特許第6774229号(P6774229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6774229蓄電モジュールの製造方法、及び蓄電モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774229
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】蓄電モジュールの製造方法、及び蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20201012BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20201012BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 Y
   H01M2/10 S
   H01G11/10
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-119272(P2016-119272)
(22)【出願日】2016年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-224498(P2017-224498A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2019年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正人
(72)【発明者】
【氏名】平川 雄一朗
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3261688(JP,B2)
【文献】 特許第5556252(JP,B2)
【文献】 特開2009−200051(JP,A)
【文献】 特開2003−059538(JP,A)
【文献】 特開2012−069408(JP,A)
【文献】 特開2015−026424(JP,A)
【文献】 特許第4844849(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01G 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め、製造された蓄電モジュールから導出した下記式1:
D=h−(1−P/Y)×h ・・・式1
{式中、
Yは、蓄電セルの厚み方向に対する弾性率であり、
Pは、加圧機構によって複数の蓄電セルの積層方向における両側から0.025MPa〜0.055MPaの範囲内で加圧して、前記蓄電セルに加える加圧力であり、
は、前記加圧機構加圧する一組の加圧面の対向間隔であり、
は、前記複数の蓄電セルの積層方向における無加圧状態での積層高さであり、かつ
Dは、スペーサ部材厚みである。}
を利用して蓄電モジュールを製造する方法であって、以下の工程:
(1)平板状をなす複数の蓄電セルを厚み方向に積層して、上記hを計測する工程;
(2)上記h、上記P/Y、及び上記hから上記式1を利用して、上記Dを算出する工程;
(3)算出したDの厚みを満たすスペーサ部材を上記複数の蓄電セルの積層方向に積層する工程;及び
(4)一対のエンドプレートを用いて、積層された蓄電セルを上記hとなるまで加圧機構によって加圧する工程;
を有する、蓄電モジュールを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電モジュールの製造方法、及び蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電及び風力発電等で用いる負荷平均化装置、瞬時電圧低下対策装置、電気自動車及びハイブリッドカーに用いるエネルギー回生装置等のような蓄電システムが知られている。このような蓄電システムでは、エネルギー容量が大きく、かつ、急速充電が可能な蓄電デバイスが求められている。
【0003】
近年、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等を用いた蓄電モジュールが提案されている。これらの蓄電モジュールは、複数の蓄電セルが直列または並列に接続された蓄電体を有しており、高電圧または大容量の状態で充放電することが可能である。このため、蓄電モジュールは、電源装置として様々な用途に用いられている。
【0004】
