(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
【0015】
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
【0016】
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
【0017】
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0018】
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
【0019】
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。このとき、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
【0020】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技や小当たり遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0021】
第1始動口120は、遊技領域116の下部であって、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
【0022】
また、第2始動口122は、第2遊技領域116bに位置しており、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。この第2始動口122は、可動片122bを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、第2始動口122は、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の進入が不可能もしくは困難となっている。これに対して、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
【0023】
さらに、遊技領域116の下部には、第1大入賞口126が設けられている。第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて、開閉扉126bが受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、第1大入賞口126には、第1遊技領域116aを流下する遊技球と、第2遊技領域116bを流下する遊技球との双方が入球可能となっている。
【0024】
また、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に、第2大入賞口128が設けられている。第2大入賞口128は、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球を不可能とする閉状態に維持されている。これに対して、前述の小当たり遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、開閉扉128bが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる開状態に変移する。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。
【0025】
遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
【0026】
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる第1演出表示装置200、ドラム装置からなる第2演出表示装置201、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出ボタン208が設けられている。
【0027】
第1演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなるメイン演出表示部200aを備えている。メイン演出表示部200aは、遊技盤108の中央上部において、遊技機100の正面側から視認可能に配置されている。
【0028】
第2演出表示装置201は、回転リール201a、201b、201cを備えている。回転リール201a、201b、201cは、遊技盤108の略中央に形成された視認窓201dから視認可能に設けられている。また、第2演出表示装置201は、遊技盤108と回転リール201a、201b、201cとの間に位置する一対の被覆部材201eを備えている。被覆部材201eは、回転リール201a、201b、201cの前面から退避した退避位置と、回転リール201a、201b、201cの前面に位置し、回転リール201a、201b、201cの一部または全部を視認不可能とする被覆位置との間を作動する。
【0029】
演出役物装置202は、メイン演出表示部200aよりも前面に配置され、遊技盤108の背面側に退避したり、メイン演出表示部200aの前面まで作動したりする。
【0030】
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0031】
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
【0032】
演出ボタン208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出ボタン208は、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
【0033】
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押し込ませることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0034】
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
【0035】
図3は、第2大入賞口128を説明するための図である。第2大入賞口128の内部には、特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられている。
図3(a)に示すように、第2大入賞口128の内部には、導出路128dが設けられており、第2大入賞口128は、当該第2大入賞口128に入球した遊技球が、導出路128dに導かれるように傾斜している。そして、導出路128dには、遊技球が通過可能な孔からなる特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球が、特定領域140bおよび非特定領域140cのいずれかを通過して、遊技盤108の背面側に排出されるように構成されている。
【0036】
そして、第2大入賞口128には、特定領域140bおよび非特定領域140cを開閉する可動部材142が設けられている。この可動部材142は、その可動(スライド)によって、特定領域140bへの遊技球の進入を可能とする状態と、特定領域140bへの遊技球の進入を不可能とする状態とに切り換える。より詳細には、可動部材142が、
図3(b)に示す位置に変位すると、非特定領域140cが可動部材142によって塞がれ、遊技球は特定領域140bを通過可能となる。一方、可動部材142が、
図3(c)に示す位置に変位すると、特定領域140bが可動部材142によって塞がれ、遊技球は非特定領域140cを通過可能となる。詳しくは後述するが、小当たり遊技において特定領域140bに遊技球が進入した場合には、大当たり(二種大当たり)となり、前述の大役遊技が開始される。
【0037】
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0038】
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0039】
本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0040】
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域140bに遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ140sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
【0041】
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、第2大入賞口128内に設けられた可動部材142を可動する可動部材駆動ソレノイド142cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128および特定領域140bの開閉制御がなされるようになっている。
【0042】
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0043】
また、遊技機100には、電波を検知する電波検知センサ、磁気を検知する磁気検知センサ、中枠104や前枠106の開放状態を検知する扉開放センサ等、異常または不正の可能性があることを検知する異常検知センサ174が複数設けられており、各異常検知センサ174から主制御基板300に異常検知信号が入力されるように構成されている。
【0044】
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
【0045】
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0046】
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0047】
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
【0048】
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
【0049】
また、払出制御基板310には、発射制御回路320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御回路320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御回路320には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0050】
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0051】
具体的には、副制御基板330は、上記メイン演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、メイン演出表示部200aに表示される種々の画像データが多数格納されており、サブCPU330aが、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、メイン演出表示部200aの画像表示を制御する。
【0052】
また、副制御基板330は、回転リール201a、201b、201cの回転を制御する。具体的には、回転リール201a、201b、201cは、それぞれアクチュエータとしてステッピングモータを備えている。副制御基板330は、これらのステッピングモータを通電制御し、回転リール201a、201b、201cを回転させたり、停止状態に維持したりする。
【0053】
また、副制御基板330は、被覆部材201eの作動を制御する。具体的には、被覆部材201eは、アクチュエータとしてモータを備えている。副制御基板330は、被覆部材201eのモータを通電制御し、被覆部材201eを被覆位置と退避位置との間で作動させたり、モータの通電を停止して、被覆部材201eを被覆位置あるいは退避位置に保持したりする。
【0054】
さらに、副制御基板330は、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御や、演出役物装置202を可動したり演出照明装置204を点灯制御したりする。さらには、演出ボタン208が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
【0055】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
【0056】
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
【0057】
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。詳しくは後述するが、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態では、非時短遊技状態に設定される。
【0058】
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、第1大入賞口126が開放され、当該第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行される。また、大役遊技の終了後には、遊技状態として、非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれかに設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
【0059】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
【0060】
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
【0061】
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
【0062】
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
【0063】
図5は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
【0064】
特1保留に基づいて大役抽選を開始する場合には、
図5(a)に示す特1用大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この特1用大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10328であった場合に大当たりと判定され、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定される。したがって、この場合の大当たり確率は、約1/199.8となる。
【0065】
また、特2保留に基づいて大役抽選を開始する場合には、
図5(b)に示す特2用大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この特2用大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10328であった場合に大当たりと判定され、その他の大当たり決定乱数であった場合には小当たりと判定される。したがって、この場合の大当たり確率は約1/199.8となり、小当たり確率は約1/1.005となる。このように、特1保留と特2保留とで大当たりの当選確率は同じであり、また、小当たりは、特1保留によって当選することはなく、特2保留によってのみ当選し得る。
【0066】
図6は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」または「小当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、
図6(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択される。また、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、
図6(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、
図6(c)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
【0067】
図6(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、
図6(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルaによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。また、
図6(c)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(小当たり図柄)が決定される。一方、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、ここでは、特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、特2用当たり図柄乱数判定テーブルaにおいて、異なる大当たり図柄がそれぞれ決定されることとした。しかしながら、両テーブルにおいて同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよいし、保留種別を問わず、1の当たり図柄乱数判定テーブルを参照して特別図柄の種別(大当たり図柄)を決定してもよい。また、小当たり図柄についても同様である。
【0068】
図7は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態、遊技状態に対応付けられている変動状態等に応じて、予め設定されたテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。なお、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
【0069】
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留の保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、
図7(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、非時短遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの保留数が1〜2個であれば、
図7(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が3個であれば、
図7(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、
図7において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
【0070】
なお、ここでは、非時短遊技状態において、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出されたときに参照されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについて説明したが、メインROM300bには、この他にも多数のリーチグループ決定乱数判定テーブルが記憶されている。
【0071】
なお、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。
【0072】
図8は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「小当たり」であった場合に選択される小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルおよび小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図8(a)に示し、特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図8(b)に示し、特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図8(c)に示し、特2用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図8(d)に示す。
【0073】
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、
図8(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、
図8(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。さらに、上記の大役抽選の結果が「小当たり」であった場合には、
図8(d)に示すように、読み出された保留種別に対応する小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
【0074】
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、
図8において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、
図8〜
図10に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
【0075】
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、
図7に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、
図8(a)に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0076】
