特許第6773761号(P6773761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773761
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】データ処理方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20201012BHJP
【FI】
   G06Q20/40
【請求項の数】27
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-502716(P2018-502716)
(86)(22)【出願日】2016年7月11日
(65)【公表番号】特表2018-520448(P2018-520448A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】CN2016089595
(87)【国際公開番号】WO2017012482
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2019年6月18日
(31)【優先権主張番号】201510427882.4
(32)【優先日】2015年7月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーフー リウ
【審査官】 永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0036037(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0040193(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/132431(WO,A1)
【文献】 特開2007−278871(JP,A)
【文献】 特表2008−544339(JP,A)
【文献】 特開2004−204629(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0186891(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0288647(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0102283(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0288594(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行されるデータ処理方法であって、
移動端末が送る対象データを受信することであって、前記対象データはパラメータセットを保持し、前記パラメータセットは少なくとも前記移動端末の対象位置パラメータを含む、前記受信することと、
前記移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得することであって、前記履歴パラメータセットは少なくとも前記移動端末の履歴位置パラメータを含む、前記取得することと、
前記履歴パラメータセットにより前記パラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、前記対象データは偽データであると判定することであって、前記事前設定条件を満たす前記パラメータセットは、少なくとも、前記パラメータセット内の前記対象位置パラメータと前記履歴パラメータセット内の前記履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、前記判定することと、を含む、前記方法。
【請求項2】
前記対象位置パラメータは、
前記移動端末と磁北との間の角度α1と、
前記移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β1と、
前記移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ1と、を含み、
前記履歴位置パラメータは、
前記移動端末と前記磁北との間の履歴角度α2と、
前記移動端末が前記水平軸Xの周りに回転する回転角度β2と、
前記移動端末が前記水平軸Zの周りに回転する回転角度γ2と、を含み、
前記パラメータセット内の前記対象位置パラメータと前記履歴パラメータセット内の前記履歴位置パラメータとの間の前記位置変化を、式
【数1】
から計算した値を用いることによって決定する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パラメータセットは更に、
前記対象データの送信時間を含み、
前記事前設定条件を満たす前記パラメータセットは更に、前記移動端末がデータを送る時間間隔は事前決定時間長よりも短いことを含み、前記時間間隔は、前記対象データの前記送信時間と前記履歴パラメータセット内の履歴データの送信時間とによって決定される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記時間間隔を決定するプロセスが、
前記移動端末がデータを送る最後の時間を前記履歴データの前記送信時間として用いることと、
前記対象データの前記送信時間と前記履歴データの前記送信時間との間の時間差を前記時間間隔として決定することと、を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パラメータセットは更に、
前記移動端末の位置識別子を含み、
前記事前設定条件を満たす前記パラメータセットは更に、前記位置識別子により前記移動端末と履歴偽端末のセットとの位置とが事前設定範囲内にあることを含み、前記履歴偽端末のセットは1つ以上の履歴偽端末を含む、請求項1または3に記載の方法。
【請求項6】
前記履歴偽端末のセットは複数の履歴偽端末を含み、
隣接する履歴偽端末間の距離は事前設定距離閾値よりも短い、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記位置識別子は、
前記移動端末が前記対象データを送るときの前記移動端末の緯度及び経度データ、基地局識別子、及び/またはWIFIホットスポット識別子を含み、
前記位置識別子により前記移動端末と前記履歴偽端末のセットとの位置が前記事前設定範囲内にあると判定するプロセスが、
前記履歴偽端末のセットの緯度及び経度データを決定し、前記対象データを送る前記移動端末の前記緯度及び経度データと前記履歴偽端末のセットの前記緯度及び経度データとの間の距離を計算し、前記距離が事前設定距離閾値よりも短いと判定することに応えて、前記移動端末と前記履歴偽端末のセットとの前記位置が前記事前設定範囲内にあると判定すること、
前記履歴偽端末のセットの前記基地局識別子を決定し、前記対象データを送るために前記移動端末が用いる基地局の前記基地局識別子が、前記履歴偽端末のセットの前記基地局識別子と一致すると判定することに応えて、前記移動端末と前記履歴偽端末のセットとの前記位置が前記事前設定範囲内にあると判定すること、または
前記履歴偽端末のセットのWIFIホットスポット識別子を決定し、前記対象データを送るために前記移動端末が用いるWIFIホットスポットの前記WIFIホットスポット識別子が、前記履歴偽端末のセットの前記WIFIホットスポットと一致すると判定することに応えて、前記移動端末と前記履歴偽端末のセットとの前記位置が前記事前設定範囲内にあると判定すること、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記履歴偽端末のセットの前記緯度及び経度データは、前記履歴偽端末のセット内の種々の履歴偽端末の形状の中心点の緯度及び経度データを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基地局識別子はセルグローバル識別子(CGI)であり、
前記WIFIホットスポット識別子はサービス設定識別子(SSID)または基本サービスセット識別情報(BSSID)である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
更に、
前記履歴パラメータセットにより前記パラメータセットが前記事前設定条件を満たすと判定することに応えて、前記対象データは偽データであると判定した後に、
前記偽データをブロックすることと、
前記移動端末は偽端末であると判定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
更に、
前記パラメータセットが前記事前設定条件を満たさないと判定することに応えて、前記対象データに応えて、前記移動端末に応答情報を送ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記対象データは対象取引データであり、
前記履歴データは履歴取引データである
請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
移動端末によって実行されるデータ処理方法であって、
