特許第6773758号(P6773758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773758
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】連携システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/48 20060101AFI20201012BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20201012BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20201012BHJP
【FI】
   G06F9/48 370
   G06F13/00 650B
   G06F16/90 100
【請求項の数】11
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2018-237129(P2018-237129)
(22)【出願日】2018年12月19日
(65)【公開番号】特開2020-77352(P2020-77352A)
(43)【公開日】2020年5月21日
【審査請求日】2019年8月16日
(31)【優先権主張番号】特願2018-209908(P2018-209908)
(32)【優先日】2018年11月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594027074
【氏名又は名称】エムオーテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】厚山 耕太
【審査官】 山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−287861(JP,A)
【文献】 特開2005−078563(JP,A)
【文献】 特開2013−149238(JP,A)
【文献】 特開2011−108183(JP,A)
【文献】 特開2015−219862(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0149177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/44−9/54
G06F 13/00
G06F 16/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上のユーザ端末装置と、
前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を主たる目的とする一以上のUIサーバ装置と、
前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、前記コミュニケーションUI以外の機能を提供する機能サーバ装置と、
前記UIサーバ装置および機能サーバ装置にアクセス可能な連携装置であって、(a)UIサーバ装置を介して前記ユーザ端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザの指令を受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、(b)当該ユーザ指令に基づいて所望の機能を実現する機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介してユーザ端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段を備えた連携装置と、
を備えた連携システムにおいて、
前記連携手段は、所望の処理を実現するためのUIサーバ装置および機能サーバ装置に対する一連の指示を業務フローとして複数記録した記録部を参照して、当該複数の業務フローから選択して処理を行うことを特徴とするシステム。
【請求項2】
一以上のユーザ端末装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を主たる目的とする一以上のUIサーバ装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、前記コミュニケーションUI以外の機能を提供する機能サーバ装置とを連携するための連携装置であって、
(a)UIサーバ装置を介して前記ユーザ端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザの指令を受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、(b)当該ユーザ指令に基づいて所望の機能を実現する機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介してユーザ端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段、
を備えた連携装置において、
前記連携手段は、所望の処理を実現するためのUIサーバ装置および機能サーバ装置に対する一連の指示を業務フローとして複数記録した記録部を参照して、当該複数の業務フローから選択して処理を行うことを特徴とする連携装置。
【請求項3】
一以上のユーザ端末装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を主たる目的とする一以上のUIサーバ装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、前記コミュニケーションUI以外の機能を提供する機能サーバ装置とを備えたシステムのための連携装置をコンピュータによって実現するための連携プログラムであって、コンピュータを、
(a)UIサーバ装置を介して前記ユーザ端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザの指令を受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、(b)当該ユーザ指令に基づいて所望の機能を実現する機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介してユーザ端末装置に送信する機能連携手段を有する連携手段として機能させるための連携プログラムにおいて、
前記連携手段は、所望の処理を実現するためのUIサーバ装置および機能サーバ装置に対する一連の指示を業務フローとして複数記録した記録部を参照して、当該複数の業務フローから選択して処理を行うことを特徴とする連携プログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記UIサーバ装置は、各ユーザが連携装置と対話するための対話室を有しており、
ユーザが対話室に入力した文言に応じて、前記業務フローのいずれかを選択して実行することを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項5】
請求項4のシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記対話室は、当該ユーザ以外に、複数の業務フローに関連した複数のユーザが発言または閲覧が可能であることを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記UI連携手段は、ユーザ端末装置からヘルプ依頼または予め登録された文言以外の文言を受けると、業務フローの進行状況に応じて、対応するヘルプ情報をユーザに送信することを特徴するシステム、装置またはプログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記連携手段は、ユーザまたはユーザのグループの指令により前記業務フローに基づいて実行された処理履歴を蓄積し、当該蓄積された処理履歴に基づいて前記業務フローを修正した修正業務フローを生成することを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記連携装置は、UIサーバ装置のためのユーザIDと、各機能サーバ装置のためのユーザIDとを対応付けて記録していることを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記連携装置は、各ユーザが使用する一以上の端末装置を記述したユーザ端末装置情報を記録しており、
連携装置にアクセスを行ったユーザ端末装置とは異なるユーザ端末装置に対する処理を行うことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項10】
請求項9のシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記ユーザ端末装置情報は、前記連携装置がユーザIDに対応付けて、機能サーバ装置から取得したものであることを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記機能サーバ装置および前記UIサーバ装置は複数設けられており、氏名、メールアドレス、ユーザID、電話番号、電話番号またはデバイス情報を含む複数の項目のデータを対応付けて記録しており、前記機能サーバ装置および前記UIサーバ装置には異なる項目のデータを対応付けて記録するものが含まれており、
