特許第6774243号(P6774243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774243
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20201012BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201012BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20201012BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20201012BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20201012BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   G09F9/00 348Z
   H05B33/14 A
   H05B33/06
   H05B33/02
   G09F9/00 346D
   G09F9/00 338
   G02F1/1345
   G02F1/1333
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-143261(P2016-143261)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-13619(P2018-13619A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 直久
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−116695(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0064466(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0217382(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1333
G02F 1/1345
H01L 51/50
H05B 33/02
H05B 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有し、画像表示を行う表示領域と、額縁領域と、屈曲領域と、端子が設けられる端子領域とが、この順で並んで設けられ、位置合わせマークが前記額縁領域に設けられたフレキシブル基板を用意する工程と、
背面側から表示面側に貫通する切り欠き又は孔を有するスペーサを用意する工程と、
前記フレキシブル基板の背面側に、前記スペーサを配置する工程と、
前記スペーサの形状に沿うように前記屈曲領域を屈曲し、前記スペーサの背面側に前記端子領域を配置する工程と、
を含み、
前記スペーサを配置する工程において、前記フレキシブル基板の背面側から見て、前記切り欠き又は前記孔を介して前記位置合わせマークを読み取ることにより、前記フレキシブル基板に対する前記スペーサの位置合わせを行い、前記スペーサを前記フレキシブル基板の背面側に貼り付けることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記スペーサの表示面側には、第1段差が形成されることにより他の領域よりも凹んだ第1底面が設けられ、
前記フレキシブル基板を用意する工程において、前記表示領域の背面側に第1補強フィルムを設け、
前記スペーサを配置する工程において、前記第1補強フィルムが前記第1段差に重ならないように、前記第1底面を前記第1補強フィルム上に配置することを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記スペーサの背面側には、第2段差が形成されることにより他の領域よりも凹んだ第2底面が設けられ、
前記フレキシブル基板を用意する工程において、前記端子領域の背面側に第2補強フィルムを設け、
前記スペーサの背面側に前記端子領域を配置する工程において、前記第2補強フィルムが前記第2段差に重ならないように、前記第2補強フィルムを前記第2底面上に配置することを特徴とする請求項2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記切り欠き又は前記孔は、少なくとも一対設けられており、
