(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における指針駆動用モータユニットを含む電子機器1の構成を示す構成図である。第1の実施形態における電子機器1は、例えば無線通信機能を有するスマートウォッチである。例えば、電子機器1は、外部装置の指示に応じて動作する。なお、電子機器1は、端末20等の外部装置から受信したプログラムを実行可能な電子時計であってもよい。また、電子機器1は、基地局やルータ等の中継機器を含むネットワークにアクセスして、上記プログラムをダウンロードする電子時計であってもよい。
【0016】
電子機器1は、例えば、発振回路2、操作部3、主制御部4、第1指針駆動用モータユニット5、および通信部10を備える。また、電子機器1は、腕等に装着可能なようにベルト(装着部)BL(後述する
図4参照)を備えている。また、電子機器1は、端末20と通信して、情報の送受信を行う。端末20は、例えばスマートフォン(多機能携帯電話)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機器、ホームネットワーク機器、車載システム機器等である。
【0017】
主制御部4には、発振回路2、操作部3、通信部10が接続される。主制御部4は、後述する第1指針駆動用モータユニット5が配置される支持体51とは異なる支持体(基体)に配置され、第1指針駆動用モータユニット5と、n本(nは任意の数)の信号線WRを介して接続される。信号線WRの数は、主制御部4から第1指針駆動用モータユニット5に出力する信号の種類に応じて変更されてよい。本実施形態では、一例として、6本(n=6)の信号線WRが主制御部4および第1指針駆動用モータユニット5に接続されるものとして説明する。信号線WRは、「接続部」の一例である。
【0018】
発振回路2は、例えば32.768kHzの水晶振動子を備え、この水晶振動子が発生させた信号を分周して、主制御部4内で時刻を刻むための基準信号を生成し、生成した基準信号を主制御部4に出力する。
【0019】
操作部3は、例えば竜頭、ボタン等である。操作部3は、利用者により操作(例えば、回転操作や押圧操作)された場合に、この操作に応じた操作信号を主制御部4に出力する。操作信号には、例えば、各指針の位置の調整指示(時刻合わせ指示)、クロノグラフの計測開始指示、クロノグラフの計測終了指示、クロノグラフの表示をリセットする指示、アラームの設定時刻等が含まれてよい。
【0020】
通信部10は、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity)規格や、Bluetooth(登録商標) LE(Low Energy)(以下、BLEという)規格の通信方式を用いて、端末20との間で指示や情報の送受信を行う。端末20から受信する指示には、例えば、指針を1秒で運針させる指示や、指針を順方向(時計回り)に所定角度分駆動させる指示、指針を逆方向(反時計回り)に所定角度分駆動させる指示、現時刻を基準にカウントダウン(−1秒で運針)させる指示、指針を連続駆動させる指示、1秒または−1秒の運針を停止させる指示等が含まれている。
【0021】
通信部10は、端末20から受信した情報を主制御部4に出力する。また、通信部10は、主制御部4が出力した情報を、端末20等の外部装置へ送信する。主制御部4が出力する情報には、例えば端末20から受信した情報に対する応答、電子機器1が備えるユニット数を示す情報、電子機器1が備える指針数を示す情報等が含まれてよい。
【0022】
主制御部4は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが記憶部(不図示)に記憶されたプログラムを実行することにより電子機器1の動作を制御する。なお、CPUは、MPU(マイクロプロセッサユニット)やMCU(マイクロコントローラユニット)を含む概念として表記するものであり、本発明の機能、作用、効果のいずれかを達成できるものであればよい。
【0023】
主制御部4は、通信部10が出力した指示を取得し、取得した指示に応じて対応する信号線WRを制御する。主制御部4は、指針を1秒で運針させる指示を取得した場合、信号線WRaにおいて、信号のレベルを閾値未満(以下、L(ロー)レベルと称する)から閾値以上(以下、H(ハイ)レベルと称する)に所定時間変化させる。また、主制御部4は、信号のレベルをHレベルからLレベルに所定時間変化させてもよい。いずれの場合であっても、所定閾値を超えるか否かが検出されることで、LレベルからHレベル、またはHレベルからLレベルの変化が検出される。
【0024】
主制御部4は、指針を順方向(時計回り)に所定角度分駆動させる指示を取得した場合、信号線WRbをLレベルからHレベルに所定時間変化させる。主制御部4は、指針を逆方向(反時計回り)に所定角度分駆動させる指示を取得した場合、信号線WRcをLレベルからHレベルに変化させる。主制御部4は、現時刻を基準にカウントダウン(−1秒で運針)させる指示を取得した場合、信号線WRdをLレベルからHレベルに所定時間変化させる。主制御部4は、指針を連続動作させる指示を取得した場合、信号線WReをLレベルからHレベルに所定時間変化させる。主制御部4は、1秒または−1秒の運針を停止させる指示を取得した場合、信号線WRfをLレベルからHレベルに所定時間変化させる。なお、本実施形態では、主制御部4が制御部56に出力する信号を指令信号ともいう。
また、本実施形態において、信号線WRaからWRfに出力される指令信号のうち、いずれか1つが「第1の指令信号」であり、残りの少なくとも1つが「第2の指令信号」である。
【0025】
このように、本実施形態では、主制御部4が、外部装置である端末20が送信した指示に応じて、対応する信号線WRの信号レベルをLレベルからHレベルに変化させるのみで、第1指針駆動用モータユニット5を制御する。
【0026】
なお、指令信号において、パルス信号の振幅(信号レベル)、パルスの幅、デューティ比、周波数、パルス数等の信号パラメータが信号線WRごとに異なっていてもよいし、出力する信号線WRの種別に関わらずに信号パラメータが同一であってもよい。指令信号における信号パラメータは、「パルスの態様」の一例を表す指標である。また、指令信号は、矩形状のパルス信号に限られず、三角波信号や鋸波信号、正弦波信号、インパルス信号であってもよい。