前記連携装置は、前記機能サーバ装置およびUIサーバ装置から項目を取得し、全ての項目のデータ間の対応を作成し、全対応情報として記録しており、
前記連携装置は、前記全対応情報を参照し、前記ユーザ端末装置からの前記指令に含まれる項目のデータに基づいて、指令先の機能サーバ装置の項目のデータを取得して指令を行うことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、連携システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット上のサーバ装置やローカルに設けたサーバ装置(オンプレミス)にシステム(プログラム)を用意し、これを端末装置から利用することが行われている。これらサーバ装置の機能は様々なものが各社より提供されている。したがって、これらサーバ装置の機能を組み合わせて実行することで、所望の結果を得ることができる。
【0003】
複数のサーバ装置の機能を組み合わせて処理するためのシステムの例として、特許文献1がある。この特許文献1においては、連携元のシステムのデータを端末装置に表示し、ユーザの操作によって当該データによって連携可能な他のシステムの一覧を表示するようにしている(図37(a)(b))。ユーザが、他のシステムの一つを選択すると、当該データが連携先のシステムに渡されて処理が行われる(図37(c))。
【0004】
このように、データを媒介として複数のシステムの連携を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−093391
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来技術においては、次のような問題があった。
【0007】
第一に、従来の機能連携システムにおいては、複数のシステムを連携させるためのインターフェイスを独自に準備しており、ユーザは当該独自のユーザインターフェイスに習熟する必要があった。
【0008】
第二に、たとえ定型的な処理であっても、連携のたびに連携元データ、連携先システムを選択しなければならず操作が煩雑であった。
【0009】
この発明は、少なくとも上記いずれかの問題を解決した連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の独立して適用可能ないくつかの特徴を列挙する。
【0011】
(1)(2)(3)この発明に係る連携システムは、一以上のユーザ端末装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を主たる目的とする一以上のUIサーバ装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、前記コミュニケーションUI以外の機能を提供する機能サーバ装置と、前記UIサーバ装置および機能サーバ装置にアクセス可能な連携装置であって、(a)UIサーバ装置を介して前記ユーザ端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザの指令を受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、(b)当該ユーザ指令に基づいて所望の機能を実現する機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介してユーザ端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段を備えた連携装置とを備えている。
【0012】
したがって、コミュニケーションUIを用いてユーザの希望する処理を機能サーバ装置に実行させ、結果をコミュニケーションUIにて取得することができる。
【0013】
(4)この発明に係る連携システムは、連携手段が、所望の処理を実現するためのUIサーバ装置および機能サーバ装置に対する一連の指示を業務フローとして複数記録した記録部を参照して、当該複数の業務フローから選択して処理を行うことを特徴としている。
【0014】
したがって、複数の処理の中から所望の処理が選択される。
【0015】
(5)この発明に係る連携システムは、UIサーバ装置が、各ユーザが連携装置と対話するための対話室を有しており、ユーザが対話室に入力した文言に応じて、前記業務フローのいずれかを選択して実行することを特徴としている。
【0016】
したがって、ユーザは文言を入力するだけで、適切な業務フローを選択して実行することができる。
【0017】
(6)この発明に係る連携システムは、対話室が、当該ユーザ以外に、複数の業務フローに関連した複数のユーザが発言または閲覧が可能であることを特徴としている。
【0018】
したがって、複数のユーザにて進行状況などを共有することができる。
【0019】
(7)この発明に係る連携システムは、UI連携手段が、ユーザ端末装置からヘルプ依頼を受けると、業務フローの進行状況に応じて、対応するヘルプ情報をユーザに送信することを特徴している。
【0020】
したがって、ユーザは簡単な操作で、その状況に応じた適切なヘルプ情報を得ることができる。
【0021】
(8)この発明に係る連携システムは、連携手段が、ユーザまたはユーザのグループの指令により前記業務フローに基づいて実行された処理履歴を蓄積し、当該蓄積された処理履歴に基づいて前記業務フローを修正した修正業務フローを生成することを特徴としている。
【0022】
したがって、処理内容の蓄積に応じて、業務フローの内容をより適切に変更することができる。
【0023】
(9)この発明に係る連携システムは、連携装置が、UIサーバ装置のためのユーザIDと、各機能サーバ装置のためのユーザIDとを対応付けて記録していることを特徴としている。
【0024】
したがって、UIサーバ装置のユーザIDがわかれば、機能サーバ装置から当該ユーザの情報を取得し、機能サーバ装置に指令を与えることができる。
【0025】
(10)この発明に係る連携システムは、連携装置が、各ユーザが使用する一以上の端末装置を記述したユーザ端末装置情報を記録しており、連携装置にアクセスを行ったユーザ端末装置とは異なるユーザ端末装置に対する処理を行うことを特徴としている。
【0026】
したがって、ユーザは操作するユーザ端末装置とは別のユーザ端末装置に対する処理を行うことができる。
【0027】
(11)この発明に係る連携システムは、ユーザ端末装置情報を、前記連携装置がユーザIDに対応付けて、機能サーバ装置から取得することを特徴としている。
【0028】
したがって、これを登録する処理を省くことができる。
【0029】
(12)この発明に係る連携システムにおいては、機能サーバ装置および前記UIサーバ装置は複数設けられており、氏名、メールアドレス、ユーザID、電話番号、電話番号またはデバイス情報を含む複数の項目のデータを対応付けて記録しており、前記機能サーバ装置および前記UIサーバ装置には異なる項目のデータを対応付けて記録するものが含まれており、前記連携装置は、前記機能サーバ装置およびUIサーバ装置から項目を取得し、全ての項目のデータ間の対応を作成し、全対応情報として記録しており、前記連携装置は、前記全対応情報を参照し、前記ユーザ端末装置からの前記指令に含まれる項目のデータに基づいて、指令先の機能サーバ装置の項目のデータを取得して指令を行うことを特徴としている。
【0030】
したがって、予め各装置が管理する項目の対応づけを行って、装置間の連携を容易にすることができる。
【0031】
(13)この発明に係る業務フローは、一以上のユーザ端末装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を主たる目的とする一以上のUIサーバ装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、前記コミュニケーションUI以外の機能を提供する機能サーバ装置とを連携させるための連携装置の動作を記述した業務フローであって、前記連携装置は、当該業務フローにしたがって、UIサーバ装置を介して前記ユーザ端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザの指令を受け、当該ユーザ指令に基づいて所望の機能を実現する機能サーバ装置に指示し、ユーザのために所望の処理を実現することを特徴としている。
【0032】
したがって、コミュニケーションUIを用いてユーザの希望する処理を機能サーバ装置に実行させ、結果をコミュニケーションUIにて取得することができる。
【0033】
(14)(15)(16)この発明に係る連携システムは、一以上のユーザ端末装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を主たる目的とする一以上のUIサーバ装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、前記コミュニケーションUI以外の機能を提供する機能サーバ装置と、前記UIサーバ装置および機能サーバ装置にアクセス可能な連携装置であって、前記機能サーバ装置からの所定の通知を受けて、所望の機能を実現する他の機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果をUIサーバ装置を介してユーザ端末装置に送信する連携手段を備えた連携装置とを備えている。
【0034】
