【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴部を有する自動車群により解決される。
【0008】
本発明に係る一の自動車群とは、少なくとも一つの第一の車両シリーズの自動車および少なくとも一つの第二の車両シリーズの自動車の全体のことである。ここで、二つの車両シリーズは、異なるクラスに属する。もちろん、二つよりも多い車両シリーズの基本骨格ボディ(Rohbaukarosserie)が一の自動車群にまとめられるのでもよい。
【0009】
本発明の思想の核心は、“車両前部モジュール”と“キャビンモジュール”を用意し、形態が異なるにもかかわらずこれら二つのモジュールを制限なく組み合わせることができ、それによりクラスが異なる自動車を作り出せるという点にある。このとき、一方では車両前部モジュールに異なるエンジンマウント間隔が設けられ、他方ではキャビンモジュールに異なるフロントシート間隔が設けられているが、さらに、これら二つのモジュールに、できるだけ多くの接続寸法(Anschlussmasse)が共通に装備されているというのが基本的思想である。従って、二つのモジュールがその異なる形態にもかかわらず互いに組み合わせることができるよう、標準化(共通化)されたインターフェースを用意することができる。
【0010】
ここで、少なくとも四つのモジュールのそれぞれは、“同一パーツ”として形成されている。つまり、これらのモジュールの一つの全変形態様(全ヴァリエーション)が“同一パーツ”である(以下に示す定義を参照)。
【0011】
エンジンマウントやフロントシートの間隔は、いずれも車両の幅の拡がりY(つまり車両長手方向Xに交差)に関するものである。
【0012】
本発明により、特に効果的な方法で、異なる駆動ユニットのために車両前部モジュールの幅を拡張したり、異なる室内空間幅のためにキャビンモジュールの幅を拡張したりすることができる。これら二つの手段は、もちろんこれに限ったわけではないものの、異なるクラスの自動車の違いを出すのに適している点で重要である。
【0013】
“異なるフロントシート間隔”は、搭乗者の座席位置を実際に決めるものである。つまり、フロントシート間隔が大きいと搭乗者同士の隔たりも大きくなる。すなわち、異なるフロントシート間隔により、車両方向Yにおける搭乗者のいわゆるH点(ヒップポイント)やR点(シーティングレファレンスポイント)は、互いに異なる距離で位置する。重要なことは、クラスに応じて適切な座席間隔を作り出すことである。キャビンモジュールは、フロントシート相互の間隔に加えて車両長手方向Xにおける座席位置も異なっていてよい。
【0014】
本発明により、三つのクラスの自動車、例えば、エグゼクティブカークラス、アッパーミディアムカークラスおよびミディアムカークラスの自動車を有利な方法で体現することができる。ここには、個々のクラスから派生したオフロード車、スポーツカー、カブリオレ、ミニバン、多目的車等々といった自動車も含まれる。
【0015】
自動車の外見と全体設計に大事なのは、前側両輪の中間からインストルメントパネルまでの距離(“ダッシュボード−アクスル距離”)である。個々のクラスの自動車同士の間で違いを出すために、スケーリング(Skalierung)が可能な範囲内でこの距離を適宜変更することができる。
【0016】
本発明の実施形態では、車両前部モジュールは、当該モジュールが、様式の異なる駆動システム(後輪駆動または全輪駆動)、駆動ユニット(例えば、必要によりそれぞれ異なる気筒数を有するV型エンジン、直列型エンジン、オットー或いはディーゼル形式による内燃機関)、変速機(手動変速機、自動変速機、デュアルクラッチトランスミッション)およびフロントアクスルシステム(例えば、ストラット式サスペンション、ダブルウィッシュボーン式サスペンション)のための共通の収容部を有するように考えられている。本発明の実施形態により、各車両前部モジュールに任意のユニットおよびシステムのための共通の収容部だけがあるようになる。そのため、例えば最大部類の駆動ユニット用の“スペース”が“小さな”車両前部モジュールに無く、その結果この組み合わせが除かれているといった類の制限に結びついていることもあるが、これは経済的な理由から受け入れる。もっとも、こういった技術的な理由から生じる特定の組み合わせの可能性の排除は、モジュールの共通化によるメリットと、それに伴う経済効率的な生産によって相殺される。
