【課題を解決するための手段】
【0013】
[発明の要旨]
この目標を達成するために、本発明は、
加圧液体の源と流体連通して設置されるように意図された入口、プリフォームと流体連通して設置されるように意図された出口、及び、入口と出口の間の加圧液体を受けて収容するように配置された注入チャンバーを含む主ハウジングと、
閉位置と開位置の間で出口に対して可動な閉鎖体と、
少なくとも閉鎖体に取り付けられた閉鎖ダイアフラムであって、注入チャンバーが少なくとも前記閉鎖ダイアフラムの内面によって区切られ、前記閉鎖ダイアフラムが注入チャンバーの外側に広がって、かつ、流体密方法で注入チャンバーから隔離された外側領域を画定する外面を有する閉鎖ダイアフラムと、
閉鎖ダイアフラムの外面の支持部が適用されて、かつ、主ハウジングの少なくとも一部によって及び/又は閉鎖体の少なくとも一部によって画定される軸受面とを含み、
閉鎖ダイアフラムが、支持部と共に閉鎖ダイアフラムの外面全体を形成する自由部をさらに含む注入装置であって、
閉鎖体が閉位置から開位置まで移動した場合に、自由部の表面が減少するように軸受面が配置された注入装置に関連する。
【0014】
軸受面は、液体を注入する間に閉鎖ダイアフラムを支持するために使用される。その結果、閉鎖体が開位置にあって液体が注入されて閉鎖ダイアフラムの内面に流れる場合は、支持されていない閉鎖ダイアフラムの外面の自由部が大きく減少するため、閉鎖ダイアフラムは、軸受面上に置くことによって液体の圧力に耐えることができる。したがって、閉鎖ダイアフラムは、その外面に補充流体を使用することを要求することなく、その内面に加えられる高圧に耐えることができる。有利には、外側領域は乾燥領域であることができて及び/又は大気に接続されることができる。
【0015】
上で述べたように、欧州特許1762539号明細書においては、ディスク形状の薄膜は開位置において円錐形状を取り、それは、液体が噴射された場合は、薄膜が主ハウジングの内側に伸ばされて開位置において支持されないままであり、可動部が閉位置から開位置まで移動する場合は自由部の表面が同じ状態のままであることを意味し、それにより、液体を高圧で注入する場合には、そのようなディスク形状の薄膜は使用するには不適当になる。
【0016】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、互いに対して可動な少なくとも一組の2つのキャビティ体を含む複数のキャビティ体を含み、前記の又は各組のキャビティ体の2つのキャビティ体が、前記2つのキャビティ体間の相対移動の全てに沿って、前記2つのキャビティ体間の液密性を維持する少なくとも1つの可撓性ダイアフラムによって互いに関連して、注入チャンバーが、各キャビティ体の硬質面によって、及び、前記キャビティ体又は各組のキャビティ体に関連する少なくとも1つの可撓性ダイアフラムのそれぞれによって、入口と出口の間で完全に区切られ、
そのキャビティ体の1つが閉鎖体であり、
主ハウジングが少なくとも1つの他のキャビティ体を含み、前記少なくとも1つの可撓性ダイアフラムの1つが閉鎖ダイアフラムであり、注入装置が、閉鎖体が出口に対して開位置にあって、同時に主ハウジングが出口をプリフォームと流体連通して設置するように配置された作動構成を有する。
【0017】
注入チャンバーが硬質キャビティ体によって及び密封部材によって区切られ、それらの少なくとも1つが可撓性閉鎖ダイアフラムである。本発明のこの実施形態は、例えば、2つの並行する支持体間で回転する簡素な回転ダイアフラムを含むよく知られた配置とは異なる。そのようなよく知られた配置においては、回転ダイアフラムの支持部が、2つの円筒状の支持体間で分配される。支持部の表面は、支持体の1つに対して適用される回転ダイアフラムの支持部の表面の合計と、もう1つの支持体に対して適用される支持部の表面の合計とに等しい。回転ダイアフラムは2つの支持体間で広がる自由部を有する。回転ダイアフラムが支持体間を相対移動することよって回転する場合、回転ダイアフラムが適用される軸受面は、支持体の1つに沿って少なく広がりもう1つの支持体に沿って多く広がるが、自由部の表面は実質的に一定に留まる。本発明では、可撓性ダイアフラムが適用される軸受面は、1つの硬質支持体のみに沿って広がることがあるか又は幾つかの硬質支持体間に分配されることがある。しかしながら、少なくとも、閉位置から開位置まで閉鎖体が移動する間に可撓性ダイアフラムの最大部が適用される硬質支持体は、閉鎖ダイアフラムの機械的支持が閉位置に対して開位置において増加するように、この移動の間に自由部の表面が減少するように配置される特定かつ固有な機能を有する。
