(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、半導体基板と、前記半導体基板の一方の面上に形成された第1導電型を有する第1非晶質半導体層と、前記半導体基板の一方の面上に形成され、かつ前記半導体基板の面内方向において前記第1非晶質半導体層に隣接して形成され、前記第1導電型と反対の第2導電型を有する第2非晶質半導体層と、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方の半導体層の上に、離間して配置された複数の電極と、前記複数の電極の上に形成され、前記複数の電極を電気的に接続する導電部とを備える(第1の構成)。
【0011】
第1の構成によれば、光電変換装置は、半導体基板上に形成された第1導電型の第1非晶質半導体層と、第2導電型の第2非晶質半導体層の少なくとも一方の半導体層上に離間して配置された複数の電極を備える。複数の電極は、複数の電極の上に形成された導電部によって電気的に接続されている。シャドーマスクを用いて電極を形成する場合、いずれの半導体層上にも一つながりの電極を形成するより、離間した複数の電極を形成する方が、シャドーマスクにおける開口部と開口部の間の面積が大きくなり、シャドーマスクが撓みにくい。そのため、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層の上に設けられる電極の間隔を小さくしても、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層の上に所望の電極が形成され、pn接合の短絡が生じにくい。また、離間して配置された各電極は導電部によって電気的に接続されているため、光電変換装置において発生した電流を導電部から取り出すことができる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、半導体基板と、前記半導体基板の一方の面上に櫛歯状に形成された第1導電型を有する第1非晶質半導体層と、前記半導体基板の前記一方の面上に櫛歯状に形成され、かつ前記半導体基板の面内方向において前記第1非晶質半導体層に隣接して形成され、前記第1導電型と反対の第2導電型を有する第2非晶質半導体層と、前記第1非晶質半導体層、及び前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方の半導体層の上に、櫛歯状に形成された複数の電極と、前記複数の電極の上に形成され、前記複数の電極を電気的に接続する導電部と、を備え、前記電極は、前記半導体基板における第1の方向に略平行な第1の電極部分と、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、前記第1の電極部分の一の辺に接する複数の第2の電極部分とを含み、前記複数の電極は、前記第1の電極部分が前記第1の方向において互いに離間するように配置されている(第2の構成)。
【0013】
第2の構成によれば、光電変換装置は、半導体基板上に形成された櫛歯状を有する、第1導電型の第1非晶質半導体層、及び第2導電型の第2非晶質半導体層を備える。また、光電変換装置は、第1非晶質半導体層、及び第2非晶質半導体層の少なくとも一方の半導体層上に櫛歯状に形成された複数の電極を備える。電極は、第1の電極部分と第1の電極部分に略直交する複数の第2の電極部分を含み、第1の電極部分の一辺に複数の第2の電極部分が接して形成されている。複数の電極は、第1の電極部分が互いに離間するように配置され、複数の電極の上に形成された導電部によって電気的に接続されている。シャドーマスクを用いて電極を形成する場合、いずれの半導体層上にも一つながりの電極を形成するより、離間した複数の電極を形成する方が、シャドーマスクにおける開口部と開口部の間の面積が大きくなり、シャドーマスクが撓みにくい。そのため、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層の上に設けられる電極の間隔を小さくしても、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層の上に所望の電極が形成され、pn接合の短絡が生じにくい。また、離間して配置された各電極は導電部によって電気的に接続されているため、光電変換装置において発生した電流を導電部から取り出すことができる。
【0014】
また、第3の構成に係る光電変換装置は、第1の構成において、前記第1非晶質半導体層と前記第2非晶質半導体層の上にそれぞれ配置された前記複数の電極のうちの一部の電極は、隣接する半導体層上の電極間に対応する位置に配置されていることとしてもよい。
【0015】
隣接する半導体層上の電極の位置が揃うようにシャドーマスクを用いて電極を形成する場合、隣接する半導体層の電極を形成するためのシャドーマスクにおける開口部の位置が揃っているため、開口部の間隔を小さくするほどシャドーマスクは撓みやすくなる。第3の構成によれば、隣接する半導体層上の電極の位置が揃っていないため、シャドーマスクを用いた電極の形成においてシャドーマスクが撓みにくく、各半導体層上に所望の電極を形成することができ、pn接合の短絡が生じにくい。
【0016】
また、第4の構成に係る光電変換装置は、第1から第3のいずれかの構成において、前記導電部は、金属ペーストからなる導電層を含むこととしてもよい。
【0017】
第4の構成によれば、光電変換装置において発生した電流を導電層から取り出すことができる。
【0018】
また、第5の構成に係る光電変換装置は、第4の構成において、前記導電部は、前記複数の電極の上、及び、隣接する前記電極と前記電極との間に設けられていることとしてもよい。
【0019】
第5の構成によれば、離間して配置された複数の電極だけでなく、電極と電極との間に設けられた導電層からも光電変換装置において発生した電流を取り出すことができるので、光電変換装置の曲線因子を向上させることができる。
【0020】
また、第6の構成に係る光電変換装置は、第4の構成において、前記導電部は、前記複数の電極の上に設けられるとともに、隣接する前記電極と前記電極との間を跨ぐように設けられていることとしてもよい。
【0021】
第6の構成によれば、離間して配置された複数の電極だけでなく、電極と電極との間を跨ぐ導電層からも光電変換装置において発生した電流を取り出すことができる。また、第5の構成と比べて導電層が設けられる面積が大きいため、光電変換装置に接続される配線との接触面積が大きくなり、第5の構成よりも低抵抗な配線接続が可能となる。
【0022】
また、第7の構成に係る光電変換装置は、第1から第6のいずれかの構成において、前記半導体基板の両面の少なくとも一方の面にテクスチャ形状を有することとしてもよい。
【0023】
第7の構成によれば、半導体基板の少なくとも一方の面の反射率を低下させ、短絡電流を増加させることができる。
【0024】
また、第8の構成に係る光電変換装置は、第1から第7のいずれかの構成において、前記導電部と前記複数の電極とが接する領域以外の領域に絶縁層が設けられていることとしてもよい。
【0025】
第8の構成によれば、光電変換装置における電極間をより安定して電気的に接続することができる。
【0026】
以下、図面を参照し、本発明の光電変換装置の実施の形態を詳しく説明する。本明細書において、光電変換装置は、光電変換素子、光電変換素子を用いた光電変換モジュール、光電変換モジュールを備えた太陽電池発電システム、を含む。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0027】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置の平面図を示す模式図である。光電変換装置1は、シリコン基板101、n型非晶質半導体層102n、p型非晶質半導体層102p、電極103を備える。
【0028】
シリコン基板101は、例えば、n型の単結晶シリコン基板である。シリコン基板11の厚さは、例えば、100〜150μmである。
【0029】
p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nは、略長方形の形状を有する。p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nは、シリコン基板101の略全面を覆うように、シリコン基板101上において、互いに隣接して配置されている。
【0030】
p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nのそれぞれの上には、略長方形の形状を有する複数の電極103が、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの長手方向に沿って形成されている。p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの上における複数の電極103は、各半導体層上において離間して配置されている。
【0031】
図2Aは、
図1に示す光電変換装置1のA−A断面を示す模式図である。また、
図2Bは、
図1に示す光電変換装置1のB−B断面を示す模式図である。
【0032】
図2A及び
図2Bに示すように、シリコン基板101の一方(Z軸負方向側)の面はテクスチャが形成されている。テクスチャは、シリコン基板101の表面反射率を低下させ、短絡電流を増加させる。以下の説明において、テクスチャが形成されている面をシリコン基板101の受光面と称し、他方(Z軸正方向側)の面を裏面と称する。
【0033】
また、シリコン基板101の表面を覆うように、反射防止膜104が形成されている。反射防止膜104は、例えば、厚さ20nm程度の酸化シリコン膜と、厚さ60nm程度の窒化シリコン膜をこの順に積層したものである。反射防止膜104は、シリコン基板101の表面反射率を低下させ、短絡電流を増加させる。
【0034】
また、シリコン基板101の裏面には,i型非晶質半導体層102iが形成されている。i型非晶質半導体層102iは、実質的に真性で、水素を含有する非晶質半導体の膜である。i型非晶質半導体層102iは、例えば、i型非晶質シリコン、i型非晶質シリコンゲルマニウム、i型非晶質ゲルマニウム、i型非晶質シリコンカーバイド、i型非晶質シリコンナイトライド、i型非晶質シリコンオキサイド、i型非晶質シリコンカーボンオキサイド等からなる。i型非晶質半導体層102iの厚さは、例えば、数Å〜25nmである。
