特許第6774251号(P6774251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774251
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】点滴装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/165 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
   A61M5/165 500N
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-149516(P2016-149516)
(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2018-15384(P2018-15384A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】丸山 精一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 厚則
(72)【発明者】
【氏名】玉野 壽美
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−141092(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0072845(US,A1)
【文献】 特開2016−130188(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104667388(CN,A)
【文献】 国際公開第2015/180892(WO,A1)
【文献】 特表2016−506854(JP,A)
【文献】 特表2010−531167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/165
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質の合成樹脂材料で形成された点滴筒と、液剤の中の異物を除去するために設けられた、多孔質炭素成形体とからなるフィルタとを備えた点滴装置において、
前記フィルタが球形状の多孔質炭素成形体とからなり、
前記多孔質炭素成形体は、複数の多孔質炭素体と、複数の多孔質炭素体を互いに連結する結合炭素体とを有し、かつ多孔質炭素体間にはマクロ孔を有し、多孔質炭素体表面にはミクロ孔が形成され、
前記点滴筒は、内径寸法が下流側に行くにつれて小さくなるように円筒状に形成される共に、下端には液剤流出口が形成され、
前記多孔質炭素成形体が、前記液剤流出口が位置する前記点滴筒の内底部に配置され、
前記多孔質炭素成形体は、前記液剤を通しつつ、液剤に含まれる異物を吸着し、異物を濾過することを特徴とする点滴装置。
【請求項2】
軟質の合成樹脂材料で形成された点滴筒と、液剤の中の異物を除去するために設けられた、多孔質炭素成形体とからなるフィルタとを備えた点滴装置において、
前記多孔質炭素成形体は、複数の多孔質炭素体と、複数の多孔質炭素体を互いに連結する結合炭素体とを有し、かつ多孔質炭素体間にはマクロ孔を有し、多孔質炭素体表面にはミクロ孔が形成され、
前記点滴筒の上部にはフィルタ室が形成され、あるいは前記点滴筒の上流側にはフィルタ部が形成される共に、前記フィルタ室あるいはフィルタ部の底面には液剤流出口が形成され、前記多孔質炭素成形体が、前記液剤流出口が位置する前記フィルタ室あるいはフィルタ部の底部に配置され、
前記多孔質炭素成形体は、前記液剤を通しつつ、液剤に含まれる異物を吸着し、異物を濾過することを特徴とする点滴装置。
【請求項3】
前記多孔質炭素体間のマクロ孔は、小さくとも直径50nmであり、多孔質炭素体表面ミクロ孔は直径2nm未満であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の点滴装置。
【請求項4】
点滴筒の上部にフィルタ室が一体に設けられ、前記多孔質炭素成形体が前記フィルタ室内部の底部に収容されていることを特徴とする請求項2記載の点滴装置。
【請求項5】
点滴筒と、
前記点滴筒の上流側に点滴筒と別体に設けられた、フィルタが収容されたフィルタ部と、前記点滴筒と前記フィルタ部とを接続する中継チューブと、を備え、
