特許第6773559号(P6773559)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6773559少なくとも1つの可撓性ダイアフラムを含む注入装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773559
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの可撓性ダイアフラムを含む注入装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/46 20060101AFI20201012BHJP
   B29C 49/42 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   B29C49/46
   B29C49/42
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-553824(P2016-553824)
(86)(22)【出願日】2015年2月13日
(65)【公表番号】特表2017-510481(P2017-510481A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】EP2015053129
(87)【国際公開番号】WO2015128211
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2018年1月12日
(31)【優先権主張番号】14305274.4
(32)【優先日】2014年2月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515121575
【氏名又は名称】ディスクマ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(72)【発明者】
【氏名】ドニ ジレ
【審査官】 ▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−076741(JP,A)
【文献】 特開2013−248748(JP,A)
【文献】 特表2013−507264(JP,A)
【文献】 特表2010−533610(JP,A)
【文献】 米国特許第04571762(US,A)
【文献】 特表2009−533290(JP,A)
【文献】 特表2009−502665(JP,A)
【文献】 特開2013−010352(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/044540(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00−49/80
B65D 1/00− 1/48
B65B 1/00− 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリフォーム(2)を容器に成形して、加圧液体を使用して前記容器を充填するための成形充填ステーション用の注入装置(4、68、101)であり、
加圧液体の源と流体連通して設置された入口(16)、前記プリフォーム(2)と流体連通して設置された出口(18)、及び、前記入口(16)と前記出口(18)の間で前記加圧液体を受けて収容するように配置された注入チャンバー(44)を含む主ハウジング(22、73)と、
閉位置と開位置の間で前記出口(18)に対して可動な閉鎖体(30)と、
少なくとも前記閉鎖体(30)に取り付けられた閉鎖ダイアフラム(38、102)であって、前記注入チャンバー(44)が、少なくとも前記閉鎖ダイアフラム(38、102)の内面(48)によって区切られ、前記閉鎖ダイアフラム(38、102)が、前記注入チャンバー(44)の外側で広がって、流体密方法で前記注入チャンバー(44)と隔離された外側領域(46、108)を画定する外面(50)を有する閉鎖ダイアフラム(38、102)と、
前記閉鎖ダイアフラム(38、102)の前記外面(50)の支持部が適用されており、かつ、前記主ハウジングの少なくとも一部によって及び/又は前記閉鎖体(30)の少なくとも一部によって画定された軸受面と
を含み、前記プリフォーム(2)を受けるために配置されたプリフォームシート(64)、及び、前記出口(18)が前記プリフォーム(2)と流体連通して設置された作動位置と、前記プリフォームシート(64)に前記プリフォーム(2)を導入することを可能とする後退位置との間で、前記プリフォームシート(64)に対して前記出口(18)を移動するように配置されたノズルアクチュエータ(66、71)をさらに含み、前記閉鎖ダイアフラム(38)が、前記支持部と共に前記閉鎖ダイアフラムの前記外面(50)全体を形成する自由部(49、79、112)をさらに含み、前記自由部(49、79、112)が、前記軸受面によって支持されていない部分である注入装置(4、68、101)であって、
前記軸受面が、前記閉鎖体(30)が閉位置から開位置まで移動した場合に、前記自由部(49、79、112)が減少するように配置されており、
前記閉鎖体(30)が開位置に向かって移動する間に前記外側領域(46、108)の容積が徐々に減少し、前記閉鎖体(30)が開位置に到達した場合に前記外側領域(46、108)の容積がなくなり、前記外面(50)全体前記軸受面により支持されることを特徴とする、注入装置(4、68、101)。
【請求項2】
互いに対して可動な少なくとも一組のキャビティ体(24−30、69−70、30−70)を含む複数のキャビティ体(24、30、69、70)を含み、各組のキャビティ体(24−30、69−70、30−70)が、前記各組のキャビティ体(24−30、69−70、30−70)間の相対移動の全てに沿って、前記各組のキャビティ体(24−30、69−70、30−70)間の液密性を維持する少なくとも1つの可撓性ダイアフラム(38、76、102)によって互いに関連しており、前記注入チャンバー(44)が、各キャビティ体の硬質面によって、及び、前記キャビティ体又は各組のキャビティ体に関連する前記少なくとも1つの可撓性ダイアフラムのそれぞれによって、前記入口と前記出口の間で完全に区切られている、請求項1に記載の注入装置(4、68、101)。
【請求項3】
前記キャビティ体の1つが前記閉鎖体(30)であり、前記主ハウジング(22、73)が少なくとも1つの他のキャビティ体(24、69、70)を含み、前記少なくとも1つの可撓性ダイアフラムの1つが前記閉鎖ダイアフラム(38)であり、前記注入装置(4)が、前記閉鎖体(30、102)が前記出口(18)に対して開位置にあって、同時に前記出口(18)を前記プリフォーム(2)と流体連通して設置するように前記主ハウジング(22)が配置された作動構成を有する、請求項2に記載の注入装置(4、68、101)。
【請求項4】
前記可撓性ダイアフラム(38、76、102)のそれぞれ又は少なくとも1つが、前記関連キャビティ体の1つに取り付けられた1つの端部と、もう1つの前記関連キャビティ体に取り付けられた別の端部とを有する支持ダイアフラムであって、前記支持ダイアフラムが、前記注入チャンバー(44)の外側で広がり、前記可撓性ダイアフラムの外面(50、84)の支持部が適用された少なくとも1つの硬質支持体(58、75)にさらに関連しており、前記硬質支持体が前記関連キャビティ体の1つの外側部に取り付けられているか又は前記関連キャビティ体の1つの外側部を形成している、請求項2又は3に記載の注入装置(4、68、101)。
【請求項5】
前記支持ダイアフラム(38、76、102)に関連する少なくとも1つの硬質支持体(58、75、109)が受け体であり、前記支持ダイアフラムに関連するキャビティ体間での前記注入装置(4、68、101)の作動構成に向かう相対移動が、前記受け体に対して適用される前記支持ダイアフラムの前記支持部を増加させ、前記受け体が、前記相対移動の間に前記支持ダイアフラムの前記自由部(49、79、112)が徐々に適用される湾曲部(51、85、110)を含む、請求項3及び4に記載の注入装置(4、68、101)。
【請求項6】
前記キャビティ体の1つが前記注入装置の前記入口(16)を含む本体(69)であり、別のキャビティ体が前記出口(18)を含むノズル体(70)であり、前記ノズルアクチュエータ(71)が作動位置と後退位置の間で前記本体(69)に対して前記ノズル体(70)を移動させるように配置された、請求項2に記載の注入装置(68、101)。
【請求項7】
前記閉鎖ダイアフラム(38)が、前記閉鎖体(30)に取り付けられた第1端部(40)と、前記本体(69)に取り付けられた第2端部(42)とを有する、請求項3及び6に記載の注入装置(68)。
【請求項8】
前記ノズルアクチュエータ(71)が、前記ハウジング(73)内に提供された第1作動チャンバー(74)と、前記第1作動チャンバー内でスライドするノズルピストン体(72)とを含む、請求項6又は7に記載の注入装置(68、101)。
【請求項9】
前記可撓性閉鎖ダイアフラム(38)に加えて可撓性ノズルダイアフラム(76)を含み、前記可撓性ノズルダイアフラム(76)が、前記ノズル体(70)と前記本体(69)の間の相対移動の全てに沿って前記ノズル体(70)と前記本体(69)の間で密閉継続性を提供するために、前記ノズル体(70)に取り付けられた第1端部(78)と、前記本体(69)に取り付けられた第2端部(80)とを有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の注入装置(68、101)。
