(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、二輪車(オートバイ)、四輪車(自動車)、鉄道車両などに設けることができる。二輪車や四輪車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、制動灯、方向指示灯あるいは尾灯などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0010】
図1(a)は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式部分断面図である。
図1(b)は、
図1(a)において車両用照明装置1をA方向から見た模式図である。
図1(c)は、
図1(b)におけるB部の模式拡大図である。
図1(a)〜
図1(c)に示すように、車両用照明装置1には、本体部2、発光モジュール3、およびカバー4が設けられている。
【0011】
本体部2は、収納部20a、装着部20b、端子部21a、および接続部21bを有する。
収納部20aは、発光モジュール3が設けられる側の端面に開口する凹部20a1を有する。また、収納部20aは、凹部20a1の底面に開口する凹部20a2を有する。なお、凹部20a1および凹部20a2は必ずしも必要ではなく省略することもできる。ただし、凹部20a1が設けられていれば、発光モジュール3(基板3a)の位置決めや保持が容易となる。凹部20a2が設けられていれば、軽量化や材料コストの低減などを図ることができる。
【0012】
収納部20aの外形形状は、例えば、円柱状とすることができる。
装着部20bは、収納部20aの、発光モジュール3が設けられる側とは反対側の端部に設けられている。装着部20bは、車両用灯具100のソケット101に装着される(
図3を参照)。そのため、装着部20bの外形形状は、例えば、平板状とすることができる。
なお、収納部20aおよび装着部20bの外形形状は、ウェッジベース電球の該当部分の外形形状となるべく同じとなるようにすることが好ましい。この様にすれば、既存のウェッジベース電球を車両用照明装置1に置き換えることが容易となる。
【0013】
収納部20aおよび装着部20bは、端子部21aおよび接続部21bを絶縁する機能を有する。また、車両用照明装置1は、軽量、且つ低コストであることが好ましい。そのため、収納部20aおよび装着部20bは、樹脂などの有機材料から形成されている。
【0014】
この場合、収納部20aには発光モジュール3が設けられるので、発光モジュール3において発生した熱が外部に伝わりやすくなるようにすることが好ましい。そのため、収納部20aおよび装着部20bの材料は、高熱伝導性樹脂とすることがさらに好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムなどからなるフィラーを混合させたものである。
【0015】
端子部21aは、一対設けられている。
端子部21aは、帯状体や棒状体などとすることができる。端子部21aは、例えば、直線状の形態を有するものとすることができる。端子部21aの断面形状には特に限定はない。端子部21aの断面形状は、例えば、円形とすることができる。この場合、端子部21aの断面寸法(直径寸法)は、例えば、0.4mm以上1.5mm以下とすることができる。端子部21aは、例えば、銅などの導電性材料から形成することができる。
【0016】
一対の端子部21aは、装着部20bを挟んで設けることができる。一対の端子部21aは、車両用照明装置1の中心軸1aに対して点対称となる位置に設けることができる。なお、一対の端子部21aは、装着部20bの同じ側に設けることもできる。
【0017】
一対の端子部21aは、装着部20bの収納部20a側の端部と、装着部20bの収納部20a側とは反対側の端部との間を延びている。
一対の端子部21aは、装着部20bの内部に設けられている。この場合、一対の端子部21aの一方は、装着部20bの一方の表面から露出している。また、一対の端子部21aの他方は、装着部20bの反対側の表面から露出している。
すなわち、一対の端子部21aは、導電性を有し、装着部20bの内部を直線状に延び、装着部20bの表面から一部が露出している。また、後述する様に、一対の端子部21aは、装着部20bと密着固定されている。
【0018】
接続部21bは、一対設けられている。
接続部21bは、帯状体や棒状体などとすることができる。接続部21bの断面寸法は、特に限定はないが、例えば、端子部21aの断面寸法と同程度とすることができる。
接続部21bは、例えば、銅などの導電性材料から形成することができる。
一対の接続部21bは、収納部20aの装着部20b側の端部と、収納部20aの発光モジュール3が設けられる側の端部との間を延びている。この場合、一対の接続部21bは、凹部20a2の側面に設けられていてもよいし、収納部20aの壁面内に設けられていてもよい。すなわち、一対の接続部21bは、凹部20a2の側面、または、凹部20a2の側面と収納部20aの外側面との間に設けられている。一対の接続部21bが凹部20a2の側面と収納部20aの外側面との間に設けられていれば、一対の接続部21bが凹部20a2の側面から剥離するのを抑制することができる。
【0019】
一対の接続部21bの一方は、一対の端子部21aの一方と電気的に接続されている。一対の接続部21bの他方は、一対の端子部21aの他方と電気的に接続されている。
この場合、接続部21bの装着部20b側の端部は、端子部21aの収納部20a側の端部と電気的に接続されている。そして、端子部21aと接続部21bは、固着されている。例えば、端子部21aと接続部21bは、溶接、ロー付け、半田付けされたり、一体に形成されたりすることができる。
【0020】
接続部21bの発光モジュール3側の端部は、基板3aの配線パターンと電気的に接続されている。この場合、接続部21bと配線パターンが接触しているだけであってもよいし、接続部21bと配線パターンが半田付けなどされていてもよい。
そのため、一対の端子部21aのそれぞれは、接続部21b、および配線パターンを介して、発光素子3b、抵抗3c、および制御素子3dと電気的に接続される。
