(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、種々のタイミングや態様で可動する演出装置としての第1演出役物装置22a及び第2演出役物装置22bと、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
第1演出役物装置22a及び第2演出役物装置22bはいずれも、
図3に示すように、中空部を備えたリング状の板部材であり、第1演出役物装置22aは、演出表示装置21の左下部前面において、当該演出表示装置21と重なるように設けられており、第2演出役物装置22bは、演出表示装置21の右下部前面において、当該演出表示装置21と重なるように設けられている。常態においては、第1演出役物装置22aは、右上約1/4程度が演出表示装置21の前面に表出し、残りの部分が遊技盤11の裏面側に収納される初期位置に停止しており、第2演出役物装置22bは、左上約1/4程度が演出表示装置21の前面に表出し、残りの部分が遊技盤11の裏面側に収納される初期位置に停止している(
図3参照)。
また、第1演出役物装置22aには後述する第1駆動ソレノイド22cが設けられており、第2演出役物装置22bには後述する第2駆動ソレノイド22dが設けられている。そして、後述する所定の演出が実行される場合には、第1駆動ソレノイド22cや第2駆動ソレノイド22dが作動することにより、第1演出役物装置22aや第2演出役物装置22bが、各初期位置から演出表示装置21の前面における所定の演出実行位置まで可動し、第1演出役物装置22aや第2演出役物装置22bの全部が演出表示装置21の前面に表出可能となっている(
図40、
図41等参照)。
また、上述のように、第1演出役物装置22aや第2演出役物装置22bは演出表示装置21の前面に位置しているため、第1演出役物装置22aや第2演出役物装置22bの中空部を通して、裏面側に位置する演出表示装置21の表示部21aを視認できるようになっている。そして、演出表示装置21の表示部21aにおける第2演出役物装置22bの中空部と対応する領域(後述する第2保留表示領域53)では、所定の演出(後述する保留変化演出)の実行時においては、当該演出に対応する表示(保留変化後の保留表示)が行われるものの、所定の演出の実行時以外においては、遊技履歴を表示したり、各種演出の内容をカスタマイズしたりするための表示(すなわち、所定の演出に対応する表示内容とは異なる内容の表示)が行われるようになっている。
【0029】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図1参照)を備えている。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
【0030】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0031】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0032】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0033】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0034】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0035】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0036】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0037】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0038】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0039】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0040】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0041】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0042】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0043】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0044】
受皿満タン検出センサ7aは、賞球として払い出される遊技球を上皿6から受皿7に導く案内通路の所定位置に設けられており、遊技球が当該所定位置を通過するたびに、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、受皿7に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、案内通路内に遊技球が滞留し、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0045】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0046】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0047】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0048】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、第1演出役物装置22aや第2演出役物装置22bの可動を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0049】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、第1演出役物装置22aを可動させる第1駆動ソレノイド22cと、第2演出役物装置22bを可動させる第2駆動ソレノイド22dと、が接続されている。
【0050】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0051】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0052】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0053】
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、第1駆動ソレノイド22cや第2駆動ソレノイド22dの作動を制御する。そして、第1駆動ソレノイド22cが作動することにより、第1演出役物装置22aが所定の態様で可動し、第2駆動ソレノイド22dが作動することにより、第2演出役物装置22bが所定の態様で可動する。
【0054】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)又は高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0055】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0056】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0057】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0058】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0059】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0060】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0061】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0062】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0063】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が1000〜1219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜999、1220〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9となる。
【0064】
また、
図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が1000〜2119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜999、2120〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0065】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000〜1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000〜2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0066】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0067】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0068】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0〜29であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が30〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は15%、特別図柄X2が決定される確率は85%となっている。
【0069】
また、
図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0〜99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率、及び、特別図柄X2が決定される確率はいずれも50%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0070】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0071】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0072】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、
図7(a)〜(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112について説明する。
【0073】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0074】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図7(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0〜3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(
図7(c)参照)。
【0075】
そして、
図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0〜299であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が300〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、
図7(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0〜7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000〜8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0076】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0077】
なお、後述する如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短遊技状態中に第2特図乱数が記憶されると、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に、当該第2特図乱数について大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理が実行される。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時においてグループ種別、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するとともに、上述の事前判定処理においても、上述のリーチグループ決定乱数判定テーブル112に基づいてグループ種別を決定し、さらに、後述の変動モード番号及び変動パターン番号を決定する。
ここで、グループ種別の決定を行うにあたっては、この決定を行う時点の保留数(第2特図保留数)によることなく常に第3判定テーブル112cが参照されるため、変動開始時の保留数と、上述の事前判定処理を実行する際の保留数とが異なっていたとしても、いずれの時点でも同一のグループ種別が決定される。そして、後述するように、各グループに変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が対応付けられているため、いずれの時点でも同一の変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。
なお、第1グループ又は第3グループが決定された場合には、後述する変動演出の前半部分における演出図柄50の変動表示の態様としてリーチなし変動パターンが決定され、第5グループが決定された場合には、変動演出の前半部分における演出図柄50の変動表示の態様としてリーチ変動パターンが決定されるようになっている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、事前判定処理において第1グループ又は第3グループが決定された場合には、リーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分における演出図柄50の変動表示が実行されると判定でき、第5グループが決定された場合には、リーチ変動パターンにより変動演出の前半部分における演出図柄50の変動表示が実行されると判定できることとなる。
【0078】
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中に第2特図乱数が記憶されると上述の事前判定処理が実行されるようになっているが、これに限定されるものではなく、時短遊技状態中に第1特図乱数が記憶された場合や、非時短遊技状態中に第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶された場合にも、同様の事前判定処理を実行して、変動開始前に大当たりの抽選に関する各種判定を行ってもよい。
【0079】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0080】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図8(a)〜(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明する。
【0081】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0082】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(
図8(a)〜(e)参照)。
【0083】
そして、
図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。
また、
図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、
図8(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0〜1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800〜2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。
【0084】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの当選時(すなわち、大当たりの抽選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9(a)及び(b)に示すように、大当たり用判定テーブルとして、非時短遊技状態において特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、及び、時短遊技状態において特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113gが設けられている。
【0085】
そして、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの当選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0086】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
【0087】
そして、
図9(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0〜199であった場合に、「01H」の変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200〜1299であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300〜2038であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、
図9(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0〜699であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が700〜1399であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択され、リーチモード決定乱数が1400〜2038であった場合に、「04H」の変動モード番号が決定されるとともに第33変動テーブル114iが選択される。
