(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エラー信号発生部は、前記試験信号における前記最小数の連続するFECコードワードにおいて、n個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがm回繰り返されるとともに、n+1個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがp回繰り返されるように、前記エラー信号を発生させることを特徴とする請求項1に記載のFECエラー付加装置。
前記エラー信号発生ステップは、前記試験信号における前記最小数の連続するFECコードワードにおいて、n個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがm回繰り返されるとともに、n+1個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがp回繰り返されるように、前記エラー信号を発生させることを特徴とする請求項4に記載のFECエラー付加方法。
【背景技術】
【0002】
近年、通信システムは高速化の一途をたどっており、通信システムを構成する各種の通信機器の高性能化が進んでいる。そして、これらの通信機器における信号の品質評価の指標の一つとして、受信データのうちビット誤りが発生した数と受信データの総数との比較として定義されるビット誤り率が知られている。
【0003】
IEEEで定められる100Gや400Gなどの規格においては、ビットレートの超高速化に応えるため、これまでのPAM2(NRZ)信号による伝送ではなく、PAM4信号による伝送が規定されている。PAM4信号は、"00","01","10","11"からなる4つのPAM4シンボルで構成されている。
【0004】
PAM4信号による伝送では、前方誤り訂正符号化(以下、「FEC符号化」とも称する)の技術が使用されている。例えば
図5に示すように、IEEE802.3に規定されたRS−FEC(544,514)によるFEC符号化では、30個のFECシンボルからなるパリティ部分と、514個のFECシンボルからなるメッセージ部分とからなる544個のFECシンボルを有するFECコードワードが生成される。
【0005】
FECコードワードがこの30FECシンボルのパリティ部分を含むことにより、受信側の通信機器のFECデコーダでは、1FECコードワード当たり最大15個のFECシンボルのエラーを訂正することが可能である。なお、1FECシンボルは10ビットからなるが、1FECシンボルに含まれる誤りビットの数が1〜10の範囲にあれば、そのFECシンボルはエラーを含むFECシンボル(以下、「誤りFECシンボル」とも称する)となる。
【0006】
FECコードワードは、グレイコーディング、インターリービング、プレコーディング、及びPAM4エンコーディングなどの処理を経て、PAM4信号に変換される。
【0007】
図6は、FECコードワードのインターリービングを説明するための概略図である。IEEE802.3bsに規定された200G又は400Gの規格では、2個のリードソロモンエンコーダA,Bにより、2個のメッセージA,Bがそれぞれ2個のFECコードワードA,Bに変換される。
【0008】
また、
図6は、インターリービングされた2個のFECコードワードA,Bに、18FECシンボル分のバーストエラーが付加された状況を示している。インターリービングにより、2個のFECコードワードA,Bからそれぞれ抽出されたFECシンボルは、互いに異なるFECコードワードからのFECシンボルと隣り合うように並べ替えられた状態で、例えば16個のレーンに分配される。これにより、18FECシンボル分のバーストエラーが2個のFECコードワードA,Bに9FECシンボル分ずつ分散されるため、FECデコーダでエラーが訂正されることになる。
【0009】
よって、FECコードワードAを確実にFECデコーダで訂正不可とするためには、例えば1つのレーンを伝送される32FECシンボル分のデータにバーストFECシンボルエラーを付加する必要がある。なお、バーストビットエラーでは、PAM4プレコーディングにより除去されてしまうため、FECデコーダで訂正不可のエラーにすることが難しい。よって、FECコードワードをFECデコーダで訂正不可とするためには、バーストFECシンボルエラーの付加が必要である。ここで、バーストビットエラーとは、複数の連続する誤りビットである。一方、バーストFECシンボルエラーとは、1つのFECコードワードにおける複数の連続する誤りFECシンボルであり、連続するFECシンボルのそれぞれに誤りビットを1ビットだけ設けることで生成することができる。このように生成されたバーストFECシンボルエラーはPAM4プレコーディングにより除去されない。
