【文献】
「乙女魂〜光と無月〜」,パチスロ必勝ガイドMAX 2015年9月号,株式会社ガイドワークス,2015年 9月 1日,p.136-137,特に第137頁右下の「スケバンバトル」参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記示唆演出は、前記許容状態中の前記役抽選手段による役抽選にて前記特定役として、遊技者の前記ストップスイッチの停止操作順序にかかわらず入賞し、前記有利状態、又は前記許容状態における遊技媒体の最大払出枚数が得られることになる第1特定役に当選したことに基づいて開始されることを特徴とする請求項1又は2に記載の回胴式遊技機。
前記特定役として、遊技者が当該特定役に対応する停止操作順序で前記ストップスイッチを操作した場合に入賞し、前記有利状態、又は前記許容状態における遊技媒体の最大払出枚数が得られることになる前記ストップスイッチの停止操作順序に対応した複数の第2特定役を備え、
前記示唆演出は、前記許容状態中の前記役抽選手段による役抽選にて複数の前記第2特定役のうちの何れかに当選したことに基づいて開始され、
前記報知手段は、当選した前記第2特定役の前記停止操作情報を前記表示部に表示し、
前記表示部に表示された前記第2特定役の前記停止操作情報には、前記表示部に表示される前記停止操作情報の態様毎に前記期待値が割り振られていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回胴式遊技機。
前記特定役として、遊技者の前記ストップスイッチの停止操作順序にかかわらず入賞し、前記有利状態、又は前記許容状態における遊技媒体の最大払出枚数が得られることになる第1特定役を備え、
前記許容状態中の前記役抽選手段による役抽選にて前記第1特定役に当選した場合に、前記報知手段が表示する当該第1特定役の前記停止操作情報を停止操作情報決定抽選により決定する停止操作情報決定手段を備え、
前記示唆演出は、前記許容状態中の前記役抽選手段による役抽選にて前記第1特定役又は複数の前記第2特定役のうちの何れかに当選したことに基づいて開始され、
前記報知手段は、前記示唆演出が前記第1特定役に当選したことに基づいて開始された場合、前記示唆演出において、前記停止操作情報決定手段により行われた停止操作情報決定抽選にて決定された前記第1特定役の前記停止操作情報を前記表示部に表示し、前記示唆演出が複数の前記第2特定役のうちの何れかに当選したことに基づいて開始された場合、前記示唆演出において、当選した前記第2特定役に対応して予め定められている前記停止操作情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項4に記載の回胴式遊技機。
前記報知手段は、前記示唆演出において、前記期待値に対応した前記選択肢を最初の前記ストップスイッチの操作が有効となる前に前記表示部に表示し、最後の前記ストップスイッチの操作が行われたことに基づいて、当該示唆演出において決定された前記選択肢を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の回胴式遊技機。
前記許容状態制御手段は、前記示唆演出にて対応する前記選択肢が決定された場合には、次遊技より、決定された当該選択肢に対応する許容可否演出を実行することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の回胴式遊技機。
前記許容状態において、前記役抽選手段による役抽選にて当選した前記特定役に対応して、前記示唆演出中に前記報知手段が前記表示部に表示する前記停止操作情報に対応する前記期待値を抽選にて決定する関係決定手段を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の回胴式遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
(回胴式遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、回胴式遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、回胴式遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、回胴式遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
第1の実施形態に係る回胴式遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0024】
(筐体12、前扉14)
第1の実施形態に係る回胴式遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0025】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0026】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。
【0027】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数(以下、「クレジットメダル数」とする)を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、回胴式遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、たとえば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁のクレジットメダル数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0028】
ここで、第1の実施形態に係る回胴式遊技機10は、後述するメダル投入口38に投入したメダルを最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。そして、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を「最大クレジットメダル数」とする。
【0029】
(区間報知ランプ90)
前扉14のうち、クレジット表示器87と払出枚数表示器88との間には、現在の後述する演出状態が「許容区間」であることを発光態様により報知する区間報知ランプ90が設けられている。なお、第1の実施形態における「許容区間」は、本発明における「許容状態」に相当する。
【0030】
この区間報知ランプ90は、演出状態が「通常区間」から「許容区間」に移行したことを契機に後述するメイン制御手段200により点灯され、演出状態が「許容区間」である間は常時点灯されている。そして、区間報知ランプ90は、演出状態が「許容区間」から「通常区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯される。
【0031】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。この操作部30は、メダル投入口38と、精算スイッチ36と、ストップスイッチ50と、スタートスイッチ40と、ベットスイッチ32と、演出用ボタンスイッチ42と、を備えている。
【0032】
(メダル投入口38)
操作部30の右側部分には、回胴式遊技機10の内部へ遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0033】
(メダルセレクタ17)
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検知する投入センサ92が設けられている。
【0034】
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0035】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0036】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0037】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0038】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0039】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
また、前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図2参照)。
【0040】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0041】
(設定変更スイッチ46)
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0042】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該回胴式遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0043】
また、前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図2参照)。
【0044】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0045】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0046】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0047】
(遊技の流れの説明)
第1の実施形態に係る回胴式遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該回胴式遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該回胴式遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の配当が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の配当を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0048】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示部84と、バックランプ67と、を備えている。
【0049】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0050】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0051】
(表示部84)
前記表示部84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0052】
(バックランプ67)
前記バックランプ67は、リールユニット60に設けられており、回転リール62上の図柄61を照らすためのものである。
【0053】
(制御装置100)
図2に示すように、回胴式遊技機10の内部には、回胴式遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うサブ制御手段500とを備えている。
【0054】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、メダルセレクタ17、スタートスイッチ40、ベットスイッチ32、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源ユニット43、リールユニット60及びホッパーユニット24の入力を受け付け、クレジット表示器87、払出枚数表示器88、リールユニット60、ホッパーユニット24、設定表示器89及び区間報知ランプ90の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200及び演出用ボタンスイッチ42からの信号を入力し、演出用ランプ78等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500には、演出装置70としての演出用ランプ78、スピーカー72、表示部84及びバックランプ67の各パーツが接続されている。
【0055】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0056】
