特許第6773834号(P6773834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6773834軸の回動及び直線変位を制御するシステム及び該軸を備える自動工具交換機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773834
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】軸の回動及び直線変位を制御するシステム及び該軸を備える自動工具交換機構
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/157 20060101AFI20201012BHJP
   F16H 37/12 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   B23Q3/157 M
   F16H37/12 Z
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-69405(P2019-69405)
(22)【出願日】2019年3月29日
(65)【公開番号】特開2020-6503(P2020-6503A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年3月29日
(31)【優先権主張番号】107123581
(32)【優先日】2018年7月6日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515207329
【氏名又は名称】聖杰國際股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sanjet International Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 慶三
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−138377(JP,A)
【文献】 特開2000−193062(JP,A)
【文献】 特開2002−039312(JP,A)
【文献】 実開平06−053851(JP,U)
【文献】 実開平05−096606(JP,U)
【文献】 実開平04−013234(JP,U)
【文献】 特開2016−043466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/155 − 3/157
F16H 19/00 − 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座、主軸、第一伝動ユニット及び第二伝動ユニットを含み、
前記主軸は、前記台座に回動可能に取り付けされているとともに、軸方向に沿って往復移動できるように配置されており、
前記第一伝動ユニットは、第一スリーブ及び第一の動力源を含み、前記主軸が前記第一スリーブを挿通するとともに、前記第一スリーブと摺動対をなして係合しており、前記第一の動力源が前記第一スリーブを回動させるように駆動するための第一モーターであり、回動されている第一スリーブが前記主軸を回転させるように配置されており、
前記第二伝動ユニットは、第二軸台、第二スリーブ及び第二の動力源を含み、前記第二軸台が前記台座に固定されており、前記第二スリーブが前記第二軸台に配置されかつ前記第二軸台に対して回動可能であり、前記主軸が前記第二スリーブを挿通するように配置されており、前記第二スリーブが内側螺旋構造体を有し、前記主軸が前記内側螺旋構造体と対応する外側螺旋構造体を有し、前記第二の動力源が前記第二スリーブを回動させるように駆動し、前記主軸を前記第二スリーブに対して軸方向に沿って移動させるための第二モーターであり、
前記第一モーターと前記第二モーターとが同期に始動される場合、前記主軸は軸方向に沿って変位せずに、元の位置で回動し、前記第一モーターが作動を停止し、前記第二モーターが作動し続ける場合、前記主軸を軸方向に沿って変位させ
前記第一スリーブの内壁と前記主軸の表面のそれぞれには、軸方向に沿って凹んで形成された少なくとも一つの直線溝を備え、複数の鋼球が前記第一スリーブと前記主軸との直線溝に充填されている
軸の回動及び直線変位を制御するシステム。
【請求項2】