【0010】
従来より、FEC機能を有する通信機器に対する誤り率測定用の試験信号を生成するために、データ信号にエラーを付加するエラー付加装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
誤り率測定においては、通信機器のFEC機能を評価するために、通信機器のFECデコーダで訂正しきれないFECシンボルエラーを付加する必要がある。2個のリードソロモンエンコーダによる2つの異なるガードのかかったFECコードワードがインターリービングされてなるPAM4信号に対しては、PAM4シンボルのMSB(最上位ビット)とLSB(最下位ビット)の一方あるいは両方にエラーを付加して、バーストFECシンボルエラーを発生させなければ、2つのガードを同時にエラー訂正不可能にすることができない。
【0013】
しかしながら、特許文献1に開示されたエラー付加装置は、PAM4信号をMSBとLSBとに分離する手段を備えていないため、MSBとLSBの一方あるいは両方にビットエラーを付加できない。このため、上記の従来のエラー付加装置は、2個のリードソロモンエンコーダによる2つのガードのかかったFECコードワードがインターリービングされてなるPAM4信号に対してバーストFECシンボルエラーを付加することができないという問題があった。
【0014】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、PAM4信号を受信する通信機器のFEC機能を試験するための試験信号を生成することができるFECエラー付加装置、それを用いた試験信号発生装置、及びFECエラー付加方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明に係るFECエラー付加装置は、複数のFECシンボルからなるFECコードワードを複数含むPAM4信号にエラーを付加するFECエラー付加装置であって、前記PAM4信号をMSBとLSBに分割する分割部と、前記MSB及び前記LSBの一方あるいは両方に所定ビット間隔で連続的に前記エラーを付加するためのエラー信号を発生させるエラー信号発生部と、前記MSB及び前記LSBと前記エラー信号との排他的論理和演算をビット単位で行い、その演算結果として得られるビット列を出力するエラー付加部と、前記エラー付加部から出力された前記MSB及び前記LSBのビット列を合成して前記エラーが付加されたPAM4信号を生成し、前記エラーが付加されたPAM4信号を試験信号として出力する合成部と、前記試験信号のビット誤り率が入力されるビット誤り率入力部と、前記試験信号に含まれる複数の前記FECコードワードのうち、前記エラーが付加された前記FECシンボルである誤りFECシンボルを有するFECコードワードに含まれる前記誤りFECシンボルの数が入力される誤りFECシンボル数入力部と、前記誤りFECシンボルに含まれる誤りビットの数が入力される誤りビット数入力部と、前記FECコードワードを構成するビットの数が入力されるCWサイズ入力部と、前記ビット誤り率入力部に入力された前記ビット誤り率、前記誤りFECシンボル数入力部に入力された前記誤りFECシンボルの数、前記誤りビット数入力部に入力された前記誤りビットの数、及び、前記CWサイズ入力部に入力された前記ビットの数に基づいて、前記ビット誤り率を実現するために必要な前記FECコードワードの最小数と、前記最小数の前記FECコードワードに含まれる前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードの数とを算出するCW数算出部と、を備え、前記エラー信号発生部は、前記CW数算出部により算出された前記最小数の連続する前記FECコードワードが、前記CW数算出部により算出された前記数の前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードを含む前記試験信号を発生させるための前記エラー信号を出力する構成である。
【0016】
この構成により、本発明に係るFECエラー付加装置は、PAM4信号を受信する通信機器のFEC機能を試験するための試験信号を生成することができる。本発明に係るFECエラー付加装置は、ビット誤り率などのパラメータを変化させることにより、被試験対象の通信機器のFECデコーダでエラー訂正可能又はエラー訂正不可能となる試験信号を容易に生成することができる。
