(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。
【0019】
遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域10が形成されている。遊技領域10は、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更可能となる複数の領域を含む。本実施の形態の場合、遊技領域10は、遊技領域10の左右方向の中央を境界として左側の領域が左遊技領域10aと呼ばれ、右側の領域が右遊技領域10bと呼ばれ、矢印500で示すように遊技領域10に打ち込まれた遊技媒体としての遊技球は、左遊技領域10aに進入するか(矢印501)、あるいは右遊技領域10bに進入する(矢印502)。
【0020】
遊技球が左遊技領域10aへ流れるように左遊技領域10aを狙って遊技球を打込むことを「左打ち」と呼び、遊技球が右遊技領域10bへ流れるように右遊技領域10bを狙って遊技球を打込むことを「右打ち」と呼ぶ。すなわち、遊技者が、左打ち及び右打ちすることにより打ち込まれた遊技球は、遊技領域10へと飛び出す。そして、左打ちされた遊技球は、左遊技領域10aを流下する(矢印501)。一方、右打ちされた遊技球は、右遊技領域10bに設けられた緩衝部材50(被衝突部)に衝突(矢印502)した後、跳ね返り(矢印503)、右遊技領域10bに設けられた蛇行経路61を流下する(矢印504)。このようにして、遊技球は、右遊技領域10bを流下していく。このように、遊技者は、打球操作ハンドルの操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。なお、右打ちする場合は、左打ちするよりも、打球操作ハンドルの操作量を大きくして、発射強度を大きくする。例えば、打球操作ハンドルの操作量を最大とした場合には、遊技球は右打ちされる。
【0021】
遊技領域10の内部または外部といった遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、通過ゲート41、演出装置200、規制枠60などが設けられている。遊技盤2の略中央部には、囲んだ内側領域への遊技球の進入を規制する規制枠60が設けられている。規制枠60の内側領域には、画像表示装置5及び演出装置200が設けられている。これにより、遊技球が、画像表示装置5及び演出装置200に衝突することが防止されている。また、遊技盤2の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車(不図示)及び多数の障害釘(不図示)が設けられている。なお、演出装置200の詳細については後述する。
【0022】
画像表示装置5は、遊技領域10の略中央に設けられており、左遊技領域10aと右遊技領域10bの境界に位置している。また、画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられており、左遊技領域10aと右遊技領域10bの境界に位置している。
【0023】
右遊技領域10bには、緩衝部材50、蛇行経路
61、通過ゲート41、特別可変入賞球装置7、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。また、特別可変入賞球装置7及び普通可変入賞球装置6Bの前面には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどが設けられている
。
【0024】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力可能なスピーカ8L、8Rが設けられ、遊技領域10周辺部には遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられ、打球操作ハンドルの操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が調整される。遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿が設けられている。下皿を形成する部材にはスティックコントローラ31Aが取り付けられ、上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。
【0025】
第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5などでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われる。これらの可変表示は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて、あるいは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて、実行可能となる。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(「第1特図」ともいう)の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(「第2特図」ともいう)の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部からなる飾り図柄表示エリアにて、識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
【0026】
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が停止表示(導出表示)される。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「2」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0027】
