(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遷移が検出されたタイミングと、前記送信タイミングと、前記高速状態における前記接続の通信速度とに基づいて、前記所定データのサイズを決定するサイズ決定手段と、
決定された長さの前記所定データを生成する調整データ生成手段と、
を備える請求項1に記載の送信装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
<構成>
まず、第1の実施形態に係る送信装置100の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る送信装置100を模式的に表すブロック図である。送信装置100は、制御装置200と、ビデオデータ生成装置300とにそれぞれ接続されている。制御装置200には、表示装置400が接続されている。表示装置は、例えば、液晶やOLED(Organic Light−Emitting Diode)などの表示パネルであってよい。送信装置100と制御装置200との間の接続の物理層の規格は、例えば、MIPIアライアンスによって策定されたD−PHYであってよい。送信装置100と制御装置200との間の接続のインタフェースプロトコルの規格は、MIPIアライアンスによって策定されたDSIであってよい。以下の説明では、送信装置100と制御装置200との間の接続の物理層の規格は、D−PHYである。送信装置100と制御装置200との間の接続のインタフェースの規格は、DSIである。ただし、送信装置100と制御装置200との間の接続の規格は、以上の例に限られない。
【0016】
ビデオデータ生成装置300は、映像のデータ(以下、映像データとも表記)を生成する。映像データの形式は、送信装置100が認識できる形式である。映像データの形式は、限定されない。ビデオデータ生成装置300は、生成した映像データを送信装置100に送信する。
【0017】
図2は、映像データのビデオフレームに係る情報の送信のタイミングを模式的に表す図である。
図2に示す例では、シンク情報は、同期のための情報である。ビデオデータが、表示装置400に表示される映像のデータである。ブランキング期間は、シンク情報もビデオデータも送信されない期間を示す。シンク情報及びビデオデータは、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態がHSである間に送信される。一般に、ブランキング期間において、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態は、LPになる。本実施形態では、ブランキング期間において、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態は、HSでもありうる。ブランキング期間において、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態がHSである間、送信装置100から制御装置200へ、シンク情報ではなくビデオデータでもない所定データが送信されてよい。以下では、ブランキング期間において、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態がHSである場合に送信される信号が表すデータを、ブランキングデータ及び調整データと表記する。また、ブランキングデータを表すパケットを、ブランキングパケット及び調整パケットと表記する。
【0018】
図2は、
図2に示すフレームのデータが、左上から1ライン毎に送信され、1ラインのデータを送信するために必要な時間が、THTOTALであることを示している。さらに、
図2では、1ラインのデータは、送信されるデータの種類を左から時系列で示している。すなわち、ラインの左端からの距離が、そのラインのシンク情報を送信し始めてからの時間の経過を表す。各ラインのデータが送信される際、まず、シンク情報が送信される。送信されるラインがビデオデータを含まない場合、そのラインのデータの送信が終了するまでの間が、シンク情報もビデオデータも送信されないブランキング期間である。送信されるラインがビデオデータを含む場合、
図2に示す例では、シンク情報が送信されてからビデオデータが送信され始めるまでの間が、ブランキング期間である。そのブランキング期間の後、そのラインに含まれるビデオデータが送信される。さらに、ビデオデータの送信が終了してからそのラインのデータの送信が終了するまでの間も、ブランキング期間である。ブランキング期間の長さは、制御装置200や表示装置400に応じて予め定められていてよい。また、
図2は、1フレームのデータの送信に必要な時間が、TVTOTALであることも示している。
【0019】
送信装置100は、受け取ったビデオデータに基づいて、シンク情報とビデオデータのパケット(以下、まとめて、表示データと表記)を生成し、生成したパケットを、所定のタイミングで制御装置200に送信する。送信装置100については、後で詳細に説明する。
【0020】
制御装置200は、表示データを受信し、受信した表示データに基づいて、ビデオデータ生成装置300によって生成されたビデオデータが表す映像を、表示装置400に表示する。