【請求項10】
前記注入チャンバー(44)の外側で広がる硬質第2支持体(75)をさらに含み、前記第2支持体(75)が、前記可撓性ノズルダイアフラム(76)の前記第2端部(80)の近くで、前記本体(69)に取り付けられているか又は前記本体(69)の一部を形成している、請求項9に記載の注入装置(68)。
【請求項11】
対応ダイアフラム(38、76、102)の前記端部の少なくとも1つ又はそれぞれが、エラストマー材料を含むか又はエラストマー材料から作られており、かつ、前記ダイアフラム(38、76、102)の前記端部が取り付けられた対応キャビティ体(69、30、70)の取付けハウジング(52、56、86、90)に収容された閉ループを形成しており、前記対応ダイアフラムが移動する間に液体が環状の前記取付けハウジング(52、56、86、90)の中に入るのを防ぐために、前記取付けハウジング(52、56、86、90)が、前記端部を保持するためのフック形状を含み、かつ、前記エラストマー材料を圧縮して前記端部を完全に充填するためにサイズ決めされた断面を有する、請求項7又は9に記載の注入装置(68、101)。
【請求項12】
前記閉鎖体(30)が開位置にある場合に、前記閉鎖ダイアフラム(38、102)の前記外面(50)全体が前記支持部によって形成されるように、前記閉鎖ダイアフラム(38、102)の実質的に外面(50)全体が前記軸受面に対して適用されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の注入装置(4、68、101)。
【請求項13】
前記出口(18)が前記プリフォーム(2)と液密で流体連通であるように、前記プリフォーム(2)に液体を注入する間に、前記出口(18)が前記プリフォームと液密に接触して適用されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の注入装置(4、68、101)。
【請求項14】
プリフォーム(2)を容器に成形して、加圧液体を使用して前記容器を充填するための成形充填ステーション用の注入ステーションであり、
製造されるべき容器の形状を有する成形キャビティを画定する、プリフォーム(2)を受けるように配置された型(6)、並びに、
加圧液体の源と流体連通して設置された入口(16)、前記型内に設置された前記プリフォーム(2)と流体連通して設置された出口(18)、及び、前記入口(16)と前記出口(18)の間で前記加圧液体を受けて収容するように配置された注入チャンバー(44)を含む主ハウジング(22、73)と、
閉位置と開位置の間で前記出口(18)に対して可動な閉鎖体(30)と、
少なくとも前記閉鎖体(30)に取り付けられた閉鎖ダイアフラム(38、102)であって、前記注入チャンバー(44)が少なくとも前記閉鎖ダイアフラム(38、102)の内面(48)によって区切られ、前記閉鎖ダイアフラム(38、102)が前記注入チャンバー(44)の外側で広がって、流体密方法で前記注入チャンバー(44)から隔離された外側領域(46、108)を画定する外面(50)を有する閉鎖ダイアフラム(38、102)と、
前記閉鎖ダイアフラム(38、102)の前記外面(50)の支持部が適用されており、かつ、前記主ハウジングの少なくとも一部によって及び/又は前記閉鎖体(30)の少なくとも一部によって画定された軸受面と
を含み、前記プリフォーム(2)を受けるために配置されたプリフォームシート(64)、及び、前記出口(18)が前記プリフォーム(2)と流体連通して設置された作動位置と、前記プリフォームシート(64)に前記プリフォーム(2)を導入することを可能とする後退位置との間で、前記プリフォームシート(64)に対して前記出口(18)を移動するように配置されたノズルアクチュエータ(66、71)をさらに含む注入装置(4、68、101)であって、前記閉鎖ダイアフラム(38)が、前記支持部と共に前記閉鎖ダイアフラムの前記外面(50)全体を形成する自由部(49、79、112)をさらに含み、前記自由部(49、79、112)が、前記軸受面によって支持されていない部分である注入装置(4、68、101)を含む注入ステーションであって、
前記軸受面が、前記閉鎖体(30)が閉位置から開位置まで移動した場合に、前記自由部(49、79、112)が減少するように配置されており、
前記閉鎖体(30)が開位置に向かって移動する間に前記外側領域(46、108)の容積が徐々に減少し、前記閉鎖体(30)が開位置に到達した場合に前記外側領域(46、108)の容積がなくなり、前記外面(50)全体前記軸受面により支持されることを特徴とする、注入ステーション。
【請求項15】
前記出口(18)に対して前記閉鎖体(30)を閉位置に移動することによって前記出口(18)を閉じる工程、
閉じる工程が完了した場合に、プリフォーム開口部に液密方法で前記出口(18)を接続する工程、
接続する工程が完了した場合に前記出口(18)を開ける工程であって、前記開ける工程が、前記加圧液体が前記注入チャンバー(44)を出て前記プリフォーム(2)の内側に流れることを可能にする開位置に前記閉鎖体(30)を移動することによって行われる工程、及び、
前記ダイアフラム(38、102)の前記自由部(49、112)の表面を減少させることによって、前記開ける工程の間又は後に、少なくとも前記閉鎖ダイアフラム(38、102)の前記自由部(49、112)を減らす工程
を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の注入装置(4、68、101)を使用した注入方法。
【請求項16】
加熱プリフォーム(2)を成形キャビティに導入する工程、
前記出口(18)を開ける工程の前に、第1圧力において加圧液体で前記注入チャンバー(44)を充填する工程、及び、
前記自由部(49、112)を減らす工程の後に、前記注入チャンバー(44)の内側で液体の圧力を増加させて、前記成形キャビティの形状まで前記プリフォームを拡大する工程
をさらに含む、請求項15に記載の注入方法を含む、プリフォームを容器に成形するための成形充填方法。
【請求項17】
前記プリフォーム開口部に液密方法で前記出口(18)を接続する工程が、前記プリフォーム開口部と液密で接触して前記出口(18)を設置して、前記加圧液体を液密方法で前記プリフォーム(2)の内側に注入することを含む、請求項15又は16に記載の成形充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
本発明は、プリフォームから容器を成形し、加圧液体を使用して前記容器を充填し、前記容器を充填するための成形充填ステーション用の注入装置に関連する。
【0002】
本発明はまた、そのような注入装置を含む成形充填ステーションと、そのような注入装置を使用した注入方法と、そのような注入方法を使用してプリフォームから容器を成形するための成形充填方法に関連する。
【0003】
本発明は、ハイドロフォーム成形として知られる、プリフォームを変形するために非圧縮性液体を使用してプリフォームから容器を成形する分野に関連する。
【0004】
本出願において、「液体」は物理的な意味を有する。それは、任意の非圧縮性な媒体であり、かつ、流動することができる媒体を表す。その液体は、(水若しくはアルコールのように)低い粘度、(食用油若しくはスープのように)中程度の粘度、又は(ヨーグルト若しくはクリーム状製品のように)高い粘度を有することができる。その液体は、均一であるか又は不均一(例えば、果肉若しくは食品小片)であることができる。それは、食品に限られない。非圧縮性の液体は、例えば、水又は他の飲料、ボディケア製品、家庭及び園芸の手入れ用品、医学的流体、燃料、作動流体などであることができる。
【背景技術】
【0005】
[背景]
ハイドロフォーム成形の分野においては、成形キャビティの壁に対してプリフォームの壁を合わせるように選んだ圧力で、プラスチック材料から作られた加熱プリフォーム内に非圧縮性液体を注入して、プリフォームを変形して、成形キャビティの形状及び製造されるべき容器の形状を得ることで知られる。
【0006】
しかしながら、この圧力レベルはプリフォームを完全に容器の形にするのに十分でない、すなわち、プリフォームに加えられた圧力で、プリフォームが厳密には成形キャビティの形状でない形状を得て、成形キャビティの壁にプリフォームの壁を完全に合わせるのに追加の変形が必要とされることがまた知られる。それは、特に、エンボス加工の文字若しくはロゴが容器の壁の外面上に複写されなければならない場合か又は壁が隆起(ridges)を有する場合である。局所的に極めて小さい曲率半径を有する形状を得ることは非常に困難である。
【0007】
この目標を達成するために、第1圧力で液体を注入した後に、プリフォームの内側で圧力ピークを作るために、第1圧力よりも大きい第2圧力を短い時間の間にプリフォームに加えて、その圧力ピークによりプリフォームを容器の形にすることを完了するように設定される。
【0008】
液体は、プリフォームと流体連通して設置されて、かつ、プリフォームの内側に液体を注入することを制御する、閉位置と開位置の間で可動な少なくとも1つの閉鎖体を含む注入装置の出口を通じて注入される。液密性は、注入装置の可動閉鎖部材と固定部との間に設けられることで、注入液体のいかなる漏れを防がなければならなく、特に、液体が閉鎖体の移動を制御する作動手段に向かって流れることを防がなければならない。そのような流体密性は、注入装置の閉鎖体と固定部の間に配置された密閉手段を使用して得られる。