前記第二スリーブを元の位置で回動可能に前記第二軸台に位置するように、前記第二軸台と前記第二スリーブとの間に少なくとも一つの保持器が外嵌されている
請求項1に記載の軸の回動及び直線変位を制御するシステム。
【請求項3】
前記内側螺旋構造体と前記外側螺旋構造体とは、軸方向に沿って配置された螺旋溝であり、前記第二伝動ユニットは、前記内側螺旋構造体と前記外側螺旋構造体との螺旋溝に位置する複数の鋼球を含む
請求項1に記載の軸の回動及び直線変位を制御するシステム。
【請求項4】
前記第二伝動ユニットは二つの第二プーリを含み、前記第二の動力源は回動可能な第二出力軸を有し、
一方の前記第二プーリが前記第二出力軸の一端に固定連結されており、他方の前記第二プーリが前記第二スリーブと同軸に配置されているとともに、前記第二スリーブに固定されており、前記二つの第二プーリの間に第二ベルトが巻き掛けられている
請求項1〜3の何れか一項に記載の軸の回動及び直線変位を制御するシステム。
【請求項5】
前記第一伝動ユニットは、前記台座に固定された第一軸台を含み、
前記第一スリーブは前記第一軸台に配置されてい
請求項1〜3の何れか一項に記載の軸の回動及び直線変位を制御するシステム。
【請求項6】
前記第一スリーブを元の位置で回動可能に前記第一軸台に位置するように、前記第一軸台と前記第一スリーブとの間に少なくとも一つの保持器が外嵌されている
請求項5に記載の軸の回動及び直線変位を制御するシステム。
【請求項7】
前記第一伝動ユニットは、二つの第二プーリを含み、前記第一の動力源は回動可能な第一出力軸を有し、一方の前記第一プーリが前記第一出力軸の一端に固定連結されており、他方の前記第一プーリが前記第一スリーブと同軸に配置されているとともに、前記第一スリーブに固定されており、前記二つの第一プーリの間に第一ベルトが巻き掛けられている
請求項5に記載の軸の回動及び直線変位を制御するシステム。
【請求項8】
軸を制御するシステム及び工具交換アームを含み、
前記軸を制御するシステムは、
台座、主軸、第一伝動ユニット及び第二伝動ユニットを含み、
前記主軸は、前記台座に回動可能に取り付けされているとともに、軸方向に沿って往復移動できるように配置されており、
前記第一伝動ユニットは、第一スリーブ及び第一モーターを含み、前記主軸が前記第一スリーブを挿通するとともに、前記第一スリーブと摺動対をなして係合しており、前記第一スリーブが前記第一モーターにより回動されて前記主軸を回転させるように配置されており、
前記第二伝動ユニットは、第二スリーブ及び第二モーターを含み、前記主軸が前記第二スリーブを挿通するように配置されているとともに、前記第二スリーブと螺旋対をなして係合しており、前記第二スリーブが前記第二モーターにより回動されて前記主軸を軸方向に沿って移動させるように配置されており、
前記工具交換アームは前記主軸の前記台座から突き抜けた一端に連結されており、
前記第一モーターと前記第二モーターとが同期に始動される場合、前記主軸は軸方向に沿って変位せずに、元の位置で回動し、前記第一モーターが作動を停止し、前記第二モーターが作動し続ける場合、前記主軸を軸方向に沿って変位させ
前記第一スリーブの内壁と前記主軸の表面のそれぞれには、軸方向に沿って凹んで形成された少なくとも一つの直線溝を備え、複数の鋼球が前記第一スリーブと前記主軸との直線溝に充填されており、前記第二伝動ユニットは前記台座に固定された第二軸台を含み、前記第二スリーブは元の位置で回動可能に前記第二軸台に配置されている
自動工具交換機構。
【請求項9】
前記第一伝動ユニットは、前記台座に固定された第一軸台を含み、
前記第一スリーブが元の位置で回動可能に前記第一軸台に配置されてい
請求項に記載の自動工具交換機構。
【請求項10】
前記第一伝動ユニットは、二つの第一プーリを含み、前記第一モーターは回動可能な第一出力軸を有し、一方の前記第一プーリが前記第一出力軸の一端に固定連結されており、他方の前記第一プーリが前記第一スリーブと同軸に配置されているとともに、前記第一スリーブに固定されており、前記二つの第一プーリの間に第一ベルトが巻き掛けられている
請求項に記載の自動工具交換機構。
【請求項11】
記第二スリーブが内側螺旋構造体を有し、前記主軸が前記内側螺旋構造体と対応する外側螺旋構造体を有し、前記内側螺旋構造体と前記外側螺旋構造体との間に位置している複数の鋼球をさらに含む
請求項に記載の自動工具交換機構。
【請求項12】
