特許第6773983号(P6773983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773983
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】装置、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20201012BHJP
   G06F 3/0487 20130101ALI20201012BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
   G06F3/0487
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-203893(P2018-203893)
(22)【出願日】2018年10月30日
(62)【分割の表示】特願2014-152271(P2014-152271)の分割
【原出願日】2014年7月25日
(65)【公開番号】特開2019-18581(P2019-18581A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】浦山 聡
【審査官】 木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−006552(JP,A)
【文献】 特開2007−249466(JP,A)
【文献】 特開2011−123763(JP,A)
【文献】 特開2012−203671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0487
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の機能の実行指示を受付ける表示部を備えた装置であって、
操作者の視線を検出する視線検出手段と、
装置のそれぞれの機構に関する操作状態を検知する検知手段と、
前記検知手段により当該機構に操作がなされている状態であり、前記視線検出手段により操作者の視線が前記表示部に向けられていない場合、前記機能の実行を抑止するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検知手段により当該機構に操作がなされていない状態であり、前記視線検出手段により操作者の視線が前記表示部に向けられている場合、前記機能を実行するように制御することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記視線検出手段により操作者の視線が所定期間検出されない場合、当該装置の利用を抑止するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記操作者を特定する特定手段を備え、
前記制御手段は、前記検知手段により当該機構に操作がなされている状態であり、前記特定手段により特定される操作者の視線が前記表示部へ向けられている場合、前記機能を実行するように制御することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検知手段により当該機構に操作がなされていない状態であり、前記特定手段により特定される操作者の視線が前記表示部の所定領域へ向けられていない場合、前記機能の実行を抑止するように制御することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記検知手段により当該機構に操作がなされていない状態であり、前記特定手段により特定される操作者と異なる操作者の視線が前記表示部の所定領域へ向けられている場合、前記機能を実行するように制御することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記特定手段により特定される操作者に応じて、前記異なる操作者が実行することができる機能と実行が抑止される機能とを制御することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
装置の機能の実行指示を受付ける表示部を備えた装置の制御方法であって、
前記装置は、
操作者の視線を検出する視線検出ステップと、
装置のそれぞれの機構に関する操作状態を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより当該機構に操作がなされている状態であり、前記視線検出ステップにより操作者の視線が前記表示部に向けられていない場合、前記機能の実行を抑止するように制御する制御ステップと、
を実行することを特徴とする装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、
操作者の視線を検出する視線検出手段と、
装置のそれぞれの機構に関する操作状態を検知する検知手段と、
前記検知手段により当該機構に操作がなされている状態であり、前記視線検出手段により操作者の視線が、装置の機能の実行指示を受付ける表示部に向けられていない場合、前記機能の実行を抑止するように制御する制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが、画像処理装置に備えたタッチパネル形式の表示部に対して操作を制御する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、ユーザが、画像形成装置に備えたタッチパネル形式の表示部に対して、指などで触れて指示入力を行うことによって、当該画像形成装置に所定の動作を行わせることが行われている。
【0003】
しかしながら、ユーザは、余所見などを行っているときに、誤って表示部へ触れることによって、予期せぬ動作をさせてしまうケースが存在する。
【0004】
