特許第6773969号(P6773969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773969
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】チェーン伝動機構
(51)【国際特許分類】
   F16H 7/06 20060101AFI20201012BHJP
   F16G 13/04 20060101ALI20201012BHJP
   F16G 13/02 20060101ALI20201012BHJP
   F16H 55/30 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   F16H7/06
   F16G13/04
   F16G13/02 E
   F16H55/30 D
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-171620(P2016-171620)
(22)【出願日】2016年9月2日
(65)【公開番号】特開2018-35915(P2018-35915A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 利文
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健雄
(72)【発明者】
【氏名】藤島 幸介
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−053987(JP,A)
【文献】 特開2000−065156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/06
F16G 13/02
F16G 13/04
F16H 55/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動スプロケットと、従動スプロケットと、前記駆動スプロケット及び従動スプロケットに掛け回されるサイレントチェーンとを有するチェーン伝動機構であって、
前記サイレントチェーンと駆動スプロケットとの噛合・着座の態様が、内股噛合内股着座、内股噛合外股着座または外股噛合外股着座のいずれかであり、
前記サイレントチェーンと従動スプロケットとの噛合・着座の態様が、内股噛合内股着座、内股噛合外股着座または外股噛合外股着座のいずれかであり、
前記駆動スプロケットにおける噛合・着座の態様と、前記従動スプロケットにおける噛合・着座の態様とが異なることを特徴とするチェーン伝動機構。
【請求項2】
前記駆動スプロケットの歯と従動スプロケットの歯のいずれか、または、両方が、標準ピッチ円半径と異なるピッチ円半径で形成され、
前記駆動スプロケットの歯のピッチ円半径と従動スプロケットの歯のピッチ円半径の、それぞれの標準ピッチ円半径との寸法差が、互いに異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチェーン伝動機構。
【請求項3】
前記駆動スプロケットの歯と従動スプロケットの歯の前記サイレントチェーンと噛合・着座する歯面部分の角度が、互いに異なる角度に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェーン伝動機構。
【請求項4】
前記駆動スプロケットの歯数が、従動スプロケットの歯数と同一であり、
前記駆動スプロケットまたは従動スプロケットの一方のスプロケットと前記サイレントチェーンとの噛合の形態が、内股噛合であり、
前記駆動スプロケットまたは従動スプロケットの他方のスプロケットと前記サイレントチェーンとの着座の態様が、外股着座であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチェーン伝動機構。
【請求項5】
前記駆動スプロケット及び従動スプロケットと前記サイレントチェーンとの着座の態様が、外股着座であることを特徴とする請求項4に記載のチェーン伝動機構。
【請求項6】
前記駆動スプロケットまたは従動スプロケットの一方のスプロケットの歯数が、他方のスプロケットの歯数より多く、
前記駆動スプロケットまたは従動スプロケットの他方のスプロケットと前記サイレントチェーンとの着座の態様が、外股着座であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチェーン伝動機構。
【請求項7】
前記駆動スプロケットまたは従動スプロケットの他方のスプロケットと前記サイレントチェーンとの噛合・着座の態様が、外股噛合外股着座であることを特徴とする請求項6に記載のチェーン伝動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動スプロケットと、従動スプロケットと、駆動スプロケット及び従動スプロケットに掛け回されるサイレントチェーンとを有するチェーン伝動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チェーン伝動機構として、駆動スプロケットと、従動スプロケットと、駆動スプロケット及び従動スプロケットに掛け回されるサイレントチェーンを用いたものは周知であり、駆動力の伝達、回転タイミングの同期、回転数やトルクの変更等の用途で広く用いられている。
