特許第6773538号(P6773538)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773538
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
   B25J15/06 G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-233584(P2016-233584)
(22)【出願日】2016年11月30日
(65)【公開番号】特開2018-89720(P2018-89720A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】堀内 晴彦
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−504562(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0205928(US,A1)
【文献】 特開平05−077191(JP,A)
【文献】 実開平06−066982(JP,U)
【文献】 特開昭60−186394(JP,A)
【文献】 実開昭51−082277(JP,U)
【文献】 特開昭60−242988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部、及び収容部を具備し、前記収容部は、軸方向が前記筒状部の軸方向に交差する収容部用孔、前記収容部用孔及び前記筒状部内に連通する連通孔、及び前記収容部用孔に連通して周面に開口し、前記収容部用孔の周方向に延びる溝が形成された、ロボットハンド本体と、
円筒状に形成されて前記収容部用孔内に収容され、その内部に、断面が扇形状に形成されて外周面に開口する第1の部分、並びに、前記第1の部分が前記連通孔に連通する範囲において前記溝と径方向に対向する第2の部分を有する回動部材用孔が形成された回動部材と、
一部が前記溝内及び前記第2の部分内に配置され、一部が前記収容部から突出した吸着部材と、
を具備したロボットハンド。
【請求項2】
前記収容部内に配置され、前記収容部に対して軸方向に移動可能な少なくとも1つの筒部材を具備した請求項1記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記回動部材を回動する駆動装置を具備した請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記回動部材及び前記収容部用孔の間に設けられたベアリングを具備した請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記回動部材は、大径部、及び大径部に連続して形成された小径部を具備し、
前記ベアリングは、ボールベアリングであり、前記小径部及び前記収容部用孔の間に設けられる
請求項4に記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の物品を収納する倉庫等では、これら物品を効率よく回収する為にロボットを用いる場合がある。この種のロボットとして、複数自由度を有するロボットアーム、及びこのロボットアームに取り付けられ、物品を保持するロボットハンドを有するロボットが知られている。ロボットハンドとして、一対のグリッパを有し、この一対のグリッパにより物品を挟持することで物品を保持するロボットハンドが知られている。
【0003】
また、ロボットハンドとして、負圧により物品を吸着する筒状の吸着部材を有し、この吸着部により物品を吸着することで物品を保持するロボットハンドが知られている。吸着部材は、例えば、ポンプに接続されたホースが直接接続されており、このホースにより負圧が作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−83331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、吸着部材の位置を調整可能としつつ、この調整に要するスペースを省スペース化できるロボットハンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、ロボットハンドは、筒状部、及び収容部を具備し、前記収容部は、軸方向が前記筒状部の軸方向に交差する収容部用孔、前記収容部用孔及び前記筒状部内に連通する連通孔、及び前記収容部用孔に連通して周面に開口し、前記収容部用孔の周方向に延びる溝が形成された、ロボットハンド本体と、円筒状に形成されて前記収容部用孔内に収容され、その内部に、断面が扇形状に形成されて外周面に開口する第1の部分、並びに、前記第1の部分が前記連通孔に連通する範囲において前記溝と径方向に対向する第2の部分を有する回動部材用孔が形成された回動部材と、一部が前記溝内及び前記第2の部分内に配置され、一部が前記収容部から突出した吸着部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るロボットハンドを示す斜視図。
図2】同ロボットハンドのロボットハンド本体を示す斜視図。
図3】同ロボットハンド本体を示す断面図。
図4】同ロボットハンドの回動部材及び吸着部材の一体物を示す斜視図。