そこで、ユーザの視線が、当該ユーザの利用している機器の表示部へ向かっているときに限り、その表示部に対して、タッチ操作を可能とさせ、視線が機器の表示部へ向かっていない場合、表示部に対して操作ができないようにロックをかける技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−203671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザが、画像処理装置に対してログインした後、当該画像形成装置において、そのユーザのみが操作可能な機能やデータが表示されるような構成において、このユーザがログインした状態で、他のユーザが画像形成装置の表示部へ視線を向けて操作を行うと、真にログインしているユーザの操作権限などを奪ってしまう、という問題が生じうる。
【0007】
あるいは、ユーザは、画像形成装置の表示部に対して、視線をそらすことなく、操作を行う必要に迫られることもあり、ユーザが、表示部に表示された操作機能などの位置を覚えているような場合、少々、視線を表示部から逸らした状態で、操作を行うようなケースも想定されるが(ブラインドタッチなどの操作)、このようなケースでは、表示部がロックされ、ユーザにとって操作性の乏しいものとなってしまう。
【0008】
そこで、本発明では、操作者が装置を操作するにあたり、当該装置を誤って使用することを抑止することができる仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための第1の発明は、装置の機能の実行指示を受付ける表示部を備えた装置であって、操作者の視線を検出する視線検出手段と、装置のそれぞれの機構に関する操作状態を検知する検知手段と、前記検知手段により当該機構に操作がなされている状態であり、前記視線検出手段により操作者の視線が前記表示部に向けられていない場合、前記機能の実行を抑止するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための第2の発明は、装置の機能の実行指示を受付ける表示部を備えた装置の制御方法であって、前記装置は、操作者の視線を検出する視線検出ステップと、装置のそれぞれの機構に関する操作状態を検知する検知ステップと、前記検知ステップにより当該機構に操作がなされている状態であり、前記視線検出ステップにより操作者の視線が前記表示部に向けられていない場合、前記機能の実行を抑止するように制御する制御ステップと、を実行することを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための第3の発明は、コンピュータを、操作者の視線を検出する視線検出手段と、装置のそれぞれの機構に関する操作状態を検知する検知手段と、前記検知手段により当該機構に操作がなされている状態であり、前記視線検出手段により操作者の視線が、装置の機能の実行指示を受付ける表示部に向けられていない場合、前記機能の実行を抑止するように制御する制御手段と、して機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作者が装置を操作するにあたり、当該装置を誤って使用することを抑止することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態における画像処理システムの概略構成を示す構成図である。
図2】本発明の実施形態における画像処理装置のハードウェアの概略構成を示す構成図である。
図3】本発明の実施形態における画像処理装置の機能の構成を示す構成図である。
図4】本発明の実施形態におけるイベントに関する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態におけるログインしたユーザの顔に関する情報(画像データ)を保存する処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施系におけるログアウトの処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態におけるテーブルの構成を示す構成図である。
図8】本発明の実施形態における画面の構成を示す構成図である。
図9】本発明の実施形態における画面の構成を示す構成図である。
図10】本発明の実施形態における画面の構成を示す構成図である。
図11】本発明の実施形態における画面の構成を示す構成図である。
図12】本発明の実施形態における画面の構成を示す構成図である。
図13】本発明の実施形態における画面の構成を示す構成図である。
図14】本発明の実施形態における画面の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態における画像処理システムの構成を示す図である。
画像処理システム100は、印刷、ファクシミリ送信、コピーなどの複合的な機能を備えた画像処理装置101、印刷指示を受け付けたことにより生成した印刷ジョブを用いて、画像処理装置101に対して当該印刷ジョブの出力指示などを行うクライアント端末102と、がネットワーク103を介して接続された構成を備えている。
【0016】
また、この画像処理システムにおいては、ユーザは、クライアント端末102において、印刷指示を行った後、画像処理装置101へ向かい、画像処理装置101に対して、ユーザが所持するユーザ情報やパスワードを入力することで、認証を行った後、認証されればログインを行い(不図示の認証用サーバを用いて、ユーザに対してログインを行わせても良い)、その後、ログインを行ったユーザのみが利用できる機能やデータを画像処理装置101に表示する構成をとっても良い。
【0017】
図2は、図1に示した画像処理装置101のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図2において、216はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部214や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部212と接続する一方、LAN(例えば、図1に示した無線LAN106)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0019】
