特許第6774073号(P6774073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6774073
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20201012BHJP
   G06Q 30/08 20120101ALI20201012BHJP
【FI】
   G06Q30/02 490
   G06Q30/08
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-208763(P2019-208763)
(22)【出願日】2019年11月19日
【審査請求日】2019年12月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】310019936
【氏名又は名称】株式会社PSI
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】岡田 栄二
【審査官】 田中 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−038302(JP,A)
【文献】 特開2005−309682(JP,A)
【文献】 特開2018−124924(JP,A)
【文献】 特開2002−092403(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/021886(WO,A1)
【文献】 特開2004−110090(JP,A)
【文献】 特開2002−109275(JP,A)
【文献】 特開2002−56219(JP,A)
【文献】 特開2001−357276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の商品又は役務を取引対象として、当該取引対象の共同購入が行われる際に用いられる情報処理装置において、
前記取引対象の共同購入を希望するm(mは2以上の整数値)のバイヤー毎に、前記取引対象の購入予定量を夫々取得する購入予定量取得手段と、
前記mのバイヤーにより共同購入がなされる前記取引対象について提供を希望するn(nは1以上の整数値)のサプライヤ毎に、前記取引対象の取引単価を夫々取得する取引単価取得手段と、
前記取引対象の共同購入実施することが成立した際に、前記mのバイヤー毎に、前記取引対象の確定購入量を夫々取得する確定購入量取得手段と、
前記取引対象の共同購入に関する情報として、前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記購入予定量、前記nのサプライヤ毎に夫々取得された前記取引単価、及び前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記確定購入量を少なくとも含む情報を、ブロックチェーン又は分散型台帳に記録して管理する情報管理手段と、
前記取引対象の共同購入実施することが成立した際に、前記nのサプライヤのうち当該取引対象の提供を行うことが決定されたp(pは前記n以下の整数値)のサプライヤから取得された前記購入予定量の累計に対応する前記取引単価の最安値に基づいて、前記取引対象の単価レンジを予測する予測手段と、
前記確定購入量が最大となるバイヤーの前記取引単価が最安値になることが少なくとも考慮された前記取引単価を、前記単価レンジに基づいて前記mのバイヤー毎に決定する単価決定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報管理手段で管理される前記情報のうち少なくとも1以上を提供した前記mのバイヤー及び前記nのサプライヤを含む集団の中で少なくとも有効なトークンを用いて、前記取引対象について決定された前記単価と前記確定購入量とに基づいて決定される購入額の決済を、前記mのバイヤー毎に行う決済手段
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記確定購入量取得手段による前記mのバイヤー毎の前記取引対象の確定購入量の取得の結果に基づいて、当該mのバイヤーの夫々の評価を行うバイヤー評価手段
をさらに備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記バイヤー評価手段は、
前記mのバイヤーのうち、前記確定購入量取得手段により前記確定購入量が取得できなかったバイヤーに対しては、当該確定購入量が取得できたバイヤーと比較して低評価を行う、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記nのサプライヤのうち当該取引対象の提供を行うことが決定された前記pのサプライヤの夫々の評価を行うサプライヤ評価手段
をさらに備える請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記サプライヤ評価手段は、
前記取引対象についての前記pのサプライヤの夫々の担当者の行為に関する、前記mのバイヤーの夫々の視点での第1情報を取得する第1取得手段と、
前記pのサプライヤの夫々により前記取引対象の提供の行為のうち少なくとも一部が行われた後の当該取引対象に関する、前記mのバイヤーの夫々の視点での第2情報を取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段により取得された前記第1情報と、前記第2取得手段により取得された前記第2情報とに基づいて、前記担当者の評価と、前記取引対象の評価とのうち少なくとも一方を、一次評価として行う一次評価手段と、
前記一次評価の結果を前記pのサプライヤの夫々の担当者に提示する提示手段と、
前記提示手段による前記一次評価の提示後に前記第1取得手段により新たに取得された前記第1情報と、前記第2取得手段により新たに取得された前記第2情報とに基づいて、前記担当者の評価と、前記取引対象の評価とのうち少なくとも一方を、二次評価として行う二次評価手段と、
を備える請求項5に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消耗品等の購入や各種料金等の支払いを行う企業等(以下、「バイヤー」と呼ぶ)と、その購入や支払いの相手方となる企業等(以下、「サプライヤ」と呼ぶ)との間における取引は、古くから盛んに行われている。そしてその経験則から、市場の成熟度がバイヤーとサプライヤとのパワーバランスに影響を与えることがわかっている。
例えばコモディティ化した商品が属する成熟した市場では、供給側(サプライヤ)が過多気味になるため、いわゆる買い手市場となる。買い手市場では、上記のパワーバランスが需要側(バイヤー)に傾く傾向にある。このため、買い手市場では、需要側(バイヤー)の交渉力が強いと、供給側(サプライヤ)が譲歩することになるため、商品単価が安くなり易い傾向にある。
また、商品単価は、バイヤーの購買数量が多ければ多いほど安くなるのが通常である。このため、商品単価を安くするために複数のバイヤーが協力して大量の購買が行われることもある。
このような分野では、企業等における購買を支援するための技術も存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−206801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のバイヤーが同じ商品を購入しようとする場合、バイヤー同士が同じ市場で競争関係に立つことが多い。多くの場合、何をいくらでどのくらい購入するのかを示す購買情報は、バイヤー毎の企業秘密として取扱われる。このため、通常であれば、バイヤーが競争相手となる他のバイヤーに対して自社の購買情報を積極的に開示するようなことはない。
