(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非リアルタイム処理装置は、前記中継装置から受信した前記中継用信号に含まれる前記一連番号情報に基づいて、前記非リアルタイム処理として、前記イベント情報が記録された通行券を、前記一連番号情報に示される順に発行指令を出力する
請求項3に記載の料金収受システム。
前記非リアルタイム処理装置は、前記中継装置から受信した前記中継用信号に含まれる前記一連番号情報に基づいて、前記イベント情報の伝送ロスが発生したか否かを判定するとともに、伝送ロスが発生したと判定した場合には、前記料金所の係員に対する警報処理を行う
請求項4に記載の料金収受システム。
有料道路における料金所から離れた遠隔地に設置され、当該料金所の車線又は料金所事務所に設置された複数の車線機器との通信を介して、前記料金所における車両の走行、又は、料金収受用の手続きとの同期を要しない非リアルタイム処理を実行する非リアルタイム処理装置であって、
前記料金所に設置され前記車線機器と前記非リアルタイム処理装置との通信を中継する中継装置から、前記車線機器が出力したイベント情報と、当該イベント情報が発生した時刻を示す時刻情報と、を含む中継用信号を受信し、
当該中継用信号に含まれる前記イベント情報と、前記時刻情報と、に基づいて前記非リアルタイム処理を実行する
非リアルタイム処理装置。
有料道路における料金所から離れた遠隔地に設置され、当該料金所の車線又は料金所事務所に設置された複数の車線機器との通信を介して、前記料金所における車両の走行、又は、料金収受用の手続きとの同期を要しない非リアルタイム処理を実行する非リアルタイム処理装置であって、
前記料金所に設置され前記車線機器と前記非リアルタイム処理装置との通信を中継する中継装置から、前記車線機器が出力したイベント情報と、当該イベント情報が出力された順番を示す一連番号情報と、を含む中継用信号を受信し、
当該中継用信号に含まれる前記イベント情報と、前記一連番号情報と、に基づいて前記非リアルタイム処理を実行する
非リアルタイム処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る料金収受システムについて、
図1〜
図16を参照しながら説明する。
【0020】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、料金収受システム9は、複数の料金所1と、複数の集約料金所2と、遠隔管理局3と、を備えている。
【0021】
料金所1は、有料道路(高速道路)のインターチェンジ(IC)等に設けられた入口料金所、出口料金所である。
図1に示すように、料金所1は、車線10と、料金所事務所11と、を有してなる。
車線10は、料金所ゲートに敷設された一つ又は複数の車線(レーン)である。料金所1は、当該車線10を走行する車両の一台一台に対し、実際に料金収受処理(入口ゲートにおける通行券発行処理を含む)を行う。
料金所事務所11は、料金所1の係員(監視員)が待機して、車線10の監視業務、特定の利用者に対する特別処理業務(例えば、通行券の紛失対応処理、請求額の訂正処理)などを行う。
複数の料金所1は、広域通信ネットワークNを介して、集約料金所2と通信可能に接続されている。ここで、広域通信ネットワークNは、例えば、公衆に利用可能なインターネット回線でもよいし、道路事業者によるプライベートな通信回線であってもよい。また、広域通信ネットワークNは、有線接続のみによるものであってもよいし、一部または全部に無線(例えば、移動体通信システム)を利用したものであってもよい。
【0022】
集約料金所2は、料金所1から離れた遠隔地に設置される。集約料金所2は、広域通信ネットワークNを介して、複数の料金所1と通信可能に接続され、当該複数の料金所1に対する各種処理機能が集約されてなる仮想化基盤(後述する集約料金所装置20)を保有する設備である。
なお、集約料金所2は、隣接する2乃至3箇所の料金所のうち、最も規模の大きい料金所が集約料金所を兼ねることが多く、料金所1との距離は平均的に5km程度離れている。
図1に示すように、第1の実施形態においては、複数の集約料金所2の各々は、それぞれ異なる複数の料金所1の組と接続される。
【0023】
遠隔管理局3は、広域通信ネットワークNを介して、複数の集約料金所2と通信可能に接続されている。遠隔管理局3は、一の道路事業者が管轄する有料道路区間の料金収受に係る集計処理結果などが集約される。また、後述するように、遠隔管理局3は、特定の料金所1を遠隔で監視する機能を有している。
【0024】
(料金収受システムの機能構成)
図2〜
図4は、それぞれ、第1の実施形態に係る料金収受システムの機能構成を示す第1〜第3の図である。
【0025】
図2は、料金所1の車線10のうち、入口ゲートに設置された入口有人車線10a及び入口無人車線10bの機能構成を示している。
入口有人車線10a及び入口無人車線10bは、一般道路から有料道路に進入する車両に対して必要な処理(具体的には、通行券の発行処理)を行うための車線である。
入口有人車線10aは、車線路側に有人ブースが設けられている車線であって、当該有人ブースに待機する係員が、到来した車両(利用者)に向けて通行券を発行して手渡しする。他方、入口無人車線10bは、車線路側に通行券自動発行機100b(後述)が設けられている車線であって、到来した利用者は、通行券自動発行機100bから自動発行された通行券を受け取る。
【0026】
図2に示すように、入口有人車線10aは、入口車線制御装置100aと、通行券発行端末101aと、信号灯101bと、退出車両検知装置101cと、発進制御機101dと、を有している。
【0027】
入口車線制御装置100aは、入口有人車線10aに設置され、当該入口有人車線10aに対する車線制御処理のうちの一部の処理(リアルタイム処理(後述))を実行する。入口車線制御装置100aは、同じく入口有人車線10aに設置された通行券発行端末101a、信号灯101b、退出車両検知装置101c及び発進制御機101dと通信可能に接続されている。
なお、上述の「車線(入口有人車線10a)に設置された」との文言は、当該車線の路側、上空、路面下を含む周辺に設置されていることの意味を含むものとする。また、以下の説明についても同様とする。
【0028】
通行券発行端末101aは、有人ブースに待機する係員が操作する端末装置である。通行券発行端末101aには車種選択ボタンが設けられており、係員は、到来した車両の車種を目視で判断し、その判断結果に応じた車種選択ボタンを押下する。通行券発行端末101aは、押下された車種選択ボタンに対応する車種情報を記録した通行券を発行する。
【0029】
信号灯101bは、“赤”又は“青”の発光を通じて、設置された車線10(入口有人車線10a)が利用可能か否かを車両(利用者)に通知する。
【0030】
退出車両検知装置101cは、車線10(入口有人車線10a)を走行する車両が当該車線10から退出したか否かを判定し、当該車両が車線10から退出したことを示す検知信号(退出検知信号)を出力する。例えば、退出車両検知装置101cは、車線10の退出方向側において路側一方側に設置された投光塔と路側他方側に設置された受光塔とからなり、投光塔から受光塔にかけて所定波長のセンサ光(例えば、赤外光)を常時投光している。車両が退出車両検知装置101cの設置位置(投光塔と受光塔との間)を横切る際、上記センサ光が車両に遮られて受光塔にて受光されなくなる。また、車両が退出車両検知装置101cの設置位置を完全に通り過ぎると、車両に遮られていたセンサ光が再び受光塔に投光される。退出車両検知装置101cは、センサ光が受光塔にて受光されなくなった後、再び受光されたことをもって、車両Aが車線10から退出したものと判断し、車両Aが退出したことを示す退出検知信号を出力する。
【0031】
発進制御機101dは、開閉バーの開閉により車線10を開放、閉塞することで、当該車線10を走行する車両の発進、停止を制御する。
【0032】
また、
図2に示すように、入口無人車線10bは、通行券自動発行機100bと、車種判別装置101eと、信号灯101bと、左ハンドル車用通行券発行機101fと、退出車両検知装置101cと、発進制御機101dと、車線監視カメラ101gと、を有している。
【0033】
通行券自動発行機100bは、入口無人車線10bに設置され、通行券の自動発行処理を行う他、当該入口無人車線10bに対する車線制御処理のうちの一部の処理(リアルタイム処理)を実行する。通行券自動発行機100bは、同じく入口無人車線10bに設置された車種判別装置101e、信号灯101b、左ハンドル車用通行券発行機101f、退出車両検知装置101c及び発進制御機101dと通信可能に接続されている。
【0034】
車種判別装置101eは、入口無人車線10bを走行する車両の車種を自動で判別する。例えば、車種判別装置101eは、ナンバープレート認識装置を通じて、走行する車両のナンバープレートを撮影するとともに、取得した撮影画像から抽出されたナンバープレート情報に基づいて車種を判別する。また、車種判別装置101eは、路面に設けられた踏板を通じて、車両の車軸数、トレッド等を計測するとともに、その計測結果に基づいて車種を判別するものであってもよい。
【0035】
左ハンドル車用通行券発行機101fは、通行券自動発行機100bが設置される路側とは反対側の路側に設けられ、左ハンドル車を運転する利用者に対して通行券を取得可能とする。左ハンドル車用通行券発行機101fは、利用者に対し通行券の発行を行うインタフェース部分のみをなすものである。
【0036】
信号灯101b、退出車両検知装置101c及び発進制御機101dについては、入口有人車線10aに設置されるものと同様である。
【0037】
また、車線監視カメラ101gは、入口無人車線10b(特に、通行券自動発行機100b周辺)を監視可能に取り付けられた撮影装置(カメラ)である。車線監視カメラ101gは、常時、入口無人車線10bを撮影し、そのリアルタイム映像を後述する料金所監視盤110bに送信する。
【0038】
次に、料金所事務所11の機能構成について説明する。