以上に説明したように、一対の接続部21bのそれぞれは、導電性を有し、一方の端部が端子部21aと電気的に接続され、他方の端部が配線パターンと電気的に接続されている。
【0021】
ここで、直線状の形態を有する端子部21aとし、端子部21aの一部を装着部20bの表面から露出させるようにすれば、端子部21aを装着部20bに沿ってU字状に折り曲げる必要がなくなる。そのため、車両用照明装置1の製造が容易となる。
この場合、装着部20bに設けられた溝や孔に端子部21aを差し込むことができる。ところが、装着部20bに設けられた溝や孔に端子部21aを差し込むようにすると、端子部21aが曲がったり、装着部20bが破損したりするおそれがある。溝や孔の断面寸法を大きくすれば、端子部21aが曲がったり、装着部20bが破損したりするのを抑制することができる。ところが、溝や孔の断面寸法を大きくしすぎると、車両用照明装置1を車両用灯具100のソケット101に装着した際に端子部21aの位置が変わり接触不良などが発生するおそれがある。この場合、溝や孔の内部に端子部21aを接着すれば端子部21aの位置を固定することができるが、はみ出した接着剤により接触不良などが発生するおそれがある。
【0022】
そこで、本実施の形態に係る車両用照明装置1においては、樹脂などの有機材料を用いて収納部20aおよび装着部20bを形成する際に、収納部20a、装着部20b、端子部21a、および接続部21bが一体化されるようにしている。例えば、インサート成形法などを用いれば、収納部20a、装着部20b、端子部21a、および接続部21bが一体化されるようにすることができる。なお、インサート成形法などを用いて、収納部20a、装着部20b、端子部21a、および接続部21bを一体化すれば、端子部21aは、装着部20bに密着固定される。
この様にすれば、車両用照明装置1の製造が容易となる。
【0023】
この場合、端子部21aは、装着部20bに密着固定されている。そのため、車両用照明装置1を車両用灯具100のソケット101に装着した際に端子部21aの位置が変わるのを抑制することができるので、接触不良などが発生するのを抑制することができる。すなわち、車両用灯具100のソケット101との電気的な接続に対する信頼性を向上させることができる。
【0024】
発光モジュール3(基板3a)は、収納部20aの凹部20a1の内部に設けられている。発光モジュール3(基板3a)は、凹部20a1の底面上に設けられている。この場合、基板3aと凹部20a1の側面との間には隙間があってもよいし、基板3aと凹部20a1の側面とが密着していてもよい。また、基板3aを凹部20a1の内部に接着することもできる。
なお、凹部20a1が設けられない場合には、発光モジュール3(基板3a)は、収納部20aの、装着部20b側とは反対側の端面に設けられる。
【0025】
発光モジュール3は、基板3a、発光素子3b、抵抗3c、および制御素子3dを有する。
基板3aは、平板状を呈している。基板3aの表面には、配線パターンを設けることができる。配線パターンは、基板3aの両面に設けることもできるし、基板3aの片面に設けることもできる。なお、
図1(a)に例示をした車両用照明装置1の場合には、配線パターンは、基板3aの両面に設けられている。
【0026】
基板3aの材料や構造には特に限定はない。例えば、基板3aは、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板3aは、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0027】
発光素子3bの発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板3aを形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板3aは、単層であってもよいし、多層であってもよい。なお、多層基板の場合には、配線パターンを基板3aの内部に設けることもできる。
【0028】
発光素子3bは、基板3aの、収納部20a側とは反対側に設けられている。発光素子3bは、基板3aの表面に設けられた配線パターンと電気的に接続されている。発光素子3bは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0029】
発光素子3bの形式には特に限定はない。
発光素子3bは、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。なお、
図1(a)に例示をした発光素子3bは、表面実装型の発光素子である。
発光素子3bは、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。
【0030】
また、発光素子3bは、COB(Chip On Board)により実装されるものとすることもできる。COBにより実装される発光素子3bとする場合には、チップ状の発光素子3bと、発光素子3bと配線パターンを電気的に接続する配線と、発光素子3bと配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内部に設けられた封止部などと、を基板3aの上に設けることができる。
【0031】
この場合、封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。例えば、発光素子3bが青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子3bから出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が車両用照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子3bの種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類や発光素子3bの種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0032】