前記フィルタ部が液剤の流れる方向に沿って複数重ねられ、各フィルタ部に多孔質炭素成形体が収容されていることを特徴とする請求項2に記載の点滴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は点滴装置に関し、特に、血液や薬剤等(以下、液剤という)の中の異物を除去するためのフィルタを備えた点滴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、輸血や薬剤の投与が点滴により行われている。この点滴に用いられる点滴装置は、一般的に、点滴筒(チャンバともいう)と、液剤等の流量や流速をコントロールするクランプ(クレンメともいう)と、体内に液剤等を注入する留置針を備えている。
そして、液剤を収容したバッグやボトル(以下、液剤バッグという)からチューブを介して、液剤を点滴筒内に滴下させ、クランプによって流量を制御し、前記留置針から液剤を体内に投与する。
ところで、点滴の際、異物が点滴筒内に混入する虞がある。前記異物は、例えば、製造過程で混入したプラスチックス小片、点滴筒に使用された固化した接着剤等に由来するもので、これら異物の体内への進入を阻止する必要がある。
そのため、特許文献1、2では、点滴筒内にフィルタを設け、異物の体内への進入を阻止する点滴装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−44771号公報
【特許文献2】特開平2−40364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に示されたフィルタでは、例えば、添加されたジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、以下、DMSO)のような液剤を濾過することができないという技術的課題があった。
このジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、以下、DMSO)は、細胞を凍結保存する際に細胞の保護のために、液剤に添加されるものである。このジメチルスルホキシド自体の毒性は低いが、他の物質が混入している場合、他の物質の皮膚への浸透が促進されるという性質を有している。
そのため、DMSOが添加された液剤を体内に点滴する際は、前記DMSOが体内に大量に入らないように、前記DMSOを濾過(除去)する必要がある。
【0005】
本発明は、上記した技術的課題を解決するためになされたものであり、液剤に含まれている異物を濾過し、体内への異物の進入を抑え、より安全に点滴が行える点滴装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するためになされた本発明にかかる点滴装置は、軟質の合成樹脂材料で形成された点滴筒と、液剤の中の異物を除去するために設けられた、多孔質炭素成形体とからなるフィルタとを備えた点滴装置において、前記フィルタが球形状の多孔質炭素成形体とからなり、前記多孔質炭素成形体は、複数の多孔質炭素体と、複数の多孔質炭素体を互いに連結する結合炭素体とを有し、かつ多孔質炭素体間にはマクロ孔を有し、多孔質炭素体表面にはミクロ孔が形成され、前記点滴筒は、内径寸法が下流側に行くにつれて小さくなるように円筒状に形成される共に、下端には液剤流出口が形成され、前記多孔質炭素成形体が、前記液剤流出口が位置する前記点滴筒の内底部に配置され、前記多孔質炭素成形体は、前記液剤を通しつつ、液剤に含まれる異物を吸着し、異物を濾過することを特徴としている。
また、本発明にかかる点滴装置は、軟質の合成樹脂材料で形成された点滴筒と、液剤の中の異物を除去するために設けられた、多孔質炭素成形体とからなるフィルタとを備えた点滴装置において、前記多孔質炭素成形体は、複数の多孔質炭素体と、複数の多孔質炭素体を互いに連結する結合炭素体とを有し、かつ多孔質炭素体間にはマクロ孔を有し、多孔質炭素体表面にはミクロ孔が形成され、前記点滴筒の上部にはフィルタ室が形成され、あるいは前記点滴筒の上流側にはフィルタ部が形成される共に、前記フィルタ室あるいはフィルタ部の底面には液剤流出口が形成され、前記多孔質炭素成形体が、前記液剤流出口が位置する前記フィルタ室あるいはフィルタ部の底部に配置され、前記多孔質炭素成形体は、前記液剤を通しつつ、液剤に含まれる異物を吸着し、異物を濾過することを特徴としている。
このように構成されたフィルタにあっては、多孔質炭素体間にマクロ孔を有することでマクロ孔内に血液を流通させ、多孔質多孔体表面にはミクロ孔を形成させることでミクロ孔にDMSO等の溶剤を吸着させ、液剤に含まれる異物(例えば、DMSO)を吸着するため、体内への異物の進入を抑制でき、より安全に点滴を行うことができる。なお、マクロ孔は直径50nmより大きい、ミクロ孔は直径2nm未満を示し、その測定方法は拡大スケールによる観察等により確認される。
【0007】
ここで、多孔質炭素体は球形であることが望ましく、複数の球形多孔質炭素体は互いに点接合しており、かつその点接合している箇所の周囲において、前記結合炭素体が複数の球形多孔質炭素体を互いに連結していることが望ましい。
