(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一の制御処理部は、前記記憶部を参照して、実際に適用されたアップデートパッチファイルの情報に対応する前記アップデートパッチファイルを用いて前記アップデート処理を行う、
請求項3記載の情報処理装置。
前記所定の一つの前記制御処理部は、自己のアップデート処理の完了後であって、前記情報処理部が前記情報処理を構成するタスクを実行していない期間中に、前記他の制御処理部の制御動作下から自己の制御動作下で前記情報処理を行うように順次切り替える、
請求項5記載の情報処理装置。
互換して制御動作が可能な複数の制御処理部と、前記複数の制御処理部により共用されるインタフェース部を介していずれかの前記制御処理部の制御下で各種の情報処理を行う複数の情報処理部と、を備えた情報処理装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記情報処理部を制御している前記一の制御処理部の制御動作を他の制御処理部が行うように切り替えるに先だって、タスクスケジュール、各種設定及びアプリケーション導入状態を前記一の制御処理部と同一とすることにより、前記他の制御処理部を前記一の制御処理部と同一の制御動作が可能な複製として構築する手段と、
前記情報処理部が前記情報処理を構成するタスクを実行していない期間中に、前記他の制御処理部の制御動作下で前記情報処理を行うように順次切り替える手段と、
して機能させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本中継装置および情報処理システムに係る実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能等を含むことができる。
【0020】
図1は、実施形態の情報処理装置の概要構成ブロック図である。
情報処理装置10は、大別すると、MPU11、メモリモジュール12、ストレージ13、ブリッジコントローラ14、表示装置15、入力装置16、拡張ボード制御用マイコン17、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)18、拡張ボード部19及び(拡張)ボード制御用メモリ20を備えている。
【0021】
また、MPU11は、複数(
図1では4個)のCPUコア11−1〜11−4を備えている。さらにMPU11上では、主系OS(メインオペレーティングシステム)及び従系OS(サブオペレーティングシステム)がそれぞれ割り当てられて動作可能となっている。例えば、CPUコア11−1〜11−2には、主系OSがインストールされており、CPUコア11−3〜11−4には、従系OSが割り当てられている。
【0022】
メモリモジュール12は、半導体メモリとして構成され、二つのメモリバンク12−1、12−2を有しており、第1のメモリバンク(図中、バンク0と表記)12−1は、主系OSに割り当てられており、第2のメモリバンク(図中、バンク1と表記)12−2は、従系OSに割り当てられている。
【0023】
ストレージ13は、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)などとして構成され、主系OS用の領域13−1、従系OS用の領域13−2並びに主系OS及び従系OSで共通に利用される共通領域を備えている。
【0024】
ブリッジコントローラ14は、例えば、PCI−eブリッジコントローラとして構成されており、MPU11の制御下で拡張ボード部19との間の各種通信制御を行う。
表示装置15は、液晶ディスプレイ等として構成され、各種情報を表示する。
入力装置16は、キーボード、マウス、音声入力装置、各種センサ等として構成され、各種データ等の入力を行う。
【0025】
拡張ボード制御用マイコン17は、拡張ボード部19を構成しているコプロセッサを搭載した複数(
図1では、6枚)の拡張ボード19−1〜19−6の協調動作制御等の動作制御を行う。
ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)18は、図示しない通信ネットワーク(インターネット等)を介して情報処理装置10を外部サーバ25と通信可能に接続している。
【0026】
拡張ボード部19は、拡張ボード19−1〜19−6により、例えば、推論処理などの分散処理を実行する。
ボード制御用メモリ20は、拡張ボード制御用マイコン17が拡張ボード部19の動作制御に用いる各種データを格納する。
【0027】
次に実施形態の動作について、主系システム11M及び従系システム11Sにおいてオペレーティングシステムのアップデート時の動作を例として説明する。
本実施形態においては、主系及び従系のうち、主系システム11M(主系OS側)は、通常時に稼働して通常処理を行っており、従系システム11S(従系OS側)は、待機状態にあり、処理は行っていないので、主系システム11Mにおいてアプリケーションの更新や、レジストリ設定、各種設定などの変更がなされても、従系システム11Sにおいては、それらの変更が当該変更時点では適用されないものとして説明する。