対象データを生成することであって、前記対象データはパラメータセットを保持し、前記パラメータセットは少なくとも前記移動端末の対象位置パラメータを含み、前記パラメータセットは前記対象データが偽データであると判定するための基礎であって、サーバが前記移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、前記履歴パラメータセットにより前記パラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、前記対象データは偽データであると判定し、前記履歴パラメータセットは少なくとも前記移動端末の履歴位置パラメータを含み、前記事前設定条件を満たす前記パラメータセットは、少なくとも、前記パラメータセット内の前記対象位置パラメータと前記履歴パラメータセット内の前記履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、生成することと、
前記対象データを前記サーバへ送ることと、を含む、前記方法。
【請求項14】
前記パラメータセットはまた、前記対象データの送信時間及び/または前記移動端末の位置識別子を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
更に、
前記サーバが送る応答情報を受信することを含み、
前記応答情報は、前記サーバが前記パラメータセットは前記事前設定条件を満たさないと判定した後に、前記対象データに応答するために前記サーバが送る、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記対象データは対象取引データであり、
前記履歴データは履歴取引データである
請求項13〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
データ処理装置であって、
移動端末が送る対象データを受信する対象データ受信モジュールであって、前記対象データはパラメータセットを保持し、前記パラメータセットは少なくとも前記移動端末の対象位置パラメータを含む、前記対象データ受信モジュールと、
前記移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得する履歴パラメータセット取得モジュールであって、前記履歴パラメータセットは少なくとも前記移動端末の履歴位置パラメータを含む、前記履歴パラメータセット取得モジュールと、
前記履歴パラメータセットにより前記パラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、前記対象データは偽データであると判定する偽データ判定モジュールであって、前記事前設定条件を満たす前記パラメータセットは、少なくとも、前記パラメータセット内の前記対象位置パラメータと前記履歴パラメータセット内の前記履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、前記偽データ判定モジュールと、を含む、前記データ処理装置。
【請求項18】
前記パラメータセットは更に、
前記対象データの送信時間を含み、
前記偽データ判定モジュールは更に、前記移動端末がデータを送る時間間隔が事前設定時間長よりも短いことを判定し、前記時間間隔は、前記対象データの前記送信時間と前記履歴パラメータセット内の前記履歴データの送信時間とによって決定される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記パラメータセットは更に、
前記移動端末の位置識別子を含み、
前記偽データ判定モジュールは更に、前記位置識別子により前記移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定し、前記履歴偽端末のセットは1つ以上の履歴偽端末を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
更に、
前記偽データをブロックするブロッキングモジュールと、
前記移動端末を偽端末と判定する偽端末判定モジュールと、を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
更に、
前記パラメータセットが前記事前設定条件を満たさないときに、前記対象データに応えて、前記移動端末に応答情報を送る応答情報送信モジュールを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記対象データは対象取引データであり、
前記履歴データは履歴取引データである
請求項17〜21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
データ処理装置であって、
対象データを生成する対象データ生成モジュールであって、前記対象データはパラメータセットを保持し、前記パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含み、前記パラメータセットは前記対象データが偽データであると判定するための基礎であって、サーバが前記移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、前記履歴パラメータセットにより前記パラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、前記対象データは偽データであると判定し、前記履歴パラメータセットは少なくとも前記移動端末の履歴位置パラメータを含み、前記事前設定条件を満たす前記パラメータセットは、少なくとも、前記パラメータセット内の前記対象位置パラメータと前記履歴パラメータセット内の前記履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、前記対象データ生成モジュールと、
前記対象データを前記サーバへ送る対象データ送信モジュールと、を含む、前記データ処理装置。
【請求項24】
更に、
前記サーバが送る応答情報を受信する応答情報送信モジュールであって、前記応答情報は、前記サーバが前記パラメータセットは前記事前設定条件を満たさないと判定した後に、前記対象データに応答するために前記サーバが送る応答情報送信モジュールを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記対象データは対象取引データであり、
前記履歴データは履歴取引データである
請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
データ処理システムであって、
移動端末と、
サーバと、を含み、
前記移動端末は対象データを生成して前記対象データを前記サーバへ送り、
前記サーバは、前記移動端末が送る前記対象データを受信し、前記対象データはパラメータセットを保持し、前記パラメータセットは少なくとも前記移動端末の対象位置パラメータを含み、前記移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、前記履歴パラメータセットは少なくとも前記移動端末の履歴位置パラメータを含み、前記履歴パラメータセットにより前記パラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、前記対象データは偽データであると判定し、前記事前設定条件を満たす前記パラメータセットは、少なくとも、前記パラメータセット内の前記対象位置パラメータと前記履歴パラメータセット内の前記履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、前記データ処理システム。
【請求項27】
前記対象データは対象取引データであり、
前記履歴データは履歴取引データである
請求項26に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「データ処理方法、装置、及びシステム」と題する2015年7月20日に出願の中国の特許出願第201510427882.4号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、インターネット技術の分野に関し、特にデータ処理方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワーク技術の発達に伴い、電子ビジネスプラットフォームが成熟して急速に発達しており、人々の生活における重要なショッピングチャンネルとなった。人々が電子ビジネスプラットフォームを通してショッピングするとき、通常、評判の高い店または大量販売の商品を好む。消費者のショッピング心理学を理解した後に、犯罪者が電子ビジネスプラットフォームに偽電子データを送って商店の信頼性を実現するかまたは高めることを、販売目的で行なう。
【0004】
移動端末の人気が高まるにつれ、犯罪者は、移動端末を用いて偽データを電子ビジネスプラットフォームに送って虚偽の取引などを実現して、商店または販売の信頼性を高めることを徐々に始めている。偽データを特定するための従来技術は、PCマシンが送る偽データを特定するのみである。したがって、移動端末が送る偽データを特定するための方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような事情にかんがみて、本開示では、移動端末が送信する偽データを特定することによって、電子ビジネスプラットフォームの普通の取引過程を維持するためのデータ処理方法及び装置を提供する。
【0006】
前述の目的を実現するために、本開示では以下の技術的解決法を提供する。
【0007】