【0088】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの当選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの当選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0089】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図10(a)〜(i)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g、第32変動テーブル114h及び第33変動テーブル114iについて説明する。
【0090】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定される。
【0091】
また、
図10(g)に示すように、第31変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0〜89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90〜249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図10参照)。
【0092】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0093】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0094】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図11(a)及び(b)参照)。
【0095】
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
また、決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0096】
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「07H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「30秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「07H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「90秒(=30秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
【0097】
なお、
図11(a)に示すように、「00H」又は「04H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(
図8及び
図9参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
【0098】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0099】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図12(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
【0100】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図12(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
【0101】
特別図柄X2が決定されると、
図12(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X2が決定された場合よりも、特別図柄X1が決定された場合の方が多い。
【0102】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13に示すように、特別図柄X1及び特別図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、特別遊技の終了後の遊技状態としては、いずれの特別図柄が決定された場合にも同一の遊技状態を設定するのではなく、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて異なる遊技状態(たとえば、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態等)を設定するようにしてもよい。
【0103】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0104】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0105】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0〜65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0106】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0107】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0108】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0109】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0110】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0111】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0112】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0113】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0114】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図18のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0115】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0116】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0117】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0118】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0119】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0120】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0121】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0122】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0123】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0124】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0125】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0126】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0127】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0128】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0129】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0130】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0131】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0132】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0133】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ610に進む。
【0134】
ステップ610において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が保留として記憶された時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0135】
次に、上述したステップ610の事前判定処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと、上述のステップ603で第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ651に進む。
【0136】
ステップ651において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、上述のステップ650における判定の結果が大当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ604で第2保留記憶領域の記憶部に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(大当たり図柄の種別)を判定する。一方、上述のステップ650における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はY2(ハズレ図柄)であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。また、この特別図柄判定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を判定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ652に進む。
【0137】
ステップ652において、メインCPU101は、上述のステップ651で判定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ655に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ653に進む。
ステップ653において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ654に進む。
【0138】
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ653で確認した大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ659に進む。
また、上述のステップ652で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ655において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ656に進む。
【0139】
ステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ655で確認した現時点の遊技状態及び保留数、並びに、遊技球が入球した始動入賞口の種別(すなわち、第2始動入賞口16)に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。本形態に係るパチンコ機Pでは必ず、第3判定テーブル112cが取得される。そして、次のステップ657に進む。
ステップ657において、メインCPU101は、上述のステップ605で第2保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ656で取得されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ658に進む。
【0140】
ステップ658において、メインCPU101は、上述のステップ657で判定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ659に進む。
ステップ659において、メインCPU101は、上述のステップ654で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ658で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ606で第2保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を判定する変動モード番号判定処理を実行する。そして、次のステップ660に進む。
【0141】
ステップ660において、メインCPU101は、上述のステップ659で判定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ661に進む。
ステップ661において、メインCPU101は、上述のステップ660で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ607で第2保留記憶領域の記憶部に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を判定する変動パターン番号判定処理を実行する。そして、次のステップ662に進む。
【0142】
ステップ662において、メインCPU101は、上述のステップ650で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、上述のステップ651で判定された特別図柄の種別、上述のステップ659で判定された変動モード番号、及び、上述のステップ661で判定された変動パターン番号に対応する事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pは事前判定コマンドテーブルを有しており、この事前判定コマンドテーブルには、上述の判定結果(大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号)に対応付けられて事前判定コマンドが定められている。そして、メインCPU101は、この事前判定コマンドテーブルを参照して上述の判定結果に対応する事前判定コマンドを取得できるようになっている。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、新たに記憶された第2特図乱数(保留)について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号が、事前判定コマンドによって、当該保留が記憶された時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0143】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0144】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0145】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0146】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0147】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0148】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0149】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0150】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0151】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0152】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0153】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0154】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0155】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0156】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0157】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0158】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0159】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0160】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0161】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0162】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0163】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0164】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(特別図柄X1又はX2)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0165】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0166】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0167】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0168】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0169】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0170】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0171】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0172】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0173】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0174】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0175】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。
