(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記投光レンズ及び上記受光レンズのうち少なくとも一方は、色収差補正レンズであり、分散率が互いに異なる2以上の光学レンズにより構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の光電スイッチでは、検出光の光量ムラ(色ムラ)を低減させるために光ファイバーケーブルを用いる必要があることから、ヘッド部分を小型にすることはできたとしても、検出装置全体の小型化が困難であった。検出光の光量ムラが大きい場合、投光スポットよりも小さいワークの色判別精度が低下する。また、上述した光電スイッチの光学系は、砲弾型の発光素子が3個、波長選択式のダイクロイックミラーが2個、集光レンズが1個必要であるため、光学系が大きくなり、検出装置全体の小型化が困難であった。また、上述した光電スイッチの光学系は、発光素子が3個に分散されている点で放熱性に有利ではあるものの、砲弾型の発光素子であることから、高い投光強度を得るために駆動電流を増加させれば放熱性の問題が顕在化する虞があり、高い投光強度と小型化の両立が困難であった。さらに、上述した光電スイッチは、3つの発光素子について発光強度比を一定とするために、各発光素子の発光強度をモニタPDで検出し、発光素子ごとに一定の発光強度となるように投光強度が制御されており、検出のダイナミックレンジが狭いという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、検出光の光量ムラ及び色ムラを抑制しつつ、装置全体を小型化することができる光電スイッチを提供することを目的とする。また、高い投光強度を確保しつつ小型化が可能な光電スイッチを提供することを目的とする。さらに、検出のダイナミックレンジを広くすることができる光電スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様による光電スイッチは、回路基板に面実装され、色相が異なる2以上の色成分を含む検出光を生成する発光ダイオードと、上記発光ダイオードの発光面よりも小さい開口を有し、上記開口を上記発光面に対向させて配置されるスリットと、上記開口を通過した上記検出光を検出領域に集光させる投光レンズと、上記検出領域からの反射光を2以上の特定波長に対応して選択的に受光し、上記特定波長ごとの受光量にそれぞれ対応する2以上の受光信号を生成する受光素子と、上記検出領域からの反射光を上記受光素子の受光面に集光させる受光レンズと、上記受光信号に基づいて、上記発光ダイオードの投光量を制御する投光量制御手段と、上記特定波長にそれぞれ対応する2以上の上記受光信号に基づいて、色情報を取得する色情報取得手段と、取得された上記色情報を基準色の色情報と比較して両色情報の一致度を算出する一致度算出手段と、上記一致度を予め定められた判定閾値と比較してワーク判定を行い、上記ワーク判定の結果に基づいて、検出信号を生成する検出信号生成手段とを備える。
【0009】
この光電スイッチは、色判別方式の光電スイッチであり、色相が異なる2以上の色成分を含む検出光を生成する発光ダイオードを投光用光源として用いることにより、検出光の光量ムラ及び色ムラを低減させている。このため、検出光の光量ムラ及び色ムラを抑制しつつ、装置全体を小型化することができる。また、回路基板に面実装された発光ダイオードは、砲弾型の発光素子に比べて放熱性が良いことから、高い投光強度を確保しつつ装置の小型化が可能である。さらに、高い投光強度を確保し、検出領域からの反射光を受光して得られる受光信号に基づいて発光ダイオードの投光量を制御するため、検出のダイナミックレンジを広げることができる。
【0010】
本発明の第2の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、上記回路基板の背面に対向させて配置される金属製の放熱板と、熱伝導性樹脂からなり、上記回路基板の背面及び上記放熱板の前面に接触する平板状のスペーサとを備え、上記スペーサが、上記回路基板に交差する方向から見て上記発光ダイオードの発光面と重複させて配置されるように構成される。
【0011】
この様な構成によれば、発光ダイオードにおいて生じた熱がスペーサを介して回路基板から放熱板に伝わり、回路基板と放熱板との間の空間や、放熱板の背面の空間を利用して放熱されるため、放熱性を向上させることができる。特に、スペーサが発光ダイオードの発光面と重複させて配置されるため、発光ダイオードにおいて発生した熱が放熱板へ効果的に伝導される。
【0012】
本発明の第3の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、熱伝導性材料からなり、上記発光ダイオード、上記スリット、上記投光レンズ、上記受光素子及び上記受光レンズを収容する筐体と、熱伝導性樹脂からなるブロック状の熱伝導部材とを備え、上記熱伝導部材が、上記筐体の側壁と上記放熱板の屈曲部との間に配置されるように構成される。この様な構成によれば、発光ダイオードにおいて発生した熱が、スペーサを介して回路基板から放熱板に伝わり、熱伝導部材を介して筐体に伝導するため、放熱性をさらに向上させることができる。
