(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774161
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/14 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
F24F13/14 H
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-161342(P2014-161342)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2016-38151(P2016-38151A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年7月21日
【審判番号】不服2019-1932(P2019-1932/J1)
【審判請求日】2019年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉村 和記
(72)【発明者】
【氏名】石川 充
(72)【発明者】
【氏名】仙道 要
(72)【発明者】
【氏名】水頭 正一郎
【合議体】
【審判長】
山崎 勝司
【審判官】
槙原 進
【審判官】
塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−65591(JP,A)
【文献】
特開2012−137227(JP,A)
【文献】
特開2014−129956(JP,A)
【文献】
特開2014−129951(JP,A)
【文献】
特開平11−236898(JP,A)
【文献】
特開2009−133536(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/011854(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の壁面に取り付けられる室内機本体部と、
前記室内機本体部に設けられる空気吸込み口及び空気吹出し口と、
前記室内機本体部内に設けられ、前記空気吸込み口と前記空気吹出し口とを連通する通風路と、
前記通風路内において回転することにより、室内の空気を前記空気吸込み口から吸い込み前記空気吹出し口から吹き出すように送風する横流ファンと、
前記空気吹出し口において上下方向に回動することにより、当該空気吹出し口から吹き出される空気の上下方向の向きを変化させる複数の上下風向板と、
を備え、
前記空気吹出し口は、前記壁面側を構成する一連の平面または曲面からなる部分の長さが前記壁面とは反対側を構成する部分の長さよりも短くなっており、
複数の前記上下風向板のうち最も前記壁面側に設けられている壁面側上下風向板は、その回動軸が前記横流ファンの回転軸よりも前記壁面側に設けられており、且つ、当該壁面側上下風向板が下方に回動することに伴い当該壁面側上下風向板の前記壁面側の端部が前記空気吹出し口内に移動して前記空気吹き出し口の前記壁面側の風路長が延長される空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記上下風向板として、前記壁面側上下風向板と、この壁面側上下風向板よりも室内側に設けられている少なくとも1つの室内側上下風向板と、を備え、
前記室内側上下風向板の回動軸に直交する方向に沿う当該室内側上下風向板の長さは、前記壁面側上下風向板の回動軸に直交する方向に沿う当該壁面側上下風向板の長さよりも長い請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記室内機本体部の高さ寸法は295mmであり、
前記横流ファンの径寸法は118mm以上である請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記室内機本体部の高さ寸法は250mmであり、
前記横流ファンの径寸法は100mm以上である請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記空気吹出し口に着脱可能に取り付けられる左右風向板ユニットをさらに備え、
前記左右風向板ユニットは、
前記空気吹出し口において左右方向に回動することにより、当該空気吹出し口から吹き出される空気の左右方向の向きを変化させる複数の左右風向板と、
複数の前記左右風向板の回動軸間に形成される複数のスペースのうち少なくとも1つのスペースに設けられる突起部と、