したがって、機能サーバ装置からの所定の通信をきっかけとして、所定の処理を他の機能サーバ装置に実行させることができ、その結果をUIサーバ装置を介して、ユーザ端末装置に送信することができる。
【0035】
(17)(18)(19)この発明に係る連携システムは、一以上のユーザ端末装置と、前記一以上のユーザ端末装置からアクセス可能であって、所定の機能を提供する機能サーバ装置と、(c)各ユーザが使用する一以上のユーザ端末装置を記述したユーザ端末装置情報を記録する記録部と、(d)前記ユーザ端末装置からユーザの指令を受け、前記記録部を参照し、当該ユーザ指令に基づいて所望の機能を実現する機能サーバ装置に指示し、ユーザがアクセスしてきたユーザ端末装置とは別のユーザ端末装置に対する処理を実現するための連携手段とを有する連携装置とを備えている。
【0036】
したがって、ユーザは、操作しているユーザ端末装置とは異なる他のユーザ端末装置に対する処理を容易に実行することができる。
【0037】
(20)(21)(22)この発明に係る連携システムは、一以上のユーザ端末装置と、前記一以上のユーザ端末装置から直接または間接にアクセス可能であって、所定の機能を提供する複数の機能サーバ装置と、前記一以上のユーザ端末装置にアクセス可能な連携装置であって、(a)前記ユーザ端末装置から氏名、メールアドレス、ユーザID、電話番号、電話番号またはデバイス情報を指令項目として含む指令を受信するとともに、(b)当該ユーザ指令に基づいて所望の機能を実現する機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果をユーザ端末装置に送信する連携手段を備えた連携装置とを備えた連携システムであって、
前記複数の機能サーバ装置は、氏名、メールアドレス、ユーザID、電話番号、電話番号またはデバイス情報を含む複数の項目のデータを対応付けて記録しており、前記機能サーバ装置には異なる項目のデータを対応付けて記録するものが含まれており、前記連携装置は、前記機能サーバ装置から項目を取得し、全ての項目のデータ間の対応を作成し、全対応情報として記録しており、前記連携装置は、前記全対応情報を参照し、前記ユーザ端末装置からの前記指令に含まれる項目のデータに基づいて、指令先の機能サーバ装置の項目のデータを取得して指令を行うことを特徴としている。
【0038】
この発明において、「UIサーバ装置」とは、UI機能プログラムのみが格納されたサーバ装置だけでなく、UI機能プログラムを含む機能プログラムが格納されたサーバ装置におけるUI機能プログラムの部分も含む概念である。
【0039】
「UI連携手段」は、実施形態においては、ステップS21、ステップS24、ステップS27等がこれに対応する。
【0040】
「機能連携手段」は、実施形態においては、ステップS23、S24、ステップS26、S27等がこれに対応する。
【0041】
「連携システム(装置)」は、当該装置自身が処理を行うだけでなく、少なくとも一つの他の装置やプログラムと協働して処理を行うものをいう概念である。したがって、連携システム(装置)が、他の複数の装置やプログラムに指令して処理を行う場合だけでなく、連携システム(装置)が一つの装置やプログラムに指令して処理を行う場合も含んでいる。
【0042】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】この発明の一実施形態による連携システムの機能ブロック図である。
図2】連携システムのシステム構成である。
図3】連携装置Rのハードウエア構成である。
図4】連携システムの動作を示すフローチャートである。
図5】ユーザ端末装置Tの表示画面例である。
図6】USB一時許可の業務フローである。
図7】USB一時許可の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図8】USB一時許可の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図9】入社手続の業務フローである。
図10】入社手続の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図11】入社手続の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図12】ユーザ端末装置Tの表示画面例である。
図13図13Aは、第1の実施形態のメッセージシステムの部分を説明するための図である。図13Bは、メッセージシステムとして電話を用いて場合を説明するための図である。
図14図14Aは、メッセージによる業務フローの起動トリガを説明するための図である。図14Bは、機能サーバ装置(勤怠管理サーバ装置)からの連絡をトリガとする場合の例である。図14Cは、機能サーバ装置(ワークフローサーバ装置)からの連絡をトリガとする場合の例である。
図15】第2の実施形態による連携システムの機能ブロック図である。
図16】連携システムのシステム構成である。
図17】スマホ紛失対応の業務フローである。
図18】スマホ紛失対応の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図19】スマホ紛失対応の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図20】スマホ紛失対応の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図21】スマホ紛失対応の業務フローを実行した場合のフローチャートである。
図22】ユーザ端末装置Tの表示画面例である。
図23】ユーザ端末装置Tの表示画面例である。
図24】ユーザ端末装置Tの表示画面例である。
図25】ユーザ端末装置Tの表示画面例である。
図26】オンプレミスの場合に適用した例である。
図27】第3の実施形態による連携システムの機能ブロック図である。
図28】全対応情報生成のフローチャートである。
図29】各システムが記録するユーザ情報の例である。
図30】各システムが記録するユーザ情報の例である。
図31】生成された全対応情報の例である。
図32】複数人がチャットにて発言する業務フローの例である。。
図33】複数人がチャットにて発言する業務フローの例である。。
図34】複数人がチャットにて発言する業務フローの例である。。
図35】ヘルプ情報の表示例である。
図36】ヘルプ情報の表示例である。
図37】従来の連携システムの例である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
1.第1の実施形態
1.1システムの構成
図1に、この発明の一実施形態による連携システムの機能ブロック図を示す。このシステムは、ユーザ端末装置T、UIサーバ装置U、連携装置R、機能サーバ装置Fを備えて構成されている。
【0045】
ユーザ端末装置Tからは、ユーザによる指示が、連携装置Rに送信される。この指示は、UIサーバ装置Uの提供するコミュニケーションプログラムを用いて、UIサーバ装置Uを介した、ユーザ端末装置Tと連携装置Rとのやり取りによって行われる。
【0046】
ユーザの指示に応じて、連携装置Rの機能連携手段4は、機能サーバ装置Fに対し、処理の実行を指示する。機能連携手段4が機能サーバ装置Fから受け取った処理結果(あるいは処理完了の連絡)は、UI連携手段2によって、UIサーバ装置Uを介して、ユーザ端末装置Tに送信される。
【0047】
ユーザは、使い慣れたコミュニケーションプログラムによるユーザインターフェイス(コミュニケーションUI)を用いて、機能サーバ装置Fによる所望の処理を実現することができる。また、その処理結果を得ることができる。ここで、コミュニケーションUIとは、ユーザ同士またはユーザとコンピュータとの間で、コミュニケーションをとるためのユーザインターフェイスをいう。画面によるユーザインターフェイスだけでなく、音声などによるユーザインターフェイスも含む概念である。
【0048】
図2に、連携システムの一実施形態によるシステム構成を示す。インターネット上には、UIサーバ装置U1〜Un、機能サーバ装置F1〜Fmが設けられている。インターネットに接続されたユーザ端末装置T1〜Tp、管理者端末装置Mからは、インターネットを介して、これらUIサーバ装置U1〜Un、機能サーバ装置F1〜Fmにアクセス可能となっている。あるいは、これらUIサーバ装置U1〜Un、機能サーバ装置F1〜Fmから、インターネットを介して、ユーザ端末装置T1〜Tp、管理者端末装置Mにアクセス可能となっている。
【0049】
インターネット上には、連携装置Rが設けられている。ユーザ端末装置T1〜Tp、管理者端末装置Mからは、インターネットを介して、連携装置Rにアクセス可能となっている。
【0050】
図3に、連携装置Rのハードウエア構成を示す。CPU10には、メモリ12、ハードディスク14、DVD−ROMドライブ16、通信回路18が接続されている。通信回路18は、インターネットと接続するためのものである。
【0051】
ハードディスク14には、オペレーティングシステム20、連携プログラム22、業務フロー24が記録されている。連携プログラム22は、オペレーティングシステム20と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD−ROM26に記録されていたものを、DVD−ROMドライブ16を介して、ハードディスク14にインストールしたものである。なお、通信回路18を介してインターネットからダウンロードしてインストールしたものであってもよい。