具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄が特別図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。
そして、次のステップ1302に進む。
【0176】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0177】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0178】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0179】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0180】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
【0181】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0182】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0183】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0184】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0185】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0186】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0187】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0188】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0189】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0190】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0191】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0192】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0193】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0194】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、保留の記憶に基づいて所定態様での表示を行う保留表示演出、変動演出が後述する発展あり変動パターンにより実行される場合においてリーチ表示が行われた後に実行され、大当たりの当選に対する期待度を示唆するリーチ表示中演出(本発明の報知演出に相当)、リーチ表示中演出の実行に関する報知を行う特定演出について説明する。なおここでは、遊技状態が時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)である場合の各演出の内容について説明し、遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)である場合の各演出の内容については説明を省略する。
【0195】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0196】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始され(
図36(a)及び(b)、
図37(a)及び(b)参照)、その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図36(c)〜(e)、
図37(c)〜(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図37(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図36(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0197】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0198】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
リーチ変動パターンには、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展画像等を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展あり変動パターン(本発明の発展変動演出に相当)(
図38、
図39等参照)、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なし変動パターン(特に図示しておらず)が設けられている。
なお、発展あり変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
【0199】
また、発展あり変動パターンには、演出図柄50が次々と破壊されていくような発展画像が表示される通常発展パターン(
図38参照)、所定のキャラクターが対戦する発展画像(BATTLE画像)が表示され、対戦結果により大当たりの抽選の結果が報知される特殊発展パターン(
図39等参照)が設けられている。
さらに、特殊発展パターンには、発展画像の表示中に大当たりに当選している旨を報知する特殊画像(たとえば、「助っ人参上!!」という画像等)が表示される確定パターン(
図46参照)、当該特殊画像が表示されることなく、発展画像の最終表示結果(対戦結果)によってのみ大当たりの抽選の結果が報知される非確定パターン(
図39等参照)が設けられている。
【0200】
そして、これらのリーチ変動パターンについて、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンに応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
【0201】
また、これらの演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。また、発展画像の表示中の所定の期間内に、演出操作装置9(操作ダイヤル9a、操作ボタン9b)が操作されることにより、他の画像が表示されるようにしてもよい。
【0202】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまで(すなわち、第2停止図柄が停止表示されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
そして、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「00H」であった場合にリーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分が実行され、「00H」以外であった場合にリーチ変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される。なお、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には必ず、リーチ変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される(
図9参照)。
【0203】
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、
図47に示すように、変動演出の態様を決定するための変動演出決定テーブル121が記憶されている。そして、この変動演出決定テーブル121は、変動演出の前半部分の態様を決定するための前半態様決定テーブル121a(
図47(a)参照)と、変動演出の後半部分の態様を決定するための後半態様決定テーブル121b(
図47(b)参照)と、を備えている。
【0204】
前半態様決定テーブル121aには、主制御基板100のメインCPU101から受信する変動モードコマンドに応じた変動モード番号、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される前半変動演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の前半部分の態様が定められている。
この前半態様決定テーブル121aには、変動モード番号及び前半変動演出乱数ごとに、演出図柄50が変動表示を開始してからリーチ表示の有無が報知されるまでの態様(リーチなし変動パターン、リーチ変動パターン)が定められている(
図47(a)参照)。そして、副制御基板300のサブCPU301が、主制御基板100のメインCPU101から変動モードコマンドを受信すると、当該サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1の前半変動演出乱数を取得するとともに、前半態様決定テーブル121aを取得する。そして、取得した前半変動演出乱数及び前半態様決定テーブル121aに基づいて、変動演出の前半部分の態様が決定される。
【0205】
具体的には、
図47(a)に示すように、前半態様決定テーブル121aによれば、サブCPU301が受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「00H」であった場合には、変動演出の前半部分の態様として、リーチなし変動パターンが決定される。また、サブCPU301が受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「02H」、「03H」又は「04H」であった場合には、変動演出の前半部分の態様として、リーチ変動パターンが決定される。
【0206】
後半態様決定テーブル121bには、主制御基板100のメインCPU101から受信する変動パターンコマンドに応じた変動パターン番号、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される後半変動演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の後半部分の態様が定められている。
この後半態様決定テーブル121bには、変動パターンコマンド及び後半変動演出乱数ごとに、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止するまでの態様(通常発展パターン、非確定パターン、確定パターン等)が定められている。そして、副制御基板300のサブCPU301が、主制御基板100のメインCPU101から変動パターンコマンドを受信すると、当該サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1の後半変動演出乱数を取得するとともに、後半態様決定テーブル121bを取得する。そして、取得した後半変動演出乱数及び後半態様決定テーブル121bに基づいて、変動演出の後半部分の態様が決定される。
【0207】
具体的には、
図47(b)に示すように、後半態様決定テーブル121bによれば、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合には、変動演出の後半部分の態様として通常発展パターン又は非確定パターンが決定される。また、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合には、変動演出の後半部分の態様として、通常発展パターン、非確定パターン又は確定パターンが決定される。
【0208】
なお、
図47(a)及び(b)において変動パターン番号と上記態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号が「00H」であった場合には必ず、リーチなし変動パターンが決定され、変動パターン番号が「02H」、「03H」又は「04H」であった場合には必ず、リーチ変動パターンが決定される。
また、変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレの場合)には、変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合(すなわち、大当たりの抽選の結果が大当たりの場合)よりも、特殊発展パターン(非確定パターン、確定パターン)が選択されやすいように設定されている。したがって、特殊発展パターンにより変動演出の後半部分が実行された場合には、通常発展パターンにより変動演出の後半部分が実行された場合よりも、大当たりの当選に対する期待度が高いこととなる。
【0209】
(保留表示演出の概要)
保留表示演出は、保留記憶がなされた場合や保留記憶が読み出された場合に、演出表示装置21において、所定の表示態様で保留表示を行うものである。ここでは、第2特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出についてのみ説明するものとし、第1特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出については説明を省略する。
【0210】
図36等に示すように、演出表示装置21の表示部21aには、初期位置に停止する第2演出役物装置22bの外周外側に、第2特図乱数の第1保留表示領域52が設けられている。そして、第2特図乱数について保留記憶がなされると、この第1保留表示領域52に、保留記憶がなされた旨を示す保留表示が行われ、この保留表示により保留数が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、第1保留表示領域52の最下部に、読み出された保留(すなわち、現時点における特別図柄の変動表示の対象である保留、以下、「当該保留」という。)を表示する読み出し保留表示部52aが設けられているとともに、読み出し保留表示部52aの上側に、記憶された保留を記憶順に表示する第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eが設けられている。そして、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eの4つの保留表示部により第2特図保留数が示されるようになっている。
【0211】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第2特図乱数を記憶する第2保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、第2特図乱数に係る大当たり情報、事前判定コマンドが有する変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報等が記憶される第2保留記憶領域が設けられている。
このサブRAM303に設けられる第2保留記憶領域には、第1記憶部〜第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部52bに対応し、以下、第2記憶部〜第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部52c〜第4保留表示部52eに対応している。そして、各記憶部に保留情報が記憶されると、対応する保留表示部において保留表示が行われる。また、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出されると、当該保留情報がサブRAM303の所定の処理領域に記憶されるとともに、特別図柄の変動表示及び変動演出が開始される。そして、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおいて当該保留(読み出された保留)を対象とする保留表示が行われる。
【0212】
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出が実行されておらず第2特図保留数が「0」である場合には、読み出し保留表示部52a、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eのいずれにも保留表示が行われていない。そして、この場合に保留記憶がなされると、第1記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部52bにおいて保留表示が行われる。その後、当該保留記憶が読み出されて特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされて、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52bにおける保留表示が消去されることとなる。
また、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第2特図保留数が「3」である場合には、第1記憶部〜第3記憶部に保留情報が記憶されることとなるため、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52dにおいて保留表示が行われる。その後、実行中の特別図柄の変動表示及び変動演出が終了し、第1記憶部における保留記憶が読み出されて、次の特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされ、第2保留表示部52cにおける保留表示が第1保留表示部52bへシフトされ、第3保留表示部52dにおける保留表示が第2保留表示部52cへシフトされて、各保留表示部における保留表示が更新されるとともに、第3保留表示部52dにおける保留表示が消去されることとなる(
図36(a)及び(b)等参照)。