その結果、複数のバイヤーが協力して同一のサプライヤから同一種類の商品を共同購入するような取引は、商慣行上成立し難い状況にあった。
【0005】
また、バイヤー側の大量購入による低単価化は、言い換えると「サプライヤ叩き」でもあり、バイヤー側に偏り過ぎた考え方であるともいえる。このような考え方に立つと、バイヤーとサプライヤとの関係がバランスを失うこととなり、両者間の良好な取引関係を継続させることは困難となる。
このような問題については、特許文献1の技術を含む従来の技術では解決することはできなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、バイヤー側とサプライヤ側とが均衡する市場を成立させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定の商品又は役務を取引対象として、当該取引対象の共同購入が行われる際に用いられる情報処理装置において、
前記取引対象の共同購入を希望するm(mは2以上の整数値)のバイヤー毎に、前記取引対象の購入予定量を夫々取得する購入予定量取得手段と、
前記mのバイヤーにより共同購入がなされる前記取引対象について提供を希望するn(nは1以上の整数値)のサプライヤ毎に、前記取引対象の取引単価を夫々取得する取引単価取得手段と、
前記取引対象の共同購入の実施が成立した際に、前記mのバイヤー毎に、前記取引対象の確定購入量を夫々取得する確定購入量取得手段と、
前記取引対象の共同購入に関する情報として、前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記購入予定量、前記nのサプライヤ毎に夫々取得された前記取引単価、及び前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記確定購入量を少なくとも含む情報を、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて管理する情報管理手段と、
前記取引対象の共同購入の実施が成立した際に、前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記購入予定量、及び、前記nのサプライヤのうち当該取引対象の提供を行うことが決定されたp(pは前記n以下の整数値)のサプライヤ毎に夫々取得された前記取引単価に基づいて、前記取引対象の単価レンジを予測する予測手段と、
前記mのバイヤー毎に、前記確定購入量に応じた単価を、前記単価レンジに基づいて決定する単価決定手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バイヤー側とサプライヤ側とが均衡する市場を成立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
図2】本サービスを利用するバイヤー及びサプライヤが属するチェーンのイメージを示す図である。
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図4図3に示す情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図4のサーバを含む情報処理システムの機能的構成のうち、共同購入支援処理を実行するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6図3の情報処理システムにおいて実行される共同購入支援処理の流れの一例を示すアローチャートである。
図7図3の情報処理システムにおいて実行される共同購入支援処理の流れの一例を示すアローチャートである。
図8】共同購入支援処理の具体例を示す図である。
図9】共同購入支援処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システム(後述する図3参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0012】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
【0013】
図1には、運営側として本サービスの提供を行うサービス提供者Gと、本サービスの提供を受ける複数のバイヤーB及びサプライヤCとが描画されている。
本サービスは、サービス提供者Gから、バイヤーB及びサプライヤCに対して提供されるサービスの一例である。本サービスでは、n(nは1以上の整数値)のサプライヤCのうち、提供を行うことが決定されたp(pはn以下の整数値)のサプライヤCにより、取引対象となる商品又は役務X(以下、「取引対象X」と呼ぶ)が提供される。m(mは2以上の整数値)のバイヤーBは、取引対象Xを共同購入する。
【0014】
具体的には例えば、本サービスでは、所定のバイヤーBは、サービス提供者Gにより提示された、基準となる単価Pb(以下、「基準単価Pb」と呼ぶ)による取引対象Xの購入を希望する場合には、購入予定量Qeを提示する(ステップSS1)。
ここで、「購入予定量Qe」とは、バイヤーBが購入を予定している取引対象Xの具体的な量のことをいう。例えば、取引対象Xが商品であれば当該商品の個数が購入予定量Qeである。また例えば、取引対象Xが電気等のエネルギーの供給であれば、当該エネルギーの供給量が購入予定量Qeである。
サービス提供者Gは、所定のバイヤーBから購入予定量Qeの提供があった場合、これまでに提供された1以上のバイヤーB毎の購入予定量Qeを集計して、その時点の購入予定量Qeの累計値(以下、「購入予定累計量」と呼ぶ)をnのサプライヤCに夫々提示する(ステップSS2)。
サービス提供者Gから購入予定累計量が提示されると、その購入予定累計量での取引を可能とするサプライヤCは、取引に適用可能な単価(以下、「取引単価Pt」と呼ぶ)を提示する(ステップSS3)。
サービス提供者Gは、サプライヤCにより提示された、そのときに最安値となる取引単価PtをバイヤーBに提示する(ステップSS4)。
取引単価Ptの最安値の提示を受けたバイヤーBのうち、その取引単価Pt(最安値)による取引対象Xの購入を希望するバイヤーBは、購入予定量Qeを提示する(ステップSS5)。
サービス提供者Gは、バイヤーB毎の購入予定量Qeを集計して、購入予定累計量をサプライヤCに提示する(ステップSS6)。
サービス提供者Gから購入予定累計量が提示されると、その購入予定累計量での取引を可能とするサプライヤCは、取引単価Ptを提示する(ステップSS7)。
サービス提供者Gは、サプライヤCにより提示された、そのときに最安値となる取引単価PtをバイヤーBに提示する(ステップSS8)。
【0015】
以上のような、バイヤーBによる購入予定量Qeの提示と、サプライヤCによる取引単価Ptの提示とが所定期間中に繰り返し行われることになる。
なお、バイヤーBによる購入予定量Qeの提示の回数は特に限定されない。バイヤーBは、取引単価Ptの最安値の最新情報を確認しながら、最新情報としての購入予定量Qeを何度も提示することができる。
また、サプライヤCによる取引単価Ptの提示の回数も特に限定されない。サプライヤCは、購入予定累計量の最新情報を確認しながら、そのときに最安値となる取引単価Ptを何度も提示することができる。
このように、バイヤーBによる購入予定量Qeの提示と、サプライヤCによる取引単価Ptの提示とが、所定期間中に繰り返し行われることにより、競争が発生する。その結果、購入予定累計量は次第に増加し、取引単価Ptは次第に安くなる。