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を14ラウンド大当り図柄とし、「1」、「5」の数字を示す特別図柄を4ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として14ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態(14ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の可動片(不図示)が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。この時、スピーカ8L、8R等の報知手段により、右打ちして遊技球を右遊技領域10bに流下させるよう、遊技者に報知しもよい。また、画像表示装置5に、右打ちすべきである旨の画像を表示し、右打ちして遊技球を右遊技領域10bに流下させるよう遊技者に報知しもよい。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした可動片は、右遊技領域10bを落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態である閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。14ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「14」)となる。ラウンドの実行回数が「14」となる14ラウンド大当り状態における遊技は、14回開放遊技とも称される。
【0028】
特図ゲームにおける確定特別図柄として4ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態(4ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(可動片により大入賞口を開放状態とする期間)が、14ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、4ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、14ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「4」)となる。ラウンドの実行回数が「4」となる4ラウンド大当り状態における遊技は、4回開放遊技とも称される。なお、4ラウンド大当り状態では、スピーカ8L、8R等の報知手段により、右打ちして遊技球を右遊技領域10bに流下させるよう、遊技者に報知してもよい。また、画像表示装置5に、右打ちすべきである旨の画像を表示し、右打ちして遊技球を右遊技領域10bに流下させるよう遊技者に報知しもよい。
【0029】
なお、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいては、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームに比べて、大当たりとなった場合の14ラウンド大当たりの出現率が高く設定されている。つまり、有利度の高い大当りの選択割合が第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームよりも第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの方が高くなっている。
【0030】
14ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく14ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態(「低確低ベース状態」ともいう)に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される時短状態(「低確高ベース状態」ともいう)に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
【0031】
14ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく14ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される時短制御が行われるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率遊技状態(高確状態)としての確変状態(「高確高ベース状態」ともいう)に制御される。
【0032】
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、4ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。なお、小当り遊技状態では、スピーカ8L、8R等の報知手段により、右打ちして遊技球を右遊技領域10bに流下させるよう、遊技者に報知してもよい。また、画像表示装置5に、右打ちすべきである旨の画像を表示し、右打ちして遊技球を右遊技領域10bに流下させるよう遊技者に報知しもよい。小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7が備える可動片により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作を複数回分繰り返すように制御されればよい。
【0033】
画像表示装置5には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば異なる数字を順に表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示の表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果は、可変表示結果ともいう。特に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果ともいう。このように、画像表示装置5では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