一方、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄または小当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり、または、小当たり当選時の遊技状態等に対応する、
図8に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照し、リーチモード決定乱数を用いて、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
【0077】
図9は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
【0078】
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
【0079】
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。
【0080】
図10は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、
図10(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
【0081】
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、
図10(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
【0082】
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなるが、その詳細については後述する。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と呼び、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合がある。
【0083】
図11は、第1特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図であり、
図12は、第2特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。第1特別電動役物作動ラムセットテーブルおよび第2特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、第1特別電動役物作動ラムセットテーブルまたは第2特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。以下では、第1特別電動役物作動ラムセットテーブルおよび第2特別電動役物作動ラムセットテーブルを総称して、単に特別電動役物作動ラムセットテーブルと呼ぶ。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての特別図柄の制御データを示す。
【0084】
大当たり図柄である特別図柄A〜Gが決定されると、
図11に示すように、第1特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口126を所定の開閉パターンで開閉制御する開閉処理が実行される。また、小当たり図柄である特別図柄a〜eが決定されると、
図12に示すように、第2特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口126および第2大入賞口128を所定の開閉パターンで開閉制御する開閉処理が実行される。大役遊技は、第1大入賞口126が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、第2大入賞口128が所定回数開閉されるラウンド遊技が1回のみ実行される。
【0085】
特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、開放大入賞口(各ラウンド遊技において開放される第1大入賞口126および第2大入賞口128)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド遊技中の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における第1大入賞口126および第2大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、ラウンド間インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
【0086】
本実施形態では、大当たり図柄である特別図柄Aが決定された場合には5回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。同様に、特別図柄B、C、Dが決定された場合には15回のラウンド遊技、特別図柄Eが決定された場合には9回のラウンド遊技、特別図柄Fが決定された場合には6回のラウンド遊技、特別図柄Gが決定された場合には3回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。
【0087】
また、大当たり図柄である特別図柄A〜Gが決定された場合、各ラウンド遊技では、第1大入賞口126が開放される。各ラウンド遊技は、規定数(8個)の遊技球が第1大入賞口126に入球するか、もしくは、第1大入賞口126が開放されてから所定時間(29.0秒)が経過すると終了となる。
【0088】
また、
図12に示すように、小当たり図柄である特別図柄a〜eが決定された場合には、まず、1回のラウンド遊技で構成される小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技では、第2大入賞口128が開放される。特別図柄aが決定されて実行される小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.1秒×1回のみ開放される。一方、特別図柄b〜eが決定されて実行される小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.14秒×12回開放される。
【0089】
ここで、第2大入賞口128の内部には、特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球は、必ず、特定領域140bまたは非特定領域140cに進入する。そして、小当たり遊技において、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入した場合には、小当たり遊技に続いて、第1大入賞口126が開放される大役遊技が実行される。
【0090】
このとき、小当たり図柄である特別図柄aが決定されていれば、第1大入賞口126が0.1秒×1回のみ開放されるラウンド遊技が2回実行される。また、小当たり図柄である特別図柄b、c、d、eが決定されていれば、大役遊技において、ラウンド遊技がそれぞれ15回、9回、6回、3回実行される。これらの各ラウンド遊技では、第1大入賞口126が29.0秒×1回開放される。
【0091】
図13は、第2大入賞口128の開閉態様および可動部材142による特定領域140bの開閉態様を説明する図である。
図13に示すように、可動部材142は、第2大入賞口128が開放される小当たり遊技において、第2大入賞口128の開放と同時に、特定領域140bを一瞬(0.1秒程度)開放した後、所定時間に亘り、特定領域140bを閉鎖状態に維持し、その後、再び特定領域140bを開放した状態に維持する。そして、
図13(a)に示すように、特別図柄aが決定されて小当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技(ラウンド遊技)の開始から0.1秒のみ第2大入賞口128が開放される。この間に、仮に第2大入賞口128に遊技球が入球したとしても、当該遊技球が特定領域140bに到達するまでには所定の時間を要する。そのため、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに到達したときには、必ず、特定領域140bが閉鎖されており、その結果、特別図柄aが決定されて小当たり遊技が実行された場合に、特定領域140bに遊技球が進入することはない。
【0092】
なお、遊技球が第2大入賞口128に噛みこんでしまったり、あるいは、何らかの理由で第2大入賞口128内に長時間に亘って遊技球が滞留してしまったりする等、不測の事態が生じた場合には、特別図柄aが決定されて実行される小当たり遊技においても、特定領域140bに遊技球が進入する可能性がある。したがって、本明細書においては、理解を容易にするために、「必ず」、「確実に」という文言を用いて説明しているが、これは、遊技機100の状態が、遊技を進行するにあたって適切な状態に置かれており、かつ、不測の事態が生じていないことを前提とするものであり、物理的な100%を意味するものではない。
【0093】
これに対して、
図13(b)に示すように、特別図柄b、c、d、eが決定されて小当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技において、第2大入賞口128が0.14秒×12回開放される。したがって、第2大入賞口128の開放と同時に第2大入賞口128に入球した1〜2個程度の遊技球は、特定領域140bを通過することができない可能性はあるが、その後に第2大入賞口128に入球した遊技球は、確実に特定領域140bを通過することができる。なお、詳しい説明は省略するが、遊技盤108には、第2大入賞口128の近傍に、第2遊技領域116bを流下する遊技球を滞留させる構造物が設けられており、小当たり遊技の開始から所定時間以内に第2遊技領域116bに遊技球を発射させれば、必ず、特定領域140bに遊技球が進入する構成となっている。
【0094】
図14は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、決定された特別図柄の種別に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態が設定される。この遊技状態設定テーブルによれば、特別図柄A、B、D、E、F、G、b、c、d、eが決定された場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定され、特別図柄C、aが決定された場合には、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定される。
【0095】
また、遊技状態が時短遊技状態に設定された場合には、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)が設定される。具体的には、決定された特別図柄の種別が特別図柄A、Bであった場合には、時短回数が100回に設定される。これは、時短遊技状態は、大役抽選結果が100回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態や時短回数の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定された場合に、当該時短遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレもしくは小当たりの抽選結果が100回導出されると、非時短遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。なお、決定された特別図柄の種別が特別図柄D、E、F、G、b、c、d、eであった場合には、時短回数が4回に設定される。
【0096】
ここで、時短遊技状態では、大役抽選結果が確定するたびに、時短回数の残数が減算され、時短回数の残数が0になると、遊技状態が非時短遊技状態に変更される。このとき、特別図柄A、Bが決定された場合には、特1保留に基づく大役抽選結果が確定した場合と、特2保留に基づく大役抽選結果が確定した場合との双方で、時短回数の残数が減算される。一方、特別図柄D、E、F、G、b、c、d、eが決定された場合には、特2保留に基づく大役抽選結果が確定した場合にのみ、時短回数の残数が減算される。つまり、特別図柄D、E、F、G、b、c、d、eが決定された場合には、大役遊技後、特2保留に基づく大役抽選結果が4回確定したところで時短回数の残数が0となり、遊技状態が非時短遊技状態に変更されることとなる。
【0097】
図15は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0098】
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
【0099】
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図15(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122が開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122が閉状態に維持される。
【0100】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図15(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
【0101】
図16(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、
図16(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
【0102】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、
図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
【0103】
当たり図柄が決定されると、
図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
【0104】
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
【0105】
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、このうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
【0106】
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
【0107】
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図17は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
【0108】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
【0109】
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
【0110】
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
【0111】
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
【0112】
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
【0113】
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
【0114】
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
【0115】
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
【0116】
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(RAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
【0117】
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(RAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
【0118】
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
【0119】
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
【0120】
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
【0121】
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(電源復帰指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
【0122】
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(電源復帰指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
【0123】
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファに格納)を実行する。
【0124】
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
【0125】
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
【0126】
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
【0127】
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
【0128】
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
【0129】
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0130】
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
【0131】
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
【0132】
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図18は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
【0133】
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
【0134】
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
【0135】
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
【0136】
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
【0137】
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
【0138】
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
【0139】
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
【0140】
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
【0141】
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
【0142】
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
【0143】
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
【0144】
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
【0145】
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
【0146】
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
【0147】
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図19は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
【0148】
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
【0149】
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0150】
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
【0151】
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
【0152】
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
【0153】
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
【0154】
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
【0155】
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
【0156】
