(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記RF電極は、前記複数のRFゾーン電極として、前記セラミック基体と同心円の円形電極又は前記円形電極を複数に分割した電極を含み、更に、前記円形電極又は前記円形電極を複数に分割した電極の外側に前記セラミック基体と同心円の1以上の円環電極か前記円環電極の少なくとも1つを複数に分割した電極とを含む、
請求項1に記載のウエハ支持台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プラズマを発生させる際、平板上部電極と円形状RF電極との距離及び平板上部電極と円環状RF電極との距離が異なるし、ウエハ載置面と円形状RF電極との間の誘電体層(セラミック基体)の厚さとウエハ載置面と円環状RF電極との間の誘電体層の厚さも異なる。そのため、プラズマの密度が不均一になることがあった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、プラズマの密度が不均一になることによる不具合の発生を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的の少なくとも1つを達成するため、本発明のウエハ支持台は以下の構成を採用した。
【0007】
すなわち、本発明のウエハ支持台は、
ウエハ載置面を有する円板状のセラミック基体の内部にRF電極とヒータ電極とが埋設されたウエハ支持台であって、
前記RF電極は、前記ウエハ載置面を複数に分割したゾーンごとに設けられた複数のRFゾーン電極によって構成され、
前記複数のRFゾーン電極は、ウエハ載置面からの距離の異なる少なくとも2段に分けて設けられ、
前記ヒータ電極は、前記ウエハ載置面を前記RFゾーン電極と同じように又は異なるように複数に分割したゾーンごとに設けられた複数のヒータゾーン電極によって構成され、 前記複数のRFゾーン電極は、前記セラミック基体の裏面に設けられた電極端子を通して複数のRFゾーン電極用導体にそれぞれ独立して接続され、
前記複数のヒータゾーン電極は、前記セラミック基体の前記裏面に設けられた電極端子を通して複数のヒータゾーン電極用導体にそれぞれ独立して接続されている、
ものである。
【0008】
このウエハ支持台では、複数のRFゾーン電極及び複数のヒータゾーン電極は、セラミック基体のウエハ載置面とは反対側の面(裏面)に設けられた電極端子を通して複数のRFゾーン電極用導体及び複数のヒータ電極用導体にそれぞれ独立して接続されている。そのため、RFゾーン電極ごとに異なる高周波電力を供給することができ、ウエハ載置面に載置されるウエハ上のプラズマの密度をある程度均一にすることができる。一方、複数のRFゾーン電極は少なくとも2段に分けて設けられているため、プラズマの密度が不均一になることがある。しかし、そうなったとしても、ヒータゾーン電極ごとに異なる電力を供給することができるため、ゾーンごとの成膜性のバラツキをヒータ温度の調整で補償・調整できる。したがって、プラズマの密度が不均一になることによる不具合の発生を抑制することができる。
【0009】
本発明のウエハ支持台において、前記RF電極は、前記複数のRFゾーン電極として、前記セラミック基体と同心円の円形電極又は前記円形電極を複数に分割した電極を含み、更に、前記円形電極又は前記円形電極を複数に分割した電極の外側に前記セラミック基体と同心円の1以上の円環電極か前記円環電極の少なくとも1つを複数に分割した電極とを含むようにしてもよい。セラミック基体の内周部分と外周部分とではプラズマの密度分布が異なることが多いため、このように円形電極(又は円形電極を複数に分割した電極)と1以上の円環電極(又は円環電極を複数に分割した電極)とに分けることが好ましい。例えば、RFゾーン電極として、セラミック基体と同心円の円形電極と、その円形電極の外側にセラミック基体と同心円の1以上の円環電極を設けてもよい。あるいは、セラミック基体と同心円の円形電極を半分に分けた一対の半円形電極と、その両半円形電極の外側にセラミック基体と同心円の1以上の円環電極を設けてもよい。あるいは、円環電極を複数に分割してもよい。
【0010】
