(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の面に並列に複数のプリズムが形成され、他方の面に入射した光を斜め方向に出射するプリズム板と、前記プリズム板の一方の面側に配置され、前記プリズム板との間に気体を封止する透明板と、を備えたプリズム構造体と、
前記プリズム構造体に設けられ、腕時計の本体に引っ掛ける爪と、
を有する、腕時計用プリズム構造体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示板では、視野角に制限があるため、液晶表示板の正面からは表示が見易いが、斜め方向からでは表示が薄く見える等して、表示内容が読み取り難くなるという問題がある。このため、腕時計を装着しているユーザーは、液晶表示板の正面が顔に向くように、腕を回転させ、時刻等の表示を見る動作をする必要がある。
しかしながら、ランニング中や、潜水中においては、腕を回転させる(又はひねる)動作は特に煩わしく感じるものであり、何らかの対策が求められていた。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、液晶表示板の表示の斜め方向からの視認性を
向上させる腕時計用プリズム構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の
腕時計用プリズム構造体は、一方の面に並列に複数のプリズムが形成され、他方の面に入射した光を斜め方向に出射するプリズム板と、前記プリズム板の一方の面側に配置され、前記プリズム板との間に気体を封止する透明板と
、を備えたプリズム構造体と、前記プリズム構造体に設けられ、腕時計の本体に引っ掛ける爪と、を有する。
【0007】
請求項1に記載の
腕時計用プリズム構造体では、
プリズム構造体を構成するプリズム板の他方の面から入射した光は、プリズム板の一方の面に並列に形成したプリズムと空気との屈折率の違いから斜め方向に出射し、その後、透明板を透過する。
【0008】
このプリズム構造体のプリズム板の他方の面を、例えば、液晶表示板の正面に配置すると、プリズム板に対して垂直に入射してプリズム板を透過した液晶表示板の表示の光は、プリズム板と透明板との間に封止された気体との屈折率の違いにより、液晶表示板の板面に対して垂直な方向に対して傾斜した方向に向かう。このため、光の出射方向側からプリズム構造体を見たとき、即ち、液晶表示板の斜め方向からプリズム構造体を見たときに、液晶表示板の表示が正面から見たときの様に見易くなり、液晶表示板の表示の斜め方向からの視認性を向上することができる。
【0009】
また、プリズム板のプリズムの形成された面側に透明板が配置され、透明板の外周部分とプリズム板の外周部分とが接合されているので、プリズム板と透明板との間に水や汚れの原因となる異物が浸入することが防止される。例えば、プリズムに水が付着すると、付着した水によって屈折率が小さくなり、液晶表示板の表示が見難くなるが、請求項1の
腕時計用プリズム構造体のプリズム構造体では、プリズムに水が付着しない構造とされているので、液晶表示板の表示が見難くなることを抑制できる。
また、請求項1に記載の腕時計用プリズム構造体では、プリズム構造体に、腕時計の本体に引っ掛ける爪が設けられているため、プリズム構造体の爪を腕時計の本体に引っ掛けることで、プリズム構造体を腕時計の本体に簡単に取り付けることができる。また、正面からの読み取りが必要な場合には、簡単に取り外すことができる。
請求項2に記載の腕時計用プリズム構造体は、一方の面に並列に複数のプリズムが形成され、他方の面に入射した光を斜め方向に出射するプリズム板と、前記プリズム板の一方の面側に配置され、前記プリズム板との間に気体を封止する透明板と、を備えたプリズム構造体と、前記プリズム構造体に設けられ、腕時計に設けられたベルトを通すベルト挿通部と、を有する。
請求項2に記載の腕時計用プリズム構造体は、ベルト挿通部に、腕時計のベルトを通すことで、腕時計用プリズム構造体を腕時計に取り付けることができる。また、正面からの読み取りが必要な場合には、簡単に取り外すことができる。
請求項3に記載の腕時計用プリズム構造体は、一方の面に並列に複数のプリズムが形成され、他方の面に入射した光を斜め方向に出射するプリズム板と、前記プリズム板の一方の面側に配置され、前記プリズム板との間に気体を封止する透明板と、を備えたプリズム構造体と、前記プリズム構造体に設けられ、前記プリズム構造体の前記プリズム板を腕時計のカバーガラスに貼り付ける透明な粘着剤と、を有する。
