特許第6774089号(P6774089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本スペリア社の特許一覧

特許6774089ハンダ線供給装置、ハンダ供給用容器、及びハンダ線供給装置の製造方法
<>
  • 特許6774089-ハンダ線供給装置、ハンダ供給用容器、及びハンダ線供給装置の製造方法 図000002
  • 特許6774089-ハンダ線供給装置、ハンダ供給用容器、及びハンダ線供給装置の製造方法 図000003
  • 特許6774089-ハンダ線供給装置、ハンダ供給用容器、及びハンダ線供給装置の製造方法 図000004
  • 特許6774089-ハンダ線供給装置、ハンダ供給用容器、及びハンダ線供給装置の製造方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774089
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】ハンダ線供給装置、ハンダ供給用容器、及びハンダ線供給装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/06 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
   B23K3/06 K
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-133891(P2016-133891)
(22)【出願日】2016年7月6日
(65)【公開番号】特開2018-1246(P2018-1246A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】592025786
【氏名又は名称】株式会社日本スペリア社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100143373
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 裕人
(72)【発明者】
【氏名】西村 哲郎
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4159795(US,A)
【文献】 特開2001−88882(JP,A)
【文献】 特開2001−96361(JP,A)
【文献】 実開昭63−202477(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00 − 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の筒体と当該筒体の一端を閉塞すると共に一つの貫通孔が形成された底板とを有するハンダ供給用容器と、
第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルと、
前記第一ハンダ線とは太さが異なる第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルとを備え、
前記第一及び第二ハンダ線コイルは、各々の軸方向が前記筒体の軸方向に沿う向きに積層されて前記ハンダ供給用容器に収容され、
前記第一中空部の内側から引き出された前記第一ハンダ線が、前記一つの貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出され、
前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線が、前記第一中空部及び前記一つの貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出されるハンダ線供給装置。
【請求項2】
前記第一ハンダ線コイルの外表面を被覆すると共に前記第一中空部の両端開口と対応する位置に第一開口部が形成された第一被覆フィルムと、
前記第二ハンダ線コイルの外表面を被覆すると共に前記第二中空部の両端開口と対応する位置に第二開口部が形成された第二被覆フィルムとをさらに備える請求項1記載のハンダ線供給装置。
【請求項3】
前記第一ハンダ線は、前記第二ハンダ線よりも太い請求項1又は2に記載のハンダ線供給装置。
【請求項4】
前記筒体の内径よりも外径が小さく、前記第一ハンダ線コイルの外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体と前記内側筒体の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔が形成された板状の内底板とを有するスペーサをさらに備え、
前記スペーサは、前記ハンダ供給用容器に収容された前記第一ハンダ線コイルを覆うように配設され、
前記第一ハンダ線コイルと前記第二ハンダ線コイルとの間に前記内底板が位置し、
前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線は、前記内貫通孔、前記第一中空部、及び前記貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出される請求項1〜のいずれか1項に記載のハンダ線供給装置。
【請求項5】
前記ハンダ供給用容器を、前記底板を下にして吊り下げるための吊下部材をさらに備える請求項1〜のいずれか1項に記載のハンダ線供給装置。
