(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記優先端末決定部は、前記複数の端末装置のうち、前記残量が予め設定されたしきい値以下であって、前記残量が最も少ない方から予め定められた個数の端末装置を、前記1または複数の優先装置として決定する
請求項1から3の何れか1項に記載の制御装置。
前記優先端末決定部は、前記1または複数の優先装置のうちの何れか1つの優先装置の前記残量が予め設定されたしきい値より大きくなった場合、新たな前記1または複数の優先装置を決定し、
前記1または複数の優先装置が変更された場合、
前記優先設定指示部は、前記1または複数の優先装置のそれぞれについての前記優先電力設定指示および前記最大プロファイル設定指示を前記充電制御部に与え、
前記入力設定指示部は、前記1または複数の通常装置に対して供給する電力量が前記余剰電力量を超えないように、前記1または複数の通常装置のそれぞれについての前記プロファイル設定指示を前記充電制御部に与える
請求項1から4の何れか1項に記載の制御装置。
前記充電制御部は、前記ケーブルを介して、VDM(Vendor Define Messaging)信号を前記複数の端末装置のそれぞれとやり取りすることにより、前記複数の端末装置のそれぞれの前記残量および前記最大消費電力量を取得する
請求項6に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、実施形態に係る情報処理システム10を説明する。なお、実施形態により開示技術が限定されるものではない。また、複数の実施形態において略同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム10を示す図である。本実施形態において、情報処理システム10は、学校における授業を支援するためのシステムである。なお、情報処理システム10は、学校における授業の支援に限らず、他の環境に適用してもよい。情報処理システム10は、例えば、会社内、セミナーまたは会議等のような、多数の参加者がコンピュータを操作しながら作業または学習等を行う環境であれば、どのような環境に適用してもよい。
【0018】
情報処理システム10は、複数の端末装置20と、学校内サーバ22と、無線通信装置24と、充電キャビネット26(制御装置)とを備える。
【0019】
複数の端末装置20のそれぞれは、タブレット型またはノート型のコンピュータである。端末装置20は、情報の入力機能、出力機能および情報処理機能を有する。端末装置20は、二次電池を有し、二次電池に充電された電力により動作可能である。従って、端末装置20は、ユーザにより持ち運びが可能である。また、端末装置20は、無線通信機能を有し、通信用ケーブルを介さずに他の装置と情報通信が可能である。
【0020】
学校内サーバ22は、サーバ型コンピュータであり、内部ネットワークを介して複数の端末装置20からアクセスされる。また、学校内サーバ22は、例えば、外部ネットワーク上の装置から内部ネットワーク上の装置へのアクセスを制限したり、内部ネットワーク上の装置から外部ネットワーク上の装置へのアクセスを制限したりする。
【0021】
無線通信装置24は、充電キャビネット26の外部に設けられる。無線通信装置24は、内部ネットワークに有線により接続される。無線通信装置24は、複数の端末装置20のそれぞれと無線通信により接続する。無線通信装置24は、無線通信により接続した端末装置20を内部ネットワーク上の他の装置にアクセスさせる。
【0022】
充電キャビネット26は、充電制御装置30と、情報処理装置32とを有する。充電キャビネット26は、複数の端末装置20を内部に収納する。充電キャビネット26の内部に収納された端末装置20は、ユーザにより取り出し可能である。
【0023】
充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20を充電する。また、充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20の電源を起動したり、シャットダウンしたりすることができる。充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20と有線により通信することができる。さらに、充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20が起動している状態で、端末装置20と無線により通信をすることもできる。
【0024】
また、充電キャビネット26は、内部ネットワークに接続されている。充電キャビネット26は、外部の装置からの指示に応じて、内部に収納している端末装置20を操作したり、通信をしたりすることができる。
【0025】
このような情報処理システム10において、複数の端末装置20のそれぞれは、授業の開始前に、学生により充電キャビネット26から取り出される。授業中において、端末装置20は、学生により使用される。授業中において、端末装置20は、無線通信装置24を介して学校内サーバ22にアクセスする。これにより、授業中において、端末装置20は、学校内サーバ22から資料データをダウンロードして、学生に参照させることができる。また、授業中において、端末装置20は、学生により入力された情報(例えば、問題に対する回答等)を学校内サーバ22にアップロードすることができる。
【0026】
また、複数の端末装置20のそれぞれは、授業の終了後、充電キャビネット26内に収納される。充電キャビネット26は、収納した端末装置20を、次の授業の開始までに充電する。これにより、充電キャビネット26は、授業中において、端末装置20が充電切れで動作できなくなることを回避することができる。
【0027】
また、充電キャビネット26は、外部の装置等からの遠隔操作に応じて、収納した端末装置20を動作させる。そして、充電キャビネット26は、外部の装置等からの遠隔操作に応じて、収納した端末装置20に、プログラムをアップデートさせたり、プログラムをインストールさせたりする。これにより、充電キャビネット26は、遠隔地にいる保守作業員に端末装置20のメンテナンスをさせることができる。
【0028】
図2は、充電キャビネット26の外観を示す図である。充電キャビネット26は、充電制御装置30および情報処理装置32を収納する収納部28を有する。複数の端末装置20は、収納部28の所定の位置に収納される。
【0029】
充電制御装置30は、収納されている端末装置20に対する充電の制御および通信の制御を実行する。また、情報処理装置32は、内部ネットワークを介して他の装置と通信をする。また、情報処理装置32は、充電制御装置30を制御したり、収納されている端末装置20と無線通信をしたりする。
【0030】
図3は、充電キャビネット26に収納された端末装置20の周辺部分を拡大した図である。充電キャビネット26に収納された端末装置20は、ケーブル34を介して充電制御装置30と接続される。
【0031】
ケーブル34は、端末装置20に対して装着自在である。収納作業時において、端末装置20は、ユーザの手作業によりケーブル34に取り付けられる。また、取出作業時において、端末装置20は、ユーザの手作業によりケーブル34から取り外される。
【0032】
ケーブル34は、2つの装置間で電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に準拠している。本実施形態においては、ケーブル34は、USB(Universal Serial Bus)−C規格に準拠したUSB Type−Cケーブルである。この規格によれば、2つの装置の間で情報の通信とともに、電力の供給を行うことができる。
【0033】
図4は、内部に端末装置20を収納した充電キャビネット26の構成を、学校内サーバ22および無線通信装置24とともに示すブロック図である。充電キャビネット26は、充電制御装置30と、情報処理装置32と、複数のケーブル34と、電源タップ36と、複数のACアダプタ38(電力変換器)とを有する。
【0034】
充電制御装置30は、ケーブル34を介して1または複数の端末装置20と接続される。1または複数のケーブル34のそれぞれは、一方の端子が充電制御装置30に接続され、他方の端子が端末装置20と接続可能となっている。
【0035】
充電制御装置30は、1または複数の端末装置20のそれぞれに対する充電の制御および通信の制御を実行する。なお、充電制御装置30の構成については、
図6以降でさらに詳細に説明する。
【0036】
情報処理装置32は、通信機能および情報処理機能を有するコンピュータである。情報処理装置32は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含み、インストールされたプログラムに従って情報処理を実行する。また、情報処理装置32は、内部ネットワークに接続され、内部ネットワーク上の他の装置と情報通信を行う。また、情報処理装置32は、学校内サーバ22を介して、外部ネットワーク上の他の装置と情報通信を行う。
【0037】
また、情報処理装置32は、内部通信ケーブル40を介して充電制御装置30に接続される。これにより、情報処理装置32は、充電制御装置30を制御することができる。
【0038】
内部通信ケーブル40は、情報処理装置32と充電制御装置30との間を接続する。内部通信ケーブル40は、USB−C規格に準拠したUSB Type−A to Cケーブルである。内部通信ケーブル40は、これに限らず、他の規格に準拠したケーブルであってよい。
【0039】
電源タップ36は、ACケーブルを介して、教室に設けられた商用AC電源コンセントに接続される。また、電源タップ36は、複数のサブ電源コンセントを有する。電源タップ36のサブ電源コンセントには、情報処理装置32にDC電力を供給するためのACアダプタ38が接続される。ACアダプタ38は、電源タップ36から供給されるAC電力をDC電力に変換して、情報処理装置32に電力を供給する。これにより、情報処理装置32は、AC電力を動力源として動作することができる。
【0040】
また、電源タップ36のサブ電源コンセントには、充電制御装置30にDC電力を供給するためのACアダプタ38が接続される。ACアダプタ38は、電源タップ36から供給されるAC電力をDC電力に変換して、充電制御装置30に電力を供給する。これにより、充電制御装置30は、AC電力を動力源として動作することができる。
【0041】
図5は、充電キャビネット26が複数の充電制御装置30を備える場合の構成を示す図である。充電キャビネット26は、複数の充電制御装置30を有していてもよい。本実施形態においては、複数の充電制御装置30は、内部通信ケーブル40によりカスケード接続されている。なお、情報処理装置32は、複数の充電制御装置30のそれぞれと、個別に(パラレルに)、接続されていてもよい。
【0042】
図6は、充電制御装置30のハードウェア構成を複数の端末装置20とともに示す図である。充電制御装置30は、上位変換部42と、装置制御部44と、複数の端末制御部46とを有する。
【0043】