【0034】
画像表示装置5の下部には、第1保留表示部45と、第2保留表示部46とが設けられている。第1保留表示部45および第2保留表示部46は、画像表示装置5において、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示を行うための表示部である。第1保留表示部45は、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留記憶数である。第2保留表示部46は、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留記憶数である。
【0035】
特図ゲームに対応した可変表示の保留記憶は、第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて行われる。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応して未だ開始されていない可変表示の保留記憶が行われる。第1始動入賞が発生したときに、第1特図を用いた特図ゲームを開始できなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。第2始動入賞が発生したときに、第2特図を用いた特図ゲームを開始できなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。特図ゲームが開始されることによる保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)の減少は、保留の消化とも称される。
【0036】
第1保留表示部45では、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部46では、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第1保留表示部45において、例えば第1特図保留記憶数の上限値が「4」である場合に、黒丸を1つ表示した状態から4つ表示した状態までを、保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2保留表示部46において、例えば第2特図保留記憶数の上限値が「4」である場合に、星状表示を1つ表示した状態から4つ表示した状態までを、保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。
【0037】
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0038】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。
図2に示す主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。普通電動役物用のソレノイド81は、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態(または通過しない状態)と通過しやすい状態とに変化可能にする。特別電動役物用のソレノイド82は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を遊技球が通過しない状態と通過しやすい状態とに変化可能にする。
【0039】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号の受信に基づいて、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9やLED241〜249といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
図2に示す演出制御基板12には、演出制御用CPU120やROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125などが搭載されている。音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9やLED241〜249などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0040】
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0041】
ゲートスイッチ21は、通過ゲート41を通過した遊技球(ゲート通過球)を検出する。ゲートスイッチ21によるゲート通過球の検出に基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能となる。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する対の可動片(不図示)が第2始動入賞口を開放する開放制御が行われ、所定時間が経過すると第2始動入賞口を覆う閉鎖制御が行われる。
【0042】
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動片の開放制御を行う開放制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その開放回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口の高開放制御が行われていないときよりも開放状態となる頻度が高められる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。
【0043】