【0213】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中において発展あり変動パターン(すなわち、リーチ変動パターン)により変動演出が行われる場合には、リーチ表示が行われると、読み出し保留表示部52aにおいて行われていた保留表示が、演出表示装置21の表示部21aにおける第2演出役物装置22bの中空部と対応する領域(以下、第2保留表示領域53という)において行われるとともに、第1保留表示領域52において行われていた保留表示が全て消去される(
図37、
図38等参照)。
なお、特に図示していないが、上述の場合にリーチ表示が行われた後は大当たりの抽選の結果が報知されるまでの間、第1保留表示領域52での保留表示は行われないものの、演出表示装置21の表示部21aの所定位置において、第2特図保留数が数値表示等により報知されるようになっている。また、第2保留表示領域53には、リーチ表示が行われて上述の保留表示が行われている間以外において、上述の如く、遊技履歴の表示や各種演出の内容をカスタマイズするための表示が行われるようになっており、上述の保留表示を行う場合には、これらの表示が消去されるようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチ表示が行われると、読み出し保留表示部52aにおいて行われていた保留表示のみが第2保留表示領域53内へ移動し、当該領域において継続して保留表示が行われるようになっている。
【0214】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留表示の表示態様として、白色の丸印が表示される態様(以下、白保留という)、青色の丸印が表示される態様(以下、青保留という)、赤色の丸印が表示される態様(以下、赤保留という)、金色の丸印が表示される態様(以下、金保留という)が設けられており(
図36等参照)、保留記憶がなされるといずれかの表示態様により保留表示が行われる。そして、これらの保留表示の表示態様については、大当たりに当選した場合に表示される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、保留表示における態様に応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶がなされた時点における保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わる保留変化演出を実行できるようになっている(
図41等参照)。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、読み出された保留(当該保留)に基づく変動演出がリーチ変動パターンにより行われる場合に、当該保留の保留表示に対して保留変化演出が実行されるようになっている。そして、当該変動演出中においてリーチ表示が行われた後の所定のタイミングで、当該保留に対する保留変化演出が実行されるように設定されている。
【0215】
たとえば、保留記憶がなされた時点で当該記憶された保留について青保留による保留表示が行われた場合に、この保留が読み出されることにより行われる変動演出中におけるリーチ表示後に、青保留による保留表示から赤保留による保留表示に切り替わる保留変化演出の実行が決定されたものとする。すると、保留記憶がなされた時点から当該記憶された保留の変動演出が開始されるまでの間は、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eのうち対応する保留表示部において青保留による保留表示が行われる。そして、上述の記憶された保留の変動演出が開始されると、当該変動演出においてリーチ表示が行われるまでの間、読み出し保留表示部52aにおいて青保留による保留表示が行われる。その後、リーチ表示が行われると、読み出し保留表示部52aにおいて行われていた青保留による保留表示が第2保留表示領域53へ移動し、当該領域において継続して青保留による保留表示が行われる(
図41(a)参照)。そして、保留変化演出が実行されるタイミングに至ると、第2演出役物装置22bが演出実行位置(本形態では、演出表示装置21の表示部21aにおける略中央右部と対応する位置)まで移動する(
図41(b)及び(c)参照)。すると、第2演出役物装置22bの中空部も移動することとなるため、これに伴って第2保留表示領域53も移動することとなり、移動先の第2保留表示領域53内において青保留による保留表示が行われ(
図41(b)参照)、その後、当該青保留による保留表示が赤保留による保留表示に切り替わることとなる(
図41(c)参照)。そして、保留変化演出が終了すると、第2演出役物装置22bが初期位置まで戻り、これに伴って第2保留表示領域53も当初の位置まで戻り、この当初の位置の第2保留表示領域53内において赤保留による保留表示が行われる(
図41(d)参照)。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留表示が行われる第2保留表示領域53が、演出表示装置21の表示部21aにおける所定の位置に移動し、この移動した第2保留表示領域53において保留変化演出が実行されるようになっている。
なお、保留変化演出は、移動した第2保留表示領域53において実行するのではなく、当初の位置の第2保留表示領域53内において実行してもよい。
【0216】
また、表示態様の切り替えの態様は複数設けられており、これらの態様について、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、保留表示の切り替えの態様に応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。なお、この保留変化演出は、後述するリーチ表示中演出に相当するものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する特定演出の実行に併せて、保留変化演出が実行される場合がある。特定演出が実行される場合における保留変化演出の態様については、後述する。
【0217】
なお、保留記憶がなされた時点における、当該記憶された保留についての保留表示の表示態様(以下、初期保留表示態様という)、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出を実行する場合における保留表示の切り替えの態様は、保留記憶がなされた時点において、主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動パターン番号に基づいて決定されるようになっている。
具体的には、副制御基板300のサブROM302には、
図48に示すように、初期保留表示態様、保留変化演出の実行の可否、保留表示の切り替えの態様を決定するための保留態様決定テーブル122が記憶されている。
保留態様決定テーブル122には、主制御基板100のメインCPU101から受信する事前判定コマンドに含まれる変動パターン番号、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される保留態様決定乱数ごとに対応付けられて、初期保留表示態様、保留変化演出の実行の可否、保留表示の切り替えの態様が定められている。そして、副制御基板300のサブCPU301が、主制御基板100のメインCPU101から事前判定コマンドを受信すると、当該サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1の保留態様決定乱数を取得するとともに、取得した保留態様決定乱数及び保留態様決定テーブル122に基づいて、初期保留表示態様、保留変化演出の実行の可否、保留表示の切り替えの態様が決定される。
【0218】
具体的には、
図48に示すように、サブCPU301が受信した事前判定コマンドに対応する変動パターン番号が「06H」、「07H」、「A6H」又は「A7H」であった場合には、初期保留表示態様として、白保留又は青保留のいずれかが決定される。そして、初期保留表示態様として白保留が決定された場合には、保留変化を実行しない旨(すなわち、白保留のまま保留変化しない旨)、白保留から青保留に切り替わる態様、白保留から赤保留に切り替わる態様、白保留から青保留に切り替わり、さらに赤保留に切り替わる態様、白保留から赤保留に切り替わり、さらに金保留に切り替わる態様のいずれかが決定される。また、初期保留表示態様として青保留が決定された場合には、保留変化を実行しない旨(すなわち、青保留のまま保留変化しない旨)、青保留から赤保留に切り替わる態様、青保留から金保留に切り替わる態様、青保留から赤保留に切り替わり、さらに金保留に切り替わる態様のいずれかが決定される。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、当該変動演出中におけるリーチ表示後に、保留変化が1回行われる場合と、保留変化が2回行われる場合があるように設定されている。
また、
図48において変動パターン番号と上記内容とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0219】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、読み出された保留(当該保留)に基づく変動演出がリーチ変動パターンにより行われる場合に、当該保留の保留表示に対して保留変化演出が実行され、当該変動演出中においてリーチ表示が行われた後の所定のタイミングで、当該保留に対する保留変化演出が実行されるように設定されていたが、これに限定されるものではない。たとえば、当該保留に基づく変動演出よりも前に実行される変動演出中(すなわち、当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出中)に、当該保留の保留表示に対する保留変化演出を実行できるようにしてもよい。また、当該保留に基づく変動演出中においてリーチ表示が行われる前に、当該保留の保留表示に対する保留変化演出を実行できるようにしてもよい。また、当該保留に基づく変動演出がリーチなし変動パターンにより実行される場合にも、当該保留の保留表示に対する保留変化演出を実行できるようにしてもよい。
なお、保留表示の表示態様も、上記した内容に限定されるものではなく、たとえば、他の色の丸印が表示される態様や、他の形(星印、キャラクター等)が表示される態様を設けてもよい。また、保留変化の態様も、上記した内容に限定されるものではなく、3回以上の保留変化が行われる態様等を設けてもよい。
【0220】
(リーチ表示中演出の概要)
リーチ表示中演出は、上述の如く、リーチ変動パターンにより変動演出が実行される場合において、当該変動演出中におけるリーチ表示が行われた後に実行され、大当たりの当選に対する期待度を示唆するものである。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、リーチ表示中演出として、上述の保留変化演出、変動中の演出図柄50が異なる演出図柄50に切り替わる図柄変化演出、所定のカットイン画像が表示されるカットイン演出、所定の特殊映像が表示される特殊映像演出が設けられている。
なお、リーチ表示中演出としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、所定の役物演出装置が所定の態様で作動する役物作動演出等を設けてもよい。
【0221】
(図柄変化演出の概要)
図柄変化演出は、上述の如く、演出表示装置21の表示部21aにおいて変動中の演出図柄50が異なる演出図柄50に切り替わるものであり、発展あり変動パターン(リーチ変動パターン)による変動演出中に実行される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発展あり変動パターンにより変動演出が実行される場合、リーチ表示後においては、演出表示装置21の表示部21aの略全面で発展画像が表示されるようになっているため、演出図柄50の変動表示は、演出表示装置21の表示部21aにおける右上隅部で行われる(
図38、
図42等参照)。そして、図柄変化演出が実行される場合には、当該演出の実行タイミングに至ると、表示部21aの右隅部で変動表示していた演出図柄50が表示部21aの略中央部に移動し、この略中央部において異なる演出図柄50に切り替わるようになっている(
図42(b)参照)。その後、切り替わった演出図柄50が、再度、表示部21aの右隅部へ移動し、この右隅部において変動表示が継続されることとなる(
図42(c)参照)。
【0222】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する特定演出の実行に併せて、図柄変化演出が実行される場合がある。特定演出が実行される場合における図柄変化演出の態様については、後述する。
【0223】
なお、図柄変化演出の実行の可否は、保留記憶がなされた時点において、主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動パターン番号に基づいて決定されるようになっている。
具体的には、副制御基板300のサブROM302には、
図49に示すように、図柄変化演出の実行の可否を決定するための図柄変化演出実行決定テーブル123が記憶されている。
図柄変化演出実行決定テーブル123には、主制御基板100のメインCPU101から受信する事前判定コマンドに含まれる変動パターン番号、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される図柄変化決定乱数ごとに対応付けられて、図柄変化演出の実行の可否が定められている。そして、副制御基板300のサブCPU301が、主制御基板100のメインCPU101から事前判定コマンドを受信すると、当該サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1の図柄変化決定乱数を取得するとともに、取得した図柄変化決定乱数及び図柄変化演出実行決定テーブル123に基づいて、図柄変化演出の実行の可否が決定される。
【0224】
また、
図49において変動パターン番号と図柄変化演出の実行の可否とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、サブCPU301が受信した事前判定コマンドに対応する変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合(すなわち、ハズレの場合)よりも、「A6H」又は「A7H」であった場合(すなわち、大当たりの場合)の方が、図柄変化演出が実行される可能性が高くなるように設定されている。したがって、図柄変化演出が実行された場合には、図柄変化演出が実行されない場合よりも大当たりに対する期待度が高いこととなる。
【0225】
なお、特に図示していないが、図柄変化演出における演出図柄50の切り替えの態様(切り替え後の演出図柄50の種類、切り替え中に表示される画像等)は種々設けられており、いずれかの態様により図柄変化演出が実行されるようになっている。
また、各演出図柄50について、大当たりに当選した場合に表示される可能性の高低をそれぞれ別個に設定し、表示された演出図柄50に応じて、大当たりの当選の期待度を変化させることができるようにしてもよい。そして、このように設定した場合には、図柄変化演出において、当初表示されていた演出図柄50が、当該演出図柄50よりも大当たりの当選の期待度が高い演出図柄50に切り替えられるように設定してもよい。
また、当該変動演出中におけるリーチ表示後に実行される図柄変化演出の回数は、特に限定されるものではなく、1回のみ実行されるように設定してもよいし、2回以上実行されるように設定してもよい。
【0226】
(カットイン演出の概要)
カットイン演出は、上述の如く、演出表示装置21の表示部21aにおいて所定のカットイン画像(本形態では、「UP!」という文字画像)が表示されるものであり、発展あり変動パターン(リーチ変動パターン)による変動演出中に実行される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、カットイン演出として、表示中の発展画像に重ねて、表示部21aの中央やや上部付近において相対的に小さいカットイン画像が表示される弱カットイン演出(
図43(b)参照)、及び、表示中の発展画像に重ねて、表示部21aの中央やや上部から中央最下部まで至る相対的に大きいカットイン画像が表示される強カットイン演出(
図43(c)参照)が設けられている。なお、カットイン演出の種類としては、これらに限定されるものではなく、異なる態様(たとえば、表示色や表示内容等)のカットイン画像が表示されるカットイン演出等を設けてもよい。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する特定演出の実行に併せて、上述のカットイン演出が実行される場合がある。特定演出が実行される場合におけるカットイン演出の態様については、後述する。
【0227】
(特殊映像演出の概要)
特殊映像演出は、上述の如く、演出表示装置21の表示部21aにおいて所定の特殊映像が表示されるものであり、発展あり変動パターン(リーチ変動パターン)による変動演出中に実行される。この特殊映像演出では、表示中の発展画像に重ねて、表示部21aの略中央付近において特殊映像が表示されるようになっている(
図44(b)参照)。なお、特に図示していないが、特殊映像演出において表示される特殊映像としては、映像の内容や表示時間が異なる複数種類が設けられており、いずれかの特殊映像により特殊映像演出が実行されることとなる。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する特定演出の実行に併せて、上述の特殊映像演出が実行される場合がある。特定演出が実行される場合における特殊映像演出の態様については、後述する。
【0228】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のリーチ表示中演出は、特殊発展パターンにおける非確定パターンにより変動演出が行われる場合には実行できるものの、確定パターンにより変動演出が行われる場合には実行されないように設定されている。
ここで、上述の保留変化演出の実行の可否、及び図柄変化演出の実行の可否は、保留記憶がなされた時点で決定されるものの、変動演出の種類は、変動演出の開始時(記憶された保留の読み出し時)に決定される。そのため、保留変化演出や図柄変化演出の実行が決定されたものの、確定パターンによる変動演出の実行が決定される場合が生じる。そこで、この場合には、決定された保留変化演出や図柄変化演出の実行をキャンセルするように設定されている。このように設定することで、確定パターンにより変動演出が行われる場合には、保留変化演出や図柄変化演出が実行されないこととなる。
なお、確定パターンにより変動演出が行われる場合に保留変化演出や図柄変化演出が実行されないようにするためには、保留記憶がなされた時点で、保留変化演出や図柄変化演出の実行が決定された場合には、変動演出の種類として確定パターンが決定されないように設定してもよい。
【0229】
(特定演出の概要)
特定演出は、上述の如く、リーチ表示中演出の実行に関する報知を行うものであり、具体的には、特殊発展パターン(非確定パターン又は確定パターン)による変動演出中に実行可能であって、当該変動演出中に実行されるリーチ表示中演出の実行回数及び実行タイミングを報知するものである。