【0027】
なお、主制御部4は、端末20から連続して情報を通信部10が受信した場合、受信した順番で、信号線WRに指令信号を出力する。
【0028】
第1指針駆動用モータユニット5は、支持体51、入力部52、発振回路54、記憶部55、制御部56、第1のモータ57、第1の指針58を備えている。なお、第1の指針58は、第1指針駆動用モータユニット5の外部に取付けられる形態とする場合もある。
【0029】
支持体51は、基板、ベースとなる地板、地板上に配置された部品を反対側から抑える受板、その他ケース部、第1のモータ57の回転軸が接合する軸受等を含む。地板上に基板が配置され、基板上に、配線、入力部52、発振回路54、記憶部55、制御部56、第1のモータ57、モータからのトルクを伝達する歯車列である輪列等が配置される。これら部品を、受板により留めることでユニットが組み立てられる。なお、地板には、後述する接続端子となる電極が配置され、この電極が内部の電子部品とユニット外部とを電気的に導通する役目を担う。
【0030】
入力部52は、制御部56の通信インターフェースである。入力部52は、信号線WRaと接続される第1のポート端子52aと、信号線WRbと接続される第2のポート端子52bと、信号線WRcと接続される第3のポート端子52cと、信号線WRdと接続される第4のポート端子52dと、信号線WReと接続される第5のポート端子52eと、信号線WRfと接続される第6のポート端子52fと、を備える。
図1の例では、入力部52の各ポート端子は、制御部56が設置される支持体51とは別体に設けられているが、これに限られない。入力部52の各ポート端子は、制御部56内部の物理層にソケットとして設けられてもよいし、物理層の各ソケットと信号線WRとから成る仮想的な信号の入出口であってもよい。また、第1のポート端子52aから第6のポート端子52fのうち、いずれか1つは、「第1の入力部」の一例であり、他のポート端子は、「第2の入力部」の一例である。
【0031】
発振回路54は、例えば32.768kHzの水晶振動子を備え、この水晶振動子が発生させた信号を分周(分周比:1/n)して、第1の指針を駆動するための基準信号を生成し、生成した基準信号を制御部56に出力する。例えば、発振回路54は、1Hz(n=1)の基準信号を生成する。また、発振回路54は、制御部56の制御を受けて、分周の比率を変更し、基準信号を生成する。例えば、発振回路54は、分周の比率を変更して、64Hz(n=64)の基準信号を生成する。なお、基準信号は、クロック信号と同義である。
【0032】
第1のモータ57は、ステッピングモータであり、制御部56から出力される駆動信号に基づいて回転する。第1のモータ57の回転軸(不図示)には、第1の指針58が回転可能に支持される。第1の指針58は、支持体51に含まれる軸受に支持され、第1のモータ57の回転駆動に伴って支持体51に対して回転する。
【0033】
記憶部55は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体によって実現されてよい。記憶部55は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、後述する駆動信号対応テーブル55aおよび駆動信号SIG_E生成テーブル55b等を格納する。駆動信号対応テーブル55aおよび駆動信号SIG_E生成テーブル55bは、「対応テーブル」の一例である。
【0034】
制御部56は、例えば、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてよい。制御部56は、記憶部55が格納する駆動信号対応テーブル55aを参照して、主制御部4から指令信号が入力された入力部52のポート端子の種別に応じて、第1のモータ57を駆動させるための駆動信号を生成する。そして、制御部56は、生成した駆動信号を第1のモータ57に出力する。
なお、制御部56は、主制御部4が出力した信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングで駆動信号を出力する。制御部56は、所定の閾値と信号とを比較し、比較した結果に基づいて、信号の立ち上がりエッジ、または信号の立ち下がりエッジを検出し、検出したタイミングで駆動信号を出力する。
【0035】
図2は、記憶部55が記憶する駆動信号対応テーブル55aの一例を示す図である。図示の例のように、駆動信号対応テーブル55aには、ポート端子の種別ごとに、指針の動作パターンと、この動作パターンで指針を駆動させるための駆動信号とが対応付けられている。例えば、第1のポート端子52aには、動作パターンとして「1秒運針」と、駆動信号SIG_Aとが対応付けられている。つまり、駆動信号対応テーブル55aは、入力部である第1のポート端子52aと第1の指針58の動作と第1の指針58を駆動する第1のモータ57の駆動信号との対応関係が記憶されているものである。
【0036】
次に、各ポート端子に指令信号が入力された場合の制御部56の動作について説明する。制御部56は、第1のポート端子52aに指令信号が入力された場合、発振回路54により生成された基準信号の周波数(例えば1Hz)を用いて、第1の指針58を時計周りに1秒ずつ運針させるための駆動信号SIG_Aを生成する。そして、制御部56は、生成した駆動信号SIG_Aを第1のモータ57に出力して、第1の指針58を時計周りで1秒ごとに6度ずつ回転させる。
【0037】
また、第2のポート端子52bに指令信号が入力された場合、制御部56は、発振回路54により生成された基準信号の周波数を用いて、第1の指針58を時計周りに所定角度(例えば、60度)で回転させるための駆動信号SIG_Bを生成する。そして、制御部56は、生成した駆動信号SIG_Bを第1のモータ57に出力して、第1の指針58を時計周りに所定角度分回転させる。
【0038】
また、第3のポート端子52cに指令信号が入力された場合、制御部56は、発振回路54により生成された基準信号の周波数を用いて、第1の指針58を反時計周りに所定角度(例えば、60度)で回転させるための駆動信号SIG_Cを生成する。そして、制御部56は、生成した駆動信号SIG_Cを第1のモータ57に出力して、第1の指針58を反計周りに所定角度分回転させる。
【0039】