【0017】
また、本発明に係るFECエラー付加装置においては、前記エラー信号発生部は、前記試験信号における前記最小数の連続するFECコードワードにおいて、n個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがm回繰り返されるとともに、n+1個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがp回繰り返されるように、前記エラー信号を発生させる構成であってもよい。
【0018】
この構成により、本発明に係るFECエラー付加装置は、PAM4信号のMSB及びLSBにそれぞれ所定ビット間隔で連続的にエラーを付加するため、バーストエラーを含むFECコードワードを時間的にほぼ均等な間隔で生成することができる。これにより、本発明に係るFECエラー付加装置は、短時間で効率的に誤り率測定を行うことを可能にする試験信号を生成できる。
【0019】
また、本発明に係る試験信号発生装置は、上記のFECエラー付加装置と、複数のFECシンボルからなるFECコードワードを複数含むPAM4信号を前記FECエラー付加装置の前記分割部に出力するPAM4信号出力部と、を備える構成である。
【0020】
この構成により、本発明に係る試験信号発生装置は、PAM4信号を受信する通信機器のFEC機能を試験するための試験信号を生成することができる。
【0021】
また、本発明に係るFECエラー付加方法は、複数のFECシンボルからなるFECコードワードを複数含むPAM4信号にエラーを付加するFECエラー付加方法であって、前記PAM4信号をMSBとLSBに分割する分割ステップと、前記MSB及び前記LSBの一方あるいは両方に所定ビット間隔で連続的に前記エラーを付加するためのエラー信号を発生させるエラー信号発生ステップと、前記MSB及び前記LSBと前記エラー信号との排他的論理和演算をビット単位で行い、その演算結果として得られるビット列を出力するエラー付加ステップと、前記エラー付加ステップから出力された前記MSB及び前記LSBのビット列を合成して前記エラーが付加されたPAM4信号を生成し、前記エラーが付加されたPAM4信号を試験信号として出力する合成ステップと、前記試験信号のビット誤り率が入力されるビット誤り率入力ステップと、前記試験信号に含まれる複数の前記FECコードワードのうち、前記エラーが付加された前記FECシンボルである誤りFECシンボルを有するFECコードワードに含まれる前記誤りFECシンボルの数が入力される誤りFECシンボル数入力ステップと、前記誤りFECシンボルに含まれる誤りビットの数が入力される誤りビット数入力ステップと、前記FECコードワードを構成するビットの数が入力されるCWサイズ入力ステップと、前記ビット誤り率入力ステップに入力された前記ビット誤り率、前記誤りFECシンボル数入力ステップに入力された前記誤りFECシンボルの数、前記誤りビット数入力ステップに入力された前記誤りビットの数、及び、前記CWサイズ入力ステップに入力された前記ビットの数に基づいて、前記ビット誤り率を実現するために必要な前記FECコードワードの最小数と、前記最小数の前記FECコードワードに含まれる前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードの数とを算出するCW数算出ステップと、を含み、前記エラー信号発生ステップは、前記CW数算出ステップにより算出された前記最小数の連続する前記FECコードワードが、前記CW数算出ステップにより算出された前記数の前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードを含む前記試験信号を発生させるための前記エラー信号を出力する構成である。
【0022】
この構成により、本発明に係るFECエラー付加方法は、PAM4信号を受信する通信機器のFEC機能を試験するための試験信号を生成することができる。本発明に係るFECエラー付加方法は、ビット誤り率などのパラメータを変化させることにより、被試験対象の通信機器のFECデコーダでエラー訂正可能又はエラー訂正不可能となる試験信号を容易に生成することができる。
【0023】
また、本発明に係るFECエラー付加方法においては、前記エラー信号発生ステップは、前記試験信号における前記最小数の連続するFECコードワードにおいて、n個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがm回繰り返されるとともに、n+1個のFECコードワードごとに1つの前記誤りFECシンボルを有するFECコードワードが含まれるパターンがp回繰り返されるように、前記エラー信号を発生させる構成であってもよい。