【0230】
この特定演出では、表示部21aの左部に、操作ボタン9bを模したボタン画像が所定個数(本形態では4個)を上限として縦一列に表示され(
図41(a)等参照)、当該変動演出中における所定のタイミングに至ると、表示されているボタン画像のうち最も下に位置するボタン画像において、遊技者に対して操作ボタン9bの押下操作を促す表示(本形態では、「PUSH!!」という文字表示)が行われる(
図41(a)等参照)。そして、当該表示が行われてから所定の操作有効時間(本形態では、2秒)が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下されると、ボタン画像が破壊される表示が行われるとともに、当該ボタン画像が消去され(
図41(b)及び(c)等参照)、保留変化演出、図柄変化演出、カットイン演出又は特殊映像演出のいずれかが実行される(
図41(c)及び(d)等参照)。そして、表示部21aに表示されているボタン画像の全てについて、同様の処理が実行されるようになっている。
このように、特定演出においては、表示されたボタン画像の個数により、当該変動演出中に実行されるリーチ表示中演出の回数が報知され、操作ボタン9bの押下操作を促す表示により、リーチ表示中演出の実行タイミングが報知されるようになっている。したがって、特定演出が実行されることにより、遊技者は、変動演出中において実行されるリーチ表示中演出の回数を、当該リーチ表示中演出が実行される前に把握することができるため、変動演出に対する興趣を高めることができるのである。
【0231】
以下、特定演出の実行の流れ、及び、特定演出が実行される場合におけるリーチ表示中演出の態様について、より具体的に説明する。
ここでは、非確定パターンにより変動演出が行われる場合に、当該変動演出中における特定演出の実行が決定され、保留変化演出(青保留→赤保留)→図柄変化演出→弱カットイン演出という順番で3つのリーチ表示中演出の実行が決定された場合を例として、上述の説明を行う。
【0232】
変動演出中に特定演出が実行される場合においては、当該変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間に獲得個数示唆演出を実行可能となっている。獲得個数示唆演出は、
図39(c)に示すように、特定演出において表示されるボタン画像の個数(すなわち、当該変動演出中におけるリーチ表示中演出の実行回数)を示唆する表示を行うものであり、獲得個数示唆演出が実行された場合には、当該変動演出においてリーチ表示が行われた時点で、獲得個数示唆演出で表示された個数のボタン画像を獲得した旨の表示が行われ(
図39(d)参照)、その後、当該個数のボタン画像が表示部21aにおいて表示される(
図39(e)参照)。
これに対して、変動演出中に特定演出が実行されない場合においては、獲得個数示唆演出が実行されることはなく、ボタン画像の表示が行われることはない。
【0233】
なお、獲得個数示唆演出では、特定演出において表示されるボタン画像の個数の全部を表示してもよいし、全部を表示するのではなく一部を表示するようにしてもよい。そして、一部を表示した場合には、当該変動演出においてリーチ表示が行われた時点では、獲得個数示唆演出で表示された個数のボタン画像を表示し、リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、残りの個数のボタン画像を追加する表示を行うようにしてもよい(
図39(e)及び(f)参照)。また、ボタン画像を追加する表示を行う場合には、第1演出役物装置22aを作動させるようにしてもよい(
図39(f)参照)。
また、変動演出中に特定演出が実行される場合であっても、獲得個数示唆演出を実行せず、当該変動演出においてリーチ表示が行われた時点ではボタン画像の表示は行わないものの、リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、特定演出において表示されるボタン画像の個数の全部を表示するようにしてもよい(
図40参照)。
以上のように設定することで、特定演出におけるボタン画像の表示についてのバリエーションを増やすことができるため、演出効果が向上し、遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0234】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特殊発展パターンにおける確定パターンにより変動演出が行われる場合にはリーチ表示中演出が実行されないようになっているが、この確定パターンにより変動演出が行われる場合にも獲得個数示唆演出を実行し、当該変動演出においてリーチ表示が行われた時点で、ボタン画像を獲得した旨の表示、及び、ボタン画像の表示を行うことができるようになっている(
図46(a)及び(b)参照)。なお、この場合に表示されたボタン画像は、大当たりに当選している旨を報知する特殊画像の表示とともに消去され、リーチ表示中演出は行われることなく、当該変動演出が実行されることとなる(
図46(c)〜(e)参照)。
以上のように設定することで、獲得個数示唆演出の実行の有無によって、当該変動演出が確定パターン又は非確定パターンのいずれかにより行われるのかを判断困難にすることができ、演出効果を向上させることができるのである。
【0235】
そして、ここでは、上述したように、3つのリーチ表示中演出の実行が決定されているため、表示部21aにおいてボタン画像が3個表示されることとなる(
図39(e)参照)。その後、発展画像の表示が開始され(すなわち、リーチ発展演出が開始され)、保留変化演出の実行タイミングに至ると、上述したように、3つのボタン画像のうち最も下に表示されているボタン画像に対して、操作ボタン9bの押下操作を促す表示が行われる(
図41(a)参照)。そして、操作有効時間が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下されボタン画像が破壊される表示が行われると、このボタン画像から赤色の丸印が出現するとともに、第2演出役物装置22bが演出実行位置まで移動する(
図41(b)参照)。その後、この赤色の丸印が第2演出役物装置22bまで移動する表示が行われ、第2保留表示領域53内で行われている青保留による保留表示が赤保留による保留表示に切り替わる(
図41(b)及び(c)参照)。
【0236】
また、図柄変化演出の実行タイミングに至ると、上述同様のボタン画像に対する処理が行われ(
図42(a)参照)、操作ボタン9bが押下されるとボタン画像が破壊される表示が行われる(
図42(b)参照)。特に図示していないが、ボタン画像が破壊される表示が行われると、このボタン画像から変化後の演出図柄50(ここでは「7」)を示す画像が出現し、当該画像が表示部21aの略中央部に移動するとともに、表示部21aの右隅部で変動表示していた演出図柄50が表示部21aの略中央部に移動する(
図42(b)参照)。そして、この略中央部において変動表示していた演出図柄50が異なる演出図柄50に切り替わる(
図42(b)参照)。
【0237】
さらに、弱カットイン演出の実行タイミングに至ると、上述同様のボタン画像に対する処理が行われ(
図43(a)参照)、操作ボタン9bが押下されるとボタン画像が破壊される表示が行われる(
図43(b)参照)。ボタン画像が破壊される表示が行われると、このボタン画像から小さいカットイン画像が出現し、当該カットイン画像が表示部21aの中央やや上部付近まで移動する。そして、この表示部21aの中央やや上部付近において当該カットイン画像が所定時間表示される(
図43(b)参照)。
【0238】
なお、特定演出中に特殊映像演出が行われる場合にも、上述の弱カットイン演出の実行と同様の処理が行われる。具体的には、ボタン画像が破壊される表示が行われると、このボタン画像から特殊映像が出現し、当該特殊映像が表示部21aの略中央付近まで移動する。そして、この表示部21aの略中央付近において当該特殊映像が所定時間表示される(
図44(b)参照)。
【0239】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、2個以上のボタン画像が表示されている場合において、同じタイミングで、複数のボタン画像に対して操作ボタン9bの押下操作を促す表示が行われることがある(
図45(a)参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定演出が実行される場合には、同じタイミングで、複数のリーチ表示中演出が実行可能となる場合があるようになっている。
そして、同じタイミングで、複数のボタン画像に対して操作ボタン9bの押下操作を促す表示が行われた場合には、当該表示が行われた各ボタン画像に対応して操作ボタン9bがそれぞれ押下されることで、表示部21aにおいて複数のリーチ表示中演出が並行して実行されることとなる(
図45(a)〜(c)参照)。
このように設定することで、リーチ表示中演出の演出効果が向上することとなり、遊技者の興趣をより高めることができるのである。
【0240】
(特定演出の実行に関する各種決定の概要)
次に、特定演出の実行に関する各種決定について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特殊発展パターン(非確定パターン、確定パターン)により変動演出が行われる場合にまず、特定演出の実行の可否が決定される。また、特定演出を実行する旨が決定された場合に、表示するボタン画像の個数(すなわち、当該変動演出中において実行するリーチ表示中演出の回数)及び操作ボタン9bの押下操作を促す表示を行うタイミング(すなわち、当該変動演出中におけるリーチ表示中演出の実行タイミング)が決定されるとともに、ボタン画像ごとに実行されるリーチ表示中演出の種類が決定される。さらに、ボタン画像を表示する際の態様(すなわち、獲得個数示唆演出の実行の可否、獲得個数示唆演出により示唆するボタン画像の個数)が決定される。
【0241】
(特定演出の実行可否の決定の概要)
副制御基板300のサブROM302には、
図50に示すように、特定演出の実行の可否を決定するための特定演出実行決定テーブル124が記憶されている。
この特定演出実行決定テーブル124には、変動演出の開始時に決定された変動演出の種類(確定パターン、非確定パターン)、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される特定演出決定乱数ごとに対応付けられて、特定演出の実行の可否(すなわち、実行又は非実行)が定められている。そして、確定パターン又は非確定パターンのいずれかが決定されると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1の特定演出決定乱数を取得するとともに、取得した特定演出決定乱数及び特定演出実行決定テーブル124に基づいて、特定演出の実行の可否が決定される。
なお、
図50において変動パターン番号と特定演出の実行の可否とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0242】
(ボタン画像の表示個数、押下操作を促す表示のタイミングの決定の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、非確定パターンにより当該変動演出が実行され、上述の特定演出の実行可否の決定により特定演出を実行する旨が決定された場合には、ボタン画像の表示個数及び各ボタン画像において操作ボタン9bの押下操作を促す表示を行うタイミング、換言すれば、当該変動演出中において実行するリーチ表示中演出の回数及び当該変動演出中におけるリーチ表示中演出の実行タイミングが決定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の場合には、変動演出中において実行するリーチ表示中演出及び当該リーチ表示中演出の実行タイミングを全て決定してから、ボタン画像の表示個数を決定するのではなく、特定演出の実行が決定されたときに、まず、リーチ表示中演出の実行回数及び当該リーチ表示中演出の実行タイミングのみを決定する。そして、この決定内容に応じて、実行するリーチ表示中演出の種類を決定するようになっている。
【0243】
具体的には、副制御基板300のサブROM302は、特に図示していないが、非確定パターンにより当該変動演出が実行される場合の後半変動時間(本形態では、60秒又は90秒)ごとに、リーチ表示中演出の実行回数及び当該リーチ表示中演出の実行タイミングを定めた実行パターンが複数記憶された実行パターンテーブルを備えている。そして、この実行パターンテーブルに記憶された実行パターンの中からいずれかの実行パターンを決定することで、リーチ表示中演出の実行回数及び当該リーチ表示中演出の実行タイミングが決定される。
【0244】
図51に示すように、非確定パターンの後半変動時間が60秒の場合における実行パターンとしては、リーチ表示中演出の実行回数が2回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから45秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われるパターンA1、リーチ表示中演出の実行回数が2回であって、リーチ表示がなされてから30秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから45秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われるパターンA2、リーチ表示中演出の実行回数が3回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから30秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから45秒後に3回目のリーチ表示中演出が行われるパターンA3、リーチ表示中演出の実行回数が4回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから30秒後に2回目と3回目のリーチ表示中演出が同時に行われ、リーチ表示がなされてから45秒後に4回目のリーチ表示中演出が行われるパターンA4、リーチ表示中演出の実行回数が4回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから30秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから45秒後に3回目と4回目のリーチ表示中演出が同時に行われるパターンA5が設けられている。
【0245】
また、
図51に示すように、非確定パターンの後半変動時間が90秒の場合における実行パターンとしては、リーチ表示中演出の実行回数が2回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから70秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われるパターンB1、リーチ表示中演出の実行回数が2回であって、リーチ表示がなされてから30秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから70秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われるパターンB2、リーチ表示中演出の実行回数が3回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから30秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから70秒後に3回目のリーチ表示中演出が行われるパターンB3、リーチ表示中演出の実行回数が4回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから45秒後に2回目と3回目のリーチ表示中演出が同時に行われ、リーチ表示がなされてから70秒後に4回目のリーチ表示中演出が行われるパターンB4、リーチ表示中演出の実行回数が4回であって、リーチ表示がなされてから15秒後に1回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから45秒後に2回目のリーチ表示中演出が行われ、リーチ表示がなされてから70秒後に3回目と4回目のリーチ表示中演出が同時に行われるパターンB5が設けられている。
なお、実行パターンは、上述した内容に限定されるものではなく、リーチ表示中演出の実行タイミングや同時実行の態様等を種々設定することができる。
【0246】
ここで、上述したように、リーチ表示中演出のうち保留変化演出及び図柄変化演出については、保留記憶がなされた時点で、その実行の可否が決定される。そのため、リーチ表示中演出の実行回数及び当該リーチ表示中演出の実行タイミングを決定する時点においては、既に、当該変動演出中に保留変化演出及び図柄変化演出の実行の可否が決定されていることとなる。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチ表示中演出の実行回数及び当該リーチ表示中演出の実行タイミングを決定する場合には、保留変化演出及び図柄変化演出の実行の可否を考慮し、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数以上の実行パターンが決定されるようになっている。
【0247】
たとえば、非確定パターンの後半変動時間が60秒である場合において、1回の保留変化が行われる保留変化演出、及び、図柄変化演出の実行が決定されていたときには、既に2回のリーチ表示中演出の実行が決定されているため、リーチ表示中演出の実行回数が2回以上に定められた実行パターンを決定することができる。また、非確定パターンの後半変動時間が90秒である場合において、2回の保留変化が行われる保留変化演出、及び、図柄変化演出の実行が決定されていたときには、既に3回のリーチ表示中演出の実行が決定されているため、リーチ表示中演出の実行回数が3回以上に定められた実行パターンを決定することができる。
【0248】
そして、副制御基板300のサブROM302には、
図52に示すように、実行パターンを決定するための実行パターン決定テーブル125が記憶されている。この実行パターン決定テーブル125は、後半変動時間が60秒である場合(すなわち、当該変動演出の開始時に受信した変動パターン番号が「06H」又は「A6H」である場合)に実行パターンを決定するための第1実行パターン決定テーブル125a(
図52(a)参照)と、後半変動時間が90秒である場合(すなわち、当該変動演出の開始時に受信した変動パターン番号が「07H」又は「A7H」である場合)に実行パターンを決定するための第2実行パターン決定テーブル125b(
図52(b)参照)と、を備えている。
【0249】