【請求項6】
第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルと、第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルとを収容するためのハンダ供給用容器であって、
筒状の筒体と、当該筒体の一端を閉塞すると共に、前記第一ハンダ線と前記第二ハンダ線とを外部へ引き出すための一つの貫通孔が形成された底板とを備える容器本体と、
前記筒体の内径よりも外径が小さく、前記第一ハンダ線コイルの外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体と前記内側筒体の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔が形成された板状の内底板とを有するスペーサとを備えるハンダ供給用容器。
【請求項7】
前記容器本体を、前記底板を下にして吊り下げるための吊下部材をさらに備える請求項記載のハンダ供用容器
【請求項8】
筒状の筒体と当該筒体の一端を閉塞すると共に一つの貫通孔が形成された底板とを有するハンダ供給用容器を準備する準備工程と、
第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルの前記第一中空部の内側から引き出された前記第一ハンダ線を前記一つの貫通孔に挿通しつつ、当該第一ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに前記第一ハンダ線コイルを前記ハンダ供給用容器に収容する第一工程と、
前記第一ハンダ線とは太さが異なる第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルの前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線を前記第一中空部及び前記一つの貫通孔に挿通しつつ、当該第二ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに、前記第二ハンダ線コイルを、前記ハンダ供給用容器に収容された前記第一ハンダ線コイルに積層する第二工程とを含むハンダ線供給装置の製造方法。
【請求項9】
筒状の筒体と当該筒体の一端を閉塞すると共に一つの貫通孔が形成された底板とを有する容器本体を準備する準備工程と、
第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルの前記第一中空部の内側から引き出された前記第一ハンダ線を前記一つの貫通孔に挿通しつつ、当該第一ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに前記第一ハンダ線コイルを前記容器本体に収容する第一工程と、
前記筒体の内径よりも外径が小さく、前記第一ハンダ線コイルの外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体と前記内側筒体の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔が形成された板状の内底板とを有するスペーサを、前記容器本体に収容された前記第一ハンダ線コイルを覆うように前記容器本体に収容するスペーサ収容工程と、
前記第一ハンダ線とは太さが異なる第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルの前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線を、前記内貫通孔、前記第一中空部、及び前記一つの貫通孔に挿通しつつ、当該第二ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに、前記第二ハンダ線コイルを、前記内底板を間に挟んで前記第一ハンダ線コイルに積層する第二工程とを含むハンダ線供給装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンダ線がロール状に巻回されたハンダ線コイルからハンダ線を供給するためのハンダ線供給装置、ハンダ線コイルを収容するためのハンダ供給用容器、及びハンダ線供給装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハンダ線(糸ハンダ)をボビンに巻き取ったハンダ線コイルを、ボビンからハンダ線を繰り出し可能に保持する保持手段と、この保持手段に保持されたハンダ線を加熱ごてに送り出す繰出し手段とを備えた糸ハンダ送出装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この保持手段は、ボビン中心の孔にシャフトを挿通することで、ハンダ線コイルを保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−314962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハンダ付け作業を行う際に、太さの異なるハンダ線を使い分けたい場合がある。そのため、太さの異なるハンダ線を選択可能なように、保持手段に、ハンダ線の太さが異なる複数のハンダ線コイルを保持させることが行われる。上述の保持手段では、複数のハンダ線コイルの中空部に、シャフトを串刺し状に挿通することにより、ハンダ線コイルが保持される。
