【実施例】
【0577】
以下、本発明1について、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明1はこれら実施例に限定されるものではない。
【0578】
架橋メタロセン化合物およびその前駆体の構造は、
1H NMRスペクトル(270 MHz、日本電子GSH-270)、FD-質量(以下FD-MS)スペクトル(日本電子SX-102A)等を測定し、決定した。
【0579】
架橋メタロセン化合物の構成部分であるη
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基は1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-(5a,5b,11a,12,12a-η
5)-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル基を表わす。従って、例えば[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドは下記式の構造を表わす。
【0580】
【化47】
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体の物性/性状は以下の方法で測定した。
【0581】
[エチレン/プロピレン/5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)共重合体のエチレン含有量、プロピレン含有量、ENB含有量]
o-ジクロロベンゼン/ベンゼン-d
6(4/1[vol/vol%])を測定溶媒とし、測定温度120℃、スペクトル幅250ppm、パルス繰り返し時間5.5秒、パルス幅4.7μsec(45
Oパルス)測定条件下(100 MHz、日本電子ECX400P)、または測定温度120℃、スペクトル幅250ppm、パルス繰り返し時間5.5秒、パルス幅5.0μsec(45
Oパルス)測定条件下(125 MHz、ブルカー・バイオスピンAVANCEIIIcryo-500)にて
13C NMRスペクトルを測定し、算出した。
【0582】
算出した含有量(mol%)は、小数点以下第二位を四捨五入して表記した。
【0583】
[エチレン/1−ブテン/5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)共重合体のエチレン含有量、1−ブテン含有量、ENB含有量]
o-ジクロロベンゼン-d
4を測定溶媒とし、測定温度120℃、スペクトル幅20ppm、パルス繰り返し時間7.0秒、パルス幅6.15μsec(45
Oパルス)測定条件下(400 MHz、日本電子ECX400P)にて
1H NMRスペクトルを測定し、算出した。
【0584】
算出した含有量(mol%)は、小数点以下第二位を四捨五入して表記した。
【0585】
[B値]
o-ジクロロベンゼン/ベンゼン-d
6(4/1[vol/vol%])を測定溶媒とし、測定温度120℃、スペクトル幅250ppm、パルス繰り返し時間5.5秒、パルス幅4.7μsec(45
Oパルス)測定条件下(100 MHz、日本電子ECX400P)、または測定温度120℃、スペクトル幅250ppm、パルス繰り返し時間5.5秒、パルス幅5.0μsec(45
Oパルス)測定条件下(125 MHz、ブルカー・バイオスピンAVANCEIIIcryo-500)にて
13C NMRスペクトルを測定し、下記一般式[XVII]に基づき算出した。
【0586】
B値=(c+d)/[2×a×(e+f)] ‥[XVII]
(式[XVII]中、a、eおよびfはそれぞれ前記エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体中のエチレンモル分率、α−オレフィンモル分率および非共役ポリエンモル分率であり、cはエチレン-α−オレフィンダイアッドモル分率、dはエチレン-非共役ポリエンダイアッドモル分率である。)
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)]
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC 2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムはTSKgel GMH6-HT:2本およびTSKgel GMH6-HTL:2本(いずれも東ソー社製)であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)と酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%とを用い、前記移動相は1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mlとし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×10
5については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×10
5についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。各種平均分子量は、汎用校正の手順に従い、ポリスチレン分子量換算として計算した。
【0587】
[重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)]
上記測定法により測定したMwを、同じく上記測定法により測定したMnで除して算出した。
【0588】
[極限粘度([η])]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。重合体約20 mgをデカリン15 mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度η
spを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5 ml追加して希釈後、同様にして比粘度η
spを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のη
sp/Cの値を極限粘度として採用した。
【0589】
[η]=lim(η
sp/C) (C→0)
[合成例A1]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0590】
(i) ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに脱水t-ブチルメチルエーテル 30 ml、2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 0.725 g (3.26 mmol)を装入した。この溶液にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.63 M) 2.05 ml (3.34 mmol)を氷水浴下、5分かけて滴下した。40℃で2時間攪拌した。6,6-ビス(4-メチルフェニル)フルベン 0.893 g (3.46 mmol)を加え、還流下で15時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を装入し、有機層を分離し、水層をヘキサン 100 ml、トルエン 100 mlで抽出し、先の有機層と合わせて水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた固体をヘキサンで洗浄することでビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンを肌色粉末として得た。収量は0.645 g、収率は41%であった。ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 480 (M
+)
(ii) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、30 mlシュレンク管にビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 0.300 g (0.624mmol)、α-メチルスチレン 0.147 g (1.27mmol)、脱水シクロペンチルメチルエーテル 0.628 gを装入した。1.63 Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液 0.78 ml (1.3 mmol)を10分間で滴下した。70℃に昇温後、4時間攪拌した。氷/アセトン浴で冷却後、系内を5分間減圧し、窒素で常圧に戻し、四塩化ハフニウム 0.209 g (0.652mmol)を加え、室温で17時間反応させた。溶媒を留去し、得られた固体を脱水ヘキサンで洗浄した。脱水ジクロロメタン約10 mlを加え、可溶分を抽出した。得られた溶液を濃縮し、脱水ヘキサン約3 mlを加え、析出した固体を濾過によって収集し、山吹色粉末として[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドを得た。収量は0.233 g、収率は51%であった。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.88 (s, 2H), 7.78 (dd, J = 7.9, 2.3 Hz, 2H), 7.69 (dd, J = 7.9, 2.3 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.25 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 6.14 (s, 2H), 5.66 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 2.49 (s, 6H), 2.34 (s, 6H), 2.05 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 728 (M
+)
【0591】
[合成例A2]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
(i) 6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの合成
窒素雰囲気下、500 ml三口フラスコにリチウムシクロペンタジエニド 8.28 g (115 mmol)および脱水THF 200 mlを加えた。氷浴で冷却しながらDMI 13.6 g (119 mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。その後4,4'-ジメトキシベンゾフェノン 25.3 g (105 mmol)を加え、加熱還流下で1週間攪拌した。氷浴で冷却しながら水 100 mlを徐々に添加し、更にジクロロメタン 200 mlを加えて室温で30分間攪拌した。得られた二層の溶液を500 ml分液漏斗に移し、有機層を水 200 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙褐色固体を得た。シリカゲルクロマトグラフ(700 g、ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)による分離を行い、赤色溶液を得た。減圧下で溶媒を留去し、橙色固体として6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 9.32 g (32.1 mmol、30.7%)を得た。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.28-7.23 (m, 4H), 6.92-6.87 (m, 4H), 6.59-6.57 (m, 2H), 6.30-6.28 (m, 2H), 3.84 (s, 6H)
【0592】
(ii) ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 500 mg (2.25 mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル 40 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 1.45 ml (2.36 mmol)を徐々に添加し、室温で18時間攪拌した。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 591 mg (2.03 mmol)を添加した後、3日間過熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 50 mlを徐々に添加し、得られた溶液を300 ml分液漏斗に移した。ジクロロメタン 50 mlを加えて数回振った後水層を分離し、有機層を水 50 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、白色固体を得た。更に、洗浄液の溶媒を減圧下で留去し、得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄して白色固体を採取し、先に得た白色固体と合わせた。この固体を減圧下で乾燥し、ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 793 mg (1.55 mmol、76.0%)を得た。ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 512 (M
+)
【0593】
(iii) [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 272 mg (0.531 mmol)、脱水トルエン 20 mlおよびTHF 90 ml (1.1 mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 0.68 ml (1.1 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 20 mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム 164 mg (0.511 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、黄色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体を少量のジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加えて-20℃で再結晶した。析出した固体を採取し、ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 275 mg (0.362 mmol、70.8%)を得た。[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.87 (s, 2H), 7.80-7.66 (m, 4H), 6.94-6.83 (m, 4H), 6.24 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.65 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 3.80 (s, 6H), 2.47 (s, 6H), 2.05 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 760 (M
+)
【0594】
[合成例A3]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0595】
(i) 6,6-ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]フルベンの合成
窒素雰囲気下、200 ml三口フラスコにリチウムシクロペンタジエニド 3.06 g (42.4 mmol)、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン 10.1 g (37.5 mmol)および脱水DME 100 mlを加えた。氷浴で冷却しながらDMI 4.86 g (42.6 mmol)を添加し、その後加熱還流下で8日間攪拌した。氷浴で冷却しながら水 50 mlを徐々に添加し、更にジクロロメタン 50 mlを加えて室温で30分間攪拌した。得られた二層の溶液を300 ml分液漏斗に移し、有機層を水 100 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(4:1)で抽出した後減圧下で溶媒を留去し、エタノール中で再結晶を行ったところ、赤褐色固体として6,6-ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]フルベン 1.04 g (3.29 mmol、8.8%)が得られた。6,6-ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]フルベンの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.29-7.25 (m, 4H), 6.71-6.65 (m, 4H), 6.57-6.54 (m, 2H), 6.36-6.34 (m, 2H), 3.02 (s, 12H)
FD-MSスペクトル: M/z 316 (M
+)
【0596】
(ii) ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 1.50 g (6.75 mmol)および脱水シクロペンチルメチルエーテル 80 mlを添加した。-20℃で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.58 M) 4.50 ml (7.08 mmol)を徐々に添加し、室温で20時間攪拌した。この反応液を再度、-20℃に冷却後、6,6-ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]フルベン 2.27 g (7.17 mmol)を添加した後、徐々に室温に戻しながら4時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加後、水層を分離し、残留物を水で洗浄した。その後、溶媒を留去後、得られた固体をメタノールで洗浄して薄黄白色固体ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 2.14 g (3.97 mmol、58.9%)を得た。ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.22 (s), 7.12 (br),6.73 (br), 6.51 (br), 6.16 (br), 5.19 (s), 2.86 (s), 2.20 (s), 2.06 (s)
【0597】
(iii) [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、50 mlシュレンク管にビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 0.800 g (1.48 mmol)、脱水トルエン 10 mlおよび脱水THF 0.4 g を添加し、-20℃で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.58 M) 1.90 ml (2.97 mmol)を徐々に添加しながら攪拌した。室温に戻した後さらに45℃に加熱し4時間攪拌した後、反応溶液を室温に戻した。溶媒を留去し、得られた固体に脱水ジエチルエーテル 80 mlを添加し、-20℃に冷却後攪拌しながら、四塩化ハフニウム 0.470 g (1.47 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温し16時間攪拌した。その後溶媒を留去し固体を脱水ジエチルエーテルで洗浄後、脱水ジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去し得られた固体を少量の脱水ジエチルエーテル洗浄し黄橙色固体として[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 0.520 g (0.661 mmol、44.7%)を得た。[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.85 (s, 2H), 7.67-7.60 (m, 4H), 6.72-6.69 (m, 4H), 6.23-6.21 (m, 4H), 5.66 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 2.92 (s, 12H), 2.47 (s, 6H), 2.05 (s, 6H)
【0598】
[合成例A4]
[ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
(i) 3,3',4,4'-テトラメトキシベンゾフェノンの合成
300 ml三口フラスコに1,2-ジメトキシベンゼン 17.3 g (125.2 mmol)、ポリ燐酸 200 mlを添加し室温で攪拌した。さらに、3,4-ジメトキシ安息香酸 22.8 g (125.2 mmol)を添加後、100℃で加熱し、6時間攪拌した。その後、反応物を水に添加し、不溶物をろ過した。得られた固体をエタノールで洗浄し3,3',4,4'-テトラメトキシベンゾフェノン26.2 g (69%)を白色粉末として得た。3,3',4,4'-テトラメトキシベンゾフェノンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.42 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 7.36 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 3.95 (s, 6H), 3.93 (s, 6H)
【0599】
(ii) 6,6-ビス(3,4-ジメトキシフェニル)フルベンの合成
窒素雰囲気下、200 ml三口フラスコにシクロペンタジエンナトリウム塩 1.74 g (19.8 mmol)、と脱水THF 100 mlを装入した。氷水浴下、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン 3.0 ml (27.3 mmol)と3,3',4,4'-テトラメトキシベンゾフェノン 4.65 g (15.38 mmol)を添加し、60℃の加熱還流下で3日間攪拌した。その後反応溶液に塩酸水溶液を加え有機層を分離し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で1回ずつ洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製後、6,6-ビス(3,4-ジメトキシフェニル)フルベン 3.0 g (56%)を橙色粉末として得た。6,6-ビス(3,4-ジメトキシフェニル)フルベンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 6.89-6.87 (m, 6H), 6.59 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 6.32 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 3.93 (s, 6H), 3.82 (s, 6H)
