特許第6773882号(P6773882)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6773882原子炉制御棒駆動装置で使用するための磁気作動の隔離された棒結合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773882
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】原子炉制御棒駆動装置で使用するための磁気作動の隔離された棒結合
(51)【国際特許分類】
   G21C 7/14 20060101AFI20201012BHJP
   G21C 7/12 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   G21C7/14 110
   G21C7/12 200
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-501430(P2019-501430)
(86)(22)【出願日】2017年7月13日
(65)【公表番号】特表2019-534988(P2019-534988A)
(43)【公表日】2019年12月5日
(86)【国際出願番号】US2017041808
(87)【国際公開番号】WO2018075107
(87)【国際公開日】20180426
【審査請求日】2019年2月25日
(31)【優先権主張番号】62/361,604
(32)【優先日】2016年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/646,117
(32)【優先日】2017年7月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508177046
【氏名又は名称】ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100186831
【弁理士】
【氏名又は名称】梅澤 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】モーガン,ケネス・エー
(72)【発明者】
【氏名】メジャー,デビッド・エル
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ランディ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ディーバー,ジェラルド・エー
【審査官】 関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04472348(US,A)
【文献】 英国特許第00927522(GB,B)
【文献】 特開2006−145233(JP,A)
【文献】 特開昭48−036600(JP,A)
【文献】 特開昭57−197494(JP,A)
【文献】 特開昭60−052794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C7/00−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉内に制御要素(310)を配置するための制御棒駆動装置(300)であって、前記駆動装置(300)は、
制御要素(310)と、
線形駆動装置(131)と、
前記制御要素(310)と前記線形駆動装置(131)との間の解放可能なラッチ(127)であって、磁界にさらされた場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)に固定し、磁界にさらされない場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)から解放する、解放可能なラッチ(127)と、
前記磁界を選択的に生成する誘導コイル(128)または磁性材料を含み
前記誘導コイル(128)または磁性材料は、前記解放可能なラッチに合わせて、前記制御要素のストローク距離にわたって動く、
制御棒駆動装置(300)。
【請求項2】
気体および流体に対して不透過性である隔離バリア(150)をさらに含み、前記解放可能なラッチ(127)は前記隔離バリア(150)の内側にあり、前記コイル(128)または前記磁性材料は前記隔離バリア(150)の外側にある、請求項1に記載の制御棒駆動装置(300)。
【請求項3】
原子炉内に制御要素(310)を配置するための制御棒駆動装置(300)であって、前記駆動装置(300)は、
制御要素(310)と、
線形駆動装置(131)と、
前記制御要素(310)と前記線形駆動装置(131)との間の解放可能なラッチ(127)であって、磁界にさらされた場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)に固定し、磁界にさらされない場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)から解放する、解放可能なラッチ(127)と、
