特許第6773858号(P6773858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773858
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】磁気発生装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/171 20060101AFI20201012BHJP
   F16D 65/12 20060101ALI20201012BHJP
   B62M 25/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   B60T8/171 A
   F16D65/12 X
   B62M25/00 Z
【請求項の数】21
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-139071(P2019-139071)
(22)【出願日】2019年7月29日
(62)【分割の表示】特願2017-22141(P2017-22141)の分割
【原出願日】2017年2月9日
(65)【公開番号】特開2019-189231(P2019-189231A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2019年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】清川 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】中倉 正裕
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−188704(JP,A)
【文献】 特開2007−232090(JP,A)
【文献】 実開昭56−004861(JP,U)
【文献】 実開昭57−070165(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/12−8/1769
B62M 25/00
F16D 49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクブレーキロータを自転車のハブに取り付けるためのアダプタに取り付け可能な磁気発生装置であって、
磁気発生部と、
第1部分および第2部分を含む保持部と、を備え、
前記第1部分は、前記磁気発生部を支持し、
前記第2部分は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記第1部分と前記第2部分との間に前記アダプタの一部が配置される状態において前記第1部分に取り付けられる、磁気発生装置。
【請求項2】
前記第1部分は、前記磁気発生部が設けられる開口部を含む、請求項1に記載の磁気発生装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記ディスクブレーキロータの軸方向の一方、前記ディスクブレーキロータの軸方向の他方、前記ディスクブレーキロータの径方向の内側、前記ディスクブレーキロータの径方向の外側、前記ディスクブレーキロータの周方向の一方、または、前記ディスクブレーキロータの周方向の他方に開口する、請求項2に記載の磁気発生装置。
【請求項4】
前記第1部分および前記第2部分に取り付けられる第1係合部をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【請求項5】
前記第1係合部は、ボルトを含む、請求項4に記載の磁気発生装置。
【請求項6】
前記第1部分は、前記第1係合部が貫通する貫通孔を含む、請求項4または5に記載の磁気発生装置。
【請求項7】
前記第1部分および前記第2部分に取り付けられる第2係合部をさらに含み、
前記磁気発生部は、前記第1係合部と前記第2係合部との間に設けられる、請求項4から6のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【請求項8】
前記第2係合部は、ボルトを含む、請求項7に記載の磁気発生装置。
【請求項9】
前記第1部分は、前記第1係合部が貫通する第1貫通孔、および、前記第2係合部が貫通する第2貫通孔を含み、
前記第2部分は、前記第1貫通孔に整列する第1開口部、および、前記第2貫通孔に整列する第2開口部を含む、請求項7または8に記載の磁気発生装置。
【請求項10】
前記第1開口部は、前記第1係合部に係合するねじ部を含み、
前記第2開口部は、前記第2係合部に係合するねじ部を含む、請求項9に記載の磁気発生装置。
【請求項11】
前記第1係合部および前記第2係合部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記アダプタの径方向に延びる突出部を前記第1係合部と前記第2係合部との間に挟む位置に配置される、請求項7から10のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【請求項12】
前記磁気発生部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記アダプタの軸方向において前記突出部と並ぶ、請求項11に記載の磁気発生装置。
【請求項13】
前記第1部分および前記第2部分は、前記アダプタを前記自転車のハブに固定するように構成される固定部材の固定機能とは無関係に、前記アダプタに取り付けられるように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【請求項14】
前記第1部分および前記第2部分は、前記アダプタに着脱可能に構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【請求項15】
ディスクブレーキロータを自転車のハブに取り付けるためのアダプタに取り付け可能な磁気発生装置であって、
磁気発生部と、
前記磁気発生部を支持する取付部と、
前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記取付部を前記アダプタの一部に固定するように構成される係合部とを備える、磁気発生装置。
【請求項16】
前記磁気発生部は、周方向に間隔を空けて前記取付部に設けられる複数の永久磁石を含む、請求項15に記載の磁気発生装置。
【請求項17】
前記取付部は、前記磁気発生部が設けられる開口部を含む、請求項15または16に記載の磁気発生装置。
【請求項18】
前記開口部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記ディスクブレーキロータの軸方向の一方、前記ディスクブレーキロータの軸方向の他方、前記ディスクブレーキロータの径方向の内側、前記ディスクブレーキロータの径方向の外側、前記ディスクブレーキロータの周方向の一方、または、前記ディスクブレーキロータの周方向の他方に開口する、請求項17に記載の磁気発生装置。
【請求項19】
前記係合部は、ボルトを含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【請求項20】
前記取付部は、前記係合部が貫通する貫通孔を含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【請求項21】