上位変換部42は、情報処理装置32と内部通信ケーブル40を介して接続される。上位変換部42は、内部通信ケーブル40の信号線と、装置制御部44および複数の端末制御部46が入出力する信号線との間の信号フォーマットの変換をする。
【0044】
本実施形態においては、装置制御部44および複数の端末制御部46は、RS485形式のフォーマットの信号を入出力する。従って、本実施形態において、上位変換部42は、USB−Cと、RS485との間の信号フォーマットの変換をする。
【0045】
なお、装置制御部44および複数の端末制御部46がUSB−Cの信号の入出力をする場合には、充電制御装置30は、上位変換部42を有さなくてもよい。また、上位変換部42は、RS485に限らず他の形式に変換してもよい。
【0046】
装置制御部44は、内部にプロセッサ回路等を有する。装置制御部44は、充電制御装置30の全体を制御する。
【0047】
複数の端末制御部46のそれぞれは、ケーブル34を介して端末装置20と接続可能である。複数の端末制御部46のそれぞれは、対応するケーブル34を介して接続された端末装置20に対して、充電の制御および通信の制御を実行する。複数の端末制御部46のそれぞれは、複数本のケーブル34を介して複数個の端末装置20と接続されてもよい。
【0048】
また、複数の端末制御部46のそれぞれは、情報処理装置32から上位変換部42を介してコマンドを受け取る。複数の端末制御部46のそれぞれは、情報処理装置32から受け取ったコマンドに応じて、充電の制御および通信の制御を実行することもできる。また、複数の端末制御部46のそれぞれは、対応するケーブル34を介して接続された端末装置20の状態等を、上位変換部42を介して情報処理装置32に通知する。
【0049】
図7は、端末装置20のハードウェア構成および充電制御装置30内の端末制御部46のハードウェア構成を示す図である。
【0050】
充電制御装置30が有する複数の端末制御部46のそれぞれは、充電側PDコントローラ52(電力供給コントローラ、充電制御部)と、充電側通信プロセッサ54と、下位変換部56と、充電側電源部58とを有する。
【0051】
充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を介して端末装置20と接続可能である。充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に従って、電力供給および情報通信を行う。
【0052】
本実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、端末装置20との間で、USB−C規格に準拠した方式で電力供給および情報通信を行う。本実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、USB−C規格に準拠したケーブル34におけるCC(Configuration Cannel)信号線を介して、VDM(Vendor Defined Messaging)信号を端末装置20と送受信する。
【0053】
充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を介して端末装置20に接続された場合に、規格において予め定められたシーケンス(パワーデリバリシーケンス)を端末装置20との間で実行することにより、端末装置20に供給する電圧および電流の組み合わせを設定する。本実実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、USB−C規格で定められたパワーデリバリシーケンスを実行することにより、端末装置20に供給する電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを設定する。そして、充電側PDコントローラ52は、設定した電力プロファイルに示された電圧および電流の組み合わせにより電力を端末装置20に供給するように、充電側電源部58に指示を与える。
【0054】
充電側通信プロセッサ54は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、充電側PDコントローラ52を制御する。充電側通信プロセッサ54は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。また、充電側通信プロセッサ54は、プログラムに従って、下位変換部56および上位変換部42を介して、情報処理装置32からコマンドを受け取る。また、充電側通信プロセッサ54は、プログラムに従って、下位変換部56および上位変換部42を介して、情報処理装置32に情報を通知する。
【0055】
下位変換部56は、上位変換部42とバスを介して接続される。下位変換部56は、上位変換部42と接続するバスの信号線と、充電側通信プロセッサ54が入出力する信号線との間の信号フォーマットの変換をする。
【0056】
本実施形態においては、充電側通信プロセッサ54は、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)形式のフォーマットの信号を入出力する。従って、本実施形態において、下位変換部56は、RS485とUARTとの間の信号フォーマットの変換をする。
【0057】
なお、充電側通信プロセッサ54がRS485の信号の入出力をする場合には、端末制御部46は、下位変換部56を有さなくてもよい。また、下位変換部56は、RS485に限らず他の形式に変換してもよい。
【0058】
充電側電源部58は、AC電圧を直流に変換するACアダプタ38から電力を受け取る。充電側電源部58は、充電側PDコントローラ52からの指示に従って、ケーブル34を介して端末装置20に、指定された電力プロファイルに示された電圧および電流の組み合わせにより電力を供給する。
【0059】
端末装置20は、端末側PDコントローラ62(電力供給コントローラ)と、端末側通信プロセッサ64と、プロセッシング回路66と、無線通信部68と、バッテリ70と、端末側電源部72と、電源スイッチ74とを有する。
【0060】
端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を介して充電制御装置30と接続可能である。端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に従って、電力供給を受けるとともに、情報通信を行う。
【0061】
本実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、充電制御装置30との間で、USB−C規格に準拠した方式で電力供給を受けるとともに、情報通信を行う。本実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、USB−C規格に準拠したケーブル34におけるCC信号線を介して、VDM信号を充電制御装置30と送受信する。
【0062】
端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された場合に、規格において予め定められたシーケンス(パワーデリバリシーケンス)を充電制御装置30との間で実行することにより、充電制御装置30から受け取る電圧および電流の組み合わせを設定する。本実実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、USB−C規格で定められたパワーデリバリシーケンスを実行することにより、充電制御装置30から受け取る電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを設定する。そして、端末側PDコントローラ62は、設定した電力プロファイルに示される電圧および電流の組み合わせの電力を充電制御装置30から受け取るように、端末側電源部72に指示を与える。
【0063】
端末側通信プロセッサ64は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、端末側PDコントローラ62を制御する。端末側通信プロセッサ64は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。例えば、端末側通信プロセッサ64は、プロセッシング回路66に対して、ケーブル34を介して接続された充電制御装置30に関する情報等を与える。また、端末側通信プロセッサ64は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った情報、端末装置20の内部の回路からの信号および電源スイッチ74に対する操作に基づき、電源状態を制御する。
【0064】
プロセッシング回路66は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、端末装置20の全体の制御を実行する。プロセッシング回路66は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。プロセッシング回路66は、プログラムの実行に従って、端末側通信プロセッサ64にコマンドを与えたり、端末側通信プロセッサ64から情報を取得したりする。また、プロセッシング回路66は、プログラムの実行に従って、無線通信部68を制御する。
【0065】
無線通信部68は、プロセッシング回路66による制御に従って、無線通信をする。本実施形態においては、無線通信部68は、無線通信装置24と無線通信をする。そして、無線通信部68は、プロセッシング回路66と他装置との間の情報通信を中継する。
【0066】
バッテリ70は、二次電池である。バッテリ70は、端末装置20に含まれる各回路に電力を供給する。
【0067】
端末側電源部72は、バッテリ70から電力を受け取り、バッテリ70から受け取った電力をプロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に供給する。なお、端末側PDコントローラ62、端末側通信プロセッサ64および端末側電源部72は、端末装置20の電源状態に関わらず常時電力が供給されている。
【0068】
また、端末側電源部72は、端末側PDコントローラ62からの指示に従って、ケーブル34を介して充電制御装置30から電力を受け取ることもできる。この場合、端末側電源部72は、充電制御装置30から受け取った電力を、電源スイッチ74を介してプロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に供給する。また、端末側電源部72は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った電力をバッテリ70に供給することにより、バッテリ70を充電する。
【0069】
電源スイッチ74は、筐体に設けられたオルタネート動作をするプッシュスイッチである。電源スイッチ74は、ユーザにより操作がされる。
【0070】
