(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に示す実施形態は、調理機に関し、詳しくは、調理機本体と操作器とが電気的に接続される調理機に関する。
【0011】
図1に示す本実施形態の調理機1は、
図2及び
図3に示すように、キッチンキャビネット7に組み込まれて用いられるビルトイン式のガスこんろである。
【0012】
(キッチンキャビネット)
キッチンキャビネット7は、例えば台所の壁に沿うように床に設置される。以下では、特に記載する場合を除き、床に設置された状態におけるキッチンキャビネット7について説明する。
【0013】
具体的には、キッチンキャビネット7内に形成され、一方向に開口した収納空間82の開口方向を前方と定め、前方からキッチンキャビネット7を見たときを基準して左右方向を定義して説明する。キッチンキャビネット7の利用者は、キッチンキャビネット7の前方に立ち、キッチンキャビネット7を前方から利用する。
【0014】
キッチンキャビネット7は、調理機1に加えて、キャビネット8と、キャビネット8の上に設置されたカウンター9とを備えている。
【0015】
キャビネット8は、床に設置されたキャビネット本体80と、キャビネット本体80の前方に配置された板状の閉塞体81とを有している。
【0016】
キャビネット本体80は、上方及び前方が開口した箱状に形成されている。キャビネット本体80を上方から見た形状は、左右方向に延びた矩形状である。
【0017】
キャビネット本体80の上には、カウンター9が設置されている。キャビネット本体80の上面に形成された上開口部83は、カウンター9によって覆われている。カウンター9はキッチンキャビネット7の上面を構成している。
【0018】
キャビネット本体80の内部には、上方がカウンター9によって覆われた収納空間82が形成されている。収納空間82は、キャビネット本体80の前面に形成された前開口部84を介して前方に開放される。
【0019】
キャビネット本体80の前開口部84は、閉塞体81によって開閉される。前開口部84を閉塞する閉塞体81は、例えば、収納空間82に前方から出入可能に収納される引出しの前板によって構成される。
【0020】
カウンター9は厚み方向が上下方向と平行で左右方向に延びた矩形板状に形成されている。カウンター9には、上下方向に貫通した、調理機設置用の貫通孔90が形成されている。
【0021】
(調理機本体)
調理機1は、カウンター9の貫通孔90に設置された調理機本体2と、キャビネット8の前端部に設置された操作器5とを備えている。
【0022】
本実施形態の調理機本体2は、
図4に示すように、筐体20と、筐体20の上に設置された天板21とを有している。調理機本体2の外殻は、筐体20と天板21とで構成されている。
【0023】
筐体20は、上方に開口した箱状に形成されている。筐体20を上方から見た形状は、左右方向に延びた矩形状である。
【0024】
筐体20は、平面視矩形状の底板部22と、底板部22の前縁部、左右の側縁部及び後縁部から、それぞれ上方に突出した、前板部23、左右の側板部24及び後板部26(
図3参照)を有している。左右の側板部24の前縁部同士は、前板部23を介して繋がっており、左右の側板部24の後縁部同士は、後板部26を介して繋がっている。
【0025】
筐体20の上縁部は、前板部23の上縁部、左右の側板部24の各々の上縁部及び後板部26の上縁部によって構成されている。
図6に示すように、筐体20の上面には、筐体20の上縁部で囲まれた開口部27が形成されている。
【0026】
筐体20の上縁部には、外周側に向かって突出したフランジ部28が形成されている。
調理器1を設置する作業者は、筐体20を
図3に示すカウンター9の貫通孔90に上方から落とし込んで、キャビネット本体80の内部に配置する。このとき、フランジ部28は、カウンター9の孔の周縁部上に載せられる。これにより、筐体20はカウンター9に吊り下げられた状態で保持される。
【0027】
筐体20のフランジ部28の上には、開口部27を覆うように天板21が設置されている。
【0028】
調理機本体2は、被調理物を加熱するための加熱部を有している、本実施形態の加熱部は、筐体20の内部に設置された複数のこんろバーナー29で構成されている。
図2に示すように、本実施形態の調理機本体2は、複数のこんろバーナー29として、左右方向に並べて配置された3口のこんろバーナー29を備えている。
【0029】