【0600】
(iii) ビス(3,4-ジメトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 1.0 g (4.5 mmol)、脱水シクロペンチルメチルエーテル 80 mlを装入した。ドライアイスメタノール浴で-20℃まで冷却し、n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.66 M) 2.9 ml (4.7 mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻しながら20時間攪拌した。その後、再度ドライアイスメタノール浴で-20℃まで冷却し、6,6-ビス(3,4-ジメトキシフェニル)フルベン 1.51 g (4.3 mmol)を加え室温で20時間攪拌した。その後反応溶液に塩化アンモニウム飽和水溶液を加え有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層をあわせて水で3回洗浄し溶媒を留去した。得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、得られた固体を乾燥後、ビス(3,4-ジメトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 1.2 g (46.6%)を薄桃白色粉末として得た。ビス(3,4-ジメトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.4-8.3 (br), 7.5-7.1 (br), 7.1-6.2 (br), 5.3-5.1 (br), 4.0-3.7 (br), 3.7-3.3 (br), 3.2-3.0 (br), 3.0-2.8 (br), 2.4-2.0 (br), 1.7-1.4 (br)
【0601】
(iv) [ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成 窒素雰囲気下、50 mlシュレンク管にビス(3,4-ジメトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 0.6 g (1.1 mmol)、脱水トルエン 30 ml、脱水THF 0.2 gを添加した。ドライアイスバスで冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.60 M) 1.3 ml (2.1 mmol)を徐々に添加し、室温で30分攪拌後、45℃で加熱し、4時間攪拌した。反応溶液の温度を室温に戻した後、溶媒を留去した。得られた固体に脱水ジエチルエーテル80 mlを添加し、-20℃に冷却後、四塩化ハフニウム・二ジエチルエーテル錯体 0.49 g (1.1 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌した。その後溶媒を留去し固体を脱水ジクロロメタンで抽出した。再度濃縮した後、脱水トルエンで抽出し黄色固体として[ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 0.32 g (20.9%)を得た。[ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.92-7.83 (m, 2H), 7.51-7.10 (m, 6H), 6.96-6.75 (m, 2H), 6.35-6.10 (m, 4H), 5.74-5.60 (m, 2H), 3.96-3.83 (m, 9H), 3.68-3.59 (m, 3H), 2.55-2.44 (m, 6H), 2.13-2.02 (m, 6H)
【0602】
[合成例A5]
[ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0603】
(i) ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 mlの三口フラスコに2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 0.7 g(3.2 mmol)、脱水シクロペンチルメチルエーテル 100 mlを装入した。ドライアイスメタノール浴で-20℃まで冷却し、n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.60 M) 2.1 ml (3.3 mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻しながら20時間攪拌した。その後、再度ドライアイスメタノール浴で-20℃まで冷却し、6,6-ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)フルベン 1.3 g (3.2 mmol)を加え室温で4時間攪拌した。その後反応溶液に塩化アンモニウム飽和水溶液を加え有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層をあわせて水で3回洗浄し溶媒を留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、乾燥後、ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニルフルオレニル)メタン 1.3 g (69.0%)を黄土白色粉末として得た。ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニルフルオレニル)メタンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.4-7.0 (br), 6.8-6.5 (br), 6.4-6.0 (br), 5.3-5.1 (br), 4.0-3.7 (br), 3.3-3.2 (br), 3.2-2.8 (br), 2.4-2.2 (br), 2.2-1.9 (br)
【0604】
(ii) [ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、50 mlシュレンク管にビス(4-N-モルフォリニルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 0.7 g (1.1 mmol)、脱水トルエン 30 ml、脱水THF 0.2 gを添加した。ドライアイスバスで冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.60 M) 1.4 ml (2.2 mmol)を徐々に添加し、室温で30分攪拌後、45℃で加熱し、4時間攪拌した。反応溶液の温度を室温に戻した後、溶媒を留去した。得られた固体に脱水ジエチルエーテル 50 mlを添加し、-20℃に冷却後、四塩化ハフニウム・二ジエチルエーテル錯体 0.52 g (1.1 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌した。その後溶媒を留去しジエチルエーテルで抽出した。再度濃縮した後、少量の脱水ジエチルエーテルで洗浄し黄色固体として[ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 0.37 g(37.8%)を得た。[ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.86 (s, 2H), 7.79-7.59 (m, 4H), 6.95-6.79 (m, 4H), 6.27-6.21 (m, 2H), 6.20-6.13 (m, 2H), 5.69-5.57 (m, 2H), 3.94-3.73 (m, 8H), 3.22-2.98 (m, 8H), 2.54-2.41 (m, 6H), 2.10-1.96 (m, 6H)
【0605】
[比較合成例A1]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
(i) ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、200 ml三口フラスコにフルオレン 1.72 g (10.3 mmol)、脱水THF 30 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 6.5 ml (10.6 mmol)を徐々に添加し、3時間攪拌した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら、脱水THF 50 mlに溶解させた6,6-ビス(4-メチルフェニル)フルベン 3.22 g (12.5 mmol)溶液を添加し、室温まで徐々に昇温しながら19時間攪拌した。塩酸(2 M) 100 ml、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液100 ml(2回)、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液100 mlで有機相を抽出、洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で溶媒を留去すると、赤色固体が得られた。得られた固体をヘキサンおよびメタノールで洗浄し減圧下で乾燥することにより、黄色粉末としてビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)メタン 2.52 g (5.95 mmol、57.6%)を得た。ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)メタンの同定はFD-MSにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 424 (M
+)
【0606】
(ii) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)メタン 805 mg (1.90 mmol)、脱水ジエチルエーテル 50 mlを添加した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 2.5 ml (4.1 mmol)を徐々に添加し、室温で22時間攪拌した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム602 mg (1.88 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら22時間攪拌したところ、橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ジエチルエーテルで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体に少量のジクロロメタンおよびヘキサンを加え、-20℃で放置したところ黄色固体が析出した。この固体を濾別して採取し、少量のヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-フルオレニル)]ハフニウムジクロリド 273 mg (406μmol、21.6%)を得た。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRおよびFD-MSにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.16-8.13 (m, 2H), 7.79-7.67 (m, 4H), 7.55-7.48 (m, 2H), 7.22-7.10 (m, 4H), 7.01-6.94 (m, 2H), 6.52-6.48 (m, 2H), 6.29 (t, J = 2.7 Hz, 2H), 5.72 (t, J = 2.7 Hz, 2H), 2.33 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 672 (M
+)
【0607】
[比較合成例A2]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0608】
(i) ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)( 2,7-ジメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、200 ml三口フラスコに2,7-ジメチルフルオレン 876 mg (4.51 mmol)、脱水THF 20 mlを添加した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 3.0 ml (4.9 mmol)を徐々に添加し、室温で4時間攪拌した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら、THF 25 mlに溶解させた6,6-ビス(4-メチルフェニル)フルベン 1.28 g (4.96 mmol)溶液を添加し、室温まで徐々に昇温しながら23時間攪拌したところ、橙色スラリーが得られた。塩化アンモニウム飽和水溶液100 ml、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液100 ml、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液100 mlで有機相を抽出、洗浄洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で溶媒を留去すると、黄色固体が得られた。得られた固体をヘキサンおよびメタノールで洗浄し減圧下で乾燥することにより、黄色粉末としてビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)( 2,7-ジメチルフルオレニル)メタン 880 mg (1.94 mmol、43.1%)を得た。ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)( 2,7-ジメチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 453 (M
+)
【0609】
(ii) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管に4,4'-ジトリル(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチルフルオレニル)メタン 843 mg (1.86 mmol)、脱水ジエチルエーテル 50 mlを添加した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.59 M) 2.5 ml (4.0 mmol)を徐々に添加し、室温で24時間攪拌した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム594 mg (1.86 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら19時間攪拌したところ、橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、塩化メチレンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体に少量の塩化メチレンおよびヘキサンを加え、-20℃で放置したところ黄色固体が析出した。この固体を濾別して採取し、少量のヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 670 mg (957μmol、51.6%)を得た。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.96 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.76 (dd, J = 8.1 Hz, 2.4 Hz, 2H), 7.67 (dd, J = 7.8 Hz, 1.9 Hz, 2H), 7.31 (dd, J = 8.6 Hz, 1.4 Hz, 2H), 7.20 (br d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.10 (br d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.28 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 6.15 (br s, 2H), 5.68 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.33 (s, 6H), 2.12 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 700 (M
+)
【0610】
[比較合成例A3]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0611】
(i) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 684 g (1.27 mmol)、脱水ジエチルエーテル 50 mlを添加した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 1.7 ml (2.8 mmol)を徐々に添加し、室温で17時間攪拌した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム 406 mg (1.27 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ジエチルエーテルで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体に少量の塩化メチレン、その後にヘキサンを加え、-20℃で放置したところ黄色固体が析出した。この固体を濾別して採取し、少量のヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 131 mg (167μmol、13.2%)を得た。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.99 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.80 (dd, J = 8.0 Hz, 2.2 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 8.0 Hz, 2.2 Hz, 2H), 7.54 (dd, J = 8.9 Hz, 1.6 Hz, 2H), 7.22 (br d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.14 (br d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.36 (d, J = 0.8 Hz, 2H) 6.26 (t, J = 2.7 Hz, 2H), 5.60 (t, J = 2.7 Hz, 2H), 2.32 (s, 6H), 1.03 (s, 18H)
FD-MSスペクトル: M/z 784 (M
+)
【0612】
[比較合成例A4]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
(i) ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)( 3,6-ジメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、30 mlシュレンク管に脱水t-ブチルメチルエーテル20 ml、3,6-ジメチルフルオレン0.399 g (2.06 mmol)を装入した。この溶液にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.59 M、1.31 ml、2.08 mmol)を氷水浴下、10分かけて滴下した。室温で18時間撹拌した。6,6-ビス(4-メチルフェニル)フルベン0.539 g (2.08 mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を装入し、有機層を分離し、水層をヘキサン100 ml、トルエン60 mlで抽出し、先の有機層と合わせて水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、、シリカゲルを通して濾過した。溶媒を留去し、得られた固体をエタノールで洗浄することでビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジメチルフルオレニル)メタン0.741 g (1.64 mmol、80%)を得た。ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジメチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 452 (M
+)
【0613】
(ii) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、30 mlシュレンク管に配位子0.350 g (0.773 mmol)、α-メチルスチレン0.183 g (1.55 mmol)、シクロペンチルメチルエーテル0.774 g、トルエン18.0 gを装入した。1.59 Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液0.98 ml (1.6 mmol)を10分間で滴下した。70℃に昇温後、4時間攪拌した。氷/アセトン浴で冷却後、系内を5分間減圧し、窒素で常圧に戻し、四塩化ハフニウム0.249 g (0.776 mmol)を加え、室温で18時間反応させた。溶媒を留去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。ジクロロメタン約10 mlを加え、可溶分を抽出した。得られた溶液を濃縮し、ヘキサン約3 mlを加え、析出した固体を濾過によって収集し、[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド0.450 g (0.642 mmol、83.1%)を得た。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.92 (t, J = 0.8 Hz, 2H), 7.76 (dd, J = 7.9, 2.3 Hz, 2H), 7.69 (dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 2H), 7.19 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 2H), 7.10 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 2H), 6.83 (dd, J = 8.9, 1.6 Hz, 2H), 6.36 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.26 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 5.67 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 2.57 (s, 6H), 2.32 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 700 (M