【0009】
しかしながら、そのような密閉手段は、特に、第2圧力がプリフォームに加えられる場合は、数百万サイクルと共に液体の圧力に耐えることができなければならない。
【0010】
欧州特許1762539号明細書では、液体を既成形の容器に注入するための充填装置を開示する。そのような充填装置においては、容器は注入する間に液体によって変形されないため、液体は大気圧で注入される。さらに、そのような充填装置では、注入装置の出口は容器の内部容積から離間する、すなわち、注入装置が液体注入の間は容器と流体密な流体連通の状態でない。その結果、そのような充填装置に提供される密閉手段は注入の間に高圧に耐えなくてよい。欧州特許1762539号明細書において、密閉手段は、固定部と可動部の間に配置されたディスク形状の薄膜によって形成され、前記薄膜は、可動部が開位置に移動した場合に、広がって円錐形状を取る。そのような形状は高い液体圧力に耐えるのに適していなく、そのような密閉手段は、プリフォームから容器を成形して充填するために配置された注入装置で使用されると急激に劣化する。
【0011】
国際公開第2008/078174号及び米国特許5127431号明細書では、固定部と可動部の間に配置され、ある圧力で液体を受ける密閉手段を開示する。しかしながら、このような文書においては、密閉手段の片側に加えられる圧力は、その密閉手段の反対側に存在する流体の圧力によって相殺される。そのような配置は、注入液体の圧力を相殺するような制御流体を要求するため、満足のいくものでなく、これによって注入装置の構造及びそれらの機能を極めて複雑にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的の1つは、密閉手段を損傷することなく、高圧に耐えるために補充流体を要求せずに高圧で液体を注入することができる注入装置を提案することによって、このような欠点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[発明の要旨]
この目標を達成するために、本発明は、
加圧液体の源と流体連通して設置されるように意図された入口、プリフォームと流体連通して設置されるように意図された出口、及び、入口と出口の間の加圧液体を受けて収容するように配置された注入チャンバーを含む主ハウジングと、
閉位置と開位置の間で出口に対して可動な閉鎖体と、
少なくとも閉鎖体に取り付けられた閉鎖ダイアフラムであって、注入チャンバーが少なくとも前記閉鎖ダイアフラムの内面によって区切られ、前記閉鎖ダイアフラムが注入チャンバーの外側に広がって、かつ、流体密方法で注入チャンバーから隔離された外側領域を画定する外面を有する閉鎖ダイアフラムと、
閉鎖ダイアフラムの外面の支持部が適用されて、かつ、主ハウジングの少なくとも一部によって及び/又は閉鎖体の少なくとも一部によって画定される軸受面とを含み、
閉鎖ダイアフラムが、支持部と共に閉鎖ダイアフラムの外面全体を形成する自由部をさらに含む注入装置であって、
閉鎖体が閉位置から開位置まで移動した場合に、自由部の表面が減少するように軸受面が配置された注入装置に関連する。
【0014】
軸受面は、液体を注入する間に閉鎖ダイアフラムを支持するために使用される。その結果、閉鎖体が開位置にあって液体が注入されて閉鎖ダイアフラムの内面に流れる場合は、支持されていない閉鎖ダイアフラムの外面の自由部が大きく減少するため、閉鎖ダイアフラムは、軸受面上に置くことによって液体の圧力に耐えることができる。したがって、閉鎖ダイアフラムは、その外面に補充流体を使用することを要求することなく、その内面に加えられる高圧に耐えることができる。有利には、外側領域は乾燥領域であることができて及び/又は大気に接続されることができる。
【0015】
上で述べたように、欧州特許1762539号明細書においては、ディスク形状の薄膜は開位置において円錐形状を取り、それは、液体が噴射された場合は、薄膜が主ハウジングの内側に伸ばされて開位置において支持されないままであり、可動部が閉位置から開位置まで移動する場合は自由部の表面が同じ状態のままであることを意味し、それにより、液体を高圧で注入する場合には、そのようなディスク形状の薄膜は使用するには不適当になる。
【0016】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、互いに対して可動な少なくとも一組の2つのキャビティ体を含む複数のキャビティ体を含み、前記の又は各組のキャビティ体の2つのキャビティ体が、前記2つのキャビティ体間の相対移動の全てに沿って、前記2つのキャビティ体間の液密性を維持する少なくとも1つの可撓性ダイアフラムによって互いに関連して、注入チャンバーが、各キャビティ体の硬質面によって、及び、前記キャビティ体又は各組のキャビティ体に関連する少なくとも1つの可撓性ダイアフラムのそれぞれによって、入口と出口の間で完全に区切られ、
そのキャビティ体の1つが閉鎖体であり、主ハウジングが少なくとも1つの他のキャビティ体を含み、前記少なくとも1つの可撓性ダイアフラムの1つが閉鎖ダイアフラムであり、注入装置が、閉鎖体が出口に対して開位置にあって、同時に主ハウジングが出口をプリフォームと流体連通して設置するように配置された作動構成を有する。
【0017】
注入チャンバーが硬質キャビティ体によって及び密封部材によって区切られ、それらの少なくとも1つが可撓性閉鎖ダイアフラムである。本発明のこの実施形態は、例えば、2つの並行する支持体間で回転する簡素な回転ダイアフラムを含むよく知られた配置とは異なる。そのようなよく知られた配置においては、回転ダイアフラムの支持部が、2つの円筒状の支持体間で分配される。支持部の表面は、支持体の1つに対して適用される回転ダイアフラムの支持部の表面の合計と、もう1つの支持体に対して適用される支持部の表面の合計とに等しい。回転ダイアフラムは2つの支持体間で広がる自由部を有する。回転ダイアフラムが支持体間を相対移動することよって回転する場合、回転ダイアフラムが適用される軸受面は、支持体の1つに沿って少なく広がりもう1つの支持体に沿って多く広がるが、自由部の表面は実質的に一定に留まる。本発明では、可撓性ダイアフラムが適用される軸受面は、1つの硬質支持体のみに沿って広がることがあるか又は幾つかの硬質支持体間に分配されることがある。しかしながら、少なくとも、閉位置から開位置まで閉鎖体が移動する間に可撓性ダイアフラムの最大部が適用される硬質支持体は、閉鎖ダイアフラムの機械的支持が閉位置に対して開位置において増加するように、この移動の間に自由部の表面が減少するように配置される特定かつ固有な機能を有する。
【0018】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、可撓性ダイアフラムのそれぞれ又は少なくとも1つが、関連キャビティ体の1つに取り付けられた1つの端部と、もう1つの関連キャビティ体に取り付けられた別の端部とを有する支持ダイアフラムであって、前記支持ダイアフラムが、注入チャンバーの外側に広がり、可撓性ダイアフラムの外面の支持部が適用される少なくとも1つの硬質支持体にさらに関連して、その硬質支持体が関連キャビティ体の1つの外側部に取り付けられるか又は関連キャビティ体の1つの外側部を形成する。
【0019】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、前記支持ダイアフラムに関連する少なくとも1つの硬質支持体が、支持ダイアフラムに関連するキャビティ体間での注入装置の作動構成に向かう相対移動が、受け体に対して適用される支持ダイアフラムの支持部の表面を増加させるという事実によって規定される受け体であって、前記受け体が、前記相対移動の間に前記支持ダイアフラムの自由部が徐々に適用される湾曲部を含む。
【0020】
上記機能を有する湾曲形状を持つ硬質支持体を提供する1つの可能な方法は、本発明はその方法に限定されないが、閉鎖体が開位置にある間に注入チャンバー内の低圧下での液体によってダイアフラムが押された際に、可撓性閉鎖ダイアフラムによって取られた自然形状を実質的に補う湾曲形状の軸受面を有する硬質支持体を設計することである。したがって、注入チャンバーの内側の圧力が高圧に増加した場合は、前記ダイアフラムが、正確に適合された湾曲形状の軸受面を有する硬質支持体に対して既に適用されるため、可撓性ダイアフラムが更に変形することはない。
【0021】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、プリフォームを受けるために配置されたプリフォームシート、及び、出口がプリフォームと流体連通して設置された作動位置と、プリフォームシートにプリフォームを導入することを可能とする後退位置との間で、プリフォームシートに対して出口を移動するように配置されたノズルアクチュエータをさらに含み、
キャビティ体の1つが注入装置の入口を含む本体であり、別のキャビティ体が出口を含むノズル体であり、ノズルアクチュエータが作動位置と後退位置の間で本体に対してノズル体を移動させるように配置され、
閉鎖ダイアフラムが、閉鎖体に取り付けられた第1端部と本体に取り付けられた第2端部とを有し、