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば回胴式遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0057】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを回胴式遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
【0058】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、
図3に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、配当付与手段240、遊技状態制御手段250、演出状態制御手段260、移行抽選手段270、関係決定手段280の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0059】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、第1の実施形態における遊技について説明する。
【0060】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、第1の実施形態に係る回胴式遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(第1の実施形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0061】
第1の実施形態では、役として、大別すると、ベル役、チェリー役、スイカ役、チャンス役などの小役(メダルの払い出しを伴う役や、後述する演出状態の移行の契機となる役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(後述する遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
【0062】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(第1の実施形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0063】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。第1の実施形態に係る回胴式遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に配当が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0064】
役抽選の当選確率は、複数段階、第1の実施形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0065】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための役抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技用、RT2用、ボーナス内部中用、ボーナス遊技用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0066】
また、役抽選手段210による役抽選で当選する当選役には、ベル役が含まれている。そして、第1の実施形態におけるベル役は、遊技者のストップスイッチ50の停止操作順序としての押し順にかかわらず入賞し、許容区間におけるメダルの最大払出枚数が得られることになる、いわゆる「押し順不問ベル」と、遊技者が当該ベル役に対応する押し順でストップスイッチ50を操作した場合に入賞し、許容区間におけるメダルの最大払出枚数が得られることになる、ストップスイッチ50の押し順に対応した複数の「押し順ベル」とを有する。ここで、第1の実施形態における「ベル役」は、本発明における「特定役」に相当し、「押し順不問ベル」は、本発明における「第1特定役」に相当し、「押し順ベル」は、本発明における「第2特定役」に相当する。なお、第1の実施形態では、ベル役として押し順不問ベルと押し順ベルとの2種類を設けることとしたが、これに限らず、ベル役は押し順不問ベルの1種類のみでもよい。
【0067】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の役抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50の押し順が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0068】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0069】
(配当付与手段240)
配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の配当の付与を行うものである。配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されると配当としてのメダルの払い出しを行う。
【0070】
(遊技状態制御手段250)
遊技状態制御手段250は、
図10に示すスロットマシンの作動状態である遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、
図5に示すように、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252及びボーナス遊技制御手段253の各手段を有する。
【0071】
(ノーマル遊技制御手段251)
ノーマル遊技制御手段251は、
図10を用いて後述する「ノーマル遊技」の進行を制御するものである。ここで、「ノーマル遊技」は、後述するRT制御手段252による「RT遊技」(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技以外の遊技状態をいい、「RT0」及び「RT1」を含む(
図10参照)。
【0072】
(RT制御手段252)
RT制御手段252は、
図10を用いて後述する「RT遊技」の進行を制御するものである。ここで、「RT遊技」は、「RT2」及び「ボーナス内部中」を含む(
図10参照)。
【0073】
(ボーナス遊技制御手段253)
ボーナス遊技制御手段253は、
図10を用いて後述する「ボーナス遊技」を制御するものである。
「ボーナス遊技」は、ボーナス内部中にボーナス移行役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃ったことで移行し、いわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、たとえば200枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「RT0」に移行する。
【0074】
(演出状態制御手段260)
演出状態制御手段260は、
図11に示すスロットマシンの作動状態である演出状態を制御するためのものである。
具体的には、演出状態制御手段260は、
図6に示すように、通常遊技制御手段261、ATチャンスゾーン遊技制御手段262及びAT遊技制御手段263の各手段を有する。
【0075】
(通常遊技制御手段261)
通常遊技制御手段261は、
図11を用いて後述する通常状態で行われている遊技である「通常遊技」(非AT)を制御するものである。
【0076】
ここで、「非AT」は、「AT」の非作動状態を意味する。「AT」は、いわゆる「アシストタイム」の略語であり、「AT」に移行すると、当選した小役の停止操作情報としての押し順ナビが表示される遊技が開始され、表示された押し順ナビに従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、「AT」は、後述するAT遊技制御手段263で制御され、このとき、RT制御手段252で制御される「RT状態」に移行すると、「ART状態」となる。「ART状態」は、「RT状態」かつ「AT状態」であり、「リプレイタイム遊技」かつ「アシストタイム遊技」の「ART遊技」が行われる。なお、第1の実施形態における「AT状態」は、本発明における「有利状態」に相当する。
【0077】
(ATチャンスゾーン遊技制御手段262)
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、
図11を用いて後述するATチャンスゾーンで行われている遊技である「ATチャンスゾーン遊技」を制御するものである。なお、第1の実施形態における「ATチャンスゾーン遊技制御手段262」は、本発明における「許容状態制御手段」に相当する。
【0078】
ここで、ATチャンスゾーン遊技制御手段262が制御するATチャンスゾーン遊技としては、「ATチャンスゾーン通常遊技」と、「ATチャンスゾーン示唆遊技」と、「ATチャンスゾーンバトル遊技」とがある。
【0079】
「ATチャンスゾーン通常遊技」は、ATチャンスゾーン遊技において、「ATチャンスゾーン示唆遊技」と「ATチャンスゾーンバトル遊技」とを除いた遊技である。
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、後述するATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選して、通常状態からATチャンスゾーンに移行したことに基づいて、ATチャンスゾーン通常遊技を開始する。そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン示唆遊技が開始されるまで、すなわち、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順不問ベルに当選するまで、ATチャンスゾーン通常遊技を行う。
【0080】
また、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて所定のポイント獲得役に当選し、この所定のポイント獲得役が成立した場合には、当該成立したポイント獲得役に対応する獲得ポイントを記憶する。なお、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン通常遊技中において、複数回、所定のポイント獲得役が成立した場合には、獲得した獲得ポイントを累積的に記憶する。
【0081】
ここで、所定のポイント獲得役とは、
図8に示すように、チェリー役と、スイカ役と、リプレイ役とがある。そして、チェリー役については、中段チェリーが成立した場合には「10」ポイントを獲得でき、弱チェリーが成立した場合には「5」ポイントを獲得できることとされている。また、スイカ役が成立した場合には「5」ポイントを獲得でき、リプレイ役が成立した場合には「1」ポイントを獲得できることとされている。
【0082】
なお、所定のポイント獲得役は、上述の役に限らず他の役であってもよいし、所定のポイント獲得役の成立により獲得可能なポイント数は上述の数値に限らず他の数値であってもよい。
【0083】
「ATチャンスゾーン示唆遊技」は、ATチャンスゾーン遊技において、「ATチャンスゾーン通常遊技」と「ATチャンスゾーンバトル遊技」とを除いた遊技であって、示唆演出が行われる遊技である。なお、示唆演出の詳細については後述する。
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順不問ベルに当選したことに基づいて、ATチャンスゾーン示唆遊技を開始する。このATチャンスゾーン示唆遊技は、ATチャンスゾーンにおいて1遊技のみ行われるものであり、この1遊技にて後述するバトル演出の結果に対する期待度を示唆する示唆演出が行われる。
【0084】
そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン示唆遊技にて行われる示唆演出を制御しており、この示唆演出において、遊技者のストップスイッチ50の押し順にかかわらず、複数のAT抽選確率のうちから1つのAT抽選確率を押し順ナビに基づいて決定する。すなわち、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、遊技者が後述する報知手段510により表示部84に表示された押し順ナビに従わずにストップスイッチ50を操作しても、押し順ナビに基づいてAT抽選確率を決定する。ここで、「AT抽選確率」は、本発明における「期待値」に相当する。
【0085】
さらに、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順不問ベルに当選したことに基づいて、記憶している獲得ポイント数を参照して示唆演出に対応する押し順ナビを決定する。そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、決定した押し順ナビに対応する選択キャラクターを決定する。