+)
【0614】
[比較合成例A5]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
(i) ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t−ブチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下で200 ml三口フラスコに3,6-ジ-t-ブチルフルオレン 2.50 g (8.98 mmol)および脱水THF 150 mlを添加し撹拌した。この溶液を-20℃に冷却しながら、n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.57 M) 5.9 ml (9.26 mmol)を徐々に添加し、その後室温で14時間攪拌し、得られた溶液を再度-20℃に冷却した後、6,6-ビス(4-メチルフェニル)フルベン 2.78 g (10.76 mmol)のTHF溶液を滴下した。その後室温で14時間攪拌し、その後反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で1回ずつ洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t−ブチルフルオレニル)メタン 3.45 g (72%)を白色固体として得た。ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t−ブチルフルオレニル)メタンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.5-6.7 (m),5.38 (s), 3.0-2.8 (br), 2.3 (br),1.3 (s)
【0615】
(ii) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、50 mlシュレンク管にビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t−ブチルフルオレニル)メタン 0.565 g (1.05 mmol)、脱水トルエン 10 ml、脱水THF 0.3 gを添加した。ドライアイスバスで冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.66 M) 1.3 ml (2.11 mmol)を徐々に添加し、室温で30分攪拌後、40℃で加熱し、4時間攪拌した。反応溶液を室温に戻した後、溶媒を留去した。得られた固体に脱水ジエチルエーテル 80 mlを添加し、-20℃に冷却後、四塩化ハフニウム 0.318 g (1.0 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌した。その後溶媒を留去し固体を脱水ジエチルエーテル、脱水ジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去し得られた固体を少量の脱水ジエチルエーテル洗浄し黄色固体として[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 0.32 g (38%)を得た。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.05 (d, J = 1.0 Hz, 2H), 7.76-7.70 (m, 4H), 7.19-7.10 (m, 4H), 7.07 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.39 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.25 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 5.67 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 2.32 (s, 6H), 1.40 (s, 18H)
【0616】
[比較合成例A6]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
(i) ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、200 mlの三口フラスコに2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレン 1.45 g(4.73 mmol)、脱水THF 100 mlを装入した。氷水浴下、1.66 Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液 3.1 ml (5.14 mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻しながら20時間攪拌した。その後、-20℃に冷却し、6,6-ビス(4-メチルフェニル)フルベン 1.5 g (5.8 mmol)を加え室温で2時間攪拌した。その後反応溶液を塩酸水溶液でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で1回ずつ洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 2.2 g (83%)を白色粉末として得た。ビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.43 (s), 7.12 (s), 6.68 (br s), 6.32 (br s), 5.22 (s), 3.73 (s), 2.97 (br s), 2.84 (br s), 2.32 (s), 1.38 (s)
【0617】
(ii) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 1.0 g (1.77 mmol)、脱水トルエン20 ml、脱水THF 0.5 gを添加した。ドライアイスバスで冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.66 M) 2.1 ml (3.54 mmol)を徐々に添加し、室温で30分攪拌後、40℃で加熱し、4時間攪拌した。反応溶液を室温に戻した後、溶媒を留去した。得られた固体に脱水ジエチルエーテル30mlを添加し、-20℃に冷却後、四塩化ハフニウム 0.59 g (1.84 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌した。その後溶液をろ別し濃縮乾固後、脱水ヘキサンで抽出した。再度濃縮乾固後少量の脱水ヘキサンおよび脱水ジエチルエーテルで洗浄し黄色固体として[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 0.53 g (37%)を得た。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.04 (s, 2H), 7.78-7.66 (m, 4H), 7.20-7.07 (m, 4H), 6.24 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 6.09 (s, 2H), 5.61 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 2.33 (s, 6H), 2.28 (s, 6H), 1.49 (s, 18H)
【0618】
[比較合成例A7]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0619】
(i) [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、200 mlシュレンク管にビス(4-メチルフェニル)(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタン 3.07 g (4.76 mmol)、脱水トルエン 80 mlおよび脱水THF 0.80 ml (9.9 mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.65 M) 6.00 ml (9.90 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 100 mlを添加して再び溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム 1.43 g (4.46 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら15時間攪拌したところ、橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去し、再び少量のジクロロメタンに溶解させた。ヘキサンを加えた後、減圧下で少しずつ溶媒を留去したところ、橙色の固体が析出したのでこれを採取した。ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥し、橙色固体として[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 3.14 g (3.51 mmol、78.7%)を得た。[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.02 (s, 2H), 7.82-7.69 (m, 4H), 7.25-7.10 (m, 4H), 6.22 (s, 2H), 6.19 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 5.50 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 2.32 (s, 6H), 1.7-1.5 (br m, 8H), 1.46 (s, 6H), 1.39 (s, 6H), 0.94 (s, 6H), 0.83 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 892 (M
+)
【0620】
[比較合成例A8]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0621】
(i) ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、200 ml三口フラスコに3,6-ジ-t-ブチルフルオレン 1.06 g (3.80 mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル 80 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 2.50 ml (4.08 mmol)を徐々に添加し、その後室温で4時間攪拌した。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 1.01 g (3.46 mmol)を添加した後、40時間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 50 mlを徐々に添加し、得られた二層の溶液を500 ml分液漏斗に移した。ジエチルエーテル 50 mlを加えて数回振った後水層を除き、有機層を水 100 mlで3回、飽和食塩水 100 mlで1回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙色固体を得た。ジエチルエーテルで洗浄した後ジクロロメタンで抽出し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のジクロロメタンに溶解させ、この溶液を少量のシリカゲルに流通させた。減圧下で溶媒を留去し、淡黄色固体としてビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 698 mg (1.23 mmol、35.4%)を得た。ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 568 (M
+)
【0622】
(ii) [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 651 mg (1.14 mmol)および脱水ジエチルエーテル 40 mlを順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 1.50 ml (2.45 mmol)を徐々に添加し、室温で24時間攪拌した。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム334 mg (1.04 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去し、黄色固体として[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 740 mg (907μmol、86.9%)を得た。[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.06 (d, J = 1.3 Hz, 2H), 7.80-7.69 (m, 4H), 7.10-7.06 (m, 2H), 6.93-6.86 (m, 4H), 6.41 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.26 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 5.67 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 3.80 (s, 6H), 1.41 (s, 18H)
FD-MSスペクトル: M/z 816 (M
+)
【0623】
[比較合成例A9]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0624】
(i) ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレン 1.2 g(3.92 mmol)、脱水シクロペンチルメチルエーテル 40 mlを装入した。氷水浴下、1.66 Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液 2.5 ml (4.11 mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻しながら20時間攪拌した。その後、氷水浴下にし、6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 1.25 g (4.31 mmol)を加え室温で4時間攪拌した。その後反応溶液を塩酸水溶液でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で1回ずつ洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をヘキサンで洗浄し、ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 1.7 g (74%)を白色粉末として得た。ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.43 (s), 7.12 (s), 6.68 (br s), 6.32 (br s), 5.22 (s), 3.73 (s), 2.97 (br s), 2.84 (br s), 2.32 (s), 1.38 (s)
【0625】
(ii) [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 0.8 g (1.22 mmol)、脱水トルエン 20 ml、脱水THF 0.5 gを添加した。ドライアイスバスで冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.66 M) 1.7 ml (2.75 mmol)を徐々に添加し、室温で30分攪拌後、40℃で加熱し、4時間攪拌した。反応溶液を室温に戻した後、溶媒を留去した。得られた固体に脱水ジエチルエーテル 30 mlを添加し、-20℃に冷却後、四塩化ハフニウム 0.41 g (1.28 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌した。その後溶媒を留去し固体を脱水ヘキサンで洗浄後、脱水ジエチルエーテルおよび脱水ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン溶液を再度濃縮した後、脱水ジエチルエーテルで洗浄し黄色固体として[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 0.70 g (79.1%)を得た。[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.05 (s, 2H), 7.80-7.66 (m, 4H), 6.96-6.84 (m, 4H), 6.25 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 6.12 (s, 2H), 5.61 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 3.80 (s, 6H), 2.29 (s, 6H), 1.49 (s, 18H)
【0626】
[比較合成例A10]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0627】
(i) ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、200 ml三口フラスコにオクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレン 1.33 g (3.45 mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル 100 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 2.30 ml (3.75 mmol)を徐々に添加し、室温で4時間攪拌した。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 0.909 g (3.13 mmol)を添加した後、40時間過熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 50 mlおよびジエチルエーテル 50 mlを徐々に添加し、得られた溶液を500 ml分液漏斗に移した。数回振った後水層を分離し、有機層を水 100 mlで3回、飽和食塩水 100 mlで1回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。シリカゲルクロマトグラフ(150 g、ヘキサン:酢酸エチル = 19:1)による分離を行い、無色の溶液を得た。減圧下で溶媒を留去し、淡黄色固体としてビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタン 2.06 g (3.04 mmol、97.3%)を得た。ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 676 (M
+)
【0628】
(ii) [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタン 1.06 g (1.57 mmol)、脱水トルエン 40 mlおよび脱水THF 270 ・l (3.33mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.64 M) 2.00 ml (3.28 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 40 mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム・二ジエチルエーテル錯体 718 mg (1.53 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら17時間攪拌したところ、橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をトルエンに溶解し、ヘキサンを添加した後減圧下で少しずつ溶媒を留去したところ橙色固体が析出した。この固体を濾別して採取し、ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、橙色固体として[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 984 mg (1.06 mmol、69.4%)を得た。[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.02 (s, 2H), 7.83-7.69 (m, 4H), 6.98-6.85 (m, 4H), 6.27 (s, 2H), 6.20 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 5.50 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 3.79 (s, 6H), 1.7-1.5 (br m, 8H), 1.46 (s, 6H), 1.40 (s, 6H), 0.98 (s, 6H), 0.86 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 924 (M
+)
【0629】
[比較合成例A11]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0630】