記スペーサを配置する工程において、挟持具を用いて、一対の前記切り欠き又は前記孔に前記挟持具を嵌めることにより前記スペーサを挟持し、前記スペーサを移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の製造方法、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の小型化又は画像を表示する表示領域の拡大のために、表示領域の周縁にある、いわゆる額縁領域を狭くすること(狭額縁化)が求められている。特に、スマートフォン等のモバイル機器において、狭額縁化の要請が大きくなってきている。
【0003】
そこで、可撓性を有するフレキシブル基板を使用し、表示領域の外側の領域を、表示領域の背面側に屈曲することで、狭額縁化をすることが検討されている。表示領域の外側の領域には、配線や回路が設けられている。フレキシブル基板を屈曲する場合、屈曲部位に働く曲げ応力により配線等の断線や破損が生じる可能性があるところ、例えば、特許文献1には、規制フィルムによって、断線等を防止する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−27222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される構成のように、フレキシブル基板を表示領域の背面側に屈曲する場合、屈曲する範囲を正確に決める必要がある。フレキシブル基板の背面側に屈曲する領域が小さくなると狭額縁化を図ることができなくなってしまうためである。さらに不正確な屈曲は表示装置の破壊を招くおそれがあるためである。
【0006】
本発明の目的は、狭額縁化を精度よく実現する表示装置の製造方法及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の表示装置の製造方法は、可撓性を有し、画像表示を行う表示領域と、位置合わせマークが設けられる額縁領域と、屈曲領域と、端子が設けられる端子領域とが、この順で並んで設けられるフレキシブル基板を用意する工程と、背面側から表示面側に貫通する切り欠き又は孔を有するスペーサを用意する工程と、前記フレキシブル基板の背面側に、前記スペーサを配置する工程と、前記スペーサの形状に沿うように前記屈曲領域を屈曲し、前記スペーサの背面側に前記端子領域を配置する工程と、を含み、前記スペーサを配置する工程において、前記フレキシブル基板の背面側から見て、前記切り欠き又は前記孔を介して前記位置合わせマークを読み取ることにより、前記フレキシブル基板に対する前記スペーサの位置合わせを行うことを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様の表示装置は、スペーサと、可撓性を有し、画像表示を行う表示領域と、前記表示領域の周縁の額縁領域と、前記額縁領域の外側の領域であって、前記スペーサの形状に沿うように屈曲した屈曲領域と、前記屈曲領域を介して、前記スペーサの背面側に配置され、端子が設けられる端子領域と、を有するフレキシブル基板と、を有し、前記フレキシブル基板は、前記額縁領域に位置合わせマークを有し、前記スペーサは、前記位置合わせマークに対応する位置に、背面側から表示面側に貫通する切り欠き又は孔を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る表示装置の全体構成を模式的に示す側面図である。
図2図1の破線で示す円Oで囲んだ部分の断面を拡大して示す断面図である。
図3】フレキシブル基板の端子領域の端部付近を拡大して示す断面図である。
図4】スペーサを背面側から見た平面図である。
図5】展開した状態のフレキシブル基板を表示面側から見た平面図である。
図6A】展開した状態のフレキシブル基板を示す側面図である。
図6B】スペーサを示す側面図である。
図6C】フレキシブル基板に対するスペーサの位置合わせを行っている途中の状態を示す側面図である。
図6D】フレキシブル基板に対するスペーサの位置合わせが行われた状態を示す側面図である。
図6E】フレキシブル基板の屈曲領域を屈曲する途中の状態を示す側面図である。
図7】変形例に係る表示装置の全体構成を示す側面図である。
図8】フレキシブル基板における画素配置、及び周辺回路を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
また、本発明の各実施形態において、ある構造体の「上に」他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、第3の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
図1は、本実施形態に係る表示装置の全体構成を模式的に示す側面図である。なお、以下の説明において、フレキシブル基板10の表示領域Aにおいて画像を表示する側(図1等の下側)を表示面側Fと定義し、表示面側Fの反対側(図1等の上側)を背面側Rと定義する。
