特許第6773676号(P6773676)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティドの特許一覧

<>
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000002
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000003
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000004
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000005
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000006
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000007
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000008
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000009
  • 特許6773676-パターン被覆されたフィルター及び方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773676
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】パターン被覆されたフィルター及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/16 20060101AFI20201012BHJP
   B01D 63/08 20060101ALI20201012BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20201012BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20201012BHJP
   B03C 3/28 20060101ALI20201012BHJP
   B03C 3/017 20060101ALI20201012BHJP
   B03C 3/019 20060101ALI20201012BHJP
   B01D 39/08 20060101ALI20201012BHJP
   B32B 5/16 20060101ALI20201012BHJP
   B32B 3/02 20060101ALI20201012BHJP
   G11B 33/14 20060101ALI20201012BHJP
   B01J 20/10 20060101ALI20201012BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   B01D39/16 E
   B01D63/08
   B01D53/04 110
   B01J20/28 Z
   B03C3/28
   B03C3/017 Z
   B03C3/019
   B01D39/16 A
   B01D39/08 Z
   B32B5/16
   B32B3/02
   G11B33/14 501K
   G11B33/14 501M
   B01J20/10 D
   B01J20/20 B
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-548444(P2017-548444)
(86)(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公表番号】特表2018-515325(P2018-515325A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】US2016023544
(87)【国際公開番号】WO2016154182
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2019年3月20日
(31)【優先権主張番号】62/137,037
(32)【優先日】2015年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】トゥーマ, ダニエル, エル.
(72)【発明者】
【氏名】カラハン, ライアン エム.
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06214095(US,B1)
【文献】 特開2004−313606(JP,A)
【文献】 特開2006−002730(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/149047(WO,A1)
【文献】 特表平11−508185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 39/00−41/04、53/02−53/12、
53/22、61/00−71/82
C02F 1/44
B03C 3/00−11/00
B32B 1/00−43/00
B01J 20/00−20/28、20/30−20/34
G11B 33/00−33/08、33/12−33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターアセンブリであって、
第1の層であって、第1の周囲領域と前記第1の周囲領域の中央の領域とを画定するベース層と、実質的に前記中央の領域内の前記第1の層の第1の表面上に配設される第1の接着剤と、前記第1の接着剤に結合される第1の吸着ビーズとを含み、前記第1の接着剤は前記中央の領域内で不連続であり、前記第1の周囲領域は実質的に接着剤を含まない、第1の層と、
第2の周囲領域を有するフィルター材の第1のシートを含む第2の層であって、前記第1の周囲領域及び前記第2の周囲領域は接合される、第2の層と、
第3の周囲領域を有するフィルター材の第2のシートを含む第3の層と