本開示によって、データ処理方法であって、移動端末が送る対象データを受信することであって、対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含む、受信することと、移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得することであって、履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含む、取得することと、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定することであって、事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、判定することと、を含むデータ処理方法が提供される。
【0008】
好ましくは、対象位置パラメータは、移動端末と磁北との間の角度α1、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β1、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ1を含む。履歴位置パラメータは、移動端末と磁北との間の履歴角度α2、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β2、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ2を含む。
【0009】
したがって、対象位置パラメータと履歴位置パラメータとによって決定される位置変化を判定する。これには、式
【0010】
【数1】
【0011】
から起こる値を位置変化として用いることが含まれる。
【0012】
好ましくは、パラメータセットは対象データの送信時間も含む。事前設定条件を満たすパラメータセットは、移動端末がデータを送る時間間隔が事前決定時間長よりも短いことも含む。時間間隔は、対象データの送信時間と履歴パラメータセット内の履歴データの送信時間とによって決定する。
【0013】
好ましくは、時間間隔を決定することは、移動端末がデータを送る最後の時間を履歴データの送信時間として用いることを含む。対象データの送信時間と履歴データの送信時間との間の時間差。
【0014】
好ましくは、パラメータセットは移動端末の位置識別子も含む。事前設定条件を満たすパラメータセットは、位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあることも含む。履歴偽端末のセットは1つ以上の履歴偽端末を含む。
【0015】
好ましくは、履歴偽端末のセットが複数の履歴偽端末を含むとき、隣接する履歴偽端末間の距離は事前設定距離閾値よりも短い。
【0016】
好ましくは、位置識別子は、移動端末が対象データを送るときの移動端末の緯度及び経度データ、基地局識別子、及び/またはWIFIホットスポット識別子を含む。
【0017】
位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定することプロセスは、履歴偽端末のセットの緯度及び経度データを決定し、対象データを送る移動端末の緯度及び経度データと履歴偽端末のセットの緯度及び経度データとの間の距離を計算し、距離が事前設定距離閾値よりも短いと判定することに応えて、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定すること、履歴偽端末のセットの基地局識別子を決定し、対象データを送るために移動端末が用いる基地局の基地局識別子が、履歴偽端末のセットの基地局識別子と一致すると判定することに応えて、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定すること、または、履歴偽端末のセットのWIFIホットスポット識別子を決定し、対象データを送るために移動端末が用いるWIFIホットスポットのWIFIホットスポット識別子が、履歴偽端末のセットのWIFIホットスポットと一致すると判定することに応えて、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定すること、を含む。
【0018】
好ましくは、履歴偽端末のセットの緯度及び経度データは、履歴偽端末のセット内の種々の履歴偽端末の形状の中心点の緯度及び経度データを含む。
【0019】
好ましくは、基地局識別子はセルグローバル識別子(CGI)である。
【0020】
WIFIホットスポット識別子はサービス設定識別子SSIDまたは基本サービスセット識別情報(BSSID)である。
【0021】
好ましくは、パラメータセットが事前設定条件を満足する場合、対象データが偽データであると判定した後に、本方法は更に、偽データをブロックすることと、移動端末は偽端末であると判定することと、を含む。
【0022】
好ましくは、パラメータセットが事前設定条件を満足しない場合、対象データに応えて、移動端末に応答情報を送る。
【0023】
好ましくは、対象データは対象取引データであり、履歴データは履歴取引データである。
【0024】
本開示によって、別のデータ処理方法であって、対象データを生成することであって、対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含み、パラメータセットは対象データが偽データであると判定するための基礎であって、サーバが移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定し、履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含み、事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、生成することと、対象データをサーバへ送ることと、を含むデータ処理方法が提供される。
【0025】
好ましくは、パラメータセットは対象データの送信時間及び/または移動端末の位置識別子も含む。
【0026】
好ましくは、本方法は更に、サーバが送る応答情報を受信することを含む。応答情報は、サーバがパラメータセットは事前設定条件を満たさないと判定した後に、対象データに応答するためにサーバが送る。
【0027】
好ましくは、対象データは対象取引データであり、履歴データは履歴取引データである。
【0028】
好ましくは、本開示によって、データ処理装置であって、移動端末が送る対象データを受信する対象データ受信モジュールであって、対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含む、対象データ受信モジュールと、移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得する履歴パラメータセット取得モジュールであって、履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含む、履歴パラメータセット取得モジュールと、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定する偽データ判定モジュールであって、事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、偽データ判定モジュールと、を含むデータ処理装置が提供される。
【0029】
好ましくは、パラメータセットは対象データの送信時間も含む。
【0030】
偽データ判定モジュールは更に、移動端末がデータを送る時間間隔が事前設定時間長よりも短いことを判定する。時間間隔は、対象データの送信時間と履歴パラメータセット内の履歴データの送信時間とによって決定する。
【0031】
好ましくは、パラメータセットは移動端末の位置識別子も含む。偽データ判定モジュールは更に、位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあることを判定する。履歴偽端末のセットは1つ以上の履歴偽端末を含む。
【0032】
好ましくは、データ処理装置は更に、偽データをブロックするブロッキングモジュールと、移動端末を偽端末と判定する偽端末判定モジュールとを含む。
【0033】
好ましくは、データ処理装置はまた、パラメータセットが事前設定条件を満たさないときに、対象データに応えて、移動端末に応答情報を送る応答情報送信モジュールを含む。
【0034】
好ましくは、対象データは対象取引データであり、履歴データは履歴取引データである。
【0035】
本開示によって、別のデータ処理装置であって、対象データを生成する対象データ生成モジュールであって、対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含み、パラメータセットは対象データが偽データであると判定するための基礎であって、サーバが移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定し、履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含み、事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、対象データ生成モジュールと、対象データをサーバに送る対象データ送信モジュールと、を含む別のデータ処理装置が提供される。
【0036】
好ましくは、データ処理装置は、サーバが送る応答情報を受信する応答情報送信モジュールも含む。応答情報は、サーバがパラメータセットは事前設定条件を満たさないと判断した後に、対象データに応答するためにサーバが送る。
【0037】
好ましくは、対象データは対象取引データであり、履歴データは履歴取引データである。