蓄電モジュールは、平板状をなす複数の蓄電セルを、蓄電セルの厚み方向に積層し、蓄電セル同士が電気的に接続されている。また、蓄電モジュールは、蓄電セルを保護する外装部材によって、積層された複数の蓄電セルが締結されて保持されている。平板状の蓄電セルとしては、被覆部材にラミネートフィルムを用いて電極積層体が被覆された、ラミネート型の蓄電セルがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−273320号公報
【特許文献2】特開2012−204356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したラミネート型の蓄電セルは、製造が容易であり、小型化、薄型化し易いという利点を有する。一方、このような蓄電セルは、外形寸法のバラツキが大きくなり易い傾向がある。蓄電モジュールでは、積層された蓄電セルが、外装部材等を用いて固定されている。このため、個々の蓄電セルの外形寸法にバラツキが生じている場合、蓄電モジュールの組み立て時に、外装部材及び他の構成部材の組み付け位置にずれが生じてしまう。また、組み付け位置にずれが生じた外装部材及び他の構成部材を無理に組み立てた場合、蓄電セルに付与する加圧力を適正に制御することが困難になる。また、蓄電モジュールに搭載される蓄電セルは、所定の加圧力が加わった状態で拘束されることが望ましい。蓄電モジュール毎に、蓄電セルに加わる加圧力が異なっている状態で拘束されていた場合には、個々の蓄電モジュール毎に充放電性能が劣化する速度が異なってしまう。その結果、蓄電モジュール毎に性能のバラツキが生じ、所望の性能を保障することが困難になる。
【0007】
ところで、蓄電モジュールとしては、一対のエンドプレートの間に、所定の外形寸法の構成部材を配置することによって、エンドプレート間の間隔を一定にするとともに、積層された平板状の蓄電セルを厚み方向に加圧する構成が知られている。しかしながら、実際の蓄電セルは、個々の厚みにバラツキが生じている。特に、ラミネート型の蓄電セルは、厚みのバラツキが大きくなり易い。このため、ラミネート型の蓄電セルを用いた蓄電モジュールでは、一対のエンドプレート間の間隔を一定にした場合であっても、蓄電モジュール毎に蓄電セルに加わる加圧力を均一にすることが困難である。
【0008】
また、蓄電セルとしては、平板状の蓄電セルの内部に、蓄電セルの厚みの基準寸法に対する差分に相当する厚みを有する厚み調整シートを挿入することによって、蓄電モジュール毎の厚みのバラつきを低減する構成が知られている。この構成によれば、蓄電セルの厚みを均一化し、蓄電セル毎に、厚みを調整する作業を行うことになるので、蓄電セルの製造工程が増えてしまう。その結果、蓄電セルの製造コストがかさみ、蓄電モジュールの製造コストが増加してしまう。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、蓄電モジュール毎において、蓄電セルに加わる加圧力を均一化することができる蓄電モジュールの製造方法、及び蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する蓄電モジュールの製造方法の一態様は、平板状をなす複数の蓄電セルを厚み方向に積層する工程と、前記蓄電セルの厚み方向に対する弾性率をYとし、加圧機構によって前記複数の蓄電セルの積層方向における両側から0.025MPa〜0.055MPaの範囲内で加圧して、前記蓄電セルに加える加圧力をPとし、前記加圧機構において前記両側を加圧する一組の加圧面の対向間隔をhとし、前記複数の蓄電セルの積層方向に対する、無加圧状態での積層高さをhとしたとき、厚みDが、
D=h−(1−P/Y)×h ・・・式1
を満たすスペーサ部材を、前記複数の蓄電セルの前記積層方向において、前記蓄電セルに隣接して配置する工程と、前記スペーサ部材を配置して積層された前記複数の蓄電セルを、前記加圧機構によって加圧する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する蓄電モジュールの製造方法の一態様によれば、積層された複数の蓄電セルに加わる加圧力を、個々の蓄電モジュールにおいて均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施例の蓄電モジュールの外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施例の蓄電モジュールを、図1中のA−A線に沿って示す断面図である。
図3図3は、実施例の蓄電モジュールが有する蓄電セルの外観を示す斜視図である。
図4図4は、実施例の蓄電モジュールにおいて、複数の蓄電セルが積層された状態の積層高さを説明するための断面図である。
図5図5は、実施例の蓄電モジュールにおいて、蓄電セルが積層方向に加圧されたときの外装部材の対向間隔を説明するための側面図である。
