(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6773845
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】認証方法、装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/00 20120101AFI20201012BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20201012BHJP
G06K 17/00 20060101ALI20201012BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
G06Q30/00 340
G06K7/14 017
G06K17/00 022
G06T1/00 280
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-112740(P2019-112740)
(22)【出願日】2019年6月18日
【審査請求日】2019年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良太郎
【審査官】
石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−207473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06K 7/14
G06K 17/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを有する携帯型情報端末により実行される、符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物の認証方法であって、前記符号および前記記号はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、前記認証方法は、
外包の符号を読み取るステップと、
中身の記号に対する画像認識処理をするステップと、
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定するステップと
を備えることを特徴とする認証方法。
【請求項2】
前記送付物が本物であることを決定するステップは、ARを使用して前記送付物が本物であることを表示するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の認証方法。
【請求項3】
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定する前に、前記それぞれの所定のデータを含むファイルをサーバーからダウンロードするステップをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の認証方法。
【請求項4】
符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物に対する、カメラを有する認証装置であって、前記符号および前記記号はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、前記認証装置は、
外包の符号を読み取る手段と、
中身の記号に対する画像認識処理をする手段と、
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定する手段と
を備えたことを特徴とする認証装置。
【請求項5】
前記送付物が本物であることを決定する手段は、ARを使用して前記送付物が本物であることを表示する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の認証装置。
【請求項6】
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定する前に、前記それぞれの所定のデータを含むファイルをサーバーからダウンロードする手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の認証装置。
【請求項7】
カメラを有する携帯型情報端末により実行される、符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物の認証方法であって、前記符号、前記記号および物体はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、前記認証方法は、
外包の符号を読み取るステップと、
中身の記号に対する画像認識処理をするステップと、
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、前記物体の所定のデータに対応する物体を指定するステップと、
物体および中身の記号に対する画像認識処理をするステップと、
前記画像認識処理をされた物体および記号に関するデータが前記物体および記号のそれぞれの所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定するステップと
を備えることを特徴とする認証方法。
【請求項8】
前記送付物が本物であることを決定するステップは、ARを使用して前記送付物が本物であることを表示するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の認証方法。
【請求項9】
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、前記物体の所定のデータに対応する物体を指定する前に、前記符号、記号および物体のそれぞれの所定のデータを含むファイルをサーバーからダウンロードするステップをさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の認証方法。
