(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、発明を実施するための形態を説明する。
【0028】
まず、本実施例の動的決済処理システム1の構成について、以下に説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施例の動的決済処理システム1は、決済カード2を利用して電子マネー決済を運用し、観光施設、ホテル・量販店・レストラン・コンビニエンスストアの商業施設、医療施設、及びバス・鉄道・飛行機等のインフラ施設等で決済を行う際に、決済オケージョンに応じて決済処理の内容を変動させる決済処理システムとして構成されており、具体的には、決済カード2、決済カード2と情報の授受を行う決済端末装置3、及び決済端末装置3と通信ネットワーク10を介して通信可能に接続される決済処理装置4等で構成されている。
【0029】
通信ネットワーク10は、インターネット接続を含む有線回線、CATV(cable television)回線、その他の通信回線網をいう。通信ネットワーク10は、一部又は全部をVPN(Virtual Private Network)等の所定の専用通信回線としたり、通信データの暗号化技術等を用いたりすることで、通信ネットワーク10のセキュリティ性をより高めることができる。
【0030】
図1に示すように、決済カード2は、商品取引やサービス提供に応じた代金の決済に利用されるカードである。本実施例の決済カード2は、一例として、ICチップが組み込まれた非接触型の電子マネーカードとして構成され、カード識別情報やユーザ識別情報等のカード情報が記憶されるカード情報記憶部20が設けられている。カード情報記憶部20は、例えば、決済カード2に取り付けられたICチップ等としてカード情報が読み取り可能に記憶される。
【0031】
カード識別情報は、決済カード2を特定する情報であり、決済カード2のカードIDや、決済カード2のカードIDとセキュリティコードとの組合せや、決済カード2に記憶されているコード等が含まれる。カードIDは、決済カード2を識別するために更新することができないようにしてもよく、組み込まれるICチップに予め付与された番号をそのまま使用するか、独自に管理し易い番号を新たに付与するようにしてもよい。
【0032】
ユーザ識別情報は、決済カード2を利用して決済を行うユーザを特定する情報であり、例えば、ユーザ毎に設定されるユーザIDの他、ユーザの氏名、携帯電話番号、及びメールアドレス等が含まれる。
【0033】
カード情報記憶部20には、ユーザ識別情報としてユーザのパスポート情報を含む身分証明情報が記憶されてもよい。身分証明情報は、パスポートナンバー、氏名、国籍、及び生年月日等のパスポートに記載される情報が含まれ、各施設での決済時にユーザの身分を証明する情報として利用するようにしてもよい。
【0034】
本実施例の動的決済処理システム1では、決済カード2にはカード情報として電子マネー情報を有さず、決済処理装置4(カード情報管理部42)に電子マネー情報が記憶されて管理されるように構成されている(
図12等参照)。決済処理装置4に記憶される電子マネー情報は、専用端末(電子マネー用のリーダ/ライタ)等を介して現金又は取引登録されたクレジットカード等よりチャージ(増額)可能とされる。
【0035】
決済カード2は、必ずしも外観がカード形状を有していなくてもよく、例えば、決済カード2と同様の情報を有する携帯電話や携帯情報端末等を決済カードと考えてもよい。
【0036】
図1及び
図2に示すように、決済端末装置3は、決済カード2で決済を行うための端末(情報通信端末)として構成され、通常、CPUやメモリ等からなる制御装置、表示装置、入力装置、及び記憶装置等を具備してなり、CPUにてプログラムが実行されて情報処理されることにより各処理部での機能が実現されるように構成される。決済端末装置3は、通信ネットワーク10を介して後述する決済処理装置4と通信可能に接続され、カード情報取得部30、カード利用情報取得部31、及び端末識別情報記憶部32等が設けられている。
【0037】
決済端末装置3は、決済カード2を用いた決済が可能な複数の施設(又は施設内の店舗)にそれぞれ設置され、具体的には、主に観光施設がある区域としての観光施設エリアA、主にホテル・量販店・レストラン・コンビニエンスストア等がある区域としての商業施設エリアB、主に病院がある区域としての医療施設エリアC、及びバスや鉄道等がある区域としてのインフラ施設エリアDのカウンタ等に設置され(
図2参照)、決済処理装置4と接続された状態で商品取引やサービス提供に応じた代金の支払い会計の際に決済処理を行うものとして構成される。
【0038】
カード情報取得部30は、決済カード2のカード情報を取得するカードリーダ装置等、通常この種の決済処理システムで用いられる公知のカード情報取得装置として構成される。
【0039】
カード利用情報取得部31は、決済カード2を利用して行われたカード利用の内容に関する情報であるカード利用情報を取得する入力装置として構成され、バーコードリーダ、テンキー、及びキーボード等の入力デバイスの他、通信手段のデバイスドライバーやメニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されるものである。
【0040】
カード利用情報は、例えば、商品やサービスの支払金額、商品やサービスの種類(商品・サービス名又は商品・サービス番号)、及び商品やサービスの数量等に関する情報を含むものである。また、決済カード2を利用した日時に関する情報である利用日時情報を有してもよい。ここでの利用日時情報は、決済カード2を利用して決済が行われた日付だけでなく、決済が行われた時間や曜日等を示す情報も含む概念である。
【0041】
端末識別情報記憶部32は、決済端末装置3毎の端末識別情報が記憶される。端末識別情報は、例えば、決済端末装置3(カード情報取得部30)毎に設定される端末IDの他、施設名、施設住所、施設の電話番号、施設のメールアドレス、及び緯度と経度とを組み合わせた座標等を含んでもよい。端末識別情報は、決済カード2を利用して決済を行う位置に関する情報である位置情報として、後述する決済処理装置4の決済情報取得部40(位置情報取得部41)にて取得される。
【0042】
決済端末装置3では、商品取引やサービス提供に応じた代金の支払いの際に、カード情報取得部30にて読み取られたカード情報(カード識別情報等)とともに、カード利用情報取得部31にて取得されたカード利用情報、及び端末識別情報記憶部32に記憶された端末識別情報等の決済情報が、通信ネットワーク10を介して後述する決済処理装置4に決済処理要求とともに送信され、決済処理装置4にて所定の決済処理が行われる(
図12等参照)。また、決済処理装置4にて決済処理が完了すると、決済処理装置4より決済報告(決済処理結果)を受信する。
【0043】
図1及び
図2に示すように、決済処理装置4は、Webサーバ、アプリケーションサーバ及びデータベース等からなるサーバ装置として構成され、CPUや主メモリ等からなる制御装置、入力装置、及び記憶装置等を具備してなり、CPUにてプログラムが実行されて情報処理されることにより各処理部での機能が実現されるように構成されている。本実施例の決済処理装置4は、決済情報取得部40、位置情報取得部41、カード情報管理部42、属性情報管理43、履歴情報管理部44、決済処理情報管理部45、決済処理情報取得部46、決済処理部47、及び出力部48等が設けられている。
【0044】
決済情報取得部40は、決済情報取得手段として構成されるものであり、決済端末装置3より送信されたカード情報、カード利用情報、及び位置情報等を決済情報として取得する。
【0045】