【0035】
i型非晶質半導体層102iの上に、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nが形成されている。
【0036】
n型非晶質半導体層102nは、水素を含有するn型の非晶質半導体層である。n型非晶質半導体層102nは、例えばリン(P)を不純物として含有する、n型非晶質シリコン、n型非晶質シリコンゲルマニウム、n型非晶質ゲルマニウム、n型非晶質シリコンカーバイド、n型非晶質シリコンナイトライド、n型非晶質シリコンオキサイド、n型非晶質シリコンオキシナイトライド、n型非晶質シリコンカーボンオキサイド等であってもよい。n型非晶質半導体層102nの厚さは、例えば、3〜50nmである。
【0037】
p型非晶質半導体層102pは、水素を含有するp型の非晶質半導体層である。p型非晶質半導体層102pは、例えばボロン(B)を不純物として含有する、p型非晶質シリコン、p型非晶質シリコンゲルマニウム、p型非晶質ゲルマニウム、p型非晶質シリコンカーバイド、p型非晶質シリコンナイトライド、p型非晶質シリコンオキサイド、p型非晶質シリコンオキシナイトライド、p型非晶質シリコンカーボンオキサイド等であってもよい。p型非晶質半導体層102pの厚さは、例えば、5〜50nmである。
【0038】
なお、本明細書において、非晶質半導体には、微結晶相が含まれても良いものとする。微結晶相は、平均粒子径が1〜50nmである結晶を含む。
【0039】
p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nのそれぞれの上には、p型非晶質半導体層102p又はn型非晶質半導体層102nと接するように、複数の電極103が形成されている。以下、p型非晶質半導体層102pに接して形成された電極103を、p型電極103p、n型非晶質半導体層102nに接して形成された電極103を、n型電極103nと表す。
【0040】
図2Bに示すように、n型電極103nとp型電極103pは、距離Lを隔てて形成されている。n型電極103n、p型電極103pは、例えば、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Sn(錫)、Pt(プラチナ)、Au(金)、Ti(チタン)等の金属、ITO等の酸化物導電体膜、又はこれらの金属の合金、又はこれら金属の積層膜で構成されている。n型電極103n及びp型電極103pは、導電率の高い金属を用いることが好ましい。n型電極103n及びp型電極103pの厚さは、例えば50nm〜1μm程度である。
【0041】
光電変換装置1をモジュール化する際、光電変換装置1を外部配線回路(以下、配線シート)と電気的に接続する。
図3は、本実施形態における配線シートの一部を拡大した模式図である。
【0042】
配線シート300は、絶縁性基板301の上に、n型用配線材302nと、p型用配線材302pとが形成されて構成されている。
【0043】
絶縁性基板301は、絶縁性の材料であればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリイミド等を用いてもよい。絶縁性基板301の膜厚は特に限定されないが、25μm以上、150μm以下程度が好ましい。また、絶縁性基板301は、1層構造でもよいし、2層以上の多層構造であってもよい。
【0044】
n型用配線材302nと、p型用配線材302pは、櫛歯形状を有し、所定の間隔を隔てて交互に配置されている。光電変換装置1の裏面に形成されたn型電極103nとp型電極103pは、それぞれ、n型用配線材302n、p型配線材302pと接合される。絶縁性基板301の表面には、接続用配線(図示略)が形成されており、接続用配線によって、n型用配線材302nとp型用配線材302pとが電気的に接続されており、配線シート300上の隣接する光電変換装置1は互いに電気的に接続されている。
【0045】
n型用配線材302nと、p型用配線材302pは、導電性の材料で構成されていればよく、例えば、Cu、Al、Ag等のいずれかの金属でもよいし、又はこれらいずれかの金属を主成分とする合金等であってもよい。n型用配線材302nと、p型用配線材302pの膜厚は特に限定されないが、例えば、10μm以上、100μm以下が好ましい。n型用配線材302nと、p型用配線材302pの膜厚が10μm以下になると配線抵抗が高くなることがある。また、100μm以上になると、n型用配線材302n及びp型用配線材302pと光電変換装置1とを貼り合せる際に熱をかける必要がある。その結果、100μm以上になるとn型用配線材302n及びp型用配線材302pと、光電変換装置1のシリコン基板101の熱膨張係数の違いなどにより、配線シート300の反りが大きくなるため、n型用配線材302n及びp型用配線材302pの膜厚は100μm以下がより好ましい。また、n型用配線材302n及びp型用配線材302pの表面の一部には、ニッケル、金、白金、パラジウム、銀、錫、インジウム、ITOなどの導電性材料が形成されていてもよい。このように構成することで、n型用配線材302n及びp型用配線材302pと光電変換装置1のn型及びp型電極103n、103pとの電気的接続が良好となり、n型用配線材302n及びp型用配線材302pの耐候性が向上する。n型用配線材302n及びp型用配線材302pは、1層構造でもよいし、2層以上の多層構造であってもよい。
【0046】
ここで、
図4A及び
図4Bに、配線シート300が光電変換装置1に接合された光電変換装置1Aの断面の模式図を示す。
図4Aは、
図1における光電変換装置1のA−A線の断面、及び
図3における配線シート300のC−C線の断面を表している。また、
図4Bは、
図4Aは、
図1における光電変換装置1のB−B線の断面、及び
図3における配線シート300のD−D線の断面を表している。
【0047】
図4A及び4Bに示すように、p型非晶質半導体層102p上の長手方向には、離間して形成された複数のp型電極103pが配置されている。各p型電極103pは、配線シート300上に形成されたp型用配線材302pによって電気的に接続されている。また、図示を省略するが、n型非晶質半導体層102n上の長手方向には、離間して形成された複数のn型電極103nが配置され、各n型電極103nは、配線シート300上に形成されたn型用配線材302nによって電気的に接続されている。これにより、光電変換装置1の受光面に光が入射することによって発生した電流を、p型用配線材302p、及びn型用配線材302nを介して外部に取り出すことができる。
【0048】
次に、
図5A〜5Eを参照し、光電変換装置1Aの製造方法の一例について説明する。
【0049】
まず、バルクのシリコンから100〜300μmの厚さのウェハを切り出し、ウェハ表面のダメージ層を除去するためのエッチングと、厚さを調整するためのエッチングとを行う。これらのエッチングされたウェハの片面に保護膜を形成する。保護膜は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン等が用いられる。保護膜が形成されたウェハを、NaOH、KOH等のアルカリ溶液(例えば、KOH:1〜5wt%、イソプロピルアルコール:1〜10wt%の水溶液)を用いてウェットエッチングを行う。このとき、異方性エッチングによって、保護膜が形成されていない面101aにテクスチャ構造が形成される。エッチング後に保護膜を除去することにより、
図5Aに示すシリコン基板101が生成される。
【0050】
続いて、
図5Bに示すように、シリコン基板101の受光面101aに、反射防止膜104を形成する。以下、反射防止膜104は、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とを積層した積層構造の場合について説明する。
【0051】
この場合、まず、シリコン基板101の表面を熱酸化させ、受光面101aの酸化膜を形成する。その後、受光面101aの酸化膜の上に窒化シリコン膜を形成することにより反射防止膜104を形成する。シリコン基板101の酸化は、ウェット処理および熱酸化処理のいずれを用いてもよい。ウェット処理の場合、例えば、シリコン基板101を過酸化水素、硝酸、又はオゾン水等に浸漬し、その後、ドライ雰囲気で800〜1000℃に加熱する。また、熱酸化処理の場合には、例えば、シリコン基板101を酸素又は水蒸気の雰囲気で900〜1000℃に加熱する。窒化シリコン膜の形成は、スパッタ法、EB(Electron Beam)蒸着法、TEOS(TetraEthOxySilane)法等によって行うことができる。
【0052】
なお、シリコン基板101と窒化シリコン膜の間に、i型非晶質半導体層及びn型非晶質半導体層を順次形成して挟んでもよい。
【0053】
i型非晶質半導体層、n型非晶質半導体層、及び窒化シリコン膜の成膜は、例えば、プラズマCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法を用いて行う。i型非晶質半導体層の場合、プラズマCVD装置が備える反応室に導入される反応ガスは、シランガス、水素ガスである。この場合、例えば、シリコン基板101の温度を130〜210℃、水素ガス流量を0〜100sccm、シランガス(SiH
4)流量を約40sccm、反応室内の圧力を40〜120Pa、高周波(13.56MHz)電力密度を5〜15mW/cm
2とする条件を用いてもよい。
【0054】
また、n型非晶質半導体層の場合、プラズマCVD装置が備える反応室に導入される反応ガスは、シランガス、水素ガス、及び水素で希釈されたホスフィンガス(PH
3)(ホスフィン濃度は例えば1%)である。この場合、水素ガス流量を0〜100sccm、シランガス流量を40sccm、ホスフィンガス流量を40sccm、シリコン基板101の温度を、例えば130〜180℃、反応室内の圧力を約40Pa、高周波電力密度を8.33mW/cm
2とする条件を用いてもよい。これにより、リンがドープされたn型非晶質半導体層102nが形成される。
【0055】
次に、シリコン基板101の受光面101aと反対側の裏面に、i型非晶質半導体層102i、及びp型非晶質半導体層102pを順次形成する。
【0056】