【0086】
第1の実施形態における示唆演出では、押し順ナビとキャラクターとが対応している。すなわち、第1の実施形態では、押し順ナビにキャラクターが紐付いており、獲得ポイント数に基づいて押し順ナビが決定された場合には、押し順ナビに紐付いているキャラクターが選択キャラクターとして自動的に決定される。
【0087】
具体的には、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、
図9に示すように、獲得ポイント数が「5ポイント以下」の場合には示唆演出に対応する押し順ナビを「RCL」に決定する。その後、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、押し順ナビ「RCL」に対応するキャラクターとして選択キャラクターを「キャラクターF」に決定する。
【0088】
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、獲得ポイント数が「6ポイント」の場合には示唆演出に対応する押し順ナビを「RLC」に決定する。その後、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、押し順ナビ「RCL」に対応するキャラクターとして選択キャラクターを「キャラクターE」に決定する。
【0089】
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、獲得ポイント数が「7ポイント」の場合には示唆演出に対応する押し順ナビを「CRL」に決定する。その後、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、押し順ナビ「CRL」に対応するキャラクターとして選択キャラクターを「キャラクターD」に決定する。
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、獲得ポイント数が「8ポイント」の場合には示唆演出に対応する押し順ナビを「CLR」に決定する。その後、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、押し順ナビ「CLR」に対応するキャラクターとして選択キャラクターを「キャラクターC」に決定する。
【0090】
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、獲得ポイント数が「9ポイント」の場合には示唆演出に対応する押し順ナビを「LRC」に決定する。その後、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、押し順ナビ「LRC」に対応するキャラクターとして選択キャラクターを「キャラクターB」に決定する。
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、獲得ポイント数が「10ポイント以上」の場合には示唆演出に対応する押し順ナビを「LCR」に決定する。その後、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、押し順ナビ「LCR」に対応するキャラクターとして選択キャラクターを「キャラクターA」に決定する。
【0091】
「ATチャンスゾーンバトル遊技」は、ATチャンスゾーン遊技において、「ATチャンスゾーン通常遊技」と「ATチャンスゾーン示唆遊技」とを除いた遊技であって、許容可否演出としてのバトル演出が行われる遊技である。なお、バトル演出の詳細については後述する。
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン示唆遊技が終了したことに基づいて、ATチャンスゾーン示唆遊技の次の遊技からATチャンスゾーンバトル遊技を開始する。
【0092】
また、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、示唆演出にて決定された選択キャラクターに対応するバトル演出として、当該選択キャラクターに焦点を当てたバトル演出を実行する。
【0093】
具体的には、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、各キャラクターに焦点を当てたバトル演出を複数備えており、たとえば、獲得ポイント数が「7ポイント」であり、示唆演出に対応する押し順ナビを「CRL」に決定した後、押し順ナビ「CRL」に基づいて選択キャラクターを「キャラクターD」に決定した場合には、キャラクターDに焦点を当てたバトル演出を実行する。この場合におけるバトル演出は、後述する報知手段510によりキャラクターDが表示部84に表示された配置にて行われる(
図13(A)及び(B)参照)。これにより、遊技者は、示唆演出にて決定された選択キャラクターが表示部84に表示された配置でバトル演出を見ることができる。
【0094】
また、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、後述する報知手段510により押し順不問ベルに対応する押し順ナビが表示部84に表示されたことに基づいて、ATチャンスゾーンを終了して、通常状態へ移行させることが可能となる。このとき、第1の実施形態におけるATチャンスゾーンは、メダルの払い出しを伴う小役の押し順ナビの表示が許容される許容区間に属しており、この許容区間においては、許容区間の終了条件として、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示をすることが必要とされている。そのため、第1の実施形態では、最大払出枚数に係る入賞に対する指示として押し順不問ベルに対応する押し順ナビが表示されることが、ATチャンスゾーン遊技制御手段262によりATチャンスゾーンが終了されるための条件となる。
【0095】
(AT遊技制御手段263)
AT遊技制御手段263は、
図11を用いて後述するAT状態で行われている遊技である「AT遊技」を制御するものである。
【0096】
(移行抽選手段270)
移行抽選手段270は、各演出状態へ移行するか否かを決定する抽選を行うものである。この移行抽選手段270は、
図7に示すように、通常状態においてATチャンスゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「ATチャンスゾーン移行抽選」とする)を行うATチャンスゾーン移行抽選手段271と、ATチャンスゾーンにおいてAT状態へ移行するか否かの抽選(以下、「AT抽選」とする)を行うAT移行抽選手段272とを備えている。なお、移行抽選手段270が行う抽選は上記のものには限られない。
【0097】
(ATチャンスゾーン移行抽選手段271)
ATチャンスゾーン移行抽選手段271は、通常状態においてATチャンスゾーン移行抽選を行うものである。このATチャンスゾーン移行抽選手段271が行うATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、ATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ATチャンスゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。
ATチャンスゾーン移行抽選手段271で行われるATチャンスゾーン移行抽選は、言い換えれば、通常状態において後述する許容区間へ移行するか否かを決定する抽選である。
【0098】
(AT移行抽選手段272)
AT移行抽選手段272は、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選を行うものである。このAT移行抽選手段272が行うAT抽選は、ATチャンスゾーンバトル遊技の開始時において、ATチャンスゾーン示唆遊技にて行われた示唆演出で決定されたAT抽選確率に基づいて行われる。
【0099】
ここで、ATチャンスゾーンバトル遊技にて行われるバトル演出では、後述する報知手段510により当該バトル演出の結果が表示部84に表示されることとされている。そのため、AT移行抽選手段272が行うAT抽選は、後述する報知手段510による当該バトル演出の結果表示の前に行われればよく、上述のATチャンスゾーンバトル遊技の開始時に行うことに限らず、ATチャンスゾーン示唆遊技の終了時点等に示唆演出で決定されたAT抽選確率に基づいて行ってもよい。
【0100】
(関係決定手段280)
関係決定手段280は、ATチャンスゾーンにおいて、示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係を入れ替える入替抽選を行うものである。
第1の実施形態では、役抽選にて当選した押し順不問ベルに対応して後述する報知手段510が表示部84に表示する押し順ナビとAT抽選確率とが対応しており、
図9に示すように、初回の示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係は以下のように予め設定されている。そして、第1の実施形態では、押し順ナビとAT抽選確率とは獲得ポイント数に基づいて決定されることとされている。
【0101】
示唆演出実行時の獲得ポイントが「5ポイント以下」の場合における押し順ナビは「RCL」であり、この押し順ナビ「RCL」に対応するAT抽選確率は「30%」となっている。
示唆演出実行時の獲得ポイントが「6ポイント」の場合における押し順ナビは「RLC」であり、この押し順ナビ「RLC」に対応するAT抽選確率は「40%」となっている。
【0102】
示唆演出実行時の獲得ポイントが「7ポイント」の場合における押し順ナビは「CRL」であり、この押し順ナビ「CRL」に対応するAT抽選確率は「50%」となっている。
示唆演出実行時の獲得ポイントが「8ポイント」の場合における押し順ナビは「CLR」であり、この押し順ナビ「CLR」に対応するAT抽選確率は「60%」となっている。
【0103】
示唆演出実行時の獲得ポイントが「9ポイント」の場合における押し順ナビは「LRC」であり、この押し順ナビ「LRC」に対応するAT抽選確率は「70%」となっている。
示唆演出実行時の獲得ポイントが「10ポイント以上」の場合における押し順ナビは「LCR」であり、この押し順ナビ「LCR」に対応するAT抽選確率は「80%」となっている。
【0104】
そして、関係決定手段280は、示唆演出が終了したことに基づいて、各獲得ポイント及び各AT抽選確率に対応する各押し順ナビの配置を入れ替える入替抽選を行う。これにより、次回の示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係が決定される。なお、関係決定手段280が入替抽選を行う契機は、上述の契機に限らず、次回の示唆演出が開始される前に行ってもよい。また、初回の示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係は上述のものに限られない。
【0105】
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、
図4に示すように、報知手段510を有する。報知手段510の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0106】
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示部84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0107】
(報知手段510)
報知手段510は、演出装置70により行われる演出を実行するためのものである。
具体的には、報知手段510は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル遊技、RT遊技、ボーナス遊技等の各遊技状態に応じた演出や、押し順ナビを表示するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、報知手段510は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
【0108】
第1の実施形態における報知手段510は、演出装置70を用いて示唆演出及びバトル演出を実行する。具体的には、報知手段510は、演出に応じて適宜、演出用ランプ78を発光させたり、スピーカー72から音を出力させたり、表示部84に映像を表示させたりして、演出装置70を用いて種々の情報を報知することにより、示唆演出及びバトル演出を実行する。