位置情報取得部41は、決済情報取得手段として決済情報取得部40に設けられ、決済カード2を利用して決済を行う位置に関する情報である位置情報を決済情報として取得する。位置情報は、所定のユーザが決済カード2を利用して所定の決済端末装置3にて決済を行う際の位置を特定するための情報であり、本実施例では、決済端末装置3より送信された端末識別情報を位置情報として取得する。
【0046】
位置情報としては、上述した端末識別情報の他、決済カード2の位置やユーザの位置等に関する情報であってもよい。例えば、決済カード2又は決済端末装置3が図示せぬGPS情報取得装置にてGPS信号を受信可能に構成され、位置情報取得部41にて、GPS信号に含まれる緯度と経度とを組み合わせた空間情報等を位置情報として取得するようにしてもよい。決済端末装置3が移動体(例えば、鉄道、飛行機、移動式店舗)に設置される場合には、位置情報として、決済端末装置3の空間情報を取得するか、又は決済端末装置3の端末識別情報を取得するか、いずれか好ましい情報を選択するようにしてもよい。
【0047】
位置情報としては、決済カード2又は決済端末装置3以外の装置であって、例えば、監視カメラ、人感センサ、照明等の固定設置物や、無人飛行機等の移動体に設けられた位置情報取得部41にて、外部装置や外部ネットワークから取得される空間情報や移動(導線)情報であってもよい。
【0048】
カード情報管理部42は、決済カード2のカード情報が記憶されるデータベース等として構成され、本実施例では、電子マネー情報記憶部として貨幣価値をデジタルデータ化した電子マネー情報が記憶される。カード情報管理部42には、ユーザに関する詳細情報として、ユーザID、身分証明情報、パスワード(暗証番号)、指紋や瞳の中の虹彩等の生体認証情報、年収、勤務先、勤続年数、配偶者の有無、及び救命救急のためのメディカルデータ(薬名、持病の有無、血液型の詳細)等の情報が記憶されてもよい。
【0049】
カード情報管理部42には、決済カード2のカード識別情報としての「カードID」とともに、電子マネー情報としての「電子マネー残高」、ポイント情報としての「ポイント残高」、及びクーポン情報としての「クーポン種類」等が記憶される。「電子マネー残高」及び「ポイント残高」等は、決済処理部47にて決済処理が行われることで更新される。
【0050】
属性情報管理43は、決済カード2を利用して決済を行う決済情報の属性に関する情報である属性情報が記憶されるデータベース等として構成される。属性情報としては、例えば、位置情報の場合には、空間上の特定の地点又は区域(エリア)を示す情報として、ユーザの行動履歴や外部機関(外部情報システム)からの統計情報等に基づいて地図データ上に形成される地理上の仮想境界(ジオフェンス)等として設定され、一つ又は複数のグループに分けて記憶される。このように位置情報の属性に関する情報を設定することで、位置情報により特定される空間上の特定の地点又は区域に応じた決済オケージョンに基づく決済処理が可能となり、決済処理情報の設定が容易で情報管理を簡素化できる。
【0051】
属性情報としては、上述した位置情報だけでなく、例えば、他の決済情報(カード情報及びカード利用情報)や、決済カード2を利用して決済を行う位置に関する履歴(位置履歴情報)、決済カード2を利用して決済を行うカード利用の内容に関する履歴(カード利用履歴情報)、他の決済カードを利用して決済を行うカード利用の内容に関する履歴(他カード利用履歴情報)、及び後述する決済カード2を利用した決済に影響を及ぼす環境因子(環境因子情報)等の属性に関する情報として、各種情報を一つ又は複数にグループ化して設定してもよい。
【0052】
図3に一例として示すように、本実施例の属性情報管理43には、
図2に示した観光施設エリアA、商業施設エリアB、医療施設エリアC、及びインフラ施設エリアD等の各施設エリアA〜Dにおいて、決済端末装置3が当該区域に設置されていることを示す属性情報としての「エリアコード:a〜d」が端末識別情報としての「端末ID:AAA〜DDD」毎に対応付けられて登録された属性情報管理テーブルT1が記憶される。
【0053】
履歴情報管理部44は、決済カード2を利用した決済に関する履歴情報を記憶するデータベース等として構成される。履歴情報管理部44には、上述した決済情報取得部40(位置情報取得部41)にて取得されたカード情報、カード利用情報、及び位置情報(端末識別情報)が履歴情報として順次記憶される。履歴情報は、決済端末装置3より送信されたカード利用情報に含まれる支払金額、商品やサービスの種類(識別情報)、商品やサービスの数量等に関する情報、及び累積支払金額や決済回数等に関するグロス情報等が含まれ、ユーザ識別情報及び/又はカード識別情報に対応付けられて記憶される。
【0054】
履歴情報としては、決済カード2を利用して決済を行うカード利用の内容に関する情報であるカード利用履歴情報、決済カード2を利用して決済を行う位置履歴に関する情報である位置履歴情報、及び決済カード2以外の他の決済カードを利用して決済を行うカード利用の内容に関する情報である他カード利用履歴情報等が含まれてもよい。
【0055】
図4に一例として示すように、本実施例の履歴情報管理部44には、「ユーザID」及び「カードID」とともに、履歴情報としての「端末ID」、「支払金額」、「商品・サービス名」、及び「利用日時」等が登録される履歴情報管理テーブルT2が記憶される。
【0056】
決済処理情報管理部45は、決済カード2を利用して決済を行う場面・状況(決済オケージョン)に関する所定の情報として設定される決済オケージョン情報、及び決済オケージョン情報と対応付けられた決済処理の内容に関する情報である決済処理情報が記憶されるデータベース等として構成される。決済処理情報管理部45には、一又は複数の場面・状況に関する条件を有する決済オケージョン情報が記憶され、決済オケージョン情報に対応する一又は複数の決済処理の内容を有する決済処理情報が記憶される。
【0057】
決済オケージョン情報は、場面・状況(決済オケージョン)に関する条件に関する情報であり、決済処理情報を取得するために利用される各種の情報が設定される。決済オケージョン情報としては、決済カード2の利用場面や利用状況を示すデータとして、「どこで利用したか(場所)」、「誰が又は誰と利用したか(対象)」、「何の決済に利用したか(課題)」、「いつ利用したか(時期)」、「どのように利用したか(手段)」、「どれくらい利用したか(規模)」、「なぜ利用したか(動機)」等に関する一つ又は複数の情報が含まれ、例えば、決済情報(含む位置情報)の他、決済カード2を利用して決済を行う位置に関する履歴(位置履歴情報)、決済カード2を利用して決済を行うカード利用の内容に関する履歴(カード利用履歴情報)、他の決済カードを利用して決済を行うカード利用の内容に関する履歴(他カード利用履歴情報)、及び後述する決済カード2を利用した決済に影響を及ぼす環境因子(環境因子情報)等の中から選ばれた一又は複数の条件が組み合わされる。
【0058】
決済オケージョン情報は、動的決済処理システム1の管理者や決済カード2を利用して決済を行うユーザ等にて予め設定される他、変数やその一部等を利用して決済処理情報を得るために、一以上の関数や、メソッド名や、制御構文やアルゴリズム等の予め用意された情報を用いて生成されてもよい。
【0059】
決済処理情報は、決済を行うユーザに特別に与えられる待遇や特典等の決済処理の内容に関する情報を含むものである。決済処理の内容としては、決済カード2の認証レベルを変更する処理、決済カード2を利用した支払金額の割引率を変更する処理、購入した商品又はサービスのアップグレード処理、ポイント付与の処理、クーポン発行の処理、及びユーザステータスを上位のステイタスに変更する処理の他、例えば、出力方法としての請求書の発行に関する処理や、個人情報出力の有無に関する処理等が含まれてもよい。
【0060】
図5乃至
