【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年10月9〜11日幕張メッセにおいて開催された第9回国際道工具・作業用品EXPO(ツールジャパン)で展示
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0013】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0014】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたベルトパーティションは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素を備える。
【0015】
(第1実施形態)
本実施形態に係るベルトパーティション1は、
図1に示されるように、巻き取り可能なベルト2を用いて空間を仕切るものである。
【0016】
<1.ベルトパーティションの構成>
<1.1 主要構成>
ベルトパーティション1は、
図2に示されるように、ベルト2、巻取ドラム3、第1蓋部4及び第2蓋部5等を少なくとも備える。ベルト2は、可撓性を有する帯状の部材である。巻取ドラム3は、ベルト2を巻き取るための部材である。
【0017】
第1蓋部4は、巻取ドラム3の軸線方向一端側を回転可能に支持するとともに、当該巻取ドラム3を軸線方向一端側から覆う樹脂製の部材である。第2蓋部5は、巻取ドラム3の軸線方向他端側を回転可能に支持するとともに、当該巻取ドラム3を軸線方向他端側から覆う部材である。
<巻取ドラム等の詳細>
巻取ドラム3は、
図3Aに示されるように、巻取部3A、第1フランジ3B及び第2フランジ3C等を少なくとも有する。巻取部3Aはベルト2が巻き付けられる巻芯である。第1フランジ3Bは、巻取部3Aの軸線方向一端側に設けられた円盤状の部位である。
【0018】
第2フランジ3Cは、巻取部3Aの軸線方向他端側に設けられた円盤状の部位である。本実施形態に係る巻取部3A、第1フランジ3B及び第2フランジ3Cは、樹脂にて一体成形された一体部品である。
【0019】
なお、巻取部3Aのうち回転中心軸線から径方向にずれた部位には、当該軸線と平行に延びるスリット状の長穴3D(
図3A参照)が設けられている。長穴3Dは、ベルト2が挿入される挿通穴である。
【0020】
ベルト2の長手方向一端部には、
図4に示されるように、当該端部が折り曲げられて袋状となった袋部2Cが設けられている。袋部2Cには、係止ピン2Aが挿入されている。ベルト2は、当該長穴3Dに挿入された状態で係止ピン2Aにより巻取部3Aに係止される。
【0021】
ベルト2の長手方向他端部も長手方向一端部と同じ構造となっている。つまり、当該端部が折り曲げられて袋状となった袋部2Dが設けられている。袋部2Dには、係止ピン2Bが挿入されている。
【0022】
ベルト2の長手方向他端部は、係止ピン2Bにより係合部2E(
図1参照)に係止されている。係合部2Eは、ベルト2の長手方向他端部を他の部材又は他の部位に引っ掛けるように係合するための部材である。
【0023】
第1フランジ3Bのうち巻取部3Aと反対側には、
図3Aに示されるように、第1蓋部4側に突出した第1軸部3Eが設けられている。第1軸部3Eには、スプラインやセレーション等の係止構造部3Gが設けられている。
【0024】
第2フランジ3Cのうち巻取部3Aと反対側には、
図3Bに示されるように、第2蓋部5側に突出した第2軸部3Fが設けられている。第2軸部3Fには係止スリット3Hが設けられている。係止スリット3Hには、第3バネ8C(
図8参照)が係止される。
【0025】
<第1蓋部等の詳細>
第1蓋部4は、
図5に示されるように、円盤状の蓋部4A、リング部4B、複数(本実施形態では、4つ)の柱状部4C〜4F等を少なくとも有している。リング部4Bは、蓋部4Aの外周縁から巻取ドラム3側に延出した筒状(環状)の部位である。
【0026】
4つの柱状部4C〜4Fは、リング部4Bの一部が第2蓋部5側に向けて延出した柱状の部位である。つまり、4つの柱状部4C〜4Fは、第1蓋部4の外周縁部から軸線方向の他端側に延びているとともに、第1蓋部4の外周方向に沿って等間隔で並んで配置されている。
【0027】