第1始動口スイッチ22Aは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口といった、各種の入賞口を通過した遊技球が検出された場合には、それぞれの入賞口に対応して予め個数が定められた賞球としての遊技球が払い出される。
【0044】
主基板11から出力された制御信号は、中継基板15を介して演出制御基板12に向けて伝送される。この制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9やLED241〜249の点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
【0045】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0046】
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、ROM121から読み出した演出制御用のプログラムや固定データ等を用いて、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0047】
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5に表示させる演出表示の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
【0048】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出の実行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。演出の実行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
【0049】
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域10に向けて発射される。遊技領域10を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態となる。
【0050】
パチンコ遊技機1においては、画像表示手段5、スピーカ8L、8R等の報知手段により、左遊技領域10aに遊技球を打ち込むべきか、あるいは右遊技領域10bに遊技球を打ち込むべきかが、遊技者に報知される。遊技者が左遊技領域10aに遊技球を打ち込む場合とは、パチンコ遊技機1が、通常状態(「低確低ベース状態」ともいう)に制御されている場合である。また、遊技者が右遊技領域10bに遊技球を打ち込む場合とは、パチンコ遊技機1が、時短状態(「低確高ベース状態」ともいう)に制御されている場合、及び確変状態(「高確高ベース状態」ともいう)に制御されている場合である。また、14ラウンド大当たり状態、4ラウンド大当たり状態、及び小当たり遊技状態に制御されている場合には、右打ちをして、右遊技領域10bを狙って遊技球を打ち込むように報知し、遊技者に対して大入賞口への遊技球の入賞を促す。
【0051】
次に、画像表示装置5の上方に設けられた演出装置200の構造詳細と、演出装置200を動作させる構成について説明する。
図3は、演出装置及び規制枠が取り付けられた遊技盤の斜視図である。また、
図4は、遊技盤に演出装置及び規制枠が取り付けられる前の様子を示した分解斜視図である。
図3、4に示すように、遊技盤2には、演出装置200及び画像表示装置5を配置するための領域を区画する
規制枠60と、演出動作を行う演出装置200とが設けられている。
【0052】
遊技盤2は、遊技球の移動空間の一部を区画する、鉛直に設けられた盤面2aを有している。この盤面2aに、前述した風車(不図示)、多数の障害釘(不図示)、及び普通入賞球装置6A等が設けられている。また、盤面2aの前方には、図示しない透明板が設けられている。これにより、遊技領域10に打ち込まれた遊技球は、盤面2aと透明板(不図示)との間に形成された移動空間を、障害釘(不図示)等にぶつかりながらを流下する。遊技盤2の中央には、開口2b(
図4)が形成されており、演出装置200及び画像表示装置5(
図1)を設置するためのスペースが確保されている。
【0053】
また、遊技盤2には、右打ちされた遊技球(矢印502の方向に移動する遊技球)の移動を遮るように、緩衝部材50が設けられている。緩衝部材50は、例えば硬質ゴムから形成され、ねじ止めによって着脱容易に遊技盤2に取り付けられている。このように、右打ちされた遊技球が衝突する硬質ゴム製の緩衝部材を設けることにより、遊技球の跳ね返りを小さくして跳ね返った遊技球が左遊技領域10aまで到達することを防止することができる。また、遊技球が緩衝部材50に衝突する際に、適度の振動を遊技盤2に与えることができる。また、盤面2aには、開口2bの近傍に、ねじ孔2c及び突起挿入孔2d(
図4)が互いに近接して形成されている。これらねじ孔2c及び突起挿入孔2dは対となって、開口2b近傍に9ヵ所形成されている。
【0054】
規制枠60は、盤面2aに当接するフランジ部60aと、フランジ部60aから前方に向けて突出したガイド部60bとを有している。
規制枠60は、盤面2aに形成された開口2bの外形に合った形状に形成されており、フランジ部60aが開口2b周囲の盤面2aに当接した状態で遊技盤2に取り付けられている。フランジ部60aには、ねじ挿通孔60cと後方に突出した突起(不図示)とが、互いに近接した位置に対となって形成されている。この対のねじ挿通孔60c及び突起(不図示)は、盤面2aに形成された対のねじ孔2c及び突起挿入孔2dに対応して設けられている。これにより、規制枠60の9ヵ所で、盤面2aに固定することができる。
【0055】
ガイド部60bが、フランジ部60aから前方に向けて突出形成されていることで、遊技球は、フランジ部60aの先端と、前方に設けられた透明板(不図示)との隙間を通過することができない。これにより、ガイド部60bは、遊技球の移動空間を区画する一部を構成し、遊技領域10を流下する遊技球の移動を所定の方向に導くガイドレールとして機能する。また、規制枠60には、演出装置200を取付けるためのねじ挿通孔60d(