【0013】
本発明の第4の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、熱伝導性及び絶縁性を有し、上記側壁に沿って配置されるシート状のシールド部材を備える。この様な構成によれば、回路基板や放熱板から筐体への熱伝導を妨げることなく、筐体の内部空間を電気的又は磁気的に遮蔽することができる。例えば、静電気が筐体に付加された場合に、筐体の内部空間では、放電による発光ダイオードなどの回路素子の破損を防止することができる。
【0014】
本発明の第5の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、上記筐体の背面に設けられた表示パネルに上記一致度を表示する表示手段を備える。この様な構成によれば、ワーク判定に係る一致度を容易に確認することができる。
【0015】
本発明の第6の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、上記筐体の背面に設けられた操作キーに対する押下操作に基づいて、上記判定閾値を指定する判定閾値指定手段を備え、上記表示手段が、上記判定閾値を上記表示パネルに表示するように構成される。この様な構成によれば、ワーク判定に係る判定閾値を任意に指定し、或いは、予め定められた判定閾値を変更することができる。
【0016】
本発明の第7の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、調整ねじを操作することにより、上記検出光による投光スポットの距離又はサイズを調整する投光スポット調整手段を備える。この様な構成によれば、投光スポットまでの距離又は投光スポットのサイズを任意に指定し、或いは、変更することができる。
【0017】
本発明の第8の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、上記投光スポット調整手段が、上記調整ねじの回転軸方向に対して傾斜した長孔を有し、当該調整ねじの回転に連動して上記回転軸方向に移動するカム板と、上記長孔内に配置されるスライダ部を有し、上記カム板の移動に連動して上記投光レンズの光軸方向に移動するカムスライダとにより構成され、上記カムスライダが、上記スライダ部が上記長孔の内壁面に沿って移動することにより、上記投光レンズを光軸方向に移動させるように構成される。この様な構成によれば、調整ねじを操作することにより、投光レンズが光軸方向に移動し、発光ダイオード及び投光レンズ間の距離が変化するため、投光スポットまでの光軸方向の距離又は投光スポットのサイズを調整することができる。
【0018】
本発明の第9の態様による光電スイッチは、上記構成に加え、上記投光レンズ及び上記受光レンズのうち少なくとも一方が、色収差補正レンズであり、分散率が互いに異なる2以上の光学レンズにより構成される。この様な構成によれば、検出光の色収差が補正されるため、検出領域に形成される投光スポットの輪郭を明瞭化することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、色相が異なる2以上の色成分を含む検出光を生成する発光ダイオードを投光用光源として用いることにより、検出光の光量ムラ及び色ムラを抑制しつつ、装置全体を小型化することができる光電スイッチを提供することができる。また、回路基板に面実装された発光ダイオードを投光用光源として用いることにより、高い投光強度を確保しつつ装置の小型化が可能な光電スイッチを提供することができる。さらに、高い投光強度を確保しつつ、検出領域からの反射光を受光して得られる受光信号に基づいて発光ダイオードの投光量を制御することにより、検出のダイナミックレンジが広い光電スイッチを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本明細書では、便宜上、投光レンズの光軸(主軸)の方向を前後方向として説明するが、本発明による光電スイッチの使用時における姿勢を限定するものではない。
【0022】
<光電スイッチ1>
図1は、本発明の実施の形態による光電スイッチ1の一構成例を示した平面図であり、色判別方式の光電スイッチ1が示されている。図中の(a)には、筐体10の前面が示され、(b)には、筐体10の右側面が示されている。
図2は、
図1の光電スイッチ1をA−A切断線により切断した場合の切断面を示した断面図である。図中には、矢印の方向から切断面を見た場合が示されている。
図3は、
図1の光電スイッチ1を展開して示した斜視図である。
図4は、
図3の光学モジュール12を展開して示した斜視図である。
【0023】
