【文献】
Huawei, HiSilicon,Remaining issues for ProSe UE-to-Network relay procedure[online],3GPP TSG-RAN WG2#92 R2-156525,2015年11月 7日,[検索日2020.01.29], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_92/Docs/R2-156525.zip>, 特に2.3節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第2判定基準を満たし、かつ、前記所定セルのカバレッジエリアを判定するための第1判定基準を満たさない場合に、前記第2の制御を実行する請求項2に記載の無線端末。
前記制御部は、前記セルの識別子が前記所定セルを示さない場合、前記他の無線端末が在圏する前記セルから前記下りリンク情報を受信するための動作を実行する請求項9に記載の無線端末。
前記第2の制御が実行される場合、前記リレー端末を介して前記上りリンク情報を前記所定セルへ送るための第1ベアラと、前記下りリンク情報を前記所定セルから直接受け取るための第2ベアラとが確立され、
前記第1ベアラと前記第2ベアラとは異なる請求項1に記載の無線端末。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態の概要]
一の実施形態に係る無線端末は、第1の制御、第2の制御、及び第3の制御のうち、いずれかの制御を実行する制御部を備えてもよい。前記第1の制御では、前記無線端末が、所定セルへ送るべき上りリンク情報を前記所定セルへ直接送り、かつ、前記無線端末が受け取るべき下りリンク情報を前記所定セルから直接受け取ってもよい。前記第2の制御では、前記無線端末が、近傍サービスを利用した中継を実行するリレー端末を介して、前記上りリンク情報を前記所定セルへ送り、かつ、前記下りリンク情報を前記所定セルから直接受け取ってもよい。前記第3の制御では、前記無線端末が、前記リレー端末を介して前記上りリンク情報を前記所定セルへ送り、かつ、前記リレー端末を介して前記下りリンク情報を前記所定セルから受け取ってもよい。前記制御部は、前記所定セルからの無線信号の受信レベルと前記無線端末の送信レベルとの少なくとも一方に基づいて、前記第1の制御、前記第2の制御、及び前記第3の制御のうち、いずれかの制御を実行してもよい。
【0012】
前記制御部は、前記受信レベルと前記送信レベルとの少なくとも一方により規定される第2判定基準の情報を前記所定セルから受け取ってもよい。前記第2判定基準は、前記第2の制御を実行可能なエリアを判定するために用いられてよい。
【0013】
前記制御部は、前記第2判定基準を満たし、かつ、前記所定セルのカバレッジエリアを判定するための第1判定基準を満たさない場合に、前記第2の制御を実行してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記第2判定基準の情報を前記所定セルから受け取っている場合にのみ、前記第2の制御を実行してもよい。
【0015】
前記制御部は、前記第2の制御を実行する場合に適用される送信電力の情報を前記所定セルから受け取ってもよい。
【0016】
前記制御部は、前記中継に用いられる無線リソースの情報を前記所定セルから直接受け取った場合に、前記第2の制御を実行してもよい。
【0017】
前記制御部は、前記第2の制御を開始する前に、前記近傍サービスにおけるサイドリンク信号を送信してもよい。前記サイドリンク信号は、前記無線端末が前記上りリンク情報のみの中継を望むことを前記リレー端末へ伝えるための情報を含んでもよい。
【0018】
前記制御部は、前記第2の制御を開始する前に、前記近傍サービスにおけるサイドリンク信号を送信してもよい。前記サイドリンク信号は、前記下りリンク情報の送信元になる前記所定セルの識別子を含んでもよい。
【0019】
前記制御部は、前記第2の制御を開始する前に、前記近傍サービスにおけるサイドリンク信号を受信してもよい。前記サイドリンク信号は、前記サイドリンク信号の送信元である他の無線端末が在圏するセルの識別子を含んでもよい。前記制御部は、前記セルの識別子が前記所定セルを示す場合に、前記第2の制御が実行可能であると判定してもよい。
【0020】
前記制御部は、前記セルの識別子が前記所定セルを示さない場合、前記第2の制御が実行不能であると判定してもよい。
【0021】
前記制御部は、前記セルの識別子が前記所定セルを示さない場合、前記他の無線端末が在圏する前記セルから前記下りリンク情報を受信するための動作を実行してもよい。
【0022】
前記第2の制御が実行される場合、前記リレー端末を介して前記上りリンク情報を前記所定セルへ送るための第1ベアラと、前記下りリンク情報を前記所定セルから直接受け取るための第2ベアラとが確立されてもよい。前記第1ベアラと前記第2ベアラとは異なってもよい。
【0023】
一の実施形態に係る無線端末は、近傍サービスにおける中継のためのサイドリンク信号を第2の端末から受信する受信部と、前記中継が実行可能か否かを判定する制御部と、を備えてもよい。前記サイドリンク信号に含まれるセルの識別子が、前記無線端末が在圏する所定セルを示す場合、前記中継が実行可能であると判定してもよい。
【0024】
前記制御部は、前記セルの識別子が前記所定セルを示さない場合、前記中継が実行不能であると判定してもよい。
【0025】
前記制御部は、前記セルの識別子が前記所定セルを示さない場合、前記セルの識別子により示される前記セルと接続するための動作を開始してもよい。
【0026】
一の実施形態に係る基地局は、第1の制御、第2の制御及び第3の制御のうちいずれかの制御を実行する無線端末に対して、前記基地局からの無線信号の受信レベルと前記無線端末の送信レベルとの少なくとも一方により規定される判定基準の情報を前記無線端末へ送る送信部を備えてもよい。前記第1の制御では、前記基地局が、前記基地局へ送るべき上りリンク情報を前記無線端末から直接受け取り、かつ、前記無線端末が受け取るべき下りリンク情報を前記無線端末へ直接送ってもよい。前記第2の制御では、前記基地局が、近傍サービスを利用した中継を実行するリレー端末を介して、前記上りリンク情報を前記無線端末から受け取り、かつ、前記下りリンク情報を前記無線端末へ直接送ってもよい。前記第3の制御では、前記基地局が、前記リレー端末を介して前記上りリンク情報を前記無線端末から受け取り、かつ、前記リレー端末を介して前記下りリンク情報を前記無線端末へ送ってもよい。前記判定基準は、前記第2の制御を実行可能なエリアを判定するために用いられてもよい。
【0027】
一の実施形態に係る無線端末は、第1の制御及び第2の制御のうちいずれかの制御を実行する制御部を備えてもよい。前記第1の制御では、前記無線端末が、所定セルへ送るべき上りリンク情報を前記所定セルへ直接送り、かつ、前記無線端末が受け取るべき下りリンク情報を前記所定セルから直接受け取ってもよい。前記第2の制御では、前記無線端末が、近傍サービスを利用した中継を実行するリレー端末を介して、前記上りリンク情報を前記所定セルへ送り、かつ、前記下りリンク情報を前記所定セルから直接受け取ってもよい。前記制御部は、前記第1の制御よりも前記第2の制御を優先的に実行してもよい。
【0028】
前記制御部は、前記第2の制御を優先的に実行するための制御情報を前記所定セルから受信した場合に、前記第2の制御を優先的に実行してもよい。
【0029】
前記制御部は、前記無線端末が前記第2の制御を好むことを示す情報を前記所定セルへ送ってもよい。
【0030】
一の実施形態に係る基地局は、無線端末が第1の制御よりも第2の制御を優先的に実行するための制御情報を前記無線端末へ送る送信部を備えてもよい。前記第1の制御では、前記基地局が、前記基地局へ送るべき上りリンク情報を前記無線端末から直接受け取り、かつ、前記無線端末が受け取るべき下りリンク情報を前記無線端末へ直接送ってもよい。前記第2の制御では、前記基地局が、近傍サービスを利用した中継を実行するリレー端末を介して、前記上りリンク情報を前記無線端末から受け取り、かつ、前記下りリンク情報を前記無線端末へ直接送ってもよい。