【0013】
本実施形態においては、表示装置100として、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を例に挙げて説明するが、フレキシブル基板10を用いた表示装置であれば、液晶表示装置等であっても構わない。表示装置100は、赤、緑及び青からなる複数色の単位画素SP(サブピクセル)を組み合わせて、フルカラーの画素P(ピクセル)を形成し、フルカラーの画像を表示するようになっている(図8参照)。
【0014】
図1に示すように、表示装置100は、可撓性を有し、透明なフレキシブル基板10を有する。以下、図2を参照して、フレキシブル基板10の構成の詳細について説明する。図2は、図1の破線で示す円Oで囲んだ部分の断面を拡大して示す断面図である。なお、図2においては、他の図と異なり、図中の上側を表示面側Fとし、下側を背面側Rとして図示している。図8は、フレキシブル基板における画素配置、及び周辺回路を示す平面図であって、フレキシブル基板を展開した状態を示す平面図である。図8に示すように、フレキシブル基板10の表示領域Aにはマトリクス状に配置される画素Pが設けられ、後述する額縁領域Bには周辺回路11、13、15が設けられている。なお、図8においては、一部の画素Pのみを図示するが、画素Pは表示領域Aの略全域に設けられる。また、図示は省略するが周辺回路11、13、15からは、ゲート線、信号線等の各配線が表示領域A側に延びて設けられる。信号線は集積回路チップ74から延伸しており、各画素Pに向かって延びている。
【0015】
図2に示すように、フレキシブル基板10は、樹脂からなる第1基板12を有する。第1基板12には、それ自体が含有する不純物に対するバリアとなるアンダーコート14が形成され、その上に半導体層16が形成されている。半導体層16にソース電極18及びドレイン電極20が電気的に接続され、半導体層16を覆ってゲート絶縁膜22が形成されている。ゲート絶縁膜22の上にはゲート電極24が形成され、ゲート電極24を覆って層間絶縁膜26が形成されている。ソース電極18及びドレイン電極20は、ゲート絶縁膜22及び層間絶縁膜26を貫通している。半導体層16、ソース電極18、ドレイン電極20及びゲート電極24によって薄膜トランジスタ28が構成される。薄膜トランジスタ28を覆うようにパッシベーション膜30が設けられている。
【0016】
パッシベーション膜30の上には、平坦化層32が設けられている。平坦化層32の上には、複数の単位画素SPそれぞれに対応するように構成された複数の画素電極34(例えば陽極)が設けられている。平坦化層32は、少なくとも画素電極34が設けられる面が平坦になるように形成される。画素電極34は、平坦化層32及びパッシベーション膜30を貫通するコンタクトホール36によって、半導体層16上のソース電極18及びドレイン電極20の一方に電気的に接続している。
【0017】
平坦化層32及び画素電極34上に、絶縁層38が形成されている。絶縁層38は、画素電極34の周縁部に載り、画素電極34の一部(例えば中央部)を開口させるように形成されている。絶縁層38によって、画素電極34の一部を囲むバンクが形成される。
【0018】
画素電極34上に発光素子層40が設けられている。発光素子層40は、複数の画素電極34に連続的に載り、絶縁層38にも載るようになっている。なお、画素電極34ごとに別々に(分離して)、発光素子層40を設けてもよい。この場合は各画素に対応して青、赤、緑で発光素子層40が発光するようになる。その場合、後に説明するカラーフィルタを設ける必要が無い。発光素子層40は、少なくとも発光層を含み、さらに、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層及び正孔注入層のうち少なくとも一層を含んでもよい。
【0019】
発光素子層40の上には、複数の画素電極34の上方で発光素子層40に接触するように、共通電極42(例えば陰極)が設けられている。共通電極42は、バンクとなる絶縁層38の上方に載るように形成する。発光素子層40は、画素電極34及び共通電極42に挟まれ、両者間を流れる電流によって輝度が制御されて発光する。
【0020】
発光素子層40は、共通電極42に積層する封止層44によって覆われることで封止されて、水分から遮断されている。封止層44の上方には、充填層46を介して、第2基板48が設けられている。第2基板48には、複数色(例えば、青、赤及び緑)からなる着色層50が設けられ、隣同士の異なる色の着色層50の間には、ブラックマトリクス52が金属や樹脂などで形成されて、カラーフィルタを構成している。第2基板48は、タッチパネルであってもよいし、偏光板や位相差板を備えてもよい。