光電スイッチ1は、検出光を投光し、検出領域からの反射光を受光してワーク判定を行い、ワーク判定の結果に基づいて検出信号を出力する検出装置である。ワーク判定は、ワーク表面の色を判別して行われ、所望のワークであるか否かを示す検出信号が出力される。
【0024】
この光電スイッチ1は、投受光窓カバー2、ワーク判定インジケータ3、配線ケーブル4、操作キー5,6、筐体10、絶縁フィルム11、光学モジュール12、メイン基板13及びシールドシート14により構成される。
【0025】
筐体10は、回路素子及び光学部品を収容するためのケーシングであり、筐体本体10a及び本体カバー15により構成される。筐体本体10aは、右側面が開口した箱体である。本体カバー15は、筐体本体10aの開口を塞ぐための封止用蓋板であり、筐体本体10aに取り付けられる。筐体本体10a及び本体カバー15は、熱伝導性材料により形成される。熱伝導性材料は、熱伝導性を有する材料であり、放熱性に優れる。
【0026】
例えば、筐体本体10a及び本体カバー15は、樹脂などに比べて熱伝導率が高い金属を熱伝導性材料として用いて形成される。この光電スイッチ1では、亜鉛ダイカスト製の筐体10が用いられている。なお、筐体10は、フィラーを添加することによって熱伝導率及び強度を向上させた樹脂を熱伝導性材料として用いて形成されるものであっても良い。
【0027】
検出光は、筐体10の前面から出射し、検出領域からの反射光が当該前面に入射する。投受光窓カバー2は、筐体本体10aの前面に形成された投受光用の開口を塞ぐ保護用の透明板であり、筐体本体10aに取り付けられている。
【0028】
筐体10の上面には、ワーク判定インジケータ3及び操作キー6が配設されている。ワーク判定インジケータ3は、ワーク判定の結果に応じて点灯する表示灯であり、筐体上面の前端に配置されている。操作キー6は、ワーク判定用の基準色を指定する際に使用する押下式の入力ボタンである。
【0029】
筐体10の背面には、操作キー5と、配線ケーブル4の引出部とが配設されている。操作キー5は、ワーク判定用の閾値を指定する際に使用する押下式の入力ボタンであり、アップキー5a及びダウンキー5bにより構成される。アップキー5aを操作することにより、数値をインクリメントすることができ、ダウンキー5bを操作することにより、数値をデクリメントすることができる。
【0030】
配線ケーブル4は、筐体10内の回路素子に電力を供給するための電源ケーブルと、制御用信号や検出信号を伝送するための信号ケーブルとにより構成される。配線ケーブル4の引出部は、筐体背面の下端に配置されている。この引出部は、筐体10の背面、底面(下面)及び左側面の3面による角部(コーナー)に配置されている。
【0031】
絶縁フィルム11は、電気絶縁性を有し、筐体本体10aの側壁に沿って配置されるシート状のシールド部材である。この絶縁フィルム11は、回路素子を筐体10から電気的に絶縁する樹脂製のフィルムであり、左側の側壁に密着させて配置される。
【0032】
絶縁フィルム11は、熱伝導性が高い方が好ましいが、厚みが0.5mm程度を下回れば、熱伝導性を特に考慮しなくても熱抵抗は低く、より好ましくは厚みが0.1mm程度であれば、絶縁フィルム11を介して筐体10へ放熱することができる。なお、絶縁フィルム11に代えて熱伝導性及び絶縁性が高い絶縁物を介在させ、放熱性と電気絶縁性の両立をさせることもできる。
【0033】
<光学モジュール12>
光学モジュール12は、受光基板16、スリット17、光学ベースフレーム18、コイルばね19、投光レンズモジュール20、受光レンズ30、発光ダイオード40、投光基板41、放熱板42、スペーサ43及び熱伝導部材44により構成される。光学ベースフレーム18は、光学部品及び回路基板を支持する支持部材である。
【0034】
発光ダイオード40は、色相が異なる2以上の色成分を含む検出光を生成する発光素子である。この発光ダイオード40は、白色光を検出光として生成する矩形状の半導体チップからなり、投光基板41に面実装される。投光基板41は、発光ダイオード40などの投光用の回路素子が設けられた回路基板である。この投光基板41は、発光ダイオード40を前方に向けた状態で光学ベースフレーム18に固定される。
【0035】
放熱板42は、発光ダイオード40などの回路素子において発生した熱を放熱させるためのヒートシンク部材であり、金属製プレートにより形成される。例えば、アルミニウム製の放熱板42が用いられる。この放熱板42は、素子対向部421、基板取付部422,423及び側壁対向部424により構成され、投光基板41の背面に対向させて配置される。なお、放熱板42は、熱伝導性の高い部材であれば金属製プレートに限られず、例えば、熱伝導性樹脂により形成されても良い。
【0036】