ノズルアクチュエータが、ハウジング内に提供される第1作動チャンバーと、その第1作動チャンバー内でスライドするノズルピストン体とを含み、
注入装置が、可撓性閉鎖ダイアフラムに加えて可撓性ノズルダイアフラムを含み、その可撓性ノズルダイアフラムが、ノズル体に取り付けられた第1端部と本体に取り付けられた第2端部とを有し、ノズル体と本体の間の相対移動の全てに沿ってノズル体と本体の間で密閉継続性を提供する。
【0022】
有利には、注入チャンバーが、本体、ノズル体、及び閉鎖体の3つのキャビティ体よって、閉鎖体と本体の間の密閉継続性を提供する閉鎖可撓性ダイアフラムによって、並びに、本体とノズル体の間の密閉継続性を提供する少なくとも1つの可撓性ノズルダイアフラムによって完全に区切られる。
【0023】
追加的に、液体が注入チャンバーの内側に流れた場合は可撓性閉鎖ダイアフラムが軸受面によって支持される。したがって、注入チャンバーは注入装置の残部から適切に隔離され、その結果、注入チャンバーの内側で直接プリフォーム内に液体だけが適切に流れることを確保する。
【0024】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、注入チャンバーの外側で広がる硬質第2支持体をさらに含み、前記第2支持体が、可撓性ノズルダイアフラムの第2端部の近くで、本体に取り付けられるか又は本体の一部を形成し、
対応ダイアフラムの前記端部の少なくとも1つ又はそれぞれが、エラストマー材料を含むか又はエラストマー材料から作られて、ダイアフラムの前記端部が取り付けられた対応キャビティ体の取付けハウジングで収容する閉ループを形成して、前記取付けハウジングが、前記端部を保持するためのフック形状を含み、エラストマー材料を圧縮して前記端部を完全に充填するためにサイジングされた断面を有することで、対応ダイアフラムが移動する間に、液体が環状の取付けハウジングの中に入るのを防ぐ。
【0025】
1つ又は複数のダイアフラムの端部は取付けハウジングの内側に完全に密閉されて、したがって、液体を注入チャンバー内に捕えることができないことが確実になり、それによって注入装置の衛生性が改善する。
【0026】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、閉鎖体が開位置にある場合に、閉鎖ダイアフラムの外面全体が支持部によって形成されるように、閉鎖ダイアフラムの実質的に外面全体が軸受面に対して適用される。
【0027】
閉鎖部材の開位置において、軸受面に対して適用された閉鎖ダイアフラムの外面の実質的に全体を有する、すなわち、閉鎖ダイアフラムが支持されていない自由部を有さないことによって、閉鎖ダイアフラムが液体の注入の間に完全に支持されることが確保され、したがって、高圧に耐えることができるようになる。
【0028】
本発明に係る注入装置の他の特徴によれば、
注入装置が、プリフォームシートに対してノズル体を移動させ、ノズル体に対して閉鎖体を移動させて、以下の構成、
ノズル体が後退位置にあり、閉鎖体が閉位置にある後退構成と、
ノズル体が作動位置にあり、閉鎖体が閉位置にある接続構成と、
ノズル体が作動位置にあり、閉鎖体が開位置にある作動構成と
を得るように配置された作動システムを含み、
作動システムが、後退構成、接続構成、及び作動構成を連続的に含む作動シーケンスに続いて注入装置を駆動するようにさらに配置され、
外側領域が、閉鎖ダイアフラムの外面か又はノズルダイアフラムの外面が支持部によって及び自由部によって完全に形成されるように、注入チャンバーの外側の自由空間によって形成されて、前記自由部が前記自由空間に面する。
【0029】
本発明に係る注入装置の別の特徴によれば、出口が、プリフォームに液体を注入する間にその出口がプリフォームと液密な流体連通であるように、プリフォームに液密に接触して適用される。
【0030】
本発明はまた、プリフォームを容器に成形して、加圧液体を使用して前記容器を充填するための成形充填ステーション用の注入ステーションであって、前記注入ステーションが、
製造されるべき容器の形状を有する成形キャビティを画定するプリフォームを受けるように配置された型、並びに、
加圧液体の源と流体連通して設置されるように意図された入口、型内に設置されたプリフォームと流体連通して設置されるように意図された出口、及び、入口と出口の間で加圧液体を受けて収容するように配置された注入チャンバーを含む主ハウジングと、
閉位置と開位置の間で出口に対して可動な閉鎖体と、
少なくとも閉鎖体に取り付けられた閉鎖ダイアフラムであって、注入チャンバーが少なくとも前記閉鎖ダイアフラムの内面によって区切られ、前記閉鎖ダイアフラムが注入チャンバーの外側に広がって、かつ、流体密封方法で注入チャンバーから隔離された外側領域を画定する外面を有する閉鎖ダイアフラムと、
閉鎖ダイアフラムの外面の支持部が適用されて、かつ、主ハウジングの少なくとも一部によって及び/又は閉鎖体の少なくとも一部によって画定される軸受面とを含み、
閉鎖ダイアフラムが、支持部と共に閉鎖ダイアフラムの外面全体を形成する自由部をさらに含む注入装置を含み、
閉鎖体が閉位置から開位置まで移動した場合に、自由部の表面が減少するように軸受面が配置された注入装置を含む注入ステーションに関連する。
【0031】
本発明はまた、上で説明したような注入装置を使用した注入方法であって、以下の工程、
出口に対して閉鎖体を閉位置に移動することによって出口を閉じる工程、
閉じる工程が完了した場合に、プリフォーム開口部に液密方法で出口を接続する工程、
接続する工程が完了した場合に、出口を開ける工程であって、前記開ける工程が、加圧液体が注入チャンバーを出てプリフォームの内側に流れることを可能にする開位置に閉鎖体を移動することによって行われる工程、及び
前記ダイアフラムの自由部の表面を減少させることによって、前記開ける工程の間又は後に、少なくとも閉鎖ダイアフラムの自由部を減らす工程
を含む注入方法に関連する。
【0032】
前に述べたように、液体が出口を通じて流れている場合は、閉鎖ダイアフラムの機械的支持が増加し、したがって、閉鎖ダイアフラムが高圧に耐えることができることを確実にする。
【0033】
有利には、閉鎖体を閉める工程は、前記出口を接続する工程が完了した場合に起こる。
【0034】
本発明はまた、プリフォームを容器に成形するための成形充填方法であって、上で説明した注入方法を含み、以下の工程、
加熱プリフォームを成形キャビティに導入する工程、
出口を開ける工程の前に、第1圧力において加圧液体で注入チャンバーを充填する工程、及び
前記自由部を減らす工程の後に、注入チャンバーの内側で液体の圧力を増加させて、成形キャビティの形状までプリフォームを拡大する工程
を含む成形充填方法に関連する。
【0035】
成形充填方法の他の特徴によれば、
加圧液体の圧力は、20bars超、好ましくは35bars超に増加され、
使用されるプリフォームはPETから作られ、加圧液体の圧力が35bars超に増加され、
プリフォーム開口部に液密方法で出口を接続する工程が、プリフォーム開口部と液密で接触して出口を設置して、加圧液体を液密方法でプリフォームの内側に注入することを含む。
【0036】
本発明の他の態様及び利点は、例として与えられて添付図面に関連してなされる、以下の説明を読むことで明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1の実施形態に係る注入装置の断面視であって、注入装置は作動位置内の本体と、閉位置内の閉鎖体とを持つ後退構成内にある。
図2】作動位置内の本体と、閉位置内の閉鎖体とを持つ接続構成における、図1の注入装置の断面視である。
図3】作動位置内の本体と、開位置内の閉鎖体とを持つ作動構成における、図1の注入装置の断面視である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る注入装置の断面視であって、ノズル体が後退位置内にあり、閉鎖体が閉位置内にある。
図5図4の注入装置の断面視であって、ノズル体が作動位置内にあり、閉鎖体が閉位置内にある。
図6図4の注入装置の断面視であって、ノズル体が作動位置内にあり、閉鎖体が開位置内にある。
図7】第3の実施形態に係る注入装置の一部の断面視であって、ノズル体が作動位置内にあり、閉鎖体が閉位置内にある。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明においては、用語「上側」及び「下側」は軸Aに対して定義され、それは製造されるべき容器の軸と一致して、容器がその底に設置された場合は実質的に直角に延びる。用語「上流」及び「下流」は、注入装置の入口から出口に流れる液体の流れの方向に対して定義される。
【0039】
本発明は、ボトルのような容器、例えば、水若しくは炭酸水系飲料を収容する滅菌した又は無菌のボトルを成形する技術分野に関連する。
【0040】
より具体的には、本発明は、プリフォーム2に非圧縮性液体を注入するように配置された注入装置4を含むステーションを使用して、プリフォーム2から容器を製造するためのステーションで使用される注入装置に関連し、それは型6(図7)に設置することができて、非圧縮性液体は、後に説明するように、容器内のプリフォーム2を形作り容器を充填することができる。そのような方法はハイドロフォーム成形として知られて、それ自体が公知であり本明細書では詳細に説明しないハイドロドーム成形機を使用する。
【0041】