【0024】
この構成により、本発明に係るFECエラー付加方法は、PAM4信号のMSB及びLSBにそれぞれ所定ビット間隔で連続的にエラーを付加するため、バーストエラーを含むFECコードワードを時間的にほぼ均等な間隔で生成することができる。これにより、本発明に係るFECエラー付加装置は、短時間で効率的に誤り率測定を行うことを可能にする試験信号を生成できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、PAM4信号を受信する通信機器のFEC機能を試験するための試験信号を生成することができるFECエラー付加装置、それを用いた試験信号発生装置、及びFECエラー付加方法を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るFECエラー付加装置、それを用いた試験信号発生装置、及びFECエラー付加方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る試験信号発生装置100は、PAM4信号出力部10と、複数のFECシンボルからなるFECコードワードを複数含むPAM4信号にエラーを付加するFECエラー付加装置20と、を備え、被試験対象(Device Under Test:DUT)200に試験信号を出力するようになっている。
【0029】
PAM4信号出力部10は、MACフレームデータ出力部11と、FECエンコーダ12と、PAM4処理部13と、を含む。MACフレームデータ出力部11は、被試験対象DUT200を試験するためのMACフレームのデータを試験信号データとしてFECエンコーダ12に出力するようになっている。
【0030】
FECエンコーダ12は、MACフレームデータ出力部11から出力されたMACフレームのデータに対してFEC符号化を行って、複数のFECシンボルからなるFECコードワードを順次生成するようになっている。本実施形態においては、FECエンコーダ12によるFEC符号化は、IEEE802.3に規定されたRS−FEC(544,514)に対応したものであるとする。
【0031】
FECエンコーダ12によって生成されるRS−FEC(544,514)のFECコードワードは、30個のFECシンボルからなるパリティ部分と、514個のFECシンボルからなるメッセージ部分とからなる544個のFECシンボルを有する。FECコードワードがこの30FECシンボルのパリティ部分を含むことにより、DUT200側のFECデコーダで1FECコードワード当たり最大15個のFECシンボルのエラーを訂正することが可能である。なお、1FECシンボルは10ビットからなるが、1FECシンボルに含まれる誤りビットの数が1〜10の範囲にあれば、そのFECシンボルはエラーを含む誤りFECシンボルとなる。
【0032】
PAM4処理部13は、IEEE802.3に規定された、グレイコーディング、及びPAM4エンコーディングなどの処理を行うことにより、FECエンコーダ12から出力された複数のFECコードワードを含むPAM4信号を生成するようになっている。PAM4信号は、"00","01","10","11"からなる4つのPAM4シンボルで構成されている。
【0033】
FECエラー付加装置20は、分割部21と、エラー信号発生部22と、エラー付加部23と、合成部24と、制御部25と、表示部26と、操作部27と、を含む。
【0034】
分割部21は、PAM4信号出力部10のPAM4処理部13から出力されたPAM4信号を、PAM4シンボルのMSB(最上位ビット)とLSB(最下位ビット)とに分割するようになっている。
【0035】
エラー信号発生部22は、分割部21から出力されたPAM4信号のMSBとLSBに、それぞれ所定ビット間隔で連続的にエラーを付加するためのエラー信号を発生させるようになっている。
【0036】
なお、制御部25の制御により、エラー信号発生部22から出力されるエラー信号は、分割部21から出力されるMSB及びLSBのビット列の信号に同期するようにタイミング調整されているものとする。
【0037】
エラー付加部23は、分割部21から出力されたPAM4信号のMSB及びLSBと、エラー信号発生部22から出力されたエラー信号との排他的論理和(XOR)演算をビット単位で行い、その演算結果として得られるビット列を出力するようになっている。
【0038】
合成部24は、エラー付加部23から出力されたMSB及びLSBのビット列を合成してエラーが付加されたPAM4信号を生成し、このエラーが付加されたPAM4信号を試験信号としてDUT200に出力するようになっている。