また、第4のポート端子52dに指令信号が入力された場合、制御部56は、発振回路54により生成された基準信号の周波数を用いて、第1の指針58を反時計周りに1秒ずつ運針させるための駆動信号SIG_Dを生成する。そして、制御部56は、生成した駆動信号SIG_Dを第1のモータ57に出力して、第1の指針58を反時計周りに1秒ごとに6度ずつ回転させる。
【0040】
また、第5のポート端子52eに指令信号が入力された場合、制御部56は、発振回路54の分周の比率を変更し、この分周の比率を変更した発振回路54により生成された基準信号の周波数(例えば64Hz)を用いて、第1の指針58に所定の連続動作をさせるための駆動信号SIG_Eを生成する。所定の連続動作とは、例えば、時刻の計時とは無関係な一連の指針の動作である。主制御部4により第5のポート端子52eに指令信号が入力されることは、端末20がメールを受信したことや、リマインダーの報知等を、電子機器1を用いてユーザに知らせることを目的としているため、制御部56は、例えば、時刻の計時とは無関係な一連の指針の動作として、指針を数秒間に時計周り、或いは反時計周りに何度も回転させたり、指針を不規則に回転させたりして、ユーザの注意を惹くようにしてよい。このような指針の動作は、それぞれ制御内容の異なる一連の駆動信号を、連続的、或いは間欠的に第1のモータ57に出力することで実現する。例えば、制御部56は、この一連の駆動信号を、記憶部55に格納された駆動信号SIG_E生成テーブル55bを参照して生成する。
【0041】
また、第6のポート端子52fに指令信号が入力された場合、制御部56は、発振回路54により生成された基準信号の周波数を用いて、第1の指針58を時計周りに1秒または−1秒ずつ運針させる動作を停止させるための駆動信号SIG_Fを生成する。そして、制御部56は、生成した駆動信号SIG_Fを第1のモータ57に出力して、第1の指針58の駆動を停止させる。
【0042】
図3は、記憶部55が記憶する駆動信号SIG_E生成テーブル55bの一例を示す図である。
図3に示すように、制御内容を示す制御項目ごとに、スロット番号(図中、スロットNo.)と、周波数とが対応付けられている。スロット番号は、処理の順番を表している。制御項目には、例えば、指針の駆動速度(図中、針駆動速度)、指針の回転方向(図中、回転方向)、指針の回転角度(図中、回転角度)、指針の回転動作を開始する位置(図中、動作開始位置)、指針の回転方向を反転させて規定の回転角度分回転させるか否かを示す情報(図中、往復の可否)等が含まれる。これら制御項目は、スロット番号ごとにそれぞれ対応付けられており、制御部56は、このスロット番号ごとの制御項目の内容に応じて駆動信号を生成する。この際、制御部56は、制御項目に対応付けられている周波数(例えば64Hz)で駆動信号を生成する。そして、制御部56は、スロット番号1からNまでのそれぞれに対応したN個の駆動信号を、例えば対応するスロット番号の小さい順から順次第1のモータ57に出力する。この一連のN個の駆動信号の集合は、駆動信号SIG_Eに相当する。換言すれば、駆動信号SIG_E生成テーブル55bは、第1の指針58の動作と当該動作に応じて第1のモータ57を駆動するための駆動信号との対応関係が記憶されるものである。
【0043】
図4は、駆動信号SIG_Eにより回転駆動する第1の指針58の連続動作の一例を示す図である。駆動信号SIG_E生成テーブル55bを用いて生成される駆動信号SIG_E(一連の駆動信号)は、例えば、
図4に示すような、第1の指針58を所定の回転角度幅θ(例えば10時から2時の範囲で)で何度も往復するように第1のモータ57を制御するための信号である。制御部56は、このような駆動信号SIG_Eを第1のモータ57に出力して、図示のような第1の指針58の駆動を制御する。なお、制御部56は、第1の指針58の他の連続動作として、例えば、第1の指針58を時計周りに30度、60度、30度、…のように不規則な駆動で制御してもよい。
【0044】
図5は、第1の実施形態における制御部56の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、1Hzの周期で繰り返し行われてよい。
まず、制御部56は、第1から第4のポート端子それぞれの指令信号のレベルを逐次取得する。なお、制御部56は、例えば、第1のポート端子から第4のポート端子の順番に、指令信号のレベルを取得する。続けて、制御部56は、第1から第4のポート端子のいずれかの指令信号のレベルがHレベルであるか否かを判定する(ステップS100)。第1から第4のポート端子のいずれかの指令信号のレベルがHレベルであると判定した場合(ステップS100;Yes)、制御部56は、指令信号のレベルがHレベルであることを検出したポート端子と異なる他のポート端子の指令信号のレベルがHレベルであるか否かを判定する(ステップS102)。
【0045】
第1から第4のポート端子のいずれの指令信号のレベルがHレベルではないと判定した場合(ステップS100;No)、或いは2つ以上のポート端子の指令信号のレベルがHレベルであると判定した場合(ステップS102;Yes)、制御部56は、駆動信号を生成せずに、本フローチャートの処理を終了する。なお、制御部56と主制御部4とが、第7のポート端子(不図示)を備える場合、制御部56は、例えば、指示の応答としてエラー信号を主制御部4に出力するようにしてもよい。
【0046】
一方、1つのポート端子のみの指令信号のレベルがHレベルであると判定した場合(ステップS102;No)、制御部56は、駆動信号対応テーブル55aを参照して、指令信号が入力されたポート端子に対応する駆動信号SIGを生成する(ステップS104)。
【0047】
次に、制御部56は、生成した駆動信号SIGを第1のモータ57に出力する(ステップS106)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0048】
図6は、第1の実施形態における制御部56の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、1Hzの周期で繰り返し行われてよい。