を含み、前記第1の周囲領域及び前記第3の周囲領域は接合され、前記ベース層、第2の層、及び第3の層は、実質的に同一の広がりを有する、フィルターアセンブリ。
【請求項2】
実質的に前記中央の領域内の前記第1の層の第2の表面上に配設される第2の接着剤と、前記第2の接着剤に結合される第2の吸着ビーズとを更に含む、請求項1に記載のフィルターアセンブリ。
【請求項3】
ディスクドライブアセンブリであって、
エンクロージャを画定するディスクドライブハウジングと、
前記エンクロージャ内に回転可能に取り付けられる少なくとも1つのディスクであって、前記少なくとも1つのディスクの回転は、前記エンクロージャ内に気流を誘導する、少なくとも1つのディスクと、
前記エンクロージャ内に配設される、請求項1に記載のフィルターアセンブリと
を含む、ディスクドライブアセンブリ。
【請求項4】
フィルターアセンブリを作成する方法であって、
第1の表面及び第2の表面を有するベース層を提供することと、
第1の接着剤を前記ベース層の前記第1の表面上にパターン被覆することと
を含み、前記第1の接着剤は、特定の離散寸法形状の繰り返しのパターンを含み、前記離散寸法形状内で前記第1の接着剤は不連続であり、
更に、第1のフィルター層を前記ベース層の前記第1の表面の上に適用することと、
実質的に前記離散寸法形状の間で前記第1のフィルター層に前記ベース層を結合することと、
前記離散寸法形状間で前記第1のフィルター層及びベース層を通って切断することと、を含む、方法。
【請求項5】
アセンブリであって、
芯と、
第1の表面及び第2の表面を有するベース材の伸長シートであって、前記芯の周りに配設され、且つ実質的に螺旋状の構成であるベース材の前記伸長シートと、
特定の離散寸法形状の繰り返しのパターンで前記ベース材の前記第1の表面上に配設される第1の接着剤であって、前記特定の離散寸法形状は、mm〜5mmの長さとmm〜5mmの幅とを有する、第1の接着剤と、
前記接着剤に結合される吸着ビーズと
を含み、前記離散寸法形状内で前記着剤は不連続である、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全ての国の指定についての出願人である米国籍企業DONALDSON COMPANY,INC.ならびに全ての国の指定についての発明者である米国民Daniel L.Tumaおよび全ての国の指定についての発明者である米国民Ryan M.Callahanの名義において、PCT国際特許出願として2016年3月22日に出願され、2015年3月23日出願の米国仮特許出願第62/137,037号明細書に対する優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、フィルター及び方法に関する。より詳細には、本出願は、パターン被覆された炭素フィルターに関する。
【背景技術】
【0003】
ディスクドライブエンクロージャ等の電子機器回路エンクロージャ内の汚染物質は、エンクロージャ内の構成部品の効率及び寿命を低下させる可能性がある。汚染物質は、化学物質及び微粒子を含んでいる可能性があり、外部ソースから電子機器回路エンクロージャに進入する可能性、又は製造若しくは使用中にエンクロージャ内で発生する可能性がある。汚染物質は、徐々に電子機器回路に損傷を与える可能性があり、結果として性能の低下及び完全な故障さえも生じる。従って、ハードディスクドライブ等の電子機器回路エンクロージャは、通常、ディスクドライブエンクロージャ内の空気中の微粒子及び/又は化学汚染物質を除去するか、又はそれらの進入を防ぐことができる1つ以上のフィルターを有している。かかるフィルターの1つの種類は、ディスクドライブ内の1つ以上のディスクの回転によって生じる気流の経路から汚染物質をフィルター除去できるように一般に載置される再循環フィルターである。かかるフィルターの別の種類は、環境からエンクロージャへの汚染物質の侵入を防ぐため、電子機器回路エンクロージャと周囲環境との間に一般に載置されるブリーザーフィルターである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の再循環フィルター及び幾つかのブリーザーフィルターは、通常、濾過媒体内に含まれる吸着剤を有している。濾過媒体は微粒子汚染物質を濾過し、吸着剤は化学汚染物質を吸収する。これらの種類のフィルターに関連する製造プロセスは、複雑である可能性があり、従って簡略化されたプロセスがかかるフィルターを製造するために必要とされている。更に、フィルター内の吸着剤の量を増加できる製造プロセスが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、以下の図面に関連してより詳細に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本明細書中に開示する技術と一致するフィルターアセンブリである。
図2】一実施形態によるフィルターアセンブリの断面図である。
図3】一実施形態によるフィルターアセンブリの断面図である。
図4】現在開示する技術の実施例に従って構築及び編成されるフィルターアセンブリを含む電子機器回路エンクロージャの部分平面図の概略図である。
図5】一実施形態による製造サブアセンブリ例のシートである。
図6】一実施形態による別の製造サブアセンブリ例のシートである。
図7】一実施形態による方法を示すフローチャートである。
図8】一実施形態による製造プロセスの概略図である。
図9】一実施形態によるフィルター製造アセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術は、様々な改良携帯及び代替形態の余地がある一方、その詳細を実施例及び図面として示し且つ詳細に説明する。しかし、本技術は説明する特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。反対に、本出願の趣旨及び範囲に入る変形形態、均等物、及び代替形態を包含することが意図される。
【0008】
本明細書中に説明する本技術の実施形態は、網羅的であるか、又は以下の詳細な説明において開示される正確な形態に技術を限定することを目的としない。むしろ、実施形態は、当業者が本技術の原理及び実施を正しく認識及び理解できるように選択及び説明される。