素子対向部421は、投光基板41に平行であり、投光基板41に交差する方向から見て発光ダイオード40の発光面と重複する位置に形成される。基板取付部422及び423は、いずれも素子対向部421よりも前方に位置し、それぞれ屈曲部を介して素子対向部421に連結されている。放熱板42は、基板取付部422及び423を投光基板41に取り付けることにより、投光基板41に固定される。投光基板41には、放熱板42の基板取付部422及び423に形成された取付穴425に対応する位置に貫通孔411が形成されており、放熱板42は、投光基板41との間にスペーサ43を挟み込み、かつ、投光基板41を挟み込んで光学ベースフレーム18に取り付けられることにより、投光基板41及び光学ベースフレーム18に固定される。側壁対向部424は、筐体本体10aの左側壁に平行な屈曲部であり、素子対向部421に連結されている。
【0037】
スペーサ43は、電気絶縁性の熱伝導性樹脂からなり、投光基板41の背面と放熱板42の前面とに接触する平板状の熱伝導部材である。このスペーサ43は、素子対向部421と投光基板41との間において、投光基板41に交差する方向から見て発光ダイオード40の発光面と重複させて配置される。
【0038】
スペーサ43は、好ましくは、ゴム、エラストマ、ゲル状体等の凹凸面や曲面への密着追従性が高い部材で形成され、投光基板41の背面と放熱板42の前面とに密着し、高い放熱性を実現する。例えば、スペーサ43は、電気絶縁性及び熱伝導性のシリコーンやアクリル樹脂のゴム、エラストマ、又は、ゲル状体からなる。
【0039】
熱伝導部材44は、熱伝導性樹脂からなるブロック状の部材であり、筐体本体10aの側壁と放熱板42の側壁対向部424との間に配置される。この熱伝導部材44は、上下方向に延びる平板からなる。例えば、スペーサ43及び熱伝導部材44は、シリコーンゴムにより形成される。放熱板42が金属製である場合、熱伝導部材44は、電気絶縁性を有することが好ましい。なお、絶縁フィルム11を設けない場合、熱伝導部材44は、電気絶縁性を有することが好ましい。
【0040】
熱伝導部材44は、好ましくは、ゴム、エラストマ、ゲル状体等の凹凸面や曲面への密着追従性が高い部材で形成され、筐体本体10aの側壁に配置される絶縁フィルム11と放熱板42の側壁対向部424とに密着し、高い放熱性を実現する。例えば、熱伝導部材44は、電気絶縁性及び熱伝導性のシリコーンやアクリル樹脂のゴム、エラストマ、又は、ゲル状体からなる。なお、絶縁フィルム11を設けない場合、熱伝導部材44は、筐体本体10aの側壁と放熱板42の側壁対向部424とに密着する。
【0041】
スリット17は、発光ダイオード40の発光面よりも小さい開口を有し、開口を発光面に対向させて配置される光学素子である。このスリット17は、1つの貫通孔が形成された金属製のプレートからなり、プレート表面が黒色処理され、或いは、プレート表面に黒色の塗膜が形成されている。好ましくは、スリット17は、プレート表面が艶消しの黒色処理され、又は、プレート表面に艶消しの黒色の塗膜が形成されている。このスリット17では、貫通孔によって開口が構成される。例えば、スリット17は、ステンレススチールにより形成される。スリット17の開口は、円形又は矩形である。スリット17は、光学ベースフレーム18に固定される。
【0042】
投光レンズモジュール20は、投光レンズ21を含む光学ユニットであり、光学ベースフレーム18に対し、光軸方向に移動可能に取り付けられる。投光レンズ21は、スリット17の開口を通過した検出光を検出領域に結像させる光学素子である。
【0043】
受光基板16は、受光素子などの受光用の回路素子が設けられた回路基板である。この受光基板16は、受光素子の受光面を前方に向けた状態で光学ベースフレーム18に固定される。受光レンズ30は、検出領域からの反射光を受光面に結像させる光学素子である。受光用の光学部品及び回路素子は、投光レンズモジュール20よりも下側に配置される。
【0044】
コイルばね19は、がたつきを防止するために、筐体本体10aに対し、光学ベースフレーム18又は後述する投光スポット調整装置を下方に付勢する付勢部材である。このコイルばね19は、筐体本体10aの上壁と光学モジュール12との間に配置される。
【0045】
前述した絶縁フィルム11は、筐体本体10aと光学モジュール12との間に配置される。熱伝導部材44は、絶縁フィルム11と放熱板42の側壁対向部424とに接触させて配置される。
【0046】
メイン基板13は、演算回路などの回路素子が設けられた回路基板である。このメイン基板13は、回路形成面を本体カバー15側に向けた状態で光学ベースフレーム18に取り付けられる。メイン基板13は、一方の面のみが回路形成面であっても良く、両面が回路形成面であっても良い。シールドシート14は、静電的、磁気的又は電磁的なシールド性能を有するシート状のシールド部材である。このシールドシート14は、筐体10内の回路素子を静電的、磁気的又は電磁的に絶縁するシートであり、メイン基板13と本体カバー15との間に配置される。シールドシート14は、電気絶縁性を有する樹脂性のフィルムで覆われていても良い。
【0047】
図5は、投光用の光学部品を模式的に示した説明図であり、発光ダイオード40、スリット17及び投光レンズ21が示されている。この発光ダイオード40は、補色の関係にある2つの色の光を混ぜることによって白色光を生成する白色LED(Light Emitting Diode)である。