天板21において、複数のこんろバーナー29に対応する箇所には、複数のバーナー用孔32がそれぞれ形成されている。各バーナー用孔32は天板21を上下方向に貫通している。各こんろバーナー29は、対応するバーナー用孔32を通って天板21よりも上方に突出している。
【0030】
調理機本体2は、筐体20内に配置された複数の電気機器をさらに有している。これら複数の電気機器は、筐体20に設置されている。
【0031】
本実施形態の調理機本体2は、複数の電気機器として、各こんろバーナー29に設けられた点火プラグ(図示せず)及び温度センサー35、各こんろバーナー29にガスを供給するガス管(図示せず)に設けられた流量弁(図示せず)及び安全弁(図示せず)、並びに調理機本体2の運転状態等を報知するためのスピーカー38(
図4参照)を有している。
【0032】
調理機本体2は、筐体20内に設置された電気機器として、
図4に示す回路基板39をさらに備えている。回路基板39に設けられた回路には、前述した各点火プラグ、各温度センサー35、各流量弁、各安全弁及びスピーカー38が、電気的に接続されている。回路基板39は、前述した各点火プラグ、各温度センサー35、各流量弁、各安全弁及びスピーカー38を制御する制御部を構成している。
【0033】
(操作器)
操作器5は
図1に示す操作器本体50を有している。操作器本体50は、調理機1を操作するための操作部53を有している。
【0034】
本実施形態の操作器本体50は、左右方向に長く厚み方向が上下方向と平行な矩形板状に形成されている。本実施形態の操作器本体50は、
図3に示すように、キャビネット本体80の前端部における上部に設けられており、調理機本体2の前方に配置されている。
【0035】
本実施形態のキャビネット8の前端部の上部には、前方に開口した収納部85が設けられている。操作器本体50は、収納部85に対して前後方向に移動可能に取り付けられている。操作器本体50は、収納部85に収納された
図3に示す収納位置と、収納部85から前方に突出した
図2に示す突出位置との間で、前後方向に移動可能である。
【0036】
図1に示すように、本実施形態の操作部53は、操作器本体50の上面に設けられている。操作部53は、操作器本体50が
図2に示す突出位置に配置されたときに、キャビネット8よりも前方に位置して露出する。
【0037】
本実施形態の操作部53は、
図1に示すように、左右方向に並んだ複数の操作ボタン54を有している。具体的に操作部53は、複数の操作ボタン54として、各こんろバーナー29の点消火の切替えを行うための点消火ボタンと、各こんろバーナーの火力の変更を行うための火力変更ボタンとを有している。
【0038】
(操作器と調理機本体との電気的接続)
操作器5は、
図7に示す複数の伝送線路(操作器側伝送線路)51と、これら複数の伝送線路51を介して操作器本体50に機械的且つ電気的に接続された複数のコネクター(電気コネクター)52をさらに有している。
【0039】
図5に示すように、調理機本体2は、板状の固定部40と、固定部40に固定された複数のコネクター41とをさらに有している。以下、必要に応じて、
図7に示す各コネクター52を操作器側コネクター52といい、各コネクター41を機器側コネクター41という。
【0040】
複数の操作器側コネクター52は、複数の機器側コネクター41にそれぞれ1対1の関係で機械的且つ電気的に接続されている。これにより、操作器本体50は、複数の伝送線路51と複数の操作器側コネクター52とを介して調理機本体2に電気的に接続されている。
【0041】
作業者は、例えば、カウンター9とキャビネット8に、調理機本体2と操作器本体50とを設置した後、複数の操作器側コネクター52を、複数の機器側コネクター41にそれぞれ連結することにより、操作器本体50と調理機本体2とを電気的に接続することができる。このように操作器本体50と調理機本体2とを電気的に接続することで、調理機本体2は操作器5によって操作可能になる。
【0042】
複数の操作器側コネクター52を、複数の機器側コネクター41に連結する作業は、例えば以下のように行われる。作業者は、まず、
図3に示す閉塞体81を開いて、キャビネット本体80の収納空間82を前方に開放した状態にする。そして、作業者は、キャビネット本体80の前開口部84から収納空間82に手を入れ、この手で
図7に示す複数の操作器側コネクター52を複数の機器側コネクター41に連結する。
【0043】
(固定具)
本実施形態の調理機本体2は、