請求項3に記載の腕時計用プリズム構造体は、粘着剤を腕時計のカバーガラスに貼り付けることで、腕時計用プリズム構造体を腕時計のカバーガラスに取り付けることができる。また、粘着剤は透明であり、表示の光が透過するので、腕時計用プリズム構造体を腕時計に取り付けても、表示を鮮明に見ることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の腕時計用プリズム構造体において、前記プリズム板の外周部分と前記透明板の外周部分とが、シール部材で接合されている。
【0011】
請求項4に記載の腕時計用プリズム構造体によれば、プリズム板の外周部分と透明板の外周部分とが、シール部材で接合されることで、プリズム板と透明板との間を密閉でき、プリズム板と透明板との間に水や汚れ等が浸入することを防止できる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の腕時計用プリズム構造体において、前記プリズム板の前記プリズムの頂部と前記透明板との間に隙間が設けられている。
【0013】
請求項5に記載の腕時計用プリズム構造体によれば、プリズム板のプリズムの頂部と透明板との間に隙間が設けられているため、プリズムと透明板とを離間させることができる。これにより、プリズム板、または透明板が圧力によって多少湾曲したとしても、プリズムの頂部が透明板に押圧されて押し潰され、線状の視野の欠損が発生することを抑制できる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の腕時計用プリズム構造体において、前記透明板、および前記プリズム板の少なくとも一方に、反射防止加工が施されている。
【0015】
請求項6に記載の腕時計用プリズム構造体によれば、透明板、およびプリズム板の少なくとも一方に反射防止加工が施されているので、プリズム構造体を透過して目に届く光の量が増え、視認性を向上することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の腕時計用プリズム構造体において、前記透明板、および前記プリズム板の少なくとも一方に、偏光加工が施されている。
【0017】
請求項7に記載の腕時計用プリズム構造体によれば、透明板、およびプリズム板の少なくとも一方に偏光加工が施されているので、液晶表示板で反射した不要な反射光が偏光加工された部分で吸収され、視認性を向上することができる。
【0018】
請求項8に記載の腕時計用プリズム構造体は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のプリズム構造体が複数積層されている。
【0019】
請求項8に記載の腕時計用プリズム構造体では、プリズム構造
体が複数積層されているので、プリズム構造体が1枚の場合に比較して、光の曲がる角度を大きくすることができる。これにより、より斜め方向からの視認が可能となる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の腕時計用プリズム構造体において、前記プリズム構造体が2枚積層されており、一方の前記プリズム構造体に対して、他方の前記プリズム構造体は傾斜している。
【0021】
請求項8に記載の腕時計用プリズム構造体において、
2枚積層されたプリズム構造体のうちの一方のプリズム構造体に対して、他方のプリズム構造体を傾斜させると、一方のプリズム構造体に対して他方のプリズム構造体を傾斜させない場合、言い換えると、一方のプリズム構造体と他方のプリズム構造体とを平行にした場合に比較して、光の曲がる角度を大きくすることができる。これにより、さらに斜め方向からの視認が可能となる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように
本発明の腕時計用プリズム構造体によれば、液晶表示板の表示の斜め方向からの視認性を向上できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す一部を断面とした斜視図である。
【
図3】腕時計に装着した第1の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す斜視図である。
【
図5】腕に装着した第1の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を装着した腕時計を示す斜視図である。
【
図6】第2の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す斜視図である。
【
図7】(A)は第3の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す斜視図であり、(B)は第3の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す断面図である。
【