この点滴装置によれば、多孔質炭素成形体が液剤に含まれる異物(例えば、DMSO)を吸着するため、体内への異物の進入を抑制でき、より安全に点滴を行うことができる。
【0008】
また、本発明では、軟質の合成樹脂材料で形成された点滴筒と、液剤の中の異物を除去するために設けられた、多孔質炭素成形体とからなるフィルタとを備え、前記多孔質炭素成形体が、前記液剤流出口が位置する前記点滴筒の内底部に配置され、前記多孔質炭素成形体は、前記液剤を通しつつ、液剤に含まれる異物を吸着し、異物を濾過するように構成されている。
このように、前記点滴筒が軟質の合成樹脂材料で構成され、かつ球形状の多孔質炭素成形体が点滴筒の内底部に収容されている場合には、点滴筒の一部を押圧して凹ませた後、押圧を開放して点滴筒の外形が復元する力によって、点滴筒内への空気置換が行われ、点滴室内の液量の制御をすることができる。
そのため、点滴筒内の液は点滴筒の下方側に重力の作用により向かうので、その際に点滴筒を押圧によって下方側に接続された装置側に液を供給することができることにより点滴筒内の液量の調節が可能となる。
【0009】
また、点滴筒の上部にフィルタ室が一体に設けられ、前記多孔質炭素成形体が前記フィルタ室内部の底部に収容されていることが望ましい。
このように、点滴筒の上部にフィルタ室が設けられている場合には、点滴筒とフィルタ室が一体であるため、他機材のある病室内は省スペースが求められることから、装置の設置を容易にすることができると共に、点滴筒とフィルタ室との間の配管の接続作業を不要とすることができるので、点滴作業性を向上させることができる。
【0010】
また、前記フィルタ室が液剤の流れる方向に沿って複数重ねられ、各フィルタ室に多孔質炭素成形体が収容さていることが望ましい。
このように、フィルタ室が複数重ねられている場合には、液剤の濾過が複数の多孔質炭素成形体でなされるため、より良好な濾過を行うことができる。
【0011】
また、点滴筒と、前記点滴筒の上方に点滴筒と別体に設けられた、フィルタが収容されたフィルタ部と、前記点滴筒と前記フィルタ部とを接続する中継チューブと、を備え、前記フィルタ部が液剤の流れる方向に沿って複数重ねられ、各フィルタ部に多孔質炭素成形体が収容されていることが望ましい。
この点滴装置によれば、フィルタ部と点滴筒が別体として形成されているため、フィルタ部の必要に応じて装着することができる。即ち、点滴経路が複数ある場合には、フィルタ部を選択的に設ける(必要な点滴経路のみにフィルタ部を配置する)ことが可能となる。
また、フィルタ部が複数重ねられ、液剤の濾過が複数の多孔質炭素成形体でなされるため、より良好な濾過を行うことができる。
【0013】
また、前記多孔質炭素成形体は、比表面積800m/g以上、気孔率が15%〜85%であることが望ましい。なお比表面積は200℃、60分間の窒素吸着による前処理を行いマウンテック社製 全自動比表面積測定装置HM−model−1208を用いたBET測定法にて算出され、気孔率は{1−(多孔質炭素成形体の密度÷炭素の比重1.6)}により算出することができる。
このような多孔質炭素成形体を用いることにより、DMSOをより吸着でき、濾過(除去)することができる。
尚、前記複数の多孔質炭素成形体を用いる場合には、より効率的に濾過を行うため、点滴筒により近い多孔質炭素成形体の比表面積及び気孔率が、点滴筒から離れた多孔質炭素成形体の比表面積及び気孔率よりも小さいことが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液剤に含まれている異物を濾過し、体内への異物の進入を抑制し、より安全に点滴を行える点滴装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に係る点滴装置の第1の実施形態を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は断面図である。
図2図2は、図1(b)の要部拡大図である。
図3図3の(a)〜(c)は、本発明に係る第1の実施様態に用いられる多孔質炭素成形体の製造方法を示す図である。
図4図4の(a)〜(c)は、多孔質炭素成形体(の製造方法)の変形例を示す図である。
図5図5は、図4の製造方法に係る多孔質炭素成形体のSEM画像である。
図6図6は、本発明に係る点滴装置の第2の実施形態を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は断面図である。
図7図7は、図6(b)の要部拡大図である。
図8図8は、本発明に係る点滴装置の第3の実施形態を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は断面図である。
図9図9は、図8(b)の要部拡大図である。