具体的には、まず、シリコン基板101の裏面に、プラズマCVD法を用いてi型非晶質半導体層102iを形成する。このときi型非晶質半導体層102iはシリコン基板101の裏面全面に形成される。i型非晶質半導体層102iの形成において、プラズマCVD装置が備える反応室に導入される反応ガスは、シランガス、水素ガスである。この場合、例えば、シリコン基板101の温度を130〜210℃、水素ガス流量を0〜100sccm、シランガス(SiH
4)流量を約40sccm、反応室内の圧力を40〜120Pa、高周波(13.56MHz)電力密度を5〜15mW/cm
2とする条件を用いてもよい。
【0057】
続いて、i型非晶質半導体層102iの上に、シャドーマスクを配置し、p型非晶質半導体層102pを形成する。ここで、シャドーマスクを用いて形成されたp型非晶質半導体層について説明する。
図6Aは、シリコン基板101に形成されたp型非晶質半導体層を例示した模式図である。
図6Aに示すように、p型非晶質半導体層102pは、その長辺LAが約10〜200mm、短辺WAは約200μm〜2mmの長さを有する略長方形の形状を有する。隣接するp型非晶質半導体層102pとp型非晶質半導体層102pの間隔GAは、約2mm以下である。シリコン基板101で発生するキャリア(電子及び正孔)の拡散長は2mm程度である。そのため、キャリア(電子及び正孔)の拡散長が2mm以上である場合、p型非晶質半導体層102pの間隔GAが2mmより大きければ、p型非晶質半導体層102pとp型非晶質半導体層102pの間でキャリアが消滅し、光電変換効率が低下するが、本実施形態では、間隔GAが2mm以下であるため、キャリアを消滅させず、光電変換効率を向上させることができる。
【0058】
このとき使用されるシャドーマスクは、ステンレス鋼、銅、ニッケル、ニッケルを含む合金(例えば、SUS430、42アロイ、又はインバー材等)、モリブデン等の金属で構成されたメタルマスクを用いてもよい。上記メタルマスクに代えて、ガラス、セラミック(アルミナ、ジルコニア等)、有機フィルム等で構成されたマスクを用いてもよい。また、シリコン基板をエッチングしたマスクを用いてもよい。また、シャドーマスクの厚さは、例えば50μm〜300μm程度が好ましい。この場合、シャドーマスクが磁力で曲がったり、浮いたりしにくい。
【0059】
シリコン基板101の熱膨張係数と、原料コストとを考慮するとシャドーマスクは42アロイがより好ましい。シャドーマスクの厚さに関し、製造コストを考慮すると、シャドーマスクを1回で使い捨てることは問題となる。シャドーマスクを何度も使用することによって生産のランニングコストを抑制することができるため、シャドーマスクを再生して多数回使用することが好ましい。この場合、シャドーマスクに付着する成膜物を、弗酸やNaOHを用いて除去する。
【0060】
p型非晶質半導体層102pは、例えばプラズマCVD法を用いて形成される。プラズマCVD装置が備える反応室に導入される反応ガスは、シランガス、水素ガス、及び水素希釈されたジボランガス(ジボラン濃度は例えば約2%)である。この場合、水素ガス流量を0〜100sccm、シランガス流量を40sccm、ジボランガス流量を40sccm、シリコン基板101の温度を150〜210℃とし、反応室内の圧力を40〜120Pa、高周波電力密度を5〜15mW/cm
2とする条件を用いてもよい。これにより、ボロン(B)がドープされたp型非晶質半導体層102pが形成される。
【0061】
p型非晶質半導体層102pの形成後、
図5Dに示すように、n型非晶質半導体層102nを形成する。
【0062】
n型非晶質半導体層102nは、シャドーマスクを配置し、例えば、プラズマCVD法を用いて形成される。ここで、
図6Bに、シャドーマスクを用いて形成されたn型非晶質半導体層102nを例示した模式図を示す。なお、この図では、p型非晶質半導体層102pの図示を省略している。
【0063】
図6Bに示すように、n型非晶質半導体層102nは、長辺LBが約10〜200mm、短辺WBが約500μm〜1500μmの長さを有する略長方形の形状を有する。隣接するn型非晶質半導体層102nとn型非晶質半導体層102nの間隔GBは、約500〜1500μmである。
【0064】
n型非晶質半導体層102nは、例えば、プラズマCVDを用いて形成される。プラズマCVD装置が備える反応室に導入される反応ガスは、シランガス、水素ガス、及び水素で希釈されたホスフィンガス(ホスフィン濃度は例えば1%)である。この場合、シリコン基板101の温度を例えば約170℃、水素ガス流量を0〜100sccm、シランガス流量を約40sccm、ホスフィンガス流量を約40sccm、反応室内の圧力を約40Pa、高周波電力密度を約8.33mW/cm
2とする条件を用いてもよい。これにより、リンがドープされたn型非晶質半導体層102nが形成される。
【0065】
シャドーマスクによって形成されるn型非晶質半導体層102nと、
図6Aに示すp型非晶質半導体102pは、重ならなくてもよいし、n型非晶質半導体層102nとp型非晶質半導体層102pの一部が重なってもよい。n型非晶質半導体層102nとp型非晶質半導体層102pとが重ならない場合、
図5Dに示すように、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nは、間隔Kを隔てて形成される。p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの間の領域は、i型非晶質半導体層102iによってパッシベーションされているため、シリコン基板101中で発生したキャリアが殆ど消滅しない。一方、n型非晶質半導体層102nとp型非晶質半導体層102pとが一部重なる場合、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nとの間に、これら半導体層が一部重なるオーバーラップ領域が形成される。しかしながら、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nは導電率が低いため、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nとの間で電流は流れず、pn接合の短絡は生じない。
【0066】
次に、n型非晶質半導体層102nの形成後、
図5Eに示すように、p型非晶質半導体層102p及びn型非晶質半導体層102nの上に、n型電極103nとp型電極103pをそれぞれ形成する。
【0067】
n型電極103nとp型電極103pは、シリコン基板101の上にシャドーマスクを配置し、例えば、蒸着法やスパッタ法によって形成される。n型電極103n及びp型電極103pの膜厚は、50nm〜1μmが好ましく、50nm〜500nmがさらに好ましい。電極103が厚くなるとシリコン基板101にかかる応力が強くなり、シリコン基板101の反りの原因となるからである。
【0068】
図6Cは、シャドーマスクを用いて形成された電極103を例示した模式図である。なお、この図において、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの図示は省略されている。
図6Cに示すように、電極103は、長辺LCが約8〜100mm、短辺WCが約500μm〜1500μmの長さを有する略長方形の形状を有する。短辺WC方向に隣接する電極103と電極103の間隔GC1、つまり、p型電極103pとn型電極103nのギャップ幅Lは、約100〜300μmである。長辺LC方向に隣接する電極103と電極103の間隔GC2は、約100〜1000μmである。
【0069】
シャドーマスクを用いてn型非晶質半導体層102n、p型非晶質半導体層102pの上にそれぞれ形成されたn型電極103nとp型電極103pは、長辺方向に隣接する同じ導電型の電極と間隔GC2を隔てて配置され、電気的に接続されていない。
【0070】
続いて、
図6Dに、p型電極103pとn型電極103nが、それぞれ、p型非晶質半導体層102p及びn型非晶質半導体層102nの上で離間していない場合の光電変換装置(比較例)と、それぞれp型非晶質半導体層102p及びn型非晶質半導体層102nの上で離間している場合の光電変換装置1(本実施形態)を作製し、その歩留りを評価した結果を示す。
【0071】
比較例の光電変換装置では、p型電極103pとn型電極103nを形成する際に用いるシャドーマスクは、
図6Eに示すように、p型電極103pとn型電極103nの各開口部500aは、短辺方向においてギャップ幅Lだけ離間し、長辺方向において離間していない。この場合、
図6Dに示すように、p型電極103pとn型電極103nのギャップ幅Lが400μm以下になると歩留りが急激に低下している。ギャップ幅Lが400μm以下になると、シャドーマスク500が自重によって撓みやすくなる。その結果、p型非晶質半導体層102p上に形成されるように設計されたp型電極103pがn型非晶質半導体層102nに跨って形成されたり、逆に、n型非晶質半導体層102n上に形成されるように設計されたn型電極103nがp型非晶質半導体層102pに跨って形成されたりする。これにより、pn接合の短絡が生じ、歩留り低下の原因になっていると考えられる。
【0072】
一方、本実施形態の光電変換装置1は、ギャップ幅Lが400μm以下において、比較例と比べて歩留りが殆ど低下していない。本実施形態では、シャドーマスクを用いて形成される電極103が長辺方向において離間しているため、長辺方向に隣接する電極103と電極103の間の領域の存在によってシャドーマスクが撓みにくい。その結果、p型電極103pとn型電極103nは、それぞれ、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの上に形成され、異なる導電型の非晶質半導体層に跨って形成されていない。
【0073】
このように、本実施形態の光電変換装置1は、シャドーマスクを用いてp型電極103pとn型電極103nが形成されるため、比較例に比べて、p型電極103pとn型電極103nの位置精度が向上し、歩留りの低下を軽減することができる。特に、歩留まりが90%を所望の性能とすると、p型電極103pとn型電極103nのギャップ幅Lが400μm以下が特に好ましい。
【0074】
上記の方法を用いることで、p型電極103pとn型電極103nを同時に一括して形成することができ、低コストで光電変換装置1を作製することが可能となる。また、p型電極103pとn型電極103nが長手方向に離間して形成されているので、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0075】