【0017】
本発明による自動車群にとって重要な基盤は、ガソリンエンジンなのかそれともディーゼルエンジンなのか、自動車が後輪駆動あるいは全輪駆動のいずれを備えて構成されているのか、自動車が内燃機関に加えて電気モータを駆動ユニットとして有している(ハイブリッドカー)かどうか等々とは関係なく、エンジン及び/又は変速機の共通の支持位置と、エンジンの共通の傾斜角とを持つ車両前部モジュール内に、共通の自動車用パワートレインを使用するということである。
【0018】
パワートレインの共通化における別の基盤は、例えば、ギヤ式トランスファーの代わりに、効率、価格および重さに関するメリットがあり且つトランスファーからフロントアクスル変速機(Vorderachsgetriebe)までの“変速機に近い”従動軸を伴うと好ましいチェーン式トランスファーを一貫して使用することである。フロントアクスルシステム、ステアリングギア、トランスファー出力部およびフロントアクスル変速機の少なくともいずれか一つの位置も共通化されることが好ましい。
【0019】
パワートレインの共通位置は、例えば、前側両輪の中間と駆動ユニットの確定された座標位置との間の寸法によって定められている。同様に、例えば駆動ユニットの後方エッジとトランスファーの出力位置との間の寸法が共通化されていてもよい。特に好ましい方法では、エンジン支持部と変速機支持部の少なくともいずれか一方の位置が共通化されている。
【0020】
エンジン固有のインターフェース、例えば排気装置のエンジン出口側端部(“ホットエンド”)とエアインテークシステムの少なくともいずれか一方の境界のアウトライン、変速機とフロントアクスル変速機の少なくともいずれか一方の位置等々は、あらゆる動力部搭載(モータリゼーション)(Motorisierung)の変形態様に対し、一つのモジュール内で同一である。
【0021】
本発明の構成において、キャビンモジュールは、運転席および助手席をクラス毎に異なる位置に、つまり車両横手方向においてもそうだが、さらに/または車両長手方向においても異なる位置にするような構成とされている。さらに、キャビンモジュールが異なると運転席および助手席の高さ位置も違っていて、それにより、一方ではセダン、クーペ等の間で、他方ではオフロード車、多目的車等の間で違いが得られるようになっていてもよい。
【0022】
既述したように、車両横手方向には、ドライバーと助手席同乗者間におけるHポイントないしRポイント間の異なる距離が与えられる。自動車の二名の前側搭乗者間のこの間隔は、各クラスにおける室内感の決め手になる。しかもこのとき、センターコンソールと“センタースタック”の少なくともいずれか一方の設計が重要な役割を果たす。
【0023】
フロントシート同士の間隔は、例えば空調ユニットおよび/またはヘッドアップディスプレイの大きさ、ペダルおよび/またはステアリング装置の位置といった室内に組み込まれるものの寸法決めや位置決めに影響を与え得るので、これらの組み込み物は、クラスに適った設計と配置を行なうことができる。このことは、空調ユニットとヘッドアップディスプレイの場合には、車両長手方向Xにおける位置を左右する。ペダルとステアリング装置の位置は、主として車両横手方向Yに関係してくる。さらに、キャビンモジュールは、必要であれば、いわゆる“セントラル・バス”つまり、低い周波数を再生するために中央に配置されるスピーカを収容できるように構成することができる。
【0024】
車両長手方向では、前側搭乗者用の座席配置により、キャビン部分において、クラスが異なる自動車の大きさの格付け(Groessenabstufung)(スケーリング(Skalierung))が行なわれる。これは、ダッシュパネルに対する運転席・助手席用のシートフロアクロスメンバ(Sitzquertraeger)の位置が異なることにより実現される。このスケーリングによって、車両の外形寸法と車両内部のスペース提供の少なくともいずれかが体現される。そのための大きさが、前方両輪の中間とRポイントの間の間隔である。同じように、Rポイントのエンジンまでの距離が基準として参照できる。