発光素子3bの光の出射面は、車両用照明装置1の正面側(カバー4側)に向けられている。発光素子3bは、主に、車両用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子3bの数、大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0033】
抵抗3cは、基板3aの、発光素子3bが設けられる側の表面、および、発光素子3bが設けられる側とは反対側の表面の少なくともいずれかに設けられている。抵抗3cは、基板3aの表面に設けられた配線パターンと電気的に接続されている。
【0034】
抵抗3cは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。
なお、
図1(a)に例示をした抵抗3cは、膜状の抵抗器である。
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO
2)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗3cが膜状の抵抗器であれば、抵抗3cと基板3aとの接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗3cを一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができ、また、複数の抵抗3cにおける抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0035】
ここで、発光素子3bの順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子3bから照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子3bから照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗3cにより、発光素子3bに流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗3cの抵抗値を変化させることで、発光素子3bに流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0036】
抵抗3cが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子3bの順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗3cを選択する。
抵抗3cが膜状の抵抗器の場合には、抵抗3cの一部を除去して除去部を形成する。そして、除去部の大きさなどにより、抵抗3cの抵抗値を変化させる。この場合、除去部を形成すれば、抵抗値は増加することになる。例えば、抵抗3cにレーザ光を照射すれば除去部を容易に形成することができる。
抵抗3cの数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子3bの数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0037】
制御素子3dは、基板3aの、発光素子3bが設けられる側の表面、および、発光素子3bが設けられる側とは反対側の表面の少なくともいずれかに設けられている。制御素子3dは、基板3aの表面に設けられた配線パターンと電気的に接続されている。
【0038】
制御素子3dは、逆方向電圧が発光素子3bに印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子3bに印加されないようにするために設けられている。制御素子3dは、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子3dは、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図1(a)に例示をした制御素子3dは、表面実装型のダイオードである。
【0039】
なお、制御素子3dは、保護素子に限定されるわけではない。制御素子3dは、例えば、点滅回路、定電流回路、点灯回路(駆動回路)の少なくともいずれかを有する集積回路などとすることもできる。
ここで、制御素子3dおよび抵抗3cは、発光素子3bよりも大きくなる場合が多い。収納部20aが凹部20a1の底面に開口する凹部20a2を有していれば、発光素子3bを基板3aのカバー4側の表面に実装し、抵抗3cおよび制御素子3dを基板3aのカバー4側とは反対側の表面に実装することができる。この様にすれば、サイズが大きい制御素子3dや抵抗3cであっても実装することが可能となる。また、スペース効率を向上させることができるので、発光モジュール3の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化が可能となる。
【0040】
制御素子3dの数、種類、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子3bの数や仕様などに応じて適宜変更することができる。なお、制御素子3dは必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けるようにすればよい。また、制御素子3dが抵抗3cの機能を有している場合には、抵抗3cを省略することもできる。
【0041】
またさらに、配線パターンや膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むものとすることができる。
【0042】
カバー4は、収納部20aの、発光モジュール3が設けられる側の端部に設けられている。カバー4の開口側の端部は、収納部20aの凹部20a1の内部に設けられている。カバー4は、収納部20aに接着してもよいし、摩擦力や弾性力などにより収納部20aに保持されるようにしてもよい。
カバー4に形状や大きさには特に限定がなく、車両用照明装置1の用途や大きさなどに応じて適宜変更することができる。なお、