【0048】
例えば、発光ダイオード40は、青色光を放射する半導体素子層401と、蛍光体を有する蛍光体層402とを積層した積層体により構成される。蛍光体層402は、透光性の樹脂又はガラスにより蛍光体が固定されており、蛍光体は、半導体素子層401の放射光によって励起され、青色光よりも波長が長い光、例えば、黄色光を発する。
【0049】
投光レンズ21は、色収差を抑える色収差補正レンズであり、分散率が互いに異なる2以上の光学レンズにより構成される。例えば、投光レンズ21は、アクロマートレンズであり、高分散レンズ211及び低分散レンズ212の2つの光学レンズにより構成される。
【0050】
高分散レンズ211は、分散率が高い凹レンズである。低分散レンズ212は、分散率が低い凸レンズである。高分散レンズ211は、低分散レンズ212よりも発光ダイオード40側に配置される。なお、投光レンズ21には、3つの光学レンズからなるアポクロマートレンズを使用しても良い。
【0051】
スリット17は、発光ダイオード40と投光レンズ21との間に配置される。例えば、スリット17は、発光ダイオード40の近傍であって、投光レンズ21の焦点付近に配置される。具体的には、発光ダイオード40から0.1mm程度の距離にスリット17が配置される。発光ダイオード40の発光面のサイズは、1mm程度であるのに対し、スリット17の開口の直径は、0.27mmである。スリット17の厚さは、0.1mm程度である。
【0052】
発光ダイオード40の発光面から出射される検出光のうち、周縁部の光は、スリット17によって遮断される。スリット17の開口を通過した検出光は、投光レンズ21によって屈折作用を受け、検出領域7に投光スポット8として結像する。投光側のスリット17は、光量を絞るのではなく、スリット部の像を投光スポット8として結像させることにより、光量ムラ及び色ムラの無いクッキリしたスポットにしている。
【0053】
また、投光レンズ21にアクロマートレンズを採用することにより、色収差が低減する。このため、輪郭が明瞭な投光スポット8が得られる。発光ダイオード40及び投光レンズ21間の距離を可変式にすることにより、投光レンズ21から検出領域7までの距離は、30mm〜500mmの範囲内で変化させることができる。
【0054】
なお、スリット17の開口は、発光ダイオード40から放射された検出光の一部を透過させるものであれば良い。例えば、貫通孔に代えて、透明なガラス板に形成された透光窓であっても良い。
【0055】
<投光レンズモジュール20>
図6は、投光レンズモジュール20を展開して示した斜視図である。この投光レンズモジュール20は、投光レンズ21、レンズホルダ22、レンズ押え23及びOリング24により構成される。レンズホルダ22は、投光レンズ21を保持する円筒状の保持部材であり、投光レンズ21の一部を収容する。
【0056】
このレンズホルダ22は、後述する投光スポット調整装置のカムスライダとして機能し、カム板と係合させるためのスライダ部221が設けられている。スライダ部221は、外周面から突出する円柱状の突出部である。
【0057】
レンズ押え23は、投光レンズ21の一部を外囲する円環状のリング部231と、リング部231から投光レンズ21の光軸方向に延びる4つの爪部232とにより構成される。投光レンズ21は、投光レンズ21が収容されたレンズホルダ22にレンズ押え23を装着することにより、レンズホルダ22に固定される。
【0058】
Oリング24は、円環状のシール部材であり、レンズホルダ22及び投光レンズ21に配置される。レンズホルダ22の外周面上に配置されるOリング24は、レンズホルダ22を光学ベースフレーム18に対してセンタリングするとともに、レンズホルダ22が光軸方向に移動する際の摩擦抵抗を増大させる。また、投光レンズ21の外周面上に配置されるOリング24は、投光レンズ21をレンズ押え23に対してセンタリングする。
【0059】
<投光スポット調整装置50>
図7は、投光スポット調整装置50の構成例を示した平面図であり、図中の(a)には、投光レンズモジュール20を背面側に引き込んだ場合が示され、(b)には、投光レンズモジュール20を前面側に押し出した場合が示されている。
【0060】
投光レンズモジュール20は、光学ベースフレーム18により、投光レンズ21の光軸方向、すなわち、前後方向に移動可能に保持され、上下方向及び左右方向への移動が制限される。具体的に説明すれば、投光レンズモジュール20のレンズホルダ22に配置されたOリング24が光学ベースフレーム18に接触することにより、投光レンズモジュール20の上下方向及び左右方向への移動が制限されるとともに、光軸方向の摩擦抵抗が増大するため、衝撃耐性を向上させることができる。
【0061】