まず、制御部56は、第5のポート端子52eの指令信号のレベルがHレベルであるか否かを判定する(ステップS200)。第5のポート端子52eの指令信号のレベルがHレベルである場合(ステップS200;Yes)、制御部56は、指令信号が入力された第5のポート端子52eと異なる他のポート端子の指令信号のレベルがHレベルであるか否かを判定する(ステップS202)。
【0049】
第5のポート端子52eの指令信号のレベルがHレベルでない場合(ステップS200;No)、或いは複数のポート端子の指令信号のレベルがHレベルである場合(ステップS202;Yes)、制御部56は、本フローチャートの処理を終了する。
【0050】
一方、第5のポート端子52eの指令信号のレベルのみがHレベルであった場合(ステップS202;No)、制御部56は、発振回路54の分周の比率を変更する(ステップS204)。次に、制御部56は、分周の比率を変更した発振回路54により生成された基準信号の周波数を用いて、スロット番号1からNまでのそれぞれに対応したN個の駆動信号(駆動信号SIG_E)を生成する(ステップS206)。
【0051】
次に、制御部56は、駆動信号SIG_Eとして生成したN個の駆動信号を、スロット番号の小さい順(または大きい順)から順次第1のモータ57に出力する(ステップS208)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
なお、
図6に示した例では、制御部56に入力される信号が、ローレベルからハイレベルに変化したとき駆動信号を生成する例を示したが、制御部56は、入力される信号が、ハイレベルからローレベルに変化したとき駆動信号を生成するようにしてもよい。
【0052】
図7は、制御部56が出力する駆動信号の一例を示す図である。
図7において、横軸は、例えば時間tを表し、縦軸は、例えば信号レベルを表す。例えば、制御部56は、周波数が1Hzの周期で繰り返す三角波信号を駆動信号SIG_Aとして出力する。また、制御部56は、周波数が1Hzの周期で単発の三角波信号を駆動信号SIG_Bとして出力する。また、制御部56は、駆動信号SIG_Bに対して極性が反転した信号を駆動信号SIG_Cとして出力する。また、制御部56は、駆動信号SIG_Aに対して極性が反転した信号を駆動信号SIG_Dとして出力する。また、制御部56は、スロットごとの制御内容に応じて生成した駆動信号が連続した駆動信号SIG_Eを出力する。なお、制御部56は、駆動信号SIG_Fを、駆動信号SIG_Aまたは駆動信号SIG_Dの信号レベルを全時間においてLレベル(例えば0)にした信号として出力する。
【0053】
以上説明した第1の実施形態によれば、主制御部4から指令信号が入力される複数のポート端子を含む入力部52と、複数のポート端子のいずれかに指令信号が入力された場合に、指令信号が入力されたポート端子の種別に応じた駆動信号を第1のモータ57に出力する制御部56と、を備えることにより、主制御部4から第1指針駆動用モータユニット5に含まれる制御部56に出力する指令信号を簡素な信号にでき、端末20からの情報に応じて指令信号の出力先のポート端子(信号線WR)を決定するため、ステッピングモータによる時計の指針の駆動を簡易に制御することができる。
【0054】
また、第1の実施形態によれば、主制御部4のプロセッサに用いるプログラムは、端末20により送信された情報に応じて指令信号の出力先のポート端子(信号線WR)を決定し、指令信号を信号線WRおよびポート端子を介して、第1指針駆動用モータユニット5に出力するような簡易なプログラムで実現することができる。従って、このプログラムの作成者は、モータの特性や駆動信号の生成方法を理解する必要が無く、例えば、主制御部4が第1のポート端子52aから第6のポート端子52fのいずれかに指令信号を出力するだけの簡易なプログラムを作成するだけでよくなる。この結果、第1の実施形態によれば、プログラム作成における負荷を軽減することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態における指針駆動用モータユニットを含む電子機器1Aについて説明する。第2の実施形態における指針駆動用モータユニットを含む電子機器1Aでは、複数のユニットを備える点で、第1の実施形態における電子機器1と相違する。従って、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
【0056】
図8は、第2の実施形態における指針駆動用モータユニットを含む電子機器1Aの構成を示す構成図である。第2の実施形態における電子機器1Aは、上述した発振回路2、操作部3、主制御部4、および通信部10を備え、さらに第1指針駆動用モータユニット5Aと、第2指針駆動用モータユニット6と、第3指針駆動用モータユニット7と、付加ユニット8と、を備える。
【0057】
第1指針駆動用モータユニット5Aは、例えば、支持体51、入力部52、出力部53、発振回路54、記憶部55、制御部56、第1のモータ57A、第2のモータ57B、第1の指針58A、第2の指針58Bを備える。なお、第1の指針58A、第2の指針58Bは、第1指針駆動用モータユニット5Aの外部に取付けられる形態とする場合もある。
【0058】
支持体51は、基板、ベースとなる地板、地板上に配置された部品を反対側から抑える受板、その他ケース部、第1のモータ57Aおよび第2のモータ57Bの回転軸が接合する軸受等を含む。地板上に基板が配置され、基板上に、配線、入力部52、出力部53、発振回路54、記憶部55、制御部56、第1のモータ57A、第2のモータ57B、モータからのトルクを伝達する歯車列である輪列等が配置される。これら部品を、受板により留めることでユニットが組み立てられる。なお、地板には、後述する接続端子となる電極が配置され、この電極が内部の電子部品とユニット外部とを電気的に導通する役目を担う。
【0059】
出力部53は、例えば、第2指針駆動用モータユニット6、第3指針駆動用モータユニット7、および付加ユニット8との接続端子である。制御部56により出力される信号は、出力部53を介して各ユニットに出力される。
【0060】
第1のモータ57Aおよび第2のモータ57Bは、例えば、ステッピングモータである。第1のモータ57Aおよび第2のモータ57Bは、制御部56から出力される駆動信号に基づいて回転する。第1の指針58Aは、支持体51に含まれる軸受に支持され、第1のモータ57Aの回転駆動に伴って支持体51に対して回転する。また、第2の指針58Bは、支持体51に含まれる軸受に支持され、第2のモータ57Bの回転駆動に伴って支持体51に対して回転する。例えば、第1の指針58Aは、分針であり、第2の指針58Bは、時針である。
