(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の手法では、イベントの定義が固定されているため、緩い条件によりデータが頻繁に送出されたり、厳しい条件により必要なデータが即時に送出されなかったりといった不都合が状況により発生していた。
【0006】
本発明は、制御装置及びネットワークの負荷を低減しつつ、適切なタイミングで測定データを送出できるデータ収集システム、データ収集方法及び制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係るデータ収集システム(例えば、後述のデータ収集システム1)は、機械を制御する制御装置(例えば、後述の制御装置10)と、前記制御装置から前記機械における測定データを受信するサーバ(例えば、後述のサーバ20)とを備えたデータ収集システムであって、前記制御装置は、前記測定データを時系列に取得するデータ取得部(例えば、後述のデータ取得部11)と、前記測定データをバッファリングし、送出条件に基づいて前記サーバへ送出するタイミングを制御するタイミング制御部(例えば、後述のタイミング制御部13)と、前記タイミング制御部からの指示に応じて、当該指示までにバッファリングされた前記測定データを前記サーバへ送出するデータ送出部(例えば、後述のデータ送出部14)と、前記サーバから前記送出条件を受信する送出条件取得部(例えば、後述の送出条件取得部15)と、を備え、前記サーバは、受信した前記測定データに基づいて、制御中の状態異常の程度を判定する状態判定部(例えば、後述の状態判定部21)と、前記状態判定部による判定結果に基づいて、前記送出条件を決定する送出条件決定部(例えば、後述の送出条件決定部22)と、前記送出条件を前記制御装置へ通知する送出条件通知部(例えば、後述の送出条件通知部23)と、を備える。
【0008】
(2) (1)に記載のデータ収集システムにおいて、前記制御装置は、判定条件を満たす前記測定データを、制御に影響を及ぼすイベントとして検出するイベント検出部(例えば、後述のイベント検出部12)を備え、前記送出条件決定部は、前記判定条件を、予め送出頻度が定義された第1の送出条件とは異なる第2の送出条件として決定し、前記送出条件取得部は、前記判定条件を前記第2の送出条件として前記サーバから受信し、前記タイミング制御部は、前記第1の送出条件によるタイミングに加えて、当該タイミングとは異なる前記イベントが検出されたタイミングで、前記データ送出部へ前記測定データの送出を指示してもよい。
【0009】
(3) (2)に記載のデータ収集システムにおいて、前記イベント検出部は、前記測定データを前記判定条件としての閾値と比較した結果に基づいて前記イベントを検出してもよい。
【0010】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載のデータ収集システムにおいて、前記送出条件決定部は、送出頻度が定義された第1の送出条件を決定し、前記送出条件取得部は、前記第1の送出条件を前記サーバから受信してもよい。
【0011】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載のデータ収集システムにおいて、前記データ取得部は、複数種類の測定データを、それぞれ時系列に取得し、前記送出条件は、前記複数種類の測定データ毎に設定されてもよい。
【0012】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載のデータ収集システムにおいて、前記状態判定部は、前記測定データを含む複数の入力情報を統合して、前記制御中の状態異常の程度を判定してもよい。
【0013】
(7) (1)から(6)のいずれかに記載のデータ収集システムにおいて、前記状態判定部は、前記測定データの推移に基づいて、制御の終了までの変動量を推定し、前記制御中の状態異常の程度を判定してもよい。
【0014】
