(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
使用時に一つ以上の前記照射光源によって放射される光を所定の順序にしたがって前記喫煙材の前記異なる領域に向け、使用者が香味の特性を経験するように構成された制御回路を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組合せ体。
前記制御回路が、使用時に一つ以上の前記照射光源によって放射される光を前記所定の順序にしたがって使用者による各パフに対して前記喫煙材の異なる領域に向けるように構成されている、請求項14に記載の組合せ体。
前記制御回路が、使用時に一つ以上の前記照射光源によって放射される光を前記所定の順序にしたがって使用者による単一のパフにおいて前記喫煙材の複数の異なる領域に向けるように構成されている、請求項14又は15に記載の組合せ体。
前記制御回路は、使用者が前記制御回路によって提供された所定の順序のリストから選択することによって前記所定の順序を決定することができるように構成されている、請求項17に記載の組合せ体。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、照射光源を用いて吸引可能な媒体を生成するための物品が提供され、本物品は、互いに異なる組成を有する少なくとも二つの領域を有する喫煙材を備え、
喫煙材の少なくとも二つの領域を、使用時に物品と係合することができる装置の照射光源から放射される光によって加熱することができるように配置される。
【0005】
一実施形態では、喫煙材の少なくとも二つの領域は、異なる香味を有するそれぞれの吸入可能な媒体を生成する。
【0006】
一実施形態では、喫煙材はタバコを含む。
【0007】
一実施形態では、喫煙材の少なくとも二つの領域は物品の外面にある、又は外面の近傍にある。
【0008】
一実施形態では、喫煙材の少なくとも二つの領域は物品の内面にある、又は内面の近傍にある。
【0009】
一実施形態では、物品は喫煙材の少なくとも一つの領域を覆う透明なカバーを備える。
【0010】
一実施形態では、物品は喫煙材の少なくとも一つの領域を覆う透明な窓を備えるカバーを備える。
【0011】
上記のような物品と喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるための装置との組合せ体もまた提供され、
物品は装置と係合可能であり、装置から係合解除可能であり、
装置は、装置に配置された照射光源を備え、
その配置は、物品が装置と係合されたとき、使用時に照射光源によって放射される光が、物品の喫煙材に当たって喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるように向けられるような配置であり、
装置は、使用時、照射光源によって放射される光を喫煙材の異なる領域に選択的に向けることができるように配置される。
【0012】
一実施形態では、装置は、照射光源の使用時に物品を装置から係合解除できないように構成される。
【0013】
一実施形態では、装置は、装置の使用時に物品が装置から少なくとも部分的に係合解除されると照射光源が消されるように構成される。
【0014】
一実施形態では、組合せ体は、使用時に照射光源によって放射される光を喫煙材の異なる領域に選択的に向けるためのビーム配向器を備える。
【0015】
一実施形態では、組合せ体は、使用時に照射光源によって放射される光を喫煙材の異なる領域に選択的に向けるように、喫煙材を照射光源に対して動かすための喫煙材移動装置を備える。
【0016】
一実施形態では、組合せ体は、装置に配置された複数の照射光源を備え、複数の照射光源の少なくともいくつかは喫煙材の異なる領域にそれぞれ向けられる。
【0017】
一実施形態では、組合せ体は、装置に配置された複数の照射光源を備え、複数の照射光源の少なくともいくつかは喫煙材の同じ領域にそれぞれ向けられる。
【0018】
一実施形態では、組合せ体は、使用時に一つ以上の照射光源によって放射される光を同時に喫煙材の複数の異なる領域に向けるように構成された制御回路を備える。
【0019】
一実施形態では、組合せ体は、使用時に一つ以上の照射光源によって放射される光を所定の順序にしたがって喫煙材の異なる領域に向け、使用者が香味の特性を経験するように構成された制御回路を備える。一実施形態では、制御回路は、使用時に一つ以上の照射光源によって放射される光を所定の順序にしたがって使用者による各パフ(1パフは1回吸引すること)に対して喫煙材の異なる領域に向けるように構成される。一実施形態では、制御回路は、使用時に一つ以上の照射光源によって放射される光を所定の順序にしたがって使用者による単一のパフにおいて喫煙材の複数の異なる領域に向けるように構成される。一実施形態では、制御回路は、使用者が所定の順序を決定することができるように構成される。一実施形態では、制御回路は、使用者が制御回路によって提供された所定の順序のリストから選択することによって所定の順序を決定することができるように構成される。
【0020】
一実施形態では、照射光源はレーザダイオードを備える。
【0021】
一実施形態では、照射光源は発光ダイオードを備える。
【0022】
一実施形態では、組合せ体は複数の照射光源を備え、複数の照射光源のそれぞれは発光ダイオードを備える。一実施形態では、複数の発光ダイオードは喫煙材の異なる領域にそれぞれ向くように、互いに異なる方向を向く。
【0023】
本発明の第2の態様によれば、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させる方法が提供され、本方法は、
照射光源によって放射される光で喫煙材の第1の領域を加熱するステップと、
照射光源によって放射される光で喫煙材の第2の領域を加熱するステップと
を含み、
第1の領域の喫煙材の組成は第2の領域の喫煙材の組成とは異なる。
【0024】
一実施形態では、第1の領域を加熱する照射光源は第2の領域を加熱する照射光源と同じである。
【0025】
一実施形態では、第1の領域を加熱する照射光源は第2の領域を加熱する照射光源とは異なる照射光源である。
【0026】
一実施形態では、喫煙材の第2の領域の加熱は、喫煙材の第1の領域の加熱の開始の後に開始される。
【0027】
一実施形態では、本方法は、
使用者による第1のパフに対して喫煙材の第1の領域を加熱するステップと、
使用者による第2のパフに対して喫煙材の第2の領域を加熱するステップと
を含む。
【0028】
一実施形態では、本方法は、
使用者による単一のパフ中に、喫煙材の第1の領域を加熱するステップと、
それに続く喫煙材の第2の領域を加熱するステップと