【0028】
図2は、主系システム11M(主系OS)側のメンテナンス時の処理フローチャートである。
まず主系システム11M(CPUコア11−1、11−2側)は、主系のレジストリ設定を従系OS側に通知し、従系システム11S(従系OS)のレジストリ設定として適用する(ステップS11)。
【0029】
次に主系システム11Mは、ネットワークインタフェースコントローラ18及び図示しない通信ネットワークを介してOSのアップデートを管理している外部サーバ25に対し、アップデート(の有無)の確認を行う(ステップS12)。
【0030】
ステップS12の確認において、アップデートが無い場合には、主系システム11Mによる通常処理を継続し(ステップS13)、処理を再びステップS12に移行して処理を繰り返す。
【0031】
ステップS12の確認において、アップデートが有る場合には、OSのアップデートを管理している外部サーバ25から図示しない通信ネットワーク及びネットワークインタフェースコントローラ18を介してアップデートファイルを受信し、ストレージ13の共通領域13−3に格納する(ステップS14)。
【0032】
次に主系システム11Mは、主系システム11M及び従系システム11Sに対するアップデートの適用状況を判定する(ステップS15)。
本実施形態においては、主系システム11MのOSのアップデートを行う場合には、これに先だって従系システム11SのOSのアップデートを行い、パッチファイルの適用可否等を判定し、従系システム11SのOSのアップデートにおいて適用されなかった(適用対象でない)パッチファイルなどについては、最初から主系システム11MのOSのアップデートには適用させない構成を採っている。
【0033】
そこで、ステップS15の判定において、従系システム11Sのアップデートが未完了である場合には(ステップS15;従系が未完了)、まず従系システム11Sに対するアップデートを適用する(ステップS16)。
【0034】
ここで、ステップS16で行われる従系システム11Sに対するアップデートについて説明する。
図3は、従系システム11S(従系OS)側のメンテナンス時の処理フローチャートである。
従系システム11Sは、ストレージ13の共通領域13−3からアップデートファイルを受信する(ステップS41)。
次にアップデート処理の開始時間(開始時刻)をストレージ13の共通領域13−3に設けられているログに記録する(ステップS42)。
続いて従系システム11Sは、主系システム11M及び従系システム11Sに対するアップデートの適用状況を判定する(ステップS43)。
ステップS43の判定において、従系システム11Sのアップデートが未完了である場合には(ステップS43;従系が未完了)、まず従系システム11Sに対するアップデートを実際に適用する(ステップS44)。すなわち、従系システム11Sに対するアップデート処理を実行して従系システム11S(従系OS)のアップデートを行う。
【0035】
次に従系システム11Sにおいて、受信したアップデートファイルのうち、実際に当該従系システム11Sに適用できたアップデートパッチファイルのみをストレージ13上で有効に設定する(ステップS45)。
【0036】
さらに従系システム11Sは、当該従系システム11Sに適用できなかったアップデートパッチファイルについては、次回のアップデート確認時に適用するものとして扱い、一旦適用済みとする(ステップS46)。
【0037】
そして、従系システム11Sは、再起動する(ステップS47)。この状態においても主系システム11Mは通常動作を継続しており、従系OS側のCPUコア11−3、11−4のみが再起動(コールドスタート)されることとなる。
【0038】
次にアップデート処理の適用時間(所要時間)をストレージ13の共通領域13−3に設けられているログに記録し(ステップS48)、再び処理をステップS43に移行して処理を継続する。
この結果、ステップS43の判定において、従系システム11Sのアップデートのみが完了である場合となるので(ステップS43;従系のみ完了)、主系システム11Mのタスク予定を読み込む(ステップS49)。
そして、従系システム11Sは、タスク予定を参照しつつ、主系の処理状況を確認する(ステップS50)。
【0039】
ステップS50の処理状況の確認において、主系システム11Mがタスク処理中であって、当該タスク処理の処理後に他のタスクスケジュールが設定されていない場合には(ステップS50;タスク処理中[処理後のタスクスケジュール無])、当該タスクスケジュールの処理が完了するまで待って(ステップS51)、処理を再びステップS50に移行して、処理状況の確認を行う。
【0040】
