特許第6774461号(P6774461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774461
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】多芯通信ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/36 20060101AFI20201012BHJP
   H01B 11/20 20060101ALI20201012BHJP
   H01B 11/18 20060101ALI20201012BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   H01B7/36 Z
   H01B11/20
   H01B11/18 D
   H01B7/18 D
   H01B7/18 H
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-146853(P2018-146853)
(22)【出願日】2018年8月3日
(65)【公開番号】特開2020-21702(P2020-21702A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2019年8月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003414
【氏名又は名称】東京特殊電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117226
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】中山 毅安
(72)【発明者】
【氏名】山崎 哲
(72)【発明者】
【氏名】今村 博人
【審査官】 中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−171690(JP,A)
【文献】 特開2002−216547(JP,A)
【文献】 特開2003−036740(JP,A)
【文献】 特開2007−242264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/36
H01B 7/18
H01B 11/18
H01B 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の同軸電線からなる同軸電線組を2組以上含み、前記2組以上の同軸電線組を外被シースで覆ってなる多芯通信ケーブルであって、前記同軸電線は、中心導体と絶縁体と外部導体と外被体とをその順で有し、前記外被体が着色テープを横巻きして構成され、前記同軸電線の表面に現れる螺旋状の色及び/又は幅によって識別され、前記着色テープと前記外部導体との間であって該着色テープの直下に該着色テープの横巻き方向とは逆向きで横巻きされた金属樹脂テープが設けられている、ことを特徴とする多芯通信ケーブル。
【請求項2】
前記螺旋状の色及び/又は幅は、前記着色テープの色、ラップ及び巻ピッチから選ばれるいずれか1又は1以上を組み合わせて構成されている、請求項1に記載の多芯通信ケーブル。
【請求項3】
前記着色テープが融着層付き樹脂テープであり、該融着層付き樹脂テープをラップ巻きしてなる、請求項1又は2に記載の多芯通信ケーブル。
【請求項4】
前記着色テープの厚さが2〜10μmの範囲内である、請求項1〜のいずれか1項に記載の多芯通信ケーブル。
【請求項5】
前記着色テープが1/2未満のラップで横巻きされている、請求項1〜のいずれか1項に記載の多芯通信ケーブル。
【請求項6】
前記外被シースが、内側から外側に向かって、1又は2以上の押さえ巻きテープと、シールド層と、樹脂押し出し層とをその順で有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の多芯通信ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の同軸電線を有する多芯の高速信号伝送ケーブルに関し、さらに詳しくは、高速デジタル信号を好適に伝送することができるとともに、コネクタ配線時の同軸電線の識別が容易な高速信号伝送用の多芯通信ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、USB3.1等に代表される通信用ケーブルは、使用周波数が高くなるとともに頻繁に挿抜等のハンドリングをするため、細径化や柔軟性を求められる傾向にある。通信用ケーブルに要求される細径化や柔軟性を改善したものとして、例えば特許文献1では、10Gbps以上の高速デジタル信号を好適に伝送することができると共に多芯撚り合わせした場合や屈曲させた場合でも信号伝送速度が一定で特性が低下しにくく、各ケーブルの電気長のばらつきが小さい高速信号伝送ケーブルを提案している。この技術は、同軸線集合体と、同軸線集合体の外周に設けたシールド層と、最外層に設けたシースとを具備してなる高速信号伝送ケーブルであり、その同軸線が、内部導体と、中空コア体と、金属箔、或いは金属層を設けたプラスチックテープを中空コア体の外周に縦添えしてなる外部導体とを有している。
