(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、照明装置を薄型化した場合に、余裕空間が狭まるため、電源部(例えば、電源回路、点灯制御回路を実装する基板を有する)、無線アンテナ、無線制御回路などを自由に配置することが難しくなる。特に、電源部で発生するノイズが無線アンテナや無線制御回路に伝達して、アンテナ受信感度を低下させる懸念がある。また、無線アンテナおよび無線制御回路が発光素子の発光を遮らないように配置したい。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、無線アンテナや無線制御回路に対して、電源部から生じるノイズの影響を低減でき、発光素子の発光特性を低下させない発光ユニットを提供することを目的とする。また、この発光ユニットを備える照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の発光ユニットは、
複数の半導体発光素子と、
前記複数の半導体発光素子が実装される長尺状の発光素子基板と、
前記複数の半導体発光素子の電力供給源である電源部と、
前記半導体発光素子の発光に関する制御を行う制御部と、
前記発光素子基板が取り付けられる第1面と、当該第1面の反対面である第2面であって、少なくとも前記電源部が設けられる第2面とを有する長尺状の支持部材と、
前記第1面側において複数の半導体発光素子を覆い、前記支持部材に取り付けられる長尺状の透光性カバーと、
前記透光性カバーの長手方向における両端の開口を覆う、一対の端部カバーと、を備え、
前記制御部は、
信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信した信号に応じて前記電源部から供給される電力を制御する無線制御部とを有し、
前記無線制御部は、
少なくとも一方の前記端部カバーと前記支持部材の端部との間に設けられている。
【0008】
この構成によれば、複数の半導体発光素子が実装される発光素子基板が支持部材の第1面に配置され、電源部が支持部材の第2面に配置され、無線制御部が端部カバーと支持部材の端部との間に配置されて電源部と離間されている。よって、無線アンテナや無線制御部に対し、電源部から生じるノイズの影響を低減できる。また、電源部が支持部材の第2面に配置され、かつ無線制御部が端部カバーと支持部材の端部との間に配置されていることで、半導体発光素子からでる照射光を低減させることがなく、薄型の発光ユニットを構成できる。ここで無線制御部と電源部との「離間」の距離は、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。
【0009】
アンテナで受信する信号の周波数帯域は、特に制限されないが、例えばプラチナバンド(700MHz〜1000MHz)が好ましい。
【0010】
上記発明の一実施形態として、前記無線制御部は基板状であり、前記無線制御部の基板面方向は、前記支持部材の長手方向と交差する。この構成によれば、無線制御部の基板面方向が、支持部材と交差する方向に設けられているので、発光ユニットの内のスペースを犠牲にせずに有効利用できる。例えば、支持部材の第1面に対し無線制御部の基板面が交差する配置になるので、基板面のアンテナが斜め下方向を向くことになる。
【0011】
上記発明の一実施形態として、前記無線制御部の基板面方向は、前記支持部材の長手方向と直交する。この構成によれば、無線制御部の基板面方向が、支持部材の長手方向と直交する方向に設けられているので、発光ユニットの内のスペースをさらに犠牲にせずに有効利用できる。例えば、支持部材の第1面に対し無線制御部の基板面が垂直に配置されることになるので、基板面のアンテナが横(水平)方向を向くことになる。
【0012】
上記発明の一実施形態として、前記支持部材が金属製である場合に、無線制御部が前記支持部材と離間している。また、少なくとも前記無線制御部が設けられる前記支持部材の位置に金属が設けられている場合に、前記無線制御部が前記支持部材と離間している。この構成によれば、無線アンテナにノイズが乗ることを防止できる。ここで「離間」距離は、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。また、薄型化の観点から「離間」距離は20mm以下、15mm以下が好ましい。
【0013】
上記発明の一実施形態として、前記無線制御部と前記支持部材との間にスペーサが設けられる。前記スペーサは絶縁性部材であることが好ましい。無線制御部と支持部材との絶縁性を保つことができる。絶縁性部材としては、例えば、ポリカーボネートなどの樹脂が挙げられる。ここでスペーサの厚み(上記「離間」距離に相当する)は、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。また、薄型化の観点から「離間」距離は20mm以下、15mm以下が好ましい。
【0014】
上記発明の一実施形態として、前記スペーサには複数の爪部が設けられており、前記複数の爪部に前記無線制御部が係合している。この構成によれば、無線制御部をスペーサに固定することができる。例えば、無線制御部が基板状である場合に、対向する一対の側端部を一対の爪部で挟持する構成である。
【0015】
上記発明の一実施形態として、前記無線制御部が、第1筐体に収納されている構成でもよい。第1筐体が、上記スペーサおよび端部カバーで構成されていてもよい。上記発明の一実施形態として、
