特許第6774166号(P6774166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774166
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】現像剤の収容容器
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
   G03G15/08 343
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-54189(P2015-54189)
(22)【出願日】2015年3月18日
(65)【公開番号】特開2016-173515(P2016-173515A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2018年2月28日
【審判番号】不服2019-9343(P2019-9343/J1)
【審判請求日】2019年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】堀井 清人
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 誠悟
(72)【発明者】
【氏名】船田 敦
(72)【発明者】
【氏名】久家 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】菅野 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤森 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】中井 大祐
【合議体】
【審判長】 尾崎 淳史
【審判官】 吉村 尚
【審判官】 畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−256392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の本体に対して着脱可能に支持される現像剤の収容容器であって、
現像剤が排出される排出路と、
回転して前記排出路に向けて現像剤を搬送する筒状の搬送部と、
前記搬送部の一端部に設けられた非回転の筒状のフランジ部と、
前記搬送部の一端側且つ前記フランジ部の内方に設けられ、前記排出路の上端との間に隙間をあけて配置された筒状の壁部材であって、前記搬送部とともに回転可能な前記壁部材と、
を備え、
前記壁部材は、現像剤の排出口の上方を常時覆うと共に、回転する前記搬送部の回転軸に面する壁面と回転軸の間に現像剤が入り込む隙間が設けられており、
現像剤の搬送方向に沿って延びると共に、前記壁部材の外側且つ前記壁部材と前記排出路の上端との間に配置され、且つ、前記排出路の上端との間に隙間をあけて回転する崩し部が設けられ
前記フランジ部の下面側には、前記排出路および前記排出口が設けられ、
前記搬送部の一端部から、前記搬送部で搬送されてきた現像剤が排出され、
前記壁部材の端面から、前記搬送部の回転軸に面する壁部材の壁面と回転軸との間の隙間に入り込んだ現像剤が流出する
ことを特徴とする現像剤の収容容器。
【請求項2】
前記壁部材は、前記搬送部の回転の周方向に対して全周に渡って形成され
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤の収容容器。
【請求項3】
前記壁部材は円筒形状に形成された
ことを特徴とする請求項2に記載の現像剤の収容容器。
【請求項4】
前記壁部材において、前記収容容器が抜かれる方向の上流端部と前記排出路の内面とは、前記搬送部の回転軸方向において重なることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像剤の収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤の収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、新規の現像剤を補給するための現像剤の収容容器に関して、以下の特許文献1〜3に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特許第5037232号公報には、ボトル部(101Y)が回転して現像剤を搬送するトナーカートリッジ(100Y)において、ボトル部(101Y)と一体的に回転するクランク形状のアーム部(112Y)に往復動コイル(113Y)が支持され、往復動コイル(113Y)が、ホルダー部(102Y)の排出通路(105Y)内で往復動して、トナーの詰まりを回避する技術が記載されている。
また、特許文献1には、アーム部(112Y)に、排出通路(105Y)の入口を塞ぐ往復動部材(120Y)を配置して、トナーの過剰補給を回避する技術も記載されている。
【0004】
特許文献2としての特許第5407557号公報には、トナー補給容器本体(161)の内部に、3重螺旋のコイルスクリュー(162)が配置された構成が記載されている。特許文献2に記載の構成では、3つの螺旋部(162a,b,c)の終端部に、遮蔽部(162e,162f,162g)が配置されており、コイルスクリュー(162)が所定の回転位置にあるとき、開口部(161c)を塞いでトナーの流出を防止する。