図1(a)に例示をしたカバー4の形状は、ドーム状である。
【0043】
カバー4は、透光性を有する材料から形成されている。透光性を有する材料は、例えば、ガラスなどの無機材料、透明樹脂などの有機材料などとすることができる。透明樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができる。
また、カバー4は、光の拡散や散乱などの機能を有していてもよい。例えば、カバー4の内面に酸化チタンなどの拡散材を塗布したり、拡散材が混合された材料からカバー4を形成したりすることができる。
また、カバー4は、レンズやリフレクタなどの機能を有していてもよい。
【0044】
図2は、他の実施形態に係る車両用照明装置11を例示するための模式部分断面図である。
図2に示すように、車両用照明装置11には、本体部2a、発光モジュール3、カバー4、およびピン5が設けられている。
【0045】
本体部2aは、収納部20a、装着部20b、端子部21a、および接続部21baを有する。
【0046】
接続部21baは、筒状体とすることができる。接続部21baの内部の断面寸法は、ピン5の断面寸法よりも僅かに大きくなっている。そのため、接続部21baの内部にピン5を差し込むことで、接続部21baとピン5とが電気的および機械的に接続される。 接続部21baは、例えば、銅などの導電性材料から形成することができる。
【0047】
一対の接続部21baは、凹部20a2の底面から突出している。なお、一対の接続部21baは、ピン5との接続部分を凹部20a2の底面から露出させて底面に埋め込むこともできる。
【0048】
一対の接続部21baの一方は、一対の端子部21aの一方と電気的に接続されている。一対の接続部21baの他方は、一対の端子部21aの他方と電気的に接続されている。
この場合、接続部21baの装着部20b側の端部は、端子部21aの収納部20a側の端部と電気的に接続されている。そして、端子部21aと接続部21baは、固着されている。例えば、端子部21aと接続部21baは、溶接、ロー付け、半田付けされたり、一体に形成されたりすることができる。
【0049】
一対のピン5は、一対の接続部21baと基板3aとの間を延びている。
ピン5は、例えば、銅などの導電性材料から形成することができる。
一対のピン5の一方は、一対の接続部21baの一方と電気的および機械的に接続されている。一対のピン5の他方は、一対の接続部21baの他方と電気的および機械的に接続されている。
すなわち、一対のピン5のそれぞれは、導電性を有し、一方の端部が接続部21baと電気的および機械的に接続され、他方の端部が配線パターンと電気的に接続されている。
【0050】
この場合、ピン5の装着部20b側の端部は、接続部21baの内部に差し込まれる。ピン5が接続部21baの内部に差し込まれることで、ピン5と接続部21baとが電気的および機械的に接続される。ピン5の基板3a側の端部は、基板3aに設けられた孔の内部に差し込まれている。ピン5の基板3a側の端部は、基板3aの配線パターンと電気的に接続されている。この場合、ピン5と配線パターンが接触しているだけであってもよいし、ピン5と配線パターンが半田付けなどされていてもよい。
そのため、一対の端子部21aのそれぞれは、接続部21ba、ピン5、および配線パターンを介して、発光素子3b、抵抗3c、および制御素子3dと電気的に接続される。
【0051】
本実施の形態に係る車両用照明装置11とすれば、前述した車両用照明装置1と同様の効果を得ることができる。すなわち、車両用照明装置11の製造が容易となり、且つ、車両用灯具のソケットとの電気的な接続に対する信頼性を向上させることができる。
【0052】
(車両用灯具)
図3は、本実施の形態に係る車両用灯具100を例示するための模式斜視図である。
図3に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1(11)、およびソケット101が設けられている。
ソケット101は、筐体102、端子103、およびカバー104を有する。
【0053】
筐体102は、車両用照明装置1(11)が収納される空間を内部に有する。筐体102は、例えば、一方の端部が開口した箱とすることができる。ただし、筐体102の形状や大きさは、車両用灯具100の用途や大きさなどに応じて適宜変更することができる。
筐体102は、例えば、絶縁性材料から形成することができる。筐体102は、例えば、樹脂などの有機材料から形成することができる。
【0054】
筐体102の内部の底面には、車両用照明装置1(11)の装着部20bが挿入される孔102aが設けられている。
一対の端子103は、孔102aの内部に設けられている。一対の端子103は、導電性と弾性を有する。一対の端子103は、例えば、金属製の板バネとすることができる。車両用照明装置1(11)を孔102aに挿入すると、一対の端子103の一方が、一対の端子部21aの一方と電気的に接続される。一対の端子103の他方が、一対の端子部21aの他方と電気的に接続される。
一対の端子103は、車両用灯具100の外部に設けられた電源などと電気的に接続されている。そのため、車両用照明装置1(11)をソケット101に装着することで、車両用照明装置1(11)と電源などとが電気的に接続される。
【0055】
カバー104は、筐体102の開口を塞ぐように設けられている。カバー104は、筐体102に着脱することができる。カバー104は、透光性を有する材料から形成されている。透光性を有する材料は、例えば、ガラスなどの無機材料、透明樹脂などの有機材料などとすることができる。透明樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができる。
また、カバー104は、光の拡散や散乱などの機能を有していてもよい。例えば、カバー104の表面に酸化チタンなどの拡散材を塗布したり、拡散材が混合された材料からカバー104を形成したりすることができる。
また、カバー104は、レンズやリフレクタなどの機能を有していてもよい。
【0056】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。