縮む、また例えば、油圧モータが他方側に回転する。
【0116】
油圧回路1では、それぞれ異なる通路パターンが形成された方向切換弁30(30A、30B)が適用されている。方向切換弁30Aは、第1ポンプ11及び第2ポンプ12とアクチュエータ20Aとの間に配置され、第1ポンプ11及び第2ポンプ12とアクチュエータ20Aとに接続されている。方向切換弁30Aは、タンク15に接続されている。方向切換弁30Bは、第1ポンプ11及び第2ポンプ12とアクチュエータ20Bとの間に配置され、第1ポンプ11及び第2ポンプ12とアクチュエータ20Bとに接続されている。方向切換弁30Bは、タンク15に接続されている。
【0117】
方向切換弁30Aは、第1ポンプ11及び第2ポンプ12と、タンク15との間において、方向切換弁30Bよりも下流側に配置されている。方向切換弁30Aは、方向切換弁30Bのアンロード通路(41、42)を介して第1ポンプ11及び第2ポンプ12に接続されている。方向切換弁30Bは、方向切換弁30Aのアンロード通路(41、42)を介してタンク15に接続されている。
【0118】
方向切換弁30Aでは、第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成され、第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成され、第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成され、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成されている。したがって、第1ポンプ11及び第2ポンプ12から吐出される作動油を、4つの通路(101、102、301、302)からブリッジ通路53を介してアクチュエータ20Aに供給することが可能となっている。
【0119】
方向切換弁30Aでは、第1規制部材領域711に第1通過孔701が形成され、第2規制部材領域712に第2通過孔702が形成され、第3規制部材領域713に第3通過孔703が形成され、第4規制部材領域714に第4通過孔704が形成されている。第1通過孔701には、ブリッジ通路53から第1パラレル通路101への作動油の逆流を防ぐチェック弁71の少なくとも一部が設けられている。第2通過孔702には、ブリッジ通路53から第2パラレル通路102への作動油の逆流を防ぐチェック弁72の少なくとも一部が設けられている。第3通過孔703には、ブリッジ通路53から第1タンデム通路301への作動油の逆流を防ぐチェック弁73の少なくとも一部が設けられている。第4通過孔704には、ブリッジ通路53から第2タンデム通路302への作動油の逆流を防ぐチェック弁74の少なくとも一部が設けられている。
【0120】
ここで、チェック弁71、チェック弁72、チェック弁73、及びチェック弁74では、それぞれで絞り量を異なるように設定することで、各通路(101、102、301、302)からブリッジ通路53への作動油の供給の優先度を調整することができる。
【0121】
通路(101、102、301、302)の形成は、例えば切削加工で行われる。同様に、通過孔(701〜704)の形成は、例えば切削加工で行われる。本実施の形態の構成では、第1パラレル通路101及び第2パラレル通路102は、第1通過孔701及び第2通過孔702が弁本体31の外部から工具で形成された後に、これらの第1通過孔701及び第2通過孔702を介して、工具によって形成される。また第1タンデム通路301及び第2タンデム通路302も、第3通過孔703及び第4通過孔704が弁本体31の外部から工具で形成された後に、これらの第3通過孔703及び第4通過孔704を介して、工具によって形成されてもよい。
【0122】
一方、方向切換弁30Bでは、第1パラレル用領域201に第1パラレル通路101が形成されているが、第2パラレル用領域202に第2パラレル通路102が形成されていない。また方向切換弁30Bでは、第1タンデム用領域401に第1タンデム通路301が形成されているが、第2タンデム用領域402に第2タンデム通路302が形成されていない。したがって、第1ポンプ11のみから吐出される作動油を、2つの通路(101、301)からブリッジ通路53を介してアクチュエータ20Bに供給することが可能となっている。
【0123】
方向切換弁30Bでは、第1規制部材領域711に第1通過孔701が形成されているが、第2規制部材領域712に第2通過孔702が形成されていない。また方向切換弁30Bでは、第3規制部材領域713に第3通過孔703が形成されているが、第4規制部材領域714に第4通過孔704が形成されていない。第1通過孔701には、ブリッジ通路53から第1パラレル通路101への作動油の逆流を防ぐチェック弁71が設けられている。第3通過孔703には、ブリッジ通路53から第1タンデム通路301への作動油の逆流を防ぐチェック弁73が設けられている。通路(101、301)の形成は、例えば切削加工で行われる。同様に、通過孔(701、703)の形成は、例えば切削加工で行われる。
【0124】
上述のように、本実施形態に係る方向切換弁30(30A、30B)によれば、第1パラレル用領域201、第2パラレル用領域202、第1タンデム用領域401及び第2タンデム用領域402の中から、通路(101、102、301、302)を選択的に1つまたは複数形成することにより、ポンプからアクチュエータに作動油を供給するための複数種類の通路パターンを、選択的に形成できる。方向切換弁30は、図面に示した例以外の他の通路パターンを形成できる。例えば、第2パラレル通路102のみを形成した場合には、第2ポンプ12のみからの作動油を、1つの通路からブリッジ通路5
3を介してアクチュエータに供給する通路パターンを形成可能である。
【0125】
以上説明したように、複数の規制部材(チェック弁(71〜74)等)が通過可能な複数の通過孔(701〜704)を弁本体31の同一面において開口させることで、複数の規制部材のメンテナンス及び各種サービスを容易に行うことができる。特に、弁本体31のうちアクチュエータ通路(61、62)が開口する面と、同じ面において複数の通過孔(701〜704)を開口させることで、複数の規制部材のメンテナンス及び各種サービスをより一層容易に行うことができる。
【0126】
なお規制部材のサービスには、例えば2つの通路間での作動油の逆流を防止するためのチェック弁(71〜74)を設けたり、2つの通路間の連通を遮断する盲栓を設けたりすることが含まれる。これにより、規制部材(チェック弁(71〜74)や盲栓等)の種々の選択が可能であり、種々の所望回路を構成できる。また上述の実施形態では作動流体として油(作動油)が用いられているが、油以外の流体(液体及び気体を含む)が作動流体として用いられてもよい。
【0127】
また複数の通過孔(701〜704)を同一直線上には配置しないことで、複数の通過孔(701〜704)及び当該複数の通過孔(701〜704)を介して設置される規制部材(チェック弁(71〜74)や盲栓等)を密集配置することができ、方向切換弁30(特に弁本体31)の小型化が可能になる。
【0128】
このような複数の通過孔(701〜704)及び規制部材の配置は、ブリッジ通路に接続可能な複数の供給通路の機能(接続方式)が異なるケースであっても適用可能であり、複数の供給通路が例えばパラレル方式の通路及びタンデム方式の通路を含んでいてもかまわない。
【0129】
本発明は、上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形が加えられた各種態様も含みうるものであり、本発明によって奏される効果も上述の事項に限定されない。したがって、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲及び明細書に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。