そして、所定期間が経過すると、その時点における購入予定累計量と取引単価Ptとの夫々の最新情報により、共同購入の実施が確定されることになる。
【0016】
サービス提供者Gは、1以上のサプライヤCにより提示された取引単価Ptに基づいて、取引単価Ptの幅Pw(以下、「単価レンジPw」と呼ぶ)の予測を行う(ステップSS9)。サービス提供者Gにより予測された単価レンジは、バイヤーBに通知される(ステップSS10)。
単価レンジPwの通知を受けたバイヤーBのうち、その単価レンジPwの幅で取引対象Xの購入を確定する場合には、確定購入量Qfを提示する(ステップSS11)。ここで、「確定購入量Qf」とは、バイヤーBが正式に購入を確定した、取引対象Xの具体的な数量のことをいう。
【0017】
本サービスでは、バイヤーBにより提示された購入予定量Qe及び確定購入量Qfと、サプライヤCにより提示された取引単価Ptとは、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて管理される。
【0018】
サービス提供者Gは、バイヤーB毎の確定購入量QfをサプライヤCに提示する(ステップSS12)。
ここで、サービス提供者Gは、バイヤーBの振舞い等所定の評価基準に基づいて、バイヤーBに対する評価(以下、「バイヤー評価」と呼ぶ)をバイヤーB毎に決定する(ステップSS13)。
具体的には例えば、購入予定量Qeを提示した後、確定購入量Qfを提示しなかったバイヤーBの評価は低評価となる。これは、購入予定量Qeを提示したことで単価レンジPwの決定に影響を与えたにもかかわらず、実際には確定購入量を提示しないという不誠実な行為を行ったバイヤーBに対するペナルティとしての評価となる。バイヤー評価が低評価であるバイヤーBは、以後、本サービスを利用して共同購入に参加することは禁止される(参加権が消滅する)。
【0019】
これに対して、バイヤー評価が低評価以外(高評価又は中評価)であるバイヤーBは、確定購入量Qfによる発注を行う(ステップSS14)。また、バイヤーBから確定購入量Qfの発注を受けたサプライヤCは、その確定購入量Qfによる受注を決定する(ステップSS15)。
【0020】
バイヤーBによる発注に対して、サプライヤCが受注を決定すると、バイヤーBとサプライヤCとの間で、取引対象Xの取引に関する契約が締結される。その後、サプライヤCからバイヤーBに対して取引対象Xが提供されると、バイヤーBは、トークンTによる決済を行う(ステップSS16)。
「トークンT」とは、チェーンE内で少なくとも有効となる、通貨やポイントといったトークンのことをいう。
「チェーンE」とは、購入予定量Qeや確定購入量Qfを提示したバイヤーBと、取引単価Ptを提示したサプライヤCとからなる集団を示す単位のことをいう。なお、チェーンEの具体例については図2を参照して後述する。
【0021】
チェーンE内でトークンTによる決済が行われることにより、例えば以下のような問題を解決することができる。
即ち、従来から、その地域でのみ流通可能な通貨やポイントが発行されているが、そのような通貨やポイントは、実際にはそのほとんどが流通されていない状況にある。また、そのような通貨やポイントを発行する母体である運営側の財源を確保することも困難な状況にある。
【0022】
本サービスでは、チェーンEを構成する信用力の高いバイヤーBが、チェーンE内で取引対象Xを購入することにより生じる資金の流れを利用して、1つのチェーンE内にトークンTを半ば強制的に流通させる。これにより、信用を創造することができるので、上述の問題を解決することができる。
具体的には、本サービスでは、サービス提供者Gが、ブロックチェーンの技術を利用した契約の自動化(以下、「スマートコントラクト」と呼ぶ)を担保とした、細分化されたトークンTを発行する。これにより、契約内容が改竄されないことが保証されるとともに、人間の手を介することなく確実に契約内容の履行が可能となる。
【0023】
バイヤーBに取引対象Xを提供して、対価としてのトークンTを受領した中小のサプライヤCは、自社の購買における決済手段として、トークンTを利用することができる。このように、中小のサプライヤCは、取引対象Xの提供の対価として受領したトークンTを直ちに再利用することができるので、資金繰りを改善させることができるとともに、信用の創造に寄与させることができる。また、トークンTを円滑に流通させることもできる。
【0024】
また、本サービスでは、チェーンEを結ぶネットワークの結節点となるコネクター、ハブ企業、及び地方公共団体等が、共同購入を行うバイヤーBとして、チェーンEの中心的存在となることができる。これにより、例えば以下のような効果が期待できる。
即ち、トークンTの発行母体であるサービス提供者Gの財源を確保することができる。具体的には、共同購入に参加している複数のバイヤーBのうち、購入量が一番多いバイヤーB以外のバイヤーBから、サービス提供者Gの報酬が支払われる。ここで、サービス提供者Gの報酬がどのように算出されるかは特に限定されない。例えばバイヤーBの当初の購入予定金額と、ブロックチェーンを介した市場価格との差額の一部をサービス提供者Gの報酬とすることができる。
ここで、サービス提供者Gの報酬の支払いは、トークンTにより行われる。これにより、サービス提供者Gは、例えば本サービスを利用する者(例えばバイヤーBやサプライヤC)に別途費用負担させることなく本サービスを提供することができる。その結果、トークンTの流通量を増やすこともできるので、地域経済の活性化に寄与させることもできる。
またさらに、共同購入のために利用される各ブロックチェーンを介して、各企業が利用可能ないわゆる仕入れネットワークの網を張り巡らすことができるので、国内の需給関係の最適化を図ることができる。
その結果、国全体の国際競争力に寄与させることもできる。また、階層構造や地域間の連携、国際間の貿易等も考慮に入れることで、さらなる効果を期待することができる。
なお、サービス提供者Gの報酬の具体例については、図9を参照して後述する。
【0025】
バイヤーBとサプライヤCとの間で取引対象Xの取引が行われると、バイヤーBは、本取引に関するサプライヤCに対する一次評価(以下、「サプライヤ中間評価」と呼ぶ)を行う(ステップSS17)。サプライヤ中間評価の結果は、評価対象のサプライヤCに提示される。
サプライヤ中間評価の結果を受けたサプライヤCは、その評価結果を改善させたり向上させたりするための各種の行動(以下、「改善等アクション」と呼ぶ)を実施する(ステップSS18)。
【0026】
サプライヤ中間評価から所定の時間が経過すると、バイヤーBは、改善等アクションの結果も踏まえて、サプライヤCに対する二次評価(以下、「サプライヤ最終評価」と呼ぶ)を行う(ステップSS19)。
サプライヤ最終評価は、評価主体であるバイヤーB毎に重み付けが行われた後に最終決定される(ステップSS20)。
ここで、どのような基準でサプライヤ最終評価の「重み付け」が行われるかは特に限定されない。例えば市場に与える影響力が大きいバイヤーBによる評価を重んじるという趣旨から、取引対象Xの購入実績が多いバイヤーBによる評価を重視してもよい。また例えば、本サービスの利用者としての振舞いについて高評価を受けているバイヤーBを重んじるという趣旨から、バイヤー評価が高いバイヤーBによる評価を重視してもよい。
【0027】
サプライヤ最終評価が高評価又は中評価であったサプライヤCは、本サービスによる共同購入が行われる場合のサプライヤCとして参加を継続することができる。これ対して、サプライヤ最終評価が低評価であったサプライヤCは、本サービスによる共同購入が行われる場合のサプライヤCとしての参加が禁止される(参加権が消滅する)。
【0028】