【0039】
DUT200は、試験信号発生装置100から出力された試験信号に対して、PAM4処理部13と逆の処理を行ってエラーが付加されたFECコードワードを復元し、復元したFECコードワードをFECデコーダでデコードするようになっている。
【0040】
制御部25は、例えばCPU、ROM、RAM、HDDなどを含むマイクロコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等で構成され、試験信号発生装置100を構成する上記各部の動作を制御する。また、制御部25は、ROM等に記憶された所定のプログラムをRAMに移して実行することにより、後述するビット誤り率入力部25a、誤りFECシンボル数入力部25b、誤りビット数入力部25c、CWサイズ入力部25d、CW数算出部25e、及びCWタイミング制御部25fをソフトウェア的に構成することが可能である。
【0041】
なお、ビット誤り率入力部25a、誤りFECシンボル数入力部25b、誤りビット数入力部25c、CWサイズ入力部25d、CW数算出部25e、及びCWタイミング制御部25fは、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのディジタル回路で構成することも可能である。あるいは、ビット誤り率入力部25a、誤りFECシンボル数入力部25b、誤りビット数入力部25c、CWサイズ入力部25d、CW数算出部25e、及びCWタイミング制御部25fは、ディジタル回路によるハードウェア処理と所定のプログラムによるソフトウェア処理とを適宜組み合わせて構成することも可能である。
【0042】
ビット誤り率入力部25aは、ユーザによる操作部27への操作に応じて、合成部24から出力される試験信号の所望のビット誤り率ERが入力されるようになっている。
【0043】
誤りFECシンボル数入力部25bは、ユーザによる操作部27への操作に応じて、試験信号に含まれる複数のFECコードワードのうち、誤りFECシンボルを有するFECコードワード(以下、「誤りFECコードワード」とも称する)に含まれる誤りFECシンボルの所望の数sEが入力されるようになっている。
【0044】
誤りビット数入力部25cは、ユーザによる操作部27への操作に応じて、誤りFECシンボルに含まれる誤りビットの所望の数bEが入力されるようになっている。
【0045】
CWサイズ入力部25dは、ユーザによる操作部27への操作に応じて、FECコードワードを構成するビットの数(以下、「CWサイズ」とも称する)CW
sizeが入力されるようになっている。例えば、RS−FEC(544,514)の場合は、CWサイズは5440ビットである。
【0046】
CW数算出部25eは、ビット誤り率入力部25aに入力されたビット誤り率ER、誤りFECシンボル数入力部25bに入力された誤りFECシンボルの数sE、誤りビット数入力部25cに入力された誤りビットの数bE、及び、CWサイズ入力部25dに入力されたCWサイズCW
sizeに基づいて、所望のビット誤り率を実現するために必要なFECコードワードの最小数と、この最小数のFECコードワードに含まれる誤りFECコードワードの数とを算出するようになっている。
【0047】
CWタイミング制御部25fは、CW数算出部25eにより算出された最小数の連続するFECコードワードが、CW数算出部25eにより算出された数の誤りFECコードワードを含む試験信号を発生させるように、エラー信号発生部22から出力されるエラー信号のタイミングを制御するタイミング信号を生成する。
【0048】
エラー信号発生部22は、CWタイミング制御部25fから出力されるタイミング信号に従ってエラー信号を発生させる。例えば、このエラー信号は、試験信号における上記の最小数の連続するFECコードワードにおいて、n個のFECコードワードごとに1つの誤りFECコードワードを含むパターンをm回繰り返させるとともに、n+1個のFECコードワードごとに1つの誤りFECコードワードを含むパターンをp回繰り返させるようになっている。
【0049】
表示部26は、例えばLCDやCRTなどの表示機器で構成され、制御部25からの制御信号に応じて、各種表示内容を表示するようになっている。さらに、表示部26は、各種条件を設定するためのソフトキー、プルダウンメニュー、テキストボックスなどの操作対象の表示を行うようになっている。
【0050】