第1実行パターン決定テーブル125a及び第2実行パターン決定テーブル125bには、当該時点で既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される実行パターン決定乱数ごとに対応付けられて、実行パターンが定められている。そして、実行パターンを決定する時点において、サブCPU301は、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数を確認し、所定の数値範囲(0〜249)から1の実行パターン決定乱数を取得するとともに、当該変動演出の開始時に受信した変動パターン番号に対応する実行パターン決定テーブル125を取得する。そして、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数、取得した実行パターン決定乱数及び実行パターン決定テーブル125に基づいて、実行パターンが決定される。
【0250】
具体的には、
図52(a)に示すように、第1実行パターン決定テーブル125aによれば、当該変動演出の開始時に受信した変動パターン番号が「06H」又は「A6H」であった場合において、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数が0回又は1回のときには、パターンA1又はパターンA2のいずれかの実行パターンが決定され、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数が2回のときには、パターンA1〜パターンA3のいずれかの実行パターンが決定され、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数が3回のときには、パターンA3〜パターンA5のいずれかの実行パターンが決定される。また、
図52(b)に示すように、第2実行パターン決定テーブル125bによれば、当該変動演出の開始時に受信した変動パターン番号が「07H」又は「A7H」であった場合において、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数が0回又は1回のときには、パターンB1又はパターンB2のいずれかの実行パターンが決定され、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数が2回のときには、パターンB1〜パターンB3のいずれかの実行パターンが決定され、既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数が3回のときには、パターンB3〜パターンB5のいずれかの実行パターンが決定される。
なお、
図52(a)及び(b)において既に実行が決定されているリーチ表示中演出の回数と実行パターンとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0251】
(リーチ表示中演出の種類の決定の概要)
上述の如く、実行パターンが決定されることにより、リーチ表示中演出の実行回数(表示されるボタン画像の個数)、及び、当該リーチ表示中演出の実行タイミング(操作ボタン9bの押下操作を促す表示を行うタイミング)が決定される。そして、決定された各実行タイミングにおいて実行するリーチ表示中演出の種類を決定する。
【0252】
具体的には、保留変化演出の実行及び図柄変化演出の実行が決定されていた場合には、まず、保留変化演出の実行タイミングを決定する。そして、図柄変化演出の実行タイミングを決定した上で、リーチ表示中演出の種類が決定されていない実行タイミングが残っている場合には、当該実行タイミングにおいて実行するリーチ表示中演出の種類(弱カットイン演出、強カットイン演出、特殊映像演出)を決定する。
また、保留変化演出の実行のみ決定されていた場合には、保留変化演出の実行タイミングを決定した上で、リーチ表示中演出の種類が決定されていない実行タイミングが残っている場合には、当該実行タイミングにおいて実行するリーチ表示中演出の種類を決定する。
また、図柄変化演出の実行のみ決定されていた場合には、図柄変化演出の実行タイミングを決定した上で、リーチ表示中演出の種類が決定されていない実行タイミングが残っている場合には、当該実行タイミングにおいて実行するリーチ表示中演出の種類を決定する。
【0253】
ところで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、パターンA4又はパターンB4の実行パターンが決定された場合には、4回実行されるリーチ表示中演出のうち、2回目と3回目のリーチ表示中演出が同時に実行され、また、パターンA5又はパターンB5の実行パターンが決定された場合には、4回実行されるリーチ表示中演出のうち、3回目と4回目のリーチ表示中演出が同時に実行されるようになっている(
図51参照)。
ここで、たとえば、上述の実行パターンが決定され、かつ2回の保留変化が行われる保留変化演出の実行が決定されていた場合に、上述のタイミングで2回の保留変化が同時に実行されるとすると、第2演出役物装置22bの作動や保留変化の表示が適切に行われず、2回の保留変化の内容を的確に把握することができないおそれがある。また、同様に、上述の実行パターンが決定されていた場合に、上述のタイミングで弱カットイン演出と強カットイン演出とが同時に実行されるとすると、小さいカットイン画像及び大きいカットイン画像が表示される領域は重なっているため両カットイン画像が重複して表示されてしまい、それぞれの画像を的確に把握することができないおそれがある。これは、図柄変化演出と強カットイン演出とが同時に実行される場合、特殊映像演出と強カットイン演出とが同時に実行される場合、図柄変化演出と特殊映像演出とが同時に実行される場合も同様である。
【0254】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の実行パターンが決定され、かつ2回の保留変化が行われる保留変化演出の実行が決定されていた場合には、2回の保留変化が同時に実行されることのないように、各保留変化の実行タイミングが決定されるようになっている。また、上述の実行パターンが決定された場合には、上述のタイミングにおいては、互いに重複した表示がなされる演出(弱カットイン演出と強カットイン演出、図柄変化演出と強カットイン演出、特殊映像演出と強カットイン演出、図柄変化演出と特殊映像演出)が実行されることのないように、実行するリーチ表示中演出の種類が決定されるようになっている。
このように設定することで、変動演出中に実行される複数のリーチ表示中演出全ての内容を確実に把握させることができ、演出効果を向上させることができるのである。
【0255】
そして、副制御基板300におけるサブROM302には、
図53に示すように、保留変化演出の実行が決定されていた場合に、保留変化演出の実行タイミングを決定するための保留変化演出実行タイミング決定テーブル126が記憶されている。この保留変化演出実行タイミング決定テーブル126は、1回の保留変化が行われる場合における実行タイミングを決定するための第1実行タイミング決定テーブル126a(
図53(a)参照)と、2回の保留変化が行われる場合における実行タイミングを決定するための第2実行タイミング決定テーブル126b(
図53(b)参照)と、を備えている。
【0256】
第1実行タイミング決定テーブル126a及び第2実行タイミング決定テーブル126bには、決定された実行パターン、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される保留変化タイミング決定乱数ごとに対応付けられて、実行タイミングが定められている。そして、実行タイミングを決定する時点において、サブCPU301は、決定された実行パターンを確認し、所定の数値範囲(0〜249)から1の保留変化タイミング決定乱数を取得するとともに、保留変化演出の実行回数に対応する保留変化演出実行タイミング決定テーブル126を取得する。そして、上述の実行パターン、取得した保留変化タイミング決定乱数及び保留変化演出実行タイミング決定テーブル126に基づいて、実行タイミングが決定される。
【0257】
具体的には、
図53(a)に示すように、第1実行タイミング決定テーブル126aによれば、決定された実行パターンがパターンA1又はパターンB1であった場合には、1回目又は2回目のいずれかの実行タイミングが決定され、決定された実行パターンがパターンA2又はパターンB2であった場合には、1回目又は2回目のいずれかの実行タイミングが決定され、決定された実行パターンがパターンA3又はパターンB3であった場合には、1回目、2回目又は3回目のいずれかの実行タイミングが決定される。
【0258】
また、
図53(b)に示すように、第2実行タイミング決定テーブル126bによれば、決定された実行パターンがパターンA1又はパターンB1であった場合には、1回目→2回目の順に保留変化が行われる実行タイミングが決定され、決定された実行パターンがパターンA2又はパターンB2であった場合には、1回目→2回目の順に保留変化が行われる実行タイミングが決定され、決定された実行パターンがパターンA3又はパターンB3であった場合には、1回目→2回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、又は、1回目→3回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、2回目→3回目の順に保留変化が行われる実行タイミングのいずれかが決定され、決定された実行パターンがパターンA4又はパターンB4であった場合には、1回目→2回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、1回目→3回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、1回目→4回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、2回目→4回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、又は、3回目→4回目の順に保留変化が行われる実行タイミングのいずれかが決定され、決定された実行パターンがパターンA5又はパターンB5であった場合には、1回目→2回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、1回目→3回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、1回目→4回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、2回目→3回目の順に保留変化が行われる実行タイミング、又は、2回目→4回目の順に保留変化が行われる実行タイミングのいずれかが決定される。
【0259】
なお、
図53(a)及び(b)において実行パターンと実行タイミングとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0260】
また、副制御基板300におけるサブROM302には、
図54に示すように、図柄変化演出の実行が決定されていた場合に、図柄変化演出の実行タイミングを決定するための図柄変化演出実行タイミング決定テーブル127が記憶されている。この図柄変化演出実行タイミング決定テーブル127は、保留変化演出は行われず、図柄変化演出のみが行われる場合における図柄変化演出の実行タイミングを決定するための第1実行タイミング決定テーブル127a(
図54(a)参照)と、1回の保留変化がなされる保留変化演出が行われ、かつ図柄変化演出が行われる場合における図柄変化演出の実行タイミングを決定するための第2実行タイミング決定テーブル127b(
図54(b)参照)と、2回の保留変化がなされる保留変化演出が行われ、かつ図柄変化演出が行われる場合における図柄変化演出の実行タイミングを決定するための第3実行タイミング決定テーブル127c(
図54(c)参照)と、を備えている。
【0261】
第1実行タイミング決定テーブル127aには、決定された実行パターン、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される図柄変化タイミング決定乱数ごとに対応付けられて、実行タイミングが定められている。そして、実行タイミングを決定する時点において、サブCPU301は、決定された実行パターンを確認し、所定の数値範囲(0〜249)から1の図柄変化タイミング決定乱数を取得する。そして、上述の実行パターン、取得した図柄変化タイミング決定乱数及び第1実行タイミング決定テーブル127に基づいて、図柄変化演出の実行タイミングが決定される。
また、第2実行タイミング決定テーブル126b及び第3実行タイミング決定テーブル126cには、決定された実行パターン、決定された保留変化演出の実行タイミング、及び、上述の図柄変化タイミング決定乱数ごとに対応付けられて、実行タイミングが定められている。そして、実行タイミングを決定する時点において、サブCPU301は、決定された実行パターン及び保留変化演出の実行タイミングを確認し、所定の数値範囲(0〜249)から1の図柄変化タイミング決定乱数を取得するとともに、決定されているリーチ表示中演出の内容に対応する図柄変化演出実行タイミング決定テーブル127を取得する。そして、上述の実行パターン及び保留変化演出の実行タイミング、並びに、取得した図柄変化タイミング決定乱数及び図柄変化演出実行タイミング決定テーブル127に基づいて、図柄変化演出の実行タイミングが決定される。
【0262】
具体的には、
図54(a)に示すように、第1実行タイミング決定テーブル127aによれば、決定された実行パターンがパターンA1又はパターンB1であった場合には、1回目又は2回目のいずれかの実行タイミングが決定される。
【0263】
また、
図54(b)に示すように、第2実行タイミング決定テーブル127bによれば、決定された実行パターンがパターンA1、パターンA2、パターンB1又はパターンB2の場合において、決定された保留変化演出の実行タイミングが1回目であったときには、2回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが2回目であったときには、1回目の実行タイミングが決定される。
また、決定された実行パターンがパターンA3又はパターンB3の場合において、決定された保留変化演出の実行タイミングが1回目であったときには、2回目又は3回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが2回目であったときには、1回目又は3回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが3回目であったときには、1回目又は2回目の実行タイミングが決定される。
【0264】
また、
図54(c)に示すように、第3実行タイミング決定テーブル127cによれば、決定された実行パターンがパターンA3又はパターンB3の場合において、決定された保留変化演出の実行タイミングが1回目→2回目であったときには、3回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが1回目→3回目であったときには、2回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが2回目→3回目であったときには、1回目の実行タイミングが決定される。
また、決定された実行パターンがパターンA4、パターンA5、パターンB4又はパターンB5の場合において、決定された保留変化演出の実行タイミングが1回目→2回目であったときには、3回目又は4回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが1回目→3回目であったときには、2回目又は4回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが1回目→4回目であったときには、2回目又は3回目の実行タイミングが決定され、決定された保留変化演出の実行タイミングが2回目→3回目であったときには、1回目又は4回目の実行タイミングが決定される。
【0265】
なお、
図54(a)において実行パターンと実行タイミングとが対応付けられた各選択領域に記された数字、並びに、
図54(b)及び(c)において実行パターン、保留変化演出の実行タイミングと実行タイミングとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0266】
さらに、副制御基板300におけるサブROM302には、
図55に示すように、リーチ表示中演出の種類が決定されていない実行タイミングが残っている場合に、当該実行タイミングにおいて実行するリーチ表示中演出の種類(弱カットイン演出、強カットイン演出、特殊映像演出)を決定するためのリーチ表示中演出決定テーブル128が記憶されている。
【0267】
リーチ表示中演出決定テーブル128には、変動演出の開始時に取得された変動パターン番号、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得されるリーチ表示中演出決定乱数ごとに対応付けられて、リーチ表示中演出の種類が定められている。そして、リーチ表示中演出の種類を決定する時点において、サブCPU301は、取得された変動パターン番号を確認し、所定の数値範囲(0〜249)から1のリーチ表示中演出決定乱数を取得する。そして、上述の変動パターン番号、取得したリーチ表示中演出決定乱数及びリーチ表示中演出決定テーブル128に基づいて、実行するリーチ表示中演出の種類が決定される。
【0268】
具体的には、
図55に示すように、リーチ表示中演出決定テーブル128によれば、変動パターン番号が「06H」、「07H」、「A6H」及び「A7H」のいずれであっても、弱カットイン演出、強カットイン演出又は特殊映像演出のいずれかが決定される。
なお、
図55において変動パターン番号とリーチ表示中演出の種類とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0269】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、未だ実行するリーチ表示中演出の種類が決定されていない実行タイミングのうち、最も早い実行タイミングから順に、リーチ表示中演出の種類を決定する。
ここで、パターンA4又はパターンB4の実行パターンが決定されていた場合において、上述のリーチ表示中演出の種類の決定により、同時にリーチ表示中演出が実行されるタイミングで、互いに重複した表示がなされる演出(弱カットイン演出と強カットイン演出、図柄変化演出と強カットイン演出、特殊映像演出と強カットイン演出、図柄変化演出と特殊映像演出)の実行が決定されてしまったときには、当該決定の結果を破棄し、互いに重複した表示がなされることのない演出が決定されるまで、リーチ表示中演出の種類の決定を行うようになっている。
なお、互いに重複した表示がなされる演出の実行が決定されてしまったときの処理としては、上述の内容に限定されるものではなく、強制的に任意のリーチ表示中演出を決定するようにしてもよいし、互いに重複した表示がなされることの無いように、他の実行タイミングで実行されるリーチ表示中演出と入れ替えるようにしてもよい。
【0270】
(ボタン画像の表示態様の決定の概要)
実行パターンが決定されることにより、リーチ表示中演出の実行回数(表示されるボタン画像の個数)、及び、当該リーチ表示中演出の実行タイミング(操作ボタン9bの押下操作を促す表示を行うタイミング)が決定されると、ボタン画像を表示する態様(獲得個数示唆演出の実行可否、獲得個数示唆演出において表示するボタン個数等)を決定する。