本発明のウエハ支持台において、前記セラミック基体を前記ウエハ載置面から見たときに前記RFゾーン電極同士の間のギャップには少なくとも1つの前記ヒータゾーン電極が配置されていてもよい。印加するRF電力を大きくした場合、ギャップ間隔を大きくとるとRFの干渉を抑制でき有利であるが、RF電極の存在しないギャップ部分でプラズマ密度が減少し面内のプラズマ密度が不均一になることがある。そこで、そのギャップ領域にヒータゾーン電極を配置することにより、プラズマ密度の不均一から生じる成膜性のバラツキを温度分布すなわちヒータ温度の調整で補償・調整することができ、有効である。この場合、前記ギャップに配置された前記ヒータゾーン電極は、前記ギャップと対応した形状のギャップヒータゾーン電極としてもよい。こうすれば、ギャップヒータゾーン電極によってギャップの温度を個別に制御することが容易となり、ギャップ付近の成膜性のバラツキをギャップヒータゾーン電極の温度を調整することにより補償・調整することができる。
【0011】
あるいは、本発明のウエハ支持台において、前記セラミック基体を前記ウエハ載置面から見たときに前記複数のRFゾーン電極の形状と前記複数のヒータゾーン電極の形状とが一致するように配置されていてもよい。こうすれば、各RFゾーン電極をそれに対応するヒータゾーン電極により個別に温度制御することができる。ここで、「ヒータゾーン電極の形状」とは、例えばヒータゾーン電極がコイルによって構成されている場合には、そのコイルが引き回されている領域の形状をいう。
【0012】
本発明のウエハ支持台において、前記複数のRFゾーン電極は、前記セラミック基体と同心円の円形電極と、前記円形電極の外側に前記セラミック基体と同心円の1以上の円環電極とを含み、前記ヒータ電極を構成する前記複数のヒータゾーン電極は、同一平面上に設けられ、前記複数のRFゾーン電極の前記ヒータ電極からの高さは、前記セラミック基体の中心に近いRFゾーン電極ほど高く(あるいは低く)なっていてもよい。その場合、各RFゾーン電極上の前記セラミック基体の厚み(つまり誘電体層厚み)を同じにしてもよい。
【0013】
本発明のウエハ支持台は、前記セラミック基体の前記ウエハ載置面とは反対側の面の中央領域に接合された中空のセラミックシャフトを備え、前記複数のRFゾーン電極用導体及び前記ヒータ電極用導体は前記セラミックシャフトの内部に配置されていてもよい。
【0014】
本発明のウエハ支持台において、前記複数のRFゾーン電極は、いずれもウエハ載置面からの距離が異なるように多段に分けて設けられていてもよいし、多段ではあるものの同じ段に2以上のRFゾーン電極が設けられていてもよい。また、前記複数のヒータゾーン電極は、同一平面上に設けられていてもよいし、ウエハ載置面からの距離が異なるように設けられていてもよい。なお、RFゾーン電極の形状や数、ヒータゾーン電極の形状や数は、任意に決定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。
図1はプラズマ発生装置10の斜視図、
図2は
図1のA−A断面図、
図3は
図1のB−B断面図、
図4はRF電極23及びヒータ電極30の配置を示す斜視図である。
【0017】
プラズマ発生装置10は、
図1に示すように、ウエハ支持台20と、上部電極50とを備えている。
【0018】
ウエハ支持台20は、プラズマを利用してCVDやエッチングなどを行うウエハWを支持して加熱するために用いられるものであり、図示しない半導体プロセス用のチャンバの内部に取り付けられる。このウエハ支持台20は、セラミック基体22と、中空のセラミックシャフト29とを備えている。
【0019】
セラミック基体22は、
図2に示すように、セラミック製(例えばアルミナ製とか窒化アルミニウム製)の円板状部材である。このセラミック基体22の表面は、ウエハWを載置可能なウエハ載置面22aとなっている。セラミック基体22のウエハ載置面22aとは反対側の面(裏面)22bの中央には、セラミックシャフト29が接合されている。セラミック基体22には、
図2〜
図4に示すように、RF電極23とヒータ電極30とが埋設されている。RF電極23とヒータ電極30は、ウエハ載置面22aに近い方からこの順に埋設されている。
【0020】
RF電極23は、ウエハ載置面22aと平行(実質的に平行な場合を含む、以下同じ)に設けられている。RF電極23は、セラミック基体22の中心から所定半径(例えばセラミック基体22の半径の半分以上)の円21(