図2に示すように、料金所事務所11は、事務所処理装置110aと、料金所監視盤110bと、通行券確認端末111aと、カードリーダ111bと、処理明細発行機111cと、収受員カメラ111dと、中継装置112と、を備えている。
【0039】
事務所処理装置110aは、料金所事務所11内に設置され、当該料金所事務所11に駐在する係員の操作によって行われる事務所処理のうちの一部の処理(リアルタイム処理)を実行する。事務所処理装置110aは、同じく料金所事務所11内に設置された通行券確認端末111a、カードリーダ111b及び処理明細発行機111cと通信可能に接続されている。
【0040】
通行券確認端末111aは、料金所事務所11に待機する係員が操作する端末装置である。例えば、車線10にて発行された通行券に不備や誤りがあった場合等に、係員は、利用者を料金所事務所11に案内するとともに、当該通行券を通行券確認端末111aに通して、記録された各種情報(車種情報等)を確認する。
【0041】
カードリーダ111bは、特別処理として、当該料金所事務所11内で料金収受処理を行う際に用いられる。カードリーダ111bは、利用者が所持するICカード(クレジットカード等)の挿入を受け付けて、当該ICカードに対する料金収受処理情報(明細情報)の読み取り及び書き込みを行う。
【0042】
処理明細発行機111cは、通行券確認端末111a又はカードリーダ111bを通じて係員によって行われた処理の内容が記された処理明細書を発行する。発行された処理明細書は利用者に手渡され、例えば、当該利用者が利用する出口料金所等において、この料金所事務所11内で行われた特別処理(車種情報の変更処理など)を証明するものとして利用される。
【0043】
料金所監視盤110bは、料金所事務所に待機する監視員に用いられる監視盤であって、入口無人車線10b(及び、後述する出口無人車線10d)に対する監視処理のうちの一部の処理(リアルタイム処理)を実行する。監視員は、入口無人車線10b等でトラブルが生じた場合等に、料金所監視盤110bを通じて利用者と通話したり、一部の車線機器101を遠隔操作したりすることができる。
【0044】
収受員カメラ111dは、入口有人車線10aの有人ブースに待機する収受員を監視するための撮影装置(カメラ)である。
【0045】
中継装置112は、複数の車線機器101と、集約料金所2に設置された仮想化基盤(後述する集約料金所装置20)との通信を中継する。
ここで、車線機器101は、
図2においては、車線10に(車線10の近傍に;車線10の沿線に;車線10の路側に)設置された通行券発行端末101a、信号灯101b、退出車両検知装置101c、発進制御機101d、車種判別装置101e、左ハンドル車用通行券発行機101f、車線監視カメラ101gの他、料金所事務所11に設置された通行券確認端末111a、カードリーダ111b、処理明細発行機111c、収受員カメラ111dをも含むものとする。
中継装置112の詳細な機能については後述する。
【0046】
図3は、料金所1の車線10のうち、出口ゲートに設置された出口有人車線10c及び出口無人車線10dの機能構成を示している。
出口有人車線10c及び出口無人車線10dは、有料道路から一般道路に進入する車両に対して必要な処理(具体的には、入口料金所で受け取った通行券に基づく料金収受処理)を行うための車線である。
出口有人車線10cは、車線路側に有人ブースが設けられている車線であって、当該有人ブースに待機する収受員が、到来した車両(利用者)から通行券を受け取る。そして、収受員は、通行券に記録された各種情報(車種情報、利用した入口料金所を示す入口情報、当該通行券が発行された時刻を示す時刻情報等)に応じた通行料金を利用者から収受する。他方、出口無人車線10dは、車線路側に料金自動収受機100d(後述)が設けられている車線であって、到来した利用者は、料金自動収受機100dに対する通行券の挿入、金銭の投入等を通じて料金収受処理を行う。
【0047】
図3に示すように、出口有人車線10cは、出口車線制御装置100cと、通行券確認端末101hと、信号灯101bと、カードリーダ101iと、領収書発行機101jと、料金表示器101kと、退出車両検知装置101cと、発進制御機101dと、を有している。
【0048】
出口車線制御装置100cは、出口有人車線10cに設置され、当該出口有人車線10cに対する車線制御処理のうちの一部の処理(リアルタイム処理)を実行する。出口車線制御装置100cは、同じく通行券確認端末101h、信号灯101b、カードリーダ101i、領収書発行機101j、料金表示器101k、退出車両検知装置101c及び発進制御機101dと通信可能に接続されている。
【0049】
通行券確認端末101hは、有人ブースに待機する収受員が操作する端末装置である。収受員は、到来した車両(利用者)から通行券を受け取って、当該通行券を通行券確認端末101hに通す。通行券確認端末101hは、当該通行券に記録された各種情報(車種情報、入口情報、時刻情報等)を読み取って、出口車線制御装置100c等に出力する。
【0050】
カードリーダ101iは、利用者がICカード(クレジットカード等)による料金の支払いを希望する場合に用いられる。カードリーダ101iは、利用者が所持するICカードの挿入を受け付けて、当該ICカードに対する料金収受処理情報(明細情報)の読み取り及び書き込みを行う。
【0051】
領収書発行機101jは、現金又はICカードによる料金収受処理を完了した後に、当該料金収受処理の内容を示す明細情報が記された領収書を発行する。
【0052】
料金表示器101kは、料金収受を行う利用者に対して視認可能なように配置された表示器であって、通行券に記録された各種情報に基づいて特定された通行料金の額を表示する。これにより、利用者は、支払うべき通行料金の額を把握することができる。
【0053】
信号灯101b、退出車両検知装置101c及び発進制御機101dについては、入口有人車線10a等に設置されるものと同様である。
【0054】
また、
図3に示すように、出口無人車線10dは、料金自動収受機100dと、進入車両検知装置101lと、ナンバープレート認識装置101mと、信号灯101bと、左ハンドル車用料金自動収受機101nと、退出車両検知装置101cと、発進制御機101dと、車線監視カメラ101gと、を有している。
【0055】
料金自動収受機100dは、出口無人車線10dに設置され、利用者に対する料金収受処理を行う他、当該出口無人車線10dに対する車線制御処理のうちの一部の処理(リアルタイム処理)を実行する。料金自動収受機100dは、同じく出口無人車線10dに設置された進入車両検知装置101l、ナンバープレート認識装置101m、信号灯101b、左ハンドル車用料金自動収受機101n、退出車両検知装置101c及び発進制御機101dと通信可能に接続されている。
【0056】
進入車両検知装置101lは、車両が車線10(出口無人車線10d)に進入したか否かを判定し、当該車両が車線10に進入したことを示す検知信号(進入検知信号)を出力する。例えば、進入車両検知装置101lは、車線10の進入方向側において路側一方側に設置された投光塔と路側他方側に設置された受光塔とからなる。進入車両検知装置101lの仕組みは、退出車両検知装置101cと同様である。
【0057】
ナンバープレート認識装置101mは、車線10(出口無人車線10d)に進入した車両のナンバープレートを撮影するとともに、当該撮影画像からナンバープレート情報を抽出する。このナンバープレート情報は、例えば、利用者が所持する通行券に車種情報が記録されていない(“車種不明”等と記録されている)場合において、料金収受処理の段階(出口無人車線10dに到来した段階)で車種を特定する場合に用いられる。
【0058】
左ハンドル車用料金自動収受機101nは、料金自動収受機100dが設置される路側とは反対側の路側に設けられ、左ハンドル車を運転する利用者に対して料金収受処理の受付を可能とする。左ハンドル車用料金自動収受機101nは、あくまで、利用者からの通行券の挿入、金銭の投入等を受け付けるインタフェース部分のみをなすものである。
【0059】
信号灯101b、退出車両検知装置101c、発進制御機101d及び車線監視カメラ101gについては、入口無人車線10b等に設置されるものと同様である。
【0060】
また、
図3に示す料金所事務所11の各機能構成(事務所処理装置110a、料金所監視盤110b、通行券確認端末111a、カードリーダ111b、処理明細発行機111c、収受員カメラ111d及び中継装置112)については、
図2に示したものと同様である。
【0061】
なお、車線機器101には、
図3に示す通行券確認端末101h、カードリーダ101i、領収書発行機101j、料金表示器101k、進入車両検知装置101l、ナンバープレート認識装置101m、左ハンドル車用料金自動収受機101nをも含むものとする。
また、入口車線制御装置100a、通行券自動発行機100b、出口車線制御装置100c、料金自動収受機100d、事務所処理装置110a及び料金所監視盤110bを総称してリアルタイム処理装置100とも表記する。リアルタイム処理装置100は、車線機器101との通信を介して、料金所1(車線10)における車両の走行、又は、車線10、料金所事務所11における料金収受用の手続き(発行された通行券の取得、ICカードの挿入等)との同期を要するリアルタイム処理を実行する。「リアルタイム処理」の具体的な態様については後述する。
【0062】
図4は、集約料金所2及び遠隔管理局3の機能構成を示している。
【0063】
集約料金所2には、集約料金所装置20が設置される。集約料金所装置20は、上述した通り、複数の料金所1に対して行われるべき各種処理機能が集約されてなる仮想化基盤である。特に、集約料金所装置20は、車線機器101との通信を介して、料金所1(車線10)における車両の走行、又は、車線10、料金所事務所11における料金収受用の手続きとの同期を要しない非リアルタイム処理を実行する非リアルタイム処理装置として機能する。
【0064】