【0052】
業務フロー24は、処理手順を記述した手順書である。連携プログラム22は、この業務フロー24にしたがって処理を進める。この実施形態では、連携処理ごとに種々の業務フロー24が予め記録されている。
【0053】
1.2連携処理
図4に、連携プログラム22のフローチャートを示す。この連携処理を利用するユーザは、ユーザ端末装置T1〜Tpから、UIサーバ装置U1〜Unのいずれかが提供するコミュニケーションシステムにログインする(ステップS1)。この実施形態では、コミュニケーションシステムとして、ラインワークス(商標)、ハングアウト(商標)、チャットワーク(商標)、チームス(商標)などの対話型システムを用いている。
【0054】
以下の説明では、社員がユーザ端末装置T1〜Tpにおいて、USB記録装置(USBメモリなど)の使用を禁止されている場合に、一時的にUSB記録装置を使用したい場合を例として、この連携システムの処理を示す。
【0055】
なお、以下の例では、前提として次のようにしてUSB記録装置の利用を禁止するようになっているものとする。端末監視プログラム(機能サーバ装置F1にインストールされている)によって、各ユーザ端末装置T1〜TpにおけるUSB記録装置の装着が監視されている。さらに、各ユーザ端末装置T1〜Tpにおいて、USB記録装置へのアクセスを行おうとすると、前記端末監視プログラムと協働している端末監視エージェントプログラム(各ユーザ端末プログラムT1〜Tpにインストールされている)が、これをブロックするようになっている。
【0056】
ユーザがユーザ端末装置T1において、一時的にUSB記録装置を使用したい場合について説明する。まず、ユーザは、ユーザ端末装置T1を操作して、ユーザが通常使用しているコミュニケーションシステム(UIサーバ装置U1〜Unのいずれかが提供するコミュニケーションシステム)の端末側プログラムを立ち上げる。ここでは、UIサーバ装置U1のラインワークス(商標)を用いるものとする。ユーザ端末装置T1は、ユーザの操作に応じて、ラインワークス(商標)の端末側プログラムを起動し、予め記録されているユーザID等をUIサーバ装置U1に送信してログインを行う(ステップS1)。
【0057】
続いて、ユーザは、連携システムのために用意されたラインワークス(商標)のグループの画面(対話室)に、連携装置Rを用いるための文言をキーボードから入力する(ステップS2)。このグループには、連携装置Rの他、ユーザの同僚や上司などがメンバーとして含まれている。
【0058】
この実施形態では、用いる機能ごとに入力すべき文言が予め定められている。たとえば、USB記録装置の一時利用をしたい場合には、「USBを使いたい」という文言を入力するように定めているので、そのように入力する。入力されたメッセージ(文言)は、図5Aに示すように、ラインワークス(商標)の端末側プログラムによってユーザ端末装置T1のディスプレイに表示される。
【0059】
入力されたメッセージは、ユーザ端末装置T1から、UIサーバ装置U1に送信される。UIサーバ装置U1は、ラインワークス(商標)のサーバ側プログラムによってこのメッセージを受信して記録し、ユーザIDとともに、連携装置Rや他のメンバーに送信する(ステップS11)。
【0060】
連携装置Rにおいては、連携プログラム22の処理によって受信したメッセージに含まれる文言に応じて、業務フローが起動される(ステップS21)。連携装置Rのハードディスク14に記録されている業務フローの例を、図6に示す。図6においては、USB一時許可の業務フローのみが示されているが、他にも種々の業務フローが記録されている。
【0061】
業務フローの1行目には、起動のためのトリガとなるキーワードが記録されている。このキーワードは、業務フローごとに異なるものとして指定されている。
【0062】
図6のUSB一時許可の業務フローでは、「USB」「使」の双方の文字がメッセージに含まれていると、起動されるようになっている。ここでは、受け取った「USBを使いたい」というメッセージ中に、「USB」「使」の双方の文字が含まれているので、図6のUSB一時許可の業務フローが起動する。
【0063】
連携装置Rは、以後、この業務フローの記述にしたがって処理を実行する(ステップS22)。
【0064】
図6のUSB一時許可の業務フローを実行した場合のフローチャートを、図7、8に示す。連携装置RのCPU10(以下、連携装置Rと省略することがある)は、業務フローの1行目を実行する。1行目では、会社内のPC資産を管理するアプリケーションであるLanScope Cat(MOTEX社の商標)(ここでは、機能サーバ装置F1にインストールされているものとする)に対して、受け取ったユーザIDのユーザが使用するものとして登録されているユーザ端末装置T1の情報を取得して返信するように指令する(ステップS23)。この指令は、LanScope Cat(商標)において用意されているAPIを用いて行うことができる。
【0065】
なお、連携装置Rにおいては、各ユーザについて、ラインワークス(商標)のユーザIDと、LanScope Cat(商標)などの各機能プログラムのユーザIDとの対応表を予め記録している。したがって、連携装置RがLanScope Cat(商標)に対してユーザIDを送る場合には、この対応表を参照し、先に取得したラインワークス(商標)のユーザIDをLanScope Cat(商標)のユーザIDに変換して送信するようにしている。
【0066】
この指令を受け取った機能サーバ装置F1のLanScope Cat(商標)は、当該ユーザIDに対応付けて登録されているユーザ端末装置の情報(使用ユーザ名、メーカ、機種、ユーザ端末IDなど)を検索し、連携装置Rに返信する(ステップS31)。
【0067】
業務フローの2行目は、トリガとして、1行目の処理が終了したこと(すなわち、ユーザ端末情報の返信があったこと)が記述されている。したがって、LanScope Cat(商標)からユーザ端末情報が送信されてくれば、2行目の処理が実行される。
【0068】
2行目では、ラインワークス(商標)にてユーザ端末装置T1に対するメッセージとして、受信したユーザ端末情報を、UIサーバ装置U1に送信する(ステップS24)。この際、メッセージ内容として「あなたの端末装置はこれですか?」を付加するようにしている。
【0069】
UIサーバ装置U1は、このメッセージを記録するとともに、ユーザ端末装置T1(およびグループの他のユーザのユーザ端末装置)に転送する(ステップS12)。ユーザ端末装置T1は、これを受けて、ディスプレイにメッセージを表示する(ステップS3)。表示されたメッセージを、図5Bに示す。
【0070】
ユーザ端末装置T1のユーザが、これを確認し、正しければ、「YES」をメッセージとして返信する(ステップS4)。違っていれば「NO」をメッセージとして返信する。
【0071】
このメッセージは、UIサーバ装置U1を介して、連携装置R(および他のユーザの端末装置)に送信される(ステップS13)。
【0072】
業務フローの3行目にはトリガとして「NO」が記述され、業務フローの4行目にはトリガとして「YES」が記述されている。したがって、上記の返信メッセージが、「NO」であれば、3行目が実行されて、USB一時許可の処理が終了される(ステップS25)。処理終了の際には、その旨のメッセージが、UIサーバ装置U1を介して、ユーザ端末装置T1に送信される(業務フロー、フローチャートにおいては記述を省略している)。以下の処理終了においても同様である。
【0073】
上記の返信メッセージが、「YES」であれば、4行目が実行されることになる。4行目では、LanScope Cat(商標)に対し、2行目で取得したユーザ端末IDによって特定される端末装置(すなわち当該ユーザのユーザ端末装置)のUSBポートに挿入されたUSB記録装置の情報(メーカ名、製品名など)を取得するように指令を行う。さらに、そのUSB記録装置の利用を許可するよう指令する(ステップS26)。
【0074】
LanScope Cat(商標)は、各ユーザ端末装置をリアルタイムで監視し、その状況(USBに装着された機器の情報を含む)を取得している。したがって、LanScope Cat(商標)は、当該ユーザ端末装置T1のUSBポートに装着されたUSB記録装置の情報を取得することができる。また、前述のように、LanScope Cat(商標)は、ユーザ端末装置T1のクライアントプログラムと協働して、ユーザ端末装置T1においてUSBポートを監視し、USB記録装置へのアクセスを禁止するようにしている。
【0075】
上記の利用許可指令を受けると、LanScope Cat(商標)は、ユーザ端末装置T1のクライアントプログラムに対し、上記特定したUSB記録装置に対しては、アクセスを許可するように指令する。なお、この使用許可は、所定時間あるいは当該USB記録装置が抜かれるまで継続される。LanScope Cat(商標)は、上記の一時許可処理を完了すると、USB記録装置の情報と一時許可を連携装置Rに返信する(ステップS33)。
【0076】
業務フローの5行目は、トリガとして「YESの処理終了」が記述されている。したがって、4行目の処理が終了すると(一時許可処理の完了がLanScope Cat(商標)から送信されてくると)、5行目が実行されることになる。
【0077】
5行目においては、ラインワークス(商標)にてユーザ端末装置T1(およびグループの他の端末装置)に対して、このUSB記録装置の利用が一時的に許可された旨のメッセージを送信する(ステップS27、S14)。