投光スポット調整装置50は、後述する調整ねじと、調整ねじの回転に連動して上下方向に移動するカム板51と、カムスライダとして機能するレンズホルダ22とにより構成され、調整ねじを操作することにより、検出光による投光スポット8の距離又はサイズを調整する。投光スポット8は、検出領域7に形成されるスリット像であり、投光スポット8までの光軸方向の距離又は投光スポット8のサイズ(スポット径)を調整することができる。調整ねじは、上下方向の回転軸を中心として回転する。
【0062】
カム板51は、上下方向に対して傾斜した長孔52を有する金属製のプレートからなる。光学ベースフレーム18には、2つのカム板51が投光レンズモジュール20を挟んで左右に配置される。
【0063】
レンズホルダ22のスライダ部221は、カム板51の長孔52内に配置される。レンズホルダ22は、カム板51の移動に連動して前後方向に移動する。つまり、投光レンズモジュール20は、調整ねじを反時計回りに回してカム板51を押し下げることにより、背面側に引き込まれる。このとき、投光スポット8は、どこにも結像せず発散するため、投光スポット8の直径は最大となる。
【0064】
一方、投光レンズモジュール20は、調整ねじを時計回りに回してカム板51を引き上げることにより、前面側に押し出される。このとき、投光スポット8の結像位置は、最近傍となり、結像位置における投光スポット8の直径も最小になる。例えば、投光スポット8の直径は、結像位置が遠いほど大きくなる。投光スポット8の結像位置が100mmでは、結像位置における投光スポット8の直径ΦがΦ=3.5mmとなり、投光スポット8の結像位置が500mmでは、結像位置における投光スポット8の直径ΦがΦ=18mmとなる。なお、投光スポット8の結像位置以外の位置における投光スポット8の直径は、結像位置における投光スポット8の直径よりも大きくなる。つまり、調整ねじにより投光スポット8の直径を任意に調整することもできる。
【0065】
図8は、筐体10の上面及び背面を示した平面図であり、図中の(a)には、上面に設けられたワーク判定インジケータ3、操作キー6及び調整ねじ9が示され、(b)には、背面に設けられた操作キー5及び表示パネル60が示されている。
【0066】
調整ねじ9は、投光スポット調整装置50を構成する操作子であり、投光スポット8の結像位置又はスポット径の調整に使用される。上下方向の回転軸を中心として調整ねじ9を時計回り又は反時計回りに回転させることにより、カム板51が上下方向に移動し、投光レンズモジュール20が前後方向に移動する。この様に調整ねじ9を操作することにより、光電スイッチ1を設置した後であっても、投光スポット8の距離及びスポット径を変更することができる。
【0067】
表示パネル60は、ワーク判定用の閾値や一致度が表示される表示装置である。例えば、表示パネル60は、7セグメント表示器である。なお、表示パネル60には、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などのアクティブマトリクス駆動方式の表示装置を用いても良い。
【0068】
図9は、
図1の光電スイッチ1内の機能構成の一例を示したブロック図である。この光電スイッチ1は、主制御部100、投光駆動部101、カラーフィルタ102、受光素子103、アンプ部104、メモリ105、電源部106、入出力部107、表示部108及び操作部109により構成される。
【0069】
主制御部100は、投受光を制御し、受光信号に基づいてワーク判定を行う。投光駆動部101は、主制御部100の指示に基づいて、発光ダイオード40を駆動する。例えば、主制御部100は、投光駆動部101に指示する投光量を制御する。投光量は、受光素子103からの受光量に基づいて、受光量が一定の範囲内に収まるように制御される。
【0070】
反射率の高いワークの場合、受光量が相対的に大きくなるため、主制御部100は、受光量に基づいて投光駆動部101に相対的に小さい投光量を指示する。一方、反射率の低いワークの場合、受光量が相対的に小さくなるため、主制御部100は、受光量に基づいて投光駆動部101に相対的に大きい投光量を指示する。また、投光駆動部101は、主制御部100の投光量指示と投光タイミング指示とに基づいて、発光ダイオード40をパルス駆動する。発光ダイオード40がパルス駆動される場合、発光ダイオード40のパルス発光量を図示しないモニタPDで測定し、測定されるパルス発光量が所定の目標値と一致するように投光駆動部101が制御されても良い。この場合、主制御部100は、目標値を調整することで発光ダイオード40の発光量を調整することができる。
【0071】
受光素子103は、検出領域7からの反射光を2以上の特定波長に対応して選択的に受光し、特定波長ごとの受光量にそれぞれ対応する2以上の受光信号を生成する。この受光素子103は、2以上のPD(Photo Diode:フォトダイオード)31が受光基板16上に2次元的に配列された多分割PDユニットである。例えば、PD31は、12×24のマトリクス状に配列される。
【0072】