前記第二伝動ユニットは二つの第二プーリを含み、前記第二モーターが回動可能な第二出力軸を有し、一方の前記第二プーリが前記第二出力軸の一端に固定連結されており、他方の前記第二プーリが前記第二スリーブと同軸に配置されているとともに、前記第二スリーブに固定されており、前記二つの第二プーリの間に第二ベルトが巻き掛けられている
請求項11に記載の自動工具交換機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸の応用に関し、特に軸の回動及び直線変位を制御するシステム及び該軸を備える自動工具交換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
軸が広く使用されていることが知られており、回動または直線変位で制御されることができる。加工機の自動工具交換機構を例として、それが工具マガジンと加工機の主軸ヘッドとの間に配置されており、主軸及び主軸の一端に結合された工具交換アームを含む。二つのモーターによって主軸が回動または直線変位されて、工具交換アームを駆動して工具マガジンおよび主軸ヘッドに配置された工具を交換する。例えば、特許文献1には、二つのモーターを利用して主軸の回動または直線変位をそれぞれ制御する「工具マガジンの工具交換機構」が記載されている。しかしながら、当該技術に関する構造の体積が大きくて空間を占有し、伝達部材が多いため点検に不便となり、一部の連結部材間に荷重が大きすぎるためせん断により損傷される恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許公告第1310717号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを鑑みて、本発明は、工具交換時間を短縮でき、構造の体積を改良することができる、軸の回動及び直線変位を制御するシステム及び該軸を備える自動工具交換機構を提供する目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の軸の回動及び直線変位を制御するシステムは、台座、主軸、第一伝動ユニット及び第二伝動ユニットを含み、主軸は、台座に回動可能に取り付けされているとともに、軸方向に沿って往復移動できるように配置されており、第一伝動ユニットは、第一スリーブ及び第一の動力源を含み、主軸が第一スリーブを挿通するとともに、第一スリーブと摺動対をなして係合しており、第一の動力源が第一スリーブを回転させるように駆動し、回転されている第一スリーブが主軸を回転させるように配置されており、第二伝動ユニットは、第二軸台、第二スリーブ及び第二の動力源を含み、第二軸台が前記台座に固定されており、第二スリーブが前記第二軸台に配置されており、主軸が第二スリーブを挿通するとともに、第二スリーブと螺旋対をなして係合しており、第二の動力源が第二スリーブを回動させるように駆動し、主軸を第二スリーブに対して軸方向に沿って移動させる。
【0006】
更に、本発明の自動工具交換機構は、上述の軸の回動及び直線変位を制御するシステムと、主軸の台座から突き抜けた一端に連結された工具交換アームとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構造によれば、工具を交換する過程において、第一モーター及び第二モーターを適当にに同期に作動させることで工具交換時間を短縮する目的に達成することができる。更に、主軸は、第一スリーブと摺動対をなして係合し、第二スリーブブと螺旋対をなして係合することで、結構の体積を小さくさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の好ましい実施形態に係わる自動工具交換機構の斜視図である。
図2】本発明の好ましい実施形態に係わる制御システムにおける台座及び主軸の斜視図である。
図3図1の正面図である。
図4図1の一部部材の斜視図である。
図5図4中の一部部材の分解図である。
図6図4中の一部部材の断面図である。
図7】本発明に係わる制御システムにおける一部部材の別の実施形態である。
図8図1の一部部材の斜視図である。
図9図8の一部部材の分解図である。
図10図8の一部部材の断面図である。
図11】本発明の好ましい実施形態に係わる自動工具交換機構の工具交換動作を示す模式図である。
図12】本発明の好ましい実施形態に係わる自動工具交換機構の工具交換動作を示す模式図である。