【0009】
本明細書中に述べる全ての刊行物及び特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書中に開示する刊行物及び特許は、単にそれらの開示のために提供される。本明細書中の全てのものは、本発明者らが、本明細書中に引用する任意の刊行物及び/又は特許を含む任意の刊行物及び/又は特許に先行する権利を与えられないことを容認するものとして解釈すべきではない。
【0010】
本開示は、一般に、フィルターアセンブリ及びフィルターアセンブリを製造する方法に関する。フィルターアセンブリは、エンクロージャから汚染物質を除去するため、電子機器回路エンクロージャ等のエンクロージャ内に配設されるように構成されている。例えば、フィルターアセンブリは、エンクロージャを画定するディスクドライブハウジング内に配設されてもよい。ある実施形態において、エンクロージャ内に回転可能に取り付けられる少なくとも1つのディスクが存在する。ディスクの回転により、エンクロージャ内に気流が誘導される。気流の少なくとも一部は、フィルターアセンブリを通過し、それにより、エンクロージャ内の汚染物質の少なくとも一部を除去する。フィルターアセンブリは、第1の層、第2の層、及び第3の層を有している。フィルターアセンブリは、第1の層に結合される吸着ビーズを第1の層と第2の層との間に有している。一実施形態において、フィルターアセンブリは、第1の層と第2の層との間に吸着ビーズを有することに加えて、第1の層に結合される吸着ビーズを第1の層と第3の層との間に有している。
【0011】
フィルターアセンブリを製造する幾つかの方法において、ベース層が提供される。ベース層は、第1の表面及び第2の表面を有している。接着剤が第1の表面上に寸法形状のパターンで印刷される。吸着ビーズは、次いで、吸着ビーズをベース層に結合するように接着剤に被着される。
【0012】
図を参照すると、図1は、本明細書中に開示する技術と一致するフィルターアセンブリ100の図を示す。図2は、図1の線2−2に沿ったフィルターアセンブリ100の断面図を示す。フィルターアセンブリ100は、一般に、エンクロージャから汚染物質を除去するように構成される。フィルターアセンブリ100は、1つのベース層及び2つのフィルター層等の複数の層を有している。フィルターアセンブリ100は、層のうちの少なくとも2つの間に配設される吸着ビーズを有している。ある実施形態において、フィルターアセンブリ100は、第1の層(ベース層)と第2の層との間に配設される第1の複数の吸着ビーズと、第1の層と第3の層との間に配設される第2の複数の吸着ビーズとを有している。
【0013】
特に図2を見ると、フィルターアセンブリは、第1の層210、第2の層220、第3の層230、及び第1の層210と第2の層220との間に配設される吸着ビーズ250を有している。第1の層210、第2の層220、及び第3の層230は、3つの層が実質的に同様の外周を有するように実質的に同一の広がりを有する。「実質的に同一の広がりを有する」とは、一般に、層が実質的に同じ形状及び大きさである外周を有し、外周が互いに実質的に整列されることを意味するように意図される。
【0014】
第1の層210は、構成部品又は他の層が結合される層等のベース層と称されてもよい。第1の層は、様々な種類の材料及び材料の組み合わせであってもよい。少なくとも1つの実施形態において、第1の層210は、第2の層220及び第3の層230を参照して以下で説明するものと同様のフィルター媒体層である。様々な実施形態において、第1の層210はスクリム材料である。ある実施形態において、第1の層210はポリマーであってもよい。ある実施形態において、第1の層210は織物又は不織ウェブである。ある実施形態において、第1の層210はポリプロピレン繊維である。ある実施形態において、第1の層210は編地ポリエステルである。第1の層210は、様々な実施形態において、実質的に平面である。第1の層210は、第1の表面212及び第2の表面214を有している。一実施形態において、第1の表面212及び第2の表面214は、概して互いに平行である。
【0015】
第1の層は、ある実施形態において、例えば、水0.5インチで約100フィート/分〜水0.5インチで約800フィート/分の透過率を有していてもよい。ある実施形態において、第1の層は、水0.5インチで約250フィート/分及び水0.5インチで約600フィート/分の透過率を有している。更に他の実装において、第1の層は、水0.5インチで約300フィート/分及び水0.5インチで約500フィート/分の透過率を有している。適切な第1の層の材料は、例えば、水0.5インチで100フィート/分を超え、水0.5インチで250フィート/分を超え、若しくは水0.5インチで300フィート/分を超える透過率を有していてもよいことは理解されるであろう。適切な第1の層の材料は、例えば、ある実施形態において水0.5インチで約800フィート/分未満、ある実施形態において水0.5インチで600フィート/分未満、若しくはある実施形態において水0.5インチで500フィート/分未満の透過率を有していてもよい。
【0016】
第1の層210は、第1の周囲領域102(図1に示す)を画定する。第1の周囲領域102は、その中で層210、220、230が接合される領域であってもよい。第1の層210及び第2の層220は、第1の周囲領域102において共に接合される。中央領域104は、第1の周囲領域102内に位置し、それによって囲まれている。中央領域104は、一般に、吸着ビーズ250等の吸着剤を含むように構成される。
【0017】