【0021】
送信装置100は、検出部110と、送信部120と、サイズ決定部130と、調整データ生成部140と、タイミング決定部150と、受信部160と、表示データ生成部170と、遷移要求部180と、タイマー部190と、を含む。
【0022】
受信部160は、ビデオデータ生成装置300から、ビデオデータを受け取る。受信部160は、受け取ったビデオデータを、表示データ生成部170に渡す。
【0023】
遷移要求部180は、タイミング決定部150によって決定されたタイミングで、接続状態のLPからHSへの遷移を要求する要求である遷移要求を、送信部120を介して、制御装置200に送信する。言い換えると、遷移要求部180は、遷移要求(具体的には、遷移要求を表す信号)を送信部120に送信する。そして、送信部120は、上述の遷移要求を受け取り、受け取った遷移要求を制御装置200に送信する。
【0024】
検出部110は、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態の、LPからHSへの遷移を検出する。遷移が検出された場合、検出部110は、遷移の検出をサイズ決定部130に通知する。検出部110は、接続の状態の、LPからHSへの遷移を、信号の振幅の変化を検出することによって検出できる。接続の物理層がD−PHYの規格に従っている場合、接続の状態がLPである場合の振幅の方が、接続の状態がHSの状態である場合の振幅よりも大きい。検出部110は、例えば、接続の状態が、信号の振幅が所定閾値よりも大きい状態から、信号の振幅が所定閾値よりも小さい状態に変化した場合、接続の状態のLPからHSへの遷移を検出してよい。接続の状態がLPである場合に信号が送信される信号線と、接続の状態がHSである場合に信号が送信される信号線とが異なる場合、検出部110は、どちらの信号線が使用されているかを判定してよい。そして、接続の状態がHSである場合に信号が送信される信号線が使用されていると判定された場合、検出部110は、接続の状態のLPからHSへの遷移を検出してよい。
【0025】
サイズ決定部130は、遷移の検出を、検出部110によって通知される。遷移の検出が通知された場合、サイズ決定部130は、後述される表示データの、次の送信のタイミングを表す情報を、タイミング決定部150から受け取る。遷移の検出が通知された場合、サイズ決定部130は、例えば、次に送信される表示データの、送信のタイミングを表す情報を送信する要求を、タイミング決定部150に送信してもよい。タイミング決定部150は、サイズ決定部130から、次に送信される表示データの、送信のタイミングを表す情報を送信する要求を受信した場合、その要求を受信した時刻の後に、最初に送信される表示データの、送信のタイミングを特定してよい。タイミング決定部150は、特定したタイミングを表す時刻の情報を、サイズ決定部130に送信してよい。
【0026】
サイズ決定部130は、遷移の検出が通知されたタイミングと、表示データの次の送信のタイミングと、に基づいて、調整データのサイズを決定する。具体的には、サイズ決定部130は、サイズが決定され送信が開始された調整データに続けて、次に送信される表示データを予め定められたタイミングで送信できるように、調整データのサイズを決定する。言い換えると、サイズ決定部130は、調整データの送信が完了すると、その調整データに続けて、次の表示データを予め決められたタイミングで送信できるように、その調整データのサイズを決定する。サイズ決定部130は、例えば、表示データの次の送信のタイミングに該当するクロックの所定クロック前のクロックに該当するタイミングで調整データの送信が終了するように、その調整データのサイズを決定してよい。
【0027】
サイズ決定部130は、予め測定された、検出部110が遷移を検出してから遷移の検出の通知を受け取るまでの時間と、サイズを決定するのに要する時間と、決定したサイズを調整データ生成部140に送信するのに要する時間と、を予め保持していてよい。サイズ決定部130は、さらに、予め測定された、調整データ生成部140が調整データのサイズを受け取ってから調整データを送信部120に送信するまでの時間などを、予め保持していてよい。サイズ決定部130は、予め保持している上述の時間にさらに基づいて、調整データのサイズを決定してよい。
【0028】
サイズ決定部130は、決定されたサイズ(具体的には、サイズを表すデータ)を、調整データ生成部140に送信する。
【0029】
調整データは、接続の状態がHSである場合に送信できるデータである。調整データが送信装置100から制御装置200へ送信されている間、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態は、HSに保たれる。調整データは、例えば、ブランキングパケットであってよい。以下、調整データを、調整パケットとも表記する。
【0030】
調整データ生成部140は、サイズ決定部130から、調整データの、決定されたサイズを受け取る。調整データ生成部140は、決定されたサイズの調整データを生成し、生成した調整データを送信部120に送信する。送信部120は、調整データ生成部140から調整データを受け取り、受け取った調整データを制御装置200に送信する。