操作部27は、ユーザによる操作入力を受け付けるためのものであり、例えば表示部26の表示画面の表面に設けられたタッチパネルで構成される。あるいは、操作部27は、キーボード又はマウスのような入力デバイスを含んで構成されてもよい。また、操作部27は、リモートコマンドなどによる遠隔制御を行う外部制御装置で構成されてもよい。
【0051】
操作部27への操作入力は、制御部25により検知されるようになっている。例えば、操作部27により、MACフレームデータ出力部11から出力させるMACフレームのデータの選択や、後述するER、sE、bE、CW
sizeなどの各種パラメータをユーザが任意に指定することなどが可能である。
【0052】
以下、ビット誤り率入力部25a、誤りFECシンボル数入力部25b、誤りビット数入力部25c、CWサイズ入力部25d、CW数算出部25e、及びCWタイミング制御部25fが実行する処理の一例を説明する。
【0053】
まず、ユーザによる操作部27への操作により、ビット誤り率ER、1FECコードワード当たりの誤りFECシンボル数sE、1誤りFECシンボル当たりの誤りビット数bE、及びCWサイズCW
sizeが、それぞれビット誤り率入力部25a、誤りFECシンボル数入力部25b、誤りビット数入力部25c、及びCWサイズ入力部25dに入力される。
【0054】
ビット誤り率ER(=α×10
−N)は、ビット誤り率ER、1FECコードワード当たりの誤りFECシンボル数sE、1誤りFECシンボル当たりの誤りビット数bE、CWサイズCW
size、注目するFECコードワードの数T
CW、及びT
CW個のFECコードワードに含まれる誤りFECコードワードの数E
CWを用いて、下記の式(1)のように表される。
【0055】
【数1】
ここで、式(1)の分母は注目する全ビット数であり、分子は注目する全ビット数に含まれる誤りビット数を表している。
【0056】
式(1)は式(2)のように変形することができる。なお、既に述べたように、FECシンボルに誤りビットを1ビット含めることで誤りFECシンボルを生成できるため、式(2)では1誤りFECシンボル当たりの誤りビット数bEを1としている。
【0058】
式(2)を約分すると、分子及び分母はそれぞれ式(3)及び式(4)に示すようになる。
【0059】
【数3】
【数4】
ここで、式(3)及び式(4)の分母は、式(2)の分子と分母の最大公約数である。式(3)で与えられるT
CWの値は、所望のビット誤り率ERを実現するために必要なFECコードワードの最小数である。また、式(4)で与えられるE
CWの値は、T
CW個のFECコードワードに含まれる誤りFECコードワードの数である。
【0060】
すなわち、CW数算出部25eは、式(3)及び式(4)に従ってT
CW及びE
CWを算出する。例えば、ビット誤り率ERを3×10
−4(すなわち、α=3かつN=4)、誤りFECシンボル数sEを5、CWサイズCW
sizeを5440とすると、T
CWは625となり、E
CWは204となる。
【0061】
さらに、CWタイミング制御部25fは、既に述べたn、m、及びpを以下の式(5)〜(7)に従って算出する。
【0062】
【数5】
【数6】
【数7】
ここで、mod(T
CW/E
CW)は、T
CWをE
CWで割ったときの余りである。このようにして、n、m、及びpを算出することにより、T
CW個のFECコードワードの中に、ほぼ均等にE
CW個の誤りFECコードワードを配置することができる。
【0063】
ビット誤り率ERが3×10
−4、誤りFECシンボル数sEが5、CWサイズCW
sizeが5440、T
CWが625、E
CWが204である上記の例の場合、式(5)〜(7)により、n=3、m=191、p=13となる。すなわち、
図2に示すように、625個のFECコードワードのうちの573(=n×m)個については、3個のFECコードワードごとに1つの誤りFECコードワード(黒塗りで示す)が含まれるパターンが191回繰り返される。また、625個のFECコードワードのうちの52(=(n+1)×p)個については、4個のFECコードワードごとに1つの誤りFECコードワードが含まれるパターンが13回繰り返される。各誤りFECコードワード内には、連続する5つの誤りFECシンボル(すなわち、バーストFECシンボルエラー)が存在する。626個目以降のFECコードワードについても同様である。
【0064】
なお、
図2に示した例では、625個の連続するFECコードワードにおいて、3個のFECコードワードごとのパターンが全て繰り返された後に、4個のFECコードワードごとのパターンが繰り返されるようになっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、3個のFECコードワードごとのパターンと4個のFECコードワードごとのパターンとがランダムな順序で配列されてもよい。