また、ステップS50の処理状況の確認において、主系システム11Mがタスク処理中であって、当該タスク処理の処理後に他のタスクスケジュールが設定されている場合(ステップS50;タスク処理中[処理後のタスクスケジュール有])及び、主系システム11Mが待機中であって、当該タスク処理の処理後に他のタスクスケジュールが設定されている場合には(ステップS50;待機中[処理後のタスクスケジュール有])、次のタスクスケジュール開始までの時間と従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間を比較する(ステップS52)。
【0041】
ステップS52の比較において、
従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間
>次のタスクスケジュール開始までの時間
である場合には、ブリッジコントローラ14及び拡張ボード制御用マイコン17を介して拡張ボード19−1〜19−6の待ち受け状況を判定する(ステップS53)。
【0042】
ステップS53の判定において、主系システム11M及び従系システム11Sのいずれにおいても拡張ボード19−1〜19−6の待ち受けが無い場合には(ステップS53;待受中無)、処理中のタスクの処理が完了するのを待ち(ステップS51)、再び処理をステップS50に移行する。
【0043】
ステップS53の判別において、主系システム11Mにおいて拡張ボード19−1〜19−6のいずれかの待ち受けがある場合には(ステップS53;主系で待受中有)、ブリッジコントローラ14により待機中の拡張ボードの制御系統を主系システム11Mから論理的に切り離し、従系システム11Sに付け替える(ステップS55)。
【0044】
次に主系システム11Mのその後のタスクスケジュールを従系システム11Sに付け替え(割り当て)(ステップS56)、従系システム11Sで処理を行う(ステップS57)。
そして処理を再びステップS50に移行する。
【0045】
また、ステップS53の判別において、従系システム11Sにおいて拡張ボード19−1〜19−6のいずれかの待ち受けがある場合には(ステップS53;従系で待受中有)、ブリッジコントローラ14により待機中の拡張ボードの制御系統を従系システム11Sから論理的に切り離し、主系システム11Mに付け替える(ステップS58)。
【0046】
次に従系システム11Sのその後のタスクスケジュールを主系システム11Mに付け替え(割り当て)(ステップS59)、主系システム11Mで処理を行う(ステップS60)。
そして処理を再びステップS43に移行する。
【0047】
一方、ステップS52の比較において、
従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間
<次のタスクスケジュール開始までの時間
である場合には、ネットワークインタフェースコントローラ18及び拡張ボード19−1〜19−6の制御系統を主系システム11Mから切り離し、ブリッジコントローラ14により拡張ボード19−1〜19−6の制御系統を従系システム11Sに付け替える(ステップS61)。
そして、主系システム11Mのアップデート処理と適用がなされる(ステップS62)。
ここで、再び
図2を参照して説明を行う。
この状況となると、従系システム11Sにおいて、主系システム11Mに代わって通常処理を行える状態となっている。
そしてステップS15の判定において、従系システム11Sのみアップデートが適用されている状態であるので(ステップS15;従系のみ完了)、主系システム11Mは、タスク予定の読込を行う(ステップS17)。
【0048】
次に主系システム11Mは、当該主系システム11Mの処理状況を確認する(ステップS18)。
ステップS18の処理状況確認において、主系システム11Mがタスク処理中であって、当該タスク処理の処理後に他のタスクスケジュールが設定されていない場合には(ステップS18;タスク処理中[処理後のタスクスケジュール無])、当該タスクスケジュールの処理が完了するまで待って(ステップS19)、処理を再びステップS18に移行して、処理状況の確認を行う。
【0049】
また、ステップS18の処理状況の確認において、主系システム11Mがタスク処理中であって、当該タスク処理の処理後に他のタスクスケジュールが設定されている場合(ステップS18;タスク処理中[処理後のタスクスケジュール有])及び、主系システム11Mが待機中であって、当該タスク処理の処理後に他のタスクスケジュールが設定されている場合には(ステップS18;待機中[処理後のタスクスケジュール有])、次のタスクスケジュール開始までの時間と従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間を比較する(ステップS20)。
【0050】
ステップS20の比較において、
従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間
>次のタスクスケジュール開始までの時間