【0003】
また、特許文献2では、同軸電線対の間のクロストークを抑制可能な多芯ケーブルの提供を課題とした技術が提案されている。この技術では、2本の同軸電線が互いに接触して並列されて構成される同軸電線対を二対以上含み、各同軸電線は、中心導体、絶縁体、外部導体および外被からそれぞれ構成されている。外部導体は、金属細線が横巻きされることで形成される内層部と、内層部の周囲に金属樹脂テープが横巻きされることで形成される外層部とを有し、内層部の金属細線の巻き方向は外層部の金属樹脂テープの巻き方向とは逆向きの方向であって、金属細線の巻き方向に対する金属樹脂テープの巻き方向の角度が30度以上90度以下とし、複数本の同軸電線のうち2本の同軸電線同士が接触して並列された同軸電線対が二対以上含まれることにより、同軸電線対の間のクロストークを−40dB以下としている。
【0004】
こうした従来の同軸線集合ケーブル(多芯通信ケーブル)では、複数の同軸電線を集合して用いているため、各同軸電線の識別のためにテープ巻き層の色相を変えていた。しかし、同軸電線の数に合わせてテープの色数をw増やすことは、コスト面や管理面で問題があった。こうした問題に対し、特許文献3では、巻回用テープに使用する着色テープの色数を増やすことなくテープ巻回層の色別数を増やるためのテープ巻き絶縁電線が提案されている。この技術は、外周に絶縁性プラスチックテープを重ね巻きしたテープ巻回層を設けたテープ巻き絶縁電線において、テープ巻回層を内側巻回テープと外側巻回テープの2枚の薄状テープにより形成し、内側巻回テープと外側巻回テープの色相を組み合わせることにより、テープ巻回層の色相を設定するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2013/069755
【特許文献2】特開2016−207658号公報
【特許文献3】特開2002−216547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年の通信用ケーブルは、高速デジタル信号を好適に伝送することができるように、多本数の同軸電線で構成された多芯通信ケーブルが増している。そのため、それら各同軸電線の役割毎にコネクタ等に接続したり配線したりする必要があるが、それらの識別が困難であると、接続作業が繁雑になり、間違いが生じるおそれがある。上記した特許文献3のテープ巻き絶縁電線では、内側巻回テープと外側巻回テープの2枚の薄状テープの色相を組み合わせてテープ巻回層の色相を設定する技術が提案されているが、2層にすることによる材料費と工数が増してしまうという難点がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高速デジタル信号を好適に伝送することができるとともに、コネクタ配線時の同軸電線の識別が容易な高速信号伝送用の多芯通信ケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る多芯通信ケーブルは、2本の同軸電線からなる同軸電線組を2組以上含み、前記2組以上の同軸電線組を外被シースで覆ってなる多芯通信ケーブルであって、前記同軸電線は、中心導体と絶縁体と外部導体と外被体とをその順で有し、前記外被体が着色テープを横巻きして構成され、前記同軸電線の表面に現れる螺旋状の色及び/又は幅によって識別される、ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、外被体が着色テープを横巻きして構成されるので、同軸電線の表面には、着色テープの色、ラップ及び巻ピッチを組み合わせて種々の識別性の違いを表すことができる。その結果、各同軸電線の役割毎にコネクタ等に接続したり配線したりする場合に、識別が容易になって接続・配線作業を容易且つ正確に行うことができるので、間違いをなくすることができる。
【0010】
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記螺旋状の色及び/又は幅は、前記着色テープの色、ラップ及び巻ピッチから選ばれるいずれか1又は1以上を組み合わせて構成されている。この発明によれば、それらの要素を組み合わせて種々の識別性の違いを表すことができる。
【0011】
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記着色テープが融着層付き樹脂テープであり、該融着層付き樹脂テープをラップ巻きしてなる。
【0012】
この発明によれば、融着層付き樹脂テープを着色テープとしたので、融着層を外部導体側にして設けることにより、着色テープを横巻きして表した螺旋状の色及び/又は幅を乱すことなく固着することができる。また、ラップ巻きしているので、ラップの程度を調整することにより、重なった部分と重ならない部分とのライン幅又は濃淡を任意に設定でき、識別性の違いを表すことができる。また、金属細線と樹脂テープとが融着層を介して接着しているので、融着層は金属細線の表層だけに融着することになり、バルクの金属細線のずれ動きに基づく柔軟性を生じさせることができる。また、端末ストリップ時に金属細線がばらけるのを抑制することができ、加工性が良く、短絡のおそれもない。
【0013】
