(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774286
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】鏡を有する照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20201012BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20201012BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20201012BHJP
【FI】
F21V33/00 440
F21S2/00 451
F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-191773(P2016-191773)
(22)【出願日】2016年9月29日
(65)【公開番号】特開2018-55991(P2018-55991A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】508364174
【氏名又は名称】早水電機工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510316752
【氏名又は名称】沖 孝二
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖 孝二
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−238552(JP,A)
【文献】
特開2013−145651(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3186173(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の透過が可能な矩形状の導光板と、
前記導光板の背面の中央部に取り付けられた矩形状の鏡と、を含み、
前記鏡は前記導光板によってその周囲が囲まれ、
前記導光板の一部に設けられ、前記導光板に光を入射する光源部とを含み、
前記導光板の背面には、前記鏡のみが設けられる、鏡を有する照明装置。
【請求項2】
前記光源部は、前記導光板の1辺に設けられる、請求項1に記載の鏡を有する照明装置。
【請求項3】
前記光源部は、前記導光板の隣接する2辺に設けられる、請求項1または2に記載の鏡を有する照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は鏡を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鏡を備えた照明装置が、たとえば、特開2013−145651号公報(以下、「特許文献1」という)に開示されている。
【0003】
特許文献1によれば、鏡を備えた照明装置は、鏡部と、鏡部の周囲の少なくとも一部に配置された透光部とを有するカバー部と、透光部の背面の少なくとも一部に、かつ、鏡部の背面の少なくとも一部に重なるように配置され、端部から入射された光を透光部の背面に向けて出射させる導光板と、導光板の端部に光を入射する半導体光源ユニットとを備え、カバーと導光板が鏡部の少なくとも一部において固着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−145651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の鏡を備えた照明装置は上記のように構成されていた。基本的に、中央部に鏡面を形成し、その矩形状の下の辺を除く「コ」の字状に鏡面の周囲に面発光部を設けるように構成されている。また、他の実施の形態として、外周部に埋め込み型の矩形状のLEDモジュールを用いて鏡面部の周囲を囲む「ロ」の字状に面発光部を設けてもよい、とか、面発光部の裏面にも鏡面を設けてもよいという記載がある。
【0006】
しかしながら、このような構成であると、鏡面の全周に面発光部を設けるために複雑な構成を採用する必要があるという問題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、簡単な構成で、顔全体を均等に照明できる、照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る、鏡を備えた照明装置は、光の透過が可能な矩形状の導光板と、導光板の背面の中央部に取り付けられた鏡面と、を含む。鏡面の全周は導光板によって囲まれ、導光板の一部に設けられ、導光板に光を入射する光源部とを含み、鏡面の背面側には、導光板と鏡とのみが設けられる。
【0009】
好ましくは、鏡は導光板によってその周囲が囲まれる。
【0010】
光源部は、導光板の1辺に設けられてもよいし、導光板の隣接する2辺に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明においては、鏡面の全周が導光板によって囲まれるため、導光板に光を入射して照明装置とすることにより、鏡面の全周から光を照射されとともに、鏡面の背面側には、導光板と鏡とのみが設けられる。
【0012】