前記電源部は少なくとも第2筐体の内部に電源回路を配置し、前記第2筐体と前記第1筐体が離間している。すなわち、無線制御部(第1筐体)が端部カバーと支持部材との間に設けられ、かつ電源部(第2筐体)と離間している構成である。また、別例として、前記制御部(無線制御部を除く)が前記第2筐体内に配置される構成がある。第1筐体内の無線制御部と、第2筐体内の制御部および/または電源部とは、有線で電気的に接続される。
【0016】
上記発明の一実施形態として、前記無線制御部は基板状であり、前記無線制御部の基板面と、前記支持部材の第1面とがそれぞれの法線方向においてお互いが重ならない構成である。無線制御部において、アンテナが床側を向くように設けられることが好ましい。
【0017】
上記発明の一実施形態として、前記アンテナの少なくとも一部が、前記支持部材の第1面側に延設されている。また、前記支持部材の前記第1面側のアンテナは、前記発光素子基板の法線方向から見たときに、前記発光素子基板または前記半導体発光素子と重畳していないことが好ましい。また、前記支持部材が金属製である場合に、支持部材とアンテナとは離間している。アンテナと第1面との「離間」距離は、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。また、薄型化の観点から「離間」距離は20mm以下、15mm以下が好ましい。
【0018】
上記発明の一実施形態として、前記アンテナの少なくとも一部が、前記支持部材の第2面側に延設されている。また、前記支持部材が金属製である場合に、支持部材とアンテナとは離間している。アンテナと第2面との「離間」距離は、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。また、薄型化の観点から「離間」距離は20mm以下、15mm以下が好ましい。
【0019】
上記発明の一実施形態として、前記アンテナの少なくとも一部が、前記端部カバーを貫通して外に延設されている。この構成によれば、アンテナが外部に配置されることで受信感度を向上させることができる。
【0020】
上記発明の一実施形態として、前記制御部は、前記複数の半導体発光素子を調光する調光回路を有する調光制御部を備え、前記調光制御部は、前記アンテナで受信した信号に応じて前記調光回路を制御する。
【0021】
この構成によれば、外部装置からの無線信号で、半導体発光素子を調光できる。
【0022】
上記発明の一実施形態として、前記制御部は、前記複数の半導体発光素子を調色する調色回路を有する調色制御部を備え、前記調色制御部は、前記アンテナで受信した信号に応じて前記調色回路を制御する。
【0023】
この構成によれば、外部装置からの無線信号で、半導体発光素子を調色できる。
【0024】
上記発明の一実施形態として、前記半導体発光素子は、LED素子である。
【0025】
他の発明の照明装置は、上記に記載の発光ユニットと、前記発光ユニットが取り付けられる器具本体とを備える照明装置であって、前記器具本体は、造営材に取り付けられる取付部材を有する。
【0026】
上記発明の照明装置は、例えば、ベース照明、グリッド照明、スクエア照明、直管、ダウンライト、スポットライト、高天井照明、HID、防犯灯、電球、シーリングライト、センサーライト、棚下灯、シーンライト、演出照明、間接照明などの照明装置全般に適用可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、無線アンテナや無線制御回路に対して、電源部から生じるノイズの影響を低減でき、発光素子の発光特性を低下させない発光ユニットを提供できる。また、この発光ユニットを備える照明装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態に係る照明装置について説明する。なお、以下の実施形態において、照明装置が天井に取り付けられた場合に天井と対向する方向を照明装置の上方向とし、床方向を照明装置の下方向として説明する場合がある。また、図中、照明装置が天井に取り付けられた場合に鉛直上向き方向(天井方向)をZ方向、床方向を−Z方向とする場合がある。このとき、長尺形状の照明装置の長手方向の一方向をX方向、他方向を−X方向とし、長尺形状の照明装置の幅方向の一方向をY方向、他方向を−Y方向のとする場合がある。
【0030】
[照明装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、照明装置1の外観を示す正投影図であり、
図2(A)は照明装置1の上面図、
図2(B)は照明装置1の側面図、
図2(C)は照明装置1の底面図、
図2(D)は照明装置1の正面図、
図2(E)は照明装置1の背面図である。また、
図2(B)は照明装置1の右側面図であり、照明装置1の左側面図は、右側面図と略同様であるため図示を省略する。
図3は、照明装置1の発光ユニット20側からの外観を示す斜視図である。
図4は、照明装置1の構成を示す分解斜視図であり、
図4(A)は、照明装置1の上方向からの分解斜視図であり、
図4(B)は、照明装置1の下方向からの分解斜視図である。
図5は、照明装置1の構成を示す斜視断面図である。
【0031】
照明装置1は、照明装置用器具本体(以下、器具本体と記載する)10と、発光ユニット20とを備える。器具本体10は、例えば天井又は壁等の被取付面に取り付けられる。発光ユニット20は、器具本体10に取り付けられる。
【0032】
発光ユニット20は、例えばLED等の発光素子21と発光素子21を覆う透光性カバー22とを備える。
【0033】