【0005】
特許文献3としての特許第5365110号公報には、キャップ部(32Y1)に対して容器本体(32Y2)が回転して現像剤を搬送すると共に、容器本体(32Y2)の下流端には、互いに異なる方向に傾斜するスクレーパ(32Y30)を配置して、スクレーパ(32Y30)で近傍のトナーを効率的にキャップ部(32Y1)に移行させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5037232号公報(「0049」〜「0050」、「0056」〜「0060」、図7図12
【特許文献2】特許第5407557号公報(「0022」〜「0029」、図3図5
【特許文献3】特許第5365110号公報(「0057」〜「0058」、「0069」、図17〜21)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、排出口の周囲における現像剤の汚れを抑えることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の現像剤の収容容器は、
画像形成装置の本体に対して着脱可能に支持される現像剤の収容容器であって、
現像剤が排出される排出路と、
回転して前記排出路に向けて現像剤を搬送する筒状の搬送部と、
前記搬送部の一端部に設けられた非回転の筒状のフランジ部と、
前記搬送部の一端側且つ前記フランジ部の内方に設けられ、前記排出路の上端との間に隙間をあけて配置された筒状の壁部材であって、前記搬送部とともに回転可能な前記壁部材と、
を備え、
前記壁部材は、現像剤の排出口の上方を常時覆うと共に、回転する前記搬送部の回転軸に面する壁面と回転軸の間に現像剤が入り込む隙間が設けられており、
現像剤の搬送方向に沿って延びると共に、前記壁部材の外側且つ前記壁部材と前記排出路の上端との間に配置され、且つ、前記排出路の上端との間に隙間をあけて回転する崩し部が設けられ
前記フランジ部の下面側には、前記排出路および前記排出口が設けられ、
前記搬送部の一端部から、前記搬送部で搬送されてきた現像剤が排出され、
前記壁部材の端面から、前記搬送部の回転軸に面する壁部材の壁面と回転軸との間の隙間に入り込んだ現像剤が流出する
ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像剤の収容容器において、
前記壁部材は、前記搬送部の回転の周方向に対して全周に渡って形成され
ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の現像剤の収容容器において、
前記壁部材は円筒形状に形成された
ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の現像剤の収容容器において、
前記壁部材において、前記収容容器が抜かれる方向の上流端部と前記排出路の内面とは、前記搬送部の回転軸方向において重なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、排出路との間に隙間をあけた壁部材を有しない場合に比べて、排出口の周囲における現像剤の汚れを抑えることができる。また、請求項1に記載の発明によれば、排出口に向けて重力で流れこむ現像剤の量が制限される。さらに、壁部材に現像剤が押し付けられて、トナーが固着することを低減できる。また、壁部材と排出路の上端との間の現像剤を崩し部で崩すことができ、崩し部を有しない場合に比べて、現像剤の排出を安定させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、壁部材が回転しない場合に比べて、壁部材に現像剤が付着して、固着することを低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、円筒形状の壁部材の回転時に現像剤が固着することを低減できる。
請求項4に記載の発明によれば、収容容器が抜かれる方向の上流端部と収容容器の内周面とが回転軸方向において重ならない場合に比べて、壁部材と内周面との隙間において、現像剤の通過量が制限される。そして、通過できなかった現像剤が滞留して壁部材に付着することを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2図2図1のトナー像の形成装置部分の要部拡大図である。
図3図3は実施例1のトナーカートリッジの斜視図である。
図4図4図3のIV−IV線断面図である。
図5図5は実施例1のフィン部材の説明図である。
図6図6は実施例1の作用説明図である。
図7図7は実施例2のトナーカートリッジの説明であり、実施例1の図4に対応する図である。
図8図8は実施例2のフィン部材の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図9図9は実施例3のトナーカートリッジの説明であり、実施例1の図4に対応する図である。