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域検出スイッチ140sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
【0157】
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
【0158】
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
【0159】
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
【0160】
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
【0161】
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
【0162】
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
【0163】
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
【0164】
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cおよび可動部材駆動ソレノイド142cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
【0165】
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
【0166】
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
【0167】
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
【0168】
図20は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
【0169】
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
【0170】
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
【0171】
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
【0172】
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
【0173】
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
【0174】
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
【0175】
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sおよび第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−11に処理を移す。
【0176】
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中または小当たり遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中または小当たり遊技中であり、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、ステップS500−11に処理を移す。
【0177】
(ステップS500−11)
メインCPU300aは、特定領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特定領域140bに遊技球が進入して特定領域検出スイッチ140sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、特定領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
【0178】
(ステップS540)
メインCPU300aは、特定領域140bへの遊技球の進入に基づいて特定領域通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この特定領域通過処理の詳細については後述する。
【0179】
図21は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
【0180】
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
【0181】
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
【0182】
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0183】
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
【0184】
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
【0185】
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
【0186】
図22は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
【0187】
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
【0188】
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0189】
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
【0190】
図23は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
【0191】
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
【0192】
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0193】
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
【0194】
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
【0195】
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
【0196】
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
【0197】
図24は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
【0198】
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
【0199】
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
【0200】
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
【0201】
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
【0202】
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0203】
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の8つの記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
【0204】
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
【0205】
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
【0206】
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、大役仮抽選、当たり図柄仮決定、変動演出パターン仮決定をする取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理の詳細は後述する。
【0207】
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
【0208】
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−19でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特
図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特
図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
【0209】
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
【0210】
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
【0211】
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
【0212】
図25は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
【0213】
(ステップS536−1)
メインCPU300aは、大当たり決定乱数判定テーブルを選択する。具体的には、記憶された保留が特1保留であれば、特1用大当たり決定乱数判定テーブル(
図5(a)参照)を選択し、記憶された保留が特2保留であれば、特2用大当たり決定乱数判定テーブル(
図5(b)参照)を選択する。そして、選択したテーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たり、小当たり、ハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。
【0214】
(ステップS536−3)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS536−1の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりまたは小当たりであった場合には、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(
図6参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS536−1の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、所定のハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。
【0215】
(ステップS536−5)
メインCPU300aは、ステップS536−3でセーブした特別図柄判定データに対応する先読み図柄種別指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
【0216】
(ステップS536−7)
メインCPU300aは、上記ステップS536−1の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりまたは小当たりであるかを判定する。その結果、大当たりまたは小当たりであると判定した場合にはステップS536−9に処理を移し、大当たりまたは小当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS536−11に処理を移す。
【0217】
(ステップS536−9)
メインCPU300aは、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(
図8(b)、(c)参照)または小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(
図8(d))をセットし、ステップS536−19に処理を移す。
【0218】
(ステップS536−11)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数をロードする。
【0219】
(ステップS536−13)
メインCPU300aは、上記ステップS536−11でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であるかを判定する。ここで、グループ種別は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを参照して決定されるが、このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、記憶されている保留数に応じて選択される。このとき、リーチグループ決定乱数は、0〜10006の範囲から取得され、リーチグループ決定乱数の値が8500以上であれば、保留数に拘わらず、同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、リーチグループ決定乱数の値が8500未満であれば、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される。以下では、リーチグループ決定乱数のうち、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される0〜8499の範囲の値を不定値とし、保留数に拘わらず同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される8500〜10006の範囲の値を固定値と呼ぶ。上記ステップS536−11でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であると判定した場合にはステップS536−15に処理を移し、上記ステップS536−11でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)ではないと判定した場合にはステップS536−27に処理を移す。
【0220】
(ステップS536−15)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数判定テーブル(
図7参照)をセットする。なお、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、ここでは、保留数が0のときに用いられるテーブルが選択される。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を仮決定する。
【0221】
(ステップS536−17)
メインCPU300aは、上記ステップS536−15で仮決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(
図7(a)参照)をセットし、ステップS536−19に処理を移す。
【0222】
(ステップS536−19)
メインCPU300aは、上記ステップS536−9または上記ステップS536−17でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
【0223】
(ステップS536−21)
メインCPU300aは、上記ステップS536−19で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
【0224】
(ステップS536−23)
メインCPU300aは、上記ステップS536−19で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
【0225】
(ステップS536−25)
メインCPU300aは、上記ステップS536−23で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
【0226】
(ステップS536−27)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンド(先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンド=7FH)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
【0227】
図26は、上記ステップS540の特定領域通過処理を説明するフローチャートである。
【0228】
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−11で特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、有効期間フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS540−3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS540−9に処理を移す。
【0229】
なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判断するためのものであり、本実施形態においては、小当り遊技(1回目のラウンド遊技)の開始時にオンされる。
【0230】
(ステップS540−3)
上記ステップS540−1において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、特定領域進入フラグがオンしているかを判定する。なお、特定領域進入フラグは、特定領域140bに遊技球が既に有効に進入したことを識別するものである。特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合には当該特定領域通過処理を終了し、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移す。
【0231】
(ステップS540−5)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオンする。
【0232】
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、特定領域140bに遊技球が有効に進入したことを副制御基板330に伝達すべく、特定領域進入コマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
【0233】
(ステップS540−9)
メインCPU300aは、所定のエラー処理を実行する。
【0234】
(ステップS540−11)
メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
【0235】
図27は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
【0236】
図27に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
【0237】
図28は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
【0238】
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
【0239】
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
【0240】
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
【0241】
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
【0242】
図29は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
【0243】
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
【0244】
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
【0245】
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
【0246】
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0247】
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別をロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
【0248】
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄または小当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0249】
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
【0250】
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
【0251】
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
【0252】
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、大役抽選が実行されたときの遊技状態を遊技状態バッファに記憶する等の処理を行う予備領域設定処理を行う。また、この予備領域設定処理では、大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、メインRAM300cの予備領域に、大役遊技後に設定する遊技状態情報や特別図柄の種別(特別図柄判定データ)等を記憶する。