を備える請求項1から4の何れか1項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記左右風向板ユニットは、前記空気吹出し口の左部に取り付けられる左部ユニットと前記空気吹出し口の右部に取り付けられる右部ユニットとに分割されており、
前記左部ユニットに設けられる前記突起部の数と前記右部ユニットに設けられる前記突起部の数が異なっている請求項5に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記左右風向板ユニットは、前記空気吹出し口の左部に取り付けられる左部ユニットと前記空気吹出し口の右部に取り付けられる右部ユニットとに分割されており、
前記左部ユニットに設けられる前記突起部の高さと前記右部ユニットに設けられる前記突起部の高さが異なっている請求項5または6に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、空気調和機を構成する室内機は、室内機本体部内に空気吸込み口と空気吹出し口とを連通する通風路を形成し、この通風路内に横流ファンを回転可能に備えている。そして、室内機は、通風路内において横流ファンを回転させることにより、室内の空気を空気吸込み口から吸い込み空気吹出し口から吹き出すように送風する。
【0003】
ところで、近年では、空気吹出し口から吹き出す風の大風量化或いは安定化を図るために、横流ファンの径寸法を大きくすることが考えられている。しかし、室内機の外殻を構成する本体部の大きさは限られていることから、横流ファンの径寸法を大きくすると、通風路の風路長、特に空気吹出し口の風路長を十分に確保することが困難となる。空気吹出し口の風路長が不十分となる構成では、空気吹出し口におけるいわゆる静圧回復が困難となり、空気吹出し口から吹き出される風を安定させることがでない。そのため、例えば風量が減るなどといった送風性能の低下を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−37537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、横流ファンの径寸法を大きくしても送風性能の低下を抑えることができる空気調和機の室内機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の空気調和機の室内機は、室内機本体部と、空気吸込み口と、空気吹出し口と、通風路と、横流ファンと、複数の上下風向板と、を備える。室内機本体部は、室内の壁面に取り付けられる。空気吸込み口及び空気吹出し口は、室内機本体部に設けられる。通風路は、室内機本体部内に設けられ、空気吸込み口と空気吹出し口とを連通する。横流ファンは、通風路内において回転することにより、室内の空気を空気吸込み口から吸い込み空気吹出し口から吹き出すように送風する。上下風向板は、空気吹出し口において上下方向に回動することにより、当該空気吹出し口から吹き出される空気の上下方向の向きを変化させる。そして、前記空気吹出し口は、前記壁面側を構成する一連の平面または曲面からなる部分の長さが前記壁面とは反対側を構成する部分の長さよりも短くなっており、複数の上下風向板のうち最も壁面側に設けられている壁面側上下風向板は、その回動軸が横流ファンの回転軸よりも壁面側に設けられており、且つ、当該壁面側上下風向板が下方に回動することに伴い当該壁面側上下風向板の壁面側の端部が空気吹出し口内に移動して前記空気吹き出し口の前記壁面側の風路長が延長され
る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る空気調和機の室内機の構成例を示すものであり、上下風向板が閉じている状態における室内機を示す縦断側面図
【
図2】上下風向板が開いている状態における室内機を示す縦断側面図
【
図4】空気吹出し口に取り付けられた左右風向板ユニットの一部を拡大して示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、空気調和機の室内機の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に例示する空気調和機の室内機10は、上下方向の寸法に対して左右方向の寸法が長い横長状をなす室内機本体部11の内部に、熱交換器12や横流ファン13などを備えて構成されている。また、室内機本体部11の上部には、室内の空気を室内機本体部11内に吸い込むための空気吸込み口14が設けられている。また、室内機本体部11の下部には、室内機本体部11内に吸い込まれた空気を室内に吹き出すための空気吹出し口15が設けられている。この室内機本体部11は、図示しない室内の壁面に取り付けられる。なお、
