特許第6774513号(P6774513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6774513ムスカリンM1受容体アゴニストとしての二環式アザ化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774513
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】ムスカリンM1受容体アゴニストとしての二環式アザ化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20201019BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20201019BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20201019BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20201019BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20201019BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20201019BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/5355 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   C07D413/14
   C07D417/14
   C07D405/14
   C07D409/14
   C07D471/04 104H
   C07D491/107
   A61K31/454
   A61K31/5377
   A61K31/4545
   A61K31/506
   A61K31/5355
   A61K31/541
   A61K31/55
   A61P43/00 111
   A61P25/28
   A61P25/18
   A61P29/02
   A61P25/04
   A61P25/02
【請求項の数】13
【全頁数】270
(21)【出願番号】特願2019-17086(P2019-17086)
(22)【出願日】2019年2月1日
(62)【分割の表示】特願2016-550483(P2016-550483)の分割
【原出願日】2015年2月6日
(65)【公開番号】特開2019-77725(P2019-77725A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2019年3月4日
(31)【優先権主張番号】1402013.5
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1416622.7
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514120896
【氏名又は名称】ヘプタレス セラピューティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Heptares Therapeutics Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジャイルズ・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】キャンズフィールド,ジュリー・エレイン
(72)【発明者】
【氏名】コングリーヴ,マイルズ・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン,マイケル・アリスター
(72)【発明者】
【氏名】ピックワース,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ラッカム,マーク・デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】テハン,ベンジャミン・ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】テオボールド,バリー・ジョン
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6479029(JP,B2)
【文献】 国際公開第2013/072705(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/100670(WO,A1)
【文献】 国際公開第2002/085890(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/045031(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/14
C07D 405/14
C07D 409/14
C07D 413/14
C07D 417/14
C07D 471/04
C07D 491/107
A61K 31/454〜55
A61P 25/02〜28
A61P 29/02
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記:
【表1-1】
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【表1-2】
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【表1-3】
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【表1-4】
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【表2-1】
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【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
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【表2-5】
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【表2-6】
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【表3-1】
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【表3-2】
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【表3-3】
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【表3-4】