図8に示す固定具42を有している。固定具42には、
図4に示すように、複数の機器側コネクター41が固定されている。
【0044】
図8に示すように固定具42は左右方向に延びている。固定具42は、例えば板金を曲げ加工して形成される。固定具42は筐体20の内側に配置されており、前板部23の後方に位置している。
【0045】
固定具42は、左右方向に長い矩形板状で厚み方向が前後方向と平行な主板部43と、主板部43の上端部から後方に向かって突出した固定片部44とを有している。主板部43は平板状に形成されており、本実施形態ではこの主板部43によって、複数の機器側コネクター41が固定される固定部40が構成されている。
【0046】
図9に示すように、固定部40(主板部43)の上下の縁部には、複数の係止片部45が形成されている。
図8に示すように、複数の係止片部45は筐体20に係止され、固定片部44は筐体20にねじ止めされている。これにより、固定具42は筐体20に取り付けられている。
【0047】
本実施形態の固定部40は、筐体20の前板部23の後面に沿って配置されている。
図9に示すように、本実施形態の前板部23には、複数の孔46が形成されている。具体的に前板部23には、左右方向に並んだ3個の孔46が、形成されている。各孔46は前方から見て左右方向に長い矩形状に形成されており、前板部23を前後方向に貫通している。
【0048】
図4に示すように、複数の孔46は、固定部40と、固定部40に固定された複数の機器側コネクター41によって覆われている。このため、筐体20の内部には、複数の孔46を介して虫等が入り込み難い。また、各こんろバーナー29の燃焼時には、筐体20の外部の空気が、複数の孔46を通って筐体20の内側に入り難くなり、各こんろバーナー29の良好な燃焼状態が維持されやすい。
【0049】
固定具42は、
図8に示すように、固定部40に繋がったスピーカー取付部47をさらに有している。スピーカー取付部47は、固定部40と左右方向に並んでいる。スピーカー取付部47には、
図4に示すスピーカー38が取り付けられている。スピーカー38は孔46に対応する位置に配置されている。スピーカー38から発せられた音は、対応する孔46を通って調理機本体2の前方に出る。
【0050】
本実施形態の固定部40には、
図8に示す複数の嵌込孔48が形成されている。本実施形態の固定部40には、合計6個の嵌込孔48が形成されている。各嵌込孔48は固定部40を前後方向に貫通している。各嵌込孔48は、左右方向に長い矩形状の孔である。
【0051】
複数の嵌込孔48には、
図4に示すように、複数の機器側コネクター41がそれぞれ嵌め込まれている。これにより、固定部40には嵌込孔48と同数の機器側コネクター41が固定されている。
【0052】
各機器側コネクター41は、嵌込孔48を塞ぐように、対応する嵌込孔48に嵌め込まれている。各機器側コネクター41は、キャビネット8の収納空間82(
図3参照)において、対応する孔46を介して、調理機本体2の前方に露出している。
【0053】
(機器側伝送線路)
本実施形態の調理機本体2は、
図7に示す複数の伝送線路(機器側伝送線路)49をさらに有している。複数の機器側コネクター41は、複数の伝送線路49を介して回路基板39に機械的且つ電気的に接続されている。すなわち、操作器本体50は、複数の伝送線路51、複数の操作器側コネクター52、複数の機器側コネクター41及び複数の伝送線路49を介して、回路基板39に電気的に接続されている。
【0054】
各伝送線路49は、複数の電線(図示せず)の束で構成されている。これら複数の電線は、対応する機器側コネクター41が有する複数の端子(図示せず)に機械的且つ電気的にそれぞれ1対1の関係で接続されている。
【0055】
(機器側コネクター)
図10に示すように、各機器側コネクター41は、機器側コネクター41の外殻を構成するハウジング410を有している。以下、ハウジング410を機器側ハウジング410という。
【0056】
機器側ハウジング410は、合成樹脂製であり、左右方向に長いブロック状に形成されている。本実施形態の機器側ハウジング410は、
図6に示すように、固定部40を前後方向に貫通している。前述した伝送線路49(
図7参照)は、機器側ハウジング410において固定部40よりも後方に突出した部分から引き出されている。
【0057】
図10に示すように、機器側ハウジング410は機器側連結部411を有している。
図11A及び