電源スイッチ74がユーザにより押された場合に、端末側通信プロセッサ64は、電源状態を切り替える。例えば、端末側通信プロセッサ64は、オフ状態において、電源スイッチ74が押された場合には、オン状態に切り替える。また、端末側通信プロセッサ64は、オン状態において、電源スイッチ74が押された場合には、オフ状態に切り替える。また、端末側通信プロセッサ64は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った情報(ウェイクアップ命令およびスリープ命令等)に応じて、電源状態(オン状態またはオフ状態)を切り替える。また、端末側通信プロセッサ64は、端末装置20の内部の回路からの信号によっても電源状態を切り替える。
【0071】
端末側電源部72は、オン状態において、プロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に電力を供給する。端末側電源部72は、オフ状態において、プロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路への電力供給を切断する。
【0072】
図8は、第1実施形態に係る情報処理装置32の機能構成を示す図である。第1実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出部114と、平均電力算出部116と、入力設定指示部118とを備える。
【0073】
第1実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出モジュール、平均電力算出モジュールおよび入力設定指定モジュールを含む所定のプログラムを実行することにより、接続検出部114、平均電力算出部116および入力設定指示部118として機能する。なお、情報処理装置32は、接続検出部114、平均電力算出部116および入力設定指示部118の一部または全部がハードウェアで構成されていてもよい。
【0074】
接続検出部114は、充電制御装置30から接続情報を取得する。充電制御装置30は、ケーブル34を介して端末装置20が接続された場合、および、ケーブル34を介して接続されていた端末装置20が取り外された場合、接続情報を情報処理装置32に送信する。接続情報は、例えば、接続されたまたは取り外された端末装置20の識別情報および、充電制御装置30のポート番号を含む。そして、接続検出部114は、充電制御装置30に接続されている端末装置20の識別情報およびポート番号をメモリ等に登録する。
【0075】
平均電力算出部116は、接続検出部114により登録された情報に基づき、充電制御装置30に接続されている端末装置20の台数を検出する。平均電力算出部116は、検出した台数と、充電のために供給可能な総電力量とを取得する。
【0076】
総電力量は、例えば、電源タップ36から入力することが可能な電力量に基づき、ユーザ等により予め設定される。例えば、総電力量は、電源タップ36から入力することが可能な電力量から、必要電力量を減じた量である。必要電力量は、例えば、充電キャビネット26により消費される電力量、充電制御装置30の全てのポートにデフォルト電力プロファイルで電力供給がされた場合に消費される電力量、および、マージン電力量を加算した値である。情報処理装置32は、総電力量を学校内サーバ22等から内部ネットワークを介して予め取得してもよい。
【0077】
平均電力算出部116は、総電力量を台数で除算した平均電力量を算出する。本実施形態において、平均電力量は、充電制御装置30に現在接続されている全ての端末装置20に対して平均的に電力を供給した場合に、1台あたりに供給可能な電力量を表す。
【0078】
入力設定指示部118は、入力電力設定指示を充電制御装置30に与える。本実施形態において、入力電力設定指示は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させる指示である。
【0079】
情報処理装置32から入力電力設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれに対して、ケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を送信する。充電制御装置30から、入力する最大の電力を平均電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を受けた端末装置20は、平均電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。
【0080】
さらに、入力設定指示部118は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のそれぞれについての最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。本実施形態において、最大プロファイル設定指示は、その端末装置20についての電力プロファイルを供給可能な最大の電力を示す最大電力プロファイルに設定するプロファイル設定指示である。
【0081】
情報処理装置32から最大プロファイル設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるように、接続されている複数の端末装置20のそれぞれとパワーデリバリシーケンスを実行する。
【0082】
図9は、第1実施形態に係る情報処理システム10の処理の流れを示す図である。第1実施形態に係る情報処理システム10は、
図9に示すような流れで処理を実行する。
【0083】
まず、端末装置20は、充電制御装置30にケーブル34を介して物理的に接続される(S111−1、S111−2)。続いて、充電制御装置30および端末装置20は、パワーデリバリシーケンスを実行し、電力プロファイルを設定する(S112−1、S112−2)。これにより、充電制御装置30は、設定した電力プロファイルに示された電圧および電流の電力を端末装置20に供給することができる。
【0084】
ここで、充電制御装置30および端末装置20は、パワーデリバリシーケンスとして次のような手続きを実行する。まず、充電制御装置30および端末装置20のそれぞれは、供給または入力可能な1または複数の電力プロファイルが記述されたパワーデリバリーオブジェクト情報が予め設定されている。充電制御装置30は、予め設定されている1または複数の電力プロファイルを含むパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する。続いて、端末装置20は、充電制御装置30から送られてきたパワーデリバリーオブジェクト情報の中から、供給を要求する1つの電力プロファイルを決定し、決定した電力プロファイルを示す応答情報を充電制御装置30に送信する。そして、充電制御装置30は、応答情報に示された電力プロファイルに従って端末装置20に対する電力供給を開始する。充電制御装置30および端末装置20は、このような手続きを実行することにより、電力プロファイルに示された電圧および電流の組み合わせにより端末装置20へ電力を供給することができる。
【0085】
USB−C規格では、電力プロファイルとして、“5V/0.9A”、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”が定められている。また、USB−C規格では、最低電圧および最低電流の“5V/0.9A”が、デフォルト電力プロファイルとして定められている。そして、USB−C規格に準拠した機器は、デフォルト電力プロファイルでの電力供給および電力受け取りが可能でなければならないことが定められている。
【0086】
本実施形態においては、充電制御装置30および端末装置20は、端末装置20がケーブル34を介して物理的に接続された直後のパワーデリバリシーケンスを実行することにより、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)が設定される。例えば、充電制御装置30は、端末装置20がケーブル34を介して接続された直後のパワーデリバリシーケンスにおいて、デフォルト電力プロファイルのみが記述されたパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する。これにより、充電制御装置30は、端末装置20がケーブル34を介して接続された直後において、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)に示された電圧および電流により、端末装置20に電力供給をすることができる。
【0087】
なお、充電制御装置30は、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)に設定されている端末装置20には、他の電力プロファイルと比較して、非常に小さい電力しか供給することができない。従って、充電制御装置30は、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)に設定されている端末装置20に対しては、実質的に充電をすることができない。
【0088】
充電制御装置30は、端末装置20が物理的に接続され(S111−1、S111−2)、且つ、パワーデリバリシーケンスが実行された場合(S112−1、S112−2)、接続された端末装置20の接続情報を情報処理装置32に送信する(S113−1、S113−2)。充電制御装置30は、新たな端末装置20が物理的に接続される毎に、接続情報を送信する。また、充電制御装置30は、既に物理的に接続されている端末装置20が取り外された場合、取り外されたことを示す接続情報を情報処理装置32に送信する。
【0089】
情報処理装置32は、充電制御装置30から接続情報を受信する毎に、充電制御装置30に接続されている端末装置20を登録する(S114)。例えば、情報処理装置32は、充電制御装置30に新たに接続された端末装置20の識別情報およびポート番号等をメモリに登録する。また、例えば、情報処理装置32は、充電制御装置30から取り外された端末装置20の識別情報およびポート番号等をメモリから削除する。
【0090】
図10は、第1実施形態に係る情報処理装置32の処理の流れを示すフローチャートである。情報処理装置32は、所定期間毎(例えば5分または10分毎)、S122からS126までの処理を繰り返す(S121とS127との間のループ処理)。
【0091】
S122において、情報処理装置32は、直前の所定期間の後に、新たな端末装置20が充電制御装置30に接続されたか否かを判断する。新たな端末装置20が充電制御装置30に接続されていない場合(S122のNo)、情報処理装置32は、何ら処理をせずに、処理をS127に進める。
【0092】
新たな端末装置20が充電制御装置30に接続された場合(S122のYes)、情報処理装置32は、処理をS123に進める。S123において、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている端末装置20が登録されているメモリを参照して、充電制御装置30に接続されている端末装置20の台数を検出する。
【0093】