コントローラユニット216において、201はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。
【0020】
202はRAMで、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0021】
203はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。
【0022】
204はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0023】
207は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード)208とのインタフェース部である。また、操作部I/F207は、操作部208から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU201に伝える役割をする。
【0024】
205はネットワークインタフェース(Network I/F)で、無線LAN106に接続し、データの入出力を行う。206はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。尚、無線LANユニット104については、ネットワークインタフェース205を含む構成を示している。
【0025】
218は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ219が外部I/F218に接続されている。
【0026】
そして、CPU201は、この外部I/F218を介してカードリーダ219による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス209上に配置される。尚、ICカードは携帯端末に付帯せず、独立したカード単体のものを用いても良い。
【0027】
220はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス209と画像データを高速で転送する画像バス215とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0028】
画像バス215は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス215上には以下のデバイスが配置される。
【0029】
210はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。211はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部212とコントローラユニット216を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、213はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部214とコントローラユニット216を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0030】
217は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部217は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0031】
スキャナ部214は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部208から読み取り起動指示することにより、CPU201がスキャナ部214に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0032】
プリンタ部212は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。
【0033】
プリント動作の起動は、CPU201からの指示によって開始する。なお、プリンタ部212には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0034】
操作部208は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F207を介してCPU201に伝える。また、操作部208は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0035】
尚、表示部は、画像処理装置によって表示性能がことなり、タッチパネルを介して操作をできる画像処理装置、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけの画像処理装置によって本発明は構成されている。
【0036】
ここで、操作部208のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。
【0037】
また、操作部208のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部208のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0038】
カードリーダ219は、CPU201からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F218を介してCPU201へ通知する。
【0039】
以上のような構成によって、画像処理装置101は、スキャナ部214から読み込んだ画像データを無線LAN106上に送信したり、無線LAN106から受信した印刷データをプリンタ部212により印刷出力することができる。
【0040】