図1では、右側が壁面側であり、左側が室内側である。
【0009】
室内機本体部11の内部には、これら空気吸込み口14から空気吹出し口15にわたって通風路16が形成されている。この通風路16は、空気吸込み口14と空気吹出し口15とを連通している。熱交換器12及び横流ファン13は、この通風路16内に配置されている。横流ファン13は、室内機本体部11の長手方向、つまり左右方向に沿う回転軸13aを中心として回転可能に設けられている。室内機10は、通風路16内において横流ファン13を回転させることにより、室内の空気を空気吸込み口14から吸い込み空気吹出し口15から吹き出すように送風する。空気吸込み口14から吸い込まれた空気は、通風路16内を流れる過程で熱交換器12によって熱交換され、周知の暖房運転時では温風として、周知の冷房運転時では冷風として空気吹出し口15から室内に吹き出される。
【0010】
本実施形態に係る空気調和機の室内機10は、従来に比べ横流ファン13の径寸法が大きく設定されている室内機を対象としており、より具体的には、横流ファン13の径寸法が室内機本体部11の高さ寸法の0.4外以上となっている構成を想定している。
即ち、例えば、室内機本体部11の高さ寸法が295mmである場合には、横流ファン13の径寸法は、その0.4倍の寸法である118mm以上で構成される。なお、室内機本体部11の高さ寸法が295mm以下である場合には、横流ファン13の径寸法は、その0.4倍以上の寸法で設定される。また、室内機本体部11の高さ寸法として設定される「295mm」は、本実施形態の出願時における一般的な家庭用の室内機の高さ寸法の上限値として規定されている寸法である。
【0011】
また、例えば、室内機本体部11の高さ寸法が250mmである場合には、横流ファン13の径寸法は、その0.4倍の寸法である100mm以上で構成される。なお、室内機本体部11の高さ寸法が250mm以下である場合には、横流ファン13の径寸法は、その0.4倍以上の寸法で設定される。また、室内機本体部11の高さ寸法として設定される「250mm」は、本実施形態の出願時における一般的な家庭用の室内機の平均的な高さ寸法であり、この高さ寸法の室内機であれば、一般的な家屋の窓の上に無理なく設置することが可能である。
【0012】
空気吹出し口15には、複数、この場合、2つの上下風向板21,31と、複数の左右風向板41が設けられている。上下風向板21,31は、空気吹出し口15の先端部において上下方向に回動することにより、当該空気吹出し口15から吹き出される空気の上下方向の向きを変化させる。一方、左右風向板41は、空気吹出し口15内において左右方向に回動することにより、当該空気吹出し口15から吹き出される空気の左右方向の向きを変化させる。
【0013】
上下風向板21は、空気吹出し口15の先端部において最も壁面側に設けられている。以下、この上下風向板21を「壁面側上下風向板21」と称する。壁面側上下風向板21は、室内機本体部11の長手方向、つまり左右方向に沿う回動軸21aを中心に上下方向に回動可能に支持されている。この回動軸21aは、横流ファン13の回転軸13aよりも壁面側に設けられている。また、
図2に示すように、壁面側上下風向板21は、その回動軸21aを中心に下方に回動することに伴い、当該壁面側上下風向板21の壁面側の端部21bが空気吹出し口15の内部に入り込むように移動するようになっている。壁面側上下風向板21の壁面側の端部21bが空気吹出し口15の内部に移動することにより、空気吹出し口15の壁面側の風路長が、壁面側上下風向板21で延長された状態となる。
【0014】
上下風向板31は、空気吹出し口15の先端部において壁面側上下風向板21よりも室内側に設けられている。以下、この上下風向板31を「室内側上下風向板31」と称する。室内側上下風向板31は、室内機本体部11の長手方向、つまり左右方向に沿う回動軸31aを中心に上下方向に回動可能に支持されている。この回動軸31aは、横流ファン13の回転軸13aよりも室内側に設けられている。また、