続いて、S124において、情報処理装置32は、充電のために供給可能な総電力量を、検出した台数で除算することにより、平均電力量を算出する。続いて、S125において、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについての入力電力設定指示を充電制御装置30に与える。続いて、S126において、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについての最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える。
【0094】
情報処理装置32は、S126の処理を終えると、処理をS127に進める。そして、S127において、情報処理装置32は、処理をS121に戻し、所定時間(例えば5分または10分)処理を待機して、処理をS122に進める。
【0095】
なお、
図10に示す処理において、情報処理装置32は、新たな端末装置20が接続されていない場合(S122のNo)、何ら処理を実行しない。すなわち、情報処理装置32は、端末装置20が取り外された場合にも、何ら処理を実行しない。これに代えて、情報処理装置32は、直前の所定期間の後に何れかの端末装置20が取り外された場合にも、S123〜S127の処理を実行してもよい。これにより、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20に対してより多くの電力を供給することができる。
【0096】
また、情報処理装置32は、S125の処理において、複数の端末装置20のうち、変更前における平均電力量と、変更後における平均電力量が一致する端末装置20については、入力電力設定指示を与えなくてもよい。これにより、情報処理装置32は、最大入力電力量を変更しない端末装置20に対する処理を少なくすることができる。
【0097】
また、情報処理装置32は、S126の処理において、複数の端末装置20のうち、変更前における電力プロファイルと、変更後における電力プロファイルが一致する端末装置20については、最大プロファイル設定指示を与えなくてもよい。これにより、情報処理装置32は、電力プロファイルを変更しない端末装置20との間でのパワーデリバリシーケンスの処理を無くすことができる。
【0098】
図11は、第1実施形態に係る情報処理システム10における、入力電力設定指示および最大プロファイル設定指示をした場合の処理の流れを示す図である。
【0099】
情報処理装置32が入力電力設定指示および最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与えた場合(S125、S126)、情報処理システム10は、
図11に示すような流れで処理を実行する。
【0100】
まず、充電制御装置30は、接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれに対して、VDM信号により、入力する最大の電力を平均電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を送信する(S131−1、S131−2)。
【0101】
続いて、1または複数の端末装置20のそれぞれは、入力する最大の電力を平均電力量に設定する(S132−1、S132−2)。これにより、1または複数の端末装置20のそれぞれは、以後、設定された平均電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。続いて、1または複数の端末装置20のそれぞれは、VDM信号により、完了を示す情報を充電制御装置30に送信する(S133−1、S133−2)。
【0102】
完了を示す情報を受信した場合、充電制御装置30は、平均電力量の設定の完了した端末装置20との間で、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるようにパワーデリバリシーケンスを実行する(S134−1、S134−2)。
【0103】
最大電力プロファイルは、充電制御装置30とその端末装置20との間で設定が可能な電力プロファイルのうちの最大電力を示すプロファイルである。例えば、充電制御装置30が5V/0.9A”、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”で電力供給が可能であり、端末装置20が、5V/0.9A”、“5V/3A”および“20V/3A”で電力を受け取りが可能であるとする。この場合、最大電力プロファイルは、互いに共通の電力プロファイルのうちの最大電力の“20V/3A”となる。
【0104】
なお、充電制御装置30および端末装置20は、一旦パワーデリバリシーケンスを実行した後は、ケーブル34を介して接続をした状態では、電力プロファイルを変更することができない場合がある。この場合、充電制御装置30は、対応する端末装置20との間のケーブル34を介した電力供給および情報通信を一端切断した後に、再接続してもよい。例えば、充電制御装置30は、ケーブル34におけるグランド線または電源線をオープンにして電力供給および情報通信を一端切断し、その後、グランド線または電源線を接続してもよい。これにより、充電制御装置30および端末装置20は、再度、パワーデリバリシーケンスを実行することができる。
【0105】
以上のような第1実施形態に係る充電キャビネット26(制御装置)は、次のような効果を有する。
【0106】
第1実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させる入力電力設定指示、および、複数の端末装置20のそれぞれについての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定する最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える。これにより、第1実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20に対して平均電力量を供給することができる。
【0107】
このように、第1実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20のそれぞれに対して入力する最大の電力を平均電力量に設定させることにより、多数の端末装置20を同時に充電することができる。これにより、第1実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20を短時間で充電することができる。
【0108】
また、第1実施形態に係る充電キャビネット26は、所定期間毎に、直前の所定期間の後に新たな端末装置20が充電制御装置30に接続されたか否かを判断し、新たな端末装置20が充電制御装置30に接続された場合に、入力電力設定指示および最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。これにより、充電キャビネット26によれば、適切なタイミングで、複数の端末装置20のそれぞれに最大入力電力の設定をさせることができる。
【0109】
また、第1実施形態に係る充電キャビネット26は、電力プロファイルを設定する場合、供給する電圧および電流の組み合わせを決定するパワーデリバリシーケンスを複数の端末装置20のそれぞれと実行する。これにより、充電キャビネット26によれば、USB−C規格に準拠した処理により、複数の端末装置20のそれぞれについての電力プロファイルを設定することができる。
【0110】
また、第1実施形態に係る充電キャビネット26は、ケーブル34を介してVDM信号を複数の端末装置20のそれぞれとやり取りすることにより、複数の端末装置20のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させる。これにより、充電キャビネット26によれば、USB−C規格に準拠した処理により、複数の端末装置20のそれぞれに、ケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させることができる。
【0111】
また、第1実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20をユーザにより取り出し可能に収納する収納部28をさらに備える。これにより、充電キャビネット26によれば、複数の端末装置20を保管しながら、充電することができる。
【0112】
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態と同一のハードウェア構成を有する。
【0113】
図12は、第2実施形態に係る情報処理装置32の機能構成を示す図である。第2実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出部114と、残量取得部212と、優先端末決定部214と、優先設定指示部216と、余剰電力算出部218と、平均電力算出部116と、入力設定指示部118とを備える。
【0114】
第2実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出モジュール、残量取得モジュール、優先決定モジュール、優先設定指示モジュール、余剰電力算出モジュール、平均電力算出モジュールおよび入力設定指示モジュールを含む所定のプログラムを実行することにより、接続検出部114、残量取得部212、優先端末決定部214、優先設定指示部216、余剰電力算出部218、平均電力算出部116および入力設定指示部118として機能する。なお、情報処理装置32は、接続検出部114、残量取得部212、優先端末決定部214、優先設定指示部216、余剰電力算出部218、平均電力算出部116および入力設定指示部118の一部または全部がハードウェアで構成されていてもよい。
【0115】
接続検出部114は、充電制御装置30から接続情報を取得する。そして、接続検出部114は、充電制御装置30に接続されている端末装置20をメモリ等に登録する。
【0116】
残量取得部212は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のそれぞれについての、バッテリ70の残量、および、残量に応じた最大消費電力量を取得する。バッテリ70の残量は、例えばパーセンテージで表される。
【0117】
残量取得部212は、充電制御装置30に新たな端末装置20が接続された場合、新たに接続された端末装置20の残量、および、残量に応じた最大消費電力量を取得する。また、残量取得部212は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについて、定期的に、残量および残量に応じた最大消費電力量を取得する。
【0118】
最大消費電力量は、その端末装置20において消費される可能性のある最大電力量である。一般に、最大消費電力量は、バッテリ70の残量と相関関係を有する。端末装置20は、バッテリ70の残量毎の最大消費電力量を表す情報を記憶している。例えば、端末装置20は、過去の残量と電力消費量との関係を検出することにより、残量毎の最大消費電力量を表す情報を生成して記憶する。また、例えば、端末装置20は、製造時において、設計者等により算出された残量毎の最大消費電力量を表す情報を記憶していてもよい。端末装置20は、充電制御装置30からの要求に応じて、または、定期的に、VDM信号により充電制御装置30に、残量およびその残量に応じた最大消費電力量を送信する。残量取得部212は、このように端末装置20から充電制御装置30へと送信された残量および残量に応じた最大消費電力量を、充電制御装置30から取得する。