図6図6は、実施例の蓄電モジュールが有するスペーサ部材の大きさと、蓄電セル及びエンドプレートの大きさとの関係を説明するための断面図である。
図7図7は、実施例の蓄電モジュールにおいて、蓄電セルの厚み方向に荷重σを加えた時の蓄電セル10の厚みの歪み値εを表示したグラフである。
図8図8は、実施例の蓄電モジュールにおいて、蓄電セルの定電圧フロート試験における加圧力と放電容量維持率の関係を表示したグラフである。
図9図9は、実施例の蓄電モジュールの製造工程を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、実施例の蓄電モジュールの製造工程において、複数の蓄電セルが積層された状態を示す断面図である。
図11図11は、実施例の蓄電モジュールの製造工程において、蓄電セルの積層方向にスペーサ部材が配置された状態を示す断面図である。
図12図12は、実施例の蓄電モジュールの製造工程において、積層された蓄電セルがスペーサ部材を介して加圧される状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願の開示する蓄電モジュールの製造方法及び蓄電モジュールの実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する蓄電モジュールの製造方法及び蓄電モジュールが限定されるものではない。
【実施例】
【0014】
[蓄電モジュールの構成]
図1は、実施例の蓄電モジュールの外観を示す斜視図である。図2は、実施例の蓄電モジュールを、図1中のA−A線に沿って示す断面図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、実施例の蓄電モジュール1は、積層された複数の蓄電セル10と、積層された複数の蓄電セル10を保護する外装部材20と、を有する。実施例では、一例として8個の蓄電セル10が積層された構成を示すが、蓄電セル10を積層する個数を限定するものではない。なお、図1では、説明を簡単にするため、蓄電セル10の電極タブ3aと、隣接する他の蓄電セル10の電極タブ3bとの接続状態を図示していない。実際には、電極タブ3aと電極タブ3bとが接続されており、積層された蓄電セル10が直列に接続される。
【0016】
また、蓄電モジュール1は、バッテリーモジュールまたはキャパシタモジュールとも呼ばれる。蓄電セルは、蓄電池とも呼ばれる。また、蓄電モジュール1は、複数の蓄電セル10を積層して組み合わせて構成されるので、組蓄電池または組電池とも呼ばれる。
【0017】
[蓄電セルの構成]
図3は、実施例の蓄電モジュール1が有する蓄電セル10の外観を示す斜視図である。図3に示すように、蓄電セル10は、例えば、リチウムイオンを含む有機電解液及び電極積層体が、外装材を用いて密封された平板状に形成されている。外装材としては、例えば、アルミニウム箔を樹脂フィルムでラミネート加工してなるアルミニウムラミネートフィルム等の気密性軟包装材が用いられており、矩形をなす扁平状の容器5を構成する。また、蓄電セル10は、矩形状の容器5の対向する一組の長辺から、容器5の外部に引き出された電極タブ3a及び電極タブ3bを有する。電極タブ3aと電極タブ3bは、一方が正極タブであり、他方が負極タブである。
【0018】
また、蓄電セル10は、有機電解液及び電極積層体6が容器5内に収容されて密封されるので、扁平状の容器5の主面5aの中央部分に、電極積層体6の外形に対応するように膨出した矩形状の膨出部7が形成されている。また、蓄電セル10は、膨出部7が形成された主面5aの反対側の主面5bが、平坦面として形成されている(図6参照)。また、膨出部7は、主面5aとほぼ平行になる平坦面7aを有しており、断面台形状に形成されている。そして、蓄電モジュール1において、複数の蓄電セル10は、蓄電セルの主面5aに、隣接する蓄電セルの主面5bが重なるように積層されている。なお、実施例における蓄電セル10は、一方の主面5aのみに膨出部7が形成され、他方の主面5bが平坦に形成されたが、この形状に限定されるものではない。蓄電セル10は、主面5a及び主面5bの両方に膨出部7が形成された形状でもよい。
【0019】
[外装部材の構成]
外装部材20は、蓄電セル10の厚み方向に積層された複数の蓄電セル10の積層方向における両側から、複数の蓄電セル10を加圧する。図1及び図2に示すように、外装部材20は、蓄電セル10の容器5において、電極タブ3a、3bが設けられていない一組の短辺側に、蓄電セル10の積層方向に沿って配置されている。外装部材20は、最上層に配置された蓄電セル10の主面5aと、最下層に配置された蓄電セル10の主面5bとを包囲するように、積層された蓄電セル10を固定している。
【0020】