前記磁気発生部は、少なくとも1つの永久磁石を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の磁気発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキロータのアダプタ、このアダプタを含むディスクブレーキロータ、および、磁気発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車輪の回転状態を検出する技術が知られている。例えば、特許文献1には、車輪回転状態を検出するために、車輪のスポークに磁石を取り付けて、センサによってこの磁石を検出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−076988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自転車の車輪の回転状態を検出するために好適に用いることができるディスクブレーキロータのアダプタ、このアダプタを含むディスクブレーキロータ、および、磁気発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う磁気発生装置は、ディスクブレーキロータを自転車のハブに取り付けるためのアダプタに取り付け可能な磁気発生装置であって、磁気発生部と、第1部分および第2部分を含む保持部と、を備え、前記第1部分は、前記磁気発生部を支持し、前記第2部分は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記第1部分と前記第2部分との間に前記アダプタの一部を挟むように前記第1部分に取り付けられる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の磁気発生装置において、前記第1部分は、前記磁気発生部が設けられる開口部を含む。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面の磁気発生装置において、前記開口部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記自転車のハブから離れる方向を向く前記第1部分の表面に設けられる。
【0008】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の磁気発生装置において、前記第1部分および前記第2部分に取り付けられる第1係合部をさらに備える。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面の磁気発生装置において、前記第1係合部は、ボルトを含む。
【0010】
本開示の第4または第5側面に従う第6側面の磁気発生装置において、前記第1部分は、前記第1係合部が貫通する貫通孔を含む。
【0011】
本開示の第4から第6側面のいずれか1つに従う第4側面の磁気発生装置において、前記第1部分および前記第2部分に取り付けられる第2係合部をさらに含み、前記磁気発生部は、前記第1係合部と前記第2係合部との間に設けられる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面の磁気発生装置において、前記第2係合部は、ボルトを含む。
【0013】
本開示の第7または第8側面に従う第9側面の磁気発生装置において、前記第1部分は、前記第1係合部が貫通する第1貫通孔、および、前記第2係合部が貫通する第2貫通孔を含み、前記第2部分は、前記第1貫通孔に整列する第1開口部、および、前記第2貫通孔に整列する第2開口部を含む。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面の磁気発生装置において、前記第1開口部は、前記第1係合部に係合するねじ部を含み、前記第2開口部は、前記第2係合部に係合するねじ部を含む。
【0015】
本開示の第7から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の磁気発生装置において、前記第1係合部および前記第2係合部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記アダプタの径方向に延びる突出部を前記第1係合部と前記第2係合部との間に挟む位置に配置される。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面の磁気発生装置において、前記磁気発生部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記アダプタの軸方向において前記突出部と並ぶ。
【0017】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の磁気発生装置において、前記第1部分および前記第2部分は、前記アダプタを前記自転車のハブに固定するように構成される固定部材の固定機能とは無関係に、前記アダプタに取り付けられるように構成される。
【0018】
本開示の第1から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の磁気発生装置において、前記第1部分および前記第2部分は、前記アダプタに着脱可能に構成される。
【0019】
本開示の第16側面に従う磁気発生装置は、ディスクブレーキロータを自転車のハブに取り付けるためのアダプタに取り付け可能な磁気発生装置であって、磁気発生部と、前記磁気発生部を支持する取付部と、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記取付部を前記アダプタの一部に固定するように構成される係合部とを備える。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の磁気発生装置において、前記磁気発生部は、周方向に間隔を空けて前記取付部に設けられる複数の永久磁石を含む。
【0021】
本開示の第15または第16側面に従う第17側面の磁気発生装置において、前記取付部は、前記磁気発生部が設けられる開口部を含む。
【0022】
本開示の第17側面に従う第18側面の磁気発生装置において、前記開口部は、前記磁気発生装置が前記アダプタに装着された状態において、前記自転車のハブから離れる方向を向く前記取付部の表面に設けられる。
【0023】
本開示の第15から第18側面のいずれか1つに従う第19側面の磁気発生装置において、前記係合部は、ボルトを含む。
【0024】
本開示の第15から第19側面のいずれか1つに従う第19側面の磁気発生装置において、前記取付部は、前記係合部が貫通する貫通孔を含む。
【0025】
本開示の第1から第20側面のいずれか1つに従う第19側面の磁気発生装置において、前記磁気発生部は、少なくとも1つの永久磁石を含む。
【0026】
(ディスクブレーキロータのアダプタ等の例)
第A1側面に従うディスクブレーキロータのアダプタは、ディスクブレーキロータの本体を自転車のハブに取り付けるためのアダプタであって、前記ハブに設けられる第1スプラインと嵌合可能な第2スプラインを含む内周部、および、前記ディスクブレーキロータの本体が取り付けられる外周部を含むアダプタ本体と、磁気発生部と、前記アダプタを前記ハブに固定するための固定部材の固定機能とは無関係に、前記磁気発生部を前記アダプタ本体に装着する装着部と、を含む。
上記第A1側面に従えば、ディスクブレーキロータのアダプタに装着される磁気発生部を用いて自転車の車輪の回転状態を検出することができるようになる。
【0027】
前記第A1側面に従う第A2側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記装着部は、前記アダプタ本体に着脱可能に構成される。
上記第A2側面に従えば、ユーザの要望に応じて磁気発生部をディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることができるため、ユーザビリティが向上する。
【0028】
前記第A1または第A2側面に従う第A3側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記装着部は、前記磁気発生部を保持する保持部と、前記アダプタ本体に係合する係合部と、を有する。
上記第A3側面に従えば、磁気発生部が保持部によって保持されるため、安定してディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることができる。
【0029】
前記第A3側面に従う第A4側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記係合部は、第1ねじ部を含む。
上記第A4側面に従えば、第1ねじ部によって磁気発生部を簡便にディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることができる。
【0030】
前記第A4側面に従う第A5側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記アダプタ本体は、前記第1ねじ部が係合する第2ねじ部を含む。
上記第A5側面に従えば、第1ねじ部と第2ねじ部とを係合させることによって磁気発生部を簡便にディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることができる。