(i) ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに3,6-ジ-t-ブチルフルオレン 867 mg (3.12 mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル 50 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.59 M) 2.10 ml (3.34 mmol)を徐々に添加し、その後室温で19時間攪拌した。6,6-ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]フルベン 988 mg (3.12 mmol)を添加した後、2日間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 50 mlを徐々に添加し、得られた二層の溶液を300 ml分液漏斗に移した。ジエチルエーテル 100 mlを加えて数回振った後水層を除き、有機層を水 50 mlで3回、飽和食塩水 50 mlで1回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して褐色固体を得た。ヘキサン中で再結晶を行い、白色固体としてビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 1.07 g (1.81 mmol、58.0%)を得た。ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 594 (M
+)
【0631】
(ii) [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)メタン 501 mg (841μmol)、脱水トルエン 30 mlおよび脱水THF 0.14 ml (1.7 mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.59 M) 1.10 ml (1.75 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 30 mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム235 mg (735μmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して濃縮し、少量のヘキサンを添加した後、-20℃で再結晶を行った。析出した固体を少量のヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して黄色固体として[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 459 mg (545μmol、74.2%)を得た。[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.04 (d, J = 1.3 Hz, 2H), 7.70-7.60 (m, 4H), 7.08-7.04 (m, 2H), 6.72-6.69 (m, 4H), 6.52-6.48 (m, 2H), 6.24 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 5.68 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 2.93 (s, 12H), 1.40 (s, 18H)
FD-MSスペクトル: M/z 842 (M
+)
【0632】
[比較合成例A12]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
【0633】
(i) ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、500 ml三口フラスコにオクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレン 3.69 g (9.53 mmol)および脱水シクロペンチルメチルエーテル 250 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.65 M) 6.10 ml (10.1 mmol)を徐々に添加し、その後室温で24時間攪拌した。6,6-ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]フルベン 3.00 g (9.48 mmol)を添加した後、6日間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 200 mlを徐々に添加し、得られた二層の溶液を1 l分液漏斗に移した。ジエチルエーテル 200 mlを加えて数回振った後水層を除き、有機層を水 200 mlで3回、飽和食塩水 200 mlで1回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙褐色固体を得た。アセトン中で再結晶を行い、淡黄色固体としてビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタン 4.63 g (6.58 mmol、69.4%)を得た。ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD-MSスペクトル: M/z 702 (M
+)
【0634】
(ii) [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、200 mlシュレンク管にビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル](シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタン 3.08 g (4.39 mmol)、脱水トルエン 80 mlおよび脱水THF 0.74 ml (9.1 mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.65 M) 5.50 ml (9.08 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 80 mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム1.37 g (4.27 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去し、少量のトルエンを加えてスラリーとした。ヘキサンを添加した後減圧下で少しずつ溶媒を留去し、橙色固体を採取した。この固体をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥することにより、橙色固体として[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 2.49 g (2.62 mmol、61.4%)を得た。[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 8.00 (s, 2H), 7.74-7.61 (m, 4H), 6.80-6.69 (m, 4H), 6.35 (s, 2H), 6.18 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 5.52 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 2.90 (s, 12H), 1.7-1.5 (br m, 8H), 1.46 (s, 6H), 1.39 (s, 6H), 0.99 (s, 6H), 0.86 (s, 6H)
FD-MSスペクトル: M/z 950 (M
+)
【0635】
[実施例A1]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0636】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量71.1 mol%、プロピレン含有量26.3 mol%、ENB含有量2.6 mol%、Mw = 1,860,000、Mn = 578,000、Mw/Mn = 3.22のエチレン/プロピレン/ENB共重合体4.77 gを得た。
【0637】
[実施例A2]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0638】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量72.4 mol%、プロピレン含有量24.9 mol%、ENB含有量2.7 mol%、Mw = 1,820,000、Mn = 599,000、Mw/Mn = 3.04のエチレン/プロピレン/ENB共重合体5.22 gを得た。
【0639】
[比較例A1]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0640】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量66.1 mol%、プロピレン含有量31.4 mol%、ENB含有量2.4 mol%、Mw = 1,130,000、Mn = 404,000、Mw/Mn = 2.80のエチレン/プロピレン/ENB共重合体1.57 gを得た。
【0641】
[比較例A2]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0642】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量69.1 mol%、プロピレン含有量28.4 mol%、ENB含有量2.5 mol%、Mw = 1,600,000、Mn = 549,000、Mw/Mn = 2.91のエチレン/プロピレン/ENB共重合体2.60 gを得た。
【0643】
[比較例A3]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0010 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.25 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0644】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量67.2 mol%、プロピレン含有量30.8 mol%、ENB含有量2.0 mol%、Mw = 977,000、Mn = 389,000、Mw/Mn = 2.51のエチレン/プロピレン/ENB共重合体2.15 gを得た。
【0645】
[比較例A4]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0646】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量67.8 mol%、プロピレン含有量29.3 mol%、ENB含有量2.9 mol%、Mw = 1,280,000、Mn = 485,000、Mw/Mn = 2.64のエチレン/プロピレン/ENB共重合体1.58 gを得た。
【0647】
[比較例A5]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0648】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量68.6 mol%、プロピレン含有量29.2 mol%、ENB含有量2.2 mol%、Mw = 1,600,000、Mn = 481,000、Mw/Mn = 3.33のエチレン/プロピレン/ENB共重合体1.90 gを得た。
【0649】
[比較例A6]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0650】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量70.6 mol%、プロピレン含有量27.1 mol%、ENB含有量2.3 mol%、Mw = 2,170,000、Mn = 683,000、Mw/Mn = 3.18のエチレン/プロピレン/ENB共重合体3.65 gを得た。
【0651】
[比較例A7]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0652】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量65.0 mol%、プロピレン含有量33.1 mol%、ENB含有量1.9 mol%、Mw = 1,600,000、Mn = 501,000、Mw/Mn = 3.19のエチレン/プロピレン/ENB共重合体0.89 gを得た。
【0653】
[比較例A8]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0010 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.25 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0654】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量71.7 mol%、プロピレン含有量25.9 mol%、ENB含有量2.3 mol%、Mw = 2,080,000、Mn = 641,000、Mw/Mn = 3.24のエチレン/プロピレン/ENB共重合体2.59 gを得た。
【0655】
[比較例A9]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積1 lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン470 ml、ENB 4.0 mlを25℃で装入し、エチレン供給速度100 l/hで10分間液相及び気相を飽和させ、密閉した後80℃に維持した。プロピレンを分圧で0.20 MPa分装入し、その後、0.80 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.1 mlを圧入し、次いで、0.0015 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.1 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.375 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は80℃を維持、圧力はエチレン加圧により0.80 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0656】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量69.1 mol%、プロピレン含有量28.9 mol%、ENB含有量2.9 mol%、Mw = 2,550,000、Mn = 709,000、Mw/Mn = 3.60のエチレン/プロピレン/ENB共重合体1.30 gを得た。
【0657】
[実施例A3]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.3 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.3 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0658】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量73.3 mol%、プロピレン含有量23.6 mol%、ENB含有量3.2 mol%、[η] = 4.40 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体6.03 gを得た。
【0659】
[実施例A4]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.2 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.2 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0660】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量73.6 mol%、プロピレン含有量23.3 mol%、ENB含有量3.1 mol%、[η] = 4.78 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体4.31 gを得た。
【0661】
[実施例A5]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.2 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.2 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0662】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量74.5 mol%、プロピレン含有量22.5 mol%、ENB含有量3.0 mol%、[η] = 4.82 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体8.67 gを得た。
【0663】
[実施例A6]
[ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.2 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.2 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0664】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量72.3 mol%、プロピレン含有量24.0 mol%、ENB含有量3.7 mol%、[η] = 5.03 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体2.76 gを得た。
【0665】
[実施例A7]
[ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.4 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.4 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0666】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量78.2 mol%、プロピレン含有量18.2 mol%、ENB含有量3.6 mol%、[η] = 6.21 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体13.64 gを得た。
【0667】
[比較例A10]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.4 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.4 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0668】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量70.6 mol%、プロピレン含有量26.5 mol%、ENB含有量2.9 mol%、[η] = 3.84 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体5.56 gを得た。
【0669】
[比較例A11]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.25 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.25 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0670】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量70.2 mol%、プロピレン含有量27.1 mol%、ENB含有量2.6 mol%、[η] = 4.14 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体1.47 gを得た。
【0671】
[比較例A12]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.3 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.3 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0672】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量72.6 mol%、プロピレン含有量24.6 mol%、ENB含有量2.8 mol%、[η] = 5.22 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体1.95 gを得た。
【0673】
[比較例A13]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.6 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.6 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0674】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量66.1 mol%、プロピレン含有量31.7 mol%、ENB含有量2.2 mol%、[η] = 3.63 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体3.84 gを得た。
【0675】
[比較例A14]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.6 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.6 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0676】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量71.3 mol%、プロピレン含有量26.3 mol%、ENB含有量2.5 mol%、[η] = 4.35 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体5.25 gを得た。
【0677】
[比較例A15]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.55 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液1.5 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を1.5 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0678】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量68.7 mol%、プロピレン含有量29.3 mol%、ENB含有量2.0 mol%、[η] = 3.83 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体13.14 gを得た。