図11に一例として示すように、本実施例の決済処理情報管理部45には、「端末ID」、「エリアコード」、「支払金額」、「商品・サービス名」、及び「利用日時」等の各種の決済オケージョン情報が登録され、この決済オケージョン情報に対応付けられた決済処理情報として、決済カード2のユーザであることの証明度合いを示す「認証レベル」、支払金額に対する割引率を示す「割引率」、及び決済時に与されるポイントの内容を示す「ポイント付与」等の決済処理の内容が登録される決済情報管理テーブルT3が記憶される。
【0061】
「認証レベル」は、例えば、カードIDのみでの認証が可能な証明度合いの低い「簡易認証」から、ユーザIDでの認証を要する「ユーザID認証」、パスワードでの認証を要する「パスワード認証」、及び指紋や瞳の中の虹彩等の生体認証情報での認証する「生体認証」等として証明度合いに応じてそれぞれ設定される。これらの認証レベルは、後述する決済処理部47にて、上述したカード情報管理部42に記憶されるカード情報と対比されることで認証処理が行われる。このように、決済処理情報が決済カード2のユーザであることの証明度合いを変更する処理を含むことで、施設や区域における決済オケージョン(例えば、決済対象である商品やサービスの種類等)に応じて認証レベルを変動させることができ、決済カード2を利用するユーザに対する利便性を損なうことなく決済情報等の保守管理を徹底できる。
【0062】
「割引率」は、決済時の支払金額に対する百分率による割引率(%)として表され、例えば、「3%」、「5%」、「10%」、「20%」、及び「30%」等として設定される。このように、決済処理情報が決済カード2を利用した支払金額に対する割引率を変更する処理を含むことで、施設や区域における決済オケージョン(例えば、決済対象である商品やサービスの種類等)に応じて、決済カード2を利用するユーザに対して好適な決済サービスを提供できる。
【0063】
「ポイント付与」は、決済時の支払金額に対して任意に設定されるポイント割合として表され、例えば、「2倍」、及び「3倍」等として設定される。なお、「ポイント付与」は、特定の施設内のみ利用可能なポイントとして「施設内ポイント付与」が設定されてもよい。
【0064】
例えば、
図5に示す決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:a」、「エリアコード:b」、及び「エリアコード:d」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「認証レベル:簡易認証」が設定され、「エリアコード:c」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「認証レベル:パスワード認証」が設定されている。このように、異なる決済オケージョン(「エリアコード」)ごとに異なる決済処理(「認証レベル」)が設定されてもよい。
【0065】
また、
図6に示す決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:b」及び「支払金額:5千円未満」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「認証レベル:簡易認証」が設定され、「エリアコード:b」及び「支払金額:5千円以上1万円未満」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「認証レベル:ユーザID認証」が設定され、「エリアコード:b」及び「支払金額:1万円以上」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「認証レベル:パスワード認証」が設定されている。このように、複数の決済オケージョンの組み合わせ(「エリアコード」、「支払金額」)に応じて異なる決済処理(「認証レベル」)が設定されてもよい。かかる場合は、決済カード2を利用するユーザは、商業施設エリアBでの支払金額が5千円未満の場合は簡易認証でよいが、同じ商業施設エリアBでの支払金額が5千円以上1万円未満の場合はユーザID認証、及び支払金額が1万円以上の場合はパスワード認証がそれぞれ要求される。
【0066】
また、
図7に示す決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:a」及び「商品・サービス名:飲料AA」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:3%」が設定され、「エリアコード:b」及び「商品・サービス名:飲料AA」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:5%」が設定され、「エリアコード:b」及び「商品・サービス名:飲料BB」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:10%」、及び「ポイント付与:2倍」が設定されている。このように、複数の決済オケージョンの組み合わせ(「エリアコード」、「商品・サービス名」)に応じて異なる複数の決済処理の組み合わせ(「割引率」、「ポイント付与」)が設定されてもよい。かかる場合は、決済カード2を利用するユーザは、観光施設エリアAで飲料AAを購入する場合は割引率3%であるが、商業施設エリアBで同じ飲料AAを購入する場合は割引率5%の特典を受けることができる。また、同じ商業施設エリアBであっても飲料AAとは異なる飲料である飲料BBを購入する場合はさらに割引率10%、ポイント付与2倍の特典を受けることができる。
【0067】
また、
図8に示す決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:b」、「商品名:飲料BB」及び「利用日時:yy年mm月dd日13:00〜17:00」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:10%」が設定されている。かかる場合も上記と同様に、複数の決済オケージョンの組み合わせ(「エリアコード」、「商品名」、「利用日時」)に応じて異なる決済処理(「割引率」)が設定される場合であり、決済カード2を利用するユーザは、商業施設エリアBで飲料BBを購入する場合であっても、特定の利用日時(yy年mm月dd日13:00〜17:00)には、割引率10%の特典を受けることができる。
【0068】
また、
図9に示す決済情報管理テーブルT3には、「端末ID:AAA→BBB」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:5%」が設定され、「端末ID:AAA→DDD→BBB」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:10%」が設定されている。このように、位置履歴を含む決済オケージョン(「端末ID」)に応じて異なる決済処理(「割引率」)が設定されてもよい。かかる場合は、決済カード2を利用するユーザは、観光施設エリアAの特定の施設(端末ID:AAA)にて決済を行った後に、商業施設エリアBの特定の施設(端末ID:BBB)で決済を行う場合は割引率5%の特典を受けることができ、さらに観光施設エリアAの特定の施設にて決済を行った後、インフラ施設エリアDの施設(端末ID:DDD)にて決済し、その後商業施設エリアBの特定の施設(端末ID:BBB)で決済を行う場合は割引率10%の特典を受けることができる。
【0069】
また、