サービス提供者Gは、バイヤー評価、サプライヤ中間評価、及びサプライヤ最終評価の夫々を示す情報を記録して管理する。本サービスでは、バイヤー評価、サプライヤ中間評価、及びサプライヤ最終評価の夫々を示す情報を記録して管理する際、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術が用いられる。
【0029】
図2は、本サービスを利用するバイヤー及びサプライヤが属するチェーンのイメージを示す図である。
【0030】
上述したように、本サービスでは、サービス提供者Gにより記録されて管理される情報のうち少なくとも1つを提供したバイヤーB及びサプライヤCからなる集団を示す単位を「チェーンE」と呼ぶ。サービス提供者Gにより記録されて管理される情報には、購入予定量Qe、取引単価Pt、及び確定購入量Qfが含まれる。
図2には、チェーンEを構成するバイヤーB1乃至B5と、サプライヤC1乃至C3との夫々を示す図形が描画されている。バイヤーB1乃至B5の夫々を示す図形の大きさは、取引対象Xの購入実績の規模を示している。例えばバイヤーB1を示す図形は、他のバイヤーB2乃至B5の夫々を示す図形よりも大きいので、チェーンEに属するバイヤーB1乃至B5の中で取引対象Xの購入実績が1番多いことになる。これに対して、バイヤーB3を示す図形は、他のバイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々を示す図形よりも小さいので、チェーンEに属するバイヤーB1乃至B5の中で取引対象Xの購入実績が1番少ないことになる。即ち、図2のチェーンEでは、バイヤーB1、B2、B4、B5、B3の順で取引対象Xの購入実績が多いことになる。
【0031】
バイヤーB1乃至B5の夫々には、担当者b1と決裁者b2とが存在する。担当者b1は、バイヤーB1乃至B5の夫々において、将来需要する予定の数量となる購入予定量Qeの提示を担当する者である。決裁者b2は、バイヤーB1乃至B5の夫々において、実際の発注数量となる確定購入量Qfの決裁を行う者である。
【0032】
次に、図3を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1を含む、情報処理システムの構成について説明する。
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0033】
図3に示す情報処理システムは、サーバ1と、バイヤー端末2−1乃至2−mと、サプライヤ端末3−1乃至3−nとを含むように構成されている。
サーバ1、バイヤー端末2−1乃至2−m、及びサプライヤ端末3−1乃至3−nの夫々は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0034】
サーバ1は、サービス提供者Gにより管理される情報処理装置である。サーバ1は、バイヤー端末2−1乃至2−m、及びサプライヤ端末3−1乃至3−nの夫々と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0035】
バイヤー端末2−1乃至2−mの夫々は、バイヤーB1乃至Bmの夫々により操作される情報処理装置である。バイヤー端末2−1乃至2−mは、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
以下、バイヤー端末2−1乃至2−mの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「バイヤー端末2」の夫々と呼ぶ。
【0036】
サプライヤ端末3−1乃至3−nの夫々は、サプライヤC1乃至Cnの夫々により操作される情報処理装置である。サプライヤ端末3−1乃至3−nの夫々は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
以下、サプライヤ端末3−1乃至3−nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「サプライヤ端末3」の夫々と呼ぶ。
【0037】
バイヤー端末2、及びサプライヤ端末3の夫々には、本サービスの利用者向けの専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)をインストールすることができる。これにより、バイヤーB、及びサプライヤCの夫々は、専用アプリがインストールされたバイヤー端末2、及びサプライヤ端末3の夫々を用いて本サービスを利用することができる。
また、バイヤーB、及びサプライヤCの夫々は、バイヤー端末2、及びサプライヤ端末3の夫々のブラウザ機能により表示される、専用サイトにアクセスすることで本サービスを利用することもできる。
なお、以下、断りのない限り、「バイヤーBがバイヤー端末2を操作する」と表現している場合、それは、次のいずれかを意味している。即ち、バイヤーBが、バイヤー端末2にインストールされた専用アプリを起動して各種操作を行うこと、又はバイヤー端末2のブラウザ機能により表示される専用サイトにアクセスして本サービスを利用することを意味している。
また、「サプライヤCがサプライヤ端末3を操作する」と表現している場合、それは、次のいずれかを意味している。即ち、サプライヤCが、サプライヤ端末3にインストールされた専用アプリを起動して各種操作を行うこと、又はサプライヤ端末3のブラウザ機能により表示される専用サイトにアクセスして本サービスを利用することを意味している。
【0038】
図4は、図3に示す情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0040】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0041】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0042】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図3のバイヤー端末2、及びサプライヤ端末3等)との間で通信を行う。
【0043】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0044】
なお、図示はしないが、図3のバイヤー端末2、及びサプライヤ端末3も、図4に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、バイヤー端末2、及びサプライヤ端末3のハードウェア構成の説明については省略する。
【0045】
このような図4のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1における共同購入支援処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者Gは、バイヤーB、及びサプライヤCに対して上述の本サービスを提供することができる。
「共同購入支援処理」とは、上述の本サービスを提供するために実行される処理のことをいう。
以下、図5を参照して、本実施形態に係るサーバ1において実行される、共同購入支援処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0046】
図5は、図4のサーバを含む情報処理システムの機能的構成のうち、共同購入支援処理を実行するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図5に示すように、サーバ1のCPU11においては、共同購入支援処理の実行が制御される場合、購入予定量取得部101と、取引単価取得部102と、確定購入量取得部103と、情報管理部104と、予測部105と、単価決定部106と、単価通知部107と、決済部108と、バイヤー評価部109と、サプライヤ評価部110とが機能する。