カラーフィルタ102は、2次元位置に応じて特定波長の色成分の光を選択的に透過させる光学素子であり、受光素子103の受光面上に配置される。このカラーフィルタ102では、赤色光、緑色光又は青色光のいずれかをそれぞれ選択的に透過させるRフィルタ領域、Gフィルタ領域及びBフィルタ領域がマトリクス状に配置される。Rフィルタ領域、Gフィルタ領域及びBフィルタ領域は、いずれも微小な矩形領域からなり、PD31に対応づけて形成される。
【0073】
例えば、上下方向及び左右方向のいずれの方向についても、Bフィルタ領域、Gフィルタ領域及びRフィルタ領域がこの順序で繰り返し配置される。また、Rフィルタ領域、Gフィルタ領域及びBフィルタ領域のいずれについても、同数のフィルタ領域が形成される。この様なカラーフィルタ102を用いることにより、受光素子103の各PD31は、赤色光、緑色光又は青色光を選択的に受光することができる。
【0074】
一般に、ワークまでの距離が変化すれば、受光素子103の受光面に形成される投光スポット8の像の位置やサイズが変化する。このため、色成分の分割数が少ない場合は、ワークまでの距離の変動により、RGBの信号比率が変化し、ワーク表面の色を正しく判別することが難しい。これに対し、上述した多分割PDユニットを受光素子103として採用することにより、RGBの信号比率の変化が抑制されるため、距離変動の影響を受け難くすることができる。
【0075】
一方、色成分の分割数が多くなれば、距離変動による信号比率の変化は小さくなるが、PD31間に形成される仕切り部の割合が相対的に多くなるため、受光ロスが増大してしまう。また、PD31への配線が増えることから、寄生容量が増大し、増幅回路におけるS/N比が劣化してしまう。これらのことを考慮して、1つのフィルタ領域のサイズは、フィルタが正方形の場合、一辺の長さは50μm〜200μmであることが好ましい。フィルタは、正方形に限られず、長方形、他の四角形や六角形であっても良い。この場合、フィルタの面積は2500平方μm〜40000平方μmが好ましい。
【0076】
また、受光素子103の受光面に形成される投光スポット8の像は、そのサイズが大きい程、ワークまでの距離が変化した場合のRGBの信号比率の変化が少ない。このため、受光素子103は、受光レンズ30による投光スポット8の結像位置に対し、前方又は後方のいずれかにデフォーカスした位置に配置するのが望ましい。
【0077】
一方、投光スポット8の像が受光素子103の受光面からはみ出した状態では、受光量が少なくなり、反射率が低いワークを検出することができなくなってしまう。これらのことを考慮して、投光スポット8の像が50個以上のフィルタ領域を含むように、受光レンズ30及び受光素子103間の距離が調整される。
【0078】
アンプ部104は、各PD31から入力される受光信号を増幅して主制御部100へ出力する増幅器ユニットである。このアンプ部104は、ゲインを切り替えることができる。受光信号は、特定波長の色成分ごとに増幅して主制御部100へ出力される。アンプ部104のゲインは、主制御部100による発光ダイオード40の発光量の調整と同様に、受光素子103からの受光量を表す受光信号に基づいて、受光量が一定の範囲内に収まるように主制御部100により制御される。主制御部100は、受光信号に基づいてアンプ部104のゲインと発光ダイオード40の発光量の両方を制御するようにしても良い。
【0079】
メモリ105には、ワーク判定用の閾値、基準色の色情報などが保持される。電源部106は、配線ケーブル4を介してコントローラなどの外部機器に接続され、主制御部100の制御に基づいて、主制御部100や投光駆動部101に直流電源を供給する。入出力部107は、配線ケーブル4を介してコントローラなどの外部機器に接続され、制御用信号を受信して主制御部100へ出力し、主制御部100から入力された検出信号を外部機器へ送信する。
【0080】
表示部108は、主制御部100の制御に基づいて、ワーク判定用の閾値や一致度を表示パネル60に表示する。操作部109は、操作キー5及び6の押下操作に基づいて、操作信号を生成し、主制御部100へ出力する。
【0081】
<主制御部100>
図10は、
図9の主制御部100の構成例を示したブロック図である。この主制御部100は、投光量制御部110、色情報取得部111、基準色指定部112、基準色記憶部113、一致度算出部114、閾値指定部115、閾値記憶部116及び検出信号生成部117により構成される。
【0082】
投光量制御部110は、アンプ部104から入力される受光信号に基づいて、投光駆動部101を制御し、発光ダイオード40の投光量を調整する。例えば、反射光の受光量が一定レベルを上回った場合に、投光量を下げる一方、受光量が当該一定レベルを下回った場合に、投光量を上げて元の状態に戻す制御が行われる。
【0083】