【0119】
優先端末決定部214は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のそれぞれの残量に基づき、1または複数の優先装置を決定する。1または複数の優先装置は、複数の端末装置20のうち優先して充電する1または複数の端末装置20である。
【0120】
本実施形態においては、優先端末決定部214は、複数の端末装置20のうち、残量が予め設定されたしきい値以下であって、残量が最も少ない方から予め定められた個数の端末装置20を、1または複数の優先装置として決定する。これにより、優先端末決定部214は、残量が少ない端末装置20を優先して充電させることができる。
【0121】
しきい値は、例えば、バッテリ70の残量に対する、バッテリ70に流れる最大充電電流を表す曲線に基づき、決定されてもよい。残量に対する最大充電電流を表す曲線は、一般に、残量が0%から第1値(80%程度)までの間において一定である。また、残量に対する最大充電電流を表す曲線は、残量が第1値から100%までの間において、残量が多くなるに従って小さくなる。しきい値は、例えば、第1値または第1値の近傍であってもよい。また、しきい値は、例えば、端末装置20を使用するために最低限充電しなければならない残量であってもよい。
【0122】
優先設定指示部216は、優先端末決定部214により決定された1または複数の優先装置を特定する情報を取得する。さらに、優先設定指示部216は、1または複数の優先装置のそれぞれについて、残量取得部212により取得された最大消費電力量を取得する。
【0123】
優先設定指示部216は、優先電力設定指示を充電制御装置30に与える。優先電力設定指示は、1または複数の優先装置のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を、最大消費電力量に応じた第1電力量に設定させる指示である。第1電力量は、最大消費電力量であってもよいし、最大消費電力量に所定のマージン量を加算した電力量であってもよいし、その優先装置に供給可能な最大の電力量であってもよい。
【0124】
情報処理装置32から優先電力設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、1または複数の優先装置のそれぞれに対して、ケーブル34を介して入力する最大の電力を最大消費電力量に応じた第1電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を送信する。充電制御装置30からこのような設定命令を受けた優先装置は、最大消費電力量に応じた第1電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。
【0125】
さらに、優先設定指示部216は、1または複数の優先装置のそれぞれについての最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。情報処理装置32から最大プロファイル設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるように、1または複数の優先装置のそれぞれとパワーデリバリシーケンスを実行する。
【0126】
余剰電力算出部218は、総電力量を取得する。また、余剰電力算出部218は、1または複数の優先装置のそれぞれについて設定する第1電力量を取得する。そして、余剰電力算出部218は、総電力量から、1または複数の優先装置について設定する1または複数の第1電力量の合計を減じた余剰電力量を算出する。
【0127】
平均電力算出部116は、1または複数の通常装置の台数を算出する。1または複数の通常装置は、複数の端末装置20のうち1または複数の優先装置を除く1または複数の端末装置20である。また、平均電力算出部116は、余剰電力算出部218により算出された余剰電力量を取得する。そして、平均電力算出部116は、余剰電力量を、1または複数の通常装置の台数で除算した平均電力量を算出する。本実施形態において、平均電力量は、1または複数の通常装置に対して平均的に電力を供給した場合に、1台あたりに供給可能な電力量を表す。
【0128】
入力設定指示部118は、入力電力設定指示を充電制御装置30に与える。本実施形態において、入力電力設定指示は、1または複数の通常装置のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させる指示である。
【0129】
情報処理装置32から入力電力設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、1または複数の通常装置のそれぞれに対して、ケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を送信する。充電制御装置30からこのような設定命令を受けた端末装置20は、平均電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。
【0130】
さらに、入力設定指示部118は、1または複数の通常装置のそれぞれについての最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。情報処理装置32から、最大プロファイル設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるように、1または複数の通常装置のそれぞれとパワーデリバリシーケンスを実行する。
【0131】
なお、第2実施形態において、入力設定指示部118は、1または複数の通常装置に対して供給する電力量が余剰電力量を超えないように、1または複数の通常装置のそれぞれについての電力プロファイルを設定するプロファイル設定指示を充電制御装置30に与える構成であれば、他の処理を実行してもよい。
【0132】
例えば、入力設定指示部118は、1または複数の通常装置に対して輪番充電をさせるように、1または複数の通常装置についてのプロファイル設定指示を充電制御装置30に与えてもよい。
【0133】
輪番充電をさせる場合、入力設定指示部118は、1または複数の通常装置のうちの一部についての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定し、1または複数の通常装置のうちの他の一部についての電力プロファイルをデフォルト電力プロファイルに設定する。そして、輪番充電をさせる場合、入力設定指示部118は、1または複数の通常装置のうちの最大電力プロファイルに設定する一部の通常装置を、所定時間毎に順次に変更する。これにより、入力設定指示部118は、1または複数の通常装置に対して供給する電力量が余剰電力量を超えないように、1または複数の通常装置のそれぞれについての電力プロファイルを設定するプロファイル設定指示を充電制御装置30に与えることができる。
【0134】
図13は、第2実施形態に係る情報処理システム10の処理の流れを示す図である。第2実施形態に係る情報処理システム10は、
図13に示すような流れで処理を実行する。
【0135】
まず、端末装置20は、充電制御装置30にケーブル34を介して物理的に接続される(S211)。続いて、充電制御装置30および端末装置20は、パワーデリバリシーケンスを実行し、電力プロファイルを設定する(S212)。本実施形態においては、充電制御装置30および端末装置20は、端末装置20がケーブル34を介して物理的に接続された直後のパワーデリバリシーケンスを実行することにより、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)が設定される。これにより、充電制御装置30は、端末装置20がケーブル34を介して接続された直後において、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)に示された電圧および電流により、端末装置20に電力供給をすることができる。
【0136】
充電制御装置30は、端末装置20が物理的に接続され(S211)、且つ、パワーデリバリシーケンスが実行された場合(S212)、接続された端末装置20についての接続情報を情報処理装置32に送信する(S213)。充電制御装置30は、新たな端末装置20が物理的に接続される毎に、接続情報を送信する。また、充電制御装置30は、既に物理的に接続されている端末装置20が取り外された場合、取り外され端末装置20についての接続情報を情報処理装置32に送信する。
【0137】
続いて、情報処理装置32は、新たに接続された端末装置20について、バッテリ70の残量の取得要求を充電制御装置30に送信する(S214)。続いて、充電制御装置30は、VDM信号により、残量の送信命令を、対応する端末装置20に送信する(S215)。
【0138】
続いて、残量の送信命令を受け取った端末装置20は、バッテリ70の残量を取得する(S216)。さらに、残量の送信命令を受け取った端末装置20は、現在のバッテリ70の残量に対する最大消費電力量を取得する(S217)。続いて、残量の送信命令を受け取った端末装置20は、残量および最大消費電力量を、VDM信号により、充電制御装置30に送信する(S218)。続いて、充電制御装置30は、端末装置20から受信した残量および最大消費電力量を情報処理装置32に送信する(S219)。情報処理装置32は、残量および最大消費電力量を受け取ると、端末装置20の識別情報に対応付けてメモリに登録する。
【0139】
なお、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについて、定期的に、残量の取得要求を充電制御装置30に送信する。そして、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについて、定期的に、メモリに登録された残量および最大消費電力量を更新する。
【0140】
図14は、第2実施形態に係る情報処理装置32の処理の流れを示すフローチャートである。情報処理装置32は、所定期間毎(例えば5分または10分毎)、S222からS231までの処理を繰り返す(S221とS232との間のループ処理)。
【0141】
S222において、情報処理装置32は、直前の所定期間の後に、新たな端末装置20が充電制御装置30に接続されたか否かを判断する。新たな端末装置20が充電制御装置30に接続されていない場合(S222のNo)、情報処理装置32は、処理をS223に進める。
【0142】
S223において、情報処理装置32は、1または複数の優先装置の何れかのバッテリ70の残量が、しきい値より大きくなったか否かを判断する。何れの優先装置も残量がしきい値より大きくなっていない場合(S223のNo)、情報処理装置32は、何ら処理をせずに、処理をS232に進める。
【0143】
