【実施例】
【0024】
以下に本発明の実施例を記載する。なお、実施例中の部は質量部を示す。
参考例1(
図1参照)
支持体2として青色ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成した。
次いで、前記多孔質層上に赤色水溶性染料としてフロキシン(C.I.45410)1.0部、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:ソカランK−17、BASF製)50.0部、水50.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて直径2mmのドット柄を印刷し、50℃で30分間乾燥硬化させて着色層4を形成して水変色性インジケーター1を得た。
【0025】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による赤色のドット柄が視認されるが、インジケーター表面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出してドット柄は滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ赤色のドット柄のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができた。
【0026】
実施例
1
支持体として青色の綿100%ブロード生地表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に赤色水溶性染料としてフロキシン(C.I.45410)1.0部、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:ソカランK−17、BASF製)45.0部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン11.1部〔商品名:モビニール966A、日本合成化学(株)製、固形分45%〕、水45.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて直径2mmのドット柄を印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて着色層を形成して水変色性インジケーターを得た。
【0027】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管の継ぎ手部分に結束バンドを用いて固着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による赤色のドット柄が視認されるが、インジケーター表面又は裏面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出してドット柄は滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ赤色のドット柄のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができた。
また、前記水変色性インジケーターを30℃、85%湿度の環境下で72時間放置しても、着色層は濡れる前のドット柄を保持することができ、初期状態の保存性にも優れたものであった。
【0028】
実施例
2
支持体として青色の綿100%ブロード生地表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に赤色水溶性染料としてフロキシン(C.I.45410)1.0部、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:ソカランK−17、BASF製)35.0部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン32.6部〔商品名:モビニール966A、日本合成化学(株)製、固形分45%〕、水35.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて直径2mmのドット柄を印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて着色層を形成し、更に、前記多孔質及び着色層上に無色透明のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)をアクリル樹脂からなる水不溶性粘着剤を用いて全面に貼着して防水層を形成して水変色性インジケーターを得た。
【0029】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管の継ぎ手部分に結束バンドを用いて固着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による赤色のドット柄が視認されるが、インジケーター裏面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出してドット柄は滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ赤色のドット柄のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び裏面から水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができ、表面から付着した水は検知せず、裏面からの付着した水のみ検知するため、継手部分からの水漏れの有無を検知するインジケーターとして有用であった。
また、前記水変色性インジケーターを30℃、85%湿度の環境下で72時間放置しても、着色層は濡れる前のドット柄を保持することができ、初期状態の保存性にも優れたものであった。
【0030】
実施例
3
支持体として青色の綿100%ブロード生地表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に赤色水溶性染料としてフロキシン(C.I.45410)1.0部、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:ソカランK−17、BASF製)25.0部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン55.6部〔商品名:モビニール966A、日本合成化学(株)製、固形分45%〕、水25.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて直径2mmのドット柄を印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて着色層を形成し、更に、前記多孔質及び着色層上に無色透明のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)をアクリル樹脂からなる水不溶性粘着剤を用いて全面に貼着して防水層を形成した。
次いで、前記支持体の裏面にドット形状のアクリル樹脂からなる水不溶性粘着層を設けて水変色性インジケーターを得た。
【0031】
前記水変色性インジケーターの粘着層側を配管の継ぎ手部分に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による赤色のドット柄が視認されるが、インジケーター裏面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出してドット柄は滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ赤色のドット柄のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び裏面から水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができ、
表面から付着した水は検知せず、裏面からの付着した水のみ検知するため、継手部分からの水漏れの有無を検知するインジケーターとして有用であった。
また、前記水変色性インジケーターを30℃、85%湿度の環境下で72時間放置しても、着色層は濡れる前のドット柄を保持することができ、初期状態の保存性にも優れたものであった。