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記着色テープと前記外部導体との間であって該着色テープの直下に、前記着色テープの横巻き方向とは逆向きで横巻きされた金属樹脂テープが設けられている。
【0014】
この発明によれば、芯材側に光を透過しない金属樹脂テープを設けるので、着色テープの色を鮮明にすることができる。また、金属樹脂テープと着色テープと逆向きに巻くので、着色テープで表れるライン幅を分かりやすくすることができる。
【0015】
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記着色テープの厚さが2〜10μmの範囲内である。この発明によれば、薄い着色テープで外被体を構成できるので、同軸電線全体の外径を太くせずに識別を可能とすることができる。
【0016】
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記着色テープが1/2未満のラップで横巻きされている。この発明によれば、1/2未満のラップで横巻きするので、厚さが厚くなるのを防ぐことができる。
【0017】
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記同軸電線の外径が、0.7〜0.9mmの範囲内である。この発明によれば、識別が容易な細径同軸電線を含む多芯通信ケーブルを提供することができる。
【0018】
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記外被シースが、内側から外側に向かって、1又は2以上の押さえ巻きテープと、シールド層と、樹脂押し出し層とをその順で有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高速デジタル信号を好適に伝送することができるとともに、コネクタ配線時の同軸電線の識別が容易な高速信号伝送用の多芯通信ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る多芯通信ケーブルの一例を示す断面図である。
図2】本発明に係る多芯通信ケーブルを構成する同軸電線の形態を示す斜視構成図である。
図3】金属樹脂テープを、金属細線と外被体との間に設けた同軸電線の形態を示す斜視構成図である。
図4】ラップの程度を変えた例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る多芯通信ケーブルの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
【0022】
[多芯通信ケーブル]
本発明に係る多芯通信ケーブル10は、図1図4に示すように、2本の同軸電線1,1からなる同軸電線組2を2組以上含むケーブル10である。そして、同軸電線1は、中心導体11と絶縁体12と外部導体13と外被体14とをその順で有している。外被体14は着色テープを横巻きして構成され、同軸電線1の表面に現れる螺旋状の色及び/又は幅によって識別され、その螺旋状の色及び/又は幅は着色テープの色、ラップ及び巻ピッチから選ばれるいずれか1又は1以上を組み合わせて構成されている。
【0023】
この多芯通信ケーブル10は、外被体14が着色テープを横巻きして構成されるので、同軸電線1の表面には、着色テープの色、ラップ及び巻ピッチを組み合わせて種々の識別性の違いを表すことができる。その結果、各同軸電線1の役割毎にコネクタ等に接続したり配線したりする場合に、識別が容易になって接続・配線作業を容易且つ正確に行うことができるので、間違いをなくすることができる。
【0024】
以下、各構成要素について詳しく説明する。
【0025】
<同軸電線>
同軸電線1は、図1図3に示すように、中心導体11と、中心導体11の外周に長手方向Yに連続した絶縁体12と、その絶縁体12の外周に設けられた外部導体13と、その外部導体13の外周に設けられた外被体14とで構成されている。
【0026】
(中心導体)
中心導体11は、同軸電線1の長手方向Yに延びる1本の素線で構成される、又は複数本の素線を撚り合わせて構成される。素線は、良導電性金属であればその種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっき層が施されたものを好ましく挙げることができる。高周波用の観点からは、銅線、銅合金線が特に好ましい。めっき層としては、はんだめっき層、錫めっき層、金めっき層、銀めっき層、ニッケルめっき層等が好ましい。素線の断面形状も特に限定されないが、断面形状が円形又は略円形の線材であってもよいし、角形形状であってもよい。
【0027】
中心導体11の断面形状も特に限定されないが、円形(楕円形を含む。)であってもよいし矩形等であってもよい。中心導体11の外径は、電気抵抗(交流抵抗、導体抵抗)が小さくなるように、できるだけ大きいことが望ましく、例えば0.09〜0.4mm程度を挙げることができる。中心導体11の表面には、必要に応じて絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよい。絶縁皮膜の種類と厚さは特に限定されないが、例えばはんだ付け時に良好に分解するものが好ましく、熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく挙げることができる。
