(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774377
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】テストステロン分泌促進用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/07 20060101AFI20201012BHJP
C12N 1/14 20060101ALI20201012BHJP
A23L 31/00 20160101ALI20201012BHJP
A61P 15/12 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
A61K36/07
C12N1/14 F
A23L31/00
A61P15/12
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-99721(P2017-99721)
(22)【出願日】2017年5月19日
(65)【公開番号】特開2018-193345(P2018-193345A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2018年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】507416805
【氏名又は名称】株式会社テクノスルガ・ラボ
(73)【特許権者】
【識別番号】517176973
【氏名又は名称】井口 和明
(74)【代理人】
【識別番号】100101742
【弁理士】
【氏名又は名称】麦島 隆
(72)【発明者】
【氏名】井口 和明
(72)【発明者】
【氏名】長島 浩二
【審査官】
横田 倫子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−256513(JP,A)
【文献】
特開2004−131482(JP,A)
【文献】
特開平03−117467(JP,A)
【文献】
特開平07−278006(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0299145(US,A1)
【文献】
担子菌類菌糸体の化学成分組成,日本食品科学工学会誌,1996年 6月,Vol. 43, No. 6,748-755
【文献】
キノコ類の遊離アミノ酸組成について,日本食品工業学会誌,1985年 7月,Vol. 32, No. 7,509-521
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/07
A23L 31/00
A61P 15/12
C12N 1/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エノキタケの乾燥粉末又は抽出物を有効成分とするテストステロン分泌促進用経口組成物。
【請求項2】
エノキタケのエタノール抽出物を有効成分とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
男性更年期障害を予防及び/又は改善するために用いられる請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
エタノール抽出物の抽出溶媒がエタノール水溶液である請求項2又は3記載の組成物。
【請求項5】
エノキタケの乾燥粉末又は抽出物が、セラミド、セレブロシド、グリコシルセラミド、スフィンゴイド塩基、スフィンゴ脂質、グリセロ脂質、ステリルグリコシド、ステロール配糖体、ステロール、脂肪酸、サポニン、ステロイド配糖体、ステロイド、レチノイド、レチノイン酸、レチノール、レチナール、カロテノイド及びテルペノイドから選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
食品組成物又は医薬組成物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
食品組成物が健康食品、サプリメント、機能性表示食品、栄養補助食品、特定保健用食品、病者用食品又は高齢者用食品である請求項6記載の組成物。
【請求項8】
60℃以上の条件で乾燥、又は凍結乾燥したエノキタケの重量に対し0.1倍量以上のエタノール水溶液を加え、0〜78℃の温度で抽出し、固液分離した後の液層を乾燥することを含む、請求項2〜7のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
【請求項9】
60〜70℃の条件で乾燥、又は凍結乾燥したエノキタケの重量に対し5倍量以上のエタノール水溶液を加え、10〜30℃の温度で抽出する請求項8記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テストステロン分泌促進用組成物に関し、詳しくは男性更年期障害の予防及び/又は改善に有用なテストステロン分泌促進用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
テストステロンは、男性ホルモンの中で最も分泌量が多く、作用も強い。テストステロンは、男性だけでなく、女性においても量は少ないが分泌されており、性器及び骨格の男性化、ならびにタンパク質同化促進といった働きがあり、男性生殖器の発達、骨格や筋肉の発達、性欲・性衝動の亢進、及び脳や精神面の活力亢進に影響を及ぼすとされている。血中のテストステロン濃度は強いストレスを受けた場合や加齢に伴って低下し、男性更年期障害や思春期遅発症などの疾病を引き起こす(特許文献1及び2)。更に近年では、更年期障害が骨粗しょう症や鬱・認知症などの原因の要因として考えられている。
【0003】