知られているように、型6は、製造されるべき形状を有し、非圧縮性液体が前記プリフォームの内側に注入された場合にプリフォーム2を受けるように配置された成形キャビティを規定する。そのような型は本明細書でより詳細に説明しない。
【0042】
プリフォーム2は、内部容積10を画定する中空体8と、内部容積10がアクセスできる開口14を含むネック12とを含む。プリフォームは、下側の端部で閉じられて、上側の端部で開口14を持つネック12を有する試験管の形状に類似した形状を有することができる。ネック12は、製造されるべき容器1のネック12の最終形状を既に有する。図1の非限定な例によって示されるプリフォーム2は、ネック12の軸と一致する軸Aに沿って延びる円筒体8を有する。プリフォームは、任意の適切なプラスチック材料、例えば、ポリエステル類、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、又はポリオレフィン類、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)若しくは高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、又はスチレン系材料、例えば、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)又はその他のポリマー、例えば、塩化ポリビニル(PVC)から作ることができる。プリフォーム2は、一般的に、射出成形プロセスに従って製造され、容器1を成形するための機械が置かれる場所とは異なる場所で成形される。
【0043】
代替的に、プリフォームはある金属を含むことができ、特に、プリフォームは金属合金、例えば、鋼又はアルミニウム合金から作ることができる。例えば、プリフォームは、蓋が圧着される缶の主要部であることができる。本発明に係る液体成形プロセスは、蓋を圧着する前に、缶を充填するのと同時に缶の壁上の形状の細部を提供するのに使用される。
【0044】
注入装置4によってプリフォームに注入される非圧縮性液体は、例えば、容器1がエンドユーザーによって使用される場合、容器1を充填するための液体である。
【0045】
図1〜3については、プリフォーム2に非圧縮性液体を注入するための注入装置4の第1の実施形態を説明する。
【0046】
注入装置4は、入口16、出口18、及び、入口16と出口18の間に広がって出口18と流体連通にある入口16に面している内部チャンバー20を含むか又は画定する主ハウジング22を含む。
【0047】
第1の実施形態によれば、入口16、出口18、及び内部チャンバー20は、1つの硬質ブロックから作られるか又は一緒に強固に固定された硬質素体から作られる、全体の主ハウジング22を形成する本体24によって画定される、すなわち、本体24は1つのユニットを形成する。本体24は、例えば、中空ケーシングで形成される。
【0048】
入口16は、液体源から入口16に液体を移送するのに適した注入手段(図示無し)、及び、入口と注入手段と液体源との間に延びる適切な配管を通じて、非圧縮性液体源(図示無し)、例えば、貯水槽と流体連通して設置されることを目的とする。注入手段は、例えば、ポンプ、ピストンによってか、又は選択された制御可能な圧力で液体を入口16に移送することを可能とするその他の適切な手段によって形成される。
【0049】
出口18は、プリフォーム2のネック12によって形成される開口14と、したがって、プリフォーム2の内部容積10と液密で流体連通して設置されるように構成される。液密な流体連通によって、出口18がプリフォーム2の内部容積と流体連通である場合、液体はプリフォーム2の内部容積10の中にのみに流れ、プリフォーム2の外側には流れない。より具体的には、図2、3、5、6、及び7に示されるように、出口18は、プリフォーム2と液密に接触して設置されるように配置されて、本体24が作動位置にある場合は、後に説明するように、出口18がプリフォーム2のネック12に対して適用されることで、出口18とプリフォーム2のネック12によって形成される開口14との間の液密な流体連通を提供する。図7に示されるように、密封手段を出口周りに提供して、出口とプリフォームのネック12の間の接触を密封することができる。
【0050】
入口16及び出口18の両方は、プリフォーム2が出口18と流体連通である場合に、例えば、プリフォーム2の軸と一致する軸A周りに延びる実質的に円筒型を有する内部チャンバー20を開く。内部チャンバー20は、軸Aに応じて延びて一定の直径を有することができる実質的に均一な円筒部26を含む。注入チャンバー20は、均一な円筒部26と出口18の間で広がる円錐台又はピラミッド部28をさらに含み、内部チャンバー20の直径は、円筒部26の直径から円錐部28における出口18の直径まで徐々に減少する。軸Aは好ましくは垂直である。
【0051】
閉鎖体30は、内部チャンバー20内で延びる。第1の実施形態によれば、閉鎖体30は、軸Aに沿って延びて、その下側の端部で密封環状面32を含む中空制御ロッドである。密封環状面32は、円錐部28の一部の形状を補う形状を有して、密封環状面32が円錐部28の壁に対して適用された場合に、密封環状面32は内部チャンバー20を密封して閉めて、出口18を通じて液体が流れることを防ぐ。閉鎖体30は、図1及び図2に示される、密封環状面32が円錐部28の壁に対して適用される閉位置と、図3に示される、出口18が内部チャンバー20を通じて入口16と流体連通であるように密封環状面32が円錐部28の壁から離間する開位置との間で、軸Aに沿って内部チャンバー20の内側で可動である。
【0052】
上側区画34は内部チャンバー20の上に配置され、閉鎖体30を移動するための作動手段を受け取る。上側区画34は厳しい方法で本体24に取り付けられ、前記本体を持つ1つのユニットを形成する。作動手段は、例えば、空気圧作動手段であり、例えば、閉鎖体に取り付けられ、上側区画34を、それぞれを空気で充填することができる上側部分と下側部分とに密封して分離するピストン36を含む。閉鎖体30をその開位置と閉位置の間で移動させるために、空気を上側区画34の上側部分に注入することで、上側部分の容積を増加させて、一方、下側部分の容積を減少するように、前記上側部分の圧力を増加させてピストン36を移動する。反対に、閉鎖体30をその閉位置と開位置の間で移動するために、空気を上側区画34の下側部分に注入することで、下側部分の容積を増加して、一方、上側部分の容積を減少するように、前記下側部分の圧力を増加させてピストン36を移動する。上側区画34は、適切な密封部材によって流体密方法で、内部チャンバー20から隔離される。
【0053】
上側区画34から内部チャンバー20まで延びる閉鎖体30に沿って、液体が入口16から上側区画34まで流れることを防ぐ密封部材の1つは、内部チャンバー20で広がる閉鎖ダイアフラム38である。閉鎖ダイアフラム38は、例えば、閉鎖体30と本体24の間の相対移動の全てに沿って、閉鎖体30と本体24の間で液密性を維持するように配置されたエラストマー材料から作られる、スリーブ形状の可撓性薄膜である。この目標を達成するために、閉鎖ダイアフラム38の第1端部40が閉鎖体30に取り付けられ、閉鎖ダイアフラム38の第2端部42が本体24に取り付けられる。より具体的には、閉鎖ダイアフラム38の第1端部40は本体24の周り全体に広がり、第2端部42はまた、本体の周り全体に広がる。第1端部40と第2端部42の間で、閉鎖ダイアフラム38は、スリーブとして、閉鎖体30の周辺に、かつ、内部チャンバー20内に広がる。したがって、閉鎖ダイアフラム38は、内部チャンバー20を注入チャンバー44と外側領域46とに分けて、それらは流体密方法で互いに隔離される。
【0054】
注入チャンバー44は、注入チャンバー44を入口16及び出口18でのみ開くように本体24の壁によって及び閉鎖体30の壁によってさらに区切られる。閉鎖体30及び本体24は注入チャンバー44を区切るため、それらは閉鎖ダイアフラム38を含む注入チャンバー44の壁の一部を形成するキャビティ体と言い表すことができる。
【0055】
外側領域46は、入口16、注入チャンバー44、及び出口18から隔離されるため乾燥領域として設計することができ、したがって、いかなる液体を受け入れないように設計される。
【0056】
閉鎖ダイアフラム38は、注入チャンバー44に面する内面48と、外側領域46及び閉鎖体30の壁に面する外面50とを含む。
【0057】
閉鎖ダイアフラムの外面50は、注入チャンバー44の外側、例えば、閉鎖部材30及び/又は内部チャンバー20の壁の外側部47の内部チャンバー20を区切る、注入装置4の硬質体の1つの壁に対して適用される外面50の一部として画定される支持部を含む。後に説明するように、外面50の支持部は、内部チャンバー20に対する閉鎖体30の位置に応じて変化する。支持部が適用される壁の部品は軸受面と称される。
【0058】
閉鎖ダイアフラム38の外面50はまた、少なくとも閉鎖体30が開位置にない場合は、支持されていない、すなわち、硬質壁に対して適用されない外面50の一部によって画定される自由部49を含むことができる。支持部及び自由部49は、閉鎖ダイアフラム38の外面50の全体を一緒に形成することが理解される。
【0059】