【請求項10】
符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物に対する、カメラを有する認証装置であって、前記符号、前記記号および物体はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、前記認証装置は、
外包の符号を読み取る手段と、
中身の記号に対する画像認識処理をする手段と、
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、前記物体の所定のデータに対応する物体を指定する手段と、
物体および前記中身の記号に対する画像認識処理をする手段と、
前記画像認識処理をされた物体および記号に関するデータが前記物体および記号のそれぞれの所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定する手段と
を備えたことを特徴とする認証装置。
【請求項11】
前記送付物が本物であることを決定する手段は、ARを使用して前記送付物が本物であることを表示する手段を含むことを特徴とする請求項10に記載の認証装置。
【請求項12】
前記読み取られた符号に関するデータが前記符号の所定のデータに一致し、および前記画像認識処理をされた記号に関するデータが前記記号の所定のデータに一致すると、前記物体の所定のデータに対応する物体を指定する前に、前記符号、記号および物体のそれぞれの所定のデータを含むファイルをサーバーからダウンロードする手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10または11に記載の認証装置。
【請求項13】
携帯型情報端末に、請求項1、2、3、7、8または9のいずれか一項に記載の認証方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証方法に関し、より詳細には、コンピューティングデバイスにより実行される、画像認識およびAR活用による、送付物の認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業は、商品やサービスなどを広く世間に知らせるために、ダイレクトメールとして郵便やメール便などを、およびチラシやビラなどのポスティングを利用している。さらに、顧客に対して、重要な事実を通知する書面やサービスの手続きを依頼する文書などを送付するのにも、郵便やメール便などを利用している。
【0003】
今日、特殊詐欺などにより、偽物のダイレクトメールや郵便物などの送付物が送付され、受取人が送付された偽物の送付物を本物と間違えることが増加している。ひとたび間違えれば、意図しない相手に、個人情報が伝わってしまったり、キャッシュカードやクレジットカードなどが渡ってしまったりする危険性が非常に高い。
【0004】
海外では、出所の正しさを解読するシステムとして、暗号化技術を適用した鍵フェーズ・インディケータを用いて、郵便物に貼り付けられた郵便料金支払証を検査する方法が知られている(例えば、特許文献1(第3、4頁、第1図)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4133321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、送付物の受取人は、受け取った送付物が本物であるかどうかを確認するには、送付元に問い合わせるか独自に情報収集をするかなどをしなければならず、とても手間がかかり真偽も不確かであるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、受取人により受け取られた送付物が本物であることを容易に確認することができる認証方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明の一態様は、カメラを有する携帯型情報端末により実行される、符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物の認証方法であって、符号および記号はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、外包の符号を読み取るステップと、中身の記号に対する画像認識処理をするステップと、読み取られた符号に関するデータが符号の所定のデータに一致し、および画像認識処理をされた記号に関するデータが記号の所定のデータに一致すると送付物が本物であることを決定するステップとを備える。
【0009】
本発明の別の態様は、符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物に対する、カメラを有する認証装置であって、符号および記号はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、外包の符号を読み取る手段と、中身の記号に対する画像認識処理をする手段と、読み取られた符号に関するデータが符号の所定のデータに一致し、および画像認識処理をされた記号に関するデータが記号の所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定する手段とを備える。
【0010】
さらに、本発明の別の態様は、カメラを有する携帯型情報端末により実行される、符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物の認証方法であって、符号、記号および物体はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、外包の符号を読み取るステップと、中身の記号に対する画像認識処理をするステップと、読み取られた符号に関するデータが符号の所定のデータに一致し、および画像認識処理をされた記号に関するデータが記号の所定のデータに一致すると、物体の所定のデータに対応する物体を指定するステップと、物体および中身の記号に対する画像認識処理をするステップと、画像認識処理をされた物体および記号に関するデータが物体および記号のそれぞれの所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定するステップとを備える。