【0031】
表示データ生成部170は、受信部160から、ビデオデータを受け取る。表示データ生成部170は、受け取ったビデオデータから、制御装置200に送信されるデータを生成する。制御装置200に送信されるデータは、例えば、シンク情報を表すパケットと、ビデオデータを表すパケットとを含んでいてよい。制御装置200に送信されるデータを、表示データと表記する。表示データ生成部170は、生成した表示データを、タイミング決定部150によって決定されたタイミングで、送信部120に送出する。タイミング決定部150については、後で詳細に説明する。
【0032】
次に、上にも記載したタイミング決定部150についての説明を、以下にまとめて記載する。タイミング決定部150は、タイマー部190から時刻(具体的には、時刻を表す信号)を受け取る。タイミング決定部150は、受け取った時刻に基づいて、表示データを送信するタイミングを決定する。タイミング決定部150は、例えば、表示データのうちシンク情報が送信されるタイミングが等間隔になるように、表示データを送信するタイミングを決定してよい。タイミング決定部150は、ビデオデータを送信するタイミングを、例えば、そのビデオデータが含まれるラインのシンク情報が送信され始めてから所定時間が経過した時刻に設定してよい。タイミング決定部150は、表示データを送信するタイミングを表す情報を、表示データ生成部170に送出する。
【0033】
タイミング決定部150は、さらに、表示データを送信するタイミングに基づいて、遷移要求を送信するタイミングを決定する。タイミング決定部150は、遷移要求を送信することによって接続の状態がLPからHSに遷移しその遷移が完了してから、次の表示データを送信するタイミングまでの時間が十分であるように、遷移要求を送信するタイミングを決定してよい。具体的には、タイミング決定部150は、遷移要求を送信することによって接続の状態がLPからHSに遷移しその遷移が完了してから、次の表示データを送信する時刻までの時間が、所定時間であるように、遷移要求を送信する時刻を決定してよい。さらに具体的には、タイミング決定部150は、例えば、遷移要求を送信してから送信装置100と制御装置200との間の接続がLPからHSに遷移するまでの時間のばらつきにさらに基づいて、遷移要求を送信するタイミングを決定してよい。遷移時間のばらつきは、予め測定され、タイミング決定部150に与えられていてよい。遷移要求を送信してから送信装置100と制御装置200との間の接続がLPからHSに遷移するまでの時間を、以下、遷移時間と表記する。タイミング決定部150は、例えば、遷移時間の平均と、遷移時間の標準偏差の定数倍との和に該当する時間だけ、次の表示データを送信するタイミングよりも前の時刻を、遷移要求を送信するタイミングに決定してもよい。タイミング決定部150は、遷移要求を送信するタイミングを表す情報を、遷移要求部180に送出する。
【0034】
タイミング決定部150は、サイズ決定部130から、次に送信される表示データの、送信のタイミングを表す情報を送信する要求を受信する。次に送信される表示データの、送信のタイミングを表す情報を送信する要求を受信した場合、タイミング決定部150は、その要求を受信した時刻の後に、最初に送信される表示データの、送信のタイミングを特定してよい。タイミング決定部150は、特定したタイミングを表す時刻の情報を、サイズ決定部130に送信してよい。
【0035】
タイマー部190は、時刻(具体的には、時刻を表す信号)を提供する。
【0036】
上述のように、送信部120は、遷移要求を遷移要求部180から受け取り、受け取った遷移要求(具体的には、遷移要求を表す信号)を、制御装置200に送信する。送信部120は、調整データ生成部140から調整データを受け取り、受け取った調整データを制御装置200に送信する。上述のように、調整データのサイズは、その調整データの送信が完了すると、次の表示データを予め決められたタイミングで送信できるように決定されている。送信部120は、表示データ生成部170から、表示データを受け取る。送信部120は、受け取った表示データを、制御装置200に送信する。
【0037】
図3は、調整データ(例えばブランキングパケット)が送信されない場合の、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態と、送信されるデータの種類とを、模式的に表す図である。
図3は、ビデオデータを含む複数のラインのデータが送信される場合の例を表す。