図13】本発明の好ましい実施形態に係わる自動工具交換機構の工具交換動作を示す模式図である。
図14】本発明の好ましい実施形態に係わる自動工具交換機構の工具交換動作を示す模式図である。
図15】本発明の好ましい実施形態に係わる自動工具交換機構の工具交換動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の実施形態では、本発明の軸の回動及び直線変位を制御するシステムは、中央切削用加工機を例とするが、これに限定されるものではない。制御システムは、加工機の自動工具交換機構の一部であり、前記自動工具交換機構は、更に工具交換アームを含む。
【0010】
図1図3を参照すると、本発明の好ましい実施形態に係わる制御システム100は、台座10、主軸20、第一伝動ユニット30及び第二伝動ユニット40を含む。台座10は、上から下に向かって順に組み合わせた上蓋12、モータベース14、本体16及びベース18から構成されている。主軸20は、上蓋12、モータベース14、本体16及びベース18に回動可能に穿設されており、軸方向に往復移動するように操作可能である。主軸20は、上端部が上蓋12で覆われており、下端部がベース18から下方に突き抜けて工具交換アーム200に固定連結されている。
【0011】
主軸20は、特殊な加工処理により、優れた剛性及び耐摩耗性を有する円柱体である。主軸20の上段の表面には外側螺旋構造体22及び軸方向に沿って凹んで形成された複数の直線溝24を備える。外側螺旋構造体22は軸方向に沿って巻回された螺旋溝であり、直線溝24により縦断されている。なお、他の実施形態では、螺旋構造体22と、直線溝とが交差することなくセクションで配置されてもよい。
【0012】
第一伝動ユニット30は主軸20を回動させるように駆動し、第二伝動ユニット40は主軸20を軸方向に沿って移動させるように駆動する。本実施形態では、第一伝動ユニット30は第一スリーブ31を含み、第二伝動ユニット40は第二スリーブ41を含む。主軸20は、第一スリーブ31及び第二スリーブ41を挿通するように配置されており、第一スリーブ31と摺動対(sliding pair)をなして係合しており、第二スリーブ41と螺旋対(screw pair)をなして係合している。
【0013】
図4図6を参照すると、第一伝動ユニット30は第一軸台32、保持器33、複数の鋼球34、第一モーター35を例とする第一の動力源、二つの第一プーリ36、36’及び第一ベルト37を含む。第一軸台32は、複数のボルト38を穿孔32aに貫通させることで台座10の本体16の内部に締まられるように配置されている。第一スリーブ31は、第一軸台32を挿通しており、当該第一スリーブ31と第一軸台32との間に保持器33が配置されている。保持器33は、第一スリーブ31を第一軸台32に対して滑らかに元の位置で回転させるための複数のボール33a及びオイルシール33bを含む。また、第一スリーブ31の内壁にも軸方向に沿って凹んで形成された複数の直線溝31aを備える。こられの鋼球34は、第一スリーブ31の直線溝31aと、主軸20の直線溝24との間に充填されており、オイルシール34aの規制により、鋼球34が散らすことはない。これによって、主軸20が第一スリーブ31に対して軸方向において摺動することができる。上記螺旋溝及び直線溝の溝底は、凹円弧面状であってもよいし、V状またはテーパー状であってもよい。前記第一スリーブ31と主軸20との間に鋼球34を充填することで互いの連動を実現することができるが、例えば、凸状リブと溝とが係合する他の連動方式を利用してもよい。図7に示された第一スリーブ31Aの内壁には、主軸20の直線溝24の数と相当する数の凸状リブ31Bが配置されている。凸状リブ31Bが直線溝24に位置するとともに、第一スリーブ31Aを回動させるように制御する場合に、主軸20を回転させるように押圧される。
【0014】
第一モーター35は、本体16の外部に固定連結されており、本体16の内部に延長して回動できる第一出力軸35aを有する。前記二つの第一プーリ36、36’のそれぞれは、異なる歯数比を有する。複数のボルト39を穿孔36aに貫通させることで、第一プーリ36が、第一スリーブ31の底部に締まられとともに、第一スリーブ31と同軸になるように配置されている。主軸20が第一プーリ36を貫通しており、第一プーリ36’が第一出力軸35aの一端に連結されて本体16内部の一側に配置されている。前記第一ベルト37は、第一プーリ36及び第一プーリ36’のそれぞれに巻き掛けられている。これにより、第一モーター35の第一出力軸35aを回動させるように駆動する場合、第一ベルト37によって、第一スリーブ31が同期に回動されて、第一スリーブ31が鋼球34により主軸20を回転させる。