【0032】
実施例
4(
図2参照)
支持体2として赤色ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキと、青色水溶性染料としてブリリアントブルーFCF−L(C.I.42090)1.0部、ポリビニルアルコール樹脂〔商品名:ゴーセノールKL−03、日本合成化学(株)製〕30部、水70部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、150メッシュのスクリーン版にて市松模様を印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層3と着色層4を並設して水変色性インジケーター1を得た。
【0033】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による青色の市松模様が視認されるが、インジケーター表面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出して滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による赤色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ青色の四角形のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による赤色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができた。
【0034】
実施例
5
支持体として赤色のT/C(65/35)ブロード生地表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキと、青色水溶性染料としてブリリアントブルーFCF−L(C.I.42090)1.0部、ポリビニルアルコール樹脂〔商品名:ゴーセノールKL−03、日本合成化学(株)製〕28.5部、ウレタン樹脂エマルジョン〔商品名:ハイドランHW920、固形分50%、DIC(株)製〕3部、水71.5部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて市松模様を印刷し、110℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層と着色層を並設して水変色性インジケーターを得た。
【0035】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による青色の市松模様が視認されるが、インジケーターの表面又は裏面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出して滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による赤色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ青色の四角形のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による赤色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができた。
また、前記水変色性インジケーターを30℃、85%湿度の環境下で72時間放置しても、濡れる前の市松模様を保持することができ、初期状態の保存性にも優れたものであった。
【0036】
実施例
6
支持体として赤色のT/C(65/35)ブロード生地表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキと、青色水溶性染料としてブリリアントブルーFCF−L(C.I.42090)1.0部、ポリビニルアルコール樹脂〔商品名:ゴーセノールKL−03、日本合成化学(株)製〕25.5部、ウレタン樹脂エマルジョン〔商品名:ハイドランHW920、固形分50%、DIC(株)製〕9部、水74.5部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて市松模様を印刷し、110℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層と着色層を並設し、更に、前記多孔質及び着色層上に無色透明の軟質ポリ塩化ビニル製フィルム(厚さ0.2mm)をアクリル樹脂からなる水不溶性粘着剤を用いて全面に貼着して防水層を形成し、水変色性インジケーターを得た。
【0037】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管の継ぎ手部分に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による青色の市松模様が視認されるが、インジケーターの裏面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出して滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による赤色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ青色の四角形のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び裏面から水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による赤色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができ、表面から付着した水は検知せず、裏面からの付着した水のみ検知するため、継手部分からの水漏れの有無を検知するインジケーターとして有用であった。
また、前記水変色性インジケーターを30℃、85%湿度の環境下で72時間放置しても、着色層は濡れる前の市松模様を保持することができ、初期状態の保存性にも優れたものであった。
【0038】
参考例
2(
図3参照)
支持体2としてピンク色合成紙表面に、青色水溶性染料としてアシッドブルーPG(C.I.42655)0.5部、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂〔商品名:HPC−L、日本曹達(株)製〕20.0部、水80.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、70℃で30分間乾燥硬化させて着色層4を形成し、更にその上層に湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂〔商品名:ソルバインAL、日信化学工業(株)製〕10部、石油系芳香族炭化水素溶剤〔商品名:ソルベッソ100、エクソンモービル(株)製〕15部、シクロヘキサノン25部、界面活性剤0.5部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成して水変色性インジケーター1を得た。
【0039】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色が視認されるが、インジケーター表面から水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体のピンク色と着色層の青色の混色である紫色が視認されると共に、着色層中に含まれる水溶性染料が上層の多孔質層に溶出する。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると溶出した水溶性染料の青色のみ視認され、水が付着している状態と水付着後に乾燥した状態で異なる色調となり、現時点での水の付着状態を判別することができる。
前記水変色性インジケーターに再び水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体と着色層の混色の紫色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができた。
【0040】
参考例
3(
図4参照)
支持体2として白色のT/Cブロード生地表面に、ピンク色の印刷インキを用いて耐水性を有するドット柄の非変色性着色層5を設けた。