蓋部4A、リング部4B、及び4つの柱状部4C〜4Fは、樹脂にて一体成形された一体部品である。2つの柱状部4C〜4Fのうちいずれかの柱状部(本実施形態では、柱状部4C)には引き出し口4Gが設けられている。
【0028】
引き出し口4Gは、
図1に示されるように、ベルト2が挿通されたスリット状の貫通穴であって、長径方向が柱状部4C(以下、第1柱状部4Cという。)の延び方向に沿って延びる長穴状の貫通穴である。
【0029】
4つの柱状部4C〜4Fのうち第1柱状部4C以外の柱状部4D〜4F(以下、第2柱状部4D〜4Fという。)それぞれには、係合部4Hが設けられている。各係合部4Hは、他の部材と係合可能な部位であって、各第2柱状部4D〜4Fの一体部分として第1蓋部4と共に樹脂にて一体成形された部位である。
【0030】
各係合部4H及び各第2柱状部4D〜4Fは略合同である。具体的には、
図6に示されるように、各係合部4Hは、第2柱状部4D〜4Fの延び方向と直交する断面形状が略T字状に構成されたレール状の部位である。
【0031】
各第2柱状部4D〜4Fは、軸線方向に延びる略帯板状に構成された部位である。このため、本実施形態では、第2柱状部4D〜4F及び係合部4Hにより、I型鋼又はH形鋼状の部位が構成されている。
【0032】
<第2蓋部の詳細>
第2蓋部5は、
図7に示されるように、円盤状の蓋部5A、及び柱状部4C〜4Fと同数の固定部5B等を有して構成されている。蓋部5Aは、
図8に示されるように、軸部3Fを回転可能に支持するとともに、第2フランジ3Cを軸線方向他端側から覆う部位である。
【0033】
このため、蓋部5Aには、軸部3Fが貫通する貫通穴5C(
図7参照)が設けられている。貫通穴5Cの外周側には、ゴム製のOリング5Dが配置されている。Oリング5Dは、貫通穴5Cに水等の液体が進入することを抑制する封止材である。
【0034】
4つの固定部5Bは、
図8に示されるように、各柱状部4C〜4Fの延び方向先端側に固定された部位である。本実施形態では、Pネジ等の締結具S1にて各柱状部4C〜4Fと各固定部5Bとが締結固定されている。
【0035】
<1.2 ドラムケース>
本実施形態に係るベルトパーティション1では、上記主要な構成部品に加えて、
図2に示されるように、筒状のドラムケース6を備える。ドラムケース6は、巻取ドラム3及び当該巻取ドラム3に巻かれたベルト2を覆うケースである。
【0036】
ドラムケース6は、柱状部4C〜4Fと同数の側壁板6A〜6D及び第1蓋部4等を少なくとも有して構成されている。4つの側壁板6A〜6Dは、金属板(本実施形態では、ステンレス板)製である。なお、本実施形態に係る各側壁板6A〜6Dは、雨樋状に湾曲している。
【0037】
各側壁板6A〜6Dは、
図1に示されるように、前記外周方向において隣り合う2本の柱状部(例えば、柱状部4C、4D)によって位置決めされた状態で、当該2本の柱状部(例えば、柱状部4C、4D)間に構成される開口を閉塞する。
【0038】
具体的には、側壁版6Aは、柱状部4C、4Fによって位置決めされた状態で柱状部4C、4F間に構成される開口を閉塞する。側壁版6Bは、柱状部4E、4Fによって位置決めされた状態で柱状部4E、4F間に構成される開口を閉塞する。
【0039】
側壁版6Cは、柱状部4E、4Dによって位置決めされた状態で柱状部4E、4D間に構成される開口を閉塞する。側壁版6Dは、柱状部4C、4Dによって位置決めされた状態で柱状部4C、4D間に構成される開口を閉塞する。
【0040】
そして、各柱状部4C〜4F及びリング部4B、つまり第1蓋部4には、
図6に示されるように、側壁版6A〜6Dが嵌り込む溝部6Eが設けられている。これにより、
図9に示されるように、各側壁版6A〜6Dの三方向が位置決めされる。
【0041】
各側壁版6A〜6Dの第2蓋部5側は、カバー7により位置決めされる。カバー7は、ドラムケース6の一部を構成する部品であって、円筒状の部材である。当該カバー7は、ネジ等の締結具(図示せず。)にて第2蓋部5に固定される。
【0042】
<1.3 巻取機構等>
ベルトパーティション1は、巻取機構8(
図2参照)を備える。巻取機構8は、ベルト2を巻き取る向きに巻取ドラム3を回転させるための機構である。なお、巻取機構8の周囲は、
図9に示されるように、カバー7により覆われている。
【0043】
<巻取機構の構成>
巻取機構8は、