【0253】
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
【0254】
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特
図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特
図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
【0255】
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
【0256】
図30は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
【0257】
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであるかを判定する。その結果、大当たりまたは小当たりであると判定した場合にはステップS611−3に処理を移し、大当たりおよび小当たりのいずれでもない(ハズレである)と判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
【0258】
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、大当たり図柄の種別、保留種別、変動状態に対応するリーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
【0259】
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
【0260】
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、上記ステップS611−5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−5で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
【0261】
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
【0262】
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS611−3または上記ステップS611−9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0263】
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
【0264】
(ステップS611−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
【0265】
(ステップS611−17)
メインCPU300aは、上記ステップS611−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
【0266】
図31は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
【0267】
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
【0268】
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
【0269】
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
【0270】
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
【0271】
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
【0272】
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0273】
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、当該特別図柄変動中処理を終了する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
【0274】
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
【0275】
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
【0276】
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0277】
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0278】
図32は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
【0279】
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
【0280】
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
【0281】
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−19に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
【0282】
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、ここでは、時短遊技状態の設定契機となった特別図柄の種別が特別図柄A、Bであった場合には、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162の種別を問わず、時短回数切りカウンタのカウンタ値を減算する。一方、時短遊技状態の設定契機となった特別図柄の種別が特別図柄D、E、F、G、b、c、d、eであった場合には、特別図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合にのみ、時短回数切りカウンタのカウンタ値を減算する。そして、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
【0283】
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、変動状態を更新する。
【0284】
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0285】
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
【0286】
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が小当たりであるかを判定する。その結果、小当たりであると判定した場合にはステップS630−21に処理を移し、小当たりではないと判定した場合にはステップS630−17に処理を移す。
【0287】
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
【0288】
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、遊技状態を初期状態である非時短遊技状態にリセット(設定)する。
【0289】
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
【0290】
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−21でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技または小当たり遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。なお、小当たり遊技を開始する場合には、特別電動役物最大作動回数カウンタに「1」がセットされる。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技または小当たり遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
【0291】
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、上記ステップS630−21でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
【0292】
(ステップS630−27)
メインCPU300aは、大役遊技または小当たり遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。なお、このオープニング指定コマンドは、オープニング時間ごとに設けられており、ここでは、上記ステップS630−25でセーブされたオープニング時間に対応するオープニング指定コマンドが送信バッファにセットされる。
【0293】
(ステップS630−29)
メインCPU300aは、上記ステップS630−3で確認した大役抽選の結果が大当たりである場合には、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、小当たりである場合には、特別遊技管理フェーズを「07H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
【0294】
図33は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
【0295】
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
【0296】
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0297】
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0298】
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
【0299】
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが07Hであるか、つまり、小当たり遊技中であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが07Hであると判定した場合にはステップS640−9に処理を移し、特別遊技管理フェーズは07Hではないと判定した場合にはステップS640−13に処理を移す。
【0300】
(ステップS640−9)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、1回目のラウンド遊技の開始時であるかを判定する。その結果、1回目のラウンド遊技の開始時であると判定した場合はステップS640−11に処理を移し、1回目のラウンド遊技の開始時ではないと判定した場合にはステップS640−13に処理を移す。
【0301】
(ステップS640−11)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオンする。これにより、小当たり遊技の開始に伴って、特定領域140bへの遊技球の進入が有効化される。
【0302】
(ステップS640−13)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
【0303】
図34は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
【0304】
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
【0305】
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、ならびに、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
【0306】
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
【0307】
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、不図示の可動部材制御テーブルをセットするとともに、当該テーブルを参照して、可動部材駆動ソレノイド142cの通電制御を行う。
【0308】
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1大入賞口126および第2大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
【0309】
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−13に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0310】
(ステップS641−13)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0311】
図35は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
【0312】
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
【0313】
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
【0314】
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
【0315】
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
【0316】
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して第1大入賞口126および第2大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖状態となる。
【0317】
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
【0318】
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「05H」または「09H」)に更新する。
【0319】
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
【0320】
図36は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」であった場合に実行される。
【0321】
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
【0322】
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−21に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
【0323】
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが「09H」である場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
【0324】
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
【0325】
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが09Hであるか、つまり、小当たり遊技中であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが09Hであると判定した場合にはステップS660−11に処理を移し、特別遊技管理フェーズは09Hではないと判定した場合にはステップS660−21に処理を移す。
【0326】
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、第2大入賞口128に入球した遊技球が全て排出されたかを判定する。ここでは、第2大入賞口128に入球した遊技球数から、特定領域140bおよび非特定領域140cに進入した遊技球の合計数を減算した値が0になった場合に、排出が完了したと判定する。排出が完了したと判定した場合にはステップS660−13に処理を移し、排出は完了していないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。なお、排出が完了していないとする判定結果が一定時間に亘って継続的に導出されると、エラー処理が行われる。
【0327】
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグがオンしているかを判定する。その結果、特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合にはステップS660−15に処理を移し、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS660−21に処理を移す。
【0328】
(ステップS660−15)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオフする。
【0329】
(ステップS660−17)
メインCPU300aは、小当たり図柄の種別を確認し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数から1を減算した値、すなわち、大役遊技におけるラウンド遊技数)をセットする。
【0330】
(ステップS660−19)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズに03Hをセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0331】
(ステップS660−21)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
【0332】
(ステップS660−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「06H」または「0AH」)に更新する。
【0333】
(ステップS660−25)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0334】
図37は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」であった場合に実行される。
【0335】
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−21でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
【0336】
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄または小当たり図柄の種別に基づいて、大役遊技終了後の遊技状態が設定される。また、ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄または小当たり図柄の種別に基づいて、時短回数が設定される。
【0337】
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態および変動状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0338】
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした時短回数に対応する回数指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0339】
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
【0340】
図38は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
【0341】
図38に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
【0342】
図39は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
【0343】
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
【0344】
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
【0345】
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
【0346】
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
【0347】
図40は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
【0348】
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
【0349】
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0350】
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
【0351】
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