【0031】
前記第A4側面に従う第A6側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記係合部は、前記保持部と別体に形成され、前記保持部は、前記係合部が貫通する第1貫通孔と、前記係合部が前記第1貫通孔を貫通した状態で、前記第1ねじ部に係合する第3ねじ部と、を含む。
上記第A6側面に従えば、第1ねじ部と第3ねじ部とを係合させることによって、磁気発生部を簡便にディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることができる。
【0032】
前記第A4側面に従う第A7側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記係合部は、前記保持部と別体に形成され、前記アダプタ本体は、前記係合部が貫通する第2貫通孔を含み、前記保持部は、前記係合部が前記第2貫通孔を貫通した状態で、前記第1ねじ部に係合する第4ねじ部を含む。
上記第A7側面に従えば、第1ねじ部と第4ねじ部とを係合させることによって、磁気発生部を簡便にディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることができる。
【0033】
前記第A1側面に従う第A8側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記装着部は、前記アダプタ本体と一体に形成されている。
上記第A8側面に従えば、磁気発生部を安定してアダプタ本体に取り付けることができる。
【0034】
前記第A1から第A7側面のいずれか一つに従う第A9側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記外周部は、径方向外側に突出し、前記ディスクブレーキロータの本体が取り付けられる複数の突出部を含む。
上記第A9側面に従えば、磁気発生部を突出部に取り付けることができる。
【0035】
前記第A9側面に従う第A10側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記磁気発生部は、隣り合う2つの前記突出部の間に設けられる。
上記第A10側面に従えば、磁気発生部が隣り合う2つの突出部の間に設けられるため、装置の大型化を抑制できる。
【0036】
前記第A9側面に従う第A11側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記磁気発生部は、前記突出部に設けられる。
上記第A11側面に従えば、磁気発生部を突出部に設けることができる。
【0037】
前記第A1側面に従う第A12側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記外周部は、径方向外側に突出し、前記ディスクブレーキロータの本体が取り付けられる複数の突出部を含み、前記突出部は、前記ディスクブレーキロータの本体を取り付けるための第1孔を含み、前記装着部は、前記第1孔に挿入されて前記突出部に固定される。
上記第A12側面に従えば、装着部を第1孔に挿入することによって安定して磁気発生部を突出部に固定することができる。また、ディスクブレーキロータの本体を取り付けるための第1孔を用いて磁気発生部をディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることによって装置の大型化を抑制できる。
【0038】
前記第A12側面に従う第A13側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記装着部は、前記第1孔、および、前記ディスクブレーキロータの本体に形成される第2孔に挿入され、前記突出部と前記ディスクブレーキロータの本体とを連結する連結部分を含む。
上記第A13側面に従えば、装着部を第1孔および第2孔に挿入することによって安定して磁気発生部を突出部に固定することができる。また、ディスクブレーキロータの本体を取り付けるための第1孔および第2孔を用いて磁気発生部をディスクブレーキロータのアダプタに取り付けることによって装置の大型化を抑制できる。
【0039】
前記第A1から第A13側面のいずれか一つに従う第A14側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記磁気発生部は、少なくとも1つの永久磁石を含む。
上記第A14側面に従えば、磁気発生部が安定して磁気を発生させることができる。
【0040】
前記第A1から第A9側面および第A11から第A13側面のいずれか一つに従う第A15側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記磁気発生部は、周方向に複数の磁極が並ぶ円環形状の永久磁石を含む。
上記第A15側面に従えば、複数の磁極の検出によって自転車の車輪の回転状態の検出精度を向上することができるようになる。
【0041】
前記第A1から第A9側面および第A11から第A13側面のいずれか一つに従う第A16側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記装着部は、円環形状のベース部を含み、前記磁気発生部は、前記ベース部の周方向に間隔を開けて配置される複数の永久磁石を含む。
上記第A16側面に従えば、複数の永久磁石の磁気の検出によって自転車の車輪の回転状態の検出精度を向上することができるようになる。
【0042】
前記第A1から第A16側面のいずれか一つに従う第A17側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記磁気発生部と前記装着部との間に配置され、熱の伝達を抑制する断熱部をさらに含む。
上記第A17側面に従えば、熱による磁気発生部から発生する磁気への影響を断熱部によって低減できる。
【0043】
前記第A1から第A17側面のいずれか一つに従う第A18側面のディスクブレーキロータのアダプタにおいて、前記アダプタ本体は、スチール鋼またはアルミ合金を含む。
上記第A18側面に従えば、アダプタ本体を適切な材料によって形成できる。
【0044】
第A19側面に従うディスクブレーキロータは、前記第A1から第A18側面のいずれか一つに従うディスクブレーキロータのアダプタと、前記アダプタに取り付けられる前記ディスクブレーキロータの本体とを含む。
上記第A19側面に従えば、ディスクブレーキロータを自転車の車輪の回転状態を検出するために好適に用いることができる。
【0045】
第A20側面に従うディスクブレーキロータは、自転車のハブにボルトによって取り付け可能な複数の第1取付部と、前記第1取付部とは異なる位置に設けられる第2取付部と、磁気発生部と、前記磁気発生部を前記第2取付部に着脱可能に取り付ける装着部とを含む。
上記第A20側面に従えば、自転車のハブにボルトによって取り付け可能なディスクブレーキロータを自転車の車輪の回転状態を検出するために好適に用いることができる。
【0046】
第A21側面本発明に従う磁気発生装置は、自転車のハブに取り付けるためのハブ接続部、前記ハブ接続部よりも径方向の外側に配置される本体、および、径方向に延びて前記ハブ接続部と前記本体とを接続するアームを含むディスクブレーキロータに取り付け可能な磁気発生装置であって、磁気発生部と、前記磁気発生部を保持する保持部と、前記保持部と一体に形成され、前記ディスクブレーキロータの軸方向の第1側面に取り付け可能な第3取付部と、を含み、前記保持部は、前記第3取付部が前記第1側面に装着された状態で、前記磁気発生部の少なくとも一部が、前記第1側面から前記ディスクブレーキロータの周方向において隣り合う前記アームの間の空間に突出するように構成される。
上記第A21側面に従えば、ディスクブレーキロータを自転車の車輪の回転状態を検出するために好適に用いることができる。
【0047】
前記第A21側面に従う第A22側面の磁気発生装置において、前記磁気発生部は、前記保持部に埋め込まれる。
上記第A22側面に従えば、磁気発生部を安定してディスクブレーキロータに取り付けることができる。
【発明の効果】
【0048】
本開示の磁気発生装置は、自転車の車輪の回転状態を検出するために好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】第1実施形態のディスクブレーキロータを第1の方向から見た側面図。