【0038】
また本開示によって、移動端末とサーバとを含むデータ処理システムが提供される。
【0039】
移動端末は対象データを生成して対象データをサーバに送る。
【0040】
サーバは、移動端末が送る対象データを受信し、対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含み、移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含み、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定し、事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む。
【0041】
好ましくは、対象データは対象取引データであり、履歴データは履歴取引データである。
【0042】
本開示のデータ処理方法において、サーバは、移動端末が送るパラメータセットを保持する対象データを受信する。パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含む。対象位置パラメータと履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいと判定することに応えて、サーバは、パラメータセットが事前設定条件を満たすと判定し、対象データを偽データと判定する。
【0043】
このプロセスでは、位置変化の変化量が事前設定変化閾値よりも小さいということは、移動端末が対象データを送る位置が、移動端末が対象データをサーバに履歴的に送る位置と比べてほとんど変化しないことを示す。移動端末の位置は移動端末の通常使用のプロセスの間に頻繁に変化するため、移動端末が送る対象データが位置変化を伴わない場合、偽データとみなす。次に、偽データを送る移動端末を特定し、その結果、データ処理の公正及び効率が確保される。
【0044】
本開示の実施形態における技術的解決法または従来技術の実施形態をより明瞭に例示するために、添付図面では、実施形態を説明する際に用いる必要がある実施形態または従来技術を簡単に説明している。明らかに、以下の説明における図面は、本開示の実施形態のいくつかを表すのみである。当業者であれば、創造的取り組みを伴うこと無く、これらの図面から他の図面を導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本開示の実施形態例によるデータ処理方法を例示するフローチャートである。
図2】本開示の実施形態例による移動端末の位置パラメータを例示する略図である。
図3】本開示の実施形態例による時間間隔を決定するための方法を例示するフローチャートである。
図4】本開示の実施形態例による時間間隔を決定するための別の方法を例示するフローチャートである。
図5】本開示の実施形態例により位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定するための方法を例示するフローチャートである。
図6】本開示の実施形態例により位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定するための別の方法を例示するフローチャートである。
図7】本開示の実施形態例により位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定するための別の方法を例示するフローチャートである。
図8】本開示の実施形態例により位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定するための別の方法を例示するフローチャートである。
図9】本開示の実施形態例により履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定するための方法を例示するフローチャートである。
図10】本開示の実施形態例による別のデータ処理方法を例示するフローチャートである。
図11】本開示の実施形態例による別のデータ処理方法を例示するフローチャートである。
図12】本開示の実施形態例によるデータ処理装置を例示する略図である。
図13】本開示の実施形態例による別のデータ処理装置を例示する略図である。
図14】本開示の実施形態例による別のデータ処理装置を例示する略図である。
図15】本開示の実施形態例によるデータ処理システムを例示する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示の図面とともに、本開示の実施形態例における技術的解決法を以下に、明瞭かつ完全に説明する。明らかに、説明する実施形態例は本開示の実施形態のすべてではなく単に一部である。創造的取り組みを用いることなく当業者によって得られる他の実施形態はすべて、本開示の保護の範囲内である。
【0047】
本開示のデータ処理方法の核となる考え方は、移動端末が保持するパラメータセットの比較結果または計算結果を用いることを、対象データと履歴パラメータセットとを送ってパラメータセットが事前設定条件を満たすか否かを判定し、更に、送った対象データが偽データであるか否かを判定するときに行ない、その結果、移動端末が偽データを送ったか否かを確認する目的を達成するということである。
【0048】
本開示では、移動端末の対象位置パラメータを最も重要なパラメータとして選択する。なぜならば、実生活では、何らかの手段によってPCを用いて複数の移動端末(各移動端末は、対応するアカウントを用いて偽データを送る)を制御することがすでに存在しているからである。調査後、発明者は、このシナリオの下では、複数の移動端末は典型的にテーブル上に配置されているかまたは壁に固定されていることが分かった。これらは、ほとんどの場合に静止状態にあり、それらの位置はそれほど変化しない。同じ移動端末の位置パラメータが、移動端末がデータをサーバに送る隣接する2つ以上の時間において全くまたは殆ど変化しない場合、移動端末は、データを送るときにステータス変化があったとみなし、更に、PCが制御する偽データを送る偽端末とみなす。したがって、このような移動端末が送るデータは偽データとみなす。
【0049】
したがって、本開示ではこのような特徴を用いて、対象位置パラメータを特定基準用の基礎として設定する。パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含む。
【0050】
本開示によってデータ処理方法のプロセスが提供される。図1を参照して、データ処理方法をサーバに適用する。この方法は以下を含む。
【0051】
ステップS101:移動端末が送る対象データを受信する。
【0052】
対象データはパラメータセットを保持している。パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含む。
【0053】
対象位置パラメータは、端末が対象データを送るときのポストパラメータを指す。位置パラメータは複数の形式を有していてもよい。例えば、位置パラメータは端末と水平表面との間の角度(例えば30°)であってもよい。または、より厳密に言えば、パラメータは、移動端末と磁北との間の角度α1、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β1、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ1を含む。これを図2に示す。
【0054】
ステップS102:移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得する。履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含む。移動端末に対応する履歴データは、移動端末が対象データを送る時間の前のデータ対話プロセスの間に移動端末とサーバとの間で送信されるデータであり、このようなデータが送信される度にパラメータセットが保持される。このようなパラメータセットを履歴パラメータセットとして規定する。履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含む。履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータは、移動端末が最後にデータをサーバに送るときの最後の位置パラメータのみ、移動端末がデータをサーバに送るときの事前設定数の位置パラメータ、または移動端末がデータをサーバに送るときのすべての位置パラメータを含んでいてもよい。
【0055】
ステップS103:履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データを偽データと判定する。
【0056】
履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすか否かを判定するプロセスは主に、2つのパラメータセット内の同じタイプのパラメータを分析または計算することによって実現される。この実施形態例では、パラメータセットは少なくとも対象位置パラメータを含む一方で、履歴パラメータセットは少なくとも履歴位置パラメータを含む。事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む。
【0057】