図10図10は実施例3のフィン部材の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図11図11は実施例4のトナーカートリッジの説明であり、実施例1の図4に対応する図である。
図12図12は実施例4のフィン部材の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図13図13は実施例5のトナーカートリッジの斜視図である。
図14図14は実施例5のトナーカートリッジの蓋を取り外した状態の説明図である。
図15図15図14のXV−XV線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0020】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、装置本体の一例としてのプリンタ本体U1を有する。プリンタ本体U1の上面には、第1の媒体の排出部の一例としての第1の排出トレイTRhが設けられている。プリンタ本体U1の右部の上面には、操作部UIが設けられている。操作部UIは、図示しない表示部等を有する。操作部UIは、利用者が入力操作が可能に構成されている。
実施例1のプリンタUには、画像情報の送信装置の一例としてホストコンピュータを例示しており、具体的にはパーソナルコンピュータが電気的に接続されている。
【0021】
プリンタUは、制御部の一例としてのコントローラCを有する。コントローラCは、パーソナルコンピュータPCから送信された画像情報や制御信号等の電気信号を受信可能である。また、コントローラCは、操作部UIや電気回路Eに制御信号を出力可能に構成されている。さらに、コントローラCは、書込回路DLに電気的に接続されている。
書込回路DLは、入力された情報に応じて駆動信号を書込装置の一例としての露光機ROSに出力する。露光機ROSは、入力された信号に応じて、書込光の一例としてのレーザ光Lを出力可能に構成されている。
【0022】
図2図1のトナー像の形成装置部分の要部拡大図である。
図1図2において、前記露光機ROSの左方には、像保持体の一例としての感光体PRが配置されている。実施例1の感光体PRは、回転軸PRaを中心に矢印方向に回転可能に支持されている。感光体PRには、書込領域Q1において、レーザ光Lが照射される。
感光体PRの周囲には、感光体PRの回転方向に沿って、帯電部材の一例としての帯電ロールCRと、現像装置Gと、像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLとが配置されている。
なお、実施例1のプリンタUでは、感光体PRや帯電ロールCR、現像装置G、感光体クリーナCLが一体的に着脱可能なユニット化されている。すなわち、感光体PRや帯電ロールCR、現像装置G、感光体クリーナCLは、プロセスユニットU2としてプリンタ本体U1に着脱可能に構成されている。
【0023】
前記帯電ロールCRには、電気回路Eから帯電電圧が印加される。
現像装置Gは、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容する現像容器Vを有する。現像容器Vの内部には、現像剤の保持体の一例としての現像ロールGaが回転可能に支持されている。現像ロールGaは、現像領域Q2で感光体PRと対向して配置される。
また、現像ロールGaには、電源回路Eから現像電圧が印加される。また、現像容器Vの内部には、現像剤の搬送部材の一例としてのオーガGb,Gcが回転可能に支持されている。
前記感光体PR、帯電ロールCR、露光機ROS、現像装置G等により、感光体PR上にトナー像を形成するトナー像の形成装置が構成されている。
【0024】
前記現像容器Vには、プリンタUに固定支持された現像剤の補給装置の一例としてのトナーの補給装置TH1の補給路の一端が接続されている。トナーの補給装置TH1の補給路の他端は、現像剤の収容容器の一例としてのトナーカートリッジTCに接続されている。
前記トナーカートリッジTCは、プリンタUに対して前後方向に挿抜することにより着脱可能に構成されている。
【0025】
図1において、プリンタUの下部には、媒体収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が複数設けられている。複数の給紙トレイTR1〜TR4は、媒体の一例として記録用シートSを収容している。
図1において、各給紙トレイTR1〜TR4の左右の両側には、容器の案内部材の一例としてのレールRL1が配置されている。レールRL1は、給紙トレイTR1〜TR4の左右両端部を移動可能に支持する。したがって、左右一対のレールRL1により各給紙トレイTR1〜TR4は前後方向に出入可能に支持されている。
【0026】
図1において、前記各給紙トレイTR1〜TR4の左上部には、給紙装置Kが配置されている。前記給紙装置Kは、媒体の取出部材の一例としてのピックアップロールRpを有する。ピックアップロールRpの左方には、捌き部材の一例としての捌きロールRsが配置されている。捌きロールRsは、媒体の搬送部材の一例としてのフィードロールと媒体の分離部材の一例としてのリタードロールからなる。