前記磁界を選択的に生成する誘導コイル(128)または磁性材料を含み、
気体および流体に対して不透過性である隔離バリア(150)をさらに含み、前記解放可能なラッチ(127)は前記隔離バリア(150)の内側にあり、前記コイル(128)または前記磁性材料は前記隔離バリア(150)の外側にある、
前記隔離バリア(150)の外側の外側線形ねじ(130)をさらに含み、前記誘導コイル(128)または磁性材料は、前記外側線形ねじ(130)の回転と共に垂直に移動するように前記外側線形ねじ(130)に取り付けられる、制御棒駆動装置(300)。
【請求項4】
前記線形駆動装置(131)は、前記隔離バリア(150)の内側に内側線形ねじ(131)を含み、前記解放可能なラッチ(127)は、前記内側線形ねじ(131)の回転と共に垂直に移動するように前記内側線形ねじ(131)に取り付けられる、請求項3に記載の制御棒駆動装置(300)。
【請求項5】
前記線形駆動装置(131)は、前記内側線形ねじ(131)を回転させるように構成されたモータ(126)および内側ロータ(133)をさらに含み、前記モータ(126)は、前記隔離バリア(150)の両側で前記解放可能なラッチ(127)と前記誘導コイル(128)または磁性材料とを同期して移動させるように、前記外側線形ねじ(130)を回転させるように構成された外側ロータ(132)とさらに接続される、請求項4に記載の制御棒駆動装置(300)。
【請求項6】
原子炉内に制御要素(310)を配置するための制御棒駆動装置(300)であって、前記駆動装置(300)は、
制御要素(310)と、
線形駆動装置(131)と、
前記制御要素(310)と前記線形駆動装置(131)との間の解放可能なラッチ(127)であって、磁界にさらされた場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)に固定し、磁界にさらされない場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)から解放する、解放可能なラッチ(127)と、
前記磁界を選択的に生成する誘導コイル(128)または磁性材料を含み、
前記解放可能なラッチ(127)は、
各々が可変直径を有する複数の磁化プランジャ(141)と、
前記プランジャ(141)を前記磁界の反対側に駆動するように、各々が前記プランジャ(141)のうちの1つに結合された複数のばねと、
前記制御要素(310)と前記線形駆動装置(131)とを接合する複数のボール(137)であって、前記可変直径が前記プランジャ(141)の直線運動に基づいて前記ボール(137)を接合構成に出入りさせるように、各ボール(137)は前記磁化されたプランジャ(141)のうちの前記1つに対して偏倚される、複数のボール(137)と、
を含む、請求項1に記載の制御棒駆動装置(300)。
【請求項7】
前記プランジャ(141)は前記磁界にさらされた場合に前記ばねを圧縮し、前記プランジャ(141)が前記磁界にさらされた場合に前記ボール(137)が接合構成を維持する、請求項6に記載の制御棒駆動装置(300)。
【請求項8】
原子炉内で制御要素(310)を移動させる方法であって、
制御棒駆動装置(300)内の気体および流体に対して不透過性である隔離バリア(150)の外側に磁界を印加するステップを含み、前記磁界は、前記隔離バリア(150)の内側の解放可能なラッチ(127)と係合して、前記解放可能なラッチ(127)を介して制御要素(310)を線形駆動装置(131)に接合し、前記磁界を選択的に生成する誘導コイル(128)または磁性材料は、前記解放可能なラッチに合わせて、前記制御要素のストローク距離にわたって動く、方法。
【請求項9】
前記解放可能なラッチ(127)を解放して前記線形駆動装置(131)から前記制御要素(310)を切り離すように前記磁界を除去するステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記解放可能なラッチ(127)を介して前記制御要素(310)を垂直に移動させるように前記線形駆動装置(131)を作動させるステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉制御棒駆動装置で使用するための磁気作動の隔離された棒結合に関する
【背景技術】
【0002】
図1は、例示的な実施形態の制御駆動装置と共に使用可能な駆動棒−制御棒アセンブリ(CRA)接続部10を示す。大部分の従来のPWR制御棒アセンブリでは、駆動棒11および作動棒12は、原子炉圧力容器1の上方からロックプラグ14を介してCRA15に接合するロック可能なスパッドまたはバヨネット13まで横方向支持管16内に延在する。CRA15は、垂直挿入量に基づいて核連鎖反応を制御するために使用することができる中性子吸収材料を含む。制御棒は、制御棒駆動機構からの力を受けて、作動棒12および駆動棒13の垂直方向の動きによって上方から駆動される。
【0003】