ここで、「示唆演出」とは、1遊技にてバトル演出の結果に対する期待度を示唆する演出であり、報知手段510により当該演出に応じた映像が表示部84に表示されることで、遊技者にバトル演出の結果、すなわち、第1の実施形態ではAT状態への移行が許容されるか否かに対する期待度を示唆している。なお、報知手段510は、示唆演出及びバトル演出のみに限らず、他の演出の制御も行っている。
【0109】
そして、報知手段510は、表示部84を用いて、示唆演出中に、AT状態への移行が許容されるか否かの複数のAT抽選確率に対応した複数の選択肢としてのキャラクターと、各キャラクターに対応する人気順と、示唆演出実行時においてATチャンスゾーン遊技制御手段262が記憶していた獲得ポイント数に対応する押し順ナビと、当該示唆演出において決定された押し順ナビに対応する選択キャラクター及びその人気順と、を表示する。このように、報知手段510は、示唆演出として、複数のキャラクターのうちから決定された1体の選択キャラクターと、この選択キャラクターに対応する人気順とを表示部84に表示することにより、当該示唆演出に対応するバトル演出の結果に対する期待度を遊技者に示唆している。
【0110】
たとえば、報知手段510は、
図12(C)に示すように、キャラクターDのキャラクター名及びキャラクターDに対応する人気順を囲んで強調することにより、当該示唆演出に対応する選択キャラクターがキャラクターDであることを表示部84に表示している。これにより、遊技者は、当該示唆演出に対応する選択キャラクターがキャラクターDであると認識でき、表示部84に表示されているキャラクターDの人気順に基づいて、当該示唆演出に対応するバトル演出の結果に対する期待度を予測することができる。
【0111】
なお、報知手段510は、表示部84に各キャラクターに対応する人気順を「文字」で表示することとしたが、これに限らず、「星」の数や「各キャラクターの能力を示すパラメータ」等を表示することにより、各キャラクターに対応する人気順を示唆してもよい。また、報知手段510は、各キャラクターに対応する人気順を表示部84に表示することとしたが、各キャラクターに対応する人気順を表示部84に表示せず、表示部84には各キャラクターを示す識別情報(たとえば、「顔」や「氏名」等)のみを表示することとしてもよい。
【0112】
また、示唆演出中に、報知手段510により表示部84に表示されるキャラクターとしては、
図9に示すように、キャラクターA〜キャラクターFがある。そして、AT抽選確率「80%」に対応するキャラクターはキャラクターA、AT抽選確率「70%」に対応するキャラクターはキャラクターB、AT抽選確率「60%」に対応するキャラクターはキャラクターC、AT抽選確率「50%」に対応するキャラクターはキャラクターD、AT抽選確率「40%」に対応するキャラクターはキャラクターE、AT抽選確率「30%」に対応するキャラクターはキャラクターFとなっている。なお、各AT抽選確率に対応するキャラクターは上述のものに限らず、他のキャラクターとしてもよい。
【0113】
また、示唆演出中に、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビとしては、
図9に示すように、「LCR」、「LRC」、「CLR」、「CRL」、「RLC」及び「RCL」の6種類がある。そして、報知手段510は、押し順ナビが「LCR」の場合は「123」を、「LRC」の場合は「132」を、「CLR」の場合は「213」を、「CRL」の場合は「312」を、「RLC」の場合は「231」を、「RCL」の場合は「321」を表示部84に表示する。なお、示唆演出中に、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビは上述の6種類に限らない。たとえば、示唆演出中の押し順ナビは、ストップスイッチ50の第1停止が「左ストップスイッチL」、「中ストップスイッチC」又は「右ストップスイッチR」であることを示す、3種類の押し順ナビでもよい。
【0114】
示唆演出中において、報知手段510は、まず、
図12(A)に示すように、AT抽選確率に対応した各キャラクター(キャラクターA〜キャラクターF)及び各キャラクターに対応する人気順(1番人気〜6番人気)を最初のストップスイッチ50の操作が有効となる前に表示部84に表示する。
次に、
図12(B)に示すように、報知手段510は、当該示唆演出に対応する押し順ナビ(たとえば、「312」)を最初のストップスイッチ50の操作が行われる前に表示部84に表示する。
【0115】
その後、
図12(C)に示すように、報知手段510は、当該示唆演出において決定された選択キャラクター(たとえば、「キャラクターD」)を最後のストップスイッチ50の操作が行われたことに基づいて表示部84に表示する。具体的には、報知手段510は、当該示唆演出において決定された選択キャラクターのキャラクター名及び対応する人気順を囲んで強調することにより、当該示唆演出において決定された選択キャラクターを表示部84に表示している。
【0116】
また、報知手段510は、ATチャンスゾーン示唆遊技の次の遊技から開始されるATチャンスゾーンバトル遊技にて行われるバトル演出を表示部84に表示する。第1の実施形態におけるバトル演出としては、
図13(A)に示すように、各キャラクターがゴールに到着した順位を競う、いわゆるレースバトルである。なお、バトル演出の種類はレースバトルに限らず、たとえば、格闘技やスポーツ等であってもよい。
【0117】
報知手段510は、バトル演出を、示唆演出中にATチャンスゾーン遊技制御手段262により決定された選択キャラクター(たとえば、キャラクターD)に焦点を当てた配置にて表示部84に表示する。すなわち、報知手段510は、レースバトルのようにレース参加者が多く、レース参加者全てを表示部84に表示することが困難なバトル演出であっても、遊技者が選択した選択キャラクターを表示部84に表示することとされている。そして、報知手段510は、バトル演出が終了したことに基づいて、
図13(C)に示すように、当該バトル演出の結果を表示部84に表示する。
【0118】
なお、報知手段510は、バトル演出が自己のキャラクターと対戦相手のキャラクターとが1対1で対戦する格闘技等である場合には、対戦相手のキャラクターに焦点を当てた配置にて表示部84にバトル演出を表示する。つまり、報知手段510は、自己のキャラクターの目線で対戦相手のキャラクターと対戦する様子を表示部84に表示するため、表示部84には対戦相手のキャラクターとして、示唆演出中にATチャンスゾーン遊技制御手段262により決定された選択キャラクター(たとえば、キャラクターD)が表示される。そして、この場合のバトル演出では、自己のキャラクターが対戦相手のキャラクターを倒すことでAT状態への移行が確定されることが望ましい。
【0119】
(
図10を用いた遊技状態の説明)
次に、
図10を用いて「遊技状態」について説明する。
「遊技状態」は、
図10に示すように、大別すると、「ノーマル遊技」、「RT遊技」及び「ボーナス遊技」がある。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT遊技」に移行すると、再遊技役(リプレイ役)に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。
【0120】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、「ノーマル遊技」においては「1/7.3」に設定されており、「RT遊技」では「ノーマル遊技」よりも高く設定されている。
「ノーマル遊技」は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、「RT0」と、「RT1」とがある。
【0121】
「RT0」から「RT1」には、AT役こぼし図柄を停止表示させた時に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、図示しないが、例えば、左第一停止が不正解のベル役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。「RT0」では押し順ナビが実行されず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作している。そのため、例えば「左第一不正解」の役当選時にはAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0122】
「RT遊技」は、RT制御手段252により制御され、「ノーマル遊技」より再遊技役への当選確率の高い「RT2」と、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する「ボーナス内部中」とがある。
【0123】
ここで、「ノーマル遊技」から「RT遊技」、具体的には、「RT1」から「RT2」には、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。例えば、図示しないが押し順リプレイ役の押し順「正解」時に、RT2移行図柄が停止表示され移行する。
【0124】
また、「RT2」においてAT役こぼし図柄や転落リプレイ図柄を停止表示させると「RT1」に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、上述したとおり、例えば、左第一停止が不正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。例えば、「RT2」において演出状態が
図11のAT状態であれば、押し順ナビが表示されるが、AT状態が終了すると、押し順ナビが表示されず、遊技者は通常の押し順すなわち、ストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、左第一停止が不正解の役に当選してもAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0125】
「ボーナス内部中」は、ボーナス遊技制御手段253により制御され、ボーナス移行役に当選すると移行する。
「ボーナス遊技」は、ボーナス遊技制御手段253により制御され、ボーナス内部中にボーナス移行役に対応した図柄61の組合せを有効ライン86上に揃えることで移行する。
【0126】
「ボーナス遊技」には、BB1がある。ここで、BB1はいわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、たとえば200枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、「ボーナス遊技」終了後、「RT0」に移行する。
【0127】
(
図11を用いた演出状態の説明)
図11に示すように、第1の実施形態における演出状態は、上述のように、「通常区間」と、「許容区間」とがある。
【0128】
(通常区間)
「通常区間」は、後述する「許容区間」を除いた区間であって、小役の押し順ナビの表示が許容されない区間である。すなわち、「通常区間」は、AT遊技を行うことが許容されない区間である。「通常区間」としては、「通常状態」がある。なお、「通常区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
【0129】
(通常状態)
「通常状態」は、後述する「許容区間」における「ATチャンスゾーン」及び「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
【0130】
(許容区間)
「許容区間」は、「通常区間」よりも配当付与手段240によるメダルが付与される可能性が高く、遊技者に有利な区間であって、メダルの払い出しを伴う小役の押し順ナビの表示が許容される区間である。すなわち、「許容区間」は、AT遊技を行うことが許容される区間である。
【0131】
この「許容区間」においては、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示がされることとなっている。第1の実施形態では、許容区間中において、最大払出枚数に係る小役として、少なくとも1回「押し順不問ベル」の押し順ナビが表示されることとなっている。
【0132】
また、許容区間は、許容区間の遊技数の上限が「1500」に設定されているとともに、許容区間の終了条件として、許容区間の遊技数が「1500」に到達したことに基づいて、他の終了条件の成立の有無にかかわらず、当該許容区間を終了することとされている。ここで、第1の実施形態では、許容区間の1遊技あたりのメダルの純増枚数の上限が2.0枚とされているため、許容区間では「3000枚」がメダルの最大獲得枚数とされている。
ここで、「許容区間」としては、「ATチャンスゾーン」と、「AT状態」とがある。なお、「許容区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