図3に示す例では、例えば制御装置200が遷移要求を受け取り、接続の状態がLPからHSへ遷移すると、HSの状態でシンク情報が送信される。シンク情報の送信が終了し、ブランキング期間が始まると、接続の状態は、HSからLPへ遷移する。例えば制御装置200が遷移要求を受け取るまで、接続の状態は、LPに保たれる。制御装置200が遷移要求を受け取ると、接続の状態は、LPからHSに遷移する。接続の状態がLPからHSに遷移すると、HSの状態でビデオデータが送信される。ビデオデータの送信が終了し、ブランキング期間が始まると、接続の状態は、HSからLPへ遷移する。例えば制御装置200が遷移要求を受け取るまで、接続の状態は、LPに保たれる。ラインのデータがビデオデータを含まない場合、そのラインのシンク情報が送信された後、ブランキング期間が始まり、接続の状態はLPに遷移する。そして、そのブランキング期間が終了し、接続の状態がLPからHSに遷移した後、ビデオデータではなく、次のラインのシンク情報が送信される。
【0038】
図4は、本実施形態の送信装置100と制御装置200との間の接続の状態と、送信されるデータの種類とを、模式的に表す図である。本実施形態では、接続の状態がHSであり、ブランキングパケットの送信が完了すると、シンク情報が送信されるタイミングになり、シンク情報が送信される。シンク情報の送信が完了したあと、ブランキング期間が始まり、接続の状態は、HSからLPに遷移する。そして、タイミング決定部150によって決定されたタイミングで、遷移要求が送信される。遷移要求に応じて接続の状態がLPからHSに遷移すると、ブランキングパケットが送信される。ブランキングパケットの長さは、ブランキングパケットの送信が完了すると、次の送信データ(例えば、ビデオデータ)が送信されるタイミングになるよう設定されていてよい。ブランキングパケットの送信が完了すると、次の送信データ(例えば、ビデオデータ)が送信されるタイミングになり、その送信データが送信される。送信データの送信が完了すると、ブランキング期間が始まり、接続の状態は、HSからLPに遷移する。接続の状態は、次の遷移要求が送信されるまで、LPに保たれる。
【0039】
制御装置200は、遷移要求を受信してよい。制御装置200は、遷移要求を受信すると、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態をLPからHSに遷移させてよい。制御装置200は、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態がHSである場合、調整信号を受信できる。制御装置200は、調整データを受信してよい。調整データは、例えばブランキングパケットである。制御装置200は、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態がHSである場合、さらに、表示データを受信できる。制御装置200は、表示データを受信してよい。表示データを受信すると、制御装置200は、受信した表示データが表す映像を、表示装置400に表示する。
【0040】
<動作>
次に、本実施形態に係る送信装置100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図5は、本実施形態に係る送信装置100の動作の全体を表すフローチャートである。
図5に示す動作の開始時において、送信装置100は、送信データを制御装置200へ送信していない。従って、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態は、LPである。
【0042】
図5に示す動作では、まず、受信部160が、ビデオデータ生成装置300から、映像(具体的には、映像のデータ)を受け取る(ステップS101)。表示データ生成部170は、受け取った映像データから、表示データを生成する(ステップS102)。表示データは、例えば、シンク情報のパケット、及び、ビデオデータのパケットである。表示データ生成部170は、タイミング決定部150から表示データを送信するタイミングを取得する(ステップS103)。次に、送信装置100は、調整処理を行う(ステップS104)。調整処理については、後で詳細に説明する。調整処理において、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態は、LPからHSへ遷移する。そして、調整パケット(すなわち、ブランキングパケット)が送信される。さらに、次の送信データを送信するタイミングまでに、送信された調整パケットの送信が終了する。
【0043】
次に、表示データ生成部170は、取得した、次の送信データを送信するタイミングにおいて、送信部120を介して、次の送信データを制御装置200に送信する(ステップS105)。具体的には、表示データ生成部170が、次の送信データを送信するタイミングにおいて、次の送信データを送信部120に送出する。送信部120は、次の送信データを表示データ生成部170から受け取り、受け取った次の送信データを、制御装置200に送信する。
【0044】
未送信の送信データが存在する場合(ステップS106においてYES)、送信装置100の動作は、ステップS103に戻る。未送信の送信データが存在しないが(ステップS106においてNO)、映像の送信は終了していない場合(ステップS107においてNO)、送信装置100の動作は、ステップS101に戻る。映像の送信が終了した場合(ステップS107においてYES)、
図5に示す動作は終了する。
【0045】
次に、本実施形態に係る送信装置100の、調整処理の動作について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