【0028】
(絶縁体)
絶縁体12は、中心導体11の外周に、長手方向Yに連続して設けられている低誘電率の絶縁層である。絶縁体12の材料は特に限定されないが、例えばPFA、ETFE、FEP等の低誘電率のフッ素系樹脂が好ましく、良好な高周波伝送特性を示すことができる。絶縁体12の材料に着色剤を含有させてもよい。こうした絶縁体12の形成方法は特に限定されないが、押し出し、塗布等を挙げることができる。絶縁体12の構造形態は、中実構造でも中空構造でも発泡構造であってもよい。中空構造と発泡構造は、構造体内部に空隙を有するので誘電率をさらに小さくすることができる。絶縁体12の厚さも特に限定されないが、0.2〜0.5mm程度の範囲内とすることが好ましい。
【0029】
(外部導体)
外部導体13は、絶縁体12の外周に設けられている。外部導体13は、後述する全体を覆うシールド層6とは区別して設けられている。この外部導体13は、金属細線13aを横巻きしたもので構成されている。外部導体13の厚さは、使用する金属細線13aの線径や撚り本数によっても異ななり、特に限定されない。
【0030】
金属細線13aは、同軸電線の外部導体として誘電体層(絶縁体12)の外周に設けられている良導電性の金属細線であれば特に限定されない。例えば、錫めっき銅線等に代表される各種の金属細線を好ましく用いることができる。金属細線13aの直径も特に限定されないが、例えば0.04〜0.1mm程度の範囲内のものを挙げることができる。金属細線13aの本数は、絶縁体12の外径や予定する同軸電線1の外径等によって任意に選択されるが、後述の実施例のように、直径0.05mmの絶縁体12上に48本の金属細線13aを横巻きして外部導体13とすることができる。
【0031】
金属細線13aを横巻きする際の巻ピッチP1は、絶縁体12の外径によっても異なり、例えば、後述の実施例のように、絶縁体12の外径が0.78mの場合はピッチP1を14mm程度とすることが好ましい。こうした横巻ピッチP1としたので、屈曲時の柔軟性を発揮する金属細線13aが多少ずれ動いたとしても、電気的導通をより安定させることができ、安定したシールド特性を確保することができる。
【0032】
(金属樹脂テープ)
金属樹脂テープ13bは、必須の構成ではないが、図3に示すように、上記金属細線13aと後述する外被体14との間に設けられていることが好ましい。金属樹脂テープ13bを設けた場合は、金属細線13aとともに「外部導体13」を構成する。金属樹脂テープ13bを設ける場合は、金属層面を金属細線側にして横巻きする。
【0033】
金属樹脂テープが13bは、後述の着色テープ14と外部導体13との間であって、着色テープ14の直下に設ける。特に、着色テープ14の横巻き方向とは逆向きで横巻きして設ける。金属樹脂テープ13bは、光が金属層で反射又は吸収しやすいので、光が芯材側に透過しにくい。そのため、着色テープ14の色をより鮮明にすることができる。また、金属樹脂テープ13bと着色テープ14と逆向きに巻くことにより、着色テープ14で表れるライン幅をより分かりやすくすることができる。
【0034】
さらに、金属樹脂テープ13bを設けることにより、金属細線13aと金属樹脂テープ13bの金属層とが電気的に導通するので、屈曲時の柔軟性を発揮する金属細線13aが多少ずれ動いたとしても、金属細線13aの上には後述する樹脂テープ14aで拘束された金属樹脂テープ13bが配置されていることにより、安定したシールド特性を確保することができる。
【0035】
こうした金属樹脂テープ13bは、樹脂基材の上に金属層が設けられたものである。樹脂基材は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムを好ましく用いることができる。樹脂基材の厚さは、例えば2〜20μm程度の範囲内のものが任意に選択される。金属層は、銅層、アルミニウム層等を好ましく挙げることができる。金属層は、樹脂基材上に蒸着やめっきにより成膜されたもの、又は接着剤層(例えばポリエステル系熱可塑性接着性樹脂等)を介して貼り合わされた金属箔等を好ましく挙げることができる。金属層の厚さは特に限定されず、形成手段によっても異なるが、蒸着やめっきで成膜したものは2〜8μm程度の範囲内から任意に選択することができ、金属箔を貼り合わせたものは6〜16μm程度の範囲内から任意に選択することができる。なお、金属層の種類、厚さ、色、表面形態等は、上記のように、光の反射や吸収に影響するので、そうした反射特性や吸収特性を考慮して、着色テープの識別性がより向上するように選択することが好ましい。
【0036】
金属樹脂テープ13bは、図3に示すように、4〜10mmのピッチP2で横巻きされる。このピッチP2で横巻するとき、そのラップが1/5〜1/2となるようにテープ幅を選択する。上記ピッチP2と上記ラップで横巻するときのテープ幅は任意に選択して使用することが好ましい。金属樹脂テープ13bの横巻きは、着色テープ14の色をより鮮明にすることができるように、隙間をあけずにラップして横巻きすることが好ましい。さらに、金属層が金属細線13aに直に接触するように、金属層側が金属細線13aに向かい合うように対向した状態で行うことが好ましい。そうした結果、金属細線13aと金属層とを電気的に導通させることができる。上記ピッチP2とラップのもとで上記対向配置して横巻することにより、金属樹脂テープ13bの金属層同士に隙間を生じさせることなく金属細線13a上に金属層を直に接触配置することができる。その結果、屈曲時の柔軟性を発揮する金属細線13aが多少ずれ動いたとしても、電気的導通をより安定させることができ、安定したシールド特性を確保することができる。