である場合には、ブリッジコントローラ14及び拡張ボード制御用マイコン17を介して拡張ボード19−1〜19−6の待ち受け状況を判定する(ステップS21)。
【0051】
ステップS21の判定において、主系システム11M及び従系システム11Sのいずれにおいても拡張ボード19−1〜19−6の待ち受けが無い場合には(ステップS53;待受中無)、処理中のタスクの処理が完了するのを待ち(ステップS19)、再び処理をステップS18に移行する。
【0052】
ステップS21の判別において、主系システム11Mにおいて拡張ボード19−1〜19−6のいずれかの待ち受けがある場合には(ステップS21;主系で待受中有)、ブリッジコントローラ14により待機中の拡張ボードの制御系統を主系システム11Mから論理的に切り離し、従系システム11Sに付け替える(ステップS22)。
【0053】
次に主系システム11Mのその後のタスクスケジュールを従系システム11Sに付け替え(割り当て)(ステップS23)、従系システム11Sで処理を行う(ステップS24)。
そして処理を再びステップS18に移行する。
【0054】
また、ステップS21の判別において、従系システム11Sにおいて拡張ボード19−1〜19−6のいずれかの待ち受けがある場合には(ステップS21;従系で待受中有)、ブリッジコントローラ14により待機中の拡張ボードの制御系統を従系システム11Sから論理的に切り離し、主系システム11Mに付け替える(ステップS25)。
【0055】
次に従系システム11Sのその後のタスクスケジュールを主系システム11Mに付け替え(割り当て)(ステップS26)、主系システム11Mで処理を行う(ステップS27)。
そして処理を再びステップS15に移行する。
【0056】
一方、ステップS20の比較において、
従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間
<次のタスクスケジュール開始までの時間
である場合には、ネットワークインタフェースコントローラ18及び拡張ボード19−1〜19−6の制御系統を主系システム11Mから切り離し、ブリッジコントローラ14により拡張ボード19−1〜19−6の制御系統を従系システム11Sに付け替える(ステップS28)。
そして、ストレージ13の共通領域13−3上に格納されている従系システム11Sにおいて適用がなされたアップデートパッチファイルのみを用いて主系システム11Mのアップデート処理と適用がなされる(ステップS29)。
次に、ストレージ13の共通領域13−3上に格納されている適用済みのアップデートパッチファイルを削除する(ステップS30)。
続いて、アップデートパッチファイルの適用済みとして(ステップS)、主系システム11Mのみの再起動を行い(ステップS32)、処理をステップS20に移行する。
この状況となると、アップデート後の主系システム11Mにおいて、従系システム11Sに代わって通常処理を行える状態となっている。
そして、次のタスクスケジュール開始までの時間と従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間を比較する(ステップS20)。
【0057】
そして、ステップS20の比較において、
従系システム11Sに対するアップデートパッチの適用時間
>次のタスクスケジュール開始までの時間
となり、ステップS21の判別において、従系システム11Sにおいて拡張ボード19−1〜19−6のいずれかの待ち受けがある場合には(ステップS21;従系で待受中有)、ブリッジコントローラ14により待機中の拡張ボードの制御系統を従系システム11Sから論理的に切り離し、主系システム11Mに付け替える(ステップS25)。
【0058】
次に従系システム11Sのその後のタスクスケジュールを主系システム11Mに付け替え(割り当て)(ステップS26)、主系システム11Mで処理を行う(ステップS27)。
【0059】
そして処理を再びステップS15に移行する。
この結果、ステップS15の判定において、主系システム11M及び従系システム11Sのアップデートが適用されている状態と判定されるので(ステップS15;主系、従系共完了)、アップデート処理を完了し、メンテナンス処理を終了して、通常処理に移行する。
【0060】
以上の説明のように、本実施形態によれば、情報処理装置10のメンテナンスにおいて、OSのアップデートを行う場合に、まず、従系システム11Sにおいてのみアップデートを行い、従系システム11Sにおいてアップデートがうまくなされたアップデートパッチファイルのみを用いて主系システム11Mのアップデートを行うので、最初から主系システム11Mのアップデートを行う場合と比較して信頼性の高いアップデート処理を行えるとともに、適用できなかったアップデートパッチファイルの適用を試みる時間も削減でき、信頼性高く短時間にメンテナンス(OSアップデート)を行うことができる。
【0061】
次に情報処理装置10のメンテナンス時の各部の動作を主として説明する。