【0011】
さらにまた、本発明の別の態様は、符号が印字された外包と記号が印字された中身とを有する送付物に対する、カメラを有する認証装置であって、符号、記号および物体はそれぞれの所定のデータに関連付けられており、外包の符号を読み取る手段と、中身の記号に対する画像認識処理をする手段と、読み取られた符号に関するデータが符号の所定のデータに一致し、および画像認識処理をされた記号に関するデータが記号の所定のデータに一致すると、物体の所定のデータに対応する物体を指定する手段と、物体および中身の記号に対する画像認識処理をする手段と、画像認識処理をされた物体および記号に関するデータが物体および記号のそれぞれの所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定する手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受取人に対して受け取られた送付物が本物であることを容易に確認させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる認証に用いるシステムおよび環境を示す構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる認証装置を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる認証方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる認証方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態にかかる認証に用いるシステムおよび環境を示す構成図である。認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアを管理する、コンピューターシステムであるサーバー101と、認証方法が実装される、コンピューティングデバイスであり携帯型情報端末であるスマートフォン102とが通信回線であるインターネット103を通じて接続されている。認証方法において使用される、符号である二次元コード121が印字された、受取人が受け取った送付物の外包である封筒111と、認証方法において使用される、記号である星印122が印字された、受取人が受け取った送付物の中身である文書112と、認証方法において使用される、物体である十円硬貨123とがある。
【0016】
サーバー101は、認証方法が実装されるスマートフォン102にインストールされるアプリケーションソフトウェアと、認証方法において必要なデータ、例えば、アプリケーションソフトウェアのバージョン、認証方法において使用される符号、記号、および物体の組合せなどに関するデータとを格納している。
【0017】
スマートフォン102は、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアが、サーバー101からダウンロードされ、インストールされる。送付物の受取人がスマートフォン102を使用することによって、
図3、4を参照して後述する、認証方法に従って、受取人により受け取られた送付物が本物であることが認証される。
【0018】
二次元コード121、星印122、および十円硬貨123の組合せは、スマートフォン102にインストールされたアプリケーションソフトウェアとともに、
図3、4を参照して後述する、認証方法において、受取人により使用される。認証方法において使用される符号、記号、および物体の組合せは、符号が決まると対応する記号および物体が一意に定まり、記号が決まると対応する物体および符号が一意に定まり、物体が決まると対応する符号および記号が一意に定まる。本実施形態において、符号および記号の組合せが正しいことを確認することによって、送付物が本物であることを認証する。
【0019】
認証方法において使用される符号、記号、および物体の組合せに関するデータは、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアとともに、サーバー101からスマートフォン102にダウンロードされてもよいし、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアのダウンロードとは別にして、例えば、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアが受取人により起動されるたび毎に、サーバー101からスマートフォン102にダウンロードされてもよい。ダウンロードされる符号、記号、および物体の組合せに関するデータは、ファイルに含まれてダウンロードされてもよい。認証方法において使用される符号、記号、および物体の組合せに関するデータを、一定の期間、スマートフォン102に保持し、一定の期間が経過すると変更することができる。
【0020】
ここで、封筒111は、例えば、洋形長3号、角型2号など、どのような大きさであってもよく、例えば、再生紙、熱可塑性樹脂など、どのような材料であってもよく、符号を印字することができ、送付物を外包することができれば何でもよい。文書112は、例えば、契約書、ワンタイムパスワードカードなどの重要書類やチラシなどの印刷物のような紙類だけでなく、例えば、商品、景品などの立体的なものであってもよく、記号を印字することができ、送付をすることができるものあれば何でもよい。
【0021】