フィルターアセンブリ100は、中央領域104内の第1の層210の第1の表面212上に配設される第1の接着剤240を有している。第1の接着剤240は、一般に、接着剤の不連続層である。例えば、第1の接着剤240は、中央領域104全体にわたって配設される不連続ビーズ、ドット、ストライプ、又は線であってもよい。様々な実施形態において、第1の接着剤240の不連続コーティングは、中央領域104の形状を集合的に画定している。第1の接着剤240の不連続性により、第1の層210を通る気流を可能にしている。フィルターアセンブリ100は、第1の接着剤240に結合される第1の吸着ビーズ250を有している。第1の吸着ビーズ250は、中央領域104内の第1の接着剤240に結合される。一般に、様々な接着剤が第1の接着剤240(又は第2の接着剤)として使用するために許容できる。一実施形態において、接着剤は、湿気硬化型ポリウレタン等のポリウレタンである。ある実施形態において、接着剤は、感圧接着剤、別の種類の湿気硬化型接着剤、及び/又は低アウトガス接着剤である。他の実施形態において、接着剤は、例えば、エチレン酢酸ビニール(EVA)等のホットメルト接着剤であってもよい。
【0018】
フィルターアセンブリの第2の層220は、一般に、フィルター材のシートである。一実施形態において、第2の層220は、PTFE等のメンブレンである。ある実施形態において、第2の層220はメンブレンではない。ある実施形態において、第2の層220は、異なる材料の複数層等の材料の多層である。様々な実施形態において、第2の層220は静電フィルター媒体である。第3の層230は、一般に、フィルター材のシートである。第3の層230は、第2の層220における同じ種類のフィルター材であってもよく、又は第3の層230は、第2の層220と異なる種類のフィルター材であってもよい。ある実施形態において、第3の層230は、異なる材料の複数層等の材料の多層である。
【0019】
フィルター材は第2の層220と整合し、第3の層230は種々の繊維を含んでいてもよい。一実施形態において、フィルター材は、ポリプロピレン及びアクリル繊維等の繊維の混合から構成される。他の実施形態において、フィルター材は、単一種類の繊維、又はポリプロピレンを含まなくてもよい繊維の混合から構成される。PTFE繊維、ポリエステル繊維、及び/又はナイロン繊維もフィルター材に組み込まれてよい。フィルター材は、例えば、水0.5インチで約250フィート/分〜水0.5インチで約750フィート/分の透過率を有する。フィルター材は、ある実施形態において、0.1〜0.3ミクロンの粒子状汚染物質に対して約20%〜約99.99%のフィルター効率を有していてもよい。適切なフィルター材は、例えば、0.1〜0.3ミクロンの粒子状汚染物質に対して20%を超える、0.1〜0.3ミクロンの粒子状汚染物質に対して40%を超える、若しくは0.1〜0.3ミクロンの粒子状汚染物質に対して60%を超えるフィルター効率を有していてもよい。フィルター材は、幾つかの実施例において、0.1〜0.3ミクロンの粒子状汚染物質に対して99.99%未満、0.1〜0.3ミクロンの粒子状汚染物質に対して80%未満、0.1〜0.3ミクロンの粒子状汚染物質に対して60%未満のフィルター効率を有していてもよい。
【0020】
様々な実施形態において、本明細書中に開示する技術と一致する濾過材は、帯電性繊維を有する。本明細書中で用いるような用語「帯電性繊維」とは、静電的に帯電される繊維を指す。フィルターアセンブリ100内に帯電性繊維を含むことの1つの利点は、フィルターが汚染物質を機械的に捕集できるだけでなく、電荷を含む汚染物質に静電力を作用させることもでき、それにより、気流から除去される汚染物質の量を増加させることにある。帯電性媒体は、摩擦電気媒体、エレクトレット媒体、又は帯電されるか若しくは帯電されてもよいその他の媒体であってもよく、又はそれは粒子除去用の実質的な機構として静電濾過を用いる。例示的な実施形態において、帯電性媒体は摩擦電気繊維を有している。摩擦電気繊維は、公知であり、例えば、(1)ポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン及びプロピレンコポリマー等のポリオレフィン系繊維と、(2)別のポリマーの繊維、例えば、塩素又はポリアクリロニトリル繊維等のハロゲン原子によって置換される炭化水素作用を含む繊維との混合物を用いて形成されてもよい。一般に、ポリオレフィン系繊維及び他のポリマー繊維は、約60:40又は約20:80又は約30:70の間の重量比で帯電性媒体内に含まれる。
【0021】
再度、図2に戻ると、第2の層220は、第2の層220の周囲縁に当接する第2の周囲領域202を有している。第1の周囲領域102及び第2の周囲領域202は共に接合されている。第1の溶着区域は、第1の周囲領域102及び第2の周囲領域202が共に接合される箇所に画定されてもよい。従って、第1の溶着区域は、フィルターアセンブリ100の中央領域104の周囲に延在する。第1の溶着区域は、概して、実質的に吸着ビーズを含まない。層を共に接合する溶着は、加熱溶着、超音波溶着、又は他の種類の溶着であってもよい。第3の層230は、第1の周囲領域102に結合されるように構成される第3の周囲領域302を有している。フィルターアセンブリ100は、第1の周囲領域102及び第3の周囲領域302が共に接合される箇所に第2の溶着区域を有している。
【0022】
第2の溶着区域は、様々な実施形態において、第1の溶着区域と実質的に同一の広がりを有し、これは、第1の溶着区域及び第2の溶着区域が、等しい大きさであり且つ同じ配向を有する内周及び外周を有することを意味している。様々な実施形態において、第1の溶着区域及び第2の溶着区域は、実質的に部分的に重なっている。少なくとも1つの実施形態において、第1の溶着区域及び第2の溶着区域は、完全に重なっている。第2の溶着区域は中央領域104の周囲に延在している。ある実施形態において、第1の周囲領域102、第2の周囲領域202、及び第3の周囲領域302は、単一の溶着区域を画定している。溶着区域は、第1の層210を第2の層220及び/又は第3の層230と接合させてもよい。幾つかの実施形態において、溶着区域は、層210、220、230のうちの2つ以上を共に接合するような加熱溶着の結果である。
【0023】
第1の吸着ビーズ250は、第1の接着剤240を介して第1の層210に結合される。第1の吸着ビーズ250は、様々な異なる種類の吸着剤であってもよい。第1の吸着ビーズ250は、一般に、フィルターアセンブリ100の環境内の空気から汚染化学物質を吸収するように構成される。吸着ビーズは、例えば、乾燥剤(すなわち、水又は水蒸気を吸収する材料)又は揮発性有機化合物、酸性ガス、若しくは両方を吸収する材料等の物理吸着又は化学吸着材であってもよい。適切な吸着材は、例えば、活性炭、活性アルミナ、分子篩、シリカゲル、過マンガン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム、又はそれらの混合物を含む。