図10に示す決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:b」及び「商品・サービス名:雑誌CC→レコードDD」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:5%」が設定され、「エリアコード:b」及び「商品・サービス名:雑誌CC→映画チケットEE」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:10%」が設定されている。このように、カード利用履歴を含む決済オケージョンの組み合わせ(「エリアコード」、「商品・サービス名」)に応じて異なる決済処理(「割引率」)が設定されてもよい。かかる場合は、商業施設エリアBで決済カード2を利用するユーザは、雑誌CCを購入した後にレコードDDを購入する場合は割引率5%の特典を受けることができ、雑誌CCを購入した後に映画チケットEEを購入する場合は割引率10%の特典を受けることができる。
【0070】
また、
図11に示す決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:b」、「カードID:111→222」及び「商品・サービス名:映画ケットEE」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:5%」が設定され、「エリアコード:b」、「カードID:111→222→333」及び「商品・サービス名:映画チケットEE」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:10%」が設定されている。このように、他カード利用履歴を含む決済オケージョンに応じて異なる決済処理(「割引率」)が設定されてもよい。かかる場合は、商業施設エリアBで決済カードを利用するユーザは、所定の決済カード(カードID:111)を利用して映画チケットEEを購入した後に、他のユーザ等が他の決済カード(カードID:222)を利用して連続して映画チケットEEを購入する場合はグループ割引として割引率5%の特典を受けることができ、さらに続いて更に他のユーザが他の決済カード(カードID:333)を利用して映画チケットEEを購入する場合は更に割引率10%の特典を受けることができる。
【0071】
図1に戻って、決済処理情報取得部46は、決済処理情報管理部45に記憶される決済処理情報から、決済情報取得部40(位置情報取得部41)が取得した決済情報等が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得する。決済処理情報取得部46は、決済情報取得部40(位置情報取得部41)が取得したカード情報、カード利用情報、及び位置情報の他に、属性情報管理部43に記憶される属性情報、並びに履歴情報管理部44に記憶される履歴情報等の各情報に基づいて、決済処理情報管理部45の決済情報管理テーブルT3に登録された決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得する。
【0072】
具体的には、決済処理情報取得部46は、決済情報取得部40(位置情報取得部41)が取得したカード情報、カード利用情報、及び位置情報の他に、属性情報管理43の属性情報管理テーブルT1から取得した所定の属性情報、並びに履歴情報管理部44の履歴情報管理テーブルT2から取得した所定の履歴情報(位置履歴情報、カード利用履歴情報、及び他カード利用履歴情報)等の各種情報に基づいて、決済処理情報管理部45の決済情報管理テーブルT3に登録された決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得する。
【0073】
決済処理部47は、決済情報取得部40が取得したカード利用情報に含まれる商品やサービスの支払金額とカード情報管理部42に記憶された電子マネー情報とを対比し、済処理情報取得部46にて決済処理情報が獲得された場合は、かかる決済処理情報に基づいて決済処理を行って、カード情報管理部42の「電子マネー残高」又は「ポイント残高」等を更新する。なお、商品やサービスの支払金額と電子マネー情報とを対比して、カード情報管理部42の「電子マネー残高」が商品取引やサービス提供に応じた金額に満たない場合は決済処理を行わない。
【0074】
例えば、済処理情報取得部46が決済処理情報として「認証レベル」を取得した場合は、決済処理部47では、「ユーザID認証」の場合は、決済情報取得部40が取得したカード情報(ユーザID)とカード情報管理部42に記憶されるカード情報(ユーザID)とを対比して追加の認証処理を行い、「パスワード認証」及び「生体認証」の場合は、決済端末装置3等を介してパスワード又は生体認証情報の入力を要求した後、カード情報管理部42に記憶されるカード情報(パスワード情報及び生体認証情報)と対比して追加の認証処理を行う。
【0075】
また、決済処理情報取得部46が決済処理情報として「割引率」を取得した場合は、決済処理部47では、商品やサービスの支払金額を所定の割引率で割り引く処理を行い、済処理情報取得部46が決済処理情報として「ポイント付与」を取得した場合は、所定の付与率でポイントを付与する処理を行う。
【0076】
決済処理部47は、決済済処理情報取得部46にて決済処理情報が取得されない場合は、決済情報取得部40が取得したカード利用情報に含まれる商品やサービスの支払金額とカード情報管理部42に記憶された電子マネー情報とを対比して通常の決済処理を行う。
【0077】
なお、決済処理部47では、電子マネーチャージ用ICカード利用機(図略)からのチャージ要求を受けて、カード情報管理部42に記憶された電子マネー情報を更新して「電子マネー残高」を増加させる処理を行うようにしてもよい。また、決済処理部47では、決済処理に先立ち、カード情報管理部42に記憶されるカード情報(カードID)と決済情報取得部40が取得したカード情報(カードID)とを対比して認証処理を行うようにしてもよい。この場合、身分証明情報に基づいて年齢や国籍等のパスポート情報に基づくユーザの身元の特定処理等を行うようにしてもよい。
【0078】
出力部48は、決済端末装置3に決済報告(決済処理結果)を送信する。決済報告としては、決済処理が完了した旨の通知や、認証がエラーとなり正常に処理されなかった場合又は電子マネー残高が不足していた場合等、決済処理が完了しなかった旨の通知等が含まれる。また、出力部48は、決済処理が完了した場合は、決済カード管理会社(本実施例では電子マネー管理会社)の決済サーバ(図略)へ決済報告を送信する。
【0079】
次に、本実施例の動的決済処理システム1を用いた動的決済処理方法について、以下に説明する。
図12乃至
図14に示すように、本実施例の動的決済処理方法は、決済カード2を利用して決済を行う場面・状況に関する情報として設定される決済オケージョン情報、及び決済オケージョン情報と対応付けられた決済処理の内容についての情報である決済処理情報が記憶される決済処理情報管理部45を具備してなる動的決済処理システム1を用いた動的決済処理方法であって、決済カード2を利用した決済に関する情報である決済情報を取得する決済情報取得工程S101と、決済処理情報管理部45に記憶される決済処理情報から、決済情報取得工程S101にて取得した決済情報等が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得する決済処理情報取得工程S103(S110〜S113)と、決済処理情報取得工程S103にて取得した決済処理情報に基づいて決済処理を行う決済処理工程S104(S120〜S127)等とを有してなるものである。
【0080】
本実施例で用いられる動的決済処理システム1は、上述したように、決済カード2のカード情報記憶部20に所定のカード情報が記憶され、決済端末装置3の端末識別情報記憶部32に所定の端末識別情報が記憶される。また、決済処理装置4のカード情報管理部42に決済カード2のカード情報として「カードID」とともに、電子マネー情報としての「電子マネー残高」、ポイント情報としての「ポイント残高」等が記憶され、属性情報管理部43に属性情報としての「エリアコード」が「端末ID」毎に対応付けられて登録された属性情報管理テーブルT1(