【0352】
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
【0353】
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
【0354】
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0355】
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
【0356】
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0357】
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0358】
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
【0359】
図41は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
【0360】
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」でなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
【0361】
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
【0362】
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
【0363】
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
【0364】
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
【0365】
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
【0366】
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0367】
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
【0368】
図42は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
【0369】
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
【0370】
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
【0371】
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
【0372】
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
【0373】
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
【0374】
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
【0375】
図43は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
【0376】
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
【0377】
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
【0378】
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
【0379】
図44は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
【0380】
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
【0381】
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
【0382】
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
【0383】
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
【0384】
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
【0385】
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0386】
図45は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
【0387】
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
【0388】
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
【0389】
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
【0390】
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
【0391】
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
【0392】
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0393】
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
【0394】
図46は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
【0395】
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
【0396】
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0397】
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0398】
図47は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
【0399】
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
【0400】
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
【0401】
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、非時短遊技状態で実行される演出について、一例を用いて説明し、その後に、時短遊技状態および大役遊技中に実行される演出について、一例を用いて説明する。
【0402】
図48は、第1の演出図柄210aを説明する図である。上記したように、主制御基板300では、大役抽選が行われると、変動モード番号および変動パターン番号が決定され、変動コマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330では、受信した変動コマンドに基づいて変動演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンで変動演出を実行制御する。
【0403】
変動演出は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中に実行される。変動演出の実行パターンは多数設けられているが、変動演出中は、メイン演出表示部200aに、3つの図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示された後に、いずれかの第1の演出図柄210aがメイン演出表示部200aに停止表示される。このとき、大役抽選の結果に応じて、メイン演出表示部200aにおける第1の演出図柄210aの最終的な停止表示態様が決定される。
【0404】
図48に示すように、図柄構成群210A、210B、210Cは、1〜9の数字が記された9種類の第1の演出図柄210aで構成されている。変動演出では、メイン演出表示部200aにおいて、図柄構成群210A、210B、210Cが同時にスクロール表示された後に、最終的にいずれか1つの第1の演出図柄210aが、メイン演出表示部200aに停止表示される。そして、大役抽選によって大当たりに当選した場合、つまり、大当たりの当選を報知する変動演出では、最終的に、メイン演出表示部200aにおいて、一直線上に同一の第1の演出図柄210aが停止表示される。また、大役抽選の結果がハズレであった場合には、メイン演出表示部200aにおいて、最終的に、同一の第1の演出図柄210aが停止表示されることはない。
【0405】
図49は、第2の演出図柄211aを説明する図である。上記したように、本実施形態では、ドラム装置からなる第2演出表示装置201が設けられている。第2演出表示装置201は、回転リール201a、201b、201cを備えている。回転リール201a、201b、201cには、それぞれ図示のように、複数(ここでは6種類、9コマ)の第2の演出図柄211aが配列されている。なお、回転リール201a、201b、201cに配列される第2の演出図柄211aは同じであるが、第2の演出図柄211aの配列の順序が、回転リール201a、201b、201cごとに異なっている。
【0406】
そして、変動演出では、回転リール201a、201b、201cが回転し、最終的に視認窓201dに表示される第2の演出図柄211aの組み合わせ、すなわち、第2の演出図柄211aの停止表示態様によって、大役抽選の結果が遊技者に報知される。
【0407】
図50は、リーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図であり、
図51は、リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出においては、メイン演出表示部200aにおいて種々の画像が表示され、第2演出表示装置201における回転リール201a、201b、201cが回転制御される。なお、変動演出中は、メイン演出表示部200aに表示される画像や、回転リール201a、201b、201cの動作に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御されるが、ここでは詳細な説明は省略する。
【0408】
非時短遊技状態における変動演出は、リーチなし変動パターン、リーチ変動パターンに大別される。リーチなし変動パターンの変動演出では、
図50(a)に示すように、メイン演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示される。なお、図中下向きの白抜き矢印は、第1の演出図柄210aおよび第2の演出図柄211aのスクロール表示を示している。ただし、図柄構成群210A、210B、210Cは、メイン演出表示部200aの右下に小さく表示され、また、所定の透過率で表示されている。そのため、図柄構成群210A、210B、210Cは、メイン演出表示部200aに表示される他の画像を妨げることがなく、遊技者の視線が注がれにくいものとなっている。
【0409】
また、リーチなし変動パターンの変動演出においては、回転リール201a、201b、201cが回転し、3つの第2の演出図柄211aが変動表示される。つまり、リーチなし変動パターンの変動演出では、メイン演出表示部200aにおける第1の演出図柄210aの変動表示と、第2演出表示装置201における第2の演出図柄211aの変動表示とが、同時並行して行われることとなる。
【0410】
そして、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されると、
図50(b)に示すように、図柄構成群210A、210B、210Cの変動表示が終了となり、3つの第1の演出図柄210aが停止表示される。また、詳しくは後述するが、第1の演出図柄210aの停止表示から僅かにタイミングをずらして、回転リール201a、201b、201cが停止する。このとき、視認窓201dの高さ方向の中央位置が有効ラインに設定されており、この有効ライン上に、3つの第2の演出図柄211aが一直線に停止表示される。
【0411】
このように、有効ライン上に停止表示された3つの第2の演出図柄211aの組み合わせにより、大役抽選の結果が遊技者に報知される。大役抽選の結果が大当たりであった場合には、「7」と記された複数種類の第2の演出図柄211aのうち、いずれか1種類の第2の演出図柄211aが、有効ライン上に3つ表示される。一方、大役抽選の結果がハズレであった場合には、有効ライン上に表示される3つの第2の演出図柄211aのうち、少なくとも1つが他の2つと異なった状態で、回転リール201a、201b、201cが停止する。
【0412】
なお、リーチなし変動パターンの変動演出は、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ実行される。したがって、リーチなし変動パターンの変動演出では、3つの第1の演出図柄210aのうち、少なくとも1つの第1の演出図柄210aが、他の2つの第1の演出図柄210aと異なっている。同様に、3つの第2の演出図柄211aのうち、少なくとも1つの第2の演出図柄211aが、他の2つの第2の演出図柄211aと異なっている。
【0413】
また、
図51(a)に示すように、リーチ変動パターンの変動演出においても、リーチなし変動パターンの変動演出と同様、メイン演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、図柄構成群210A、210B、210Cすなわち第1の演出図柄210aが変動表示される。また、リーチ変動パターンの変動演出においても、回転リール201a、201b、201cが回転し、3つの第2の演出図柄211aが変動表示される。
【0414】
そして、第2の演出図柄211aの変動表示が開始してから所定時間が経過すると、
図51(b)に示すように、回転リール201bの回転が継続したまま、回転リール201a、201cの回転が停止する。このとき、有効ライン上には、「7」と記されたいずれかの第2の演出図柄211aが停止表示される。換言すれば、回転リール201a、201cは、「7」と記された同一の第2の演出図柄211aを有効ライン上に表示させた状態で停止する(以下、「リーチ態様」と言う)。また、これと同時に、メイン演出表示部200aにおいては、図柄構成群210Bの変動表示が継続したまま、2つの同一の第1の演出図柄210aが停止表示される。
【0415】
そして、リーチ態様となると、
図51(c)に示すように、メイン演出表示部200aにおいて、リーチ発展演出が実行される。このリーチ発展演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する画像が表示されるバトル演出や、所定のキャラクタがミッションに挑む画像が表示されるミッション演出といったものである。バトル演出やミッション演出は、それぞれ大当たりパターンとハズレパターンとがある。バトル演出における大当たりパターンでは、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する画像が表示され、バトル演出におけるハズレパターンでは、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する画像が表示される。また、ミッション演出における大当たりパターンでは、所定のキャラクタがミッションを達成する画像が表示され、ミッション演出におけるハズレパターンでは、所定のキャラクタがミッションに失敗する画像が表示される。
【0416】
リーチ発展演出は複数種類設けられており、いずれのリーチ発展演出についても、大当たりパターンとハズレパターンとが設けられている。各リーチ発展演出の大当たりパターンとハズレパターンとでは、演出の最後の一部のみが内容を異にしており、最後の一部以外は同一内容となっている。そのため、リーチ発展演出の途中までは、大当たりパターンであるのかハズレパターンであるのかを識別できず、遊技者に期待感や緊張感が付与されることとなる。なお、リーチ発展演出中も、メイン演出表示部200aにおいては、図柄構成群210Bの変動表示が継続したまま、2つの第1の演出図柄210aが停止表示されている。
【0417】
ここで、本実施形態では、第1演出表示装置200および第2演出表示装置201の2つの表示装置において、大当たりの期待感や緊張感を遊技者に付与するさまざまな演出が実行される。リーチなし変動パターンの変動演出や、リーチ変動パターンの変動演出のうちリーチ態様となるまでの間は、第2演出表示装置201における回転リール201a、201b、201cを用いたリール演出が、変動演出の主要な演出として位置付けられ、メイン演出表示部200aにおける演出は補助的な演出として位置付けられている。
【0418】
これに対して、リーチ変動パターンの変動演出におけるリーチ発展演出中は、メイン演出表示部200aに表示されるリーチ発展演出用の画像が、変動演出の主要な演出として位置付けられている。つまり、通常は、第2演出表示装置201に遊技者の視線が注がれているが、リーチ発展演出中は、遊技者の視線がメイン演出表示部200aに注がれることが望ましい。ところが、リーチ発展演出中以外は、遊技者の視線が主に第2演出表示装置201に向けられていることから、リーチ発展演出中も、遊技者は回転リール201a、201b、201cが気になってしまう可能性が高い。リーチ発展演出中は、大当たりの信頼度を示唆するさまざまな画像がメイン演出表示部200aに表示されるが、遊技者の視線が散漫になると、遊技者が重要な演出を見落としてしまう可能性がある。
【0419】
そこで、本実施形態では、回転リール201a、201b、201cの前面から退避した退避位置と、回転リール201a、201b、201cの前面に位置する被覆位置との間を作動する被覆部材201eを備えており、リーチ発展演出中、被覆部材201eを被覆位置に保持する。つまり、リーチ発展演出中は、遊技者が視認窓201dから回転リール201a、201b、201cを視認することができないようにする。これにより、リーチ発展演出中は、遊技者の視線をメイン演出表示部200aに集中させ、遊技者が重要な演出を見落としてしまう可能性を低減することができる。
【0420】
その後、リーチ発展演出の内容により、大当たりの当否が遊技者に報知されると、
図51(d)に示すように、被覆部材201eが被覆位置から退避位置へと作動する。このとき、回転リール201a、201b、201cは、大役抽選の結果に対応する第2の演出図柄211aを有効ライン上に停止表示させている。これにより、第2演出表示装置201によっても、大役抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。また、メイン演出表示部200aにおいては、3つの第1の演出図柄210aが停止表示され、第1の演出図柄210aによっても、大役抽選の結果が遊技者に報知されている。
【0421】
上記のように、リーチ変動パターンの変動演出中は、回転リール201a、201b、201cが視認不可能となる。第1特別図柄表示器160や第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中にも拘わらず、回転リール201a、201b、201cが視認不可能となると、遊技者が遊技の状況を把握できなくなるおそれがある。本実施形態では、回転リール201a、201b、201cが視認不可能な状態となっても、メイン演出表示部200aにおいて図柄構成群210Bの変動表示が継続していることから、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中であることが遊技者に報知されている。したがって、回転リール201a、201b、201cが視認不可能となっても、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中であるか否か、すなわち、遊技の進行状況を、遊技者が容易に把握することができる。
【0422】
図52は、第1の演出図柄210aおよび第2の演出図柄211aの変動表示のタイミングを説明する図である。本実施形態では、
図52(a)、(b)に示すように、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始と同時に、メイン演出表示部200aにおける第1の演出図柄210a(図柄構成群210A、210B、210C)の変動表示が開始される。また、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の停止表示の開始と同時に、メイン演出表示部200aにおける第1の演出図柄210a(図柄構成群210A、210B、210C)が停止表示される。つまり、第1の演出図柄210aと、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄(特別図柄)とは、変動表示および停止表示が同期している。
【0423】
一方、
図52(a)、(c)に示すように、第2の演出図柄211aの変動表示、すなわち、回転リール201a、201b、201cの回転は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始から0.5秒遅延して開始となる。同様に、第2の演出図柄211aの停止表示、すなわち、回転リール201a、201b、201cの回転停止は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の停止表示の開始から0.5秒遅延している。つまり、第2の演出図柄211aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄(特別図柄)とは、変動表示および停止表示のタイミングがずれている。以下では、このタイミングのずれを非同期と呼ぶ。