【0005】
しかしながら、1本のシャフトを、複数のハンダ線コイルに挿通することで保持した場合、使用中のハンダ線コイルからのハンダ線の引き出しに伴いハンダ線コイルが回転し、その回転運動がシャフトを通じて又は隣接するハンダ線コイルとの摩擦によって、使用していないハンダ線コイルに伝わる結果、使用していないハンダ線コイルが回転し、巻き取られたハンダ線がほどけてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、太さの異なるハンダ線を選択可能に複数のハンダ線コイルを保持しつつ、使用していないハンダ線コイルがほどけるおそれを低減することができるハンダ線供給装置、ハンダ供給用容器、及びこのハンダ線供給装置の製造に適したハンダ線供給装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るハンダ線供給装置は、筒状の筒体と当該筒体の一端を閉塞すると共に貫通孔が形成された底板とを有するハンダ供給用容器と、第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルと、前記第一ハンダ線とは太さが異なる第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルとを備え、前記第一及び第二ハンダ線コイルは、各々の軸方向が前記筒体の軸方向に沿う向きに積層されて前記ハンダ供給用容器に収容され、前記第一中空部の内側から引き出された前記第一ハンダ線が、前記貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出され、前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線が、前記第一中空部及び前記貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出される。
【0008】
この構成によれば、互いに太さの異なるハンダ線が巻回された複数のハンダ線コイルがハンダ供給用容器に収容され、各ハンダ線コイル中心の中空部から引き出されたハンダ線が、底板の貫通孔から引き出されて外部へ供給される。従って、ユーザは、貫通孔から引き出された互いに太さの異なる複数のハンダ線を自由に選択することができる。また、ユーザが選択したハンダ線を引き出すと、ハンダ線コイル中心の中空部からハンダ線がほどけて供給されるので、背景技術のようにハンダ線コイルが回転することがなく、従って使用していないハンダ線コイルがほどけることがない。
【0009】
また、前記第一ハンダ線コイルの外表面を被覆すると共に前記第一中空部の両端開口と対応する位置に第一開口部が形成された第一被覆フィルムと、前記第二ハンダ線コイルの外表面を被覆すると共に前記第二中空部の両端開口と対応する位置に第二開口部が形成された第二被覆フィルムとをさらに備えることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、第一及び第二ハンダ線コイルが被覆フィルムで覆われ、その形状が保持されるので、第一及び第二ハンダ線コイルが形崩れするおそれが低減される。
【0013】
また、前記貫通孔は一つであり、前記一つの貫通孔を介して前記第一ハンダ線と前記第二ハンダ線とが前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出されてもよい。
【0014】
この構成によれば、底板に貫通孔を一つ形成するだけでよいので、ハンダ供給用容器の製作が容易である。
【0015】
また、前記第一ハンダ線は、前記第二ハンダ線よりも太いことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ハンダ供給用容器の底板を下にした場合に第二ハンダ線コイルの下側に配置される第一ハンダ線コイルの方が、巻回されているハンダ線の線径が太くなる。ハンダ線コイルは、巻回されるハンダ線の線径が太い方が、形状が崩れにくい。そのため、線径が細い第二ハンダ線コイルを下に配置する場合よりも、線径が太い第一ハンダ線コイルを下に配置した方が、上に配置されたハンダ線コイルの重量により下側のハンダ線コイルが崩れるおそれが低減する。
【0017】
また、前記筒体の内径よりも外径が小さく、前記第一ハンダ線コイルの外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体と前記内側筒体の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔が形成された板状の内底板とを有するスペーサをさらに備え、前記スペーサは、前記ハンダ供給用容器に収容された前記第一ハンダ線コイルを覆うように配設され、前記第一ハンダ線コイルと前記第二ハンダ線コイルとの間に前記内底板が位置し、前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線は、前記内貫通孔、前記第一中空部、及び前記貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出されることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、ハンダ供給用容器に収容された第一ハンダ線コイルを覆うようにスペーサが配設され、スペーサの内底板の上に第二ハンダ線コイルが配設される。その結果、第二ハンダ線コイルの重量がスペーサによって支持されて第一ハンダ線コイルにかからない。従って、第一ハンダ線コイルが第二ハンダ線コイルの重量で潰されることがない。