図4に示すように、集約料金所装置20は、入口車線制御機能部200aと、出口車線制御機能部200bと、通行券自動発行機能部201aと、料金自動収受機能部201bと、事務所処理機能部202と、料金所監視盤機能部203と、料金所データ処理機能部204と、を有している。これらの各機能部は、集約料金所装置20に具備されるCPUが所定のプログラムに基づいて動作することで仮想的に実現される。
【0065】
入口車線制御機能部200aは、入口有人車線10aに対する車線制御処理のうちの一部の処理(非リアルタイム処理)を実行する。入口車線制御機能部200aは、CPUの並列処理により、複数の料金所1における複数の入口有人車線10aの各々に関連付けられて複数存在する。
【0066】
出口車線制御機能部200bは、出口有人車線10cに対する車線制御処理のうちの一部の処理(非リアルタイム処理)を実行する。出口車線制御機能部200bは、CPUの並列処理により、複数の料金所1における複数の出口有人車線10cの各々に関連付けられて複数存在する。
【0067】
通行券自動発行機能部201aは、入口無人車線10bに対する車線制御処理のうちの一部の処理(非リアルタイム処理)を実行する。通行券自動発行機能部201aは、CPUの並列処理により、複数の料金所1における複数の入口無人車線10bの各々に関連付けられて複数存在する。
【0068】
料金自動収受機能部201bは、出口無人車線10dに対する車線制御処理のうちの一部の処理(非リアルタイム処理)を実行する。料金自動収受機能部201bは、CPUの並列処理により、複数の料金所1における複数の出口無人車線10dの各々に関連付けられて複数存在する。
【0069】
事務所処理機能部202は、料金所事務所11に駐在する係員の、事務所処理装置110aに対する操作によって行われる事務所処理のうちの一部の処理(非リアルタイム処理)を実行する。事務所処理機能部202は、CPUの並列処理により、複数の料金所1における料金所事務所11(事務所処理装置110a)の各々に関連付けられて複数存在する。
【0070】
料金所監視盤機能部203は、料金所事務所11に待機する監視員による、車線10に対する監視処理のうちの一部の処理(非リアルタイム処理)を実行する。料金所監視盤機能部203は、CPUの並列処理により、複数の料金所1における料金所事務所11(料金所監視盤110b)の各々に関連付けられて複数存在する。
【0071】
料金所データ処理機能部204は、広域通信ネットワークNを介して集約料金所装置20と通信可能に接続された各料金所1における売上情報(料金収受処理についての明細情報)を集約して集計データを作成し、確定する処理を行う。
【0072】
また、
図4に示すように、遠隔管理局3には、遠隔管理局装置30が設置される。
遠隔管理局装置30は、有料道路を管轄する道路事業者が、当該有料道路を統括的に管理するために用いられる装置であって、有料道路の全ての料金所における売上情報等が集約される。
【0073】
遠隔管理局装置30は、端末更新部300と、管理局データ処理機能部301と、車種判別データベース302と、遠隔監視機能部303と、を備えている。
【0074】
端末更新部300は、例えば、入口有人車線10a(の有人ブース内)に設置された通行券発行端末101a、出口有人車線10c(の有人ブース内)に設置された通行券確認端末101h、料金所事務所11内に設置された通行券確認端末111a等にインストールされたソフトウェアアプリケーションを一括して更新(アップデート)する。
ここで、通常の有料道路の各料金所に設置された通行券確認端末101h等は、料金所別、車線別に個別に存在することから、ソフトウェアのアップデートを行う場合、作業者が各端末装置に出向いて一つ一つ行う必要がある。そうすると、アップデート作業の負担が大きくなるばかりでなく、ソフトウェアのバージョンが料金所や車線別にまちまちになることが想定される。
そこで、本実施形態のように、有料道路全体を統括的に管理する遠隔管理局装置30において、端末更新部300が、広域通信ネットワークNを通じて一括してソフトウェアバージョンのアップデート処理を行うことで、アップデート作業の負担の軽減、料金所、車線別のソフトウェアバージョンの統一を図ることができる。
【0075】
管理局データ処理機能部301は、広域通信ネットワークNを介して、複数の集約料金所2から売上情報(明細情報)を集約し、確定する処理を行う。
【0076】
車種判別データベース302は、有料道路の各料金所にて行われた車種判別結果(車種情報)と、車両を個々に識別可能な車両個体識別情報(ナンバープレート番号)と、を関連付けて記録してなるデータベースである。
具体的には、車種判別データベース302には、入口無人車線10bに設置された車種判別装置101eのナンバープレート情報読取機能、又は、出口無人車線10dに設置されたナンバープレート認識装置を通じて取得された車両個体識別情報と、当該車両個体識別情報に示される車両に対して実際に適用された車種情報と、が関連して記録されている。ここで、「車両に対して実際に適用された車種情報」とは、例えば、有人ブースに待機する収受員の目視判断によって特定された車種情報である。
高速道路の利用車両に対し、車両個体識別情報と車種判別結果とを関連付けて車種判別データベース302に蓄積することで、車両個体識別情報に係る車両の“真の車種”を、車種判別データベース302を通じて把握することができる。例えば、出口無人車線10dにおける料金自動収受機100dは、ナンバープレート認識装置101mを通じて車両個体識別情報を取得した際に、車種判別データベース302を照会する。そして、出口無人車線10dにおける料金自動収受機100dは、車種判別データベース302において、当該車両の過去の利用時に特定された車種情報が記録されているか否かを判断する。車種判別データベース302に車種情報が記録されていた場合、料金自動収受機100dは、今回提出された通行券に記録されている車種情報と、車種判別データベース302に記録されていた情報とを対比して、両者に相違がないか否かを判定する。
このように、過去に利用した際に特定された車種情報を利用することで、各車両に対する車種の特定精度(即ち、各車両に課すべき通行料金の判断の精度)を高めることができる。また、何らかの理由により通行券に車種情報が記録されていない(“車種不明”と記録されている)場合であっても、車種判別データベース302を通じて直ちに車種を特定することができる。
【0077】
遠隔監視機能部303は、遠隔管理局3に駐在する監視員に用いられる監視盤であって、有料道路のうち特定の料金所(例えば、利用者が少ない料金所)を遠隔で監視する。
【0078】
(入口車線制御装置及び入口車線制御機能部の機能構成)
図5は、第1の実施形態に係る入口車線制御装置及び入口車線制御機能部の機能構成を示す図である。
図5を参照しながら、入口有人車線10aに設置された入口車線制御装置100aと、集約料金所2に設置された集約料金所装置20(
図4)における入口車線制御機能部200aとの機能構成について説明する。
【0079】
入口車線制御装置100aは、入口有人車線10aに対する車線制御処理のうちの一部である「リアルタイム処理」を実行する。また、入口車線制御機能部200aは、入口有人車線10aに対する車線制御処理のうちの一部である「非リアルタイム処理」を実行する。
【0080】
具体的には、
図5に示すように、入口車線制御装置100aは、退出検知信号入力部1000と、開閉制御処理部1001と、を備えている。
退出検知信号入力部1000は、退出車両検知装置101c(
図2)からの退出検知信号を入力する。
開閉制御処理部1001は、退出検知信号入力部1000における退出検知信号の入力の有無に応じて発進制御機101d(
図2)を制御する。例えば、開閉制御処理部1001は、退出検知信号入力部1000が退出検知信号の入力を受け付けた場合に、発進制御機101dの開閉バーを閉動作させて入口有人車線10aを閉塞する。
以上のような退出検知信号入力部1000及び開閉制御処理部1001の機能によれば、車両が車線から確実に退出したことを認識した上で当該車線を閉塞する動作が行われるので、開閉バーが車両に抵触することを防止することができる。
【0081】
ここで、以上のような車線制御を実現するためには、退出検知信号入力部1000は、入口有人車線10aにおける車両の走行と正確に連動(同期)して退出検知信号の入力を受け付ける必要がある。また、開閉制御処理部1001は、車両の走行と正確に連動して開閉バーの開閉制御を行う必要がある。
即ち、入口有人車線10aに対する車線制御処理のうち、退出検知信号入力部1000及び開閉制御処理部1001が行う処理は、車線における車両の走行との同期を要するリアルタイム処理である。そのため、退出検知信号入力部1000、開閉制御処理部1001は、高速な応答、動作が可能となるように、車線10に設置されたリアルタイム処理装置100(入口車線制御装置100a)に具備される。
【0082】
また、
図5に示すように、入口車線制御機能部200aは、通行券記録情報確定処理部2000と、通行券発行処理部2001と、車両台数カウント処理部2002と、信号灯切替処理部2003と、を備えている。
通行券記録情報確定処理部2000は、有人ブースに待機する係員の、通行券発行端末101a(
図2)に対する操作(車種選択ボタンの押下)の結果、当該通行券発行端末101aから出力されるイベント情報(車種情報)の入力を受け付けて、発行しようとする通行券に記録すべき情報(受け付けた車種情報、入口情報、時刻情報等)を確定する。
通行券発行処理部2001は、通行券記録情報確定処理部2000によって確定された情報とともに、通行券を発行するための指令(発行指令)を、通行券発行端末101aに向けて送信する。
車両台数カウント処理部2002は、入口有人車線10aを走行する車両の台数をカウントする。具体的には、車両台数カウント処理部2002は、通行券発行端末101aから上記イベント情報を受け付けた後に、退出車両検知装置101cからの退出検知信号を受け付けた回数を計数して記録する。
信号灯切替処理部2003は、集約料金所装置20(
図4)に対する係員の操作に基づいて、入口有人車線10aに設置された信号灯101bの発光色(“赤”又は“青”)の切替を制御する。