図8】(A)は第4の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す断面図であり、(B)は、圧力が作用して透明板が変位した状態を示す腕時計用プリズム構造体を示す断面図である。
【
図9】第5の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す断面図である。
【
図10】第6の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す断面図である。
【
図11】第6の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体を示す斜視図である。
【
図12】他の実施形態に係るプリズム構造体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1の実施形態]
図1〜
図5を用いて、本発明の第1の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体10について説明する。
図1に示すように、本実施形態の腕時計用プリズム構造体10は、略円板状のプリズム構造体12を備え、プリズム構造体12の外周部分には、腕時計14のベルト16を挿通する一対のベルト挿通部18が設けられている。この腕時計14は、時刻等を表示する液晶表示板20を備えている。
【0031】
図2に示すように、プリズム構造体12は、プリズム板22と、透明板24と、シール部材26とを含んで構成されている。
【0032】
本実施形態のプリズム板22は、腕時計14の本体形状に合わせて略円形に形成されている。プリズム板22は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明の合成樹脂で形成された平板状のものであって、一方の面は断面三角形とされ一方向に延びる複数のプリズム28が形成されたプリズム面28Aとされ、他方の面は平坦な平坦面30とされている。プリズム板22は、平坦面30側から入射した光L1を屈折透過させ、プリズム面28A側から入射方向と異なる方向に向きを変えて出射するものであり、構造としては公知のものである。
【0033】
本実施形態では、プリズム板22の外周部分にベルト挿通部18が設けられている。ベルト挿通部18は、プリズム板22と別体で形成されてプリズム板22に接着等されているものであってもよく、プリズム板22と一体成形されているものであってもよい。
【0034】
透明板24は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明の合成樹脂で形成された平板状のものであって、プリズム板22と同様に略円形に形成されている。透明板24は、プリズム板22のプリズム面28A側に、プリズム板22と平行に配置されている。
【0035】
プリズム板22のプリズム面28A側には、外周側に環状の平面であるシール部材取付面32が形成されている。プリズム板22のシール部材取付面32と透明板24との間には、合成樹脂製の環状のシール部材26が配置されており、シール部材26がプリズム板22と透明板24とに接着剤等で接着されて内部が密閉されている。これにより、プリズム板22と透明板24との間に、水や異物等の進入が入ることが阻止される。なお、プリズム構造体12の内部には、乾燥した空気を充填することが好ましい。これにより、温度変化によってプリズム構造体12の内部が曇ることを抑制できる。
【0036】
なお、本実施形態のシール部材26は、その厚さ寸法が、プリズム板22のプリズム28の高さ寸法と同一寸法とされており、プリズム28の頂部が透明板24に接触している。
【0037】
(作用、効果)
次に、本実施形態の腕時計用プリズム構造体10の使用方法を説明する。
本実施形態の腕時計用プリズム構造体10は、
図1の矢印で示すように、腕時計14のベルト16をベルト挿通部18に挿通して、
図3に示すように、プリズム構造体12を腕時計14の本体正面に配置する。
【0038】
図2に示すように、液晶表示板20から出射して、液晶表示板20に対して垂直方向に向かう光(時刻等の表示の光)L1は、プリズム構造体12のプリズム板22に入射し、プリズム板22から出射する光L2は、プリズム板22に入射する光L1に対して向きが変わる。言い換えれば、プリズム板22から出射する光L2は液晶表示板20に対して垂直な方向に対して傾斜した方向に向かう。
【0039】
図4は、腕時計14を装着した被装着者が、腕時計14を見たときの様子を示しており、腕を胸の前付近で手前に軽く曲げ、腕時計14の表示を斜め下方側から見るような状態を示している。
【0040】
液晶表示板20は、視野角に制限があるため、液晶表示板20を正面から見たときには、表示が鮮明に見える(液晶表示板20の地と文字とのコントラストが大)が、