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から選択される化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
エチル2−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項3】
エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項4】
エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項5】
エチル2−[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項6】
エチル2−{4−[(2S)−2−エチル−5−オキソピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項7】
エチル2−{4−[(2R,4S)−4−フルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項8】
エチル2−{4−[(2R,4R)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項9】
エチル2−{4−[(2R,4S)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項10】
エチル2−[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物の医薬的に許容され得る塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項において定義する医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬的に許容され得る塩を含む医薬であって、認知障害若しくは精神病性障害を処置するため、急性、慢性、神経因性、若しくは炎症性疼痛を処置するあるいはそれらの重症度を軽減するため、嗜癖を処置するため、または運動障害を処置ための医薬。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬的に許容され得る塩を含む、アルツハイマー病、レビー小体型認知症または統合失調症を処置するための医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ムスカリンM1受容体及び/またはM4受容体のアゴニストであり、ムスカリンM1/M4受容体媒介性疾患の処置に有用である化合物に関する。また、本化合物を含有する医薬組成物、及び本化合物に治療的使用も提供する。
【背景技術】
【0002】
ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)は、中枢神経系及び末梢神経系の両方で神経伝達物質アセチルコリンの作用を媒介するGタンパク質共役受容体スーパーファミリーのメンバーである。M〜Mの5種のmAChRサブタイプがクローニングされている。M mAChRは主に皮質、海馬、線条体及び視床のシナプス後膜に発現し;M mAChRは主に脳幹及び視床に位置するが、皮質、海馬及び線条体にも位置し、そこでそれらはコリン作動性シナプス終末に存在する(Langmeadら、2008 Br J Pharmacol)。しかし、M mAChRは、心臓組織上(そこでそれらは心臓の迷走神経の神経支配を媒介する)及び平滑筋及び外分泌腺にも周辺的に発現する。M mAChRは、CNSにおいて比較的低レベルで発現するが、平滑筋組織及び、汗腺及び唾液腺などの腺組織に広く発現する(Langmeadら、2008 Br
J Pharmacol)。
【0003】
中枢神経系のムスカリン受容体、特にM mAChRは、高次認知処理を媒介するうえで重要な役割を果たす。アルツハイマー病などの認知機能障害に関連する疾患には、前脳基底部におけるコリン作動性ニューロンの脱落が伴う(Whitehouseら、1982 Science)。臨床像の重要な要素としてまた認知機能障害を有する統合失調症では、統合失調症の対象の前頭前野、海馬及び尾状核被殻でmAChR密度が低下する(Deanら、2002 Mol Psychiatry)。さらに、動物モデルで、中枢コリン作動性経路が遮断または損傷されると、深刻な認知障害が起こり、非選択的mAChRアンタゴニストが精神疾患患者において精神異常作用を誘導することが示されている。コリン補充療法は、内因性アセチルコリンの分解を防止するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用に主として基づいている。これらの化合物は、臨床において認知機能低下に対して対症療法的に有効性を示しているが、胃腸管運動の異常、徐脈、悪心及び嘔吐を含む、末梢のM及びM mAChRの刺激に起因する用量制限有害事象を引き起こす(http://www.drugs.com/pro/donepezil.html;http://www.drugs.com/pro/rivastigmine.html)。
【0004】
好ましい有害作用プロファイルと共に認知機能の選択性の改善を誘導するために、直接M mAChRアゴニストを同定することを目標としたさらなる発見努力がなされてきた。そのような努力の結果、キサノメリン、AF267B、サブコメリン、ミラメリン及びセビメリンなどの化合物により例示される一連のアゴニストが同定された。これらの化合物の多くは、齧歯類及び/または非ヒト霊長類の両方の認知の前臨床モデルで非常に効果的であることが示されている。ミラメリンは、齧歯類の作業記憶及び空間記憶におけるスコポラミン誘発性障害に対して有効性を示しており;サブコメリンは、マーモセットの視覚弁別課題において有効性を示し、キサノメリンは、受動的回避パラダイムの認知パフォーマンスにおいてmAChRアンタゴニスト誘発性障害を回復させた。
【0005】
アルツハイマー病(AD)は、高齢者が罹患する最も多い神経変性障害(2006年に世界全体で2,660万人)であり、深刻な記憶喪失及び認知機能障害をもたらす。本疾患の病因は複雑であるが、主にアミロイド−βペプチド(Aβ)からなるアミロイド斑の