図10図10は、本発明に係る点滴装置の第4の実施形態を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は断面図である。
図11図11は、本発明に係る点滴装置の第5の実施形態を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
この発明に係る点滴装置の第1の実施形態について、図1乃至図5に基づいて説明する。
点滴装置は、一般的に、点滴筒(チャンバともいう)と、液剤等の流量や流速をコントロールするクランプ(クレンメともいう)と、体内に液剤等を注入する留置針とにより構成されている。尚、クランプ、留置針は、従来のクランプ、留置針と変わらないため、詳細な説明は省略する。
【0017】
図1(a),(b)および図2に示すように、この実施形態にかかる点滴装置1は、点滴筒2と、一端が液剤バッグ(図示せず)に連結され、他端が前記点滴筒2に連結されている上流側チューブ4が設けられている。
また、前記点滴筒2の下流側には、一端がクランプ(図示せず)と連結され、他端が点滴装置1の下端と連結されている下流側の下流側チューブ5とを備えている。
更に、この点滴装置1にあっては、前記点滴筒2の内部に、フィルタ3として多孔質炭素成形体が収容されている。
【0018】
前記点滴筒2は、点滴筒本体2aと、点滴筒本体2aの上部を塞ぐ蓋体2bとを備えている。前記点滴筒本体2aの形状は内径寸法が下流側に行くにつれて徐々に小さくなる略円筒状に形成されている。前記点滴筒本体2aの下端には液剤流出口2cが形成されている。前記液剤流出口2cには、下流側チューブ5が連結されている。
尚、点滴筒本体2aは、例えば、PVC、EVA、PP、PE、軟質ポリエステル樹脂、透明ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム等の軟質な樹脂材料により形成されている。ここで挙げる軟質な樹脂材料とは縦弾性係数(ヤング率)が300MPa以下の合成樹脂材料をいう。
【0019】
また、前記蓋体2bは、上側に突出した円筒状の突出部(上側突起部)2b1と、下側に突出した円筒状の突出部(下側突起部)2b2を備えている。この突出部2b1,2b2の内部には、液剤が流下する流路2b3が形成されている。
前記上側突出部2b1の上端部には上流側チューブ4が連結されている。即ち、前記上側突出部2b1の上端部に液剤流入口2b4が形成され、下側突起部2b2の下端部に点滴筒本体2a内に、液剤を導入する液剤導入口2b5が形成されている。
【0020】
また、前記点滴筒2の内底部には、フィルタ3としての球状の多孔質炭素成形体が配置されている。なお、この多孔質炭素成形体の詳細は後述する。
【0021】
上記したように、上流側チューブ4と下流側チューブ5は、フィルタ3を収容した点滴筒2を介して連通している。
即ち、液剤の流下経路中に、フィルタ3(多孔質炭素成形体)を収容した点滴筒2が設けられているため、液剤は多孔質炭素成形体2bと接触し、濾過された後、下流側チューブ5に流れる。
前記多孔質炭素成形体は、後記するようにマクロ孔とミクロ孔を備えているため、例えば、製造過程で混入したプラスチックス小片、点滴筒に使用された固化した接着剤等の異物を除去できる。更に、前記多孔質炭素成形体は炭素質の多孔質体であり、前記したように、マクロ孔とミクロ孔を備えているため、液剤を十分に通しつつ、液剤に含まれるDMSOを吸着することができる。その結果、体内へのDMSOの進入を抑制することができ、点滴をより安全に行うことができる。
【0022】
尚、前記点滴本体2aは、軟質の合成樹脂材料で構成され、球状のフィルタ(多孔質炭素成形体)3が点滴本体2aの内底部に配置されているため、点滴本体2aの液量の調節をする際に、点滴筒本体2aを押圧しても、フィルタ(多孔質炭素成形体)3が邪魔とならない。このため、点滴本体2a内部の液剤量の調整が容易に行うことができる。
また、前記点滴筒本体2aが軟質の合成樹脂材料で構成され、多孔質炭素成形体が点滴筒の内底部に収容されている場合には、点滴筒の一部を押圧して凹ませた際、多孔質炭素成形体は邪魔にならない。しかも、押圧を開放して点滴筒の外形が復元する際に、点滴筒内への空気と点滴筒内の液体の置換が行われ、点滴室内の液量の制御をすることができる。
その結果、例えば点滴筒の下方側に装置が配置されている場合には、点滴筒内の液は点滴筒の下方側に重力の作用により向かうため、前記押圧による液体を点滴筒から装置側に供給することができ、点滴筒内の液量の調節が可能となる。
【0023】
ここで、前記多孔質炭素成形体の詳細について説明する。
前記したように、多孔質炭素成形体はフィルタとして好適であり、特にDMSOを吸着することができる多孔質炭素成形体である。この多孔質炭素成形体について、以下、図3乃至図6基づいて説明する。