位置パラメータは端末と水平面との間の角度であり、対象位置パラメータが30°で履歴位置パラメータが45°であると仮定すると、位置変化は15°である。ここで、本開示は、どの値を被減数または減数として用いるかは限定しない。そのため、計算結果は正または負の符号を有しておらず、このような値が2つの間の差を反映する限り、絶対値が求められる。事前設定変化閾値が20°であると仮定すると、位置変化は事前設定変化閾値よりも小さいため、パラメータセットはこの閾値を満たし、したがって、対象データは偽データである。
【0058】
対象位置パラメータが、移動端末と磁北との間の角度α1、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β1、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ1を含み、履歴位置パラメータが、移動端末と磁北との間の履歴角度α2、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β2、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ2を含む場合、3次元空間の回転の角度変化Δから得られる計算結果
【0059】
【数2】
【0060】
を位置変化として用いる。事前設定変化閾値を10°と設定してもよい。
【0061】
本開示は、前述の式を用いて位置変化を計算することに限定されない。例えば、α1とα2、β1とβ2、γ1とγ2との間の差を計算して、3つの差の平均値を位置変化として用いる。
【0062】
本開示のデータ処理方法では、サーバは、移動端末が送るパラメータセットを保持する対象データを受信する。パラメータセットは、少なくとも、移動端末が対象データをサーバに送るときの対象位置パラメータを含む。対象位置パラメータと履歴位置パラメータとの間の位置変化値が事前設定変化閾値よりも小さいとき、移動端末が今回対象データを送る位置は、移動端末が対象データをサーバに履歴的に送る位置からほとんど変化していない。通常使用時の移動端末の位置は頻繁に変化するため、移動端末の位置が変化しないときに送られる対象データは偽データとみなし、更に、移動端末を偽端末であると特定する。
【0063】
更に、パラメータセットは対象データの送信時間も含む。事前設定条件を満たすパラメータセットはまた、移動端末がデータを送る時間間隔が事前決定時間長よりも短いことを含む。時間間隔は、対象データの送信時間と履歴パラメータセット内の履歴データの送信時間とによって決定する。
【0064】
本技術では、移動端末がデータを送る時間間隔を判定条件として計算する。なぜならば、発明者は、犯罪者が移動端末を頻繁に制御して電子ビジネスプラットフォーム上で注文することを見出したからである。したがって、時間間隔が短い場合、注文頻度は高くなり、偽データを送る特徴に適合する。そのため、本技術では、移動端末がデータを送る時間間隔が事前設定時間長よりも短いことを別の判定条件として用い、このような条件を、位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいという条件とともに用いる。両方の条件が満足されるとき、パラメータセットは事前設定条件を満たすと判定され、したがって、対象6データは偽データである。
【0065】
実施形態例では、時間間隔を決定するプロセスは図3に示すようであってもよく、以下を含む。
【0066】
ステップS301:移動端末がデータを送る最後の時間を履歴データの送信時間として決定する。
【0067】
移動端末がデータを送る最後の時間をt1、対象データの送信時間をt2と仮定する。
【0068】
ステップS302:対象データの送信時間と履歴データの送信時間との間の時間差を時間間隔と決定する。
【0069】
δT=t2−t1
【0070】
本開示は、時間間隔の決定を図3に示す本方法によって行なうことのみに限定されない。図4に示すような方法を用いてもよく、以下を含む。
【0071】
ステップS401:履歴データの送信時間が複数あるときには、隣接する履歴データの送信時間の時間間隔をそれぞれ計算する。
【0072】
ステップS402:対象データの送信時間と移動端末がデータを送る最後の時間との間の時間間隔を計算する。
【0073】
ステップS403:すべての時間間隔の平均値を計算する。平均値を移動端末がデータを送る時間間隔として用いる。
【0074】
本開示は、前述の2つの方法を用いて時間間隔を取得することに限定されない。移動端末がデータを送る頻度の時間間隔値を計算するどんな方法も本開示の保護範囲内である。図3に示す方法と比べて、図4に示す方法では平均値を用いて時間間隔を決定する。これには、移動端末がデータを時間内に送る頻度がより正確に反映される。
【0075】
前述の実施形態例のいずれかに基づいて、本開示のパラメータセットはまた、移動端末の位置識別子を含んでいてもよい。
【0076】
事前設定条件を満たすパラメータセットはまた、位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあることを含む。履歴偽端末のセットは1つ以上の履歴偽端末を含む。履歴偽端末のセットが複数の履歴偽端末を含むとき、隣接する履歴偽端末間の距離は事前設定距離閾値よりも短い。
【0077】
本開示では、移動端末と履歴偽端末のセットとの間の位置関係を用いる。発明者がこのような条件を選ぶ理由は、発明者が調査中に次のことを見出したからである。すなわち、PCマシンを用いて複数の移動端末を制御して偽データを送るプロセスの間、複数の移動端末を制御ケーブルまたは無線ローカルエリアネットワークを通してPCと接続する必要があるということである。したがって、複数の移動端末の位置は近くて、近距離内である。したがって、いくつかの履歴偽端末が決定されて履歴偽端末のセットとして用いられるとき、1つの特定の移動端末と履歴偽端末のセット内の履歴偽端末との位置が事前設定範囲にある場合、移動端末と履歴偽端末との位置は近いとみなし、その結果、移動端末も偽データを送る端末とみなす。
【0078】
実施形態例では、位置識別子は、移動端末が対象データを送るときの移動端末の緯度及び経度データ、基地局識別子、及び/またはWIFIホットスポット識別子を含む。
【0079】
位置識別子が、端末がデータを送るときの緯度及び経度データであるとき、履歴パラメータセットに含まれる位置識別子は、履歴偽端末のセット内の偽端末がデータを送るときの緯度及び経度データを含む。次に、位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定することプロセスは図5に示すようであってもよく、以下を含む。
【0080】
ステップS501:履歴偽端末のセットの緯度及び経度データを決定する。
【0081】
ステップS502:移動端末が対象データを送るときの緯度及び経度データと履歴偽端末のセットの緯度及び経度データとの間の差を計算する。
【0082】
ステップS503:距離が事前設定距離閾値よりも短いか否かを判定する。結果が肯定である場合、ステップS504を行なう。そうでない場合は、ステップS505を行なう。
【0083】
事前設定距離閾値を5cmに設定してもよいし、または実際の状況により設定してもよい。
【0084】
ステップS504:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定する。
【0085】
ステップS505:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にないと判定する。
【0086】
この実施形態例では、履歴偽端末のセットの緯度及び経度データは、事前決定偽端末の緯度及び経度データであってもよいし、または履歴偽端末のセット内の種々の履歴偽端末を覆う形状の中心の緯度及び経度データであってもよい。このような形状は、すべての履歴偽端末を覆いそれらの中心が確かめられる限り、円、正方形、または他の形状であってもよく、これらは本開示の保護範囲内である。
【0087】
位置識別子が、端末がデータを送るときの基地局の基地局識別子であるとき、履歴パラメータセットに含まれる位置識別子は、履歴偽端末のセット内の偽端末がデータを送るときの基地局の基地局識別子を含む。次に、位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定することプロセスは図6に示すようであってもよく、以下を含む。
【0088】
ステップS601:履歴偽端末のセットの基地局識別子を決定する。
【0089】
基地局識別子はCGIである。
【0090】
ステップS602:移動端末が対象データを送るときの基地局の基地局識別子が、履歴偽端末のセットがデータを送るときの基地局の基地局識別子と一致するか否かを判定する。結果が肯定である場合、ステップS603を行ない、そうでない場合は、ステップS604を行なう。
【0091】
ステップS603:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定する。
【0092】
ステップS604:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にないと判定する。
【0093】
位置識別子が、移動端末がデータを送るときに経由するWIFIホットスポットのWIFIホットスポット識別子であるとき、履歴パラメータセットに含まれる位置識別子には、履歴偽端末のセット内の偽端末がデータを送るときに経由するWIFIホットスポットのWIFIホットスポット識別子が含まれる。次に、位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定することプロセスは図6に示すようであってもよく、以下を含む。