以下の文書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。Tsuchiyaらによる米国特許出願公開第2015/0255178号、Wiartらによる米国特許第4423002号、Martinによる米国特許第4369161号、Martinらによる米国特許第4338159号、Matthewsによる米国特許第4044622号、Hydeらによる米国特許第9305669号、McKeehanらによる米国特許第3933581号、Eschenfelderらによる米国特許第4048010号、Nishimuraによる米国特許第4092213号、Romanらによる米国特許第4147589号、Adcockによる米国特許第4288898号、Smithによる米国特許第4484093号、Bathejaによる米国特許第5276719号、Akatsukaらによる米国特許第8915161号、Fischerらによる米国特許第4518559号、Goldbergらによる米国特許第5517536号、Hitchcockらによる米国特許第5428873号、Maruyamaらによる米国特許第8571162号、Fjerstadらによる米国特許第8757065号、Taniによる米国特許第5778034号、Shargotsらによる米国特許第9336910号、Thorp,IIによる米国特許第3941653号、DeWesseによる米国特許第3992255号、DeSantisによる米国特許第8811562号、および「In−vessel Type Control Rod Drive Mechanism Using Magnetic Force Latching for a Very Small Reactor」Yoritsune et al.,J.Nuc.Sci.&Tech.,Vol.39,No.8,p.913−922(Aug.2002)。
【発明の概要】
【0004】
例示的な実施形態は、原子炉内の中性子を制御するための直線的に移動可能な制御要素を含む制御棒駆動装置を含む。例示的な制御棒駆動装置は、格納容器のような外部空間から加圧された原子炉の内部を不透過的に分離すると共に、原子炉の外側の制御棒駆動要素に真空環境を提供する隔離バリアを含むことができる。1つまたは複数の誘導コイルは隔離バリアの外側で直線的に移動可能であり、一方、制御要素は原子炉内の隔離バリアの内側にある。例示的な制御棒駆動装置は、制御要素とモータ駆動線形駆動装置との間の選択的結合を介して制御要素を移動させることができる。選択的結合は、駆動装置および制御要素を共に第1の位置に保持し、第2の位置でこれら2つを解放する磁化プランジャなどの磁気選択的結合を有するラッチを使用することができる。例えば、プランジャは、磁力の下でばねに対して付勢してばねを圧縮し、外部の解放コイルまたは磁石などからの磁力が解放されると、プランジャはばねによって後退して、ボールベアリングまたはブロッキング要素などの解放要素が、プランジャの直径が小さくなるところまで摺動して後退し、結合を解放することを可能にする。そうでなければ、プランジャおよびブロッキング要素は接合構成を維持することができる。閉じた冷却剤ループが誘導コイルを冷却することができ、そうでなければ、誘導コイルは、原子炉の端部の周りのハウジング内の原子炉内部とは異なる真空または他の環境に維持され得る。例示的な実施形態の制御棒駆動装置は、制御要素に直接接合する制御棒アセンブリを含むことができる。制御棒アセンブリは、超過移動位置を維持するために隔離バリアの内側の磁気超過移動ラッチとロックすることができる。隔離バリアの外側の超過移動解放コイルは、ラッチとアセンブリとの間の接続を調整するために、ばね付勢され得るラッチを解放または移動させることができる。
【0005】
例示的な方法は、隔離バリアの内側の接合構成にラッチを保持するために磁界を印加するステップを含む。隔離バリアの両側のラッチおよび保持磁界は、2つがそれぞれ取り付けられている内側ロータおよび外側ロータを駆動する共通のモータによって移動することができる。例えば、線形ねじをロータによって独立に駆動して、ラッチおよび磁気要素を同じ垂直位置に移動させることができる。磁気要素が消磁されるか取り外されると、ラッチが解放され、制御要素が重力によって原子炉内に駆動され、スクラムを達成することができる。例示的な方法は、制御棒を超過移動位置に駆動することができ、超過移動位置では、制御棒アセンブリから/それへ/その上の制御要素の取り外し、取り付け、および/または他のメンテナンスのために、超過移動ラッチが制御棒を保持する。所望の超過移動動作に続いて、超過移動コイルが励磁され、ラッチ内の磁性材料を介してラッチを解放して、それらを開位置に付勢する。
【0006】
例示的な実施形態は、添付の図面を詳細に説明することにより、より明らかになり得る。添付の図面では、同様の要素は同様の符号によって示されているが、これらは単に例示として与えられており、それらが示す用語を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示の実施形態で使用可能な制御棒アセンブリへの駆動棒接続を示す図である。