なお、電極103のパターンは、
図6Cに示すパターンに限らず、長辺方向に少なくとも2つ以上の電極103が所定の間隔を隔てて形成されたものであればよい。電極103が一つなぎであると、電極103に強い応力がかかり、光電変換装置1のシリコン基板101の反りが大きくなるためである。電極103が長手方向に離間して形成されていると、電極103が有する応力が緩和される。
【0076】
また、電極103の長辺方向の長さは互いに異なっていてもよい。電極103は、応力を持っているため、シリコン基板101の端部の電極103の長さを、シリコン基板101の中心部の電極103よりも長くすると、中心部の電極103の応力を緩和できるため、シリコン基板101の反りを低減することができる。また、シリコン基板101の中心部の電極103の長さを、シリコン基板101の端部の電極103よりも長くすると、光の閉じ込め効率が高くなり、光電変換装置1の性能を高めることができる。
【0077】
なお、本実施形態において、例えば、p型非晶質半導体層102pは、
図7Aに示す断面構造を有していてもよい。
図7Aを参照して、p型非晶質半導体層102pは、p型非晶質半導体層102pの面内方向において、フラット領域FTと、膜厚減少領域TDとを有する。フラット領域FTは、p型非晶質半導体層102pのうち、最も厚い膜厚を有し、かつ、膜厚がほぼ一定である部分からなる。
図7Aでは、p型非晶質半導体層102pを例示しているが、本発明の実施形態において、p型非晶質半導体層102pおよびn型非晶質半導体層の少なくとも一方が膜厚減少領域を有していればよい。
【0078】
フラット領域FTの両端の点をA点とし、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点をB点としたとき、膜厚減少領域TDは、p型非晶質半導体層102pの面内方向においてA点からB点までの領域である。
【0079】
そして、膜厚減少領域TDは、p型非晶質半導体層102pの面内方向においてフラット領域FTの両側に配置される。
【0080】
p型非晶質半導体層102pが膜厚減少領域TDを有するのは、シャドーマスクを用いてプラズマCVD法によってp型非晶質半導体層102pを形成するからである。膜厚減少領域TDは、フラット領域FTよりも薄い膜厚を有するので、膜厚減少領域TDのドーパント濃度は、フラット領域FTのドーパント濃度よりも高い。
【0081】
そして、電極103pは、p型非晶質半導体層102pのフラット領域FTの全体と膜厚減少領域TDの一部とに接して配置される。
【0082】
なお、n型非晶質半導体層102nも、p型非晶質半導体層102pと同じ構造を有していてもよい。この場合、n型電極103nは、n型非晶質半導体層102nのフラット領域FTの全体と膜厚減少領域TDの一部とに接して配置される。
【0083】
その結果、キャリア(電子)がp型非晶質半導体層102pを介してp型電極103pへ到達するときの抵抗は、i型非晶質半導体層102iの面内方向において一定の膜厚を有するp型非晶質半導体層102pが形成される場合に比べ低抵抗になる。また、キャリア(正孔)がn型非晶質半導体層102nを介してn型電極103nへ到達するときの抵抗は、i型非晶質半導体層102iの面内方向において一定の膜厚を有するn型非晶質半導体層102nが形成される場合に比べ低抵抗になる。従って、光電変換素子1の変換効率を向上できる。
【0084】
なお、p型電極103pは、p型非晶質半導体層102pの膜厚減少領域TDの全体に接していてもよく、n型電極103nは、n型非晶質半導体層102nの膜厚減少領域TDの全体に接していてもよい。
【0085】
また、p型非晶質半導体層102pは、
図7Aに示す断面構造に代えて、例えば、
図7Bに示す断面構造を有していてもよい。
図7Bを参照して、光電変換素子1は、p型非晶質半導体層102pに代えて、p型非晶質半導体層1021pを備え、p型電極103pに代えてp型電極1031pを備えていてもよい。
【0086】
p型非晶質半導体層1021pにおいて、膜厚が最大である点をC点とし、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点をD点とする。この場合、膜厚減少領域TDは、p型非晶質半導体層1021pの面内方向においてC点からD点までの領域である。
【0087】
そして、p型非晶質半導体層1021pは、p型非晶質半導体層1021pの面内方向において2つの膜厚減少領域TDを有する。2つの膜厚減少領域TDは、p型非晶質半導体層1021pの面内方向において相互に接して配置される。
【0088】
p型電極1031pは、2つの膜厚減少領域TDのうち、一方の膜厚減少領域TDの一部と他方の膜厚減少領域TDの一部とに接して配置される。
【0089】
また、光電変換素子1は、n型非晶質半導体層102nに代えて、
図7Bに示すp型非晶質半導体層1021pと同じ構造からなるn型非晶質半導体層を備えていてもよい。
【0090】
このように構成することにより、キャリア(電子)がp型非晶質半導体層1021pを介してp型電極1031pへ到達するときの抵抗は、i型非晶質半導体層102iの面内方向において一定の膜厚を有するp型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。また、キャリア(正孔)がp型非晶質半導体層1021pと同じ構造を有するn型非晶質半導体層を介してn型電極へ到達するときの抵抗は、i型非晶質半導体層102iの面内方向において一定の膜厚を有するn型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。従って、光電変換素子1の変換効率を向上できる。
【0091】
なお、p型電極1031pは、p型非晶質半導体層1021pと、p型非晶質半導体層1021pと同じ構造を有するn型非晶質半導体層とにおいて、2つの膜厚減少領域TDの全体に接して配置されていてもよい。
【0092】
また、p型非晶質半導体層102pは、
図7Aに示す断面構造に代えて、例えば、
図7Cに示す断面構造を有していてもよい。
図7Cを参照して、光電変換素子1は、p型非晶質半導体層102pに代えてp型非晶質半導体層1022pを備え、p型電極103pに代えて、p型電極1032pを備えていてもよい。
【0093】
p型非晶質半導体層1022pにおいて、膜厚が最大である点をE点とし、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点をF点とし、膜厚の変化率の符号が負から正に変化する点をG点とする。この場合、膜厚減少領域TD1は、p型非晶質半導体層1022pの面内方向においてE点からF点までの領域であり、膜厚減少領域TD2は、p型非晶質半導体層1022pの面内方向においてE点からG点までの領域である。
【0094】
よって、p型非晶質半導体層1022pは、p型非晶質半導体層1022pの面内方向において2つの膜厚減少領域TD1と2つの膜厚減少領域TD2とを有する。
【0095】
2つの膜厚減少領域TD2は、p型非晶質半導体層1022pの面内方向における膜厚分布がG点を通る線に対して対称になるように配置される。2つの膜厚減少領域TD1は、p型非晶質半導体層1022pの面内方向において2つの膜厚減少領域TD2の両側に配置される。
【0096】
p型電極1032pは、2つの膜厚減少領域TD2の全体と、一方の膜厚減少領域TD1の一部と、他方の膜厚減少領域TD1の一部とに接して配置される。
【0097】
また、光電変換素子1は、n型非晶質半導体層102nに代えて、
図7Cに示すp型非晶質半導体層1022pと同じ構造からなるn型非晶質半導体層を備えていてもよい。
【0098】
このように構成することにより、キャリア(電子)がn型非晶質半導体層を介してn型電極へ到達するときの抵抗は、i型非晶質半導体層102iの面内方向において一定の膜厚を有するn型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。また、キャリア(正孔)がp型非晶質半導体層1022pを介してp型電極1032pへ到達するときの抵抗は、i型非晶質半導体層102iの面内方向において一定の膜厚を有するn型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。従って、光電変換素子1の変換効率を向上できる。
【0099】
なお、p型電極1032pは、p型非晶質半導体層1022pと、p型非晶質半導体層1022pと同じ構造を有するn型非晶質半導体層とにおいて、2つの膜厚減少領域TD1の全体と、2つの膜厚減少領域TD2の全体とに接して配置されていてもよい。
【0100】
このように、光電変換素子1は、膜厚減少領域TD(TD1,TD2)を有するp型非晶質半導体層およびn型非晶質半導体層を備える。そして、この発明の実施の形態においては、膜厚減少領域は、膜厚減少領域TD,TD1,TD2のいずれかからなる。
【0101】
従って、p型非晶質半導体層またはn型非晶質半導体層の膜厚が最大である点を第1の点とし、p型非晶質半導体層またはn型非晶質半導体層の面内方向において、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点、または膜厚の変化率の符号が負から正に変化する点を第2の点としたとき、膜厚減少領域は、p型非晶質半導体層またはn型非晶質半導体層の面内方向において、第1の点から第2の点までの領域である。
【0102】
上記の例では、シリコン基板101の表面が平坦である場合について説明したが、実際には、シリコン基板101には、ダメージ層を除去するために行うエッチングの影響等によって、テクスチャが形成されていない面にも1μm程度の凹凸が存在する場合がある。ここで、シリコン基板101の表面に凹凸がある場合の非晶質半導体層の膜厚の測定方法について説明する。
【0103】
表面に凹凸が形成されているシリコン基板101上に、i型非晶質半導体層102iを形成し、i型非晶質半導体層102iの上に膜厚減少領域を有するn型非晶質半導体層102n又はp型非晶質半導体層102pを形成する。そして、走査電子顕微鏡(SEM)又は透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、そのシリコン基板101の断面写真を撮影する。撮影結果から、i型非晶質半導体層102iとシリコン基板101との界面を容易に確認することができる。