【0133】
(ATチャンスゾーン)
「ATチャンスゾーン」は、AT状態への移行が許容されるか否かの判定としてAT移行抽選手段272によるAT抽選が行われ、当該AT抽選に当選することにより、「AT状態」への移行が確定される状態である。この「ATチャンスゾーン」では、上述のように示唆演出及びバトル演出が行われる。
【0134】
「通常区間」から「許容区間」、具体的には、「通常状態」から「ATチャンスゾーン」には、通常状態において、役抽選の当選役に基づきATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選したことに基づいて移行する。なお、ATチャンスゾーンを複数設けた場合には、ATチャンスゾーン移行抽選の当選後にATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われる、移行先のATチャンスゾーンを決定する移行先決定抽選にて当該移行するATチャンスゾーンが決定されることとされている。
【0135】
(AT状態)
「AT状態」は、「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。第1の実施形態では、AT状態として「ART状態」がある。なお、「AT状態」の種類や数は、前述したものに限られない。
【0136】
(ART状態)
「ART状態」は、「通常状態」及び「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。当該「ART状態」では、当選した小役の押し順ナビが表示される遊技であるAT遊技が行われるため、表示された押し順ナビに従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0137】
ここで、ATチャンスゾーンにおいて、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づきAT移行抽選手段272により行われるAT抽選に当選したことに基づいて、演出状態がAT状態、具体的には、図示しないART準備中状態に移行する。そして、このART準備中状態において、押し順リプレイ役の押し順「正解」時にRT2移行図柄が停止表示されたことに基づいて、遊技状態がRT2に移行する。その結果、「RT状態」かつ「AT状態」の「ART状態」となる。
【0138】
「ART状態」は、初期遊技数が「50」に設定されている。そして、「ART状態」は、ART状態の遊技数を消化した後に、ART中のAT遊技を終了して「通常状態」へ戻る。すなわち、ART状態の遊技数を消化した場合は、ART(AT+RT)のうち、AT遊技が終了するように設定されているため、ストップスイッチ50の押し順ナビの表示が終了され、これに伴い、AT役こぼし目や転落リプレイ図柄の表示を回避するストップスイッチ50の押し順ナビが表示されなくなり、結果として、AT役こぼし目や転落リプレイ図柄が停止表示され、「ノーマル遊技(RT1)」へ戻る。すなわち、AT役こぼし目や転落リプレイ図柄は、ストップスイッチ50を左第一停止で操作した際に停止表示される図柄61である。AT遊技が終了しているため押し順ナビの表示が行われず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、転落リプレイが図柄停止表示され、「ノーマル遊技(RT1)」に移行する。
【0139】
上述のほか、「許容区間」から「通常区間」、具体的には、「ATチャンスゾーン」から「通常状態」には、ATチャンスゾーンバトル遊技において、ATチャンスゾーン示唆遊技にて行われた示唆演出で決定されたAT抽選確率に基づきAT移行抽選手段272により行われるAT抽選に当選しなかった場合、すなわち、バトル演出に敗北した場合に移行する。
【0140】
ただし、「ATチャンスゾーン」から「通常状態」への移行条件が成立するための前提として、当該ATチャンスゾーンにおいて、少なくとも1回「押し順不問ベル」の押し順ナビが表示されていることが条件となる。このとき、第1の実施形態では、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順不問ベルに当選したことに基づいて、ATチャンスゾーン遊技制御手段262が記憶している獲得ポイント数に対応して決定された押し順ナビが、示唆演出中に報知手段510により表示部84に表示される。すなわち、第1の実施形態では、示唆演出において、報知手段510により「押し順不問ベル」の押し順ナビが表示部84に表示されるため、示唆演出が行われれば「ATチャンスゾーン」から「通常状態」への移行条件が成立することとなっている。
【0141】
また、「許容区間」から「通常区間」へは、上述のART状態の遊技数が残っていても、許容区間の遊技数を「1500」消化した場合に移行する。
つまり、第1の実施形態において「許容区間」から「通常区間」には、上述の「ATチャンスゾーン」から「通常状態」、「AT状態」から「通常状態」への移行条件の成立、又は、許容区間の遊技数を「1500」消化した場合に移行する。
【0142】
なお、「ATチャンスゾーン」から「AT状態」への移行条件は、AT抽選に当選した場合に成立することには限られない。たとえば、ATチャンスゾーン示唆遊技及びATチャンスゾーンバトル遊技のほか、「ATチャンスゾーン」においてミッション遊技を行い、当該ミッション遊技にて行われるミッション演出をクリアした場合等に「ATチャンスゾーン」から「AT状態」への移行条件が成立することとしてもよい。
【0143】
また、第1の実施形態における演出状態の移行先のパターンは、上記したものに限らず、たとえば、「許容区間」において「ATチャンスゾーン」と「AT状態」とを行き来可能としてもよいし、「ATチャンスゾーン」を備えずに、「通常区間(通常状態)」から「許容区間(AT状態)」に移行するようにしてもよい。
【0144】
(第1の実施形態における示唆演出及びバトル演出の説明)
以下、
図12及び
図13を用いて、第1の実施形態における示唆演出及びバトル演出について説明する。
まず、
図12を用いて示唆演出について説明する。なお、以下の示唆演出の説明では、遊技者はATチャンスゾーン通常遊技において7ポイントを獲得しており、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は獲得ポイントとして7ポイントを記憶しているものとする。
【0145】
第1の実施形態における示唆演出は、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順不問ベルに当選したことに基づいて開始されるATチャンスゾーン示唆遊技において行われる。
示唆演出では、
図12(A)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が有効となる前に報知手段510によりAT抽選確率に対応した各キャラクターのキャラクター名及び各キャラクターに対応する人気順が表示部84に表示される。なお、第1の実施形態では、獲得ポイントに対応するAT抽選確率、押し順ナビ及びキャラクターが固定されているが(
図9参照)、獲得ポイントに対応するAT抽選確率が固定であればよい。すなわち、獲得ポイントに対応するAT抽選確率は固定としたうえで、表示部84に表示される押し順ナビ及びキャラクターはそれぞれ抽選にて決定してもよい。
【0146】
次に、示唆演出では、
図12(B)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が行われる前に報知手段510により当該示唆演出に対応する押し順ナビが表示部84に表示される。第1の実施形態では、上述のように、遊技者はATチャンスゾーン通常遊技において7ポイントを獲得しているため、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビは、「312」となる。
【0147】
続いて、示唆演出では、
図12(C)に示すように、最後のストップスイッチ50の操作が行われたことに基づいて報知手段510により当該示唆演出において決定された選択キャラクターが表示部84に表示される。第1の実施形態では、押し順ナビ「CRL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターD」であるため(
図9参照)、報知手段510により表示部84に表示された「キャラクターDのキャラクター名」及び「キャラクターDに対応する人気順」が囲まれて強調される。
【0148】
以上により、示唆演出が終了したことに基づいて、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン示唆遊技を終了する。そして、ATチャンスゾーン示唆遊技の次の遊技から、ATチャンスゾーン遊技制御手段262によりATチャンスゾーンバトル遊技が開始され、当該ATチャンスゾーンバトル遊技にてバトル演出が行われる。
【0149】
続いて、
図13を用いてバトル演出について説明する。なお、以下のバトル演出は、上述の示唆演出の結果を踏まえ、当該示唆演出に連続して行われるものとする。
【0150】
バトル演出では、
図13(A)に示すように、報知手段510により各キャラクター(「キャラクターA」、「キャラクターE」、「キャラクターB」及び「キャラクターD」)がスタートラインに整列している状態が表示部84に表示される。このとき、このバトル演出では、上述の示唆演出において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により決定されたキャラクターDに焦点を当てた配置、具体的には、キャラクターDを表示部84の最下部に配置してバトル演出を表示する。なお、バトル演出の参加キャラクターとしては「キャラクターA」〜「キャラクターF」の6体のキャラクターがいるが、キャラクターDに焦点を当てた配置とした結果、「キャラクターC」及び「キャラクターF」は、表示部84に表示されていない。また、ATチャンスゾーンバトル遊技の開始時、すなわち、バトル演出にて各キャラクターがスタートする前に、上述の示唆演出にて決定されたAT抽選確率(今回の場合は「50%」)に基づいて、AT移行抽選手段272によりAT抽選が行われる。
【0151】
次に、バトル演出では、
図13(B)に示すように、報知手段510により1位のキャラクターがゴールラインに到着した状態が表示部84に表示される。第1の実施形態におけるバトル演出では、上述のAT移行抽選手段272によるAT抽選に当選し、キャラクターDが1位となることが決定されたため、報知手段510によりキャラクターDが1位でゴールラインに到着した状態が表示部84に表示される。
【0152】
続いて、バトル演出では、
図13(C)に示すように、報知手段510により当該バトル演出の結果が表示部84に表示される。第1の実施形態におけるバトル演出では、上述のAT移行抽選手段272によるAT抽選に当選し、キャラクターDが1位となることが決定されたため、1位が「キャラクターD」、2位が「キャラクターA」、3位が「キャラクターE」となっている。これにより、次の遊技からAT状態へ移行することとなっている。一方、AT移行抽選手段272により行われたAT抽選に当選しなかった場合には、次の遊技から通常状態へ移行することとなっている。
【0153】
このように第1の実施形態では、バトル演出において、バトルに敗北した、すなわち、AT移行抽選手段272により行われたAT抽選に当選しなかった場合には、次の遊技から通常状態へ移行することが可能とされている。なぜなら、第1の実施形態では、示唆演出において、報知手段510により「押し順不問ベル」の押し順ナビが表示部84に表示されているため、既に「許容区間」から「通常区間」への移行条件が成立しているからである。
【0154】
これに対し、バトル演出の結果如何により「許容区間」から「通常区間」への移行が確定するが、バトル演出の開始前に「許容区間」から「通常区間」への移行条件が成立しない場合を有する構成においては以下の問題を生じる。
【0155】
つまり、この構成においては、「許容区間」から「通常区間」への移行を既に遊技者が認識していても、無駄に「許容区間」で遊技を行わなければならない問題が生じうる。なぜなら、この構成では、バトル演出の開始前に「許容区間」から「通常区間」への移行条件が成立していない場合、バトルに敗北した後に、上記移行条件が成立するまで、すなわち、最大払出枚数に係る小役の押し順ナビが表示されるまで「許容区間」で遊技を行わなければならないからである。
【0156】