図2】延長リフトコイルを用いた例示的な実施形態の制御棒駆動機構の平面図である。
図3】延長リフトコイルを用いた例示的な実施形態の制御棒駆動機構の縦断面図である。
図4】延長リフトコイルを用いた例示的な実施形態の制御棒駆動機構の別の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
これは特許文献であるため、読む際には、一般的な広範な構築規則を適用する必要がある。この文書に記載され、図示されているすべては、添付の特許請求の範囲内に入る主題の一例である。本明細書に開示した特定の構造的および機能的詳細は、実施例をどのように作製し使用するかを説明するためのものに過ぎない。本明細書に具体的に開示されていないいくつかの異なる実施形態および方法は、特許請求の範囲に含まれる。したがって、特許請求の範囲は、多くの代替形態で具体化されてもよく、本明細書に記載された実施例のみに限定されると解釈するべきではない。
【0009】
第1、第2などの用語が、様々な要素を説明するために本明細書で使用することができるが、これらの要素は、これらの用語によって順序を限定されるべきではないことが理解され得る。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためだけに使用される。「第2」以上の序数がある場合、必ずしも差異や他の関係がなくても、単に複数の要素が存在していなければならない。例えば、例示的な実施形態または方法の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のすべての組み合わせを含む。「など(etc.)」の使用は「など(et cetera)」として定義され、前の項目の同じグループに属する他のすべての要素を任意の「および/または」の組み合わせに含めることを示す。
【0010】
ある要素が別の要素に「接続される」、「結合される」、「嵌合される」、「取り付けられる」、または「固定される」などと言及されている場合、それは他の要素に直接接続されてもよいし、介在する要素が存在してもよいことが理解され得る。一方で、ある要素が別の要素に対して「直接接続される」、「直接結合される」などと言及される場合には、介在する要素は存在しなくてもよい。要素間の関係を記述するために使用される他の単語も同様なやり方(例えば、「間に」に対して「直接間に」、「隣接する」に対して「直接隣接する」など)で解釈するべきである。同様に、「通信可能に接続される」などの用語は、無線で接続されているか否かにかかわらず、仲介デバイス、ネットワークなどを含む2つの電子デバイス間の情報交換およびルーティングのすべての変形を含む。
【0011】
本明細書で使用する場合、単数形(「a」、「an」および「the」)は、そうでないことを明記しない限り、単数形および複数形の両方を含むことが意図される。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載した特徴、特性、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、特性、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらのグループが存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解され得る。
【0012】
以下に説明する構造および動作は、図面に記載および/または注記された順序から外れることがある。例えば、連続して示される2つの動作および/または図面は、関係する機能/動作に応じて、実際には同時に実行されてもよいし、逆の順序で実行されてもよい。同様に、以下に説明する例示的な方法の個々の動作は、繰り返して、個別に、または逐次的に実行されてもよく、以下に説明する単一の動作以外のループまたは他の一連の動作を提供することができる。以下に説明される特徴および機能を有する任意の実施形態および方法は、任意の実行可能な組み合わせで、例示的な実施形態の範囲内に含まれることが想定されるべきである。
【0013】
本発明者らは、原子炉内の制御棒駆動装置は、通常、原子炉のCRDM圧力境界150を通過しなければならない、またはその内側になければならない直接接触点を使用する、機械的駆動装置であることを新たに認識した。そのような直接の接触および配置は、メンテナンスなしで数ヶ月または数年の期間にわたって制御棒を動かすために通常動作しなければならない機械的駆動装置にとって困難な環境を作り出す。例えば、例示的な実施形態のCRDM200の圧力境界150内に見られる原子炉温度、漏出冷却剤、および非凝縮性ガスは、機械的駆動部品で腐食および関連する応力腐食割れ、水素化、および水素爆燃の問題を引き起こすおそれがある。冷却機構および駆動装置との直接接触からの熱は、例示的な実施形態のCRDM200の圧力境界150と相互作用して、動作の過程にわたって機械的駆動装置の作動中に熱サイクルの問題も引き起こす。機械的接続に必要な制御棒駆動装置内の貫通もまた原子炉冷却材の漏出のための経路を表す。本発明者らは、例示的な実施形態のCRDM200の圧力境界150、および高故障点を表す機械的接触との係合が少ない制御棒駆動装置の必要性を新たに認識した。以下に説明する例示的な実施形態は、本発明者らによって発見されたこれらおよび他の問題に対する解決策を独自に可能にする。