図2図1のディスクブレーキロータと自転車のハブとを示す正面図。
図3図1の3−3線における部分断面図。
図4図1のアダプタを第1の方向から見た側面図。
図5図1のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図6図5の6−6線における沿う断面図。
図7】第2実施形態のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図8図7の8−8線に沿う断面図。
図9】第3実施形態のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図10図9の10−10線における断面図。
図11】第4実施形態のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図12図11の12−12線における断面図。
図13】第5実施形態のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図14図13の14−14線における断面図。
図15】第5実施形態の変形例のアダプタの部分断面図。
図16】第6実施形態のアダプタの部分断面図。
図17】第6実施形態の変形例のアダプタの部分断面図。
図18】第7実施形態のアダプタの部分断面図。
図19】第7実施形態の変形例のアダプタの部分断面図。
図20】第8実施形態のアダプタの部分断面図。
図21】第1変形例のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図22】第2変形例のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図23】第3変形例の装着部を第1の方向から見た側面図。
図24】第4変形例のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図25】第5変形例のアダプタを第2の方向から見た側面図。
図26図25の26−26線における断面図。
図27】第6変形例のディスクブレーキロータの部分断面図。
図28】第7変形例のディスクブレーキロータの分解斜視図。
図29】第8変形例のディスクブレーキロータの斜視図。
図30図29の装着部の斜視図。
図31】第9変形例のディスクブレーキロータの分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(第1実施形態)
図1から図13を参照して、第1実施形態のアダプタ20Aを含むディスクブレーキロータ10について説明する。
【0051】
図1に示されるとおり、ディスクブレーキロータ10は、ディスクブレーキロータ10のアダプタ20Aと、アダプタ20Aに取り付けられるディスクブレーキロータ10の本体12とを含む。
【0052】
図2に示されるとおり、ディスクブレーキロータ10は、アダプタ20AをハブHに固定するための固定部材RによってハブHに固定され、ハブHのハブシェルH1と一体回転する。固定部材Rは、アダプタ20AをハブHに固定するための固定機能を有する。具体的には、ハブHの外周部に形成される第1スプラインH3にディスクブレーキロータ10の第2スプライン32Aが嵌め込まれた状態で、ディスクブレーキロータ10がハブHと固定部材Rとに挟み込まれることによってディスクブレーキロータ10がハブHに取り付けられる。第1スプラインH3は、ハブHの回転軸に沿う方向において、ハブHのハブシェルH1の第1端部H4に設けられる。第1スプラインH3は、ハブHの回転軸に沿う方向に延びる複数の凹凸部を含んで構成されている。ハブシェルH1の外周部には、第1スプラインH3に隣接して突起H5が形成されている。突起H5は、ハブHの回転軸に沿う方向において、第1スプラインH3よりもハブシェルH1の第2端部H6側に配置される。突起H5は、ハブHの径方向において、第1スプラインH3よりも外側に突出する。突起H5は、ハブシェルH1の全周にわたって形成されることが好ましい。図2では、ハブHは、フリーホイールを備えていないが、フリーホイールを備えるハブであってもよい。
【0053】
固定部材Rは、円盤形状の円盤部R1、および、円盤部R1からディスクブレーキロータ10の軸方向に突出する凸部R2を含む。ディスクブレーキロータ10の軸方向を、以下、単に「軸方向」と記載する。凸部R2は、外周部に雄ねじ部R3を含む。図3に示される凸部R2の雄ねじ部R3は、ハブHのハブシェルH1の内周部に形成される雌ねじ部H2にねじ込み可能に構成される。ハブHのハブシェルH1の外周部に固定部材Rを固定するための雄ねじ部が形成されている場合、固定部材Rから凸部R2を省略して、円盤部R1の内周部にハブシェルH1の外周部に形成される雄ねじ部にねじ込み可能な雌ねじ部を形成してもよい。
【0054】
図1に示されるとおり、本体12は、円盤形状に形成される。本体12は、ディスクブレーキキャリパのブレーキパッド(図示略)と摺動可能な摺動面12Aを含む。図2に示されるとおり、摺動面12Aは、軸方向において本体12の両方の側面12Sに形成される。本体12は、環状に形成される。摺動面12Aは、本体12の外周部に形成される。図3に示されるとおり、本体12の内周部付近には、本体12を軸方向に平行な方向に貫通する第2孔12Bが設けられる。本体12の外周部、内周部、および、内周部と外周部との間の中間部とには、本体12を軸方向に平行な方向に貫通する貫通孔12Dがそれぞれ形成されることが好ましい。中間部には、周方向に相互に離間し、ディスクブレーキロータ10の径方向の外側に延びる複数のアーム部12Cが含まれることが好ましい。ディスクブレーキロータ10の径方向を、以下、単に「径方向」と記載する。
【0055】
アダプタ20Aは、ディスクブレーキロータ10の本体12を自転車のハブH(図2参照)に取り付けるためのものである。図4に示されるとおり、アダプタ20Aは、アダプタ本体22と、磁気発生部24と、装着部26とを含む。一例では、アダプタ20Aは、断熱部28(図6参照)および結合部30をさらに含む。
【0056】
アダプタ本体22は、金属によって形成される。アダプタ本体22は、スチール鋼またはアルミ合金を含む。アダプタ本体22は、透磁率の低い材料によって形成されることが好ましい。アダプタ本体22は、内周部32および外周部34を含む。内周部32は、第2スプライン32Aを含む。第2スプライン32Aは、図2に示すハブHに設けられる第1スプラインH3と嵌合可能である。軸方向において内周部32の一端部32Bは、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブシェルH1の突起H5に接触する。軸方向における内周部32の一端部32Bの端面は、軸方向に垂直な平面に含まれるように形成されることが好ましい。図1に示すとおり、外周部34は、内周部32よりも径方向の外側に位置する。外周部34には、ディスクブレーキロータ10の本体12が取り付けられる。外周部34は、径方向外側に突出し、ディスクブレーキロータ10の本体12が取り付けられる複数の突出部36を含む。突出部36は、ディスクブレーキロータ10の周方向において所定の間隔で設けられる。ディスクブレーキロータ10の周方向を、以下、単に「周方向」と記載する。突出部36の数は、例えば6である。図3に示されるとおり、突出部36は、ディスクブレーキロータ10の本体12を取り付けるための第1孔36Aを含む。第1孔36Aは、軸方向と平行な方向に延びる。第1孔36Aは、各突出部36の先端部に形成される。第1孔36Aは、軸方向に突出部36を貫通することが好ましい。第1孔36Aは、ディスクブレーキロータ10の本体12に形成される第2孔12Bと対応する位置に形成される。第1孔36Aおよび第2孔12Bには、結合部30が挿入される。結合部30は、例えばリベットを含む。結合部30によってディスクブレーキロータ10の本体12とアダプタ20Aとが互いに取り付けられる。結合部30は、ボルトを含んでいてもよい。結合部30がボルトを含む場合、例えば第2孔12Bの内周部にボルトに連結可能なねじを形成して、第2孔12Bにボルトを挿通させた状態で、ボルトの頭部と突出部36との間に本体12を挟んで固定する。
【0057】