給紙装置Kの左方には、媒体の搬送路の一例としての給紙路SH1が配置されている。給紙路SH1は、上方に向けて延びている。給紙路SH1には、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。給紙路SH1の下流端である上端には、媒体の搬送時期の調整部材の一例としてのレジロールRrが配置されている。
【0027】
また、プリンタUの左側部には、手差し部の一例としての手差しトレイTR0が装着されている。手差しトレイTR0の右部には、手差し用の搬送路の一例としての手差し路SH2の左端が接続されている。手差し路SH2の右端は、給紙路SH1に接続されている。
図1において、レジロールRrの上方には、転写装置の一例としての転写ロールRtが配置されている。転写ロールRtは、転写領域Q3において、感光体PRと対向、接触する。したがって、実施例1の転写ロールRtは、感光体PRの回転に従動して回転する。転写ロールRtには、電源回路Eから転写電圧が印加される。
【0028】
感光体PRの回転方向に対して、転写ロールRtの下流側には、前記感光体クリーナCLが配置されている。感光体クリーナCLには、現像剤の搬送路の一例としての回収路CL4が支持されている。回収路CL4は、感光体クリーナCLから現像装置Gまで延びている。
【0029】
図1において、転写ロールRtの上方には、定着装置Fが支持されている。定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。加熱ロールFhと加圧ロールFpとは、定着領域Q4において接触する。加熱ロールFhには、図示しない駆動源から駆動が伝達されて回転する。また、加熱ロールFhには、電気回路Eから、図示しないヒータを加熱するための電力が供給される。
前記トナー像の形成装置の一例としてのプロセスユニットU2と、転写ロールRt、定着装置Fにより、シートSに画像を記録する画像記録部U2+Rt+Fが構成されている。
【0030】
定着装置Fの上部には、媒体の案内部の一例としてのシートガイドF1が形成されている。シートガイドF1の右方には、媒体の排出部材の一例としての排紙ロールR1が配置されている。排紙ロールR1の右方には、媒体の排出口Haが形成されている。媒体の排出口Haの下方には、第1の排出トレイTRhが配置されている。
図1において、定着装置Fの上方且つ排紙ロールR1の左方には、媒体の搬送路の一例としての接続路SH3が配置されている。接続路SH3は、媒体の排出口Haから左方に延びている。
【0031】
プリンタ本体U1の左側面には、手差しトレイTR0の上方に、媒体の反転装置の一例としての反転ユニットU3が支持されている。反転ユニットU3の内部には、媒体の搬送路の一例としての反転路SH4が形成されている。反転路SH4の上端は、接続路SH3の左端に接続されている。反転路SH4の下端は、レジロールRrの上流側において、給紙路SH1に合流している。
また、前記反転ユニットU3の上部には、媒体の搬送路の一例としての第2の排出路SH6が形成されている。第2の排出路SH6は、右端が接続路SH3に接続されており、反転路SH4から分岐している。第2の排出路SH6の左端は、反転ユニットU3の左側面まで延びている。反転ユニットU3の左側面には、第2の排出部の一例としてのフェイスアップトレイTRh1が支持されている。したがって、第2の排出路SH6を通過したシートSは、フェイスアップトレイTRh1に排出可能に構成されている。
【0032】
(画像形成装置の機能)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、パーソナルコンピュータPCから送信された画像情報は、コントローラCに入力される。コントローラCは、入力された画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の情報に変換して、書込回路DLに出力する。露光機ROSは、書込回路DLが受信した信号に基づいたレーザ光Lを出力する。なお、コントローラCは、操作部UI、書込回路DL、電源回路E等の動作を制御する。
図1図2において、感光体PRの表面は、帯電電圧が印加される帯電ロールCRにより帯電される。帯電ロールCRで帯電された感光体PRの表面には、書込領域Q1において露光機ROSのレーザ光Lにより露光、走査されて静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体PR表面は、現像領域Q2、転写領域Q3を順次通過する。
【0033】
現像領域Q2において、感光体PRに現像ロールGaが対向している。現像ロールGaは、現像容器Vの内部の現像剤を表面に保持して回転する。したがって、現像ロールGaの表面に保持されたトナー像により、感光体PRの表面の静電潜像は、可視像の一例としてのトナー像に現像される。現像容器Vの内部の現像剤は、オーガGb,Gcにより撹拌されながら循環される。
現像ロールGaによる現像に伴って、現像容器Vの内部の現像剤が消費されると、トナーカートリッジTCから現像剤が補給される。すなわち、現像剤の消費量に応じて、トナーカートリッジTC内のトナーが、排出口TC3に搬送される。排出口TC3から排出されたトナーは、トナーの補給装置TH1の補給経路内の図示しない補給用搬送部材により現像容器Vに搬送される。