図8に示されるように、第1バネ8A、第2バネ8B、第3バネ8C、第1バネケース8D、第2バネケース8E及び第3バネケース8F等を少なくとも有している。第1バネ8A〜第3バネ8Cは、板バネが渦巻き状に巻かれたゼンマイバネである。
【0044】
第1バネ8A〜第3バネ8Cは、それぞれの中心が、巻取ドラム3の回転軸線と平行な仮想線上に直列に並ぶように配置されている。つまり、
図8では、第1バネ8A〜第3バネ8Cが紙面上下方向に積み重なるように配置されている。
【0045】
第1バネケース8Dは、第1バネ8Aが収納されているとともに、第2蓋部5に固定された不動なケースである。第1バネ8Aの外周端は第1バネケース8Dに引っ掛けられて係止されている。第1バネ8Aの中心端は、第2バネケース8Eに設けられた回転軸8Gに係止されている。
【0046】
第2バネケース8Eは、第2バネ8Bが収納されているとともに、回転軸8Gを回転中軸として回転可能である。第2バネ8Bの外周端は第2バネケース8Eに係止されている。第2バネ8Bの中心端は、第3バネケース8Fに設けられた回転軸8Hに係止されている。
【0047】
第3バネケース8Fは、第3バネ8Cが収納されているとともに、巻取ドラム3の第2軸部3Fを回転中軸として回転可能である。第3バネ8Cの外周端は第2バネケース8Eに係止されている。第3バネ8Cの中心端は、第2軸部3F(係止スリット3H)に係止されている。なお、第2軸部3F、回転軸8G、8Hの中心軸線は、上記の仮想線と一致する。
【0048】
<巻取機構の作動>
ベルト2が引き出されると、これに連動して巻取ドラム3が回転するため、第2軸部3Fが回転する。当該第2軸部3Fの回転は、第3バネ8Cを介して第3バネケース8Fに伝達されるため、回転軸8Hが回転する。
【0049】
当該回転軸8Hの回転は、第2バネ8Bを介して第2バネケース8Eに伝達されるため、回転軸8Gが回転する。当該回転軸8Gが回転すると、第1バネ8Aが弾性変形しながら回転軸8Gに緻密に巻かれていくため、第1バネ8Aの弾性力が増大していく。
【0050】
第1バネ8A全体が回転軸8Gに緻密に巻かれると、回転軸8Gの回転が停止するため、第2バネ8Bが弾性変形しながら回転軸8Hに緻密に巻かれていくため、第2バネ8Bの弾性力が増大していく。
【0051】
第2バネ8B全体が回転軸8Hに緻密に巻かれると、回転軸8Hの回転が停止するため、第3バネ8Cが弾性変形しながら第2軸部3Fに緻密に巻かれていくため、第3バネ8Cの弾性力が増大していく。
【0052】
そして、ベルト2を引き出す力が消失すると、第1バネ8A〜第3バネ8Cが復元するため、第2バネケース8E、第3バネケース8F及び第2軸部3Fがベルト2を巻き取る向きに回転する。
【0053】
なお、巻取機構8は、ベルト2が全て巻取ドラム3に巻かれた状態においても、ベルト2を巻き取る向きに回転力が発生するように構成されている。つまり、ベルト2の引き出し長さによらず、巻取機構8は、常に、ベルト2を巻き取る向きに回転力を巻取ドラム3に作用させている。
【0054】
<1.4 ロック機構>
ベルトパーティション1は、
図10に示されるように、第1ロック機構9及び第2ロック機構10を備える。第1ロック機構9は、ベルト2を引き出し不可するための機構である。
【0055】
第2ロック機構10は、ベルト2が巻き取られる際に、ベルト2の巻き取り速さ(巻取ドラム3の回転速さ)が予め決められた速さを超えたときに、巻取ドラム3の回転を停止させるための機構である。
【0056】
<第1ロック機構>
本実施形態に係る第1ロック機構9は、ベルト2が引き出される向きに巻取ドラム3が回転することを規制し、ベルト2が巻き取られる向きに巻取ドラム3が回転することを許容する。
【0057】
具体的には、第1ロック機構9は、第1ラチェット歯車9A及び第1歯止め9B等を有するラチェット機構により構成されている。つまり、第1ラチェット歯車9Aは、
図3Aに示されるように、第1フランジ3Bに設けられて巻取ドラム3と一体的に回転する。
【0058】
第1歯止め9Bは、
図10に示されように、第1蓋部4のリング部4Bに変位可能に装着されている。第1歯止め9Bは、第1バネ9Cから弾性力を受けて第1ラチェット歯車9Aに向けて押し付けられている。
【0059】
第1歯止め9Bは、第1ラチェット歯車9Aと接触する第1位置(
図10に示された位置)と第1ラチェット歯車9Aから離間した第2位置(
図10に示された位置から紙面右側にずれた位置)との間で変位可能である。