【0025】
さらに、キャビンモジュールは、異なる空調ユニット、例えば2ゾーン式空調ユニット(フロントシートに空調の調節部を有したもので、リアシート用の空調の制限付き調節部を有したものは、いわゆる2.5ゾーン式空調ユニットである。)或いは前部座席と後部座席に独立した空調の調節部を有した4ゾーン式空調ユニットを収容するように構成されていてもよい。空調ユニットは、空冷式であることが好ましい。
【0026】
空調ユニットとは、車両室内の暖房と冷房の少なくともいずれか一方のためのシステムである。
【0027】
さらに、(幅と長さの少なくともいずれか一方に関して)異なる大きさのセンターコンソールを有したキャビンモジュールが構成されていてもよい。このとき重要なのは、車両長手方向Xの寸法である。加えて、キャビンモジュールは、異なる先進運転支援ユニット(例えばヘッドアップディスプレイなど)を収容することができる。同様に、異なるエンターテインメントユニット(例えば異なるスピーカ設備など)が設けられていてもよい。
【0028】
本発明の好適な形態では、キャビンモジュールは、共通のダッシュパネル部を有することで、異なる車両前部モジュールと連結することができるようになっている。従って、ダッシュパネルは、一種の“コモナリティセンター(Kommunalitaetszentrum)”、つまり異なる車両前部モジュールとキャビンモジュールとの間の共通のインターフェースを形成する。この場合、ダッシュパネル部が、組立部品(例えばステアリング、空調ユニット、ブレーキ装置、配線・配管用の接続部等々の構成要素)用と配線・配管用の共通の貫口部を有していると有利である。配線・配管は、電気的なケーブル、特にハーネスの一部や媒体を通す導管である。組立部品は、例えばステアリングコラムやブレーキ装置のペダルの部品などでもよい。ダッシュパネルは、エンジンマウントの間隔が異なる少なくとも二つの車両前部モジュールが制限なしでダッシュパネルに前側で連接できるように形成されている。
【0029】
ダッシュパネルは、好ましくは共通の通過面、つまり組立部品と配線・配管を通すために設けられている領域を持ち、これにより正確な貫通口を個別の場合に必要に応じて作り込むことができる。その他に、ダッシュパネルは、例えば空調ユニットの異なる高さ位置を実現できるようにするために(例えば車両群の中でスポーツ仕様の車両とスポーツ・ユーティリティ・ビークルの間の違いを出すために)“変更可能”な領域がある。また、車両に合わせた各調整、例えばフロントガラスの位置および/またはカウルの位置に関する各調整は、共通のダッシュパネルの変更可能な領域を使って実現することができる。
【0030】
Rポイントの異なる高さのスケーリングは、車両内の高さ方向(Z)におけるダッシュパネルの異なる配置により行なわれる。特殊な方法では、高さ方向Zのスケーリングは、ダッシュパネルの高さに沿って貫口部の配置を変えることで実現される。
【0031】
自動車の全体設計と外見にとって重要なのは、前側両輪の中間とインストルメントパネル(“ダッシュボード−アクスル距離”)の間の距離である。個々のクラスの車両同士の間で違いを出すために、スケーリング(等級分け・格付け)の可能な範囲内でこの距離を然るべく変更することができる。
【0032】
本発明の他の形態において、少なくとも二つの異なる後部モジュールを有するキャビンモジュールと車両前部モジュールを組み合わせることができる。後部モジュールは、異なるリアアクスルシステム(例えば異なる構成のマルチリンク式リアアクスル)及び/又は異なる種類のマフラー(例えば隔壁タイプのサイレンサ(Schalendaempfer)、ストレートタイプのサイレンサ(Wickeldaempfer)))、燃料添加剤システム(例えば尿素添加)、リアアクスル制御システム(エアサスペンションの場合)、スペアタイヤコンセプト(タイヤとして完全なスペアタイヤを用いる或いは“応急用タイヤ”を用いる或いはスペアタイヤ無し)の少なくともいずれかのための共通の収容部を有して構成されている。