装着部26は、固定部材Rの固定機能とは無関係に、磁気発生部24をアダプタ本体22に装着する。装着部26は、周方向において隣り合う2つの突出部36の間に設けられる。図6に示されるとおり、装着部26は、アダプタ本体22と一体に形成されている。装着部26は、磁気発生部24を保持する保持部38を有する。保持部38は、凹部38Aを含む。凹部38Aは、軸方向の一方に開口する。凹部38Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に形成される。この場合、アダプタ本体22が、アルミニウム合金等の透磁率の低い材料によって形成されることが好ましい。凹部38Aの開口は、アダプタ本体22が透磁率の低い材料によって形成される場合には、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、径方向の外側に形成されてもよい。凹部38Aの開口は、アダプタ本体22が、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側とは反対側に形成されてもよい。凹部38Aの開口は、アダプタ本体22が、透磁率の高い材料によって形成される場合には、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側とは反対側に形成されることが好ましい。
【0058】
磁気発生部24は、凹部38Aに収容される。磁気発生部24の全体が凹部38Aに収容されるのが好ましいが、磁気発生部24の一部が凹部38Aから突出していてもよい。磁気発生部24は、少なくとも1つの永久磁石を含む。磁気発生部24は、隣り合う2つの突出部36の間に設けられる。永久磁石の形状は限定されないが、例えば円筒形状に形成される。永久磁石は、軸方向に磁極が並ぶように凹部38Aに設けられる。磁気発生部24は、周方向で隣り合う2つの突出部36の間に設けられる。断熱部28は、磁気発生部24と装着部26との間に配置され、熱の伝達を抑制する。一例では、断熱部28は樹脂を含む。断熱部28は、透磁率の低い材料によって形成されるのが好ましい。断熱部28および磁気発生部24は、軽圧入または接着剤によって凹部38Aに保持される。磁気発生部24は、樹脂によってモールドされていてもよい。
【0059】
(第2実施形態)
図7および図8を参照して、第2実施形態のアダプタ20Bについて説明する。第2実施形態のアダプタ20Bは、装着部42が、アダプタ本体22と別体に形成されている以外は第1実施形態のアダプタ20Aと同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0060】
図7に示されるとおり、装着部42は、隣り合う2つの突出部36の間に設けられる。装着部42は、アダプタ本体22とは別体に形成される。装着部42は、固定部材Rの固定機能とは無関係に、磁気発生部24をアダプタ本体22に装着する。装着部42は、保持部44および係合部46を含む。保持部44は、金属または樹脂によって形成される。保持部44は、透磁率の低い材料によって形成されるのが好ましい。保持部44は、凹部44Aを含む。凹部44Aは、軸方向の一方に開口する。凹部44Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に形成される。凹部44Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に形成されてもよい。保持部44が透磁率の高い材料によって形成される場合、凹部44Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に形成されることが好ましい。係合部46は、アダプタ本体22に係合する。係合部46は、例えば接着剤を含む。係合部46は、保持部44を外周部34に固定する。保持部44が、アルミニウム合金および樹脂等の透磁率の低い材料によって形成される場合には、凹部44Aの開口は、径方向の内側または外側に形成されてもよい。
【0061】
図8に示されるとおり、磁気発生部24は、凹部44Aに収容される。磁気発生部24の全体が凹部44Aに収容されるのが好ましいが、磁気発生部24の一部が凹部44Aから突出していてもよい。アダプタ本体22と磁気発生部24との間での熱の伝達は、保持部44および係合部46によって抑制される。このため、第2実施形態のアダプタ20Bでは、装着部42が断熱部として機能するため、第1実施形態の断熱部28を省略することができるが、装着部42と磁気発生部24との間に断熱部28を設けてもよい。
【0062】
(第3実施形態)
図9および図10を参照して、第3実施形態のアダプタ20Cについて説明する。第3実施形態のアダプタ20Cは、結合部30のうちの少なくとも1つが連結部分54に変更され、磁気発生部24が突出部36に設けられ、装着部48がアダプタ本体22と別体で形成されている以外は第1実施形態のアダプタ20Aと同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0063】
図9に示されるとおり、装着部48は、突出部36に設けられる。装着部48は、固定部材Rの固定機能とは無関係に、磁気発生部24をアダプタ本体22に装着する。装着部48は、アダプタ本体22とは別体に形成される。装着部48は、保持部50を含む。一例では、装着部48は、連結部分54をさらに含む。連結部分54は、結合部30と同様に、リベットを含む。保持部50は、金属または樹脂によって形成される。保持部50は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。保持部50は、凹部50Aを含む。凹部50Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に形成される。凹部50Aの底部には、アダプタ本体22側に貫通する貫通孔50Bが形成されている。磁気発生部24と連結部分54とは、軸方向に重なる位置に配置される。別の例では、磁気発生部24と連結部分54とは、軸方向に重ならない位置に配置される。この場合、例えば保持部50が連結部分54よりも径方向の内側、径方向の外側または周方向のいずれか一方に延び、連結部分54と重ならない部分において凹部50Aが形成される。
【0064】
装着部48は、第1孔36Aに挿入されて突出部36に固定される。図10に示されるとおり、連結部分54は、第1孔36A、および、ディスクブレーキロータ10の本体12に形成される第2孔12Bに挿入され、突出部36とディスクブレーキロータ10の本体12とを連結する。連結部分54の第1端部54Aは、貫通孔50Bを挿通して、凹部50A内部空間に位置する。第1端部54Aのうち凹部50A内部空間に配置される部分と突出部36との間に保持部50が挟まれて、保持部50が支持される。
【0065】
磁気発生部24は、凹部50Aに収容される。磁気発生部24の全体が凹部50Aに収容されるのが好ましいが、磁気発生部24の一部が凹部50Aから突出していてもよい。磁気発生部24は、突出部36に設けられる。断熱部28は、磁気発生部24と装着部48との間に配置され、熱の伝達を抑制する。
【0066】
(第4実施形態)
図11および図12を参照して、第4実施形態のアダプタ20Dについて説明する。第4実施形態のアダプタ20Dは、装着部56が突出部36に固定され、装着部48がアダプタ本体22と別体で形成されている以外は第1実施形態のアダプタ20Aと同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0067】
図11に示されるとおり、装着部56は、突出部36に設けられる。装着部56は、固定部材Rの固定機能とは無関係に、磁気発生部24をアダプタ本体22に装着する。装着部56は、アダプタ本体22とは別体に形成される。装着部26は、アダプタ本体22に着脱可能に構成される。装着部56は、保持部58および係合部60(図12参照)を含む。保持部58は、凹部58Aを含む。保持部58は、金属または樹脂によって形成される。保持部58は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。凹部58Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。この場合、保持部58が、アルミニウム合金および樹脂等の透磁率の低い材料によって形成されることが好ましい。別の例では、保持部58は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に設けられる。凹部58Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に設けられる。保持部58が、アルミニウム合金および樹脂等の透磁率の低い材料によって形成される場合には、凹部58Aの開口は、径方向の内側または外側、周方向の一方側または他方側に形成されてもよい。磁気発生部24は、凹部58Aに収容される。磁気発生部24の全体が凹部58Aに収容されるのが好ましいが、磁気発生部24の一部が凹部58Aから突出していてもよい。断熱部28は、磁気発生部24と保持部58との間に配置され、熱の伝達を抑制する。