【0024】
ある実施形態において、第1の吸着ビーズ250は複数の炭素ビーズである。炭素ビーズは活性炭ビーズであってもよい。第1の吸着ビーズ250のそれぞれは、形状が実質的に球形であってもよく、これは、第1の吸着ビーズ250が概して球体を形成するが、表面収差又は不連続性を有してもよいことを意味する。第1の吸着ビーズ250は、大きさが約0.2mm〜約1.1mm、0.4mm〜約1.0mm、及び約0.3mm〜約0.9mmの範囲にあってもよい。一実施形態において、吸着ビーズは、約0.3mm〜約0.8mm、又は約0.6mmの平均直径を有する。少なくとも1つの実施形態において、中央領域における第1の層に配設される吸着ビーズの密度は、少なくとも約200g/mである。一実施形態において、中央領域に配設される吸着ビーズの密度は、少なくとも約230g/mである。一実施形態において、中央領域に配設される吸着ビーズの密度は、約280g/mである。
【0025】
吸着ビーズの形状は球体に限定されない。吸着ビーズは、例えば、顆粒、ペレット、卵形、及び他の形状並びにそれらの混合等の様々な代替形状を実質的に画定してもよい。
【0026】
第3の層230は、本明細書中に開示する技術の幾つかの実施形態から省略されてもよいことに留意されたい。例えば、第1の層210がフィルター材のシートである実施形態において、第3の層230は、それ以外は図2と一致する実施例から省略されてもよい。
【0027】
図3は、本明細書中に開示する技術と一致する代替の実施形態のフィルターアセンブリ300の断面図を示す。フィルターアセンブリ300は、第1の層310、第2の層320、第3の層330、及び第2の層320と第3の層330との間に配設される吸着剤350、352を有している。第1の層310、第2の層320、及び第3の層330は、実質的に同一の広がりを有している。第1の層310は、構成部品又は他の層が結合される層等のベース層であってもよい。第1の層310は、第1の表面312及び第2の表面314を有している。
【0028】
フィルターアセンブリ300は、第1の表面312上に配設される第1の接着剤340と、第2の表面314上に配設される第2の接着剤342とを有している。第1の接着剤340及び第2の接着剤342は、中央領域304内に不連続な状態で配設される。フィルターアセンブリ300は、第1の接着剤340に結合される第1の吸着ビーズ350と、第2の接着剤342に結合される第2の吸着ビーズ352とを有している。ある実施形態において、第1の接着剤340及び第2の接着剤342は同じ種類の接着剤である。代替の実施形態において、第1の接着剤340及び第2の接着剤342は異なる種類の接着剤である。接着剤として用いることができる材料は、図1及び2に関して上で説明している。
【0029】
第1の層310の第1の表面312は、第2の層320に直接結合される。第1の層310の第2の表面314は、第3の層330に直接結合される。用語「直接結合される」は、介在する層又は材料なしに層同士が互いに結合されることを意味するために用いられる。第1の層310は、第2の層320と第3の層330との間に位置決めされる。第1の吸着ビーズ350は、第1の層310と第2の層320との間に配設される。第2の吸着ビーズ352は、第1の層310と第3の層330との間に配設される。ある実施形態において、第1の吸着ビーズ350及び第2の吸着ビーズ352は同じ種類の吸着ビーズである。代替の実施形態において、第1の吸着ビーズ350及び第2の吸着ビーズ352は異なる種類の吸着ビーズである。吸着ビーズとして用いることができる材料は、図1及び2に関して上で説明している。
【0030】
図4は、図3に示す技術の実施例の簡略化した表現である。フィルターアセンブリ300は、ディスクドライブ400である電子機器回路エンクロージャ内に設置される。ディスクドライブ400は、エンクロージャ404を画定するハウジング本体402を有している。例示的な実施形態において、少なくとも1つのディスク406は、エンクロージャ404内に回転可能に取り付けられる。ディスクの回転は矢印で示されており(逆回転は代替として可能である)、ここで、ディスクの回転により、エンクロージャ404内に気流が誘導される。読み書きヘッド及び配線等の他のディスクドライブ構成部品がディスクドライブ400に組み込まれてもよい。
【0031】
フィルターアセンブリ300は、第1の層310、第2の層320、第3の層330、及び第2の層320と第3の層330との間に配設される吸着剤350、352を有している。フィルターアセンブリ300は、第3の層330の表面積が回転ディスク406によって生成される気流(矢印によって方向に関して示す)に面しているように配向される。別の実施形態において、フィルターアセンブリ300は、第2の層320の表面積が回転ディスク406によって生成される気流に面してもよいように配向される。電子回路エンクロージャ400は、フィルターアセンブリ300を受けるように構成されるフィルターマウント420を有している。図示の実施形態において、バッフル410は、フィルターアセンブリ300の第3の層330への空気の向きを補助するために存在しており、バッフル410は、フィルターマウント420を少なくとも部分的に画定している。フィルターアセンブリ300は、バッフル410が空気を第3の層330へと且つそれを通って向けるように、電子回路エンクロージャ内に載置されてもよい。ある特定の実装において、バッフル410は、任意の取付要素又はハウジングの他の部分と共に、空気を第3の層330(又は第2の層320)へと向けるチャネルを形成する。他の実装において、フィルターアセンブリ300は、フィルターアセンブリ300を通る空気を向ける、単一の画定されたチャネルのない電子機器回路エンクロージャ内の流れる気流内に位置決めされるように構成されるか、又はフィルターアセンブリ300を通る空気を部分的に向ける、側面の開いたチャネルがエンクロージャ内に形成されてもよい。別の実施例において、フィルターアセンブリは、ブリーザーフィルターとして用いられてもよく、従って、エンクロージャ404とハウジング本体402の外側の周囲環境との間に延在する気流経路(図示せず)を遮るように位置決めされてもよい。