【0094】
ステップS701:履歴偽端末のセットのWIFIホットスポット識別子を決定する。
【0095】
WIFIホットスポット識別子はSSIDまたはBSSIDである。
【0096】
ステップS702:移動端末が対象データを送るときに経由するWIFIホットスポットのWIFIホットスポット識別子が、履歴偽端末のセットがデータを送るときに経由するWIFIホットスポットのWIFIホットスポット識別子と一致するか否かを判定する。結果が肯定である場合、ステップS703を行ない、そうでない場合は、ステップS704を行なう。
【0097】
ステップS703:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定する。
【0098】
ステップS704:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にないと判定する。
【0099】
前述の実施形態例は、位置識別子が1つの形式のみを含む観点からの説明である。実際の応用例では、位置識別子は前述の3つの形式のうちの任意の2つまたはすべての組み合わせを含んでいてもよい。このような状況下では、本技術は、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあるか否かを判定するときに、3つの状況の判定結果を包括的に考慮する。例えば、位置識別子が、移動端末が対象データを送るときの緯度及び経度データと基地局識別子とを含むとき、判定プロセスは図8に示すようであってもよく、以下を含む。
【0100】
ステップS801:履歴偽端末のセットの基地局識別子を決定する。
【0101】
ステップS802:移動端末が対象データを送るときに経由する基地局の基地局識別子が、履歴偽端末のセットがデータを送るときに経由する基地局の基地局識別子と一致するか否かを判定する。結果が肯定である場合、ステップS803を行ない、そうでない場合は、ステップS807を行なう。
【0102】
ステップS803:履歴偽端末のセットの緯度及び経度データを決定する。
【0103】
ステップS804:移動端末が対象データを送るときの緯度及び経度データと履歴偽端末のセットの緯度及び経度データとの間の差を計算する。
【0104】
ステップS805:距離が事前設定距離閾値よりも短いか否かを判定する。結果が肯定である場合、ステップS806を行ない、そうでない場合は、ステップS807を行なう。
【0105】
ステップS806:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定する。
【0106】
ステップS807:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にないと判定する。
【0107】
図8に示すような実施形態例では、位置識別子は、移動端末が対象データを送るときの経度及び緯度データと基地局識別子とを含む。これらの2つのパラメータを解析すれば、緯度及び経度データはより直接的な判定パラメータであり、基地局識別は、移動端末が基地局の有効範囲にあるか否かによって間接的に判断されるパラメータであることが明らかとなる。加えて、基地局の有効範囲は広い範囲であり、緯度及び経度データは非常に特殊なパラメータ値である。これらの2つのパラメータの特徴と組み合わせて、図8に示すような実施形態例では、本技術は最初に、移動端末が対象データを送るときの基地局の基地局識別子が、履歴偽端末のセットの基地局の基地局識別子と一致するか否かを判定して、移動端末と履歴偽端末のセットとが同じ基地局の有効範囲内にあるかどうかを判定する。2つが一致しない場合、2つの間の差は遠く離れているとみなして、事前設定範囲内にないと直接判定する。したがって、以下の計算プロセスを行なう必要がない。2つが一致する場合、本技術では更に、緯度及び経度データにより2つの間の距離が事前設定範囲内にあるか否かを判定して、2つが非常に近い状態にあるか否かを判定する。すなわち、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定されるのは、2つの判定条件が両方とも満足されるときのみであり、プロセスの精度及び信頼性が向上する。
【0108】
この実施形態例では、位置識別子は、移動端末が対象データを送るときの基地局の経度及び緯度データと基地局識別子とのみを、一例として含む。本開示は前述のプロセスに従って行なうことに限定されない。2つの判定条件を同時に判定してもよい。判定結果が、基地局識別子が一致していて距離が事前設定距離値よりも短いというとき、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置は事前設定範囲内にある。
【0109】
位置識別子が、移動端末が対象データを送るときの移動端末の緯度及び経度データ、基地局識別子、及びWIFIホットスポット識別子を含むとき、3つの判定プロセスのシーケンスを実際の状況により設定してもよい。または、3つの判定プロセスのシーケンスは限定されない。3つの判定プロセスを同時に判定してもよい。基地局識別子が一致し、WIFIホットスポット識別子が一致し、距離が事前設定距離閾値よりも短いとき、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置は事前設定範囲内にあると判定される。または、いずれか2つの条件が満足される場合、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定する。図8は単に説明例であり、詳細な実施プロセスを限定するために用いてはならない。
【0110】
もちろん、本開示は、位置識別子を前述の3つの形式のみに限定されるものではなく、GPRSを用いることによって移動端末が対象データを送るときの位置情報を用いてもよい。
【0111】
前述の実施形態例に基づいて、本開示が開示するパラメータセットは、対象位置パラメータ、対象データの送信時間、及び/または移動端末の位置識別子を含む。対象位置パラメータを他の2つのパラメータと任意に組み合わせてもよい。例えば、パラメータセットは対象位置パラメータと対象データの送信時間とを含む。代替的に、パラメータは、対象位置パラメータ、対象データの送信時間、及び/または移動端末の位置識別子を含む。代替的に、パラメータセットは、対象位置パラメータと移動端末の位置識別子とを含む。パラメータセットが異なるコンテンツを含むとき、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定するプロセスも異なる。この実施形態例では、パラメータセットは、対象位置パラメータ、対象データの送信時間、及び移動端末の位置識別子(プロセスを例示するために一例として用いる)を含む。特定のプロセスは図9に示すようであってもよく、以下を含む。
【0112】
ステップS901:対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいか否か。結果が肯定である場合、ステップS902を行ない、そうでない場合は、ステップS905を行なう。
【0113】
履歴位置パラメータに含まれるのは、端末と水平表面との間の角度(例えば、30°)、またはより厳密に言えば、移動端末と磁北との間の角度α1、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β1、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ1である。
【0114】
ステップS902:移動端末がデータを送る時間間隔が事前設定時間長よりも短いか否かを判定する。結果が肯定である場合、ステップS903を行ない、そうでない場合は、ステップS905を行なう。
【0115】
このようなプロセスは、図2または図3に示すような実施形態例を参照してもよい。
【0116】
ステップS903:移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあるか否かを判定する。結果が肯定である場合、ステップS904を行ない、そうでない場合は、ステップS905を行なう。
【0117】
このようなステップは図3〜7から示すような実施形態例を参照してもよい。
【0118】
ステップS904:パラメータセットが事前設定条件を満たす。
【0119】
ステップS905:パラメータセットが事前設定条件を満たさない。
【0120】
同様に、本開示では、位置パラメータセット、対象データの送信時間、及び移動端末の位置識別子を一例として含むパラメータセットのみを用いて、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすことを判定するプロセスを例示し、前述の方法を用いて、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすことを判定するプロセスを実施することに限定されない。3つのパラメータの判定プロセスのシーケンスを決定しない。3つのパラメータを同時に決定してもよい。すべてのパラメータが条件を満たすとき、または2つ若しくは1つのパラメータが条件を満たすとき、パラメータセットは事前設定条件を満たすと判定される。
【0121】