【0021】
図3は、フレキシブル基板10の端子領域D(図1参照)の端部付近を拡大して示す断面図である。端子領域Dには配線68が設けられている。配線68は、表示領域Aから額縁領域B及び屈曲領域Cを通って、端子領域Dの端部に至る。配線68は、例えばソース電極18及びドレイン電極20と同層に形成される。配線68は、端子70を有する。端子70は、異方性導電膜72を介して、集積回路チップ74やFPC基板76に電気的に接続される。集積回路チップ74はFPC基板76上に配置されて電気的に接続されていてもよい。
【0022】
さらに、図1図4図5を参照して、表示装置100の全体構成について説明する。図4は、スペーサを背面側から見た平面図である。図5は、展開した状態のフレキシブル基板を表示面側から見た平面図である。
【0023】
図1に示すように、表示装置100は、フレキシブル基板10に加えて、スペーサ56と、表補強フィルム54と、裏補強フィルム58、64と、集積回路チップ74と、FPC(Flexible Printed Circuits)基板76とを有する。表補強フィルム54、及び裏補強フィルム58,64は、フレキシブル基板10を保護、補強するために設けられる。スペーサ56は、フレキシブル基板10の屈曲をガイドするために設けられる。
【0024】
フレキシブル基板10は、画像表示を行う表示領域Aと、表示領域Aの周縁の額縁領域Bと、額縁領域Bの外側の屈曲領域Cと、屈曲領域Cを介してスペーサ56よりも背面側Rに配置される端子領域Dとを有する。表示領域A及び額縁領域Bは、スペーサ56よりも表示面側Fに配置される。屈曲領域Cは、スペーサ56の形状に沿うように屈曲した形状となっている。なお、本実施形態においては、説明の簡略化のため、額縁領域Bが表示領域Aと屈曲領域Cの間にのみ設けられる構成について示すが、実際は、額縁領域Bは平面視において表示領域Aの四方を囲むように設けられている。
【0025】
額縁領域Bの表示面側Fには、フレキシブル基板10に対するスペーサ56の位置合わせを行う際に目印となる位置合わせマークmが設けられる。図5に示すように、位置合わせマークmは、フレキシブル基板10の幅方向で対向するように一対設けられる。
【0026】
表補強フィルム54は、図1に示すように、フレキシブル基板10の、表示領域A及び額縁領域Bの表示面側Fに、屈曲領域Cに重ならないように設けられる。
【0027】
裏補強フィルム58は、図1に示すように、フレキシブル基板10の、表示領域Aの背面側Rに設けられる。裏補強フィルム64は、フレキシブル基板10の、端子領域Dの表示面側Fに設けられる。すなわち、裏補強フィルム58、64は、フレキシブル基板10の屈曲の内側にそれぞれ設けられる。なお、本実施形態においては、裏補強フィルム58と裏補強フィルム64とは、完全に分離した構成であるが、これに限られるものではなく、一部が繋がっており、その繋ぎ部分がフレキシブル基板10の屈曲領域Cに沿うように屈曲した構成であってもよい。
【0028】
また、図1に示すように、裏補強フィルム64は、接着部材66によりスペーサ56の背面側Rの表面に貼り付けられており、裏補強フィルム58は、接着部材62によりスペーサ56の表示面側Fの表面に貼り付けられている。なお、接着部材62及び接着部材66は、粘着性を有する樹脂等からなるものでもよいし、両面テープ等でもよい。
【0029】
スペーサ56は、図1に示すように、側面視において、フレキシブル基板10の屈曲領域Cに接触するガイド部56aが丸まった形状をしている。このような形状を有するため、フレキシブル基板10の屈曲領域Cにおいて配線68等の断線や破損が生じにくい。また、スペーサ56は、図4に示すように、平面視において、略矩形の形状であって、スペーサ56の幅方向で対向する一対の切り欠きnを有する。切り欠きnは、図1に示すように、背面側Rから表示面側Fに貫通するように、フレキシブル基板10に設けられる位置合わせマークmに対応する位置に設けられる。
【0030】
以上説明した表示装置100は、図6A図6Eを参照して説明する以下の製造方法により製造することができる。図6A図6Eは、表示装置100の製造方法について説明する工程図である。図6Aは、展開した状態のフレキシブル基板を示す側面図である。図6Bは、スペーサを示す側面図である。図6Cは、フレキシブル基板に対するスペーサの位置合わせを行っている途中の状態を示す側面図である。図6Dは、フレキシブル基板に対するスペーサの位置合わせが行われた状態を示す側面図である。図6Eは、フレキシブル基板の屈曲領域を屈曲する途中の状態を示す側面図である。