を含む。
【0029】
一実施形態では、本方法は、使用者によるパフとパフとの間に、喫煙材と照射光源を互いに対して動かすステップを含む。
【0030】
一実施形態では、本方法は、使用者による1パフ中に、喫煙材と照射光源を互いに対して動かすステップを含む。
【0031】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して単なる例として挙げる本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなろう。
【0032】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本書では、用語「喫煙材」は、加熱されると揮発成分を、典型的にはエアロゾルの形態で供する材料を含む。「喫煙材」は任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの一つ以上を含んでもよい。「喫煙材」はまた、他の非タバコ製品を含んでいてもよい。この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、含まなくてもよい。「喫煙材」は、例えば、固体、液体、ゲル、又は蝋等の形態をとることができる。「喫煙材」はまた、例えば、材料を組み合わせたもの、又はブレンドしたものであってもよい。
【0035】
典型的には、喫煙材を燃やさずに、又は燃焼させずに吸引することができるエアロゾルを形成するために喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させる装置が知られている。このような装置は、「非燃焼加熱式」装置、又は「タバコ加熱製品」、又は「タバコ加熱装置」、又はこれらと類似するものとしても説明される。喫煙材は装置内に挿入することができるカートリッジ又はカセット等の形態であってもよいし、或いは、それらの一部として提供されてもよい。喫煙材を加熱し、揮発させるためのヒータは装置の「永久」部品として提供されてもよく、或いは喫煙品の一部、又は使用後破棄され交換される消耗品として提供されてもよい。これに関連して「喫煙品」は、使用時に喫煙材を含み又は収容しており、使用時に加熱され、喫煙材及び任意選択的に他の成分を揮発させる装置、物品又は他の構成部品である。
【0036】
広い意味で、物品と装置との組合せ体が開示される。組合せ体は、喫煙材を燃やさずに、喫煙材を加熱して前記喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させ、典型的には、吸引することができる蒸気又はエアロゾルを形成するように構成されている。物品は喫煙材を含み、装置は喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるように構成されている。物品は装置と係合可能であり、装置から係合解除可能である。物品は装置と取外し可能に係合可能である。物品は、例えば、スナップ嵌め、摩擦嵌め、及びねじ結合のうちのいずれか一つ、又はそれらを組み合わせたものによって装置の端部と取外し可能に係合することができる。このように結合することによって、使用者は、物品を装置に素早く簡単に係合させ、装置から係合解除することができる。
【0037】
喫煙材は物品の少なくとも一つの表面にある層である。少なくとも一つの表面は一つの内面及び/又は一つの外面である。少なくとも一つの表面は一つ以上の内面及び/又は一つ以上の外面である。喫煙材は、物品の少なくとも一つの表面に接着されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、喫煙材は、透明な壁によって物品の少なくとも一つの表面上に保持されてもよい。いくつかの例では、透明な壁は物品内に備えられる。他の例では、透明な壁は装置内に備えられる。別の例では、喫煙材は、物品の少なくとも一つの表面に取外し可能に接着され、その結果、喫煙材を使用して揮発させた後に取り外して処分し、次いで、喫煙材の揮発していない新しい層に交換することができる。
【0038】
装置は光を発生させるための照射光源を備える。いくつかの例では、装置は複数の照射光源を備える(疑義を回避するため、例えば、ライトパイプ等の光を送る又は分配するための構造体は、これ自体は光を発生しなのでこの関連では光源と見なされない)。物品が装置と係合された場合に、一つ以上の照射光源と喫煙材とが装置の半径方向に重なるように、物品及び装置は互いに対して配置される。装置は、近位端から遠位端に延びる長手方向軸線を有し、「半径方向」は長手方向軸線に対して垂直であるように規定される。一例では、装置の近位端は吸い口端であり、吸い口(図示せず)を備える。
【0039】
一つ以上の照射光源は、物品の少なくとも一つの表面の喫煙材に当たって喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるように装置の半径方向に光を放射するように構成されている。いくつかの例では、照射光源は、物品の内面の喫煙材に当たるように装置の半径方向外向きに光を放射する。いくつかの例では、照射光源は、物品の外面に当たるように装置の半径方向内向きに光を放射する。これらの例では、装置は、物品の外面を実質的に取り囲む環状の照射光源を備える。
【0040】
光源及び喫煙材は、物品が装置と係合されたときに互いに対して動くことができて、使用時、照射光源によって放射される光を、物品の少なくとも一つの表面の喫煙材の異なる部分に選択的に向けることができる。
【0041】
図1を参照すると、物品110と装置120との組合せ体100の例の斜視図が示されている。組合せ体100は、喫煙材112を燃やさずに喫煙材112を加熱して喫煙材112の少なくとも一つの成分を揮発させ、典型的には、吸引することができる蒸気又はエアロゾルを形成するように構成されている。物品110は喫煙材112を含み、装置120は喫煙材112の少なくとも一つの成分を揮発させるように構成されている。物品110は装置120と係合可能であり、装置120から係合解除可能である。物品110は装置120と取外し可能に係合可能である。この例では、物品110は、使用時には装置120の端部121に結合することができる概ね蓋又はキャップの形態である。キャップは、例えば、スナップ嵌め、摩擦嵌め、及びねじ結合のうちのいずれか一つ、又はそれらを組み合わせたものによって装置120の端部121と取外し可能に係合することができる。このように結合することによって、使用者は、物品110を装置120に素早く簡単に係合させ、装置120から係合解除させることができる。他の例(図示せず)では、物品110は、装置120の側面に沿った部分等の装置120の異なる部分と摺動可能に係合される。