【0083】
上述の通行券記録情報確定処理部2000及び通行券発行処理部2001の機能によれば、入口有人車線10aに設置された通行券発行端末101aにて車種選択ボタンが押下されてイベント情報が出力された場合に、通行券発行端末101aから、当該イベント情報が記録された通行券が発行される。
【0084】
ここで、通行券記録情報確定処理部2000は、係員の目視判断により車種が特定され、通行券発行端末101aが操作された段階で通行券に記録すべき情報を確定すればよいため、厳格な時間的制約は要求されない。また、通行券発行処理部2001は、有人ブースの前に停車している車両(利用者)に対して通行券を発行すればよいため、同様に、厳格な時間的制約は要求されない。更に、車両台数カウント処理部2002及び信号灯切替処理部2003の処理についても同様に、厳格な時間的制約は要求されない。
即ち、入口有人車線10aに対する車線制御処理のうち、通行券記録情報確定処理部2000、通行券発行処理部2001、車両台数カウント処理部2002及び信号灯切替処理部2003が行う処理は、車線における車両の走行との同期を要しない非リアルタイム処理である。したがって、通行券記録情報確定処理部2000、通行券発行処理部2001、車両台数カウント処理部2002及び信号灯切替処理部2003は、料金所1から離れた遠隔地(集約料金所2の集約料金所装置20)における仮想化が可能である。
【0085】
(通行券自動発行機及び通行券自動発行機能部の機能構成)
図6は、第1の実施形態に係る通行券自動発行機及び通行券自動発行機能部の機能構成を示す図である。
図6を参照しながら、入口無人車線10bに設置された通行券自動発行機100bと、集約料金所2に設置された集約料金所装置20(
図4)における通行券自動発行機能部201aとの機能構成について説明する。
【0086】
通行券自動発行機100bは、入口無人車線10bに対する車線制御処理のうちの一部である「リアルタイム処理」を実行する。また、通行券自動発行機能部201aは、入口無人車線10bに対する車線制御処理のうちの一部である「非リアルタイム処理」を実行する。
【0087】
具体的には、
図6に示すように、通行券自動発行機100bは、退出検知信号入力部1000と、開閉制御処理部1001と、を備えている。
退出検知信号入力部1000及び開閉制御処理部1001の機能は、入口車線制御装置100aが有するものと同様である。
【0088】
また、
図6に示すように、通行券自動発行機能部201aは、車両台数カウント処理部2002と、信号灯切替処理部2003と、自動発行処理部2010と、通行券回収処理部2011と、を備えている。
車両台数カウント処理部2002及び信号灯切替処理部2003の機能は、入口車線制御機能部200aが有するものと同様である。
自動発行処理部2010は、車種判別装置101eから出力されたイベント情報(車種情報)を受け付けて、各種情報(当該受け付けた車種情報、入口情報、時刻情報等)が記録された通行券の発行指令を、通行券自動発行機100bに向けて出力する。
通行券回収処理部2011は、何らかの理由により、利用者に取得されなかった通行券を回収する。具体的には、通行券が発行された後、当該通行券の利用者による取得(抜き取り)が検知されないまま、退出車両検知装置101cから退出検知信号を受け付けた場合に、通行券の回収処理を行う。
【0089】
上述の自動発行処理部2010の機能によれば、入口無人車線10bに設置された車種判別装置101eにて車種判別がなされた(車種情報が出力された)場合に、通行券自動発行機100bから、車種判別結果(当該車種情報)が記録された通行券が発行される。
また、通行券回収処理部2011の機能によれば、利用者が通行券を取得しなかった場合であっても、当該利用者の退出後には直ちに通行券が回収されるので、後続の車両に誤った通行券(他の車両についての車種情報等が記録された通行券)が取得されることを防止することができる。
【0090】
ここで、自動発行処理部2010は、車種判別装置101eによって車種判別がなされてから車両が自動発行処理部2010に到達するまでの間(1〜2秒)に通行券が発行されればよく、また、利用者は車両を停車させてから通行券を取得するため、厳格な時間的制約は要求されない。
また、通行券回収処理部2011は、車両が退出してから、少なくとも後続の車両が到達するまでの時間に回収されていればよいため、厳格な時間的制約は要求されない。
即ち、入口無人車線10bに対する車線制御処理のうち、自動発行処理部2010及び通行券回収処理部2011が行う処理は、車線における車両の走行との同期を要しない非リアルタイム処理である。したがって、自動発行処理部2010及び通行券回収処理部2011は、料金所1から離れた遠隔地(集約料金所2の集約料金所装置20)における仮想化が可能である。
【0091】
(出口車線制御装置及び出口車線制御機能部の機能構成)
図7は、第1の実施形態に係る出口車線制御装置及び出口車線制御機能部の機能構成を示す図である。
図7を参照しながら、出口有人車線10cに設置された出口車線制御装置100cと、集約料金所2に設置された集約料金所装置20(
図4)における出口車線制御機能部200bとの機能構成について説明する。
【0092】
出口車線制御装置100cは、出口有人車線10cに対する車線制御処理のうちの一部である「リアルタイム処理」を実行する。また、出口車線制御機能部200bは、出口有人車線10cに対する車線制御処理のうちの一部である「非リアルタイム処理」を実行する。
【0093】
具体的には、
図7に示すように、出口車線制御装置100cは、退出検知信号入力部1000と、開閉制御処理部1001と、カードリーダ制御部1002と、停車指示表示処理部1003と、を備えている。
退出検知信号入力部1000及び開閉制御処理部1001の機能は、入口車線制御機能部200a、通行券自動発行機100bが有するものと同様である。
カードリーダ制御部1002は、カードリーダ101iにICカードが挿入された場合における自動引き込み処理、自動排出処理を制御する。
停車指示表示処理部1003は、走行する車両に対し停車を促す場合において、料金表示器101kを通じて、走行する車両の安全に関わる表示(停車指示)を行う。例えば、出口有人車線10cの有人ブースに待機する収受員は、走行する車両に対し緊急に停車を促したい場合に、料金表示器101kに対する所定の操作により、当該料金表示器101kに緊急の停車指示を表示させる。
【0094】
ここで、カードリーダ制御部1002によるICカードの自動引き込み処理、自動排出処理に遅延が生じると、人間の操作感覚からの乖離が生じ、誤操作を誘発して誤った収受処理が成される可能性が高まる。そのため、カードリーダ制御部1002は、収受員によるICカードの挿入手続きに対し、遅延することなく自動引き込み処理、自動排出処理を行う必要がある。
即ち、出口有人車線10cに対する車線制御処理のうち、カードリーダ制御部1002が行う処理は、ICカードの挿入手続き(料金収受用の手続き)との同期を要するリアルタイム処理である。
また、停車指示表示処理部1003による停車指示の表示処理に遅延が生じると、事故を誘発する可能性がある。そのため、停車指示表示処理部1003は、収受員の料金表示器101kに対する操作に対し、遅延することなく停止指示の表示処理を行う必要がある。
即ち、出口有人車線10cに対する車線制御処理のうち、停車指示表示処理部1003が行う処理は、車両の走行との同期を要するリアルタイム処理である。
そのため、カードリーダ制御部1002、停車指示表示処理部1003は、高速な応答、動作が可能となるように、車線10に設置されたリアルタイム処理装置100(出口車線制御装置100c)に具備される。
【0095】
また、
図7に示すように、出口車線制御機能部200bは、車両台数カウント処理部2002と、信号灯切替処理部2003と、通行料金計算処理部2004と、領収書発行処理部2005と、料金表示処理部2006と、を備えている。
車両台数カウント処理部2002及び信号灯切替処理部2003の機能は、入口車線制御機能部200a、通行券自動発行機能部201aが有するものと同様である。
通行料金計算処理部2004は、利用者より手渡された通行券(通行券確認端末101hに通された通行券)に記録された各種情報(車種情報、入口情報、時刻情報等)に基づいて、利用者から収受すべき通行料金を計算する。
領収書発行処理部2005は、料金収受処理の明細情報(通行料金の額、受け取った金銭の額、釣銭の額等)を確定し、当該確定した明細情報とともに、領収書を発行するための指令(発行指令)を、領収書発行機101j(
図3)に向けて送信する。
料金表示処理部2006は、通行料金計算処理部2004によって計算された通行料金の額を、料金表示器101k(
図3)に表示させる。
【0096】
ここで、通行料金計算処理部2004は、有人ブースの前に停車した車両(利用者)に対する料金収受の手続き(通行券の手渡し、金銭の受け渡し)の流れの中において、通行券に記録された情報から収受すべき通行料金を確定すればよいため、厳格な時間的制約は要求されない。
領収書発行処理部2005及び料金表示処理部2006の処理についても同様である。
即ち、出口有人車線10cに対する車線制御処理のうち、通行料金計算処理部2004、領収書発行処理部2005及び料金表示処理部2006が行う処理は、車線における車両の走行との同期を要しない非リアルタイム処理である。したがって、通行料金計算処理部2004、領収書発行処理部2005及び料金表示処理部2006は、料金所1から離れた遠隔地(集約料金所2の集約料金所装置20)における仮想化が可能である。
【0097】
(料金自動収受機及び料金自動収受機能部の機能構成)
図8は、第1の実施形態に係る料金自動収受機及び料金自動収受機能部の機能構成を示す図である。
図8を参照しながら、出口無人車線10dに設置された料金自動収受機100dと、集約料金所2に設置された集約料金所装置20(
図4)における料金自動収受機能部201bとの機能構成について説明する。
【0098】