【0679】
[実施例A8]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後120℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、水素 400 mlを装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.15 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.15 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は120℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0680】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量79.0 mol%、プロピレン含有量17.9 mol%、ENB含有量3.1 mol%、[η] = 2.58 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体6.21 gを得た。
【0681】
[実施例A9]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.15 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.15 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0682】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量73.0 mol%、プロピレン含有量24.4 mol%、ENB含有量2.7 mol%、[η] = 9.88 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体6.21 gを得た。
【0683】
[実施例A10]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.25 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.25 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0684】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量74.7 mol%、プロピレン含有量22.5 mol%、ENB含有量2.8 mol%、[η] = 10.0 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体16.83 gを得た。
【0685】
[比較例A16]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.3 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.3 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0686】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量70.0 mol%、プロピレン含有量27.6 mol%、ENB含有量2.4 mol%、[η] = 8.06 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体8.98 gを得た。
【0687】
[比較例A17]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.3 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.3 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0688】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量69.8 mol%、プロピレン含有量27.9 mol%、ENB含有量2.3 mol%、[η] = 8.51 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体4.91 gを得た。
【0689】
[比較例A18]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.2 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.2 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0690】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量73.0 mol%、プロピレン含有量24.7 mol%、ENB含有量2.3 mol%、[η] = 10.8 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体2.72 gを得た。
【0691】
[比較例A19]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.6 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.6 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0692】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量66.9 mol%、プロピレン含有量31.3 mol%、ENB含有量1.8 mol%、[η] = 9.48 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体5.45 gを得た。
【0693】
[比較例A20]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.6 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.6 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0694】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量71.4 mol%、プロピレン含有量26.4 mol%、ENB含有量2.3 mol%、[η] = 8.50 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体12.79 gを得た。
【0695】
[比較例A21]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液1.0 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を1.0 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0696】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量70.0 mol%、プロピレン含有量28.0 mol%、ENB含有量1.9 mol%、[η] = 10.2 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体14.37 gを得た。
【0697】
[実施例A11]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、活性アルミナにより不純物を除去したn-ヘプタン940 ml、ENB 12.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。プロピレンを分圧で0.45 MPa分装入し、水素400 mlを装入し、その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.15 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.15 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0698】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/プロピレン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量73.2 mol%、プロピレン含有量24.2 mol%、ENB含有量2.7 mol%、[η] = 3.31 dl/gのエチレン/プロピレン/ENB共重合体13.75 gを得た。
【0699】
[実施例A12]
[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、n-ヘキサン(関東化学株式会社製、ヘキサン(脱水))750 ml、ENB 10.0 ml、1−ブテン 350 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.2 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.2 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0700】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/1−ブテン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量62.0 mol%、1−ブテン含有量36.6 mol%、ENB含有量1.5 mol%、[η] = 7.60 dl/gのエチレン/1−ブテン/ENB共重合体5.91 gを得た。
【0701】
[実施例A13]
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、n-ヘキサン(関東化学株式会社製、ヘキサン(脱水))750 ml、1−ブテン 350 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチル-フルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.22 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.22 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0702】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/1−ブテン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量63.3 mol%、1−ブテン含有量35.2 mol%、ENB含有量1.5 mol%、[η] = 8.26 dl/gのエチレン/1−ブテン/ENB共重合体7.58 gを得た。
【0703】
[実施例A14]
[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン/ENB共重合
充分に窒素置換した内容積2lのステンレス(SUS)製オートクレーブに、n-ヘキサン(関東化学株式会社製、ヘキサン(脱水))750 ml、1−ブテン 350 ml、ENB 10.0 mlを25℃で装入し、密閉した後95℃に維持した。その後、1.60 MPa-Gまでエチレンにより昇圧した。先ず、1 Mのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3 mlを圧入し、次いで、0.001 Mの[ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドのトルエン溶液0.2 mlを圧入した。続いて、0.004 Mのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.2 ml圧入し、15分間重合反応を行った。重合反応中、温度は95℃を維持、圧力はエチレン加圧により1.60 MPa-Gを維持した。重合反応開始15分後、2 mlのメタノールを窒素により圧入し、重合反応を停止した。
【0704】
得られた重合溶液は濃塩酸5 mlを含んだ1 lのメタノール/アセトン混合溶液(1/1[vol/vol%])中に混合し、その後1時間室温にて攪拌し脱灰した。析出したエチレン/1−ブテン/ENB共重合体は、濾取し、これを130℃、-600 mmH gの条件で10時間乾燥し、エチレン含有量64.4 mol%、1−ブテン含有量34.1 mol%、ENB含有量1.5 mol%、[η] = 8.41 dl/gのエチレン/1−ブテン/ENB共重合体10.11 gを得た。
【0705】
実施例A1、2、比較例A1〜9を表1、実施例A3〜11、比較例A10〜21を表2、実施例A12〜14を表3にまとめる。
【0706】
【表1-1】
【0707】
【表1-2】
注1)成分(A)として以下の架橋メタロセン化合物を使用した。
i : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
ii : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
iii : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-フルオレニル)]ハフニウムジクロリド
iv : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
v : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
vi : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
vii : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
viii : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
ix : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
x : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xi : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
注2)成分(B−1)として以下の有機金属化合物を使用した。
a : トリイソブチルアルミニウム
注3)成分(B−3)として以下の架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物を使用した。
b : トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
注4)小数点以下第二位を四捨五入して表記した。
注5)小数点以下第二位を四捨五入して表記した。
【0708】
【表2-1】
【0709】
【表2-2】
注1)成分(A)として以下の架橋メタロセン化合物を使用した。
i : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
ii : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
iv : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
x : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xi : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xii : [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xiii : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xiv : [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xv : [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xvi : [ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xvii : [ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド注2)成分(B−1)として以下の有機金属化合物を使用した。
a : トリイソブチルアルミニウム
注3)成分(B−3)として以下の架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物を使用した。
b : トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
注4)小数点以下第二位を四捨五入して表記した。
【0710】
【表3-1】
【0711】
【表3-2】
注1)成分(A)として以下の架橋メタロセン化合物を使用した。
i : [ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
ii : [ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
xii : [ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド
注2)成分(B−1)として以下の有機金属化合物を使用した。
a : トリイソブチルアルミニウム
注3)成分(B−3)として以下の架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物を使用した。
b : トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
注4)小数点以下第二位を四捨五入して表記した。
【0712】
以下、本発明2について、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明2はこれら実施例に限定されるものではない。
【0713】
なお、実施例B及び比較例Bにおける各特性の評価方法は次の通りである。
【0714】
《エチレン系共重合体の物性》
〔エチレン[A]に由来する構造単位、およびα−オレフィン[B]に由来する構造単位のモル量〕
1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
【0715】
〔非共役ポリエン[C]に由来する構造単位のモル量〕
1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
【0716】
〔ムーニー粘度〕ムーニー粘度(ML
1+4 (125℃)は、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
【0717】
〔B値〕
o−ジクロロベンゼン−d
4/ベンゼン−d
6(4/1[v/v])を測定溶媒とし、測定温度120℃にて、
13C−NMRスペクトル(100MHz、日本電子製ECX400P)を測定し、下記式(i)に基づき算出した。
【0718】
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
【0719】
《エチレン系共重合体組成物および成形体の物性》
〔エチレン系共重合体組成物の調整〕
本発明のエチレン系共重合体を含む組成物における加硫する前の組成物は、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、エチレン系共重合体100重量部に対して、加硫助剤として酸化亜鉛「酸化亜鉛2種」(商品名;ハクスイテック株式会社製)、加工助剤としてステアリン酸、補強剤としてカーボンブラック「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)、軟化剤としてパラフィン系プロセスオイル「ダイアナプロセスオイルPS−430」(商品名;出光興産株式会社製)を表4に記載の配合量で配合した後混練した。混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm
2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は144℃であった。
【0720】
次いで、上記配合物が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて上記配合物に加硫促進剤として、2−メルカプトベンゾチアゾール「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)、テトラメチルチウラムジスルフィド「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業株式会社製)、および、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド「サンセラーTRA」(商品名;三新化学工業株式会社製)を、架橋剤(加硫剤)としてイオウを表4に記載の配合量で添加して混練した。
【0721】
混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして混練時間8分間で分出しした。
【0722】
次に、この配合物からプレス成形機を用いて160℃で20分間加硫を行って、厚み2mmのシートを調製した。また。圧縮永久歪試験用のゴムブロックは、160℃で25分間加硫して調製した。未加硫物及び得られた加硫物について、未加硫物性、引張り試験、硬さ試験、圧縮永久歪試験を以下方法により行った。
【0723】
〔硬度試験(Durometer−A)〕
加硫された成形体の平らな部分を重ねて12mmとし、JIS K6253に従い硬度(JIS−A)を測定した。
【0724】
〔引張り試験〕
加硫された成形体をJIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断時強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
【0725】
〔圧縮永久歪試験〕
圧縮永久歪(CS)測定用試験片は、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を、160℃で25分間加硫して得た。得られた試験片をJIS K6262(1997)に従って、−40℃×22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
【0726】
〔遷移金属化合物の合成〕
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(触媒−a1)の合成
【0727】
(i)6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの合成