図4)が3か所形成されている。
【0056】
演出装置200は、振動が伝達されることにより動作する複数の可動体(演出部)と、複数の可動体の後方に設けられた複数のLEDを有している。演出装置200の後面には、規制枠60に形成されたねじ挿通孔60d(
図4)に対応する位置に、ねじ孔200a(
図4)が3か所形成されている。これにより、演出装置200は、規制枠60を介して遊技盤2に取り付けられる。
【0057】
右打ちされた遊技球は、演出装置200を飛び越えて右遊技領域10bに進入する。右遊技領域10bに進入した遊技球は、緩衝部材50に衝突する。その際、遊技盤2に適度の振動が生じる。遊技盤2に生じた振動は、盤面2aから、
規制枠60、演出装置200の順に伝達される。上述したように、盤面2aと
規制枠60との固定は、盤面2aの開口2b周囲に9箇所設けられた対のねじ孔2c及び突起挿入孔2dと、
規制枠60に設けられた対のねじ挿通孔60c及び突起(不図示)とによって実現される。
図4に示すように、このうち1対のねじ孔2c´及び突起挿入孔2d´(他と区別するために´を付している)は、緩衝部材50の近傍に設けられている。これにより、
規制枠60は、緩衝部材50の近傍で遊技盤2に固定される。そのため、遊技球が緩衝部材50に衝突することにより発生した振動は、
規制枠60に伝わりやすい。
【0058】
また、上述したように、
規制枠60と演出装置200との固定は、
規制枠60に設けられた3つのねじ挿通孔60dと、演出装置200に設けられた3つのねじ孔200aとが、図示しないねじで締結されることにより実現される。このうち、1つのねじ挿通孔60d´、及び1つのねじ孔200a´(他と区別するために´を付している)は、上述した緩衝部材50近傍でかつ盤面2aと
規制枠60との固定箇所(1対のねじ孔2c´及び突起挿入孔2d´が形成された箇所)の近傍に形成されている。そのため、
規制枠60に伝わった緩衝部材50からの振動が、
規制枠60と演出装置200との固定箇所を介して演出装置200に伝えることができる。これにより、遊技球が衝突部材50に衝突した際に生じた振動を、演出装置200に伝えやすくすることができる。
【0059】
次に、演出装置200の構造詳細について説明する。
図5は、遊技機に設けられる演出装置の分解斜視図である。
図6は、可動体に着目した分解斜視図である。
図7(a)は、
図3中の切断線VIIa−VIIaによる切り口を示した図、(b)は
図6中の“VIIb部”を拡大した図である。また、
図8(a)は
図6中の“VIIIa部”を拡大した図、(b)は(a)中の矢視bからみた正面図、(c)は
図6中の“VIIIc部”を拡大した図、(d)は(c)中の矢視dからみた正面図である。
【0060】
演出装置200は、前面にパチンコ遊技機1特有の装飾が施された前面カバー体210と、前面カバー体210の後部に取り付けられた後方カバー250とにより、外観が概略構成されている。
【0061】
前面カバー体210は、例えば合成樹脂製で、前方に向けて膨出するように形成されている。これにより、前面カバー体210と後方カバー250との間に、種々の部品を収容するための収容空間が形成される。また、前面カバー体210の左部には、円形状の開口である第1取付孔211が形成されているとともに、右部には、円形状の開口である第2取付孔212が形成されている。また、前面カバー体210の中央部には、左右にのびた細長い開口である可動体露出孔213が形成されている。
【0062】
後方カバー250は、後述するLED基板240を保持した状態で、前面カバー体210に後方から取り付けられる。
【0063】
演出装置200は、前面カバー体210と後方カバー250との間に形成された収容空間に、第1光出射部214、第2光出射部215、可動体
取付枠230、第1〜第3可動枠231〜233及び第1〜第3可動部234〜236(以下、これらを総称する場合には、複数の可動体220、と記載する)、及び複数のLED241〜249が取り付けられたLED基板240を有している。
【0064】
第1演出部214は、例えば合成樹脂製の円筒部214aと、この円筒部214aの空洞部を覆う、種々の模様が形成された透光性樹脂からなる光出射部214bと、から構成されている。第1演出部214は、第1取付孔211に挿入されて、前面カバー体210に固定されている。これにより、遊技者は、第1取付孔211から第1演出部214を視認することができる。なお、第1演出部214の後方には、LED基板240に取り付けられたLED249が配置されている。これにより、LED249から出射された光は、光出射部214bから出射され、遊技者に視認される。
【0065】
第2演出部215も、第1演出部214と同様に、円筒部215aと光出射部215bとから構成されており、第2取付孔212に挿入されて、前面カバー体210に固定されている。また、第2演出部215の後方には、LED基板240に取り付けられたLED241が配置されており、LED241から出射された光が、光出射部215bから出射される。
【0066】
このように、演出装置200は、光が出射される演出体(第1演出部214及び第2演出部215)を、左右に一つずつ備えている。第1演出部214自体及び第2演出部215自体は、前面カバー体210に固定されており動くことはない。一方、演出装置200は、第1演出部214と第2演出部215との間に、それ自体が可動する複数の
可動体220を有している。複数の
可動体220は、可動体取付枠230を介して可動体露出孔213に挿着された、第1〜第3可動枠231〜233、及び第1〜第3可動部234〜236である。なお、第1可動枠231及び第1可動部234と、第3可動枠233及び第3可動部236とは、上下方向に延びる仮想線に対して線対称の構成を有している。そのため、第1可動枠231及び第1可動部234の構造詳細について説明し、第3可動枠233及び第3可動部236の構造詳細については、説明を省略する。