(8) 本発明に係るデータ収集方法は、機械を制御する制御装置(例えば、後述の制御装置10)からサーバ(例えば、後述のサーバ20)が測定データを収集するデータ収集方法であって、前記制御装置が、前記測定データを時系列に取得するデータ取得ステップと、前記測定データをバッファリングし、送出条件に基づいて前記サーバへ送出するタイミングを制御するタイミング制御ステップと、前記タイミング制御ステップの指示に応じて、当該指示までにバッファリングされた前記測定データを前記サーバへ送出するデータ送出ステップと、前記サーバから前記送出条件を受信する送出条件取得ステップと、を実行し、前記サーバが、受信した前記測定データに基づいて、制御中の状態異常の程度を判定する状態判定ステップと、前記状態判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記送出条件を決定する送出条件決定ステップと、前記送出条件を前記制御装置へ通知する送出条件通知ステップと、を実行する。
【0015】
(9) 本発明に係る制御装置(例えば、後述の制御装置10)は、機械における測定データを時系列に取得するデータ取得部(例えば、後述のデータ取得部11)と、前記測定データをバッファリングし、送出条件に基づいてサーバ(例えば、後述のサーバ20)へ送出するタイミングを制御するタイミング制御部(例えば、後述のタイミング制御部13)と、前記タイミング制御部からの指示に応じて、当該指示までにバッファリングされた前記測定データを前記サーバへ送出するデータ送出部(例えば、後述のデータ送出部14)と、送出した前記測定データに基づいて判定された制御中の状態異常の程度に応じて、前記サーバにおいて決定された前記送出条件を受信する送出条件取得部(例えば、後述の送出条件取得部15)と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、制御装置及びネットワークの負荷を低減しつつ、適切なタイミングで測定データを送出できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るデータ収集システム1の機能構成を示す図である。
データ収集システム1は、機械を制御する制御装置10(例えば、CNC)と、制御装置10から機械における測定データを受信するサーバ20とを備え、制御装置10とサーバ20とは、ネットワークを介した双方向のデータ通信が可能である。
【0019】
制御装置10は、データ取得部11と、イベント検出部12と、タイミング制御部13と、データ送出部14と、送出条件取得部15とを備える。
サーバ20は、状態判定部21と、送出条件決定部22と、送出条件通知部23とを備える。
【0020】
データ取得部11は、測定データを時系列に取得する。
このとき、データ取得部11は、軸毎の速度、電流、振動、又は複数箇所の温度等、複数種類の測定データを、それぞれ時系列に取得してもよい。この場合、複数種類の測定データは、それぞれ独立した系列としてバッファリングされ、後述の送出条件は、複数系列の測定データ毎に設定されてよい。
【0021】
イベント検出部12は、設定された判定条件を満たす測定データを検出すると、制御に影響を及ぼす可能性があるためサーバ20において即時の観測が必要なイベントが発生したと判断する。
例えば、イベント検出部12は、測定データを、判定条件としての閾値と比較した結果に基づいて、イベントを検出する。具体的には、イベント検出部12は、測定データの値が閾値を超えた、若しくは閾値を下回ったとき、あるいは、所定の範囲に入ったときに、イベントが発生したと判断できる。
また、例えば、測定データが機械の複数の状態のいずれかを示すような状態値である場合、イベント検出部12は、測定データが警告を示す特定の値となったときに、イベントが発生したと判断してもよい。
【0022】
タイミング制御部13は、測定データをバッファ131に格納し、送出条件に基づいて、蓄積された測定データをサーバ20へ送出するタイミングを制御する。
具体的には、タイミング制御部13は、第1の送出条件による所定の頻度のタイミングに加えて、この定期的なタイミングとは異なる、イベントが検出されたタイミングで、データ送出部へ測定データの送出を指示する。
【0023】
データ送出部14は、タイミング制御部13からの指示に応じて、この指示までの間にバッファ131に蓄積された測定データを系列毎にまとめて通信ヘッダを生成し、サーバ20へ送出する。
【0024】
送出条件取得部15は、サーバ20から、決定された送出条件を受信する。
本実施形態の送出条件は、バッファ131に蓄積されたデータの個数若しくは容量、又は送出周期等により送出頻度が定義された第1の送出条件と、制御に影響を及ぼすイベントの発生を検出するための判定条件が定義された第2の送出条件とを含む。
送出条件取得部15は、第2の送出条件として、測定データに基づくイベントの判定条件をサーバ20から受信する。