【0042】
物品110は、中空の内部114を形成する壁113を有する。壁113の内面115は喫煙材112の層を有する。一例では、喫煙材112の層は壁113の内面115にある連続した層である。或いはまた、喫煙材112の層は連続しているが、異なる組成の複数の個別の部分を含んで(例えば、異なる香味を与えて、及び/又は、異なるタイプのタバコとして、及び/又は異なるニコチン強度を有して)もよい。別の例では、喫煙材112の層は、壁114の内面115に喫煙材112の複数の個別の領域を有する。喫煙材112の複数の個別の領域は、異なる組成の喫煙材112の二つ以上の領域を備えてもよい。
【0043】
喫煙材112は、物品110の内面115に接着されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、喫煙材112は、透明な壁(図示せず)によって物品110の内面115上に保持されてもよい。いくつかの例では、透明な壁は物品110内に備えられる、又は物品110の一部である。他の例では、透明な壁は装置120内に備えられる、又は装置120の一部である。別の例では、喫煙材112は、物品110の内面115に取外し可能に接着され、その結果、喫煙材112を使用して揮発させた後に取り外して処分し、次いで、喫煙材112の揮発していない新しい層に交換することができる。
【0044】
装置120は照射光源122を備える。その配置は、物品110が装置120と係合された場合、使用時に照射光源122によって放射される光が、物品110の壁113の内面115の喫煙材112に当たって喫煙材112の少なくとも一つの成分を揮発させるように物品110の中空の内部114に向けられるような配置である。装置120は、使用時、照射光源122によって放射される光を物品110の壁113の内面115の喫煙材112の異なる部分に選択的に向けることができるように構成されている。
【0045】
一例では、組合せ体100は、物品110又は装置120の表面に、或いは両方に少なくとも一つの空気入口オリフィス(図示せず)を有しており、使用時に空気を組合せ体100内に入れることができる。組合せ体100は、使用時に流入空気が空気入口オリフィスから入口空気流通路を通り、喫煙材112内を通って、又は表面に沿って流れることができるように、一つ以上の入口空気流通路(図示せず)を有する。組合せ体100は、喫煙材112を通過した、又はその表面に沿った空気が、吸い口(図示せず)の方へ流れて、吸い口の開口を通って組合せ体100から流れ出ることができるように配置された一つ以上の出口空気流通路(図示せず)を有する。使用時、空気は少なくとも一つの空気入口オリフィスに入り、次いで、少なくとも一つの入口空気流通路を通り、次いで、喫煙材112に入り、又はその表面に沿って流れて、喫煙材112が照射光源122によって加熱されたときに生成される揮発した材料を取り込む。次いで、空気は、喫煙材112を通って流れた後、又はその表面に沿って流れた後、取り込まれた揮発した材料とともに少な朋一つの出口空気流通路に流入する。いくつかの例では、少なくとも一つの空気入口オリフィス、並びに一つ以上の入口空気流通路は装置120内に、又は装置120によって設けられる。
【0046】
いくつかの例では、各部分は複数回加熱されて喫煙材112を繰り返し揮発させる。しかしながら、いくつかの喫煙材では、すでに揮発した喫煙材112を再加熱すると不快な味のエアロゾルが生じることがある。物品がこのような喫煙材を含む場合には、喫煙材112のそれぞれの部分は一度だけ加熱される。組合せ体100のいくつかの例は、喫煙材112の異なる部分を加熱する少なくとも一つの仕方を提供する。
【0047】
一例では、組合せ体100の装置120は、照射光源122が使用中のときには物品110を装置120から係合解除できないように安全機構を備える。これは、照射光源122が使用中のとき、例えば制御回路の制御の下、物品110を装置120に対してロックするように作動する、例えば何らかの錠又はクリップ等であってもよい。安全機構は、光源122が光を放射しているときに使用者が光源と接触する危険性を減らす。この機構はまた、照射光源122が光を放射しているときに照射光源122が可燃性物質と接触する危険性を減らす。別の例として安全機構は、装置120の使用時に物品110が装置120から少なくとも部分的に係合解除されると、この場合も、例えば制御回路の制御の下、光源122が消されるようなものである。別の例では、安全機構は、使用者が物品110を装置120から係合解除させようとすると、この場合も、例えば制御回路の制御の下、光源122が消されるようなものである。
【0048】
図2を参照すると、吸引可能な媒体を生成するための組合せ体200の別の例の概略図が示されている。以下の説明及び
図2では、
図1を参照して説明された例の構成部品及び要素と同一又は類似の対応する構成部品及び要素は同じ参照番号に100を加えた参照番号を有するものとする。説明を簡単にするために、本書全体で、これらの構成部品及び要素についての説明は繰り返さない。
図1の例に関して上記で説明した配置及び代替物等はまた、
図2の例にも適用可能であることは理解されるであろう。この場合もまた、大筋では、
図2の組合せ体200は、物品210(
図2にはその一部分だけが示されている)と、吸引可能な媒体を生成するように喫煙材212を加熱して蒸気又はエアロゾルを形成するように構成された装置220とを備える。
【0049】
装置220内には、電源230及び電気制御回路232、234、236が収められており、それぞれ、装置220に電力供給し、装置220の機能制御を行う。電源230はバッテリーであってもよく、これは、充電式バッテリーでも非充電式バッテリーでもよい。適切なバッテリーの例としては、例えばリチウムイオン電池、ニッケル電池(ニッケルカドミウム電池等)、アルカリ電池及び/又は類似のものが挙げられる。これに代えて、電源は、例えばキャパシタを含む任意の適切な化学的又は電気的なエネルギー源であってもよい。電気制御回路は、例えば、バッテリー充電回路232、制御回路234、及び光源制御回路236のうちの一つ以上を含んで少なくとも一つの照射光源222を制御することができる。
【0050】