新たな端末装置20が充電制御装置30に接続された場合(S222のYes)または何れかの優先装置の残量がしきい値より大きくなった場合(S223のYes)、情報処理装置32は、処理をS224に進める。
【0144】
S224において、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のうち、優先して充電する1または複数の優先装置を決定する。本実施形態においては、情報処理装置32は、複数の端末装置20のうち、残量がしきい値以下であって、残量が最も少ない方から予め定められた個数の端末装置20を、1または複数の優先装置として決定する。
【0145】
続いて、S225において、情報処理装置32は、1または複数の優先装置についての優先電力設定指示を充電制御装置30に与える。
【0146】
続いて、S226において、情報処理装置32は、1または複数の優先装置についての最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える。続いて、S227において、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のうち1または複数の優先装置を除く1または複数の端末装置20を、1または複数の通常装置として特定する。
【0147】
続いて、S228において、情報処理装置32は、総電力量から、1または複数の優先装置について設定する第1電力量の合計を減じることにより、余剰電力量を算出する。
【0148】
続いて、S229において、情報処理装置32は、余剰電力量を1または複数の通常装置の台数で除算することにより、平均電力量を算出する。
【0149】
続いて、S230において、情報処理装置32は、入力電力設定指示を充電制御装置30に与える。続いて、S231において、情報処理装置32は、1または複数の通常装置についての最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える。
【0150】
情報処理装置32は、S231の処理を終えると、処理をS232に進める。そして、S232において、情報処理装置32は、処理をS221に戻し、所定時間(例えば5分または10分)処理を待機して、処理をS222に進める。
【0151】
なお、情報処理装置32は、S225の処理において、1または複数の優先装置のうち、変更前における最大入力電力量と、変更後における最大入力電力量が一致する優先装置については、優先電力設定指示を与えなくてもよい。これにより、情報処理装置32は、最大入力電力量を変更しない優先装置に対する処理を少なくすることができる。
【0152】
また、情報処理装置32は、S226の処理において、1または複数の優先装置のうち、変更前における電力プロファイルと、変更後における電力プロファイルが一致する優先装置については、最大プロファイル設定指示を与えなくてもよい。これにより、情報処理装置32は、電力プロファイルを変更しない優先装置との間でのパワーデリバリシーケンスの処理を無くすことができる。
【0153】
また、情報処理装置32は、S230の処理において、1または複数の通常装置のうち、変更前における平均電力量と、変更後における平均電力量が一致する通常装置については、入力電力設定指示を与えなくてもよい。これにより、情報処理装置32は、最大入力電力量を変更しない通常装置に対する処理を少なくすることができる。
【0154】
また、情報処理装置32は、S231の処理において、1または複数の通常装置のうち、変更前における電力プロファイルと、変更後における電力プロファイルが一致する通常装置については、最大プロファイル設定指示を与えなくてもよい。これにより、情報処理装置32は、電力プロファイルを変更しない通常装置との間でのパワーデリバリシーケンスの処理を無くすことができる。
【0155】
図15は、第2実施形態に係る情報処理システム10における、優先電力設定指示および入力電力設定指示をした場合の処理の流れを示す図である。
【0156】
情報処理装置32が優先電力設定指示および最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与えた場合(S225、S226)、情報処理システム10は、S241からS244の処理を実行する。
【0157】
まず、充電制御装置30は、優先装置に対して、VDM信号により、入力する最大の電力を最大消費電力量に応じた第1電力量に設定するための最大入力電力の設定命令を送信する(S241)。
【0158】
続いて、優先装置は、ケーブル34を介して入力する最大の電力を、最大消費電力量に応じた第1電力量に設定する(S242)。これにより、優先装置は、以後、設定された第1電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。優先装置は、VDM信号により、完了を示す情報を充電制御装置30に送信する(S243)。
【0159】
完了を示す情報を受信した場合、充電制御装置30は、優先装置との間で、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるようにパワーデリバリシーケンスを実行する(S244)。
【0160】
また、情報処理装置32が入力電力設定指示および最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与えた場合(S230、S231)、情報処理システム10は、S245からS248の処理を実行する。
【0161】
まず、充電制御装置30は、1または複数の通常装置のそれぞれに対して、VDM信号により、入力する最大の電力を平均電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を送信する(S245)。
【0162】
続いて、通常装置は、ケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定する(S246)。これにより、通常装置は、以後、設定された平均電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。続いて、通常装置は、VDM信号により、完了を示す情報を充電制御装置30に送信する(S247)。
【0163】
完了を示す情報を受信した場合、充電制御装置30は、平均電力量の設定の完了した通常装置との間で、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるようにパワーデリバリシーケンスを実行する(S248)。
【0164】
以上のような第2実施形態に係る充電キャビネット26(制御装置)は、次のような効果を有する。
【0165】
第2実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20のそれぞれの残量に基づき1または複数の優先装置を決定する。さらに、充電キャビネット26は、1または複数の優先装置のそれぞれについて、ケーブル34を介して入力する最大の電力を最大消費電力量に応じた第1電力量に設定させる優先電力設定指示を、充電制御装置30に与える。さらに、充電キャビネット26は、1または複数の優先装置のそれぞれについての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定するプロファイル設定指示である最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える。さらに、充電キャビネット26は、1または複数の通常装置に対して供給する電力量が余剰電力量を超えないように、1または複数の通常装置のそれぞれについての電力プロファイルを設定するプロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。これにより、充電キャビネット26によれば、複数の端末装置20に対して適切に電力を配分して効率良く充電することができる。
【0166】
第2実施形態に係る充電キャビネット26は、1または複数の通常装置の台数で除算した平均電力量を算出し、複数の通常装置のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させる入力電力設定指示、および、複数の通常装置のそれぞれについての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定する最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える。これにより、充電キャビネット26によれば、余剰電力量を超えないように、1または複数の通常装置に対して電力を供給することができる。
【0167】
また、第2実施形態に係る充電キャビネット26は、1または複数の通常装置のうちの一部についての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定し、1または複数の通常装置のうちの他の一部についての電力プロファイルをデフォルト電力プロファイルに設定する。そして、充電キャビネット26は、1または複数の通常装置のうちの最大電力プロファイルに設定する一部の通常装置を、所定時間毎に順次に変更する。これにより、充電キャビネット26によれば、余剰電力量を超えないように、1または複数の通常装置に対して電力を供給することができる。
【0168】
また、第2実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20のうち、残量が予め設定されたしきい値以下であって、残量が最も少ない方から予め定められた個数の端末装置20を、1または複数の優先装置として決定する。これにより、充電キャビネット26によれば、残量が少ない端末装置20を優先して充電させることができる。
【0169】
また、第2実施形態に係る充電キャビネット26は、1または複数の優先装置のうちの何れか1つの優先装置の残量が予め設定されたしきい値より大きくなった場合、新たな1または複数の優先装置を決定する。さらに、充電キャビネット26は、1または複数の優先装置が変更された場合、1または複数の優先装置のそれぞれについての優先電力設定指示および最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与え、1または複数の通常装置に対して供給する電力量が余剰電力量を超えないように、1または複数の通常装置のそれぞれについてのプロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。これにより、第2実施形態に係る充電キャビネット26によれば、適切なタイミングで、新たな1または複数の優先装置を決定することができる。
【0170】
また、第2実施形態に係る充電キャビネット26は、電力プロファイルを設定する場合、供給する電圧および電流の組み合わせを決定するパワーデリバリシーケンスを、複数の端末装置20のうちの指定された端末装置20と実行する。これにより、充電キャビネット26によれば、USB−C規格に準拠した処理により、複数の端末装置20のそれぞれについての電力プロファイルを設定することができる。
