特許第6773546号(P6773546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773546
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】ガスケット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20201012BHJP
   F16J 15/08 20060101ALI20201012BHJP
   F16J 15/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   F16J15/10 W
   F16J15/08 J
   F16J15/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-243505(P2016-243505)
(22)【出願日】2016年12月15日
(65)【公開番号】特開2018-96499(P2018-96499A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 知明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和義
(72)【発明者】
【氏名】藤原 優
【審査官】 的場 眞夢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−336639(JP,A)
【文献】 実開昭61−011062(JP,U)
【文献】 特開2001−065699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00−33/76
39/26−39/36
41/38−41/44
43/36−43/42
43/50
45/26−45/44
45/64−45/68
45/73
49/48−49/56
49/70
51/30−51/40
51/44
F16J 15/00−15/14
F16K 1/00−1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中空部を有し、前記中空部に連通する第1の開口が一面に形成された金属体と、
前記中空部に膨張黒鉛粉末を充填した状態で圧縮成形され、前記第1の開口にシール面が露出して形成された膨張黒鉛体と、を備え
前記金属体は、環状に形成されており、
前記第1の開口は、前記金属体の外周面に形成され、
前記金属体の軸方向一方側の側面に、前記中空部に連通する第2の開口が形成され、
前記金属体の前記側面において、膨張黒鉛粉末により前記第2の開口を介して前記膨張黒鉛体と一体に圧縮成形されたシート状の付属シール体をさらに備えるガスケット。
【請求項2】
前記金属体は、軸方向に分割された複数の金属部材により構成されている、請求項に記載のガスケット。
【請求項3】
請求項に記載のガスケットの製造方法であって、
下金型の環状凹部に、前記金属体を前記第2の開口が上側を向いた状態となるようにセットする工程と、
前記環状凹部にセットされた前記金属体の前記第2の開口から膨張黒鉛粉末を前記中空部に充填する工程と、
前記中空部に充填された前記膨張黒鉛粉末を前記第2の開口側から上金型により加圧することで、前記第1の開口に前記シール面が露出した前記膨張黒鉛体、及び前記第2の開口を介して前記膨張黒鉛体と一体に圧縮成形されたシート状の前記付属シール体を圧縮成形する工程と、をこの順に含むガスケットの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バタフライバルブ等の弁体又は弁座に使用されるシール材として、膨張黒鉛シートと金属板とを接着して積層したラミネートシートからなるガスケットが知られている(例えば、特許文献1の図2(C)参照)。このようなガスケットは、膨張黒鉛を用いるため、金属板のみで構成されたものと比較すると、相手材とのなじみ性に優れており、高温かつ高圧条件下で使用しても高いシール性能を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−101763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記ガスケットは、膨張黒鉛シートと金属板との接着が不十分な場合、又は長期使用により膨張黒鉛シートと金属板との接着に使用されている接着剤が劣化した場合、被密封流体が膨張黒鉛シートと金属板との間に浸透して漏洩することとなり、シール性能が低下するという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、なじみ性を確保しつつ、経時劣化によるシール性能の低下を抑制することができる新たな構成を備えたガスケット及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のガスケットは、内部に中空部を有し、前記中空部に連通する第1の開口が一面に形成された金属体と、前記中空部に膨張黒鉛粉末を充填した状態で圧縮成形され、前記第1の開口にシール面が露出して形成された膨張黒鉛体と、を備える。