図5】同回動部材を示す斜視図。
図6】同回動部材を第2の部分側から見た状態を示す斜視図。
図7】同回動部材を示す断面図。
図8】同ロボットハンドの動作を説明する断面図。
図9】同ロボットハンドの動作を説明する断面図。
図10】第2の実施形態に係るロボットハンドを示す断面図。
図11】同ロボットハンドの要部を示す断面図。
図12】同ロボットハンドを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の実施形態に係るロボットハンド10を、図1乃至図10を用いて説明する。図1は、ロボットハンド10を示す斜視図である。図2は、ロボットハンド10のロボットハンド本体20を示す斜視図である。図3は、ロボットハンド本体20を示す断面図である。図4は、ロボットハンド10の回動部材50及び吸着部材70の一体物を示す斜視図である。図5は、回動部材50を示す斜視図である。図6は、回動部材50を、第2の部分53b側から見た状態を示す斜視図である。図7は、回動部材50を示す断面図である。図8及び図9は、ロボットハンド10の動作を説明する断面図である。
【0009】
図1に示すように、ロボットハンド10は、ロボットハンド本体20、ロボットハンド本体20内に収容される回動部材50、ベアリング60、回動部材50に設けられた吸着部材70、及び回動部材50を回動する駆動装置80を有している。
【0010】
図2及び図3に示すように、ロボットハンド本体20は、筒状部30、及び回動部材50を回動可能に収容する収容部40を有している。筒状部30は、ホース等の管部材を介してポンプ等の負圧を発生する負圧発生装置に接続可能に構成されている。筒状部30は、例えば外観が直方体状に形成されている。筒状部30は、その内側の縁が断面円形に形成されている。
【0011】
収容部40は、筒状部30の軸方向に並んで配置されており、筒状部30に一体に形成されている。収容部40は、筒状部30からその軸方向及び軸方向に直交する方向に突出している。収容部40には、収容部用孔41が形成されている。収容部用孔41は、その軸線に直交する断面が円となる形状に形成されている。収容部用孔41は、内側に回動部材50を配置し、かつ回動部材50が回動可能に形成されている。収容部用孔41の軸方向は、筒状部30の軸方向に交差している。本実施形態では、一例として、収容部用孔41の軸方向及び筒状部30の軸方向は、直交している。収容部用孔41は、収容部40を貫通している。また、収容部40には、収容部用孔41と筒状部30の内側とを連通する連通孔42が形成されている。連通孔42は、筒状部30と例えば同軸に配置されている。
【0012】
収容部40の端面43及び側面44の稜部45、端面43において稜部45に連続する一部、並びに、側面44において稜部45に連続する一部は、回動部材50の回動に伴う吸着部材70の回動を可能とする曲面に形成されている。側面44は、収容部40の側面のうち、筒状部30の軸線に直交する方向に突出する部分の側面である。稜部45、端面43の一部、及び側面44の一部は、具体的には、収容部用孔41の軸線を中心とする、断面円弧となる曲面に形成されている。
【0013】
端面43の一部、側面44の一部、及び稜部45には、溝46が形成されている。溝46は、収容部用孔41と連通している。溝46は、収容部40の軸線を中心とする周方向に延びており、内側に吸着部材70を配置可能に形成されている。溝46の周方向の一端46aと他端46bとは、吸着部材70の揺動範囲を規制する。
【0014】
すなわち、吸着部材70は、溝46の一端46a及び他端46bの間で回動可能となる。一端46aの位置、及び他端46bの位置は、吸着部材70の所望される揺動範囲に応じて決定されている。本実施形態では、吸着部材70の揺動範囲は、90度に設定されている。この為、一端46aと他端46bとは、収容部用孔41の軸線周りに90度または90度より若干大きい角度離間している。
【0015】
図4乃至図6に示すように、回動部材50は、収容部用孔41内に、例えば収容部用孔41と同軸に収容される。回動部材50は、収容部用孔41内で回動可能な円柱状に形成されている。回動部材50は、円柱状に形成された大径部51、及び大径部51の軸方向両側のそれぞれに形成された円柱状の小径部52を有している。
【0016】
大径部51の外径は、収容部用孔41の径より若干小さい径に設定されている。大径部51は、内部に回動部材用孔53が形成されている。図7は、大径部51をその軸線に直交する方向に切断した状態を示す断面図である。図7に示すように、回動部材用孔53は、大径部51を径方向に貫通している。回動部材用孔53は、筒状部30の内側に連通する第1の部分53a、及び溝46に連通する第2の部分53bを有している。
【0017】
第1の部分53aは、吸着部材70がいずれの位置にあっても、すなわち、吸着部材70がその揺動範囲となる90度の範囲のいずれの位置にあっても、筒状部30の内側に連通可能に形成されている。第1の部分53aは、具体的には、回動部材50の軸線を中心とする扇形状に形成されている。第2の部分53bは、吸着部材70が取り付け可能に形成されている。第2の部分53bは、その縁が例えば断面円となる形状に形成されている。第2の部分53bは、その軸線が第1の部分53aの周方向中心を通る位置に配置されている。