また、スキャナ部214から読み込んだ画像データをモデム206により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部212により出力することできる。
【0041】
視線センサ221は、ユーザの視線を検出するカメラ等の機能を備え、例えば、ユーザの瞳孔の位置に基づいて視線を検出し、視線センサI/F222を介して、検出した視線に関する情報をCPU201へ出力する。また、当該カメラ等の機能によって、ユーザの顔に関する情報を取得して、HDD204へ記憶することも可能である。
次に、図3に示す構成図を用いて、画像処理装置101の機能構成を説明する。
【0042】
視線検出部301は、視線センサ221において検出した視線に関する情報を視線センサI/F222を介して、制御部302へ出力する。
【0043】
制御部302は、イベント生成部303を備え、イベント生成部303は、視線検出部301において出力された視線に関する情報を受け取る。
【0044】
タッチパネル304は、操作部208に備えられ、押下検出部305及び表示部306を備えており、押下検出部305は、ユーザによって、指などでタッチパネル304に触れられたことを検出すると、タッチパネル304によって定められた座標系における接触位置に関する座標を求め、制御部302へ出力する。
【0045】
そして、制御部302のイベント生成部303では、タッチパネル304によって定められた座標系における、タッチパネル304に対する、視線検出部301から受け取った視線に関する情報から定まる視線の位置座標を求める。
【0046】
状態検出部307は、画像処理装置101における状態を検出する機能を備え、例えば、画像処理装置に備えられた本体カバーや圧板カバーの開閉状態などを検出し、その結果を制御部302へ出力する。
【0047】
制御部302は、視線検出部301で撮影して得られたユーザの顔に関する情報を、当該ユーザが画像処理装置に対してログインした際に、画像記憶部308へ、この顔に関する情報(画像データ)を記憶する。
【0048】
また、制御部302は、画像比較部309を備え、画像比較部309では、ログインしているユーザの顔に関する情報を画像記憶部308から取得し、今時点で、視線を向けているユーザの顔に関する情報(画像データ)を比較することで認証を行う。
【0049】
制御部302のイベント生成部303では、視線の位置から、所定の範囲内の領域(例えば、視線の位置から所定半径以内)を定め、この領域に接触位置が含まれる場合、その接触位置に関してのイベントに関する情報を生成する。
【0050】
また、更に、画像比較部309で得られた認証結果によって、ログインしているユーザと視線を向けているユーザとが、一致した場合あるいは一致しない場合を識別して、その旨を示すイベントに関する情報を生成しても良い。
【0051】
更に、状態検出部307によって画像処理装置101における状態を検出し、例えば、圧板カバーが開いている状態であることを検出しているようであれば、その旨を示すイベントに関する情報を生成しない構成をとることも可能である。
【0052】
これは、ユーザが、圧板カバーを開いているということは、タッチパネル304に対して、無意識的に触れられたことが想定されることから、誤操作を抑止するためである。
【0053】
制御部302は、これらのイベントに関する情報に基づいて、表示部306へ表示する内容に関して制御を行う。
【0054】
視線監視部310は、視線検出部301において検出される視線が、タッチパネル304上にあるか否かの判定を定期的に行い、視線が一定期間なければ、ログアウトの処理を行う。
【0055】
尚、各機能における詳細な処理については、以後のフローチャートを用いて説明する。
【0056】
図4に示すフローチャートは、イベントに関する情報を生成する処理を示している。
【0057】
尚、本処理では、後述するログイン処理が行われ、表示部306には、図8に示すメニュー画面が表示されているものとする。
【0058】
ステップS101では、押下検出部305において、タッチパネル304に対して押下されたか否かを判定し、押下されたと判定した場合、ステップS102へ処理を進め、ステップS102では、制御部302において、状態検出部307によって検出された画像処理装置101の状態によって、操作中であるか否かを判定し、操作中であると判定した場合は、ステップS103へ処理を進め、操作中であると判定しない場合は、ステップS109へ処理を進める。
【0059】
この操作中であるか否かの判定は、図7の上段に示す状態テーブルに記憶された情報に基づいて判定を行う。この状態テーブルは、画像処理装置101に備えられた各機構の状態に関する情報を記憶するものであり、例えば、本体の右に位置するデッキ、本体の左に位置するデッキ、本体のカセット1、本体のカセット2、本体のカバー、あるいは本体の圧板カバーなどの各機構の開閉状態に関する情報を記憶しておく。尚、これらの情報は、状態検出部307によって、適宜、検出された結果がこのテーブルへ記憶される。
【0060】
つまり、本ステップでは、このテーブルに記憶された機構に関する状態のうち、開いている状態に関する情報が記憶されていれば、操作中と判定し、全ての機構に関する状態が、閉まっている状態に関する情報が記憶されていれば、操作中でないと判定する。
【0061】
ステップS103では、イベント生成部303において、視線の領域を求め、ステップS104では、イベント生成部303において、押下検出部305において検出された接触位置が、ステップS103で求めた視線の領域に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合、ステップS105へ処理を進め、含まれると判定しない場合、ステップS101へ処理を進める。
【0062】
ステップS105では、制御部302において、視線検出部301で検出されたユーザの顔に関する情報を取得し、ステップS106では、制御部302において、画像記憶部308において記憶したログインしたユーザの顔に関する情報を取得する。
【0063】