【0060】
操作部9Dは、利用者により操作されることにより、第1歯止め9Bを第1位置又は第2位置に変更する。なお、本実施形態では、操作部9Dが紙面上向きにスライド変位すると、第1歯止め9Bが第2位置に変位する。
【0061】
<第2ロック機構>
本実施形態に係る第2ロック機構10は、ベルト2が巻き取られる向きに巻取ドラム3が回転した際の角速度が所定速度を超えたときに、巻取ドラム3の回転を停止させる。
【0062】
なお、本実施形態に係る第2ロック機構10は、第2ロック機構10が作動して巻取ドラム3の回転が停止した状態であっても、ベルト2が引き出される向きに巻取ドラム3が回転することを許容する。
【0063】
当該第2ロック機構10は、第2ラチェット歯車10A及び第2歯止め10B等を有するラチェット機構により構成されている。第2ラチェット歯車10Aは、
図6に示されるように、蓋部4Aの巻取ドラム3側に設けられている。このため、第2ラチェット歯車10Aは回転しない不動の部位である。
【0064】
第2歯止め10Bは、
図9に示されように、巻取ドラム3の第1フランジ3Bに変位可能に装着されている。第2歯止め10Bは、
図10に示されるように、第2ラチェット歯車10Aから離間する向きの弾性力を第2バネ10Cから常に受けている。
【0065】
このため、巻取ドラム3の角速度が大きくなり、第2歯止め10Bに発生する遠心力が第2バネ10Cの弾性力を上回ると、第2歯止め10Bが第2ラチェット歯車10Aと噛み合うため、巻取ドラム3の回転が停止する。
【0066】
なお、第2歯止め10Bと第2ラチェット歯車10Aとが噛み合った状態でベルト2が引き出されると、第2歯止め10Bと第2ラチェット歯車10Aとの噛み合いが開放され、第2歯止め10Bが第2ラチェット歯車10Aから離間する。
【0067】
<1.5 巻締操作部>
ベルトパーティション1は、
図9に示されるように、巻締操作部11を備える。巻締操作部11は、巻取ドラム3(巻取部3A)に連結されている。このため、利用者は、巻締操作部11を回転操作することにより、巻取ドラム3を回転させることができる。
【0068】
<1.6 ベルトの係合部>
ベルト2の長手方向他端部に設けられた係合部2Eは、
図11に示されるように、係合部4Hと合同な係合部30Aを有する壁用ホルダ30と係合可能である。
【0069】
すなわち、係合部2Eには、壁用ホルダ30の係合部30Aが挿入可能な略T字状の挿入溝2G(
図13参照)が設けられている。挿入溝2Gの延び方向一端側は開放されている。このため、利用者は、当該一端側から係合部30Aを挿入溝2Gに挿入することができる。
【0070】
挿入溝2G(係合部2E)の延び方向一端側には、開閉操作部2Fが設けられている。開閉操作部2Fは、当該一端側を開放する第1位置(
図11参照)と当該一端側を閉塞する第2位置(
図12参照)との間で変位可能である。
【0071】
つまり、利用者は、係合部2Eを係合部30A(壁用ホルダ30)に係合させる場合には、開閉操作部2Fを第1位置とした状態で、係合部30Aを挿入溝2Gに挿入する。その後、利用者は、開閉操作部2Fを第2位置に回転変位させる。これにより、係合部2Eと係合部30Aとの挿入状態が維持される。
【0072】
換言すれば、開閉操作部2Fは、係合部2Eと係合部30A(壁用ホルダ30)と係合状態を維持する第2位置と、係合部2Eと係合部30Aとの係合を解除可能な第1位置との間で変位可能である。
【0073】
なお、壁用ホルダ30には、永久磁石30B(
図1参照)が埋設されている。利用者は、永久磁石30B又はネジ(図示せず。)を利用して壁用ホルダ30を壁等に固定することができる。
【0074】
<2.アタッチメント>
<2.1 固定用アタッチメント>
本実施形態に係るベルトパーティション1は、
図1又は
図13に示されるように、アタッチメント31、32が装着可能である。このため、ベルトパーティション1には、
図2に示されるように、装着係止部12が少なくとも1つ設けられている。
【0075】
各装着係止部12は、アタッチメント31、32が着脱自在に装着可能な部位である。具体的には、各装着係止部12は、第1バネケース8Dの外周面から突出した突起部であって、当該外周面の円周方向に沿って配置されている。
【0076】