【0014】
例示的な方法−ボールラッチの結合/分離
図2は、例示的な実施形態の制御棒駆動機構(CRDM)300の平面図である。図3および図4は、図2の同じ例示的な実施形態の制御棒駆動機構300の縦断面図であり、図3は着座位置にあるアセンブリ310を示し、図4は超過移動位置にあるアセンブリ310を示す。2017年6月30日に出願されたMorganらによる共有出願第15/640,428号「STATIONARY ISOLATED ROD COUPLINGS FOR USE IN A NUCLEAR REACTOR CONTROL ROD DRIVE」、および2017年7月10日に出願されたMorganらによる共有出願第15/644,908号「MOVEABLE ISOLATED ROD COUPLINGS FOR USE IN A NUCLEAR REACTOR CONTROL ROD DRIVE」は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた出願および仮出願からの任意の制御棒駆動要素が本明細書に記載の実施形態との任意の組み合わせで使用することができることが理解される。位置指示磁石115およびリフト棒作動磁石104の説明は、組み込まれた‘428出願に与えられている。
【0015】
図2に示すように、ナットボールラッチ127の位置は、スクラム力101に対するバッファアセンブリにおける超過移動位置または着座位置などの、リフト棒111およびラッチ127の既知の位置で位置センサ105をゼロにすることによって確立される。
【0016】
リフト棒111が超過移動位置にあり、ナットボールラッチ127がその開口部に入れ子になっている状態で、ナットボールラッチ127と外側線形ねじ130(図3)のコイル128が励磁される。コイル128は、ばね対向プランジャ141内の磁性材料を引き下げ、リフト棒111の肩部と係合するようにボールラッチ127を押し出す。次に、リフト棒111をボールラッチ127のナットに結合し、線形中空ねじ131および外側線形ねじ130(図9)が協調して駆動して、励磁されたボールラッチコイル128がボールラッチ127をリフト棒111に係合させる構成を維持する。
【0017】
スクラムに続いて、ナットボールラッチ127は、スクラム力101(図3)のためにスクラムされたリフト棒111を緩衝アセンブリまで追従し、着座したリフト棒111の中にそれ自体を駆動する。この動作はさらなる動作のためにCRDM300をリセットする。ボールラッチコイル128は、スクラム力101のためにリフト棒111、駆動棒112、およびCRA310がバッファアセンブリから持ち上げられる前に再励磁されてもよい。リフト棒111および駆動棒112は、図1に示すようにCRA310と結合する前に、CRDM300内のナットボールラッチ127に結合されてもよい。
【0018】
ソレノイド作動解放コイル102がCRA310から駆動棒112を解放することに失敗した場合には、シャットダウン時に代替的な機械的作動が利用可能である。関連するブレーキおよび位置センサを備えたモータ126、および外側ロータ132を、CRDMハウジング106の上方から取り外すことができる。CRDMハウジング106の上部フランジは取り外されてもよく、ツールは中空の内側ロータ133およびねじ131を通って下に動かされてもよい。ツールは作動棒103にねじ込まれており、リフト棒111および駆動棒112の位置が速く保持されている間にそれを引くことができる。この動作により、下部ロックプラグの上方のばねが圧縮され、メンテナンスおよび修理のためにCRA310のスパッドが駆動棒112から解放される。
【0019】
例示的な方法−CRDMの位置決めおよびスクラム
図3に見られるように、リフト棒111がボールラッチ127に結合され、駆動棒112がCRA310に結合された後に、CRA310がモータ駆動内側線形ねじ131によって位置決めされる。外側線形ねじ130に取り付けられたボールラッチコイル128は、ボールラッチナットをリフト棒111に結合した状態で圧力境界150内に維持するために励磁されたままである。CRDMモータ126(図4)は、CRDMハウジング106内の内側ロータ133(図4)およびねじ131を回転させる。ねじ131の回転は、回転を防止するためにキー止めされたナットを有するボールラッチ127の垂直方向の移動を引き起こす。ボール137が係合したままである限り、リフト棒111はナットボールラッチ127と共に移動する。すなわち、内側線形ねじ131は、圧力境界150の内側の内側ロータ133によって回転させられると、圧力境界150の内側のねじ山上でこれらの機構の回転およびその結果としての線形移動によって、駆動棒112、リフト棒111、およびCRA310をその下に移動させて保持する。
【0020】