【0024】
《多孔質炭素成形体》
多孔質炭素成形体は、複数の球形多孔質炭素体の間に隙間が形成され、この隙間を「マクロ孔」といい、また個々の球形多孔質炭素体内に気孔が形成され、この気孔を「ミクロ孔」という。具体的には、ミクロ孔を有する炭素骨格、及び炭素骨格間の互いに連通しているマクロ孔を有する。炭素骨格間の互いに連通しているマクロ孔を有することにより、炭素骨格が有するミクロ孔に外部の流体等が接触しやすくすることができる。
【0025】
図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)を参照して、本発明に用いられる多孔質炭素成形体について説明する。
【0026】
図3(a)〜(c)に示すように、第1の実施様態に用いられる多孔質炭素成形体100は、例えば、複数の樹脂粒子10を所望の形の型に入れ(図3(a))、これらの樹脂粒子を加熱によって焼結させて、粒子同士を互いに連結させ(図3(b))、次いでこれを炭素化すること(図3(c))によって得られ、複数の球形多孔質炭素体が焼結した箇所において互いに面接合している。
【0027】
より好ましくは、図4に示す多孔質炭素成形体200が良い。この多孔質炭素成形体200では、複数の球形多孔質炭素体は互いに点接合しており、かつその点接合している箇所の周囲において、結合炭素体が複数の球形多孔質炭素体を互いに連結している。
このように、点接合することによって、球形多孔質炭素体はその球形の形状を維持しているので、樹脂粒子を焼結させる際に樹脂粒子が変形すること、及び均一な焼結が容易に行うことができ、複数の球形多孔質炭素体の間の隙間であるマクロ孔による連通孔の精度を高めることができる。
【0028】
前記多孔質炭素成形体200は、例えば、図4に示すように、複数の硬化樹脂粒子20を所望の形の型に入れ(図4(a))、これらの硬化樹脂粒子をそれらの接点部分22においてバインダー樹脂25により互いに連結させて、硬化樹脂成形体を形成し(図4(b))、そしてこの硬化樹脂成形体を炭素化させること(図4(c))によって得られるものである。
なお、この炭素化によれば、硬化樹脂粒子20が球形多孔質炭素体20aになり、またバインダー樹脂25が結合炭素体25aになる。
【0029】
本発明のように、フィルタ3に多孔質炭素成形体100,200を用いる場合、マクロ孔が整った連通孔であることは、球形多孔質炭素体のミクロ孔に外部の液剤が接触しやすく好ましい。
マクロ孔の大きさは一般に、球形多孔質炭素体の大きさ、すなわちその原料となる硬化樹脂粒子の大きさに依存し、直径50nmより大きいものであり、その測定は、走査電子顕微鏡等を用いた目視で行うことができる。また、ミクロ孔の孔径は、使用する樹脂の種類、炭素化処理、及び随意の賦活処理に依存し、直径2nm以下であり、その測定は、日本ベル株式会社製自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP−miniIIを用いて、ガス吸着測定(媒体:窒素)を行い、解析は、BET測定法により行った。
【0030】
以下では、多孔質炭素成形体100,200の各構成要素について説明する。
<球形多孔質炭素体及び硬化樹脂粒子>
球形多孔質炭素体は、多孔質炭素成形体に存在する複数の球形の多孔質炭素体である。
球形多孔質炭素体は、随意の炭素質フィラーを含有していてもよい。炭素質フィラーとしては、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、グランフェン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いても良い。
球形多孔質炭素体は硬化樹脂粒子を炭素化することにより得ることができる。
【0031】
硬化樹脂粒子は、硬化性樹脂で形成されている樹脂粒子であって、硬化反応によって不溶不融状態になった樹脂粒子である。このように硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いても良い。
【0032】
熱硬化性樹脂としては、これに限られないが、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。中でも、フェノール樹脂を使用することが好ましい。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
硬化樹脂粒子の形状は、任意の形状であってよいが、略球形であることが好ましい。
【0033】
硬化樹脂粒子の平均粒径は、1μm以上50μm以下であり、より望ましくは5μm以上10μm以下であることができる。その際の硬化樹脂粒子の平均粒径は、粒度分布測定装置〔粒子径測定器マイクロトラックHRA(日機装社製)〕にて、体積基準による平均粒子径を測定した値である。