【0061】
第2指針駆動用モータユニット6は、支持体61と、入力部62と、第3のモータ67と、第3の指針68とを備える。支持体61は、基板、ベースとなる地板、地板上に配置された部品を反対側から抑える受板、その他ケース部、第3のモータ67の回転軸が接合する軸受等を含む。地板上に基板が配置され、基板上に、配線、入力部62、第3のモータ67、モータからのトルクを伝達する歯車列である輪列等が配置される。これら部品を、受板により留めることでユニットが組み立てられる。なお、地板には、後述する接続端子となる電極が配置され、この電極が内部の電子部品とユニット外部とを電気的に導通する役目を担う。
【0062】
第3のモータ67は、例えば、ステッピングモータである。第3のモータ67は、制御部56から出力される駆動信号に基づいて回転する。第3の指針68は、支持体61に含まれる軸受に支持され、第3のモータ67の回転駆動に伴って支持体61に対して回転する。第3の指針68は、例えば、秒針である。
【0063】
第3指針駆動用モータユニット7は、支持体71と、入力部72と、第4のモータ77と、第4の指針78とを備える。支持体71は、基板、ベースとなる地板、地板上に配置された部品を反対側から抑える受板、その他ケース部、第4のモータ77の回転軸が接合する軸受等を含む。地板上に基板が配置され、基板上に、配線、入力部72、第4のモータ77、モータからのトルクを伝達する歯車列である輪列等が配置される。これら部品を、受板により留めることでユニットが組み立てられる。なお、地板には、後述する接続端子となる電極が配置され、この電極が内部の電子部品とユニット外部とを電気的に導通する役目を担う。
【0064】
第4のモータ77は、例えば、ステッピングモータである。第4のモータ77は、制御部56から出力される駆動信号に基づいて回転する。第4の指針78は、支持体71に含まれる軸受に支持され、第4のモータ77の回転駆動に伴って支持体71に対して回転する。例えば、第4の指針78は、クロノグラフ機能の計時表示針や端末20から送られた各種情報を示す表示針である。
【0065】
付加ユニット8は、支持体81と、入力部82と、報知部89とを備える。支持体81は、例えば、ケースや、基板等を含む。例えば、支持体81は、基板、ベースとなる地板、地板上に配置された部品を反対側から抑える受板、その他ケース部等を含む。地板上に基板が配置され、基板上に、配線、入力部82、報知部89等が配置される。これら部品を、受板により留めることでユニットが組み立てられる。なお、地板には、後述する接続端子となる電極が配置され、この電極が内部の電子部品とユニット外部とを電気的に導通する役目を担う。
【0066】
報知部89は、例えばブザーであり、制御部56から出力される駆動信号に応じて、音を報知する。なお、報知部89は、ランプや振動素子等であってもよい。
【0067】
例えば、第1指針駆動用モータユニット5が「時」と「分」を表示し、第2指針駆動用モータユニット6が「秒」を表示する。第3指針駆動用モータユニット7は、クロノグラフ機能による計時経過や計時結果を表示する。付加ユニット8は、利用者によって設定された時刻にアラーム音を報知したり、制御部56の制御を受けてアラーム音を報知したりする。なお、上述した各ユニットの動作は一例であり、これに限定されない。
【0068】
主制御部4は、端末20から受信した指示に応じて対応する信号線WRを制御する。この際、主制御部4は、信号線WRを伝搬する指令信号の信号パラメータを変更して、第1指針駆動用モータユニット5A、第2指針駆動用モータユニット6、および第3指針駆動用モータユニット7の各モータと、付加ユニット8の報知部89とのうち、制御部56に制御させる対象(制御対象)を指定する。主制御部4は、例えば、所定時間内に出力する指令信号のパルス数に応じて、制御対象の数を指定する。
【0069】
制御部56は、主制御部4が信号線WRを制御した際に信号線WRを伝搬する指令信号の信号パラメータに基づいて、制御対象を決定する。
図9は、制御部56による制御対象の決定方法の一例を模式的に示す図である。
図9において、横軸は、例えば時間tを表し、縦軸は、例えば信号レベルを表す。図の例のように、例えば、制御部56は、所定時間内に出力された指令信号のパルスが1つである場合、第1指針駆動用モータユニット5Aの第1のモータ57Aを駆動し、指令信号のパルスが2つである場合、第1指針駆動用モータユニット5Aの第2のモータ57Bを駆動する。また、制御部56は、指令信号のパルスが3つである場合、第2指針駆動用モータユニット6の第3のモータ67を駆動し、指令信号のパルスが4つである場合、第3指針駆動用モータユニット7の第4のモータ77を駆動する。また、指令信号のパルス幅が規定以上(例えば2倍)の場合、制御部56は、報知部89を駆動する。
【0070】
なお、この制御対象(各種モータ、報知部89)の指定方法は、一例であり、周波数やデューティ比等よって指定するものであってもよい。
図10は、制御部56による制御対象の決定方法の他の例を模式的に示す図である。
図10において、横軸は、例えば時間tを表し、縦軸は、例えば信号レベルを表す。図示のように、例えば、デューティ比(=A/B)が所定値(例えば0.5)以上の場合、制御部56は、駆動信号を第1のモータ57Aに出力して第1のモータ57Aを駆動し、デューティ比(=A/B)が所定値未満の場合、制御部56は、駆動信号を第2のモータ57Bに出力して第2のモータ57Bを駆動してもよい。
【0071】
また、上述した例では、指令信号に応じて、単一の制御対象が指定されるものとして説明したがこれに限られない。例えば、指令信号が所定数のビット(例えば3ビット)で表される信号である場合、先頭のパルスの立ち上がり時刻を基準に一周期ごとにパルスの立ち上がりを検出して、パルスの立ち上がりを「1」、立ち下がりを「0」とした2進数(バイナリ)で制御対象の数を指定してもよい。例えば、指令信号により表される2進数が「011」であった場合、制御部56は、同時に3つの制御対象を駆動する。
【0072】