次いで、前記非変色性着色層上に青色水溶性染料としてアシッドブルーPG(C.I.42655)0.5部、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂〔商品名:HPC−L、日本曹達(株)製〕20.0部、水80.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて着色層4を形成し、更にその上層に湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂〔商品名:ソルバインAL、日信化学工業(株)製〕10部、石油系芳香族炭化水素溶剤〔商品名:ソルベッソ100、エクソンモービル(株)製〕15部、シクロヘキサノン25部、界面活性剤0.5部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層3を形成して水変色性インジケーター1を得た。
【0041】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色が視認されるが、インジケーター表面又は裏面から水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して非変色性着色層のピンク色と着色層の青色が混色となった紫色のドット柄と着色層の青色が視認されると共に、着色層中に含まれる水溶性染料が上層の多孔質層に溶出する。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると溶出した水溶性染料の青色のみが視認され、水が付着する前と水が付着している状態及び水付着後に乾燥した状態でそれぞれ異なる様相となり、過去の付着状態と現時点での水の付着状態を判別することができた。
【0042】
実施例
7
支持体としてピンク色のT/Cブロード生地表面に、青色水溶性染料としてアシッドブルーPG(C.I.42655)1.0部、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:ソカランK−17、BASF製)25.0部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン55.6部〔商品名:モビニール966A、固形分45%、日本合成化学(株)製〕、水25.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にてドット柄を印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて着色層を形成し、更にその上層に湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂〔商品名:ソルバインAL、日信化学工業(株)製〕10部、石油系芳香族炭化水素溶剤〔商品名:ソルベッソ100、エクソンモービル(株)製〕15部、シクロヘキサノン25部、界面活性剤0.5部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成して水変色性インジケーターを得た。
【0043】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色が視認されるが、インジケーター表面又は裏面から水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して着色層から青色が溶出して下地のピンク色と混色となった紫色の滲んだドット柄が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥する滲んだ青色のドット柄のみが視認され、水が付着している状態と水付着後に乾燥した状態で異なる状態となり、水が付着する前と水が付着している状態及び水付着後に乾燥した状態でそれぞれ異なる様相となり、過去の付着状態と現時点での水の付着状態を判別することができた。
また、前記水変色性インジケーターを30℃、85%湿度の環境下で72時間放置しても、着色層中の水溶性染料が多孔質層に移行することなく、初期状態の保存性にも優れたものであった。
【0044】
参考例
4
支持体として青色ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に赤色水溶性染料としてフロキシン(C.I.45410)1.0部、水99.0部を含むインキを口径0.4mmのスプレーガンに充填し、型紙を用いてハート柄をスプレー塗装し、室温で60分間乾燥硬化させて着色層を形成して水変色性インジケーターを得た。
【0045】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による赤色のハート柄が視認されるが、インジケーター表面から水が付着すると、着色層中に含まれる水溶性染料が周囲に溶出してハート柄は滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ赤色のハート柄のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
【0046】
参考例
5
支持体として青色ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に赤色水分散顔料〔商品名:TCルビンFR−H、大日精化工業(株)製〕5.0部、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:ソカランK−17、BASF製)50.0部、水50.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて直径2mmのドット柄を印刷し、50℃で30分間乾燥硬化させて着色層を形成して水変色性インジケーターを得た。
【0047】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による赤色のドット柄が視認されるが、インジケーター表面から水が付着すると、着色層中に含まれる顔料がポリビニルピロリドン樹脂の溶解とともに周囲に拡散してドット柄は滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ赤色のドット柄のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
【0048】
実施例
8
支持体として青色のT/C(65/35)ブロード生地表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキと、赤色水分散顔料〔商品名:TCルビンFR−H、大日精化工業(株)製〕5.0部、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:ソカランK−17、BASF製)45.0部、水50.0部、ウレタン樹脂エマルジョン〔商品名:ハイドランHW920、固形分50%、DIC(株)製〕10部、水55.0部を含むスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて市松模様を印刷し、110℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層と着色層を並設して水変色性インジケーターを得た。
【0049】
前記水変色性インジケーターの裏面(支持体側)を配管に貼着して実用に供したところ、常態(非吸水状態)では多孔質層による白色と、着色層による赤色の市松模様が視認されるが、インジケーターの表面又は裏面から水が付着すると、着色層中に含まれる顔料が周囲に拡散して滲んだ状態になると共に、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認される。
水が付着している状態のインジケーターは前記様相を示しているが、多孔質層が乾燥すると元の白色状態に戻り、着色層による滲んだ赤色の四角形のみ視認され、過去に水が付着したことを判別することができた。
前記水変色性インジケーターに再び水が付着すると、多孔質層が吸液により透明化して支持体による青色が視認され、水が付着した状態を繰り返し視認することができた。
また、前記水変色性インジケーターを30℃、85%湿度の環境下で72時間放置しても、着色層は濡れる前の市松模様を保持することができ、初期状態の保存性にも優れたものであった。