【0171】
また、第2実施形態に係る充電キャビネット26は、ケーブル34を介してVDM信号を複数の端末装置20のそれぞれとやり取りすることにより、複数の端末装置20のそれぞれの残量および最大消費電力量を取得する。これにより、充電キャビネット26によれば、USB−C規格に準拠した処理により、複数の端末装置20のそれぞれから、残量および最大消費電力量を取得することができる。
【0172】
また、第2実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20をユーザにより取り出し可能に収納する収納部28をさらに備える。これにより、充電キャビネット26は、複数の端末装置20を保管しながら、充電することができる。
【0173】
(第3実施形態)
つぎに、第3実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第3実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態および第2実施形態と同一のハードウェア構成を有する。
【0174】
図16は、第3実施形態に係る情報処理装置32の機能構成を示す図である。第3実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出部114と、残量取得部212と、電源オン取得部312と、起動設定指示部314と、余剰電力算出部218と、平均電力算出部116と、入力設定指示部118と、ウェイクアップ指示部316とを備える。
【0175】
第3実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出モジュール、残量取得モジュール、電源オン取得モジュール、起動設定指示モジュール、余剰電力算出モジュール、平均電力算出モジュール、入力設定指示モジュールおよびウェイクアップ指示モジュールを含む所定のプログラムを実行することにより、接続検出部114、残量取得部212、電源オン取得部312、起動設定指示部314、余剰電力算出部218、平均電力算出部116、入力設定指示部118およびウェイクアップ指示部316として機能する。なお、情報処理装置32は、接続検出部114、残量取得部212、電源オン取得部312、起動設定指示部314、余剰電力算出部218、平均電力算出部116、入力設定指示部118およびウェイクアップ指示部316の一部または全部がハードウェアで構成されていてもよい。
【0176】
接続検出部114は、充電制御装置30から接続情報を取得する。そして、接続検出部114は、充電制御装置30に接続されている端末装置20をメモリ等に登録する。
【0177】
残量取得部212は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のそれぞれについてのバッテリ70の残量を取得する。例えば、残量取得部212は、複数の端末装置20のそれぞれについての残量を定期的に取得する。バッテリ70の残量は、例えばパーセンテージで表される。
【0178】
電源オン取得部312は、複数の端末装置20のうちの何れか1つの端末装置20である対象装置をオン状態にする電源オン情報を取得する。
【0179】
本実施形態において、端末装置20は、オフ状態において、電源スイッチ74がユーザにより操作された場合、オフ状態を維持し、つまり、オン状態にせずに、オン状態にする操作がされたことを示す電源オン情報をケーブル34を介して充電制御装置30に送信する。充電制御装置30は、ケーブル34を介して接続された複数の端末装置20のうちの何れかの端末装置20から電源オン情報を受信した場合、電源オン情報を送信した端末装置20の識別情報とともに電源オン情報を情報処理装置32に送信する。これにより、電源オン取得部312は、対象装置をオン状態にする電源オン情報を取得することができる。
【0180】
また、情報処理装置32は、他のコンピュータまたはサーバ等からリモート操作により、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のうちの何れかの端末装置20をオン状態にする電源オン情報を取得する場合もある。このような場合も、電源オン取得部312は、対象装置をオン状態にする電源オン情報を取得することができる。
【0181】
起動設定指示部314は、電源オン取得部312が電源オン情報を取得した場合、起動プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。起動プロファイル設定指示は、対象装置についての電力プロファイルを、起動状態の対象装置が動作可能な電圧および電流の組み合わせを示す起動電力プロファイルに設定するプロファイル設定指示である。例えば、起動プロファイル設定指示は、対象装置についての電力プロファイルを、供給可能な最大の電力を示す最大電力プロファイルに設定するプロファイル設定指示であってもよい。情報処理装置32から、起動プロファイル設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、起動電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるように、対象装置とパワーデリバリシーケンスを実行する。
【0182】
なお、起動設定指示部314は、残量取得部212から対象装置のバッテリ70の残量を取得し、取得したバッテリ70の残量を予め定められたしきい値と比較する。そして、起動設定指示部314は、残量が予め定められたしきい値より小さい場合に、起動プロファイル設定指示を充電制御装置30に与えてもよい。つまり、起動設定指示部314は、残量が予め定められたしきい値以上の場合、電源オン情報を取得した場合であっても、起動プロファイル設定指示を充電制御装置30に与えない。ここで、しきい値は、ケーブル34から電力を取り出さなくても、端末装置20がオン状態で動作することが可能な程度の残量である。
【0183】
余剰電力算出部218は、総電力量を取得する。また、余剰電力算出部218は、起動設定指示部314によって対象装置についての電力プロファイルが起動電力プロファイルに設定される場合、起動電力プロファイルに示される電力量を取得する。そして、余剰電力算出部218は、総電力量から、起動電力プロファイルに示される電力量を減じた余剰電力量を算出する。
【0184】
平均電力算出部116は、1または複数の非対象装置の台数を算出する。1または複数の非対象装置は、複数の端末装置20のうち対象装置を除く1または複数の端末装置20である。また、平均電力算出部116は、余剰電力算出部218により算出された余剰電力量を取得する。そして、平均電力算出部116は、余剰電力量を、1または複数の非対象装置の台数で除算した平均電力量を算出する。本実施形態において、平均電力量は、1または複数の非対象装置に対して平均的に電力を供給した場合に、1台あたりに供給可能な電力量を表す。
【0185】
入力設定指示部118は、入力電力設定指示を充電制御装置30に与える。本実施形態において、入力電力設定指示は、1または複数の非対象装置のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させる指示である。
【0186】
情報処理装置32から入力電力設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、1または複数の非対象装置のそれぞれに対して、ケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を送信する。充電制御装置30からこのような設定命令を受けた端末装置20は、平均電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。
【0187】
さらに、入力設定指示部118は、1または複数の非対象装置のそれぞれについての最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。情報処理装置32から最大プロファイル設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるように、1または複数の非対象装置のそれぞれとパワーデリバリシーケンスを実行する。
【0188】
ウェイクアップ指示部316は、起動設定指示部314によって対象装置についての電力プロファイルが起動電力プロファイルに設定された後、対象装置を起動させるウェイクアップ指示を充電制御装置30に与える。
【0189】
充電制御装置30は、ウェイクアップ指示を受け付けた場合、対象装置に対してケーブル34を介してウェイクアップ命令を送信する。ウェイクアップ命令を受信した場合、対象装置は、電源状態をオフ状態からオン状態に切り替える。この場合において、対象装置は、起動電力プロファイルに示された電力をケーブル34を介して充電制御装置30から受け取ることができる。従って、対象装置は、バッテリ70の残量が少ない場合であっても、シャットダウンせずに動作を続けることができる。
【0190】
なお、第3実施形態において、入力設定指示部118は、1または複数の非対象装置に対して供給する電力量が余剰電力量を超えないように、1または複数の非対象装置のそれぞれについての電力プロファイルを設定するプロファイル設定指示を充電制御装置30に与える構成であれば、他の処理を実行してもよい。
【0191】
例えば、入力設定指示部118は、1または複数の非対象装置に対して輪番充電をさせるように、1または複数の非対象装置についてのプロファイル設定指示を充電制御装置30に与えてもよい。
【0192】
輪番充電をさせる場合、入力設定指示部118は、1または複数の非対象装置のうちの一部についての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定し、1または複数の非対象装置のうちの他の一部についての電力プロファイルをデフォルト電力プロファイルに設定する。そして、輪番充電をさせる場合、入力設定指示部118は、1または複数の非対象装置のうちの最大電力プロファイルに設定する一部の非対象装置を、所定時間毎に順次に変更する。これにより、入力設定指示部118は、1または複数の非対象装置に対して供給する電力量が余剰電力量を超えないように、1または複数の非対象装置のそれぞれについての電力プロファイルを設定するプロファイル設定指示を充電制御装置30に与えることができる。
【0193】
図17は、第3実施形態に係る情報処理システム10の処理の流れを示す図である。第3実施形態に係る情報処理システム10は、
図17に示すような流れで処理を実行する。
【0194】
まず、ユーザは、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のうちの、オフ状態の何れかの端末装置20(対象装置)の電源スイッチ74を操作する(S311)。対象装置は、電源スイッチ74が操作された場合、オフ状態を維持して、VDM信号により、電源オン情報を充電制御装置30に送信する(S312)。
【0195】