【0068】
図12に示されるとおり、係合部60は、第1ねじ部60Aを含む。アダプタ本体22は、第1ねじ部60Aが係合する第2ねじ部22Bを含む。第1ねじ部60Aは、雄ねじを含む。第2ねじ部22Bは雌ねじを含む。第2ねじ部22Bは、突出部36のうちの第1孔36Aよりも径方向内側に形成される。第2ねじ部22Bのねじ孔は、軸方向に平行に延び、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に開口する。保持部58がハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に設けられる場合には、第2ねじ部22Bのねじ孔は、ハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に開口する。第2ねじ部22Bのねじ孔は、軸方向に平行に延びて、突出部36を貫通していてもよい。係合部60は、保持部58と一体に形成されてもよく、別体に形成されて保持部58に取り付けられてもよい。第1ねじ部60Aを第2ねじ部22Bにねじ込むことによって、磁気発生部24をアダプタ本体22に取り付けることができる。第2ねじ部22Bのねじ孔は、軸方向に交差する方向に延びていてもよい。
【0069】
(第5実施形態)
図13および図14を参照して、第5実施形態のアダプタ20Eについて説明する。第5実施形態のアダプタ20Eは、装着部62が突出部36に固定され、装着部62がアダプタ本体22と別体で形成されている以外は第1実施形態のアダプタ20Aと同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0070】
図13に示されるとおり、装着部62は、突出部36に設けられる。装着部62は、固定部材Rの固定機能とは無関係に、磁気発生部24をアダプタ本体22に装着する。装着部62は、アダプタ本体22とは別体に形成される。装着部62は、アダプタ本体22に着脱可能に構成される。装着部62は、保持部64および係合部66(図14参照)を含む。保持部64は、凹部64Aを含む。保持部64は、金属または樹脂によって形成される。保持部64は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。凹部64Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。この場合、保持部64が、アルミニウム合金および樹脂等の透磁率の低い材料によって形成されることが好ましい。別の例では、凹部64Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に形成される。保持部64が、アルミニウム合金および樹脂等の透磁率の低い材料によって形成される場合には、凹部64Aの開口は、径方向の内側または外側、周方向の一方側または他方側に形成されてもよい。保持部64は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に設けられてもよい。磁気発生部24は、凹部64Aに収容される。磁気発生部24の全体が凹部64Aに収容されるのが好ましいが、磁気発生部24の一部が凹部64Aから突出していてもよい。
【0071】
図14に示されるとおり、係合部66は、保持部64から軸方向に延びる2つの爪部66Aを含む。2つの爪部66Aの一方は、突出部36に形成される貫通孔22Cに挿入される。2つの爪部66Aの他方は、突出部36の周方向の外側に配置される。2つの爪部66Aが突出部36を挟み込むことによって保持部64が突出部36に固定される。係合部66と爪部66Aとは、別体で形成されて組立てられてもよく、一体成形されていていてもよい。
【0072】
図15に示されるとおり、装着部62は、係合部66に代えて、周方向における一端部68Aおよび他端部68Bを連結することによって環形状を形成する係合部68を含んでもよい。係合部68は、一端部68Aおよび他端部68Bを離間させた状態で突出部36を係合部68の内周側に嵌め込み、一端部68Aおよび他端部68Bを連結することによって保持部64を突出部36に固定する。一端部68Aおよび他端部68Bには、相互に係合する凹部および凸部が形成されている。
【0073】
(第6実施形態)
図16を参照して、第6実施形態のアダプタ20Fについて説明する。第6実施形態のアダプタ20Fは、保持部72と係合部74とが別体である以外は第5実施形態のアダプタ20Eと同様であるので、第5実施形態と共通する構成については、第5実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0074】
装着部70は、保持部72および係合部74を含む。装着部70は、固定部材Rの固定機能とは無関係に、磁気発生部24をアダプタ本体22に装着する。保持部72は、突出部36を挟んで配置される第1部分76と第2部分78とを含む。第1部分76は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、突出部36のうちのハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に配置される。第1部分76は、凹部76Aを含む。ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、第2部分78がハブHのハブシェルH1の第2端部H6側とは反対側に設けられる。凹部76Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。この場合、第1部分76が、アルミニウム合金および樹脂等の透磁率の低い材料によって形成されることが好ましい。別の例では、第1部分76および凹部76Aの開口がハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に設けられ、第2部分78がハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。保持部72が、アルミニウム合金、樹脂などの透磁率の低い材料によって形成される場合には、凹部76Aの開口は、径方向の内側または外側、周方向の一方側または他方側に形成されてもよい。磁気発生部24は、凹部76Aに収容される。磁気発生部24の全体が凹部76Aに収容されるのが好ましいが、磁気発生部24の一部が凹部64Aから突出していてもよい。断熱部28は、磁気発生部24と装着部70との間に配置され、熱の伝達を抑制する。
【0075】
係合部74は、保持部72と別体に形成される。係合部74は、第1ねじ部74Aを含む。係合部74は、ボルトによって形成される。保持部72は、係合部74が貫通する第1貫通孔76Bと、係合部74が第1貫通孔76Bを貫通した状態で、第1ねじ部74Aに係合する第3ねじ部78Aと、を含む。第1貫通孔76Bは、第1部分76に形成される。第3ねじ部78Aは、第2部分78に形成される。第3ねじ部78Aのねじ孔は、第2部分78を貫通していてもよい。装着部70は、複数の係合部74を含む。第1貫通孔76Bおよび第3ねじ部78Aは、係合部74の数と対応して保持部72に形成される。係合部74のうちの少なくとも2つは、周方向において突出部36を挟む位置に配置される。装着部70は、第1部分76および第2部分78によって突出部36を挟み込んだ状態において、係合部74が第1貫通孔76Bを貫通し、第1ねじ部74Aが第3ねじ部78Aにねじ込まれることによって突出部36に固定される。
【0076】
アダプタ20Fにおいて、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、第1貫通孔76BのハブHのハブシェルH1の第2端部H6側の端部の内径を、図17に示されるとおり、大きくし、係合部74の端部が第1部分76から突出しないようにしてもよい。また、第1部分76から凹部76Aを省略し、磁気発生部24および断熱部28を、第1部分76の突出部36とは反対側の表面に設けることもできる。