図3参照)の内側のゾーンに設けられた第1RFゾーン電極24と、その円21の外側のゾーンに設けられた第2RFゾーン電極25とで構成されている。つまり、第1及び第2RFゾーン電極24,25は、ウエハ載置面22aを複数に分割したゾーンごとに設けられている。第1RFゾーン電極24は、セラミック基体22と同心円の円形電極である。第2RFゾーン電極25は、セラミック基体22と同心円の円環電極であり、第1RFゾーン電極24から離間している。第1及び第2RFゾーン電極24,25は、セラミック基体22の内部で異なる高さ(ウエハ載置面22aからの距離)となるように埋設されている。ここでは、第1RFゾーン電極24がウエハ載置面22aに近くなるように設けられている。第1RFゾーン電極24は、セラミック基体22にセラミックシャフト29を投影した円形の中央領域22c(
図2及び
図3の2点鎖線)に重複するように設けられているが、第2RFゾーン電極25は、中央領域22cから外れた位置に設けられている。第1及び第2RFゾーン電極24,25は、いずれも導電性のメッシュシートで構成されている。
【0021】
第1RFゾーン電極24は、
図2に示すように、裏面略中央に電極端子24aが接続されている。電極端子24aは、セラミック基体22の裏面22bから外部に露出するように設けられている。第1RFゾーン電極24は、電極端子24aを介して第1RFゾーン電極用導体34に接続されている。第1RFゾーン電極用導体34は、セラミックシャフト29の中空内部及び下部開口を経て第1交流電源44に接続されている。
【0022】
第2RFゾーン電極25は、
図2及び
図4に示すように、導電性のメッシュシートからなる接続用導体27を有している。接続用導体27は、円環状の第2RFゾーン電極25の中心から放射状に設けられ、電極端子24aと干渉しないように配置されている。接続用導体27には、電極端子25aがセラミック基体22の裏面22bから外部に露出するように設けられている。電極端子25aも、電極端子24aと干渉しないように配置されている。第2RFゾーン電極25は、接続用導体27及び電極端子25aを介して第2RFゾーン電極用導体35と接続されている。第2RFゾーン電極用導体35は、セラミックシャフト29の中空内部及び下部開口を経て第2交流電源45に接続されている。
【0023】
ヒータ電極30は、ウエハ載置面22aと平行に設けられている。ヒータ電極30は、前出の円21(
図3参照)の内側のゾーンに設けられた第1ヒータゾーン電極31と、その円21の外側のゾーンに設けられた第2ヒータゾーン電極32とで構成されている。つまり、第1及び第2ヒータゾーン電極31,32は、ウエハ載置面22aを第1及び第2RFゾーン電極24,25と同じように2つに分割したゾーンごとに設けられている。第1ヒータゾーン電極31と第2ヒータゾーン電極32とは、セラミック基体22の内部で同じ高さとなるように(つまり同一平面上に)離間して埋設されている。
【0024】
第1ヒータゾーン電極31は、2つの電極端子31a,31bを有しており、一方の電極端子31aから円21の内側の円形領域の全体にわたって一筆書きの要領で他方の電極端子31bまでコイルを配線したものである。各電極端子31a,31bは、各第1ヒータゾーン電極用導体36,36を介して第1ヒータ電源47に接続されている。なお、
図2には、便宜上、一方の電極端子31aのみを示した。第1ヒータゾーン電極31は、平面視したときに第1RFゾーン電極24に重複するように設けられている。
【0025】
第2ヒータゾーン電極32は、2つの電極端子32a,32bを有しており、一方の電極端子32aから円21の外側の円環領域の全体にわたって一筆書きの要領で他方の電極端子32bまでコイルを配線したものである。各電極端子32a,32bは、各第2ヒータゾーン電極用導体37,37を介して第2ヒータ電源48に接続されている。なお、
図2には、便宜上、一方の電極端子32aのみを示した。第2ヒータゾーン電極32は、平面視したときに第2RFゾーン電極25に重複するように設けられている。
【0026】
RF電極23、接続用導体27及びヒータ電極30の材質は、同じであっても異なっていてもよい。材質としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Mo、W、Nb、Mo化合物、W化合物又はNb化合物が挙げられる。このうち、セラミック基体22との熱膨張係数差の小さいものが好ましい。
【0027】
セラミックシャフト29は、セラミック基体22と同じセラミックからなる円筒状部材である。セラミックシャフト29の上部端面は、セラミック基体22の裏面22bに拡散接合やTCB(Thermalcompressionbonding)により接合されている。TCBとは、接合対象の2つの部材の間に金属接合材を挟み込み、金属接合材の固相線温度以下の温度に加熱した状態で2つの部材を加圧接合する公知の方法をいう。