また、「許容区間」から「通常区間」へ移行する場合には、指示機能に係る遊技情報を初期化する必要がある。そのため、バトル敗北後の「許容区間」における遊技において、たとえば、レア役(チェリー役)に当選したとしても、「許容区間」から移行した「通常区間」において、当該レア役(チェリー役)に当選した遊技情報を参照することができない。したがって、この構成においては、バトル敗北後の「許容区間」における遊技において、「通常区間」から「許容区間」への移行確率の向上等といった、「許容区間」から移行した「通常区間」にて活用可能な恩恵を受けることができない。
【0157】
一方、第1の実施形態では、示唆演出が開始されるまでが「許容区間」から「通常区間」への移行条件の成立を待つ期間といえるが、この期間中は、所定のポイント獲得役が成立することによりAT抽選確率の向上に寄与するポイントを獲得できる。そのため、第1の実施形態では、「許容区間」から「通常区間」への移行条件の成立を待つ期間が延びたとしても遊技者の不利にならず、遊技者を間延びさせることがない。
【0158】
なお、第1の実施形態においては、示唆演出が開始されるまで、すなわち、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順不問ベルに当選するまでに、役抽選にて押し順ベルに当選した場合、報知手段510は、押し順ベルに対応する押し順ナビを表示部84に表示しないこととされている。そのため、第1の実施形態では、示唆演出の開始前に押し順ベルに当選した場合、遊技者が偶然、当選した押し順ベルに対応する押し順でストップスイッチ50を操作したときにはその押し順ベルに対応する枚数のメダルが払い出されるが、上述の「許容区間」から「通常区間」への移行条件は成立しないこととなっている。
【0159】
(第1の実施形態の作用効果)
第1の実施形態では、AT状態への移行が許容されるか否かのAT抽選確率を、役抽選にて当選した特定役(第1の実施形態では「押し順不問ベル」)に対応して報知手段510が表示部84に表示する押し順ナビに基づいて決定することとされている。そのため、第1の実施形態によれば、押し順ナビに、当選した小役の押し順を示す役割に加え、AT状態への移行が許容されるか否かのAT抽選確率を示唆する役割を与えることができる。したがって、第1の実施形態によれば、遊技者の押し順ナビについての関心を高めることができ、表示部84に報知手段510により押し順ナビが表示されるまで、遊技者を遊技進行に一喜一憂させ、遊技の興趣を高めることができる。そして、第1の実施形態によれば、表示部84に報知手段510により押し順ナビが表示された後は、今後、展開される遊技に対して遊技者を興奮させ、期待感を高揚させることができる。
【0160】
また、第1の実施形態では、特定役(第1の実施形態では「押し順不問ベル」)は、許容区間における最大払出枚数のメダルが得られることになる役であり、この特定役に対応する押し順ナビが報知手段510により表示部84に表示されたことに基づいて、ATチャンスゾーンを終了して通常状態へ移行させることが可能とされている。そのため、第1の実施形態によれば、特定役に対応する押し順ナビが報知手段510により表示部84に表示された場合には、遊技者に許容区間における最大払出枚数のメダルが得られるという高揚感を与えるとともに、これにより通常状態へ移行する可能性を有することになったという不安感を与えることとなる。したがって、第1の実施形態によれば、報知手段510による特定役に対応する押し順ナビの表示部84への表示により、遊技者に対して高揚感と不安感との相反する感情を共に与えることができ、遊技者の様々な感情を刺激することにより遊技の興趣を高めることができる。
【0161】
また、第1の実施形態では、示唆演出は、役抽選にて、遊技者のストップスイッチ50の押し順にかかわらず入賞し、許容区間におけるメダルの最大払出枚数が得られることになる押し順不問ベルに当選したことに基づいて開始されることとされている。そのため、第1の実施形態によれば、遊技者に許容区間におけるメダルの最大払出枚数を獲得させることを条件として示唆演出が行われるため、仮に示唆演出の結果が遊技者の不利になり得るものであっても、遊技者が負う心理的な負担を軽減でき、今後の遊技に対する興味を喪失させることがない。一方、第1の実施形態によれば、示唆演出の結果が遊技者の有利になり得る場合には、遊技者を興奮させ、今後の遊技に対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0162】
また、第1の実施形態では、報知手段510は、示唆演出において、AT抽選確率に対応したキャラクターを最初のストップスイッチ50の操作が有効となる前に表示部84に表示し、最後のストップスイッチ50の操作が行われたことに基づいて、示唆演出において決定された選択キャラクターを表示部84に表示することとされている。そのため、第1の実施形態によれば、遊技者に特定のキャラクターが選択されてほしいという期待感を与えたうえで、当該キャラクターが選択される様子を見せることができ、当該キャラクターの決定に一喜一憂させ、遊技の興趣を高めることができる。
【0163】
また、第1の実施形態では、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により示唆演出にて決定された選択キャラクターに対応するバトル演出が実行されることとされている。そのため、第1の実施形態によれば、遊技者に自己の選択キャラクターに対応するバトル演出を見せることができ、遊技者の選択キャラクターに対応するバトル演出を見せない場合に比べて、今後、展開されるバトル演出に対して遊技者を興奮させ、期待感を高揚させることができる。さらに、第1の実施形態によれば、示唆演出にて決定された選択キャラクターに対応するバトル演出が実行されることにより、バトル演出に登場するキャラクター数が多い場合であっても、遊技者に自己の選択キャラクターを注視してバトル演出を見せることができる。
【0164】
また、第1の実施形態では、関係決定手段280により、役抽選にて当選した特定役(第1の実施形態では「押し順不問ベル」)に対応して、示唆演出中に報知手段510が表示部84に表示する押し順ナビに対応するAT抽選確率を抽選にて決定することとされている。そのため、第1の実施形態によれば、複数回、遊技者が示唆演出を見たとしても、報知手段510により表示部84に表示された押し順ナビに基づいて当該押し順ナビに対応するAT抽選確率を特定することが困難となる。したがって、第1の実施形態によれば、示唆演出を変化に富んだものとできるため、示唆演出が単調になることを避けられ、複数回、遊技者が示唆演出を見たとしても、毎回飽きることなく示唆演出を迎えさせることができる。
【0165】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、押し順ナビの種類は6種類であり、押し順ナビの種類に対応してAT抽選確率が決定されるとして説明したが(
図9参照)、これに限らず、押し順ナビの種類を3種類としてもよい。
【0166】
たとえば、
図14に示すように、獲得ポイントが「5ポイント以下」の場合には、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビを「右第1停止」とし、獲得ポイントが「6ポイント以上9ポイント以下」の場合には、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビを「中第1停止」とし、獲得ポイントが「10ポイント以上」の場合には、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビを「左第1停止」として、第1停止のストップスイッチ50の種類のみを表示してもよい。
【0167】
このとき、獲得ポイントが「5ポイント以下」の場合における押し順ナビ「右第1停止」に対応するAT抽選確率は「30%」であり、この場合の選択キャラクターは「キャラクターE」となっている。また、獲得ポイントが「6ポイント以上9ポイント以下」の場合における押し順ナビ「中第1停止」に対応するAT抽選確率は「60%」であり、この場合の選択キャラクターは「キャラクターC」となっている。さらに、獲得ポイントが「10ポイント以上」の場合における押し順ナビ「左第1停止」に対応するAT抽選確率は「80%」であり、この場合の選択キャラクターは「キャラクターA」となっている。
【0168】
なお、押し順ナビの種類を3種類とした場合には、上述のように押し順ナビの種類に対応した3体のキャラクターの中から1体が決定されることに限らず、たとえば、6体のキャラクターの中から1体の選択キャラクターが決定されることとしてもよい。
【0169】
この場合、獲得ポイントが「5ポイント以下」であり、押し順ナビが「右第1停止」に決定されたときには、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により選択キャラクターを決定するキャラ決定抽選が行われることとし、キャラクターEとキャラクターFとのうちから1体の選択キャラクターを決定してもよい。そして、この際のキャラクターEとキャラクターFとのAT抽選確率は異なることが望ましく、たとえば、「キャラクターE」に決定された場合のAT抽選確率を「30%」とし、「キャラクターF」に決定された場合のAT抽選確率を「20%」としてもよい。
【0170】
また、獲得ポイントが「6ポイント以上9ポイント以下」であり、押し順ナビが「中第1停止」に決定された場合にも、上述のように、ATチャンスゾーン遊技制御手段262によりキャラ決定抽選が行われ、キャラクターCとキャラクターDとのうちから1体の選択キャラクターを決定してもよい。そして、キャラクターCとキャラクターDとのAT抽選確率を異なせ、たとえば、「キャラクターC」に決定された場合のAT抽選確率を「60%」とし、「キャラクターD」に決定された場合のAT抽選確率を「50%」としてもよい。
【0171】
さらに、獲得ポイントが「10ポイント以上」であり、押し順ナビが「左第1停止」に決定された場合にも、上述のように、ATチャンスゾーン遊技制御手段262によりキャラ決定抽選が行われ、キャラクターAとキャラクターBとのうちから1体の選択キャラクターを決定してもよい。そして、キャラクターAとキャラクターBとのAT抽選確率を異なせ、たとえば、「キャラクターA」に決定された場合のAT抽選確率を「80%」とし、「キャラクターB」に決定された場合のAT抽選確率を「70%」としてもよい。
【0172】
また、上述のパターンとは逆に押し順ナビの種類を6種類として、この押し順ナビの種類に対応するキャラクターを3体としてもよい。
この場合、獲得ポイント「5ポイント以下」に対応する押し順ナビ「RCL」又は獲得ポイント「6ポイント」に対応する押し順ナビ「RLC」が、報知手段510により表示部84に表示されたときには、示唆演出において選択キャラクターが「キャラクターE」に決定されることとしてもよい。
【0173】
また、この場合、獲得ポイント「7ポイント」に対応する押し順ナビ「CRL」又は獲得ポイント「8ポイント」に対応する押し順ナビ「CLR」が、報知手段510により表示部84に表示されたときには、示唆演出において選択キャラクターが「キャラクターC」に決定されることとしてもよい。
【0174】
また、この場合、獲得ポイント「9ポイント」に対応する押し順ナビ「LRC」又は獲得ポイント「10ポイント以上」に対応する押し順ナビ「LCR」が、報知手段510により表示部84に表示されたときには、示唆演出において選択キャラクターが「キャラクターA」に決定されることとしてもよい。
なお、押し順ナビの種類を6種類、この6種類の押し順ナビに対応するキャラクターを3体とした場合においても、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビに対応してAT抽選確率が決定されることとされている。
【0175】
また、第1の実施形態では、「AT状態」が本発明における「有利状態」に相当するとして説明したが、本発明における「有利状態」に相当するものはこれには限られない。
【0176】
たとえば、
図11に示すAT状態として、「ART状態」に加え、ART状態と行き来可能であって、所定の遊技数の間、AT遊技の遊技数に上乗せするか否か及び上乗せする場合の上乗せ遊技数を決定する「上乗せ特化ゾーン」が設けられたとする。この場合には、「上乗せ特化ゾーン」を本発明における「有利状態」として、以上で説明した構成を採用してもよい。この場合には、AT遊技制御手段263による制御に基づいて、ART状態において示唆演出及びバトル演出が行われる。
【0177】
さらに、AT状態におけるAT遊技を、AT状態にて通常行われるAT通常遊技と、このAT通常遊技を継続できるか否かを決定するAT継続バトル遊技とを設けることとし、AT継続バトル遊技にてAT通常遊技を継続できると決定された場合に行われる次のセットのAT通常遊技を本発明における「有利状態」として、以上で説明した構成を採用してもよい。この場合には、AT遊技制御手段263による制御に基づいて、AT継続バトル遊技の開始前のAT通常遊技において示唆演出が行われ、AT継続バトル遊技においてバトル演出が行われる。この場合における「AT状態」は、AT状態の継続が許容されるか否かを、AT継続バトル遊技にてAT遊技制御手段263により行われる継続可否抽選により判定されるものであり、「示唆演出」は、1遊技にてバトル演出の結果に対する期待度を示唆するものである。