図6は、本実施形態に係る送信装置100の、調整処理の動作の例を表すフローチャートである。
図6に示す動作では、タイミング決定部150が、遷移要求を送信するタイミングを決定する(ステップS111)。遷移要求部180は、決定されたタイミングを表す情報を受け取り、受け取った情報が示すタイミングで、送信部120を介して、遷移要求を制御装置200に送信する(ステップS112)。
【0047】
検出部110は、送信装置100と制御装置200との間の接続の状態の、LP(すなわち低消費電力状態)から、HS(すなわち高速状態)への遷移を検出する(ステップS113)。遷移が検出されない場合(ステップS114においてNO)、検出部110は、ステップS113における検出を継続する。
【0048】
遷移が検出された場合(ステップS114においてYES)、サイズ決定部130は、上述のように、調整パケット(すなわち、ブランキングパケット)のサイズを決定する(ステップS115)。調整データ生成部140は、決定されたサイズの調整パケットを生成する(ステップS116)。調整データ生成部140は、送信部120を介して、生成された調整パケットを、制御装置200に送信する。言い換えると、調整データ生成部140は、生成された調整パケットを送信部120に送出する。送信部120は、調整データ生成部140から調整パケットを受け取り、受け取った調整パケットを制御装置200に送信する(ステップS117)。
【0049】
<効果>
本実施形態には、データが送信されない低消費電力状態とデータを高速に送信可能な高速状態との間で遷移する通信経路において、消費電力の増加を抑制しながら、所望のタイミングで送信データを送信できるという効果がある。
【0050】
その理由は、検出部110が、遷移要求に応じた、制御装置200との接続のLPからHSへの遷移を検出するからである。そして、遷移が検出されてから、HSの状態において制御装置200が受信する受信データを送信する送信タイミングまでの間、送信部120が、接続がHSの状態に保たれるように、調整データを、その接続を介して送信するからである。
【0051】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0052】
<構成>
図7は、本実施形態に係る送信装置101の構成の例を表すブロック図である。
【0053】
本実施形態に係る送信装置101は、検出部110と、送信部120と、を備える。検出部110は、遷移要求に応じた、制御装置との接続の低消費電力状態から高速状態への遷移を検出する。送信部120は、前記遷移が検出されてから前記高速状態において前記制御装置が受信する送信データを送信する送信タイミングまでの間、前記接続が前記高速状態に保たれるように、所定データを前記接続を介して前記制御装置に送信する。
【0054】
<動作>
図8は、本実施形態に係る送信装置101の動作の例を表すフローチャートである。
【0055】
図8に示す例では、検出部110が、遷移要求に応じた、制御装置との接続の低消費電力状態から高速状態への遷移を検出する(ステップS201)。遷移が検出されない場合(ステップS202においてNO)、検出部110は、遷移の検出を継続する。低消費電力状態は、第1の実施形態の説明におけるLPを指す。高速状態は、第1の実施形態の説明におけるHSを指す。所定データは、第1の実施形態における調整データを指す。
【0056】
遷移が検出された場合(ステップS202においてYES)、送信部120は、送信タイミングまでの間、前記接続を介して前記制御装置に所定データを送信する。
【0057】
<効果>
本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同様である。
【0058】
<他の実施形態>
本開示の上述の実施形態に係る送信装置100、送信装置101、制御装置200、及び、ビデオデータ生成装置300は、専用のハードウェア(例えば回路)によって実現されていてよい。送信装置100、送信装置101、制御装置200、及び、ビデオデータ生成装置300は、同一の回路として実現されていてもよい。送信装置100、制御装置200、及び、ビデオデータ生成装置300は、送信装置100、制御装置200、及び、ビデオデータ生成装置300の少なくともいずれかの少なくとも一部をそれぞれ含む、互いに接続された複数の回路によって実現されていてもよい。制御装置200と表示装置400とが、同一の装置として実現されていてもよい。送信装置100、制御装置200、及び、表示装置400が、同一の装置として実現されていてもよい。送信装置100、制御装置200、ビデオデータ生成装置300、及び、表示装置400とが、同一の装置として実現されていてもよい。
【0059】
送信装置100は、例えば、送信装置100が含む複数の部の少なくとも1つをそれぞれ含む、1つの回路又は互いに接続された複数の回路として実現されていてよい。送信装置100が含む複数の部は、検出部110、送信部120、サイズ決定部130、調整データ生成部140、タイミング決定部150、受信部160、表示データ生成部170、遷移要求部180、及び、タイマー部190である。