【0015】
再び図8図10を参照すると、第二伝動ユニット40は、更に第二軸台42、保持器43、複数の鋼球44、第二モーター45を例とする第二の動力源、二つの第二プーリ46、46’及び第二ベルト47を含む。第二軸台42は、複数のボルト48を穿孔42aに貫通させることで台座10の本体14の内部に締まられるように配置されている。第二スリーブ41は、第二軸台42を挿通しており、当該第二スリーブ41と第二軸台42との間に保持器33と同じ構造を有する保持器43を配置することで第二軸台42に対して元の位置で回転する。また、第二スリーブ41は、主軸20の外側螺旋構造体22と対応する内側螺旋構造体41aを有する。前記複数の鋼球44は、外側螺旋構造体22と内側螺旋構造体41aとの間に充填されているとともに、外側螺旋構造体22と内側螺旋構造体41aとの間で鋼球が循環転走することができる。
【0016】
第二モーター45はモータベース14の外部に固定連結されており、モータベース14の内部に延長して回動できる第二出力軸45aを有する。前記二つの第二プーリ46、46’のそれぞれは、異なる歯数比を有する。第二プーリ46は、複数のボルト49を穿孔46aに貫通させることで第二スリーブ41のねじ穴41bに締まられて第二スリーブ41と同軸になるように配置されている。主軸20が第二プーリ46を貫通しており、第二プーリ46’が第二出力軸45aの一端に連結され、前記第二ベルト47が第二プーリ46及び第二プーリ46’のそれぞれに巻き掛けられている。第二モーター45の第二出力軸45aを回動させるように駆動する場合、第二ベルト47により、第二スリーブ41を元の位置で回動させ、回動している第二スリーブ41が鋼球44を内側螺旋構造体41aと外側螺旋構造体22との間で循環転走させる。これによって、主軸20を上昇または下降させるように案内・押圧する。
【0017】
次に、主軸20の回転及び直線移動を操作することによりそれが加工機の自動工具交換機構に利用される工具交換過程について説明する。前記工具交換過程、即ち、工具交換アーム200を駆動する過程ことは、回転して工具を係止する動作、工具を解除して下降する動作、回転して工具を交換する動作、上昇して工具を挟む動作及び回転し元の位置に戻す動作を含む。以下に、第1回転方向は反時計方向、第2回転方向は時計方向を例とする。
【0018】
図1はスタンバイ状態の工具交換アーム200を示す。制御システム100が工具を交換する命令を受信した場合、第1のステップは、第一モーター35及び第二モーター45を同期に始動させることである。第一モーター35の第一出力軸35aは、第1回転方向で回転する。上述の構造に対する説明からわかるように、それに従って回動する第一スリーブ31は、鋼球34が第一スリーブ31の直線溝31aと主軸20の直線溝24との間に配置されているため、主軸20も第1回転方向で回転させる。しかしながら、主軸20が第二スリーブ41と螺旋対をなして係合しているため、回転されている主軸20がそれにより軸方向に変位することを回避するように、第二モーター45を同期に始動させて第二スリーブ41を第2回転方向で回動をさせるように駆動する。これにより、主軸20は軸方向に変位することはない。図11に示すように、主軸20が元の位置で回動することで工具交換アーム200を駆動して工具を係止する動作を行う。その場合、工具交換アーム200の両端がそれぞれ工具マガジン(図示せず)によって提供された工具A及び加工機の主軸ヘッド(図示せず)に配置された工具Bに係止されている。
【0019】
図12は、工具交換アーム200が回転して工具を係止する動作を完了すると、第一モーター35が作動を停止して主軸20を回動させない。同時に、第二モーター45が第二スリーブ41を第2回転方向で回動させるように連続的に駆動する。主軸20が、第二スリーブ41と螺旋対をなして係合しており、第一スリーブ31と摺動対をなして係合しているように配置されているため、元の位置で回動している第二スリーブ41が主軸20を下へ移動させるように駆動して工具交換アーム200を工具を解除して下降する動作を実行させる。
【0020】