【0019】
また、前記ハンダ供給用容器を、前記底板を下にして吊り下げるための吊下部材をさらに備えることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、吊下部材によってハンダ線供給装置を吊り下げて、ハンダ線供給装置下部の底板の貫通孔から第一及び第二ハンダ線を引き出して外部へハンダ線を供給することができるので、ハンダ線供給装置の利便性が向上する。
【0021】
また、本発明に係るハンダ供給用容器は、第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルと、第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルとを収容するためのハンダ供給用容器であって、筒状の筒体と、当該筒体の一端を閉塞すると共に貫通孔が形成された底板とを備える容器本体と、前記筒体の内径よりも外径が小さく、前記第一ハンダ線コイルの外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体と前記内側筒体の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔が形成された板状の内底板とを有するスペーサとを備える。
【0022】
この構成によれば、容器本体に第一ハンダ線コイルを収容し、その第一ハンダ線コイルを覆うようにスペーサを配置し、さらにそのスペーサの内底板の上に第二ハンダ線コイルを配設することができる。このようにスペーサと第一及び第二ハンダ線コイルとを容器本体内に配設することによって、第二ハンダ線コイルの重量がスペーサによって支持される。従って、第一ハンダ線コイルが第二ハンダ線コイルの重量で潰されないようにすることが可能となる。
【0023】
また、前記容器本体を、前記底板を下にして吊り下げるための吊下部材をさらに備えることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、第一及び第二ハンダ線コイルが収容されたハンダ供給用容器を、吊下部材によって吊り下げて、ハンダ供給用容器下部の底板の貫通孔から第一及び第二ハンダ線を引き出して外部へハンダ線を供給することができるので、ハンダ線供給の利便性が向上する。
【0025】
また、本発明に係るハンダ線供給装置の製造方法は、筒状の筒体と当該筒体の一端を閉塞すると共に貫通孔が形成された底板とを有するハンダ供給用容器を準備する準備工程と、第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルの前記第一中空部の内側から引き出された前記第一ハンダ線を前記貫通孔に挿通しつつ、当該第一ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに前記第一ハンダ線コイルを前記ハンダ供給用容器に収容する第一工程と、前記第一ハンダ線とは太さが異なる第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルの前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線を前記第一中空部及び前記貫通孔に挿通しつつ、当該第二ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに、前記第二ハンダ線コイルを、前記ハンダ供給用容器に収容された前記第一ハンダ線コイルに積層する第二工程とを含む。
【0026】
この方法によれば、筒状の筒体と当該筒体の一端を閉塞すると共に貫通孔が形成された底板とを有するハンダ供給用容器と、第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルと、前記第一ハンダ線とは太さが異なる第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルとを備え、前記第一及び第二ハンダ線コイルは、各々の軸方向が前記筒体の軸方向に沿う向きに積層されて前記ハンダ供給用容器に収容され、前記第一中空部の内側から引き出された前記第一ハンダ線が、前記貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出され、前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線が、前記第一中空部及び前記貫通孔を通じて前記ハンダ供給用容器の外部へ引き出されるハンダ線供給装置を好適に製造することができる。
【0029】