【0031】
前記基地局は、前記無線端末が前記第2の制御を好むことを示す情報を前記無線端末又はネットワーク装置から受信する受信部をさらに備えてもよい。前記送信部は、前記情報の受信に応じて、前記制御情報を前記無線端末へ送ってもよい。
【0032】
[第1実施形態]
(移動通信システム)
実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムについて説明する。
図1は、LTEシステムの構成を示す図である。
【0033】
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
【0034】
UE100は、通信装置(無線端末)に相当する。UE100は、移動型の通信装置である。UE100は、セル(後述するeNB200)と無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
【0035】
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
【0036】
eNB200は、1又は複数のセルを管理する。eNB200は、eNB200が管理するセルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、「データ」と称することがある)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用されてもよい。
【0037】
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、E−UTRAN10と共にネットワークを構成してもよい。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)300、及びSGW(Serving Gateway)400を含む。
【0038】
MME300は、例えば、UE100に対する各種モビリティ制御を行う。SGW400は、例えば、データの転送制御を行う。MME300及びSGW400は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
【0039】
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されている。第1層は、物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
【0040】
物理層は、符号化・復号化、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
【0041】
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、スケジューラ(MAC スケジューラ)を含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
【0042】
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
【0043】
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0044】
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は、RRCコネクティッド状態である。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がない場合、UE100は、RRCアイドル状態である。
【0045】
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、例えば、セッション管理及びモビリティ管理を行う。
【0046】
図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムにおいて、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用される。上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
【0047】
図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msである。各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数のリソースブロック(RB:Resource Block)を含む。各サブフレームは、時間方向に複数のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより、1つのリソースエレメント(RE:Resource Element)が構成される。UE100には、無線リソース(時間・周波数リソース)が割り当てられる。周波数方向において、無線リソース(周波数リソース)は、リソースブロックにより構成される。時間方向において、無線リソース(時間リソース)は、サブフレーム(又はスロット)により構成される。
【0048】
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink. Control Channel)として使用可能な領域である。各サブフレームの残りの部分は、下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)として使用可能な領域である。
【0049】
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)として使用可能な領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)として使用可能な領域である。
【0050】
(近傍サービス)
近傍サービス(ProSe:Proximity−based Services)について説明する。近傍サービスは、互いに近傍にある通信装置(例えば、UE100)に基づいて3GPPシステムにより提供され得るサービスである。
【0051】
ProSeでは、eNB200を経由せずにノード間(例えば、UE間)で直接的な無線リンクを介して各種の無線信号が送受信される。ProSeにおける直接的な無線リンクは、「サイドリンク(Sidelink)」と称される。
【0052】
サイドリンクは、サイドリンク通信及びサイドリンクディスカバリのためのインターフェイス(例えば、UEとUEとの間のインターフェイス)であってもよい。サイドリンク通信は、ProSe直接通信(以下、「直接通信」と適宜称する)を可能にする機能(AS functionality)である。サイドリンクティスカバリは、ProSe直接ディスカバリ(以下、「直接ディスカバリ」と適宜称する)を可能にする機能(AS functionality)である。
【0053】
サイドリンクは、PC5インターフェイスに対応する。PC5は、ProSe直接ディスカバリ、ProSe直接通信及びProSe UE・ネットワーク中継のための制御プレーン及びユーザプレーンのために用いられるProSe使用可能なUE(ProSe−enabled UE)間の参照ポイントである。
【0054】
ProSeは、「直接ディスカバリ(Direct Discovery)」及び「直接通信(Direct Communication)」及び「Relay」のモードが規定されている。「Relay」については後述する。
【0055】
直接ディスカバリは、特定の宛先を指定しないディスカバリメッセージ(ディスカバリ信号)をUE間で直接的に伝送することにより、相手先を探索するモードである。直接ディスカバリは、PC5を介してE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)における直接無線信号を用いて、UEの近傍における他のUEを発見するための手順である。或いは、直接ディスカバリは、E−UTRA技術で2つのUE100の能力のみを用いて、近傍サービスを実行可能な他のUE100を発見するために近傍サービスを実行可能なUE100によって採用される手順である。直接ディスカバリは、UE100がE−UTRAN(eNB200(セル))によってサービスが提供される場合にのみ、サポートされる。UE100は、セル(eNB200)に接続又はセルに在圏している場合、E−UTRANによってサービスが提供され得る。