装置220内には、使用時に物品210に収められた喫煙材212を照射するための複数の照射光源222が収容されている。照射光源222は、物品210が装置220と係合している場合、物品210の喫煙材212を加熱するために使用される光224を発生させる。本書での用語「光」は通常、広く解釈されるべきで、例えば、赤外光、可視光、及び紫外光のいずれも含む。一般に、適切な光の波長は、約150nm〜約1mmの波長を含むことができる。特に適切な光の波長は、約350nm〜約450nm、及び約900nm〜約960nmの波長を含む。例えば、照射光源222は、例えば、約405nmの波長の可視光224を発生させるための発光ダイオード(LED:light emitting diode)を含んでもよい。この例では、五つの照射光源222が示されている。他の例では、照射光源222はこれより多くても少なくてもよい。代替として、照射光源222はレーザダイオードでもよく、又は、少なくとも一つのレーザダイオードと少なくとも一つのLEDとを備えていてもよい。一例では、レーザダイオードは約940nmの波長の光を放射する。照射光源222は、同じ波長の光を放射してもよいし、異なる波長の光を放射してもよい。
【0051】
組合せ体200は、照射光源222と喫煙材212との間に配置された透明な壁又は窓226を有する。一例では、透明な窓226は装置220内に配置され、装置220の壁又はハウジング(図示せず)に固定されることによって適所に保持される。別の例では、透明な窓は物品210内に配置され、物品210の壁(例えば、
図1に示したような物品110の壁113)に固定されることによって適所に保持される。透明な窓226によって、光224は通過するが、使用時に喫煙材212の加熱によって発生した材料が照射光源222を汚すことを防ぐことができる、又は防ぐ助けとなることができる。透明な窓212は、照射光源222によって放射される光224の少なくとも一つの波長に対して透明であることだけが最低限必要であり、実際、喫煙材212を加熱するために十分な光224を通すのに十分なほど透明であることだけが最低限必要であり、他の波長に対しては不透明でもよいし透明でもよいことに留意すべきである。透明な窓226は、剛性又は実質的に剛性があるとよい。透明な窓226に対する適切な材料としては、実質的に剛性のある透明な膜の窓等、例えば、ガラス(いくつかの様々なタイプがこの用途に適する)又はプラスチック(これもまた、いくつかの様々なタイプがこの用途に適する)が挙げられる。透明な窓226は、適切なレベルで確実に光を透過するために、例えば、薄い膜のコーティングを有してもよい。例えば、ブルーム防止コーティングは窓226を通る光224の透過度を向上させることができる。別の例では、自浄型のコーティングは、使用期間にわたって変わらず窓226を通る光224の透過度を確実に保つことができる。さらに別の例では、透明な窓226は剛性がなくてもよく、例えば、剛性のない膜等の形態であってもよい。透明な窓226は、空気及び揮発した材料が照射光源222の表面に沿って流れることを防ぐように配置され、したがって、照射光源222を清浄で汚染物がないように保つ。これは、装置220及び照射光源222及び光学構成部品を確実に長寿命にするために重要である。このような窓226を使用するさらなる例は、参照によってその内容全体が本書に援用される2015年5月15日出願の本発明者の英国特許出願第1508405.6号に開示されている。
【0052】
光源222は、物品210が装置220と係合されたときに喫煙材212と隣り合う装置220内の或る位置に配置され、その結果、使用時、光源222によって放射される光224は喫煙材212に当たるように向けられるようになっている。この例では、光源222の配置は、喫煙材212の様々な領域の配置に概ね対応する。
図2の例では、光源222は、喫煙材212の様々な領域の直線状の配置に対応するように直線状に配置されている。他の例では、光源222は、
図1に示すように、物品110内の喫煙材112の環状の層に概ね対応するように、装置の端部の周囲に配置することができる。
【0053】
この例では、装置220は、照射光源222によって放射される光224を、使用時に喫煙材212の異なる部分に選択的に向けることができるように配置されている。
図2の例では、複数の光源222のそれぞれは、喫煙材212の異なる部分に向けられている。装置220は、複数の照射光源222に選択的に電力供給するように構成、配置された光源制御回路236を有する。一例では、照射光源222は、光224を順次放射するように、すなわち、任意の特定の時間に光源222の一つだけが光を放射するように構成される。他の例では、照射光源222の二つ以上が同時に光224を放射するように構成されてもよい。これは、照射光源222のこれらの二つ以上を動作させるときはいつでも起こすことができる、又は、何らかの制御の下、照射光源222のこれらの二つ以上が、同時に、又は一度に一つだけ、光を選択的に放射することができる。いくつかの例では、二つ以上の照射光源222は、前記二つ以上の照射光源222によって放射される光224が喫煙材212の同じ部分に向けられるように配置されてもよい。いくつかの例では、二つ以上の照射光源222が同時に光224を放射するとき、喫煙材212の前記部分での照射強度は増大される。他の例では、二つ以上の照射光源222は、二つ以上の照射光源222の過熱を防ぐために交互に光224を放射するように制御されてもよい。
【0054】
一例では、光源制御回路236は、光224が複数の照射光源222から所定の順序で放射されるように構成される。いくつかの例では、複数の照射光源222はそれぞれ喫煙材212の異なる位置に向けられる。いくつかの例では、組合せ体200の使用者は所定の順序を決定することができる。例えば、使用者は、制御回路234又は光源制御回路236に記憶された所定の順序のリストから所定の順序を選択することができる。別の例として、所定の順序は、装置と係合される物品の識別的な特徴に基づいて所定のプログラムのリストから自動的に選択されてもよい。例えば、物品210が複数の異なるタイプのタバコを含むタイプであると装置220が検出したときに適用される第1の動作順序、及び物品210は同じタイプのタバコであるが異なる領域に異なる加香料を有するタバコを含むタイプであると装置220が検出したときに適用される第2の動作順序があってもよい。別の例として、使用者は使用者自身の順序をプログラムすることができる。別の例として、装置220は、例えば、いわゆるスマートフォン又はタブレットコンピュータ等のためのアプリケーションによってプログラム可能とすることができる。代替として、所定の順序は、制御回路234又は光源制御回路236内に記憶され、使用者が変更することができない固定されたプログラムとすることもできる。
【0055】
図3を参照すると、吸引可能な媒体を生成するための組合せ体300の別の例の概略図が示されている。以下の説明及び
図3では、
図2を参照して説明された例の構成部品及び要素と同一又は類似の対応する構成部品及び要素は同じ参照番号に100を加えた参照番号を有する。説明を簡単にするために、本書全体で、これらの構成部品及び要素についての説明は繰り返さない。