制御部56は、複数の制御対象が同時に指定される場合、指令された全ての制御対象に駆動信号を出力するようにしてもよい。例えば、制御部56は、第1のポート端子52aに入力された指令信号によって、第1のモータ57A、第2のモータ57B、および第3のモータ67が指定された場合、これら3つの制御対象に、第1のポート端子52aに対応した駆動信号SIG_Aを出力する。これによって、電子機器1は、第1の指針58Aと、第2の指針58Bと、第3の指針68とを同じ動作で駆動する。
【0073】
図11は、第2の実施形態における制御部56の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、1Hzの周期で繰り返し行われてよい。
まず、制御部56は、上述した
図5に示すフローチャートのステップS100からステップS104までの処理と同様の処理を行う。次に、制御部56は、指令信号の信号パラメータに基づいて、生成した駆動信号SIGを出力する制御対象を決定する(ステップS308)。次に、制御部56は、上述した
図5に示すフローチャートのステップS106の処理と同様の処理を行う。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0074】
図12は、第2の実施形態における制御部56の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、1Hzの周期で繰り返し行われてよい。
まず、制御部56は、上述した
図6に示すフローチャートのステップS200からステップS206までの処理と同様の処理を行う。次に、制御部56は、指令信号の信号パラメータに基づいて、生成した駆動信号SIG_Eを出力する制御対象を決定する(ステップS410)。次に、制御部56は、上述した
図6に示すフローチャートのステップS208の処理と同様の処理を行う。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0075】
なお、
図11および
図12に示した例では、制御部56に入力される信号が、ローレベルからハイレベルに変化したとき駆動信号を生成する例を示したが、制御部56は、入力される信号が、ハイレベルからローレベルに変化したとき駆動信号を生成するようにしてもよい。
【0076】
なお、制御部56は、第1のポート端子52aの指令信号のレベルがHレベルである場合、駆動信号SIG_Aを第2指針駆動用モータユニット6の第3のモータ67に出力し、第3の指針68を1秒運針するように制御する。このとき、制御部56は、第3の指針68を制御すると共に、基準信号を基に秒数をカウントし、60秒経過したときに第1指針駆動用モータユニット5Aの第1の指針58Aを、1秒分駆動するように制御してもよい。
【0077】
以上説明した第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、主制御部4から第1指針駆動用モータユニット5Aに含まれる制御部56に出力する指令信号を簡素な信号にでき、端末20からの情報に応じて指令信号の出力先のポート端子(信号線WR)を決定するため、ステッピングモータによる時計の指針の駆動を簡易に制御することができる。
【0078】
また、第2の実施形態によれば、主制御部4から出力された指令信号に応じて、制御部56が、第1指針駆動用モータユニット5Aに接続されている他のユニットの制御対象(モータまたは報知部)を駆動することができる。この結果、第2の実施形態によれば、ユニットの小型化と、ユニットが複数化された場合における制御性の確保と、を同時に満足することができる。
【0079】
また、第2の実施形態によれば、電子機器1が複数のユニットを備える場合、制御部56がユニット毎に駆動信号を生成して出力するため、端末20との通信処理を行う主制御部4の処理負荷を軽減することができる。
【0080】
(第2の実施形態の変形例)
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の変形例では、指令信号のレベルがHレベルに制御されるポート端子に応じて、予め駆動信号を出力する制御対象が決められている。各ポート端子と制御対象との対応関係は、予め記憶部55に駆動信号対応テーブル55aとして記憶させておいてもよいし、端末20が送信した指示に基づいて設定されてもよい。
【0081】
制御部56は、例えば、記憶部55に格納された駆動信号対応テーブル55aを参照して、生成した駆動信号の出力先のユニットを決定する。
【0082】
図13は、第2の実施形態における記憶部55が記憶する駆動信号対応テーブル55aの一例を示す図である。
図13に示すように、第2の実施形態の駆動信号対応テーブル55aには、ポート端子の種別ごとに、指針の動作パターンと、駆動信号と、駆動信号の出力先とが対応付けられている。例えば、第1のポート端子52aには、動作パターンとして「1秒運針」と、駆動信号SIG_Aと、出力先である「第1指針駆動用モータユニット」とが対応付けられている。
【0083】
次に、各ポート端子に指令信号が入力された場合の制御部56の動作について説明する。
図13に示すように、駆動信号SIG_AおよびSIG_Bは、第1指針駆動用モータユニット5Aに設けられた制御対象(第1のモータ57Aおよび第2のモータ57B)に出力され、駆動信号SIG_Cは、第2指針駆動用モータユニット6に設けられた制御対象(第3のモータ67)に出力され、駆動信号SIG_Dは、第3指針駆動用モータユニット7に設けられた制御対象(第4のモータ77)に出力され、駆動信号SIG_Eは、付加ユニット8に設けられた制御対象(報知部89)に出力され、駆動信号SIG_Fは、第1指針駆動用モータユニット5Aに設けられた制御対象(第1のモータ57Aおよび第2のモータ57B)に出力される。報知部89は、駆動信号SIG_Eに応じてアラーム音を発生させ、端末20によりメールが受信されたことや、リマインダーの有無等をユーザに知らせる。
【0084】
なお、制御部56は、駆動信号対応テーブル55aを参照して決定したユニットの他に、他のユニットに対しても同じ駆動信号を出力してもよい。例えば、制御部56は、駆動信号SIG_AおよびSIG_Bを、第1指針駆動用モータユニット5Aに設けられた制御対象(第1のモータ57Aおよび第2のモータ57B)に出力すると共に、第2指針駆動用モータユニット6に設けられた制御対象(第3のモータ67)と、第3指針駆動用モータユニット7に設けられた制御対象(第4のモータ77)とに出力してもよい。