料金自動収受機100dは、出口無人車線10dに対する車線制御処理のうちの一部である「リアルタイム処理」を実行する。また、料金自動収受機能部201bは、出口無人車線10dに対する車線制御処理のうちの一部である「非リアルタイム処理」を実行する。
【0099】
具体的には、
図8に示すように、料金自動収受機100dは、退出検知信号入力部1000と、開閉制御処理部1001と、カードリーダ制御部1002と、停車指示表示処理部1003と、進入検知信号入力部1004と、ナンバープレート認識装置制御部1005と、を備えている。
退出検知信号入力部1000、開閉制御処理部1001、カードリーダ制御部1002、停車指示表示処理部1003の機能は、入口車線制御機能部200a、通行券自動発行機能部201a、出口車線制御装置100cが有するものと同様である。ただし、カードリーダ制御部1002、停車指示表示処理部1003は、それぞれ、料金自動収受機100dが内蔵するカードリーダ、表示器に対する制御を行う。
進入検知信号入力部1004は、進入車両検知装置101l(
図3)からの進入検知信号を入力する。
ナンバープレート認識装置制御部1005は、進入検知信号入力部1004における進入検知信号の入力の有無に応じてナンバープレート認識装置101m(
図3)を制御する。具体的には、ナンバープレート認識装置制御部1005は、進入検知信号を受け付けたタイミングでナンバープレート認識装置101mに向けて撮影を行う指令(撮影指令)を出力する。
【0100】
以上のような進入検知信号入力部1004及びナンバープレート認識装置制御部1005の機能によれば、車両が車線に進入したことを検知したタイミングでナンバープレート認識装置101mによって撮影が行われるので、ナンバープレート情報の抽出を確実に行うことができる。
【0101】
ここで、以上のような車線制御を実現するためには、進入検知信号入力部1004は、出口無人車線10dにおける車両の走行と正確に連動(同期)して進入検知信号の入力を受け付ける必要がある。また、ナンバープレート認識装置制御部1005は、車両の走行と正確に連動してナンバープレート認識装置101mに向けて撮影指令を出力する必要がある。
即ち、出口無人車線10dに対する車線制御処理のうち、進入検知信号入力部1004及びナンバープレート認識装置制御部1005が行う処理は、車線における車両の走行との同期を要するリアルタイム処理である。そのため、進入検知信号入力部1004、ナンバープレート認識装置制御部1005は、高速な応答、動作が可能となるように、車線10に設置されたリアルタイム処理装置100(料金自動収受機100d)に具備される。
【0102】
また、
図8に示すように、料金自動収受機能部201bは、車両台数カウント処理部2002と、信号灯切替処理部2003と、通行料金計算処理部2004と、領収書発行処理部2005と、料金表示処理部2006と、を備えている。
これらの機能は、入口車線制御機能部200a、通行券自動発行機能部201a、出口車線制御機能部200bが有するものと同様である。ただし、領収書発行処理部2005、料金表示処理部2006は、それぞれ、料金自動収受機100dが内蔵する領収書発行機、料金表示器に対する制御を行う。
【0103】
(事務所処理装置及び事務所処理機能部の機能構成)
図9は、第1の実施形態に係る事務所処理装置及び事務所処理機能部の機能構成を示す図である。
図9を参照しながら、料金所事務所11に設置された事務所処理装置110aと、集約料金所2に設置された集約料金所装置20(
図4)における事務所処理機能部202との機能構成について説明する。
【0104】
事務所処理装置110aは、事務所処理のうちの一部である「リアルタイム処理」を実行する。また、事務所処理機能部202は、事務所処理のうちの一部である「非リアルタイム処理」を実行する。
【0105】
図9に示すように、事務所処理装置110aは、カードリーダ制御部1100を備えている。
カードリーダ制御部1100は、カードリーダ111b(
図2、
図3)にICカードが挿入された場合における自動引き込み処理、自動排出処理を制御する。
ここで、カードリーダ制御部1100によるICカードの自動引き込み処理、自動排出処理に遅延が生じると、人間の操作感覚からの乖離が生じ、誤操作を誘発し得る。そのため、カードリーダ制御部1100は、収受員によるICカードの挿入手続きに対し、遅延することなく自動引き込み処理、自動排出処理を行う必要がある。
即ち、事務所処理のうち、カードリーダ制御部1100が行う処理は、ICカードの挿入手続き(料金収受用の手続き)との同期を要するリアルタイム処理である。
そのため、カードリーダ制御部1100は、高速な応答、動作が可能となるように、料金所事務所11に設置されたリアルタイム処理装置100(事務所処理装置110a)に具備される。
【0106】
また、
図9に示すように、事務所処理機能部202は、事務所特別処理部2020を備えている。
事務所特別処理部2020は、例えば、通行券の破損、紛失時等に行うべき特別処理を実行する。
ここで、事務所特別処理部2020が行うべき特別処理は、1件単位で生じるため、厳格な時間的制約は要求されない。
即ち、事務所処理のうち、事務所特別処理部2020が行う処理は、ICカードの挿入手続き(料金収受用の手続き)との同期を要しない非リアルタイム処理である。したがって、事務所特別処理部2020は、料金所1から離れた遠隔地(集約料金所2の集約料金所装置20)における仮想化が可能である。
【0107】
(料金所監視盤及び料金所監視盤機能部の機能構成)
図10は、第1の実施形態に係る料金所監視盤及び料金所監視盤機能部の機能構成を示す図である。
料金所監視盤110bは、監視処理のうちの一部である「リアルタイム処理」を実行する。また、料金所監視盤機能部203は、監視処理のうちの一部である「非リアルタイム処理」を実行する。
【0108】
図10に示すように、料金所監視盤110bは、映像表示処理部1101と、監視盤操作処理部1102と、を備えている。
映像表示処理部1101は、車線監視カメラ101g(
図2、
図3)にて撮影されている映像を料金所監視盤110bのモニタに表示させる処理を行う。また、映像表示処理部1101は、同映像を、別途用意された大容量ストレージに逐次記録(録画)する。
監視盤操作処理部1102は、料金所監視盤110bの操作パネル(ユーザインタフェース)にて受け付けた監視員による操作に応じた処理(例えば表示切替等)を行う。
ここで、映像表示処理部1101は、車線10を走行する車両に対するリアルタイム映像を途切れることなく逐次表示、記録する必要がある。
また、監視盤操作処理部1102による処理に遅延が生じると、人間の操作感覚からの乖離が生じ、誤操作を誘発し得る。そのため、監視盤操作処理部1102は、監視員による操作に対し、遅延することなく処理を行う必要がある。
即ち、監視処理のうち、映像表示処理部1101及び監視盤操作処理部1102が行う処理は、監視員による監視業務との同期を要するリアルタイム処理である。なお、「料金収受用の手続き」は、監視員の監視業務の意味も含むものとする。
そのため、映像表示処理部1101、監視盤操作処理部1102は、高速な応答、動作が可能となるように、料金所事務所11に設置されたリアルタイム処理装置100(料金所監視盤110b)に具備される。
【0109】
また、
図10に示すように、料金所監視盤機能部203は、監視盤特別処理部2030を備えている。
監視盤特別処理部2030は、例えば、通行券に車種情報が記録されていない(“車種不明”と記録されている)場合において、監視員による操作により手動で車種を確定する特別処理を行う。
ここで、監視盤特別処理部2030が行うべき特別処理は、1件単位で生じるため、厳格な時間的制約は要求されない。
即ち、監視処理のうち、監視盤特別処理部2030が行う処理は、監視員による監視業務(料金収受用の手続き)との同期を要しない非リアルタイム処理である。したがって、監視盤特別処理部2030は、料金所1から離れた遠隔地(集約料金所2の集約料金所装置20)における仮想化が可能である。
【0110】
なお、上述した種々の「非リアルタイム処理」(集約料金所装置20にて実行される処理)のうちのいくつかは、厳格な時間的制約は課されないものの、各車線機器101から受け付けたイベントの発生時刻、序列関係を把握しながら適切に処理を行う必要がある。
以下、各料金所1と集約料金所2との通信を中継する中継装置112の機能を説明するとともに、集約料金所装置20の、イベントの発生時刻、序列関係に応じた処理について説明する。
【0111】
(中継装置の機能構成)
図11は、第1の実施形態に係る中継装置の機能構成を示す図である。
図11に示すように、中継装置112は、中継用信号生成部1120と、時計機能部1121と、暗号化機能部1122と、電子鍵1123と、ルータ機能部1124と、を備えている。
【0112】
中継用信号生成部1120は、各種車線機器101から入力したイベント情報(車種情報、退出・進入検知信号等)と、時計機能部1121(後述)による時刻情報と、に基づいて所定の中継用信号を生成する。本実施形態においては、中継用信号生成部1120は、中継用信号として、よく知られているTCP/IPプロトコルに準拠した信号(TCP/IP信号)を生成する。中継用信号の詳細については後述する。
なお、他の実施形態においては、中継用信号生成部1120は、TCP/IP信号ではなく、他の態様のプロトコルに準拠した中継用信号を生成してもよい。
【0113】
時計機能部1121は、現在時刻を示す時刻情報を出力可能とする。
【0114】
暗号化機能部1122は、予め用意された電子鍵1123に基づいて、中継用信号に含まれる各種情報を暗号化する。
【0115】
ルータ機能部1124は、ネットワークルータとしての機能を有している。即ち、ルータ機能部1124は、広域通信ネットワークNを介しての各種車線機器101等へのアクセスを制御する。
【0116】
(中継用信号)
図12は、第1の実施形態に係る中継用信号生成部が生成する中継用信号を説明する図である。