図2に示すように、室内側上下風向板31は、その回動軸31aを中心に下方に回動することに伴い、壁面側上下風向板21により風路長が延長された空気吹出し口15のほぼ中央部に位置する状態となる。よって、この状態では、空気吹出し口15から吹き出される風の上下方向の向きは、主として室内側上下風向板31により調整される。
【0015】
また、この場合、室内側上下風向板31の回動軸31aに直交する方向に沿う当該室内側上下風向板31の長さL1は、壁面側上下風向板21の回動軸21aに直交する方向に沿う当該壁面側上下風向板21の長さL2よりも長く形成されている。即ち、室内機10は、主として風向の調整機能を担う室内側上下風向板31の方が、主として空気吹出し口15の延長機能を担う壁面側上下風向板21よりも長くなっている構成となっている。よって、特に
図2に示す開状態においては、室内側上下風向板31の方が壁面側上下風向板21よりも、風が流れる方向に沿って室内に突出した状態となる。なお、室内機10は、1枚の室内側上下風向板31を備える構成に限られるものではなく、複数の室内側上下風向板31を備える構成としてもよい。
【0016】
図3及び
図4にも示すように、左右風向板41は、空気吹出し口15に着脱可能に取り付けられる左右風向板ユニット51に備えられている。この場合、左右風向板ユニット51は、空気吹出し口15の壁面側の傾斜部15aに形成された凹部15bに着脱可能に取り付けられるようになっている。左右風向板ユニット51は、凹部15bに取り付けられるベース部51aと、ベース部51aの裏面側に設けられたリンク機構部51bと、を備える。
【0017】
ベース部51aには、その長手方向に沿って複数の左右風向板41の回動軸41aが左右方向に回動可能に差し込まれている。また、左右風向板ユニット51が傾斜部15aの凹部15bに取り付けられた状態では、ベース部51aの表面は、傾斜部15aの表面と面一な状態となる。リンク機構部51bは、周知の構成により、ベース部51aの裏側において複数の左右風向板41の回動軸41aを連結している。そして、リンク機構部51bは、複数の左右風向板41を連動して回動させる。
【0018】
また、
図3に例示するように、複数の左右風向板41の回動軸41a間に形成されるスペースには、突起部61が設けられている。
図4に例示するように、この突起部61は、左右風向板ユニット51が傾斜部15aの凹部15bに取り付けられた状態では、空気吹出し口15の内方に向かって突出する。このように、空気吹出し口15の内方に向かって突起部61が突出していることで、空気吹出し口15から吹き出される風に、いわゆるサージングが発生してしまうことを回避することができる。
【0019】
この場合、左右風向板ユニット51は、空気吹出し口15の長手方向に沿って2つに分割されており、即ち、空気吹出し口15の左部に着脱可能に取り付けられる左部ユニット51Aと、空気吹出し口15の右部に着脱可能に取り付けられる右部ユニット51Bとに分割されている。そして、左右風向板ユニット51は、左部ユニット51Aに設けられる突起部61の数と右部ユニット51Bに設けられる突起部61の数とを異ならせている。この場合、左部ユニット51Aに設けられている突起部61の数は1つであり、右部ユニット51Bに設けられている突起部61の数は2つである。
【0020】
なお、図示はしないが、左右風向板ユニット51は、左部ユニット51Aに設けられる突起部61の高さと右部ユニット51Bに設けられる突起部61の高さとを異ならせる構成としてもよい。なお、突起部61の高さは、換言すれば、突起部61の空気吹出し口15の内方への突出量である。また、突起部61は、複数の左右風向板41の回動軸41a間に形成される複数のスペースのうち少なくとも1つのスペースに設けられるものであるが、その設置数は、適宜変更して実施することができる。
【0021】
本実施形態に係る空気調和機の室内機10によれば、最も壁面側に設けられている壁面側上下風向板21は、その回動軸21aが横流ファン13の回転軸13aよりも壁面側に設けられている。また、室内機10によれば、壁面側上下風向板21が下方に回動することに伴い当該壁面側上下風向板21の壁面側の端部21bが空気吹出し口15内に入り込むように移動する。
【0022】
この構成によれば、横流ファン13の大型化に伴い通風路16の風路長、特に空気吹出し口15の風路長を十分に確保することが困難となった構成であっても、下方に回動した壁面側上下風向板21により空気吹出し口15の風路長を延長した構成を実現することができる。よって、横流ファン13の径寸法を大きくしても、壁面側上下風向板21により風路長が延長された空気吹出し口15において十分な静圧回復が実現されることを期待することができ、送風性能の低下を抑えることができる。