図7Dの(a)は、i型非晶質半導体層102iとシリコン基板101の表面との界面Sからn型非晶質半導体層102n又はp型非晶質半導体層102pの表面までの膜厚hを測定した結果を表す模式図である。
図7Dの(a)に示す各膜厚hをプロットし直すことにより、
図7Dの(a)に示す各膜厚hを、
図7Dの(b)に示すように表すことができる。つまり、シリコン基板101の表面が略平坦なものとして非晶質半導体層(n型非晶質半導体層、p型非晶質半導体層)の膜厚を特定できる。
【0104】
また、シリコン基板101の両面にテクスチャが形成されている基板を用いた場合においても、上記と同様の方法でテクスチャ上の膜厚を測定してプロットし直すことで、膜厚減少領域を判断することができる。
【0105】
なお、シリコンウェハーのテクスチャ構造が形成されていない面は、最大で2μm程度の高低差を有するが、テクスチャ構造が形成された面(最大で数10μmの高低差)に比べると、高低差が非常に小さく、ほぼフラットである。
【0106】
従って、配線シート300等の外部配線とのコンタクトのし易さ、および電極103間の短絡の生じ難さを考慮すると、i型非晶質半導体層102i、n型非晶質半導体層102nおよびp型非晶質半導体層102p等は、本来、比較的フラットである裏面(テクスチャ構造が形成されていない面)上に形成されるのが好ましい。しかし、入射光を効率よくシリコン基板101に閉じ込めるためには、シリコン基板101の裏面にもテクスチャが形成されることが好ましく、更に、シリコン基板101の裏面にテクスチャ構造を有することで、シリコン基板101の表面積が増加し(1.7倍程度)、コンタクト抵抗を下げることができる。また、シリコン基板101の片面にだけテクスチャ構造を有する場合には、異方性エッチングを行う際、テクスチャを形成しない面を保護する工程が必要となる。一方、シリコン基板101の両面にテクスチャ構造を形成する場合には、シリコン基板101の両面を保護する必要がないので、プロセス工数を低減することができる。
【0107】
次に、
図8A〜8Dを参照して、配線シート300の製造方法の一例について説明する。
図8Aに示すように、絶縁性基板301の表面に、導電層701を形成する。絶縁性基板301は、例えば、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、又はポリイミドなどの樹脂からなる基板を用いてもよい。絶縁性基板301の厚みは、例えば、10μm以上200μm以下であり、特に25μm程度が好ましい。導電層701は、例えば、銅などの金属を用いてもよいが、これに限定されるものではない。
【0108】
続いて、
図8Bに示すように、絶縁性基板301上の導電層701の上にレジストパターン702を形成する。ここで、レジストパターン702は、n型用配線材302n、p型用配線材302p、及び、n型用配線材302nとp型用配線材302pとを接続する接続用配線を形成する箇所以外に開口部702aを有する。レジストパターン702は、例えば、公知の材料が用いられ、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布、又はインクジェット塗布などの方法によって形成される。
【0109】
次に、
図8Cに示すように、レジストパターン702から露出している箇所の導電層701を、例えばウェットエッチングによって除去し、導電層701をパターンニングすることにより、開口部703が形成される。そして、導電層701上のレジスト702を除去することにより、
図8Dに示すように、n型用配線材302n、p型用配線材302p、及び接続用配線303が形成され、
図3に示す配線シート300が形成される。
【0110】
配線シート300におけるn型用配線材302nとp型用配線材302pに、
図1に示す光電変換装置1のn型電極103nとp型電極103pをそれぞれ接合する。
【0111】
ここで、配線シート300と光電変換装置1とを接合する際の断面の模式図を
図9Aに示す。n型用配線材302n及びp型用配線材302pと、n型電極103n及びp型電極103pとは、半田樹脂801によって接着される。また、
図9Bに示すように、配線シート300上のp型用配線材302p及びn型用配線材302nと、p型電極103p及びn型電極103nとを、半田樹脂801と絶縁性樹脂802とを用いて接着することで、絶縁性が向上し、光電変換装置1の信頼性を高めることができる。
【0112】
具体的には、
図10Aに示すように、光電変換装置1のn型電極103n及びp型電極103pのそれぞれの表面に、半田樹脂801を設ける。半田樹脂801は、絶縁性接着材803の中に導電性接着材804が分散されて構成されている。半田樹脂801は、たとえば、タムラ化研(株)製のTCAP−5401−27等を用いてもよい。
【0113】
絶縁性接着材803は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びウレタン樹脂等のいずれかを用いてもよいし、これらいずれか1つを樹脂成分として含む熱硬化型及び/又は光硬化型の絶縁性樹脂を用いてもよい。
【0114】
導電性接着材804は、例えば、錫及びビスマスの少なくとも一方を含む半田粒子などを用いてもよい。より好ましくは、錫と、ビスマス、インジウム、銀等のいずれかとの合金であることが好ましい。このように構成することで、半田融点を抑えることができ、後述する導電性接着剤804の溶融後に硬化する工程の加熱温度を下げることができ、光電変換装置1の反りを抑制することができる。
【0115】
半田樹脂801は、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布、またはインクジェット塗布などの方法を用いてn型電極103n及びp型電極103pのそれぞれの表面に配置される。特に、スクリーン印刷は、半田樹脂801を、簡易に、低コストで、かつ短時間に配置することができるため好ましい。なお、本実施形態では、光電変換装置1のn型電極103n及びp型電極103pの上に半田樹脂801を設ける場合について説明するが、以下のようにしてもよい。例えば、配線シート300におけるn型用配線材302nとp型用配線材302pとを接続する接続用配線(図示略)の上に、半田樹脂801を設けてもよいし、n型電極103n及びp型電極103pと接続用配線の双方に半田樹脂801を設けてもよい。また、本実施形態では、半田樹脂801を用いる場合について説明するが、半田樹脂801以外に半田ペースト(フラックス中に半田粒子を分散した構成のもの)などを用いることもできる。この場合も上記のように低融点の半田を使用することが好ましい。
【0116】
また、光電変換装置1がアライメントマークを備える場合には、アライメントマークに導電性接着材804が設けられないことが好ましい。その結果、アライメントマークから導電性接着材804がはみ出して、アライメントマークの認識精度が低下するといった問題が起こりにくくできる。また、光電変換装置1と配線シート300とを重ね合せる工程において、光電変換装置1と配線シート300との位置合わせをより正確に行うことができる。
【0117】
次に、
図10Bに示すように、光電変換装置1のn型電極103n及びp型電極103pと、配線シート300におけるn型用配線材302n及びp型用配線材302pとがそれぞれ対向するように位置合わせを行う。このとき、光電変換装置1におけるn型電極103n及びp型電極103p以外の領域と、配線シート300におけるn型用配線材302n及びp型用配線材302p以外の領域との間に絶縁性樹脂を設ける。これにより、半田樹脂801が、絶縁性樹脂を介して、光電変換装置1における電極103の間、又は、配線シート300におけるn型用配線材302n及びp型用配線材302pの間に流出し、電極103の間、又は、n型用配線材302n及びp型用配線材302pの間が短絡するのを防止することができる。
【0118】
光電変換装置1がアライメントマークを備える場合、アライメントマークが配線シート300の所定領域と対向するように、光電変換装置1と配線シート300とを重ね合わせることが好ましい。この段階において、絶縁性樹脂は硬化されていないため、光電変換装置1と配線シート300との位置合わせを容易に行なうことができる。その結果、n型電極103n及びp型電極103pと、配線シート300のn型用配線材302n及びp型用配線材302pとの間の電気的な接続、及び機械的な接続の安定性を向上させることができる。
【0119】
図10Cに示すように、光電変換装置1と配線シート300とを重ね合わせた後、絶縁性樹脂を硬化する処理を行う。これにより、絶縁性樹脂は、硬化される。絶縁性樹脂の硬化処理は、例えば、絶縁性樹脂を加熱してもよいし、紫外線等の光を照射してもよいし、加熱と紫外線等の照射とを行ってもよい。なお、この段階での絶縁性樹脂は、完全に硬化した状態でなくてもよいが、後述する導電性接着材804を溶融した後の硬化処理において、溶融された導電性接着材804と混合しない程度に硬化されていればよい。
【0120】
続いて、導電性接着材804を溶融し、その後、導電性接着材804を硬化する。ここで、導電性接着材804を溶融した後の硬化処理は、例えば、光電変換装置1と配線シート300とを加圧しながら半田樹脂801を加熱して、半田樹脂801中の導電性接着材804を溶融し、その後、導電性接着材804を冷却することにより行う。
【0121】
溶融した導電性接着材804は、n型電極102nの表面の少なくとも一部と、配線シート300のn型用配線材302nの表面の少なくとも一部との間に凝集するとともに、p型電極102pの表面の少なくとも一部と、配線シート300のp型用配線材302pの表面の少なくとも一部との間にも凝集する。その後、溶融した導電性接着材804は冷却されることによって、凝集した状態で固化する。また、半田樹脂801の加熱によって、絶縁性接着材803は、その粘度が低下して、電極103の間、及び配線シート300のn型用配線材302nとp型用配線材302pの間に移動する。その後、絶縁性接着材803は、さらに加熱されることにより、その移動後の位置で硬化する。また、半田樹脂801の加熱によって、絶縁性樹脂も加熱されて完全に硬化する。これにより、