図4は、情報処理装置のメンテナンス時の各部の動作シーケンスチャート(その1)である。
図5は、情報処理装置のメンテナンス時の各部の動作シーケンスチャート(その2)である。
【0062】
まず、
図4に示すように、主系システム11Mは、処理結果を取得し(ステップS71)、ストレージ13上のログに記録している(ステップS72)。
このとき、ネットワークインタフェースコントローラ18においては、処理中の各種データのストレージ13への格納などを行っており、ネットワークインタフェースコントローラ18は、メンテナンス中であっても、既存の処理の継続が可能な限り主系システム11Mにおいて処理を継続している(ステップS73)。
【0063】
この状態でメンテナンスにおいてOSのアップデートが指示されると、従系システム11Sにおいて、当該従系システム11Sのレジストリ設定や各種設定が、主系システム11Mのレジストリ設定や各種設定と比較される(ステップS74)。
【0064】
続いて従系システム11Sは、主系システム11Mのレジストリ設定、各種設定等を参照し、当該従系システム11Sの設定を主系システム11Mの設定と同一とする(ステップS75)。
【0065】
続いて、従系システム11Sは、当該従系システム11Sに存在しないアプリケーション類の有無をアプリケーション類に対応する外部サーバ25に対して問合せ(ステップS76)、外部サーバ25は当該問合せに対して対応するアプリケーション類の格納場所を通知する(ステップS77)。
これにより、アプリケーション類に対応するデータ(アプリデータ)は、ストレージ13へ格納され、保管されることとなる(ステップS78)。
【0066】
そして、従系システム11Sは、当該従系システム11Sに導入(インストール)されていなかったアプリケーションを導入する(ステップS79)。
この段階で、従系システム11Sは、オペレーティングシステムのアップデート状態を除き、主系システムと同様の構成となっている。
【0067】
そこで、従系システム11Sは、アップデートを管理している外部サーバ25(この場合において、ステップS76における問い合わせ先の外部サーバ25とは、同一あるいは異なる装置である)に対してオペレーティングシステムのアップデートの有無の確認を行う(ステップS80)。
【0068】
これにより外部サーバ25は、オペレーティングシステムのアップデートが存在する場合には、アップデートパッチファイルの場所を通知する(ステップS81)。
これにより、オペレーティングシステムのアップデートパッチファイルは、ストレージ13へ格納され、保管されることとなる(ステップS82)。
【0069】
つづいて、従系システム11Sは、アップデートパッチファイルを適用し、アップデートを行う(ステップS83)。
そして従系システム11Sは、保管されているアップデートパッチファイルのうち、アップデートを行った際に適用できなかった(適用不能な)アップデートパッチファイルがザ温材する場合には、当該適用不能なアップデートパッチファイルの主系システム11Mへの適用の試行がなされないようにストレージ13から削除する(ステップS84)。
【0070】
続いて、従系システム11Sは、主系システム11Mにタスクスケジュール(タスク予定)を出力させ(ステップS91)、タスクスケジュールを読み込む(ステップS92)。
そして、従系システム11Sの再起動を行う(ステップS93)。
再起動後、従系システム11Sは、時刻情報を取得し、アップデートパッチファイルの適用完了までの所要時間を記録する(ステップS94)。
【0071】
そして、従系システム11Sは、主系システム11Mの処理状況を確認する(ステップS95)。
主系システム11Mの処理状況の確認は、具体的には、従系システム11Sからの追い合わせがなされると、ブリッジコントローラ14が拡張ボード制御用マイコン17に対し拡張ボードの待機状況を問い合わせる(ステップS96)。
【0072】
これにより、拡張ボード制御用マイコン17は、拡張ボード19−1〜19−6に対し、待機状況の問合せを行う(ステップS97)。
この結果、拡張ボード19−1〜19−6の図示しないネットワークインタフェースコントローラは、問合せを受けつけ、問合せの結果として拡張ボード19−1〜19−6の待機状況を拡張ボード制御用メモリ20に通知する(ステップS98)。
【0073】
拡張ボード制御用メモリ20は、通知された拡張ボード19−1〜19−6の待機状況を記録する(ステップS99)。
そして、拡張ボード制御用マイコン17は、拡張ボード制御用メモリ20を参照して、参照結果として、拡張ボード19−1〜19−6の待機状況をブリッジコントローラ14を介して従系システム11Sに通知する。
【0074】
これにより、従系システム11Sは、ブリッジコントローラ14を介して待機中の拡張ボードの主系システム11Mとのペアリングの解除(主系システム11Mからの切り離し)を拡張ボード制御用マイコン17に指示し(ステップS100)、待機中の拡張ボードを従系システム11Sにペアリングさせて付け替える(ステップS101)。