図4に示すように、表示を斜め方向から見ると、角度が大きくなるにつれて表示が不鮮明に見え、場合によっては表示内容が判別不可能になる場合がある。即ち、
図4に示すように、腕時計14の表示を斜め下方側から見るような状態は、腕時計14の表示が顔の正面を向くように腕を大きく回転しないので姿勢としては楽であるが、表示が薄く見える等して視認性が低下する場合がある。
【0041】
しかしながら、
図5に示すように、本実施形態の腕時計用プリズム構造体10を腕時計14に装着すれば、腕時計14の表示を斜め下方側から見るような状態であっても、
図2に示すように、液晶表示板20から垂直方向に向かう光(時刻等の表示の光)L1は、プリズム板22で向きが変えられ、プリズム板22から出射する光L2を被装着者の目の方向に向かわせることができる。したがって、液晶表示板20を正面から見たときの様に、表示を鮮明に見ることができ。即ち、本実施形態の腕時計用プリズム構造体10を腕時計14に装着することで、液晶表示板20の表示の斜め方向からの視認性を向上することができる。
【0042】
このように、本実施形態の腕時計用プリズム構造体10を腕時計14に装着することで、例えば、通常の使用時はもちろん、ランニングや潜水等の運動中においても、楽な姿勢で腕時計14の液晶表示板20の表示内容を鮮明に見ることが可能となる。
【0043】
また、プリズム構造体12は、プリズム面28Aが外部に露出していないので、プリズム面28Aに水や汚れが付着せず、プリズム効果が阻害されることを抑制できる。したがって、腕時計用プリズム構造体10を雨天のランニングや、潜水に用いても、腕時計14の表示を鮮明に見ることができる。
【0044】
[第2の実施形態]
図6を用いて、本発明の第2の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体34について説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の腕時計用プリズム構造体34は、プリズム構造体12の外周部分に、腕時計14の本体14Aに引っ掛けるための一対の爪36が形成されている。
本実施形態の腕時計用プリズム構造体34は、一対の爪36で腕時計14の本体14Aを挟むことで、腕時計14の本体14Aに簡単に取り付けることができる。
[第3の実施形態]
図7を用いて、本発明の第3の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体38について説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図7(B)に示すように、本実施形態の腕時計用プリズム構造体38は、プリズム構造体12のプリズム板22の外面に、シート状の透明な粘着剤40が設けられている。
本実施形態の腕時計用プリズム構造体38は、粘着剤40を腕時計14のカバーガラス14Bに貼り付けることで、腕時計用プリズム構造体38を腕時計14に簡単に取り付けることができる。
【0045】
[第4の実施形態]
図8を用いて、第4の実施形態に係るプリズム構造体42について説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0046】
図8(A)に示すように、本実施形態のプリズム構造体42は、第1の実施形態のプリズム構造体12よりもシール部材26の厚みが厚く形成されている。プリズム板22と透明板24との間には、プリズム板22のプリズム28の高さ寸法h以上の厚さ寸法tを有する空気層37が設けられており、透明板24はプリズム28の頂部から離間している。
【0047】
また、本実施形態で用いる透明板24は、シール部材26と接着されている部分の内周側に、断面形状が半円形状とされた弾性変形部24Aが周方向に連続して形成されている。このため、例えば、腕時計14が潜水に供され、透明板24が水圧を受けた際には、
図8(B)に示すように、弾性変形部24Aが弾性変形して弾性変形部24Aの内側部分24Bをプリズム板22側へ平行に移動させることができる。受けた水圧が比較的小さい場合には、透明板24がプリズム28の頂部に当ることはない。このため、プリズム28の頂部が透明板24に押圧されて押し潰され、線状の視野の欠損が発生することを抑制できる
【0048】
一方、受ける水圧が比較的大きく、透明板24がプリズム28に接触するような場合でも、透明板24の内側部分24Bはプリズム板22側へ平行に移動するので、透明板24を複数のプリズム28の頂部に均等に接触させることができる。このため、透明板24が特定のプリズム28に対して局所的に強く当たることは抑制され、特定のプリズム28が損傷する虞が無い。
【0049】