図11Bに示すように、機器側連結部411には、操作器側コネクター52が着脱可能に連結されている。
【0058】
本実施形態の機器側連結部411は、
図6に示すように、機器側ハウジング410において固定部40よりも前方に突出した部分である。機器側連結部411は、前板部23の対応する孔46から前板部23よりも前方に突出している。
【0059】
図10に示すように、機器側連結部411の前端面には、後方に凹んだ凹部412が形成されている。凹部412は、対応する操作器側コネクター52が嵌め込まれる部分である。
【0060】
機器側ハウジング410の長手方向(左右方向)の中間部(詳しくは中心部)には、操作器側コネクター52が係止される係止部413が形成されている。ここで、前記「中間部」とは、両端の間に位置する部分を意味し、中心部だけでなく、中心部からずれた部分も含む。また、以後に用いられる「中間部」は、前記「中間部」と同義である。
【0061】
本実施形態の係止部413は、機器側連結部411の下面に形成された突起で構成されており、機器側ハウジング410の下端部に位置している。
【0062】
(操作器側伝送線路)
図7に、操作器本体50と複数の操作器側コネクター52とを接続する複数の伝送線路51を示す。各伝送線路51は、複数の電線(図示せず)の束で構成されている。これら複数の電線は、対応する操作器側コネクター52が有する複数の端子(図示せず)に機械的且つ電気的にそれぞれ1対1の関係で接続されている。
【0063】
(操作器側コネクター)
図10に示すように、各操作器側コネクター52は、操作器側コネクター52の外殻を構成するハウジング520を有している。以下、ハウジング520を、操作器側ハウジング520という。
【0064】
操作器側ハウジング520は、合成樹脂製であり、左右方向に延びた形状を有している。操作器側ハウジング520は、対応する機器側コネクター41の機器側連結部411に着脱可能に連結される操作器側連結部521を有している。本実施形態の操作器側連結部521は、左右方向に長く前方から見て矩形のブロック状に形成されている。
【0065】
作業者は、機器側コネクター41の前方に配置した操作器側コネクター52を後方に移動させることで、操作器側連結部521を機器側連結部411の凹部412に差し込むことができる。これにより、操作器側コネクター52の操作器側連結部521と、機器側コネクター41の機器側連結部411とが連結される。
【0066】
このように操作器側連結部521が機器側連結部411に連結された状態では、機器側コネクター41が有する複数の端子と、操作器側コネクター52が有する複数の端子とが接触する。これにより、機器側コネクター41と操作器側コネクター52とが電気的に接続される。
【0067】
本実施形態の操作器側ハウジング520は、レバー部522をさらに有している。レバー部522は、操作器側連結部521の左右方向の中間部の下方に位置している。本実施形態のレバー部522は、操作器側連結部521の左右方向の中心部の下方に位置している。
【0068】
レバー部522は前後方向に延びている。本実施形態の操作器側ハウジング520は、操作器側連結部521とレバー部522とを繋ぐ繋ぎ部523をさらに有している。レバー部522の前後方向の中間部は、操作器側連結部521の前後方向の中間部に繋ぎ部523を介して一体に繋がっている。
【0069】
本実施形態では、レバー部522において繋ぎ部523よりも後方に突出した部分により、被係止部527が構成されている。被係止部527は、操作器側連結部521が機器側連結部411に連結された状態で機器側コネクター41の係止部413に係止される部分である。
【0070】
本実施形態の被係止部527は、操作器側ハウジング520の長手方向(左右方向)の中間部(詳しくは中心部)に形成されており、操作器側ハウジング520の下端部に位置している。
【0071】
被係止部527と被係止部527の上方に位置する操作器側連結部521との間には、後方に開放された隙間524が形成されている。
図11Bに示すように、本実施形態の被係止部527の上面には、下方に凹んだ凹所525(参照)が形成されている。
【0072】
前述したように作業者が、操作器側連結部521と機器側連結部411とを連結したとき、機器側連結部411における凹部412の下方部が隙間524に挿入され、凹所525に機器側コネクター41の係止部413(突起)が嵌め込まれる。これにより、被係止部527は係止部413に係止され、操作器側コネクター52は、操作器側連結部521が機器側連結部411に連結された状態で、機器側コネクター41に対して固定(ロック)される。