また、サーバ1の記憶部18の一領域にはバイヤーDB181と、サプライヤDB182とが設けられている。バイヤーDB181には、バイヤーB1乃至Bmの夫々に関するあらゆる情報が、バイヤーB1乃至Bmの夫々を一意に特定可能なID等に対応付けられて管理されている。サプライヤDB182には、サプライヤC1乃至Cnの夫々に関するあらゆる情報が、サプライヤC1乃至Cnの夫々を一意に特定可能なID等に対応付けられて管理されている。
【0048】
購入予定量取得部101は、取引対象Xの共同購入を希望するmのバイヤーB毎に、取引対象Xの購入予定量Qeを夫々取得する。
【0049】
取引単価取得部102は、mのバイヤーBにより共同購入がなされる取引対象Xについて提供を希望するnのサプライヤC毎に、取引対象Xの取引単価Ptを夫々取得する。
【0050】
確定購入量取得部103は、取引対象Xの共同購入の実施が成立した際に、mのバイヤーB毎に、取引対象Xの確定購入量Qfを夫々取得する。
【0051】
情報管理部104は、取引対象Xの共同購入に関する情報として、mのバイヤーB毎に夫々取得された購入予定量Qe、nのサプライヤC毎に夫々取得された取引単価Pt、及びmのバイヤーB毎に夫々取得された確定購入量Qfを少なくとも含む情報を、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて管理する。
【0052】
予測部105は、取引対象Xの共同購入の実施が成立した際に、mのバイヤーB毎に夫々取得された購入予定量Qe、及び、nのサプライヤCのうち取引対象Xの提供を行うことが決定されたpのサプライヤC毎に夫々取得された取引単価Ptに基づいて、取引対象Xの単価レンジPwを予測する。
【0053】
単価決定部106は、mのバイヤーB毎に、確定購入量Qfに応じた単価Pfを、単価レンジPwに基づいて決定する。
【0054】
単価通知部107は、単価決定部106により決定された単価Pfを、mのバイヤーB毎に通知する。
【0055】
決済部108は、チェーンEの中で少なくとも有効なトークンTを用いて、取引対象Xについて決定された単価Pfと確定購入量Qfとに基づいて決定される購入額の決済を、mのバイヤーB毎に行う。
【0056】
バイヤー評価部109は、確定購入量取得部103によるmのバイヤーB毎の取引対象Xの確定購入量Qfの取得の結果に基づいて、mのバイヤーBの夫々の評価を行う。
また、バイヤー評価部109は、mのバイヤーBのうち、確定購入量取得部103により確定購入量Qfが取得できなかったバイヤーBに対しては、確定購入量Qfが取得できたバイヤーBと比較して低評価を行う。
【0057】
サプライヤ評価部110は、nのサプライヤCのうち取引対象Xの提供を行うことが決定されたpのサプライヤの夫々の評価を行う。
サプライヤ評価部110では、担当者情報取得部121と、取引対象情報取得部122と、中間評価部123と、評価提示部124と、最終評価部125とが機能する。
担当者情報取得部121は、取引対象XについてのpのサプライヤCの夫々の担当者cの行為に関する、mのバイヤーBの夫々の視点での情報を、担当者情報として取得する。
取引対象情報取得部122は、pのサプライヤCの夫々により取引対象Xの提供の行為のうち少なくとも一部が行われた後の取引対象Xに関する、mのバイヤーの夫々の視点での情報を、取引対象情報として取得する。
中間評価部123は、担当者情報取得部121により取得された担当者情報と、取引対象情報取得部122により取得された取引対象情報とに基づいて、担当者cの評価と、取引対象Xの評価とのうち少なくとも一方を、中間評価として行う。
評価提示部124は、中間評価の結果を、pのサプライヤCの夫々の担当者cに提示する。
最終評価部125は、評価提示部124による中間評価の提示後に担当者情報取得部121により新たに取得された担当者情報と、取引対象情報取得部122により新たに取得された取引対象情報とに基づいて、担当者cの評価と、取引対象Xの評価とのうち少なくとも一方を、最終評価として行う。
【0058】
図6及び図7は、図3の情報処理システムにおいて実行される共同購入支援処理の流れの一例を示すアローチャートである。
なお、図6及び図7の例では、サーバ1と、バイヤー端末2−1乃至2−5と、サプライヤ端末3−1乃至3−3とで構成された情報処理システムにおける共同購入支援処理の流れの一例が示されている。
【0059】
図6に示すように、ステップBS1において、バイヤー端末2−1乃至2−5の夫々は、サーバ1に提示された基準単価Pb(単価P1)の確認を行う。
ステップBS2において、バイヤーB1乃至B5のうち取引対象Xの購入を希望するバイヤーBの担当者b1により夫々操作されるバイヤー端末2は、購入予定量Qeをサーバ1に提示する。購入予定量Qeがサーバ1に提示されると、サーバ1によって購入予定累計量がサプライヤ端末3−1乃至3−3の夫々に提示される。
【0060】
ステップCS1において、サプライヤ端末3−1乃至3−3の夫々は、サーバ1により提示された購入予定累計量を表示する。これにより、サプライヤC1乃至C3の夫々は、提示された購入予定累計量を確認することができる。
ステップCS2において、サプライヤ端末3−1乃至3−3の夫々は、購入予定累計量での取引が可能とされる場合、サプライヤC1乃至C3の夫々による操作に基づいて、取引単価Pt(単価P2)をサーバ1に提示する。取引単価Ptがサーバ1に提示されると、最安値となる取引単価Ptがサーバ1によってバイヤー端末2−1乃至2−5の夫々に提示される。
その後、上述のステップBS1及びBS2のステップ、及びステップCS1及びCS2のステップが複数回繰り返して行われることになる。これにより、サプライヤC1乃至C3の間で競争が発生することになる。その結果、取引単価Ptを安くする方向に力が働くことになる。
【0061】
ステップGS1において、サーバ1は、サプライヤ端末3−1乃至3−3のうちいずれかにより提示された、最安値となる取引単価Ptに基づいて、単価レンジPwを予測する。サービス提供者Gにより予測された単価レンジPwは、バイヤー端末2−1乃至2−5の夫々に通知される。
これにより、ステップは、バイヤー端末2−1乃至2−5の夫々により行われる発注のステップ(ステップBS3)に進む。なお、発注のステップを示すステップBS3については、図7を参照して後述する。
【0062】
ここで、サプライヤC1乃至C3のうち、サーバ1により予測された単価レンジPwの範囲外の取引単価Ptを提示しているサプライヤCは、バイヤーB1乃至B5からの発注を受注することはできない(即ち失注)。なお、図6の例では、サプライヤC1がバイヤーB1乃至B5からの発注を受注している。
【0063】
図7に示すように、ステップBS3において、バイヤー端末2−1乃至2−5の夫々は、単価レンジPwの範囲で取引対象Xの購入が確定される場合には、バイヤーB1乃至B5の夫々の操作に基づいて、確定購入量Qfを提示する。
図7の例では、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々が「共同購入を行う」と判断をしているため、バイヤー端末2−1、2−2、2−4、及び2−5の夫々が確定購入量Qfをサーバ1に提示している。これに対して、バイヤーB3は「共同購入を行わない」と判断しているため、バイヤー端末2−3は確定購入量Qfをサーバ1に提示していない。
【0064】