【0060】
送信装置101も、同様に、送信装置101が含む複数の部の少なくとも1つをそれぞれ含む、1つの回路又は互いに通信可能に接続された複数の回路として実現されていてよい。送信装置101が含む複数の部は、検出部110、及び、送信部120である。
【0061】
本開示の上述の実施形態に係る送信装置100及び送信装置101の各々は、記憶媒体に格納されているプログラムがロードされたメモリと、そのプログラムを実行するプロセッサと含む、1つのコンピュータによって実現されていてもよい。送信装置100及び送信装置101の各々は、記憶媒体に格納されているプログラムがロードされたメモリと、そのプログラムを実行するプロセッサと含む、互いに通信可能に接続された複数のコンピュータによって実現されていてもよい。送信装置100及び送信装置101の各々は、互いに通信可能に接続された、1つのコンピュータ又は複数のコンピュータと、1つの回路又は複数の回路と、の組合せとして実現されていてもよい。
【0062】
例えば、送信装置100が含む複数の部の一部又は全部は、上述のメモリ及びプロセッサによって実現されていてよい。送信装置100が含む複数の部の一部又は全部は、上述の回路等の専用のハードウェアによって実現されていてもよい。送信装置100が含む複数の部は、上述のメモリ及びプロセッサと、上述の回路等の専用のハードウェアと、の組合せによって実現されていてもよい。
【0063】
送信装置101が含む複数の部の一部又は全部は、上述のメモリ及びプロセッサによって実現されていてよい。送信装置101が含む複数の部の一部又は全部は、上述の回路等の専用のハードウェアによって実現されていてもよい。送信装置101が含む複数の部は、上述のメモリ及びプロセッサと、上述の回路等の専用のハードウェアと、の組合せによって実現されていてもよい。
【0064】
図9は、本開示の実施形態に係る送信装置100及び送信装置101の各々を実現できるコンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。
図9に示す例では、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)やレジスタなどの記憶装置である。記憶媒体1005は、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどである。記憶装置1003が記憶媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、制御装置200及びビデオデータ生成装置300等と通信できる。プロセッサ1001は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。記憶媒体1005には、コンピュータ1000を、送信装置100として動作させるプログラム又は送信装置101として動作させるプログラムが格納されている。
【0065】
プロセッサ1001は、記憶媒体1005に格納されているプログラムをメモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行する。記憶媒体1005に、コンピュータ1000を送信装置100として動作させるプログラム格納されている場合、コンピュータ1000は、送信装置100として動作する。記憶媒体1005に、コンピュータ1000を送信装置101として動作させるプログラム格納されている場合、コンピュータ1000は、送信装置101として動作する。
【0066】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0067】
(付記1)
遷移要求に応じた、制御装置との接続の低消費電力状態から高速状態への遷移を検出する検出手段と、
前記遷移が検出されてから前記高速状態において前記制御装置が受信する送信データを送信する送信タイミングまでの間、前記接続が前記高速状態に保たれるように、所定データを前記接続を介して前記制御装置に送信する送信手段と、
を備える送信装置。
【0068】
(付記2)
前記遷移が検出されたタイミングと、前記送信タイミングと、前記高速状態における前記接続の通信速度とに基づいて、前記所定データのサイズを決定するサイズ決定手段と、
決定された長さの前記所定データを生成する調整データ生成手段と、
を備える付記1に記載の送信装置。
【0069】
(付記3)
前記送信データの種類に応じて、当該送信データを送信する前記送信タイミングを決定するタイミング決定手段
をさらに備える付記1又は2に記載の送信装置。
【0070】
(付記4)
前記送信データの種類は、同期データを含み、
前記タイミング決定手段は、前記同期データである前記送信データが送信される前記送信タイミングが等間隔になるように、前記送信タイミングを決定する
付記3に記載の送信装置。
【0071】
(付記5)
前記遷移は、前記遷移要求を前記接続を介して送信することに応じて行われ、
前記タイミング決定手段は、前記遷移要求を送信してから前記遷移が検出されるまでの期間のばらつきに基づいて、前記遷移要求を送信する遷移要求タイミングを決定する