図3参照)が記憶され、履歴情報管理部44に「ユーザID」及び「カードID」とともに、履歴情報としての「支払金額」等が登録される履歴情報管理テーブルT2(
図4参照)が記憶され、決済情報管理部45に決済オケージョン情報として「端末ID」等が登録され、決済オケージョン情報に対応付けられた決済処理情報として「認証レベル」等の決済処理が登録される決済情報管理テーブルT3(
図5乃至
図11参照)が記憶される。
【0081】
決済カード2を利用してユーザが決済を行う際には、例えば、所定の施設内に設置された決済端末装置3にて決済カード2のカード情報が読み取られ、かかる決済端末装置3より決済処置装置4に向けて決済処理要求とともに、カード情報、カード利用情報、及び端末識別情報が送信される。
【0082】
決済処置装置4は、決済情報取得部40(位置情報取得部41)にて、決済端末装置3より送信された決済処理要求を受信し(S100)、カード情報、カード利用情報、及び端末識別情報等の決済情報を取得する(S101)。決済情報取得部40が取得したカード情報、カード利用情報、及び端末識別情報等の決済情報に基づいて、決済処理情報取得部46及び決済処理部47にて所定の情報処理が行われる。また、履歴情報管理部44では、かかるカード利用情報等が履歴情報として履歴情報管理テーブルT2(
図4参照)に順次記憶される。
【0083】
決済処置装置4は、後述する決済処理に先立ち、決済処理部47にて、決済情報取得部40が取得したカード情報(カード識別情報)とカード情報管理部42に記憶されるカード情報とを対比して認証処理を行う(S102)。その結果、カード情報管理部42に記憶されるカード情報と一致するカード情報が抽出されず認証エラーとなった場合は、決済端末装置3に決済処理が完了しなかった旨の通知(決済処理結果)を送信して決済処理を終了する(S106)。
【0084】
一方、決済処理部47にて、カード情報管理部42に記憶されるカード情報と一致するカード情報が抽出されて認証が正常に処理された場合は、位置情報取得部41にて、決済端末装置3の端末識別情報(端末ID)を位置情報として取得する。
【0085】
次いで、決済処置装置4は、決済処理情報取得部46にて、決済処理情報管理部45に記憶される決済処理情報から、決済情報取得部40が取得した決済情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得し(S103)、かかる決済処理情報に基づいて決済処理を行う(S104)。
【0086】
ここで、決済処理情報取得工程(S103)、及び決済処理工程(S104)について、以下に詳述する。なお、以下では、決済処理情報として「認証レベル」又は「割引率」が取得される場合について説明する。
【0087】
図13に示すように、決済処理情報取得工程(S103)は、決済処理情報取得部46にて、属性情報管理43の属性情報管理テーブルT1から位置情報取得部41が取得した位置情報としての端末識別情報に対応する属性情報を抽出し(S110)、及び履歴情報管理部44の履歴情報管理テーブルT2から所定の履歴情報(位置履歴情報、カード利用履歴情報、及び他カード利用履歴情報)を取得する(S111)。
【0088】
そして、決済情報取得部40(位置情報取得部41)が取得したカード情報、カード利用情報、及び端末識別情報とともに、属性情報管理43の属性情報管理テーブルT1から取得した所定の属性情報、並びに履歴情報管理部44の履歴情報管理テーブルT2から取得した所定の履歴情報(位置履歴情報、カード利用履歴情報、及び他カード利用履歴情報)の各種情報に基づいて、決済処理情報管理部45の決済情報管理テーブルT3に登録された決済オケージョンを満たす情報を抽出し、その結果、決済処理情報管理部45の決済情報管理テーブルT3に登録された決済オケージョンを満たす情報が抽出された場合は(S112)、かかる情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得して、決済処理部47へと送る(S113)。
【0089】
例えば、
図5を参照して、医療施設エリアCにてユーザが決済カード2を利用して決済端末装置3(「端末ID:CCC」)にて決済を行う場合は、決済処理情報取得部46では、属性情報管理テーブルT1から取得される端末識別情報(「端末ID:CCC」)に対応する属性情報(「エリアコード:c」)が、決済情報管理テーブルT3に登録された決済オケージョン(「エリアコード」)を満たす情報として抽出され、かかる情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報(「認証レベル:パスワード認証」)が取得される。
【0090】
また、例えば、
図7を参照して、商業施設エリアBにてユーザが「飲料AA」を購入する際に決済カード2を利用して決済端末装置3(「端末ID:BBB」)にて決済を行う場合は、決済処理情報取得部46では、属性情報管理テーブルT1から取得される端末識別情報(「端末ID:BBB」)に対応する属性情報(「エリアコード:b」)、及び決済情報取得部40が取得したカード利用情報(「商品・サービス名:飲料AA」)が、決済情報管理テーブルT3に登録された決済オケージョン(「エリアコード」、「商品・サービス名」)を満たす情報として抽出され、かかる情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報(「割引率:5%」)が取得される。
【0091】
なお、決済情報管理テーブルT3に登録された決済オケージョンを満たす情報が抽出されない場合は(S112)、その旨を後述する決済処理部47へと送る。
【0092】
図14に示すように、決済処理工程(S104)では、まず、決済処理部47にて、済処理情報取得部46にて決済処理情報が取得されない場合は(S120)、決済情報取得部40が取得したカード利用情報に含まれる商品やサービスの支払金額に基づいて決済金額を確定する(S124)。一方、済処理情報取得部46にて決済処理情報が取得された場合は(S120)、かかる決済処理情報の内容に従って処理を行う。
【0093】
例えば、上述したように、済処理情報取得部46が決済処理情報(「認証レベル:パスワード認証」)を取得した場合は、決済処理部47では、決済端末装置3を介してパスワードの入力を要求した後、カード情報管理部42に記憶されるカード情報(パスワード情報)と対比して追加の認証処理を行う(S121)。このとき、決済処理部47にて認証エラーとなった場合は、決済処理を完了しないままで決済処理結果を確定させる(S127)。
【0094】
また、例えば、上述したように、済処理情報取得部46が決済処理情報(「割引率:5%」)を取得した場合は(S122)、決済処理部47では、商品やサービスの支払金額を所定の割引率で割り引く処理を行って(S123)、決済金額を確定する(S124)。
【0095】
次いで、決済情報取得部40が取得したカード利用情報に含まれる商品やサービスの支払金額、又は上記で確定した決済金額とカード情報管理部42に記憶された電子マネー情報とを対比して(S125)、カード情報管理部42の「電子マネー残高」が確定した決済金額より多い場合は、「電子マネー残高」を決済金額相当の電子マネー分を減額して更新し(S126)、決済処理結果を確定する(S127)。一方、「電子マネー残高」が確定した決済金額に満たない場合等は、決済処理を完了しないままで決済処理結果を確定する(S127)。
【0096】
そして、
図12に戻って、決済処理工程(S104)にて確定した決済処理の結果を受けて、出力部48にて決済端末装置3等に決済報告(決済処理結果)を送信する(S106)。
【0097】