【0025】
状態判定部21は、サーバ20において受信した1又は複数系列の測定データに基づいて、制御中の状態異常の程度を判定する。
例えば、状態判定部21は、測定データが閾値を超えた場合に、この閾値を超えた変化が一時的なものなのか、緩やかな上昇であり制御中に問題とはならないのか、急激な上昇のため早急な対処が必要なのか、といった状態異常の程度を判定する。
【0026】
このとき、状態判定部21は、複数系列の測定データの推移、及び過去にサーバ20が収集し蓄積した測定データとその関連情報とを用いて、状態異常の程度を判定してもよい。
例えば、機械の複数箇所に設置された複数の温度センサのうち、一部のセンサのみに高温等の異常があった場合、ノイズの可能性がある。この場合、状態判定部21は、異常が観測されるまでの値の推移から状態異常の程度を判定してもよい。あるいは、状態判定部21は、過去に同様の実績が観測されていれば、このときに調査された機械の状態情報を取得し、状態異常の程度を判定してもよい。
【0027】
さらに、状態判定部21は、制御装置10から得られる測定データを含む複数種類の入力情報を統合して、制御中の状態異常の程度を判定してもよい。例えば、制御対象が工作機械における加工処理の場合、工作機械と同一の加工に関わる別のロボット、機械、又は測定装置等から別系統のデータを受信することで、状態判定部21は、加工中の状態異常の程度をより正確に判定してもよい。
また、状態判定部21は、測定データの推移に基づいて、制御の終了までの測定データの変動量を推定し、制御中の状態異常の程度を判定してもよい。
【0028】
送出条件決定部22は、状態判定部21による判定結果に基づいて、測定データの系列毎に第2の送出条件であるイベントの判定条件を決定する。
例えば、送出条件決定部22は、測定データの一時的な異常に対しては、ノイズであると判断して、この異常値を無視する。また、送出条件決定部22は、測定データの異常が制御終了までは問題にならない程度であれば、イベントの判定条件を変更して、測定データの無用な送出を回避する。
【0029】
ここで、イベントの判定条件である閾値は、過去のデータとの差分若しくは比率等の相対値、又は絶対値で設定されてよい。
あるいは、過去のデータを用いた機械学習又は統計処理等により閾値が決定されてもよい。
【0030】
また、測定データが急激に変化し、制御に影響が生じる場合には、サーバ20は、警告を出力し、あるいは、自動的に制御装置10へ加工速度等のパラメータ変更を指示してもよい。
なお、パラメータの変更は、加工不良等の問題を発生させないために、例えば加工プログラムにおけるブロックの切れ目等、制御対象物への影響がないタイミングに行われる。
【0031】
送出条件通知部23は、送出条件決定部22により決定された第2の送出条件を制御装置10へ送信することにより、測定データの収集タイミングを変更する。
【0032】
図2Aは、本実施形態に係るサーバ20における状態判定を例示する第1の図である。
この例では、測定データとして時系列の温度データが収集されている。また、サーバ20は、温度が60℃を超えると警戒領域、80℃を超えると危険領域と判断する。
【0033】
警戒領域を示す閾値60℃を超える62℃がイベントとして検出されると、サーバ20は、過去のデータ推移に基づいて、状態異常の程度を判定する。この例では、これまでの推移に比べて急峻過ぎる温度変化であるため、ノイズの可能性が高い。よって、状態判定部21は、この1回又は数回の異常値を無視する。
【0034】
図2Bは、本実施形態に係るサーバ20における状態判定を例示する第2の図である。
この例では、
図2Aと同様に、警戒領域を示す閾値60℃を超える62℃がイベントとして検出されている。
【0035】
状態判定部21は、これまでの温度データの推移と共に、加工終了予定時刻を取得すると、この加工終了予定時刻における温度を推定する。なお、推定手法は、既存のものが利用可能であり、近似の直線又は曲線から推定されてよい。
【0036】
この例では、温度は緩やかな上昇傾向であり、加工終了予定時刻までに危険領域に達しないと判断されるので、状態異常の程度は、危険領域に達する場合よりも低い。そこで、例えば、送出条件決定部22は、イベントの判定条件である閾値を60℃から70℃に変更し、同程度の測定データが頻繁に送出されないようにした上で、加工を継続させる。
【0037】