【0178】
(第2の実施形態)
以下、本実施の形態の第2の実施形態を第1の実施形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
第2の実施形態では、示唆演出は、ATチャンスゾーン中の役抽選にて複数の押し順ベルのうちの何れかに当選したことに基づいて開始される点で、第1の実施形態と異なる。
【0179】
(役抽選手段210)
第2の実施形態における役抽選手段210による役抽選で当選する当選役には、第1の実施形態と同様にベル役が含まれ、第2の実施形態におけるベル役としては第1の実施形態と同様に、「押し順不問ベル」と「押し順ベル」とがある。第2の実施形態では、複数の押し順ベルとして、「押し順ベルA」〜「押し順ベルF」の6種類がある(
図15参照)。なお、押し順ベルの数は6種類に限らず、これより多くても少なくてもよい。なお、第2の実施形態では、ベル役として押し順不問ベルと押し順ベルとの2種類を設けることとしたが、これに限らず、ベル役は押し順ベルの1種類のみでもよい。
【0180】
(ATチャンスゾーン遊技制御手段262)
第2の実施形態におけるATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン示唆遊技が開始されるまで、すなわち、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順ベルに当選するまで、ATチャンスゾーン通常遊技を行う。
【0181】
そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順ベルに当選したことに基づいて、ATチャンスゾーン示唆遊技を開始する。ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、示唆演出において、遊技者のストップスイッチ50の押し順にかかわらず、複数のAT抽選確率のうちから1つのAT抽選確率を押し順ナビに基づいて決定する。
【0182】
具体的には、
図15に示すように、役抽選にて「押し順ベルA」に当選した場合における押し順ナビは「LCR」であり、この押し順ナビ「LCR」に対応するAT抽選確率は「80%」となっている。また、この押し順ナビ「LCR」に対応する選択キャラクターは「キャラクターA」となっている。
役抽選にて「押し順ベルB」に当選した場合における押し順ナビは「LRC」であり、この押し順ナビ「LRC」に対応するAT抽選確率は「70%」となっている。また、この押し順ナビ「LRC」に対応する選択キャラクターは「キャラクターB」となっている。
【0183】
役抽選にて「押し順ベルC」に当選した場合における押し順ナビは「CLR」であり、この押し順ナビ「CLR」に対応するAT抽選確率は「60%」となっている。また、この押し順ナビ「CLR」に対応する選択キャラクターは「キャラクターC」となっている。
役抽選にて「押し順ベルD」に当選した場合における押し順ナビは「CRL」であり、この押し順ナビ「CRL」に対応するAT抽選確率は「50%」となっている。また、この押し順ナビ「CRL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターD」となっている。
【0184】
役抽選にて「押し順ベルE」に当選した場合における押し順ナビは「RLC」であり、この押し順ナビ「RLC」に対応するAT抽選確率は「40%」となっている。また、この押し順ナビ「RLC」に対応する選択キャラクターは「キャラクターE」となっている。
役抽選にて「押し順ベルF」に当選した場合における押し順ナビは「RCL」であり、この押し順ナビ「RCL」に対応するAT抽選確率は「30%」となっている。また、この押し順ナビ「RCL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターF」となっている。
【0185】
また、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、報知手段510により押し順ベルに対応する押し順ナビが表示部84に表示されたことに基づいて、ATチャンスゾーンを終了して、通常状態へ移行させることが可能となる。このとき、第2の実施形態におけるATチャンスゾーンは、第1の実施形態と同様に許容区間に属しているため、許容区間の終了条件として、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示をすることが必要とされている。そのため、第2の実施形態では、最大払出枚数に係る入賞に対する指示として押し順ベルに対応する押し順ナビが表示されることが、ATチャンスゾーン遊技制御手段262によりATチャンスゾーンが終了されるための条件となる。
【0186】
(関係決定手段280)
第2の実施形態では、役抽選にて当選した押し順ベルに対応して報知手段510が表示部84に表示する押し順ナビとAT抽選確率とが対応しており、
図15に示すように、初回の示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係は以下のように予め設定されている。
【0187】
図15に示すように、押し順ナビ「LCR」に対応するAT抽選確率は「80%」、押し順ナビ「LRC」に対応するAT抽選確率は「70%」、押し順ナビ「CLR」に対応するAT抽選確率は「60%」、押し順ナビ「CRL」に対応するAT抽選確率は「50%」、押し順ナビ「RLC」に対応するAT抽選確率は「40%」、押し順ナビ「RCL」に対応するAT抽選確率は「30%」となっている。
【0188】
そして、関係決定手段280は、示唆演出が終了したことに基づいて、各AT抽選確率に対応する各押し順ナビの配置を入れ替える入替抽選を行う。これにより、次回の示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係が決定される。
【0189】
(報知手段510)
第2の実施形態における報知手段510は、表示部84を用いて、示唆演出中に、AT状態への移行が許容されるか否かの複数のAT抽選確率に対応したキャラクターと、各キャラクターに対応する人気順と、役抽選にて当選した押し順ベルに対応する押し順ナビと、を表示する。そして、上述のように、報知手段510により表示部84に表示された押し順ベルの押し順ナビには、表示部84に表示される押し順ナビの態様毎、すなわち、押し順ナビの種類毎にAT抽選確率が割り振られている。
【0190】
(第2の実施形態における示唆演出の説明)
以下、
図12を用いて、第2の実施形態における示唆演出について説明する。なお、バトル演出については、第1の実施形態と同様のため説明を省略する。なお、以下の示唆演出の説明では、役抽選にて「押し順ベルD」に当選したものとして説明する。
【0191】
第2の実施形態における示唆演出は、ATチャンスゾーン通常遊技中の役抽選にて押し順ベル(押し順ベルD)に当選したことに基づいて開始されるATチャンスゾーン示唆遊技において行われる。
【0192】
示唆演出が押し順ベルDに当選したことに基づいて開始された場合、示唆演出では、
図12(A)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が有効となる前に報知手段510によりAT抽選確率に対応した各キャラクターのキャラクター名及び各キャラクターに対応する人気順が表示部84に表示される。
【0193】
次に、示唆演出では、
図12(B)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が行われる前に報知手段510により当該示唆演出に対応する押し順ナビが表示部84に表示される。第2の実施形態では、上述のように、役抽選にて「押し順ベルD」に当選したため、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビは、「312」となる。
【0194】
続いて、示唆演出では、
図12(C)に示すように、最後のストップスイッチ50の操作が行われたことに基づいて報知手段510により当該示唆演出において決定された選択キャラクターが表示部84に表示される。第2の実施形態では、押し順ナビ「CRL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターD」であるため(
図15参照)、報知手段510により表示部84に表示された「キャラクターDのキャラクター名」及び「キャラクターDに対応する人気順」が囲まれて強調される。
【0195】
(第2の実施形態の作用効果)
第2の実施形態における回胴式遊技機10は、第1の実施形態における回胴式遊技機10の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
【0196】
第2の実施形態では、示唆演出は、役抽選にて複数の押し順ベルのうちの何れかに当選したことに基づいて開始されることとされている。そして、この複数の押し順ベルの押し順ナビには、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビの種類毎にAT抽選確率が割り振られている。そのため、第2の実施形態によれば、遊技者に対し、押し順ベルに入賞することによりメダルの最大払出枚数が得られるという高揚感と、当該押し順ベルの押し順ナビに割り振られたAT抽選確率が低いものではないかという不安感と、を与えることができる。したがって、第2の実施形態によれば、示唆演出において、遊技者に対して高揚感と不安感との相反する感情を共に与えることができ、遊技者の様々な感情を刺激することにより遊技の興趣を高めることができる。
【0197】
第2の実施形態では、バトル演出において、バトルに敗北した、すなわち、AT移行抽選手段272により行われたAT抽選に当選しなかった場合には、次の遊技から通常状態へ移行することが可能とされている。なぜなら、第2の実施形態では、示唆演出において、報知手段510により「押し順ベル」の押し順ナビが表示部84に表示されているため、既に「許容区間」から「通常区間」への移行条件が成立しているからである。
【0198】
これに対し、バトル演出の結果如何により「許容区間」から「通常区間」への移行が確定するが、バトル演出の開始前に「許容区間」から「通常区間」への移行条件が成立しない場合を有する構成においては以下の問題を生じる。
つまり、この構成においては、「許容区間」から「通常区間」への移行を既に遊技者が認識していても、無駄に「許容区間」で遊技を行わなければならない問題が生じうる。なぜなら、この構成では、バトル演出の開始前に「許容区間」から「通常区間」への移行条件が成立していない場合、バトルに敗北した後に、上記移行条件が成立するまで、すなわち、最大払出枚数に係る小役の押し順ナビが表示されるまで「許容区間」で遊技を行わなければならないからである。
【0199】
また、「許容区間」から「通常区間」へ移行する場合には、指示機能に係る遊技情報を初期化する必要がある。そのため、バトル敗北後の「許容区間」における遊技において、たとえば、レア役(チェリー役)に当選したとしても、「許容区間」から移行した「通常区間」において、当該レア役(チェリー役)に当選した遊技情報を参照することができない。したがって、この構成においては、バトル敗北後の「許容区間」における遊技において、「通常区間」から「許容区間」への移行確率の向上等といった、「許容区間」から移行した「通常区間」にて活用可能な恩恵を受けることができない。
【0200】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、上述の構成と異なり、バトル演出において、バトルに敗北した場合であっても、バトル演出の次の遊技から通常状態へ移行することができるため、バトル演出の終了後に「許容区間」から「通常区間」への移行条件の成立を待つこととならず、遊技者を間延びさせることがない。
【0201】
(第3の実施形態)
以下、本実施の形態の第3の実施形態を第1及び第2の実施形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
第3の実施形態では、示唆演出は、ATチャンスゾーン中の役抽選の一態様である抽選としてのベル役決定抽選にて押し順不問ベル又は複数の押し順ベルのうちの何れかに当選したことに基づいて開始される点で、第1及び第2の実施形態と異なる。また、第3の実施形態におけるメイン制御手段200は、第1及び第2の実施形態で説明した各手段に加えて、停止操作情報決定手段290を有する。停止操作情報決定手段290の詳細については後述する。