閉鎖ダイアフラム38の第1端部40は、閉鎖体30に形成される取付けハウジング52に配置される。取付けハウジング52は、閉鎖体30の周り全体に広がる環形状を有し、閉鎖ダイアフラム38の第1端部40を保持するように配置されたフック形状を含む断面を有する。閉ループを形成する閉鎖ダイアフラム38の第1端部40は、取付けハウジング52と密接に結合し、取付けハウジング52を完全に充填するように配置される。さらに、第1端部40は、液体が取付けハウジング52の内側に透過することができないように、取付けハウジング52の壁によって圧縮されてサイズ決めされる。その結果として、液体を取付けハウジング52の内側に捕えることができなくなり、それによって注入チャンバー44の内側のあらゆる汚染物のリスクを回避する。取付けハウジング52は、例えば、互いに強固に固定されて閉鎖体30を一緒に形成する2つの部品の組立品によって形成される。閉鎖体30の外側部47と閉鎖体30の内側部は、注入装置のメンテナンス中、例えば、閉鎖ダイアフラム38を交換するためのメンテナンス中は互いに分離することができる。閉鎖体30の外側部47の壁は、その第1端部と近い閉鎖ダイアフラム38の一部が適用される取付けハウジング52の近くに広がる曲面54を有して、したがって、閉鎖ダイアフラム38が任意の尖ったエッジに対して適用されることを避けることによって、閉鎖体30の壁と閉鎖ダイアフラム38の間の滑らかな接触を提供する。その結果として、閉鎖体30の壁は閉鎖ダイアフラム38を損傷することがない。
【0060】
同様に、閉鎖ダイアフラム38の第2端部42は、内部チャンバー20の壁に形成される取付けハウジング56に配置される。取付けハウジング56は、内部チャンバー20の周り全体に広がる環形状を有し、閉鎖ダイアフラム38の第2端部42を保持するように配置されるフック形状を含む断面を有する。閉ループを形成する閉鎖ダイアフラム38の第2端部42は、取付けハウジング56と密接に結合し、取付けハウジング56を完全に充填するように配置される。さらに、第2端部は、液体が取付けハウジング56の内側に透過することができないように、取付けハウジング56の壁によって圧縮されてサイズ決めされる。その結果として、液体を取付けハウジング56の内側に捕えることができなくなり、それによって注入チャンバー44の内側のあらゆる汚染物のリスクを回避する。取付けハウジング56は、例えば、注入チャンバー44の外側に広がって外側領域46の壁の一部を画定する第1硬質支持体58を持つ本体24の組立品によって形成される。第1硬質支持体58は、注入装置のメンテナンス中、例えば、閉鎖ダイアフラム38を交換するためのメンテナンス中は、本体24から分離することができる。第1硬質支持体58の壁は、その第2端部と近い閉鎖ダイアフラム38の一部が適用される取付けハウジング56の近くに広がる曲面60を有し、したがって、閉鎖ダイアフラム38が任意の尖ったエッジに対して適用されることを避けることによって、第1硬質支持体58の壁と閉鎖ダイアフラム38の間の滑らかな接触を提供する。その結果として、第1硬質支持体58の壁は閉鎖ダイアフラム38を損傷することがない。
【0061】
外側領域46は第1硬質支持体58の曲面壁部51によって及び閉鎖体30の外側部47壁によって区切られる。外側領域46の壁は断面においてU形状を有し、注入チャンバー44の方に向けられた凹面を有する。閉鎖ダイアフラム38の外面50に面する外側領域46の壁は尖ったエッジを有さない。
【0062】
第1硬質支持体58は、外側領域46と流体連通にある換気口62をさらに含む。換気口62は外側領域46のU形状の底における1つの端部で及び注入装置4の外側のもう1つの端部で開く。
【0063】
注入装置4は、それ自体が公知であるように、出口18を通過してプリフォーム2を拡大してプリフォーム2の容器への変形を補助する、閉鎖体30を形成する中空制御ロッドの内側に延びる伸縮ロッド63をさらに含むことができる。伸縮ロッド63は中空制御ロッドにおいて軸Aに沿って平行して動くことができる。伸縮ロッド22の機能は公知であり、本明細書には詳細を説明しない。
【0064】
注入装置4は、プリフォーム2を受けるために配置されたプリフォームシート64をさらに含む。プリフォームシート64及び本体24は、出口18がプリフォーム2と流体連通して設置される、すなわち、出口18がプリフォーム2のネック12に対して液密方法で適用される作動位置(図2及び図3)と、プリフォームシート64が出口と離間される後退位置(図1)との間でアクチュエータ66により互いに対して可動であり、したがって、プリフォームをプリフォームシート64に導入することができる。プリフォームシート64は製造されるべき容器の形状を有する型6の一部によって形成することができる。アクチュエータ66は任意の適切な種類、例えば、後退位置と作動位置の間の本体チャンバー24又はプリフォームシート64を移動させるように配置された空気ピストン若しくは液圧ピストン又はサーボモータであることができる。
【0065】
注入装置4の機能をここで説明する。
【0066】
第1に、図1に示されるように、本体24及びプリフォームシート64は後退位置にあり、プリフォーム2はプリフォームシート64に設置される。閉鎖部材30は閉位置にある。次いで、閉鎖ダイアフラム38は閉鎖体30の壁に対して多くが適用され、すなわち、軸受面は閉鎖体30の外側部47の壁によって主に形成される。閉鎖ダイアフラム38の第2端部42に近い部分のみは、第1硬質支持体58の壁の一部に対して適用される。さらに、この位置において、閉鎖ダイアフラム38はまた、いかなる壁に対して適用されなく、第1硬質支持体58と閉鎖体30の間に広がって外側領域46を閉じる自由部49を含む。したがって、この位置において、閉鎖ダイアフラム38の支持部は、第1硬質支持体58より閉鎖体30に多く広がる。
【0067】
次いで、本体24及びプリフォームシート64は、閉鎖体30がその閉位置にある間は、図2に示される作動位置に移動して、出口18をプリフォーム2と流体連通に設置する。注入チャンバー44は、それ自体が公知であり本明細書で説明しない注入手段を作動することによって、入口16を通じて液体源からの液体で充填される。
【0068】
次いで、閉鎖体30は、図3に示されるように、液体が出口18によりプリフォーム2の内部容積10に注入されるように開位置に移動して、プリフォーム2を変形して、製造されるべき容器の形状を得る。同時に、伸縮ロッド63は公知の方法で作動してプリフォーム2の軸方向の変形を補助することができる。それ自体がまた公知であるように、プリフォームに注入される液体の圧力は、短い時間の間にプリフォーム2の内側で圧力ピークを作り出すために変えることができることで、容器内にプリフォーム2を形作ることを完了することができる。次いで、成形され充填された容器が得られる。
【0069】
閉鎖体30がその閉位置とその開位置の間を移動する間、閉鎖ダイアフラム38は、自由部49を第1硬質支持体58の曲面壁部51に対して適用させるスライド移動で、外側領域46の内側に移動して、自由部49は閉鎖ダイアフラムの支持部に徐々になっていき、外面50の一部を閉鎖体30から離して、第1硬質支持体58の壁に対して適用させる。閉鎖ダイアフラム38のそのような移動は、閉鎖ダイアフラム38の形状によって可能になり、それは、閉鎖ダイアフラム38が第1硬質支持体58によって及び閉鎖体30によって形成される軸受面に対して適用されるために導かれるように配置される。その結果、第1硬質支持体58は受け体である。閉鎖ダイアフラム38の外面の自由部49の表面は、閉鎖体30が開位置に到達した場合にそれが実質的になくなるまで、開位置に向かう閉鎖体30の移動中に外側領域46の容積が徐々に減少している間は、徐々に減少する。外側領域46に存在する空気は、この移動の間に、換気口62を通じて排気される。閉鎖体30の開位置では、閉鎖ダイアフラムの外面50の支持部は、実質的に外面50全体によって形成され、すなわち、閉鎖ダイアフラム38の外面全体は軸受面に対して適用される。したがって、軸受面は閉鎖体30の閉位置と開位置の間で増加している。
【0070】
したがって、閉鎖体30の開位置においては、閉鎖ダイアフラム38は硬質面に対して一体的に適用され、それは閉鎖ダイアフラム38に対して大きな機械的支持を提供して、注入チャンバー内に流れる液体の圧力、液体が20bars超に到達することができる圧力ピークの間でさえ、耐えることができるようにする。特定の実施形態によれば、圧力ピークの間の圧力は、35bars超、例えば、50bars超であることができる。その結果として、閉鎖ダイアフラム38が壊れやすい可撓性薄膜から作られていても、プリフォーム2に液体を注入する間に閉鎖ダイアフラム38が裂けるリスクがない。
【0071】
いったん注入が完了すると、閉鎖体30はその閉位置に戻り、本体24及びプリフォームシート64は後退位置に戻る。次いで、成形されて充填された容器はプリフォームシート64から回収されて、新しいプリフォームによって置き換えることで別の成形充填のサイクルを実行することができる。
【0072】
第1の実施形態においては、注入チャンバー44の流体密性を確実にするために1つの薄膜が要求され、それは注入装置の壊れやすい部品の数を少なくする。しかし、この実施形態においては、重量構造物を形成する本体24全体及びそれに配置される部品が、作動位置に置かれるように動かさなければならない。したがって、そのような実施形態は、解決すべき重要な機械的制約を有する。
【0073】