器具本体10は、発光ユニット20の透光性カバー22が入り込むように発光ユニット20が取り付けられる開口が設けられた発光ユニット取付凹部111を備える。つまり、発光ユニット20は、透光性カバー22の一部が発光ユニット取付凹部111に入り込んだ状態で、器具本体10に取付けられる。なお、透光性カバー22の一部は、被取付面側に位置する部分である。
【0034】
器具本体10の発光ユニット取付凹部111は、底面から開口端に向かって広がるように構成されている。換言すると、発光ユニット取付凹部111を構成する一対の内壁面は、底面から当該底面と直交する方向に離れるに従って間隔が広くなるように、外広がりに傾斜している。発光ユニット20は、発光ユニット取付凹部111の内壁面に接触している。
【0035】
[器具本体]
以下、器具本体10の構成を説明する。
図6は、器具本体10の外観を示す斜視図であり、
図6(A)は、器具本体10の上方向からの外観を示す斜視図であり、
図6(B)は、器具本体10の下方向からの外観を示す斜視図である。
図7は、器具本体10に設けられる、発光ユニット20の位置を所定位置に規制する位置規制部材を示す図である。
図6(A)及び
図6(B)に示すように、器具本体10は、取付部材11と、側板12(12a及び12b)と、バネ部13(13a及び13b)と、端子台14と、を備える。なお、取付部材11には、吊りボルト用孔部15と電力供給ケーブル用孔部16とが形成されている。
【0036】
以下、器具本体10の各部について詳細に説明する。
取付部材11は、発光ユニット取付凹部111の底面に対応する底板部114と、底板部114を挟んで形成され、一方向に長く延びる側縁部112と、を備える。底板部114と側縁部112とにより、取付部材11の長手方向の断面において凹部が形成される。
【0037】
取付部材11は、例えば金属板を利用して形成される。つまり、金属板を曲げ加工することにより、発光素子21と発光素子21を覆う透光性カバー22とを含む発光ユニット20の透光性カバー22が入り込むように開口が設けられた発光ユニット取付凹部111の大部分が形成される。なお、取付部材は、金属板以外に、例えば樹脂材料を利用して、射出成形したり、プレス成形したりして構成してもよい。発光ユニット取付凹部111は発光ユニット取付凹部111の開口端縁に向かって広がっている。
【0038】
側縁部112は、例えば
図6(B)に示す第1側縁部112a及び第2側縁部112bからなる。側縁部112は、発光ユニット20に向かって突出する突形状を有している。なお、第1側縁部112a及び第2側縁部112bの少なくとも一方が発光ユニット20に向かって(すなわち
図6中の−Z方向に向かって)突出する突形状を有していればよい。
ここでの突形状は、例えば、底板部114の短手方向の各端から外広がり状に延伸し、その後外側へと折り返された「L」字状をしている。なお、底板部114の各端から延伸した部分が上述の内壁に相当し、「L」字を構成する折り返された部分を折返部分という。
【0039】
底板部114は、天井や壁等の造営材の被取付面と対向しており、照明装置1を被取付面に取り付けるための吊りボルト用孔部15や、電力供給ケーブルを照明装置1内に引き込むための電力供給ケーブル用孔部16等を備えている。
【0040】
側板12は、取付部材11における長手方向の両端を覆うように取り付けられる。
図6(B)に示すように、第1側板12aは、取付部材11の一端を覆うように取り付けられる。第2側板12bは、取付部材11の他端を覆うように取り付けられる。第1及び第2側板12a,12bを取付部材11に取付けることにより、発光ユニット取付凹部111や開口が形成される。
つまり、「発光ユニット取付凹部111」は、底板部114、第1側縁部112a及び第2側縁部112b、並びに第1側板12a及び第2側板12bで囲まれる空間を示す。
【0041】
また、「開口」は、第1側縁部112a及び第2側縁部112bの折返部分(頂部分)、並びに第1側板12a及び第2側板12bにおける被取付面と反対側の端縁部分で囲まれる領域を示す。
【0042】
図7(A)及び
図7(B)に示すように、器具本体10は、発光ユニット20の取り付け位置を規制する位置規制部材113を備えていてもよい。位置規制部材113は、発光ユニット取付凹部111に配置されてもよい。
位置規制部材113は、発光ユニット20が器具本体10に取り付けられた際に発光ユニット20と接触する。これにより、発光ユニット20は、発光ユニット取付凹部111内の所定の位置に位置決めされる。
【0043】
例えば
図7(A)に示すように、位置規制部材113は、発光ユニット取付凹部111を構成する内壁から発光ユニット取付凹部111内に突出して設けられていてもよい。このとき、位置規制部材113は、発光ユニット取付凹部111を構成する内壁に固定された金属材料等からなり、発光ユニット取付凹部111とは別部材で形成されている。
【0044】
また、位置規制部材113は、側縁部112と一体に形成されるように取付部材11の金属板を曲げ加工することで、形成されてもよい。具体的には、発光ユニット取付凹部111を構成する内壁の一部に切込みを形成し、その切込みが発光ユニット取付凹部111内に突出するように金属板を折曲げることにより、例えば断面コ字状又は断面U字状の突出部である位置規制部材113を形成することができる。
【0045】
また、位置規制部材113は、発光ユニット取付凹部111を構成する側板12に別部材として配置されていてもよい。あるいは、例えば
図7(B)に示すように、位置規制部材113は、側板12と一体に形成されてもよい。
このとき、位置規制部材113は、側板12に突出する状態で設けられる。具体的には、器具本体10に発光ユニット20を取り付けた際に発光ユニット20と対向する対向領域(