【0077】
(第7実施形態)
図18を参照して、第7実施形態のアダプタ20Gについて説明する。第7実施形態のアダプタ20Gは、保持部80の第1部分76と第2部分78とが接続される以外は第6実施形態のアダプタ20Fと同様であるので、第6実施形態と共通する構成については、第6実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0078】
保持部80は、第1部分76、第2部分78、および、第3部分82を含む。第3部分82は、周方向において第1部分76および第2部分78の端部をそれぞれ接続する。第3部分82は、軸方向と平行な方向に延びる。保持部80は、径方向に垂直な方向の断面がU字形状を有する。第3部分82は、周方向において突出部36の一方側に配置される。係合部74は、周方向において突出部36の他方側で第1部分76の第1貫通孔76Bを貫通し、第1ねじ部74Aが第3ねじ部78Aにねじ込まれる。
【0079】
アダプタ20Gにおいて、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、第1貫通孔76BのハブHのハブシェルH1の第2端部H6側の端部の内径を、図19に示されるとおり大きくし、係合部74の端部が第1部分76から突出しないようにしてもよい。また、第1部分76から凹部76Aを省略し、磁気発生部24および断熱部28を、第1部分76の突出部36とは反対側の表面に設けることもできる。
【0080】
(第8実施形態)
図20を参照して、第8実施形態のアダプタ20Hについて説明する。第8実施形態のアダプタ20Hは、装着部84が突出部36に固定され、装着部84がアダプタ本体22と別体で形成されている以外は第1実施形態のアダプタ20Aと同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
アダプタ20Hは、係合部88と保持部86とが別体に形成される。アダプタ20Hの装着部84は、保持部86および係合部88を含む。装着部84は、固定部材Rの固定機能とは無関係に、磁気発生部24をアダプタ本体22に装着する。装着部84は、突出部36に設けられる。係合部88は、第1ねじ部88Aを含む。装着部84は、アダプタ本体22に着脱可能に構成される。アダプタ本体22は、係合部88が貫通する第2貫通孔22Dを含む。第2貫通孔22Dは、軸方向に延びている。保持部86は、係合部88が第2貫通孔22Dを貫通した状態で、第1ねじ部88Aに係合する第4ねじ部86Bを含む。
【0082】
保持部86は、凹部86Aを含む。保持部86は、金属または樹脂によって形成される。保持部86は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。凹部86Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側に設けられる。この場合、保持部86がアルミニウム合金および樹脂等の透磁率の低い材料によって形成されることが好ましい。別の例では、保持部86は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側とは反対側に設けられる。凹部86Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側とは反対側に設けられる。保持部86が、透磁率の低い材料によって形成される場合には、凹部86Aの開口は、径方向の内側または外側、周方向の一方側または他方側に形成されてもよい。磁気発生部24は、凹部86Aに収容される。磁気発生部24の全体が凹部86Aに収容されるのが好ましいが、磁気発生部24の一部が凹部86Aから突出していてもよい。断熱部28は、磁気発生部24と保持部86との間に配置され、熱の伝達を抑制する。
【0083】
第1ねじ部88Aは、雄ねじを含む。第4ねじ部86Bは雌ねじを含む。係合部88が軸方向において突出部36を挟んで保持部86の反対側から第2貫通孔22Dを貫通し、第1ねじ部88Aが第4ねじ部86Bにねじ込まれることによって、装着部84が突出部36に固定される。係合部88は、ボルトによって形成される。ボルトの頭部と、保持部86との間に突出部36が挟まれて、軸方向における保持部86の移動が規制される。
【0084】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従うディスクブレーキロータのアダプタ、このアダプタを含むディスクブレーキロータ、および、磁気発生装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従うディスクブレーキロータのアダプタ、このアダプタを含むディスクブレーキロータ、および、磁気発生装置は、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
・第5から第7実施形態の装着部62,70を、貫通孔22Cを含まない第1から第4実施形態のアダプタ本体22に取り付けることもできる。例えば、図21に示されるように、装着部62がアダプタ本体22の1つの突出部36のうちの径方向における中間部分を囲むように構成される。
【0086】
図20に示される装着部84を、図22に示される円環形状のベース部92を含む装着部90に変更することもできる。ベース部92の内径は、アダプタ本体22の内周部32の内径および固定部材Rの外径よりも大きい。ベース部92の外径は、径方向においてベース部92の外周部が結合部30よりも内側に配置される大きさに選ばれることが好ましい。ベース部92は、2つ以上の突出部36に図20に示す係合部88によって固定されることが好ましい。磁気発生部24は、ベース部92の周方向に間隔を開けて配置される複数の永久磁石24Aを含む。ベース部92には、周方向に間隔を開けて凹部86Aが設けられる。凹部86Aのそれぞれに永久磁石24Aが収容される。
【0087】
・装着部90を、係合部88によってアダプタ本体22に着脱可能に固定するのではなく、図23に示されるとおり、第5実施形態と同様の係合部66によってアダプタ本体22に着脱可能に固定してもよい。ベース部92のアダプタ本体22側の面には、軸方向においてアダプタ本体22側に突出する爪部66Aが複数設けられる。爪部66Aは、複数ペア設けられるのが好ましい。各一対の爪部66Aは、それぞれ1つの突出部36に嵌め込み可能に構成される。
【0088】
図22に示される磁気発生部94を、図24に示されるとおり周方向に複数の磁極が並ぶ円環形状の永久磁石94Bを含む磁気発生部94に変更することもできる。この場合、ベース部92の凹部86Aを円環状に形成する。図23のベース部92を磁性材料を含んで形成する場合には、ベース部92を着磁して磁気発生部94を構成してもよい。
【0089】
・アダプタ本体22の装着部26を、周方向において隣り合う2つの突出部36の間に設けるのではなく、図25および図26に示されるように突出部36に設けてもよい。装着部26は、突出部36に一体に形成されている。
【0090】
・第1および第3から第8実施形態および各変形例において、断熱部28を省略してもよい。
・各実施形態および各変形例のアダプタ本体22に、放熱部を設けてもよい。放熱部は、例えば1または複数のフィンを含む。放熱部は、磁気発生部24の近傍に設けられることが好ましい。たとえば放熱部は、軸方向において磁気発生部24が設けられる面とは反対側の面で、軸方向から見た時に磁気発生部24に重なる位置に設けられる。
【0091】
・第3実施形態の保持部50を図27に示されるようにディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6とは反対側に設けられるようにしてもよい。凹部50Aの開口は、ディスクブレーキロータ10をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6側とは反対側に形成される。装着部48は、第1孔36Aに挿入されて突出部36に固定される。連結部分54の第2端部54Bは、貫通孔50Bを挿通して、凹部50A内部空間に位置する。第2端部54Bのうち凹部50A内部空間に配置される部分と突出部36との間に保持部50が挟まれて、保持部50が支持される。
【0092】