【0028】
上部電極50は、
図1に示すように、セラミック基体22のウエハ載置面22aと対向する上方位置(例えば図示しないチャンバの天井面)に固定されている。この上部電極50は、グランドに接続されている。
【0029】
次に、プラズマ発生装置10の使用例について説明する。図示しないチャンバ内にプラズマ発生装置10を配置し、ウエハ載置面22aにウエハWを載置する。そして、第1RFゾーン電極24に第1交流電源44から高周波電力を供給し、第2RFゾーン電極25に第2交流電源45から高周波電力を供給する。こうすることにより、上部電極50とセラミック基体22に埋設されたRF電極23とからなる平行平板電極間にプラズマが発生し、そのプラズマを利用してウエハWにCVD成膜を施したりエッチングを施したりする。また、図示しない熱電対の検出信号に基づいてウエハWの温度を求め、その温度が設定温度(例えば350℃とか300℃)になるように第1ヒータゾーン電極31に印加する電圧を第1ヒータ電源47によって制御し、第2ヒータゾーン電極32に印加する電圧を第2ヒータ電源48によって制御する。
【0030】
以上詳述したウエハ支持台20では、第1及び第2RFゾーン電極24,25にそれぞれ異なる高周波電力(例えば同じ周波数で異なるワット数の電力とか、異なる周波数で同じワット数の電力とか、異なる周波数で異なるワット数の電力など)を供給することができ、ウエハ載置面22aに載置されるウエハW上のプラズマの密度をある程度均一にすることができる。一方、第1及び第2RFゾーン電極24,25は多段に設けられているため、プラズマの密度が不均一になることがある。しかし、そうなったとしても、第1及び第2ヒータゾーン電極31,32のそれぞれに異なる電力を供給することができるため、ゾーンごとの成膜性のバラツキをヒータ温度の調整で補償・調整できる。したがって、プラズマの密度が不均一になることによる不具合の発生を抑制することができる。
【0031】
また、セラミック基体22の内周部分と外周部分とではプラズマの密度分布が異なることが多いため、上述したようにRF電極23を内周側の円形電極(第1RFゾーン電極24)と外周側の円環電極(第2RFゾーン電極25)とに分けることが好ましい。
【0032】
更に、セラミック基体22をウエハ載置面22aから見たとき(つまり平面視したとき)に第1及び第2RFゾーン電極24,25と第1及び第2ヒータゾーン電極31,32とが一致するように配置されている。そのため、各RFゾーン電極24,25をそれに対応するヒータゾーン電極31,32により個別に温度制御することができる。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0034】
例えば、上述した実施形態では、平面視したときに第1及び第2RFゾーン電極24,25の形状と第1及び第2ヒータゾーン電極31,32の形状とが一致するように配置したが、互いに相似形状になるように配置してもよい。また、
図5に示すように、平面視したときに第1及び第2RFゾーン電極24,25同士の間に現れるドーナツ形状のギャップGに第1及び第2ヒータゾーン電極131,132の一方(ここでは第2ヒータゾーン電極132)が重なって配置されるようにしてもよい。
図5中、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。
図5では、便宜上、各RFゾーン電極24,25の接続用導体やRFゾーン電極用導体、電源は省略し、各ヒータゾーン電極131,132のヒータゾーン電極用導体や電源も省略した。また、各ヒータゾーン電極131,132は配線パターンを省略してコイルが配線される領域のみを示した。印加するRF電力を大きくした場合、ギャップGの間隔を大きくとるとRFの干渉を抑制でき有利であるが、RF電極の存在しないギャップGの部分でプラズマ密度が減少し面内のプラズマ密度が不均一になることがある。そこで、そのギャップGの領域に第2ヒータゾーン電極132が重複するように配置することにより、プラズマ密度の不均一から生じる成膜性のバラツキを温度分布すなわちヒータ温度の調整で補償・調整することができる。更に、