【0007】
本発明によれば、膨張黒鉛体は、金属体の中空部に膨張黒鉛粉末を充填した状態で圧縮成形されることで金属体と一体化される。これにより、従来のように金属と膨張黒鉛とを一体化するための接着剤が不要になるため、経時劣化によるシール性能の低下を抑制することができる。また、金属体の前記一面には、膨張黒鉛体によって第1の開口に露出したシール面が形成されるので、なじみ性も確保することができる。
【0008】
(2)前記金属体は、環状に形成されており、前記第1の開口は、前記金属体の外周面に形成されているのが好ましい。この場合、膨張黒鉛体は、環状の金属体の中空部に膨張黒鉛粉末を充填した状態で圧縮成形されることで金属体と一体化される。これにより、従来のように金属と膨張黒鉛とを一体化するための接着剤が不要になるため、経時劣化によるシール性能の低下を抑制することができる。また、金属体の外周面には、膨張黒鉛体によって第1の開口に露出したシール面が形成されるので、なじみ性も確保することができる。
【0009】
(3)前記金属体の軸方向一方側の側面に、前記中空部に連通する第2の開口が形成されているのが好ましい。この場合、金属体の側面に形成された第2の開口から膨張黒鉛粉末を中空部に充填して圧縮成形することで、金属体の外周面に形成された第1の開口から膨張黒鉛粉末を中空部に充填して圧縮成形する場合に比べて、膨張黒鉛体を簡単に圧縮成形することができる。
【0010】
(4)前記ガスケットは、前記金属体の前記側面において、膨張黒鉛粉末により前記第2の開口を介して前記膨張黒鉛体と一体に圧縮成形されたシート状の付属シール体をさらに備えるのが好ましい。この場合、付属シール体は膨張黒鉛体と一体に圧縮成形されるため、シール構造全体を簡素化することができる。
【0011】
(5)前記金属体は、軸方向に分割された複数の金属部材により構成されているのが好ましい。この場合、軸方向に分割された複数の金属部材により中空部を容易に形成することができる。
【0012】
(6)前記(3)のガスケットの製造方法は、下金型の環状凹部に、前記金属体を前記第2の開口が上側を向いた状態となるようにセットする工程と、前記環状凹部にセットされた前記金属体の前記第2の開口から膨張黒鉛粉末を前記中空部に充填する工程と、前記中空部に充填された前記膨張黒鉛粉末を前記第2の開口側から上金型により加圧することで、前記第1の開口に前記シール面が露出した前記膨張黒鉛体を圧縮成形する工程と、をこの順に含む。この場合、前記(3)のガスケットと同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガスケットによれば、なじみ性を確保しつつシール性能の経時劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るガスケットを示す斜視図である。
図2】ガスケットの拡大断面図である。
図3】ガスケットの製造に用いる下金型の断面図である。
図4】下金型の環状凹部に金属部材を挿入している途中の状態を示す断面図である。
図5】下金型の環状凹部に金属体がセットされた状態を示す断面図である。
図6】金属体の中空部に膨張黒鉛粉末を充填した状態を示す断面図である。
図7】上金型により膨張黒鉛粉末を加圧した状態を示す断面図である。
図8】金属体の第1変形例を示す拡大断面図である。
図9】金属体の第2変形例を示す拡大断面図である。
図10】金属体の第3変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[ガスケットの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るガスケットを示す斜視図である。このガスケット1は、例えば、バタフライバルブ等のシール材として用いられるものであり、金属からなる金属体2と、膨張黒鉛からなる膨張黒鉛体3とによって環状に形成されている。
【0016】
図2は、ガスケット1の拡大断面図である。図2において、ガスケット1の金属体2は、軸方向(図中の上下方向)に分割された複数の金属部材により構成されている。本実施形態の金属体2は、複数の金属部材として、第1金属部材10と第2金属部材20とを備えている。第1及び第2金属部材10,20は、例えばステンレスによって作製されている。なお、説明の便宜上、本明細書において、図2の下側を軸方向一方側、図2の上側を軸方向他方側というが、当該記載によりガスケット1の方向が限定されるものではない(図8図10についても同様)。
【0017】
第1金属部材10は、円板部11と、この円板部11の内周端部(図中の右端部)から軸方向他方側に延びる円筒部12とを有している。円板部11には、円筒部12よりも外周側において軸方向に貫通する貫通孔13が形成されている。貫通孔13は、円板部11の周方向に等間隔をあけて合計4個形成されており、各貫通孔13は、円板部11と同心状に円弧状に形成されている(図1参照)。円板部11の軸方向他方側の側面14には段差面14aが形成されている。なお、貫通孔13の個数は、特に限定されるものではなく、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0018】