ステップGS2において、サーバ1は、バイヤー端末2−1、2−2、2−4、及び2−5の夫々により提示された確定購入量Qfに応じた取引単価Ptを、バイヤー端末2−1、2−2、2−4、及び2−5の夫々に通知する。なお、確定購入量Qfに応じた取引単価Ptの具体例については、図9を参照して後述する。
ステップGS3において、サーバ1は、バイヤー端末2−1、2−2、2−4、及び2−5の夫々により提示された確定購入量Qfを、受注者であるサプライヤC1により操作されるサプライヤ端末3−1に通知する。
【0065】
ステップGS4において、サーバ1は、バイヤーB1乃至B5の夫々の評価を確定する。なお、バイヤーB1乃至B5の夫々がどのような基準で評価されるかについては特に限定されない。例えばバイヤーB1乃至B5の夫々の取引上の振舞いに対するサービス提供者Gの視点やサプライヤC1の視点に基づいた評価が行われてもよい。
図7の例では、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々のバイヤー評価は「高評価」又は「中評価」とされているが、バイヤーB3に対する評価は「低評価」とされている。これは、バイヤーB3は、購入予定量Qeを提示したにもかかわらず、実際には購入しなかった(即ち、確定購入量Qfを提示しなかった)ためである。これにより、バイヤーB3は、以後、本サービスを利用して共同購入にバイヤーBとして参加することは禁止される(参加権が消滅する)。これに対して、バイヤー評価が「高評価」又は「中評価」とされたバイヤーB1、B2、B4、及びB5は、本サービスを利用して共同購入にバイヤーBとして参加することを継続することができる。
【0066】
ステップBS4において、バイヤー端末2−1、2−2、2−4、及び2−5の夫々は、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々による操作に基づいて、自ら提示した確定購入量Qfでの実際の発注を行う。
バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々による実際の発注が行われると、ステップCS3において、サプライヤ端末3−1は、サプライヤC1による操作に基づいて、確定購入量の受注を行う。
上述したように、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々からサプライヤC1に支払われる代金の一部がサービス提供者Gの報酬となる。なお、サービス提供者Gの報酬の具体例については、図9を参照して後述する。
【0067】
ステップBS5において、バイヤー端末2−1、2−2、2−4、及び2−5の夫々は、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々による操作に基づいて、サプライヤC1の中間評価を行う。具体的には、サプライヤC1の担当者cと、サプライヤC1により提供された取引対象Xとの夫々を評価対象とするサプライヤ中間評価が行われる。
サプライヤC1の中間評価が行われると、サプライヤC1による改善等アクションが実施される。
【0068】
ステップBS6において、バイヤー端末2−1、2−2、2−4、及び2−5の夫々は、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々による操作に基づいて、サプライヤC1のサプライヤ最終評価を行う。サプライヤ最終評価は、サプライヤC1により実施された改善等アクションの結果等に基づいて、サプライヤ中間評価の見直しを含むサプライヤC1の最終的な評価として行われる。
【0069】
ステップGS5において、サーバ1は、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の夫々によるサプライヤC1の最終評価について、評価の重み付けを行う。重み付けが行われる理由は、複数のバイヤーBの夫々によるサプライヤCの評価を全て平等に取り扱うのでは適当ではないからである。即ち、例えば取引対象Xの購入実績が甚大であるバイヤーBによる評価と、取引対象Xの購入実績が僅少であるバイヤーBによる評価とには、価値の差を設けるのが適当だからである。
ステップGS6において、サービス提供者Gは、サプライヤC1のサプライヤ評価を確定させる。サプライヤC1のサプライヤ評価の結果が「高評価」又は「中評価」である場合には、サプライヤC1は、本サービスを利用して共同購入にサプライヤCとして参加することを継続することができる。これに対して、サプライヤC1のサプライヤ評価の結果が「低評価」である場合には、サプライヤC1は、以後、本サービスを利用して共同購入にサプライヤCとして参加することが禁止される(参加権が消滅する)。
【0070】
ステップGS7において、サービス提供者Gは、バイヤー評価、サプライヤ中間評価、及びサプライヤ最終評価の夫々を示す情報を記録して管理する。
本サービスでは、バイヤー評価、サプライヤ中間評価、及びサプライヤ最終評価の夫々を示す情報を記録して管理する際、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術が用いられる。
【0071】
図8は、共同購入支援処理の具体例として、購入予定量、購入予定累計量、及び購入予定累計量に応じた取引単価の最安値の例を示す図である。
【0072】
図8には、購入予定量Qeと、購入予定累計量と、購入予定累計量に応じた取引単価Ptの最安値(以下、「最安値」と略記する)とが、入力(提示)された順(時系列順)に一覧化された表が示されている。
購入予定量Qeは、バイヤーB1乃至B5の夫々の担当者b1によりバイヤー端末2−1乃至2−5の夫々に入力された数値である。なお、本サービスでは、購入予定量として入力することができる最小単位を設定することができる。具体的には例えば、図8の例では、最小単位として「100」が設定されている。この場合、例えば購入予定量Qeとして99以下の値を入力することはできない。
購入予定累計量は、バイヤー端末2−1乃至2−5の夫々に入力された購入予定量に基づいて、サーバ1により算出された値である。
購入予定累計量に応じた取引単価Ptの最安値は、サプライヤ端末3−1乃至3−3の夫々に入力された取引単価Ptに基づいて、サーバ1により算出された値である。
【0073】
具体的には例えば、入力履歴1として、バイヤーB1の担当者b1により入力(提示)された購入予定量Qe(5000)と、購入予定累計量(5000)とが示されている。また、入力履歴2として、購入予定累計量(5000)と、サプライヤC3により入力(提示)された最安値(@110)とが示されている。また、入力履歴3として、購入予定累計量(5000)と、サプライヤC2により入力(提示)された最安値(@105)とが示されている。また、入力履歴4として、購入予定累計量(5000)と、サプライヤC1により入力(提示)された最安値(@100)とが示されている。また、入力履歴5として、バイヤーB2の担当者b1により入力(提示)された購入予定量Qe(10000)と、購入予定累計量(15000)と、最安値(@100)とが示されている。また、入力履歴6として、購入予定累計量(15000)と、サプライヤC2により入力(提示)された最安値(@92)とが示されている。また、入力履歴7として、購入予定累計量(15000)と、サプライヤC3により入力(提示)された最安値(@90)とが示されている。また、入力履歴8として、バイヤーB3の担当者b1により入力(提示)された購入予定量Qe(100)と、購入予定累計量(15100)と、最安値(@90)とが示されている。また、入力履歴9として、バイヤーB4の担当者b1により入力(提示)された購入予定量(1000)と、購入予定累計量(16100)とが示されている。入力履歴10として、購入予定累計量(16100)と、サプライヤC1により入力(提示)された最安値(@88)とが示されている。また、入力履歴11として、バイヤーB5の担当者b1により入力(提示)された購入予定量Qe(200)と、購入予定累計量(16300)と、最安値(@88)とが示されている。