図6に示すように、平面視したときに第1及び第2RFゾーン電極24,25同士の間に現れるドーナツ形状のギャップGに、そのギャップGと対応した形状(ここではギャップGと同じ形状)のギャップヒータゾーン電極183を設けてもよい。この場合、第1及び第2ヒータゾーン電極181,182の形状は、それぞれ第1及び第2RFゾーン電極24,25の形状と略一致している。これにより、例えば第1及び第2RFゾーン電極24,25同士の間のギャップGの間隔を大きくしたときでも、ギャップヒータゾーン電極183によってギャップGの温度を個別に制御することが容易となる。すなわち、ギャップ付近の成膜性のバラツキをギャップヒータゾーン電極183の温度を調整することにより補償・調整できる。
【0035】
上述した実施形態では、各ヒータゾーン電極31,32を同一平面上に設けたが、互いの高さ(ウエハ載置面22aからの距離)が異なるように設けてもよい。例えば、各ヒータゾーン電極31,32の高さを、各RFゾーン電極24,25の高さに合わせてもよい。
【0036】
上述した実施形態では、RF電極23を異なる高さの第1及び第2RFゾーン電極24,25で構成したが、RF電極を異なる高さの3つ以上のRFゾーン電極で構成してもよい。
図7に、RF電極23を、異なる高さの第1〜第3RFゾーン電極124〜126で構成した例を示す。
図7中、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。
図7では、便宜上、各RFゾーン電極124〜126の接続用導体やRFゾーン電極用導体、電源は省略し、各ヒータゾーン電極231〜233のヒータゾーン電極用導体や電源も省略した。また、各ヒータゾーン電極231〜233は配線パターンを省略してコイルが配線される領域のみを示した。これらのヒータゾーン電極231〜233は同一平面上に設けられている。第1RFゾーン電極124は、セラミック基体22と同心円の円形電極であり、第2及び第3RFゾーン電極125,126は、セラミック基体22と同心円の円環電極である。第1〜第3RFゾーン電極124〜126は、ウエハ載置面22aに近い側から、第1RFゾーン電極124,第2RFゾーン電極125及び第3RFゾーン電極126の順に並んでいる。ヒータ電極30を構成する第1〜第3ヒータゾーン電極231〜233は、平面視したときに、第1〜第3RFゾーン電極124〜126と一致するように設けられている。この構成でも、上述した実施形態と同様の効果が得られる。特に、第1〜第3RFゾーン電極124〜126にそれぞれ異なる高周波電力を供給することができるため、プラズマの密度分布をより良好にコントロールすることができる。また、第1〜第3ヒータゾーン電極231〜233のそれぞれに異なる電力を供給することができるため、ゾーンごとの成膜性のバラツキをヒータ温度の調整で補償・調整できる。
【0037】
なお、RF電極23を構成する第1〜第3RFゾーン電極124〜126のヒータ電極30からの高さh1〜h3は、それぞれ任意に設定することができる。例えば
図7に示すように、中心部の第1RFゾーン電極124のヒータ電極30からの高さが最も高く、外周にいくに従ってヒータ電極30からの高さが低くなるようにしてもよい(h1>h2>h3)。あるいは、これとは反対に、中心部の第1RFゾーン電極124のヒータ電極30からの高さが最も低く、外周にいくに従ってヒータ電極30からの高さが高くなるようにしてもよい(h1<h2<h3)。あるいは、h1>h2<h3としたり、h1<h2>h3としたりするなど、各RFゾーン電極124〜126の高さh1〜h3を自由に設定してもよい。
【0038】
上述した実施形態では、RF電極23は円形電極の第1RFゾーン電極24と円環電極の第2RFゾーン電極25とで構成したが、円環電極である第2RFゾーン電極25を複数に分割して各分割電極に個別に交流電源を接続してもよいし、円形電極である第1RFゾーン電極24を複数に分割して各分割電極に個別に交流電源を接続してもよい。こうすれば、プラズマの密度分布を更に良好になるように容易にコントロールすることができる。
図8に、RF電極23を構成する第2RFゾーン電極25を3つの円弧状電極251〜253に分割した場合を例示する。なお、円弧状電極251〜253はすべて同じ高さでもよいし、それぞれ異なる高さでもよいし、2つが同じ高さで1つが異なる高さでもよい。
図9に、RF電極23を構成する第2RFゾーン電極25を3つの円弧状電極251〜253に分割し、更に第1RFゾーン電極24を2つの半円形電極241,242に分割した場合を例示する。なお、半円形電極241,242は同じ高さでもよいし、それぞれ異なる高さでもよい。