第2金属部材20は、円板状に形成されており、その外径D20は、円板部11の外径D11よりも小さく設定され、かつ円筒部12の外径D12よりも大きく設定されている。第2金属部材20の軸方向一方側の側面21の内周端部には、環状の凹部20aが形成されており、この凹部20aには、軸方向他端部に突出して形成された円筒部12の凸部12aが係合されている。これにより、第2金属部材20は、凹部20a及び凸部12aによって第1金属部材10と一体に結合されている。
【0019】
以上の構成により、金属体2には、円板部11の軸方向他方側の側面14と、円筒部12の外周面17と、第2金属部材20の軸方向一方側の側面21とによって区画された環状空間25が形成されている。この環状空間25は、円板部11における各貫通孔13の軸方向他方側(軸方向の上側)の開口と連通している。
【0020】
これにより、環状空間25と、円板部11の4個の貫通孔13とによって、金属体2の内部に中空部2aが形成されている。そして、金属体2の外周面には、中空部2a(環状空間25)に連通する第1の開口2bが周方向全体にわたって形成され、金属体2の軸方向一方側の側面(円板部11の側面15)には、中空部2a(貫通孔13)に連通する第2の開口2cが形成されている。
【0021】
膨張黒鉛体3は、例えば金属体2の第2の開口2cから膨張黒鉛粉末31(図6参照)を中空部2aに充填した状態で圧縮成形されることで、金属体2と一体化されている。膨張黒鉛体3には、金属体2の第1の開口2bにおいてシール面3aが露出して形成されている。シール面3aは、図2の断面視において、第2金属部材20の外周面22の軸方向他方側の端部から、円板部11の外周面(一面)11aの軸方向他方側の端部に向かって漸次拡径する傾斜面とされている。これにより、ガスケット1の外周面の軸方向他方側には、膨張黒鉛からなるシール面3aが全周にわたって形成されている。
【0022】
円板部11の軸方向一方側の側面15には、当該側面15の全体(第2の開口2cも含む)にわたって、膨張黒鉛からなるシート状の付属シール体4が設けられている(図1も参照)。付属シール体4は、円板部11の軸方向一方側の側面15側に盛り付けられた膨張黒鉛粉末31(図6参照)を加圧することにより圧縮成形されている。
【0023】
その際、前記側面15側に盛り付けられ、圧縮成形により付属シール体4となる膨張黒鉛粉末は、第2の開口2cを介して中空部2aに充填された膨張黒鉛粉末31と共に加圧される。したがって、付属シール体4は、膨張黒鉛粉末31により第2の開口2cを介して膨張黒鉛体3と一体に圧縮成形されている。これにより、付属シール体4は金属体2(円板部11)と一体化されている。
【0024】
[ガスケットの製造方法]
次に、上述したガスケット1の製造方法について、図3図7を参照しながら説明する。まず、図3に示す下金型51を用意する。本実施形態の下金型51は、環状の内型部52と、この内型部52の径方向外側に配置された環状の外型部53と、内型部52の外周下部と外型部53の内周下部との間に配置された環状の底型部54とによって構成されている。下金型51には、これらの各型部52〜54によって上方が開口した環状の凹部55が形成されている。また、外型部53の内周面には、傾斜面からなるシール面3aを成形するための傾斜型面53aが形成されている。
【0025】
次に、図4に示すように、金属体2の第2金属部材20を、下金型51の凹部55の上方から挿入し、底型部54の上面に載置する。そして、金属体2の第1金属部材10を凹部55の上方から挿入し、第2金属部材20の凹部20aに第1金属部材10(円筒部12)の凸部12aを係合する。これにより、図5に示すように、下金型51の凹部55には、金属体2が、第2の開口2cが上側を向いた状態でセットされる。
【0026】
次に、図6に示すように、膨張黒鉛粉末31を、凹部55の上方から金属体2の第2の開口2cを介して中空部2aに充填する。その際、中空部2aに膨張黒鉛粉末31が充填された後も、引き続き凹部55に膨張黒鉛粉末31を供給し、金属体2の上面(図2の円板部11の側面15)全体に膨張黒鉛粉末31を盛り付ける。
【0027】
次に、図7に示すように、環状の上金型58を下金型51の上方から下降させて凹部55内に挿入することで膨張黒鉛粉末31を加圧する下降工程と、上金型58を凹部55の上方まで上昇させて多数の膨張黒鉛粉末31間に存在する空気を外部へ逃がすための上昇工程とを複数回繰り返し行う。
【0028】
これにより、中空部2aに充填された膨張黒鉛粉末31が加圧されて膨張黒鉛体3が圧縮成形されるとともに、金属体2の上面に盛り付けられた膨張黒鉛粉末31が加圧されて付属シール体4が圧縮成形される。その際、外型部53の傾斜型面53aにより、膨張黒鉛体3のシール面3aも第1の開口2b(図2参照)に露出して形成される。本実施形態では、上記製造方法によって圧縮成形された膨張黒鉛体3の密度は、例えば1.4〜1.8g/cmとなる。