図12に示すように、中継用信号には、TCP/IP通信に基づくプロトコルヘッダ、プロトコルフッタの他、データボディとして、車線機器種別ID、一連番号情報、時刻情報及びイベント情報を有してなる。
ここで、イベント情報とは、各車線機器101から出力される情報であって、代表的には、通行券発行端末101a及び車種判別装置101eから出力される車種情報、通行券確認端末101hから出力される読取情報(通行券に記録された情報)、退出車両検知装置101c、進入車両検知装置101lから出力される退出検知信号、進入検知信号などである。
車線機器種別IDとは、イベント情報を出力した車線機器101を識別可能なID情報である。中継用信号生成部1120は、例えば、車線機器101が出力したイベント情報をどの物理I/Oポートから受け取ったかに応じて、車線機器種別IDを特定する。
一連番号情報とは、特定の車線機器101からイベント情報が出力された順番を示す情報である。中継用信号生成部1120は、イベント情報の入力を1回受け取る毎に“+1”されるインクリメントカウンタを車線種別ID別に有している。
時刻情報とは、当該イベント情報が発生した時刻(より正確には、中継装置112が当該イベント情報の入力を受け付けた時刻)を示す情報である。中継用信号生成部1120は、イベント情報の入力を受け付けたタイミングにおける時刻情報を、上述の時計機能部1121(
図11)を通じて取得する。
【0117】
(通行券記録情報確定処理部の処理)
図13は、第1の実施形態に係る通行券記録情報確定処理部の処理を説明する図である。
図13に示すチャート図は、入口有人車線10aにて生じるイベントと、集約料金所2にて生じるイベントと、を時系列で表している。
ここで、上述の「非リアルタイム処理」のうち、各車線機器101から受け付けたイベント情報の発生時刻、序列関係を把握しながら処理を行う必要があるものの代表的な例の一つとしては、入口車線制御機能部200aの通行券記録情報確定処理部2000が挙げられる。以下、通行券記録情報確定処理部2000が行う処理について、
図13を参照しながら説明する。
【0118】
まず、入口有人車線10aに車両が進入してきた段階で、有人ブースにおいて、係員が通行券発行端末101aに対して車種選択ボタンを押下する。通行券発行端末101aは、車種選択ボタンの押下を受け付けた時刻t1に、当該車種選択ボタンに応じた車種情報(イベント情報)を集約料金所2に向けて出力する(ステップS01)。通行券発行端末101aから出力された車種情報は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
ここで、中継装置112が送信する中継用信号(
図11)には、車種情報の他、当該車種情報が発生した時刻t1を示す時刻情報が含まれる。
【0119】
集約料金所2(集約料金所装置20)における通行券記録情報確定処理部2000(
図5)は、時刻t2において中継用信号を受信する。ここで、時刻t1から時刻t2までの間の時間は、広域通信ネットワークNを介した伝送による伝送遅延である。そうすると、通行券記録情報確定処理部2000は、通行券に記録すべき情報(車種情報、入口情報、時刻情報)を確定する(ステップS02)。ここで、通行券記録情報確定処理部2000は、中継用信号に含まれる時刻情報(即ち、車種情報が発生した時刻t1)を、通行券に記録すべき時刻情報として確定する。
通行券発行処理部2001(
図5)は、ステップS02の処理が完了(時刻t3)すると、通行券に記録すべき情報(車種情報、入口情報、時刻情報)とともに当該通行券の発行指令を送信する(ステップS03)。
車線10における通行券発行端末101aは、時刻t4において発行指令を受信すると、受信した車種情報、入口情報及び時刻情報を記録した通行券の発行処理を行う(ステップS04)。
【0120】
以上のように、通行券記録情報確定処理部2000は、集約料金所2にて車種情報(中継用信号)を受信した時刻t2ではなく、あくまで車線10にて車種情報が発生した時刻t1を通行券に記録すべき情報として確定する。
このようにすることで、時間帯割引サービス適用対象の時間帯の境界である時刻ta(t1<ta<t2)の直前(時刻t1)に通過した車両に対しても、確実に時間帯割引サービスを適用することができる。
【0121】
(自動発行処理部の処理)
図14〜
図16は、それぞれ、第1の実施形態に係る自動発行処理部の処理を説明する第1〜第3の図である。
図14〜
図16に示すチャート図は、入口無人車線10bにて生じるイベントと、集約料金所2にて生じるイベントと、を時系列で表している。
ここで、上述の「非リアルタイム処理」のうち、各車線機器101から受け付けたイベント情報の発生時刻、序列関係を把握しながら処理を行う必要があるものの代表的な例の一つとしては、通行券自動発行機能部201aの自動発行処理部2010が挙げられる。以下、自動発行処理部2010が行う処理について、
図14〜
図16を参照しながら説明する。
【0122】
まず、
図14を参照しながら、入口無人車線10bにおける車線制御の通常の流れについて説明する。
入口無人車線10bに設置された車種判別装置101eは、車両Aが進入してきた段階で、当該車両Aに対する車種判別処理を行い、車種情報(イベント情報)を出力する。車種判別装置101eは、車両Aについての車種情報を集約料金所2に向けて出力する(ステップS11)。車種判別装置101eから出力された車種情報は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
集約料金所2(集約料金所装置20)における自動発行処理部2010(
図6)は、車種判別装置101eが出力した車種情報(車両Aについての車種情報)を含む中継用信号を受信する。自動発行処理部2010は、1台目の車両A’(自動発行処理部2010内部で認識している車両の一つ)に対する処理として、通行券に記録すべき情報(車両Aについての車種情報、入口情報、時刻情報)を確定する(ステップS12)。
自動発行処理部2010は、ステップS12で確定した情報(車両Aについての車種情報、入口情報、時刻情報)を含む通行券の発行指令を、入口無人車線10bの通行券自動発行機100bに向けて送信する(ステップS13)。
入口無人車線10bにおける通行券自動発行機100bは、上記発行指令を受信すると、受信した車種情報、入口情報及び時刻情報を記録した通行券の発行処理を行う(ステップS14)。
通行券が発行されると、入口無人車線10bにて停車している車両A(利用者)は、発行された通行券を取得する。その後、車両Aは発進して入口無人車線10bを退出する。その際、退出車両検知装置101cは、車両Aに対する退出検知信号を出力する(ステップS15)。退出車両検知装置101cから出力された退出検知信号は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
自動発行処理部2010は、ステップS15で出力された退出検知信号を通じて車両A’の退出を検知する(ステップS16)。
【0123】
また、自動発行処理部2010は、車両Aの後続車両である車両Bについても上述のステップS11〜ステップS16と同様の処理を実行する。
即ち、入口無人車線10bに設置された車種判別装置101eは、車両Bが進入してきた段階で、当該車両Bに対する車種判別処理を行い、車種情報(イベント情報)を出力する。車種判別装置101eは、車両Bについての車種情報を集約料金所2に向けて出力する(ステップS21)。車種判別装置101eから出力された車種情報は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
集約料金所2(集約料金所装置20)における自動発行処理部2010は、車種判別装置101eが出力した車種情報(車両Bについての車種情報)を含む中継用信号を受信する。自動発行処理部2010は、2台目の車両B’(自動発行処理部2010内部で認識している車両の一つ)に対する処理として、通行券に記録すべき情報(車両Bについての車種情報、入口情報、時刻情報)を確定する(ステップS22)。
ここで、自動発行処理部2010は、車両A’についての車種情報を受信した段階(ステップS12)で、他の車両(車両B’)についての処理に対し、当該他の車両に先行する車両が存在していることを示すフラグ(先行車両フラグ)を有効にする処理を行う(ステップS12’)。自動発行処理部2010は、車両B’に対する処理において、先行車両フラグが有効となっている場合には、先行車両(車両A’)の退出が検知されるまで待機する。
自動発行処理部2010は、ステップS16で車両A’の退出を検知したタイミングで、ステップS22で確定した情報(車両Bについての車種情報、入口情報、時刻情報)を含む通行券の発行指令を、入口無人車線10bの通行券自動発行機100bに向けて送信する(ステップS23)。
入口無人車線10bにおける通行券自動発行機100bは、上記発行指令を受信すると、受信した車種情報、入口情報及び時刻情報を記録した通行券の発行処理を行う(ステップS24)。
【0124】
ここで、
図14では、先に進入した車両Aについての車種情報と、後に進入した車両Bについての車種情報とが、その順番通りに集約料金所2に受信された場合を説明した。しかし、車両Aについての車種情報及び車両Bについての車種情報は、広域通信ネットワークNを通じて集約料金所2に伝送されるため、当該広域通信ネットワークNの通信状況によっては、到達順序が入れ替わることが想定される。例えば、車両Aについての車種情報が広域通信ネットワークN内で消失(パケットロス)した場合、その後に出力された車両Bについての車種情報が、先に集約料金所2に受信される場合がある。このような場合における自動発行処理部2010の処理について、
図15及び
図16を参照しながら説明する。
【0125】
まず、
図15を参照しながら、自動発行処理部2010が、中継用信号に含まれる一連番号情報に基づく序列管理を行わない場合の処理(自動発行処理部2010の実際の処理とは異なる処理)について説明する。