外装部材20は、一組のエンドプレート11a、11bと、一組のエンドプレート11a、11bを連結する一組のブラケット12a、12bと、エンドプレート11a、11bとブラケット12a、12bとを締結するネジ等の締結部材13と、を有する。実施例における外装部材20は、「加圧機構」の一例である。
【0021】
なお、蓄電モジュール1は、蓄電セル10がエンドプレート11a、11b及びブラケット12a、12bによって保護されるが、蓄電セル10、エンドプレート11a、11b及びブラケット12a、12bを収容する外装ケース(不図示)を有してもよい。このような外装ケースは、樹脂材または金属材などによって形成される。また、実施例の蓄電モジュール1は、蓄電セル10の電圧測定、温度測定、または状態監視を行うための回路基板(不図示)を有するが、説明を省略する。
【0022】
エンドプレート11a、11bは、蓄電セル10の積層方向における両側の蓄電セル10に隣接して配置されている。つまり、実施例では、複数の蓄電セル10が上下方向に対して積層されているので、エンドプレート11aが、積層された蓄電セル10における最上層の蓄電セル10の主面5aに隣接して配置されている。また、エンドプレート11bは、積層された蓄電セル10における最下層の蓄電セル10の主面5bに隣接して配置されている。
【0023】
また、ブラケット12a、12bは、積層された蓄電セル10の、電極タブ3a、3bが引き出されていない一組の短辺に沿って配置されている。ブラケット12a、12bの両端は、エンドプレート11a、11bに締結部材13によって固定されている。締結部材13を用いた固定構造としては、ネジ、またはボルト及びナットのねじ込み構造に限定されるものではなく、リベットを用いたかしめ接合構造等の種々の公知技術を用いてもよい。
【0024】
[複数の蓄電セルが積層された状態]
図4は、実施例の蓄電モジュール1において、複数の蓄電セル10が積層された状態の積層高さを説明するための断面図である。また、図4は、積層された複数の蓄電セル10を、図1におけるA―A線に沿って切断した断面図である。図4に示すように、最上層の蓄電セル10の上には、蓄電セル10の厚みのバラツキに起因する、複数の蓄電セル10が積層された合計高さを調整するためのスペーサ部材30が配置されている。
【0025】
なお、スペーサ部材30を配置する位置は、最上層の蓄電セル10の上に限定されるものではなく、最下層の蓄電セル10の下に配置されてもよい。また、スペーサ部材30は、必要に応じて、厚み方向に対して複数に分割されて、異なる蓄電セル10に隣接して配置されてもよい。この場合、複数のスペーサ部材30が、最上層の蓄電セル10の上、最下層の蓄電セル10の下、複数の蓄電セル10の間にそれぞれ配置されてもよい。また、必要に応じて、隣接する複数の蓄電セル10の間に、複数のスペーサ部材30を重ねて配置してもよい。本実施例におけるスペーサ部材30の厚みに関しては、後述する。
【0026】
図4に示す状態は、積層された複数の蓄電セル10は、積層方向に対して加圧されていない無加圧状態であり、蓄電セル10の積層方向における積層高さがhとなる。なお、図示しないが、積層される複数の蓄電セル10の間には、冷却性を高めるための放熱板、および/または蓄電セル10間を固定するための接着シートが配置されてもよい。この場合には、複数の蓄電セル10の間に配置される放熱板及び接着シートの厚みを含めて積層高さhとする。
【0027】
[積層された蓄電セルに外装部材が組み付けられた状態]
図5は、実施例の蓄電モジュール1において、蓄電セルが積層方向に加圧されたときの外装部材20の対向間隔を説明するための側面図である。また、図5は、積層された蓄電セル10に、エンドプレート11a、11b及びブラケット12a、12bを組み付けた状態を図1におけるA方向から見た側面図である。
【0028】
図5に示すように、積層された蓄電セル10における最上層の蓄電セル10の上方、及び最下層の蓄電セルの下方を覆うように、外装部材20が組み付けられる。外装部材20は、蓄電セル10の積層方向における最上層の蓄電セル10に重ねられたスペーサ部材30上に配置されたエンドプレート11aと、最下層の蓄電セル10の下方に配置されたエンドプレート11bとが、締結部材13によってブラケット12a、12bに連結される。これにより、外装部材20は、積層された蓄電セル10の長辺側が開口した矩形の筒状に構成される。したがって、積層された蓄電セル10は、外装部材20の筒状部内に収容される。
【0029】