以上のように、本実施例の動的決済処理システム1は、決済オケージョンに応じて決済処理の内容を変動させる動的決済処理システムであって、決済カード2を利用した決済に関する情報である決済情報を取得する決済情報取得部40と、決済カード2を利用して決済を行う場面・状況に関する情報として設定される決済オケージョン情報、及び決済オケージョン情報と対応付けられた決済処理の内容についての情報である決済処理情報が記憶される決済処理情報管理部45と、決済処理情報管理部45に記憶される決済処理情報から決済情報取得部40が取得した決済情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得する決済処理情報取得部46と、決済処理情報取得部46が取得した決済処理情報に基づいて決済処理を行う決済処理部47と、を具備してなるため、決済カード2を利用するユーザの利便性に優れ、かつ利用者にて決済オケージョンに応じた好適な決済サービスを提供できるのである。
【0098】
すなわち、本実施例の動的決済処理システム1では、決済オケージョン情報、及び決済オケージョン情報と対応付けられた決済処理情報が記憶される決済処理情報管理部45を有しており、決済処理情報取得部46にて決済情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得し、決済処理部47にてかかる決済処理情報に基づいて決済処理を行うように構成されるため、決済カード2の利用場面や利用状況等の決済オケージョンに応じて決済処理の内容を適切に変動させることができ、決済カード2を利用するユーザの利便性向上やストレス低減に寄与できるとともに、動的決済処理システム1の利用者の立場から見れば、ユーザ囲い込みによるカード決済の利用を推進でき、ユーザに対して多様な決済オケージョンに応じた好適な決済サービスを適宜提供できるようになる。
【0099】
特に、決済処理情報管理部45には、決済カード2を利用して決済を行う決済情報の属性に関する情報である属性情報を含む決済オケージョン情報が記憶されており、決済処理情報取得部46は、決済処理情報管理部45から属性情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得するように構成されているため、決済情報をクループ化してそれぞれの決済オケージョンを設定することで、ユーザに対してより好適な決済サービスを提供できる。
【0100】
また、決済カード2を利用して決済を行う決済情報の属性に関する情報である属性情報が記憶される属性情報管理部43を具備してなり、決済処理情報管理部45には、属性情報を含む決済オケージョン情報が記憶されており、決済処理情報取得部46は、属性情報管理部43から決済情報取得部40が取得した決済情報に対応する属性情報を取得し、決済処理情報管理部45から属性情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得するように構成されているため、決済情報をクループ化してそれぞれの決済オケージョンを設定することで、ユーザに対してより好適な決済サービスを提供できる。
【0101】
また、決済処理情報管理部45には、決済カード2を利用して決済を行う位置に関する情報である位置情報を含む決済オケージョン情報が記憶されており、決済処理情報取得部46は、決済処理情報管理部45から位置情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得するように構成されているため、決済が行われる施設やユーザの移動導線に応じた決済オケージョンを設定することで、ユーザに対してより好適な決済サービスを提供できる。
【0102】
また、決済処理情報管理部45には、決済カード2を利用して決済を行う位置に関する履歴情報である位置履歴情報を含む決済オケージョン情報が記憶されており、決済処理情報取得部46は、決済処理情報管理部45から位置履歴情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得するように構成されているため、所定施設への正当な誘引や所定商品・サービスの販売提供促進等が期待でき、ユーザに対してより好適な決済サービスを提供できる。
【0103】
また、決済処理情報管理部45には、決済カード2を利用して決済を行うカード利用の内容に関する履歴情報であるカード利用履歴情報を含む決済オケージョン情報が記憶されており、決済処理情報取得部46は、決済処理情報管理部45からカード利用履歴情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得するように構成されているため、所定施設への正当な誘引や所定商品・サービスの販売提供促進等が期待でき、ユーザに対してより好適な決済サービスを提供できる。
【0104】
また、決済処理情報管理部45には、他の決済カードを利用して決済を行うカード利用の内容に関する履歴情報である他カード利用履歴情報を含む決済オケージョン情報が記憶されており、決済処理情報取得部46は、決済処理情報管理部45から他カード利用履歴情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報報を取得するように構成されているため、所定施設への正当な誘引や所定商品・サービスの販売提供促進等が期待でき、ユーザに対してより好適な決済サービスを提供できる。
【0105】
なお、動的決済処理システム1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。以下に示す実施例では、上記実施例と符号が同じものは特に言及する場合を除いて同一に構成され、詳細な説明は省略する。
【0106】
すなわち、上述した実施例の動的決済処理システム1(
図1等参照)は、決済処理情報管理部45に記憶される決済オケージョン情報として、位置情報をはじめ各種の情報が設定されるが(
図5乃至
図11参照)、かかる決済オケージョン情報はこれに限定されず、例えば、
図15に示す実施例の動的決済処理システム100のように、決済情報取得手段として決済情報取得部40に設けられ、決済カード2を利用した決済に影響を及ぼす環境因子に関する情報である環境因子情報を決済情報として取得する環境因子情報取得部49を有してなり、決済処理情報管理45には、かかる環境因子情報を含む決済オケージョン情報が記憶され、決済処理情報取得部46は、決済処理情報管理部45から環境因子情報が満たす決済オケージョン情報に対応する決済処理情報を取得するように構成されてもよい。
【0107】
環境因子情報は、決済カード2を利用した決済に影響を及ぼす環境因子に関する情報であり、本実施例の環境因子取得部49は、外部のデータベース、Webサイト、ソーシャルメディア等の外部情報システム6より入手される情報を環境因子情報として取得する。環境因子情報としては、例えば、決済時の天気(予報)、株価、変動する数値の大小関係を比率などの形にして表した指標としての○○指数(例えば、消費者物価指数、暑さ指数等)、ソーシャル指標(例えば、検索数、動画閲覧数、訪問者数、口コミ数、投稿・コメント数、リンク数、リツイート数、リード数、会話のシェア数等)に関する情報が挙げられる。
【0108】
例えば、
図16に一例として示すように、本実施例の決済処理情報管理部45に記憶される決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:b」、「商品名:飲料BB」及び「天気:晴れ」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:5%」が設定され、「エリアコード:b」、「商品名:飲料BB」及び「天気:曇り」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:8%」が設定され、「エリアコード:b」、「商品名:飲料BB」及び「天気:雨」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「割引率:10%」が設定されている。このように、環境因子情報を含む決済オケージョン(「エリアコード」、「商品名」、「天気」)に応じて異なる決済処理(「割引率」)が設定されてもよく、かかる場合には、決済カード2を利用するユーザは、商業施設エリアBで同じ飲料BBを購入する場合であっても天気の変化に応じて異なる特典(割引)を受けることができる。