【0032】
図5は、実施形態による製造するサブアセンブリ500の仕上面の図を示す。サブアセンブリ500は、複数の結合した第1の層区分510を画定するベース層材料のシートである。サブアセンブリ500は、製造ライン中に作成されてもよく、その後、第1の層区分510のそれぞれが互いから分離されて、本明細書中でより詳細に説明する個々のフィルターアセンブリ(図1〜3に示すもののような)を形成する。
【0033】
サブアセンブリ500は、一般に、図1〜3の第1の層を参照して上で説明した材料と一致してもよいベース材502の伸長シートを有する。接着剤540がベース材502上にあるパターンで配設される。接着剤540は、サブアセンブリ500の第1の層区分510のそれぞれの意図する中央領域を画定してもよい。接着剤540は、(図5に示すように)正方形、矩形、又は円形等の繰り返しの寸法形状を画定しており、ここで、寸法形状は、サブアセンブリ500の第1の層区分510のそれぞれの中央領域の意図する形状及び大きさと一致してもよい。ある実施形態において、各寸法形状は、約0.8mm〜約100mmの長さと約0.8mm〜約100mmの幅とを有している。より特定のある実施形態において、各寸法形状は、それぞれ約4mm〜約40mmの長さ及び幅を有している。幾つかのかかる実施形態において、各寸法形状は、それぞれ約6mm〜約15mmの長さ及び幅を有している。少なくとも1つの特定の実施形態において、各寸法形状は、それぞれ約8mm〜約10mmの長さ及び幅を有している。
【0034】
ある代替の実施形態において、複数の寸法形状は、単一の仕上げられたフィルター要素における吸着ビーズの意図する場所と一致してもよい。例えば、吸着ビーズを、プリーツ付きフィルター要素を構築するために用いられる材料に結合することが望ましい可能性がある。しかし、プリーツ加工プロセスが、結果として、プリーツ先端近傍の吸着ビーズの圧壊及び脱落、又は不完全に形成されたプリーツ先端を生じる可能性があるため、プリーツ付きフィルター要素のプリーツ先端は、吸着ビーズにとって望ましくない位置であり得る。
【0035】
図5に戻ると、形状寸法は、接着剤540の不連続コーティングによって画定される。様々な実施形態において、中央領域における複数の線又はドットは、概して、特定の形状寸法を画定している。接着剤の複数の線又はドットは、各中央区域内で無作為に配設されてもよいか、又はそれらはあるパターンで配設されてもよい。ある実施形態において、各寸法形状を画定する接着剤の線は、クロスハッチングした構成のように交差していてもよい。ある実施形態において、接着剤540は、寸法形状を集合的に画定する複数の離散ビーズである一方、他の実施形態において、接着剤のビーズの幾つかは交差してもよい。中央領域内の不連続接着剤は、特定の寸法形状の外周を画定してもよい。中央領域内の不連続接着剤は、寸法形状の外周内の面積を実質的に充填するように吸着ビーズ同士を結合する十分な接着剤540が存在するように、寸法形状の外周によって画定される面積を部分的に充填してもよい。
【0036】
接着剤540は、各第1の層区分510の各中央領域内のシート502上に配設され、それにより、隣接する中央領域間に周囲領域520を画定する。様々な実施形態において、周囲領域520は、実質的に接着剤を含まない。吸着ビーズ550は接着剤540に結合され、それにより、吸着ビーズ550をベース材502のシートと結合している。接着剤540及び吸着ビーズ550は、本明細書中で既に説明した材料と一致してもよい。
【0037】
接着剤540及び吸着ビーズ550を有するシート502は、複数の第1の層区分510に切断、切除、又はそうでなければ切り離されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、複数の第1の層区分510は、図5に示す周囲領域520内の垂直線560及び水平線562に沿ってベース材502を切り取ることによって切り離されてもよい。一般に、2つの垂直線560の一部及び2つの水平線562の一部は、それぞれ個々の第1の層区分510の周囲領域の最大外周を画定する。線560、562は、また、以下でより詳細に説明するフィルター材の浪費を低減できる2つの隣接する個々のフィルター間に境界を画定してもよい。
【0038】
図6は、図5に示した実施形態を作製するために用いられたものと類似した製造方法の結果であるサブアセンブリ600を示す。ベース材の伸長シート602は、複数の第1の層区分610を画定している。シート600は、円形中央領域を画定するように円形パターンを編成する不連続接着剤640でパターン被覆されている。第1の層区分610は、分離境界660に沿って互いから分割又は分離されてもよい。各第1の層区分610は、その分離境界660とその対応する中央領域との間に周囲領域612を有している。一方法例において、シート602は、第1の層区分610を伸長ベース材602から切り離すように穿孔されていてもよい。
【0039】
ある実施形態において、図5及び6と一致するサブアセンブリ及びその他は、収納、輸送等のためにロール上に配設される。かかる実施形態において、伸長ベース材は、最初に芯を中心として巻かれた伸長材料の一端がロールの最も内側の部分となるように、実質的に螺旋状の構成で芯を中心として巻かれる。伸長材料の反対側の端部は、ロールの螺旋構成の最も外側の部分となる。ある実施形態において、芯は形状が円筒形である。
【0040】
図7は、図5〜6に示すサブアセンブリと一致する方法のフローチャート例である。第1の層等のベース層が提供される770。接着剤がベース層上にパターン被覆される772。吸着ビーズが接着剤上に被着される774。
【0041】
ある実施形態において、ベース層は、芯を中心とするスプールからベース層をほどくことによって提供される770。別の実施形態において、ベース層は、ベース層を製造することによって提供される770。上で説明したように、ベース層は、第1の表面及び第2の表面とを有し、本明細書中で既に説明した材料から構築されてもよい。