【0078】
ユーザ端末装置T1は、このメッセージを受信して、図5Cに示すように、ディスプレイに表示する(ステップS5)。ユーザは、これをみて一時利用の許可があったことを知り、USB記録装置を使用することができる。
【0079】
なお、上記説明では、ユーザが連携装置Rを使用する場合について説明した。しかし、管理者が管理者端末装置Mから、連携装置Rを使用することもできる。特に、管理者の場合は、他のユーザのために、他のユーザが行うべき処理を代行することができる。この実施形態では、これを実現するために、管理者のための業務フローも設けられている。
【0080】
たとえば、管理者が、連携システムのために用意されたラインワークス(商標)にキーワードを入力すると、管理装置Rは、メッセージの送信元が管理者であることをIDによって把握し、管理者用の業務フローを検索する。他のユーザのために代行する場合の管理者用業務フローには、どのユーザのために処理を行うのかをラインワークス(商標)によって質問する項目が設けられている。
【0081】
なお、連携装置Rは、ラインワークス(商標)などのコミュニケーション・システムやLanscopeCat(商標)などの機能システムに対して指示を行うようにしている。各システムの保持するユーザ情報(ユーザIDや氏名やメールアドレス等)は異なるものが登録されている可能性があり、また、デバイス情報のように特定のシステムしか記録していないものもある。そこで、上記実施形態では、たとえば、全てのシステムにおいて同一ユーザについては同一のユーザID(他の項目でも良い)を登録するようにしている。これにより、ユーザIDによってユーザを特定し、他のシステムの情報を利用することができる。
【0082】
また、上記のようにせずに、第3の実施形態に示す方法にて各システム間の情報を関連づけるようにしてもよい。
【0083】
1.3その他
(1)上記実施形態では、USB一時許可の場合を例としてあげたが、種々の業務フローを準備しておくことで、様々な処理を自動化して実行することができる。たとえば、新入社員が入社した時に行うべき手続を業務フローとして用意したり、新しいソフトウエアを端末装置にインストールして良いかどうかの許可手続を業務フローとして用意したりすることができる。
【0084】
たとえば、入社手続のための業務フローの一部を図9に示す。そのフローチャートを図10、11に、ユーザ端末装置Tにおける表示画面を図12に示す。この例では、メッセージとして記入フォーム(やラジオボタンフォーム)を送っている。メッセージシステムが、このようなフォームの送信に対応していない場合には、連携装置Rにおいて記入フォームを用意し、その記入フォームのURLをリンクとしてメッセージで送信するようにしてもよい。また、図10においては、ステップS71、S81において、必要項目を取得するようにしているが、予め業務フローにおいて必要項目を特定したフォームを用意しておいてもよい。
【0085】
なお、図6の業務フローの例では、連携装置Rとのやり取りの内容がグループに属する他のメンバー(上司など)も見ることができるようにしていた。これは、他の社員の行動を見ることができるようにして、セキュリティ上危ない行動があれば他の社員が注意できる機会を与えるためである。
【0086】
しかし、図9の業務フローの例のように、個人のプライバシーに関係するような内容がやり取りの中に含まれる場合、当該ユーザと連携装置Rのみメッセージの内容を見ることができるようにすることが好ましい。たとえば、グループでのチャットではなく、一対一のチャットとすることが好ましい。
【0087】
(2)上記実施形態では、チャットによるメッセージシステムを用いるようにしている。すなわち、図13Aに示すように、ユーザ端末装置がメッセージシステム(メッセージサーバ装置)にログインした時のユーザIDをテキストデータとして連携装置が取得するようにしている。また、ユーザ端末装置と連携装置との間のメッセージのやり取りは、メッセージサーバ装置を介して、テキストデータにて行うようにしている。
【0088】
チャットによるメッセージシステムに代えて、メール、ショートメッセージなどを用いても、図13Aのような仕組みを構築することができる。
【0089】
また、ユーザ端末装置として電話機を用いることもできる。この場合、図13Bに示すように、ユーザが電話機にて電話サーバ装置(所定の電話番号にかけると接続される)に接続し、アナウンスにしたがってユーザIDをプッシュ信号(ダイヤルボタンを押すことで生成される信号)にて送信する。電話サーバ装置はこのようにして取得したユーザIDをテキストデータとして連携装置に送信する。メッセージのやり取りは、電話機に対しては電話サーバ装置から合成音声(予め録音された音声でも良い)にてガイダンスを送り、ユーザは電話機のプッシュ信号にて応答する。応答内容は、電話サーバ装置にはテキストデータとして、連携装置に送信される。連携装置は、電話サーバ装置にテキストデータにてメッセージを送信し、電話サーバ装置はこれを音声化して電話機に転送する。
【0090】
なお、電話機からのユーザの音声をテキストデータ化して、連携装置に送るようにしてもよい。
【0091】
(3)上記実施形態では、業務フローにおいて、キーワードの合致をトリガとして当該業務フローの処理を進めるようにしている。しかし、完全一致ではなく曖昧なマッチングを行って実行するようにしてもよい。たとえば、類義語辞書などを用意しておき、キーワードの類義語が入力された場合も動作を開始するようにすることができる。
【0092】
(4)上記実施形態では、図14Aに示すように、ユーザ端末装置からのメッセージをメッセージサーバ装置(UIサーバ装置)を介して取得し、そのメッセージに含まれるキーワードに応じて、対応する業務フローを起動するようにしている。すなわち、メッセージ中のキーワードをトリガとして、業務フローを起動させている。
【0093】
しかし、図14Bに示すように、社員の勤怠を管理する勤怠管理サーバ装置に接続された打刻機(タイムカードに印字する機器)からの終業打刻情報を、勤怠管理サーバ装置を介して取得し、これに基づいて連携装置が何らかの業務フローを起動するようにしてもよい。
【0094】
打刻機において社員が打刻を行った時刻は、ユーザIDとともに勤怠管理サーバ装置に送信される。勤怠管理サーバ装置は終業の打刻があった場合、そのユーザIDを終業打刻時刻とともに連携装置に送信する。連携装置では、勤怠管理サーバ装置におけるユーザIDと他の機能プログラムのユーザIDとを紐付けて管理している。
【0095】
連携装置は、終業打刻の連絡を受けると、たとえば、サービス残業対応の業務フローを起動する。サービス残業の業務フローでは、ユーザIDに基づいてLanScope Cat(商標)(機能サーバ装置)に、当該ユーザがユーザ端末装置を使用しているかどうかを、所定時間ごとに問い合わせる。終業打刻の時刻から所定時間(たとえば30分)経過しても、そのユーザのユーザ端末装置が使用されていれば、連携装置は、メッセージサーバ装置を介してそのユーザ端末装置に注意喚起のメッセージを送信する。サービス残業の疑いがあるからである。なお、ユーザがメッセージシステムにログインしていない場合であれば、連携装置からプッシュ通信により当該ユーザのスマートフォンなどにメッセージを送信する(あるいは電話をかけて注意喚起のメッセージを流す)。
【0096】
また、図14Cに示すように、ワークフローシステム(承認や稟議のための回覧システム)において何らかの承認があったこと(たとえば、承認権限者が全員承認した場合)をトリガとして業務フローを起動するようにしてもよい。
【0097】
この場合、連携装置は、業務フローシステムの一員として現状の状態を知らせてもらえるようにしておく。連携装置は、承認情報(たとえば、特定のユーザが特定のシステムの利用を許可された場合)を確認すると、社内権限システム(機能サーバ装置)に対し、当該ユーザについて、特定のシステムを許可する処理を行うように指示する。
【0098】
許可処理の完了連絡を連携装置が受けると、メッセージサーバ装置(図示せず)を介して、当該ユーザ装置に対して許可完了メッセージを送信する。
【0099】
(5)上記実施形態においては、記録された業務フローは固定的なものであった。しかし、各ユーザによる業務フローの使用履歴を連携装置に記録し、当該使用履歴に基づいて、業務フローの内容を自動的に修正(もしくは提案)するようにしてもよい。たとえば、4つの選択肢を提示してユーザからの回答を求める場合があったとして、相当件数の実行がなされた後であっても、その回答数が「0」である選択肢については削除するようにしてもよい。
【0100】
(6)上記実施形態では、連携装置Rは、業務フローによって連携処理を実行するようにしている。しかし、業務フローを用いずに、通常のプログラムなどによってこれを実現するようにしてもよい。
【0101】
(7)上記実施形態では、複数用意された業務フローから自動的に選択された業務フローに従って処理を行うようにしている。しかし、業務フローの一覧を表示し、ユーザが選択した業務フローを実行するようにしてもよい。
【0102】
(8)上記実施形態では、ユーザの使用するコミュニケーションシステム(ラインワークス(商標)など)が一つである場合について説明した。ユーザが、二以上のコミュニケーションシステムを使用している場合には、連携装置に対してメッセージを送ってきた時に使用したコミュニケーションシステムを用いて処理を進めるようにすればよい。