【0034】
<結合炭素体及びバインダー樹脂>
結合炭素体は、複数の球形多孔質炭素体をそれらの接点部分において互いに連結している。結合炭素体は、炭素質フィラーを含有していてもよい。炭素質フィラーとしては、球形多孔質炭素体に関して挙げた炭素質フィラーが挙げられる。
結合炭素体は、バインダー樹脂を炭素化して得ることができる。
【0035】
バインダー樹脂としては、これに限られないが、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルーポリ酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、バインダー樹脂としては、硬化樹脂粒子に関して挙げた硬化性樹脂を用いることもできる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
尚、図3に示す多孔質炭素成形体100にあっては、このバインダー樹脂を含有せず、水と混合して樹脂粒子分散スラリーを焼結しても良い。
【0036】
<多孔質炭素成形体100,200の製造方法>
多孔質炭素成形体100を製造するには、複数の硬化樹脂粒子を、それらの接点部分においてバインダー樹脂により互いに連結させて、硬化樹脂成形体を形成し、そして硬化樹脂成形体を炭素化させてマクロ孔を有する炭素骨格を形成し、そして賦活処理を行って、炭素骨格にミクロ孔を形成することを含む。
尚、図3に示す多孔質炭素成形体100にあっては、このバインダー樹脂を含有せず、水と混合して樹脂粒子分散スラリーを焼結しても良い。
【0037】
<硬化樹脂成形体の形成>
複数の硬化樹脂粒子を、それらの接点部分においてバインダー樹脂により互いに連結させて、硬化樹脂成形体を形成する。これは例えば、硬化樹脂粒子及び液状のバインダー樹脂を脱泡混練機にて混合し、そして得られた混合物を、型に流し込んで乾燥させること、又はプレス成形することによって行うことができる。
尚、図3に示す多孔質炭素成形体100にあっては、このバインダー樹脂を含有せず、水と混合して樹脂粒子分散スラリーを型に流し込んで乾燥させること、又はプレス成形することによって行うことができる。
【0038】
<炭素化工程>
上記のようにして得た硬化樹脂成形体を炭素化させて、マクロ孔を有する炭素骨格を形成する。これは例えば、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中で昇温し、炭素化保持温度で保持し、自然冷却することにより行うことができる。
【0039】
昇温速度としては、20℃/h以上、30℃/h以上、又は40℃/h以上であることができ、また100℃/h以下、90℃/h以下、又は80℃/h以下であることができる。
炭素化保持温度としては、700℃以上、750℃以上、又は800℃以上であることができ、また1200℃以下、1150℃以下、又は1100℃以下であることができる。
なお、炭素化の前に、硬化樹脂成形体を熱処理する随意の炭素化前熱処理工程を行うこともできる。この炭素化前熱処理としては、エアオーブンによる処理等が挙げられる。
【0040】
<賦活工程>
また、随意に、硬化樹脂成形体を炭素化させた後で、更に賦活処理を行っても良い。
この賦活処理は、多孔質炭素成形体のミクロ孔を形成するために好ましいことがある。具体的には、賦活処理は、水蒸気、二酸化炭素、酸素、又はオゾン等の酸化雰囲気中で賦活温度に加熱することにより行うことができる。
これにより、ガスによる炭素の酸化反応により炭素化物の表面を侵食させて炭素化物の微細構造をより発達させ、その結果ミクロ孔の形成を促進するものである。
【0041】
賦活温度は、600℃以上、700℃以上、又は800℃以上であることができ、また1200℃以下、1100℃以下、又は1000℃以下であることができる。
なお、炭素化及び賦活処理のために、薬品賦活法を採用することもできる。薬品賦活法は、成形した硬化樹脂成形体に化学薬品を加え、次いで窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中で加熱して炭素化及び賦活を同時に行うものである。
【0042】
この化学薬品としては、塩化亜鉛、リン酸、リン酸アルカリ金属塩、硫酸アルカリ金属塩、硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の脱水作用を有する薬品を使用することができる。
【0043】
続いて、多孔質炭素成形体100,200について、実施例を用いて、より具体的に説明する。
<実施例1>