【0056】
ディスカバリメッセージ(ディスカバリ信号)の送信(アナウンスメント)のためのリソース割り当てタイプには、「タイプ1」と「タイプ2(タイプ2B)」とがある。「タイプ1」では、UE100が無線リソースを選択する。タイプ1では、UE100は、eNB200から提供されたリソースプールの中から無線リソースを選択してもよい。「タイプ2(タイプ2B)」では、eNB200が無線リソースを割り当てる。
【0057】
「Sidelink Direct Discovery」プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、及びProSeプロトコルを含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH)と称される物理チャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH)と称されるトランスポートチャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。
【0058】
直接通信は、特定の宛先(宛先グループ)を指定してデータをUE間で直接的に伝送するモードである。直接通信は、いずれのネットワークノードを通過しない経路を介してE−UTRA技術を用いたユーザプレーン伝送による、近傍サービスを実行可能である2以上のUE間の通信である。
【0059】
直接通信のリソース割り当てタイプには、「モード1」と「モード2」とがある。「モード1」では、直接通信の無線リソースをeNB200が指定する。「モード2」では、直接通信の無線リソースをUE100が選択する。モード2では、UE100は、eNB200から提供されたリソースプールの中から無線リソースを選択してもよい。
【0060】
直接通信プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、及びPDCP層を含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を介して制御信号が伝送され、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介してデータが伝送される。物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)を介して同期信号等が伝送されてもよい。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンク共有チャネル(SL−SCH)と称されるトランスポートチャネルを介してデータが伝送される。UE(A)のRLC層とUE(B)のRLC層との間では、サイドリンクトラフィックチャネル(STCH)と称される論理チャネルを介してデータが伝送される。
【0061】
(近傍サービスを利用した中継)
近傍サービスを利用した中継(ProSe中継)について、
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態に係る近傍サービスを利用した中継を説明するための図である。
【0062】
図4において、リモートUE(Remote UE)は、リレーUE(ProSe UE−to−Network Relay)を介してPDN(Packet Data Network)と通信を行うUE100である。リモートUEは、公衆安全(Public Safety)のためのUE(ProSe−enabled Public Safety UE)であってもよい。
【0063】
「ProSe−enabled Public Safety UE」は、HPLMN(Home Public Land Mobile Network)が公衆安全のための使用を認証するように構成されている。「ProSe−enabled Public Safety UE」は、近傍サービスを利用可能であり、近傍サービスにおける手順及び公衆安全のための特定の能力をサポートしている。例えば、「ProSe−enabled Public Safety UE」は、公衆安全のための情報を近傍サービスにより送信する。公衆安全のための情報とは、例えば、災害(地震・火災など)に関する情報、消防関係者又は警察関係者に用いられる情報などである。
【0064】
リモートUEは、ネットワーク圏外(Out−of−Network)に位置するUEであってもよい。すなわち、リモートUEは、セルのカバレッジ外に位置してもよい。リモートUEは、セルのカバレッジ内に位置する場合も有り得る。従って、リモートUEは、E−UTRAN10によって直接サービスが提供されないUE100(E−UTRAN10によってサーブ(serve)されないUE100)であってもよい。リモートUEは、後述するように、リレーUEからProSe中継サービスを提供される。ProSe中継サービスが提供されるリモートUEとProSe中継サービスを提供するリレーUEとの間で中継が実行される。
【0065】
リレーUE(ProSe UE−to Network Relay)は、リモートUEのための「ユニキャスト」サービスの接続性をサポートするための機能を提供する。従って、リレーUEは、ProSe中継サービスをリモートUEのために提供する。リレーUEは、リモートUEとネットワークとの間でデータ(ユニキャストトラフィック)を中継できる。リレーUEは、近傍サービス(直接通信)によりリモートUEのデータ(トラフィック)を中継できる。具体的には、リレーUEは、PC5インターフェイスを介してリモートUEから受信したデータ(上りトラフィック)を、Uuインターフェイス(LTE−Uu)又はUnインターフェイス(LTE−Un)を介してeNB200に中継できる。リレーUEは、Uuインターフェイス又はUnインターフェイスを介してeNB200から受信したデータ(下りトラフィック)をPC5インターフェイスを介してリモートUEへ中継できる。リレーUEは、ネットワーク内(セルのカバレッジ内)にのみ位置してもよい。
【0066】
リレーUEは、公衆安全のための通信に関係する任意のタイプのトラフィックを中継できる包括的な機能を提供することができる。
【0067】
リレーUEとリモートUEとは、物理層間でデータ及び制御信号を伝送できる。同様に、リレーUEとリモートUEとは、MAC層間、RLC層間及びPDCP層間でデータ及び制御信号を伝送できる。リレーUEは、PDCP層の上位層としてIPリレー(IP−Relay)層を有してもよい。リモートUEは、PDCP層の上位層としてIP層を有してもよい。リレーUEとリモートUEとは、IPリレー層とIP層との間でデータ及び制御信号を伝送できる。リレーUEは、IPリレー層とPGWのIP層との間でデータを伝送できる。PGW(Packet data Network Gateway)は、外部ネットワークから(及び外部ネットワークに)ユーザデータを中継する制御を行う。
【0068】
リレーUEは、AS層(Access Stratum)において、ブロードキャストを用いてリモートUEにデータ(トラフィック)を送信できる。リレーUEは、AS層において、ユニキャストを用いてリモートUEにデータを送信してもよい。ProSe中継サービスがブロードキャストを用いて実行されている場合、リレーUEとリモートUEとの間において、AS層におけるフィードバックを行わずに、NAS層(Non Access Stratum)におけるフィードバックが行われてもよい。UE・ネットワーク中継がユニキャストを用いて実行されている場合、AS層におけるフィードバックが行われてもよい。
【0069】
(無線端末)
実施形態に係るUE100(無線端末)について説明する。
図5は、UE100のブロック図である。