【0018】
小径部52は、大径部51よりも小径に形成されており、大径部51と同軸に配置されている。小径部52は、ベアリング60が固定可能に形成されている。図4に示すように、一方の小径部52の端面には、プーリ54が固定されている。プーリ54は、回動部材50と同軸に配置されている。
【0019】
このように形成された回動部材50の軸方向の長さ、すなわち両小径部52の端面間の長さは、収容部40の、収容部用孔41が開口する側面47間の長さと同じまたは略同じである。
【0020】
ベアリング60は、収容部用孔41内での回動部材50の回動をスムーズにすることを達成可能に形成されている。ベアリング60は、両小径部52と収容部用孔41の内周面との間に設けられている。ベアリング60は、例えばボールベアリングである。ベアリング60の内筒は、小径部52を内側に嵌合されており、締まりばねにより小径部52に固定されている。ベアリング60の外筒は、収容部用孔41内に配置されている。ベアリング60の外筒と収容部用孔41のはめあいは、隙間ばめである。
【0021】
ベアリング60は、回動部材50を、収容部用孔41の軸方向に、小径部52の側面47と同一平面となる位置に固定する。なお、上述の通り、ベアリング60が収容部用孔41に隙間ばめで嵌合される為、固定部材50及びベアリング60の一体物が収容部用孔41から抜け出ることを防止する為に、一対の抜け防止部材61が用いられている。
【0022】
一対の抜け防止部材61は、図1に示すように、環状の板部材により形成されている。一対の抜け防止部材61の内径は、ベアリング60の外径よりも小さい。抜け防止部材61は、内側にプーリ54を配置可能に形成されている。抜け止め防止部材61は、それぞれ、その縁部が収容部40の側面47の収容部用孔41の縁部にねじ等の固定部材により固定される。抜け止め防止部材61は、ベアリング60に当接する。このように、隙間ばめによる嵌合、及び、収容部用孔41の両端に固定された抜け止め防止部材61により、ベアリング60及び回動部材50の一体物は、穴41内に固定される。
【0023】
吸着部材70は、図4図8に示すように、回動部材用孔53の第2の部分53b及び溝46内に配置される筒状部71、及び蛇腹部72を有している。筒状部71は、第2の部分53bに嵌合する大きさを有している。また、筒状部71は、溝46の幅より小径に形成されている。筒状部71は、第2の部分53bから脱落しないように、第2の部分53bに嵌合、接着、または係合等の固定手段により固定されている。蛇腹部72は、筒状部71の一端に連続して形成されており、筒状部71と同軸に配置されている。蛇腹部72は、その軸方向に伸縮可能に形成されている。
【0024】
図1に示すように、駆動装置80は、ロボットハンド本体20の筒状部30の外面に固定されている。駆動装置80は、外面のうち、例えば収容部40が筒状部30に対して突出する側の側面に固定されている。
【0025】
駆動装置80は、電動モータ等の駆動部81、及び駆動部81の出力軸の回転を回動部材50のプーリ54に伝達する伝達部82を有している。伝達部82は、プーリ83、駆動部81の出力軸の回動をプーリ83に伝達してプーリ83を回転させる伝達機構84、及び伝達ベルト85を有している。伝達ベルト85は、プーリ54及びプーリ83に回し掛けられている。伝達ベルト85は、駆動部81により回転されたプーリ83により、プーリ54を回転する。
【0026】
次に、ロボットハンド10の動作を、図8及び図9を用いて説明する。ロボットハンド10は、まず、吸着部材70の位置が調整される。具体的には、ロボットハンド10を有するロボットの制御装置等により、駆動装置80の駆動部81が駆動されると、プーリ54が回転される。プーリ54が回転されることにより、回動部材50は、90度の範囲内で回動される。回動部材50が回動されることにより、吸着部材70が、図8に示すように吸着部材70の軸線がロボットハンド本体20の筒状部30の軸線に平行となる位置P1、及び、図9に示すように吸着部材70の軸方向が筒状部30の軸方向と直交する位置P2の間で回動される。吸着部材70は、吸着対象となる物品の位置に応じて物品を吸着可能となるように、制御装置により、位置P1及び位置P2の間で位置が調整される。
【0027】
吸着部材70の位置が、物品の吸着に適した位置となると、次に、吸着部材70の蛇腹部72の一端が物品に当接される。具体的には、ロボットハンド10が、吸着部材70が物品に当接するまで移動される。蛇腹部72が縮むことにより、当接の衝撃が吸収される。
【0028】
吸着部材70が物品に当接されると、制御装置によりポンプ等の負圧発生装置が駆動される。この負圧は、ロボットハンド本体20の内部及び回動部材50の回動部材用孔53を介して、吸着部材70内に作用する。図8及び図9に示す矢印は、負圧の作用する方向を示している。この負圧は、図8及び図9に示すように、吸着部材70がいずれの位置にあっても回動部材用孔53の第1の部分53aが連通孔42に連通することから、吸着部材70に作用する。吸着部材70は、この負圧により、物品を吸着する。なお、吸着部材70が物品に当接する前に負圧装置が駆動されてもよい。
【0029】