図10Dに示すように、光電変換装置1に配線シート300が接合された光電変換装置1Aを作製することができる。
【0122】
上述した第1実施形態の光電変換装置1は、n型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pの上に、それぞれ、複数の電極103(n型電極103n,p型電極103p)が離間して形成されている。電極103は、シャドーマスクを用いて形成される。このシャドーマスクは、各電極103(103n,103p)がそれぞれ離間して形成されるように構成されているため、電極103が離間しないように形成するシャドーマスクを用いる場合と比べて、シャドーマスクが撓みにくい。そのため、n型電極103nとp型電極103pの間のギャップ幅を小さくしても、n型電極103nとp型電極103pが、異なる導電型の半導体層上にはみ出して形成されにくい。その結果、n型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pの上に、所望する形状のn型電極103nとp型電極103pがそれぞれ形成され、pn接合が電気的に短絡する現象が抑制され、歩留りの低下を軽減することができる。
【0123】
また、上述した第1実施形態では、離間して配置されたn型電極103nとn型電極103nは、配線シート300のn型用配線材302nによって接続されるとともに、離間して配置されたp型電極103pとp型電極103pは、配線シート300のp型用配線材302pによって接続される。そのため、光電変換装置1の受光面に光が入射することによって発生した電流を、配線シート300を介して外部に取り出すことができる。
【0124】
また、上述した光電変換装置1は、シリコン基板101の受光面と裏面が非対称の構造のため、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nとが成膜された段階でシリコン基板101にかかる応力が大きくなる。さらに、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの上に電極103が形成されることで、シリコン基板101にかかる応力が更に大きくなる。電極103の膜厚が厚いほどその応力も大きくなるため、光電変換装置1に配線シート300を接合することで、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの上の電極103の膜厚をある程度薄くすることができるが、本実施形態では、さらに、シャドーマスクを用い、電極103を離間して形成する。そのため、アスペクト比が大きい長方形の形状の電極103を形成する場合と比べ、シャドーマスクが撓みにくく、シリコン基板101に係る応力を緩和することができる。
【0125】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、シリコン基板101の裏面の全面に、i型非晶質半導体層102iを形成した後、i型非晶質半導体層102iの上にp型非晶質半導体層102pを形成し、その後、n型非晶質半導体層102nを形成する例を説明したが、p型非晶質半導体層102pとn型非晶質半導体層102nの形成順序はこれに限定されない。
【0126】
例えば、
図5Cにおいて、i型非晶質半導体層102iを形成した後、シャドーマスクを用いて
図6Bに示すn型非晶質半導体層102nをi型非晶質半導体層102iの上に形成し、その後、シャドーマスクを用いて
図6Aに示すp型非晶質半導体層102pをi型非晶質半導体層102iの上に形成してもよい。
【0127】
<第3実施形態>
図11Aは、本実施形態における光電変換装置の平面図を表す模式図である。
図11Aにおいて、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同じ符号を付している。
【0128】
図11Aに示すように、光電変換装置1Bは、櫛歯形状を有するn型非晶質半導体層1002nとp型非晶質半導体層1002pを備える。n型非晶質半導体層1002nとp型非晶質半導体層1002pのそれぞれの上には、複数の電極113が配置されている。
【0129】
電極113は、略矩形形状を有するグリッド電極113aとフィンガー電極113bとを有する。グリッド電極113aは、シリコン基板101のY軸方向に略平行であり、フィンガー電極113bは、シリコン基板101のX軸方向に略平行である。グリッド電極113aは、n型非晶質半導体層1002n又はp型非晶質半導体層1002pの上において、他のグリッド電極113aと離間して配置されている。フィンガー電極113bは、グリッド電極113aの一辺に接するように形成されている。n型非晶質半導体層1002n上のフィンガー電極113bと、p型非晶質半導体層1002p上のフィンガー電極113bは、シリコン基板101の面内方向において交互に隣接して配置される。
【0130】
本実施形態における光電変換装置1Bは、例えば、上述した
図5Cの工程において、
図11Bに示すシャドーマスク410Aを用いてp型非晶質半導体層1002pを形成する。
図11Bに示すシャドーマスク410Aは、p型非晶質半導体層1002pを形成する位置に開口部4100aを有する。続いて、p型非晶質半導体層1002pの形成後、
図11Cに示すシャドーマスク420Aを用いてn型非晶質半導体層1002nを形成する。
図11Cに示すシャドーマスク420Aは、n型非晶質半導体層1002nを形成する位置に開口部4200aを有する。
【0131】
そして、p型非晶質半導体層1002p及びn型非晶質半導体層1002nの形成後、例えば、
図11Dに示すシャドーマスク430Aを用いて電極113を形成する。
図11Dに示すシャドーマスク430Aは、電極113(グリッド電極113a及びフィンガー電極113b)を形成する位置に、開口部4300(4300a,4300b)を有する。シャドーマスク430Aにおいて、隣接する開口部4300aと開口部4300aの間の領域430rは、シャドーマスク430Aを構成する金属によって形成されている。シャドーマスクに領域430rが設けられていない場合、つまり、グリッド電極113aが離間せず連続している場合には、シャドーマスクの自重によってシャドーマスクが撓みやすくなる。また、このようなシャドーマスクを繰り返し使用することによって、シャドーマスクの機械的強度が低下し、さらに撓みやすくなる。本実施形態では、シャドーマスク430Aにおける開口部4300aと開口部4300aの間の領域430rによって、シャドーマスク430Aの機械的強度を高めることができるので、シャドーマスク430Aを繰り返し使用する場合であっても、シャドーマスク430Aの撓みを軽減することができる。
【0132】
なお、この場合には、電極113の形状に応じた配線シートを用い、光電変換装置1Bと接合する。これにより、n型非晶質半導体層1002n上の各グリッド電極113aが配線シートによって電気的に接続されるとともに、p型非晶質半導体層1002p上の各グリッド電極113aが配線シートによって電気的に接続され、光電変換装置1Bで発生した電流を配線シートを介して外部へ取り出すことができる。
【0133】
上記の例において、グリッド電極113aの下側の非晶質半導体層(1002n,1002p)もグリッド電極113と同様に離間していてもよい。このように構成することにより、
図11B,11Cに示すように、グリッド電極113aと重なる非晶質半導体層(1002n,1002p)の開口部分が一つながりである場合と比べ、シャドーマスクが撓みにくいため、非晶質半導体層を適切な位置に形成することができる。
【0134】
<第4実施形態>
図12Aは、本実施形態における光電変換装置の平面図を表す模式図である。
図12Aにおいて、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同じ符号を付している。
【0135】
図12Aに示すように、光電変換装置1Cは、n型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pの上に、複数のn型電極103nと複数のp型電極103pがそれぞれ配置されている。複数のn型電極103nと複数のp型電極103pは、それぞれ、隣接する同じ導電型の電極と離間して配置されている。
【0136】
図12Aにおいて、p型非晶質半導体層102p上には、略同等の大きさを有する3つのp型電極103pが配置されている。n型非晶質半導体層102n上には、4つのn型電極103nが配置されている。両端のn型電極103nを除く他のn型電極103nの長辺は、p型電極103pと略同等の長さであるが、両端のn型電極103nの長辺はp型電極103よりも短い。つまり、n型非晶質半導体層102n上のn型電極103nは、長辺の長さが均一ではない。また、n型非晶質半導体層102n上の両端のn型電極103nを除くn型電極103nは、隣接するp型電極103pとp型電極103pとの間に対応する位置に配置されており、隣接するp型電極103pとX軸方向の位置がずれている。
【0137】
この場合には、例えば、
図12Bに示すシャドーマスク430Bを用いて電極103n、103pを形成する。シャドーマスク430Bは、n型電極103n、p型電極103pを形成する位置に開口部430aを有する。第1実施形態では、電極103を形成する際に用いられるシャドーマスクは、n型電極103nとp型電極103pの短辺の位置が揃っているため、n型電極103nとp型電極103pの間隔が小さくなるほど、シャドーマスクが撓みやすくなる。一方、本実施形態のシャドーマスク430Bは、
図12Bに示すように、開口部430aの位置が揃っていない。そのため、第1実施形態の場合と比べ、シャドーマスク430Bの機械的強度が向上する。その結果、シャドーマスク430Bの使用回数をシャドーマスク430よりも増やすことができ、光電変換装置の製造コストを軽減することができる。
【0138】
また、
図12Aに示すように、例えば、シリコン基板101のC点でキャリアが発生した場合、C点を中心とする360°の方向に電極103(103n,103p)が配置されているため、キャリアが電極103に引き込まれやすくなり、光電変換効率を向上させることができる。
【0139】
<第5実施形態>
図13Aは、本実施形態における光電変換装置の平面図を表す模式図である。