サイレントチェーンは、一般的に、一対の歯部及び一対のピン孔を有する多数のリンクプレートを各ピン孔内に挿入した連結ピンで屈曲可能に連結することにより構成されており、チェーン伝動機構は、複数のスプロケット無端状に掛け回され、リンクプレートの歯部がスプロケットの歯に噛み合うことで回転を伝達するように構成されている。
【0003】
このようなチェーン伝動機構において、サイレントチェーンの各リンクプレートがフリースパンからスプロケットに進入する際、まず、リンクプレートの歯部がスプロケットの歯に当接して噛み合い、サイレントチェーンが掛け回され屈曲して着座するという動作が発生し、回転中は各リンクプレートが全てこの動作を行うため、高速に周期的に繰り返されることとなり、この噛合・着座時に発生する騒音を少なくすることが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1、特許文献2等で公知のチェーン伝動機構では、サイレントチェーンのリンクプレートを、一対の歯のピッチが異なるものを不規則に混在させることで、噛合・着座のタイミングを不規則化して騒音を低減している。
特許文献3等で公知のチェーン伝動機構では、サイレントチェーンのリンクプレートを、スプロケット歯との噛み合い開始時におけるばね定数が異なるものを不規則に混在させることで、噛合時の衝撃を不規則化して騒音を低減している。
特許文献4等で公知のチェーン伝動機構では、サイレントチェーンの連結ピンを、ロッカーピン及びジョイントピンを組み合わせたタイプとし、異なる厚みのロッカーピン及びジョイントピンを不規則に混在させることで、噛合・着座のタイミングを不規則化して騒音を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−266131号公報
【特許文献2】特開2002−250406号公報
【特許文献3】特開2008−138789号公報
【特許文献4】特開2009−127648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの公知のチェーン伝動機構は、スプロケットとの噛合・着座時に発生する騒音を少なくすることは可能であるが、異なる形状のリンクプレートや連結ピンを準備し、不規則に配置して組み立てる必要があり、サイレントチェーンの部品点数が多くなり組立工数が増大するという課題があった。
また、リンクプレートや連結ピンの数は有限であるため一周ごとに同じパターンが発生し、チェーンの長さや回転数によって、騒音の低減に効果的な不規則に配置が異なり、大きな効果が得られない場合もあるため、適用するチェーン伝動機構の諸元に応じて異なるものとする必要があった。
さらに、複数のスプロケットに掛け回されると各スプロケットで同様のパターンの騒音が発生するため、個別のスプロケットで騒音は低減できても、チェーン伝動機構全体での騒音の低減ができない場合もあった。
また、チェーンの長さや回転数によっては、噛合・着座のタイミングを不規則化することで生じる張力変動によって、逆に騒音や振動が増加する懸念もあり、特に、大きなトルクを伝達するチェーン伝動機構では、耐久性や寿命の悪影響を及ぼす懸念もあった。
【0007】
本発明は、これらの課題を解決するものであり、簡単な構成で製造が容易であり、張力変動による騒音や振動の発生を抑制し、耐久性や寿命を維持しつつ、チェーンの長さや回転数に関わらず全体での騒音の低減が可能なチェーン伝動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るチェーン伝動機構は、駆動スプロケットと、従動スプロケットと、前記駆動スプロケット及び従動スプロケットに掛け回されるサイレントチェーンとを有するチェーン伝動機構であって、前記サイレントチェーンと駆動スプロケットとの噛合・着座の態様が、内股噛合内股着座、内股噛合外股着座または外股噛合外股着座のいずれかであり、前記サイレントチェーンと従動スプロケットとの噛合・着座の態様が、内股噛合内股着座、内股噛合外股着座または外股噛合外股着座のいずれかであり、前記駆動スプロケットにおける噛合・着座の態様と、前記従動スプロケットにおける噛合・着座の態様とが異なることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本請求項1に係るチェーン伝動機構によれば、駆動スプロケットにおける噛合・着座の態様と、従動スプロケットにおける噛合・着座の態様とが異なることにより、チェーンの長さや回転数に関わらず、各スプロケットでのサイレントチェーンとの噛合・着座のタイミングや、その際発生する音のレベルや周波数が異なることから、チェーン伝動機構全体での騒音を低減することができる。
また、スプロケットの歯の形状変更のみでサイレントチェーンと噛合・着座の態様を変化させることができることから、サイレントチェーンのリンクプレートや連結ピンに異なる形状のものを用いることなく、適用するチェーン伝動機構の諸元に応じて異なるサイレントチェーンとする必要もないため、製造の労力とコストを低減することができる。
さらに、噛合・着座の不規則化に伴う張力変動がないため、騒音や振動の発生が抑制され、耐久性や寿命が低下を防止することができる。
【0010】
本請求項2に記載の構成によれば、駆動スプロケットの歯のピッチ円半径と従動スプロケットの歯のピッチ円半径の、それぞれの標準ピッチ円半径との寸法差が、互いに異なるように形成されていることにより、例えば、工具の追い込み量を変化させる等の簡単な作業によって、スプロケットの製造諸元を変更して、サイレントチェーンを変更することなく容易に噛合・着座の態様を異なるものとすることができ、チェーン伝動機構全体として製造の労力とコストを低減することができる。