【0067】
可動体取付枠230は、例えば合成樹脂から構成され、下方に湾曲した弓型状に形成されている。可動体取付枠230は、可動体露出孔213の下辺213a(
図5)に当接した状態で、
第1突起部230a及び
第2突起部230bに挿通されたねじ(不図示)により、前面カバー体210に固定されている。これにより、可動体取付枠230と、可動体露出孔213の上辺213b(
図5)との間に、複数の可動体220を挿着するための隙間を確保することができる。また、可動体取付枠230の後面には、後方に突出した第1突起部230a(
図6)及び第2突起部230b(
図6)が形成されている。
【0068】
図6に示すように、第1可動枠231は、前方に向けて膨らみを有し、その先端に光出射部挿通孔231bが形成された枠体231eと、前方に向けて膨らみを有し、その先端に光出射部挿通孔231cが形成された枠体231fと、枠体231eと枠体231fとを連結する連結バー231dとを備えている。連結バー231dには、上下方向に長軸が設定された長孔状の拡大孔231aが形成されている。第1可動枠231は、枠体231e及び枠体231fが可動体取付枠230に形成された凹部230eに挿入されるとともに、可動体取付枠230に形成された第1突起部230aが拡大孔231aに挿通される。
【0069】
第1可動部234は、後方からの光を出射する第1光出射部234a及び第2光出射部234bと、第1光出射部234a及び第2光出射部234bを連結する連結バー234cと、を有している。第1光出射部234aは、前方やや下側に突出した部分であり、後方に設けられたLED242(
図5)からの光を前方に向けて出射する。また、第2光出射部234bは、前方やや下側に突出した部分であり、後方に設けられたLED243(
図5)からの光を前方に向けて出射する。第1光出射部234aは第1可動枠231に形成された光出射部挿通孔231bに挿通されるとともに、第2光出射部234bは第1可動枠231に形成された光出射部挿通孔231cに挿通される。これにより、第1可動部234は、第1可動枠231に挿着される。
【0070】
第1可動枠231及び第1可動部234の後方には、前面カバー体210(
図5)に固定された、LED基板240を保持する後方カバー250が配置される。LED基板240には、可動体取付枠230に形成された第1突起部230aに対応する位置に、突起部挿通孔240aが形成されている。また、後方カバー250には、可動体取付枠230に形成された第1突起部230aに対応する位置に、突起部挿通孔250aが形成されている。拡大孔231aに挿通された第1突起部230aは、突起部挿通孔240a及び突起部挿通孔250aに続けて挿通されている。
【0071】
図7(a)に示すように、前面カバー体210と可動体取付枠230との隙間には、遊技者が視認可能な第1可動枠231及び第1可動部234が配置されている。第1可動枠231は、連結バー231dの前面が、可動体取付枠230に当接することで前後方向の位置が決定される。このように前後方向の位置決めがされた第1可動枠231に比べて、前面カバー体210と可動体取付枠230と間に形成された隙間は大きなものとなっている。これにより、第1可動枠231は、前面カバー体210及び可動体取付枠230に対する動きが許容される構造となっている。例えば、前面カバー体210と第1可動枠231との間には隙間G1が、第1可動枠231と可動体取付枠230との間には隙間G2が設定されている。
【0072】
図7(b)に示すように、第3可動枠233に形成された拡大孔233aは、可動体取付枠230に形成された第2突起部230bの外形より大きな開口である。拡大孔233aは、特に上下方向に長軸を有する長孔であるため、挿通された第2突起部230bの左方あるいは右方よりも、上方あるいは下方に隙間が多い。このように、拡大孔233aと第2突起部230bとの間には、第1可動枠231の可動体取付枠230に対する動きを積極的に許容する隙間が形成されている。このことは、第2突起部230b及び拡大孔233aと線対称の構造を有する、第1突起部230aと拡大孔231aとの関係においても同様である。
【0073】
これにより、前面カバー体210(
図5)と可動体取付枠230との間に挿着された第1可動枠231は、隙間G1、G2(
図7(a))、及び第1可動枠231に形成された拡大孔231aにより、搖動可能となっている。これにより、遊技球が衝突部材50(
図4)に衝突した際に生じた振動が演出装置200(
図4)に伝わることにより、第1可動枠231は搖動する。
【0074】
なお、
図8(a)に示すように、後方カバー250に形成された突起部挿通孔250aは、第1可動枠231に形成された拡大孔231aと比べて、第1突起部230aとの隙間は小さなものとなっている。また、LED基板240に形成された突起部挿通孔240aについても、第1突起部230aとの隙間は小さい。これにより、可動体取付枠230を、LED基板240及び後方カバー250に対して、正確に位置決めすることができる。
【0075】
また、第1可動枠231に対する第1可動部234の動きを積極的に許容するために、第1可動枠231と、第1可動枠231に挿着された第1可動部234との間には、例えば、
図7(a)に示すように、隙間G3及び隙間G4が設定されている。これにより、第1可動部234は、第1可動枠231に搖動可能に取り付けられている。これにより、遊技球が衝突部材50(
図4)に衝突した際に生じた振動が演出装置200(
図4)に伝わることにより、第1可動部234は搖動する。
【0076】
また、前面カバー体210に形成された可動体露出孔213(
図5)の中央には、第2可動枠232及び第2可動部235が配置されている。