図14と同様に、入口無人車線10bに設置された車種判別装置101eは、車両Aが進入してきた段階で、当該車両Aに対する車種判別処理を行い、車種情報を出力する。車種判別装置101eは、車両Aについての車種情報を集約料金所2に向けて出力する(ステップS11)。車種判別装置101eから出力された車種情報は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
また、車種判別装置101eは、後続の車両Bが進入してきた段階で、当該車両Bに対する車種判別処理を行い、車種情報を出力する。車種判別装置101eは、車両Bについての車種情報を集約料金所2に向けて出力する(ステップS21)。車種判別装置101eから出力された車種情報は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
ここで、
図15に示すように、先行する車両Aについての車種情報(中継用信号)よりも、後続の車両Bについての車種情報(中継用信号)の方が先に集約料金所2(集約料金所装置20)に受信されたとする。
そうすると、自動発行処理部2010は、車種判別装置101eから、車両Bについての車種情報を含む中継用信号を最初に受信する。自動発行処理部2010は、“1台目”の車両B’に対する処理として、通行券に記録すべき情報(車両Bについての車種情報、入口情報、時刻情報)を確定する(ステップS22)。このとき、自動発行処理部2010は、車両B’についての車種情報を受信した段階(ステップS22)で、他の車両(車両A’)についての処理に対し、当該他の車両に先行する車両が存在していることを示すフラグ(先行車両フラグ)を有効にする処理を行う(ステップS22’)(ただし、現実に先行している車両は“車両A”である)。
自動発行処理部2010は、ステップS22で確定した情報(車両Bについての車種情報、入口情報、時刻情報)を含む通行券の発行指令を、入口無人車線10bの通行券自動発行機100bに向けて送信する(ステップS23)。
入口無人車線10bにおける通行券自動発行機100bは、上記発行指令を受信すると、受信した車種情報、入口情報及び時刻情報を記録した通行券の発行処理を行う(ステップS24)。
ここで発行された通行券に記録された車種情報は車両Bについてのものである。しかしながら、実際に、通行券を待ち受けている車両は“車両A”である。即ち、この場合、車両Bについての車種情報が記録された通行券が車両Aに取得されてしまう。
その後、車両Aは発進して入口無人車線10bを退出する。その際、退出車両検知装置101cは、車両Aに対する退出検知信号を出力する(ステップS25)。退出車両検知装置101cから出力された退出検知信号は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
自動発行処理部2010は、ステップS25で出力された退出検知信号を通じて車両B’(現実には車両A)の退出を検知する(ステップS26)。
【0126】
他方、自動発行処理部2010は、車両Bについての車種情報を含む中継用信号を受信した後、次いで、車両Aについての車種情報を含む中継用信号を受信する。自動発行処理部2010は、2台目の車両A’に対する処理として、通行券に記録すべき情報(車両Aについての車種情報、入口情報、時刻情報)を確定する(ステップS12)。自動発行処理部2010は、車両A’に対する処理において、先行車両フラグが有効となっているため、先行車両(車両B’、現実には車両A)の退出が検知されるまで待機する。
自動発行処理部2010は、ステップS26で車両B’の退出を検知したタイミングで、ステップS12で確定した情報(車両Aについての車種情報、入口情報、時刻情報)を含む通行券の発行指令を、入口無人車線10bの通行券自動発行機100bに向けて送信する(ステップS13)。
入口無人車線10bにおける通行券自動発行機100bは、上記発行指令を受信すると、受信した車種情報、入口情報及び時刻情報を記録した通行券の発行処理を行う(ステップS14)。ここで発行された通行券に記録された車種情報は、車両Aについてのものであるが、実際に、通行券を待ち受けている車両は車両Aの後続を走行していた“車両B”である。即ち、この場合、車両Aについての車種情報が記録された通行券が車両Bに取得されてしまう。
【0127】
次に、
図16を参照しながら、自動発行処理部2010が、中継用信号に含まれる一連番号情報に基づいて序列管理を行った場合の処理(自動発行処理部2010が実際に行う処理)について説明する。
図14と同様に、入口無人車線10bに設置された車種判別装置101eは、車両Aが進入してきた段階で、当該車両Aに対する車種判別処理を行い、車種情報を出力する。車種判別装置101eは、車両Aについての車種情報を集約料金所2に向けて出力する(ステップS11)。車種判別装置101eから出力された車種情報は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
また、車種判別装置101eは、後続の車両Bが進入してきた段階で、当該車両Bに対する車種判別処理を行い、車種情報を出力する。車種判別装置101eは、車両Bについての車種情報を集約料金所2に向けて出力する(ステップS21)。車種判別装置101eから出力された車種情報は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
ここで、
図15と同様に、先行する車両Aについての車種情報(中継用信号)よりも、後続の車両Bについての車種情報(中継用信号)の方が先に集約料金所2(集約料金所装置20)に受信されたとする。そうすると、自動発行処理部2010は、車種判別装置101eから、車両Bについての車種情報を含む中継用信号を最初に受信する。
この段階で、自動発行処理部2010は、中継用信号に含まれる一連番号情報(
図12)を参照する。そして、自動発行処理部2010は、この一連番号情報に基づき、現在受信した車種情報よりも前に出力されていながら、未だに受信していない車種情報が存在することを認識する。そこで、自動発行処理部2010は、受信した車種情報よりも前に出力されている車種情報を受信するまで待機する(ステップS22a)。
【0128】
その後、自動発行処理部2010は、車両Aについての車種情報を含む中継用信号を受信する。自動発行処理部2010は、今回受信した中継用信号の一連番号情報を参照して、先に受信していた車種情報よりも前に発行された車種情報であることを認識する。そこで、自動発行処理部2010は、1台目の車両A’に対する処理として、通行券に記録すべき情報(車両Aについての車種情報、入口情報、時刻情報)を確定する(ステップS12)。ここで、自動発行処理部2010は、他の車両(車両B’)についての処理に対し、当該他の車両に先行する車両が存在していることを示すフラグ(先行車両フラグ)を有効にする処理を行う(ステップS12’)。
この段階で、自動発行処理部2010は、ステップS22aで行った待機処理を解除する。そして、自動発行処理部2010は、最初に受信した中継用信号(車両Bについての車種情報を含む中継用信号)に基づいて、2台目の車両B’に対する処理として、通行券に記録すべき情報(車両Bについての車種情報、入口情報、時刻情報)を確定する(ステップS22)。しかし、自動発行処理部2010は、車両B’に対する処理において、先行車両フラグが有効となっているため、先行車両(車両A’)の退出が検知されるまで待機する。
【0129】
自動発行処理部2010は、ステップS12で確定した情報(車両Aについての車種情報、入口情報、時刻情報)を含む通行券の発行指令を、入口無人車線10bの通行券自動発行機100bに向けて送信する(ステップS13)。
入口無人車線10bにおける通行券自動発行機100bは、上記発行指令を受信すると、受信した車種情報、入口情報及び時刻情報を記録した通行券の発行処理を行う(ステップS14)。
ここで発行された通行券に記録された車種情報は車両Aについてのものであり、また、実際に、通行券を待ち受けている車両も車両Aである。即ち、この場合、車両Aについての車種情報が記録された通行券が車両Aに正しく取得される。
通行券が発行されると、入口無人車線10bにて停車している車両A(利用者)は、発行された通行券を取得する。その後、車両Aは発進して入口無人車線10bを退出する。その際、退出車両検知装置101cは、車両Aに対する退出検知信号を出力する(ステップS15)。退出車両検知装置101cから出力された退出検知信号は、上述の中継装置112を経由して集約料金所2の集約料金所装置20に送信される。
自動発行処理部2010は、ステップS15で出力された退出検知信号を通じて車両A’の退出を検知する(ステップS16)。
【0130】
自動発行処理部2010は、ステップS16で車両A’の退出を検知したタイミングで、ステップS22で確定した情報(車両Bについての車種情報、入口情報、時刻情報)を含む通行券の発行指令を、入口無人車線10bの通行券自動発行機100bに向けて送信する(ステップS23)。
入口無人車線10bにおける通行券自動発行機100bは、上記発行指令を受信すると、受信した車種情報、入口情報及び時刻情報を記録した通行券の発行処理を行う(ステップS24)。
ここで発行された通行券に記録された車種情報は車両Bについてのものであり、また、実際に、通行券を待ち受けている車両は車両Bである。即ち、この場合、車両Bについての車種情報が記録された通行券が車両Bに正しく取得される。
【0131】
このように、自動発行処理部2010が、中継用信号に含まれる一連番号情報に基づいて、受信する中継用信号の序列管理を行うことで、連続して進入する複数の車両に対して、正しい通行券を発行することができる。
【0132】
なお、以上のようなイベント情報の序列管理は、集約料金所装置20における他の機能についても適用され得る。
例えば、入口車線制御機能部200a等が有する車両台数カウント処理部2002は、通行券の発行枚数と、実際に走行した車両の台数(退出検知信号の出力回数)との突合せを行うため、一連番号情報に基づいて、イベント情報の発生順序を管理する必要がある。
また、通行券自動発行機能部201aが有する通行券回収処理部2011は、一連番号情報に基づいて、車種判別装置101eによる車種情報と、退出車両検知装置101cによる退出検知信号との序列管理が必要になる。