その結果、簡単な構成で、顔全体を均等に照明できる、鏡を備えた照明装置、を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の一実施の形態に係る照明装置を示す図である。
【
図2】
図1(B)においてII−IIで示す部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1および
図2はこの発明の一実施の形態に係る鏡を有する照明装置10を示す図である。
図1(A)は鏡を有する照明装置10の平面図であり、
図1(B)は
図1(A)において矢印IB−IBで示す正面図である。また、
図2は
図1(B)において矢印II−IIで示す断面図である。
【0015】
図1および
図2を参照して、鏡を有する照明装置10は、矩形状の面を有する導光板11と、導光板11の背面において、導光板11のほぼ中央に設けられ、導光板11側に鏡面を有する鏡12と、導光板11の上端部の両側端部に設けられたLED光源部13a,13bと、導光板11の一方側端部の上下の両側端部に設けられたLED光源部14a,14bと、を含む。導光板の背面側には鏡のみが設けられる。
【0016】
導光板の背面の中央部に矩形状の鏡が取り付けられているため、正面から見ると、鏡は導光板によってその側面が挟まれたように見える。
【0017】
ここで、LED光源部13a,13bは、鏡12の横方向両端部の上方向への延長線上を挟む位置に設けるのが好ましい。なお、LED光源部14a,14bも同様である。
【0018】
図2を参照して、導光板11は、一方面11aと対向する他方面11bとを有する矩形のガラスまたはアクリル板のような透光性を有する材料で形成される。導光板11の一方面11b側には、特殊インクで印刷されたドットパターン(ドット状のシルク印刷パターン)15a・・・15dと、導光板11の一方面及び対向する他方面とを接続する端面の一方側に設けられたLED光源13aとを含む。
【0019】
ここで、ドットパターン15はそこに入射した光を外部へ散乱させるために設けられている。すなわち、LED光源13aから導光板11に入射された光は導光板11の一方面および他方面で反射されて図中矢印に示す方向に光を伝播する。このとき、ドットパターン15に入射した光はその点で外部へ散乱される(図中点線で示す)。したがって、このドットパターン15の設けられた位置から光が導光板11の一方側および他方側に放射される。
【0020】
なお、導光板11がLED光源13aから離れた位置まで延在するときは、このドットパターン15を設ける間隔や密度を変えて、均一に光が照射されるように配置される。例えば、間隔を変えるときは、LED光源13aから離れるほど、間隔を小さくする。
【0021】
また、ここでは、ドットパターン15を一方面11b側にのみ設けたが、他方面11a側にも設けてもよい。そうすれば、両面での光の照射量が増加するため、鏡12の周囲をより明るくできる照明装置10が提供できる。
【0022】
なお、
図2では、鏡を有する照明装置10の縦方向の一方側のみを示しているが、LED光源13bが設けられた側も同様である。
【0023】
さらに、
図1(B)に示すように、LED光源14a、14bが鏡12の上下に水平に設けられているが、これらの配列も
図2と同様である。
【0024】
また、ここでは、LED光源を導光板の一方側端部にのみ設けたが、これに限らず、対向するように、それぞれの両端部に設けてもよい。
【0025】
以上のように、この実施の形態では、鏡面の全周が導光板によって囲まれるため、導光板に光を入射して照明装置とすることにより、鏡面の全周から、鏡を見る人の顔に光が照射されとともに、導光板が透明のため、照明装置10の背面側も明るくすることができる。
【0026】
その結果、鏡を有する照明装置を、その背景も考慮して配置することができる。
【0027】
また、導光板の背面側には、その中央部に鏡のみが設けられるため、簡単な構成で、鏡面の全周から鏡を見る人の顔に光を照射できる。
【0028】
その結果、簡単な構成で、顔全体を均等に照明できる、鏡を備えた照明装置、を提供できる。
【0029】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。
図3はこの発明の他の実施の形態に係る照明装置20を示す図である。
図3は、先の実施の形態における
図1(B)に対応する。
【0030】
図3を参照して、この実施の形態においては、
図1の実施の形態と比べて、横方向のLED光源が省略されている点のみが異なる。
【0031】
したがって、基本的な構成は先の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0032】
この実施の形態によれば、導光板21の背面にその高さ方向を合わせて背面に鏡を設けたため、簡単な構成で、鏡を見る人の顔を明るく照明できる鏡を有する照明装置、を提供できる。
【0033】
なお、導光板の裏面への鏡の取付方法としては、接着、ねじ止め等の任意の方法で行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
この発明によれば、簡単な構成で、顔全体を均等に照明できる、照明装置を提供することできるため、照明装置として有利に使用される。
【符号の説明】
【0035】
10 照明装置、11 導光板、12 鏡、13a,13b,14a,14b LED光源部、15a〜15d ドットパターン。