図5に示すように、UE100は、レシーバ(Receiver:受信部)110、トランスミッタ(Transmitter:送信部)120、及びコントローラ(Controller:制御部)130を備える。レシーバ110とトランスミッタ120とは、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
【0070】
レシーバ110は、コントローラ130の制御下で各種の受信を行う。レシーバ110は、アンテナを含む。レシーバ110は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。レシーバ110は、ベースバンド信号をコントローラ130に出力する。
【0071】
トランスミッタ120は、コントローラ130の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ120は、アンテナを含む。トランスミッタ120は、コントローラ130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換する。トランスミッタ130は、無線信号をアンテナから送信する。
【0072】
コントローラ130は、UE100における各種の制御を行う。コントローラ130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPU(Central Processing Unit)とを含む。ベースバンドプロセッサは、例えば、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号化を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号化を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
【0073】
UE100は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を備えていてもよい。GNSS受信機は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信できる。GNSS受信機は、GNSS信号をコントローラ130に出力する。UE100は、UE100の位置情報を取得するためのGPS(Global Positioning System)機能を有していてもよい。
【0074】
本明細書では、UE100が備えるレシーバ110、トランスミッタ120及びコントローラ130の少なくともいずれかが実行する処理を、便宜上、UE100が実行する処理(動作)として説明する。
【0075】
(基地局)
実施形態に係るeNB200(基地局)について説明する。
図6は、eNB200のブロック図である。
図6に示すように、eNB200は、レシーバ(受信部)210、トランスミッタ(送信部)220、コントローラ(制御部)230、及びネットワークインターフェイス240を備える。レシーバ210とトランスミッタ220は、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
【0076】
レシーバ210は、コントローラ230の制御下で各種の受信を行う。レシーバ210は、アンテナを含む。レシーバ210は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。レシーバ210は、ベースバンド信号をコントローラ230に出力する。
【0077】
トランスミッタ220は、コントローラ230の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ220は、アンテナを含む。トランスミッタ220は、コントローラ230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換する。トランスミッタ220は、無線信号をアンテナから送信する。
【0078】
コントローラ230は、eNB200における各種の制御を行う。コントローラ230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPUとを含む。ベースバンドプロセッサは、例えば、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号化等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより各種の処理を行う。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
【0079】
ネットワークインターフェイス240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続される。ネットワークインターフェイス240は、S1インターフェイスを介してMME300及びSGW400と接続される。ネットワークインターフェイス240は、例えば、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に使用される。
【0080】
本明細書では、eNB200が備えるトランスミッタ210、レシーバ220、コントローラ230、及びネットワークインターフェイス240の少なくともいずれかが実行する処理を、便宜上、eNB200が実行する処理(動作)として説明する。
【0081】
[第1実施形態]
(1)制御動作の概要
制御動作の概要について、
図7から
図9を用いて説明する。
図7から
図9は、制御動作の概要を説明するための図である。
【0082】
(A)第1の制御
図7に示すように、第1の制御では、上りリンク及び下りリンクにおいて、セルラ通信が実行される。
【0083】
具体的には、第1の制御では、UE100Aは、セル(eNB200)へ送るべき上りリンク情報をセル(eNB200)へ直接送る。すなわち、第1の制御では、eNB200は、上りリンク情報をUE100Aから直接受け取る。従って、UE100Aは、上りリンク送信を実行する。eNB200は、上りリンク受信を実行する。
【0084】
上りリンク情報は、eNB200からUE100Aへの制御情報及び/又はユーザデータである。制御情報は、PUCCHを介して搬送される。ユーザデータは、PUSCHを介して搬送される。
【0085】
第1の制御では、UE100Aは、UE100Aが受け取るべき下りリンク情報をセル(eNB200)から直接受け取る。すなわち、第1の制御では、eNB200は、下りリンク情報をUE100Aへ直接送る。従って、UE100Aは、下りリンク受信を実行する。eNB200は、下りリンク送信を実行する。
【0086】
下りリンク情報は、UE100AからeNB200への制御情報及び/又はユーザデータである。制御情報は、PDCCHを介して搬送される。ユーザデータは、PDSCHを介して搬送される。
【0087】
(B)第2の制御
図8に示すように、第2の制御では、上りリンクにおいて近傍サービスを利用した中継(ProSe中継)が実行され、下りリンクにおいてセルラ通信が実行される。
【0088】
具体的には、第2の制御では、UE100Bは、UE100Aを介して上りリンク情報をセルへ送る。すなわち、第2の制御では、eNB200は、UE100Aを介して、上りリンク情報をUE100Bから受け取る。具体的には、UE100Bは、上りリンク情報をUE100Aへ送る。従って、UE100Bは、サイドリンク送信を実行する。UE100Aは、サイドリンク受信を実行する。UE100Aは、UE100Bから受け取った上りリンク情報をeNB200へ直接送る。従って、UE100Aは、上りリンク送信を実行する。eNB200は、上りリンク受信を実行する。UE100Aは、リレーUE(ProSe UE−to−Network Relay)である。
【0089】
上りリンク情報は、UE100AとeNB200との間では、上述の第1の制御と同様に搬送される。一方、UE100AとUE100Bとの間では、上りリンク情報のうち制御情報は、PSCCHを介して搬送されてもよい。制御情報は、PSSCHを介して搬送されてもよい。上りリンク情報のうちユーザデータは、PSSCHを介して搬送されてもよい。
【0090】