また、本発明に係るハンダ線供給装置の製造方法は、筒状の筒体と当該筒体の一端を閉塞すると共に貫通孔が形成された底板とを有する容器本体を準備する準備工程と、第一ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部が形成された第一ハンダ線コイルの前記第一中空部の内側から引き出された前記第一ハンダ線を前記貫通孔に挿通しつつ、当該第一ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに前記第一ハンダ線コイルを前記容器本体に収容する第一工程と、前記筒体の内径よりも外径が小さく、前記第一ハンダ線コイルの外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体と前記内側筒体の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔が形成された板状の内底板とを有するスペーサを、前記容器本体に収容された前記第一ハンダ線コイルを覆うように前記容器本体に収容するスペーサ収容工程と、前記第一ハンダ線とは太さが異なる第二ハンダ線がロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部が形成された第二ハンダ線コイルの前記第二中空部の内側から引き出された前記第二ハンダ線を、前記内貫通孔、前記第一中空部、及び前記貫通孔に挿通しつつ、当該第二ハンダ線コイルの軸方向が前記筒体の軸方向と沿う向きに、前記第二ハンダ線コイルを、前記内底板を間に挟んで前記第一ハンダ線コイルに積層する第二工程とを含む。
【0030】
この方法によれば、第一ハンダ線コイルが第二ハンダ線コイルの重量で潰されることがないハンダ線供給装置を製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
このような構成のハンダ線供給装置及びハンダ供給用容器は、太さの異なるハンダ線を選択可能に複数のハンダ線コイルを保持しつつ、使用していないハンダ線コイルがほどけるおそれを低減することができる。また、このような構成のハンダ線供給装置の製造方法は、このようなハンダ線供給装置の製造に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第一実施形態に係るハンダ線供給装置の構成の一例を示す斜視図である。
図2図1に示すハンダ線供給装置の分解斜視図である。
図3】本発明の第二実施形態に係るハンダ線供給装置の構成の一例を示す斜視図である。
図4図3に示すハンダ線供給装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第一実施形態)
【0034】
図1は、本発明の第一実施形態に係るハンダ線供給装置1の構成の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示すハンダ線供給装置1の分解斜視図である。図1図2に示すハンダ線供給装置1は、大略的に、ハンダ供給用容器2と、第一ハンダ線ボビンレスコイル101aと、第二ハンダ線ボビンレスコイル101bと、吊下部材6とを備えている。
【0035】
ハンダ供給用容器2は、筒状の筒体21と筒体21の一端を閉塞すると共に第一貫通孔23、第二貫通孔24が形成された底板22とを有する。第一ハンダ線ボビンレスコイル101aは、第一ハンダ線コイル103aと、その外表面を被覆する第一被覆フィルム104aとを備える。第二ハンダ線ボビンレスコイル101bは、第二ハンダ線コイル103bと、その外表面を被覆する第二被覆フィルム104bとを備える。
【0036】
第一ハンダ線コイル103aは、第一ハンダ線102aがロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部106aが形成されたハンダ線のコイルである。第二ハンダ線コイル103bは、第一ハンダ線102aとは太さが異なる第二ハンダ線102bがロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部106bが形成されたハンダ線のコイルである。第一ハンダ線102a及び第二ハンダ線102bは、線状のハンダ、いわゆる糸ハンダである。第一ハンダ線102aは例えば直径1.0mm、第二ハンダ線102bは例えば直径1.2mmとされている。
【0037】
第一ハンダ線102a及び第二ハンダ線102bの太さは特に限定されない。しかしながら、後述するように、下側に配置される第一ハンダ線コイル103aの第一ハンダ線102aの方が、上側に配置される第二ハンダ線コイル103bの第二ハンダ線102bより太いことが好ましい。
【0038】
第一被覆フィルム104aにおける、第一中空部106aの両端開口と対応する位置には第一開口部107aが形成されている。第二被覆フィルム104bにおける、第二中空部106bの両端開口と対応する位置には第二開口部107bが形成されている。図2では図示を省略しているが、第一被覆フィルム104aには、第一ハンダ線コイル103aの第一中空部106aの図中下側の開口部に対応する位置にも、第一開口部107aが形成され、第二被覆フィルム104bには、第二ハンダ線コイル103bの第二中空部106bの図中下側の開口部に対応する位置にも、第二開口部107bが形成されている。
【0039】
第一ハンダ線ボビンレスコイル101aの一端面側(図2では上面側)の第一被覆フィルム104aには、略第一開口部107aと対応する形状の開口部が設けられたラベル105aが貼付されている。第二ハンダ線ボビンレスコイル101bの一端面側(図2では上面側)の第二被覆フィルム104bには、略第二開口部107bと対応する形状の開口部が設けられたラベル105bが貼付されている。
【0040】