【0424】
本実施形態では、演出用の装置として、第2演出表示装置201が第1演出表示装置200よりも主要な役割を担っており、遊技者の視線が注がれやすい。そのため、第2の演出図柄211aの変動表示、すなわち、回転リール201a、201b、201cの回転を伴う種々の演出を、大役遊技中や小当たり遊技中など、第1特別図柄表示器160や第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示と関係なく実行すれば、遊技機100全体としての演出効果の向上を図ることができる。
【0425】
ところが、仮に、回転リール201a、201b、201cの回転を、第1特別図柄表示器160や第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示と同期させてしまうと、第2演出表示装置201は、大役抽選の結果を報知するものであるという認識を遊技者に与えるおそれがある。そのため、回転リール201a、201b、201cの回転を、第1特別図柄表示器160や第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示と同期させてしまうと、回転リール201a、201b、201cの回転中に、その一部を視認不可能としたり、あるいは、回転リール201a、201b、201cを大役遊技中等に作動させたりするのは望ましくない。
【0426】
そこで、上記のように、回転リール201a、201b、201cの回転を、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示と非同期にする。さらに、メイン演出表示部200aにおける第1の演出図柄210aの変動表示を、第1特別図柄表示器160や第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示と完全に同期させる。これにより、第2演出表示装置201は、大役抽選の結果を報知するものであるという認識を遊技者に与えるおそれが低減される。
【0427】
したがって、回転リール201a、201b、201cの回転中に、その一部または全部を被覆したり、大役遊技中等、第1特別図柄表示器160や第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示がなされていない状態で、回転リール201a、201b、201cを作動させたりしても、遊技者に誤認を生じさせるおそれが低下する。その結果、第2演出表示装置201を用いた演出の幅が広がり、遊技機100全体として、演出効果を向上させることができる。
【0428】
次に、上記の第1演出表示装置200および第2演出表示装置201を用いた変動演出の実行パターンの決定方法について説明する。
【0429】
図53は、変動演出決定テーブルを説明する図であり、
図53(a)には前半変動演出決定テーブルを示し、
図53(b)には後半変動演出決定テーブルを示す。上記したように、主制御基板300において大役抽選が行われると、大役抽選の結果に基づいて、変動コマンドが決定され、決定された各コマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、変動モードコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、前半変動演出決定テーブルを参照して、取得した演出乱数と、受信した変動モードコマンドとに基づいて、前半の変動演出の実行パターンを決定する。また、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、後半変動演出決定テーブルを参照して、取得した演出乱数と、受信した変動パターンコマンドとに基づいて、後半の変動演出の実行パターンを決定する。なお、
図53においては、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルの一部のみを抽出して示している。
【0430】
図53に示すように、前半変動演出決定テーブルによれば、変動モード番号(変動モードコマンド)ごとに、前半の変動演出の実行パターンについての選択比率がそれぞれ設定され、後半変動演出決定テーブルによれば、変動パターン番号(変動パターンコマンド)ごとに、後半の変動演出の実行パターンについての選択比率がそれぞれ設定されている。そして、決定された前半および後半の変動演出の実行パターンを組み合わせて実行することで、1回の変動演出が実行されることとなる。
【0431】
リーチなし変動パターンの変動演出は、前半の実行パターンとして、前半の変動演出を実行しないことを示す「なし」が決定され、後半の実行パターンとして、リーチなし変動パターンに対応する「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」が決定された場合に実行される。例えば、前半の変動演出が実行されないことを示す「01H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半の実行パターンとして「なし」が決定される。また、このとき、同時に受信し得る変動パターンコマンドには、「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」のいずれかのみが決定されるように、後半変動演出決定テーブルにおいて選択比率の設定がなされている。したがって、前半の実行パターンとして「なし」が決定され、後半の実行パターンとして「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」が決定されることで、変動演出の実行パターンは、上記のリーチなし変動パターンに決定されることとなる。
【0432】
一方、リーチ変動パターンの変動演出は、前半の実行パターンとして「なし」以外が決定され、後半の実行パターンとして、いずれかのリーチ発展演出用(図中、発展1〜3で示す)の実行パターンが決定された場合に実行される。換言すれば、メイン演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=01H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。
【0433】
ここで、
図53(a)において、前半の実行パターンにおける「リーチ1」等は、それぞれ、前半の変動演出のうち、リーチ態様になるまでの演出の系統を示している。つまり、前半の変動演出の実行パターンが決定されると、次に、決定された実行パターンに基づいて、回転リール201a、201b、201cの回転パターンや、メイン演出表示部200aに表示する画像(補助演出の内容)が決定される。より詳細には、副制御基板330のサブROM330bには、リーチ態様となるまでの、回転リール201a、201b、201cの回転制御パターンや、メイン演出表示部200aに表示する画像パターン(補助演出の内容)を決定するための演出テーブルが、前半の変動演出の実行パターンごとに多数設けられている。
【0434】
各演出テーブルは、変動モード番号ごとに、回転リール201a、201b、201cの回転制御パターンや、メイン演出表示部200aに表示する画像パターン(補助演出の内容)等の選択比率が設定されている。したがって、前半変動演出決定テーブルを参照して前半の変動演出の実行パターンが決定され、その後に、各演出テーブルを参照して、回転リール201a、201b、201cの回転制御パターン等が決定されることとなる。
【0435】
同様に、
図53(b)において、「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」は、1回の変動演出の系統を示している。つまり、後半の変動演出の実行パターンとして、「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」が決定されると、次に、決定された実行パターンに基づいて、回転リール201a、201b、201cの回転パターンや、メイン演出表示部200aに表示する画像(補助演出の内容)が決定される。
【0436】
また、
図53(b)において、「発展1〜3(ハズレ)」や「発展1、2(大当たり)」は、リーチ態様となった後の変動演出の系統を示している。つまり、後半の変動演出の実行パターンとして、「発展1〜3(ハズレ)」や「発展1、2(大当たり)」が決定されると、次に、決定された実行パターンに基づいて、リーチ態様となった後の、回転リール201a、201b、201cの回転パターンや、メイン演出表示部200aに表示する画像(特にはリーチ発展演出の種別)が決定される。
【0437】
次に、本実施形態の遊技機100の遊技性について説明し、その後、時短遊技状態における変動演出について説明する。本実施形態の遊技機100は、初期状態として遊技状態が非時短遊技状態に設定されている。この非時短遊技状態では、普通図柄の当選確率が低いため、遊技者は第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させ、第1始動口120に遊技球を入球させる(
図2参照)。特1保留に基づく大役抽選では、約1/200の確率で大当たりに当選するが、小当たりに当選することはない(
図5参照)。したがって、非時短遊技状態における遊技目的は、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選(初当たり)させるものとなっている。
【0438】
そして、特1保留に基づく大役抽選で大当たりに当選すると、大当たり図柄として特別図柄A、B、Cのいずれかが決定され(
図6(a)参照)、所定回数のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される(
図11参照)。このとき、特別図柄Cが決定されてしまうと、大役遊技後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される(
図14参照)。そのため、以後、上記と同様に、特1保留による大役抽選で大当たりに当選させることを目的として、再度遊技を行わなければならない。
【0439】
一方、大当たり図柄として特別図柄A、Bが決定されると、大役遊技後の遊技状態が時短遊技状態に設定される(
図14参照)。時短遊技状態においては、非時短遊技状態に比べて、普通図柄の当選確率が高くなり、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。したがって、時短遊技状態では、遊技者は第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させ、第2始動口122に遊技球を入球させることになる。これにより、時短遊技状態では、特2保留に基づく大役抽選が実行されることとなる。
【0440】
ここで、
図14に示すように、初当たり時、つまり、特1保留により大当たりに当選した場合に、特別図柄A、Bが決定されると、時短遊技状態に設定され、このとき、時短回数が100回に設定される。つまり、初当たり時に遊技状態が時短遊技状態になると、最大で、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が、合計で100回行われるまで、時短遊技状態が継続する。
【0441】
そして、特2保留に基づく大役抽選では、約1/200の確率で大当たりに当選し、大当たりに当選しなかった場合には、必ず小当たりに当選する(
図5(b)参照)。小当たりに当選すると、小当たり図柄として特別図柄a〜eのいずれかが決定される(
図6(c)参照)。このとき、特別図柄aが決定されると、小当たり遊技において特定領域140bに遊技球を進入させることができず、特別図柄b〜eが決定されると、小当たり遊技において特定領域140bに遊技球を進入させることができる。特別図柄b〜eは、小当たり当選時に、約1/4の確率で決定される。したがって、実際には、時短遊技状態が終了するまでの間、つまり、100回の大役抽選の中で、特別図柄b〜eが必ず決定されると言える。
【0442】
このようにして、初当たり後に遊技状態が時短遊技状態に設定されれば、この時短遊技状態が終了するまでの間に、小当たり遊技からの二種大当たり、すなわち、特定領域140bへの遊技球の進入により、大当たりの当選が可能となる。つまり、初当たり時には、その後の二種大当たりが1回分だけ保証されていると言うことができる。
【0443】
時短遊技状態において、特2保留に基づいて大当たりに当選するか、もしくは二種大当たりに当選すると、大役遊技後に、再度、時短遊技状態に設定される。ただし、特2保留では、大当たり図柄として特別図柄D〜Gのいずれかが決定され、二種大当たりが可能な小当たり図柄として特別図柄b〜eが決定される。この場合、
図14に示すように、時短回数はいずれも4回に設定される。
【0444】
ここで、時短遊技状態は、特別図柄a〜eが第2特別図柄表示器162に4回停止表示されたところで終了となる。つまり、この場合には、第1特別図柄表示器160における特別図柄の停止表示回数、換言すれば、特1保留に基づく大役抽選の回数は、時短遊技状態の終了条件に含まれていない。したがって、特2保留に基づいて大当たりまたは二種大当たりに当選し、大役遊技後に時短遊技状態に設定された場合に、例えば、特1保留に基づく大役抽選が100回行われたとしても、時短遊技状態は終了することなく継続することとなる。つまり、特2保留に基づいて大当たりまたは二種大当たりに当選して時短遊技状態に設定された場合には、特2保留に基づく大役抽選が、最低でも4回は保証されることとなる。そして、第2特別図柄表示器162に特別図柄が4回停止表示されると、時短遊技状態が終了となり、遊技状態が非時短遊技状態に移行する。
【0445】
ただし、本実施形態では、メインRAM300cに、特2保留が最大で4個記憶される。したがって、時短遊技状態において、第2特別図柄表示器162における4回目の図柄の変動表示が終了するときに、特2保留が4個記憶されていれば、時短遊技状態の終了後も、特2保留に基づく大役抽選がさらに4回行われることになる。これにより、特2保留に基づいて大当たりまたは二種大当たりに当選すると、実質的に、特2保留に基づく大役抽選の権利を8回受けることができる。そして、この8回の大役抽選の中で、再度、大当たり(二種大当たりを含む)に当選すれば、大役遊技が実行され、この大役遊技後に、再度、特2保留に基づく8回の大役抽選の機会が付与されることになる。
【0446】
このように、大役遊技後、特2保留に基づく8回の大役抽選の中で、大当たり(二種大当たりを含む)に当選し続けることで、所謂「連荘状態」が継続する。そして、大役遊技後、特2保留に基づく8回の大役抽選の中で、大当たり(二種大当たりを含む)に当選できなかった場合には、以後、特1保留により、再度、大当たりの当選を目指すことになる。
【0447】
以下では、大役遊技後、特2保留に基づく大役抽選、つまり、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が連続して8回行われることを前提とし、この8回の図柄の変動表示の開始から終了までの期間を特定期間と呼ぶ。この特定期間に実行される変動演出の一例について説明する。
【0448】
図54は、小当たり当選時の変動演出の一例を説明する図である。特定期間中は、上記のバトル演出が実行される。上記したように、非時短遊技状態では、リーチ態様となった後に、リーチ発展演出としてバトル演出が開始されるが、この特定期間中は、変動演出においてバトル演出のみが実行される。特2保留に基づく大役抽選により小当たりに当選すると、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中、
図54(a)、(b)に示すように、メイン演出表示部200aに、バトル演出用の画像が表示される。なお、バトル演出中は、被覆部材201eが被覆位置に保持されている。
【0449】
そして、主制御基板300において、小当たり図柄として特別図柄b〜eが決定されている場合には、
図54(c)に示すように、味方キャラクタが勝利する画像が表示される。このとき、被覆部材201eが被覆位置から退避位置に作動する。回転リール201a、201b、201cは、有効ライン上に「7」と記された同一の第2の演出図柄211aを表示させた状態で停止している。
【0450】
一方、主制御基板300において、小当たり図柄として特別図柄aが決定されている場合には、
図54(d)に示すように、味方キャラクタが敗北する画像が表示される。このとき、被覆部材201eが被覆位置から退避位置に作動する。回転リール201a、201b、201cは、有効ライン上に「OPEN」と記された特殊図柄からなる第2の演出図柄211aを表示させた状態で停止している。
【0451】
このように、特定期間中は、バトル演出が実行される。バトル演出は、
図54(c)に示す大当たりパターンと、
図54(d)に示すハズレパターンとが設けられている。そして、小当たりに当選した場合には、大当たりパターンおよびハズレパターンのいずれかの実行パターンのバトル演出が、小当たり図柄の種別に応じて実行されることとなる。
【0452】
図55は、小当たり図柄と変動演出の実行パターンとの関係を説明する図である。
図55(a)に示すように、小当たり図柄は、特別図柄a〜eの5種類が設けられており、決定された小当たり図柄の種別に応じて、小当たり遊技における第2大入賞口128の開閉制御がなされる。このとき、特別図柄aが決定されると、特定領域140bへの遊技球の進入が不可能な態様で第2大入賞口128が開閉制御される。つまり、特別図柄aは、二種大当たりが不可能な小当たり図柄となっている。これに対して、特別図柄b〜eが決定されると、特定領域140bへの遊技球の進入が可能な態様で第2大入賞口128が開閉制御される。つまり、特別図柄b〜eは、二種大当たりが可能な小当たり図柄となっている。
【0453】
そして、二種大当たりが不可能な小当たり図柄が決定されると、変動演出の実行パターンがハズレパターンとなり、二種大当たりが可能な小当たり図柄が決定されると、変動演出の実行パターンが大当たりパターンとなる。例えば、
図55(b)に示すように、主制御基板300において、特別図柄aが決定された場合に選択される変動パターン乱数判定テーブルによれば、変動パターン乱数の値に応じて、30H〜34Hの変動パターン番号が決定される。副制御基板330では、変動パターン番号に基づき、後半変動演出決定テーブルを参照して、変動演出の実行パターンが決定される。このとき、後半変動演出決定テーブルでは、変動パターン番号ごとに、いずれかのハズレパターンのバトル演出が決定されるように、選択比率の設定がなされている。
【0454】
具体的には、30Hの変動パターン番号が決定された場合には、
図55(d)に示すように、バトル演出の実行パターンとして、必ず「A−a敗北」が決定される。ここで、「A−a敗北」のうち「A」は味方キャラクタの種類を示し、「a」は敵キャラクタの種類を示し、「敗北」は、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する内容であることを示している。30H〜34Hの変動パターン番号が決定された場合には、それぞれ、バトル演出の実行パターンとして、「A−a敗北」、「B−b敗北」、「C−c敗北」、「D−d敗北」、「E−e敗北」が必ず決定される。したがって、小当たり図柄として、二種大当たりが不可能な特別図柄aが決定された場合には、「A−a敗北」、「B−b敗北」、「C−c敗北」、「D−d敗北」、「E−e敗北」の実行パターンのバトル演出が、それぞれ100/239、75/239、40/239、15/239、9/239の確率で実行されることとなる。
【0455】
これに対して、例えば、
図55(c)に示すように、主制御基板300において、特別図柄bが決定された場合に選択される変動パターン乱数判定テーブルによれば、変動パターン乱数の値に応じて、40H〜45Hの変動パターン番号が決定される。そして、40Hの変動パターン番号が決定された場合には、
図55(d)に示すように、バトル演出の実行パターンとして、必ず「A−a勝利」が決定される。つまり、味方キャラクタAが、敵キャラクタaに勝利するバトル演出が実行される。また、41H〜45Hの変動パターン番号が決定された場合には、それぞれ、バトル演出の実行パターンとして、「B−b勝利」、「C−c勝利」、「D−d勝利」、「E−e勝利」、「ABCDE確定」が必ず決定される。したがって、小当たり図柄として、二種大当たりが可能な特別図柄bが決定された場合には、「A−a勝利」、「B−b勝利」、「C−c勝利」、「D−d勝利」、「E−e勝利」、「ABCDE確定」の実行パターンのバトル演出が、それぞれ10/239、15/239、25/239、75/239、100/239、14/239の確率で実行されることとなる。
【0456】
なお、ここでは、説明の便宜上、1の変動パターン番号に対して、1の変動演出の実行パターンのみが選択され得る場合について説明したが、1の変動パターン番号に対して、複数の変動演出の実行パターンが選択され得るように選択比率を設定してもよい。いずれにしても、小当たり図柄が決定された場合に実行される変動演出の実行パターンは、二種大当たりが可能であるか否か、換言すれば、小当たり遊技における大入賞口の開閉パターンによって異なるものであればよい。
【0457】
図56は、先読み演出の一例を説明する図である。特定期間中は、上記の変動演出と並行して先読み演出が実行される。先読み演出では、
図56(a)に示すように、メイン演出表示部200aに保留表示212が表示される。保留表示212は、主制御基板300における第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶された特2保留と、大役抽選で読み出された特2保留と、にそれぞれ対応している。例えば、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中に、特2保留が4つ記憶されている場合には、
図56(a)に示すように、保留表示212が5つ表示される。このとき、大役抽選で読み出された特2保留に対応する保留表示212は、メイン演出表示部200aの最上部に位置する枠内に表示される。そして、第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている各特2保留に対応する保留表示212は、メイン演出表示部200aの上方から下方に順番に表示される。