図1及び2の例に関して上記で説明した配置及び代替物等はまた、
図3の例にも適用可能であることは理解されるであろう。この場合もまた、大筋では、
図3の組合せ体300は、物品310(
図3にはその一部分だけが示されている)と、吸引可能な媒体を生成すべく喫煙材312を加熱して蒸気又はエアロゾルを形成するように構成された装置320とを備える。
【0056】
装置320は、使用時に物品310に収められた喫煙材312を照射するための照射光源322を備える。一般に、適切な光の波長は、約150nm〜約1mmの波長を含むことができる。特に適切な光の波長は、約350nm〜約450nm、及び約900nm〜約960nmの波長を含む。例えば、照射光源322は、例えば、約405nmの波長の可視光324を発生させるために発光ダイオード(LED)を含んでもよい。この例では、照射光源322は、例えば、約940nmの波長の光324を発生させるためのレーザダイオードである。いくつかの例では、装置320は、
図2を参照して説明したように、複数の照射光源322を収めることができる。複数の照射光源322は、異なるタイプの光源、例えばレーザダイオードとLEDを組み合わせたものであってもよい。照射光源322は、同じ波長の光を放射してもよいし、異なる波長の光を放射してもよい。
【0057】
組合せ体300は、使用時に照射光源322によって放射される光324を、異なるタイミングで喫煙材312の異なる部分に選択的に向けるように、喫煙材312を一つ以上の光源322に対して動かすための移動装置350を備える。
図3には、喫煙材312の動きが矢印302によって示されている。
図3では、移動装置350がラックピニオン装置として概略的に示されているが、例えば、圧電駆動装置を含む他の装置も可能である。この例では、光源322に対する喫煙材312の動きは直線運動である。他の例では、喫煙材312を備える物品310は装置300と回転可能に係合され、その結果、物品310を装置320に対して回転させると、喫煙材312は照射光源(複数可)322に対して動くこととなる。物品310は、装置320の機構を制御する制御回路334によって自動的に回転させることができる。これに代えて、物品310は、例えば、1パフ毎に使用者が手で回転してもよい。一例では、喫煙材は、照射光源が光を放射している間、動くことができる。光源は、喫煙材が動いている間、光を実質的に常時、放射することができる。これに代えて、光源は、喫煙材が動いている間、光をパルス状に放射してもよい。
【0058】
これに代えて、又はこれに加えて、照射光源322は、物品310が装置320と係合されているとき、装置320内で移動可能とすることができ、その結果、照射光源322によって放射される光324は喫煙材312の異なる部分に向けられるようになっている。一例では、照射光源は、喫煙材に対して動いている間、光を放射しない。別の例では、照射光源は、動いている間、光を実質的に常時、放射することができる。これに代えて、光源は、動いている間、光をパルス状に放射してもよい。例えば、照射光源322は、光324が、照射光源322から喫煙材312に対して照射光源322の各回転位置に対する異なる角度で放射されるように、或る軸線で回転することができ、その結果、喫煙材312の異なる部分が揮発される。これに代えて、又はこれに加えて、照射光源322は、照射光源322が喫煙材312に対して異なる位置にあるときに光324が放射されるように直線状に動くことができ、その結果、喫煙材312の異なる部分が揮発されるようになっている。
【0059】
組合せ体300は、
図2を参照して本書で説明したように、照射光源322と喫煙材312との間に配置された透明な壁又は窓326をさらに備える。一例では、透明な窓326は、照射光源322、又は照射光源322のまわりのハウジング(図示せず)に強固に接合されており、その結果、照射光源322を喫煙材312に対して動かすと、透明な窓326は喫煙材312に対して動くこととなる。このような構成によって、透明な窓326は確実に照射光源322に対して一定の位置となり、その結果、照射光源322によって放射される光324は常に透明な窓326を通過する。別の例では、透明な窓326は、物品310内の固定位置に配置されて喫煙材312を覆う。別の例では、透明な窓326は物品310内に移動可能に配置され、組合せ体300は、使用時に透明な窓326が常に光源322と喫煙材312の照射される部分との間に位置するように構成、配置される。
【0060】
図4を参照すると、吸引可能な媒体を生成するための組合せ体400の別の例の概略図が示されている。以下の説明及び
図4では、
図3を参照して説明された例の構成部品及び要素と同一又は類似の対応する構成部品及び要素は同じ参照番号に100を加えた参照番号を有する。説明を簡単にするために、本書全体で、これらの構成部品及び要素についての説明は繰り返さない。
図1、
図2及び
図3の例に関して上記で説明した配置及び代替物等はまた、
図4の例にも適用可能であることは理解されるであろう。この場合もまた、大筋では、
図4の組合せ体400は、物品410(
図4にはその一部分だけが示されている)と、吸引可能な媒体を生成すべく喫煙材412を加熱して蒸気又はエアロゾルを形成するように構成された装置420とを備える。
【0061】
装置420は、使用時に物品410内に配置された喫煙材412を照射光源422によって放射される光424を使って加熱する。照射光源422によって放射される光424は、光424が喫煙材412に当たるように、ビーム偏向器428によって操作される、すなわち、焦点を合わされる、及び/又は方向決めがされる。
【0062】
装置420は、使用時に照射光源422によって放射される光424を操作するために少なくとも一つのビーム偏向器428を備える。光424を操作するための少なくとも一つのビーム偏向器428は、光424を望むように操作することができる鏡、ビームスプリッタ、コリメータ、又は任意の他の光学構成部品とすることができる。ビーム偏向器428によって光424を操作することは、光の焦点を合わせること、及び光の方向を定めること/曲げることのうちの一つ以上を含むことができる。
図4の例では、ビーム偏向器は、喫煙材412に当たるような方向に光424を反射させるための鏡428である。この例では、鏡428の位置(すなわち、変位)及び/又は角度は、装置420の制御回路434によって、例えば、圧電アクチュエータ(図示せず)を駆動して鏡428を動かすことによって調節可能であり制御される。他の例では、制御回路434は、使用時に少なくとも一つの光学構成部品428の任意の適切なパラメータを制御することができる。いくつかの例では、ビーム偏向器428は、1パフ毎に喫煙材412の異なる領域が加熱されるように、パフとパフとの間で動かされる。これに代えて、又はこれに加えて、ビーム偏向器428は、1パフ中に動かすことができ、1パフ中に新しい喫煙材412が加熱されるようになっている。