図13は、工具交換アーム200が回転して工具を交換する動作を示す。このステップでは、第一モーター35が再び始動され、第一スリーブ31を第1回転方向で回転させるように連続的に駆動する、それによって工具交換アーム200は180度回転して工具を交換する動作を行う。この間、第二モーター45は、第二スリーブ41を第1回転方向で回動させるように高速で駆動した直後、第二スリーブ41を第2回転方向で回動させるように駆動する。前者は主軸20をさらに下降させることであり、後者は主軸20を上昇させることである。つまり、工具交換アーム200の180度回転は、2段階に分かれる。一段階目では、工具交換アーム200が90度回動するとともに、主軸20に従って下降する。二段階目では、工具交換アーム200が90度回動し続けるとともに、主軸20に従って上昇する。前記一段階目と二段階目との切り替え時点は主軸20が最低点まで下降したときである。上述の動作の達成は、第一モーター35及び第二モーター45の同期動作に依存している。これによって、回転して工具を交換する動作の速度をより効率的に向上させることができる。図13から、工具Aと工具Bの位置が交換されたことがわかる。
【0021】
図14は、工具交換アーム200の上昇して工具を挟む動作を示す。このステップでは、主軸20の回動を回避するように、第一モーター35を作動を停止させるように制御し、第二モーター45は、依然として作動を維持するが、第二スリーブ41を第1回転方向で回動させるように駆動する。同様に、主軸20が、第二スリーブ41と螺旋対をなして係合しており、第一スリーブ31と摺動対をなして係合しているため、主軸20が回動せずに工具を挟む位置に持ち上げられる。すなわち、工具Aが加工機の主軸ヘッドに交換されて挟まれ、工具Bが工具マガジンにおいて対応するケースに挿入される。
【0022】
工具を挟む動作が完了した後、第一モーター35は再び始動される。このステップでは、第一モーター35が第一スリーブ31を第2回転方向で回動させるように駆動し、第二モーター45が依然として作動し続けるが、第二スリーブ41を第1回転方向で回動させるように駆動する。このステップにより、主軸20が、軸方向にそって変位せずに、第2回転方向で回転することで工具交換アーム200を逆転させて図15に示す状態に戻して、次回の工具交換を待機する。すなわち、工具交換アーム200の両端が工具に当たることなく工具Aおよび工具Bから分離することができる。
【0023】
上述の工具交換のステップでは、極めて短時間で回転して工具を係止する動作、工具を解除して下降する動作、回転して工具を交換する動作、上昇して工具を挟む動作及び回転し元の位置に戻す動作を完了する。本発明では、一部のステップにおいて、第一モーター35及び第二モーター45を同期に始動することで主軸20を回動及び軸方向に沿う移動を同時にさせるように駆動する。これにより、工具交換時間をさらに短縮して効率を向上させることができる。更に、主軸20が、第一スリーブ31と摺動対をなして係合するとともに、第二スリーブ41を螺旋対をなして係合するように配置されており、第一スリーブ31及び第二スリーブ41がそれぞれ第一モーター35及び第二モーター45によって回転されるため、制御システム100の体積を減少することができる。
【0024】
上述したものは本発明の好ましい可能な実施形態に過ぎず、本発明の明細書及び特許請求の範囲の均等変化はすべて、本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0025】
100制御システム
10台座
12上蓋
14モータベース
16本体
18ベース
20主軸
22外側螺旋構造体
24直線溝
30第一伝動ユニット
31第一スリーブ
31a直線溝
32第一軸台
32a穿孔
33保持器
33aボール
33bオイルシール
34鋼球
34aオイルシール
35第一モーター
35a第一出力軸
36第一プーリ
36a穿孔
36’第一プーリ
37第一ベルト
38ボルト
39ボルト
31A第一スリーブ
31B凸状リブ
40第二伝動ユニット
41第二スリーブ
41a内側螺旋構造体
41bねじ穴
42第二軸台
43保持器
44鋼球
45第二モーター
45a第二出力軸
46第二プーリ
46a穿孔
46’第二プーリ
47第二ベルト
48ボルト
49ボルト
200工具交換アーム
A、B工具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15