【0023】
また、室内機10によれば、壁面側上下風向板21の壁面側の端部21bが空気吹出し口15内に位置する状態では、当該壁面側上下風向板21の室内側の面だけでなく壁面側の面にも風が流れる。そのため、壁面側上下風向板21の片面、この場合、室内側の面のみが一方的に冷却されることにより当該壁面側上下風向板21に結露が発生してしまうことを回避することができる。
【0024】
また、室内機10によれば、主として風向の調整機能を担う室内側上下風向板31の方が、主として空気吹出し口15の延長機能を担う壁面側上下風向板21よりも、風が流れる方向の寸法が長くなっている。この構成によれば、風が流れる方向の寸法が長い室内側上下風向板31により、風向を効果的に調整することができる。従って、壁面側上下風向板21を空気吹出し口15の延長機能を発揮する風向板に特化させたとしても、つまり、風向の調整機能を担う上下風向板の数を減らしたとしても、風向の調整機能が損なわれることを回避できる。
【0025】
また、室内機10によれば、空気吹出し口15に着脱可能な左右風向板ユニット51に複数の左右風向板41を設け、さらに、この左右風向板ユニット51に、いわゆるサージングの抑制機能を発揮する突起部61を設けている。即ち、突起部61は、左右風向板ユニット51を介して空気吹出し口15に間接的に設けられている。この構成によれば、空気吹出し口15に左右風向板ユニット51を取り付ける前に突起部61を設けることができ、空気吹出し口15に直接的に突起部を設ける構成に比べ、突起部61の設置位置や設置角度などの調整が容易である。
【0026】
また、室内機10によれば、左右風向板ユニット51は、空気吹出し口15の左部に取り付けられる左部ユニット51Aと空気吹出し口15の右部に取り付けられる右部ユニット51Bとに分割されている。空気吹出し口15の長手方向の左右においては、例えば風速の分布や風量の分布の違いによりサージングが発生しやすい部位が異なる場合がある。本実施形態によれば、左右風向板ユニット51が左部ユニット51Aと右部ユニット51Bとに分割されているから、左部ユニット51Aにおける突起部61の位置や高さ、右部ユニット51Bにおける突起部61の位置や高さを、それぞれ別個に設計することができる。そのため、空気吹出し口15の長手方向の左部において最適な位置に最適な形状の突起部61を設けることができ、また、空気吹出し口15の長手方向の右部において最適な位置に最適な形状の突起部61を設けることができる。また、室内機10によれば、左右風向板ユニット51の着脱は、左部ユニット51Aと右部ユニット51Bとに分けて行うことができ、その着脱作業が容易である。
【0027】
本実施形態に係る空気調和機の室内機は、室内機本体部と、空気吸込み口と、空気吹出し口と、通風路と、横流ファンと、複数の上下風向板と、を備える。室内機本体部は、室内の壁面に取り付けられる。空気吸込み口及び空気吹出し口は、室内機本体部に設けられる。通風路は、室内機本体部内に設けられ、空気吸込み口と空気吹出し口とを連通する。横流ファンは、通風路内において回転することにより、室内の空気を空気吸込み口から吸い込み空気吹出し口から吹き出すように送風する。上下風向板は、空気吹出し口において上下方向に回動することにより、当該空気吹出し口から吹き出される空気の上下方向の向きを変化させる。そして、複数の上下風向板のうち最も壁面側に設けられている壁面側上下風向板は、その回動軸が横流ファンの回転軸よりも壁面側に設けられており、且つ、当該壁面側上下風向板が下方に回動することに伴い当該壁面側上下風向板の壁面側の端部が空気吹出し口内に移動する。この構成によれば、横流ファンの径寸法を大きくしても送風性能の低下を抑えることができる。
【0028】
本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
図面中、10は空気調和機の室内機、11は室内機本体部、13は横流ファン、13aは横流ファンの回転軸、14は空気吸込み口、15は空気吹出し口、16は通風路、21は壁面側上下風向板(上下風向板)、21aは壁面側上下風向板の回動軸、31は室内側上下風向板(上下風向板)、41は左右風向板、51は左右風向板ユニット、51Aは左部ユニット、51Bは右部ユニット、61は突起部、を示す。