なお、プリズム板22及び透明板24の材質、厚さ、面積、形状、プリズム板22と透明板24との間隔等は、使用する環境の条件(水圧等)によって、適宜設計変更されるものである。
【0050】
[第5の実施形態]
図9を用いて、多層プリズム構造体44について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0051】
図9に示すように、本実施形態の多層プリズム構造体44は、プリズム板22が2枚積層されている。これにより、多層プリズム構造体44に入射する光L1は、2枚のプリズム板22を透過することで、2枚のプリズム板22を通って出射する光L2は、1枚のプリズム板22を通って出射する場合に比較して、出射する方向を大きく偏向することができる。
【0052】
このため、プリズム板22が1枚の場合に比較して、より斜め方向から表示を鮮明に見ることができる。
【0053】
[第6の実施形態]
図10、及び
図11を用いて、第6の実施形態に係る腕時計用プリズム構造体46について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の腕時計用プリズム構造体46では、2枚のプリズム構造体12が用いられている。ベルト挿通部18の設けられた一方のプリズム構造体12の一端部分と、他方のプリズム構造体12の一端部分とは、一例として弾性変形可能な合成樹脂からなるヒンジ部材48で連結されており、一方のプリズム構造体12に対して、他方のプリズム構造体12は、ヒンジ部材48を支点として揺動可能となっている。
【0054】
本実施形態では、一方のプリズム構造体12に対して他方のプリズム構造体12を揺動させて一方のプリズム構造体12と他方のプリズム構造体12とに角度θをつけることで、出射する光L2の方向を第5の実施形態よりも更に大きく偏向することができる。
【0055】
なお、第5の実施形態の様にプリズム構造体12を重ねたり、プリズム角度を大きくしても、50度以上の斜め方向からの視野を得ようとすると、空気層から屈折部材への光軸の入射角が全反射角を越えて光を反射してしまい、表示は見えない。
しかしながら、本実施形態のように、複数のプリズム構造体12を用いて外側のプリズム構造体12を傾斜させることで、より斜め方向からの視認性を確保することができる。
【0056】
なお、起した他方のプリズム構造体12を固定するために、一方のプリズム構造体12の他端部と他方のプリズム構造体12の他端部との間に、折り畳み可能な支柱50を配置してもよい。他方のプリズム構造体12を寝かす場合(一方のプリズム構造体12と重ねる場合)には、支柱50を折り畳めばよい。
【0057】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0058】
一例として、プリズム構造体12のプリズム板22、及び透明板24に、反射防止加工を施してもよい。反射防止加工を施すことによって、プリズム構造体12を透過して目に届く表示光の量が増え、視認性を向上することができる。反射防止加工としては、眼鏡レンズ、カメラのレンズ等に用いられているものを採用することができ、一例として、特開2008−233850号公報に記載のモス・アイ構造等を採用することができる。
【0059】
また、一例として、プリズム構造体12のプリズム板22、及び透明板24に、偏光加工を施してもよい。偏光加工を施すことにより、液晶表示板20で反射した不要な反射光が偏光加工された部分で吸収され、視認性を向上することができる。
【0060】
上記実施形態で用いたプリズム板22をフレネルレンズとしてもよく、これにより、表示を拡大してみることが可能となる。
【0061】
一例として、上記実施形態のプリズム構造体12は、プリズム板22と透明板24との間にシール部材26を配置してこれらを接着して一体化した構成であったが、例えば、
図12に示すように、プリズム板22のプリズム面28Aの外周部分に環状の突起52を一体的に形成し、突起52の頂部と透明板24とを超音波溶着してもよい。これにより、シール部材26が不要となり、部品点数が削減されると共に接着剤も不要となり、製造工程も簡略化できる。
【0062】
一例として、上記実施形態のプリズム構造体12は、透明板24がプリズム板22よりも薄かったが、透明板24をプリズム板22の厚さと同等以上としてもよい。
【0063】
上記実施形態では、プリズム構造体12を腕時計14の液晶表示板20の視認性を向上させるために用いたが、プリズム構造体12は、腕時計14以外の液晶表示板を備えた表示装置に用いることができる。表示装置としては、一例として、電子コンパス、GPS、活動量計、水深計、ダイブコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、コンピュータのモニター、テレビ等を挙げることができるが、その他のものであってもよい。