図13Bは、
図13Aに示す光電変換装置1Dの一部を拡大した模式図であり、
図13Cは、
図13Bに示す光電変換装置1Dの一部分をI−I線で切断した断面図である。
図13B及び13Cでは、p型非晶質半導体層102p上のp型電極103pが形成された一部分を例示するが、n型非晶質半導体層102n上のn型電極103nが形成された部分も同様である。
図13A〜13Cにおいて、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同じ符号を付している。
【0140】
図13A〜13Cに示すように、光電変換装置1Dは、n型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pの上に、n型電極103nとp型電極103pがそれぞれ配置されている。n型電極103nとp型電極103pは、第1実施形態と同様、隣接する同じ導電型の電極と離間して配置されている。
【0141】
図13B及び
図13Cに示すように、p型電極103pの上には、金属ペースト105が設けられている。また、隣接するp型電極103pとp型電極103pの間にも金属ペースト105が設けられている。金属ペースト105は、例えば、銀で構成されていてもよいし、半田樹脂であってもよい。なお、
図13B及び
図13Cでは図示を省略するが、n型非晶質半導体層102n上のn型電極103nの上、及び隣接するn型電極103nとn型電極103nの間にも上記と同様に金属ペースト105が設けられる。
【0142】
光電変換装置1Dと配線シート300とを接合することにより、光電変換装置1Dで発生した電流を、n型電極103n及びp型電極103pの上の金属ペースト105を介して取り出すとともに、n型電極103nとn型電極103nの間、及びp型電極103pとp型電極103pの間に設けられた金属ペースト105を介して取り出すことができる。その結果、光電変換装置1Dの曲線因子(FF)を向上させることができる。
【0143】
<第6実施形態>
図14Aは、本実施形態における光電変換装置の平面図を表す模式図である。
図14Bは、
図14Aに示す光電変換装置1Eの一部を拡大した模式図であり、
図14Cは、
図14Bに示す光電変換装置1Dの一部分をII−II線で切断した断面図である。
図14B及び14Cでは、p型非晶質半導体層102p上のp型電極103pが形成された一部分を例示するが、n型非晶質半導体層102n上のn型電極103nが形成された部分も同様である。
図14A〜14Cにおいて、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同じ符号を付している。
【0144】
図14A〜14Cに示すように、本実施形態における光電変換装置1Eは、n型電極103n及びp型電極103pの上に金属ペースト105が設けられている点で第4実施形態と共通するが、以下の点で第4実施形態と異なる。つまり、光電変換装置1Eは、隣接するn型電極103nとn型電極103nとが金属ペースト105で接続されるとともに、隣接するp型電極103pとp型電極103pとの間が金属ペースト105で接続されている。
【0145】
光電変換装置1Eの場合、第4実施形態の光電変換装置1Dと比べて金属ペースト105が設けられる面積が大きいため、配線シート300と接合する際、配線シート300との接触面積が大きくなる。そのため、光電変換装置1Eに配線シート300を接合した場合、第4実施形態よりも低抵抗な配線接続を実現することができる。また、光電変換装置1Eと配線シート300との接触面積が大きいため、第4実施形態よりも配線シート300と光電変換装置1Eとの密着性を高めることができる。
【0146】
<第7実施形態>
上述した第1実施形態では、シリコン基板101の受光面にテクスチャが形成されている例を説明したが、シリコン基板101の裏面にテクスチャが形成されていてもよい。
【0147】
図15は、本実施形態における光電変換装置の断面を表す模式図である。
図15に示すように、光電変換装置1Fは、シリコン基板101の受光面だけでなく、裏面にもテクスチャが形成されている。また、シリコン基板101の裏面に形成されたテクスチャの凹凸に沿って、i型非晶質半導体層102i、n型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pが形成されている。
【0148】
シリコン基板101の裏面にテクスチャが形成されている場合、フォトマスクを用いてn型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pと、電極103(103n、103p)を形成すると、レジストの膜厚や露光量が不均一となり、所望する形状を得ることが難しい。本実施形態では、シリコン基板101の裏面にテクスチャが形成されている場合であっても、例えば、第1実施形態と同様のシャドーマスクを用いることで、所望する形状のn型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pと、電極103(103n、103p)とを形成することができる。
【0149】
なお、本実施形態において、上述した第2及び第3実施形態における各種電極のパターンを適用してもよい。また、上述した第4又は第5実施形態と同様、電極の上に金属ペースト105を設けるとともに、電極と電極の間に金属ペースト105が設けられてもよいし、電極と電極の間を跨ぐように電極間を接続する金属ペースト105が設けられていてもよい。
【0150】
シリコン基板101の裏面がテクスチャ構造を有する場合には、n型非晶質半導体層102n及びp型非晶質半導体層102pと電極103(103n、103p)の接触面積が増えるため、非晶質半導体層102n,102pと電極103とのコンタクト抵抗を下げることが可能となる。また、電極103の上に金属ペースト105を用いる場合、接触面積が増えるため、電極103と金属ペースト105の間の接着強度を上げることができる。接着強度が高くなることで、信頼性の高い光電変換装置1を作製することが可能となる。また、シリコン基板101の受光面と裏面にテクスチャが形成されていると、シリコン基板101の表面と裏面が対称構造となるため、シリコン基板101にかかる応力が小さくなる。このシリコン基板101に互いに離間した電極103が形成されるため、シリコン基板101の反りを更に低減することができる。
【0151】
<第8実施形態>
本実施形態では、上述した第1実施形態から第7実施形態の少なくとも1つの光電変換装置を備えた光電変換モジュールについて説明する。
図16は、本実施形態に係る光電変換モジュールの構成を示す概略図である。光電変換モジュール1000は、複数の光電変換装置11と、カバー1002と、出力端子1003,1004とを備える。
【0152】
複数の光電変換装置11は、例えば、第1〜第5実施形態に係る光電変換装置1、1B〜1Fのいずれかに配線シートが接合されたものを適用してもよい。また、配線シート上にいずれかの光電変換装置がアレイ状に配置され、直列に接続されたものあってもよいし、直列に接続する代わりに、並列接続、または、直列と並列を組み合わせて接続されたものでもよい。
【0153】
カバー1002は、耐候性のカバーからなり、複数の光電変換装置11を覆う。カバー1002は、例えば、光電変換装置11の受光面側に設けられた透明基材(例えばガラス等)と、光電変換装置11の裏面に設けられた裏面基材(例えば、ガラス、樹脂シート等)と、前記透明基材と前記樹脂基材との間の隙間を埋める封止材(例えばEVA等)とを含む。
【0154】
出力端子1003は、直列に接続された複数の光電変換装置11の一方端に配置される光電変換装置11に接続される。
【0155】
出力端子1004は、直列に接続された複数の光電変換装置11の他方端に配置される光電変換装置11に接続される。
【0156】
なお、光電変換モジュール1000は、複数の光電変換装置11の少なくとも1つが第1〜第6実施形態の光電変換装置のいずれかからなる限り、上記構成に限定されず、いかなる構成も取り得る。
【0157】
<第9実施形態>
図17Aは、本実施形態に係る太陽光発電システムの構成を示す概略図である。太陽光発電システム1100は、光電変換モジュールアレイ1101と、接続箱1102と、パワーコンディショナー1103と、分電盤1104と、電力メーター1105とを備える。太陽光発電システム1100には、「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS:Home Energy Management System)」、「ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム(BEMS:Building Energy Management System)」等の機能を付加することができる。これにより、太陽光発電システム1100の発電量の監視、太陽光発電システム1100に接続される各電気機器類の消費電力量の監視・制御等を行うことができ、エネルギー消費量を削減することができる。
【0158】
接続箱1102は、光電変換モジュールアレイ1101に接続される。パワーコンディショナー1103は、接続箱1102に接続される。分電盤1104は、パワーコンディショナー1103および電気機器1110に接続される。電力メーター1105は、分電盤1104および商用電力系統に接続される。
【0159】
光電変換モジュールアレイ1101は、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を接続箱1102に供給する。
【0160】
接続箱1102は、光電変換モジュールアレイ1101が発電した直流電力を受け、その受けた直流電力をパワーコンディショナー1103へ供給する。
【0161】
パワーコンディショナー1103は、接続箱1102から受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を分電盤1104に供給する。
【0162】
分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力および/または電力メーター1105を介して受けた商用電力を電気機器1110へ供給する。また、分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器1110の消費電力よりも多いとき、余った交流電力を、電力メーター1105を介して、商用電力系統へ供給する。