本請求項3に記載の構成によれば、駆動スプロケットの歯と従動スプロケットの歯の前記サイレントチェーンと噛合・着座する歯面部分の角度が、互いに異なる角度に形成されていることにより、スプロケットの製造諸元を変更するだけで、サイレントチェーンを変更することなく容易に噛合・着座の態様を異なるものとすることができ、さらにチェーン伝動機構全体として製造の労力とコストを低減することができる。
【0011】
本請求項4に記載の構成によれば、駆動スプロケットの歯数が、従動スプロケットの歯数と同一であり、一方のスプロケットとサイレントチェーンとの噛合の形態が、内股噛合であり、他方のスプロケットとサイレントチェーンとの噛合の形態が、外股着座であることにより、歯数が同一のスプロケットを使用する際に、回転疲労強度を低下させることなく耐久性や寿命を維持しつつ、張力変動による騒音や振動の発生を抑制し、全体での騒音の低減が可能となる。
本請求項5に記載の構成によれば、駆動スプロケット及び従動スプロケットと前記サイレントチェーンとの着座の態様が、外股着座であることにより、歯数が同一のスプロケットを使用する際に、回転疲労強度を向上し耐久性を高め寿命を伸ばすことが可能となる。
【0012】
本請求項6に記載の構成によれば、駆動スプロケットまたは従動スプロケットの一方のスプロケットの歯数が、他方のスプロケットの歯数より多く、駆動スプロケットまたは従動スプロケットの他方のスプロケットとサイレントチェーンとの着座の態様が、外股着座であることにより、歯数の異なるスプロケットを使用する際に、回転疲労強度を低下させることなく耐久性や寿命を維持しつつ、張力変動による騒音や振動の発生を抑制し、全体での騒音の低減が可能となる。
本請求項7に記載の構成によれば、駆動スプロケットまたは従動スプロケットの他方のスプロケットとサイレントチェーンとの噛合・着座の態様が、外股噛合外股着座であることにより、歯数の異なるスプロケットを使用する際に、回転疲労強度を向上し耐久性を高め寿命を伸ばすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】サイレントチェーンとスプロケットの噛合の態様の説明図。
図2】サイレントチェーンとスプロケットの着座の態様の説明図。
図3】歯数が同一の場合の噛合・着座の態様と回転疲労強度、騒音レベルの評価表。
図4】歯数が異なる場合の噛合・着座の態様と回転疲労強度、騒音レベルの評価表。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のチェーン伝動機構は、駆動スプロケットと、従動スプロケットと、前記駆動スプロケット及び従動スプロケットに掛け回されるサイレントチェーンとを有するチェーン伝動機構であって、前記サイレントチェーンと駆動スプロケットとの噛合・着座の態様が、内股噛合内股着座、内股噛合外股着座または外股噛合外股着座のいずれかであり、前記サイレントチェーンと従動スプロケットとの噛合・着座の態様が、内股噛合内股着座、内股噛合外股着座または外股噛合外股着座のいずれかであり、前記駆動スプロケットにおける噛合・着座の態様と、前記従動スプロケットにおける噛合・着座の態様とが異なり、簡単な構成で製造が容易であり、張力変動による騒音や振動の発生を抑制し、耐久性や寿命を維持しつつ、チェーンの長さや回転数に関わらず全体での騒音の低減が可能なものであれば、その具体的な構成はいかなるものであってもよい。
【0015】
サイレントチェーンを有するチェーン伝動機構において、サイレントチェーンがスプロケットに進入する際の噛合の態様は、図1aに示すように、リンクプレート10の外股12が最初にスプロケット20の歯21に噛合点Kで当接する外股噛合と、図1bに示すように、リンクプレート10の内股11が最初にスプロケット20の歯21に噛合点Kで当接する内股噛合の2通りの態様がある。
また、サイレントチェーンがスプロケットに掛け回された際の着座の態様も、図2aに示すように、リンクプレート10の外股12がスプロケット20の歯21に着座点Zで着座する外股着座と、図2bに示すように、リンクプレート10の内股11がスプロケット20の歯21に着座点Zで着座する内股着座の2通りの態様がある。
すなわち、サイレントチェーンがスプロケットに掛け回された際の噛合・着座の態様は、内股噛合内股着座、内股噛合外股着座、外股噛合内股着座または外股噛合外股着座の4通りの態様がある。
【0016】
一般的に、内股噛合は外股噛合に比べ、騒音の低減に有利であるが耐久性や寿命に影響する回転疲労強度で不利であり、内股着座は外股着座に比べ、騒音の低減に有利であるが回転疲労強度で不利となる。
また、内股着座は外股着座と比べ着座時の安定性が低く、振動の低減に不利である。
そこで、駆動スプロケット及び従動スプロケットともに同じ噛合・着座の態様となるように設計される従来のチェーン伝動機構では、内股噛合外股着座の態様を採用するのが一般的であり、特に駆動力が小さく回転疲労強度の低下が問題とならない場合には、内股噛合内股着座として騒音を低減させ、駆動力が大きく回転疲労強度を大きくしたい場合には、外股噛合、外股着座として騒音の増加は甘受してきた。
【0017】
本発明のチェーン伝動装置では、駆動スプロケットにおける噛合・着座の態様と、従動スプロケットにおける噛合・着座の態様とを異なるものとすることで、張力変動による騒音や振動の発生を抑制し、耐久性や寿命を維持しつつ、チェーンの長さや回転数に関わらず全体での騒音の低減を図っている。
【実施例】
【0018】