この投光量制御部110では、アンプ部104から入力される受光信号に基づいて、アンプ部104を制御し、ゲインが切り替えられる。例えば、反射光の受光量が一定レベルを上回った場合に、アンプ部104のゲインを下げる一方、反射光の受光量が当該一定レベルを下回った場合に、アンプ部104のゲインを上げて元の状態に戻す制御が行われる。これらの投光量制御は、RGBのいずれかの受光量に基づいて行われる。或いは、RGBの各受光量を組み合わせて得られるパラメータに基づいて行われる。
【0084】
色情報取得部111は、特定波長にそれぞれ対応する2以上の受光信号に基づいて、色情報を取得し、一致度算出部114及び基準色指定部112へ出力する。取得される色情報は、3色の受光量レベルに基づいて定められる。例えば、赤色光の受光量レベルをR
1、緑色光の受光量レベルをG
1、青色光の受光量レベルをB
1とし、受光量の和をM
k=R
k+G
k+B
kとすれば、3色の受光量レベルの比率r
k=R
k/M
k,g
k=G
k/M
k,b
k=B
k/M
kを用いた組(r
1,g
1,b
1)により色が表される。
【0085】
基準色指定部112は、操作キー6に対する押下操作に基づいて、色情報取得部111により取得された色情報(r
0,g
0,b
0)を基準色の色情報に指定する。基準色記憶部113には、基準色指定部112によって登録された基準色の色情報(r
0,g
0,b
0)が保持される。
【0086】
一致度算出部114は、色情報取得部111により取得された色情報(r
1,g
1,b
1)を基準色記憶部113に登録された基準色の色情報(r
0,g
0,b
0)と比較し、その比較結果に基づいて、両色情報の一致度Cを算出し、検出信号生成部117へ出力する。一致度Cは、色の一致の度合いを示す1次元のパラメータであり、基準色の受光量に対する現在の受光量の相対値からなる。この一致度Cにより、比較対象の色がワーク判定の基準として登録された色にどれだけ類似しているのかが定量的に評価される。
【0087】
例えば、一致度Cは、0以上999以下の範囲の整数を用いて表される。ワークの色が基準色と完全に一致していれば、一致度Cは999である。表示部108は、一致度算出部114により算出された一致度Cを表示パネル60に表示する。なお、色情報として、各色の受光量レベルの比率であるr
k,g
k,b
kの組(r
k,g
k,b
k)を例示したが、本発明では、色情報の構成をこれに限らない。例えば、赤色光の受光量レベル、緑色光の受光量レベル、青色光の受光量レベルの組(R
k,G
k,B
k)を色情報としても良い。また、RGB表色系に限られず、Lab等の表色系に基づく各色成分の値からなる組を色情報としても良い。
【0088】
閾値指定部115は、操作キー5に対する押下操作に基づいて、ワーク判定用の閾値を判定閾値として指定する。表示部108は、閾値指定部115により指定された判定閾値を表示パネル60に表示する。閾値記憶部116には、閾値指定部115によって登録された判定閾値が保持される。
【0089】
検出信号生成部117は、一致度算出部114により算出された一致度Cを判定閾値と比較してワーク判定を行い、そのワーク判定の結果に基づいて、検出信号を生成し、入出力部107へ出力する。
【0090】
本実施の形態によれば、色相が異なる2以上の色成分を含む検出光を生成する発光ダイオード40を投光用光源として用いることにより、検出光の光量ムラ及び色ムラが低減するため、検出光の光量ムラ及び色ムラを抑制しつつ、装置全体を小型化することができる。また、投光基板41に面実装された発光ダイオード40は、砲弾型の発光素子に比べて放熱性が良いことから、高い投光強度を確保しつつ装置の小型化が可能である。さらに、高い投光強度を確保し、検出領域7からの反射光を受光して得られる受光信号に基づいて発光ダイオード40の投光量を制御するため、検出のダイナミックレンジを広げることができる。
【0091】
また、色収差補正レンズを投光レンズ21として用いることにより、検出光の色収差が補正されるため、検出領域7に形成される投光スポット8の輪郭を明瞭化することができる。
【0092】
なお、本実施の形態では、投光レンズ21にアクロマートレンズを用いる場合の例について説明したが、本発明は、光学モジュール12の構成をこれに限定するものではない。例えば、光学モジュール12は、受光レンズ30にアクロマートレンズなどの色収差補正レンズを用いるような構成であっても良い。或いは、光学モジュール12には、投光レンズ21及び受光レンズ30の両方に色収差補正レンズを用いても良い。
【0093】
また、本実施の形態では、反射光の色成分を平面上で分離する水平色分離方式の受光素子103を用いる場合の例について説明したが、本発明は、受光素子103の構成をこれに限定するものではない。例えば、受光素子103は、回路基板にシリコンを積層した積層体により構成され、シリコンの光学特性が色によって異なることを利用してシリコン層の深さ方向に色成分を分離する垂直色分離方式の半導体素子であっても良い。この垂直色分離方式の受光素子では、光の波長と深さとの関係に応じて光電変換されるため、水平色分離方式の受光素子に比べ、受光量のロスが少ない。