ステップS107では、画像比較部309において、ステップS105において取得したユーザの顔に関する情報と、ステップS106において取得したログインしたユーザの顔に関する情報と、を比較し、同じユーザであるか否かを判定し、同じユーザであると判定した場合、ステップS108へ処理を進め、同じユーザであると判定しない場合、ステップS101へ処理を進める。
【0064】
ステップS108では、イベント生成部303において、接触位置において、押下されたことを示す押下イベントに関する情報を生成する。
【0065】
ステップS107を経由したステップS108までの処理においては、図9に示すように、ログインしたユーザの視線の領域が、破線で示される楕円内を示しており、接触位置に設定/登録のショートカットのボタンが配置されており、この設定/登録のショートカットのボタンに対して押下されたという押下イベントに関する情報を生成する。つまり、設定/登録のショートカットのボタンを押下できるように制御している。
【0066】
一方、ステップS107で、ログインしたユーザ以外のユーザの視線がタッチパネル304上に存在する場合は、図10に示すように、表示部306に表示されたボタンを押下させない態様をとる。
【0067】
ステップS109では、イベント生成部303において、視線の領域を求め、ステップS110では、イベント生成部303において、ステップS109で求めた視線の領域が、タッチパネル304上に存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合、ステップS111へ処理を進め、存在すると判定しない場合、ステップS101へ処理を進める。
【0068】
但し、視線の領域を用いずに、視線検出部301で検出する視線の位置が、タッチパネル304上に存在するか否かによって判定しても良い。
【0069】
ステップS111では、制御部302において、視線検出部301で検出されたユーザの顔に関する情報を取得し、ステップS112では、制御部302において、画像記憶部308において記憶したログインしたユーザの顔に関する情報を取得する。
【0070】
ステップS113では、画像比較部309において、ステップS111において取得したユーザの顔に関する情報と、ステップS112において取得したログインしたユーザの顔に関する情報と、を比較し、同じユーザであるか否かを判定し、同じユーザであると判定した場合、ステップS108へ処理を進め、同じユーザであると判定しない場合、ステップS114へ処理を進める。
【0071】
ステップS109からステップS113を経由して(ステップS114を経由せず)、ステップS108までの処理においては、図11に示すように、ログインしたユーザの視線が、タッチパネル304上に存在すれば、接触位置に配置された設定/登録のショートカットのボタンに対して押下されたという押下イベントに関する情報を生成する。つまり、設定/登録のショートカットのボタンを押下できるように制御している。
【0072】
この場合、視線の領域に接触位置が存在しなくてもよい態様をとるが、視線の領域に接触位置が含まれるような判定を行っても良い。
【0073】
一方、視線がタッチパネル304上にない場合(ステップS110)、図12に示すように、表示部306に表示された設定/登録のショートカットのボタンを押下させない態様をとる。
【0074】
更に、ログインしたユーザと異なるユーザの視線が、タッチパネル304上に存在する場合(ステップS113)、図13に示すように、接触位置に配置された個人設定のボタンを押下させない態様をとる。
【0075】
ステップS114では、イベント生成部303において、視線を向けているユーザが、接触位置に位置するボタンを押下することが可能か否かを判定し、押下することが可能と判定した場合、ステップS108へ処理を進め、押下することが可能と判定しない場合、ステップS101へ処理を進める。
【0076】
本ステップにおける判定方法としては、図7の下段に示すボタン情報テーブルに記憶された情報にと基づいて判定を行う。
【0077】
このボタン情報テーブルは、タッチパネル304の座標系におけるボタンの配置に関する情報を記憶するテーブルであり、タッチパネル304の座標系にボタンの位置座標を示す配置座標、ボタンを一意に識別するためのボタンID、当該ボタンがログインしたユーザのみで利用か否かを示すフラグを記憶するパーソナライズボタン判定フラグを備えている。
【0078】
また、ボタン情報テーブルは、当該ボタンがログインしたユーザのみに利用させる場合(パーソナライズボタン判定フラグがONの場合)、他のユーザが押下した際に、そのユーザに対して、当該ボタンを利用させるか否かを判定するための利用可能ユーザ権限を備えている。
【0079】
利用可能ユーザ権限の例としては、AdministratorやGuest Userなどの権限を示す情報が記憶されており、Administrator以外の情報が記憶されていた場合、任意のユーザでも利用可能なボタンとして定められる。
【0080】
つまり、ステップS114では、視線を向けているユーザが、ログインしたユーザではないため、接触位置に位置するボタンが、パーソナライズボタン判定フラグがOFFとなっているボタンであり、さらに、視線を向けているユーザが、利用可能ユーザ権限に該当するボタンであれば、ステップS108へ処理を進める。
【0081】
この例として、図14に示すように、ログインしたユーザと異なるユーザの視線が、タッチパネル304上に存在し、接触位置に配置されたリモートスキャナーのボタンにおいて、任意ユーザであれば押下させる設定がなされていれば、リモートスキャナーのボタンに対して押下されたという押下イベントに関する情報を生成する。つまり、リモートスキャナーのボタンを押下できるように制御している。
【0082】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、ユーザがログインした時に、ログインしたユーザの顔に関する情報(画像データ)を保存する処理について説明する。
【0083】