また、一組のエンドプレート11a、11bは、互いに平行に配置されており、図5に示すように、複数の蓄電セル10の積層方向における両側を加圧する一組の対向面の対向間隔がhとなる。なお、この対向間隔hは、エンドプレート11a、11bによって加圧された状態での複数の蓄電セル10の積層方向に対する高さと、スペーサ部材30の厚みを含めた高さに相当する。対向間隔hは、蓄電セル10の積層方向に対するブラケット12a、12bの長さを一定にしたり、他の構造を用いたりすることで、一定に規定されている。また、対向間隔hは、製造される蓄電モジュール1における複数の蓄電セル10の積層方向に対する高さを実質的に決定するものであり、製品管理上、個々の蓄電モジュール1毎に一定であることが望ましい。対向間隔hと積層高さhは、積層高さh+D>対向間隔hの関係を満たしている。つまり、積層された蓄電セル10は、自重によって生じる加圧力を除き、外部から加圧されていない無加圧状態にあり、積層高さhになっている。その後、積層された蓄電セル10は、外装部材20によって加圧されることで、高さが対向間隔hになり、外装部材20によって固定される。
【0030】
また、図5に示すように、蓄電モジュール1では、積層方向に隣接する蓄電セル10同士の電極タブ3a、3bが、端子接続部材4a、4bを介して電気的に接続されている。蓄電セル10の積層方向における最下層の蓄電セル10と、最下層から2番目の蓄電セル10は、電極タブ3a同士が、接続端子部材4aによって接続される。また、最下層の蓄電セル10の電極タブ3aと、最下層から2番目の蓄電セルの電極タブ3aのうち、一方の電極タブ3aが正極であり、他方の電極タブ3aが負極である。
【0031】
また、最下層から2番目の蓄電セル10の電極タブ3bと、最下層から3番目の蓄電セル10の電極タブ3bは、端子接続部材4bによって接続される。また、最下層から2番目の蓄電セル10の電極タブ3bと、最下層から3番目の蓄電セル10の電極タブ3bのうち、一方の電極タブ3bが正極であり、他方の電極タブ3bが負極である。また、同一の蓄電セル10の電極タブ3aと電極タブ3bは、一方が正極であり、他方が負極である。すなわち、蓄電セル10は、図5において上下方向に隣接して配置された電極タブ3aと電極タブ3bのそれぞれは、上下の順序で、正極と負極の組み合わせ、または負極と正極の組み合わせである。したがって、厚み方向に積層された複数の蓄電セル10は、隣接する蓄電セル10の電極タブ3a同士及び電極タブ3b同士が直列に接続されている。
【0032】
なお、接続端子部材4a、4bとしては、バスバーが用いられるが、電極タブ3a同士及び電極タブ3b同士を電気的に接続する構成が、バスバーを用いた接続に限定されるものではない。電極タブ3a同士及び電極タブ3b同士は、溶接によって接続されてもよい。
【0033】
[スペーサ部材の厚み]
実施例の蓄電モジュール1が有するスペーサ部材30の厚みについて説明する。
【0034】
実際の蓄電モジュール1を製造するために用いる蓄電セル10は、製造時のバラツキによって、厚みにバラツキが生じており、個々の蓄電セル10の厚みが異なっている。したがって、例えば、最初に製造された蓄電モジュール1の積層高さhと、次に製造された蓄電モジュール1の積層高さhとが同じにならない可能性がある。蓄電モジュール1の積層高さhが異なる場合、外装部材20を組み付けて蓄電セル10を加圧したとき、最初の蓄電モジュール1の蓄電セル10に加わる加圧力と、次の蓄電モジュール1の蓄電セル10に加わる加圧力とが異なってしまう。そこで、本実施例では、個々の蓄電モジュール1毎において、蓄電セル10に加わる加圧力を均一にするために、蓄電セル10の積層高さhを調整するためのスペーサ部材30を用いる。
【0035】
ここで、蓄電セル10の厚み方向に対する弾性率(ヤング率)をYとする。また、外装部材20によって複数の蓄電セル10の積層方向における両側から加圧して、蓄電セル10に加える所定の加圧力をPとし、外装部材20のエンドプレート11a、11bにおいて前記両側を加圧する一組の加圧面の対向間隔をhとする。また、無加圧状態での積層高さをhとする。このとき、スペーサ部材30の厚みDは、
D=h−(1−P/Y)×h ・・・式1
を満たすように設定される。
【0036】
式1において、(P/Y)が厚み方向に対する歪み率に相当し、(1−P/Y)×hの値が、加圧力Pを加えた状態での蓄電セル10の積層高さに相当する。蓄電セル10の厚み方向に対する弾性率Yは、蓄電セル10毎に異なるが、その差が小さいので、ほぼ一定として扱う。また、加圧力Pの値は、用いる蓄電セル10の特性に応じて適切な範囲を設定することができる。
【0037】
上述した式1によれば、蓄電モジュール1の製造時において複数の蓄電セル10毎の加圧力を個々に測定する必要がなくなる。つまり、あらかじめ把握している蓄電セル10の弾性率Yと、積層した蓄電セル10の積層高さhの値とに基づいて、スペーサ部材30の厚みDを適切に選択する。そして、厚みDを有するスペーサ部材30を用いることで、蓄電セル10に加わる加圧力Pを容易に一定にすることができる。