【0039】
上述した実施形態では、セラミック基体22の表面がフラットなものを例示したが、
図10に示すステップ型のセラミック基体422を採用してもよい。
図10では、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。セラミック基体422の表面は、外周部に円環状の段差面422aを有する。段差面422aは、ウエハ載置面22aよりも一段低くなっている。このセラミック基体422において、内側の第1RFゾーン電極(円形電極)24からウエハ載置面22aまでの誘電体厚みと、外側の第2RFゾーン電極(円環電極)25から段差面422aまでの誘電体厚みとを同じにしてもよい。こうすれば、内外でのプラズマ密度を均一化することができる。あるいは、
図11に示すポケット型のセラミック基体522を採用してもよい。
図11では、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。セラミック基体522の表面は、外周部に円環状の段差面522aを有する。段差面522aは、ウエハ載置面22aよりも一段高くなっている。RF電極23は、内側の第1RFゾーン電極(円形電極)24と、外側の第2RFゾーン電極(円環電極)525とで構成されている。第2RFゾーン電極525は、接続用導体527、電極端子25a及び第2RFゾーン電極用導体35を介して第2交流電源(
図2参照)に接続されている。また、第2RFゾーン電極525の方が第1RFゾーン電極24よりも高い位置に配置されている。セラミック基体522においても、第1RFゾーン電極24からウエハ載置面22aまでの誘電体厚みと、外側の第2RFゾーン電極525から段差面522aまでの誘電体厚みとを同じにしてもよい。こうすれば、内外でのプラズマ密度を均一化することができる。
【0040】
また、
図7においても、セラミック基体22の表面が平面のものを例示したが、
図12に示す円環溝付きのセラミック基体622を採用してもよい。
図12において、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。セラミック基体622の表面は、セラミック基体622と同心円の円環溝622aを有している。RF電極23は、内側の第1RFゾーン電極(円形電極)624と、外側の第2RFゾーン電極(円環電極)625と、更にその外側の第3RFゾーン電極(円環電極)626とで構成されている。第2RFゾーン電極625は、接続用導体627、電極端子25a及び第2RFゾーン電極用導体35を介して第2交流電源45(
図2参照)に接続されている。第3RFゾーン電極626は、接続用導体628、電極端子626a及び第3RFゾーン電極用導体636を介して第3交流電源(図示略)に接続されている。第1RFゾーン電極24からウエハ載置面22aまでの誘電体厚みと、第2RFゾーン電極625から円環溝622aの底面までの誘電体厚みと、第3RFゾーン電極626からウエハ載置面22aまでの誘電体厚みとを同じにしてもよい。こうすれば、内外でのプラズマ密度を均一化することができる。
【0041】
上述した実施形態や
図7の形態では、RF電極23の分割数とヒータ電極30の分割数とを同じにしたが、両者の分割数を異なるようにしてもよい。
【0042】
上述した実施形態では、第1及び第2RFゾーン電極24,25や接続用導体27は、いずれも導電性のメッシュシートで構成したが、特にメッシュシートに限定されるものではなく、例えば導電性の一様なシート(金属箔など)を用いてもよい。
【0043】
上述した実施形態において、RF電極23に電圧を印加することによりウエハWをウエハ載置面22aに吸引するようにしてもよい。また、セラミック基体22に更に静電電極を埋設し、その静電電極に電圧を印加することによりウエハWをウエハ載置面22aに吸引してもよい。
【0044】
上述した実施形態では、ウエハ支持台20の製造方法の一例を示したが、ウエハ支持台20の製造方法は特にこれに限定されるものではなく、他の公知の製造方法によってウエハ支持台20を製造してもよい。例えば特開2012−89694号公報に記載された製造方法に準じてウエハ支持台20を製造してもよい。
【0045】
本出願は、2018年7月4日に出願された日本国特許出願第2018−127620号を優先権主張の基礎としており、引用によりそれらの内容の全てが本明細書に含まれる。