【0029】
[作用効果]
以上のように、本実施形態のガスケット1によれば、膨張黒鉛体3は、金属体2の中空部2aに膨張黒鉛粉末31を充填した状態で圧縮成形されることで金属体2と一体化される。これにより、従来のように金属と膨張黒鉛とを一体化するための接着剤が不要になるため、経時劣化によるシール性能の低下を抑制することができる。また、膨張黒鉛体3によってシール面3aが形成されるので、なじみ性も確保することができる。
【0030】
また、金属体2の軸方向一方側の側面15に、中空部2aに連通する第2の開口2cが形成されているので、この第2の開口2cから膨張黒鉛粉末31を中空部2aに充填して圧縮成形することで、金属体2の外周面に形成された第1の開口2bから膨張黒鉛粉末31を中空部2aに充填して圧縮成形する場合に比べて、膨張黒鉛体3を簡単に圧縮成形することができる。
【0031】
また、ガスケット1は、金属体2の軸方向一方側の側面15において、膨張黒鉛粉末31により第2の開口2cを介して膨張黒鉛体3と一体に付属シール体4が圧縮成形される。よって、シール構造全体、すなわち、ガスケット1自体を簡素化することができる。
また、金属体2は、軸方向に分割された第1金属部材10と第2金属部材20とにより構成されているので、これらの金属部材10,20により中空部2aを容易に形成することができる。
【0032】
[変形例]
図8は、金属体2の第1変形例を示す拡大断面図である。本変形例の金属体2では、第2金属部材20の側面21の内周端部に環状の切欠部20bが形成されており、この切欠部20bには、第1金属部材10の円筒部12の軸方向他端部に突出して形成された突出部12bが係合されている。これにより、第2金属部材20は第1金属部材10と一体に結合されている。
【0033】
図9は、金属体2の第2変形例を示す拡大断面図である。本変形例の金属体2では、第2金属部材20の内周に鋸刃状の凹凸部20cが形成されており、この凹凸部20cには、第1金属部材10における円筒部12の外周面17の軸方向他端部に形成された凹凸部12cが係合されている。これにより、第2金属部材20は第1金属部材10と一体に結合されている。
【0034】
図10は、金属体2の第3変形例を示す拡大断面図である。本変形例の金属体2では、上記第1変形例と同様に、第2金属部材20の側面21の内周端部に環状の切欠部20bが形成されており、この切欠部20bには、第1金属部材10の円筒部12の軸方向他端部に突出して形成された突出部12bが係合されている。さらに、本変形例の金属体2では、第2金属部材20の内周面が、軸方向他端から軸方向一端に向かって漸次拡径するテーパ面20dとされている。このテーパ面20dには、第1金属部材10の前記突出部12bの軸方向他端部において、軸方向他端から軸方向一方側に向かって漸次拡径して形成されたテーパ面12dが係合されている。これにより、第2金属部材20は第1金属部材10と一体に結合されている。
【0035】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
例えば、上記実施形態では、金属体2の第2の開口2cは、円板部11に形成された貫通孔13の軸方向一方側の開口であるが、第2金属部材20に軸方向に貫通して中空部2aに連通する貫通孔を形成し、この貫通孔の軸方向他方側の開口を第2の開口2cとしてもよい。この場合、ガスケット1の製造時に下金型51の凹部55に金属体2をセットするときは、第1金属部材10を凹部55に挿入した後に第2金属部材20を挿入すればよい。また、第2金属部材20の前記貫通孔に替えて、円筒部12において径方向(図2の左右方向)に貫通して中空部2aに連通する貫通孔を形成し、この貫通孔の内側(円筒部12の内周面側)の開口を第2の開口2cとしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態の金属体2には、第1の開口2bと第2の開口2cとが形成されているが、少なくとも第1の開口2bが形成されていればよい。この場合、ガスケット1の製造時には膨張黒鉛粉末31を第1の開口2bから中空部2aに充填すればよい。また、上記実施形態の金属体2は、2個の金属部材10,20によって構成されているが、1個の金属部材で構成されていてもよいし、3個以上の金属部材で構成されていてもよい。また、上記実施形態の膨張黒鉛体3は、付属シール体4と一体に形成されているが、付属シール体4とは別体に形成されていてもよい。さらに、ガスケット1は、環状に限定されず、矩形状、半円状、または扇形等であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 ガスケット
2 金属体
2a 中空部
2b 第1の開口
2c 第2の開口
3 膨張黒鉛体
3a シール面
4 付属シール体
10 第1金属部材(金属部材)
11 外周面(一面)
15 側面
20 第2金属部材(金属部材)
31 膨張黒鉛粉末
51 下金型
55 凹部
58 上金型
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10