図7(B)において点線で示す領域)において、側板12の一部を発光ユニット取付凹部111に向かって折り曲げることにより、位置規制部材113が形成される。
【0046】
図6(B)に示すように、バネ部13は、例えば取付部材11の底板部114に固定される。バネ部13は、後述する発光ユニット20のバネ受部27と係合することにより、発光ユニット20を器具本体10の発光ユニット取付凹部111に入り込んだ状態を維持することに利用される。
具体的には、第1バネ部13aは発光ユニット20の第1バネ受部27aと係合し、第2バネ部13bは発光ユニット20の第2バネ受部27bと係合する。すなわち、第1バネ受部27a及び第2バネ受部27b並びに第1バネ部13a及び第2バネ部13bは、器具本体10(取付部材11)に発光ユニット20を取り付けた状態を維持する取付状態維持部として機能する。
尚、バネ部13が発光ユニット20に設けられ、バネ受部27が取付部材11の底板部114に固定されていてもよい。
【0047】
端子台14には、後述する電力供給ケーブル40が接続される。具体的には、天井又は壁等の被取付面から導出された電力供給ケーブル40は、端子台14を介して、後述する電源部28に電気的に接続される。端子台14は、例えばネジ等により取付部材11に取り付けられる。
【0048】
吊りボルト用孔部15は、
図4(A)及び
図4(B)に示す吊りボルト30により天井又は壁等の被取付面に器具本体10を取り付けるために、吊りボルト30が挿通するために設けられた孔部である。
【0049】
電力供給ケーブル用孔部16は、天井又は壁等の被取付面から導出された電力供給ケーブル40を器具本体10の発光ユニット取付凹部111内に引き込むために設けられた孔部である。
【0050】
[発光ユニット]
以下、発光ユニット20の構成を説明する。
図8は、発光ユニット20の上方向からの外観を示す斜視図である。
図9は、発光ユニット20を備える照明装置1の断面図である。
図10は、発光ユニット20が備える発光素子基板23を説明する平面図である。
図11は、
図10に示すA−A’断面の斜視断面図である。
図12は、
図4(A)及び
図4(B)に示す発光素子支持部材24の基板支持領域24a側の一部を拡大して示す斜視図である。
図13は、発光ユニット20の電源部28の構成を説明する分解斜視図である。なお、理解を容易にするため、発光ユニット20の他の部分も図示している。
図14は、発光ユニット20の反射部材29の構成を説明する断面斜視図である。
【0051】
図8並びに
図4(A)及び
図4(B)に示すように、発光ユニット20は、発光素子21と、透光性カバー22と、第1端部カバー224、第2端部カバー225と、無線モジュール50を備える。発光ユニット20は、発光素子21及び透光性カバー22以外に、例えば、発光素子基板23と、発光素子支持部材24と、基板固定部材25(25a〜25n)と、ネジ26と、バネ受部27(27a及び27b)と、電源部28と、反射部材29とを備えてもよい。
なお、
図4(A)及び
図4(B)において、基板固定部材25aを固定するネジ26にのみ参照符号を付し、基板固定部材25bから基板固定部材25nを固定するネジについては参照符号を省略している。
【0052】
以下、発光ユニット20の各部について詳細に説明する。
透光性カバー22は、発光素子21を覆い、発光ユニット20を器具本体10に取り付けた際に器具本体10に入り込む形状を有する。ここでは、透光性カバー22は、長尺状をし、長手方向の端部を除いて、長手方向と直交する断面において、
図9に示すように「U」字状をしている。また、透光性カバー22は、発光素子21から放射された光を拡散する機能を有している。
【0053】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、透光性カバー22は、発光素子21を覆う。第2端部カバー225は、透光性カバー22と同様に発光素子21から放射された光を拡散する機能を有し、透光性カバー22の一端を覆うように取り付けられる。第1端部カバー224は、発光素子支持部材24の端部241との間に後述する無線モジュール50を介在させた状態で、透光性カバー22の他方端を覆うように取り付けられる。
【0054】
また、
図9に示すように、透光性カバー22は、発光素子21から放射される光を透過する光透過部221と、器具本体に入り込む入り込み部222とを備えている。なお、入り込み部222は、第1入り込み部222a及び第2入り込み部222bを備えている。
つまり、透光性カバー22は、長手方向と直交する断面において、取付部材11の底板部114に近い側の端部に、入り込み部222を有する。なお、入り込み部222の入り込み量は、発光ユニット20を器具本体10に装着して際の発光ユニット20のたわみ量より大きい。
【0055】
透光性カバー22の一部である入り込み部222が器具本体10の発光ユニット取付凹部111に入り込むことにより、発光ユニット20がたわんだ場合であっても照明装置の外観不良が生じにくくなる。これは、発光ユニット20がたわんだ場合に発光ユニット取付凹部111に入り込んでいた透光性カバー22の入り込み部222が露出するのみであり、器具本体10と発光ユニット20との間に隙間が生じなくなるためである。
【0056】
透光性カバー22は、断面形状である「U」字を構成している開口側の端部が、内側・下方へと折り曲げられている。ここでの下方は、「U」の開口と反対側の端部が存在する側である。透光性カバー22は、断面において、折り曲げられている部分を除いて、下方側から折り曲げられた部分に近づくに従って内側へと傾斜する内狭まり状になっている。