窒素雰囲気下、500 ml三口フラスコにリチウムシクロペンタジエニド8.28 g(115mmol)および脱水THF200 mlを加えた。氷浴で冷却しながらDMI13.6 g (119 mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。その後4,4'-ジメトキシベンゾフェノン 25.3 g (105 mmol)を加え、加熱還流下で1週間攪拌した。氷浴で冷却しながら水 100 mlを徐々に添加し、更にジクロロメタン 200 mlを加えて室温で30分間攪拌した。得られた二層の溶液を500 ml分液漏斗に移し、有機層を水 200 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙褐色固体を得た。シリカゲルクロマトグラフ(700 g、ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)による分離を行い、赤色溶液を得た。減圧下で溶媒を留去し、橙色固体として6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 9.32 g (32.1 mmol、30.7%)を得た。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.28-7.23 (m, 4H), 6.92-6.87 (m, 4H), 6.59-6.57 (m, 2H), 6.30-6.28 (m, 2H), 3.84 (s, 6H)
【0728】
(ii)ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 500 mg (2.25 mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル 40 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 1.45 ml (2.36 mmol)を徐々に添加し、室温で18時間攪拌した。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 591 mg (2.03 mmol)を添加した後、3日間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 50 mlを徐々に添加し、得られた溶液を300 ml分液漏斗に移した。ジクロロメタン 50 mlを加えて数回振った後水層を分離し、有機層を水 50 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、白色固体を得た。更に、洗浄液の溶媒を減圧下で留去し、得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄して白色固体を採取し、先に得た白色固体と合わせた。この固体を減圧下で乾燥し、ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 793 mg (1.55 mmol、76.0%)を得た。ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。FD-MSスペクトル: M/z 512 (M
+)
【0729】
(iii)[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 272 mg (0.531 mmol)、脱水トルエン 20 mlおよびTHF90μl(1.1mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (1.63 M) 0.68 ml (1.1 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 20 mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム 164 mg (0.511 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、黄色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体を少量のジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加えて-20℃で再結晶した。析出した固体を採取し、ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 275 mg (0.362 mmol、70.8%)を得た。[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.87 (s, 2H), 7.80-7.66 (m, 4H), 6.94-6.83 (m, 4H), 6.24 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.65 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 3.80 (s, 6H), 2.47 (s, 6H), 2.05 (s, 6H)FD-MSスペクトル: M/z 760 (M
+)
【0730】
〔実施例B1〕
〈エチレン系共重合体の製造〉
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて連続的に、エチレン、α−オレフィン(B)として1−ブテン、非共役ポリエン(C)として5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)からなる三元共重合体の重合反応を95℃にて行った。
【0731】
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量:31.9L/h)を用いて、連続的に、エチレンフィード量が3.1Kg/h、1−ブテンフィード量が13Kg/h、ENBフィード量が520g/hおよび水素フィード量が0.5NL/hとなるように、重合器に連続供給した。
【0732】
重合圧力を1.6MPa、重合温度を95℃に保ちながら主触媒として、前記(触媒−a1)を用いて、フィード量0.042mmol/hとなるよう連続的に供給した。また、共触媒として(C
6H
5)
3CB(C
6F
5)
4をフィード量0.21mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をフィード量5mmol/hとなるように、それぞれ連続的に供給した。
【0733】
このようにして、エチレン、1−ブテンおよびENBからなるエチレン・1−ブテン・ENB共重合体が、12.9重量%の溶液状態で得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
【0734】
以上の操作によって、エチレン、ブテン、ENBから形成されるエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)が毎時4.8Kgの速度で得られた。
【0735】
得られたEBDM−1の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表5に示す。
【0736】
〈エチレン系共重合体組成物の調整〉
表5に記載の配合量で、前記記載の方法で、配合物を得た後、加硫してシートを得た。得られたシートの物性を前記記載の方法で測定した。結果を表5に示す。
【0737】
〔実施例B2、3〕
実施例B1の重合条件を表4に記載の条件に替えて夫々エチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−2、EBDM−3)を得た後、表5に記載の配合量で配合物を得た後、加硫してシートを得た。得られたシートの物性を前記記載の方法で測定した。結果を表5に示す。
【0738】
〔比較例B1〜3〕
実施例B1で用いた主触媒である触媒−a1に替え、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(触媒−2)に替え、且つ、重合条件を表4に記載の条件に替えて、夫々エチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−4〜EBDM−5)を得た後、表5に記載の配合量で配合物を得た後、加硫してシートを得た。得られたシートの物性を前記記載の方法で測定した。結果を表5に示す。
【0739】
【表4】
【0740】
【表5】
以下、本発明2−1について、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明2−1はこれら実施例に限定されるものではない。
【0741】
以下の実施例C等の記載において、特に言及しない限り「部」は「質量部」を示す。
【0742】
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体》
〔各構造単位のモル量〕
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のエチレン[A]に由来する構造単位、α−オレフィン[B]に由来する構造単位および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位のモル量は、
1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
【0743】
〔ムーニー粘度〕
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のムーニー粘度ML
(1+4)125℃は、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
【0744】
〔B値〕
o−ジクロロベンゼン−d
4/ベンゼン−d
6(4/1[v/v])を測定溶媒とし、測定温度120℃にて、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の
13C−NMRスペクトル(100MHz、日本電子製ECX400P)を測定し、下記式(i)に基づき、B値を算出した。
【0745】
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
【0746】
〔極限粘度〕
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。
【0747】
具体的には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
【0748】
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)」
〔遷移金属化合物の合成〕
[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η
5−シクロペンタジエニル)(η
5−2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(触媒−a1)の合成
【0749】
(i)6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベンの合成
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコにリチウムシクロペンタジエニド8.28g(115mmol)および脱水THF(テトラヒドロフラン)200mlを加えた。氷浴で冷却しながらDMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)13.6g(119mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。その後4,4'−ジメトキシベンゾフェノン25.3g(105mol)を加え、加熱還流下で1週間攪拌した。氷浴で冷却しながら水100mlを徐々に添加し、更にジクロロメタン200mlを加えて室温で30分間攪拌した。得られた二層の溶液を500ml分液漏斗に移し、有機層を水200mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙褐色固体を得た。シリカゲルクロマトグラフ(700g、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)による分離を行い、赤色溶液を得た。減圧下で溶媒を留去し、橙色固体として6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベン9.32g(32.1mmol、30.7%)を得た。6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベンの同定は
1H−NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl
3):δ/ppm 7.28−7.23(m,4H),6.92−6.87(m,4H),6.59−6.57(m,2H),6.30−6.28(m,2H),3.84(s,6H)
【0750】
(ii)ビス(4−メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100ml三口フラスコに2,3,6,7−テトラメチルフルオレン500mg(2.25mmol)および脱水t−ブチルメチルエーテル40mlを添加した。氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63M)1.45ml(2.36mmol)を徐々に添加し、室温で18時間攪拌した。6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベン591mg(2.03mmol)を添加した後、3日間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水50mlを徐々に添加し、得られた溶液を300ml分液漏斗に移した。ジクロロメタン50mlを加えて数回振った後水層を分離し、有機層を水50mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、白色固体を得た。更に、洗浄液の溶媒を減圧下で留去し、得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄して白色固体を採取し、先に得た白色固体と合わせた。この固体を減圧下で乾燥し、ビス(4−メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)メタン793mg(1.55mmol、76.0%)を得た。ビス(4−メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)メタンの同定はFD−MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。FD−MSスペクトル:M/z512(M
+)
【0751】
(iii)[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η
5−シクロペンタジエニル)(η
5−2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100mlシュレンク管にビス(4−メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)メタン272mg(0.531mmol)、脱水トルエン20mlおよびTHF90μl(1.1mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63M)0.68ml(1.1mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル20mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム164mg(0.511mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、黄色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体を少量のジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加えて−20℃で再結晶した。析出した固体を採取し、ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として
[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η
5−シクロペンタジエニル)(η
5−2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド275mg(0.362mmol、70.8%)を得た。[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η
5−シクロペンタジエニル)(η
5−2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H−NMRスペクトルおよびFD−MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
【0752】
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl
3):δ/ppm 7.87(s,2H),7.80−7.66(m,4H),6.94−6.83(m,4H),6.24(t,J=2.6Hz,2H),6.15(s,2H),5.65(t,J=2.6Hz,2H),3.80(s,6H),2.47(s,6H),2.05(s,6H)
FD−MSスペクトル:M/z 760(M
+)
〔合成例C1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、1−ブテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の重合反応を95℃にて行った。
【0753】
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量:31L/h)を用いて、連続的に、エチレンフィード量が3.8Kg/h、1−ブテンフィード量が7Kg/h、ENBフィード量が390g/hおよび水素フィード量が3NL/hとなるように、重合器に連続供給した。
【0754】
重合圧力を1.6MPaG、重合温度を95℃に保ちながら、主触媒として、前記触媒−a1を用いて、フィード量0.020mmol/hとなるよう、重合器に連続的に供給した。また、共触媒として(C
6H
5)
3CB(C
6F
5)
4 (CB−3)をフィード量0.100mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TiBA)をフィード量10mmol/hとなるように、それぞれ重合器に連続的に供給した。
【0755】
このようにして、エチレン、1−ブテンおよびENBから形成されたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体を14質量%含む溶液が得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・1−ブテン・ENB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
【0756】
以上の操作によって、エチレン、ブテンおよびENBから形成されたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)が、毎時4.5Kgの速度で得られた。
【0757】
得られたEBDM−1の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表6に示す。
【0758】
〔合成例C2〜6〕
重合条件を表6に記載したとおりに変更したこと以外は合成例C1と同様にして、合成例C2のエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−2)、合成例C3のエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−3)、合成例C4のエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−4)、合成例C5のエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−5)、合成例C6のエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−6)を得た。結果を表6に示す。
【0759】
【表6】
[実施例C1]
《シールパッキン用組成物》
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、100部の合成例C1で得られたEBDM−1に対して、架橋助剤として酸化亜鉛(ZnO#1・酸化亜鉛2種(JIS規格(K−1410))、ハクスイテック(株)製)を5部、加工助剤としてステアリン酸を1部、補強剤としてカーボンブラック「旭#60G」(商品名;旭カーボン(株)製)を40部、老化防止剤として、サンダントMB(2−メルカプトベンゾイミダゾール、三新化学工業(株)製)を2部、老化防止剤としてイルガノックス1010(ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、 BASF製)を1部の配合量で配合した後混練し、配合物1を得た。
【0760】
混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm
2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は144℃であった。
【0761】
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、架橋剤(加硫剤)としてカヤクミルD−40C(ジクミルペルオキシド40質量%、化薬アクゾ製)を6.8部の配合量で添加して混練し、配合物2(シールパッキン用組成物)を得た。
【0762】
混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
【0763】
〔未加硫物性試験1:ムーニー粘度〕
配合物2のムーニー粘度ML
(1+4)100℃を、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
【0764】
〔未加硫物性試験2:加硫特性評価〕
加硫測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)を用いて、配合物2の加硫誘導時間(TS1)、加硫速度を(TC90)を以下のとおり測定した。
【0765】
一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。
【0766】
最小トルク値からトルク1point(1dNm)上がるまでの時間を加硫誘導時間(TS1;分)とした。
【0767】
トルクの最大値(S'Max)とトルクの最小値(S'Min)との差の90%のトルクに達成するまでの時間を、TC90(min)とした。測定条件は、温度180℃、時間15分とした。このTC90が小さいほど、加硫速度が速いことを示す。
【0768】