またテストステロンは、造血作用を有し、動脈硬化やメタボリックシンドロームの予防などに影響することが知られている(非特許文献1)。
【0004】
このため、テストステロン剤として皮下注射させる方法で治療に使われてきているが、テストステロンの分泌促進作用を有する食品も知られ、マカ(特許文献3)、ツルニンジン属植物(特許文献4)、黒酢もろみ(特許文献5)、タマネギ加工品(特許文献6)等の摂取が提案されている。
【0005】
一方、特許文献7には、エノキタケ等の抽出物がテストステロン−5α−レダクターゼ阻害作用を有し、頭部に塗布することにより育毛効果を示すことが記載されている。
特許文献7の段落0005に記載されているように、テストステロン−5α−レダクターゼ阻害剤が養毛・育毛剤として利用される理由は、代謝系における男性ホルモン(テストステロン)が、テストステロン−5α−レダクターゼの作用を受けて5α−ジヒドロテストステロンが生成・蓄積され、その結果毛根が萎縮し、抜毛・禿等を誘引すると考えられているからである。
【0006】
したがって、特許文献7はテストステロン−5α−レダクターゼ阻害作用による5α−ジヒドロテストステロンの生成・蓄積に関するものであり、本発明のテストステロンの分泌を促進させる組成物については開示も示唆もしていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−256513号公報
【特許文献2】特開2006−306889号公報
【特許文献3】特開2005−306754号公報
【特許文献4】特開2007−84559号公報
【特許文献5】特開2013−181031号公報
【特許文献6】特開平9−169661号公報
【特許文献7】特開平7−278006号公報(請求項1、2、段落0005、及び実施例2、3)
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】臨床泌尿器科、69巻、1号、54〜58頁(2015年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、エノキタケ(Flammulina velutipes(Curt.:Fr.)Sing.)を原料とする、男性更年期障害の予防及び/又は改善に有用なテストステロンの分泌促進作用を有し、且つ、安全性が高い経口組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究の結果、エノキタケの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物を有効成分とすることで、精巣細胞からのテストステロンの分泌を顕著に促進できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の実施形態は以下の通りである。
(1)エノキタケの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物を有効成分とするテストステロン分泌促進用経口組成物。
(2)エノキタケのエタノール抽出物又はその処理物を有効成分とする前記(1)に記載の組成物。
(3)男性更年期障害を予防及び/又は改善するために用いられる前記(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)エタノール抽出物の抽出溶媒がエタノール水溶液である前記(2)又は(3)に記載の組成物。
(5)エノキタケの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物が、セラミド、セレブロシド、グリコシルセラミド、スフィンゴイド塩基、スフィンゴ脂質、グリセロ脂質、ステリルグリコシド、ステロール配糖体、ステロール、脂肪酸、サポニン、ステロイド配糖体、ステロイド、レチノイド、レチノイン酸、レチノール、レチナール、カロテノイド及びテルペノイドから選ばれる少なくとも1種を含むものである前記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)食品組成物又は医薬組成物である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)食品組成物が健康食品、サプリメント、機能性表示食品、栄養補助食品、特定保健用食品、病者用食品又は高齢者用食品である前記(6)に記載の組成物。
(8)60℃以上の条件で乾燥、又は凍結乾燥したエノキタケの重量に対し0.1倍量以上のエタノール水溶液を加え、0〜78℃の温度で抽出し、固液分離した後の液層を乾燥することを含む、前記(2)〜(7)のいずれかに記載の組成物の製造方法。
(9)60〜70℃の条件で乾燥、又は凍結乾燥したエノキタケの重量に対し5倍量以上のエタノール水溶液を加え、10〜30℃の温度で抽出する前記(8)に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明のテストステロン分泌促進用経口組成物によれば、血中テストステロンを増加させることができる。したがって、本発明のテストステロン分泌促進用経口組成物は、男性更年期障害の予防及び/又は改善に有用である。また、本発明のテストステロン分泌促進用経口組成物は、健康食品、サプリメント、機能性表示食品、栄養補助食品、特定保健用食品、病者用食品又は高齢者用食品を含む種々の非加熱及び加熱加工食品に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は精巣障害マウスにエノキタケ乾燥粉末を摂取させた時の精巣からのテストステロン分泌量を示したグラフである。
【
図2】