第2の制御では、UE100Bは、下りリンク情報をセル(eNB200)から直接受け取る。すなわち、第2の制御では、eNB200は、下りリンク情報をUE100Bへ直接送る。下りリンク情報の受信(送信)は、第1の制御と同様に実行される。
【0091】
下りリンク情報は、上述の第1の制御と同様に搬送される。
【0092】
第2の制御では、UE100Bは、第2の制御を実行する場合に適用される送信電力の情報に基づいて、上りリンク情報を送信してもよい。送信電力の情報は、第2の制御における送信電力値が、第1の制御における送信電力値よりも低い値となるパラメータであってもよい。送信電力の情報は、第2の制御における送信電力値は、第3の制御における送信電力値よりも低い値となるパラメータであってもよい。
【0093】
eNB200は、送信電力の情報をUE100Bへ送ることができる。UE100Bは、送信電力の情報をeNB200(セル)から受け取ることができる。送信電力の情報は、後述する判定基準の情報に含まれていてもよい。
【0094】
(C)第3の制御
図9に示すように、第3の制御では、上りリンク及び下りリンクにおいて、ProSe中継が実行される。
【0095】
具体的には、第3の制御では、UE100Cは、UE100Aを介して上りリンク情報をセルへ送る。すなわち、第3の制御では、eNB200は、UE100Aを介して、上りリンク情報をUE100Cから受け取る。上りリンク情報の送信(受信)は、第2の制御と同様に実行される。
【0096】
第3の制御では、UE100Cは、UE100Aを介して下りリンク情報をセルから受け取る。すなわち、第3の制御では、eNB200は、UE100Aを介して、下りリンク情報をUE100Cへ送る。具体的には、eNB200は、下りリンク情報をUE100Aへ送る。従って、eNB200は、下りリンク送信を実行する。UE100Aは、下りリンク受信を実行する。UE100Aは、eNB200から受け取った下りリンク情報をUE100Cへ送る。従って、UE100Aは、サイドリンク送信を実行する。UE100Cは、サイドリンク受信を実行する。
【0097】
下りリンク情報は、UE100AとeNB200との間では、上述の第1の制御と同様に搬送される。一方、UE100AとUE100Cとの間では、下りリンク情報のうち制御情報は、PSCCHを介して搬送されてもよい。制御情報は、PSSCHを介して搬送されてもよい。下りリンク情報のうちユーザデータは、PSSCHを介して搬送されてもよい。
【0098】
(2)判定動作
判定動作について
図10を用いて説明する。
図10は、第1実施形態に係る判定動作を説明するためのシーケンス図である。
【0099】
第1実施形態では、UE100は、セル(eNB200)からの無線信号の受信レベルとUE100の送信レベルとの少なくとも一方に基づいて、第1の制御、第2の制御及び第3の制御のうち、いずれかの制御を実行する。
【0100】
受信レベルは、セル(eNB200)からの無線信号についてUE100が測定した測定結果(測定値)に基づく。受信レベルは、測定値により算出された値(例えば、後述する「RS−SINR」)であってもよい。
【0101】
送信レベルは、例えば、UE100に設定されたパラメータに基づいて規定される最大電力(値)であってもよい。例えば、送信レベルは、UE電力クラスに基づく最大RF出力電力であってもよい。送信レベルは、UE100に設定されたパラメータに基づいて規定される最小電力(値)であってもよい。送信レベルは、UE100に設定されたパラメータに基づいて算出された実際に送信すべき送信電力(値)であってもよい。
【0102】
図10に示すように、ステップS10において、eNB200は、判定基準の情報をUE100へ送ってもよい。eNB200は、ユニキャスト(例えば、RRC再接続設定メッセージ)によりUE100に個別に判定基準の情報を通知してもよい。eNB200は、ブロードキャスト(例えば、SIB:System Information Block)によりUE100Aに判定基準の情報を通知してもよい。
【0103】
判定基準の情報は、第1の判定基準に関するパラメータ(第1閾値パラメータ(のセット))を含んでいてもよい。第1の判定基準は、第1の制御を実行可能なエリアを判定するために用いられる。第1の判定基準は、セル(eNB200)からの無線信号(DL信号)の受信レベルとUE100の送信レベルとの少なくとも一方により規定される。
【0104】
UE100は、セル(eNB200)からの無線信号の受信レベルを測定する。UE100は、測定結果(受信レベル)が第1の判定基準を満たすか否かを判定できる。UE100は、UE100の送信電力値(送信レベル)が第1の判定基準を満たすか否かを判定できる。UE100は、受信レベルと送信レベルとが第1の判定基準を満たすか否かを判定できる。
【0105】
第1の判定基準は、例えば、DL信号の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)に関する基準であってもよい。第1の判定基準は、DL信号の受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)に関する基準であってもよい。第1の判定基準は、DL信号に基づくRS−SINR(Reference Signal Signal Interference Noise Ratio)であってもよい。RS−SINRは、参照信号と干渉信号(干渉ノイズ)との比(参照信号/干渉信号)である。
【0106】
第1の判定基準は、例えば、上りリンクにおける送信電力に関する基準であってもよい。第1の判定基準は、例えば、サイドリンクにおける送信電力に関する基準であってもよい。
【0107】
第1判定基準は、受信レベルと送信レベルとの両方により規定されてもよい。例えば、第1の判定基準は、セルのカバレッジエリアを判定するためのS基準(S−criteria)であってもよい。
【0108】
判定基準の情報は、第2の判定基準に関するパラメータ(第2閾値パラメータ(のセット))を含んでいてもよい。第2の判定基準は、第2の制御を実行可能なエリアを判定するために用いられる。第2の判定基準は、DL信号の受信レベルとUE100の送信レベルとの少なくとも一方により規定される。UE100は、測定結果(受信レベル)が第2の判定基準を満たすか否かを判定する。第2の判定基準は、S基準とは異なる基準である。
【0109】
第2閾値パラメータは、第1閾値パラメータと同じ種類のパラメータであってもよい。第2閾値パラメータは、第1閾値パラメータと異なる種類のパラメータであってもよい。
【0110】
UE100は、判定基準の情報を予め保持していてもよい。
【0111】
ステップS20において、UE100は、第1の制御、第2の制御及び第3の制御のうち、いずれの制御を実行するか判定する。UE100は、例えば、以下の方法により判定する。
【0112】
第1の方法では、UE100は、判定基準の情報に基づいて判定する。
【0113】
UE100は、例えば、第1の判定基準を満たす場合、第1の制御を実行可能と判定する。従って、UE100は、第1の判定基準に基づく第1のカバレッジ(First coverage)内に位置する場合に、第1の制御を実行可能と判定する(
図7参照)。UE100は、第1の判定基準に基づく第1のカバレッジ外に位置する場合に、第1の制御を実行不能と判定する。
【0114】
例えば、UE100は、DL信号の受信レベル(RSRP)が第1閾値以上である場合、第1の制御を実行可能であると判定する。UE100は、DL信号のRSRPが第1閾値未満である場合、第1の制御を実行不能であると判定する。
【0115】
例えば、UE100は、上りリンクにおける送信電力(上り送信電力)が第1閾値以上である場合、第1の制御を実行不能であると判定してもよい。UE100は、上り送信電力が第1閾値未満である場合、第1の制御を実行可能であると判定してもよい。
【0116】
UE100は、例えば、第2の判定基準を満たす場合、第2の制御を実行可能と判定する。従って、UE100は、第2の判定基準に基づく第2のカバレッジ(Second coverage)内に位置する場合に、第2の制御を実行可能と判定する(