【0057】
また、透光性カバー22は、長手方向と直交する断面において、開口側の端部から離れた部位に、内方へと突出する突出片を有している。端部と突出片の距離は、
図14に示すように、後述の発光素子支持部材24の折返部の長さに対応している。これにより、透光性カバー22の端部の折り曲げ部と突出片との間の部位(嵌合部)が、発光素子支持部材24の折返部に嵌合して、透光性カバー22が発光素子支持部材24に取り付けられる。この取り付けられた状態では、発光素子支持部材24の折返部と透光性カバー22の内面とが接触している。
なお、透光性カバー22の入り込み部222は、発光素子支持部材24の折返部と透光性カバー22の内面との接触している領域に含まれている。これにより、発光素子21の発光中に発生した熱は、発光素子基板23、発光素子支持部材24、透光性カバー22を経由して取付部材11に伝導する。
【0058】
発光ユニット20は、内狭まり状の入り込み部222が器具本体10の発光ユニット取付凹部111の外拡がり状の内壁面に接触した状態で、器具本体10に取り付けられる。このとき、入り込み部222の一部のみが発光ユニット取付凹部111に接触していればよいが、入り込み部222の全面が発光ユニット取付凹部111に接触していてもよい。
【0059】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、発光素子基板23は、一方向に長く延びた板状部材であり、一方の面に複数の発光素子21が実装される。また、
図10に示すように、発光素子基板23は、基板が複数接続(例えば基板23a及び基板23bが接続)されて構成されていてもよい。
【0060】
図10及び
図11に示すように、発光素子基板23には、発光素子21に電力を供給するための配線が接続される。この配線28dは、後述する発光素子支持部材24の基板支持領域24aに設けられた貫通孔24cを通って、発光素子基板23と電源部28とを接続する。なお、電源部28の電源回路で変換された電力は、配線28dを介して発光素子21に供給される。
図10及び
図11に示す配線23cは、発光素子基板23を複数枚(2枚)の基板で構成した場合の基板23a及び基板23bを電気的に接続するための配線である。
【0061】
発光素子支持部材24は、発光素子21が実装される発光素子基板23を支持する。なお、発光素子支持部材は、発光素子基板23を介して発光素子を間接的に搭載してもよいし、発光素子を直接搭載してもよい。発光素子支持部材24は、発光素子21の熱を放熱するヒートシンクの機能も有している。発光素子支持部材24は、例えば、アルミニウムなどの金属材料を板金による曲げ加工を施して作製される。
【0062】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、発光素子支持部材24は、発光素子基板23を支持する基板支持領域24aを備える下面と、電源部28を固定する上面24bとを有している。基板支持領域24aは、発光素子基板23の幅よりも広く形成されている。
【0063】
また、発光素子支持部材24は、発光素子基板23を支持する基板支持領域24aが、器具本体10方向に凹むように形成されている。つまり、発光素子支持部材24は、
図14に示すように、基板支持領域24aが存在する平板部と、平板部の幅方向の端縁から透光性カバー22側に立設する立設部と、立設部の立設先端から平板部から離れるに従って幅方向の外方へと外拡がり状に傾斜する傾斜部と、傾斜部の傾斜先端から平板部の幅方向の端に向かって折り返された折返部と、折返部の折り返し先端から内側に折り返されて折返部と当接する当接部とを有している。発光素子支持部材24は、基板支持領域24aにおいて、発光素子基板23の幅方向の両端部に設けられる基板固定部材25により発光素子基板23を固定する。
【0064】
また、
図10及び
図11に示すように、発光素子支持部材24は、基板支持領域24aに接続する配線28dを通すための貫通孔24cを備える。貫通孔24cは、基板支持領域24aのうち、発光素子基板23が配される領域の外側であって裏面に電源部28が固定される位置又はその周辺に設けられる。電源部28と対向する位置(電源部28が固定される位置)に貫通孔24cを設けることにより、電源部28から導出した配線28dを、発光素子支持部材24上の広い領域内で引き回すことなく発光素子基板23と接続することができる。
このため、配線28dを短くすることができ、発光ユニット20の組み立て性が向上する。また、発光素子基板23が透光性カバー22により覆われ、配線28dが貫通孔24cを通過する。このため、配線28が外部に露出しなくなり、安全性が向上し、配線の二重被覆が不要となる。
【0065】
基板固定部材25は、発光素子支持部材24の基板支持領域24aにおいて、長尺状の発光素子基板23の両端部を長手方向に沿って複数個所に設けられる。
図4(A)及び
図4(B)、並びに
図12に示すように、本実施形態では、基板固定部材25aから基板固定部材25nが発光素子基板23の両端部に複数備えられている。以下、基板固定部材25aから基板固定部材25nを基板固定部材25と記載する。
【0066】
図12に示すように、基板固定部材25は、発光素子基板23の短手方向を、発光素子基板23の外側から発光素子基板23の発光素子実装面上に突出する係止爪を有している。基板固定部材25における発光素子基板23側の端面(側面)は、発光素子基板23の側部と当接する又は近接するように設けられている。基板固定部材25は、例えばネジ26によって発光素子支持部材24に固定される。