アタッチメント31、32は、ベルトパーティション1以外の他の部材であって、当該ベルトパーティション1の利便性を向上させるための部材である。アタッチメント31は、ベルトパーティション1を壁等に固定するための部材である。
【0077】
アタッチメント31は、
図14に示されるように、装着係止部12と同数の被係止部31A及び少なくとも1つの係止溝31B等を少なくとも有している。各係止部31Aは、各装着係止部12が係止可能な突起部である。
【0078】
係止溝31Bは、第2柱状部4D〜4Fに設けられた係合部4Hが挿入可能な溝である。当該係止溝31Bは、挿入溝2Gと略合同な溝である。そして、第2柱状部4D〜4Fのいずれかが係止溝31Bに挿入された状態では、各装着係止部12は、複数の係止部31Aのうち隣り合う係止部31A間に位置する。
【0079】
なお、アタッチメント31には、永久磁石(図示せず)が埋設されている。利用者は、永久磁石又はネジ(図示せず。)を利用してアタッチメント31を壁等に固定することができる。
【0080】
アタッチメント32は、ベルトパーティション1をロードコーン等に固定するための部材である。具体的には、アタッチメント32は、
図15に示されるように、装着係止部12と同数の被係止部32A、及びロードコーンの先端に被せられるキャップ部32B等を有している。
【0081】
各被係止部32Aは、
図16に示されるように、ベルトパーティション1がアタッチメント32に装着されたときに、各装着係止部12の上面に接触可能な突起部である。このため、装着時においては、各装着係止部12は、各被係止部32Aと底板部32Cとにより挟まれた状態となる。
【0082】
<2.2 その他のアタッチメント>
図17に示されるアタッチメント33は、ベルト2の長手方向他端部に設けられた係合部2Eをロードコーン等に係合可能とするための部材である。具体的には、アタッチメント33は、係合部4Hと合同な係合部33C(
図18参照)を少なくとも1つ有している。
【0083】
当該アタッチメント33は、アタッチメント32を介してロードコーンに装着される。本実施形態では、アタッチメント33とアタッチメント32とは、Pネジ等の締結具(図示せず。)を介して固定されている。
【0084】
アタッチメント33の側面には、ベルト保持部33A、33Bが設けられている。ベルト保持部33A、33Bは、
図18に示されるように、ベルト2の幅方向の位置を保持(規制)するための部位である。
【0085】
なお、アタッチメント33の上面にも被係止部32Aが設けられている。つまり、アタッチメント33の上面には、ベルトパーティション1が着脱自在に装着可能である。因みに、ベルトパーティション1の巻締操作部11の上面にも被係止部32Aが設けられている(
図1参照)。
【0086】
<3.本実施形態に係るベルトパーティションの特徴>
本実施形態に係るベルトパーティション1は、分離した複数の側壁部6A〜6Dが直接連結されて円筒状の周壁部が構成されておらず、かつ、当該周壁部に蓋部が嵌合されていない構成である。
【0087】
そして、第1柱状部4Cには、ベルト2が挿通された引き出し口4Gが設けられ、第2柱状部4D〜4Fには、係合部4Hが第2柱状部4D〜4Fの一体部分として設けられている。これにより、ベルトパーティション1の意匠性が大きく損なわれることが抑制されるとともに、必要な機能が確保可能となる。
【0088】
ベルトパーティション1は、2本の柱状部間に構成される開口を閉塞する金属製の側壁板6A〜6Dを備える。これにより、樹脂部分と金属部分との対比(コントラスト)によりベルトパーティション1の意匠性が向上し得るとともに、巻取ドラム3に巻かれたベルト2が覆われた構成となる。
【0089】
ベルトパーティション1では、第2柱状部4D〜4F及び係合部4Hにより、I型鋼又はH形鋼状の部位が構成されている。これにより、第2柱状部4D〜4Fの曲げ剛性が大きくなる。延いては、ベルトパーティション1の強度及び耐久性が向上する。
【0090】
第1バネ8Aの外周端は第1バネケース8Dに係止されている。第1バネ8Aの中心端は、第2バネケース8Eの回転軸8Gに係止されている。第2バネ8Bの外周端は第2バネケース8Eに係止されている。
【0091】
さらに、第2バネ8Bの中心端は、第3バネケース8Fの回転軸8Hに係止されている。第3バネ8Cの外周端は第2バネケース8Eに係止されている。第3バネ8Cの中心端は、第2軸部3F(係止スリット3H)に係止されている。
【0092】