また、二次元コード121は、例えば、スタック型二次元コード、マトリックス型二次元コード、またはバーコードなど、スマートフォン102が読み取ることができる符号であれば何でもよい。星印122は、例えば、ひらがななどの文字や、図形などのしるしなど、画像認識可能な記号であれば何でもよい。十円硬貨123は、スプーンなどの身の回りの物、ヒトの指などの生物の一部など、画像認識可能な物体であれば何でもよい。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態にかかる認証装置を示すブロック図である。携帯型情報端末であるスマートフォン102おいて、各ブロックを制御するCPU(中央処理装置)201と、画像処理および画面出力処理をするGPU(グラフィックスプロセッサー)202と、画面表示装置である液晶パネル203と、入力装置であるタッチパネル204と、符号、記号、および物体を読み取るカメラ205と、プログラムおよびデータを記憶するメインメモリー206と、メインメモリー206からのデータなどを一時的に保管するフラッシュメモリー207と、外部とデータを送受信する通信モジュール208とが、バス209を介して相互に接続されている。
【0023】
CPU201は、例えば、タッチパネル204から入力されたデータ、カメラ205により読み取られたデータなどの演算を、例えば、
図3、4を参照して後述する、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアのプログラムに基づいて実行する。
【0024】
GPU202は、CPU201からの描画データの演算を実行して、認証方法におけるARの演出に必要な、頂点処理、ラスタライズ処理、ピクセル処理などを実行する。
【0025】
本明細書において、認証装置は、CPU201とGPU202とに分離して実装しているが、CPU201の機能がGPU202の機能を含むことにより、CPU201のみでも実装することができる。
【0026】
このような構成により、詳細な方法については以下に説明するが、受取人に対して受け取られた送付物が本物であることを容易に確認させることができる。
【0027】
図3、4は、本発明の一実施形態にかかる認証方法を示すフローチャートである。送付物の受取人により、スマートフォン102において、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアが起動されて、本実施形態の処理が開始する。
【0028】
ステップS301において、受取人によりスマートフォン102上に起動されたアプリケーションソフトウェアのバージョンが最新であるかどうかの決定処理を、CPU201が実行する。決定されたバージョンが最新であればステップS302に、最新でなければステップS311に、処理が進む。ステップS311では、起動されたアプリケーションソフトウェアのアップデートを、CPU201が実行して、ステップS301に処理が戻る。
【0029】
ステップS302において、決定されたバージョンが最新であるアプリケーションソフトウェアが受取人によりログインされているかどうかの決定処理を、CPU201が実行する。受取人によりログインされていればステップS303に、ログインされていなければステップS312に、処理が進む。ステップS312では、起動されたアプリケーションソフトウェアのログイン画面を表示するよう、液晶パネル203にCPU201が指示して、ステップS302に処理が戻る。
【0030】
ステップS303において、決定された受取人によりログインされているアプリケーションソフトウェアの操作画面を表示するよう、液晶パネル203にCPU201が指示する。表示された操作画面の中に、受取人により受け取られた送付物が本物であることを確認するためのアイコンが表示される。ここで、アイコンは、例えば、メニューバーなど、受取人により操作可能な項目が表現されて、受取人がCPU201に指示を入力することができるものであれば何でもよい。
【0031】
ステップS304において、表示されたアイコンが送付物の受取人によりタッチされると、タッチパネル204に入力された、送付物の認証要求に対するデータを、CPU201が受信する。
【0032】
ステップS305において、受信されたデータに応じて、CPU201が指示することによって、カメラ205が起動される。
【0033】
ステップS306において、受取人により、起動されたカメラ205が使用され、送付物の封筒111に印字された二次元コード121が捉えられると、カメラ205により読み取られた二次元コード121のデータを、CPU201が受信する。
【0034】
ステップS307において、受取人により、起動されたカメラ205が使用され、送付物の文書112に印字された星印122が捉えられると、カメラ205により読み取られた星印122のデータに対して、画像認識処理をCPU201が実行する。
【0035】
ステップS401において、ステップS306にて読み取られた二次元コード121のデータと、ステップS307にて画像認識処理が実行された星印122のデータとの組合せが正しいかどうかの決定処理を、CPU201が実行する。詳細には、CPU201は、読み取られた二次元コード121のデータがスマートフォン102内に保持している符号のデータに一致し、画像認識処理が実行された星印122のデータがスマートフォン102内に保持している記号のデータに一致すれば、二次元コード121と星印122との組合せが正しいと決定する。
【0036】
決定された二次元コード121と星印122との組合せが正しければ、送付物が本物であると認証して、ステップS402に、正しくなければステップS411に、処理が進む。ステップS411では、警告メッセージを表示するよう、液晶パネル203にCPU201が指示して、ステップS303に処理が戻る。
【0037】