【0031】
まず、展開した状態(屈曲前の状態)のフレキシブル基板10を用意する。フレキシブル基板10の額縁領域Bの表示面側Fに位置合わせマークmを設ける。また、フレキシブル基板10の端子領域Dに、集積回路チップ74及びFPC基板76を設ける。また、表示領域A及び額縁領域Bの表示面側Fに表補強フィルム54を設け、表示領域Aの背面側Rに裏補強フィルム58を設け、端子領域Dの背面側Rに裏補強フィルム64を設ける。なお、裏補強フィルム58は、位置合わせマークmと重ならないように設ける。以上の工程によりフレキシブル基板10は、図6Aに示す状態となる。
【0032】
なお、位置合わせマークmは、カメラ等の撮像装置により検知できたり、人間が目視できたりするものであればよい。例えば、位置合わせマークmとして、「×」印を形成するとよい。なお、フレキシブル基板10は透明であるため、位置合わせマークmは、フレキシブル基板10の背面側Rから見ても、読み取り可能となっている。
【0033】
また、切り欠きnが設けられるスペーサ56を用意する。スペーサ56の表示面側Fに接着部材62を設け、背面側Rに接着部材66を設ける。以上の工程により、スペーサ56は、図6Bに示す状態となる。
【0034】
次に、フレキシブル基板10に対するスペーサ56の位置合わせを行う。ここでは、撮像装置としてのカメラXを用いて、フレキシブル基板10に対するスペーサ56の位置合わせを行う例について説明する。まず、ロボットアーム等を用いてスペーサ56を挟持する。この際、スペーサ56に設けられる一対の切り欠きnにロボットアームの爪等が嵌るようにしてスペーサ56を掴むことにより、スペーサ56を安定した状態で移動することができる。
【0035】
そして、図6Cに示すように、作業台等の上に配置されたフレキシブル基板10上でスペーサ56を移動させながら、フレキシブル基板10に対するスペーサ56の位置合わせを行う。具体的には、挟持したスペーサ56の背面側Rから見て、切り欠きnを介して、フレキシブル基板10に設けられる位置合わせマークmを読み取り可能な位置、すなわち、切り欠きnと位置合わせマークmとが重なる位置にスペーサ56を移動する。そして、切り欠きnと位置合わせマークmとが重なる位置において、スペーサ56をフレキシブル基板10上に置く。この際、フレキシブル基板10に設けられる裏補強フィルム58とスペーサ56とは、接着部材62により貼り付けられる。その状態を図6Dに示す。
【0036】
さらに、図6Eに示すように、フレキシブル基板10の屈曲領域Cを、矢印r方向に屈曲させる。この際、スペーサ56のガイド部56aに屈曲領域Cを接触させ、ガイド部56aに沿うように屈曲領域Cを屈曲させる。そして、端子領域Dを、スペーサ56よりも背面側Rに配置する。この際、スペーサ56に設けられる接着部材66に裏補強フィルム64を貼り付けることにより、フレキシブル基板10が屈曲された状態を維持させる。以上の工程により、表示装置100は図1に示す状態となる。
【0037】
以上説明した本実施形態の製造方法を用いることにより、フレキシブル基板10に対するスペーサ56の位置合わせを精度よく行うことができる。フレキシブル基板10に対してスペーサ56が適切な位置に配置されていない場合、屈曲の規制範囲が変わり(フレキシブル基板10の屈曲領域Cの長さが変わり)、その結果、額縁領域Bの幅が広くなったり狭くなったりしてしまうところ、本実施形態の製造方法においては、そのような問題が生じにくい。すなわち、狭額縁化を精度良く行うことができる。
【0038】
なお、本実施形態においては、位置合わせマークmを額縁領域Bの表示面側Fに設けたが、額縁領域Bの背面側Rに設けてもよい。また、本実施形態においては、スペーサ56に切り欠きnを設けた構成について説明したが、これに限られるものではない。例えば、背面側Rから見てスペーサ56を介してフレキシブル基板10に設けられる位置合わせマークmを読み取れる構成であれば、背面側Rから表示面側Fを貫通する孔を設ける構成などでもよい。この場合、ロボットアームの爪等で挟持するため用に用いる一対の切り欠きをスペーサ56に別途設けてもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、撮像装置としてのカメラXを用いて位置合わせマークmを検知することで、フレキシブル基板10に対するスペーサ56の位置合わせを行う構成について説明したが、これに限られるものではない。例えば、レーザ装置等を用いて位置合わせマークmを検知する構成でもよい。また、本実施形態においては、自動で動作するロボットアームを用いてスペーサ56を挟持し、移動させる構成について説明したが、これに限られるものではない。