硬化処理が完了している硬化樹脂粒子としての球状フェノール樹脂粉末(BEAPS−P8、旭有機材工業(株)製)100gと、5%ポリビニルアルコール水溶液200gとを、脱泡混練機にて混合・脱泡して、球状樹脂粒子分散スラリーを得た。この球状樹脂粒子分散スラリーを、フッ素樹脂含浸ガラスクロスシート上に設置した縦横150mmで深さ1mmの流込成形型の中に流し込み、乾燥させて、シート状の硬化樹脂成形体を得た。
【0044】
このシート状成形物を180℃のエアオーブン中で2時間処理し、炭素前駆体とした。その後、この炭素前駆体を、窒素ガス中で20℃/hの昇温速度で昇温し、800℃で3時間保持し自然冷却して、炭素化を完了した。その後、二酸化炭素雰囲気中で850℃で15時間保持した後、自然冷却して、賦活処理を行った。
【0045】
このようにして得られた多孔質炭素成形体100は、図5に示すように、平均粒径5μmの球形多孔質炭素体が点連結構造をとった連続気孔多孔体で、その気孔率(気孔を含む全体の体積及び質量、並びに炭素の密度1.6g/cmから計算される気孔率)は、62%であった。
また、多孔質炭素成形体は、厚み約250μm、密度0.57g/cm、窒素吸着法で測定したBET比表面積1447m/g、であった。
【0046】
2gの水溶液にDMSOを含ませた10%濃度の点滴液とし、点滴液中に多孔質炭素成形体100を0.3g含浸し、含浸後の濃度を測定したところ、DMSOの濃度は5.7%であった。
本発明にかかる点滴装置に、このような多孔質炭素成形体100を用いることにより、DMSOをより吸着でき、濾過(除去)できることが認められた。
【0047】
<実施例2>
熱可塑性樹脂粒子としての球状塩化ビニル粉末100gと水とを脱泡混練機にて混合・脱泡して球状樹脂粒子分散スラリーを得た。このスラリーを用いたことを除いて実施例と同様にして、成形、炭素化及び賦活を行って多孔質炭素成形体を得た。
このようにして得られた多孔質炭素成形体は、樹脂同士が溶融して連結した連続気孔多孔体であった。
このようにして得られた連続気孔多孔体は、平均粒径60μmの球形多孔質炭素体が点連結構造をとった連続気孔多孔体で、その気孔率(気孔を含む全体の体積及び質量、並びに炭素の密度1.6g/cmから計算される気孔率)は、62%であった。
また、多孔質炭素成形体は、厚み約250μm、密度0.57g/cm、窒素吸着法で測定したBET比表面積 1145m/gであった。
【0048】
2gの水溶液にDMSOを含ませた10%濃度の点滴液とし、点滴液中に多孔質炭素成形体200を0.3g含浸し、含浸後の濃度を測定したところ、DMSOの濃度は7.8%であった。
【0049】
以上述べたように、前記多孔質炭素成形体200は、全炭素質の多孔質体であるとともに、気孔径の制御が可能である点で優れている。さらに、DMSOを吸着する効果がある。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる第2の実施形態について、図6図7に基づいて説明する。尚、第1の実施形態に係る点滴装置と同じ部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0051】
図6(a),(b)および図7に示すように、第2の実施形態に係る点滴装置1は、点滴筒本体2aの上部に、多孔質炭素成形体3を収容するフィルタ室30が、前記点滴筒本体2aと一体に設けられる点に特徴を有する。
【0052】
前記フィルタ室30は有底円筒状の筒体31と蓋体32とにより構成され、前記フィルタ室30の底部外縁部が点滴筒本体2aの上部開口部と嵌合し、一体化している。
また、前記フィルタ室30の内部に、円柱状のフィルタ3(多孔質炭素成形体100,200)が収容されている、
【0053】
前記蓋体32は、上側に突出した円筒状の突出部(上側突起部)32aを備えている。前記上側突起部32aの内部には、液剤が流下する流路32bが形成されている。前記上側突出部32aの上端部に液剤流入口32cが形成されている。そして、前記上側突出部32aの上端部には上流側チューブ4が連結されている。
【0054】
前記筒体31は、下側に突出した円筒状の突出部(下側突起部)31aを備えている。前記下側突起部31aの内部には、液剤が流下する流路31bが形成されている。前記下側突出部31aの下端部に、点滴筒本体2aの内部に液剤を導入する液剤導入口31cが形成されている。
【0055】
上記した点滴装置1にあっては、上流側チューブ4と下流側チューブ5とが、フィルタ3(多孔質炭素成形体100,200)を収容した前記フィルタ室30、点滴筒2を介して連通している。
即ち、液剤の流下経路中に、フィルタ3(多孔質炭素成形体100,200)を収容した前記フィルタ室30が設けられているため、液剤は多孔質炭素成形体100,200と接触し、濾過された後、下流側チューブ5に流れる。
その結果、多孔質炭素成形体100によって、液剤に含まれるDMSOは吸着されるため、体内へのDMSOの進入を抑制することができ、点滴をより安全に行うことができる。