ステップS402において、ステップS306にて読み取られた二次元コード121のデータ、またはステップS307にて画像認識処理が実行された星印122のデータに基づいて、十円硬貨123を、CPU201が指定する。詳細には、CPU201は、スマートフォン102内に保持している符号、記号、および物体の組合せのデータに基づいて、二次元コード121または星印122に対応する十円硬貨123を指定する。指定された十円硬貨123と、送付物の文書112に印字された星印122とを、受取人がスマートフォン102を介して見るという確認の仕方を表示するよう、液晶パネル203にCPU201が指示する。
【0038】
ステップS403において、受取人により、起動されたカメラ205が使用され、表示された確認の仕方が実践されると、十円硬貨123と、送付物の文書112に印字された星印122とに対して、CPU201が画像認識処理を実行して、画像認識処理が実行された十円硬貨123のデータおよび星印122のデータの組合せが正しいかどうかの決定処理を実行する。詳細には、CPU201は、画像認識処理を実行された十円硬貨123および星印122のデータがスマートフォン102内に保持している物体および記号のデータに一致すれば、十円硬貨123と星印122との組合せが正しいと決定する。
【0039】
決定された十円硬貨123と星印122との組合せが正しければステップS404に、正しくなければステップS412に、処理が進む。ステップS412では、警告メッセージを表示するよう、液晶パネル203にCPU201が指示して、ステップS402に処理が戻る。
【0040】
ステップS404において、受取人により、起動されたカメラ205が使用され、表示された確認の仕方が実践されていると、ARモードを起動するよう、GPU202にCPU201が指示する。
【0041】
ステップS405において、ARの演出の処理を、GPU202が実行する。受取人が十円硬貨123と送付物の文書112に印字された星印122とをスマートフォン102を介して見ていると、十円硬貨123および星印122に対して、GPU202が画像認識処理を実行して、送付物が本物であることを示すメッセージとともに、例えば、送付元の企業名、ロゴマーク、マスコットキャラクターなどの文字、画像、映像などを、受取人が見ている対象に重ね合わせて表示するよう、液晶パネル203にGPU202が指示する。
【0042】
実行されたARの演出の処理によって送付物が本物であることを確認した受取人により、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアが終了されて、本実施形態の処理が終了する。
【0043】
以上の方法の各ステップを実行するための処理を、スマートフォン102のメインメモリー206に記憶されるプログラムに記述することができる。また、スマートフォン102のメインメモリー206に記憶されるプログラムを、例えば、ハードディスク、USBメモリー、CDなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録することができる。
【0044】
本明細書において、正常処理は、ステップS401にて符号および記号の組合せが正しいことを確認した後に、ステップS402にて受取人がスマートフォン102を介して見るという確認の仕方を表示して、ステップS403にて物体および記号の組合せが正しいことを確認した後に、ステップS404にてARモードを起動した。別の実施形態において、正常処理は、ステップS402、S403を介さず、ステップS401の後に直にステップS404に進み、受取人が、送付物の二次元コード121および星印122を、スマートフォン102を介して見ていると、ARの演出の処理によって、送付物が本物であることを確認することができる。また、代替えとして、受取人は、スマートフォン102を介して単に星印122のみを見ているだけでも、ARの演出の処理によって、星印122が印字された、送付物の中身である文書112が本物であることを確認することができる。
【0045】
言い換えると、ステップS401において符号および記号の組合せが正しいことさえ確認できれば、送付物が本物であるというARの演出の処理を実行してもよいし、ステップS403において物体および記号の組合せが正しいことが確認できてから、送付物が本物であるというARの演出の処理を実行してもよい。
【0046】
本明細書において、符号、記号、および物体の組合せに関するデータは、スマートフォン102が保持した。しかしながら、符号、記号、および物体の組合せに関するデータをスマートフォン102が保持することなく、ステップS401において、符号および記号の組合せが正しいことを確認するのに、読み取られた符号のデータと画像認識処理を実行された記号のデータをサーバー101に送信して、サーバー101に符号および記号の組合せが正しいことを問い合わせてもよい。また、ステップS403において、物体および記号の組合せが正しいことを確認するのに、画像認識処理を実行された物体および記号のデータをサーバー101に送信して、サーバー101に物体および記号の組合せが正しいことを問い合わせてもよい。ステップS402において、指定する物体をサーバー101に問い合わせてもよい。
【0047】
本明細書において、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアに用いるデータの組合せは、符号、記号、および物体の3つの要素を用いた。別の実施形態において、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアに用いるデータの組合せは、例えば、符号、記号、物体、および受取人の氏名の4つの要素であったり、符号、記号、物体および有効期限の4つの要素であったり、符号、記号、物体、受取人の氏名、および有効期限の5つの要素であったりしてもよい。
【0048】