【0063】
図2又は
図3を参照して本書で説明したように、透明な窓426は、空気及び揮発した材料が照射光源422及び少なくとも一つのビーム偏向器428の表面に沿って流れることを防ぐように配置され、したがって、照射光源422及び少なくとも一つのビーム偏向器428を清浄で汚染物がないように保つ。これは、装置420及び照射光源422及び少なくとも一つのビーム偏向器428を確実に長寿命にするために重要である。
【0064】
図5を参照すると、喫煙材512の複数の個別の領域541、542、543よりなる喫煙材512の層500の例が示されている。
図5の例では、個別の領域541、542、543は、喫煙材512の個別の部分によって提供される。代替として、個別の領域541、542、543を有する喫煙材512の連続した層500であってもよい(下記でさらに説明する)。
図5の例では、喫煙材512の三つの個別の領域541、542、543がある。他の例では、それより多い喫煙材の領域又はそれより少ない喫煙材の領域を有することができる。層500は、
図1〜4のいずれかを参照して本書で説明した物品のいずれにも使用するために適している。
【0065】
喫煙材512の層500は、照射光源を使って吸引可能な媒体を生成するために、物品(図示しないが、例えば、上記で説明した物品とすることができる物品)内又は物品上に配置することができる。喫煙材512は、喫煙材の複数の領域541、542、543を備える。この例では、複数の領域541、542、543の各領域は、互いに異なる喫煙材512の組成を有する。他の例では、領域541、542、543のうちの二つ以上は、同じ喫煙材512の組成を有してもよい。物品は、使用時に物品を係合することができる装置の照射光源によって放射される光によって喫煙材512の複数の領域541、542、543を加熱することができるように配置されている。
【0066】
いくつかの例では、喫煙材512の異なる組成は異なる香味を有するそれぞれ対応の吸引可能な媒体を生成する。いくつかの例では、複数の領域541、542、543は、物品の外面にある、又は外面の近傍にある。他の例では、複数の領域541、542、543は、物品の内面にある、又は内面の近傍にある。
【0067】
いくつかの例では、複数の領域541、542、543における個別の領域のそれぞれの組成は、異なるタイプのタバコ、又は様々なタバコの異なる混合物若しくはブレンドである。これに代えて、個別の領域541、542、543のそれぞれは、同じタイプではあるが異なる濃度のタバコ(すなわち、同じ単位面積又は単位体積当たりのタバコの量が異なる)とすることができる。
【0068】
喫煙材512の領域541、542、543のうちの一つ以上は、他の領域541、542、543のうちの一つ以上の加香料又は香味料とは異なる加香料又は香味料を含んでもよい(他の領域541、542、543のうちの一つ以上が加香料を加えられていなくてもよいことは理解されよう)。本書では、用語「香料」及び「香味料」は、成人消費者用の製品において所望の味又は香りを生成するために、現地の規制によって許可される場合に使用することができる材料を指す。これらの材料は、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油等)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは感覚受容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加物(例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤)を含んでいてもよい。これらは、模造品、合成材料又は天然材料、或いはこれらのブレンドであってもよい。香料はタバコ香料であってもよい。香料が液体又はゲルの形態で渡される場合、タバコ香料はタバコ抽出物から得られる。香料が固体製品から得られる場合、製品は、切り刻まれた粒子又は顆粒の形態、或いは、再生タバコシート材の形態のタバコ葉とすることができる。
【0069】
図6を参照すると、装置620(
図6にはその一部分だけが示されている)内の複数の光源622と、喫煙材612の複数の領域641、642、643を有する、
図5を参照して本書で説明したような一般的なタイプの物品610(
図6にはその一部分だけが示されている)に設けられた喫煙材612の層とを備える組合せ体600の例が示されている。
図6の組合せ体600は、例えば、
図1〜
図4を参照して本書で説明した組合せ体のいずれかとして用いることができる。説明を明瞭にするために、透明な壁、装置620の制御回路、及び物品610の支持壁等の組合せ体600の他の要素は示されていない。
【0070】
図6の例では、複数の光源622のそれぞれは、物品610が装置610と係合されているとき、使用時にそれぞれの各光源622によって放射される光が喫煙材612の異なる対応の部分に当たるように装置620の位置に配置される。この場合もまた、いくつかの例では、光源622の二つ以上が、喫煙材の同じ部分に当たる光を放射することは理解されるであろう。いくつかの例では、光源622及び喫煙材612は、
図3を参照して本書で説明したように、互いに対して動くことができる。いくつかの例では、組合せ体600は、これに加えて、又はこれに代えて、
図4を参照して本書で説明したように、一つ以上のビーム偏向器を備えて、照射光源622の一つ以上によって放射される光のビームを偏向させる。
【0071】
図6の例では、4つの照射光源L1〜L4は、光源L1〜L4によって放射される光が喫煙材の第1の領域641に当たるように配置されている。二つの照射光源L5〜L6は、光源L5〜L6によって放射される光が喫煙材612の第2の領域642に当たるように配置されている。三つの照射光源L7〜L9は、光源L7〜L9によって放射される光が喫煙材612の第3の領域643に当たるように配置されている。他の例では、喫煙材612のそれぞれ異なる各領域641、642、643に向けられる照射光源はこれより多くてもよいし、少なくてもよい。この例では、光源L1〜L9のそれぞれは同じ方向に向けられている。他の例では、光源L1〜L9のうちの少なくとも二つは、喫煙材612の異なる領域にそれぞれ向けられるように、互いに異なる方向に向けてもよい。