第一ハンダ線ボビンレスコイル101a(第一ハンダ線コイル103a)及び第二ハンダ線ボビンレスコイル101b(第二ハンダ線コイル103b)は、各々の軸方向が筒体21の軸方向に沿う向きに積層されてハンダ供給用容器2に収容されている。第一中空部106aの内側から引き出された第一ハンダ線102aが、第一貫通孔23を通じてハンダ供給用容器2の外部へ引き出されている。
【0041】
また、第二中空部106bの内側から引き出された第二ハンダ線102bが、第一中空部106a及び第二貫通孔24を通じてハンダ供給用容器2の外部へ引き出されている。第一貫通孔23及び第二貫通孔24は、底板22の略中央付近であって、第一中空部106aの開口部と対応する位置に形成されている。
【0042】
ハンダ線供給装置1は、底板22を下にして使用されることが予定されている。そして、ハンダ供給用容器2には、第一ハンダ線ボビンレスコイル101a(第一ハンダ線コイル103a)が下側、第二ハンダ線ボビンレスコイル101b(第二ハンダ線コイル103b)が上側になるように第一ハンダ線ボビンレスコイル101aと第二ハンダ線ボビンレスコイル101bとが積層される。
【0043】
ハンダ線コイルは、巻回されるハンダ線の線径が太い方が、形状が崩れにくい。そのため、線径が細い第二ハンダ線コイル103bを下に配置する場合よりも、線径が太い第一ハンダ線コイル103aを下に配置した方が、上に配置されたハンダ線コイルの重量により下側のハンダ線コイルが崩れるおそれが低減する。
【0044】
なお、必ずしも第一ハンダ線コイル103aの方が第二ハンダ線コイル103bより太い例に限らない。第一ハンダ線コイル103aの方が第二ハンダ線コイル103bより細い構成であってもよい。
【0045】
吊下部材6は、例えばワイヤーケーブルや針金等によって構成されている。吊下部材6の両端部が、ハンダ供給用容器2の上端付近、径方向に離間した二箇所に係合取付されている。これにより、吊下部材6を吊り下げることによって、ハンダ供給用容器2が、底板22を下にして吊り下げ可能にされている。
【0046】
ハンダ供給用容器2は、必ずしも被覆フィルムで被覆された第一ハンダ線コイル103a及び第二ハンダ線コイル103bを収容する例に限られない。ハンダ供給用容器2は、被覆フィルムで被覆されない第一ハンダ線コイル103a及び第二ハンダ線コイル103bを収容してもよく、第一ハンダ線コイル103a及び第二ハンダ線コイル103bは、被覆フィルムで被覆されていなくてもよい。
【0047】
しかしながら、第一ハンダ線コイル103a及び第二ハンダ線コイル103bが、被覆フィルムで被覆されている場合、第一ハンダ線コイル103a及び第二ハンダ線コイル103bの形が崩れるおそれが低減されるので、第一ハンダ線コイル103a及び第二ハンダ線コイル103bは、被覆フィルムで被覆されていることがより好ましい。
【0048】
上述のように構成されたハンダ線供給装置1によれば、ユーザは、ハンダ供給用容器2の下部に設けられた第一貫通孔23及び第二貫通孔24から、互いに太さの異なる第一ハンダ線102aと第二ハンダ線102bとのうちいずれかを選択的に引き出すことができる。
【0049】
そして、ユーザが第一ハンダ線102aを引き出した場合には、第一ハンダ線102aは、第一ハンダ線コイル103aの第一中空部106aの内側からほどけるように引き出されるので、第一ハンダ線コイル103aが回転することがなく、従って使用していない第二ハンダ線コイル103bが回転することもほどけることもない。
【0050】
一方、ユーザが第二ハンダ線102bを引き出した場合には、第二ハンダ線102bは、第二ハンダ線コイル103bの第二中空部106bの内側からほどけるように引き出されるので、第二ハンダ線コイル103bが回転することがなく、従って使用していない第一ハンダ線コイル103aが回転することもほどけることもない。
【0051】
また、貫通孔として、第一ハンダ線102aが挿通される第一貫通孔23と、第二貫通孔24が挿通される第二貫通孔24とが設けられているので、第一ハンダ線コイル103a及び第二ハンダ線コイル103bから引き出された第一ハンダ線102aと第二ハンダ線102bとが、絡むおそれが低減される。なお、貫通孔は一つであってもよく、一つの貫通孔から第一ハンダ線102aと第二ハンダ線102bとが引き出される構成であってもよい。
【0052】
次に、本発明の一実施形態に係るハンダ線供給装置1の製造方法について説明する。ハンダ線供給装置1の製造方法は、下記(1)〜(3)の各工程をこの順に実行する。
(1)準備工程
【0053】
筒状の筒体21と筒体21の一端を閉塞すると共に第一貫通孔23及び第二貫通孔24が形成された底板22とを有するハンダ供給用容器2を準備する。
(2)第一工程
【0054】
第一ハンダ線102aがロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部106aが形成された第一ハンダ線コイル103aの第一中空部106aの内側から引き出された第一ハンダ線102aを第一貫通孔23に挿通しつつ、当該第一ハンダ線コイル103aの軸方向が筒体21の軸方向と沿う向きに第一ハンダ線コイル103aをハンダ供給用容器2に収容する。
(3)第二工程
【0055】
第一ハンダ線102aとは太さが異なる第二ハンダ線102bがロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部106bが形成された第二ハンダ線コイル103bの第二中空部106bの内側から引き出された第二ハンダ線102bを第一中空部106a及び第二貫通孔24に挿通しつつ、当該第二ハンダ線コイル103bの軸方向が筒体21の軸方向と沿う向きに、第二ハンダ線ボビンレスコイル101bを、ハンダ供給用容器2に収容された第一ハンダ線ボビンレスコイル101aに積層する。