【0034】
各給紙トレイTR1〜TR4には、画像が記録されるシートSが収容されている。各給紙トレイTR1〜TR4に収容されたシートSは、給紙装置KのピックアップロールRpにより取出される。ピックアップロールRpで取り出されたシートSは、捌きロールRsにより1枚ずつ分離される。捌きロールRsで分離されたシートSは、給紙路SH1に給紙される。給紙路SH1のシートSは、搬送ロールRaにより、レジロールRrに向けて搬送される。
なお、前記手差しトレイTR0から給紙されたシートSは、手差し路SH2を通じて、レジロールRrに搬送される。レジロールRrに搬送されたシートSは、感光体PR表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、レジロールRrにより転写領域Q3に搬送される。
【0035】
転写領域Q3において、転写電圧が印加された転写ロールRtにより、転写領域Q3を通過するシートSに、感光体PRの表面のトナー像が転写される。
図2において、転写領域Q3を通過後の感光体PRは、感光体クリーナCLで表面に付着したトナーが除去されて清掃される。感光体クリーナCLで除去されたトナーは、回収路CL4を通じて、現像容器Vの内部に戻される。すなわち、感光体クリーナCLで回収された現像剤は、現像装置Gで再使用される。
感光体クリーナCLにより表面が清掃された感光体PRは、帯電ロールCRにより再び帯電される。
【0036】
転写領域Q3においてトナー像が転写されたシートSは、トナー像が未定着の状態で定着装置Fの定着領域Q4に搬送される。
定着領域Q4では、シートSは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとに挟まれて、トナー像が加熱定着される。
定着装置Fでトナー像が定着されたシートSは、シートガイドF1に案内されて、排紙ロールR1に搬送される。シートSが第1の排出トレイTRhに排出される場合には、排紙ロールR1に送られたシートSは、媒体の排出口Haから第1の排出トレイTRhに排出される。
【0037】
両面印刷時には、一面目に画像が記録されたシートSは、搬送方向の後端がシートガイドF1を通過した状態で、排紙ロールR1が逆回転する。したがって、シートSは、接続路SH3を通じて、反転路SH4に搬送される。反転路SH4を搬送されたシートSは、表裏が反転した状態で、前記レジロールRrに搬送される。したがって、レジロールRrから転写領域Q3に再送されて、二面目の画像が記録される。
シートSが、フェイスアップトレイTRh1に排出される場合、排紙ロールR1の逆回転で接続路SH3を搬送されるシートSが、第2の排出路SH6に搬入される。そして、第2の排出路SH6を搬送されたシートSは、フェイスアップトレイTRh1に排出される。
【0038】
(トナーカートリッジの説明)
図3は実施例1のトナーカートリッジの斜視図である。
図4図3のIV−IV線断面図である。
図3図4において、実施例1のトナーカートリッジTCは、収容部の一例としてのボトル1を有する。ボトル1は、前後方向に延びる筒状に形成されており、内部に現像剤が収容可能に構成されている。ボトル1の壁面には、搬送部の一例としての螺旋状の溝部2が形成されている。図3図4において、ボトル1の後端には、開口3が形成されている。ボトル1の外表面には、開口3の前側の位置に、締結部の一例としてのネジ部4が形成されている。
【0039】
図5は実施例1のフィン部材の説明図である。
図3図5において、ボトル1の後側には、崩し部材の一例としてのフィン部材11が配置されている。フィン部材11は、前側の円筒部12と、後側のフィン本体13とを有する。円筒部12は、内周面に、締結部の一例としてのネジ部12aが形成されている。ネジ部12aは、ネジ部4に対応して形成されている。よって、ネジ部12aとネジ部4とが噛み合って、フィン部材11とボトル1とが締結される。したがって、フィン部材11とボトル1とにより、実施例1の回転部1,11が構成されている。
また、円筒部12の後部の外周には、リング状の凹溝12bが形成されている。
【0040】
フィン本体13は、前後方向に延びる軸部13aを有する。軸部13aの前端には、崩し部の一例であって、被支持部の一例として、径方向の外側に延びる支持アーム13bが形成されている。支持アーム13bの外端は、円筒部12の内周面に接続されている。
軸部13aの後部には、径方向の外側に延びる第1の崩し部13cが形成されている。第1の崩し部13cの径方向の外端と、支持アーム13bとの間には、前後方向に延びる第2の崩し部13dが形成されている。
前記第2の崩し部13dの内側には、円筒状の壁部材14が一体的に形成されている。図4において、実施例1の壁部材14と、後述する排出路27の上端との間には隙間が形成されている。実施例1では、隙間は5mmに設定されているが、単位時間あたりに搬送したい現像剤の量等、設計や使用に応じて任意に変更可能である。
前記軸部13aの後端には、被駆動伝達部材の一例としてのカップリング16が支持されている。カップリング16は、トナーカートリッジTCがプリンタ本体U1に装着された場合に、プリンタ本体U1に支持されたカップリングと噛み合って、駆動が伝達される。