図6に示すように、第2可動枠232は、光出射部挿通孔232cが形成された枠体232hと、光出射部挿通部232dが形成された枠体232iと、光出射部挿通孔232eが形成された枠体232jと、枠体232hと枠体232iとを連結する連結バー232fと、枠体232iと枠体232jとを連結する連結バー232gとを備えている。また、枠体232hと連結バー232fとの接続部には、後方に突出する第1突起部232aが形成されている。また、枠体232jと連結バー232gとの接続部には、後方に突出する第2突起部232bが形成されている。第2可動枠232の枠体232h、枠体232i、及び枠体232jは、可動体取付枠230に形成された凹部230fに挿入される。
【0077】
第2可動部235は、後方から入射した光を出射する第1〜第3光出射部235a〜235cと、第1光出射部235aと第2光出射部235bとを連結する連結バー235dと、第2光出射部235bと第3光出射部235cとを連結する連結バー235eと、を有している。第1光出射部235aは、後方に設けられたLED244(
図5)からの光を、前方に向けて出射する。第2光出射部235bは、後方に設けられたLED245(
図5)からの光を、前方に向けて出射する。また、第3光出射部235cは、後方に設けられたLED246(
図5)からの光を、前方に向けて出射する。第2可動部235は、第1光出射部235aが光出射部挿通孔232cに挿通され、第2光出射部235bが光出射部挿通部232dに挿通され、第3光出射部235cが光出射部挿通孔232eに挿通されることで、第2可動枠232に挿着される。
【0078】
第2可動枠232及び第2可動部235の後方には、前面カバー体210(
図5)に固定された、LED基板240を保持する後方カバー250が配置されている。LED基板240には、第2可動枠232に形成された第1突起部232aに対応する位置に突起部挿通孔240bが、第2突起部232bに対応する位置に突起部挿通孔240cが形成されている。また、後方カバー250には、第2可動枠232に形成された第1突起部232aに対応する位置に突起部挿通孔250bが、第2突起部232bに対応する位置に突起部挿通孔250cが形成されている。第1突起部232aは、突起部挿通孔240b及び突起部挿通孔250bに続けて挿通されている。また、第2突起部232bは、突起部挿通孔240c及び突起部挿通孔250cに続けて挿通されている。
【0079】
図8(c)、(d)に示すように、突起部挿通孔240b及び突起部挿通孔250bは、挿入された第1突起部232aとの間に隙間G5が設けられており、挿通孔内での第1突起部232aの動きを許容する、いわゆる拡大孔である。突起部挿通孔240c及び突起部挿通孔250cも、挿通された第2突起部232bの動きを許容する、いわゆる拡大孔である。
【0080】
さらに、第2可動枠232が取り付けられる、前面カバー体210(
図5)と可動体取付枠230との間の隙間は、第2可動枠232よりも大きく、第2可動枠232の搖動を許容する隙間が設けられている。これにより、第2可動枠232は搖動可能に取り付けられている。
【0081】
また、前面カバー体210(
図5)と第2可動枠232との隙間、光出射部挿通孔232c、及び光出射部挿通孔232eには、第2可動部235との間に、第2可動部235の搖動を許容する隙間が設定されている。そのため、第2可動部235は、第2可動枠232に対して搖動可能に取り付けられている。これにより、遊技球が衝突部材50に衝突した際に生じた振動が演出装置200に伝わることにより、第2可動枠232及び第2可動部235は搖動する。
【0082】
なお、複数の可動体200の後方に配置されたLED241〜249は、遊技者が右打ちをする期間に合わせて発光する。この期間は、上述したように、パチンコ遊技機1が、時短状態、確変状態、14ラウンド大当たり状態、4ラウンド大当たり状態、及び小当たり遊技状態に制御されている期間(以下、右打ち期間と記載する)である。
【0083】
以上説明したように、パチンコ遊技機1においては、遊技領域に打ち込んだ遊技球を緩衝部材50に衝突させることで、発生した振動を演出装置200に伝達し、第1〜第3可動枠231〜233、及び第1〜第3可動部234〜236を動作(搖動)させることができる。このように、複数の可動体220を動作させるために、遊技球を緩衝部材50に衝突するように打ち込めばよく、別途、複数の可動体220の駆動手段や、遊技球の検出手段を設ける必要がない。そのため、パチンコ遊技機1の製造コストを抑制することができる。
【0084】
また、遊技者が右遊技領域10bに遊技球を打ち込む(右打ちをする)ことにより、遊技球を緩衝部材50に衝突させて複数の可動体220を動作させることができる。右打ちは、遊技者が、打球操作ハンドルの操作量を最大とするため、打球操作ハンドルをそれ以上回すことができないところまで右に回すことで、確実に実行される。そのため、右打ちをするためには、難しい操作を必要としない。これにより、遊技者は容易に複数の可動体220を動作させることができる。
【0085】
また、複数の可動体220のそれぞれを、搖動可能に演出装置200に取り付けている。そのため、遊技球を緩衝部材50に衝突させるだけで、振動が演出装置200に伝わり、複数の可動体220を同時に動作させることができる。これにより、演出効果を高めることが可能となる。
【0086】
また、ねじ止めにより、緩衝部材50を遊技盤2に着脱自在な構成であるため、緩衝部材50の交換を容易に行うことができる。これにより、パチンコ遊技機1に生じる不具合を抑制することができる。
【0087】
また、複数の可動体220のそれぞれ後方には、光を出射するLED241〜249が設けられている。これにより、複数の可動体220から光を出射することができるため、演出効果を高めることができる。また、複数の可動体220の光出射部には、種々の模様が形成されているため、複数の可動体220が動作中(搖動中)にLED241〜249が発光すると、複数の可動体220から出射される光の態様を変化させることができる。これにより、遊技者はより複数の可動体220の動作に注目することとなり、演出効果を高めることができる。