図2はマウス精巣初代培養細胞からのテストステロン分泌に対するエノキタケ・エタノール抽出物の影響を示したグラフである。また、1mUのヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)存在下でのテストステロン分泌量を陽性対照として示してある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明においては、エノキタケの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物をテストステロン分泌促進用経口組成物の有効成分として用いる。
エノキタケ乾燥粉末の調製法としては、好ましくは、エノキタケを、通常60℃以上、好ましくは60〜70℃の条件で乾燥するか、あるいは、凍結乾燥し、フードプロセッサー等で細粉する方法が挙げられる。
【0015】
抽出物を得るために用いる溶媒としては、水;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール;ケトン類、例えばアセトン等が挙げられる。抽出物を一旦溶媒除去して乾燥物として用いる場合には、前述した任意の溶媒を単独で又は混合して用いることができる。一方、抽出物を溶媒に溶解した状態で用いる場合には、人体に対して有害な作用を示さない溶媒を用いる必要があり、この場合には、水又はエタノール水溶液を用いることが好ましく、エタノール水溶液を用いることが更に好ましい。抽出に際して、エノキタケは、そのまま用いることができ、また乾燥後に破砕又は粉砕して溶媒との接触を高めることもできる。
また、抽出物の形態は、液状、乾燥粉末状、顆粒状、ペースト状等、どのようなものでも用いることができ、特に限定されるものではない。
【0016】
例えば、抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出物を製造する方法としては、前記エノキタケ乾燥粉末を、該乾燥粉末の重量に対し通常0.1倍量以上、好ましくは5倍量以上(例えば5〜50倍量、10〜50倍量などの範囲で)のエタノール水溶液(濃度:通常20〜90%、好ましくは30〜50%)と混合し、通常0〜78℃、好ましくは10〜60℃、更に好ましくは10〜30℃(室温)の温度で抽出処理を行った後、抽出残渣を除去(遠心分離、又はフィルター等でのろ過)する方法等が例示される。
【0017】
本発明において、乾燥粉末又は抽出物の処理物における「処理」とは、濃縮、粉砕、製粉、洗浄、加水分解、発酵、精製、圧搾、抽出、分画、ろ過、乾燥、粉末化、造粒、溶解、滅菌、pH調整、脱臭、脱色等を任意に選択、組み合わせた処理を示し、前記精製とは、イオン交換樹脂やシリカゲル等を用いたクロマトグラフィー・吸着脱離、イオン交換樹脂や電気透析膜を用いた脱塩、電気透析膜及び/又はRO膜及び/又はMF膜及び/又はUF膜を用いた分離、濃縮及び/又は冷却を用いた結晶化・沈殿、遠心分離等を用いた固液分離等を任意に選択、組み合わせた処理を示す。
【0018】
なお、本発明で用いるエノキタケの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物には、セラミド、セレブロシド、グリコシルセラミド、スフィンゴイド塩基、スフィンゴ脂質、グリセロ脂質、ステリルグリコシド、ステロール配糖体、ステロール、脂肪酸、サポニン、ステロイド配糖体、ステロイド、レチノイド、レチノイン酸、レチノール、レチナール、カロテノイド及びテルペノイドから選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好適である。また、これらの取得は、上述のような調製方法、製造方法等に限定されるものではなく、同様の品質のものが取得できるような様々な変形が可能である。
【0019】
本発明の組成物の形態は、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、液剤等を挙げることができる。これらの各種製剤は、エノキタケの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物のみで製剤化してもよいし、常法にしたがって賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの既知の補助剤を用いて製剤化することもできる。
【0020】
また、本発明においては、飲食品等と混合して健康食品、サプリメント、特定保健用食品、機能性表示食品(例えば、男性ホルモン増加用食品、男性更年期障害予防用食品)、栄養補助食品、病者用食品又は高齢者用食品として提供することも可能である。
【0021】
本発明のテストステロン分泌促進用経口組成物の投与量は、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、エノキタケの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物では、乾燥粉末として、通常1日15〜500mgであり、投与回数は、通常、経口投与では1日1〜3回である。
本発明のテストステロン分泌促進用経口組成物の製造原料であるエノキタケは、食用に供されており、安全性は確立されている。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
【0023】
[実施例1]
(エノキタケのテストステロン分泌促進作用に関する動物試験)
(試料の調製)
1kgのエノキタケを水洗した後、90℃で2分間加熱処理し、凍結乾燥を行った。乾燥後、フードプロセッサーで処理し、エノキタケ粉末を得た。該粉末の水分含量は2.4%であった。
【0024】
(動物試験の方法)