図8参照)。UE100は、第2の判定基準に基づく第2のカバレッジ外に位置する場合に、第2の制御を実行不能と判定する。
【0117】
例えば、UE100は、DL信号のRSRPが第2閾値以上である場合、第2の制御を実行可能であると判定する。UE100は、DL信号のRSRPが第2閾値未満である場合、第2の制御を実行不能であると判定する。
【0118】
例えば、UE100は、上り送信電力が第2閾値以上である場合、第2の制御を実行可能であると判定してもよい。UE100は、上り送信電力が第2閾値未満である場合、第2の制御を実行不能であると判定してもよい。
【0119】
例えば、UE100は、サイドリンクにおける送信電力(SL送信電力)が第2閾値以上である場合、第2の制御を実行不能であると判定してもよい。UE100は、SL送信電力が第2閾値未満である場合、第2の制御を実行可能であると判定してもよい。
【0120】
図8に示すように、第2のカバレッジが、第1のカバレッジよりも広くなるように第2閾値パラメータが設定されてもよい。従って、第2閾値は、第1閾値よりも低い値(又は大きい値)であってもよい。
【0121】
UE100は、第2判定基準を満たし、かつ、第1判定基準を満たさない場合に、第2の制御を実行すると判定してもよい。従って、UE100は、第2判定基準を満たす場合であっても、第1判定基準を満たす場合、第1の制御を実行すると判定してもよい。
【0122】
ここで、UE100は、S基準を満たさない場合、セルのカバレッジ外(いわゆる、Out−of−coverage)に位置する。しかしながら、このケースにおいて、UE100は、第2判定基準を満たす場合で、かつ、リレーUEが周囲に存在する場合、中継拡張カバレッジ内(relay−extended in−coverage)に位置すると判定してもよい。UE100は、中継拡張カバレッジ内である場合、第2の制御を実行すると判定してもよい。UE100は、第2判定基準を満たす場合であっても、リレーUEが周囲に存在しない場合、セルのカバレッジ外に位置すると判定してもよい。この場合、UE100は、第3の制御を実行すると判定する。
【0123】
UE100は、第2判定基準の情報(第2閾値パラメータ)をセル(eNB200)から受け取っている場合にのみ、第2の制御を実行可能であると判定してもよい。すなわち、第2判定基準の情報がeNB200の許可を示唆する情報であってもよい。或いは、eNB200は、第2の制御を実行することを許可することを明示的に示す許可情報をUE100へ送信してもよい。UE100は、許可情報の受信に応じて、第2の制御を実行することをeNB200から許可されたと判定してもよい。
【0124】
UE100は、第1判定基準及び第2判定基準を満たさない場合、第3の制御を実行すると判定してもよい。
【0125】
第2の方法では、UE100は、ProSe中継に用いられる無線リソースの情報をセル(eNB200)から直接受け取った場合に、第2の制御を実行すると判定する。
【0126】
UE100は、例えば、無線リソースの情報を含むSIB(例えば、SIB18及び/又はSIB19)の受信に成功した場合に、第2の制御を実行すると判定する。UE100は、S基準を満たさない場合で、かつ、SIBの受信に成功した場合に、第2の制御を実行すると判定してもよい。
【0127】
第1の方法及び/又は第2の方法により、UE100は、第1の制御、第2の制御及び第3の制御のうち、実行可能な制御を実行することができる。UE100Aは、後述するように、第1の制御よりも第2の制御を優先的に実行してもよい。
【0128】
(3)判定後の動作
(A)第1の制御
UE100は、第1の制御を実行すると判定した場合、eNB200(セル)との接続を確立するための動作を実行できる。すなわち、UE100は、eNB200との間に、上りリンクベアラ(ULベアラ)と、下りリンクベアラ(DLベアラ)とを確立してもよい。その後、UE100は、第1の制御を実行できる。
【0129】
UE100は、上りリンク情報をeNB200へ送らない場合、RRC接続を確立しなくてもよい。UE100は、RRCアイドル状態において、下りリンク情報をeNB200(セル)から受け取ってもよい。
【0130】
(B)第2の制御
UE100Bは、第2の制御を実行すると判定した場合、リレーUEを探索するための動作を開始できる。UE100Bは、上りリンク情報をeNB200へ送る必要がある場合に、当該動作を開始してもよい。例えば、UE100Bは、送信データが発生した場合(例えば、上位レイヤから送信データを受け取った場合)に、当該動作を開始してもよい。UE100Bは、下りリンク情報をeNB200から受け取る必要がある場合に、当該動作を開始してもよい。例えば、UE100Bは、基地局からページングメッセージを受信した場合に、当該動作を開始してもよい。
【0131】
UE100Bは、第2の制御を実行すると判定した場合、第2の制御を開始する前に、以下の動作パターンのいずれかを実行できる。
【0132】
(B1)動作パターン1
動作パターン1について、
図11(及び
図8)を用いて説明する。
図11は、動作パターン1を説明するためのシーケンス図である。
【0133】
図11に示すように、ステップS110において、UE100Bは、サイドリンク信号を送信する。サイドリンク信号は、ディスカバリ信号又はコミュニケーション信号であってもよい。ディスカバリ信号は、応答を必要とする信号(solicitation信号)であってもよいし、応答を必要としない信号であってもよい。
【0134】
サイドリンク信号は、UE100Bが上りリンク情報のみの中継を希望することをリレーUEへ伝えるための中継情報を含んでいてもよい。中継情報は、中継が一方向(Uni−direction:UL送信)のみであることを示す情報であってもよい。中継情報は、上りリンク及び下りリンクの両方の中継を希望するか否かを示す情報であってもよい。UE100Aは、中継情報が上りリンク及び下りリンクの両方の中継を希望しないことを示す場合、UE100Bが上りリンク情報のみの中継を希望すると判定してもよい。
【0135】
サイドリンク信号は、下りリンク情報の送信元になるセルの識別子を含んでいてもよい。セルの識別子は、ドナーeNB(セル)を指定するための情報であってもよい。UE100Bは、例えば、第2判定基準を満たす無線信号の送信元のセルの識別子をサイドリンク信号に含めてもよい。
【0136】
セルの識別子は、制御信号(例えば、SIB)の送信元のセルの識別子であってもよい。従って、セルの識別子は、サイドリンク信号の送受信を許可(設定)しているセルの識別子であってもよい。UE100は、セル(eNB200)との接続を既に確立している(すなわち、RRC接続状態である)場合、接続先のセルの識別子であってもよい。
【0137】
UE100Aは、サイドリンク信号を受信する。UE100Aは、サイドリンク信号に含まれる中継情報に基づいて、UE100Bが上りリンク情報のみの中継を希望することを把握してもよい。
【0138】
UE100Aは、サイドリンク信号に含まれるセルの識別子が、UE100Aが在圏する在圏セルを示すか否かを判定してもよい。在圏セルは、UE100Aが接続するセル又はUE100Aがキャンプするセルである。
【0139】
UE100Aは、セルの識別子が在圏セルを示す場合、ProSe中継を実行可能であると判定してもよい。UE100Aは、セルの識別子が在圏セルを示さない場合、ProSe中継が実行不能であると判定してもよい。
【0140】
UE100Aは、セルの識別子が在圏セルを示さない場合、セルの識別子により示されるセルと接続するための動作を開始してもよい。UE100Aは、セルの識別子により示されるセルと接続するためのハンドオーバをeNBに要求してもよい。UE100Aは、ハンドオーバに成功した場合に、ProSe中継が可能であると判定してもよい。すなわち、UE100Aは、セルの識別子により示されるセルとUu接続を確立した場合に、ProSe中継が可能であると判定してもよい。
【0141】