【0109】
また、上述した実施例の動的決済処理システム1(
図1等参照)は、決済オケージョンに応じて決済処理の内容を変動させる決済処理システムとしてその他の多様な決済サービスに適用することができ、例えば、カジノを含む統合型リゾートで外国人旅行者向けに提供される決済サービスの決済処理システムとして好ましく構成できる。一例として、
図17乃至
図19に示す実施例の動的決済処理システム200では、カジノを含む統合型リゾートとして、観光施設、ホテル・量販店・レストラン・コンビニエンスストアの商業施設、医療施設、バスや鉄道等があるインフラ施設、及びカジノ施設等で決済を行う際に、決済オケージョンに応じて決済処理の内容を変動させる決済処理システムとして構成されている。
【0110】
現在わが国では、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、税収により地方公共団体の財政改善に資するとして、いわゆるIR(Integrated Resort)の本格導入へ向けた議論が進められているところである。このIRとは、カジノ施設、レクリエーション施設、MICE(会議場施設ならびに展示施設等)、エンターテイメント施設、及び宿泊施設等の観光振興に寄与すると認められる施設が一体となっている複合観光施設の総称であり、特に、2020年の東京オリンピック開催の決定を受けて、インバウンドツーリズム(外国人旅行者)の囲い込みによる観光収益向上の機運も高まりつつある中、交通・通信等の各種インフラ整備も含めたカジノを含む統合型リゾート関連事業の推進が期待され、日本国の成長戦略に資する観光産業の一助になるとされている。
【0111】
このような統合型リゾートにおいて、カジノ施設のみならず、日本国内の他の一般商業施設や交通インフラ、公共インフラにて決済を行う際に、決済オケージョンに応じて好適な決済サービスを受けることができる決済処理システムを構築することができれば、外国人旅行者にとって利便性が向上し、カジノを含む統合型リゾートへ外国人旅行者を自然誘致することができるとともに、外国人旅行者の滞在中に要する生活や移動においてストレスの無い多様なサービスを提供できるものと期待される。すなわち、外国人旅行者の観光動線の多様化に対応したシームレスな電子マネー決済システムを構築することで、インバウンド戦略と並行して整備しなければならない日本国内の「おもてなしサービス」に資するものとして、観光産業並びに地域経済の振興に多大に貢献できるものと期待される。
【0112】
本実施例の決済端末装置3は、観光施設エリアAのカウンタ等上述した実施例と同様の配置に加えて、カジノ施設がある区域としてのカジノ施設エリアEにてカウンタやゲーム機等に設置され、カジノ施設に設置されるカジノ施設装置7を構成する入退場装置70、カジノゲーム機用の遊技金購入装置71、テーブルゲーム機用のチップ購入装置72、及び賞金払戻装置73等と接続される(
図19参照)。
【0113】
入退場装置70は、カジノ施設の入退場口に設置され、カジノ施設への入場の際に入場料を徴収するための装置である。入退場装置70に接続された決済端末装置3により、入場料の支払いが電子マネーにて決済可能とされる。
【0114】
遊技金購入装置71は、スロットマシン、ポーカーマシン、ダイスマシン、ダーツマシンのようにゲームを電子式や機械式で行うゲーム機にて使用する遊技金(コイン、紙幣、プリペイドカード等)を購入するための装置であり、また、チップ購入装置72は、テーブルゲームのように遊技金を直接取扱わないゲーム機にて使用するチップやメダル等を購入するための設置である。遊技金購入装置71及びチップ購入装置72に接続された決済端末装置3により、遊技金やチップの購入の際のゲーム対価の支払いが電子マネーにて決済可能とされる。
【0115】
賞金払戻装置73は、ゲーム機にてコインや紙幣の他、獲得賞金の総額を表す情報が記録されたチケットやクーポン等の形式で発行された獲得賞金の払い戻しを受けるための装置である。賞金払戻装置53に接続された決済端末装置3により、賞金の払い戻しが電子マネーにて決済可能とされ、コインやチケット等の賞金総額に対応する額の電子マネーが電子マネー情報としてカード情報管理部42に記憶される。
【0116】
また、本実施例の決済処理装置4は、上述した実施例(
図1参照)の構成に加えて、カジノ決済管理部50、カジノ事業者税徴収管理部51、及び利用者税徴収管理52等が設けられている。
【0117】
カジノ決済管理部50は、決済処理部47にて決済処理されたゲーム対価の支払いに応じた支払金情報及び賞金払い戻しに基づく払戻金情報を記憶するものである。カジノ決済管理部50では、ユーザの支払いや賞金だけでなく、ゲーム機毎の遊技金や賞金等の履歴等、カジノ施設の運営を規制する当局(国、地方公共団体、又は各地の公安委員会やゲーム規制委員会等)の定める事項が管理されて記憶される。このように、カジノ決済管理部50にて各種情報が管理されることで、例えば、当局に対する報告義務を適正に履行するなどして、カジノ施設の健全性を担保できる。
【0118】
カジノ事業者税徴収管理部51は、カジノ決済管理部50に記憶された支払金情報及び払戻金情報に基づいてカジノ事業者が国又は地方公共団体に納付すべきカジノ税額を演算して記憶するものである。このカジノ税額は、支払金及び払戻金に国又は地方公共団体が定めるカジノ税率を掛け合わせて演算処理することで決定される。カジノ税としては、国又は地方税の他に、例えば、地域還元資金として利用するために徴収されるものや、外国人旅行者に対するインバウンド事業者等に提供されるCSR事業費用として徴収されるものなどが含まれてもよい。
【0119】
一例を紹介すると、フランスのアンギャンレバン市では、実際にカジノ税を地域に還元する取り組みが行われている。アンギャンレバン市は、「ユネスコ創造都市ネットワーク」にも選定される等、市の総予算の13%を文化事業に充てており、その中で、主にカジノ税を環境美化、建築物保存、及び教育施設の拡充等の地域の安全・安心に資する事業資金として地域に還元している。そして、調査によると、カジノ事業者や市民において、カジノ税が地域の教育や街づくりに寄与し、健やかな発展の一助になっているという意識を持っているという報告もなされている。事実、アンギャンレバン市は、フランスで最も美しい町の一つとして認知されつつあり、治安も良く、さらには住宅地の土地価格がヴァルドワーズ県内で最も高いなど、パリ北部の郊外都市のうちで特別な地位を占めるに至っており、カジノ施設を中心としたブランディングの成果を上げているという実態がある。
【0120】
カジノ事業者税徴収管理部51では、例えば、カジノ施設でユーザがゲーム対価として支払った支払金総額に対する定率にカジノ税が規定されている場合は、カジノ決済管理部50から支払金総額に関する支払金情報を読み出して、カジノ税額を演算する。また、例えば、カジノ施設でユーザがゲーム対価として支払った支払金と賞金として受け取った払戻金との差額に対する定率にカジノ税が規定されている場合は、カジノ決済管理部50から支払金に関する支払金情報と払戻金に関する払戻金情報をそれぞれ読み出して、その差額よりカジノ税額を演算する。
【0121】
このように、カジノ事業者税徴収管理部51にてカジノ税額が適正に管理されることで、カジノ事業者からの適正な税徴収が可能となり、国又は地方公共団体の財政改善に寄与できる
【0122】
なお、カジノ事業者税徴収管理部51は、管轄する地方公共団体等の通信制御部と通信ネットワークを介して接続されて、管理されているカジノ税額が閲覧可能とされてもよく、また国又は地方公共団体の定める所定銀行の振込口座にネットワークを介して接続されて、カジノ税額をオンラインで納付可能とされてもよい。