これにより、本実施形態では、第1バネ8A〜第3バネ8Cは、直列に繋がった状態となる。したがって、1本のバネにて第1バネ8A〜第3バネ8C相当が構成された場合に比べて、巻取機構8の小型になる。
【0093】
ベルトパーティション1には、第1ロック機構9及び第2ロック機構10が設けられている。これにより、当該ベルトパーティション1の利便性が向上し得る。
すなわち、仮に、第1ロック機構9が廃止された構成であると、意図しないタイミングでベルト2が引き出されてしまうことを防止するために、ベルト2を巻き戻す力を大きくする必要性がある。そして、当該力が大きくなると、ベルトパーティション1の利便性が低下する。
【0094】
これに対して、ベルトパーティション1には、第1ロック機構9が設けられているので、ベルト2を巻き戻す力を大きくすることなく、意図しないタイミングでベルト2が引き出されてしまうことを防止で得る。
【0095】
また仮に、第2ロック機構10が廃止された構成であると、巻き取り速度が過度に大きくなるので、ベルトパーティション1の利便性が低下するおそれがある。これに対して、ベルトパーティション1には、第2ロック機構10が設けられているので、利便性の低下が抑制され得る。
【0096】
ベルトパーティション1には、巻締操作部11が設けられている。これにより、ベルト2に発生する張力を、巻取機構8のみで張力を発生させる場合に比べて大きくすることが可能となる。
【0097】
係合部2Eには、第1位置と第2位置との間で変位可能な開閉操作部2Fが設けられている。これにより、利用者は、係合部2Eの係合状態を容易に保持でき得る。
ベルトパーティション1は、アタッチメント31、32が着脱自在に装着可能な装着係止部12を備える。これにより、利用者は、ベルトパーティション1を様々な状況で使用可能でき得るので、ベルトパーティション1の利便性が向上し得る。
【0098】
<4.特許文献1と本実施形態との対比>
特許文献1に記載のベルトパーティションは、平成22年6月7日付けの意見書によると、「製造容易という利点を取るために、外観(意匠性)では不利な構成を採用した」とある。
【0099】
これに対して、本実施形態に係るベルトパーティション1は、意匠性の高い外観デザインの創作を具現化するための発明である。具体的には、当該ベルトパーティション1は、以下の(1)〜(3)等を少なくとも備える。
【0100】
(1)第1蓋部4の外周縁部に一体部分として設けられた樹脂製の柱状部4D〜4Fであって、当該外周縁部から軸線方向の他端側に延びる複数の柱状部4C〜4F
(2)複数の柱状部4C〜4Fの延び方向先端側に固定された第2蓋部5
(3)第1蓋部4の外周方向において隣り合う2本の柱状部によって位置決めされた金属製の側壁板6A〜6Dであって、当該2本の柱状部間に構成される開口を閉塞する複数の側壁板6A〜6D
これにより、筒状のドラムケース6は、複数の柱状部4C〜4Fと2本の柱状部間に配置された側壁板6A〜6Dとによって、意匠性の高い外観デザインを得るとともに、量産性が確保される。
【0101】
そして、第1柱状部4Cには、ベルト2が挿通された引き出し口4Gが設けられ、第2柱状部4D〜4Fには、他の部材と係合可能な係合部4Hが設けられているので、本実施形態に係るベルトパーティション1では、意匠性の高い外観デザインが保持された状態で、ベルトパーティションとして機能も確保される。
【0102】
つまり、本実施形態に係るベルトパーティション1は、意匠性の高い外観デザインとベルトパーティションとして機能とが両立された発明であって、「製造容易という利点を取るために、外観(意匠性)では不利な構成を採用した」ものではない。
【0103】
特許文献1に記載のベルトパーティションは、「柱状部が無く、2枚の側壁板が直接的に組み合わせられている」ので、本実施形態に係るベルトパーティション1のごとく、意匠性の高い外観デザインを得ることができない。これは、特許文献1に記載のベルトパーティションは、「製造容易という利点を取るために、外観(意匠性)では不利な構成を採用」しているからである。
【0104】
上記のように、本実施形態に係るベルトパーティション1と特許文献1に記載のベルトパーティションとは、技術的思想が全く異なる発明である。換言すれば、特許文献1に記載のベルトパーティションは、意匠性の高い外観デザインを得ることが可能な本実施形態に係るベルトパーティション1を積極的に排除している発明である。