【0088】
また、遊技盤2と
規制枠60との固定箇所、及び、
規制枠60と演出装置200との固定箇所を、緩衝部材50の近傍に設けることで、遊技球が緩衝部材50に衝突したことにより発生した振動を、演出装置200に伝えやすくすることができる。これにより、複数の可動体220を動作(搖動)させやすくすることができる。
【0089】
また、動作する複数の可動体220の近傍に、第1演出部214及び第2演出部215を設けている。第1演出部214及び第2演出部215は、前面カバー210に固定されているため、搖動することはない。これにより、動作(搖動)する複数の可動体220の動きをより目立たせることができ、演出の効果を高めることができる。
【0090】
また、LED241〜249が発光するタイミングを、パチンコ遊技機1が時短状態等に制御された右打ち期間と合わせている。右打ち期間であることは、スピーカ8L、8Rや、画像表示装置5で遊技者に報知する。そのため、右打ちを、適切に右打ち期間に実行させることができる。これにより、複数の可動体220が搖動するタイミングと、LED241〜249が発光するタイミングとを合わせるために、遊技者が右打ちしているか否か、あるいは可動体が搖動しているか否かを検出するセンサ等を別途設ける必要はない。これにより、パチンコ遊技機1の製造コストを抑制することができる。
【0091】
また、LED241〜249を右打ち期間のタイミングで発光させるため、複数の可動体220から出射された光により、遊技者に右打ちの期間であることを知らせることができる。すなわち、LED241〜249を右打ち期間を報知する報知手段として機能させることができ、スムーズに遊技を進めることができる。
【0092】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。複数の可動体220の搖動のし易さについては特に言及しなかったが、例えば、緩衝部50から遠くに配置されたものほど、搖動しやすい構成としてもよい。すなわち、第2可動枠232及び第2可動部235は、第1可動枠231及び第1可動部234よりも種々の隙間を大きくとって搖動しやすく、第3可動枠233及び第3可動部336は、さらに隙間を大きくとって搖動しやすい構成としてもよい。これにより、振動が伝わりにくい遠くの可動体ほど搖動し易くすることができ、搖動の大きさを複数の可動体220間で合わせるとができる。また、複数の可動体220間で、異なる搖動をさせるために、種々の隙間を異ならせるようにしてもよい。例えば、中央に配置された第2可動枠232及び第2可動部235の種々の隙間を、他のものより大きく設定して、複数の可動体220間で異なる動作をさせるようにしてもよい。これにより、複数の可動体220に複雑な動作をさせることができ、演出効果を高めることができる。
【0093】
また、上記実施の形態においては、左遊技領域10aと右遊技領域10bとは、遊技領域10の左右方向の中央を境界として配置されていると説明したが、境界位置は中央に限定されないし、左遊技領域10aの大きさと右遊技領域10bの大きさも異なるものであってもよい。すなわち、打球操作ハンドルの操作量を大きくして、発射強度を大きくした場合に、遊技球が右遊技領域10bに打ち込まれ、打球操作ハンドルの操作量を小さくして、発射強度を小さくした場合に、遊技球が左遊技領域10aに打ち込まれる態様であればよい。
【0094】
また、LED241〜249は、1つのLED基板240に取り付けられているが、例えば、可動体ごとにLEDが取り付けられたLED基板を設ける態様であってもよい。また、可動体自体にLEDを取付けて、可動体とLEDとを一体的に構成した態様であってもよい。
【0095】
また、可動体の取付け位置や可動体の取付数、可動体を動作させるための振動の発生源や発生源の数については、特に限定されるものではない。例えば、
規制枠60、演出装置200の近傍に設けられた障害釘、あるいは通過ゲート41に、遊技球が衝突することによって発生した振動を伝達させて、可動体を搖動させる構成としてもよい。この際、
規制枠60、障害釘、あるいは通過ゲート41と、演出装置200とを接続して、衝突により発生した振動を可動体に伝えやすくする振動伝達部材を別途設けてもよい。このように、可動体が動作する振動源を複数設けることで、可動体が動作する機会をより多く設定することができる。また、普通入賞球装置6Aの前面に、可動体を搖動可能に取り付け、流下する遊技球が、普通入賞球装置6Aや近傍に設けられた障害釘に衝突した際に生じる振動で、可動体を動作させる態様であってもよい。この場合には、左打ちした遊技球が下方に落下することにより、普通入賞球装置6Aに衝突して、可動体を搖動させることができる。また、遊技領域10の外にある遊技枠に別途可動体を設けてもよいし、演出装置200の下方に、別途可動体を有する演出装置を設けてもよい。これにより、複数ヵ所に設けた可動体を動作させることができ、演出効果を高めることができる。
【0096】
また、可動体を演出装置の左上部に設け、左打ちされた遊技球が演出装置200や
規制枠60に衝突した際に生じる振動によって搖動させるようにし
てもよい。
【0097】
また、遊技者が視認しにくい待機位置と、遊技領域内まで進出して遊技者が視認容易な進出位置との間で移動する演出装置に、搖動可能に可動体を取付けてもよい。これにより、演出装置の移動時に、可動体を搖動させることが可能となる。また、待機位置を振動発生源(例えば、緩衝部材50)に近く、進出位置を振動発生源よりも遠くに設定することで、待機位置にある演出装置の可動体を大きく搖動させ、進出位置にある演出装置の可動体を小さく搖動させることができる。
【0098】
また、上記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ機を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。