【0041】
図4図5において、円筒部12の後端面には、漏出防止部材の一例としてのトナーシール17が支持されている。トナーシール17は、円筒部12の後端面に沿って、円環状、いわゆるリング状に形成されている。なお、トナーシール17は、現像剤の漏出を防止可能な任意の材料で構成されており、例えば、スポンジ等の発泡部材を採用可能である。
【0042】
フィン部材11の後側には、排出部の一例としてのフランジ部21が支持されている。フランジ部21は、円筒状に構成されている。フランジ部21は、前部の中径部22と、前後方向中央の大径部23と、後部の小径部24とを有する。
中径部22は、回転部1,11の後部の外周を覆う内径を有する。中径部22には、連結部の一例としての爪部22aが形成されている。爪部22aは、リング状の凹溝12bに対応する位置に配置されており、径方向の内側に向けて延びている。爪部22aは、凹溝12bに接触しており、回転部1,11がフランジ部21に対して前方に移動することを規制する。すなわち、回転部1,11とフランジ部21とを連結している。
【0043】
前記大径部23の前端には、食い込み部の一例としてのリング状の凸部23aが形成されている。よって、凸部23aは、フランジ部21と回転部1,11とが連結された場合に、トナーシール17に食い込むように、トナーシール17を圧縮した状態で支持される。
大径部23と小径部24との境界部分には、上下方向および左右方向に延びる板状の壁部26が形成されている。壁部26には、カップリング16が貫通した状態で、回転可能に支持されている。
【0044】
壁部26の下方には、下方に延びる排出路27が形成されている。排出路27の下端には、流出口の一例としての排出口28が形成されている。
排出路27の下部には、開閉部材の一例としてのシャッタ29が前後方向に移動可能に支持されている。シャッタ29は、トナーカートリッジTCの挿抜に伴って、排出口28を開放する開放位置と、排出口28を閉塞する閉塞位置との間で移動する。なお、トナーカートリッジTCの挿抜に伴って、シャッタ29を移動させる構成は、例えば、特開2009−229938号公報等、従来公知の種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
図3において、小径部24の外周面には、被案内部の一例としての挿入ガイド31が形成されている。挿入ガイド31は、トナーカートリッジTCが装着される場合に、画像形成装置の本体の一例としてのプリンタ本体U1に設けられた図示しないガイド部に案内される。
【0045】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、トナーカートリッジTCがプリンタ本体U1に装着された状態では、トナーの消費に応じてカップリング16に駆動が伝達されると、フィン部材11およびボトル1が回転する。ボトル1が回転すると、螺旋状の溝部2に沿って現像剤が後方に搬送される。よって、実施例1のトナーカートリッジTCでは、ボトルの内部において、回転する搬送部材が不要となり、トナーカートリッジTCの製造費用が低減可能である。
ボトル1の回転に伴って後方に搬送された現像剤は、排出口28を通じてトナーの補給装置TH1に補給される。なお、ボトル1の回転時にフィン本体13も回転しており、排出口28の近傍で密集して固まりになったトナーが崩されたり、ほぐされる。よって、フィン本体13を有しない構成に比べて、排出口28の近傍で現像剤が固まりになって詰まってしまうことが低減される。
【0046】
図6は実施例1の作用説明図である。
図6において、ボトル1で後側に搬送された現像剤は、排出口28に向けて、重力で送られることとなる。このとき、内部の現像剤の量(水位)が2点鎖線で示す量だけ存在する場合、壁部材14が設けられていない従来の構成では、図6の一点鎖線に示すように、排出口28の上方に存在する現像剤41が、排出口28に流れ込もうとする。したがって、ボトル1が回転を停止しても、トナーカートリッジTCが接続されたトナーの補給装置TH1の搬送部材42が駆動して現像剤が搬送されると、排出口28の上方の現像剤41は重力で流れこむ。また、新たなトナーカートリッジTCを装着した場合に、トナーカートリッジTCから排出口28の上方の現像剤41が、装着した段階で、流入しようとする。したがって、従来の構成では、トナーの補給装置TH1とトナーカートリッジTCとの間は、現像剤が充填された状態となりやすい。この状態でトナーカートリッジTCの抜き差しが行われると、排出口28に充填された現像剤が擦り切られる。したがって、排出口28の周辺の部材に現像剤が付着し、画像形成装置の機内や作業者が汚れる場合がある。
【0047】
これに対して、実施例1のトナーカートリッジTCでは、排出路27の入口は、壁部材14で上方が覆われている。よって、排出口28に重力で流れ込む現像剤は、図6の破線で示すように、排出口28から壁部材14までの間の量となり、壁部材14よりも上方の現像剤は排出口28に流れこむことができない。すなわち、排出口28に向けて重力で流れこむ現像剤の量が制限される。したがって、トナーカートリッジTCの装着時や、ボトル1の回転が停止した状態で搬送部材42が駆動した場合に、排出路27は現像剤が充填された状態になりにくい。よって、トナーカートリッジTCの抜き差しに伴う、排出口28における擦り切りの発生が低減される。したがって、機内や作業者の汚れが低減される。