【0073】
本実施形態では、
図10に示すように、レバー部522において繋ぎ部523よりも前方に突出した部分により、被係止部527の係止部413に対する係止を解除するための解除操作部526が構成されている。
【0074】
解除操作部526と解除操作部526の上方に位置する操作器側連結部521との間には、前方に開放された隙間528が形成されている。レバー部522は繋ぎ部523が変形することで、解除操作部526が上昇し且つ被係止部527が下降する方向に回転可能である。
【0075】
操作器側ハウジング520が機器側コネクター41に係止された状態において、解除操作部526が操作されて上昇すると、被係止部527が下降して凹所525(
図11B参照)から係止部413(突起)が外れる。従って、作業者は、解除操作部526を指等で上方に移動させることにより、操作器側コネクター52と機器側コネクター41との係止を解除することができる。そして、作業者は、このように操作器側コネクター52と機器側コネクター41との係止を解除した状態で、操作器側ハウジング520を前方に移動させることで、操作器側連結部521を凹部412から引き抜いて、機器側コネクター41から操作器側コネクター52を取り外すことができる。
【0076】
本実施形態の解除操作部526は、操作器側コネクター52の下端部に形成されている。このため、作業者は、キッチンキャビネット7の収納空間82に手を入れて操作器側コネクター52と機器側コネクター41との係止を解除する際に、操作器側コネクター52の解除操作部526を下方から操作することができ、解除操作部526を操作しやすい。
【0077】
(機器側第1コネクター及び機器側第2コネクター)
図5に示すように、複数の機器側コネクター41の中には、上下方向に並んだ機器側コネクター41がある。本実施形態の調理機本体2は、上下方向に並んだ2つの機器側コネクター41の組を2組有している。
【0078】
以下、上下方向に並んだ2つの機器側コネクター41のうちの一方を機器側第1コネクター41aといい、他方を機器側第2コネクター41bという。また、機器側第1コネクター41aに連結される操作器側コネクター52を操作器側第1コネクター52aといい、機器側第2コネクター41bに連結される操作器側コネクター52を操作器側第2コネクター52bという。また、操作器側第1コネクター52aの解除操作部526を、第1解除操作部526aといい、操作器側第2コネクター52bの解除操作部526を、第2解除操作部526bという。
【0079】
また、
図7に示すように、機器側第1コネクター41aに接続された伝送線路49を第1伝送線路49aといい、機器側第2コネクター41bに接続された伝送線路49を第2伝送線路49bという。また、操作器側第1コネクター52aに接続された伝送線路51を第1伝送線路51aといい、操作器側第2コネクター52bに接続された伝送線路51を第2伝送線路51bという。
【0080】
本実施形態の調理機1は、操作器本体50と調理機本体2の回路基板39とを電気的に接続する電路として、第1伝送線路51a、操作器側第1コネクター52a、機器側第1コネクター41a及び第1伝送線路49aで構成された第1電路と、第2伝送線路51b、操作器側第2コネクター52b、機器側第2コネクター41b及び第2伝送線路49bで構成された第2電路とを備えている。
【0081】
図4に示すように、機器側第1コネクター41aと機器側第2コネクター41bとは、左右方向の端部同士が上下方向に見て重なり、且つ当該左右方向の端部を除く他の部分同士が上下方向に見て重ならないように左右方向にずれて配置されている。すなわち、板状の固定部40の厚み方向と直交する一方向である左右方向を第1方向とし、且つ、前記厚み方向と前記第1方向との両者に直交する方向である上下方向を第2方向としたとき、機器側第1コネクター41aと機器側第2コネクター41bとは、前記第1方向における端部同士が前記第2方向に見て重なるように前記第2方向に並んでいる。
【0082】
上記により、機器側第1コネクター41aに操作器側第1コネクター52aが連結され、且つ機器側第2コネクター41bに操作器側第2コネクター52bが連結された連結状態においては、