図4に見られるように、ナットボールラッチ127および外側の励磁されたボールラッチコイル128は、駆動範囲またはストローク距離を横切ってねじ130上で共に垂直に移動する。モータ126の位置センサおよび位置指示プローブ105(図3)からのフィードバックは、モータ126の回転を制御し、原子炉制御のためにCRA310をその所望の位置に移動させる。内側線形ねじ131および外側線形ねじ130は、内部リフト棒111、駆動棒112、およびCRA310の微細な移動制御を提供する。
【0021】
圧力境界150とボールラッチコイル128との間の真空ギャップ121(図2)は、コイル128と圧力境界150との間の熱伝達を制限する。これにより、圧力境界150上により均一な温度勾配がもたらされ、熱サイクルが最小限に抑えられる。圧力境界150の壁厚を、腐食、水素化、および水素爆燃の問題の影響を最小限に抑えるために強化することができる。
【0022】
スクラムを必要とする原子炉の安全機能はボールラッチコイルの制御システムへの入力を提供し、ボールラッチコイルは磁気要素と磁気的に対になるように正常に励磁される。原子炉状態がスクラムを是認する場合には、制御システムはボールラッチコイル128を消磁する。これによりボールラッチ磁界が低下し、ばね対向プランジャ141がリフト棒111の肩部を支持するボール137を上昇させて後退させる。重力がリフト棒111、駆動棒112、およびCRA310に作用し、ナットボールラッチ127を折り畳み、支持されていない構成要素をスクラム力101(図3)のためにバッファアセンブリ上の着座位置に落下させる。ボールラッチコイル128への電流の損失を引き起こすいかなる故障もまた、保守的な制御棒スクラムにつながる可能性がある。
【0023】
図2に示すように、ボールラッチ127およびリフト棒111と圧力境界150とのヘッドインターフェース上のガイドローラまたはキー機構118は、動作中のボールラッチ127、リフト棒111、駆動棒112、およびCRA310の回転を防止する。ボールラッチコイル128は、動作中に連続的に励磁することができ、それの移動範囲を通して冷却剤入口/出口107によって冷却することができる。冷却剤入口/出口107のフレキシブルラインは、CRDM300の頂部から配向され、CRDM構造ハウジング106のスロット付き開口部を通ってボールラッチコイル128に達することができる。これらのラインは、ラッチコイル制御回路と共に、駆動動作中にそれらをわずかな張力下に保つための釣合重りまたはばねリールフィードを有することができる。
【0024】
例示的な方法−燃料補給プロセスのためのCRDM調製
図4に示すように、駆動棒112は、ソレノイド作動解放コイル102(図3)を使用して上述のようにCRA310から分離することができる。燃料補給のために、モータ126、線形ねじ131、およびボールラッチ127を使用して、結合されたリフト棒111および駆動棒112を超過移動位置に操作する。超過移動位置では、2つのばね作動超過移動ラッチ116がCRDMハウジング106の肩部または窓に係合してCRDM300を超過移動高さにロックする。次いで、燃料補給プロセスの間、電力および冷却をモータ126およびボールラッチコイル128から切り離すかまたはこれらに固定することができる。駆動棒112の下端部は、上部容器から下部容器への分解工程から離れた高さまで運ぶことができる。
【0025】
燃料補給が完了すると、モータ126およびボールラッチコイル128が給電されて、リフト棒111および駆動棒112の重りを超過移動位置に運ぶ。次に、超過移動解放コイル108が励磁されて、上述のように圧力境界150構造支持体上に静止しているばね作動構造支持体117を圧縮する。
【0026】
CRDM支持構造体
図2に示すように、CRDM圧力境界150は、RPVフランジのCRDM構造ハウジング106内のCRDMノズル圧力境界フランジ120から垂直に離れて支持されている。CRDM圧力境界150の上部部分への横方向の支持は、真空ギャップ121を横切って外側ロータ132に近接することによって提供することができる。内側ロータ133(図4)、内側線形ねじ131、ボールラッチ127、およびリフト棒111は、CRDM圧力境界150の壁から横方向に支持されてもよい。
【0027】
CRDM構造ハウジング106はまた、CRDMノズル圧力境界フランジ120に固定されている。断熱ワッシャおよび他の品目を利用して、RPVヘッドからCRDM300内の構成要素への熱伝達を低減することができる。外側線形ねじ130(図3)の内部ベアリング/ブッシュは、熱伝導を避けるために、圧力境界150ではなくCRDM構造ハウジング106から支持されている。PIPプローブ105は、CRDM構造ハウジング106の上部フランジを通って垂直に挿入され、CRDM構造ハウジング106の最小の上端部および下端部で横方向に支持されている。モータ126(図4)ならびに関連するブレーキおよび位置センサは、CRDM構造ハウジング106の上端部に取り付けられ、駆動歯車列134(図4)を介してボールラッチコイル128用の外側ロータ132および線形ねじ131(図4)に係合する。冷却剤入口/出口ライン107は、原子炉の熱出力および放射出力からできるだけ離れて配置されている固定モータ126まで延在する。モータ126はまた、伝導を防ぐために真空ギャップ121によってCRDM圧力境界150から隔離されている。