ステップS201では、制御部302において、ユーザがログインしたか否かを判定し、ログインしたと判定した場合、ステップS202へ処理を進める。ログインについては、画像処理装置101に対して、ユーザを一意に識別する情報が記録されたICカードがカードリーダ219で読取られた際に、ログインしたと判定する。
【0084】
あるいは、不図示の認証サーバに対して、ICカードから特定されるユーザに関する情報と、操作部208に対して入力されたパスワードと、を用いて認証を行い、認証されれば、ログインしたと判定する態様でもよい。
【0085】
ステップS202では、制御部302において、視線検出部301でユーザの視線を検出したか否かを判定し、検出したと判定した場合、ステップS203へ処理を進め、ステップS203では、制御部302において、画像記憶部308に顔に関する情報(画像データ)が記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合は、処理を終了し、記憶されていないと判定した場合は、ステップS204へ処理を進める。
【0086】
ステップS204では、制御部302において、視線検出部301において取得した顔に関する情報(画像データ)を画像記憶部308へ記憶する。
【0087】
そして、ログインが終了すると、表示部306に対して、図8に示すようなメニュー画面が表示される。
【0088】
次に、図6に示すフローチャートを用いて、ユーザの視線が外れた時に、ログアウトを行う処理について説明する。
【0089】
ステップS301では、制御部302において、ログインしたユーザの顔に関する情報が画像記憶部308に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合は、ステップS302へ処理を進める。
【0090】
ステップS302では、視線監視部310において、定期的に、視線検出部301において視線の検出を監視し、ステップS303では、視線監視部310において、所定時間、視線が検出できていないと判定した場合、ステップS304へ処理を進め、検出できたと判定した場合、ステップS302へ処理を進める。
【0091】
ステップS304では、状態検出部307において、画像処理装置101の状態を確認するために、状態テーブルに記憶された情報を取得し、ステップS305において、制御部302において、画像処理装置101が操作中であるか否かを判定し、操作中であると判定した場合、ステップS302へ処理を進め、操作中であると判定しない場合、ステップS306へ処理を進める。尚、操作中であるか否かの判定方法は、前述したとおりであるので説明を省略する。
【0092】
ステップS306では、制御部302において、画像記憶部308に記憶されている顔に関する情報を削除し、ステップS307では、制御部302において、ログアウトの処理を行う。
【0093】
以上、本発明の実施形態によれば、ユーザが画像処理装置の表示部に対して操作指示を行うにあたり、当該ユーザの表示部に対する視線と、ユーザが画像処理装置の操作に係る情報とを利用して、表示部に対する表示制御を行うことで、ユーザの誤操作を抑止すると共に、ユーザにとって柔軟性の高い表示制御を行うことができる。
【0094】
以上、各実施形態例の説明をしたが、本発明は、例えば、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である
【0095】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは画像処理装置に供給し、そのシステムあるいは画像処理装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0096】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規の機能を実現することになる。
【0097】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることができる。
【0098】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0099】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】
また、本発明は、複数の画像処理装置から構成されるシステムに適用しても、1つの複合機からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。
【0101】
この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体をシステムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0102】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0103】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0104】
100 画像処理システム
101 画像処理装置
102 クライアント端末
103 ネットワーク
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 HDD
205 ネットワークインタフェース
206 MDEM
207 操作部I/F
208 操作部
209 システムバス
210 RIP
211 プリンタI/F
212 プリンタ部
213 スキャナI/F
214 スキャナ部
215 画像バス
216 コントローラユニット
217 画像処理部
218 外部I/F
219 カードリーダ
220 イメージバスインタフェース
221 視線センサ
222 視線I/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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