また、出口車線制御機能部200b等が有する料金表示処理部2006は、次々と進入してくる車両の進入、退出のタイミングに合わせて表示を切り替えていく必要があるため、序列管理が必要になる。
また、料金自動収受機能部201bが有する領収書発行処理部2005は、
図14〜
図16を用いて説明した通行券と同様に、誤って前後の車両に通行券が渡されてしまわないように、序列管理を行う必要がある。
【0133】
(作用、効果)
以上、第1の実施形態に係る料金収受システム9は、複数の料金所1(車線10、料金所事務所11)に設置された複数の車線機器101を備えている。
また、料金収受システム9は、料金所1(車線10、料金所事務所11)に設置され、車線機器101との通信を介して、料金所1における車両の走行、又は、料金収受用の手続きとの同期を要するリアルタイム処理を実行するリアルタイム処理装置100(入口車線制御装置100a、通行券自動発行機100b、出口車線制御装置100c、料金自動収受機100d)を備えている。
また、料金収受システム9は、料金所1から離れた遠隔地(集約料金所2)に設置され、車線機器101との通信を介して、料金所1における車両の走行、又は、料金収受用の手続きとの同期を要しない非リアルタイム処理を実行する非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)を備えている。
【0134】
このような構成によれば、料金所1にて行われる車線制御、事務所処理、監視処理のうち、厳格な時間的制約は要求されない非リアルタイム処理については、大規模な広域通信ネットワークNを介した遠隔地(集約料金所2)と通信を行う構成とすることにより、仮想化して集約することができる。また、厳格な時間的制約は要求されるリアルタイム処理については、ローカル(料金所1内)に設置されたリアルタイム処理装置100で処理を行うことで、処理の遅延を防止することができる。
したがって、上述の料金収受システム9においては、各種処理を、同時期処理が必要な(即時処理が求められる)リアルタイム処理と、同時期処理の必要性が少ない非リアルタイム処理とに分ける(分けておく)。そして、リアルタイム処理については、処理装置をローカル(各料金所付近)に設置して同時期に(即時で)処理し、非リアルタイム処理については、処理装置を遠隔地に設置し、各料金所の処理機能を(各料金所に分散させることなく)その処理装置に統合・集約する。そのため、有料道路の料金収受に係る機能・サービスを適切に仮想化することができる。そして、機能・サービスの仮想化を実現することで、システムの障害に対する強固性を効率的に高めることができる。
【0135】
また、第1の実施形態に係る料金収受システム9の料金所1は、車線機器101と非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)との通信を中継する中継装置112を更に備えている。
このようにすることで、遠隔地に設置された非リアルタイム処理装置との通信は、料金所1の中継装置112を介して行われるようになる。そうすると、料金所1に設置された複数の車線機器101の各々に対し、別個に非リアルタイム処理装置との通信機能を具備させなくともよくなる。
【0136】
また、第1の実施形態において、中継装置112は、車線機器101が出力したイベント情報(車種情報等)と、当該イベント情報が発生した時刻を示す時刻情報と、を含む中継用信号(
図12)を非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)に送信する。そして、非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)は、中継装置112から受信した中継用信号に含まれるイベント情報と、時刻情報と、に基づいて非リアルタイム処理を実行する。
このようにすることで、広域通信ネットワークNを介した遠隔地との通信において遅延が生じた場合であっても、車線10における実際の車両の走行に紐づく現実の時刻(実際にイベントが発生した時刻)に基づいて非リアルタイム処理(例えば、通行券の発行処理)が行われる。したがって、車線機器101と集約料金所装置20との通信に遅延が生じた場合であっても、イベントが発生した現実の時刻に応じた車線制御を行うことができる。
【0137】
また、非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)は、非リアルタイム処理として、中継装置112から受信した中継用信号に含まれる時刻情報を通行券に記録する(
図13参照)。
このようにすることで、非リアルタイム処理装置による処理が行われる現実の時刻(広域通信による遅延が生じた後の時刻)ではなく、利用者が料金所1を通過した時刻が通行券に記録される。これにより、時間帯割引サービス適用対象時間帯に料金所を通過した利用者に対しては、確実に時間帯割引サービスを適用することができる。
【0138】
また、中継装置112は、車線機器101が出力したイベント情報と、当該イベント情報が出力された順番を示す一連番号情報と、を含む中継用信号を非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)に送信する。
このようにすることで、非リアルタイム処理装置は、中継用信号に付与された一連番号情報に基づいて、車線機器101で発生した複数のイベント情報の序列を正しく把握することができる。これにより、同一の車線に連なって進入した複数の車両に対して適切な車線制御を行うことができる。
【0139】
また、非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)は、中継装置112から受信した中継用信号に含まれる一連番号情報に基づいて、非リアルタイム処理として、イベント情報(車種情報)が記録された通行券を、一連番号情報に示される順に発行指令を出力する(
図14、
図16参照)。
このようにすることで、非リアルタイム処理装置(自動発行処理部2010)は、連続して進入する複数の車両の各々に対して、正しい通行券(各車両についての車種情報等が記録された通行券)を発行することができる。
【0140】
以上、第1の実施形態に係る料金収受システム9について詳細に説明したが、料金収受システム9の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、他の実施形態に係る料金収受システム9の非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)は、中継装置112から受信した中継用信号に含まれる一連番号情報に基づいて、イベント情報の伝送ロスが発生したか否かを判定する機能を有していてもよい。また、この場合において、集約料金所装置20は、伝送ロスが発生したと判定した場合には、料金所の監視員に対する警報処理を行ってもよい。
【0141】
具体的には、例えば、
図16を用いて説明した例において、広域通信ネットワークNにおける何らかの通信障害により、ステップS11で発生した車両Aについての車種情報が完全に消失した(伝送ロスが生じた)場合を考える。
この場合、自動発行処理部2010は、ステップS22aにて、車両B’についての処理を待機する。しかし、車両Aについての車種情報は、伝送ロスにより消失したため、いつまでもステップS22aにおける待機が解除されない。そのため、通行券自動発行機100bから通行券が発行されない、という不具合が生じ得る。
そこで、他の実施形態に係る自動発行処理部2010は、
図16のステップS22aにおける待機時間が予め規定された時間を超えた場合には、ステップS21で発生したイベント情報よりも前に発生したイベント情報について伝送ロスが発生した、と判定する。そして、自動発行処理部2010は、待機中の処理に係る中継用情報に含まれる車線機器種別IDを参照し、当該車線機器IDに示される車線機器101を有する料金所1の係員(監視員等)に向けて、一部のイベント情報について伝送ロスが生じたことを通知する。
【0142】
ここで、第1の実施形態で説明した一連番号情報による序列管理を行ったとしても、車両Aに関する車種判別結果の通知が伝送ロスにより永久に届かなくなってしまった場合、車線10での通行券発券処理が停滞してしまう。
この場合、車両Aに対して、誤った通行券(異なる車両についての車種情報等が記録された通行券)が渡ってしまう問題を解消するためには、監視員による手動操作で車両Aの通行券発行処理を行う必要がある。つまり、上記他の実施形態のようにすることで、特定のイベント情報について伝送ロスが発生した場合、直ちに監視員等による手動操作により適切な車線制御を行うことができる。
【0143】
また、上述の第1の実施形態についての説明は、入口有人車線10a、入口無人車線10b、出口有人車線10c及び出口無人車線10dの各々について、リアルタイム処理装置100及び非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)を具備する例を説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、料金収受システム9は、電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」とも言う)が適用された車線についても適用可能である。
【0144】
また、上述の各実施形態においては、上述したリアルタイム処理装置100及び非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0145】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。更に、リアルタイム処理装置100及び非リアルタイム処理装置(集約料金所装置20)は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0146】
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。