【0458】
そして、
図56(a)に示す状態から、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が終了して新たに特2保留が読み出されると、枠内に表示されていた保留表示212が消去され、その下に表示されていた各保留表示212が上方にシフトする。このように、主制御基板300において、特2保留が記憶部内でシフトされるのに伴い、保留表示212がメイン演出表示部200aにおいてシフト表示されることとなる。ここで、保留表示212の表示パターンは複数設けられており、メイン演出表示部200aに表示される保留表示212の表示パターンによって、遊技者に期待度が示唆されている。
【0459】
図57(a)は、保留表示パターン決定テーブルを説明する図であり、
図57(b)は、小当たり図柄ごとの保留表示パターンの選択比率を説明する図である。副制御基板330のサブROM330bには、保留表示パターン決定テーブルが記憶されている。この保留表示パターン決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに、保留表示212の表示パターンの選択比率が図示のように設定されている。ここでは、保留表示212の表示色を互いに異にする5種類の表示パターンが設けられている。
【0460】
主制御基板300においては、保留が記憶されると、取得時演出判定処理(S536、
図25参照)が実行される。この取得時演出判定処理では、新たに記憶された保留について、当該保留に基づいて決定される特別図柄の種別、変動モード番号および変動パターン番号を示す先読み情報を導出しており、これら先読み情報が先読み指定コマンドとして副制御基板330に送信される。副制御基板330では、特定期間中に特2保留が記憶されると、受信した先読み指定変動パターンコマンドに基づいて、保留表示212の表示パターンを決定する。
【0461】
この保留表示パターン決定テーブルによれば、保留表示パターンの選択比率が、小当たり図柄ごとに、
図57(b)に示すように設定されている。ここでは、小当たり図柄の種別、すなわち、小当たり遊技における大入賞口の開閉パターンによって、保留表示212の表示パターンの選択比率が異なる。これにより、大当たりや、二種大当たりが可能な小当たりに当選するか否かの期待度が遊技者に示唆される。
【0462】
上記のように、小当たりに当選して小当たり図柄が決定され、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が行われた後に、第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されると、第2大入賞口128が開閉制御されて小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中は、小当たり演出が実行される。
【0463】
図58は、小当たり遊技中に実行される小当たり演出の一例を説明する図である。二種大当たりが不可能な特別図柄aが第2特別図柄表示器162に停止表示された場合には、
図58(a)に示すように、メイン演出表示部200aに表示された変動演出(バトル演出)用の画像が、小当たり遊技中も表示されたままとなる。なお、メイン演出表示部200aの右上方には、第2遊技領域116bへ向けた遊技球の発射を促す矢印が小さく表示されている。そして、小当たり遊技が終了すると、第2特別図柄表示器162における次なる図柄の変動表示の開始に伴って、次の変動演出(バトル演出)が開始されることとなる。
【0464】
一方、二種大当たりが可能な特別図柄b〜eが第2特別図柄表示器162に停止表示された場合には、
図58(b)に示すように、メイン演出表示部200aに、「Vを狙え」と表示され、また、第2遊技領域116bへ向けた遊技球の発射を促す矢印が大きく表示される。なお、二種大当たりが可能な小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.14秒×12回開放され、この間に特定領域140bに遊技球が進入すると、二種大当たりとなる。特定領域140bに遊技球が進入すると、二種大当たりの当選を遊技者に報知する演出が実行される。
【0465】
ここで、小当たり遊技中は、特定領域140bに即座に遊技球が進入するとは限らず、特定領域140bに遊技球が進入するまでの間に、長時間を要する可能性もある。そこで、例えば、小当たり遊技中に、回転リール201a、201b、201cを回転させ、有効ライン上に表示する第2の演出図柄211aによって、以後の大役遊技におけるラウンド遊技の回数や、大役演出の実行パターン等を示唆する演出を実行してもよい。詳しくは後述するが、本実施形態では、小当たり当選時に、変動演出の実行パターンとともに、大役演出の大まかな内容(系統)をも決定している。そのため、大役演出と関連付けた演出を、小当たり遊技中に実行することができる。
【0466】
そして、小当たり遊技において二種大当たりに当選すると、小当たり遊技に続いて大役遊技が実行される。大役遊技中は、大役演出が実行されるが、二種大当たりした場合に実行される大役演出は、複数の系統に分類されており、系統ごとに大役演出の内容が異なっている。
【0467】
図59は、大役遊技中に実行される大役演出の一例を説明する図であり、
図60は、大役遊技中に実行される大役演出の他の例を説明する図である。本実施形態では、二種大当たり時の大役演出の系統が第1系統〜第6系統の6つに分類されている。二種大当たりが可能な小当たり図柄である特別図柄b〜eが決定された場合には、二種大当たりした場合の大役演出の系統が、変動演出の開始時に予め決定される。
【0468】
このとき、例えば、大役演出の系統が第1系統に決定され、その後、小当たり遊技中に特定領域140bに遊技球が進入して二種大当たりに当選したとする。第1系統の大役演出では、大役遊技における所定回数目のラウンド遊技で上乗せ演出が実行される。具体的には、大役遊技における3回目のラウンド遊技(小当たり遊技を1回目のラウンド遊技とした場合には4回目のラウンド遊技)の開始時に、
図59(a)に示すように、ルーレット画像が表示される。ルーレット画像は、第1領域214a、第2領域214b、第3領域214c、第4領域214dに分割されており、これらの各領域に、例えば、「3R上乗せ」、「15RGET」、「終了」等のメッセージが表示される。その後、
図59(b)、(c)に示すように、第1領域214a〜第4領域214dが順に強調表示され、ルーレット抽選が行われているかのような印象が遊技者に与えられる。
【0469】
ここで、大役遊技で実行されるラウンド遊技の回数は、小当たり図柄の種別ごとに予め設定されている。具体的には、特別図柄bが決定された場合には15回(小当たり遊技を含めて16回)、特別図柄c、d、eが決定された場合には、それぞれ9、6、3回(小当たり遊技を含めて10、7、4回)のラウンド遊技が実行される。そして、例えば、特別図柄b、c、dが決定されていれば、
図59(d)に示すように、最終的に、「3R上乗せ」と記された第1領域214aが識別表示される。その後、
図59(e)に示すように、ラウンド遊技が最低でもあと3回は実行されること、つまり、3回のラウンド遊技の上乗せが遊技者に報知される。
【0470】
一方、特別図柄eが決定されていれば、
図59(f)に示すように、最終的に、「終了」と記された第3領域214cが識別表示され、その後、
図59(g)に示すように、大役遊技の終了が遊技者に報知される。
【0471】
なお、上記の上乗せ演出は、大役遊技の3回目、6回目、9回目、12回目のラウンド遊技において実行され、その他のラウンド遊技では、メイン演出表示部200aに第1系統専用の画像が表示されることとなる。ただし、例えば、3回目のラウンド遊技における上乗せ演出で、「15RGET」が識別表示され、当該大役遊技においてラウンド遊技が15回実行されることが、早い段階で遊技者に報知されることもある。この場合には、以後、上乗せ演出が実行されることはなく、15R確定用の演出が実行されることになる。
【0472】
また、例えば、大役演出の系統が第2系統に決定され、その後、小当たり遊技中に特定領域140bに遊技球が進入して二種大当たりに当選したとする。第2系統の大役演出では、3回のラウンド遊技を1セットとして、大役遊技の継続可否を報知する継続演出が実行される。具体的には、1セットのうちの最初のラウンド遊技の開始時に、
図60(a)に示すように、ミッションが報知される。そして、
図60(b)に示すように、そのミッションを達成するための画像が表示されるとともに、
図60(c)に示すように、ミッション達成までの状況が報知される。
【0473】
こうした演出は、1セットのうちの2回目および3回目のラウンド遊技中も繰り返し行われる。そして、1セットを構成する3回のラウンド遊技の終了後も、さらにラウンド遊技が継続する場合には、
図60(d)、(e)に示すように、ミッションの達成が最終的に報知される。この場合には、さらに次の3回のラウンド遊技を1セットとして、上記のようなミッションの達成可否を報知する演出が実行される。なお、ミッションの達成が報知されるタイミングは、1セットのうちの最初のラウンド遊技となる場合もあれば、2回目のラウンド遊技となる場合もある。
【0474】
一方、1セットを構成する3回のラウンド遊技をもって大役遊技が終了する場合には、
図60(f)、(g)に示すように、ミッションの未達成が最終的に報知され、大役遊技が終了となる。
【0475】
以上のように、大役演出においては、第1演出表示装置200を用いた種々の演出が実行されるが、これと併せて、第2演出表示装置201を用いた演出も実行される。以下に、第2演出表示装置201における大役演出の一例について説明する。
【0476】
図61は、第2演出表示装置201を用いた大役演出の一例を説明する図であり、
図62は、大役中保留先読み演出の一例を説明する図である。大役遊技中は、ラウンド遊技が終了するときに、回転リール201a、201b、201cが回転し、次のラウンド遊技の開始時に、回転リール201a、201b、201cの回転が停止する。つまり、回転リール201a、201b、201cは、ラウンド間インターバル中、回転を継続する。そして、ラウンド遊技の開始時には、
図61(a)に示すように、有効ライン上に「OPEN」と記された特殊図柄からなる第2の演出図柄211aを表示させた状態で、回転リール201a、201b、201cが停止する。
【0477】
上記したように、二種大当たりが不可能な小当たり図柄である特別図柄aが第2特別図柄表示器162に停止表示された場合にも、小当たり遊技の開始時に、「OPEN」と記された特殊図柄からなる第2の演出図柄211aが有効ライン上に表示される。したがって、特殊図柄は、第2大入賞口128の開放を報知する専用の図柄と言える。なお、ラウンド遊技の開始時には、メイン演出表示部200aの右上に、現在のラウンド遊技の回数を示すラウンド表示がなされており、ラウンド表示の更新と、特殊図柄の停止表示とにより、新たなラウンド遊技の開始が明示されることとなる。
【0478】
大役遊技中、各ラウンド遊技の開始時には、基本的に上記の特殊図柄が有効ライン上に表示されるが、所定の条件が成立した場合には、大役中保留先読み演出が実行される。この大役中保留先読み演出では、特殊図柄と異なる特定図柄からなる第2の演出図柄211aが有効ライン上に表示される。具体的には、大役中保留先読み演出が実行される場合には、
図61(b)に示すように、ラウンド遊技の開始時に、メイン演出表示部200aに「7(特定図柄)を狙え」と表示される示唆演出が実行される。この示唆演出が実行されると、各系統の大役演出は一時的に中断される。また、通常、回転リール201a、201b、201cは、ラウンド遊技の開始時に停止するが、示唆演出が実行された場合には、回転リール201a、201b、201cは、ラウンド遊技の開始時も回転を継続している。
【0479】
そして、示唆演出が実行されると、まず、回転リール201cが、メイン演出表示部200aに表示されている特定図柄を有効ライン上に表示させた状態で停止する。その後、
図61(c)に示すように、回転リール201bおよび回転リール201aが、回転リール201cと同一の特定図柄を有効ライン上に表示させた状態で、順番に停止していく。このように、特定図柄からなる第2の演出図柄211aが有効ライン上に表示されると、
図61(d)に示すように、メイン演出表示部200aにおいて、先読みアイコン216の獲得が報知される。この先読みアイコン216は複数パターン設けられており、
図61(d)に示す「祝」と記された先読みアイコン216は、現在記憶されている特2保留の中に、大当たりに当選する保留(大当たり保留)か、二種大当たりに当選可能な保留(二種大当たり保留)が含まれていることを報知する。
【0480】
つまり、大役中保留先読み演出が実行された場合に、大当たりに当選する保留(大当たり保留)か、二種大当たりに当選可能な保留(二種大当たり保留)が記憶されている場合に限り、「祝」と記された先読みアイコン216の獲得が報知されることとなる。このようにして獲得が報知された先読みアイコン216は、対応する保留が読み出されるまで、メイン演出表示部200aに表示され続ける。
【0481】
なお、大役中保留先読み演出において有効ライン上に表示される特定図柄は複数設けられている。例えば、
図62(a)に示すように、示唆演出において、上記と異なる特定図柄からなる第2の演出図柄211aがメイン演出表示部200aに表示されることもある。この場合に、有効ライン上に特定図柄が表示されると、
図62(b)に示すように、例えば、「Eバトル」と記された先読みアイコン216の獲得が報知される。この「Eバトル」と記された先読みアイコン216は、大役遊技後に、味方キャラクタEが登場するバトル演出が実行されることを示すものである。味方キャラクタEが登場するバトル演出は、勝利期待度の高い演出であるため、「Eバトル」と記された先読みアイコン216は、大役遊技後に期待度の高い演出が実行されることを遊技者に報知することとなる。このように、大役中保留先読み演出では、有効ライン上に表示された特定図柄の種類によって、以後に遊技者に付与される遊技利益の内容が示唆、報知されることとなる。
【0482】
なお、ここでは、特定図柄の種類に応じて、獲得される先読みアイコン216の種類を異ならせることとした。しかしながら、有効ライン上に表示される特定図柄を1種類のみとし、特定図柄が表示された後に、獲得される先読みアイコン216を報知してもよい。また、先読みアイコン216を1種類のみ設けることとし、いずれの遊技利益が付与されるのかについては、報知しないこととしてもよい。このようにすれば、大役遊技が終了して所定の遊技利益が付与されるまで、遊技者に期待感や緊張感を継続して付与することができる。
【0483】
次に、上記の大役遊技中の演出の実行パターンの決定処理について説明する。
【0484】
図63は、大役演出の系統の決定処理を説明する図である。副制御基板330には、
図63(a)に示す大役演出系統決定テーブルが記憶されている。この大役演出系統決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに、第1系統〜第6系統の6つの大役演出の系統それぞれの選択比率が図示のように設定されている。副制御基板330においては、二種大当たりが可能な小当たり図柄である特別図柄b〜eが決定された場合に、変動コマンドの受信時、つまり、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時)に、大役演出の系統をいずれかに決定する。
【0485】
なお、ここでは、大役演出の系統と、ラウンド遊技の回数との相関性は有していないが、決定される大役演出の系統に応じて、ラウンド遊技の回数が示唆されるように、変動パターン番号ごとに(小当たり図柄の種別ごとに)選択比率を設定してもよい。
【0486】
そして、上記のように大役演出の系統が決定された後、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されると、主制御基板300においては、小当たり遊技の実行制御がなされる。そして、この小当たり遊技において、特定領域140bに遊技球が進入すると、予め決定されている大役演出の系統に基づいて、シナリオが決定される。ここで、シナリオは、大役演出の系統ごとに設けられており、また、系統ごとに、複数種類のシナリオが設けられている。シナリオは、各系統の大役演出において、どのように演出を展開していくかをラウンド遊技ごとに規定したものである。
【0487】
例えば、
図59に示す第1系統の大役演出においては、ルーレット画像に表示するメッセージ、ルーレット抽選において最終的に識別表示されるメッセージ等、各ラウンド遊技で実行する演出の内容や実行タイミングの詳細がシナリオによって決定される。ここでは、一例として、第1系統シナリオ決定テーブルを
図63(b)に示し、第2系統シナリオ決定テーブルを
図63(c)に示しているが、副制御基板330のサブROM330bには、6つの系統それぞれに対応するシナリオ決定テーブルが設けられている。
【0488】
図63(b)、(c)に示すように、各シナリオ決定テーブルによれば、二種大当たりが可能な小当たり図柄(特別図柄b〜e)ごとに、各シナリオの選択比率が設定されている。なお、小当たり図柄の種別に応じて、大役遊技で実行されるラウンド遊技の回数が異なる。例えば、第1系統の大役演出では、ラウンド遊技が15回実行される場合のシナリオ(15R用のシナリオ)としてNo.1〜No.7の7種類が設けられている。15回のラウンド遊技が実行されるのは、特別図柄bが決定された場合のみである。そのため、第1系統シナリオ決定テーブルによれば、小当たり図柄の種別が特別図柄bであった場合にのみ、シナリオNo.1〜No.7が選択され、その他の小当たり図柄については、シナリオNo.1〜No.7が選択されることがないように、選択比率の設定がなされている。
【0489】
なお、ここでは、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時に大役演出の系統が決定され、特定領域140bに遊技球が進入したときに、先に決定されている系統に基づいて、シナリオ、すなわち、大役演出を構成する各演出の内容および実行タイミングの詳細を決定することとした。しかしながら、シナリオの決定タイミングは、特定領域140bに遊技球が進入したときではなく、大役遊技の開始時であってもよい。いずれにしても、シナリオは、大役遊技の開始時までに決定されればよい。
【0490】
また、特定領域140bに遊技球が進入すると、上記の大役中保留先読み演出の実行有無または実行パターンが決定される。
【0491】
図64(a)は、大役中保留先読み演出決定テーブルを説明する図であり、
図64(b)は、示唆演出決定テーブルを説明する図である。副制御基板330のサブROM330bに記憶されている大役中保留先読み演出決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに、「なし」、「バトルガセ」、「確定ガセ」、「バトルC獲得」、「バトルD獲得」、「バトルE獲得」、「確定アイコン」の選択比率が図示のように設定されている。ここで、「なし」は大役中保留先読み演出を実行しないことを示している。また、「バトルガセ」は、バトル演出用の先読みアイコン216に対応する特定図柄(第2の演出図柄211a)が2つ有効ライン上に停止した後、最後の1つが有効ライン上に停止せずに、先読みアイコン216の獲得に失敗するというバトルガセ演出の実行を示している。
【0492】
同様に、「確定ガセ」は、「祝」と記された先読みアイコン216に対応する特定図柄(第2の演出図柄211a)が2つ有効ライン上に停止した後、最後の1つが有効ライン上に停止せずに、先読みアイコン216の獲得に失敗するという確定ガセ演出の実行を示している。また、「バトルC獲得」、「バトルD獲得」、「バトルE獲得」は、それぞれバトル演出用の先読みアイコン216が獲得される大役中保留先読み演出の実行を示している。さらに、「確定アイコン」は、「祝」と記された先読みアイコン216が獲得される大役中保留先読み演出の実行を示している。
【0493】
特定領域140bに遊技球が進入すると、そのときに記憶されている全ての特2保留に対して、大役中保留先読み演出決定テーブルを参照して、大役中保留先読み演出の実行有無および実行パターンが決定される。各保留については、先読み情報として変動パターン番号が記憶されていることから、変動演出の実行パターン、つまり、バトル演出の実行パターンを保留ごとに把握することができる。ここでは、大役中保留先読み演出と、大役遊技後に実行されるバトル演出等との間に齟齬が生じないように、変動パターン番号に基づいて、図示のように大役中保留先読み演出の実行有無および実行パターンが決定される。
【0494】
そして、大役中保留先読み演出(バトルガセおよび確定ガセを含む)の実行が決定された場合には、示唆演出決定テーブルを参照して、示唆演出の実行パターンが決定される。副制御基板330のサブROM330bに記憶されている示唆演出決定テーブルによれば、実行が決定された大役中保留先読み演出の実行パターンに基づいて、示唆演出の実行パターンが決定されることとなる。
【0495】
次に、上記の演出を実行するための副制御基板330の処理について説明する。
【0496】
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図65は、副制御基板330におけるサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
【0497】
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
【0498】
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0499】
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図66は、副制御基板330におけるサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