【0038】
また、積層高さhは、蓄電セル10の製造時に生じるバラツキのために、蓄電モジュール1毎に異なる値になる。そこで、積層高さhの最大値をh0−maxとする。一例として、h=h0−maxであるときにD=0となるように対向間隔hを設定することが好ましい。つまり、この場合には、式1を用いることにより、D=h−(1−P/Y)*h0−max=0とすれば、
=(1−P/Y)×h0−max ・・・式2
となる。したがって、式2を満たすように、エンドプレート11a、11bの対向間隔hを設定することで、スペーサ部材30を用いることが抑えられる。言い換えると、製造される蓄電モジュール1全体の高さが必要最小限に抑えられ、蓄電モジュール1の小型化を図ることができる。
【0039】
また、スペーサ部材30は、厚み方向に対して分割された複数のスペーサ部材30によって構成されてもよい。この場合、複数のスペーサ部材30は、複数の蓄電セル10の積層方向における異なる蓄電セル10に隣接して配置されている。スペーサ部材30は、蓄電セル10の積層方向における両端にそれぞれ配置されてもよい。例えば、厚みDが3.0mmのスペーサ部材30を用いる場合は、上下方向に対して積層された蓄電セル10の最上層の蓄電セル10の上及び最下層の蓄電セル10の下に、例えば厚みが1.5mmのスペーサ部材30がそれぞれ配置されてもよい。この場合においても、単一のスペーサ部材30を用いる場合と同一の効果を得ることができる。加えて、複数のスペーサ部材30を用いることによって、例えば、厚みが異なる複数種類のスペーサ部材30を組み合わせて用いることが可能になるので、所望の厚みを有するスペーサ部材30を容易に構成することができる。
【0040】
また、複数のスペーサ部材30は、蓄電セル10の積層方向における異なる位置に配置される構成に限定されるものではなく、必要に応じて、複数のスペーサ部材30を重ねて配置してもよい。なお、スペーサ部材30を蓄電セル10に隣接して配置する構成は、例えば、スペーサ部材30が放熱板及び接着シートを介して蓄電セル10の主面5a、5bに隣接する構成、すなわちスペーサ部材30が蓄電セル10に直接的に接していない構成も含まれる。
【0041】
また、スペーサ部材30は、常時、加圧状態で用いることを前提とした部材であるので、長時間使用された場合においても、厚みが大きく変化しないことが求められる。そのため、スペーサ部材30の材料としては、60℃の環境下でスペーサ部材30を加圧力10MPaで加圧した場合における1000時間経過時のクリープ率が2.0%以下である材料を用いることが好ましい。スペーサ部材30の材料としては、例えば、アルミニウム合金及びステンレス等の金属材、または比較的高い耐圧縮性を有するプラスチック等の樹脂材が適する。しかし、スペーサ部材30の材料として、ゴム、エラストマー等の軟質材料、及びポリスチレン樹脂等のクリープ率が比較的大きい材料は適さない。
【0042】
[スペーサ部材の外形寸法]
図6は、実施例の蓄電モジュール1が有するスペーサ部材30の大きさと、蓄電セル10及びエンドプレート11a、11bの大きさとの関係を説明するための断面図である。図6には、矩形状の蓄電セル10の長辺方向における一端側から見た断面図を示す。
【0043】
図6に示すように、蓄電セル10の、電極タブ3a及び電極タブ3bが配置された長辺と交差する短辺方向に対して、蓄電セル10内に収容されている電極積層体6が長さAを有する。この長さAは、ラミネートフィルムを封止した部分を除き、蓄電セル10の容器5内の正極材料、負極材料、セパレータ、及び電解液等の主な構成部材が包まれている部分に対応する。また、蓄電セル10の長さAは、蓄電セル10の短辺方向に対する、膨出部7の平坦面7aの長さに相当する。
【0044】
蓄電セル10の短辺方向に対する、スペーサ部材30の長さBは、蓄電セル10の電極積層体6の長さA以上であることが望ましい。また、蓄電モジュール1において、スペーサ部材30の外形寸法が大きくなり過ぎるのを避けて、蓄電モジュール1の体積の増加を防ぐことが望ましい。このため、スペーサ部材30の長さBは、蓄電セル10の短辺方向に対する、エンドプレート11a、11bの長さC以下であることが望ましい。ここでは、蓄電セル10の短辺方向に対する各長さA、B、Cの関係について説明したが、蓄電セル10の長辺方向に対する長さの関係についても、上述と同様の関係を有する。
【0045】