【0033】
後部モジュールには、本発明の形態において、制御・操作装置、媒体タンク等々のための“収容槽(収容受け)”が設けられている。収容槽のための組立スペースは、全ての後部モジュールにおいて予め確保してある。収容槽のための接続ポイントは、全ての後部モジュールにおいて共通化されている。
【0034】
好ましくは、横切るように位置している排気装置のマフラー(例えばストレートタイプのサイレンサとしての実施形態によるもの)が収容槽に隣接して設けられている。
【0035】
特に有利であるのは、エネルギー蓄積モジュールのための接続ポイントが、リアシートの下側の領域に、本発明による全ての自動車において同じ方法で設けられている場合である。こうして、本発明による群の全ての自動車に対し、電気エネルギー蓄積部に必要なスペースが予め用意されていて、それにより基本的には制限なく“ハイブリッド化”、つまり内燃機関に加えて電気モータを一緒にして構成することもできる。こうして、エネルギー蓄積モジュールは、上述の異なる車両前部モジュールとキャビンモジュールの間の“コモナリティセンター”としてのダッシュパネルに比肩し得る後部モジュールにおける“コモナリティセンター”を構成する。
【0036】
本発明は、基本的に、後輪駆動(“標準駆動”)を有して構成されている自動車、選択的に(必要があれば専ら少なくとも一つのモデル変形態様において)全輪駆動が備えられている自動車に関することが好ましい。
【0037】
複数のキャビンモジュールについて、従って自動車群全体について、一つの共通のフロアパネル(Bodengruppe)が用いられる点が重要である。共通のフロアパネルは、この群全ての車両に関する幅が同じである点に特徴を有する。異なる車幅は、例えば異なるサイドステップ(Schwellerverkleidung)により体現される。同じように異なるサイドフレームを使用することもできる。フロアパネルは、それらにエンジンマウントの間隔が異なる車両前部モジュールを接続することができるようなものでなければならない。フロントシートとリアシートの少なくともいずれか一方の位置は、異なるシートフロアクロスメンバにより広げられるが、このシートフロアクロスメンバは、場合によっては、高さ位置を設定するためのコンソールをさらに有することができる。また、フロアパネルにおける中央トンネル部(フロアトンネル)は、標準駆動の自動車に対してだけでなく、全輪駆動の自動車に対しても適しているように構成することができる。この群の個々の車両の様々な長さは、共通のフロアパネルを使用しつつ、好ましくはリアシートの領域において必要に応じて裁断したり継ぎ足したりすることで実現される。
【0038】
本発明による自動車群の個々のモジュールにおいて実現されている基本的な特徴は、以下に挙げられる:それは共通のパワートレインおよび/またはハイブリッド駆動を実現するための一貫したコンセプトであり、それは、蓄電部と、共通のフロアパネル(後輪駆動および全輪駆動の車両に同等に適しているもの)と、共通のダッシュパネルと、好ましくは空冷式の(luftgeregelte)空調ユニット(空冷式にすることで空調ユニットはダッシュパネルに配置することができる)と、様々な構成による独立懸架マルチリンク式サスペンション(Raumlenkerachse)を有するリアアクスルシステムと、後部モジュールにおける収容槽(必要であれば、横に位置するマフラーも一緒)との少なくともいずれかひとつのための組立スペースを設けることによるものである。
【0039】
上述したように、特別な態様でメリットがもたらされるのは、標準駆動の自動車の場合であって、これらの自動車が全輪駆動を有して構成されていても使用できるように作られているフロアパネルを有している自動車の場合である。従って、自動車の駆動の変形態様(ヴァリエーション)に対するフロアパネルの変形態様(ヴァリエーション)を前もって確保しておく必要はない。
【0040】