【0500】
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
【0501】
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0502】
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
【0503】
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0504】
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、各演出についてセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。ここでは、タイムテーブルにセットされたタイムデータに応じて各種フラグのオン、オフ制御がなされるとともに、各種演出デバイスにコマンドが送信され、これによって変動演出をはじめとする各演出が実行されることとなる。
【0505】
(ステップS1100−9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
【0506】
図67は、上記コマンド解析処理のうち、先読み指定コマンドを受信した際に実行される先読み指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、先読み指定コマンドは、主制御基板300において、
図25のステップS536−5(先読み図柄種別指定コマンド)、ステップS536−21(先読み指定変動モードコマンド)、ステップS536−25(先読み指定変動パターンコマンド)、ステップS536−27(不定値コマンド)でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(
図17参照)によって副制御基板330に送信される。
【0507】
(ステップS1210−1)
先読み指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した先読み指定図柄種別コマンドに基づいて、特別図柄の種別を示す先読み図柄情報を記憶する。なお、サブRAM330cには、主制御基板300の第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域それぞれの第1記憶部〜第4記憶部に対応する先読み情報記憶部が設けられている。ここでは、主制御基板300において保留が記憶された記憶部に対応する先読み情報記憶部に、先読み図柄情報が記憶される。
【0508】
(ステップS1210−3)
サブCPU330aは、受信した先読み指定変動モードコマンド、先読み指定変動パターンコマンドおよび不定値コマンドに基づいて、変動情報を示す先読み変動情報を、上記ステップS1210−1と同じ先読み情報記憶部に記憶する。
【0509】
(ステップS1210−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−3で記憶した先読み変動情報に基づき、保留表示パターン決定テーブル(
図57(a))を参照して、保留表示212の表示パターンを決定する。
【0510】
(ステップS1210−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−5で決定した表示パターンで保留表示212の表示を開始する保留表示開始処理を実行し、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
【0511】
なお、大役遊技中に保留(特2保留)が記憶された場合には、保留表示212の表示を開始せずに、大役遊技後に保留表示212の表示を開始してもよい。
【0512】
図68は、上記コマンド解析処理のうち、変動コマンドを受信した際に実行される変動コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動コマンドは、主制御基板300において、
図30のステップS611−13、ステップS611−17でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(
図17参照)によって副制御基板330に送信される。
【0513】
(ステップS1220−1)
変動コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、当該変動が、連続演出の対象前変動であるかを判定する。なお、詳しい説明は省略するが、大役中保留先読み演出において、バトル演出用の先読みアイコン216が獲得されると、この先読みアイコン216の対象の変動演出(バトル演出)よりも前に実行される変動演出が対象前変動としてセットされる。当該変動が対象前変動であると判定した場合にはステップS1220−3に処理を移し、当該変動は対象前変動ではないと判定した場合にはステップS1220−5に処理を移す。
【0514】
(ステップS1220−3)
サブCPU330aは、変動演出の実行パターンとして、予め設けられた連続演出パターンを決定、記憶する。
【0515】
(ステップS1220−5)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析して記憶する。
【0516】
(ステップS1220−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−5における解析結果に基づいて、後半変動演出決定テーブル(
図53(b))を参照して後半の変動演出の実行パターンを決定、記憶する。
【0517】
(ステップS1220−9)
サブCPU330aは、受信した変動モードコマンドを解析して記憶する。
【0518】
(ステップS1220−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−5における解析結果に基づいて、前半変動演出決定テーブル(
図53(a))を参照して前半の変動演出の実行パターンを決定、記憶する。
【0519】
(ステップS1220−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−7で決定した後半の変動演出の実行パターン、および、上記ステップS1220−11で決定した前半の変動演出の実行パターンに基づいて、各演出テーブルを選択し、選択した演出テーブルを参照して、変動演出を構成する各演出の詳細内容を決定、記憶する。
【0520】
(ステップS1220−15)
サブCPU330aは、決定された変動演出の実行パターンがリーチ変動パターンであるかを判定する。その結果、リーチ変動パターンであると判定した場合にはステップS1220−17に処理を移し、リーチ変動パターンではないと判定した場合にはステップS1220−19に処理を移す。
【0521】
(ステップS1220−17)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−5および上記ステップS1220−9の解析結果に基づいて、被覆部材201eの作動タイミングを決定、記憶する。ここでは、前半の変動演出の時間が経過するタイミングを、被覆部材201eを退避位置から被覆位置に作動させるタイミングとし、前半および後半の変動演出の合計時間が経過する所定時間前のタイミングを、被覆部材201eを被覆位置から退避位置に作動させるタイミングとする。
【0522】
(ステップS1220−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−5の解析結果に基づき、主制御基板300で決定された特別図柄が、二種大当たりが可能な小当たり図柄(特別図柄b〜e)であるかを判定する。その結果、特別図柄b〜eであると判定した場合にはステップS1220−21に処理を移し、特別図柄b〜eではないと判定した場合にはステップS1220−23に処理を移す。
【0523】
(ステップS1220−21)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−5における解析結果に基づいて、大役演出系統決定テーブル(
図63(a))を参照して大役演出の系統を決定、記憶する。
【0524】
(ステップS1220−23)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいてタイムテーブルのタイムデータをセットして、当該変動コマンド受信処理を終了する。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、上記ステップS1100−7において、演出画像をメイン演出表示部200aに表示したり、対応する音声を出力したり、演出照明装置204を点灯したり、回転リール201a、201b、201cの回転制御をしたり、被覆部材201eを作動制御したりすることとなる。
【0525】
図69は、上記コマンド解析処理のうち、特定領域進入コマンドを受信した際に実行される特定領域進入コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、特定領域進入コマンドは、主制御基板300において、
図26のステップS540−7でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(
図17参照)によって副制御基板330に送信される。
【0526】
(ステップS1230−1)
特定領域進入コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、上記ステップS1220−21で決定、記憶された大役演出の系統をロードする。
【0527】
(ステップS1230−3)
サブCPU330aは、第2特別図柄表示器162に停止表示された特別図柄を示す停止図柄情報をロードする。なお、主制御基板300においては、特別図柄の停止表示時に、特別図柄の種別を示す特図停止指定コマンドを副制御基板330に送信しており(ステップS620−19)、副制御基板330では、この特図停止指定コマンドを受信すると、停止図柄情報をサブRAM330cに記憶している。
【0528】
(ステップS1230−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1230−1でロードした大役演出の系統に基づいて、いずれかのシナリオ決定テーブル(
図63(b)、(c))をセットする。そして、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1230−3でロードした停止図柄情報に基づいて、シナリオ決定テーブルを参照してシナリオを決定する。
【0529】
(ステップS1230−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および先読み情報記憶部に記憶されている先読み情報に基づいて、大役中保留先読み演出決定テーブル(
図64(a))を参照して、大役中保留先読み演出の実行有無および実行パターンを決定する。なお、この処理は、記憶されている全ての特2保留について実行される。
【0530】
(ステップS1230−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1230−5で決定されたシナリオから、大役中保留先読み演出の実行可能回数(S)を導出する。なお、大役中保留先読み演出の実行可能回数(S)は、シナリオごとに予め設定されている。
【0531】
(ステップS1230−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1230−7において、大役中保留先読み演出(ガセバトル演出、ガセ確定演出を含む)の実行が決定された保留数、すなわち、大役中保留先読み演出の実行数が、大役中保留先読み演出の実行可能回数(S)よりも大きいかを判定する。その結果、大役中保留先読み演出の実行数が実行可能回数(S)よりも大きいと判定した場合にはステップS1230−13に処理を移し、大役中保留先読み演出の実行数は実行可能回数(S)よりも大きくないと判定した場合にはステップS1230−15に処理を移す。
【0532】
(ステップS1230−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1230−7で決定された大役中保留先読み演出の中から、実行する大役中保留先読み演出を特定する。なお、ここでは、予め設定された優先順位にしたがって実行する大役中保留先読み演出を特定してもよいし、ランダムに抽選により特定してもよく、特定の方法は特に限定されるものではない。
【0533】
(ステップS1230−15)
サブCPU330aは、大役中保留先読み演出を実行するラウンド遊技を決定、記憶する。
【0534】
(ステップS1230−17)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および大役中保留先読み演出の実行パターンに基づいて、示唆演出決定テーブル(
図64(b))を参照して、示唆演出の実行パターンを決定し、記憶する。
【0535】
(ステップS1230−19)
サブCPU330aは、上記各ステップで決定されたラウンド遊技ごとの演出実行情報を記憶する。
【0536】
(ステップS1230−21)
サブCPU330aは、バトル演出用の先読みアイコン216が獲得される大役中保留先読み演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、バトル演出用の先読みアイコン216が獲得されると判定した場合にはステップS1230−23に処理を移し、バトル演出用の先読みアイコン216は獲得されないと判定した場合には当該特定領域進入コマンド受信処理を終了する。
【0537】
(ステップS1230−23)
サブCPU330aは、バトル演出用の先読みアイコン216を獲得するバトル演出の前に変動(対象前変動)があるかを判定する。その結果、対象前変動があると判定した場合にはステップS1230−25に処理を移し、対象前変動はないと判定した場合には当該特定領域進入コマンド受信処理を終了する。
【0538】
(ステップS1230−25)
サブCPU330aは、所定の対象前変動情報を記憶し、当該特定領域進入コマンド受信処理を終了する。ここで記憶された対象前変動情報に基づいて、上記ステップS1220−1において判定処理が実行されることとなる。
【0539】
なお、ここでは、上記ステップS1230−1〜ステップS1230−25の処理を、特定領域進入コマンドの受信を契機として実行することとした。しかしながら、この処理は、例えば、大役遊技における最初のラウンド遊技の開始時に送信される大入賞口開放指定コマンドの受信を契機として実行してもよい。
【0540】
図70は、上記コマンド解析処理のうち、大入賞口開放指定コマンドを受信した際に実行される大入賞口開放指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、大入賞口開放指定コマンドは、主制御基板300において、
図33のステップS640−5でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(
図17参照)によって副制御基板330に送信される。
【0541】
(ステップS1240−1)
大入賞口開放指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、上記ステップS1230−19で記憶された演出実行情報のうち、当該ラウンド遊技に係る演出実行情報をロードする。
【0542】
(ステップS1240−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1240−1でロードした演出実行情報に基づいて、タイムテーブルに演出実行データをセットする。なお、ここでは、受信した大入賞口開放指定コマンドから、現在のラウンド遊技の回数を導出し、メイン演出表示部200aの右上にラウンド表示を表示させる処理を行う。
【0543】
(ステップS1240−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1240−1でロードした演出実行情報に基づいて、回転リール201a、201b、201cの停止データをセットし、当該大入賞口開放指定コマンド受信処理を終了する。ここでは、当該ラウンド遊技において示唆演出が実行されない場合には、「OPEN」と記された特殊図柄からなる第2の演出図柄211aを即座に有効ライン上に停止させる停止データをセットする。一方、示唆演出が実行される場合には、大役中保留先読み演出の実行パターンに基づいて、所定のタイミングで第2の演出図柄211aを停止させる停止データをセットする。
【0544】
図71は、上記コマンド解析処理のうち、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信した際に実行される大入賞口閉鎖指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、大入賞口閉鎖指定コマンドは、主制御基板300において、
図35のステップS650−13でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(
図17参照)によって副制御基板330に送信される。
【0545】
(ステップS1250−1)
大入賞口閉鎖指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、当該ラウンド遊技が最終のラウンド遊技であるかを判定する。その結果、最終のラウンド遊技であると判定した場合には当該大入賞口閉鎖指定コマンド受信処理を終了し、最終のラウンド遊技ではないと判定した場合にはステップS1250−3に処理を移す。
【0546】
(ステップS1250−3)
サブCPU330aは、回転リール201a、201b、201cの回転を開始するデータをセットし、当該大入賞口閉鎖指定コマンド受信処理を終了する。これにより、ラウンド遊技の終了とともに、回転リール201a、201b、201cの回転が開始することとなる。
【0547】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0548】
上記実施形態で説明した演出の具体的な内容は一例に過ぎず、適宜設計変更可能である。また、上記の遊技の内容はいずれも一例に過ぎず、遊技の内容や仕様は適宜設計可能である。
【0549】
また、上記実施形態においては、遊技の進行を制御する主制御基板300と、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて演出を実行制御する副制御基板330とにおいて、上記のとおりに協働することで変動演出が実行されることとした。しかしながら、主制御基板300および副制御基板330において、上記の各機能をどのように分担するかは適宜設計することが可能である。
【0550】
いずれにしても、始動条件の成立により、小当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定し、図柄が決定されると、図柄表示部において所定の変動時間に亘って変動表示を行い、変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示し、図柄表示部に小当たり図柄が表示されると、大入賞口を開閉制御して小当たり遊技を実行し、小当たり遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、さらに大入賞口を開閉制御して大役遊技を実行する遊技機であればよい。
【0551】
また、上記実施形態では、大役演出の系統が決定された後に、系統ごとに設けられた複数のシナリオの中からいずれかを決定することとした。また、シナリオには、各ラウンド遊技で実行する演出の内容や実行タイミングが規定されていることとした。しかしながら、各ラウンド遊技で実行する演出の内容や実行タイミングは、シナリオではなく、個別の抽選によって決定してもよい。あるいは、大役演出の系統をさらに細分化しておき、系統自体に、各ラウンド遊技で実行する演出の内容や実行タイミングを規定してもよい。この場合には、大役遊技の開始時や特定領域に遊技球が進入したときに、演出の内容等を決定する処理が不要となる。
【0552】
また、上記実施形態では、二種大当たりが可能な小当たり図柄である特別図柄b〜eが決定された場合に限り、変動演出の開始時に大役演出の系統を決定することとした。しかしながら、小当たり図柄の種別に拘わらず、変動演出の開始時に大役演出の系統を決定してもよい。
【0553】
なお、上記実施形態において、
図29のステップS610−11の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の図柄決定手段に相当する。
また、上記実施形態における第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162が、本発明の図柄表示部に相当し、
図31の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の図柄表示手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図33〜
図36の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の大入賞口制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図68および
図69の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の演出決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図66のステップS1100−7の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の演出実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図24の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の保留記憶手段に相当する。