この場合、サーバ1は、単価レンジPwとして例えば「@88乃至@89」と予測することができる。
【0074】
図9は、共同購入支援処理の具体例として、確定購入量、及び単価の例を示す図である。
【0075】
図9には、確定購入量Qfと、単価Pfとが、入力(提示)された順(時系列順)に一覧化された表が示されている。
確定購入量Qfは、バイヤーB1乃至B5の夫々の決裁者b2によりバイヤー端末2−1乃至2−5の夫々に入力された数値である。
単価Pfは、サプライヤ端末3−1乃至3−3の夫々に入力された取引単価Ptに基づいて、サーバ1により算出された値である。
【0076】
具体的には例えば、入力履歴1として、バイヤーB1の決裁者b2により入力(提示)された確定購入量Qf(4000)と、サーバ1により算出された単価Pf(@89)とが示されている。また、入力履歴2として、バイヤーB2の決裁者b2により入力(提示)された確定購入量Qf(9000)と、サーバ1により算出された単価Pf(@88)とが示されている。また、入力履歴3として、バイヤーB3の決裁者b2により入力(提示)された確定購入量Qf(0)と、サーバ1により算出された単価Pf(@89)とが示されている。また、入力履歴4として、バイヤーB4の決裁者b2により入力(提示)された確定購入量Qf(1000)と、サーバ1により算出された単価Pf(@89)とが示されている。また、入力履歴5として、バイヤーB5の決裁者b2により入力(提示)された確定購入量Qf(100)と、サーバ1により算出された単価Pf(@89)とが示されている。
この場合、サーバ1は、サプライヤC1乃至C3の夫々により入力(提示)された取引単価Ptのうち最安値(例えば@88)に基づいて、単価レンジPwの予測(例えば@87乃至@92)を行う。
また、図9に示すように、サーバ1は、バイヤーB1乃至B5のうち、購入数量が最大(9000)となるバイヤーB2の単価Pfについては、最安値となる単価Pf(@88)を適用する。そして、サーバ1は、購入数量が最大となるバイヤーB2以外のバイヤーB1、B2、B4、及びB5の単価Pfについては、運営側となるサービス提供者Gの報酬(@1)を考慮した単価Pf(@89)を適用する。このように、バイヤーB1、B2、B4、及びB5の単価Pf(@89)と、バイヤーB3の単価Pf(@88)との差額(@1)が、サービス提供者Gの報酬として安定的に計上されるので、サービス提供者Gの報酬の問題を解決することができる。
【0077】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0078】
例えば上述の実施形態では、複数のバイヤーBが1のサプライヤCから取引対象Xを共同購入することを前提としているが、バイヤーB及びサプライヤCの夫々の人数は特に限定されない。例えば、複数のバイヤーBが複数のサプライヤCから取引対象Xを共同購入してもよいし、1のバイヤーBが1のサプライヤC又は複数のサプライヤCから取引対象Xを共同購入してもよい。
【0079】
また例えば、上述の実施形態では、バイヤーBからサプライヤCに対する2回目の評価が「サプライヤ最終評価」とされている。しかしながら、何回目の評価を「最終」とすべきかについては、サプライヤCを評価する立場にあるバイヤーB側で決定することもできる。このため、「サプライヤ最終評価」は必ずしも2回目の評価ということではなく、3回目以降の評価である場合もある。
【0080】
また、図3に示すシステム構成、図4に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0081】
また、図5に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図5の例に限定されない。
【0082】
また、機能ブロックの存在場所も、図5に限定されず、任意でよい。
例えば、図5の例において、上述の共同購入支援処理はサーバ1側で行われる構成となっているが、これに限定されず、バイヤー端末2側又はサプライヤ端末3で共同購入支援処理の少なくとも一部が行われてもよい。
即ち、サプライヤ評価処理の実行に必要となる機能ブロックは、サーバ1側が備える構成となっているが、これは例示に過ぎない。サーバ1側に配置された機能ブロックの少なくとも一部を、バイヤー端末2側又はサプライヤ端末3側が備える構成としてもよい。
【0083】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0084】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0085】
このようなプログラムを含む記録媒体は、広告主にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で広告主に提供される記録媒体等で構成される。
【0086】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0087】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図5のサーバ1)は、
所定の商品又は役務を取引対象(例えば図1の取引対象X)として、当該取引対象の共同購入が行われる際に用いられる情報処理装置において、
前記取引対象の共同購入を希望するm(mは2以上の整数値)のバイヤー(例えば図1のバイヤーB)毎に、前記取引対象の購入予定量(例えば購入予定量Qe)を夫々取得する購入予定量取得手段(例えば図5の購入予定量取得部101)と、
前記mのバイヤーにより共同購入がなされる前記取引対象について提供を希望するn(nは1以上の整数値)のサプライヤ(例えば図1のサプライヤC)毎に、前記取引対象の取引単価(例えば図1の取引単価Pt)を夫々取得する取引単価取得手段(例えば図5の取引単価取得部102)と、
前記取引対象の共同購入の実施が成立した際に、前記mのバイヤー毎に、前記取引対象の確定購入量(例えば図1の確定購入量Qf)を夫々取得する確定購入量取得手段(例えば図5の確定購入量取得部103)と、
前記取引対象の共同購入に関する情報として、前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記購入予定量、前記nのサプライヤ毎に夫々取得された前記取引単価、及び前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記確定購入量を少なくとも含む情報を、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて管理する情報管理手段(例えば図5の情報管理部104)と、
前記取引対象の共同購入の実施が成立した際に、前記mのバイヤー毎に夫々取得された前記購入予定量、及び、前記nのサプライヤのうち当該取引対象の提供を行うことが決定されたp(pは前記n以下の整数値)のサプライヤ毎に夫々取得された前記取引単価に基づいて、前記取引対象の単価レンジ(例えば図1の単価レンジPw)を予測する予測手段(例えば図5の予測部105)と、
前記mのバイヤー毎に、前記確定購入量に応じた単価(例えば図1の単価Pf)を、前記単価レンジに基づいて決定する単価決定手段(例えば図5の単価決定部106)と、
を備える。
【0088】