【0037】
この金属樹脂テープ13bの横巻ピッチP2は、上記金属細線13aの横巻ピッチP1の1/5〜1/2の範囲内であることが好ましい。こうすることにより、属樹脂テープ13bを隙間なく巻くことができるとともに、金属細線13aを押さえることができる。金属樹脂テープ13bの横巻き方向は、上記した金属細線13aの横巻き方向と同じ巻き方向であっても、逆向きの巻き方向であってもよいが、逆向きが好ましい。なお、テープ幅は、巻きピッチや巻きやすさ等によって任意に選択され、例えば後述の実施例のように、3〜10mm程度とすることができる。
【0038】
なお、この金属樹脂テープ13bは、後述の融着層付き樹脂テープと融着層14bを介して接着されていることが好ましい。金属樹脂テープ13bを設けて、金属細線13aが融着層付き樹脂テープで直接固着されないようにすることにより、金属細線13aのずれ動きを確保することができるとともに、端末ストリップ時に金属樹脂テープ13bの下に位置する金属細線13aがばらけることがない。
【0039】
(外被体)
外被体14は、外部導体13の外周に設けられている。この外被体14は、着色テープ(本願では着色テープも符号14を用いる。)を横巻きして構成され、同軸電線1の表面に現れる螺旋状の色及び/又は幅によって個々の同軸電線1をその役割等に応じて識別する。具体的には、着色テープ14を横巻きするので、同軸電線1の表面には、着色テープ14の色、ラップ及び巻ピッチを組み合わせて種々の識別性の違いを表すことができる。その結果、各同軸電線1の役割毎にコネクタ等に接続したり配線したりする場合に、識別が容易になって接続・配線作業を容易且つ正確に行うことができるので、間違いをなくすることができる。
【0040】
着色テープ14は、融着層付き樹脂テープであることが好ましく、その融着層付き樹脂テープの融着層14bの側を外部導体側にして横巻きする。こうして設けることにより、着色テープ14を横巻きして表した螺旋状の色及び/又は幅Lを乱すことなく固着することができる。また、ラップ巻きしているので、図4のラップの程度を変えた例に示すように、ラップの程度を調整することにより、重なった部分14’(長さL1)と重ならない部分14”(長さL2)とのライン幅又は濃淡を任意に設定でき、識別性の違いを表すことができる。
【0041】
具体的には、図4(A)に示すように、重なった部分14’を短く(長さL1)し、重ならない部分14”を長く(長さL2)した場合と、図4(B)に示すように、重なった部分14’を長く(長さL1)し、重ならない部分14”を短く(長さL2)した場合とでは、同軸電線1の表面に表れる着色ラインの幅が異なったり、濃淡が異なったりするので、同じ色の着色テープ14を用いた場合であっても、識別可能な複数の同軸電線1とすることができる。また、後述する金属樹脂テープ13bを併用することにより、その反射や吸収を利用して、同じ色の着色テープ14を用いた場合であっても、さらに識別バリエーションのある複数の同軸電線1とすることができる。識別性を高めるためには、図4(A)の場合はL1≦Lが好ましく、図4(B)の場合はL/3≦L2の場合が好ましい。生産性を考慮して着色テープ14を巻く場合は、図4(A)においては、L1≦L/2の場合が好ましい。
【0042】
着色テープ14を構成する樹脂テープ14aの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ素化樹脂共重合体(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂:PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、等を挙げることができる。硬さや伸びの点において、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等である。これらの樹脂テープは通常は単層であるが、目的に応じて2層以上としてもよい。樹脂テープ14aの厚さは、必要な絶縁耐圧を確保できるだけの厚さであれば特に限定されないが、後述の実施例のように、0.004mm程度とすることができる。
【0043】
着色テープ14を構成する融着層14bは、樹脂テープ14aの片面に設けられている。融着層14bの材質は、熱可塑性樹脂を主体とした樹脂組成物であり、特定の温度以上で架橋反応が起こって接着することができる性質を有するものであることが好ましい。こうした性質を有することにより、着色テープ14を融着層14bを外部導体側にして横巻きして設け、その際又はその後に特定の温度以上に加熱し、架橋反応を起こして外部導体13に接着させる。こうすることにより、着色テープ14は、その下に金属樹脂テープ13bが任意に設けられている場合には、その金属樹脂テープ13bを融着層14bを介して接着固定するので、金属層の位置ずれを防ぐことができる。その結果、屈曲が生じた場合であっても安定したシールド特性を維持することができるとともに、端末ストリップ時に金属樹脂テープ13bの下に位置する金属細線がばらけるのを抑制することができ、加工性が良く、短絡のおそれもない。また、着色テープ14を横巻きする際には巻き応力が加わるが、その際又はその後の加熱によって応力が緩和又は分散されるので、巻き応力の集中による硬直化を緩和でき、柔軟性の観点から好ましいものとなる。