【0105】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、2本の柱状部間に構成される開口を閉塞する金属製の側壁板6A〜6Dを備えていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、側壁板6A〜6Dが廃止され、2本の柱状部間に構成される開口を通してベルト2を視認することが可能な構成であってもよい。
【0106】
上述の実施形態では、第2柱状部4D〜4F及び係合部4Hにより、I型鋼又はH形鋼状の部位が構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、係合部4Hが廃止された構成、又はI型鋼又はH形鋼状の部位を有していない構成であってもよい。
【0107】
上述の実施形態に係る巻取機構8は、3つのバネ8A〜8Cにより構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、1つのバネ、又は2以上のバネを有する巻取機構8にて構成されていてもよい。
【0108】
上述の実施形態では、第1ロック機構9及び第2ロック機構10を備える構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1ロック機構9及び第2ロック機構10のうち少なくとも一方が廃止された構成であってもよい。
【0109】
上述の実施形態に係る第1ロック機構9及び第2ロック機構10は、ラチェット機構にて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ロック状態では巻取ドラム3がいずれの向きにも回転不可となるロック機構を備える構成であってもよい。
【0110】
上述の実施形態では、巻締操作部11が設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、巻締操作部11が廃止された構成であってもよい。つまり、当該開示は、巻取機構8が発生する巻取力のみでベルト2に張力を発生させる構成であってもよい。
【0111】
上述の実施形態に係る係合部2Eには開閉操作部2Fが設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、開閉操作部2Fが廃止された構成であってもよい。
【0112】
上述の実施形態では、アタッチメント31、32が着脱自在に装着可能な装着係止部12を備える構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、装着係止部12が廃止された構成であってもよい。
【0113】
上述の実施形態に係る側壁版6A〜6Dは金属製であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、無色透明、有色透明又は有色な樹脂製の側壁版6A〜6Dを備える構成であってもよい。
【0114】
上述の実施形態に係るアタッチメント31、32は、ベルトパーティション1のオプション品としてベルトパーティション1と別売りされるものであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ベルトパーティション1とアタッチメント31、32とが組み合わされた組物として販売されてもよい。
【0115】
上述の実施形態では、引き出し口4Gが1つ設けられ、係合部4Hが複数(3つ)設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、引き出し口4Gが複数(例えば、2つ)設けられ、係合部4Hが1つ設けられた構成であってもよい。
【0116】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成でもよい。
【解決手段】ベルトパーティション1は、分離した複数の側壁部6A,6C,6Dなどが直接連結されて円筒状の周壁部が構成されておらず、かつ、当該周壁部に蓋部が嵌合されていない構成である。そして、第1柱状部4Cには、ベルト2が挿通された引き出し口4Gが設けられ、第2柱状部4Dには、係合部4Hが第2柱状部4Dの一体部分として設けられている。これにより、ベルトパーティション1の意匠性が大きく損なわれることが抑制されるとともに、必要な機能が確保可能となる。