凝集、及び過剰リン酸化タウタンパク質により形成される神経原線維のもつれという2つの特徴的な脳の病理を特徴とする。Aβの蓄積はADの進行の中心的特徴であると考えられ、したがって、ADの処置の多くの推定治療は現在、Aβ産生の阻害を標的としている。Aβは、膜結合アミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解切断に由来する。APPは、2つの経路、すなわち非アミロイドジェニック経路及びアミロイドジェニック経路によりプロセシングされる。γ−セクレターゼによるAPPの切断は両経路に共通であるが、前者の場合、APPはα−セクレターゼにより切断されて可溶性のAPPαが得られる。しかしながら、アミロイドジェニック経路では、APPはβ−セクレターゼにより切断されて可溶性APPβ、さらにAβも得られる。インビトロ試験により、mAChRアゴニストは可溶性の非アミロイドジェニック経路へのAPPのプロセシングを促進し得ることが示されている。インビボ試験により、mAChRアゴニストである、AF267Bが、アルツハイマー病の異なる要素を持つモデルである3xTgADトランスジェニックマウスにおいて疾患様病理を変化させることが示された(Caccamoら、2006 Neuron)。mAChRアゴニストセビメリンは、アルツハイマー型患者におけるAβの脳脊髄液レベルをわずかだが有意に低下させることが示されており、したがって疾患改変有効性の可能性を実証している(Nitschら、2000 Neurol)。
【0006】
前臨床試験は、mAChRアゴニストが一連の前臨床パラダイムにおいて非定型抗精神病剤のようなプロファイルを示すことを示唆している。mAChRアゴニストである、キサノメリンは、多くのドーパミン媒介性行動、例えば、ラットにおけるアンフェタミン誘発歩行運動、マウスにおけるアポモルフィン誘発よじ登り、片側6−OH−DA破壊ラットにおけるドーパミンアゴニスト誘導回転運動及びサルのアンフェタミン誘発運動過多を回復させる(EPS傾向を伴わない)。キサノメリンは、ラットにおいてA9ではなくA10のドーパミン細胞の発火及び条件回避を阻害し、前頭前皮質及び側坐核においてc−fos発現を誘導するが、線条体では誘導しないことも示されている。これらのデータはすべて、非定型抗精神病剤のようなプロファイルを示唆する(Mirzaら、1999 CNS Drug Rev)。ムスカリン受容体はまた、嗜癖の神経生物学に関係があるとされている。コカイン及び他の嗜癖物質の強化効果は、中脳辺縁系ドーパミン系により媒介され、ここで、行動的及び神経科学的試験により、コリン作動性ムスカリン受容体サブタイプがドーパミン作動性神経伝達の調節において重要な役割を担うことが示されている。例えば、M(4)(−/−)マウスは、コカインへの暴露の結果として有意に増強された報酬駆動性行動を示した(Schmidtら、Psychopharmacology(2011)Aug;216(3):367−78)。さらに、キサノメリンは、これらのモデルにおいてコカインの作用を遮断することが実証されている。
【0007】
ムスカリン受容体は、運動の制御にも関与し、パーキンソン病、ADHD、ハンチントン病、トゥレット症候群及び疾患を誘発する根底的な病原的要因としてドーパミン作動性機能障害と関連する他の症候群などの運動障害に対する新規処置を表す可能性がある。
【0008】
キサノメリン、サブコメリン、ミラメリン及びセビメリンはすべて、アルツハイマー病及び/または統合失調症の処置のための臨床開発の様々な段階に進んでいる。キサノメリンの第II相臨床試験では、アルツハイマー病に関連する行動障害及び幻覚を含む様々な認知症状ドメインに対するその有効性が実証された(Bodickら、1997 Arch Neurol)この化合物は、統合失調症患者の小規模な第II相試験でも評価され、プラセボ対照と比較して陽性症状及び陰性症状を有意に減少させた(Shekharら、2008 Am J Psych)。しかしながら、すべての臨床試験においてキサノメリン及び他の関連するmAChRアゴニストは、コリン作動性の有害事象、例えば悪心、胃腸痛、便通異常(diahorrhea)、発汗(過剰発汗)、唾液分泌過多(唾液分泌過剰)、失神及び徐脈に関して許容できない安全域を示した。
【0009】
ムスカリン受容体は、中枢性疼痛及び末梢性疼痛に関与している。疼痛は、3つの異なる種類、すなわち急性疼痛、炎症性疼痛及び神経因性疼痛に分けることができる。急性疼痛は、組織損傷をもたらし得る刺激から生体を安全に守るうえで重要な保護機能を担っている;しかし、術後の疼痛の管理は必要である。炎症性疼痛は、組織損傷、自己免疫応答及び病原体侵入を含む多くの理由で起こり得、ニューロンの炎症及び疼痛を引き起こす炎症性メディエーター、例えば神経ペプチド及びプロスタグランジンの作用により引き起こされる。神経因性疼痛は、非痛み刺激に対する異常な痛み感覚を伴う。神経因性疼痛は、多くの異なる疾患/外傷、例えば脊髄損傷、多発性硬化症、糖尿病(糖尿病性ニューロパチー)、ウイルス感染症(例えばHIVまたは疱疹)と関連する。神経因性疼痛は、疾患または化学療法の副作用の両方に起因して癌においても一般的である。ムスカリン受容体の活性化は、脊髄及び脳内の疼痛の高次中枢における受容体の活性化を通して多くの疼痛状態で鎮痛作用を示すことが示されている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤によるアセチルコリンの内因性レベルの上昇、アゴニストまたはアロステリックモジュレーターによるムスカリン受容体の直接的活性化は、鎮痛活性を有することが示されている。一方で、アンタゴニストまたはノックアウトマウスの使用によりムスカリン受容体を遮断すると、痛覚感受性が高まる。疼痛におけるM1受容体の役割に関する証拠については、D.F.Fiorino and M.Garcia−Guzman,2012により概説されている。
【0010】
最近では、末梢に発現するmAChRサブタイプよりもM mAChRサブタイプに対する改善された選択性を示す少数の化合物が同定されている(Bridgesら、2008 Bioorg Med Chem Lett;Johnsonら、2010 Bioorg Med Chem Lett;Budzikら、2010 ACS Med Chem Lett)。M mAChRサブタイプに対する選択性のレベルが高まっているにもかかわらず、これらの化合物のいくつかは、このサブタイプ及びM mAChRサブタイプの両方で顕著なアゴニスト活性を保持している。本明細書において我々は、意外にもM及びM受容体サブタイプよりM及び/またはM mAChRに対して高レベルの選択性を示す一連の化合物を記載する。
【0011】
図面の説明は、実験の節B及びCにおいて見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施例1−33異性体2が、スコポラミン誘発性健忘症を用量依存様式で回復させ、そのED50が約10mg/kg(経口)であることが明らかになった。30mg/kgの作用は、陽性対照としたコリンエステラーゼ阻害剤ドネペジル(0.1mg/kg、腹腔内)により生成された作用と同様であった。
図2-1】図2は、ラットにおけるd−アンフェタミン誘発性運動亢進に及ぼす新規試験化合物の作用を示す。d−アンフェタミンにより引き出される運動亢進(または自発運動の亢進)の阻害によるラットにおける抗精神病剤様行動を評価した。実施例1−21異性体2、1−32異性体2、1−33異性体2、2−7異性体2及び2−17異性体2のデータを示す。