【0044】
着色テープ14を構成する融着層14bの材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらのうち、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。融着層14bを形成する融着層形成用樹脂組成物には、架橋剤や溶剤が含まれる。また、必要に応じて各種の添加剤が含まれる。それらの架橋剤、溶剤及び添加剤は特に限定されず、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の種類とその要求特性に応じた各種の架橋剤、溶剤及び添加剤が必要に応じて用いられる。融着層14bの厚さも特に限定されないが、例えば0.001mm程度とすることができる。
【0045】
なお、横巻き時に、架橋反応させる特定温度よりも低い温度を加えることにより、仮接着状態にして横巻きすることもできる。こうすることにより、横巻きした樹脂テープ14aに巻きずれが生じるのを防ぐことができる。そうした仮接着状態を生じさせる温度としては、融着層14bの架橋反応の生じる温度よりも低い温度であることが好ましい。例えば、「特定の温度以上で架橋反応が起こって接着する」について、融着層形成用樹脂組成物としてポリエステル系熱硬化型樹脂を用いた場合には、例えば、160〜200℃程度で硬化して外部導体13上に接着することができるが、仮接着状態としては、その温度よりも低い、80〜130℃程度でやや硬化して仮接着させることができる。また、他の熱硬化性樹脂では、「特定の温度」が90〜150℃程度のもの(例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、TOMOEGAWA製、エレファンCS)では、50〜70℃程度で仮接着状態とすることができる。着色テープ14を横巻きする際に、こうした操作により巻きずれが生じるのを防ぐことができる。仮接着状態と接着状態については、熱天秤を用いて測定した加熱減量曲線でおおよそ評価することができる。例えば、樹脂の硬化挙動は加熱重量減率を硬度化としてみることによって解析することができる。こうした評価により、「仮接着状態温度」と「特定の接着温度」を任意に設計することができ、その温度差が例えば80℃〜120℃の大きいものとしたり、0℃〜50℃程度の小さいものとしたりすることができる。
【0046】
着色は、通常は樹脂テープ14aが着色されているが、融着層14bが着色されていてもよい。着色は、着色剤を樹脂テープ14a内に含有させたり、着色剤を樹脂テープ14a上に塗布や印刷して設けることができる。樹脂テープ14aを着色するによって、着色テープ14で同軸電線1に別々の色を付与でき、その色によって個々の役割を持つ同軸電線1を識別することができる。着色剤としては、樹脂テープ着色剤として一般的に使用されているものを用いることができる。
【0047】
同軸電線1の表面に表れる螺旋状の色及び/又は幅は、上記した着色テープ14の色、ラップ及び巻ピッチから選ばれるいずれか1又は1以上を組み合わせて構成される。これら要素を組み合わせることにより、多本数の同軸電線1を有する多芯通信ケーブル10において、個々の同軸電線1の識別性の違いを表すことができる。また、着色テープ14のラップの程度も特に限定されないが、1/2未満のラップで横巻きされていることが好ましい。こうすることにより、得られた外被体14の厚さが厚くなるのを防ぐことができる。
【0048】
着色テープ14を横巻きする際の横巻ピッチP3も特に限定されないが、金属樹脂テープ13bが任意に設けられた場合は、その金属樹脂テープ13bの横巻ピッチP2と同じ又は同程度とすることが好ましい。着色テープ14のラップと横巻ピッチP3、及び任意に設けられた金属樹脂テープ13bの横巻ピッチP2を上記のようにすることにより、個々の同軸電線1の識別性の違いを表すことができるとともに、融着層14bで固定された樹脂テープ14aの重なりを確保した上でその下に配置された金属層の位置ずれが起こりにくいピッチP3で樹脂テープ14aを横巻することができる。特に後者では、屈曲が生じて金属細線13aに多少の位置ずれが生じた場合であっても、その金属細線13aを覆う金属樹脂テープ13bとその上に接着する樹脂テープ14aとの安定な接触が保持されている。その結果、安定したシールド特性を維持することができる。
【0049】
着色テープの横巻き方向は、金属樹脂テープ13bが任意に設けられた場合、その金属樹脂テープ13bの横巻き方向と同じ巻き方向であっても逆向きの巻き方向であってもよいが、逆向きに巻くことが好ましい。
【0050】
着色テープ14の厚さは特に限定されないが、2〜10μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内とすることにより、薄い着色テープ14で外被体を構成できるので、同軸電線全体の外径を太くせずに識別を可能とすることができる。