《加硫物(架橋物)の評価》
配合物2に、プレス成形機を用いて180℃で10分間架橋を行って、厚み2mmのシート(加硫物)を調製した。
【0769】
得られたシートについて、下記方法により硬度試験、引張り試験、架橋密度の算出、耐熱老化性試験、ゲーマン捻り試験、T−R試験、低温柔軟性試験、貯蔵弾性率試験を行った。
【0770】
配合物2に、円柱状の金型がセットされたプレス成形機を用いて180℃で13分間加硫して、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を作成し、圧縮永久歪(CS)試験用試験片(加硫物)を得た。
【0771】
得られた圧縮永久歪(CS)試験用試験片を用いて、下記方法により、圧縮永久歪みを評価した。
【0772】
結果を表8に示す。
【0773】
〔硬度試験:硬度(Durometer−A)〕
シートの硬度を、JIS K7312(1996)の「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」の7項の「硬さ試験」の記載およびJIS K6253(2006)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」の6項の「デュロメーター硬さ試験」の試験タイプAの記載に準拠して測定した。
【0774】
〔引張り試験:モジュラス、引張破断点応力、引張破断点伸び〕
シートのモジュラス、引張破断点応力、引張破断点伸びを以下の方法で測定した。
【0775】
シートを打抜いてJIS K 6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、伸び率が25%であるときの引張応力(25%モジュラス(M25))、伸び率が50%であるときの引張応力(50%モジュラス(M50))、伸び率が100%であるときの引張応力(100%モジュラス(M100))、伸び率が200%であるときの引張応力(200%モジュラス(M200))、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
【0776】
〔架橋密度の算出〕
シートの架橋密度νは下記の平衡膨潤を利用したFlory−Rehnerの式(a)から算出した。
【0777】
式(a)中のV
Rは架橋した2mmシートを37℃×72hの条件でトルエン抽出して求めた。
【0778】
【数1】
〔耐熱老化性試験〕
シートを、JIS K 6257に従い、150℃で168h保持する熱老化試験を行った。熱老化試験後のシートの硬度、引張破断点応力、引張破断点伸びを、前記[硬度(Durometer−A)]の項目、前記[モジュラス、引張破断点応力、引張破断点伸び]の項目と同様の方法で測定した。
【0779】
熱老化試験前後の硬度の差より、AH(Duro−A)を求め、熱老化試験前後の引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)から、熱老化試験前の値に対する試験後の変化率をそれぞれ、Ac(TB)、Ac(EB)として求めた。
【0780】
〔ゲーマン捻り試験(低温捻り試験)〕
低温捻り試験は、JIS K6261(1993)に従って、ゲーマン捻り試験機を用いて、シートのT
2(℃)、T
5(℃)およびT
10(℃)を測定した。これらの温度は、加硫ゴムの低温柔軟性の指標となる。例えばT
2が低いほど、低温柔軟性は良好である。
【0781】
〔T−R試験(低温弾性回復試験)〕
JIS K6261に従い、シートにT−R試験(低温弾性回復試験)を行い、耐寒性を測定した。
【0782】
該試験では、伸長させたシートを凍結させ、温度を連続的に上昇させることによって伸長されていたシートの回復性を測定する。(昇温により試験片の長さが10%、30%、50%、70%収縮(回復)する時の温度を、それぞれTR10、TR30、TR50、TR70と表示する。)TR10(単位:℃)が低いほど、耐寒性に優れると判断できる。
【0783】
〔低温柔軟性試験:tanδ−Tg(低温柔軟性)〕
シートから、幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状のサンプルを調製した。
【0784】
このサンプルを用いて、レオメトリック社製のRDS−IIにより、歪み0.5%、周波数1Hzの条件で粘弾性の温度分散(−70℃から25℃)を測定した。tanδ−Tg(℃)はtanδの温度依存性曲線からピーク温度を読み取ることにより導出した。
【0785】
〔貯蔵弾性率試験:貯蔵弾性率(‐40℃)〕
シートについて、レオメトリック社製RDS−IIを用いて、幅10mm、長さ38mm間でのトーションモード(ねじり)で、昇温速度2℃/minで−100℃〜100℃まで10Hzにて測定し、−40℃での貯蔵弾性率G'(Pa)の値を求めた。
【0786】
〔圧縮永久歪み〕
圧縮永久歪(CS)測定用試験片について、JIS K6262(1997)に従って、125℃×72時間処理後、0℃、−40℃または−50℃×22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
【0787】
[実施例C2〜10]
EBDMの種類およびカーボンブラック「旭#60G」の量を、表7に記載したとおりに変更した以外は、実施例C1と同様に行い、実施例C2〜10それぞれについて、配合物1、配合物2を得た。
【0788】
実施例C1と同様にしてシートの作成を行い、硬度試験、引張り試験、架橋密度の算出、耐熱老化性試験、ゲーマン捻り試験、T−R試験、低温柔軟性試験、貯蔵弾性率試験を行った。また、実施例C1と同様に圧縮永久歪(CS)試験用試験片を作成し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表8に示す。
【0789】
各実施例CにおけるEBDMの種類およびカーボンブラック「旭#60G」の量を表7に示す。
【0790】
【表7】
[比較例C1、2]
EBDM−1を、EPDM 14030(比較例C1)、EP331(比較例C2)に変更した以外は、実施例C1と同様に行い、比較例C1、2それぞれについて、配合物1、配合物2を得た。
【0791】
実施例C1と同様にしてシートの作成を行い、硬度試験、引張り試験、架橋密度の算出、耐熱老化性試験、ゲーマン捻り試験、T−R試験、低温柔軟性試験、貯蔵弾性率試験を行った。また、実施例C1と同様に圧縮永久歪(CS)試験用試験片を作成し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表9に示す。
【0792】
EPDM 14030は、三井化学(株)製、ムーニー粘度(ML
(1+4)125℃)=17、ムーニー粘度(ML
(1+4)100℃)=26、エチレン含量=51質量%、ENB含量=8.1質量%、のエチレン・プロピレン・ENB共重合体である。
【0793】
EP331は、JSR(株)製、ムーニー粘度(ML
(1+4)125℃)=23、ムーニー粘度(ML
(1+4)100℃)=35、エチレン含量=47%、ENB含量=11.3%、油展量=0(PHR)、のエチレン・プロピレン・ENB共重合体である。
【0794】
[比較例C3〜6]
シリコーンゴムコンパウンドは、シリコーンゴム100質量部と、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン約25%含有灰白色ペースト(信越化学工業製)2質量部とを、(ロール温度を前ロール/後ロール=30℃/30℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして、混練時間8分間で分出し、シリコーンゴムコンパウンド(配合物)を得た。得られた配合物について、実施例C1と同様にしてムーニー粘度、加硫特性評価を行った。
【0795】
この配合物を、プレス成形機を用いて180℃で10分間架橋を行って、厚み2mmのシート(加硫物)を調製し、得られたシートについて、実施例C1と同様にして硬度試験、引張り試験、耐熱老化性試験、ゲーマン捻り試験、T−R試験、低温柔軟性試験、貯蔵弾性率試験を行った。
【0796】
また、円柱状の金型がセットされたプレス成形機を用いて180℃で13分間加硫して、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を作成し、圧縮永久歪(CS)試験用試験片(加硫物)を得て、実施例C1と同様にして圧縮永久歪みを測定した。
【0797】
なお、シリコーンゴムとしては、KE−941−U(密度(23℃)1.11g/cm
3)(比較例C3)、KE−951−U(密度(23℃)1.14g/cm
3)(比較例C4)、KE−971−U(密度(23℃)1.30g/cm
3)(比較例C5)、KE−981−U(密度(23℃)1.42g/cm
3)(比較例C6)(全て信越化学工業(株)製)を用いた。
【0798】
結果を表9に示す。
【0799】
【表8】
【0800】
【表9】
実施例Cと、EPDMを用いた比較例C(比較例C1、2)とを比較すると、硬度が近い実施例C1と比較例C1、2とでは、ゲーマン捻り試験におけるT
2(℃)、T
5(℃)およびT
10(℃)が、実施例C1で得られたシートの方が低く、低温柔軟性に優れることがわかり、T−R試験の結果(特にTR10の結果)より、実施例C1で得られたシートの方が耐寒性に優れることがわかる。
【0801】
また、実施例Cと、シリコーンゴムコンパウンドを用いた比較例C(比較例C3〜6)とを比較すると、硬度が近い実施例Cと、比較例Cとでは、T−R試験の結果(特にTR10の結果)より、実施例Cで得られたシートの方が耐寒性に優れることがわかり、TB、EBも良好な傾向があることがわかる。
【0802】
以下、本発明2−2について、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明2−2はこれら実施例に限定されるものではない。
【0803】
以下の実施例D等の記載において、特に言及しない限り「部」は「質量部」を示す。
【0804】
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(1),(2)》
〔各構造単位のモル量〕
共重合体(1)および(2)について、エチレンに由来する構造単位、α−オレフィンに由来する構造単位および非共役ポリエンに由来する構造単位のモル量は、
1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
【0805】
〔ムーニー粘度〕
ムーニー粘度ML
(1+4)125℃およびムーニー粘度ML
(1+4)100℃は、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
【0806】
〔B値〕
o−ジクロロベンゼン−d
4/ベンゼン−d
6(4/1[v/v])を測定溶媒とし、測定温度120℃にて、
13C−NMRスペクトル(100MHz、日本電子製ECX400P)を測定し、下記式(i)に基づき、B値を算出した。
【0807】
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・・(i)
上記共重合体(1)の場合は、[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示し;上記共重合体(2)の場合は、[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A']、炭素数3〜20のα−オレフィン[B']および非共役ポリエン[C']のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A']−炭素数3〜20のα−オレフィン[B']ダイアッド連鎖分率を示す。
【0808】
〔遷移金属化合物の合成〕
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(触媒−a1)の合成
【0809】
(i)6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの合成
窒素雰囲気下、500 ml三口フラスコにリチウムシクロペンタジエニド8.28 g(115mmol)および脱水THF(テトラヒドロフラン)200 mlを加えた。氷浴で冷却しながらDMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)13.6 g (119 mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。その後4,4'-ジメトキシベンゾフェノン 25.3 g (105 mol)を加え、加熱還流下で1週間攪拌した。氷浴で冷却しながら水 100 mlを徐々に添加し、更にジクロロメタン 200 mlを加えて室温で30分間攪拌した。得られた二層の溶液を500 ml分液漏斗に移し、有機層を水 200 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙褐色固体を得た。シリカゲルクロマトグラフ(700 g、ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)による分離を行い、赤色溶液を得た。減圧下で溶媒を留去し、橙色固体として6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン9.32 g (32.1 mmol、30.7%)を得た。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.28-7.23 (m, 4H), 6.92-6.87 (m, 4H), 6.59-6.57 (m, 2H), 6.30-6.28 (m, 2H), 3.84 (s, 6H)
【0810】
(ii)ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 500 mg (2.25 mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル 40 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63 M) 1.45 ml (2.36 mmol)を徐々に添加し、室温で18時間攪拌した。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 591 mg (2.03 mmol)を添加した後、3日間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 50 mlを徐々に添加し、得られた溶液を300 ml分液漏斗に移した。ジクロロメタン 50 mlを加えて数回振った後水層を分離し、有機層を水 50 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、白色固体を得た。更に、洗浄液の溶媒を減圧下で留去し、得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄して白色固体を採取し、先に得た白色固体と合わせた。この固体を減圧下で乾燥し、ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 793 mg (1.55 mmol、76.0%)を得た。ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。FD-MSスペクトル: M/z 512 (M
+)
【0811】
(iii)[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 272 mg (0.531 mmol)、脱水トルエン 20 mlおよびTHF90μl (1.1 mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63 M) 0.68 ml (1.1 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 20 mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム 164 mg (0.511 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、黄色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体を少量のジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加えて-20℃で再結晶した。析出した固体を採取し、ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 275 mg (0.362 mmol、70.8%)を得た。[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.87 (s, 2H), 7.80-7.66 (m, 4H), 6.94-6.83 (m, 4H), 6.24 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.65 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 3.80 (s, 6H), 2.47 (s, 6H), 2.05 (s, 6H)FD-MSスペクトル: M/z 760 (M
+)
【0812】
〔合成例D1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、1−ブテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の重合反応を95℃にて行った。
【0813】
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量:27L/h)を用いて、連続的に、エチレンフィード量が3.5kg/h、1−ブテンフィード量が13kg/h、ENBフィード量が1100g/hおよび水素フィード量が4NL/hとなるように、重合器に連続供給した。
【0814】
重合圧力を1.6MPaG、重合温度を95℃に保ちながら、主触媒として、前記触媒−a1を用いて、フィード量0.088mmol/hとなるよう、重合器に連続的に供給した。また、共触媒として(C
6H
5)
3CB(C
6F
5)
4(CB−3)をフィード量0.440mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をフィード量10mmol/hとなるように、それぞれ重合器に連続的に供給した。
【0815】
このようにして、エチレン、1−ブテンおよびENBから形成されたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体を19質量%含む溶液が得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・1−ブテン・ENB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
【0816】
以上の操作によって、エチレン、ブテンおよびENBから形成されたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)が、毎時6.7kgの速度で得られた。
【0817】
得られたEBDM−1の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表10に示す。
【0818】
【表10】
[実施例D1]
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、合成例D1で得られたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)20部と「三井EPT 8030M」(三井化学(株)製)80部とからなるゴム成分100部に対して、加硫助剤として酸化亜鉛「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)を8部、加工助剤としてステアリン酸を2部、活性剤としてポリエチレングリコール「PEG#4000」(商品名;ライオン(株)製)を1部、補強剤としてSRF級カーボンブラック「旭50G」(商品名;旭カーボン(株)製)を30部、無機充填剤として重質炭酸カルシウム「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム(株)製)を150部、軟化剤としてパラフィン系オイル「ダイアナプロセスオイルPS−430」(商品名;出光興産(株)製)を50部の量で配合した後に混練し、配合物1を得た。
【0819】
混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm
2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は144℃であった。
【0820】
<非発泡架橋体>
配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、加硫促進剤として「サンセラーM」を1.5部、「サンセラーBZ」を1.5部、「サンセラーPZ」を1.5部、「サンセラーBUR」を1.5部(以上、商品名;三新化学工業(株)製)、架橋剤(加硫剤)としてイオウを1.5部を混練して、配合物2を得た。
【0821】
混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
【0822】
得られた配合物2に、プレス成形機を用いて180℃で5分間加硫を行って、2mmtの非発泡架橋シートを得た。
【0823】
<架橋発泡体>
配合物1が温度40℃となったことを確認した後、14インチロールを用いて、配合物1に、加硫促進剤として「サンセラーM」を1.5部、「サンセラーBZ」を1.5部、「サンセラーPZ」を1.5部、「サンセラーBUR」を1.5部(以上、商品名;三新化学工業(株)製)、架橋剤(加硫剤)としてイオウを1.5部、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを35部、発泡助剤として尿素を1部の配合量で添加して混練し、配合物3を得た。
【0824】
混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=80℃/80℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして、混練時間10分間で分出しし、配合物3を得た。
【0825】
得られた配合物3を、平板ダイス(縦4mm、横20mm)を装着した60φmm押出機を用いて、ダイス温度80℃、シリンダー温度70℃の条件で押出し、平板状に成形した。得られた成形体を成形と同時に熱風加硫装置(HAV)内に導入し、180℃の温度で8分間加熱することで、加硫および発泡を行い、平板状スポンジを得た。
【0826】
[実施例D2、比較例D1〜2]
ゴム成分を表11に記載したとおりに変更したこと以外は実施例D1と同様にして、実施例D2および比較例D1〜2それぞれについて、配合物1〜配合物3を得た。実施例D1と同様にして2mmtの非発泡架橋シート、平板状スポンジを作成し、各種評価を行った。
【0827】
なお、ゴム成分として使用した製品の詳細は以下のとおりである。
【0828】
EPT 8030M:三井化学(株)製「三井EPT 8030M」(商品名)、EPDM、エチレン含量=47%、ジエン含量=9.5%、ムーニー粘度ML