【0123】
利用者税徴収管理部52は、決済処理部47にて決済処理された払戻金が所定額以上の場合に、ユーザが国又は地方公共団体に納付すべき税額を演算して記憶するものである。ユーザが国又は地方公共団体に納付すべき税額は、払戻金に国又は地方公共団体が定める所定税率を掛け合わせて演算処理することで決定される。このように、利用者税徴収管理部52にてカジノ利用者からの適正な税徴収を可能とすることで、国又は地方公共団体の財政改善に寄与できる。
【0124】
本実施例の動的決済処理システム200は、上述した実施例と同様の一般的な決済処理に加えて、カジノ施設におけるカジノサービスで発生したゲーム対価の支払い又は賞金払い戻し等の際に、例えば、カジノ施設エリアにおける決済において電子マネーの利用枠(上限額)を変更する処理、カジノ施設でのゲーム機で発生した賞金払い戻しの利率を変更する処理、及びカジノ施設でのゲーム機で発生した払戻金に基づくユーザが国又は地方公共団体に納付する税率を変更する処理等が行われる。
【0125】
属性情報管理43に記憶される属性情報管理テーブルT1(図略)には、観光施設エリアA、商業施設エリアB、医療施設エリアC、インフラ施設エリアD、及びカジノ施設エリアE等の各施設エリアA〜E内に設置される決済端末装置3が当該区域に設置されていることを示す属性情報としての「エリアコードa〜e」が「端末ID」毎に対応付けられて登録される。
【0126】
済処理情報管理部45に記憶される決済情報管理テーブルT3(図略)には、決済処理情報として、電子マネーの利用枠(上限額)を示す「電子マネー利用枠」、カジノ施設でのゲーム機で発生した賞金払い戻しの利率を示す「賞金払い戻し利率」、及びジノ施設でのゲーム機で発生した払戻金に基づくユーザが国又は地方公共団体に納付する税率を示す「納付税率」等の決済処理の内容が登録される。このように、決済処理情報が電子マネーの利用枠を変更する処理を含むことで、例えば、カジノ施設でのみ電子マネーの利用枠を拡大するようにすれば、通常施設での決済時のユーザ保護策及びマネーロンダリング防止策を担保しながら、カジノ利用者の利便性を向上できる。
【0127】
例えば、
図20に示す決済情報管理テーブルT3には、「エリアコード:b」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「電子マネー利用枠:5万円」が設定され、「エリアコード:e」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「電子マネー利用枠:25万円」が設定される。かかる場合は、商業施設エリアBで決済カード2を利用するユーザは、電子マネーの利用枠(上限額)が5万円であるが、カジノ施設エリアEで決済カード2を利用する場合は25万円に変更されて拡大される。
【0128】
また、
図21に示す決済情報管理テーブルT3には、「端末ID:EFE」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「賞金払い戻し利率:3%」が設定され、「端末ID:EFE→EFF」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「賞金払い戻し利率:5%」が設定され、「端末ID:EFE→EFF→EFG」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「賞金払い戻し利率:8%」が設定される。かかる場合は、決済カード2を利用するユーザは、カジノ施設エリアEの特定のゲーム機(端末ID:EFE)で発生した賞金払い戻しに基づく払戻金を決済する場合は賞金払い戻し利率3%の特典を受けることができ、同じ施設内で連続して異なるゲーム機(端末ID:EFE→EFF)で発生した賞金払い戻しに基づく払戻金を決済する場合は賞金払い戻し利率5%の特典を、さらに連続して異なるゲーム機(端末ID:EFE→EFF→EFG)で発生した賞金払い戻しに基づく払戻金を決済する場合は賞金払い戻し利率8%の特典を受けることができる。
【0129】
また、
図22に示す決済情報管理テーブルT3には、「端末ID:EFE」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「納付税率:1%」が設定され、「端末ID:EFG」の決済オケージョン情報に対応する決済処理情報として「納付税率:0.5%」が設定される。かかる場合は、決済カード2を利用するユーザは、カジノ施設エリアEの特定のゲーム機(端末ID:EFE)で発生した払戻金に基づく国又は地方公共団体に納付する税の税率が1%であるが、異なるゲーム機(端末ID:EFG)の場合は税率が0.5%となる特典を受けることができる。
【0130】
決済処理装置4による決済処理の流れは上述した実施例(
図1等参照)と同様であるが、特に、カジノサービスで発生した賞金の払い戻し決済をする場合は、所定の案内カウンタ等に設置された賞金払戻装置73(
図19参照)を介して決済端末装置3に決済カード2が接続された状態で、決済処理部47にて賞金の払い戻しに応じた電子マネーを増額する決済処理を行い、カード情報管理部42の「電子マネー残高」を払戻金額相当の電子マネー分を増額して更新する。
【0131】
そして、決済処理部47にて決済処理された払戻金が所定額以上の場合には、利用者税徴収管理部52にて利用者が国又は地方公共団体に納付すべき税額が記憶される。また、決済処理部47によるゲーム対価の支払い及び賞金払い戻しの一連の決済処理に伴って、ゲーム対価の支払いに応じた支払金情報及び賞金払い戻しに基づく払戻金情報をカジノ決済管理部50に記憶し、カジノ事業者税徴収管理部51にてカジノ決済管理部50に記憶された支払金情報及び払戻金情報に基づいてカジノ事業者が国又は地方公共団体に納付すべきカジノ税額が記憶される。
【0132】
以上のように動的決済処理システム200は、カジノを含む統合型リゾートで外国人旅行者向けに提供される決済サービスの決済処理システムとして構成されるため、IR及びインバウンド戦略の基盤となる金融オペレーションをコントロールして、外国人旅行者の利便性向上やストレス低減に寄与するとともに、カジノを含む統合型リゾートの「安全・安心」な運営が可能となる。
【0133】
上述した実施例(
図1、
図15、及び
図17参照)では、主に、決済カード2を電子マネーカードとして利用する場合について説明したが、決済カード2の種類としてはこれに限定されず、例えば、クレジットカード、デビッドカード、及びポイントカード等として構成されてもよい。クレジットカードやデビッドカード等として構成する場合は、カードIDの他に、カードの種類の情報、カードの有効期限の情報等のカード識別情報を有している。
【0134】
上述した実施例(
図1、
図15、及び
図17参照)では、決済カード2に電子マネー情報を有さず、決済処理装置4にて電子マネー情報の管理・決済処理を行うように構成されているが、公知の決済カードと同様に、カード情報として決済カード内のICチップに貨幣価値をデジタルデータ化した電子マネー情報を有するようにしてもよい。
【0135】
上述した実施例(
図1、
図15、及び
図17参照)では、決済カード2として単一の電子マネー種を利用する場合について説明したが、例えば、複数の電子マネー種を利用可能としてもよく、かかる場合は、複数の電子マネー種毎に対応するカード識別情報に電子マネー情報が対応付けられて決済処理装置4等に記憶される。
【0136】
上述した実施例(
図1、
図15、及び
図17参照)では、決済処理装置4がWebサーバ、アプリケーションサーバ及びデータベースサーバ等が1つの装置で構成されている場合について説明したが、それぞれ個別のサーバ装置で構成されてもよい。