【0075】
この結果、主系システム11Mのタスクは、従系システム11Sで実行される(ステップS102)。
そして、従系システム11Sは、ストレージ13上の実際に適用したアップデートパッチファイルの格納場所を主系システム11Mに通知する(ステップS103)。
【0076】
これにより、主系システム11Mは、従系システム11Sにより実際に適用されたアップデートパッチファイルによるアップデートを適用する(ステップS104)。
そして、主系システム11Mは、アップデートの適用が完了すると、その旨を従系システム11Sに通知する(ステップS105)。
【0077】
これにより従系システム11Sは、ブリッジコントローラ14を介して待機中の拡張ボードの従系システム11Sとのペアリングの解除(従系システム11Sからの切り離し)を拡張ボード制御用マイコン17に指示し、待機中の拡張ボードを主系システム11Mにペアリングさせて付け替える(ステップS106)。
【0078】
そして、全ての拡張ボードを主系システム11Mに付け替えさせると、主系システム11Mは処理を開始し(ステップS107)、従系システム11Sの処理を停止させる(ステップS108)。
この後、従系システム11Sは、ストレージ13上のアップデートパッチファイルを削除して処理を終了する(ステップS109)。
【0079】
以上の説明のように、情報処理装置10の各部が共働して、情報処理装置10の通常動作を継続しつつ、アップデートの適用を確実に行えるので、構成部品の物理的な損傷による停止以外では、使用者の実行しているタスクスケジュールを考慮して、処理のタイミングが被らないように計画的なアップデートパッチの適用を実施することが可能となるので、オペレーティングシステムの都合による通常処理の中断が発生することがない。
【0080】
すなわち、実効的に情報処理装置10のセキュリティを確保しつつ、情報処理装置10の常時稼働が可能となる。
したがって、通常処理としてディープラーニングや機械学習、科学的な計測のように、継続した処理を行い、データの欠損を防止する場合に限らず、事務作業において、意図せずに業務時間中にセキュリティパッチ適用(アップデート適用)による仕事の中断も発生することがなく、処理時間の実効的な短縮、ひいては、実効的な労働時間短縮も期待できる。
【0081】
また、開示の技術は上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成および各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
【0082】
以上の説明においては、それぞれ同一のオペレーティングシステムを搭載可能なシステムとして主系システム11M及び従系システム11Sの二つの場合について説明したが、3以上のシステムを備えるように構成することも可能である。
【0083】
以上の説明においては、主系システム11Mと従系システム11Sの二つのオペレーティングシステムは、同一の場合について説明したが、互換動作可能であれば、異なっていてもよい。
【0084】
なお、この場合には、連続動作は可能であるが、アップデートパッチファイルの従系システムによるチェックができないこととなるので、好ましくは、主系システム11M及び従系システム11Sをそれぞれ複数備え、系統毎にさらにアップデートパッチファイルの事前チェックを行うシステムを備えればよい。
【0085】
以上の説明においては、情報処理装置10として、パーソナルコンピュータを例として説明したが、テレビ録画用ハードディスクレコーダ、ホームセキュリティの監視用途や、スマートスピーカーのような連続稼働を行っている情報処理装置として、メンテナンスの煩わしさを実効的に無くすことができ、常時利用を実現することができる。
【0086】
また、上述した開示により本実施形態を当業者によって実施・製造することが可能である。
【0087】
以上の実施形態に関し、さらに他の態様について記載する。
[1]第1の他の態様
実施形態の第1の他の態様の情報処理装置は、互換して制御動作が可能な複数の制御処理部と、前記複数の制御処理部により共用されるインタフェース部を介していずれかの前記制御処理部の制御下で各種の情報処理を行う複数の情報処理部と、を備え、前記情報処理部を制御している一の制御処理部を他の制御処理部に切り替えるに先だって前記他の制御処理部を前記一の制御処理部の複製として構築し、前記情報処理部が前記情報処理を構成するタスクを実行していない期間中に、前記他の制御処理部の制御下に順次切り替える。
上記構成によれば、複数の制御処理部のいずれかについてメンテナンスを行ったとしても他の制御処理部により処理を継続することが可能となり、大量なデータ処理を行っている場合でも、セキュリティパッチの適用などのメンテナンスを計画的に行いつつ、安全性が高い長時間稼働を実現できる。
[2]第2の他の態様