このため、発光素子基板23は、発光素子支持部材24に対して浮きがないように固定される。
【0067】
図13に示すように、バネ受部27は、器具本体10のバネ部13(
図7(B)参照)と係合することにより、発光ユニット20の一部が発光ユニット取付凹部111内に入り込むように、発光ユニット20を器具本体10に取り付けた状態を維持することに利用される。具体的には、第1バネ受部27aは器具本体10の第1バネ部13aと係合し、第2バネ受部27bは器具本体10の第2バネ部13bと係合する。
すなわち、バネ部13(第1バネ部13a及び第2バネ部13b)とバネ受部27(第1バネ受部27a及び第2バネ受部27b)は、取付部材11に発光ユニット20を取り付けた状態を維持する取付状態維持部として機能する。
【0068】
取付状態維持部は、上述のように、バネ受部27とバネ部13との係止構造を利用しており、ここでは、バネ部13が係止部となり、バネ受部27が被係止部となる。なお、バネ部(係止部)は器具本体10に存在し、バネ受部(被係止部)は発光ユニット20に存在するが、バネ部(係止部)が発光ユニットに、バネ受部(被係止部)が器具本体にそれぞれ存在してもよい。
【0069】
バネ部13は、発光ユニット20を器具本体10に取り付けた際に、透光性カバー22の入り込み部222が器具本体10の発光ユニット取付凹部111を構成する内壁面を押圧する方向の負荷を発生するような、バネ機能を有する。これにより、器具本体10と発光ユニット20とが確実に接触し、発光素子21の発光中に発生する熱を器具本体10側に伝導させることができる。
なお、取付状態維持部は、発光ユニット20が器具本体10に取り付けた状態が維持されれば、本実施形態で説明するバネ部13及びバネ受部27と異なる形状であってもよい。
【0070】
電源部28は、LED等の発光素子21の点灯回路(即ち、電源回路)を内部に収納している。電源部28は、
図9に示される器具本体10が取り付けられる被取付面から発光ユニット取付凹部111内に導出される電力供給ケーブル40と接続される。
【0071】
図13に示すように、電源部28は、電源回路を備える電源基板28aと、電源カバー28bと、電源基板28a及び電源カバー28bを内部に収容する電源ボックス28cと、発光素子21に対して電力を供給するための配線28d(配線28dは
図13に図示せず)とを有している。
【0072】
電源基板28aに備えられた電源回路は、例えば、電力供給ケーブル40から供給される交流電力を直流に変換し、その出力(即ち、直流電力)を発光素子21に配線28により供給する。電源基板28aは、後述する形状の電源カバー28bの内面であって、発光素子支持部材24側の面に固定される。
【0073】
電源カバー28bは、アルミニウム又は銅等の材料から構成される。また、電源カバー28bは、ポリカーボネート等の樹脂材料から構成されていてもよい。
図13に示すように、電源カバー28bは、板状部材を複数回折り曲げた多角筒形状(ここでは、4角筒に近い形状)とされているが、電源カバー28bの形状はこれに限らない。なお、電源基板28aとの接触面積が大きくなるような形状の方が放熱性の観点から好ましい。
【0074】
電源ボックス28cは、プラスチック、アルミニウム又はステンレス等の材料からなり、その外観形状は一方向に長く延びた箱型形状である。配線28dは、発光素子支持部材24の基板支持領域24aに設けられた貫通孔24cを通って発光素子基板23に接続される。
【0075】
電源部28は、例えば、電源ボックス28cに設けられた図示しない爪部によって発光素子支持部材24の上面24bに固定されている。また、電源部28は、ネジ等の締結部材によって発光素子支持部材24の上面24bに固定されていてもよい。
【0076】
電源部28は、被取付面の法線方向に見て、電力供給ケーブル40と重なっている。すなわち、電力供給ケーブル40は、
図9に示すように、電源部28の上面と器具本体10との間に確保された空間に配線される。このため、電力供給ケーブル40によって発光ユニット20の取付けが阻害されることがなくなる。
【0077】
反射部材29は、発光素子21から放射された光を反射させる機能を有する。発光素子21から放射された光は、反射部材29によって予め設定した方向(例えば、床面に向かう方向)へ反射される。反射部材29は、発光素子基板23、発光素子支持部材24又は基板固定部材25等の任意の個所で接着剤、ピン、ネジ等によって固定される。
【0078】
反射部材29は、透光性カバー22内の発光素子基板23の発光素子21の実装面側に設けられる。そして、反射部材29は、発光素子基板23から離れるように傾斜して配置されている。具体的には、反射部材29は、例えば
図14に示すように、発光素子21を露出させかつ発光素子基板23を被覆する第1反射部29aを備えている。
【0079】
また、発光素子基板23の発光素子21の実装面側には、図示しない抵抗素子が設けられる場合がある。この場合、第1反射部29aには、発光素子21を露出させる開口とともに、抵抗素子を露出させる開口が設けられる。
【0080】
また、反射部材29は、第1反射部29aの幅方向の一端部から幅方向に離れるに従って被取付面から離れるように傾斜して配置される第2反射部29bと、第1反射部29aの幅方向の他端部から幅方向に離れるに従って被取付面から離れるように傾斜して配置される第3反射部29cとを有している。
【0081】