【0056】
上記(1)〜(3)に記載の製造方法は、ハンダ線供給装置1の製造方法として好適である。
(第二実施形態)
【0057】
次に、本発明の第二実施形態に係るハンダ線供給装置について説明する。図3は、本発明の第二実施形態に係るハンダ線供給装置1aの構成の一例を示す斜視図である。図4は、図3に示すハンダ線供給装置1aの分解斜視図である。図3に示すハンダ線供給装置1aは、図1に示すハンダ線供給装置1とは、ハンダ供給用容器2aが、筒体21と底板22とからなる容器本体25と、スペーサ4とを備える点で異なる。その他の構成は図1に示すハンダ線供給装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。
【0058】
スペーサ4は、筒体21の内径よりも外形が小さく、第一ハンダ線ボビンレスコイル101a(第一ハンダ線コイル103a)の外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体41と内側筒体41の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔43が形成された板状の内底板42とを有する。
【0059】
スペーサ4は、容器本体25に収容された第一ハンダ線ボビンレスコイル101aを覆うように容器本体25内に配設され、第一ハンダ線ボビンレスコイル101aと第二ハンダ線ボビンレスコイル101bとの間に内底板42が位置するようにされている。スペーサ4の深さ、すなわちスペーサ4の内側筒体41の他端から内底板42の内側表面までの長さは、第一ハンダ線ボビンレスコイル101aの軸方向の長さ以上にされている。
【0060】
そして、第二中空部106bの内側から引き出された第二ハンダ線102bは、内貫通孔43、第一中空部106a、及び第二貫通孔24を通じてハンダ供給用容器2の外部へ引き出される。
【0061】
ハンダ線供給装置1aによれば、第二ハンダ線ボビンレスコイル101bの重量が、スペーサ4によって支持されるので、第二ハンダ線ボビンレスコイル101bの重量で第一ハンダ線ボビンレスコイル101aが押し潰されることが防止される。
【0062】
次に、本発明の一実施形態に係るハンダ線供給装置1aの製造方法について説明する。ハンダ線供給装置1aの製造方法は、下記(1)〜(4)の各工程をこの順に実行する。
(1)準備工程
【0063】
筒状の筒体21と筒体21の一端を閉塞すると共に第一貫通孔23及び第二貫通孔24が形成された底板22とを有する容器本体25を準備する。
(2)第一工程
【0064】
第一ハンダ線102aがロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第一中空部106aが形成された第一ハンダ線コイル103aの第一中空部106aの内側から引き出された第一ハンダ線102aを第一貫通孔23に挿通しつつ、当該第一ハンダ線コイル103aの軸方向が筒体21の軸方向と沿う向きに第一ハンダ線コイル103aを容器本体25に収容する。
(3)スペーサ収容工程
【0065】
筒体21の内径よりも外形が小さく、第一ハンダ線ボビンレスコイル101aの外径よりも内径が大きい筒状の内側筒体41と内側筒体41の一端を閉塞すると共に厚み方向に貫通する内貫通孔43が形成された内底板42とを有するスペーサ4を、容器本体25に収容された第一ハンダ線ボビンレスコイル101aを覆うように容器本体25に収容する。
(4)第二工程
【0066】
第一ハンダ線102aとは太さが異なる第二ハンダ線102bがロール状に巻回され、当該ロールの中心に軸方向に貫通する第二中空部106bが形成された第二ハンダ線コイル103bの第二中空部106bの内側から引き出された第二ハンダ線102bを、内貫通孔43、第一中空部106a、及び第二貫通孔24に挿通しつつ、当該第二ハンダ線コイル103bの軸方向が筒体21の軸方向と沿う向きに、第二ハンダ線ボビンレスコイル101bを、内底板42を間に挟んで第一ハンダ線ボビンレスコイル101aに積層する。
【0067】
上記(1)〜(4)に記載の製造方法は、ハンダ線供給装置1aの製造方法として好適である。
【0068】
なお、ハンダ線供給装置1,1aは、ハンダ線コイルを二つ備える例を示したが、ハンダ線供給装置1,1aは、ハンダ線コイルを三つ以上備えてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1,1a ハンダ線供給装置
2,2a ハンダ供給用容器
4 スペーサ
6 吊下部材
21 筒体
22 底板
23 第一貫通孔
24 第二貫通孔
25 容器本体
41 内側筒体
42 内底板
43 内貫通孔
101a 第一ハンダ線ボビンレスコイル
101b 第二ハンダ線ボビンレスコイル
102a 第一ハンダ線
102b 第二ハンダ線
103a 第一ハンダ線コイル
103b 第二ハンダ線コイル
104a 第一被覆フィルム
104b 第二被覆フィルム
105a ラベル
105b ラベル
106a 第一中空部
106b 第二中空部
107a 第一開口部
107b 第二開口部
図1
図2
図3
図4