言い換えると、スペーサ部材30は、蓄電セル10の膨出部7の全域に接触するような外形寸法を有することが好ましい。つまり、蓄電セル10の長辺方向及び短辺方向に対して、スペーサ部材30の長さBが、蓄電セル10の膨出部7の長さAよりも小さい場合には、スペーサ部材30の主面の面積が、蓄電セル10の膨出部7の平坦面7aの面積よりも小さくなる。このため、スペーサ部材30が蓄電セル10を加圧したときに、蓄電セル10の膨出部7には、スペーサ部材30によって加圧されない領域が生じてしまう。このような加圧力の不均一が生じた場合には、蓄電セル10の寿命に影響が及ぶことがある。そのため、蓄電セル10の長辺方向及び短辺方向に対する、スペーサ部材30の長さBは、蓄電セル10の長さA以上に設定される。
【0046】
また、スペーサ部材30は、主面の全域に、エンドプレート11a、11bの主面が接触する外形寸法を有することが好ましく、蓄電モジュール1の大型化を防ぐことができる。
【0047】
[弾性率Yの測定方法]
蓄電セル10の厚み方向に対する弾性率Yは、周囲温度25℃及び相対湿度50%の条件下で、膨出部7の平坦面7aに垂直な方向から膨出部7に加える荷重σと、そのときの膨出部7の厚みの歪み値εの関係を測定し、式3を用いて算出することができる。
Y=σ÷ε ・・・式3
図7はその一例を示しており、蓄電セル10の厚み方向に荷重σを加えた時の蓄電セル10の厚みの歪み値σを表示したものである。其々の測定値の一次近似線の傾きから弾性率Yは3.1MPaとなる。
【0048】
[加圧力Pの範囲]
ここで加圧力Pについて記述する。加圧力Pは蓄電セル10の耐久性によって決定することができ、0.025MPa〜0.055MPaの範囲であることが好ましい。図8に蓄電セルの定電圧フロート試験における加圧力Pと放電容量維持率の関係を示す。図8のグラフは、定電圧フロート試験を行う前の放電容量を1としたときに、定電圧フロート試験後の放電容量を比率を求め、更に加圧力0.05MPaのときの放電容量維持率の値を1として規格化したグラフである。放電容量の測定については後述する。
【0049】
図8の試験結果に依れば、加圧力Pを0.025MPa〜0.055MPaの範囲に設定することによって、放電容量維持率を高く保つことができ、0.025MPa未満の加圧力Pでは放電容量維持率が低くなってしまう。また、別の検討によって、加圧力Pを0.055MPa超にすると、蓄電セル10の内部の電極積層体に応力が掛かり過ぎてしまい、好ましい特性が得られないことが明らかになっている。
【0050】
定電圧フロート試験の詳細な条件は、60℃の恒温槽の中で蓄電セル10に加圧力Pを掛け、定電圧電源を用いて電圧3.8Vを印加して135時間を経過させるものである。その後、25℃の環境において加圧力Pを掛けた状態のままで、蓄電セル10の仕様電圧範囲内で放電レートが1.8の電流値で放電させて、放電容量を測定した。
【0051】
[蓄電モジュールの製造工程]
以上のように構成された蓄電モジュール1の製造工程について、図面を参照して説明する。図9は、実施例の蓄電モジュール1の製造工程を説明するためのフローチャートである。図10は、実施例の蓄電モジュール1の製造工程において、複数の蓄電セル10が積層された状態を示す断面図である。図11は、実施例の蓄電モジュール1の製造工程において、蓄電セル10の積層方向にスペーサ部材30が配置された状態を示す断面図である。図12は、実施例の蓄電モジュール1の製造工程において、積層された蓄電セル10がスペーサ部材30を介して加圧される状態を示す断面図である。なお、蓄電モジュール1を製造する際には、上述した式1を用いるために、蓄電セル10の弾性率Y、蓄電セル10に加える加圧力P、及びエンドプレート11a、11bの対向間隔hを設定し、あらかじめ把握しておく必要がある。
【0052】
図9に示すように、実施例の蓄電モジュール1の製造工程は、第1の工程から第5の工程を有する。図9及び図10に示すように、第1の工程では、作業者が複数の蓄電セル10を厚み方向に積層する(ステップS1)。このとき、作業者は、蓄電セル10同士において、蓄電セル10の主面5aが、隣接する蓄電セル10の主面5bに接触するように、蓄電セル10の積層方向に対して膨出部7の向きを揃えて重ねる。また、第1の工程では、作業者が必要に応じて、積層される蓄電セル10同士の間に、放熱板及び接着シート等を配置してもよい。続いて、第2の工程では、作業者が複数の蓄電セル10の積層方向に対する積層高さhを測定する(ステップS2)。なお、第2の工程を行う代わりに、あらかじめ個々の蓄電セル10の厚みを測定し、その測定結果を用いて、積層高さhを算出する工程を行ってもよい。
【0053】