加えて、本開示は、パラメータセットが前述の3つのパラメータのみを含むことに限定されない。パラメータセットは、対象データ内の商人識別情報または製品識別情報を含んでいてもよい。本技術では、商人識別情報または製品識別情報の出現回数が事前設定数閾値を超えるか否かを判定する。偽プロセスでは、同じ商人または製品が複数回繰り返して訪問または購入されることがある。対象データ内の商人識別情報または製品識別情報の出現回数が事前設定数閾値を超えたとき、このようなデータは偽データと判定する。
【0122】
本開示が開示した前述の方法では、対象データを偽データと判定した後で、本方法は以下の処理プロセスも含む(図10に示す)。
【0123】
ステップS1001:偽データをブロックする。
【0124】
偽データをブロックしてもよいし、処理しなくてもよいし、または削除してもよい。
【0125】
ステップS1002:偽端末を偽端末と判定する。
【0126】
偽データを送る移動端末を偽端末と規定しているため、偽端末が送るデータを再び受信したとき、このようなデータは偽データであると直接判定される。代替的に、このような端末を履歴偽端末のセット内に加えて、以下のデータ処理において偽データを特定することを助ける。
【0127】
パラメータセットが事前設定条件を満たしていないと判定した後で、対象データに応えて、移動端末に応答情報を送る。
【0128】
また本開示によって、前述のデータ処理方法に対応する移動端末において適用されるデータ処理方法が提供される。これは図11に示され、以下を含む。
【0129】
ステップS1101:対象データを生成する。
【0130】
対象データはパラメータセットを保持する。パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含む。パラメータセットは対象データが偽データであることを判定するための基礎であって、サーバが移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定する。履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含む。事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいことを含む。
【0131】
加えて、パラメータセットはまた、対象データの送信時間及び/または移動端末の位置識別子を含む。パラメータセットはまた、対象データ内の商人識別情報及び/または製品識別情報を含んでいてもよい。本技術では、商人識別情報または製品識別情報の出現回数が事前設定数閾値を超えるか否かを判定する。
【0132】
位置識別子としては、限定することなく、移動端末が対象データを送るときの経度及び緯度データ、基地局の基地局識別子、及びWIFIホットスポットのWIFIホットスポット識別情報が挙げられる。
【0133】
もちろん、本開示は、位置識別子を前述の3つの形式のみに限定されるものではなく、GPRSを用いることによって移動端末が対象データを送るときの位置情報を用いてもよい。
【0134】
ステップS1102:対象データをサーバに送る。
【0135】
本開示のデータ処理方法では、移動端末は対象データとともにパラメータセットを送る。パラメータセットは、少なくとも、移動端末が対象データをサーバに送るときの対象位置パラメータを含むため、サーバは、パラメータセットを用いることによって対象データは偽データであると判定する。
【0136】
更に、本方法はまた以下を含む。
【0137】
ステップS1103:履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たさないとき、サーバによって送られる応答情報を受信する。
【0138】
図1〜11から示すような実施形態例では、対象データは対象取引データであってもよい。履歴データは履歴取引データであってもよい。すなわち、移動端末がサーバとの取引を行なうとき、サーバは、移動端末が送る取引データが虚偽の取引データであるか否かを判定する。
【0139】
本開示によって、図12に示す構造を有するデータ処理装置が提供される。これは、移動端末が送る対象データを受信する対象データ受信モジュール1201を含む。対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含む。
【0140】
対象位置パラメータは、端末が対象データを送るときのポストパラメータを指す。位置パラメータは複数の形式を有していてもよい。例えば、位置パラメータは端末と水平表面との間の角度(例えば30°)であってもよい。または、より厳密に言えば、パラメータは、移動端末と磁北との間の角度α1、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β1、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ1を含む。これを図2に示す。
【0141】
位置パラメータが端末と水平面との間の角度である場合、対象位置パラメータが30°であり、履歴位置パラメータが45°であると仮定すると、位置変化は15°である。ここで、本開示は、どの値を被減数または減数として用いるかは限定しない。そのため、計算結果は正または負符号を有しておらず、このような値が2つの間の差を反映する限り、絶対値が求められる。事前設定変化閾値は20°であると仮定すると、位置変化は事前設定変化閾値よりも小さいため、パラメータセットはこの閾値を満たし、したがって、対象データは偽データである。
【0142】
対象位置パラメータが、移動端末と磁北との間の角度α1、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β1、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ1を含み、履歴位置パラメータが、移動端末と磁北との間の履歴角度α2、移動端末が水平軸Xの周りに回転する回転角度β2、移動端末が水平軸Zの周りに回転する回転角度γ2を含む場合、3次元空間の回転の角度変化Δから得られる計算結果
【0143】
【数3】
【0144】
を位置変化として用いる。事前設定変化閾値を10°と設定してもよい。
【0145】
本開示は、前述の式を用いて位置変化を計算することに限定されない。例えば、α1とα2、β1とβ2、γ1とβ2との間の差を計算して、3つの差の平均値を位置変化として用いる。
【0146】
データ処理装置はまた、移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得する履歴パラメータセット取得モジュール1202を含んでいてもよい。履歴パラメータセットは、少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含む。
【0147】
移動端末に対応する履歴データは、移動端末が対象データを送る時間の前のデータ対話プロセスの間に移動端末とサーバとの間で送信されるデータであり、このようなデータが送信される度にパラメータセットが保持される。このようなパラメータセットを履歴パラメータセットとして規定する。履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含む。履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータは、移動端末が最後にデータをサーバに送るときの最後の位置パラメータのみ、移動端末がデータをサーバに送るときの事前設定数の位置パラメータ、または移動端末がデータをサーバに送るときのすべての位置パラメータを含んでいてもよい。
【0148】
データ処理装置はまた、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定する偽データ判定モジュール1203であって、事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、偽データ判定モジュール1203を含んでいてもよい。
【0149】
パラメータセットはまた、対象データの送信時間を含んでいてもよい。
【0150】
偽データ判定モジュール1203は更に、移動端末がデータを送る時間間隔が事前設定時間長よりも短いと判定する。時間間隔は、対象データの送信時間と履歴パラメータセット内の履歴データの送信時間とによって決定する。
【0151】
移動端末がデータを送る最後の時間を履歴データの送信時間と決定してもよい。移動端末がデータを送る最後の時間をt1、対象データの送信時間をt2と仮定すると、対象データの送信時間と履歴データの送信時間との間の時間差を時間間隔と決定する。
【0152】
代替的に、履歴データの送信時間が複数あるときには、履歴データの隣接する送信時間の時間間隔をそれぞれ計算する。対象データの送信時間と移動端末がデータを送る最後の時間との間の時間間隔を計算する。すべての時間間隔の平均値を計算する。平均値を移動端末がデータを送る時間間隔として用いる。
【0153】
前述の実施形態例に基づいて、パラメータセットはまた、移動端末の位置識別子を含んでいてもよい。
【0154】
偽データ判定モジュール1203は更に、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあるか否かを判定する。履歴偽端末のセットは1つ以上の履歴偽端末を含む。
【0155】
実施形態例では、位置識別子は、移動端末が対象データを送るときの緯度及び経度データ、基地局識別子、及び/または移動端末のWIFIホットスポット識別子を含む。
【0156】