【0051】
なお、図2に示すように、外被体(着色テープ)14と金属細線13aとの間に金属樹脂テープ13bを設けない場合には、金属細線13aと樹脂テープ14aとが融着層14bを介して接着しているので、融着層14bは金属細線13aの表層だけに融着することになり、バルクの金属細線のずれ動きに基づく柔軟性を生じさせることができる。また、端末ストリップ時に金属細線13aがばらけるのを抑制することができ、加工性が良く、短絡のおそれもない。一方、図3に示すように、外被体(着色テープ)14と金属細線13aとの間、特に着色テープの直下に金属樹脂テープ13bを設ける場合には、金属樹脂テープ13bの金属層が光を反射又は吸収しやすいので、着色テープ14の色をより鮮明にすることができる。
【0052】
こうして、識別が容易な同軸電線1を構成することができる。同軸電線1の外径は、0.7〜0.9mmの範囲内であることが好ましい。
【0053】
<多芯通信ケーブル>
多芯通信ケーブル10は、図1に示すように、芯材3と、芯材3の外周に配置された2組以上の同軸電線組2と、2以上の同軸電線組2を覆い束ねる押さえ巻きテープ5と、押さえ巻きテープ5を覆うシールド層6と、シールド層6を覆う樹脂押し出しシース7とで少なくとも構成されている。なお、2組以上の同軸電線組2を覆う、押さえ巻きテープ5、シールド層6及び樹脂押し出しシース7等を、外被シース4と呼んでもよい。この多芯通信ケーブル10は、上記した同軸電線2本からなる同軸電線組2を2組以上含み、例えば図1の例では、同軸電線組2が4含まれている態様を示している。同軸電線組2の数は、少なくとも2以上の複数であればよく、上限も特に限定されないが、4〜8程度とすることができる。
【0054】
(芯材)
芯材3は、多芯通信ケーブル10の中心に位置するものであり、種々の態様とすることができる。例えば、巻芯として機能する高張力のテンションメンバとすれば、多芯通信ケーブル10の軸方向の強度と屈曲性を補強するように作用する。その例としては、複数の繊維からなる繊維糸又はその繊維糸を束ねた繊維束が好ましく用いられる。繊維束又は繊維糸を構成する繊維としては、例えば、テトロン(登録商標)等のポリエステル繊維や、ケブラ(登録商標)等の全芳香族ポリアミド繊維や、ベクトラン(登録商標)等のポリアリレート繊維、ガラス繊維等を挙げることができる。また、芯材3は、異なる材質の繊維や、外径の異なる繊維糸を任意に複合させたものであってもよい。芯材3は、これらの繊維束又は繊維糸を集合線、撚り線又は編み込み線にして同心円状(真円形)の断面になっている。なお、「dtex」は繊維糸を重量換算で示すものであり、1dtexは、長さ10000mで1gであることを意味する。
【0055】
芯材3の他の例として、電力線や信号線やドレイン線を任意に選択して束ねたものとしてもよい。これらは多芯通信ケーブル10の用途等の要求に応じて任意に選択することができる。
【0056】
(芯材押さえ巻きテープ)
芯材3は、芯材押さえ巻きテープ8で覆われていることが好ましい。芯材押さえ巻きテープ8としては、芯材3がばらけないように押さえることができるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステルテープ等を好ましく挙げることができる。その厚さも特に限定されず、0.003〜0.01mmの範囲内であることが好ましい。こうした芯材押さえ巻きテープ8で巻かれた後の芯材3の外径は、その役割や用途に応じて任意に選択され、特に限定されない。なお、テープ幅は、巻ピッチ等によって任意に選択され、特に限定されない。
【0057】
(外被シース)
外被シース4は、押さえ巻きテープ5、シールド層6及び樹脂押し出しシース7等で構成されている。押さえ巻きテープ5は、2以上の同軸電線組2を覆い束ねるように設けられている。押さえ巻きテープ5は、複数の同軸電線組2がばらけないように押さえることができるものであれば特に限定されないが、ポリエステルテープ、紙テープ等を挙げることができ、特に和紙テープを好ましく挙げることができる。これら押さえ巻きテープ5の厚さも特に限定されず、0.003〜0.01mmの範囲内であることが好ましい。こうした押さえ巻きテープ5で巻かれた後の外径は特に限定されないが、例えばmmの範囲内とすることができる。なお、テープ幅は、巻ピッチ等によって任意に選択される。なお、押さえ巻きテープ5は、同軸電線組2とともに信号線等が必要に応じて設けられている場合には、それらをまとめて巻き押さえるように作用する。
【0058】
シールド層6は、押さえ巻きテープ5を覆っている。このシールド層6は、上記外部導体13を構成する金属細線13aと同様の金属細線を編組としたものや横巻きしたものであってもよいし、金属層付き絶縁テープ(例えば銅箔付きのポリエチレンテレフタレートフィルム等)であってもよいし、それらの両方を組み合わせたものであってもよい。図1の例では、細線編組をシールド層6として設けている。シールド層6は、上記した金属細線13aと同様の金属細線を任意に選択して設けることができる。シールド層6の厚さは、金属細線の編組や横巻き又は金属層付き絶縁テープの種類によっても異なるが、それぞれに応じたシールド性能を発揮できる程度の厚さになっていればよく、特に限定されないが、例えば0.05〜0.30mm程度の範囲内である。