具体的には、副制御基板300のサブCPU301は、ボタン画像の表示態様を決定するためのボタン画像表示態様決定テーブル128が記憶されている。このボタン画像表示態様決定テーブル128は、非確定パターンにより変動演出が実行される場合におけるボタン画像の表示態様を決定するための第1態様決定テーブル128a(
図56(a)参照)と、確定パターンにより変動演出が実行される場合におけるボタン画像の表示態様を決定するための第2態様決定テーブル128b(
図56(b)参照)と、を備えている。
【0271】
第1態様決定テーブル128aには、決定されたリーチ表示中演出の実行回数、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得されるボタン表示態様決定乱数ごとに対応付けられて、ボタン画像の表示態様が定められている。そして、当該表示態様を決定する時点において、サブCPU301は、決定されたリーチ表示中演出の実行回数を確認し、所定の数値範囲(0〜249)から1のボタン表示態様決定乱数を取得する。そして、上述の実行回数、取得したボタン表示態様決定乱数及び第1態様決定テーブル128aに基づいて、ボタン画像の表示態様が決定される。
また、第2態様決定テーブル128bには、決定された実行パターン、上述のボタン表示態様決定乱数に対応付けられて、ボタン画像の表示態様が定められている。そして、当該表示態様を決定する時点において、サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1のボタン表示態様決定乱数を取得する。そして、取得したボタン表示態様決定乱数及び第2態様決定テーブル128bに基づいて、ボタン画像の表示態様が決定される。
【0272】
具体的には、
図56(a)に示すように、第1態様決定テーブル128aによれば、リーチ表示中演出の実行回数が1回であった場合には、獲得個数示唆演出を実行しない態様(リーチ表示時にはボタン画像が表示されず、リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、表示されるボタン画像の個数の全部を表示する態様)、又は、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を1個表示する態様(リーチ表示時にボタン画像を全て表示する態様)のいずれかが決定される。
また、リーチ表示中演出の実行回数が2回であった場合には、獲得個数示唆演出を実行しない態様、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を1個表示する態様(リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、ボタン画像を1個追加表示する態様)、又は、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を2個表示する態様(リーチ表示時にボタン画像を全て表示する態様)のいずれかが決定される。
また、リーチ表示中演出の実行回数が3回であった場合には、獲得個数示唆演出を実行しない態様、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を1個表示する態様(リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、ボタン画像を2個追加表示する態様)、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を2個表示する態様(リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、ボタン画像を1個追加表示する態様)、又は、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を3個表示する態様(リーチ表示時にボタン画像を全て表示する態様)のいずれかが決定される。
また、リーチ表示中演出の実行回数が4回であった場合には、獲得個数示唆演出を実行しない態様、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を1個表示する態様(リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、ボタン画像を3個追加表示する態様)、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を2個表示する態様(リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、ボタン画像を2個追加表示する態様)、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を3個表示する態様(リーチ表示が行われてから最初のリーチ表示中演出が実行されるまでのいずれかの時点で、ボタン画像を1個追加表示する態様)、又は、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を4個表示する態様(リーチ表示時にボタン画像を全て表示する態様)のいずれかが決定される。
【0273】
また、
図56(b)に示すように、第2態様決定テーブル128bによれば、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を1個表示する態様、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を2個表示する態様、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を3個表示する態様、又は、獲得個数示唆演出を実行しリーチ表示時にボタン画像を4個表示する態様のいずれかが決定される。
なお、
図56(a)においてリーチ表示中演出の実行回数とボタン画像の表示態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字、及び、
図56(b)においてボタン画像の表示態様に対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0274】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図57に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数、図柄変化決定乱数、保留態様決定乱数、特定演出決定乱数、実行パターン決定乱数、保留変化タイミング決定乱数、図柄変化タイミング決定乱数、リーチ表示中演出決定乱数、ボタン表示態様決定乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0275】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図58に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図58に示すタイマ割込処理を開始する。
【0276】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0277】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)、作動制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
【0278】
ステップ2103において、サブCPU301は、リーチ表示時における保留表示に関する制御を行うリーチ表示時制御処理を実行する。そして、次のステップ2104に進む。
ステップ2104において、サブCPU301は、ボタン画像に対して操作ボタン9bの押下操作を促す表示を行う押下操作表示制御処理を実行する。そして、次のステップ2105に進む。
【0279】
ステップ2105において、サブCPU301は、リーチ表示中演出の実行を制御するリーチ表示中演出制御処理を実行する。そして、次のステップ2106に進む。
ステップ2106において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板、作動制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0280】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、
図59のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ662で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0281】
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに基づき、当該事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報を、サブRAM303の第2保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに含まれる変動パターン番号が「06H」、「07H」、「A6H」又は「A7H」であるか否かを判定する。そして、「06H」、「07H」、「A6H」及び「A7H」のいずれでもないと判定した場合、事前判定コマンド受信処理を終了する。一方、「06H」、「07H」、「A6H」又は「A7H」であると判定した場合、次のステップ2202に進む。
【0282】
ステップ2202において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された保留態様決定乱数を取得する。そして、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、サブCPU301は、上述のステップ2202で取得した保留態様決定乱数、保留態様決定テーブル122及び事前判定情報に含まれる変動パターン番号に基づいて、初期保留表示態様、保留変化演出の実行の可否、及び、保留変化演出を実行する場合における保留表示の切り替えの態様を決定する。ここで、決定された保留表示に関する情報(初期保留表示態様、保留変化演出の実行の可否、保留変化の回数等)は、サブRAM303の第2保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶される。そして、次のステップ2204に進む。
【0283】
ステップ2204において、サブCPU301は、上述のステップ2203で決定された初期保留表示態様により、第1保留表示領域52において保留表示を行うための初期保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた初期保留表示コマンドは、上述のステップ2106において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に初期保留表示態様により保留表示を行うための処理が実行されることとなる。そして、次のステップ2205に進む。
ステップ2205において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された図柄変化決定乱数を取得する。そして、次のステップ2206に進む。
【0284】
ステップ2206において、サブCPU301は、上述のステップ2205で取得した図柄変化決定乱数、図柄変化演出実行決定テーブル123及び事前判定情報に含まれる変動パターン番号に基づいて、図柄変化演出の実行の可否を決定する。ここで、決定された図柄変化演出の実行の可否の情報は、サブRAM303の第2保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶される。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
【0285】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンドを受信した場合に実行される変動モードコマンド受信処理について、
図60のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、第2保留記憶領域に記憶された保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部の表示をシフトする保留シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動モードコマンドを受信すると、第2保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている情報(事前判定情報、保留表示に関する情報(初期保留表示態様、保留変化演出の実行の可否、保留変化の回数等)、図柄変化演出の実行の可否の情報)をサブRAM303に設けられた所定の処理記憶部にシフトするとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。併せて、保留表示もシフトする。そして、次のステップ2301に進む。
【0286】
ステップ2301において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された前半変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2302に進む。
ステップ2302において、サブCPU301は、上述のステップ2301で取得した前半変動演出乱数、変動演出の態様を決定するための変動演出決定テーブル121及び受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号に基づいて、変動演出の前半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2303に進む。
【0287】
ステップ2303において、サブCPU301は、変動演出の前半部分の態様を定めた前半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた前半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2106において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した前半変動演出実行コマンドに基づいて変動演出の前半部分を実行する制御が行われることとなる。そして、変動モードコマンド受信処理を終了する。
【0288】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、
図61のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0289】
ステップ2400において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された後半変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2400で取得した後半変動演出乱数、変動演出決定テーブル121及び受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の後半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2402に進む。
【0290】
ステップ2402において、サブCPU301は、上述のステップ2401で決定した変動演出の後半部分の態様に対応する後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた後半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2106において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した後半変動演出実行コマンドに基づいて変動演出の後半部分を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様がリーチ変動パターンであるか否かを判定する。そして、リーチ変動パターンでないと判定した場合、ステップ2405に進む。一方、リーチ変動パターンであると判定した場合、次のステップ2404に進む。
【0291】
ステップ2404において、サブCPU301は、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号に対して定められた前半変動時間(すなわち、変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの時間)を前半変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ2405に進む。
ステップ2405において、サブCPU301は、特定演出に関する制御を行う特定演出制御処理を実行する。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0292】
次に、上述のステップ2405の特定演出制御処理について、
図62のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2500において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様が特殊発展パターン(確定パターン、非確定パターン)であるか否かを判定する。そして、特殊発展パターンでないと判定した場合、特定演出制御処理を終了する。一方、特殊発展パターンであると判定した場合、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特定演出乱数を取得する。そして、次のステップ2502に進む。
【0293】
ステップ2502において、サブCPU301は、上述のステップ2501で取得した特定演出乱数、特定演出実行決定テーブル124及び決定された変動演出の態様(確定パターン又は非確定パターン)に基づいて、特定演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、上述のステップ2502で特定演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特定演出の実行が決定されていない(すなわち、特定演出の非実行が決定された)と判定した場合、特定演出制御処理を終了する。一方、特定演出の実行が決定されと判定した場合、次のステップ2504に進む。
【0294】
ステップ2504において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様が非確定パターンであるか否かを判定する。そして、非確定パターンでない(すなわち、確定パターンである)と判定した場合、ステップ2506に進む。一方、非確定パターンであると判定した場合、次のステップ2505に進む。
ステップ2505において、サブCPU301は、特定演出の実行に関する設定を行う特定演出実行設定処理を実行する。そして、次のステップ2506に進む。