充電制御装置30は、対象装置から電源オン情報を受信した場合、電源オン情報を送信した対象装置の識別情報とともに電源オン情報を情報処理装置32に送信する(S313)。
【0196】
電源オン情報を受信した情報処理装置32は、対象装置のバッテリ70の残量を取得する(S314)。例えば、情報処理装置32は、複数の端末装置20の残量を定期的に収集してメモリに記憶させている。この場合、情報処理装置32は、メモリから対象装置のバッテリ70の残量を読み出す。例えば、情報処理装置32は、残量を送信させる指示を充電制御装置30に与えて、対象装置にバッテリ70の残量を送信させてもよい。また、対象装置は、電源オン情報を送信する場合に、バッテリ70の残量も送信してもよい。
【0197】
続いて、情報処理装置32は、残量を予め定められたしきい値と比較する(S315)。対象装置のバッテリ70の残量がしきい値より小さくない場合(S315のNo)、情報処理装置32は、処理を
図19のS332に進める。
【0198】
対象装置のバッテリ70の残量がしきい値より小さい場合(S315のYes)、情報処理装置32は、起動プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える(S316)。
【0199】
続いて、充電制御装置30は、対象装置との間で、起動電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるようにパワーデリバリシーケンスを実行する(S317)。
【0200】
なお、第1実施形態または第2実施形態のように、対象装置は、ケーブル34を介して入力可能な最大の電力量を設定している場合がある。この場合、対象装置は、設定されている電力量を超えてケーブル34を介して電力を受け取ることができない。従って、この場合、充電制御装置30は、VDM信号により、最大入力電力の解除命令を対象装置に送信する(S318)。最大入力電力の解除命令を受信した場合、対象装置は、入力する最大の電力の設定を解除する(S319)。これにより、対象装置は、起動電力プロファイルにより示された電圧および電流を上限として、ケーブル34を介して電力を受け取ることができる。
【0201】
図18は、
図17に続く、情報処理システム10の処理の流れを示す図である。第3実施形態に係る情報処理システム10は、
図17に示す処理に続いて、
図18に示すような流れで処理を実行する。
【0202】
起動プロファイル設定指示を与えた後、情報処理装置32は、総電力量から、起動電力プロファイルに示される電力量を減じた余剰電力量を算出する(S321)。続いて、情報処理装置32は、余剰電力量を1または複数の非対象装置の台数で除算した平均電力量を算出する(S322)。
【0203】
続いて、情報処理装置32は、1または複数の非対象装置についての入力電力設定指示を充電制御装置30に与える(S323)。続いて、情報処理装置32は、1または複数の非対象装置についての最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える(S324)。
【0204】
続いて、充電制御装置30は、1または複数の非対象装置のそれぞれに対して、VDM信号により、入力する最大の電力を平均電力量に設定させるための最大入力電力の設定命令を送信する(S325)。
【0205】
続いて、非対象装置は、入力する最大の電力を平均電力量に設定する(S326)。これにより、非対象装置は、以後、設定された平均電力量より大きい電力をケーブル34を介して受け取らないように、電力の消費量を制御する。続いて、非対象装置は、VDM信号により、完了を示す情報を充電制御装置30に送信する(S327)。
【0206】
完了を示す情報を受信した場合、充電制御装置30は、平均電力量の設定の完了した非対象装置との間で、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるようにパワーデリバリシーケンスを実行する(S328)。
【0207】
図19は、
図18に続く、情報処理システム10の処理の流れを示す図である。第3実施形態に係る情報処理システム10は、
図18に示す処理に続いて、
図19に示すような流れで処理を実行する。
【0208】
充電制御装置30は、1または複数の非対象装置の全てとの間で、入力する最大電力の設定およびパワーデリバリシーケンスを完了した場合、完了を示す情報を情報処理装置32に送信する(S331)。
【0209】
完了を示す情報を受信した場合、情報処理装置32は、対象装置を起動させるウェイクアップ指示を充電制御装置30に与える(S332)。また、対象装置から電源オン情報を受信した場合であって、対象装置のバッテリ70の残量がしきい値より小さくない場合(S315のNo)も、情報処理装置32は、ウェイクアップ指示を充電制御装置30に与える。
【0210】
ウェイクアップ指示を受け付けた場合、充電制御装置30は、VDM信号により、対象装置に対してウェイクアップ命令を送信する(S333)。ウェイクアップ命令を受信した場合、対象装置は、電源状態をオフ状態からオン状態に切り替える(S334)。これにより、対象装置は、起動電力プロファイルに示された電力をケーブル34を介して充電制御装置30から受け取ることができる。従って、対象装置は、バッテリ70の残量が少ない場合であっても、シャットダウンせずに動作を続けることができる。
【0211】
以上のような第3実施形態に係る充電キャビネット26(制御装置)は、次のような効果を有する。
【0212】
第3実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20のうちの何れか1つの端末装置20である対象装置をオン状態にする電源オン情報を取得する。さらに、充電キャビネット26は、電源オン情報を取得した場合、対象装置についての電力プロファイルを、起動状態の対象装置が動作可能な電圧および電流の組み合わせを示す起動電力プロファイルに設定する起動プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。さらに、充電キャビネット26は、対象装置についての電力プロファイルが起動電力プロファイルに設定された後、対象装置を起動させるウェイクアップ指示を充電制御装置30に与える。これにより、充電キャビネット26によれば、複数の端末装置20のうちの何れかの端末装置20(対象装置)がオン状態とされた場合であっても、オン状態とされた端末装置20(対象装置)に確実に電力を供給することができる。
【0213】
また、第3実施形態に係る充電キャビネット26は、対象装置のバッテリ70の残量が予め定められたしきい値より小さい場合に、起動プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。これにより、充電キャビネット26によれば、対象装置がバッテリ70により動作することが可能な場合には、他の端末装置20への電力供給を増やすことができる。
【0214】
また、第3実施形態に係る充電キャビネット26は、対象装置についての電力プロファイルが起動電力プロファイルに設定される場合、充電制御装置30から電力供給可能な総電力量から、起動電力プロファイルに示される電力量を減じた余剰電力量を算出する。そして、充電キャビネット26は、複数の端末装置20のうちの対象装置を除く1または複数の端末装置20である1または複数の非対象装置に対して供給する電力量が、余剰電力量を超えないように、1または複数の非対象装置のそれぞれについて電力プロファイルを設定するプロファイル設定指示を充電制御装置30に与える。これにより、充電キャビネット26によれば、複数の端末装置20に対して適切に電力を配分して効率良く充電することができる。
【0215】
第3実施形態に係る充電キャビネット26は、余剰電力量を1または複数の非対象装置の台数で除算した平均電力量を算出する。そして、充電キャビネット26は、複数の非対象装置のそれぞれに対してケーブル34を介して入力する最大の電力を平均電力量に設定させる入力電力設定指示、および、複数の非対象装置のそれぞれについての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定する最大プロファイル設定指示を、充電制御装置30に与える。これにより、充電キャビネット26によれば、余剰電力量を超えないように、1または複数の非対象装置に対して電力を供給することができる。
【0216】
また、第3実施形態に係る充電キャビネット26は、1または複数の非対象装置のうちの一部についての電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定し、1または複数の非対象装置のうちの他の一部についての電力プロファイルをデフォルト電力プロファイルに設定する。そして、充電キャビネット26は、1または複数の非対象装置のうちの最大電力プロファイルに設定する一部の非対象装置を、所定時間毎に順次に変更する。これにより、充電キャビネット26によれば、余剰電力量を超えないように、1または複数の非対象装置に対して電力を供給することができる。
【0217】
また、第3実施形態に係る充電キャビネット26は、電力プロファイルを設定する場合、供給する電圧および電流の組み合わせを決定するパワーデリバリシーケンスを、複数の端末装置20のうちの指定された端末装置20と実行する。これにより、充電キャビネット26によれば、USB−C規格に準拠した処理により、複数の端末装置20のそれぞれについての電力プロファイルを設定することができる。
【0218】
また、第3実施形態に係る充電キャビネット26は、複数の端末装置20をユーザにより取り出し可能に収納する収納部28をさらに備える。これにより、充電キャビネット26は、複数の端末装置20を保管しながら、充電することができる。
【0219】
(プログラム等)
上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0220】
また、上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0221】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【解決手段】制御装置は、複数の端末装置に対する電力供給を制御する制御装置であって、電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルにより複数の端末装置のそれぞれにケーブルを介して電力供給をする充電制御部と、充電制御部に接続されている複数の端末装置のそれぞれについてバッテリの残量、および、残量に応じた最大消費電力量を取得する残量取得部と、複数の端末装置のそれぞれの残量に基づき1または複数の優先装置を決定する優先端末決定部と、1または複数の優先装置のそれぞれについて、ケーブルを介して入力する最大の電力を最大消費電力量に応じた第1電力量に設定させる優先電力設定指示、および、1または複数の優先装置のそれぞれについて電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定する最大プロファイル設定指示を、充電制御部に与える優先設定指示部と、を備える。