位置識別子により移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定することプロセスは、履歴偽端末のセットの緯度及び経度データを決定し、対象データを送る移動端末の緯度及び経度データと履歴偽端末のセットの緯度及び経度データとの間の距離を計算し、距離が事前設定距離閾値よりも短いと判定することに応えて、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定すること、履歴偽端末のセットの基地局識別子を決定し、対象データを送るために移動端末が用いる基地局の基地局識別子が、履歴偽端末のセットの基地局識別子と一致すると判定することに応えて、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定すること、または履歴偽端末のセットのWIFIホットスポット識別子を決定し、対象データを送るために移動端末が用いるWIFIホットスポットのWIFIホットスポット識別子が、履歴偽端末のセットのWIFIホットスポットと一致すると判定することに応えて、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置が事前設定範囲内にあると判定すること、を含む。
【0157】
詳細なプロセスは、図3〜7に示すような実施形態例を参照してもよい。
【0158】
代替的に、前述の2つまたは3つの判定プロセスのうちのいずれかを組み合わせて、その後に判定する判定プロセスのシーケンスを設定して、結果を取得してもよい。代替的に、判定プロセスのシーケンスを限定せず、判定プロセスを同時に行なってもよい。移動端末と履歴偽端末のセットとの基地局識別子が一致し、移動端末と履歴偽端末のセットとのWIFIホットスポット識別子が一致し、移動端末と履歴偽端末のセットとの間の距離が事前設定距離閾値よりも短いとき、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置はこの範囲内にある。または、条件のうちいずれか2つが満足される場合、移動端末と履歴偽端末のセットとの位置はこの範囲内にある。
【0159】
前述の実施形態例から明らかなように、本開示が開示したパラメータセットは、対象位置パラメータ、対象データの送信時間、及び/または移動端末の位置識別子を含む。対象位置パラメータを他の2つのパラメータと任意に組み合わせてもよい。例えば、パラメータセットは対象位置パラメータと対象データの送信時間とを含む。代替的に、パラメータセットは、対象位置パラメータ、対象データの送信時間、及び移動端末の位置識別子を含む。代替的に、パラメータセットは対象位置パラメータと移動端末の位置識別子とを含む。パラメータセットに含まれるコンテンツが異なるとき、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定するプロセスも異なる。これは、図9に示すようなプロセスを参照してもよい。
【0160】
更に、データ処理装置の構造は図13に示すようであってもよい。図12に示すようなモジュールに加えて、図13に示すようなデータ処理装置は更に、偽データをブロックするブロッキングモジュール1301と、移動端末を偽端末と判定する偽端末判定モジュール1302と、パラメータセットが事前設定条件を満たさないときに、対象データに応えて、移動端末に応答情報を送る応答情報送信モジュール1303と、を含んでいてもよい。
【0161】
本開示が開示するデータ処理装置はサーバにおいて適用され、移動端末が送るパラメータセットを保持する対象データを受信する。パラメータセットは、少なくとも、移動端末が対象データをサーバに送るときの対象位置パラメータを含む。対象位置パラメータと履歴位置パラメータとの間の位置変化値が事前設定変化閾値よりも小さいとき、移動端末が今回対象データを送る位置は、移動端末が対象データをサーバに履歴的に送る位置からほとんど変化していない。通常使用時の移動端末の位置は頻繁に変化するため、移動端末の位置が変化しないときに送られる対象データは偽データとみなす。
【0162】
対応して、本開示によって、移動端末において適用されるデータ処理装置が提供される。その構造は、図14に示すようであってもよく、対象データを生成する対象データ生成モジュール1401であって、対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含み、パラメータセットは対象データが偽データであると判定するための基礎であって、サーバが移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定し、履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含み、事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいということを含む、対象データ生成モジュール1401と、対象データをサーバに送る対象データ送信モジュール1402と、を含む。
【0163】
更に、データ処理装置はまた、サーバが送る応答情報を受信する応答情報受信モジュール1403を含んでいてもよい。応答情報は、サーバがパラメータセットは事前設定条件を満たさないと判断した後に対象データに応答するためにサーバが送る。
【0164】
移動端末におけるデータ処理装置は、サーバにおけるデータ処理装置と協同して、偽データを特定するという目的を実現してもよい。
【0165】
図12〜14に示すような実施形態例では、対象データは対象取引データであってもよい。履歴データは履歴取引データであってもよい。すなわち、移動端末がサーバとの取引を行なうとき、サーバは、移動端末が送る取引データが虚偽の取引データであるか否かを判定する。
【0166】
また本開示によってデータ処理システムが提供される。図15に示すように、データ処理プロセスは移動端末1501とサーバ1502とを含む。
【0167】
移動端末1501は対象データを生成して対象データをサーバに送る。移動端末は携帯電話、タブレットであってもよい。この実施形態例では携帯電話を一例として用いる。
【0168】
サーバ1502は、移動端末が送る対象データを受信し、対象データはパラメータセットを保持し、パラメータセットは少なくとも移動端末の対象位置パラメータを含み、移動端末に対応する履歴データ内の履歴パラメータセットを取得し、履歴パラメータセットは少なくとも移動端末の履歴位置パラメータを含み、履歴パラメータセットによりパラメータセットが事前設定条件を満たすと判定することに応えて、対象データは偽データであると判定する。事前設定条件を満たすパラメータセットは、少なくとも、パラメータセット内の対象位置パラメータと履歴パラメータセット内の履歴位置パラメータとの間の位置変化が事前設定変化閾値よりも小さいことを含む。データ処理システムの動作プロセスは前述の方法実施形態を参照してもよい。
【0169】
本開示によって提供されるデータ処理システムでは、移動端末は対象データとともにパラメータセットを送るため、サーバは履歴データ内の履歴パラメータセットを用いて、パラメータセットが事前設定条件を満たすか否かを判定する。パラメータセットが事前設定条件を満たすとき、対象データを偽データと判定し、その結果、データ処理プロセスの公正及び有効性が確保される。
【0170】
図15に示すような実施形態例では、対象データは対象取引データであってもよい。履歴データは履歴取引データであってもよい。すなわち、移動端末がサーバとの取引を行なうとき、サーバは、移動端末が送る取引データが虚偽の取引データであるか否かを判定する。
【0171】
実施形態例の方法で説明した機能を、ソフトウェア機能ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売または使用される場合、コンピューティング装置読取可能な記憶媒体に記憶してもよい。このような理解に基づいて、従来技術または技術的解決法の一部に寄与する本開示の実施形態例の一部を、記憶媒体に記憶させたソフトウェア製品の形態で具体化してもよい。これには、コンピューティング装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、モバイルコンピューティング装置、またはネットワーク装置であってもよい)に、本開示の各実施形態で説明した本方法のステップの全部または一部を行なわせるためのいくつかの命令が含まれる。前述の記憶媒体としては、プログラムコードを記憶することができる種々の媒体が挙げられる。例えば、USBフラッシュディスク、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、または光ディスクである。
【0172】
本開示における実施形態例を進歩的な方法で説明している。各実施形態は他の実施形態との違いに焦点を当てており、実施形態間の同じまたは同様の部分は互いに参照してもよい。
【0173】
開示した実施形態例の前述の説明によって、当業者であれば本開示を作るかまたは用いることができる。これらの実施形態例に対する種々の変更が当業者には容易に明らかであり、本明細書で規定した一般的な原理を、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態で具体化してもよい。したがって、本開示は、本明細書で示したこれらの実施形態例には限定されず、むしろ本明細書で開示した原理及び新規特徴と一致する最も広い範囲を包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15