【0103】
(9)上記実施形態では、チャットでのやりとりは、ユーザ一人とチャットボットが行っており、その他のユーザはそのやりとりを閲覧するだけであった。しかし、業務によっては、二人以上のユーザがチャットでやりとりを行う必要が生じることもある。たとえば、複数人がグループを形成して何らかの業務を行う場合や、ワークフローのように複数人が関係して業務が進行する場合である。この場合には、関係する複数人が同一のチャットに参加することで、業務の進行度合いを正確に把握することができる。
【0104】
たとえば、機密書類閲覧の許可を得るための業務フローにおいて、直属の上司に依頼して、当該上司から担当役員に許可を得る必要があったとする。この場合、許可を求める担当者は、チャットにて予め定められた文言を入力する。これにより、図32図34に示すような業務フローが起動する。機能サーバ装置は、各ユーザIDごとに書類の閲覧権眼を管理するものである。
【0105】
連携装置Rは、担当者のユーザIDに基づいて、直属の上司情報を取得する(ステップS521、S531)。さらに、この上司に対して、役員から機密書類の閲覧許可をもらうように依頼メッセージを送信する(ステップS522、S511、S501)。これにより、上司はチャットボットの表示を見て、担当者が機密書類の閲覧を希望しており、役員の承認依頼を出すことを求めていることを知る。上司は、これに対して、チャットにてYES(OK)またはNO(NG)を入力する(ステップS502)。担当者はこのやりとりをチャットにて確認することができる。
【0106】
上司が、チャットにてYES(OK)を入力すると、連携装置Rは、上司のユーザIDに基づいて担当役員の情報を取得する(ステップS524、S532)。続いて、連携装置Rは、役員に対して承認依頼を送信する(ステップS525、S513、S503)。これにより、役員はチャットボットの表示を見て、担当者が機密書類の閲覧を希望しており、上司が許可しており、役員の承認を待っていることを知る。役員は、これに対して、チャットにてYES(OK)またはNO(NG)を入力する(ステップS504)。担当者および上司はこのやりとりをチャットにて確認することができる。
【0107】
役員が、チャットにてYES(OK)を入力すると、連携装置Rは、閲覧許可をするように機能サーバ装置に求める(ステップS527)。機能サーバ装置が閲覧許可を行うと、連携装置Rは、担当者にメッセージを送信する(ステップS528)。これにより、閲覧許可がなされたことを知ることができる。
【0108】
上記のように、複数人がチャットボットとのやりとりを行うことができるようにすることで、業務状況の把握を容易にして、各ユーザの行うべき操作が明確となる。
【0109】
なお、チャットにおいて、自らがなすべき操作がわからない場合(たとえばYESを押下すると何が起こるのかなど)には、予め定められた文言(たとえば、HELP)を入力することで、これが連携装置Rに送信される。これを受けた連携装置Rは、現在のチャットのやりとりから、誰がどの入力に対して操作がわからなくなっているかを判断し、対応するヘルプ情報(予め記録されている)を、当該ユーザにチャットにて送信する。図35に端末装置に表示されたヘルプ情報の例を示す。
【0110】
このように、ユーザは、所定の文言を入力するだけで、その状況に応じた適切なヘルプ情報を得ることができる。なお、所定の文言に代えて、所定の操作(ヘルプボタンを押下する)によって同様の処理を行うようにしてもよい。
【0111】
なお、このようなヘルプ機能は、ユーザが複数人でなく一人の場合にも適用することができる。
【0112】
上記では、予め定められた文言を入力することで、連携装置Rがヘルプ情報を送信するようにしている。しかし、連携装置Rは、その状況において入力可能な文言以外の文言が入力されたことを判断すると、連携装置Rは、入力可能な文言をヘルプ情報として送信するようにしてもよい。この場合、ユーザは、ヘルプのために定められた文言入力や操作を行うことなく、ヘルプ情報を得ることができる。
【0113】
たとえば、ユーザが連携システムのための対話室において、いずれの業務フローにも対応しない文言を入力したとする。ユーザは、USBの使用許可を得るつもりで、「USBの禁止を解除したい」と入力したとする。
【0114】
連携装置Rは、図4のステップS21において、この文言がいずれの業務フローの文言に合致するかを判断する。いずれの業務フローの起動のための文言にも合致しなかった場合、連携装置Rは、当該対話室において使用可能な業務フロー起動のための文言を一覧にして表示する。
【0115】
その画面例を図36Aに示す。ここでは、5つの業務フローを起動するための文言が示されている。なお、起動可能な業務フローが多くなりすぎると、文言の一覧が多くなりすぎて煩雑であるので、紛失系統の業務フローの対話室、社内手続きの対話室・・・のように、起動可能な業務フローを対話室ごとに分けるようにしてもよい。
【0116】
ユーザは、図36Aを見て、正しい文言を入力することができ、これにより適切な業務フローを起動することができる。なお、図36Bに示すように、入力すべき文言を示すだけでなく、ラジオボタン300などによって、文言を選択して入力できるようにしてもよい。これにより、ユーザは、文言入力の手間を省くことができる。
【0117】
同様に、図5Cの画面において、ユーザが「YES」ではなく、「USBが違います」を入力した場合には、連携装置Rは、図36Cに示すように、当該状況において入力可能な文言を表示する。
【0118】
以上のようにして、各状況において、予め定められた文言以外が入力された場合には、連携装置Rはこれを判断し、入力可能な文言の一覧を表示する。したがって、ユーザは、とりあえず何かを入力することで(「HELP」の文言でもよい)、当該文言が登録されていなければ、自動的にヘルプ情報を得ることができる。
【0119】
なお、このようなヘルプ機能は、ユーザが一人の場合だけでなく複数人の場合にも適用することができる。
【0120】
また、上記のようなヘルプ機能は、ユーザとシステムとが対話して処理を進める装置全般に適用することができる。
【0121】
(10)上記実施形態およびその変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態および変形例と組み合わせて実行することができる。
【0122】
2.第2の実施形態
2.1システムの構成
図15に、この発明の第2の実施形態による連携システムの機能ブロック図を示す。このシステムは、ユーザ端末装置Ta、Tb、UIサーバ装置U、連携装置R、機能サーバ装置Fを備えて構成されている。
【0123】
ユーザ端末装置Ta、Tbは、同一のユーザによって使用されている端末装置である。ユーザ端末装置Taからは、ユーザによる指示が、連携装置Rに送信される。この指示は、UIサーバ装置Uの提供するコミュニケーションプログラムを用いて、UIサーバ装置Uを介した、ユーザ端末装置Taと連携装置Rとのやり取りによって行われる。
【0124】
この実施形態では、ユーザは、ユーザ端末装置Taを用いて連携装置Rとのやり取りを行って、ユーザ端末装置Tbに対する処理を指示する。なお、ユーザ端末装置Taとユーザ端末装置Tbが同一のユーザによって使用されていることは、予め連携装置Rに登録しておく。あるいは、機能サーバ装置Fに問い合わせて取得する。
【0125】
ユーザの指示に応じて、連携装置Rの機能連携手段4は、機能サーバ装置Fに対し、ユーザ端末装置Tbについての処理の実行を指示する。機能サーバ装置Fは、ユーザ端末装置Tbについての処理結果を、連携装置Rに送信する。機能連携手段4が機能サーバ装置Fから受け取った処理結果(あるいは処理完了の連絡)は、UI連携手段2によって、UIサーバ装置Uを介して、ユーザ端末装置Tに送信される。
【0126】
ユーザは、ユーザ端末装置Taを用い、使い慣れたコミュニケーションプログラムによるユーザインターフェイスを用いて、機能サーバ装置Fによるユーザ端末装置Tbについての処理を実現することができる。また、その処理結果を得ることができる。
【0127】
図16に、この実施形態による連携システムのシステム構成を示す。インターネット上には、UIサーバ装置U1〜Un、機能サーバ装置F1〜Fmが設けられている。インターネットに接続されたユーザ端末装置Ta、Tb、管理者端末装置Mからは、インターネットを介して、これらUIサーバ装置U1〜Un、機能サーバ装置F1〜Fmにアクセス可能となっている。あるいは、これらUIサーバ装置U1〜Un、機能サーバ装置F1〜Fmから、インターネットを介して、ユーザ端末装置Ta、Tb、管理者端末装置Mにアクセス可能となっている。なお、ユーザ端末装置Ta、Tbは同一ユーザが使用する装置である。たとえば、ユーザ端末装置TaがデスクトップPC、ユーザ端末装置Tbがスマートフォンである。なお、他のユーザのユーザ端末装置も接続されているが、図示を省略している。
【0128】
インターネット上には、連携装置Rが設けられている。ユーザ端末装置Ta、Tb、管理者端末装置Mからは、インターネットを介して、連携装置Rにアクセス可能となっている。
【0129】
連携装置Rのハードウエア構成は、図3と同様である。
【0130】
2.2連携処理
連携プログラム22のフローチャートは、図4に示すものと同様である。ユーザ端末装置Taから、UIサーバ装置U1を介して送信されてきたメッセージに含まれるキーワードによって業務フローが選択的に起動する点も同じである。