【0202】
(役抽選手段210)
第3の実施形態における役抽選手段210による役抽選で当選する当選役には、第1及び第2の実施形態と同様にベル役が含まれている。そして、第3の実施形態におけるベル役は、「押し順不問ベル」と、複数の「押し順ベル」とである。第3の実施形態では、複数の押し順ベルとして、「押し順ベルA」〜「押し順ベルF」の6種類がある(
図17参照)。
【0203】
ここで、
図17に示すように、役抽選にてベル役に当選した場合、役抽選手段210は、役抽選の一態様である抽選として、さらにベル役決定抽選を行い、ベル役決定抽選が行われた結果、「15%」の確率で「押し順ベルA」、「押し順ベルB」、「押し順ベルC」、「押し順ベルD」、「押し順ベルE」又は「押し順ベルF」に当選し、「10%」の確率で「押し順不問ベル」に当選する。なお、ベル役決定抽選の当選確率は、上述の確率に限らず他の確率としてもよい。
【0204】
(ATチャンスゾーン遊技制御手段262)
第3の実施形態におけるATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン示唆遊技が開始されるまで、すなわち、ATチャンスゾーン通常遊技中のベル役決定抽選にて押し順不問ベル又は押し順ベルに当選するまで、ATチャンスゾーン通常遊技を行う。
【0205】
そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーン通常遊技中のベル役決定抽選にて押し順不問ベル又は押し順ベルに当選したことに基づいて、ATチャンスゾーン示唆遊技を開始する。ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、示唆演出において、遊技者のストップスイッチ50の押し順にかかわらず、複数のAT抽選確率のうちから1つのAT抽選確率を押し順ナビに基づいて決定する。
【0206】
具体的には、
図17に示すように、ベル役決定抽選にて「押し順ベルA」に当選した場合における押し順ナビは「LCR」であり、この押し順ナビ「LCR」に対応するAT抽選確率は「80%」となっている。また、この押し順ナビ「LCR」に対応する選択キャラクターは「キャラクターA」となっている。
ベル役決定抽選にて「押し順ベルB」に当選した場合における押し順ナビは「LRC」であり、この押し順ナビ「LRC」に対応するAT抽選確率は「70%」となっている。また、この押し順ナビ「LRC」に対応する選択キャラクターは「キャラクターB」となっている。
【0207】
ベル役決定抽選にて「押し順ベルC」に当選した場合における押し順ナビは「CLR」であり、この押し順ナビ「CLR」に対応するAT抽選確率は「60%」となっている。また、この押し順ナビ「CLR」に対応する選択キャラクターは「キャラクターC」となっている。
ベル役決定抽選にて「押し順ベルD」に当選した場合における押し順ナビは「CRL」であり、この押し順ナビ「CRL」に対応するAT抽選確率は「50%」となっている。また、この押し順ナビ「CRL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターD」となっている。
【0208】
ベル役決定抽選にて「押し順ベルE」に当選した場合における押し順ナビは「RLC」であり、この押し順ナビ「RLC」に対応するAT抽選確率は「40%」となっている。また、この押し順ナビ「RLC」に対応する選択キャラクターは「キャラクターE」となっている。
ベル役決定抽選にて「押し順ベルF」に当選した場合における押し順ナビは「RCL」であり、この押し順ナビ「RCL」に対応するAT抽選確率は「30%」となっている。また、この押し順ナビ「RCL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターF」となっている。
【0209】
一方、ベル役決定抽選にて「押し順不問ベル」に当選した場合には、後述する停止操作情報決定手段290により決定された押し順ナビに基づいて、AT抽選確率及び選択キャラクターが決定される。この詳細については後述する。
【0210】
また、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、報知手段510により押し順不問ベル又は押し順ベルに対応する押し順ナビが表示部84に表示されたことに基づいて、ATチャンスゾーンを終了して、通常状態へ移行させることが可能となる。このとき、第3の実施形態におけるATチャンスゾーンは、第1及び第2の実施形態と同様に許容区間に属しているため、許容区間の終了条件として、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示をすることが必要とされている。そのため、第3の実施形態では、最大払出枚数に係る入賞に対する指示として押し順不問ベル又は押し順ベルに対応する押し順ナビが表示されることが、ATチャンスゾーン遊技制御手段262によりATチャンスゾーンが終了されるための条件となる。
【0211】
(関係決定手段280)
第3の実施形態では、ベル役決定抽選にて当選した押し順不問ベル又は押し順ベルに対応して報知手段510が表示部84に表示する押し順ナビとAT抽選確率とが対応しており、
図17に示すように、初回の示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係は以下のように予め設定されている。
【0212】
図17に示すように、押し順ナビ「LCR」に対応するAT抽選確率は「80%」、押し順ナビ「LRC」に対応するAT抽選確率は「70%」、押し順ナビ「CLR」に対応するAT抽選確率は「60%」、押し順ナビ「CRL」に対応するAT抽選確率は「50%」、押し順ナビ「RLC」に対応するAT抽選確率は「40%」、押し順ナビ「RCL」に対応するAT抽選確率は「30%」となっている。
【0213】
そして、関係決定手段280は、示唆演出が終了したことに基づいて、各AT抽選確率に対応する各押し順ナビの配置を入れ替える入替抽選を行う。これにより、次回の示唆演出における押し順ナビとAT抽選確率との対応関係が決定される。
【0214】
(停止操作情報決定手段290)
図16に示すように、停止操作情報決定手段290は、ATチャンスゾーン中の役抽選の一態様であるベル役決定抽選にて押し順不問ベルに当選した場合に、報知手段510が表示する当該押し順不問ベルの押し順ナビを押し順ナビ決定抽選により決定するものである。
【0215】
具体的には、停止操作情報決定手段290は、ベル役決定抽選にて押し順不問ベルに当選した場合に押し順ナビ決定抽選を行い、押し順ナビ決定抽選が行われた結果、「16%」の確率で「LCR」又は「LRC」の押し順ナビに当選し、「17%」の確率で「CLR」、「CRL」、「RLC」又は「RCL」の押し順ナビに当選する(
図17参照)。なお、押し順ナビ決定抽選の当選確率は、上述の確率に限らず他の確率としてもよい。
【0216】
(報知手段510)
第3の実施形態における報知手段510は、表示部84を用いて、示唆演出中に、AT状態への移行が許容されるか否かの複数のAT抽選確率に対応したキャラクターと、各キャラクターに対応する人気順と、ベル役決定抽選にて当選した押し順不問ベル又は押し順ベルに対応する押し順ナビと、を表示する。
【0217】
そして、報知手段510は、示唆演出が押し順不問ベルに当選したことに基づいて開始された場合、示唆演出において、停止操作情報決定手段290により行われた押し順ナビ決定抽選にて決定された押し順不問ベルの押し順ナビを表示部84に表示する(たとえば、「123」)。また、報知手段510は、示唆演出が複数の押し順ベルのうちの何れかに当選したことに基づいて開始された場合、示唆演出において、当選した押し順ベルに対応して予め定められている押し順ナビを表示部84に表示する(たとえば、押し順ベルBの場合には「132」)。
【0218】
(第3の実施形態における示唆演出の説明)
以下、
図12を用いて、第3の実施形態における示唆演出について説明する。なお、バトル演出については、第1及び第2の実施形態と同様のため説明を省略する。なお、以下の示唆演出の説明では、ベル役決定抽選にて「押し順ベルD」に当選した場合と、「押し順不問ベル」に当選した場合とについて説明する。
【0219】
まず、ベル役決定抽選にて「押し順ベルD」に当選した場合について説明する。
示唆演出が押し順ベルDに当選したことに基づいて開始された場合、示唆演出では、
図12(A)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が有効となる前に報知手段510によりAT抽選確率に対応した各キャラクターのキャラクター名及び各キャラクターに対応する人気順が表示部84に表示される。
【0220】
次に、示唆演出では、
図12(B)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が行われる前に報知手段510により当該示唆演出に対応する押し順ナビが表示部84に表示される。第3の実施形態では、上述のように、ベル役決定抽選にて「押し順ベルD」に当選したため、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビは、「312」となる。
【0221】
続いて、示唆演出では、
図12(C)に示すように、最後のストップスイッチ50の操作が行われたことに基づいて報知手段510により当該示唆演出において決定された選択キャラクターが表示部84に表示される。第3の実施形態では、押し順ナビ「CRL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターD」であるため(
図17参照)、報知手段510により表示部84に表示された「キャラクターDのキャラクター名」及び「キャラクターDに対応する人気順」が囲まれて強調される。
【0222】
次に、ベル役決定抽選にて「押し順不問ベル」に当選した場合について説明する。
第3の実施形態では、ATチャンスゾーン通常遊技にて押し順不問ベルに当選したことに基づいて、停止操作情報決定手段290により押し順ナビ決定抽選が行われた。そして、第3の実施形態では、停止操作情報決定手段290による押し順ナビ決定抽選が行われた結果、「CRL」の押し順ナビに当選した。
【0223】
押し順不問ベルに対応する押し順ナビが決定された後、示唆演出では、
図12(A)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が有効となる前に報知手段510によりAT抽選確率に対応した各キャラクターのキャラクター名及び各キャラクターに対応する人気順が表示部84に表示される。
【0224】
次に、示唆演出では、
図12(B)に示すように、最初のストップスイッチ50の操作が行われる前に報知手段510により当該示唆演出に対応する押し順ナビが表示部84に表示される。第3の実施形態では、上述のように、押し順ナビ決定抽選にて「CRL」の押し順ナビに当選したため、報知手段510により表示部84に表示される押し順ナビは、「312」となる。
【0225】
続いて、示唆演出では、
図12(C)に示すように、最後のストップスイッチ50の操作が行われたことに基づいて報知手段510により当該示唆演出において決定された選択キャラクターが表示部84に表示される。第3の実施形態では、押し順ナビ「CRL」に対応する選択キャラクターは「キャラクターD」であるため(
図17参照)、報知手段510により表示部84に表示された「キャラクターDのキャラクター名」及び「キャラクターDに対応する人気順」が囲まれて強調される。
【0226】
(第3の実施形態の作用効果)
第3の実施形態における回胴式遊技機10は、第1及び第2の実施形態における回胴式遊技機10の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
【0227】
第3の実施形態では、ベル役決定抽選にて押し順不問ベルが当選した場合に、停止操作情報決定手段290により当該押し順不問ベルの押し順ナビを押し順ナビ決定抽選にて決定し、当該決定された押し順ナビを報知手段510が表示部84に表示することとされている。そのため、第3の実施形態によれば、遊技者のストップスイッチ50の押し順にかかわらず入賞する役、すなわち、押し順不問役であっても、遊技者が当選役に対応する押し順でストップスイッチ50を操作した場合に入賞する役、すなわち、押し順役であると遊技者を誤信させることができる。これにより、第3の実施形態によれば、押し順不問役に当選したことを遊技者に認識させることを困難にでき、押し順不問役を用いた演出の幅を広げることができ、遊技の興趣を高めることができる。