図4〜6に示される、本発明に係る注入装置の第2の実施形態は、入口が本体69に形成され、出口18が後退位置と作動位置の間の本体69に対して可動なノズル体70に形成される注入装置68である。その結果として、この第2の実施形態においては、ノズル体70のみが後退位置と作動位置の間で動かなければならなく、したがって、機械的制約を減る。この実施形態は、本体69によって及びノズル体70によって、並びに、後に説明する第2硬質支持体75及び第3体77によって形成される主ハウジング73を含む。注入チャンバー44を区切るキャビティ体は、ノズル体70、本体69及び閉鎖体30である。
【0074】
注入装置68は、ノズル体70を移動するためのノズルアクチュエータ71をさらに含む。ノズルアクチュエータ71は、例えば、ノズル体70に取り付けられて周りを囲む作動ピストン72によって形成され、本体69に取り付けられて、例えば、第2硬質支持体75及び第3体77の組立品によって画定されるノズル体70の周りに広がる作動チャンバー74内に設置される。図4〜6に示される実施形態によれば、作動チャンバー74は入口16の下流に広がる。作動ピストン72は、作動チャンバー74を、それぞれが空気又は任意の作動流体で充填される上側部分と下側部分とに密封して分離する。その後退位置とその作動位置の間のノズル体70を移動させるために、空気が作動チャンバー74の上側部分に注入されることで、上側部分の容積が増加して、一方で、下側部分の容積が減少するように、前記上側部分の圧力を増加させて作動ピストン72を移動させ、したがって、ノズル体70をプリフォームシート64に向けて下方向に移動させる。逆に、その作動位置とその後退位置の間のノズル体70を移動させるために、空気が作動チャンバー74の下側部分に注入されることで、下側部分の容積が増加して、一方で、上側部分の容積が減少するように、前記下側部分の圧力を増加させて作動ピストン72を移動させ、したがって、ノズル体をプリフォームシート64に向けて上方向に移動させる。作動チャンバー74は、適切な密封部材によって流体密方法で内部チャンバー20から隔離される。
【0075】
注入装置68の別の形は、磁気アクチュエータ及び/若しくは電気アクチュエータ又はサーボ駆動アクチュエータのような、任意の種類のノズルアクチュエータを使用することができる。
【0076】
液体が、ノズル体70に沿って入口16から作動チャンバー74まで流れることを防ぐ密封部材の1つは、内部チャンバー20で広がるノズルダイアフラム76である。閉鎖ダイアフラム38に似たノズルダイアフラム76は、ノズル体70と本体69の間の相対移動の全てに沿って、ノズル体70と本体69の間の液密性を保つように配置される、例えば、エラストマー材料から作られるスリーブ形状の可撓性薄膜である。この目標を達成するために、ノズルダイアフラム76の第1端部78はノズル体70に取り付けられ、ノズルダイアフラム76の第2端部80は本体69に取り付けられる。第1端部78と第2端部80の間で、ノズルダイアフラム76は、ノズル体70の周りに、かつ、内部チャンバー20内に広がる。したがって、閉鎖ダイアフラム38のように、ノズルダイアフラム76は注入チャンバー44を区切り、注入チャンバー44から流体密方法で隔離される外側領域46を画定する。
【0077】
ノズルダイアフラム76は、注入チャンバー44に面する内面82と、外側領域46及びノズル体70の壁に面する外面84とを含む。
【0078】
ノズルダイアフラム76の外面84は、注入装置68の硬質壁に対して適用される外面84の一部、すなわち、ノズル体70の外側部及び/又は第2硬質支持部75の壁として規定される支持部を含む。支持部が適用されるキャビティ体の壁の部品は軸受面と称される。
【0079】
ノズルダイアフラムの外面84はまた、少なくともノズル体70が作動位置にない場合は、支持されていない、すなわち、内部チャンバー20の1つの壁に対して適用されない、外面84の一部によって画定される自由部79を含むことができる。支持部及び自由部79は、ノズルダイアフラム76の外面84の全体を一緒に形成することが理解される。
【0080】
ノズルダイアフラム76の第1端部78は、ノズル体70に形成される取付けハウジング86に配置される。取付けハウジング86は、ノズル体70の周り全体に広がる環形状を有し、ノズルダイアフラム76の第1端部78を保持するように配置されたフック形状を含む断面を有する。閉ループを形成するノズルダイアフラム76の第1端部78は、取付けハウジング86と密接に結合し、取付けハウジング86を完全に充填するように配置される。さらに、第1端部78は、液体が取付けハウジング86の内側に透過することができないように、取付けハウジング86の壁によって圧縮されてサイズ決めされる。その結果として、液体を取付けハウジング86の内側に捕えることができなくなり、それによって注入チャンバー44の内側のあらゆる汚染物のリスクを回避する。取付けハウジング86は、例えば、互いに強固に固定されてノズル体70を一緒に形成する2つの部品の組立品によって形成される。その部品は、注入装置のメンテナンス中、例えば、ノズルダイアフラム76を交換するためのメンテナンス中は互いに分離することができる。ノズル体70の壁は、その第1端部と近いノズルダイアフラム76の一部が適用される取付けハウジング86の近くに広がる曲面88を有して、したがって、ノズルダイアフラム76が任意の尖ったエッジに対して適用されることを避けることによって、ノズル体70とノズルダイアフラム76の間の滑らかな接触を提供する。その結果として、ノズル体70の壁はノズルダイアフラム76を損傷することがない。
【0081】
同様に、ノズルダイアフラム76の第2端部80は、内部チャンバー20の壁に形成された取付けハウジング90に配置される。取付けハウジング90は、内部チャンバー20の周り全体に広がる環形状を有し、ノズルダイアフラム76の第2端部80を保持するように配置されるフック形状を含む断面を有する。閉ループを形成するノズルダイアフラム76の第2端部80は、取付けハウジング90と密接に結合し、取付けハウジング90を完全に充填するように配置される。さらに、第2端部80は、液体が取り付けハウジング90の内側に透過することができないように、取付けハウジング90の壁によって圧縮されてサイズ決めされる。その結果として、液体を取付けハウジング90の内側に捕えることができなくなり、それによって注入チャンバー44の内側のあらゆる汚染物のリスクを回避する。取付けハウジング90は、例えば、注入チャンバー44の外側に広がって外側領域46の壁の一部を画定する、第2硬質支持体を持つ本体69の組立品によって形成される。第2硬質支持体75は、注入装置のメンテナンス中、例えば、ノズルダイアフラム76を交換するためのメンテナンス中は、本体69から分離することができる。第2硬質支持体75の壁は、その第2端部と近いノズルダイアフラム76の一部が適用される取付けハウジング90の近くに広がる曲面94を有して、したがって、ノズルダイアフラム76が任意の尖ったエッジに対して適用されることを避けることによって、第2硬質支持体75とノズルダイアフラム76の間の滑らかな接触を提供する。その結果として、第2硬質支持体75の壁はノズルダイアフラム76を損傷することがない。
【0082】
外側領域46は、第2硬質支持体75の曲面壁部85によって及びノズルダイアフラム76の外面84側に広がるノズル体70の壁の外側によって区切られる。ノズル体70が後退位置にある場合、外側領域46の壁は断面においてU形状を有し、注入チャンバー44の方に向けられる凹面を有する。その結果として、ノズルダイアフラム76の外面84に面する外側領域46の壁は尖ったエッジを有さない。
【0083】
第2硬質支持体75は、外側領域46と流体連通する換気口96をさらに含む。換気口96は、外側領域46のU形状の底における1つの端部と及び注入装置の外側のもう1つの端部で開く。
【0084】
第2の実施形態に係る注入装置68の残りは、第1の実施形態に係る注入装置と実質的に類似している。図4〜6に示される別の形において、注入装置は伸縮ロッドを含まないことに留意すべきである。しかしながら、そのような伸縮ロッドは、伸縮ロッド63を第1の実施形態から取り除くことができるように、提供することができる。
【0085】
第2の実施形態の注入装置の機能をここで説明する。
【0086】
第1に、注入装置68は、図4に示されるように、ノズル体70が後退位置にあり、閉鎖体30が閉位置にある後退構成にある。この構成においては、閉鎖体30は、閉鎖体30が開位置にある場合に閉鎖ダイアフラム38が乾燥領域46の壁に対して完全に適用されるような位置にある。次いで、ノズルダイアフラム76は、ノズル体70の外側の壁に対して多く適用され、すなわち、支持面がノズル体70の壁によって主に形成される。ノズルダイアフラム76の第2端部80に近い部分のみが、第2硬質支持体75の壁の一部に対して適用される。さらに、この位置では、ノズルダイアフラム76はまた、いかなる壁に対して適用されなく、第2硬質支持体75とノズル体70の間に広がって外側領域46を閉じる自由部79を含む。したがって、この位置では、ノズルダイアフラムの支持部は、第2硬質支持体75より閉鎖体に多く広がる。
【0087】
次いで、作動システムは、ノズル体70が作動位置にある、すなわち、出口18がプリフォーム2のネック12に対して液密で接触して適用され、閉鎖体30が閉位置にある、接続構成に注入装置を移動させる。この構成において、閉鎖体30は、ノズル体70と共に低下して閉位置のままでいる。次いで、閉鎖ダイアフラム38は、第1の実施形態の注入装置で閉位置にある閉鎖体30に関して前に説明した位置にある。