【0065】
CWタイミング制御部25fは、上記のようにして求めた誤りFECコードワードの出現タイミングに応じて、PAM4処理部13から出力されたPAM4信号のMSBとLSBの一方あるいは両方に所定ビット間隔でエラーを付加するためのタイミング信号を発生させる。例えば1つの誤りFECコードワードに注目すると、誤りFECシンボル数sEが2である場合は、
図3において黒塗りで示すように、例えば10PAM4シンボルごとにMSBに1ビット分のエラーが連続して2回付加される。なお、エラーが付加される箇所は、LSBであってもよく、あるいは、MSBとLSBの両方であってもよい。
【0066】
以下、FECエラー付加装置20を用いるFECエラー付加方法について、
図4のシーケンス図を参照しながらその処理の一例を説明する。
【0067】
まず、ユーザによる操作部27への操作により各種パラメータが入力される(入力ステップS1)。これらのパラメータには、試験信号のビット誤り率ERや、誤りFECコードワードに含まれる誤りFECシンボルの数sEや、誤りFECシンボルに含まれる誤りビットの数bEや、CWサイズCW
sizeなどが含まれる。
【0068】
次に、CW数算出部25eは、入力ステップS1に入力されたビット誤り率、及び誤りFECシンボルの数などのパラメータに基づいて、所望のビット誤り率を実現するために必要なFECコードワードの最小数と、この最小数のFECコードワードに含まれる誤りFECコードワードの数とを算出する(CW数算出ステップS2)。
【0069】
次に、CWタイミング制御部25fは、エラー信号発生部22から出力されるエラー信号のタイミングを制御するタイミング信号の出力を開始する(ステップS3)。
【0070】
次に、エラー信号発生部22は、分割部21から出力されるPAM4信号のMSB及びLSBの一方あるいは両方に所定ビット間隔で連続的にエラーを付加するためのエラー信号の出力を開始する(エラー信号発生ステップS4)。このエラー信号は、CW数算出ステップS2により算出された最小数の連続するFECコードワードが、CW数算出ステップS2により算出された数の誤りFECコードワードを含む試験信号を発生させるためのものである。
【0071】
一方、分割部21は、PAM4信号出力部10から出力されたPAM4信号をMSBとLSBに分割する処理を開始する(分割ステップS5)。
【0072】
次に、エラー付加部23は、分割ステップS5から出力されたPAM4信号のMSB及びLSBと、エラー信号発生ステップS4から出力されたエラー信号とのXOR演算をビット単位で行い、その演算結果として得られるビット列の出力を開始する(エラー付加ステップS6)。
【0073】
次に、合成部24は、エラー付加ステップS6から出力されたMSB及びLSBのビット列を合成してエラーが付加されたPAM4信号を生成し、このエラーが付加されたPAM4信号を試験信号として出力する処理を開始する(合成ステップS7)。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係るFECエラー付加装置20は、ユーザにより試験信号のビット誤り率や誤りFECシンボルの数などのパラメータが指定されることにより、PAM4信号を受信するDUT200のFEC機能を試験するための試験信号を生成することができる。本実施形態に係るFECエラー付加装置20は、これらのパラメータを変化させることにより、DUT200のFECデコーダでエラー訂正可能又はエラー訂正不可能となる試験信号を容易に生成することができる。
【0075】
ところで、従来より、誤り率測定においては、エラーがポアソン分布である試験信号が用いられることがある。しかしながら、エラーがポアソン分布である試験信号を用いる場合には、試験時間が長時間になるという問題がある。さらに、ビットレートが100Gbit/sを超える場合、エラーがポアソン分布である試験信号をFPGAなどのロジック回路で生成しようとすると、回路の実装規模が膨大になってしまい、結果として実現が不可能になってしまうという問題がある。
【0076】
これに対して、本実施形態に係るFECエラー付加装置20は、PAM4信号のMSB及びLSBにそれぞれ所定ビット間隔で連続的にエラーを付加するため、バーストエラーを含むFECコードワードを時間的にほぼ均等な間隔で生成することができる。これにより、本実施形態に係るFECエラー付加装置20は、短時間で効率的に誤り率測定を行うことを可能にする試験信号を生成できる。