UE100Aは、セルの識別子が在圏セルを示さない場合、セルサーチを開始してもよい。UE100Aは、セルサーチに基づいて、セルの識別子が示すセルを発見(選択)してもよい。UE100Aは、当該セルを発見した場合、ProSe中継が可能であると判定してもよい。
【0142】
ステップS120において、UE100Aは、サイドリンク信号に対する応答(サイドリンク信号)を送信する。UE100Bは、サイドリンク信号に対する応答を受信する。
【0143】
UE100Aは、ProSe中継が実行可能である場合に、応答を送信してもよい。UE100Aは、ProSe中継が実行不能である場合、拒否を示す応答を送信してもおい。
【0144】
ステップS130において、UE100A、UE100B、及びeNB200は、接続を確立する。
【0145】
UE100AとUE100Bとは、1対1通信のための接続を確立する。UE100Aは、ProSe中継のための接続をeNB200と開始してもよい。
【0146】
ここで、上りリンク情報をeNB200へ送るためのベアラ(ULベアラ)が確立されてもよい。ULベアラは、UE100Aを経由するベアラである。ULベアラは、下りリンク情報をeNB200から受け取るためのベアラ(DLベアラ)と異なるベアラであってもよい。
【0147】
ULベアラ及びDLベアラは、サブベアラであってもよい。ULベアラ及びDLベアラは、UE100BとeNB200との間の無線ベアラにマッピングされてもよい。ULベアラ及びDLベアラは、UE100BとPGW((Packet Data Network Gateway))との間のEPSベアラにマッピングされてもよい。
【0148】
その後、UE100Bは、第2の制御を実行できる。
【0149】
以上により、UE100Bは、上りリンク情報の送信先と下りリンク情報の送信元とのセル(eNB200)を一致させることができる。これにより、複雑な制御をせずに、第2の動作を実行できる。
【0150】
(B2)動作パターン2
動作パターン2について、
図12(及び
図8)を用いて説明する。
図12は、動作パターン2を説明するためのシーケンス図である。
【0151】
図12に示すように、ステップS210において、UE100Aは、サイドリンク信号を送信する。サイドリンク信号は、リモートUEを発見するためのディスカバリ信号である。
【0152】
サイドリンク信号は、当該サイドリンク信号の送信元であるUE100Aが在圏するセルの識別子を含んでもよい。セルの識別子は、ドナーeNB(セル)を指定するための情報であってもよい。
【0153】
UE100Bは、サイドリンク信号を受信する。UE100Bは、サイドリンク信号の受信に応じて、ステップS220の処理を開始してもよい。
【0154】
UE100Bは、セルの識別子が下りリンク情報の送信元になるセル(所定セル)を示す場合に、第2の制御が実行可能であると判定してもよい。UE100Bは、セルの識別子が所定セルを示さない場合、第2の制御が実行不能であると判定してもよい。
【0155】
UE100Bは、セルの識別子が所定セルを示さない場合、セルの識別子が示すUE100Aの在圏セルから下りリンク情報を受信するための動作を実行してもよい。すなわち、UE100Bは、セルの識別子が示す在圏セルから下りリンク情報を受信するために内部処理を切り替えてもよい。従って、UE100Bは、セルの識別子が示す在圏セルを発見するためのセルサーチを開始してもよい。UE100Bは、在圏セルを発見した場合に、第2の制御が実行可能であると判定してもよい。UE100Bは、発見した在圏セルからの無線信号の受信レベルが閾値以上である場合(例えば、第2の判定基準が満たされる場合)、第2の制御が実行可能であると判定してもよい。
【0156】
UE100Bは、第2の制御が実行可能である場合に、ステップS220の処理を開始してもよい。
【0157】
UE100Bは、第2の制御が実行不能である場合、所定セルに在圏する新たなリレーUEを発見するためにサイドリンク信号の受信(又は送信)を実行してもよい。或いは、UE100Bは、第3の制御を実行するために、UE100Aと既存のProSe中継を実行するための接続(1体1通信のための接続)を確立してもよい。
【0158】
ステップS220は、ステップS130に対応する。
【0159】
(C)第3の制御
UE100Cは、第3の制御を実行すると判定した場合、第2の制御と同様にリレーUEを探索するための動作を開始できる。
【0160】
UE100Cは、サイドリンク信号に中継情報を含める必要はない。UE100Cは、サイドリンク信号にセルの識別子を含める必要はない。
【0161】
図9に示すように、リレーUEとして、UE100Aを発見したUE100Cは、UE100Aと1対1通信のための接続を確立する。UE100Aは、ProSe中継のための接続をeNB200と開始する。その後、UE100Cは、第3の制御を実行できる。
【0162】
以上により、UE100Bは、セルからの無線信号の受信レベルと前記無線端末の送信レベルとの少なくとも一方に基づいて、第1の制御、第2の制御及び第3の制御をのうち、いずれかの制御を実行できる。例えば、UE100Bは、S基準が満たされない場合であっても、下りリンク情報をeNB200から直接受け取ることができる場合には、第2の制御を実行することができる。従って、ネットワークカバレッジの拡張(すなわち、カバレッジホールの低減)することができる。
【0163】
第2の制御が実行される場合、UE100Aは、上りリンク情報のみを中継すればよいため、UE100Aの中継処理の負荷を低減できる。UE100Bは、第1の制御が実行できない場合であっても、第3の制御の代わりに、第2の制御を実行することにより、UE100Aの中継処理の負荷を低減できる。
【0164】
[第2実施形態]
第2実施形態について、
図13を用いて説明する。
図13は、第2実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0165】
図13に示すように、ステップS310において、UE100は、UE100が第2の制御を好むことを示す通知(インディケーション)をeNB200へ送ることができる。当該通知は、ネットワーク装置(例えば、MME300)を介してeNB200へ送られてもよい。例えば、UE100は、ネットワークにアタッチした際に、通知をネットワーク装置へ送ることができる。
【0166】
UE100は、消費電力を低減するための省電力モードを実行する場合に、通知をeNB200へ送ってもよい。UE100は、バッテリ残量が閾値を下回った場合に、通知をeNB200へ送ってもよい。
【0167】
通知は、UE100が消費電力削減を好むことを示す情報であってもよい。例えば、通知は、UE100が人が介在しない通信であるマシンタイプコミュニケーション(MTC:Machine Type Communication)用の通信装置であることを示す情報であってもよい。通知は、UE100がウェアラブルUE(ユーザが着用可能な通信装置)であることを示す情報であってもよい。通知は、第2の制御の許可を要求するための情報であってもよい。通知は、第2の制御を実行する(又は実行している)ことを示す情報であってもよい。
【0168】
ステップS320において、eNB200は、第2の制御を実行するための設定情報をUE100へ送ってもよい。eNB200は、UE100からの通知に応じて、設定情報をUE100へ送ってもよい。
【0169】
設定情報は、第2の制御の実行を許可することを示す情報を含んでいてもよい。設定情報は、第2の制御を実行可能か否かを判定するための判定基準(第2の判定基準)の情報を含んでいてもよい。設定情報は、第2の制御を第1の制御よりも優先的に実行するための制御情報を含んでいてもよい。
【0170】
ステップS330において、UE100は、第2の制御を開始する。
【0171】
UE100は、eNB200からの設定情報に基づいて、第2の制御を開始してもよい。UE100は、判定基準(第2の判定基準)が満たされた場合に、第2の制御を実行してもよい。
【0172】
UE100は、eNB200からの設定情報を受信せずに、第2の制御を実行してもよい。この場合、UE100は、第2の制御を実行する(又は実行している)ことを示す情報をeNB200へ送ることができる。