【0042】
接着剤は、ベース層の第1の表面上のベース層に対してパターン被覆されてもよい772。ある実施形態において、接着剤はベース層上に印刷される。ベース層は、接着剤をベース層上に印刷できるスクリーンプリンタに通してもよい。接着剤のパターンは、特定の寸法形状の繰り返し離散パターンを有している。寸法形状は、例えば、正方形、矩形、三角形、又は円形であってもよい。追加の寸法形状も可能であることが当業者によって正しく認識されるであろう。様々な実施形態において、第2の接着剤が、第2の、ベース層の反対側の表面上にパターン被覆される772。ある実施形態において、パターンは、第1の層に被覆されるパターンに実質的に類似している。ある実施形態において、パターンは、第1の層に被覆されるパターンと実質的に整列される。
【0043】
吸着ビーズが接着剤上に被着され774、それにより、吸着ビーズをベース層に結合している。複数の吸着ビーズは、接着剤コーティング上に配設される。第2の接着剤が第2の、ベース層の反対側の表面上にパターン被覆される772実施形態において、第2の複数の吸着ビーズは第2の接着剤上に配設される。吸着ビーズは、一般に、接着剤と接触させられる場合に実質的に乾燥している。「実質的に乾燥している」ことにより、吸着ビーズは、担持する液体がなく、若しくはビーズを囲む液体がなく提供され、湿気を吸収する能力を有することを意味する。幾つかの実施形態において、吸着ビーズは5重量%未満の含水率を有する。
【0044】
ある実施形態において、吸着ビーズは、2つのニップローラ間にベース層、接着剤、及び吸着ビーズを平行移動させることにより、接着剤に押し付けられる。様々な実施形態において、接着剤は、吸着ビーズを接着剤上に被着させた774後、硬化させてもよい。ある実施形態において、接着剤は、吸着ビーズを接着剤上に被着させる774前に、少なくとも部分的に硬化される。接着剤は、当該技術分野において一般に理解される様々な手段により硬化させてもよい。一実施形態において、接着剤は湿気により硬化される。別の実施形態において、接着剤は、周囲条件においてそれを冷却及び乾燥させることによって硬化される。上で説明したような様々な実施形態において、接着剤及び吸着ビーズを有するベース層は、更なる加工/製造に必要とされるまでベース層を収納するようにスプール上に巻かれる。ベース層は、フィルター層等の別の材料層に結合又は接合される準備ができるまで収納されてもよい。
【0045】
図8は、図7を参照して上で説明した方法と一致する、ベース層を組み立てるための製造ライン800の概略図を示す。製造ライン800は、ベース材810のスプール852、接着剤塗布器854、及び供給装置860を少なくとも有している。
【0046】
スプール852は、一般に、ベース材810を製造ライン800に提供するように構成される。上で説明したように、スプール852は、芯853を中心として巻かれたベース材810の長さを有している。スプール852は、ベース材810をそれからほどくように回転する。ベース材810は、接着剤をベース材810上に塗布するように構成される接着剤塗布器854を通過する。接着剤塗布器854は、様々な実施形態においてスクリーンプリンタであってもよい。スクリーンプリンタ854は、正方形(図5に示す)又は円形(図6に示す)等の特定の寸法形状の繰り返しの離散パターンで接着剤をベース材810上に印刷する。
【0047】
供給装置860は、接着剤上に吸着ビーズ862を分配し、被着するように構成される。ホッパ858は、吸着ビーズ862を収納し、それを供給装置860に分配する。様々な実施形態において、供給装置860は、接着剤と接触するように吸着ビーズ862を無作為に分配する振動フィーダである。フィーダ860は、接着剤を有するベース材810に吸着ビーズ862を運んでもよい。接着剤に接触する吸着ビーズ862は、接着剤と、従ってベース材810とに結合される。一実施形態において、接着剤と十分に接触しない余分な吸着ビーズ861は回収され、ホッパ858に返送される。
【0048】
少なくとも1つの実施形態において、接着剤を有するベース材810は、吸着ビーズがそれに被着される前に、接着剤を軟質に維持するように構成されるヒータ856を通過して平行移動される。ヒータ856は、例えば、赤外線ヒータであってもよい。ある実施形態において、ヒータ856は全く用いられない。
【0049】
図8に示すものを含む様々な実施形態において、吸着ビーズは、接着剤と接触するように分配され、2つのローラ866、864間に供給される。第1のローラ864は、様々な実施形態において、被駆動ローラ866と対になっている。一実施形態において、第1のローラ864は極軟質ニップローラであるが、第1のローラ864は同様に他の種類のローラであってもよい。2つのローラ864、866は、吸着ビーズ862及びベース材810に圧力を印加して、ベース材810に対するビーズ862の接着性を高めている。接着剤及び吸着ビーズ862を有するベース材810であるサブアセンブリ812は、第2の芯869を中心として巻かれて第2のスプール868を形成してもよい。ベース材810は実質的に螺旋状の構成で巻かれている。第2のスプール868は、ベース材810が更なる製造プロセスのために必要とされるまでベース材810を収納してもよい。
【0050】
図9は、図5を参照して説明したサブアセンブリ500を用いるフィルター製造アセンブリの分解図を示す。複数の結合した第1の層区分510を画定するベース層502は、第2の層920と第3の層930との間に配設される。様々な実施形態において、ベース層502は、例えば、上で説明してきた材料の伸長シートである。様々な実施形態において、第2の層920及び第3の層930は、それぞれ1つ以上の静電フィルター材等のフィルター材のシートである。従って、「第2の層」は「第1のフィルター層」と称されてもよく、第3の層930は「第2のフィルター層」と称されてもよい。
【0051】