【0085】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態における指針駆動用モータユニットを含む電子機器1Bについて説明する。第3の実施形態における指針駆動用モータユニットを含む電子機器1と同じ機能を有する機能部には同じ符号を用いて説明を省略する。
【0086】
図14は、第3の実施形態における指針駆動用モータユニットを含む電子機器1Bの構成を示す構成図である。第3の実施形態における電子機器1Bは、
図14に示すように、発振回路2、操作部3、主制御部4、通信部10、および第1指針駆動用モータユニット5Bを備える。なお、電子機器1Bは、第2実施形態の電子機器1Aと同様に、出力部53を備えていてもよい。
【0087】
支持体51Bは、基板、ベースとなる地板、地板上に配置された部品を反対側から抑える受板、その他ケース部、モータ(第1のモータ57A、第2のモータ57B、第3のモータ57C)の回転軸が接合する軸受等を含む。地板上に基板が配置され、基板上に、配線、入力部52B、記憶部55、制御部56、第1のモータ57A、第2のモータ57B、第3のモータ57C、モータからのトルクを伝達する歯車列である輪列等が配置される。これら部品を、受板により留めることでユニットが組み立てられる。なお、地板には、接続端子となる電極が配置され、この電極が内部の電子部品とユニット外部とを電気的に導通する役目を担う。
【0088】
入力部52Bは、制御部56の通信インターフェースである。入力部52Bは、信号線CLKと接続される第7のポート端子52gと、信号線WRaと接続される第1のポート端子52a(第1の入力部)と、信号線WRbと接続される第2のポート端子52b(第2の入力部)と、信号線WRcと接続される第3のポート端子52c(第3の入力部)と、信号線WRdと接続される第4のポート端子52d(第4の入力部)と、信号線WReと接続される第5のポート端子52e(第5の入力部)と、信号線WRfと接続される第6のポート端子52f(第6の入力部)と、を備える。なお、入力部52Bの各ポート端子は、制御部56内部の物理層にソケットとして設けられてもよいし、物理層の各ソケットと信号線WRとから成る仮想的な信号の入出口であってもよい。また、信号線CLKは、主制御部4から出力されるクロックである。すなわち、本実施形態では、
図14に示したように第1指針駆動用モータユニット5Bが発振回路を備えず、主制御部4が出力するクロックを取得して用いる。
【0089】
第1のモータ57A、第2のモータ57Bおよび第3のモータ57Cは、例えば、ステッピングモータである。第1のモータ57A、第2のモータ57Bおよび第3のモータ57Cは、制御部56から出力される駆動信号に基づいて回転する。第1の指針58Aは、支持体51Bに含まれる軸受に支持され、第1のモータ57Aの回転駆動に伴って支持体51Bに対して回転する。第2の指針58Bは、支持体51Bに含まれる軸受に支持され、第2のモータ57Bの回転駆動に伴って支持体51Bに対して回転する。また、第3の指針58Cは、支持体51Bに含まれる軸受に支持され、第3のモータ57Cの回転駆動に伴って支持体51Bに対して回転する。例えば、第1の指針58Aは、秒針であり、第2の指針58Bは、分針であり、第3の指針58Cは、時針である。なお、第1の指針58A、第2の指針58B、第3の指針58Cは、第1指針駆動用モータユニット5Bの外部に取付けられる形態とする場合もある。
【0090】
制御部56は、例えば、記憶部55に格納された駆動信号対応テーブル55aを参照して、生成した駆動信号の出力先のユニットを決定する。
このように、本実施形態では、第1指針駆動用モータユニット5Bは、発振回路を備えず、主制御部4からクロック信号の供給を受ける。
【0091】
図15は、第3の実施形態における記憶部55が記憶する駆動信号対応テーブル55aの一例を示す図である。
図15に示すように、駆動信号対応テーブル55aには、ポート端子の種別ごとに、指針の動作パターンと、駆動信号と、駆動信号の出力先とが対応付けられている。例えば、第1のポート端子52aには、動作パターンとして「第1の指針の1発正転」と、駆動信号SIG_Aと、出力先の第1のモータとが対応付けられ、第4のポート端子52dには、動作パターンとして「第2の指針の1発逆転」と、駆動信号SIG_Dと、出力先の第2のモータとが対応付けられている。
【0092】
次に、各ポート端子に指令信号が入力された場合の制御部56の動作について説明する。
図15に示すように、駆動信号SIG_AおよびSIG_Bは、制御対象である第1のモータ57Aに出力される。駆動信号SIG_CおよびSIG_Dは、制御対象である第2のモータ57Bに出力される。駆動信号SIG_EおよびSIG_Fは、制御対象である第3のモータ57Cに出力される。
【0093】
このように、本実施形態の第1指針駆動用モータユニット5Bは、入力部52Bが、第1のモータ57Aを正転(第1の動作)させる信号が入力される第1のポート端子52a(第1の入力部)と、第1のモータ57Aを逆転(第2の動作)させる信号が入力される第2のポート端子52b(第2の入力部)と、第2のモータ57Bを正転(第3の動作)させる信号が入力される第3のポート端子52c(第3の入力部)と、第2のモータ57Bを逆転(第4の動作)させる信号が入力される第4のポート端子52d(第4の入力部)と、第3のモータ57Cを正転(第5の動作)させる信号が入力される第5のポート端子52e(第5の入力部)と、第3のモータ57Cを逆転(第6の動作)させる信号が入力される第6のポート端子52f(第6の入力部)と、を備える。さらに、入力部52B(第1の入力部)は、クロックが入力される第7のポート端子52gを備える。