実施形態の第2の他の態様の情報処理装置は、前記複数の制御処理部は、同一のオペレーティングシステムにより動作するようにしてもよい。
上記構成によれば、完全互換性を実現でき、複数の制御処理部のいずれかについて行ったメンテナンスの処理結果(例えば、セキュリティパッチの適用/不適用等)を反映した効率的なメンテナンスが行える。
[3]第3の他の態様
実施形態の第3の他の態様の情報処理装置は、前記制御処理部の切り替えは、前記オペレーティングシステムのアップデート処理時になされ、前記他の制御処理部を前記一の制御処理部の複製として構築した後に、前記他の制御処理部のアップデート処理を行った場合の前記アップデート処理に用いられるアップデートパッチファイル及び前記アップデートパッチファイルのうち実際に適用されたアップデートパッチファイルの情報を記憶する記憶部を備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、記憶部に記憶したアップデート処理に用いられるアップデートパッチファイル及び前記アップデートパッチファイルのうち実際に適用されたアップデートパッチファイルの情報に基づいて、効率的かつ安全なメンテナンスが行える。
[4]第4の他の態様
実施形態の第4の他の態様の情報処理装置は、前記一の制御処理部は、前記記憶部を参照して、実際に適用されたアップデートパッチファイルの情報に対応する前記アップデートパッチファイルを用いて前記アップデート処理を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、一の制御処理部に適用されるアップデートパッチファイルは、実際に適用されたアップデートパッチファイルに対応するものであるので、確実にメンテナンスが行える。
[5]第5の他の態様
実施形態の第5の他の態様の情報処理装置は、前記インタフェース部を介して、前記複数の情報処理部の制御を行う前記制御処理部は、所定の一つの前記制御処理部とされているようにしてもよい。
上記構成によれば、所定の一つの制御処理部により、全ての情報処理部の制御が行え、情報処理部の有効利用が図れる。
[6]第6の他の態様
実施形態の第6の他の態様の情報処理装置は、前記所定の一つの前記制御処理部は、自己の前記アップデート処理の完了後であって、前記情報処理部が前記情報処理を構成するタスクを実行していない期間中に、前記他の制御処理部の制御下から自己の制御下に前記情報処理部を順次切り替えるようにしてもよい。
上記構成によれば、制御処理部の切替時に情報処理部におけるタスクの処理に実体的な影響を与えずに処理を継続できる。
[7]第7の他の態様
実施形態の第7の他の態様の情報処理装置は、前記制御処理部は、マルチコアのマイクロプロセッサを構成している一又は複数のCPUコアにより構成されているようにしてもよい。
上記構成によれば、一つのマイクロプロセッサで、セキュリティパッチの適用などのメンテナンスを計画的に行いつつ、安全性が高い長時間稼働を実現できる。
[8]第8の他の態様
実施形態の第8の他の態様の方法は、互換して制御動作が可能な複数の制御処理部と、前記複数の制御処理部により共用されるインタフェース部を介していずれかの前記制御処理部の制御下で各種の情報処理を行う複数の情報処理部と、を備えた情報処理装置で実行される方法であって、前記情報処理部を制御している一の制御処理部を他の制御処理部に切り替えるに先だって前記他の制御処理部を前記一の制御処理部の複製として構築する過程と、前記情報処理部が前記情報処理を構成するタスクを実行していない期間中に、前記他の制御処理部の制御下に順次切り替える過程と、を備える。
上記構成によれば、複数の制御処理部のいずれかについてメンテナンスを行ったとしても他の制御処理部により処理を継続することが可能となり、大量なデータ処理を行っている場合でも、セキュリティパッチの適用などのメンテナンスを計画的に行いつつ、安全性が高い長時間稼働を実現できる。
[9]第9の他の態様
実施形態の第9の他の態様のプログラムは、互換して制御動作が可能な複数の制御処理部と、前記複数の制御処理部により共用されるインタフェース部を介していずれかの前記制御処理部の制御下で各種の情報処理を行う複数の情報処理部と、を備えた情報処理装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記情報処理部を制御している一の制御処理部を他の制御処理部に切り替えるに先だって前記他の制御処理部を前記一の制御処理部の複製として構築する手段と、前記情報処理部が前記情報処理を構成するタスクを実行していない期間中に、前記他の制御処理部の制御下に順次切り替える手段と、して機能させる。
上記構成によれば、複数の制御処理部のいずれかについてメンテナンスを行ったとしても他の制御処理部により処理を継続することが可能となり、大量なデータ処理を行っている場合でも、セキュリティパッチの適用などのメンテナンスを計画的に行いつつ、安全性が高い長時間稼働を実現できる。