【0072】
いくつかの例では、喫煙材612の個別の領域641、642、643毎にそれぞれ一つの照射光源622がある。いくつかの例では、装置620は、喫煙材612の領域より少ない照射光源622を有する。いくつかの例では、装置620は単一の照射光源622を有する。いくつかの例では、少なくとも一つの照射光源622は喫煙材612に対して動くことができる。組合せ体600は、使用時、喫煙材612の異なる領域641、642、643に少なくとも一つの照射光源622によって放射される光が当たるように構成されている。
【0073】
いくつかの例では、装置は、使用時に照射光源(複数可)622によって放射される光を、異なるタイミングで喫煙材612の異なる領域641、642、643に選択的に向けるように構成された制御回路(図示せず)を有する。いくつかの例では、制御回路は、使用時に一つ以上の照射光源622によって放射される光を同時に喫煙材612の複数の異なる領域641、642、643に向けるように構成される。いくつかの例では、制御回路は、使用時に一つ以上の照射光源622によって放射される光を所定の順序にしたがって喫煙材612の異なる領域641、642、643に向け、その結果、使用者が使用時間にわたって香味の特性、すなわち、異なる香味を順番に味わえるように構成される。いくつかの例では、所定の順序は、組合せ体600の使用者が決定することができる。例えば、使用者は、装置620の制御回路又は光源制御回路に記憶された所定の順序のリストから所定の順序を選択することができる。別の例として、所定の順序は、装置と係合される物品の特定の特徴に基づいて所定のプログラムのリストから自動的に選択されてもよい。例えば、物品610が複数の異なるタイプのタバコを含むタイプであると装置620が検出したときに適用される第1の動作順序、及び物品610は同じタイプのタバコであるが異なる領域に異なる加香料を有するタバコを含むタイプであると装置620が検出したときに適用される第2の動作順序があってもよい。別の例として、使用者は使用者自身の順序を設定又はプログラムすることができる。別の例として、装置620は、例えば、いわゆるスマートフォン又はタブレットコンピュータ等のためのアプリケーションによって、例えば有線接続又は無線接続を介してプログラム可能とすることができる。代替として、所定の順序は、制御回路又は光源制御回路内に記憶され、使用者が変更することができない固定されたプログラムとすることができる。
【0074】
図7を参照すると、
図6の喫煙材の異なる領域を選択的に加熱して、10パフの喫煙行為の進行中に香味の特性を生成するための、
図6の照射光源L1〜L9を作動させる順序の例が示されている。
図7に示す例では、領域642は、2パフに対して加熱されて領域642の喫煙材612から蒸気を生成することになる。領域641は、5パフに対して加熱されて領域641の喫煙材612から蒸気を生成することになる。領域643は、3パフに対して加熱されて領域643の喫煙材612から蒸気を生成することになる。
【0075】
いくつかの例では、各パフは、装置の「パフセンサ」によって検出され、それぞれのパフに対して適切な光源が作動させられる。装置の制御回路は、それぞれのパフの検知された時間の間だけ、それぞれの各領域を加熱するように構成されてもよい。これに代えて、装置は、パフが始まったことが検知された後、パフの平均時間の間、例えば、2〜3秒、それぞれの各領域を加熱するように予め構成されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、使用者は、喫煙行為を始めようとすることを示すために作動信号を与えてもよい。次いで、装置は、それぞれの香味を望むパフ回数に基づいて所定の時間の間、喫煙材の各領域が加熱される、自律モードに入ることができる。
【0076】
いくつかの例では、喫煙材のそれぞれの領域と隣り合う照射光源の数個だけが同時に作動させられる。このような構成は、それぞれの領域の香味の濃度を減じるために使用することができる。これに代えて、このような構成によって、より多くの回数のパフに対してそれぞれの領域を揮発させることができる。
【0077】
図7に示す例等の順序は、喫煙材の二つ以上の領域がある前述の例のいずれかによる組合せによって使用されてもよい。装置が、喫煙材の領域よりも少ない照射光源を備える例では、この順序は、各パフに対して、照射光源(複数可)を喫煙材に対して特定の位置となるように規定することがある。
【0078】
図8を参照すると、
図6の喫煙材の異なる領域を選択的に加熱して、1パフの進行中に香味の特性を生成するための、
図6の照射光源L1〜L9を作動させる順序の例が示されている。
図9は、
図8の順序で生じる香味の特性を示す。実線は領域641からの香味を示し、密な破線は領域642からの香味を示し、破線は領域643からの香味を示す。
【0079】
この例では、領域641からの香味を最初に送出し、次いで、領域642からの香味を送出し、最後に領域643からの香味を送出し、すべてが3秒間の期間での1パフに行われるように順序がプログラムされている。最初の期間では、光源L1〜L3及びL5〜L7が光を放射する。したがって、使用者は、領域641からの香味が支配的である香味の組合せを経験する。一つの期間の後、光源L1〜L3は光を放射することを止め、その結果、領域642からの香味が支配的となる香味になる。3番目の期間では、光源L5〜L6は光を放射することを止め、光源L8が光を放射し始め、その結果、領域643からの香味が支配的となる香味になる。
【0080】
これに代えて、又はこれに加えて、吸引時の香味の特性は、1パフ中、照射光源(複数可)に対して喫煙材を動かすことによって生成される。例えば、光源は、喫煙材の第1の領域に当たる光を最初に放射するように喫煙材に対して配置され、前記光源は、次いで、光源によって放射される光が喫煙材の第2の領域に当たるように喫煙材に対して動くように構成され、これらすべてが同じパフ中に生じる。同様な効果は、1パフ中に、照射光源によって放射される光のビームを操作するためのビーム偏向器を動かして、前記パフ中に光のビームが喫煙材の二つ以上の異なる領域に当たることによって達成することができる。
【0081】
これに加えて、いくつかの例では、喫煙材の同じ部分を二度加熱しないように、喫煙材は各パフとパフとの間で少なくとも一つの照射光源に対して動かされる、又はこれと同等であるが、装置のビーム偏向器の位置は各パフとパフとの間で調節される。
【0082】
いくつかの例では、吸引時の香味の特性は、喫煙行為における各パフに対して繰り返される。他の例では、同じ喫煙行為中に、吸引時の香味の特性が異なったものにされる。これを示す単なる一つの特定の例として、使用者は、その喫煙行為の大部分に対して強いタバコ香味であるが、最後の2パフをメンソール香味で終えることを好むことがある。