そして、制御部56は、主制御部4が出力した信号に応じて駆動信号を生成し、生成した駆動信号を対応する第1のモータ57A〜第3のモータ57Cに出力する。例えば、主制御部4が信号線WRbをローレベルからハイレベルへ変化させた場合、制御部56は、第1のモータ57Aを逆転するように駆動する。なお、第1のモータ57Aを正転させる駆動信号が第1の駆動信号であり、第1のモータ57Aを逆転させる駆動信号が第2の駆動信号である。第2のモータ57Bを正転させる駆動信号が第3の駆動信号であり、第2のモータ57Bを逆転させる駆動信号が第4の駆動信号である。第3のモータ57Cを正転させる駆動信号が第5の駆動信号であり、第3のモータ57Cを逆転させる駆動信号が第6の駆動信号である。また、第1のモータ57Aを正転させる指令信号が第1の指令信号であり、第1のモータ57Aを逆転させる指令信号が第2の指令信号である。第2のモータ57Bを正転させる指令信号が第3の指令信号であり、第2のモータ57Bを逆転させる指令信号が第2の指令信号である。第3のモータ57Cを正転させる指令信号が第5の指令信号であり、第3のモータ57Cを逆転させる指令信号が第6の指令信号である。記憶部55は、各ポート端子52(第nの入力部;nは1〜6の整数)と、各駆動信号と出力先の対応関係を
図15に示したように記憶している。
【0094】
次に、制御部56に入力されるクロックと、駆動信号の関係の一例を説明する。
図16は、本実施形態に係る制御部56に入力されるクロックと、駆動信号の関係の一例を示す図である。
図16において、横軸は時刻、縦軸は信号のレベルを表す。また、波形g11は、主制御部4が出力するクロック信号SIG_CLKの波形である。波形g12は、主制御部4が信号線WRaに出力する信号の波形であり、波形g13は、駆動信号SIG_Aの波形である。波形g14は、主制御部4が信号線WRbに出力する信号の波形であり、波形g15は、駆動信号SIG_Bの波形である。
【0095】
時刻t1のとき、波形g11と波形g12のように、制御部56は、クロック信号SIG_CLKの立ち上がりのタイミングで、主制御部4が信号線WRaに出力した信号線のレベルを所定閾値と比較して、ローレベルからハイレベルに変化したことを検出する。そして、時刻t1のとき、波形g13のように、制御部56は、主制御部4が判断した後、駆動信号SIG_Aを第1のモータ57Aに出力する。なお、
図16に示した例では、駆動信号SIG_Aが、時刻t1〜t2の間に出力される例を示したが、駆動信号SIG_Aは、第1の指針58Aを所定の角度駆動する信号であればよい。また、正転させる回数は、
図15に示した例では1つの例を示したが、これに限られず、用途に応じた数であってもよい。
【0096】
時刻t3のとき、波形g11と波形g14のように、制御部56は、クロック信号SIG_CLKの立ち上がりのタイミングで、主制御部4が信号線WRbに出力した信号線のレベルを所定閾値と比較して、ローレベルからハイレベルに変化したことを検出する。そして、時刻t3のとき、波形g15のように、制御部56は、主制御部4が判断した後、駆動信号SIG_Bを第1のモータ57Aに出力する。なお、
図16に示した例では、駆動信号SIG_Aが、時刻t3〜t4の間に出力される例を示したが、駆動信号SIG_Bは、第1の指針58Aを所定の角度駆動する信号であればよい。また、逆転させる回数は、
図15に示した例では1つの例を示したが、これに限られず、用途に応じた数であってもよい。
【0097】
また、
図16に示した例では、制御部56に入力される信号が、ローレベルからハイレベルに変化したとき駆動信号を生成する例を示したが、制御部56は、入力される信号が、ハイレベルからローレベルに変化したとき駆動信号を生成するようにしてもよい。
例えば、時刻t4のとき、波形g11と波形g14のように、制御部56は、クロック信号SIG_CLKの立ち下がりのタイミングで、主制御部4が信号線WRbに出力した信号線のレベルを所定閾値と比較して、ハイレベルからローレベルに変化したことを検出するようにしてもよい。そして、時刻t4のとき、波形g16のように、制御部56は、主制御部4が判断した後、駆動信号SIG_Bを第1のモータ57Aに出力するようにしてもよい。
【0098】
また、制御部56は、主制御部4が出力するクロック信号SIG_CLKが所定の時間以上、ハイレベルまたはローレベルを継続したとき、クロック信号の入力が停止したと判別する。クロック信号の入力が停止したと判別した場合、制御部56は、第1指針駆動用モータユニット5Bが備える各部を省電力モード(スリープモード)になるように切り替える。なお、制御部56は、クロック信号SIG_CLKがハイレベルとローレベルを繰り返すようになったとき、省電力モードから復帰するように制御する。
すなわち、主制御部4は、制御部56へ供給するクロック信号を停止することで、第1指針駆動用モータユニット5Bを省電力モードに切り替えることができる。
【0099】
次に、制御部56の処理の一例を説明する。
図17は、本実施形態における制御部56の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、1Hzの周期で繰り返し行われてよい。
まず、制御部56は、第1のポート端子52aから第6のポート端子52fそれぞれの指令信号のレベルを検出する(ステップS500)。
続けて、制御部56は、検出した各ポート端子の信号レベルと所定閾値とを比較して、比較した結果に応じて主制御部4が出力する指示信号が変化したか否かを判別する(ステップS501)。
【0100】
主制御部4が出力する指示信号が変化していないと判別した場合(ステップS501;NO)、制御部56は、ステップS500に処理を戻す。
主制御部4が出力する指示信号が変化したと判別した場合(ステップS501;YES)、制御部56は、レベルが変化したポート端子に対応するモータに対して、記憶部55が記憶するテーブルを参照して駆動信号を生成する。続けて、制御部56は、記憶部55が記憶するテーブルを参照してポート端子に対応するモータに生成した駆動信号を出力する(ステップS502)。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
また、用途も種々変更可能である。例えば、内燃機関、モータ等により駆動される車両に搭載されたBLE送受信装置から、運転者等が装着するスマートウォッチ(電子機器)が車速情報、回転数情報、燃料残量情報等を受信し、それら車速、回転数、燃料残量等を表示するためのコマンドをスマートウォッチのマイコン(主制御部)から指針駆動用モータユニットのドライブIC(制御部)に送信することもできる。これにより、指針駆動用モータユニットの指針が車速情報等を表示することができる。また、車載の計器類表示部(インパネ内部等)に、直接、指針駆動用モータユニットを実装することもできる。