【0295】
ステップ2506において、サブCPU301は、ボタン画像の表示に関する設定を行うボタン画像表示設定処理を実行する。そして、特定演出制御処理を終了する。
【0296】
次に、上述のステップ2505の特定演出実行設定処理について、
図63のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2600において、サブCPU301は、決定されているリーチ表示中演出(保留変化演出、図柄変化演出)の実行回数を取得する。そして、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された実行パターン決定乱数を取得する。そして、次のステップ2602に進む。
【0297】
ステップ2602において、サブCPU301は、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に応じた実行パターン決定テーブル125を取得する。具体的には、変動パターン番号が「06H」又は「A6H」であれば、第1実行パターン決定テーブル125aを取得し、変動パターン番号が「07H」又は「A7H」であれば、第2実行パターン決定テーブル125bを取得する。そして、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、上述のステップ2601で取得した実行パターン決定乱数、上述のステップ2602で取得した実行パターン決定テーブル125及び決定されているリーチ表示中演出の実行回数に基づいて、実行パターンを決定する。これにより、特定演出において表示部21aに表示されるボタン画像の個数(リーチ表示中演出の実行回数)、及び、ボタン画像において操作ボタン9bの押下操作を促す表示が行われるタイミング(リーチ表示中演出の実行タイミング)が決定されることとなる。そして、次のステップ2604に進む。
【0298】
ステップ2604において、サブCPU301は、保留変化演出の実行タイミングを決定する保留変化タイミング決定処理を実行する。そして、次のステップ2605に進む。
ステップ2605において、サブCPU301は、図柄変化演出の実行タイミングを決定する図柄変化タイミング決定処理を実行する。そして、次のステップ2606に進む。
ステップ2606において、サブCPU301は、実行するリーチ表示中演出の種類を決定するリーチ表示中演出決定処理を実行する。そして、特定演出実行設定処理を終了する。
【0299】
次に、上述のステップ2604の保留変化タイミング決定処理について、
図64のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2700において、サブCPU301は、保留変化演出の実行が決定されているか否かを判定する。そして、保留変化演出の実行が決定されていないと判定した場合、保留変化タイミング決定処理を終了する。一方、保留変化演出の実行が決定されていると判定した場合、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、実行が決定された保留変化演出における保留変化の回数に応じた保留変化演出実行タイミング決定テーブル126を取得する。具体的には、保留変化の回数が1回であれば、第1実行タイミング決定テーブル126aを取得し、保留変化の回数が2回であれば、第2実行タイミング決定テーブル126bを取得する。そして、次のステップ2702に進む。
【0300】
ステップ2702において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された保留変化タイミング決定乱数を取得する。そして、次のステップ2703に進む。
ステップ2703において、サブCPU301は、上述のステップ2702で取得した保留変化タイミング決定乱数、上述のステップ2701で取得した保留変化演出実行タイミング決定テーブル126、及び、上述のステップ2603で決定された実行パターンに基づいて、保留変化演出の実行タイミングを決定する。そして、保留変化タイミング決定処理を終了する。
【0301】
次に、上述のステップ2605の図柄変化タイミング決定処理について、
図65のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2800において、サブCPU301は、図柄変化演出の実行が決定されているか否かを判定する。そして、図柄変化演出の実行が決定されていないと判定した場合、図柄変化タイミング決定処理を終了する。一方、図柄変化演出の実行が決定されていると判定した場合、次のステップ2801に進む。
ステップ2801において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された図柄変化タイミング決定乱数を取得する。そして、次のステップ2802に進む。
【0302】
ステップ2802において、サブCPU301は、保留変化演出の実行が決定されているか否かを判定する。そして、保留変化演出の実行が決定されていないと判定した場合、ステップ2805に進む。一方、保留変化演出の実行が決定されていると判定した場合、次のステップ2803に進む。
ステップ2803において、サブCPU301は、実行が決定された保留変化演出における保留変化の回数に応じた図柄変化演出実行タイミング決定テーブル127を取得する。具体的には、保留変化の回数が1回であれば、第2実行タイミング決定テーブル127bを取得し、保留変化の回数が2回であれば、第3実行タイミング決定テーブル127cを取得する。そして、次のステップ2804に進む。
【0303】
ステップ2804において、サブCPU301は、上述のステップ2703で決定された保留変化演出の実行タイミングを取得する。そして、ステップ2806に進む。
また、上述のステップ2802で保留変化演出の実行が決定されていないと判定した場合に進むステップ2805において、サブCPU301は、第1実行タイミング決定テーブル127aを取得する。そして、次のステップ2806に進む。
【0304】
ステップ2806において、サブCPU301は、上述のステップ2803又はステップ2805で取得した図柄変化演出実行タイミング決定テーブル127、上述のステップ2801で取得した図柄変化タイミング決定乱数、実行パターン、保留変化演出の実行タイミング等に基づいて、図柄変化演出の実行タイミングを決定する。そして、図柄変化タイミング決定処理を終了する。
【0305】
次に、上述のステップ2606のリーチ表示中演出決定処理について、
図66のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2900において、サブCPU301は、上述のステップ2603で決定された実行パターンに基づき、リーチ表示中演出の実行が決定されていない実行タイミングがあるか否かを判定する。そして、リーチ表示中演出の実行が決定されていない実行タイミングはない(すなわち、全ての実行タイミングにおいてリーチ表示中演出の実行が決定されている)と判定した場合、ステップ2907に進む。一方、リーチ表示中演出の実行が決定されていない実行タイミングがあると判定した場合、次のステップ2901に進む。
ステップ2901において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新されたリーチ表示中演出決定乱数を取得する。そして、次のステップ2902に進む。
【0306】
ステップ2902において、サブCPU301は、上述のステップ2901で取得したリーチ表示中演出決定乱数、及び、リーチ表示中演出決定テーブル128に基づいて、リーチ表示中演出の実行が決定されていない実行タイミングのうち最も早い実行タイミングで実行するリーチ表示中演出を決定する。そして、次のステップ2903に進む。
ステップ2903において、サブCPU301は、上述のステップ2902でリーチ表示中演出が決定された実行タイミングで、同時に実行されるリーチ表示中演出があるか否かを判定する。そして、同時に実行されるリーチ表示中演出がないと判定した場合、ステップ2906に進む。一方、同時に実行されるリーチ表示中演出があると判定した場合、次のステップ2904に進む。
【0307】
ステップ2904において、サブCPU301は、上述のステップ2903で同時に実行されると判定されたリーチ表示中演出は、上述のステップ2902で決定されたリーチ表示中演出と同時に実行可能な演出であるか否かを判定する。そして、同時に実行可能な演出であると判定した場合、ステップ2906に進む。一方、同時に実行可能な演出でないと判定した場合、次のステップ2905に進む。
ステップ2905において、サブCPU301は、上述のステップ2902で決定されたリーチ表示中演出をクリア(放棄)する。そして、ステップ2901に戻る。これにより、再度、リーチ表示中演出の決定処理が行われることとなる。
【0308】
また、上述のステップ2903で同時に実行されるリーチ表示中演出がないと判定した場合、及び、上述のステップ2904で同時に実行可能な演出であると判定した場合に進むステップ2906において、サブCPU301は、リーチ表示中演出の実行が決定されていない実行タイミングがあるか否かを判定する。そして、リーチ表示中演出の実行が決定されていない実行タイミングがあると判定した場合、ステップ2901に戻る。一方、リーチ表示中演出の実行が決定されていない実行タイミングはないと判定した場合、次のステップ2907に進む。
ステップ2907において、サブCPU301は、実行が決定された全てのリーチ表示中演出について、各リーチ表示中演出の実行タイミングまでの時間であるリーチ表示中演出開始時間を、それぞれ別個の演出開始時間タイマカウンタにセットする。これにより、全てのリーチ表示中演出が実行されるまでの時間がそれぞれ別個に計時されることとなる。そして、リーチ表示中演出決定処理を終了する。
【0309】
次に、上述のステップ2506のボタン画像表示設定処理について、
図67のフローチャートを参照して説明する。
ステップ3000において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新されたボタン表示態様決定乱数を取得する。そして、次のステップ3001に進む。
ステップ3001において、サブCPU301は、決定されている変動演出の態様が非確定パターンであるか否かを判定する。そして、非確定パターンでない(すなわち、確定パターンである)と判定した場合、ステップ3004に進む。一方、非確定パターンであると判定した場合、次のステップ3002に進む。
【0310】
ステップ3002において、サブCPU301は、特定演出において実行されるリーチ表示中演出の実行回数を取得する。そして、次のステップ3003に進む。
ステップ3003において、サブCPU301は、第1態様決定テーブル128aを取得する。そして、ステップ3005に進む。
【0311】
また、上述のステップ3001で非確定パターンでないと判定した場合に進むステップ3004において、サブCPU301は、第2態様決定テーブル128bを取得する。
そして、次のステップ3005に進む。
ステップ3005において、サブCPU301は、上述のステップ3003又はステップ3004で取得したボタン画像表示態様決定テーブル128、上述のステップ3000で取得したボタン表示態様決定乱数、上述のステップ3002で取得したリーチ表示中演出の実行回数に基づいて、ボタン画像の表示態様(獲得個数示唆演出の実行の有無、獲得個数示唆演出において表示するボタン画像の個数等)を決定する。そして、次のステップ3006に進む。
【0312】
ステップ3006において、サブCPU301は、上述のステップ3005で決定したボタン画像の表示態様に対応するボタン表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたボタン表示コマンドは、上述のステップ2106において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したボタン表示コマンドに対応する各種制御が行われることとなる。そして、ボタン画像表示設定処理を終了する。
【0313】
次に、上述のステップ2103のリーチ表示時制御処理について、
図68のフローチャートを参照して説明する。
ステップ3100において、サブCPU301は、上述のステップ2404で前半変動時間タイマカウンタにセットされた前半変動時間が経過したか否かを判定する。そして、前半変動時間が経過していないと判定した場合、リーチ表示時制御処理が終了する。一方、前半変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ3101に進む。
ステップ3101において、サブCPU301は、リーチ表示が行われた場合における保留表示を行うためのリーチ中保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたリーチ中保留表示コマンドは、上述のステップ2106において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したリーチ中保留表示コマンドに対応する各種制御が行われることとなる。そして、リーチ表示時制御処理を終了する。
【0314】
次に、上述のステップ2104の押下操作表示制御処理について、
図69のフローチャートを参照して説明する。
ステップ3200において、サブCPU301は、上述のステップ2907でいずれかの演出開始時間タイマカウンタにセットされたリーチ表示中演出開始時間が経過したか否かを判定する。そして、いずれの演出開始時間タイマカウンタにおいてもリーチ表示中演出開始時間が経過していないと判定した場合、押下操作表示制御処理を終了する。一方、いずれかの演出開始時間タイマカウンタにおいてリーチ表示中演出開始時間が経過したと判定した場合、次のステップ3201に進む。
ステップ3201において、サブCPU301は、対応するボタン画像に対して操作ボタン9bの押下操作を示唆する表示を行う押下操作示唆コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた押下操作示唆コマンドは、上述のステップ2106において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した押下操作示唆コマンドに対応する各種制御が行われることとなる。そして、次のステップ3202に進む。
【0315】
ステップ3202において、サブCPU301は、操作ボタン9bの押下操作が可能な時間である操作有効時間(本形態では2秒)を操作有効時間タイマカウンタにセットする。そして、押下操作表示制御処理を終了する。
【0316】
次に、上述のステップ2105のリーチ表示中演出制御処理について、
図70のフローチャートを参照して説明する。
ステップ3300において、サブCPU301は、上述のステップ3202で操作有効時間タイマカウンタにセットされた操作有効時間が経過したか否かを判定する。そして、操作有効時間が経過したと判定した場合、ステップ3302に進む。一方、操作有効時間が経過していないと判定した場合、次のステップ3301に進む。
ステップ3301において、サブCPU301は、操作ボタン9bの押下操作が行われたか否かを判定する。そして、押下操作が行われていないと判定した場合、リーチ表示中演出制御処理を終了する。一方、押下操作が行われたと判定した場合、次のステップ3302に進む。
ステップ3302において、サブCPU301は、対応するリーチ表示中演出を実行するためのリーチ表示中演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたリーチ表示中演出実行コマンドは、上述のステップ2106において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したリーチ表示中演出実行コマンドに対応する各種制御が行われることとなる。
【0317】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態における保留表示の態様や保留変化演出の態様は、時短遊技状態における第2特図乱数の保留記憶を対象として実行されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、時短遊技状態における第1特図乱数、非時短遊技状態(通常遊技状態)における第1特図乱数や第2特図乱数の保留記憶に対して採用してもよい。
【0318】
また、上述の実施の形態では、操作ボタン9bの押下操作を示唆する表示が行われた場合に、操作有効時間中に操作ボタン9bの押下操作が行われたとき及び押下操作が行われなかったときのいずれであっても、対応付けられているリーチ表示中演出が実行されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、リーチ表示中演出の種類によっては、操作ボタン9bの押下操作が行われたときにのみリーチ表示中演出を実行し、操作ボタン9bの押下操作が行われなかったときにはリーチ表示中演出を実行しないようにしてもよい。
このように設定することにより、操作ボタン9bを押下操作することに対する遊技者のモチベーションを向上させることができる。
【0319】
また、上述の実施の形態では、複数のリーチ表示中演出が同時に実行される場合に、これらの演出が、同種類の演出(たとえば、保留変化が2回行われる場合における1回目の保留変化と2回目の保留変化、弱カットイン演出と強カットイン演出等)、又は、表示部21aにおいて表示範囲が互いに重なる演出(たとえば、保留変化演出と強カットイン演出、弱カットイン演出と強カットイン演出、図柄変化演出と強カットイン演出、特殊映像演出と強カットイン演出等)であるときには、同時に実行されることのないよう、演出の実行順番を調整したり、異なる演出に変更したりするように設定されていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、表示部21aが複数の表示階層(レイヤー)から構成されており、異なる表示階層で複数のリーチ表示中演出が実行されるときに、これらのリーチ表示中演出が重複するような場合にも、同様の処理を行ってもよい。
また、複数のリーチ表示中演出が同時に実行されない場合であっても、リーチ表示中演出の実行時間によっては互いに重複して実行されるようなときには、同様の処理を行ってもよい。たとえば、表示部21aの中央部で5秒間に亘り実行される演出Aと、表示部21aの中央部で10秒間に亘り実行される演出Bとがあり、リーチ表示がなされて15秒後の実行タイミングで演出Bが実行、リーチ表示がなされて18秒後の実行タイミングで演出Aが実行されることが決定された場合には、演出Aと演出Bとは、リーチ表示がなされて18秒後から23秒後までの間、演出Aと演出Bとが互いに重複して実行されることとなる。したがって、この場合には、演出A又は演出Bを、他の実行タイミングにおいて実行される演出と交換したり、演出Aの実行タイミングを、リーチ表示がなされて18秒後の実行タイミングよりも1つ後の実行タイミングにずらしたりする等により、演出の実行順番を調整してもよい。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。