【0131】
以下では、ユーザがスマートフォンを紛失した場合の処理を例として説明する。図17に、スマートフォン紛失対応の業務フローを示す。そのフローチャートを図18図21に示す。
【0132】
1行目には、トリガの文言として「スマホ」「なく」が示されている。たとえば、スマートフォンを紛失したユーザが、デスクトップPCであるユーザ端末装置Taから、ラインワークス(商標)を起動し、連携装置Rとのチャット画面(対話室)にて、「スマホをなくしました」と入力したとする(図22参照)。連携装置Rは、このメッセージを受け取って、「スマホ」「なく」の双方のキーワードが入っているため、図17に示すスマホ紛失対応業務フローを起動する。
【0133】
1行目において、連携装置Rは、ラインワークス(商標)にて、ユーザ端末装置Taにメッセージを送る(ステップS121、S111)。このメッセ−ジは、ユーザ端末装置Taのディスプレイに表示される(ステップS101)。表示例を図22に示す。直ぐに行うべき行動が示されている。なお、この表示画面は、デスクトップPCのディスプレイの一部分(ラインワークス(商標)による画面部分)のみを示したものである。
【0134】
メッセージの送信が終了すると、連携装置Rは、社員の使っているスマートフォンや携帯電話を管理しその動作を管理するLanScope An(MOTEX社の商標)(機能サーバ装置F2)に対し、当該ユーザのスマートフォン(ユーザ端末装置Tb)の情報を取得するよう指示する(ステップS122、S123)。この際、連携装置Rは、ラインワークス(商標)のユーザIDに関連づけて予め記録しているスマートフォンの端末IDを読みだし、当該端末IDを伴ってLanScope An(商標)に指示を行う。
【0135】
これに応じて、LanScope An(商標)は、スマートフォンの情報(電話番号、OS、使用者等)を連携装置Rに送信する(ステップS131)。連携装置Rは、これを受けると、スマートフォンの情報をメッセージとして、ラインワークス(商標)によって、ユーザ端末装置Taに送信する(ステップS124、S112)。
【0136】
メッセージは、ユーザ端末装置Taのディスプレイに表示される(ステップS102)。メッセージの表示例を図23に示す。ユーザは、表示されたスマートフォンが自分のスマートフォンであるかどうかを確認し、YESまたはNOを返信する(ステップS103)。返信メッセージは、ラインワークス(商標)によって連携装置Rに送られる(ステップS113)。
【0137】
連携装置Rは、返信メッセージがNOであれば、処理を終了する。YESであれば、図17の業務フロー、5行目の処理を実行する。すなわち、LanScope An(商標)に対して、当該スマホの現在位置を取得するように指示する(ステップS126)。LanScope An(商標)は、ユーザのスマートフォンにインストールされているエージェントプログラムと協働して、定期的に(たとえば、1分ごとに)スマートフォンの位置情報を取得して記録している。したがって、LanScope An(商標)は当該スマートフォンの最終の位置情報を読み出して、連携装置Rに送信する(ステップS132)。
【0138】
位置情報を取得した連携装置Rは、これをメッセージとしてラインワークス(商標)によって、ユーザ端末装置Taに送信する(業務フロー6行目、ステップS127)。ユーザ端末装置Taは、このメッセージを表示する(ステップS104)。メッセージの表示例を、図24に示す。なお、この実施形態では、連携装置Rは、受け取ったスマートフォンの位置(緯度、経度による)を、地図上に表示した画面を生成し、その画面へのリンクをメッセージとして送信している。したがって、ユーザは、このリンクをクリックすることで地図上でスマートフォンの現在位置を知ることができる。
【0139】
さらに、連携装置Rは、このスマートフォンを遠隔操作によって初期化(リモートワイプ)するかどうかのメッセージを、ラインワークス(商標)によって、ユーザ端末装置Taに送信する(業務フロー7行目、ステップS128)。ユーザ端末装置Taでは、このメッセージを表示する(ステップS105)。その表示例を、図25の上段に示す。ユーザは、これを見て、リモートワイプするかどうかをYESまたはNOで返信する(ステップS106)。
【0140】
このメッセージは、ラインワークス(商標)によって、連携装置Rに送信される(ステップS116)。返信がNOであれば、連携装置Rは、処理を終了する。返信がYESであれば、業務フロー9行目の処理を実行する。すなわち、連携装置Rは、LanScope An(商標)に対して、当該スマートフォンのリモートワイプを実行するように指令する(ステップS1291)。
【0141】
LanScope An(商標)は、この指令を受けて、当該スマートフォンのエージェントプログラムと協働して、ワイプ処理を実行する(ステップS133、S141)。これにより、当該スマートフォンは初期化され、個人情報等が他人に悪用される可能性をなくすことができる。
【0142】
LanScope An(商標)は、リモートワイプの完了を確認すると、その旨を連携装置Rに送信する(ステップS134)。これを受けて、連携装置Rは、ワイプの完了を、ラインワークス(商標)によって、ユーザ端末装置Taにメッセージとして送信する(業務フロー最終行、ステップS1292、S117)。
【0143】
ユーザ端末装置Taは、これを表示する(ステップS107)。その表示例を、図25の下段に示す。ユーザはこれを見て、ワイプの完了を確認することができる。
【0144】
このように、従来であれば、LanScope An(商標)の管理者に電話などで依頼してスマートフォンの場所を取得し、ワイプを依頼していた処理を、自動化することができる。
【0145】
2.3その他
(1)上記実施形態では、予め連携装置Rに、各ユーザのユーザIDに対応付けてユーザの使用するユーザ端末装置(デスクトップPCやスマートフォンなど)を記録するようにしている。しかし、機能サーバ装置の機能プログラムがユーザIDに対応付けて当該ユーザの使用するユーザ端末装置の情報を記録しているのであれば、この機能プログラムからデバイス情報を取得するようにしてもよい。
【0146】
また、各ユーザごとに、各システムに対するユーザIDを管理する機能プログラム(たとえば、Active Directory(商標))から、連携装置がユーザIDの一覧(各サービスやシステムに対するユーザIDの一覧)を取得するようにしてもよい。さらに、ユーザ端末装置の管理を行うシステム(たとえば、LanScope Cat(商標)やLanScope An(商標))から、連携装置がユーザ端末装置の情報を取得すれば、ユーザごとにユーザIDの一覧、使用するユーザ端末装置の一覧を生成することができる。
【0147】
(2)上記実施形態では、スマートフォンを紛失した場合について説明した。しかし、ノートパソコン、タブレットコンピュータ等を紛失した場合にも同様に適用することができる。
【0148】
(3)上記実施形態では、ユーザ端末装置を紛失した場合を例として、ユーザが操作するユーザ端末装置から他のユーザ端末装置に関する処理を行う場合を説明した。しかし、ユーザが使用する複数の端末装置がある場合に、ユーザが操作するユーザ端末装置から、他のユーザ端末装置に関する処理を行う場合一般に適用することができる。たとえば、外出先のスマートフォンやタブレットから、社内のパソコンをリモートで操作して処理結果を得たいような場合に適用することができる。
【0149】
(4)上記実施形態では、連携装置Rはインターネット上に置いている。したがって、連携可能なUIサーバ装置U、機能サーバ装置Fもインターネット上に置かれていることが必要である。
【0150】
このため、オンプレミスで動作する機能サーバ装置Fxなどは、インターネット上の連携装置Rからはアクセスできず、連携をとることができない。このような場合には、図26に示すように、オンプレミスな機能サーバ装置Fxと通信可能な連携エージェント装置Reをオンプレミス上に設けることで、解決することができる。図26においては、ユーザ端末装置は省略している。
【0151】
連携エージェント装置Reは、機能サーバ装置の情報をリアルタイム取得している。したがって、連携装置Rは、連携エージェント装置Reから機能サーバ装置Fxの管理する情報を取得することができる。また、連携装置Rは、連携エージェント装置Reを介して、機能サーバ装置Fxに指示を出すことができる。
【0152】
図26のような構成は、第1の実施形態においても適用可能である。
【0153】
(5)上記実施形態では、UIサーバ装置を用いているが、ユーザ端末装置と連携装置Rが直接やりとりを行うようにしてもよい。
【0154】
(6)上記実施形態では、ユーザ端末装置Tbをなくしたユーザが自らが使用するユーザ端末装置Taから連携システムを使用する場合を説明した。しかし、他人のユーザ端末装置から自らのIDを用いてラインワークス(商標)などにアクセスして、連携システムを使用することもできる。
【0155】
(7)第1の実施形態において説明したその他の例は、上記第2の実施形態にも適用可能である。
【0156】
3.第3の実施形態
3.1システムの構成
第1の実施形態、第2の実施形態では、UIサーバ装置Uの管理するユーザ情報(ユーザID、氏名など)と、機能サーバ装置Fの管理するユーザ情報を統合して、予め、連携装置Rに記録しておきこれを用いるようにしている。しかし、この実施形態では、連携装置Rが、UIサーバ装置U、機能サーバ装置Fにアクセスしてユーザ情報を取得し、統合した全対応情報を生成するようにしている。