さらに、特別な態様でメリットがもたらされるのは、駆動ユニットとして内燃機関を有して構成されている自動車の場合であって、これらの自動車が付加的な駆動ユニットとして電気モータを有していても使用できるように作られている一つのフロアパネルを有している自動車の場合である。この場合には、専らダッシュパネル部から所謂ヒールプレートまでのフロアパネルを共通に構成する一方で、他方でヒールプレートの後ろ側のフロアプレートの領域は、内燃機関(後部座席の下側の領域の燃料タンク)だけを有した実施形態なのか、それともハイブリッド駆動(後部座席の下側の領域の電池とヒールプレートの後ろ側の領域の燃料タンク)を有した実施形態なのかに応じて、異なるように構成されていることが有利となり得る。
【0041】
“同一パーツ”の概念(同じく“共通の”組立部品の概念)には、同じ深絞り加工機によって製造されるような基本骨格部品が含まれる。プレス加工での製造に続いて、これらの“同一パーツ”は、その長さ寸法を短くしたり長くしたりすることで変更を加えることができる。トリミングによる短縮加工時には、例えば、二つ或いはそれを上回るクラスの自動車に横断的に使用される深絞り加工された平らなプレート部やサイドメンバーは、クラスに応じ、小型のクラス(複数クラス)の自動車に対してはその端部部位において裁断をすることで短縮される。代替的に、サイドメンバーやプレート部は、リベット接合、溶接、ネジ止め、接着等々により延長部品を付け足すことによってクラスに応じて延長することもできる。トリミング(裁断)による、或いは延長(付け足し)によるこれらの長さ調整は、共通の深絞り加工機によって前もって製造した“同一パーツ”に対する事後処置として実行される製造工程であるので、これらの事後処置について比較的僅かな労力と工具代しかかからないことになる。
【0042】
深絞り加工されたプレート部品は、例えばダッシュパネル、フロアプレート、サイドメンバー等々である。プレート材料は、その面方向に沿って均質とすることができるし、或いは、例えば所謂“テーラードブランク”によって形成することもできる。
【0043】
さらに、“同一パーツ”の概念(同じく”共通の”組立部品の概念)には、同じ鋳造装置で製造されるような基本骨格部品が含まれる。鋳造部品の利点は、とりわけ、機能、取付け部品、連結部などを統合する多様な可能性にある。例えば、ストラットマウントは、鋳造部品によって有利に形成することができる。
【0044】
さらに、“同一パーツ”の概念(同じく“共通の”組立部品の概念)には、同じ押出成形装置により製造されるような基本骨格部品が含まれる。押出成形プロファイルは、その長手方向に沿って変わらない断面を有している。特殊な方法では、押出成形プロファイルは、サイドメンバーを形成するのに適している。押出成形プロファイルは、異なる長さに製造することができるか或いは事後的に必要な長さにトリミングして短縮することができる。さらに、押出成形プロファイルは、例えばマルチチャンバプロファイル(Mehrkammerprofil)における一室を取り除くフライス加工によるなどして、事後処理によって部分的にその断面を変更することができる。
【0045】
基本的に、個々のモジュールそれぞれの“同一パーツ”には、クラスに応じて、基本骨格ボディおよび組付部品の少なくとも一方に“同一パーツ”を接続するための様々な穴パターンが打抜き、穴あけ等々により設けられてもよい。しかしながら“同一パーツ”に重要なことは、同じ深絞り加工機において製造した後は、それ以上の成形による変更は加えられないということである。共通の深絞り加工機のクラス横断的な使用により、製造設備の投資コストが大幅に削減される。異なる穴パターンが、例えば、様々な国の所謂“左ハンドル”ないし“右ハンドル”の仕様で自動車を製造する際に必要である。ダッシュパネルにおける貫口部がステアリングやブレーキ等々のために左右入れ替わるためである。
【0046】
もちろん、“同一パーツ”は、少なくとも部分的に同じ組立部品として形成されていてもよい。
【0047】
本発明との関連で用いられる位置の呼び名“フロント/前部”および“リア/後部”並びにそれに依存した用語は、該当する組立部品の自動車内における組込み位置と、自動車の走行方向とに関係するものである。
【0048】
本発明の可能な実施形態が図面に示されており、以下でより詳細に説明する。