付記3又は4に記載の送信装置。
【0072】
(付記6)
映像を受け取る受信手段と、
受け取った前記映像に基づいて当該映像を表す前記送信データを生成する表示データ生成手段と、
をさらに備え、
前記送信手段は、さらに、前記送信タイミングにおいて前記送信データを送信し、
前記制御装置は、前記送信データを受け取り、受け取った前記送信データに基づいて、表示装置に前記映像を表示する
付記1乃至5のいずれか1つに記載の送信装置。
【0073】
(付記7)
遷移要求に応じた、制御装置との接続の低消費電力状態から高速状態への遷移を検出し、
前記遷移が検出されてから前記高速状態において前記制御装置が受信する送信データを送信する送信タイミングまでの間、前記接続が前記高速状態に保たれるように、所定データを前記接続を介して前記制御装置に送信する、
送信方法。
【0074】
(付記8)
前記遷移が検出されたタイミングと、前記送信タイミングと、前記高速状態における前記接続の通信速度とに基づいて、前記所定データのサイズを決定し、
決定された長さの前記所定データを生成する、
付記7に記載の送信方法。
【0075】
(付記9)
前記送信データの種類に応じて、当該送信データを送信する前記送信タイミングを決定する
付記7又は8に記載の送信方法。
【0076】
(付記10)
前記送信データの種類は、同期データを含み、
前記同期データである前記送信データが送信される前記送信タイミングが等間隔になるように、前記送信タイミングを決定する
付記9に記載の送信方法。
【0077】
(付記11)
前記遷移は、前記遷移要求を前記接続を介して送信することに応じて行われ、
前記遷移要求を送信してから前記遷移が検出されるまでの期間のばらつきに基づいて、前記遷移要求を送信する遷移要求タイミングを決定する
付記9又は10に記載の送信方法。
【0078】
(付記12)
映像を受け取り、
受け取った前記映像に基づいて当該映像を表す前記送信データを生成し、
前記送信タイミングにおいて前記送信データを送信し、
前記制御装置は、前記送信データを受け取り、受け取った前記送信データに基づいて、表示装置に前記映像を表示する
付記7乃至5のいずれか1つに記載の送信方法。
【0079】
(付記13)
遷移要求に応じた、制御装置との接続の低消費電力状態から高速状態への遷移を検出する検出処理と、
前記遷移が検出されてから前記高速状態において前記制御装置が受信する送信データを送信する送信タイミングまでの間、前記接続が前記高速状態に保たれるように、所定データを前記接続を介して前記制御装置に送信する送信処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0080】
(付記14)
前記遷移が検出されたタイミングと、前記送信タイミングと、前記高速状態における前記接続の通信速度とに基づいて、前記所定データのサイズを決定するサイズ決定処理と、
決定された長さの前記所定データを生成する調整データ生成処理と、
をさらにコンピュータに実行させる付記13に記載のプログラム。
【0081】
(付記15)
前記送信データの種類に応じて、当該送信データを送信する前記送信タイミングを決定するタイミング決定処理
をさらにコンピュータに実行させる付記13又は14に記載のプログラム。
【0082】
(付記16)
前記送信データの種類は、同期データを含み、
前記タイミング決定処理は、前記同期データである前記送信データが送信される前記送信タイミングが等間隔になるように、前記送信タイミングを決定する
付記15に記載のプログラム。
【0083】
(付記17)
前記遷移は、前記遷移要求を前記接続を介して送信することに応じて行われ、
前記タイミング決定処理は、前記遷移要求を送信してから前記遷移が検出されるまでの期間のばらつきに基づいて、前記遷移要求を送信する遷移要求タイミングを決定する
付記15又は16に記載のプログラム。
【0084】
(付記18)
映像を受け取る受信処理と、
受け取った前記映像に基づいて当該映像を表す前記送信データを生成する表示データ生成処理と、
をさらにコンピュータに実行させ、
前記送信処理は、さらに、前記送信タイミングにおいて前記送信データを送信し、
前記制御装置は、前記送信データを受け取り、受け取った前記送信データに基づいて、表示装置に前記映像を表示する
付記13乃至17のいずれか1つに記載のプログラム。
【0085】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【課題】 データが送信されない低消費電力状態とデータを高速に送信可能な高速状態との間で遷移する通信経路において、消費電力の増加を抑制しながら、所望のタイミングで送信データを送信できる送信装置等を提供する。
【解決手段】 本開示の一態様に係る送信装置101は、遷移要求に応じた、制御装置との接続の低消費電力状態から高速状態への遷移を検出する検出部110と、前記遷移が検出されてから前記高速状態において前記制御装置が受信する送信データを送信する送信タイミングまでの間、前記接続が前記高速状態に保たれるように、所定データを前記接続を介して前記制御装置に送信する送信部120と、を備える。