【0059】
なお、シールド層6は、単層のシールド層でも2重以上のシールド層でもよい。2層横巻きシールド層についても、各層を同じ方向としても逆方向としてもよい。シールド層を2重の導体横巻きとし、それらを逆方向に横巻きすることにより、断線を発生し難くすることができる。特に、金属テープの縦添えや横巻きによるシールド導体と比較して、断線し難く、耐屈曲特性を向上させることができる。
【0060】
樹脂押し出しシース7は、シールド層6を覆うように設けられている。樹脂押し出しシース7は、上記外被体14と同様、絶縁性があればその材質は特に限定されない。例えば、一般に適用されている種々のものを使用することができ、例えばETFE等のフッ素系樹脂であってもよいし、塩化ビニル樹脂であってもよいし、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂であってもよい。樹脂押し出しシース7の厚さは、例えば0.5〜1.5mm程度の範囲内とすることができる。こうした樹脂押し出しシース7を設けることにより、多芯通信ケーブル10の仕上がり外径は特に限定されない。
【0061】
なお、押し出しシース7に代えて、テープ巻きシースとしてもよい。テープ巻きシースは、同軸電線の絶縁テープとして使用されている各種のものを、必要な特性を満たす範囲で任意に選択して用いることができる。
【0062】
以上説明したように、本発明に係る多芯通信ケーブル10は、高速デジタル信号を好適に伝送することができるとともに、コネクタ配線時の同軸電線の識別が容易な高速信号伝送用の多芯通信ケーブルを提供することができる。
【実施例】
【0063】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0064】
[実施例1]
先ず、図2及び図4(A)に示す形態の同軸電線1を作製した。各同軸電線1について、中心導体11として、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を7本撚りしたAWG30(外径約0.3mm)を用いた。次に、中心導体11の外周に厚さ0.24mmのFEP樹脂(デュポン社製)層を押出し形成して外径を0.78mmにした。次に、外部導体13を形成した。外部導体13は、直径0.05mmの錫めっき軟銅線(金属細線13aであり、TCWと略す。)を48本用いて左横巻きに14mmのピッチP1で巻いた。外部導体13を設けた後の外径は0.88mmであった。その後、外被体14として、厚さ0.004mmで幅2mmの融着層付き着色PFEテープ(樹脂テープ14a)を用い、融着層14bの側を外部導体側にして、外部導体13の巻き方向とは逆の右巻きで巻いた。そのときの巻ピッチP2は4mmで、1/2.2ラップで巻いた。各同軸電線1の外径は0.89mmであった。着色PFEテープ14の表面に表れる螺旋幅Lは2.0mmであり、重なっている部分14’の長さL1は1.7mmであり、L1≦L、の関係式になっていた。
【0065】
その後、芯材3として、280dtex×3本のアラミド繊維をテンションメンバとして用い、そのテンションメンバを押さえ巻きテープ8で覆い束ねた。その後、上記で得た2本の同軸電線からなる同軸電線組2を4組用い、その芯材3を軸心位置として芯材3の外周に70mmピッチで右撚りした。その後、その4組の同軸電線組2を覆うように幅15mmの和紙テープ5で押さえ巻きした。その後、シールド層6として、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を105本用いて右巻きした。シールド層6を設けた後の外径は4.2mmであった。その後、樹脂押し出しシース7として、厚さ0.4mmの軟質PVCを押し出して、最終外径が5.0mmの多芯通信ケーブル10を得た。この多芯通信ケーブルを構成する同軸電線は、重なり部分14’の長さL1が少なく、濃い着色ラインが太い螺旋として表れた。
【0066】
[実施例2]
実施例1において、着色PFEテープ14の巻ピッチP2を4mmとし、1/4ラップで巻いた。それ以外は実施例1と同じにして実施例2の多芯通信ケーブル10を作製した。着色PFEテープ14の表面に表れる螺旋幅Lは4.0mmであり、重なっている部分14’の長さL1は1.2mmであり、L/3≦L2、の関係式になっていた。この多芯通信ケーブルを構成する同軸電線は、重なっていない部分14”の長さL2が多く占め、濃い着色ラインが細い螺旋として表れた。
【符号の説明】
【0067】
1 同軸電線
2 同軸電線組
3 芯材
4 外被シース
5 押さえ巻きテープ
6 シールド層
7 樹脂押し出し層
8 芯材押さえ巻きテープ
10 多芯通信ケーブル
11 中心導体
12 絶縁体
13 外部導体
13a 金属細線
13b 金属樹脂テープ
14 外被体(着色テープ)
14a 樹脂テープ
14b 融着層
14’ 重なっている部分
14” 重なっていない部分
Y 長手方向
P1 金属細線の横巻ピッチ
P2 金属樹脂テープの横巻ピッチ
P3 樹脂テープの横巻ピッチ
L 表面に表れる螺旋幅
L1 重なっている部分の長さ
L2 重なっていない部分の長さ
図1
図2
図3
図4