また、この点滴装置1によれば、点滴筒2を構成する点滴筒本体2aおよびフィルタ室30が、一体的に設けられているため、省スペースかつ取り回し(作業性)が良い。
【0056】
(第3の実施形態)
次に、本発明にかかる点滴装置の第3の実施形態を、図8及び図9に基づいて説明する。尚、第1および第2の実施形態に係る点滴装置と各部材と同一、または相当する部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第3の実施形態に係る点滴装置1は、図8(a),(b)および図9に示すように、点滴筒本体2aの上部に、複数のフィルタ室40が設けられている点に特徴を有する。
【0057】
前記フィルタ室40は、複数の有底円筒状の筒体41を有し、前記筒体41が重ねられた構成を有する。また最上段のフィルタ室40には、蓋体42が設けられている。
前記蓋体42は、上側に突出した円筒状の突出部(上側突起部)42aを備えている。前記上側突起部42aの内部には、液剤が流下する流路42bが形成されている。前記上側突出部42aの上端部に液剤流入口42cが形成されている。そして、前記上側突出部42aの上端部には上流側チューブ4が連結されている。
【0058】
また、前記筒体41の底部の中心付近には、下側に配置された筒体41と連通する連通穴41aが形成されている。そして、最下段に位置する前記筒体41には、下側に突出した円筒状の突出部(下側突起部)41bを備えている。前記下側突起部41bの内部には、液剤が流下する流路41bが形成されている。前記下側突出部41bの下端部に、点滴筒本体2aの内部に液剤を導入する液剤導入口41cが形成されている。
また、前記フィルタ室40の内部に、円柱状のフィルタ3(多孔質炭素成形体100,200)が収容されている。
このように、前記フィルタ室40が液剤の流れる方向に沿って複数重ねられ、各フィルタ室40に円柱状のフィルタ3(多孔質炭素成形体100,200)が収容さている。
【0059】
上記した点滴装置1によれば、フィルタ室40が複数重ねられているため、フィルタ室数を調整することで、液剤の濾過頻度を調節できる。
また、各フィルタ室40のそれぞれに設けられた多孔質炭素成形体3の目を徐々に細かくすることにより、効率の良いフィルタリングをすることもできる。
尚、前記複数の多孔質炭素成形体100,200を用いる場合には、より効率的に濾過を行うため、点滴筒2により近い多孔質炭素成形体100,200の気孔径及び気孔率が、点滴筒2から離れた多孔質炭素成形体100,200の気孔径及び気孔率よりも小さいことが望ましい。
【0060】
(第4の実施形態)
次に、本発明にかかる点滴装置の第4の実施形態を図10に基づいて説明する。
図10(a),(b)に示すように、第4の実施形態に係る点滴装置1は、第2の実施形態と異なり、点滴筒2とフィルタ部60とを別体に設け、前記点滴筒2とフィルタ部60とを、中継チューブ50によって接続した点に特徴がある。
【0061】
この点滴装置1によれば、点滴筒2およびフィルタ部60が、別々に設けられているため、フィルタ部60の配置の自由度が増す。即ち、点滴経路が複数ある場合には、フィルタ部60を選択的に設ける(必要な点滴経路のみにフィルタ部60を配置する)ことが可能となる。
【0062】
(第5の実施形態)
更に、本発明にかかる点滴装置1の第5の実施形態を、図11に基づいて説明する。
図11(a),(b)に示すように、第5の実施形態に係る点滴装置1は、図11(a),(b)に示すように、点滴筒2とフィルタ部70とを別体に設け、前記点滴筒2とフィルタ部70とを中継チューブ50によって接続した点(第4の実施形態参照)と、前記フィルタ部70(フィルタ室)が複数重ねられていること(第3の実施形態参照)の両方の特徴を有するものである。
【0063】
この点滴装置1によれば、前記した第3の実施形態および第4の実施形態において説明した両方の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 点滴装置
2 点滴筒
2a 点滴筒本体
2b 蓋体
2b1 上側突出部
2b2 下側突出部
2b3 流路
2b4 液剤流入口
2b5 液剤導入口
3 フィルタ
4 上流側チューブ
5 下流側チューブ
10 樹脂粒子
20 硬化樹脂粒子
20a 球形多孔質炭素体
22 接点部分
25 バインダー樹脂
25a 結合炭素体
30 フィルタ室
31 筒体
32 蓋体
40 フィルタ室
41 筒体
42 蓋体
50 中継チューブ
60 フィルタ部
70 フィルタ部
100 多孔質炭素成形体
200 多孔質炭素成形体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11