図2Cは、本実施形態に係るサーバ20における状態判定を例示する第3の図である。
この例では、
図2Bと同様に、これまでの温度データの推移と共に、加工終了予定時刻が取得されている。
【0038】
急激な温度上昇が観測されており、加工終了予定時刻における温度が危険領域に達すると推定される。そこで、サーバ20は、緊急の対応として、制御装置10に対して、加工速度の低下等、パラメータの変更を指示する。
【0039】
図3は、本実施形態に係る送出条件が固定された場合のデータ収集方法の第1の例を示す図である。
この例では、制御装置10は、測定データを取得する毎に、サーバ20へ向けて測定データを送出する。
【0040】
この場合、制御装置10は、得られた測定データを即座に送出するため、サーバ20におけるデータ観測の遅延は少ない。一方、送信処理の回数が多いため、ネットワークの使用帯域が大きくなり、送信処理に掛かる時間が長くなる。
【0041】
図4は、本実施形態に係る送出条件が固定された場合のデータ収集方法の第2の例を示す図である。
この例では、制御装置10は、測定データを一旦バッファに蓄え、所定の頻度でサーバ20へ向けて送出する。なお、頻度として、所定のデータ数(N個)を例示しているが、これには限られず、測定データは、所定の時間間隔、データ量又はバッファサイズに対する比率等に基づいて定期的に送出されてもよい。
【0042】
この場合、N個(例えば、5個)の測定データがバッファに蓄えられるまで、取得済みの測定データが送出されない。したがって、測定データの送出タイミングの間隔が長くなるため、サーバ20におけるデータ観測の遅延は多くなる。一方、送信処理の回数が低減されるため、ネットワークの使用帯域が小さくなり、送信処理に掛かる時間が短くなる。
【0043】
図5は、本実施形態に係る送出条件が固定された場合のデータ収集方法の第3の例を示す図である。
この例では、制御装置10は、通常とは異なる値域の測定データ(データ13)を取得したことにより、観測の重要度が高いイベントの発生を検出すると、このタイミングで、これまでにバッファに蓄えられた測定データ(データ11〜13)を、
図4に示したような通常の頻度とは関係なくサーバ20へ向けて送出する。
【0044】
この場合、ネットワークの使用帯域を小さく、及び送信処理に掛かる時間を短く維持しつつ、イベント発生時のサーバ20における観測の遅延は少なくなる。
【0045】
図6は、本実施形態に係る送出条件が動的に変更される場合のデータ収集方法を例示する図である。
この例では、制御装置10は、サーバ20における測定データの解析結果に基づいて、制御装置10に対して第2の送出条件であるイベントの判定条件が通知される。
【0046】
これにより、これまで不必要に送出されていた測定データ(データ13)が所定のタイミングまで待機される、又はこれまで即時には送出されていなかった緊急度の高い測定データが即時に送出される等、動的に送出条件が変更される。
【0047】
本実施形態によれば、データ収集システム1は、制御装置10が機械から時系列に取得した測定データに基づいて、制御中の状態異常の程度をサーバ20が判定する。そして、サーバ20は、判定結果に応じて、制御装置10から測定データをサーバ20へ送出するタイミングに関する送出条件を決定して制御装置10に通知する。制御装置10は、受信した送出条件を満たすタイミングで、バッファリングされた測定データをまとめて送出する。
したがって、データ収集システム1は、データ収集しているサーバ20による判定結果に基づいて、測定データの送出タイミングを動的に変更できる。よって、制御装置10は、バッファ131を利用して測定データをまとめて送出することで、制御装置10及びネットワークの負荷を低減しつつ、サーバ20からの要求に応じて適切なタイミングで測定データを送出できる。この結果、データ収集システム1は、不必要に頻繁なデータ送出、及び重要データの観測遅延を減らすことができる。
【0048】
制御装置10は、サーバ20から通知された判定条件を用いて、制御に影響を及ぼすイベントを検出することで、予め定義された送出頻度のタイミングに加えて、イベント発生時にバッファ131に蓄積されている測定データを即座に送出する。
したがって、制御装置10は、通常時には所定の頻度で定期的に測定データを送出することで制御装置10及びネットワークの負荷を低減しつつ、所定のイベントが検出された際に、即座に測定データを送出することで、サーバ20における観測の遅延を減らすことができる。