・各実施形態および変形例のディスクブレーキロータ10を、本体12とアダプタ20Aから20Hとが着脱可能に構成される図28のディスクブレーキロータ10Aに変更してもよい。例えば、図28に示すディスクブレーキロータ10Aは、本体12に複数の貫通孔102を含む。貫通孔102は、第1孔36A(図3参照)と対応する位置に設けられる。固定部材Rと本体12との間には、第1スペーサーS1および第2スペーサーS2が配置される。装着部26は、アダプタ本体22と一体に形成される。別の例では、装着部26は、アダプタ本体22と別体に形成されて、アダプタ本体22に着脱可能に取り付けられる。
【0093】
・第2実施形態の装着部42をディスクブレーキロータ110の第1側面110Aに設けるように変更することもできる。例えば、図29に示すディスクブレーキロータ110は、ハブ接続部112、本体114、および、アーム116を含む。ハブ接続部112は、自転車のハブH(図2参照)に取り付けるためのものである。アーム116は、ハブ接続部112と本体114とを接続する。ディスクブレーキロータ110は、複数のアーム116を含む。ハブ接続部112およびアーム116の組み合わせは、上記実施形態のアダプタ20Aから20Hと同様の構造を含む。ハブ接続部112は、上記実施形態のアダプタ20Aから20Hの内周部32と対応し、アーム116は、上記実施形態の外周部34の突出部36と対応する。本体114は、ハブ接続部112よりも径方向の外側に配置される。ディスクブレーキロータ110は、第1側面110Aおよび第2側面110Bを含む。第2側面110Bは、ディスクブレーキロータ110をハブHに取り付けた状態で、ハブHのハブシェルH1の第2端部H6に近い方の面である。第1側面110Aは、軸方向において第2側面110Bと反対側の面である。本体114は、上記各実施形態のディスクブレーキロータ10の本体12と同様の構造を含む。この変形例では、ハブ接続部112とアーム116とは一体に形成されてもよく、別体に形成されてもよい。また、アーム116と本体114とは一体に形成されてもよく、別体に形成されてもよい。図30に示されるとおり、磁気発生装置120は、ディスクブレーキロータ110に取り付け可能である。磁気発生装置120は、磁気発生部24と、保持部124と、第3取付部126とを含む。保持部124は、磁気発生部24を保持する。磁気発生部24は、保持部124に埋め込まれる。第3取付部126は、保持部124と一体に形成され、ディスクブレーキロータ110の軸方向の第1側面110Aに装着可能である。保持部124は、透磁率の低い材料によって形成され、例えば樹脂を含む。第3取付部126は、例えばボルトまたは接着剤によって第1側面110Aに取り付けられる。第3取付部126は、ディスクブレーキロータ110の本体114に取り付けられる。
保持部124は、第3取付部126が第1側面110Aに装着された状態で、磁気発生部24の少なくとも一部が、第1側面110Aからディスクブレーキロータ110の隣り合うアーム116の間の空間125に突出するように構成される。第3取付部126は、第1部分126Aおよび第2部分126Bを含む。第1部分126Aには、内周部に雌ねじが設けられる孔127が形成される。第2部分126Bには、軸方向の端部に保持部124が設けられる。第3取付部126から保持部124が軸方向に突出する。図29に示す例では、第3取付部126がディスクブレーキロータ110に装着された状態で、第3取付部126のうちの径方向の外側部分に第1部分126Aが配置され、径方向の内側部分の第2部分126Bが配置される。
【0094】
図30の第3取付部126は、第1側面110Aのうち、アダプタ本体22に取り付けられてもよい。例えば第3取付部126の孔127は軸方向に貫通する。この孔127にボルトB1を挿通して、アダプタ本体22に形成されるねじ孔にボルトB1を固定することによって、保持部124がディスクブレーキロータ110に固定される。
【0095】
・第2実施形態の装着部42または図29に示す保持部124を図31に示すディスクブレーキロータ10Bに取り付けてもよい。ディスクブレーキロータ10Aは、複数の第1取付部13Aと、第2取付部13Bと、磁気発生部24と、保持部124とを含む。複数の第1取付部13Aは、自転車のハブHにボルトBによって取り付け可能である。第1取付部13Aは、軸方向に貫通する。ハブHの突起H5(図2参照)には、ボルトBの雄ねじがねじ込まれる雌ねじが形成される。第1取付部13Aは、貫通孔を含む。第1取付部13Aは、ディスクブレーキロータ10AのうちのハブHの突起H5に形成される雌ねじと対応する位置に設けられる。第2取付部13Bは、第1取付部13Aとは異なる位置に設けられる。第2取付部13Bは、軸方向に貫通する貫通孔を含む。保持部124は、磁気発生部24を第2取付部13Bに着脱可能に取り付ける。保持部124は、装着部に相当する。ボルトBのヘッド部とディスクブレーキロータ10Aとの間には、第2スペーサーS2が配置される。ボルトB1が第2取付部13Bを貫通して保持部124の第3取付部126の雌ねじにねじ込むことによって、保持部124が着脱可能にディスクブレーキロータ10Bに取り付けられる。図31に示す例では、第3取付部126がディスクブレーキロータ110に装着された状態で、第3取付部126のうちの径方向の外側部分に第1部分126Aが配置され、径方向の内側部分の第2部分126Bが配置される。
【0096】
・各実施形態の磁気発生部24,94は、永久磁石に代えてまたは加えて電磁石を含むように構成することもできる。この場合、磁気発生部24,94には、コイルおよびコイルに電力を供給する電池を含んでもよい。磁気発生部24,94が電磁石を含む場合、ハブHにダイナモを設け、ダイナモから電力を供給してもよい。
【0097】
・第1から第5実施形態および変形例において、凹部38A、44A,50A,58A,64A,86Aを省略し、磁気発生部24および断熱部28を、保持部38,44,50,58,64,86の表面に設けることもできる。
【0098】
・各実施形態および変形例において、磁気発生部24,94は、保持部38,44,50,58,64,72,86に埋め込まれて構成されてもよい。この場合、例えば保持部38,44,50,58,64,72,86を樹脂材料によって形成し、磁気発生部24,94と保持部38,44,50,58,64,72,86とを一体成形する。
【0099】
・各実施形態および変形例において、磁気発生部24は、凹部38A,44A,50A,58A,64A,76A,86Aに収容された状態で、凹部38A,44A,50A,58A,64A,76A,86Aの開口から露出しないようにカバー部材によって覆われていてもよい。カバー部材は、透磁率の低い材料によって形成され、例えば樹脂またはアルミニウム合金を含む。カバー部材は、接着、溶着、溶接またはねじによってアダプタ本体22または磁気発生部24の少なくとも一方に固定することができる。
【0100】
・各実施形態および変形例において、装着部26,42,48,56,62,70,84,90は、ディスクブレーキロータ10,10Aの本体12とアダプタ本体22との間、または、ディスクブレーキロータ110のハブ接続部112とハブHとの間、または、アダプタ本体22とハブHの第1端部H4との間に配置されてもよい。この場合、アダプタ本体22のハブH側の表面に溝または段差を形成し、この溝または段差に装着部26,42,48,56,62,70,84,90を嵌め込むことによって、アダプタ本体22に磁気発生部24,94が装着される。
【符号の説明】
【0101】
H…ハブ、H3…第1スプライン、R…固定部材、10,10A,10B,110…ディスクブレーキロータ、12…本体、12B…第2孔、20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H…アダプタ、22…アダプタ本体、22B…第2ねじ部、22D…第2貫通孔、32…内周部、32A…第2スプライン、34…外周部、36…突出部、36A…第1孔、24,94…磁気発生部、24A,94A…永久磁石、26,42,48,56,62,70,84,90…装着部、38,44,50,58,64,72,80,86,124…保持部、46,60,66,68,74,88…係合部、28…断熱部、54…連結部分、60A,74A,88A…第1ねじ部、76B…第1貫通孔、78A…第3ねじ部、86B…第4ねじ部、92…ベース部。
図1
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