反射部材29は、シート状をし、発光素子21に対応する部分に開口を有し、発光素子支持部材24の一対の傾斜部と発光素子基板23に跨って配されている。
【0082】
第1反射部29aには、例えば発光素子21を露出させるための前記開口が形成されており、これにより、発光素子21から放射された光が第1反射部29a、第2反射部29b及び第3反射部29cの全面で反射され、効率的に照明装置1の発光に利用される。
【0083】
[無線モジュール]
以下、無線モジュール50の構成を説明する。
図15は、端部カバーに設けられる無線モジュールを説明する斜視図である。
図16は、無線制御基板とスペーサからなる無線モジュールを説明する分解斜視図である。
図17は、無線制御基板をスペーサに取り付けた状態を示す斜視図である。
図18は、無線制御基板と発光素子支持部材との間隔Dを示す斜視図である。
【0084】
図4、8、15、16、17に示す通り無線モジュール50は、透光性カバー22と発光素子支持部材24との長手方向における一方端の開口を覆う第1端部カバー224と、発光素子支持部材24の端部241との間に設けられる。本実施形態では、無線モジュール50は、無線制御基板51と無線制御基板51が取り付けられるスペーサ56とを有して構成される。無線モジュール50は発光ユニット20の端部に設けられており、別の筐体(電源ボックス28c)で覆われた電源部28とは離間している。無線モジュール50と電源部28とは、有線で電気的に接続される。
【0085】
(無線制御基板)
無線制御基板51は、矩形状であり、その第1面51aに、信号を受信するアンテナ60と、アンテナ60で受信した信号に応じて電源部28から発光素子21へ供給される電力を制御する無線制御回路513(無線制御部に相当する)とが実装されている。無線制御基板51の第1面51aと異なる第2面51bには、電源部28と接続される配線と結線される7ピンのコネクタ65が実装されている。また、無線制御基板51には、スペーサ56に設けられる十字支柱563の突起部563aを貫通する位置決め穴511が設けられている。
【0086】
無線制御回路513は、アンテナ60で受信した信号(制御信号、例えば、点灯ON/OFF信号、調光信号、調色信号など)を電気信号に変換し、点灯回路(電源回路)、調光回路、調色回路などへ送る。点灯回路(電源回路)、調光回路、調色回路は、それぞれ受信した制御信号に応じて点灯制御、調光制御、調色制御を行い、適切な電力を発光素子21へ供給する。
【0087】
(スペーサ)
図16、17に示すスペーサ56は、ポリカーボネートなどの絶縁性の樹脂で構成されている。スペーサ56は、第1、第2、第3爪部561a、561b、561cと、第2爪部561bの近傍に十字支柱563を有する。この十字支柱563は、そのクロス中心から延びる突起部563aを有する。また、スペーサ56は、発光素子支持部材24の一対の係合穴242a(1つは不図示)に係合する一対の係合爪565a、565bと、発光素子支持部材24の上面24bに当接する突板565cを有する。
【0088】
(第1端部カバー)
第1端部カバー224は、透光性カバー22の内縁壁と当接する嵌合片224a、224b(不図示の嵌合片もある)を有する。
【0089】
[モジュールの組立]
図17に組立後の無線モジュール50を示す。十字支柱563の突起部563aを位置決め穴511に貫通させた状態で、スペーサ56の第1、第2、第3爪部561a、561b、561cに無線制御基板51が係合する。本実施形態では、無線制御基板51の3か所の端面を、第1、第2、第3爪部561a、561b、561cで挟持する。
【0090】
無線制御基板51の第1面51aがスペーサ56と向かいあわない側に配置されており、発光ユニット20の反対側を向くようにアンテナ60が配置される。
【0091】
図15、
図18に示すように、無線モジュール50を発光ユニット20へ取り付ける。発光素子支持部材24の上面24bに、スペーサ56の突板565cが当接し、発光素子支持部材24の一対の係合穴242aに、スペーサ56の一対の係合爪565a、565bが係合される。このように3か所で支持させているため安定的に固定できる。本実施形態では、無線制御基板51の基板面方向が発光素子支持部材24の長手方向と直交している。次いで、第1端部カバー224を透光性カバー22へ嵌合させる。本実施形態では、透光性カバー22の内縁壁に嵌合片224a、224b(不図示の嵌合片もある)を嵌合させることで、発光ユニット20に第1端部カバー224を取り付ける。透光性カバー22の側面の凹み部位224cとスペーサ56の側面の凹み部位566とで開口566aが形成され、この開口556aにコネクタ65が配置され、電源部28からの配線が引き込まれる。
【0092】
図18に無線制御基板51面と発光素子支持部材24の端部241との離間距離Dを示す。本実施形態において離間距離Dは10mmであるが、これに制限されず、3mm以上であってもよい。
【0093】
[アンテナおよび制御回路]
無線制御回路513は、外部装置からアンテナ60を通じて受信した信号に応じて、複数の発光素子21へ供給される電力を制御するための指令を電源部28(電源回路)へ行う。電源部28は、この指令に応じた電力を複数の発光素子21へ供給する。外部装置からの信号としては、例えば、電力供給の開始または停止、調光、調色に関する指令などが挙げられる。不図示の制御部は複数の発光素子21を調光する調光回路を有する調光制御部を備え、調光制御部は、アンテナ60で受信した信号に応じて調光回路を制御し、電源部28(電源回路)に対し発光素子21へ供給する電力を調整するように指令する。また、制御部は、複数の発光素子21を調色する調色回路を有する調色制御部を備え、調色制御部は、アンテナ60で受信した信号に応じて調色回路を制御し、電源部28(電源回路)に対し発光素子21へ供給する電力を調整するように指令する。本実施形態では、電源ボックス28cの内に配置される電源基板28aに、点灯回路(電源回路)、調光回路、調色回路が実装されている。