図5に示すように、第1方向(左右方向)において第1解除操作部526aが操作器側第2コネクター52bからずれた位置に配置され、且つ第1方向において第2解除操作部526bが操作器側第1コネクター52aからずれた位置に配置される。すなわち、前記第2方向から見て、機器側第1コネクター41aの前記第1方向における端部と、前記第2方向(上下方向)に見て、第1解除操作部526aが操作器側第2コネクター52bと重ならず、第2解除操作部526bが操作器側第1コネクター52aと重ならない。すなわち、本実施形態の調理機1にあっては、機器側第1コネクター41aの前記第1方向における端部と、第1解除操作部526aとの間に、機器側第2コネクター41bの前記第1方向における端部が位置し、且つ、機器側第2コネクター41bの前記第1方向における端部と、第2解除操作部526bとの間に、機器側第1コネクター41aの前記第1方向における端部が位置するように構成されている。ここで、機器側第1コネクター41aの前記第1方向における端部とは、機器側第1コネクター41aの前記第1方向における端を意味し、また、機器側第2コネクター41bの前記第1方向における端部とは、機器側第2コネクター41bの前記第1方向における端を意味する。 従って、例えば作業者が操作器側第1コネクター52aを機器側第1コネクター41aに対して着脱する際には、操作器側第1コネクター52aを保持する指fが、機器側第2コネクター41b及びこれに接続された操作器側第2コネクター52bに接触し難くなり、作業者は操作器側第1コネクター52aを機器側第1コネクター41aに対して簡単に着脱することができる。同様に、操作器側第2コネクター52bも、機器側第2コネクター41bに対して簡単に着脱することができる。
【0083】
(補足)
なお、本実施形態の機器側第1コネクター41a及び機器側第2コネクター41bの各々は、板状の固定部40を貫通した状態で設けられているが、固定部40を貫通しない状態で設けられてもよい。また、本実施形態の固定部40は、固定具42の一部で構成されているが、例えば回路基板(中継基板も含む)であってもよい。
【0084】
また、例えば、機器側第1コネクター41aと機器側第2コネクター41bとは、上下方向に延びた形状を有し、上下方向における端部同士が左右方向に見て重なるように左右方向に並んでもよい。この場合、第1解除操作部526aは機器側第1コネクター41aの上下方向の中間部に形成され、第2解除操作部526bは機器側第1コネクター41bの上下方向の中間部に形成される。また、上下方向において第1解除操作部526aが操作器側第2コネクター52bからずれた位置に配置され、上下方向において第2解除操作部526bが操作器側第1コネクター52aからずれた位置に配置される。
【0085】
また、本実施形態の第1解除操作部526a及び第2解除操作部526bは、操作器側コネクター52の下端部に形成されているが、これに限られず、例えば操作器側コネクター52の上端部に形成されてもよい。
【0086】
また、本実施形態の調理機本体2は、機器側第1コネクター41aと機器側第2コネクター41bとの組を2組有しているが、1組だけ有してもよいし、3組以上有してもよい。
【0087】
また、閉塞体81は、キャビネット本体80に回転可能に連結された扉等によって構成されてもよい。また、調理機1は、ガスコンロに限らず、抵抗線を有する電気焜炉や、電磁誘導加熱調理機等であってもよい。
【0088】
また、この他、本実施形態のキッチンキャビネット7及び調理機1は、適宜設計変更可能である。
【0089】
(効果)
以上説明した本実施形態の調理機1は、以下に示す特徴を有している。調理機1は、加熱部を有する調理機本体2と、操作器5とを備えている。調理機本体2は、板状の固定部40と、固定部40に固定された機器側第1コネクター41aと、固定部40に固定された機器側第2コネクター41bとを有している。操作器5は、操作器本体50、第1伝送線路51a、操作器側第1コネクター52a、第2伝送線路51b及び操作器側第2コネクター52bを有している。操作器本体50は、調理機本体2を操作するための操作部53を有している。操作器側第1コネクター52aは、第1伝送線路51aを介して操作器本体50に接続され、機器側第1コネクター41aに係止により固定された状態で連結される。操作器側第2コネクター52bは、第2伝送線路51bを介して操作器本体50に接続され、機器側第2コネクター41bに係止により固定された状態で連結される。板状の固定部40の厚み方向と直交する一方向を第1方向とし、且つ前記厚み方向と前記第1方向との両者に直交する方向を第2方向とする。