マウス(7〜8週令のddY雄)12匹を3群に分け、(i)標準飼料摂取群、(ii)シスプラチン投与+標準飼料群、(iii)シスプラチン投与+5%エノキタケ混餌群とした。(ii)及び(iii)群では、シスプラチン(2.5mg/kg体重)を腹腔投与した。(i)及び(ii)群は、マウス用標準飼料(MF、オリエンタル酵母工業株式会社)を、(iii)群は、エノキタケ粉末を5%になるようにマウス用標準飼料に混ぜたものを摂取させた。1週間これらの飼料でマウスを飼育した後、精巣を採取、初代培養し、テストステロン分泌量を測定した。
【0025】
(マウス精巣初代培養細胞の調製)
各群の精巣を細切し、0.05%コラゲナーゼを含むMedium 199培地にて処理(37℃、15分)した後、DME/F−12培地にて2回洗浄後、10%ウシ胎児血清を含むDME/F−12培地にて懸濁し、ウェルあたり3×10
5cell/0.5mlに調製し、24ウェルプレートに播種し、一夜、培養した。
【0026】
(テストステロン分泌量の測定)
初代培養細胞のウェルをダルベッコPBS(−)で細胞を2回洗浄し、これに0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むDME/F−12培地0.45mlと共に、試料に0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むDME/F−12培地の10倍希釈したものを、1/10量添加した。2時間培養後、培地を採取し、培地中のテストステロン濃度をEIA法により測定した。具体的には、96ウェルマイクロプレートにヤギ抗家兎IgG抗体(2μg/well)を添加し、常温で1時間コーティングした。洗浄後、1%BSAを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4)を添加した。約15分後、ウェルを洗浄し、標準希釈液(0.5%BSA,25mM EDTA,0.14M PBS,pH7.4)に溶解したテストステロン又は前記培地試料、ビオチン化テストステロン及び抗テストステロン血清を順次添加し、撹拌し、2時間反応させた。洗浄後、HRP標識アビジン(1万倍希釈)を添加し、30分間反応させた。洗浄後、0.002%オルトフェニレンジアミン溶液(0.0012%過酸化水素を含むリン酸クエン酸緩衝液に溶解)を加えて10分間呈色反応させ、2M硫酸にて反応を停止し、マイクロプレートリーダーで490nmにおける吸光度を測定し、テストステロン分泌量を求めた。
【0027】
(結果)
各群から得た精巣初代培養細胞のテストステロン分泌量は、標準飼料摂取群に比し、シスプラチン投与+標準飼料群で有意(*、p<0.05)に低下したのに対し、シスプラチン投与+5%エノキタケ混餌群では、シスプラチン投与+標準飼料群に比し有意(**、p<0.05)に増加していた。(
図1)
【0028】
[実施例2]
(マウス精巣由来の初代培養細胞を用いたエノキタケのテストステロン分泌促進活性試験)
(試料の調製)
実施例1で調製したエノキタケの凍結乾燥粉末の0.1gに20倍量の30%、50%、あるいは80%エタノール水溶液を添加し、室温で2時間撹拌した後に3000rpmで10分間遠心分離した上清を減圧乾固し、0.2mlの30%、50%あるいは80%エタノールに溶解した。これを10000rpmで5分間遠心分離し、不溶物を除去した上清を試料として用いた。
【0029】
(マウス精巣初代培養細胞の調製)
マウス(ddY系、雄、7〜8週令)から精巣を採取し初代培養を行った。具体的には、採取した精巣を細切し、0.05%コラゲナーゼを含むMedium 199培地にて処理(37℃、15分)した後、DME/F−12培地にて2回洗浄後、10%ウシ胎児血清を含むDME/F−12培地にて懸濁し、ウェルあたり3×10
5cell/0.5mlに調製し、24ウェルプレートに播種し、一夜、培養した。
【0030】
(テストステロン分泌促進活性の測定法)
初代培養細胞のウェルをダルベッコPBS(−)で細胞を2回洗浄し、これに0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むDME/F−12培地0.45mlと共に、前記の試料を0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むDME/F−12培地にて10倍希釈したものを、1/10量添加した。無添加のものを陰性対照、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)0.01ユニット/mlを1/10量添加したものを陽性対照とした。2時間培養後、培地を採取し、培地中のテストステロン濃度をEIA法によりテストステロン分泌量を測定した。具体的には、96ウェルマイクロプレートにヤギ抗家兎IgG抗体(2μg/well)を添加し、常温で1時間コーティングした。洗浄後、1%BSAを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4)を添加した。約15分後、ウェルを洗浄し、標準希釈液(0.5%BSA,25mM EDTA,0.14M PBS,pH7.4)に溶解したテストステロン又は前記培地試料、ビオチン化テストステロン及び抗テストステロン血清を順次添加し、撹拌し、2時間反応させた。洗浄後、HRP標識アビジン(1万倍希釈)を添加し、30分間反応させた。洗浄後、0.002%オルトフェニレンジアミン溶液(0.0012%過酸化水素を含むリン酸クエン酸緩衝液に溶解)を加えて10分間呈色反応させ、2M硫酸にて反応を停止し、マイクロプレートリーダーで490nmにおける吸光度を測定し、テストステロン分泌量を求めた。
【0031】
(結果)
エノキタケ30%エタノール抽出物、50%エタノール抽出物、80%エタノール抽出物添加により、無添加に比し2.4〜5.2倍のテストステロン分泌量の増加が認められた。(
図2)