【0163】
電力メーター1105は、商用電力系統から分電盤1104へ向かう方向の電力を計測するとともに、分電盤1104から商用電力系統へ向かう方向の電力を計測する。
【0164】
図18は、
図17Aに示す光電変換モジュールアレイ1101の構成を示す概略図である。
図18を参照して、光電変換モジュールアレイ1101は、複数の光電変換モジュール1120と、出力端子1121,1122とを含む。
【0165】
複数の光電変換モジュール1120は、アレイ状に配列され、直列に接続される。複数の光電変換モジュール1120の各々は、
図16に示す光電変換モジュール1000からなる。
【0166】
出力端子1121は、直列に接続された複数の光電変換モジュール1120の一方端に位置する光電変換モジュール1120に接続される。
【0167】
出力端子1122は、直列に接続された複数の光電変換モジュール1120の他方端に位置する光電変換モジュール1120に接続される。
【0168】
太陽光発電システム1100における動作を説明する。光電変換モジュールアレイ1101は、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を、接続箱1102を介してパワーコンディショナー1103へ供給する。
【0169】
パワーコンディショナー1103は、光電変換モジュールアレイ1101から受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を分電盤1104へ供給する。
【0170】
分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器1110の消費電力以上であるとき、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力を電気機器1110に供給する。そして、分電盤1104は、余った交流電力を、電力メーター1105を介して商用電力系統へ供給する。
【0171】
また、分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器1110の消費電力よりも少ないとき、商用電力系統から受けた交流電力およびパワーコンディショナー1103から受けた交流電力を電気機器1110へ供給する。
【0172】
なお、本実施形態による太陽光発電システムは、
図17A,18に示す構成に限らず、第1実施形態から第7実施形態に係る光電変換装置のいずれかを用いる限り、どのような構成であってもよい。また、
図17Bに示すようにパワーコンディショナー1103には蓄電池1106が接続されていてもよい。この場合、日照量の変動による出力変動を抑制することができるとともに、日照のない時間帯であっても蓄電池1106に蓄電された電力を供給することができる。蓄電池1106はパワーコンディショナー1103に内蔵されていてもよい。
【0173】
<第10実施形態>
図19Aは、本実施形態に係る太陽光発電システムの構成を示す概略図である。太陽光発電システム1200は、サブシステム1201〜120n(nは2以上の整数)と、パワーコンディショナー1211〜121nと、変圧器1221とを備える。太陽光発電システム1200は、
図17A、17Bに示す太陽光発電システム1100よりも規模が大きい太陽光発電システムである。
【0174】
パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nに接続される。
【0175】
変圧器1221は、パワーコンディショナー1211〜121nおよび商用電力系統に接続される。
【0176】
サブシステム1201〜120nの各々は、モジュールシステム1231〜123j(jは2以上の整数)からなる。
【0177】
モジュールシステム1231〜123jの各々は、光電変換モジュールアレイ1301〜130i(iは2以上の整数)と、接続箱1311〜131iと、集電箱1321とを含む。
【0178】
光電変換モジュールアレイ1301〜130iの各々は、
図18に示す光電変換モジュールアレイ1101と同じ構成からなる。
【0179】
接続箱1311〜131iは、それぞれ、光電変換モジュールアレイ1301〜130iに接続される。
【0180】
集電箱1321は、接続箱1311〜131iに接続される。また、サブシステム1201のj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー1211に接続される。サブシステム1202のj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー1212に接続される。以下、同様にして、サブシステム120nのj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー121nに接続される。
【0181】
モジュールシステム1231のi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を、それぞれ接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。モジュールシステム1232のi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ、接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。以下、同様にして、モジュールシステム123jのi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ、接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。
【0182】
そして、サブシステム1201のj個の集電箱1321は、直流電力をパワーコンディショナー1211へ供給する。
【0183】
サブシステム1202のj個の集電箱1321は、同様にして直流電力をパワーコンディショナー1212へ供給する。
【0184】
以下、同様にして、サブシステム120nのj個の集電箱1321は、直流電力をパワーコンディショナー121nへ供給する。
【0185】
パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nから受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を変圧器1221へ供給する。
【0186】
変圧器1221は、パワーコンディショナー1211〜121nから交流電力を受け、その受けた交流電力の電圧レベルを変換して商用電力系統へ供給する。
【0187】
なお、本実施形態による太陽光発電システムは、
図19Aに示す構成に限らず、第1実施形態から第7実施形態に係る光電変換装置のいずれかを用いる限り、どのような構成であってもよい。
【0188】
また、
図19Bに示すようにパワーコンディショナー1211〜121nに蓄電池1213が接続されていてもよいし、蓄電池1213がパワーコンディショナー1211〜121nに内蔵されていてもよい。この場合、パワーコンディショナー1211〜121nは、集電箱1321から受けた直流電力の一部または全部を適切に電力変換して、蓄電池1213に蓄電することができる。蓄電池1213に蓄電された電力は、サブシステム1201〜120nの発電量に応じて適宜パワーコンディショナー1211〜121n側に供給され、適切に電力変換されて変圧器1221へ供給される。
【0189】
<変形例>
以上、本発明の第1〜第10実施形態にかかる光電変換装置について説明した。本発明の光電変換装置は上述の各実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。また、各実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0190】
(1)上述した第1実施形態では、シリコン基板101の導電型がn型の場合を説明したが、シリコン基板101はp型であってもよい。
【0191】
(2)上述した第1実施形態では、シリコン基板101の受光面に反射防止膜104が形成されている場合を説明したが、反射防止膜104が形成されていなくてもよい。また、反射防止膜104に代えて、高濃度のn型ドーパントが拡散されたn
+層が形成されていてもよい。あるいは、シリコン基板101の受光面と反射防止膜104との間に、高濃度のn型ドーパントが拡散されたn
+層が形成されていてもよい。
【0192】
(3)上述した第1実施形態及び第2実施形態では、n型非晶質半導体層102n,1002nとp型非晶質半導体層102p,1002p上に複数の電極103(103n,103p),113(113n,113p)が配置され、n型非晶質半導体層102n,1002nとp型非晶質半導体層102p,1002p上の複数の電極103,113を配線シートによって接続する例を説明したが、以下のように構成してもよい。つまり、例えば、n型非晶質半導体層とp型非晶質半導体層のいずれか一方の半導体層上に複数の電極が離間して配置され、他方の半導体層上には一つながりの連続した電極が配置されていてもよい。
【0193】
(4)上述した第2及び第3実施形態における光電変換装置において、第4及び第5実施形態と同様に金属ペースト105を設けるように構成してもよい。つまり、第2実施形態において、例えば、電極113の上に金属ペースト105を設けるとともに、隣接する電極113のグリッド電極113aとグリッド電極113aの間に金属ペースト105を設けてもよいし、隣接する電極113のグリッド電極113aとグリッド電極113aを跨ぐように金属ペースト105を設けてもよい。また、第3実施形態において、n型電極103nとp型電極103pのそれぞれの上に金属ペースト105を設けるとともに、隣接するn型電極103nとn型電極103nの間、及び隣接するp型電極103pとp型電極103pの間に金属ペースト105を設けてもよい。または、n型電極103nとp型電極103pのそれぞれの上に金属ペースト105を設けるとともに、隣接するn型電極103nとn型電極103nとを跨いで金属ペースト105を設け、隣接するp型電極103pとp型電極103pとを跨いで金属ペースト105を設けてもよい。