特に、実施例1のトナーカートリッジTCでは、排出口28に向かう現像剤は、壁部材14と大径部23の内周面との隙間を通過する。よって、隙間の広さに応じて、排出口28に送られる現像剤の単位時間あたりの量が安定する。よって、トナーカートリッジTCの装着時に、上方の現像剤41が一気に流れ込んで、供給過剰になる場合に比べて、現像剤の供給が安定しやすい。
【0048】
また、実施例1のトナーカートリッジTCでは、壁部材14はフィン部材11に設けられて、一体的に回転している。壁部材14が固定の構成では、壁部材14に現像剤が付着したり、固まったりして、現像剤が停滞する恐れがある。これに対して、回転する壁部材14では、固定の壁部材に比べて、現像剤の付着が低減される。
さらに、実施例1のトナーカートリッジTCでは、壁部材14は、円筒形状、すなわち、フィン部材11の回転の周方向に沿って形成されている。特許文献1,2記載の技術のように、周方向の一部分にしか設けられていない構成では、毎回停止する度に位置合わせをする必要があったり、人が触れて動いてしまうと対応できない問題がある。これに対して、円筒形状の壁部材14では、位置合わせの必要がない。
【実施例2】
【0049】
図7は実施例2のトナーカートリッジの説明であり、実施例1の図4に対応する図である。
図8は実施例2のフィン部材の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0050】
図7図8において、実施例2のトナーカートリッジTCでは、実施例1の円筒状の壁部材14に替えて、後方に行くに連れて小径となる円錐状の壁部材51を有する。
【0051】
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、壁部材51を有しない場合に比べて、排出口28に向けて流入する現像剤の量が制限される。よって、実施例2のトナーカートリッジTCは、実施例1と同様に、機内汚れ等が低減される。
実施例1のように円筒状の壁部材14では、壁部材14の内側では、ボトル1側からの現像剤の流入がなければ、現像剤が流動しにくく、現像剤が残留しやすかった。現像剤が残留すると、トナーカートリッジTC内の仕様できる現像剤の量がその分減ることになり、プリントできる枚数が減ってしまう問題があった。これに対して、実施例2の円錐状の壁部材51では、円錐の斜面に沿って現像剤が移動しやすく、壁部材51の内側に現像剤が残留することが低減される。よって、現像剤の残量への悪影響が低減される。
【実施例3】
【0052】
図9は実施例3のトナーカートリッジの説明であり、実施例1の図4に対応する図である。
図10は実施例3のフィン部材の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例3は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図9図10において、実施例3のトナーカートリッジTCでは、実施例1の円筒状の壁部材14に替えて、前方に行くに連れて小径となる円錐状の壁部材52を有する。すなわち、実施例2の壁部材51とは逆向きの円錐状に形成されている。
【0053】
前記構成を備えた実施例3のプリンタUでは、壁部材52を有しない場合に比べて、排出口28に向けて流入する現像剤の量が制限される。よって、実施例3のトナーカートリッジTCは、実施例1と同様に、機内汚れ等が低減される。
また、実施例3のトナーカートリッジTCは、実施例2と同様に、円錐状の壁部材52の内側の斜面にそって現像剤が移動しやすく、壁部材52の内側に現像剤が残留することが低減される。
【実施例4】
【0054】
図11は実施例4のトナーカートリッジの説明であり、実施例1の図4に対応する図である。
図12は実施例4のフィン部材の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例4は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図11図12において、実施例4のトナーカートリッジTCでは、実施例1と同様の円筒状の壁部材14の外周面に、規制部材の一例としての規制板61が支持されている。規制板61は、周方向に間隔を開けて複数配置されている。また、実施例4の規制板61は、軸方向に対して傾斜している。なお、規制板61の傾斜方向は、フィン部材11の回転時に、現像剤を後方、すなわち、排出路27に向けて搬送する方向に傾斜している。
【0055】
前記構成を備えた実施例4のプリンタUでは、壁部材14の外周面の規制板61は、フィン部材11の回転時に現像剤を排出路27に向けて搬送する。実施例1では、壁部材14と大径部23との間の現像剤は、ボトル1から搬送されてくる現像剤に押されて搬送されていたが、トナーカートリッジTC内の現像剤が減ってくると送られにくくなる。これに対して、実施例4では、規制板61で現像剤が送られ、排出路27に送られる現像剤が安定しやすい。