【0018】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、可撓性ダイアフラムのそれぞれ又は少なくとも1つが、関連キャビティ体の1つに取り付けられた1つの端部と、もう1つの関連キャビティ体に取り付けられた別の端部とを有する支持ダイアフラムであって、前記支持ダイアフラムが、注入チャンバーの外側に広がり、可撓性ダイアフラムの外面の支持部が適用される少なくとも1つの硬質支持体にさらに関連して、その硬質支持体が関連キャビティ体の1つの外側部に取り付けられるか又は関連キャビティ体の1つの外側部を形成する。
【0019】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、前記支持ダイアフラムに関連する少なくとも1つの硬質支持体が、支持ダイアフラムに関連するキャビティ体間での注入装置の作動構成に向かう相対移動が、受け体に対して適用される支持ダイアフラムの支持部の表面を増加させるという事実によって規定される受け体であって、前記受け体が、前記相対移動の間に前記支持ダイアフラムの自由部が徐々に適用される湾曲部を含む。
【0020】
上記機能を有する湾曲形状を持つ硬質支持体を提供する1つの可能な方法は、本発明はその方法に限定されないが、閉鎖体が開位置にある間に注入チャンバー内の低圧下での液体によってダイアフラムが押された際に、可撓性閉鎖ダイアフラムによって取られた自然形状を実質的に補う湾曲形状の軸受面を有する硬質支持体を設計することである。したがって、注入チャンバーの内側の圧力が高圧に増加した場合は、前記ダイアフラムが、正確に適合された湾曲形状の軸受面を有する硬質支持体に対して既に適用されるため、可撓性ダイアフラムが更に変形することはない。
【0021】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、プリフォームを受けるために配置されたプリフォームシート、及び、出口がプリフォームと流体連通して設置された作動位置と、プリフォームシートにプリフォームを導入することを可能とする後退位置との間で、プリフォームシートに対して出口を移動するように配置されたノズルアクチュエータをさらに含み、
キャビティ体の1つが注入装置の入口を含む本体であり、別のキャビティ体が出口を含むノズル体であり、ノズルアクチュエータが作動位置と後退位置の間で本体に対してノズル体を移動させるように配置され、
閉鎖ダイアフラムが、閉鎖体に取り付けられた第1端部と本体に取り付けられた第2端部とを有し、
ノズルアクチュエータが、ハウジング内に提供される第1作動チャンバーと、その第1作動チャンバー内でスライドするノズルピストン体とを含み、
注入装置が、可撓性閉鎖ダイアフラムに加えて可撓性ノズルダイアフラムを含み、その可撓性ノズルダイアフラムが、ノズル体に取り付けられた第1端部と本体に取り付けられた第2端部とを有し、ノズル体と本体の間の相対移動の全てに沿ってノズル体と本体の間で密閉継続性を提供する。
【0022】
有利には、注入チャンバーが、本体、ノズル体、及び閉鎖体の3つのキャビティ体よって、閉鎖体と本体の間の密閉継続性を提供する閉鎖可撓性ダイアフラムによって、並びに、本体とノズル体の間の密閉継続性を提供する少なくとも1つの可撓性ノズルダイアフラムによって完全に区切られる。
【0023】
追加的に、液体が注入チャンバーの内側に流れた場合は可撓性閉鎖ダイアフラムが軸受面によって支持される。したがって、注入チャンバーは注入装置の残部から適切に隔離され、その結果、注入チャンバーの内側で直接プリフォーム内に液体だけが適切に流れることを確保する。
【0024】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、注入チャンバーの外側で広がる硬質第2支持体をさらに含み、前記第2支持体が、可撓性ノズルダイアフラムの第2端部の近くで、本体に取り付けられるか又は本体の一部を形成し、
対応ダイアフラムの前記端部の少なくとも1つ又はそれぞれが、エラストマー材料を含むか又はエラストマー材料から作られて、ダイアフラムの前記端部が取り付けられた対応キャビティ体の取付けハウジングで収容する閉ループを形成して、前記取付けハウジングが、前記端部を保持するためのフック形状を含み、エラストマー材料を圧縮して前記端部を完全に充填するためにサイジングされた断面を有することで、対応ダイアフラムが移動する間に、液体が環状の取付けハウジングの中に入るのを防ぐ。
【0025】
1つ又は複数のダイアフラムの端部は取付けハウジングの内側に完全に密閉されて、したがって、液体を注入チャンバー内に捕えることができないことが確実になり、それによって注入装置の衛生性が改善する。
【0026】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、閉鎖体が開位置にある場合に、閉鎖ダイアフラムの外面全体が支持部によって形成されるように、閉鎖ダイアフラムの実質的に外面全体が軸受面に対して適用される。
【0027】