【0088】
ノズル体70の低下は、ノズルダイアフラム76をノズル体70の下に、かつ、第2硬質支持体75の上に適用させるスライド移動で、ノズル76を外側領域46の内側に移動させる。その結果として、閉鎖ダイアフラム38のように、ノズルダイアフラム76は、ノズルダイアフラム76が、第2硬質支持体75によって及びノズル体70によって形成される軸受面に対して適用されるために導かれるように配置された形状を有する。そのため、第2硬質支持体75は受け体75である。注入装置68の作動構成において、その位置に向けてノズル体70を移動することは、第2硬質支持体75の曲面壁部85に対して自由部79を適用させ、自由部79は、ノズルダイアフラム76の支持部に徐々になり、外面84の一部をノズル体70から離して、第2硬質支持体75の壁に対して適用させる。その結果として、ノズルダイアフラム76の外面の自由部79の表面は、ノズル体70が作動位置に到達した場合にそれが実質的になくなるまで、作動位置に向かうノズル体70の移動中に外側領域46の容積が徐々に減少している間は、徐々に減少する。外側領域46に存在する空気は、この移動の間に換気口96を通じて排気される。ノズル体70の作動位置において、ノズルダイアフラムの外面84の支持部は、実質的に全ての外面84によって形成され、すなわち、ノズルダイアフラム76の全ての外面は軸受面に対して適用される。したがって、軸受面はまた、ノズル体70の後退位置と作動位置の間で増加する。したがって、ノズル体70の作動位置において、ノズルダイアフラム76は硬質面に対して一体的に適用され、それはノズルダイアフラム76に対して大きな機械的支持を提供する。
【0089】
次いで、作動システムは、図6に示されるように、ノズル体70が作動位置にあり、閉鎖体30が開位置にある、作動構成に注入装置68を移動させる。液体は、出口18を通じてプリフォーム2の内部容積10に注入され、プリフォーム2を変形させて製造されるべき容器の形状を得る。それ自体が公知であるように、プリフォームに注入される液体の圧力は、短い時間の間にプリフォーム2の内側で圧力ピークを作り出すために変えることができることで、容器内にプリフォーム2を形作るのを完成することができる。次いで、成形され充填された容器が得られる。
【0090】
閉位置と開位置の間を閉鎖体30が移動する間は、閉鎖ダイアフラム38は、第1の実施形態の注入装置において、開位置にある閉鎖体30に関して既に説明したように、外側領域46の壁に対して適用されるように移動する。
【0091】
その結果として、液体をプリフォーム2に注入する間は、閉鎖ダイアフラム38及びノズルダイアフラム76の両方は大きな機械的支持を有し、液体の圧力下で、損傷されることの影響を受けやすい任意の自由部を実質的に含まない。
【0092】
ノズル体70の作動位置において、ノズルダイアフラム76の第1端部78を保つ取付けハウジング86は、液体が出口18に向かって流れることができ、ノズル体70と第2硬質支持体75の間に捕われないままでいないような位置に配置されて、したがって、淀んだ液体で注入チャンバー44を汚染するあらゆるリスクを避けることに留意すべきである。
【0093】
第2の実施形態では、2つの壊れやすい部品が必要であるが、それらを損傷するリスクは、上で説明したように液体を注入する間にそれらの機械的支持を確実にすることによって低減される。さらに、ノズル体70は、本体69、第1硬質支持体58、第2硬質支持体75、及び上側区画34を含む全体のブロックより動かすのが極めて容易である。これは、第2の実施形態に係る注入装置を作動させるのをより容易にする。
【0094】
図7に示される第3の実施形態によれば、注入装置101は、ノズル体70の作動チャンバー74の下に広がる第2作動チャンバー100の閉鎖体30の周りにピストン36を広げることによって、入口16の下流に提供される閉鎖体30の作動手段を含むことができる。そのような実施形態は、ピストン36のストロークを減らし、それは、その閉位置とその開位置の間で、単純に閉鎖体30を移動させることができなければならなく、ノズル体70がその後退位置からその作動位置に移動する場合、閉鎖体30をノズル体70と共に移動させるためのストロークの一部を含まなくてよく、その閉位置に閉鎖体30を保つ。
【0095】
しかしながら、そのような実施形態では、第3ダイアフラム102が閉鎖体30とノズル体70の間の流体密性を確実にするために必要である。第3ダイアフラム102は、閉鎖ダイアフラム38及びノズルダイアフラム76と同様である。第3ダイアフラム102の1つの端部104は閉鎖体30に取り付けられ、一方、そのもう1つの端部106はノズル体70に取り付けられ、閉鎖ダイアフラム38及びノズルダイアフラム76のように、第3ダイアフラム102は注入チャンバー44から外側領域108を分離する。閉鎖ダイアフラム38及びノズルダイアフラム76についてと同じで、外側領域108の壁は、閉鎖体がその開位置にあり、液体が注入チャンバー44に流れている場合に、第3ダイアフラムに対する大きな機械的支持を提供する軸受面を形成する。
【0096】
第3の実施形態において、外側領域108は、ノズル体70の壁によって及び閉鎖体30の上側端部で広がる閉鎖体30の壁によって区切られる。この目標を達成するために、その上端部での閉鎖体30の外側部109は、後に説明するように、閉鎖体30が開位置に移動する場合に、第3ダイアフラム102を受けるように配置された湾曲部110を含む受け体である。外側領域108の壁は断面でU形状を有し、注入チャンバー44の方に向かう凹面を有する。
【0097】
第3の実施形態の注入装置の機能をここで説明する。
【0098】
第1に、注入装置は、ノズル体70が図7に点線で示される後退位置にあり、図7の実線で示されるように、閉鎖体30が閉位置にある後退構成にある。この構成において、閉鎖体30は、閉鎖体30が図1及び図2に関して前に説明した第1の実施形態において閉位置にある場合のように、閉鎖ダイアフラム38が自由部49を含むような位置にある。ほとんどノズルダイアフラム76の端部のみが本体69によって及びノズル体70によって支持されるため、ノズルダイアフラム76は重要な自由部79をまた含む。同様に、第3ダイアフラム102は、重要な自由部112を含み、第3ダイアフラム102の支持部は閉鎖体30よりノズル体70で多く広がる。
【0099】
次いで、作動システムは、ノズル体70が作動位置にあり、閉鎖体30が閉位置にある接続構成に注入装置を移動させる。この構成では、閉鎖体30がノズル体70と共に移動するため、ノズルアクチュエータ71のみが作動される。この構成では、ノズルダイアフラム76は、図5及び図6に関して前に説明したように完全に支持される。もう1つの可撓性ダイアフラム、すなわち、閉鎖ダイアフラム38及び第3ダイアフラム102は同じ位置にあり、すなわち、ほとんど支持されない。
【0100】
次いで、閉鎖体30は開位置に移動し、それによって、第1の実施形態及び第2の実施形態の注入装置において開位置にある閉鎖体30に関して既に説明したように、閉鎖ダイアフラム38を外側領域46の壁に対して適用される。
【0101】
閉鎖体30を開位置に移動することはまた、自由部112を閉鎖体30の曲面壁部110に対して適用させるスライド移動で、外側領域108の内側に第3ダイアフラム102を移動させ、自由部112は第3ダイアフラム102の支持部に徐々になる。閉鎖ダイアフラム38と同様に、第3ダイアフラム102の形状は、第3ダイアフラム102が閉鎖体30によって及びノズル体70によって形成された軸受面に対して適用されるために導かれるように配置された形状を有する。その結果として、第3ダイアフラム102の外面の自由部112の表面は、閉鎖体30が開位置に到達した場合にそれが実質的になくなるまで、開位置に向かう閉鎖体30の移動中に外側領域108の容積が徐々に減少している間は、徐々に減少する。閉鎖体30の開位置において、第3ダイアフラム102の外面の支持部は実質的に外面全体によって形成され、すなわち、第3ダイアフラム102の外面全体、又はほとんど全ての外面は軸受面に対して適用される。したがって、閉鎖体30の開位置において、第3ダイアフラム102は硬質面に対して一体的に適用され、それは第3ノズルダイアフラム102に対して大きな機械的支持を提供する。
【0102】
閉鎖体30が開位置に移動する間、第3ダイアフラム102の外面を徐々に受ける軸受面は、閉鎖体30の湾曲部110によって形成される。
【0103】
液体が、出口18を通じてプリフォーム2の内部容積10に注入され、プリフォーム2を変形させて製造されるべき容器の形状を得る。それ自体が公知であるように、プリフォームに注入される液体の圧力は、短い時間の間にプリフォーム2の内側で圧力ピークを作り出すために変えることができて、容器内にプリフォーム2を形作るのを完成することができる。次いで、成形され充填された容器が得られる。
【0104】
その結果として、プリフォーム2に液体を注入する間、全ての可撓性ダイアフラム、すなわち、閉鎖ダイアフラム38、ノズルダイアフラム76、及び第3ダイアフラム102は大きな機械的支持を有し、液体の圧力下で損傷されることの影響を受けやすい任意の自由部を実質的に含まない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7