尚、本実施形態は、外部装置から直接、無線で発光ユニット20の発光素子21を制御する場合に限られるものではない。例えば、外部装置からの無線は、一旦、ルーターや中継器で受信され、その後、上記ルーターや中継器等から発光ユニット20に発信されて発光ユニット20の発光素子21を制御するものであってもよい。
さらに、上記のルーターや中継器等から発光素子21を制御するのは、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)であってもよい。
また、本実施形態では、外部装置からの無線は、ある特定の発光ユニットで受信され、その発光ユニットから他の発光ユニットに向けて無線を発信し、上記他の発光ユニットを制御するものであってもよい。
本実施形態でいうところの無線とは、プラチナバンドの周波数帯域に限定されるものではなく、電波や光(赤外線を含む)なども含む広義の無線を意味するものとする。
【0094】
また、無線制御回路513は、複数の発光素子21に関する情報をアンテナ60を通じて外部装置に発信することができる。発光素子21に関する情報としては、例えば、調光、調色、消費電力などが挙げられる。外部装置として、例えば、リモコン、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末など)、サーバ、汎用パソコン、壁スイッチが挙げられる。
【0095】
(別実施形態の無線モジュール)
上記実施形態において、無線モジュール50は、無線制御基板51とスペーサ56を有して構成されているが、これに制限されず、スペーサ56を有さない構成でもよい。
【0096】
また、無線制御基板51は、矩形状の基板であったが、これに制限されず、発光ユニット20の長手方向に設けられる端部カバーの形状に合わせた形状の基板であってもよい。
【0097】
また、無線制御基板51の基板面方向が発光素子支持部材24の長手方向と直交する構成であったが、これに制限されず、その基板面方向が発光素子支持部材24の長手方向と交差する構成でもよい。
【0098】
また、
図19に示す無線制御基板51は、発光素子支持部材24の端部241と離間距離Dを設けて配置される。無線制御基板51の基板面と、発光素子支持部材24の第1面24aとがそれぞれの法線方向においてお互いが重ならない配置であり、アンテナ60が発光素子21の照射方向を向く。第1端部カバー224は、無線制御基板51の基板部位を挟持する一対の挟持部2241、2242を有する。この挟持部2241、2242によって無線制御基板51を固定する構造であるが、これに制限されず、別構造の取付手段で基板を端部カバーに取り付けてもよい。離間距離Dは、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。
【0099】
また、アンテナ60の少なくとも一部が、発光支持部材24の第1面24a側に延設されていてもよい。また、発光素子支持部材24の第1面24a側のアンテナは、発光素子基板23の法線方向から見たときに、発光素子基板23または半導体発光素子21と重畳していないことが好ましい。また、発光素子支持部材24が金属製である場合に、発光素子支持部材24とアンテナとは離間している。アンテナと第1面との「離間」距離は、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。
【0100】
また、アンテナ60の少なくとも一部が、発光素子支持部材24の第2面24b側に延設されていてもよい。また、発光素子支持部材24が金属製である場合に、発光素子支持部材24とアンテナとは離間している。アンテナと第2面との「離間」距離は、少なくとも3mm以上で、好ましくは6mm以上、より好ましくは10mm以上である。
【0101】
(別実施形態1〜3の照明装置)
図20に示す別実施形態1の照明装置は、トラフタイプである。器具本体10が吊りボルト(不図示)によって造営材90(一点鎖線)に固定されている。
図21に示す別実施形態2の照明装置は、埋め込みタイプである。造営材90に穴が開けられており、その穴に器具本体10が埋め込まれている。器具本体10の長手方向に沿って突出している突出部112c、112dの上端と造営材91、92とを当接した状態で、器具本体10を吊りボルト(不図示)によって造営材91、92に固定する。
図22に示す別実施形態3の照明装置は、半埋め込みタイプである。造営材90に穴が開けられており、その穴に器具本体10が略半分程度埋め込まれている。器具本体10の長手方向に沿って突出している突出部112e、112fの上端と造営材91、92とを当接した状態で、器具本体10を吊りボルト(不図示)によって造営材91、92に固定する。
【0102】
[その他]
実施形態では、無線モジュールは、一対の端部カバーの一方に設けられていたが、これに限られるものではない。一対の端部カバーの両方に設けられていてもよい。
実施形態では、発光素子としてLEDを用いたが、これに限られるものではない。発光素子として有機ELや無機ELなどを用いてもよい。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。