【0173】
UE100は、第2の制御を第1の制御よりも優先的に実行してもよい。例えば、UE100は、省電力モードを実行する場合に、第2の制御を第1の制御よりも優先的に実行してもよい。UE100は、バッテリ残量が閾値を下回った場合に、第2の制御を第1の制御よりも優先的に実行してもよい。
【0174】
UE100は、設定情報に基づいて、第2の制御を第1の制御よりも優先的に実行してもよい。例えば、設定情報がバッテリ残量と比較される閾値を含む場合、UE100は、バッテリ残量が当該閾値を下回った場合に、第2の制御を第1の制御よりも優先的に実行してもよい。
【0175】
UE100は、第2の制御を第1の制御よりも優先的に実行することにより、上りリンク情報の送信電力を低減することができるため、消費電力を低減することができる。
【0176】
[その他の実施形態]
上述した各実施形態によって、本出願の内容を説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本出願の内容を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0177】
上述において、UE100は、以下のように、実行可能な制御を判定してもよい。
【0178】
例えば、UE100は、S基準に基づいて、優先すべき制御を判定してもよい。例えば、標準のカバレッジ(normal coverage)におけるS基準を満たさず、かつ、拡張されたカバレッジ(enhanced coverage)におけるS基準を満たす場合に、UE100は、第2の制御を実行してもよい。すなわち、UE100は、標準のカバレッジ内に位置しないが、拡張されたカバレッジ内に位置する場合に、第2制御を第1の制御よりも優先してもよい。或いは、UE100は、標準のカバレッジにおけるS基準を満たさず、かつ、拡張されたカバレッジにおけるS基準を満たす場合に、第1の制御及び第2の制御よりも、第3の制御を優先してもよい。
【0179】
UE100は、第2の判定基準として、S基準において用いられる送信レベルの補正項(Pcompensation)を0にしたものを用いてもよい。
【0180】
以下の式(1)が満たされる場合に、S基準が満たされる。
【0181】
Srxlev > 0 AND Squal > 0 ・・・式(1)
【0182】
Srxlev及びSqualは、以下の式により算出される。
【0183】
Srxlev = Qrxlevmeas - (Qrxlevmin + Qrxlevminoffset) - Pcompensation - Qoffsettemp
Squal = Qqualmeas - (Qqualmin + Qqualminoffset) - Qoffsettemp
【0185】
UE100は、拡張されたカバレッジ(enhanced coverage)におけるS基準を満たすか否かを判定するために、Q
rxlevminとして特定のQ
rxlevmin(Q
rxlevmin_CE)を使用し、Q
qualminとして特定のQ
qualmin(Q
qualmin_CE)を使用する。
【0186】
拡張されたカバレッジは、MTC用のUE/NB−IoT(NarrowBand Internet of Things)用のUEのために規定されたカバレッジである。拡張されたカバレッジが、標準のカバレッジよりも広くなるように、パラメータが設定されている。
【0187】
判定基準は、無線リンク障害を検知するための基準であってもよい。UE100は、例えば、同期外れ時間・回数の判定値、ランダムアクセス失敗時間・回数の判定値、及び、RLC再送失敗回数の判定値の少なくともいずれかを用いて、実行可能な制御を判定してもよい。
【0188】
例えば、UE100は、無線リンク障害を検知する基準を満たさない場合、第1の制御を実行すると判定してもよい。UE100は、無線リンク障害を検知する基準を満たす場合、第3の制御を実行すると判定してもよい。UE100は、無線リンク障害を検知する基準(例えば、ランダムアクセス失敗時間・回数の判定値、及び、RLC再送失敗回数の判定値の少なくとも一方)を満たし、かつ、第2の判定基準に基づく第2のカバレッジ(Second coverage)内に位置する場合に、第2の制御を実行すると判定してもよい。
【0189】
上述において、第2の制御では、eNB200は、下りリンク情報として制御情報のみを送ってもよい。従って、第2の制御では、eNB200は、制御情報のみをUE100Bへ直接送る。UE100Bは、制御情報のみをeNB200(セル)から直接受け取ってもよい。一方、第2の制御において、eNB200は、ユーザデータをUE100Aを介してUE100Bへ送ってもよい。UE100Bは、UE100Aを介してユーザデータをセルから受け取ってもよい。
【0190】
上述した各実施形態に係る動作は、適宜組み合わせて実行されてもよい。上述した各シーケンスにおいて、必ずしも全ての動作が必須の構成ではない。例えば、各シーケンスにおいて、一部の動作のみが実行されてもよい。
【0191】
上述した各実施形態では特に触れていないが、上述した各ノード(UE100、eNB200など)のいずれかが行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
【0192】
UE100及びeNB200のいずれかが行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサ)によって構成されるチップが提供されてもよい。
【0193】
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本出願に係る内容を適用してもよい。
【0194】
[付記]
この付記では、リモートUEに焦点を当てて、カバレッジシナリオについて考察する。
【0195】
(1)考察
UEは、S基準(S-criteria)が満たされた場合、Uuに関して「カバレッジ内(in-coverage)」とみなせる(上述の式(1)及び表1参照)。
【0196】
セルに関して通常カバレッジにおけるセル選択基準Sが満たされない場合で、拡張されたカバレッジのためのセル選択基準Sを満たす場合には、UEは、自身が拡張されたカバレッジにいるとみなすべきであり、UEは、Q
rxlevminとして、カバレッジ固有値Q
rxlevmin_CE(dBm)を適用する。UEは、Q
qualminとして、カバレッジ固有値Q
qualmin_CE (dB)を適用する。
【0197】
拡張されたカバレッジ内のUEに関して、カバレッジ固有値Q
rxlevmin_CE及びQ
qualmin_CEは、拡張されたカバレッジにおける適合性チェックに対してのみ適用される(すなわち、測定及び再選択の閾値には使用されない)。
【0198】
上述のPcompensation及びP
PowerClassから分かるように、RSRPの評価のために、Srxlevは、P
PowerClassの関数として規定される。
【0199】
見解1:「カバレッジ内」の評価は、UE電力クラスの影響を受ける。
【0200】
他のカテゴリ、例えば、通常UE、すなわち、クラス3に関しては、典型的には23dBmであるのに対し、新たなUE電力クラス、すなわち、最大出力電力として20dBmが許可されるクラス5が規定された。つまり、クラス3とクラス5との間で、標準のカバレッジは、3dB異なる可能性があり、このカバレッジギャップが、CEモード、すなわち、Q
rxlevmin_CE及びQ
qualmin_CEにより補償されてもよい。これは、「リレーUEが、eNBとのUu接続を有し、リモートUEが拡張カバレッジにいることができる」と合意されたシナリオである。
【0201】
見解2:拡張されたカバレッジは、カバレッジ固有値により制御されてもよい一方で、標準のカバレッジは、UE電力クラス(クラス3とクラス5との)間で3dB異なる可能性がある。
【0202】
米国仮出願第62/335913号(2016年5月13日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。