(1+4)100℃=32、油展量=0(PHR)
EPT 8030MのB値は、1.0であった。
【0829】
BUTYL 268:JSR(株)製「JSR BUTYL 268」(商品名)、ブチルゴム、比重:0.92g/cm
3、不飽和度:1.5mol%、ムーニー粘度ML
(1+8)125℃=51
上記製品の物性値は、B値を除き、カタログ値である。
【0830】
[配合物1の物性]
〔ムーニー粘度〕
ムーニー粘度ML
(1+4)100℃は、配合物1を用いて、ムーニー粘度計((株)島津製作所社SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
【0831】
〔プローブタック試験〕
プローブタックは、JIS Z3284に準拠しRHESCA社製 TAC-IIを用いて測定した。条件は温度50℃、Immersion speed:120mm/min、Preload:600gf、Test speed:120mm/min、Press time:60sとした。
【0832】
[2mmtの非発泡架橋シートの物性]
〔硬度試験(ショアーA)〕
ショアーA硬度は、JIS K6253に準拠して、2mmtの非発泡架橋シートを用いて測定した。A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
【0833】
〔低温柔軟性試験:Tg(低温柔軟性)〕
2mmtの非発泡架橋シートから、幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状のサンプルを調製した。このサンプルを用いて、TA Instruments社製のARESにより、歪み0.5%、周波数1Hzの条件で粘弾性の温度分散(−70℃から25℃)を測定した。Tg(℃)はtanδの温度依存性曲線からピーク温度を読み取ることにより導出した。また、25℃におけるtanδを測定した。
【0834】
[配合物3の物性]
〔最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(min)〕
未加硫組成物の物性試験は、JIS K6300に準拠して行った。具体的には、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、実施例D・比較例Dで得られた配合物3の110℃におけるムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度(Vm)より5ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5、min)とした。
【0835】
[架橋発泡体(平板状スポンジ)の物性]
〔比重〕
平板状スポンジをシート状に切断後、20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコールで拭き取った。この試験片を25℃雰囲気下で自動比重計(東洋精機製作所製:M−1型)に取り付け、空気中および純水中の質量の差から比重測定を行った。
【0836】
〔音響透過損失〕
平板状スポンジから29mmφ×11mm厚みの試験片を打ち抜き、内径29mmφの4206−T型音響管(Bruel&Kjaer製)および測定用ソフト(PULSE Material Testing Type7758、Bruel&Kjaer製)を用いて垂直入射透過損失を測定し、500〜5000Hzにおける音響透過損失を求めた。結果を
図1に示す。
【0837】
【表11】
EPT 8030Mを配合した比較例D1に対して、EPT 8030MとともにBUTYL 268を配合した比較例D2では、ムーニー粘度は小さいが、比重が大きくなっている。これに対して、EPT 8030MおよびEBDM−1を配合した実施例Dでは、ムーニー粘度および最低粘度が小さいことからロール加工性に優れ、音響透過損失が大きいことから遮音性能に優れ、また比重も小さい。したがって、実施例Dは、加工性、遮音性能および比重のバランスに優れている。
【0838】
以下、本発明2−3について、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明2−3はこれら実施例に限定されるものではない。
【0839】
以下の実施例E等の記載において、特に言及しない限り「部」は「質量部」を示す。
【0840】
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体》
〔各構造単位のモル量〕
エチレン[A]に由来する構造単位、α−オレフィン[B]に由来する構造単位および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位のモル量は、
1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
【0841】
〔ムーニー粘度〕
ムーニー粘度ML
(1+4)125℃は、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
【0842】
〔B値〕
o−ジクロロベンゼン−d
4/ベンゼン−d
6(4/1[v/v])を測定溶媒とし、測定温度120℃にて、
13C−NMRスペクトル(100MHz、日本電子製ECX400P)を測定し、下記式(i)に基づき、B値を算出した。
【0843】
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
【0844】
〔遷移金属化合物の合成〕
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(触媒−a1)の合成
【0845】
(i)6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの合成
窒素雰囲気下、500 ml三口フラスコにリチウムシクロペンタジエニド8.28 g(115mmol)および脱水THF(テトラヒドロフラン)200 mlを加えた。氷浴で冷却しながらDMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)13.6 g (119 mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。その後4,4'-ジメトキシベンゾフェノン 25.3 g (105 mol)を加え、加熱還流下で1週間攪拌した。氷浴で冷却しながら水 100 mlを徐々に添加し、更にジクロロメタン 200 mlを加えて室温で30分間攪拌した。得られた二層の溶液を500 ml分液漏斗に移し、有機層を水 200 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙褐色固体を得た。シリカゲルクロマトグラフ(700 g、ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)による分離を行い、赤色溶液を得た。減圧下で溶媒を留去し、橙色固体として6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン9.32 g (32.1 mmol、30.7%)を得た。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベンの同定は
1H NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.28-7.23 (m, 4H), 6.92-6.87 (m, 4H), 6.59-6.57 (m, 2H), 6.30-6.28 (m, 2H), 3.84 (s, 6H)
【0846】
(ii)ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100 ml三口フラスコに2,3,6,7-テトラメチルフルオレン 500 mg (2.25 mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル 40 mlを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63 M) 1.45 ml (2.36 mmol)を徐々に添加し、室温で18時間攪拌した。6,6-ビス(4-メトキシフェニル)フルベン 591 mg (2.03 mmol)を添加した後、3日間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水 50 mlを徐々に添加し、得られた溶液を300 ml分液漏斗に移した。ジクロロメタン 50 mlを加えて数回振った後水層を分離し、有機層を水 50 mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、白色固体を得た。更に、洗浄液の溶媒を減圧下で留去し、得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄して白色固体を採取し、先に得た白色固体と合わせた。この固体を減圧下で乾燥し、ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 793 mg (1.55 mmol、76.0%)を得た。ビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタンの同定はFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。FD-MSスペクトル: M/z 512 (M
+)
【0847】
(iii)[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100 mlシュレンク管にビス(4-メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)メタン 272 mg (0.531 mmol)、脱水トルエン 20 mlおよびTHF90μl (1.1 mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63 M) 0.68 ml (1.1 mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル 20 mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム 164 mg (0.511 mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、黄色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体を少量のジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加えて-20℃で再結晶した。析出した固体を採取し、ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド 275 mg (0.362 mmol、70.8%)を得た。[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η
5-シクロペンタジエニル)(η
5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は
1H NMRスペクトルおよびFD-MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H NMRスペクトル(270 MHz, CDCl
3): δ/ppm 7.87 (s, 2H), 7.80-7.66 (m, 4H), 6.94-6.83 (m, 4H), 6.24 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.65 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 3.80 (s, 6H), 2.47 (s, 6H), 2.05 (s, 6H)FD-MSスペクトル: M/z 760 (M
+)
【0848】
〔合成例E1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、1−ブテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の重合反応を95℃にて行った。
【0849】
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量:32L/h)を用いて、連続的に、エチレンフィード量が3.2kg/h、1−ブテンフィード量が12kg/h、ENBフィード量が520g/hおよび水素フィード量が0NL/hとなるように、重合器に連続供給した。
【0850】
重合圧力を1.6MPaG、重合温度を95℃に保ちながら、主触媒として、前記触媒−a1を用いて、フィード量0.030mmol/hとなるよう、重合器に連続的に供給した。また、共触媒として(C
6H
5)
3CB(C
6F
5)
4(CB−3)をフィード量0.15mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をフィード量10mmol/hとなるように、それぞれ重合器に連続的に供給した。
【0851】
このようにして、エチレン、1−ブテンおよびENBから形成されたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体を15質量%含む溶液が得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・1−ブテン・ENB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
【0852】
以上の操作によって、エチレン、1−ブテンおよびENBから形成されたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)が、毎時5.4kgの速度で得られた。
【0853】
得られたEBDM−1の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表12に示す。
【0854】
〔合成例E2、3〕
重合条件を表12に記載したとおりに変更したこと以外は合成例E1と同様にして、合成例E2のエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−2)、合成例E3のエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−3)を得た。
【0855】
【表12】
《ホース形成用組成物》
[実施例E1]
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、合成例E1で得られたエチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)100部に対して、加硫助剤として酸化亜鉛「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)を5部、加工助剤としてステアリン酸を2部、活性剤としてポリエチレングリコール「PEG#4000」(商品名;ライオン(株)製)を1部、加工助剤としてN−置換脂肪酸アミドと脂肪酸カルシウムとの混合物「ストラクトールWB16」(商品名;エスアンドエス・ジャパン(株)製)を2部、補強剤としてカーボンブラック「旭#60G」(商品名;旭カーボン(株)製)を90部、無機充填剤として「ディキシークレー」(商品名;R.T.Vanderbilt製)を80部、軟化剤としてパラフィン系プロセスオイル「ダイアナプロセスオイルPW−380」(商品名;出光興産(株)製)を58部の配合量で配合した後に混練し、配合物1を得た。
【0856】
混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm
2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は144℃であった。
【0857】
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、加硫促進剤としてジブチルジチオカルバミン酸亜鉛「サンセラーBZ」を1.8部、テトラメチルチウラムジスルフィド「サンセラーTT」を0.5部、およびエチレンチオ尿素「サンセラー22−C」を0.5部(以上、商品名;三新化学工業(株)製)の配合量で、架橋剤(加硫剤)としてモルフォリンジスルフィド「サンフェルR」(商品名;三新化学工業(株)製)を1.5部、イオウを0.5部の配合量で添加して混練し、配合物2を得た。
【0858】
混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
【0859】
配合物1を、3mm厚金型(剥離用シート:ルミラー(登録商標))を用いて150℃で3分間プレス成形し、さらに2mm厚金型(剥離用シート:テフロン(登録商標))を用いて50℃で120分間プレス成形することで、厚さ2mmの未加硫ゴムシートを得た。また、配合物2に、プレス成形機を用いて170℃で15分間加硫を行って、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。また、配合物2から、円柱状金型を用いて、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を作成し、170℃で20分間加硫して、圧縮永久歪(CS)試験用試験片を得た。未加硫物および得られた加硫物について、未加硫物性試験、硬度試験、引張試験、電気特性試験、低温捻り試験、圧縮永久歪試験を以下の方法により行った。
【0860】
[実施例E2〜4、比較例E1〜6]
配合組成を表13に記載したとおりに変更したこと以外は実施例E1と同様にして、実施例E2〜4および比較例E1〜6それぞれについて、配合物1〜配合物2を得た。実施例E1と同様にしてシート、試験片を作成し、各種評価を行った。
【0861】
なお、比較例Eで用いたゴムの詳細は以下のとおりである。
【0862】
3090EM:三井化学(株)製、EPDM、エチレン含量=48%、ジエン含量=5.2%、ムーニー粘度ML
(1+4)125℃=59、油展量=10(PHR)
3062EM:三井化学(株)製、EPDM、エチレン含量=65%、ジエン含量=4.5、ムーニー粘度ML
(1+4)125℃=43、油展量=20(PHR)
3110M:三井化学(株)製、EPDM、エチレン含量=56%、ジエン含量=5.0、ムーニー粘度ML
(1+4)125℃=78、油展量=0(PHR)
EP27:JSR(株)製、EPDM、エチレン含量=54.5%、ENB含量=4%、ムーニー粘度ML
(1+4)125℃=70、油展量=0(PHR)
EP96:JSR(株)製、EPDM、エチレン含量=66%、ENB含量=5.8%、ムーニー粘度ML
(1+4)125℃=61、油展量=50(PHR)
Es552:住友化学(株)製、エスプレンEPDM、エチレン含量=55%、ジエン含量=4.0%、ムーニー粘度ML
(1+4)125℃=85、油展量=0(PHR)
上記製品の物性値はカタログ値である。
【0863】
〔未加硫物性試験1:最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(min)〕
未加硫組成物の物性試験は、JIS K6300に準拠して行った。具体的には、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、実施例E・比較例Eで得られた配合物2の125℃におけるムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイントまたは35ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5、min)およびスコーチ時間(t35、min)とした。
【0864】
〔未加硫物性試験2:加硫特性評価〕
実施例E・比較例Eで得られた配合物2を用いて、加硫測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES社製)により、加硫速度(TC90)を以下のとおり測定した。
【0865】
一定の温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。トルクの最大値(S'Max)とトルクの最小値(S'Min)との差の90%のトルクに達成するまでの時間を、TC90(min)とした。測定条件は、温度170℃、時間20分とした。このTC90が小さいほど、加硫速度が速いことを示す。
【0866】
〔未加硫物性試験3:グリーン強度(GS;23℃)
実施例E・比較例Eで得られた厚さ2mmの未加硫ゴムシートについて、JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断時強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
【0867】
〔硬度試験(Durometer−A)〕
実施例E・比較例Eで得られた厚さ2mmの加硫ゴムシートの平らな部分を重ねて厚さ12mmのシートとし、JIS K6253に従い、硬度(JIS−A)を測定した。
【0868】
〔引張試験〕
実施例E・比較例Eで得られた厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、伸び率が25%であるときの引張応力(25%モジュラス(M25))、伸び率が50%であるときの引張応力(50%モジュラス(M50))、伸び率が100%であるときの引張応力(100%モジュラス(M100))、伸び率が200%であるときの引張応力(200%モジュラス(M200))、伸び率が300%であるときの引張応力(300%モジュラス(M300))、破断時強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
【0869】
〔電気特性試験)〕
実施例E・比較例Eで得られた厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、ASTM D 257に準拠して、体積抵抗率を評価した。
【0870】
<低温捻り試験(ゲーマン捻り試験)>
低温捻り試験は、JIS K6261(1993)に従って、ゲーマン捻り試験機を用いて、実施例E・比較例Eで得られた厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、T
2(℃)、T
5(℃)およびT
10(℃)を測定した。これらの温度は、加硫ゴムの低温での柔軟性の指標となる。例えばT
2が低いほど、低温での柔軟性は良好である。
【0871】
〔圧縮永久歪試験〕
圧縮永久歪(CS)測定用試験片について、JIS K6262(1997)に従って、125℃、70℃または−25℃×22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
【0872】
【表13】
表13に記載した結果から、比較例Eに比べて実施例Eは、低温でのゲーマン捻り試験の結果(T
2,T
5,T
10)が小さく、また低温での圧縮永久ひずみ(−25℃×22h)も小さいことから、耐寒性(低温特性)に優れるとともに、耐寒性(低温特性)と、常温での機械的物性(伸び物性、引張強度等)とのバランスにも優れる。以上の特性を有することから、実施例Eの上記組成物を用いて、低温特性と機械的物性とのバランスに優れたホースを製造することができる。