閉鎖部材の開位置において、軸受面に対して適用された閉鎖ダイアフラムの外面の実質的に全体を有する、すなわち、閉鎖ダイアフラムが支持されていない自由部を有さないことによって、閉鎖ダイアフラムが液体の注入の間に完全に支持されることが確保され、したがって、高圧に耐えることができるようになる。
【0028】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、プリフォームシートに対してノズル体を移動させ、ノズル体に対して閉鎖体を移動させて、以下の構成、
ノズル体が後退位置にあり、閉鎖体が閉位置にある後退構成と、
ノズル体が作動位置にあり、閉鎖体が閉位置にある接続構成と、
ノズル体が作動位置にあり、閉鎖体が開位置にある作動構成と
を得るように配置された作動システムを含み、
作動システムが、後退構成、接続構成、及び作動構成を連続的に含む作動シーケンスに続いて注入装置を駆動するようにさらに配置され、
外側領域が、閉鎖ダイアフラムの外面か又はノズルダイアフラムの外面が支持部によって及び自由部によって完全に形成されるように、注入チャンバーの外側の自由空間によって形成されて、前記自由部が前記自由空間に面する。
【0029】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、出口が、プリフォームに液体を注入する間にその出口がプリフォームと液密な流体連通であるように、プリフォームに液密に接触して適用される。
【0030】
本発明はまた、プリフォームを容器に成形して、加圧液体を使用して前記容器を充填するための成形充填ステーション用の注入ステーションであって、前記注入ステーションが、
製造されるべき容器の形状を有する成形キャビティを画定するプリフォームを受けるように配置された型、並びに、
加圧液体の源と流体連通して設置されるように意図された入口、型内に設置されたプリフォームと流体連通して設置されるように意図された出口、及び、入口と出口の間で加圧液体を受けて収容するように配置された注入チャンバーを含む主ハウジングと、
閉位置と開位置の間で出口に対して可動な閉鎖体と、
少なくとも閉鎖体に取り付けられた閉鎖ダイアフラムであって、注入チャンバーが少なくとも前記閉鎖ダイアフラムの内面によって区切られ、前記閉鎖ダイアフラムが注入チャンバーの外側に広がって、かつ、流体密封方法で注入チャンバーから隔離された外側領域を画定する外面を有する閉鎖ダイアフラムと、
閉鎖ダイアフラムの外面の支持部が適用されて、かつ、主ハウジングの少なくとも一部によって及び/又は閉鎖体の少なくとも一部によって画定される軸受面とを含み、
閉鎖ダイアフラムが、支持部と共に閉鎖ダイアフラムの外面全体を形成する自由部をさらに含む注入装置を含み、
閉鎖体が閉位置から開位置まで移動した場合に、自由部の表面が減少するように軸受面が配置された注入装置を含む注入ステーションに関連する。
【0031】
本発明はまた、上で説明したような注入装置を使用した注入方法であって、以下の工程、
出口に対して閉鎖体を閉位置に移動することによって出口を閉じる工程、
閉じる工程が完了した場合に、プリフォーム開口部に液密方法で出口を接続する工程、
接続する工程が完了した場合に、出口を開ける工程であって、前記開ける工程が、加圧液体が注入チャンバーを出てプリフォームの内側に流れることを可能にする開位置に閉鎖体を移動することによって行われる工程、及び
前記ダイアフラムの自由部の表面を減少させることによって、前記開ける工程の間又は後に、少なくとも閉鎖ダイアフラムの自由部を減らす工程
を含む注入方法に関連する。
【0032】
前に述べたように、液体が出口を通じて流れている場合は、閉鎖ダイアフラムの機械的支持が増加し、したがって、閉鎖ダイアフラムが高圧に耐えることができることを確実にする。
【0033】
有利には、閉鎖体を閉める工程は、前記出口を接続する工程が完了した場合に起こる。
【0034】
本発明はまた、プリフォームを容器に成形するための成形充填方法であって、上で説明した注入方法を含み、以下の工程、
加熱プリフォームを成形キャビティに導入する工程、
出口を開ける工程の前に、第1圧力において加圧液体で注入チャンバーを充填する工程、及び
前記自由部を減らす工程の後に、注入チャンバーの内側で液体の圧力を増加させて、成形キャビティの形状までプリフォームを拡大する工程
を含む成形充填方法に関連する。
【0035】
成形充填方法の他の特徴によれば、
加圧液体の圧力は、20bars超、好ましくは35bars超に増加され、
使用されるプリフォームはPETから作られ、加圧液体の圧力が35bars超に増加され、
プリフォーム開口部に液密方法で出口を接続する工程が、プリフォーム開口部と液密で接触して出口を設置して、加圧液体を液密方法でプリフォームの内側に注入することを含む。
【0036】
本発明の他の態様及び利点は、例として与えられて添付図面に関連してなされる、以下の説明を読むことで明らかになる。