また、実施例1の構成では、トナーカートリッジTCが取り外されて、排出口28が下方になる状態で傾けられた場合、排出口28に向けて現像剤が流入する。これに対して、実施例4のトナーカートリッジTCでは、トナーカートリッジTCが傾けられても、各規制板61に現像剤の流れが妨げられて、排出口28に流れこむ現像剤が低減される。
【実施例5】
【0056】
図13は実施例5のトナーカートリッジの斜視図である。
図14は実施例5のトナーカートリッジの蓋を取り外した状態の説明図である。
図15図14のXV−XV線断面図である。
次に本発明の実施例5の説明をするが、この実施例5の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例5は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0057】
図13図15において、実施例5のトナーカートリッジTC′では、現像剤の収容部の一例としてのカートリッジ本体101を有する。カートリッジ本体101の上面は、蓋部材102で覆われている。カートリッジ本体101の前端には、利用者が操作可能なハンドル103が支持されている。カートリッジ本体101の内部には、第1の収容空間106と第2の収容空間107とが形成されている。第1の収容空間106には、搬送部の一例としてのパドル108が配置されている。パドル108は、第1の収容空間106の現像剤を第2の収容空間107に向けて搬送する。
【0058】
第2の収容空間107には、搬送部の一例としてのアジテータ109が配置されている。アジテータ109は、線材が螺旋状に曲げられた形状に形成されている。
また、第2の収容空間107の端部には、現像剤が排出される排出路111が形成されている。排出路111の上方には、排出路111を覆うように壁部材112が形成されている。実施例5の壁部材112は、カートリッジ本体101に固定支持されている。
なお、実施例5のアジテータ109では、壁部材112の上方に対応する部分109aでは、現像剤の搬送力が殆ど無く、現像剤を撹拌して均す形状に形成されている。
【0059】
前記構成を備えた実施例5のプリンタUでは、実施例1と同様に、壁部材112を有しない場合に比べて、排出路111の上方から流れ込む現像剤の量が制限される。よって、実施例5のトナーカートリッジTC′は、実施例1と同様に、機内汚れ等が低減される。
【0060】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタを例示したが、これに限定されない。例えば、複写機、FAX等の画像形成装置にも適用可能である。
【0061】
(H02)前記実施例において、フランジ部21が、トナーカートリッジTCの装着方向の前側、すなわち、プリンタ本体U1の奥側に配置された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、フランジ部21等が装着方向の後側、すなわち、プリンタ本体U1の手前側に配置された構成とすることも可能である。
(H03)前記実施例1〜4において、壁部材14,51,52をフィン部材11に設けることが望ましいが、フランジ部21に設けることも可能である。
【0062】
(H04)前記実施例2,3,5において、実施例4の規制板61の構成を組み合わせることも可能である。なお、実施例4において、規制板61は、軸方向に対して傾斜させることが望ましいが、軸方向に沿った形状とすることも可能である。
(H05)前記実施例1〜4において、フィン本体13を設けることが望ましいが、省略することも可能である。また、フィン本体13として、支持アーム13bを2つ有する構成を例示したが、これに限定されず、3つ以上有する構成とすることも可能である。
【0063】
(H06)前記実施例1〜4において、ボトル1を駆動させるカップリング16を後端に設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ボトル1の前端にカップリング形状を形成したり、ボトル1の外周面にギアを形成してボトル1を回転させる構成とすることも可能である。
(H07)前記実施例1〜4において、トナーシール17を回転部1,11側に配置し、凸部23a,41をフランジ部21に配置する構成を例示したが、入れ替えることも可能である。
(H08)前記実施例5において、収容空間106,107は2つの構成に限定されず、1つにすることも可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…収容部、
2,109…搬送部、
11…崩し部、
14,51,52,112…壁部材、
21…排出部、
27…排出路、
61…規制部材、
G…現像装置、
PR…像保持体、
TC,TC′…現像剤の収容容器、
U…画像形成装置、
U1…画像形成装置の本体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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