【0028】
このように説明された例示的な実施形態および方法は、当業者には理解され得るように、例示的な実施形態は、以下の特許請求の範囲内にあるが、日常的な実験によって変更および置換することができる。例えば、圧力容器の上方で制御棒を駆動するほぼ垂直の配向がいくつかの例に関連して示されているが、制御棒および制御棒駆動装置の他の構成および位置は、単純に適切な寸法および配置であれば例示的な実施形態および方法と互換性があり、特許請求の範囲内に含まれる。そのような変形は、これらの請求項の範囲から逸脱していると見なすべきではない。
[実施態様1]
原子炉内に制御要素(310)を配置するための制御棒駆動装置(300)であって、前記駆動装置(300)は、
制御要素(310)と、
線形駆動装置(131)と、
前記制御要素(310)と前記線形駆動装置(131)との間の解放可能なラッチ(127)であって、磁界にさらされた場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)に固定し、磁界にさらされない場合に前記制御要素(310)を前記線形駆動装置(131)から解放する、解放可能なラッチ(127)と、
前記磁界を選択的に生成する誘導コイル(128)または磁性材料と、
を含む制御棒駆動装置(300)。
[実施態様2]
気体および流体に対して不透過性である隔離バリア(150)をさらに含み、前記解放可能なラッチ(127)は前記隔離バリア(150)の内側にあり、前記コイル(128)または前記磁性材料は前記隔離バリア(150)の外側にある、実施態様1に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様3]
前記隔離バリア(150)の外側の外側線形ねじ(130)をさらに含み、前記誘導コイル(128)または磁性材料は、前記外側線形ねじ(130)の回転と共に垂直に移動するように前記外側線形ねじ(130)に取り付けられる、実施態様1に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様4]
前記線形駆動装置(131)は、前記隔離バリア(150)の内側に内側線形ねじ(131)を含み、前記解放可能なラッチ(127)は、前記内側線形ねじ(131)の回転と共に垂直に移動するように前記内側線形ねじ(131)に取り付けられる、実施態様3に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様5]
前記線形駆動装置(131)は、前記内側線形ねじ(131)を回転させるように構成されたモータ(126)および内側ロータ(133)をさらに含み、前記モータ(126)は、前記隔離バリア(150)の両側で前記解放可能なラッチ(127)と前記誘導コイル(128)または磁性材料とを同期して移動させるように、前記外側線形ねじ(130)を回転させるように構成された外側ロータ(132)とさらに接続される、実施態様4に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様6]
前記解放可能なラッチ(127)は、
各々が可変直径を有する複数の磁化プランジャ(141)と、
前記プランジャ(141)を前記磁界の反対側に駆動するように、各々が前記プランジャ(141)のうちの1つに結合された複数のばねと、
前記制御要素(310)と前記線形駆動装置(131)とを接合する複数のボール(137)であって、前記可変直径が前記プランジャ(141)の直線運動に基づいて前記ボール(137)を接合構成に出入りさせるように、各ボール(137)は前記磁化されたプランジャ(141)のうちの前記1つに対して偏倚される、複数のボール(137)と、
を含む、実施態様1に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様7]
前記プランジャ(141)は前記磁界にさらされた場合に前記ばねを圧縮し、前記プランジャ(141)が前記磁界にさらされた場合に前記ボール(137)が接合構成を維持する、実施態様6に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様8]
前記線形駆動装置(131)、前記解放可能なラッチ(127)、および前記誘導コイル(128)もしくは磁性材料を含むハウジング(106)
をさらに含む、実施態様1に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様9]
前記制御要素(310)を超過移動位置に保持するように構成された、前記隔離バリア(150)の内側の複数の磁気超過移動ラッチ(116)と、
前記超過移動ラッチ(116)を解放位置に移動させるように構成された、前記隔離バリア(150)の外側の複数の超過移動解放コイル(108)と、