接着剤は、寸法形状540の繰り返しの離散パターンでベース層502の表面に被覆される。ある実施形態において、寸法形状540内の接着剤のコーティングは実質的に連続するコーティングである。様々な実施形態において、寸法形状540内の接着剤のコーティングは、本質的に不連続であり、例えば、無作為化又はパターン化された接着剤ドット、ビーズ、ストライプ、又は線を画定してもよい。接着剤の不連続コーティングは、また、ある実施形態においてクロスハッチング構成を画定してもよい。接着剤のコーティングは、ベース層502を通る気流を可能にするように不連続である。一般に、接着剤は、各寸法形状の表面積の50%、40%、及び30%未満を被覆する。ある実施形態において、接着剤は、各寸法形状の表面積の20%未満又は10%でさえも被覆する。
【0052】
複数の吸着ビーズは、接着剤区域540に結合される。吸着ビーズ550及び接着剤区域540は、例えば、結果として生じるフィルターアセンブリ(例えば、図2の要素104及び図3の要素304を参照)のそれぞれの最終的な中央領域を画定するように構成される。寸法形状間のベース材502は、実質的に吸着ビーズを含まなくてもよい接合領域を画定する。接合領域は、一般に、結果として生じる各フィルターアセンブリ(例えば、図2の要素102を参照)の周囲領域であるように構成される。
【0053】
ある方法例において、第2の層920等の第1のフィルター層は、製造するサブアセンブリ500の第1の表面の上に適用される。サブアセンブリ500の上に第1のフィルター層920を適用することにより、吸着ビーズがベース層502と第1のフィルター層920との間に配設されるように、吸着ビーズ550をベース層502と第1のフィルター層920との間に保持することができる。第1のフィルター層920及びベース層502は、接合領域において共に接合されるか、そうでなければ結合される。同様に、第3の層等の第2のフィルター層930は、製造するサブアセンブリ500の反対側の表面に適用される。例えば、図3と一致する実施形態において、第2のフィルター層930は、また、吸着ビーズをベース層502と第2のフィルター層930との間に保持することを補助してもよい。図2と一致するもののような他の実施形態において、第2のフィルター層930は、吸着ビーズを保持しない。第2のフィルター層930及びベース層502は、接合領域において共に接合されるか、そうでなければ結合される。
【0054】
サブアセンブリ500のベース層材料502、第2の層920、及び第3の層930は、接合領域において共に接合される。層502、920、930は、1つ以上の接着剤を用いる等の様々な方法で接合されてもよい。ある実施形態において、層は、各層内の繊維が疎になることを防ぐことができる加熱又は超音波溶着によって接合される。様々な実施形態において、ベース層502、第1のフィルター層920、及び第2のフィルター層930は、共に積み重ねられ、単一ステップで接合領域において溶着される。
【0055】
方法の関連する実施形態において、第2のフィルター層930及び第1のフィルター層920は単一のシートであってもよい。第1のフィルター層及び第2のフィルター層を有する単一シートは、その間にサブアセンブリ510を挟持するように折り重ねられてもよい。第1のフィルター層920、第2のフィルター層930、及びベース層502は、接着剤及び吸着ビーズを有する中央領域を画定する少なくともサブアセンブリ500の領域において実質的に同一の広がりを有していてもよい。第1のフィルター層920、第2のフィルター層930、及びベース層502は、実質的にベース層の第1の表面及びベース層の第2の表面上の複数の離散的寸法形状間にある区域において共に結合又は接合される。
【0056】
3つの層502、920、930が共に接合された後、図1〜3に示すような個々のフィルターアセンブリは、互いから切り離されてもよい。個々のフィルターアセンブリは、例えば、接合領域において、第1のフィルター層920、第2のフィルター層930、及びベース層502を通って切断することにより、互いから切り離されてもよい。共に接合されている第1のフィルター層及びベース層の部分に沿って切断することは、切断が複数の離散的寸法形状間に生じるように、接着剤及び吸着ビーズを含むエンクロージャを通る切断を防ぐことができる。
【0057】
本明細書中に開示する技術と一致するプロセスは、一般に、結果として、フィルターの吸着能力を向上させることができるフィルターアセンブリ内の増大した吸着性を生じる。例えば、類似の製造公差が、フィルター媒体内に含まれるべき別体の吸着性構成部品を採用することと比較して、上で説明したプロセスにおいて必要とされる。更に、本明細書中に開示する技術と一致するプロセスは、結果として、より合理化され、簡略化された製造プロセスを生じることもできる。例えば、幾つかの既存のプロセスと比較して、複数の切断ステップを削除することができる。
【0058】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明確に規定しない限り、複数の指示対象を含んでいることに留意されたい。従って、例えば、「化合物」を含む組成に対する言及は、2つ以上の化合物の混合を含む。また、用語「又は」は、一般に、内容が明確に規定しない限り、「及び/又は」を含む意味で用いられることにも留意されたい。
【0059】
また、本明細書及び添付特許請求の範囲において用いるように、語句「構成される」とは、特定のタスクを実行するか、特定の構成を採用するように構築又は構成されるシステム、装置、又は他の構造を説明することに留意されたい。語句「構成される」は、編成及び構成される、構築及び編成される、構築される、製造及び編成される等のような他の同様の語句と交換可能に用いられてもよい。
【0060】
本明細書内の全ての刊行物及び特許出願は、本技術に関係する当業者の水準を示す。全ての刊行物及び特許出願は、あたかもそれぞれ個々の刊行物又は特許出願が参照により詳細に且つ個々に示されるのと同じ程度まで、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0061】
本技術を、様々な特定の及び好ましい実施形態及び技法を参照して説明してきた。しかしながら、本技術の趣旨および範囲内にとどまりつつ、多くの変更形態及び修正形態がなされ得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9