例えば、作業者である人間が、挟持具としてのピンセット等を用いてスペーサ56を挟持し、位置合わせマークmを目視しながら、フレキシブル基板10に対するスペーサ56の位置合わせを行ってもよい。また、位置合わせマークmは表示領域Aに配置されていてもよく、その場合は切り欠きnはその対応する箇所に配置されていればよい。また、裏補強フィルム58は、図1に示すように、位置合わせマークm及び切り欠きnに重ならないように設けられる構成に限られるものではなく、切り欠きnを介して位置合わせマークmが検知可能であれば他の構成であってもよい。例えば、切り欠きn及び位置合わせマークmに重なる位置において、裏補強フィルム58が孔を有する構成であってもよい。また、例えば、裏補強フィルム58が、切り欠きn及び位置合わせマークmに重なる位置において、裏補強フィルム58を介して位置合わせマークmを検知できるように透明材料からなるものであってもよい。
【0040】
次に、図7を参照して、本実施形態の変形例について説明する。図7は、変形例に係る表示装置の全体構成を示す側面図である。なお、変形例においてはスペーサの形状が異なることを除いて、他の構成に関しては上述した本実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を用いてその説明は省略する。
【0041】
図7に示すように、スペーサ156は、表示面側F及び背面側Rにそれぞれ段差を有する。そして、スペーサ156は、表示面側Fにおいて第1段差d1が形成されることにより他の領域よりも凹んだ第1底面L1、背面側Rにおいて第2段差d2が形成されることにより他の領域よりも凹んだ第2底面L2を有する。
【0042】
第1底面L1には、接着部材162が設けられている。第1底面L1には、接着部材162により、フレキシブル基板10の、表示領域Aの背面側Rに設けられる裏補強フィルム58が貼り付けられる。
【0043】
第2底面L2には、接着部材166が設けられている。第2底面L2には、接着部材166により、フレキシブル基板10の端子領域Dの表示面側Fに設けられる裏補強フィルム64が貼り付けられる。
【0044】
表示面側Fに形成される第1段差d1の高さは、接着部材162の厚さと裏補強フィルム58の厚さを合わせた厚さと、略同じにするとよい。そのような構成とすることにより、スペーサ156に対して、隙間無く沿うようにフレキシブル基板10を屈曲することが可能となる。同様に、背面側Rに形成される第2段差d2の高さは、接着部材166の厚さと裏補強フィルム64の厚さを合わせた厚さと、略同じにするとよい。
【0045】
ここで、変形例においても、フレキシブル基板10に対するスペーサ156の位置合わせを正確に行う必要がある。特に、変形例においては、フレキシブル基板10に対するスペーサ156の位置合わせが正確でないと、裏補強フィルム58が第1段差d1に干渉してしまうという問題が生じる。
【0046】
そこで、スペーサ156は、上述したスペーサ56と同様に、背面側Rから表示面側Fに貫通する切り欠きnを有する。切り欠きnは、第1段差d1及び第2段差d2よりもガイド部156a側に形成されている。フレキシブル基板10に対するスペーサ156の位置合わせを行う際に、この切り欠きnを介して、フレキシブル基板10に設けられる位置合わせマークmを読み取りながら、位置合わせを行うことにより、正確な位置合わせが可能となる。
【0047】
なお、本実施形態及び変形例で説明した裏補強フィルム58が、本発明の第1補強フィルムに対応し、裏補強フィルム64が、本発明の第2補強フィルムに対応する。
【符号の説明】
【0048】
10 フレキシブル基板、12 第1基板、14 アンダーコート、16 半導体層、18 ソース電極、20 ドレイン電極、22 ゲート絶縁膜、24 ゲート電極、26 層間絶縁膜、28 薄膜トランジスタ、30 パッシベーション膜、32 平坦化層、34 画素電極、36 コンタクトホール、38 絶縁層、40 発光素子層、42 共通電極、44 封止層、46 充填層、48 第2基板、50 着色層、52 ブラックマトリクス、54 表補強フィルム、56,156 スペーサ、56a,156a ガイド部、58 裏補強フィルム、62,162 接着部材、64 裏補強フィルム、66,166 接着部材、68 配線、70 端子、72 異方性導電膜、74 集積回路チップ、76 FPC基板、A 表示領域、B 額縁領域、C 屈曲領域、D 端子領域、F 表示面側、R 背面側、d1 第1段差、d2 第2段差、L1 第1底面、L2 第2底面、n 切り欠き、m 位置合わせマーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8