【0049】
制御装置10は、測定データを閾値と比較することによりイベントを容易に検出できる。したがって、サーバ20による詳細な解析結果に基づく動的な送出条件の変更を、制御装置10で簡易に実現できる。
【0050】
データ収集システム1は、複数種類の測定データを、それぞれ時系列に取得すると、それぞれを別々の系列としてバッファリングし、これらの測定データの系列毎に送出条件を設定する。
したがって、データ収集システム1は、複数種類の測定データそれぞれを、互いに異なるタイミングで適切に送出できる。
【0051】
サーバ20は、制御装置10から受信した測定データを含む一連の制御に関する複数系統の入力情報を統合して、制御中の状態異常の程度を判定する。
したがって、データ収集システム1は、サーバ20において、詳細なデータ解析により機械の状態を判定し、状態に応じて適切な測定データの送出条件を制御装置10に設定できる。
【0052】
サーバ20は、測定データの推移に基づいて、制御の終了までに変動量を推定することにより、制御中の状態異常の程度を判定する。
したがって、データ収集システム1は、制御が終了するまでの予測に基づいて、適切に状態異常の程度を判定でき、第2の送出条件を適切に設定できる。
【0053】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成に対しては同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0054】
図7は、本実施形態に係るデータ収集システム1aの機能構成を示す図である。
データ収集システム1aにおいて、制御装置10aの送出条件取得部15aは、サーバ20から受信する送出条件が第1実施形態と異なる。すなわち、送出条件取得部15aは、第1実施形態では予め設定されていた第1の送出条件を受信し、タイミング制御部13に提供する。
タイミング制御部13は、提供された第1の送出条件に基づいて、動的に測定データの送出頻度を変更する。
【0055】
サーバ20aの送出条件決定部22aは、状態判定部21により判定された状態異常の程度に応じて、測定データを観測すべき頻度として、第1の送出頻度を決定する。
例えば、状態判定部21は、測定データの現在の値と、加工速度低減等の対処が必要となる危険領域の閾値とを比較し、この差分に基づいて状態異常の程度を判定する。そして、送出条件決定部22aは、この状態異常の程度に応じて、観測の頻度として、バッファ131に蓄積するデータ個数、容量若しくは比率、時間間隔等を決定する。
【0056】
また、例えば、複数箇所に設置された温度センサにより測定された複数系列の温度データがいずれも警戒領域付近になった場合、送出条件決定部22aは、温度の変動に対して迅速に対処できるように、これら複数系列の温度データの送出頻度を上げてもよい。
【0057】
本実施形態によれば、データ収集システム1は、測定データの送出頻度をサーバ20で決定して動的に変更する。
したがって、データ収集システム1は、制御中の状態に応じた測定データの適切な送出頻度を設定でき、制御装置10及びネットワークの負荷を不必要に重くすることなく、十分な頻度でサーバ20に測定データを提供できる。この結果、サーバ20は、効率的なデータ観測及び解析を行える。
【0058】
[第3実施形態]
第1実施形態では第2の送出条件が、第2の実施形態では第1の送出条件がサーバ20からの通知により動的に変更されたが、実施形態はこれらには限られない。
すなわち、第1及び第2の送出条件の両方がサーバ20から制御装置10へ通知され、イベントの判定条件及び送出頻度の両方が動的に変更されてもよい。
【0059】
データ収集システム1は、複数系列の測定データ毎に、第1及び第2の複数の送出条件を状態異常の程度に応じて動的に変更することにより、制御装置10及びネットワークの負荷を低減しつつ、測定データをより適切なタイミングでサーバ20へ提供できる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0061】
データ収集システム1によるデータ収集方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。また、これらのプログラムは、リムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。