をさらに含む、実施態様1に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様10]
前記磁気超過移動ラッチ(116)の各々は、前記超過移動ラッチ(116)を保持位置に付勢するばねを含み、前記超過移動解放コイル(108)は、磁力によって前記ばねを付勢圧縮するように構成される、実施態様9に記載の制御棒駆動装置(300)。
[実施態様11]
原子炉内で制御要素(310)を移動させる方法であって、
制御棒駆動装置(300)内の気体および流体に対して不透過性である隔離バリア(150)の外側に磁界を印加するステップを含み、前記磁界は、前記隔離バリア(150)の内側の解放可能なラッチ(127)と係合して、前記解放可能なラッチ(127)を介して制御要素(310)を線形駆動装置(131)に接合する、方法。
[実施態様12]
前記解放可能なラッチ(127)を解放して前記線形駆動装置(131)から前記制御要素(310)を切り離すように前記磁界を除去するステップ
をさらに含む、実施態様11に記載の方法。
[実施態様13]
前記解放可能なラッチ(127)を介して前記制御要素(310)を垂直に移動させるように前記線形駆動装置(131)を作動させるステップ
をさらに含む、実施態様11に記載の方法。
[実施態様14]
前記磁界は、誘導コイル(128)および電磁石のうちの少なくとも一方によって生成され、前記方法は、
前記解放可能なラッチ(127)が前記制御要素(310)を垂直に移動させるのと同じ垂直位置に留まるように、前記誘導コイル(128)および電磁石のうちの少なくとも一方を移動させるステップ
をさらに含む、実施態様13に記載の方法。
[実施態様15]
前記誘導コイル(128)および電磁石のうちの少なくとも一方を移動させる前記ステップ、および前記線形駆動装置(131)を作動させる前記ステップは、前記隔離バリア(150)の外側の同じモータ(126)を用いて実行される、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]
前記制御要素(310)を原子炉から完全に引き出された超過移動位置に垂直に移動させるために、前記線形駆動装置(131)を作動させるステップをさらに含み、複数の磁気オーバードライブラッチ(116)は、前記超過移動位置において前記隔離バリア(150)の内側の前記制御要素(310)に直接接続された制御棒アセンブリ(310)と係合する、実施態様11に記載の方法。
[実施態様17]
前記超過移動位置において前記制御棒アセンブリ(310)から前記制御要素(310)を取り外すステップ
をさらに含む、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
前記磁気オーバードライブラッチ(116)を解放して前記制御棒アセンブリ(310)を分離するために、複数の超過移動誘導コイル(128)を励磁するステップ
をさらに含む、実施態様16に記載の方法。
[実施態様19]
前記解放可能なラッチ(127)は、
各々が可変直径を有する複数の磁化プランジャ(141)と、
前記プランジャ(141)を前記磁界の反対側に駆動するように、各々が前記プランジャ(141)のうちの1つに結合された複数のばねと、
前記制御要素(310)と前記線形駆動装置(131)とを接合する複数のボール(137)であって、前記可変直径が前記プランジャ(141)の直線運動に基づいて前記ボール(137)を接合構成に出入りさせるように、各ボール(137)は前記磁化されたプランジャ(141)のうちの前記1つに対して偏倚される、複数のボールと、
を含む、実施態様11に記載の方法。
[実施態様20]
前記プランジャ(141)は前記磁界にさらされた場合に前記ばねを圧縮し、前記プランジャ(141)が前記磁界にさらされた場合に前記ボール(137)が接合構成を維持する、実施態様19に記載の方法。
【符号の説明】
【0029】
1 原子炉圧力容器
10 駆動棒−制御棒アセンブリ(CRA)接続部
11 駆動棒
12 作動棒
13 スパッドまたはバヨネット、駆動棒
14 ロックプラグ
15 制御棒アセンブリ(CRA)
16 横方向支持管
101 スクラム力
102 ソレノイド作動解放コイル
103 作動棒
104 リフト棒作動磁石
105 位置指示プローブ、PIPプローブ、位置センサ
106 制御棒駆動機構(CRDM)構造ハウジング
107 冷却剤入口/出口ライン
108 超過移動解放コイル
111 リフト棒
112 駆動棒
115 位置指示磁石
116 ばね作動超過移動ラッチ
117 ばね作動構造支持体
118 キー機構
120 CRDMノズル圧力境界フランジ
121 真空ギャップ
126 固定モータ、CRDMモータ
127 ナットボールラッチ
128 ボールラッチコイル
130 外側線形ねじ
131 内側線形ねじ、線形中空ねじ
132 外側ロータ
133 内側ロータ
134 駆動歯車列
137 ボール
141 ばね対向プランジャ
150 CRDM圧力境界
200 CRDM
300 CRDM
310 CRA
図1
図2
図3
図4