【0157】
図27に、この発明の第3の実施形態による連携システムの機能ブロック図を示す。このシステムは、ユーザ端末装置T、UIサーバ装置U、連携装置R、機能サーバ装置F1、F2・・・Fnを備えて構成されている。
【0158】
連携装置Rは、UIサーバ装置U、機能サーバ装置R1、R2・・・Rnから、それぞれのシステムが管理するユーザ情報(ユーザID、氏名、メールアドレス、電話番号、デバイス情報など)を取得する。各システムごとに、ユーザ情報として管理する項目が異なっている。
【0159】
連携装置Rは、これを統合し、対応付けが可能な全ての項目について記述した全対応情報3を生成して記録する。たとえば、UIサーバ装置UのシステムがユーザID、氏名、メールアドレスを管理しており、機能サーバ装置R1のシステムがユーザID、メールアドレス、デバイス情報(当該ユーザの使用するPC等の情報)を管理していた場合であって、双方のシステムが共通のユーザIDを用いていれば、ユーザID、氏名、メールアドレス、デバイス情報を対応付けた対応情報を生成することができる。
【0160】
ユーザ端末装置Tからは、ユーザによる指示が、連携装置Rに送信される。この指示は、UIサーバ装置Uの提供するコミュニケーションプログラムを用いて、UIサーバ装置Uを介した、ユーザ端末装置Tと連携装置Rとのやり取りによって行われる。
【0161】
なお、UIサーバ装置Uへのアクセス認証は、ユーザID(チャットID)、パスワードによって行われる。UIサーバ装置Uは、認証時のユーザIDによってユーザを特定することができる。また、UIサーバ装置は、ユーザIDに対応付けて、ユーザの氏名、メールアドレスなどを記録している。
【0162】
UIサーバ装置Uを介して、ユーザの指示を受けた連携装置Rの機能連携手段4は、指定された機能サーバ装置(たとえばF1とする)に対し、処理の実行を指示する。この際、機能サーバ装置F1に対してデバイス情報による指令が必要であれば、前述の全対応情報3を参照して、ユーザIDに対応するデバイス情報を取得し、適切な指令を行うことができる。
【0163】
機能連携手段4が機能サーバ装置F1から受け取った処理結果(あるいは処理完了の連絡)は、UI連携手段2によって、UIサーバ装置Uを介して、ユーザ端末装置Tに送信される。
【0164】
連携システムのシステム構成は、図2と同様である。また、連携装置Rのハードウエア構成は、図3と同様である。
【0165】
3.2全対応情報生成処理
図28に、連携プログラム22の全対応情報を生成する処理のフローチャートを示す。連携装置Rは、UIサーバ装置U1、、機能サーバ装置F1、F2、F3の各システムに対して、管理者としてアクセスすることのできる権限を有している。この実施形態では、UIサーバ装置U1は、ラインワークス(商標)のサーバとして機能している。機能サーバ装置F1、F2、F3は、それぞれ、種々のシステムのユーザIDとパスワードを一元管理するActiveDirectory(商標)、社員のデバイス(モバイル機器)を管理するLanscopeAn(商標)、社員のデバイス(据え置き機器)を管理するLanscopeCat(商標)のサーバとして機能している。
【0166】
連携装置Rは、UIサーバ装置U1、機能サーバ装置F1、F2、F3の各システムにアクセスし、それぞれのシステムが管理するユーザ情報を送信するように要求する(ステップS201)。UIサーバ装置U1、機能サーバ装置F1、F2、F3は、これに応じてユーザ情報を送信する(ステップS211、S221、S231、S241)。
【0167】
図29Aに、ActiveDirectory(商標)から取得するユーザ情報の例を示す。各ユーザについて、ユーザID(アカウント名)、メールアドレス(PCのメールアドレス)、氏名が記録されている。ユーザID(アカウント名)、メールアドレスは、ActiveDirectory(商標)を使用する上での必須の項目であるから必ず各ユーザについて取得することができる。氏名は必須項目ではないが、運用上、各ユーザについて入力されることが多い。
【0168】
図29Bに、LanscopeAn(商標)から取得するユーザ情報の例を示す。各ユーザについて、デバイス情報、電話番号、メールアドレス、氏名、ユーザID(アカウント名)が記録されている。
【0169】
LanscopeAn(商標)は、ユーザの使用するモバイル機器ごとに管理を行っているので、本来は、デバイス情報(モバイル機器の機体番号)、電話番号(モバイル機器の電話番号)、氏名を管理するものである。LanscopeAn(商標)の機能サーバ装置F2は、各モバイル機器が立ち上げられた時に自動的に各モバイル機器からデバイス情報を取得し、各モバイル機器の動作状況を監視するものである。
【0170】
ActiveDirectory(商標)の情報をエクスポートして記録している場合には、メールアドレス、ユーザID(アカウント名)も併せて記録している。ActiveDirectory(商標)の情報をエクスポートして記録していない場合には、デバイス情報(モバイル機器の機体番号)、電話番号(モバイル機器の電話番号)、氏名を記録している。
【0171】
図30Aに、LanscopeCat(商標)から取得するユーザ情報の例を示す。各ユーザについて、デバイス情報、氏名、メールアドレス、ユーザID(アカウント名)が記録されている。
【0172】
LanscopeCat(商標)は、ユーザの使用するPCごとに管理を行っているので、本来は、デバイス情報(PCに付された名前)、氏名を管理するものである。LanscopeCat(商標)の機能サーバ装置F3は、各PCが立ち上げられた時に自動的に各PCからデバイス情報を取得し、各PCの動作状況を監視するものである。
【0173】
LanscopeCat(商標)の機能サーバ装置F3は、各PCが立ち上げられたときに各PCがActiveDirectory(商標)の機能サーバ装置F1から取得したユーザ情報を各PCから送信してもらい、これも記録している。したがって、メールアドレス、ユーザID(アカウント名)も記録している。
【0174】
図30Bに、ラインワークス(商標)から取得するユーザ情報の例を示す。各ユーザについてユーザID(チャット)、氏名が記録されている。ユーザID(チャット)は、ユーザがラインワークス(商標)のために入力したユーザIDであるから、ActiveDirectory(商標)のユーザID(アカウント名)とは異なるものであることも多い。氏名は、ラインワークス(商標)のためにユーザが入力したものであるが、入力時の表記ゆれがなければ、ActiveDirectory(商標)の氏名と一致する。
【0175】
なお、ユーザIDや氏名を、ActiveDirectory(商標)のユーザ情報をエクスポートして使用する場合であれば、これらは完全に合致する。
【0176】
連携装置Rは、上記のようにして収集したユーザ情報を統合して、全対応情報を生成し記録する(ステップS202)。連携装置Rは、各ユーザ情報においてメールアドレスが合致するものがあれば、これを同一ユーザとみなしてユーザ情報を統合する。また、氏名が合致するものがあれば、これを同一ユーザとみなしてユーザ情報を統合する。このようにして、全対応情報を生成することができる。
【0177】
なお、全対応情報は、所定のタイミングで更新されて常に最新の状態となるように維持される。
【0178】
また、統合のために必要なユーザ情報が不足している場合(たとえば、メールアドレス、氏名がないなど)には、連携装置Rは、管理者の端末装置に対してその旨を送信し、管理者の手入力によって全対応情報を生成する。
【0179】
3.3連携処理
連携装置Rは、上記にて生成した全対応情報を用いて連携処理を行う。たとえば、図7のステップ23において、ラインワークス(商標)のユーザID(チャット)に基づいて、ユーザ端末装置のID(デバイス情報(据え置き))を取得する際、この全対応情報を参照して迅速にこれを取得することができる。連携装置Rは、ユーザ端末装置のID(デバイス情報(据え置き))を機能サーバ装置に与えることで、そのデバイスの情報を取得することができる。
【0180】
また、図18のステップS122において、ラインワークス(商標)のユーザID(チャット)に基づいて、スマートフォンの端末ID(デバイス情報(モバイル))を取得する際、この全対応情報を参照して迅速にこれを取得することができる。
【0181】
その他、連携装置Rは、この全対応情報により、各機能サーバ装置に対して指示を行う際に必要なユーザIDやデバイス情報などを容易に取得することができる。
【0182】
3.4その他
(1)上記実施形態では、予め全対応情報を生成して記録するようにしている。しかし、全対応情報を生成記録せずに、他のシステムの情報が必要となった時にその都度、対応する情報を取得するようにしてもよい。
【0183】
(2)上記では、コミュニケーションシステム(UIサーバ装置)を用いる場合について説明したが、複数の機能サーバ装置のみを用いる場合であっても、上記と同様に全対応情報を生成して記録し、利用することができる。
【0184】
(3)第1、2の実施形態において説明したその他の例は、上記第3の実施形態にも適用可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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