ここで、有効期限は、送付物の有効期限であってもよいし、送付物の中身の有効期限であってもよいし、データの有効期限であってもよい。受取人の氏名は、例えば、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアにログインされたログイン名に対応するかどうかを確認するのに使用することができる。有効期限は、例えば、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアが起動された日時が適当であるかどうかを確認するのに使用することができる。必要に応じて、種々の要素を用いて、認証方法における安全性を高めることができる。
【0049】
本明細書において、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアに用いる符号、記号、および物体のデータは、3つのデータを直接的に組み合わせたが、必ずしも、直接的に組み合わせる必要はない。例えば、別の実施形態において、二次元コード121をデータAに、星印122をデータBにそれぞれ対応させておき、データAとデータBとは特に組合せとはしない。そして、ステップS401、S402において、CPU201は、読み取られた二次元コード121のデータがデータAに一致し、画像認識処理が実行された星印122のデータがデータBに一致すれば、送付物が本物であると認証することができる。
【0050】
本明細書において、正常処理は、ステップS302にてアプリケーションソフトウェアが受取人によりログインされていることを確認した後に、ステップS303にて操作画面を表示して、ステップS304にて送付物の認証要求に対する入力を受信して、ステップS305にてカメラ205を起動した。別の実施形態において、正常処理は、ステップS303、S304を介さず、ステップS302の後に直にステップS305に進むことができる。
【0051】
別の実施形態において、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアは、符号を読み取るアプリケーションソフトウェア、例えば、カメラアプリなどと連携させることができる。
【0052】
認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアと符号を読み取るアプリケーションソフトウェアとを連携させれば、受取人によりカメラ205が起動されて、送付物の封筒111に印字された二次元コード121が捉えられると、符号を読み取るアプリケーションソフトウェアの処理によって、二次元コード121が読み取られ、読み取られた二次元コード121に対応する、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアを起動することができる。処理は、ステップS301、S302と進んだ後に、CPU201が指示することによってカメラ205が起動され、次に、ステップS306に進み、ステップS307以降は、上述した処理と同様とすることができる。受取人は、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアを手動により起動することなく、認証方法を利用することができる。
【0053】
また、ステップS306の次に、メッセージを表示するよう、液晶パネル203にCPU201が指示して、次に、ステップS307に進むことができる。メッセージは、ステップS306にて読み取られた二次元コード121のデータに基づく十円硬貨123を、受取人に用意させる旨を含んでおく。すると、受取人がスマートフォン102を介して十円硬貨123と星印122とを見ることができれば、ステップS402を実行しなくてよい。
【0054】
さらにまた、予め十円硬貨123を用意するよう、受取人に事前に通知しておく。例えば、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアを受取人が手動により起動したときに、予め十円硬貨123を用意するよう、事前に通知しておく。すると、上述したメッセージを表示するよう、液晶パネル203にCPU201が指示することを除外することができる。
【0055】
本明細書において、ステップS302は、ステップS301の後に実行した。別の実施形態において、ステップS302は、ステップS306の後に実行してもよいし、必要に応じて、どのタイミングでも実行することができる。
【0056】
上述した種々の実施形態において、認証方法を実現するアプリケーションソフトウェアを受取人が手動により起動したときに、例えば、「来週、お手元に郵便物が届きます」などの予告メッセージを表示しておく。すると、表示された予告メッセージを見た受取人は、実際に郵送物が届いたときに安心して、上述した認証方法を即座に利用することができる。
【0057】
本実施形態によれば、受取人に物体を用いた確認の仕方を実践させることによって、受取人は、送付物が本物であることを、単に送付物に含まれる符号および記号だけを使って確認するよりも、より効果的に体感することができる。
【0058】
本実施形態によれば、AR技術を利用することによって、受取人は、より強化された認識において、送付物が本物であることを認識して安心感を得ることができる。
【符号の説明】
【0059】
101 サーバー
102 スマートフォン
103 インターネット
111 封筒
112 文書
121 二次元コード
122 星印
123 十円硬貨
201 CPU
202 GPU
203 液晶パネル
204 タッチパネル
205 カメラ
206 メインメモリー
207 フラッシュメモリー
208 通信モジュール
209 バス
【要約】 (修正有)
【課題】送付物が本物であることを容易に確認することができる、画像認識およびAR活用による認証方法を提供する。
【解決手段】送付物の認証方法は、外包の符号を読み取るステップと、中身の記号に対する画像認識処理をするステップと、読み取られた符号に関するデータが符号の所定のデータに一致し、画像認識処理をされた記号に関するデータが記号の所定のデータに一致すると、送付物が本物であることを決定するステップとを備える。
【選択図】
図1