以下に、様々な噛合・着座の態様における、回転疲労強度及びNV(騒音レベル)について説明する。
駆動スプロケット及び従動スプロケットの歯数が同一で、かつ、同一の歯型を有する場合、噛合・着座の態様は駆動スプロケット及び従動スプロケットで同一となる。
例えば、図3のS2の例に示すように、一般的に採用される内股噛合外股着座の態様での、回転疲労強度及びNVを一応の実用ラインとして評価した場合、S1の例で示すように、内股噛合内股着座の態様とすると、歯荷重が小さくなって騒音レベルが小さくなるものの、プレートの最も弱い部分スプロケットの歯が当たるため、回転疲労強度が低く実用レベルで問題が生じる。
逆に、S3の例で示すように、外股噛合外股着座の態様では、回転疲労強度は向上するものの、騒音レベルが高く実用レベルで問題が生じる。
【0019】
そこで、本発明では、駆動スプロケット及び従動スプロケットの歯数を同一としつつ、異なる歯型とすることで、噛合・着座の態様を駆動スプロケット及び従動スプロケットで異なるものとしている。
噛合・着座の態様の異なるスプロケットは、例えば、製造時の追い込み量を異ならせることで、同一の製造装置で噛合・着座の態様の異なるものを製造することができる。
また、スプロケットの圧力角を異なるものとしてもよい。
従動スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とし、駆動スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とした場合、図3の1に示すように、回転疲労強度は実用レベルを維持しつつ、騒音レベルが小さくなる。
【0020】
従動スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とし、駆動スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とした場合、図3の2に示すように、1と同様に、回転疲労強度は実用レベルを維持しつつ、騒音レベルが小さくなる。
従動スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とし、駆動スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とした場合、図3の3に示すように、回転疲労強度が向上し、騒音レベルも小さくなる。
これらの実施形態において、1の従動スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とし、駆動スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とした場合が最も騒音レベルが低く、3の従動スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とし、駆動スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とした場合が最も回転疲労強度が向上した。
【0021】
噛合・着座の態様の異なるスプロケットは、駆動スプロケット及び従動スプロケットの歯数を異なるものとすることで得てもよい。
その際には、小歯数のスプロケットにおける着座の態様が、外股着座であることが望ましい。
例えば、小歯数スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とした場合、図4のS4に示すように、騒音レベルは小さくなるものの、回転疲労強度がやや低下する。
また、小歯数スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とした場合、図4のS5に示すように、S4と同様に、騒音レベルは小さくなるものの、回転疲労強度がやや低下する。
【0022】
これに対し、小歯数スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とした場合、図4の4に示すように、回転疲労強度は実用レベルを維持しつつ、騒音レベルが小さくなる。
また、小歯数スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とした場合、図4の5に示すように、4と同様に、回転疲労強度は実用レベルを維持しつつ、騒音レベルが小さくなる。
さらに、小歯数スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とした場合、図4の6に示すように、回転疲労強度が向上し、騒音レベルも小さくなる。
また、小歯数スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とした場合、図4の7に示すように、6と同様、回転疲労強度が向上し、騒音レベルも小さくなる。
なお、駆動スプロケット及び従動スプロケットの歯数を異なるものとした実施形態では、5の小歯数スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは内股噛合内股着座の態様とした場合が最も騒音レベルが低く、7の小歯数スプロケットとは外股噛合外股着座の態様とし、大歯数スプロケットとは内股噛合外股着座の態様とした場合が最も回転疲労強度が向上した。
【符号の説明】
【0023】
10 ・・・ リンクプレート
11 ・・・ 内股
12 ・・・ 外股
20 ・・・ スプロケット
21 ・・・ 歯
K ・・・ 噛合箇所
Z ・・・ 着座箇所
図1
図2
図3
図4