このように構成されたロボットハンド10では、吸着部材70が回動部材50に連結され、かつ、回動部材50の回動部材用孔53がロボットハンド本体20内に連通することにより、吸着部材70を揺動可能な構成としつつ、吸着部材70に負圧を作用させる為のホース等の管部材を不要とすることができる。
【0030】
例えば、吸着部材70に負圧を作用させる為に、ホース等の可撓性を有する管部材を吸着部材70に直接接続する場合、この管部材は、吸着部材70の位置に応じて屈曲することとなり、管部材が屈曲する際の変位を許容するスペース、すなわち管部材の曲げ半径分のスペースを周囲に確保する必要がある。
【0031】
これに対して本実施形態では、吸着部材70に負圧を作用させる為に、ホース等の可撓性を有する管部材を吸着部材70に直接接続するのではなく、ロボットハンド本体20内に配置された回動部材50を連結する構造であるので、上述のようなスペースを確保する必要がない。
【0032】
この為、ロボットハンド10は、吸着部材70の位置を調整可能としつつ、この調整に要するスペースを省スペース化できる。
【0033】
次に、第2の実施形態に係るロボットハンド10Aを、図10乃至図12を用いて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
図10に示すように、ロボットハンド10Aは、ロボットハンド本体20、回動部材50、ベアリング60、吸着部材70、駆動装置80、及び、ロボットハンド本体20の筒状部30内に配置可能な少なくとも1つの筒部材90を有している。
【0035】
少なくとも1つの筒部材90は、ロボットハンド本体20の筒状部30の軸方向に移動可能に形成されている。筒部材90が複数設けられる場合、これら複数の筒部材90は、異なる径を有し、それぞれ、別のより小径な径を有する筒部材90内に、その軸方向に移動可能に、すなわち所謂テレスコープ的に移動可能に配置される。
【0036】
少なくとも1つの筒部材90は、本実施形態では、2つ用いられており、これらを第1の筒部材91及び第2の筒部材92とする。第1の筒部材91は、ロボットハンド本体20の筒状部30内に配置されており、筒状部30の軸方向に移動可能に形成されている。
【0037】
第2の筒部材92は、第1の筒部材91内に配置されており、第1の筒部材91の軸方向に移動可能に形成されている。第2の筒部材92は、第1の筒部材91の内径よりも小径に形成されている。第2の筒部材92は、その一端部に、ポンプ等の負圧発生装置に接続されたホース等の管部材が接続可能に形成される。
【0038】
図11に示すように、ロボットハンド本体20の筒状部30及び第1の筒部材91の間、並びに、第1の筒部材91及び第2の筒部材92の間にシール100が設けられている。ここで、筒状部30及び第1の筒部材91の間に設けられたシール100を代表して説明する。シール100は、第1の筒部材91の一端部の外周面に形成された環状の突出部101、及びシール部材102を有している。突出部101の外周面には、その軸方向中途部に環状の溝103が形成されている。シール部材102は、環状に形成されており、溝103内に配置される。シール部材102は、溝103の底面及び筒状部30の内面に接触することにより、シールする。
【0039】
また、筒状部30及び第1の筒部材91の一端部内に、第1の筒部材91が抜け出るとこを防止可能な、筒部材94が固定されている。筒部材94は、シール100の突出部101に軸方向に当接することにより、第1の筒部材91の移動を規制する。第1の筒部材91の一端部にも、同様に、第2の筒部材92が抜け出ることを防止可能な筒部材94が固定されている。
【0040】
本実施形態のロボットハンド10Aは、第1の実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。すなわち、筒部材90(第1の筒部材91及び第2の筒部材92)を移動することにより、図12に示すように、ロボットハンド10Aの長さを調整可能することができるので、ロボットハンド10Aを、狭い隙間内に侵入させることができる。なお、図12は、ロボットハンド10Aを示す断面図であり、具体的には、第1の筒部材91が筒状部30から筒部材94に当接する位置まで移動し、第2の筒部材92が第1の筒部材91から筒部材94に当接するまで移動した状態を示す断面図である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、吸着部材70が回動部材50に連結され、かつ、回動部材50の回動部材用孔53がロボットハンド本体20内に連通することにより、ロボットハンド10,10Aは、吸着部材70の位置を調整可能としつつ、この調整に要するスペースを省スペース化できる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
10…ロボットハンド、10A…ロボットハンド、20…ロボットハンド本体、30…筒状部、40…収容部、41…収容部用孔、42…連通孔、46…溝、50…回動部材、51…大径部、52…小径部、53…回動部材用孔、53a…第1の部分、53b…第2の部分、60…ベアリング、70…吸着部材、80…駆動装置、90…筒部材、91…第1の筒部材、92…第2の筒部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12