これにより、取引対象の共同購入を希望するmのバイヤー毎の購入予定量と、取引対象について提供を希望するnのサプライヤ毎の取引単価とが夫々取得される。
取引対象の共同購入の実施が成立する際には、mのバイヤー毎の確定購入量が夫々取得される。取得されたmのバイヤー毎の購入予定量及び確定購入量と、nのサプライヤ毎の取引単価とを少なくとも含む共同購入に関する情報は、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術により管理される。
また、mのバイヤー毎の購入予定量、及び、pのサプライヤ毎に夫々取得された取引単価に基づいて、単価レンジが予測される。そして、その単価レンジに基づいて、確定購入量に応じた単価が、mのバイヤー毎に決定される。
その結果、従来のように重心がバイヤー側に偏り過ぎるようなことのない、バイヤー側とサプライヤ側とが均衡する市場を成立させることができる。
【0089】
また、情報管理手段で管理される前記情報のうち少なくとも1以上を提供した前記mのバイヤー及び前記nのサプライヤを含む集団(例えば図2のチェーンE)の中で少なくとも有効なトークン(例えばトークンT)を用いて、前記取引対象について決定された前記単価と前記確定購入量とに基づいて決定される購入額の決済を、前記mのバイヤー毎に行う決済手段(例えば図5の決済部108)をさらに備えることができる。
【0090】
これにより、購入予定量と、取引単価と、確定購入量とのうち少なくとも1以上を提供したmのバイヤー及びnのサプライヤを含む集団の中で少なくとも有効なトークンを用いた購入額の決済がmのバイヤー毎に行われる。
その結果、契約内容が改竄されず、かつ、人間の手を介することなく確実に契約内容が執行されるスマートコントラクトを担保とした細分化されたトークンが発行されるで、信用を創造することが可能となる。
【0091】
また、前記確定購入量取得手段による前記mのバイヤー毎の前記取引対象の確定購入量の取得の結果に基づいて、当該mのバイヤーの夫々の評価を行うバイヤー評価手段(例えば図5のバイヤー評価部109)をさらに備えることができる。
【0092】
これにより、取得されたmのバイヤー毎の確定購入量に基づいて、mのバイヤーの夫々の評価が行われるので、バイヤーの振舞いに応じた公平な評価を行うことができる。
【0093】
また、前記バイヤー評価手段は、
前記mのバイヤーのうち、前記確定購入量取得手段により前記確定購入量が取得できなかったバイヤーに対しては、当該確定購入量が取得できたバイヤーと比較して低評価を行うことができる。
【0094】
これにより、例えば購入予定量の提示により単価レンジの決定に影響を与えたにもかかわらず、実際には確定購入量を提示しないことで共同購入を行わないようなバイヤー側の不誠実な行為を控えさせる効果が期待できる。
【0095】
また、前記nのサプライヤのうち当該取引対象の提供を行うことが決定された前記pのサプライヤの夫々の評価を行うサプライヤ評価手段(例えば図5のサプライヤ評価部110)をさらに備えることができる。
【0096】
これにより、バイヤーに対する評価とサプライヤに対する評価とが夫々行われることになるので、バイヤー側とサプライヤ側とが均衡する市場の成立に寄与させることができる。
【0097】
また、前記サプライヤ評価手段は、
前記取引対象についての前記pのサプライヤの夫々の担当者の行為に関する、前記mのバイヤーの夫々の視点での第1情報(例えば担当者情報)を取得する第1取得手段(例えば図5の担当者情報取得部121)と、
前記pのサプライヤの夫々により前記取引対象の提供の行為のうち少なくとも一部が行われた後の当該取引対象に関する、前記mのバイヤーの夫々の視点での第2情報(例えば取引対象情報)を取得する第2取得手段(例えば図5の取引対象情報取得部122)と、
前記第1取得手段により取得された前記第1情報と、前記第2取得手段により取得された前記第2情報とに基づいて、前記担当者の評価と、前記取引対象の評価とのうち少なくとも一方を、一次評価として行う一次評価手段(例えば図5の中間評価部123)と、
前記一次評価の結果を前記pのサプライヤの夫々の担当者に提示する提示手段(例えば図5の評価提示部124)と、
前記提示手段による前記一次評価の提示後に前記第1取得手段により新たに取得された前記第1情報と、前記第2取得手段により新たに取得された前記第2情報とに基づいて、前記担当者の評価と、前記取引対象の評価とのうち少なくとも一方を、二次評価として行う二次評価手段(例えば図5の最終評価部125)と、
を備えることができる。
【0098】
これにより、mのバイヤーの夫々の視点から得られる、サプライヤの担当者に関する情報と、取引対象に関する情報とに基づいて、サプライヤと取引対象とのうち少なくとも一方の一次評価が行われる。そして、一次評価の結果は、評価の対象となったサプライヤの担当者に提示される。その結果、サプライヤの担当者は、一次評価の結果の改善や向上を目的とした行動(例えば改善等アクション)を実施することができる。
また、一次評価後に新たに取得された情報に基づいた二次評価が行われるので、一次評価の結果の改善や向上を目的とした行動に対する評価を含めた二次評価を行うことが可能となる。これにより、サプライヤに改善の機会を与えることができる。その結果、従来のようにバイヤー側に重心が偏り過ぎるようなことがない、バイヤー側とサプライヤ側とが均衡する市場の成立に寄与させることができる。
【符号の説明】
【0099】
1・・・サーバ、2,2−1乃至2−m・・・バイヤー端末、3,3−1乃至3−n・・・サプライヤ端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバルメディア、101・・・購入予定量取得部、102・・・取引単価取得部、103・・・確定購入量取得部、104・・・情報管理部、105・・・予測部、106・・・単価決定部、107・・・単価通知部、108・・・決済部、109・・・バイヤー評価部、110・・・サプライヤ評価部、121・・・担当者情報取得部、122・・・取引対象情報取得部、123・・・中間評価部、124・・・評価提示部、125・・・最終評価部、181・・・バイヤーDB、182・・・サプライヤDB、G・・・サービス提供者、B,B1乃至Bm・・・バイヤー、C,C1乃至Cn・・・サプライヤ、b1・・・バイヤーの担当者、b2・・・バイヤーの決裁者、c・・・サプライヤの担当者、X・・・取引対象、E・・・チェーン、Pb・・・基準単価、Pt・・・取引単価、Pw・・・単価レンジ、Qe・・・購入予定量、Qf・・・確定購入量、N・・・ネットワーク、SS,BS,GS,CS・・・各ステップ
【要約】
【課題】バイヤー側とサプライヤ側とが均衡する市場を成立させることができる技術を提供すること。
【解決手段】取引対象Xの共同購入が行われる際に用いられる情報処理装置において、購入予定量取得部101は、共同購入を希望するmのバイヤーB毎に購入予定量Qeを取得する。取引単価取得部102は、取引対象Xの提供を希望するnのサプライヤC毎に取引単価Ptを取得する。確定購入量取得部103は、mのバイヤーB毎に確定購入量Qfを取得する。情報管理部104は、購入予定量Qe、取引単価Pt、及び確定購入量Qfを少なくとも含む情報を、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて管理する。予測部105は、取引単価Ptに基づいて単価レンジPwを予測する。単価決定部106は、単価レンジPwに基づいて、確定購入量Qfに応じた単価Pfをmのバイヤー毎に決定する。
【選択図】図5
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