操作器側第1コネクター52a及び操作器側第2コネクター52bの各々の長手方向は、前記第1方向と平行である。操作器側第1コネクター52aは、操作器側第1コネクター52aの長手方向の中間部に形成され、操作器側第1コネクター52aと機器側第1コネクター41aとの係止を解除するための第1解除操作部526aを有している。操作器側第2コネクター52bは、操作器側第2コネクター52bの長手方向の中間部に形成され、操作器側第2コネクター52bと機器側第2コネクター41bとの係止を解除するための第2解除操作部526bを有している。前記第2方向から見て、機器側第1コネクター41aの前記第1方向における端部と、第1解除操作部526aとの間に、機器側第2コネクター52bの前記第1方向における端部が位置するように構成されている。以下、この特徴を有する調理機1を、第1の態様の調理機1という。
【0090】
第1の態様の調理機1にあっては、作業者が操作器側第1コネクター52aを機器側第1コネクター41aに対して着脱する際に、機器側第2コネクター41b及びこれに接続された操作器側第2コネクター52bが邪魔になり難い。このため、作業者は、操作器側第1コネクター52aを機器側第1コネクター41aに対して簡単に着脱することができる。また、作業者が操作器側第2コネクター52bを機器側第2コネクター41bに対して着脱する際に、機器側第1コネクター41a及びこれに接続された操作器側第1コネクター52aが邪魔になり難い。このため、作業者は、操作器側第2コネクター52bを機器側第2コネクター41bに対して簡単に着脱することができる。
【0091】
また、本実施形態の調理機1は、キャビネット8上にカウンター9が設けられたキッチンキャビネット7に組み込まれる調理機1であって、第1の態様の調理機1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有している。前記第1方向は水平方向と平行であり、前記第2方向は鉛直方向と平行である。調理機本体2は、カウンター9に形成された貫通孔90に、機器側第1コネクター41aと機器側第2コネクター41bとがキャビネット8の内部において調理機本体2の前方に露出した状態で設置可能である。操作器本体50はキャビネット8の前端部であってキャビネット8に設置された調理機本体2の前方位置に設置可能である。第1解除操作部526aが操作器側第1コネクター52aの下端部に形成されている。第2解除操作部526bが操作器側第2コネクター52bの下端部に形成されている。以下、この調理機1を第2の態様の調理機1という。
【0092】
第2の態様の調理機1にあっては、第1解除操作部526aが操作器側第1コネクター52aの下端部に形成されている。このため、作業者は、メンテナンス等を行う際、機器側第1コネクター41aに接続された操作器側第1コネクター52aを機器側第1コネクター41aから取り外すにあたって、キャビネット8の内部において第1解除操作部526aを下方から操作して、操作器側第1コネクター52aと機器側第1コネクター41aとの係止を簡単に解除することができる。また、同様に、操作器側第2コネクター52bにあっても、キャビネット8の内部において第2解除操作部526bを下方から操作して操作器側第2コネクター52bと機器側第2コネクター41bとの係止を簡単に解除することができる。従って、作業者は、操作器側第1コネクター52a及び操作器側第2コネクター52bを簡単に取り外すことができる。
【0093】
また、本実施形態のキッチンキャビネット7は、以下に示す特徴を有している。キッチンキャビネット7は、キャビネット8と、キャビネット8上に設けられたカウンター9と、第2の態様の調理機1とを具備している。カウンター9に上下方向に貫通した貫通孔90が形成されている。カウンター9の貫通孔90に、調理機本体2が前記第1方向を水平方向と平行にし且つ前記第2方向を鉛直方向と平行にした状態で設置されている。機器側第1コネクター41aと機器側第2コネクター41bとがキャビネット8の内部において調理機本体2の前方に露出している。以下、このキッチンキャビネット7を第1の態様のキッチンキャビネット7という。
【0094】
第1の態様のキッチンキャビネット7にあっては、作業者は、操作器側第1コネクター52aを機器側第1コネクター41aに対して簡単に着脱でき、また、操作器側第2コネクター52bを機器側第2コネクター41bに対して簡単に着脱できる。