【0083】
図10A及び
図10Bを参照すると、吸引可能な媒体を生成するための組合せ体1000の別の例の概略図が示されている。以下の説明並びに
図10A及び
図10Bでは、
図1を参照して上記で説明された例の構成部品及び要素と同一又は類似の対応する構成部品及び要素は同じ参照番号に1000を加えた参照番号を有する。説明を簡単にするために、本書全体で、これらの構成部品及び要素についての説明は繰り返さない。上記で説明した配置及び代替物等はまた、
図10A及び
図10Bの例にも適用可能であることは理解されるであろう。この場合もまた、大筋では、
図10A及び10Bの組合せ体1000は、物品1110と、吸引可能な媒体を生成するよう喫煙材1112を加熱して蒸気又はエアロゾルを形成するように構成された装置1120とを備える。物品1110は装置1120と係合可能であり、装置1120から係合解除可能である。物品1110は装置1120と取外し可能に係合可能である。
図10Aでは、物品1110は、装置1120内に完全に受け入れられた状態で示されており、
図10Bでは、物品1110は装置1120の外側に示されている。
【0084】
この例では、物品1110はキャップ又はヘッド1111を有する。喫煙材1112は、キャップ1111から突出するロッド又はスティックとして、或いはロッド又はスティックの外面のコーティング等として設けられている。喫煙材1112が装置1120の内部に入るように、装置1120は、喫煙材1112が中を通る孔1116を有する。装置1120は、一つ以上の照射光源(図示せず)を備える。一つの照射光源又は各照射光源は、その照射光源によって放射される光が装置1120の内側に向けられるように装置1120内に配置される。このようにして、物品1110が装置1120と係合されると、一つの照射光源又は各照射光源によって放射される光は喫煙材1112に当たって、喫煙材1112の少なくとも一つの成分を揮発させる。上記の例のように、装置1120は、使用時、一つの照射光源又は各照射光源1122によって放射される光を物品1110の喫煙材1112の異なる部分に選択的に向けることができるように配置することができる。
【0085】
喫煙材を含む物品と、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるための装置との組合せ体を提供することもできる。ここで、
物品は装置と係合可能であり、装置から係合解除可能であり、
喫煙材は物品の少なくとも一つの表面にある層であり、
装置は光を発生させるための照射光源を備え、
物品が装置と係合されると、物品と装置は、照射光源と喫煙材が装置の半径方向に重なるように配置され、
照射光源は、物品の少なくとも一つの表面の喫煙材に当たって喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるように装置の半径方向に光を放射するように構成され、
照射光源と喫煙材は、物品が装置と係合されたときに互いに対して動くことができて、使用時、照射光源によって放射される光を、物品の少なくとも一つの表面の喫煙材の異なる部分に選択的に向けることができるようになっている。
【0086】
喫煙材を含む物品と、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるための装置との組合せ体を提供することもまたできる。ここで、
物品は装置と係合可能であり、装置から係合解除可能であり、
物品は、中空の内部を画定する壁を備え、壁の内面は喫煙材の層を有し、
装置は、装置内に配置された照射光源を備え、
配置は、物品が装置と係合されたとき、使用時に照射光源によって放射される光が、物品の壁の内面の喫煙材に当たって喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるように物品の内部に向けられるような配置であり、
装置は、使用時、照射光源によって放射される光を物品の壁の内面の喫煙材の異なる部分に選択的に向けることができるように構成される。
【0087】
喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させる方法も提供することができ、本法は、
喫煙材を含む物品を、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるための装置と係合させるステップであって、装置は光を発生させるための照射光源を備え、喫煙材は物品の少なくとも一つの表面にある層であり、物品が装置と係合されると、照射光源と喫煙材は装置の半径方向に重なる、ステップと、
照射光源によって放射される光で喫煙材の第1の領域を加熱するステップと、
照射光源によって放射される光で喫煙材の第2の領域を加熱するステップと、
喫煙材と照射光源を互いに対して動かすステップと
を含み、
一つ以上の照射光源によって放射される光は装置の半径方向に放射されて喫煙材に当たる。
【0088】
喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させる方法もまた提供することができ、本法は、
照射光源によって放射される光で喫煙材の第1の領域を加熱するステップと、
照射光源によって放射される光で喫煙材の第2の領域を加熱するステップと
を含み、
喫煙材の第1の領域及び喫煙材の第2の領域が物品の中空の内部を画定する壁の内面に設けられる。
【0089】
本書で説明した様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解と教示を助けるためだけに提示されている。これらの実施形態は単に実施形態のうちの代表的な例として提供されており、包括的及び/又は排他的なものではない。本書で説明した利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するもの、或いは特許請求の範囲の均等物を限定するものと考えるべきではなく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本書で特に説明されたもの以外の開示された要素、構成部品、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組合せを好適に備え、それらから構成され、或いは実質的にそれらから構成されてもよい。さらに、本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載される可能性のある他の発明を含む可能性がある。