次に、第3の工程では、第2の工程で測定された測定結果を用いて、作業者が上述した式1を用いてスペーサ部材30の厚みDを算出する(ステップS3)。第3の工程では、算出されたスペーサ部材30の厚みDに基づいて、あらかじめ用意された複数種類の厚みのスペーサ部材30から、適切な厚みのスペーサ部材30を作業者が選択する。また、このとき、厚みが異なる複数種類のスペーサ部材30を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
続いて、図9及び図11に示すように、第4の工程では、上述した式1を満たすスペーサ部材30を、作業者が、複数の蓄電セル10の積層方向における最上層の蓄電セル10の上に配置する(ステップS4)。このとき、スペーサ部材30は、複数の蓄電セル10の間、または蓄電セル10の積層方向における最下層の蓄電セル10の下に配置されてもよい。また、スペーサ部材30は、蓄電セル10の膨出部7の平坦面7a全域を覆うように配置される。これにより、スペーサ部材30は、膨出部7全体を加圧する。
【0055】
最後に、図9及び図12に示すように、作業者は、スペーサ部材30を配置して積層された複数の蓄電セル10に、エンドプレート11a、11b及びブラケット12a、12bを組み付ける(ステップS5)。作業者は、積層された複数の蓄電セル10の最上層の蓄電セル10の上、及び最下層の蓄電セル10の下に、エンドプレート11a、11bをそれぞれ配置する。エンドプレート11a、11bは、ブラケット12a、12bによって連結される。これにより、積層された複数の蓄電セル10は、エンドプレート11a、11b及びブラケット12a、12bによって固定されると共に、蓄電セル10の積層方向に対して加圧される。
【0056】
なお、上述した各工程の順序に限定されるものではなく、必要に応じて、第2の工程が、蓄電セル10の積層高さhを算出する工程である場合、第2の工程が第1の工程の前に行われてもよい。また、この場合、スペーサ部材30の厚みを算出する第3の工程は、第2の工程に含まれてもよい。また、蓄電モジュール1の製造工程は、電極タブ3a、3bを電気的に接続する工程を更に有してもよい。また、蓄電モジュール1の製造工程は、積層された蓄電セル10、スペーサ部材30、エンドプレート11a、11b及びブラケット12a、12bを組み付けた組み立て品を、外装ケースに収容する工程を更に有してもよい。
【0057】
実施例の蓄電モジュール1の製造方法は、複数の蓄電セル10を積層する工程と、厚みDが式1を満たすスペーサ部材30を配置する工程と、スペーサ部材30を配置して積層された複数の蓄電セル10を、外装部材20によって加圧する工程と、を有する。このように、厚みDを有するスペーサ部材30を用いることで、個々の蓄電セル10の厚みのバラツキに起因する複数の蓄電セル10の積層高さhのバラツキに伴って、蓄電セル10に加わる加圧力Pが変動することが抑えられる。その結果、積層された複数の蓄電セル10が加圧される加圧力Pを、0.025MPa〜0.055MPaの範囲内で、個々の蓄電モジュール1において均一化することができる。
【0058】
また、実施例におけるスペーサ部材30は、厚み方向に対して分割された複数のスペーサ部材30からなり、複数のスペーサ部材30が、複数の蓄電セル10の積層方向における異なる蓄電セル10に隣接して配置されている。これにより、厚みが異なる複数種類のスペーサ部材30を組み合わせることで、所望の厚みDのスペーサ部材30を容易に構成することが可能になる。このため、所望の厚みのスペーサ部材30を配置する工程での作業性を高めることができる。
【0059】
また、実施例において、蓄電セル10は、厚み方向に膨出した膨出部7が形成された主面5aを有する。スペーサ部材30は、膨出部7の全域に接触して設けられている。これにより、スペーサ部材30によって加圧される蓄電セル10の主面5a、5bの面内方向において加圧状態が不均一になることを防ぎ、蓄電セル10を積層方向に対して適正に加圧することが可能になる。
【0060】
また、実施例におけるスペーサ部材30は、60℃の環境下でスペーサ部材30を加圧力10MPaで加圧した場合における1000時間経過時のクリープ率が2.0%以下である材料からなる。これにより、スペーサ部材30を加圧状態で長時間使用した場合においても、スペーサ部材30の厚みが大きく変化することが抑えられる。このため、蓄電モジュール1の使用時間に伴って、蓄電セル10の加圧力Pが大きく変化することを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0061】
1 蓄電モジュール
6 電極積層体
10 蓄電セル
11a、11b エンドプレート
12a、12b ブラケット
13 締結部材
20 外装部材
30 スペーサ部材
積層高さ
対向間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12