図2-2】図2は、ラットにおけるd−アンフェタミン誘発性運動亢進に及ぼす新規試験化合物の作用を示す。d−アンフェタミンにより引き出される運動亢進(または自発運動の亢進)の阻害によるラットにおける抗精神病剤様行動を評価した。実施例1−21異性体2、1−32異性体2、1−33異性体2、2−7異性体2及び2−17異性体2のデータを示す。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、ムスカリンM1及び/またはM4受容体アゴニストとして活性を有する化合
物を提供する。より具体的には、本発明は、M2及びM3受容体サブタイプと比較してM1受容体及び/またはM4受容体に対して選択性を呈する化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
したがって、一実施形態(実施形態1.1)では、本発明は、式(1)
【化1】
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の化合物またはその塩であってを提供し、
式中、Qは、N、O及びSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子環員を含有する5または6員の単環式複素環式の環であり;
は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から選択され;
は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;C1−6非芳香族炭化水素基から選択されるか;またはR及びRは1つに接合して6員の融合芳香族環を形成することができ;
は、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−9非芳香族炭化水素基から選択され、1、2、または3個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
は、水素、または1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基であり、1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
、R及びRは、同じであるかまたは異なり、それぞれは、水素、1つまたは複数のフッ素原子で任意選択的に置換されている非芳香族C1−4炭化水素基;または式CHN(R)COORの基から独立して選択され;
は、水素及び非芳香族C1−4炭化水素基から選択され;
は、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換されている非芳香族C1−4炭化水素基であり;
点線は随意の第二の炭素−炭素結合を示すが、第二の炭素−炭素結合が存在するときにはRは存在しない。
【0015】
したがって、一実施形態(実施形態1.1a)では、本発明は、式(1a):
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩であってを提供し、
式中、Qは、N、O及びSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を含有する5または6または7員の単環式複素環式の環であり;
は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(ここで1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から選択され;
は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;C1−6非芳香族炭化水素基から選択されるか;またはR及びRは1つに接合して6員の融合芳香族環を形成することができ;
は、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−9非芳香族炭化水素基から選択され、1、2、または3個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
は、水素、または1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基であり、1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
、R及びRは、同じであるかまたは異なり、それぞれは、水素、1つまたは複数のフッ素原子で任意選択的に置換されている非芳香族C1−4炭化水素基;または式CHN(R)COORの基から独立して選択され;
は、水素及び非芳香族C1−4炭化水素基から選択され;
は、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換されている非芳香族C1−4炭化水素基であり;
点線は随意の第二の炭素−炭素結合を示すが、第二の炭素−炭素結合が存在するときにはRは存在しない。
【0016】
したがって、一実施形態(実施形態1.1b)では、本発明は、式(1b):
【化3】
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の化合物またはその塩を提供し、
式中、Qは、N、O及びSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子環員を含有する任意選択的に置換されている5または6または7員の複素環であり;
は、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−9非芳香族炭化水素基から選択され、1、2、または3個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
は、水素、または1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基であり、1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
点線は随意の第二の炭素−炭素結合を示すが、第二の炭素−炭素結合が存在するときにはRは存在しない。
【0017】
式(1)、(1a)または(1b)の特定の化合物は、下記の実施形態1.2〜1.180に定義される通りである。
【0018】
1.2 Qが、芳香族または不飽和複素環である、実施形態1.1に記載の化合物。
【0019】
1.3 Qが、芳香族複素環である、実施形態1.2に記載の化合物。
【0020】
1.4 Qが、窒素環員及び、任意選択的に、O、N及びSから選択された1または2個のさらなる環員を含有する芳香族複素環である、実施形態1.3に記載の化合物。
【0021】
1.5 Qが、窒素環員及び、任意選択的に、O、N及びSから選択された1個のさらなる環員を含有する芳香族複素環である、実施形態1.4に記載の化合物。
【0022】
1.6 Qが、1または2個の窒素環員を含有する芳香族複素環である、実施形態1.5に記載の化合物。
【0023】
1.7 Qが、5員の複素環であり、当該5員の複素環の炭素原子により隣接する6員環に連結している、実施形態1.1〜1.6のいずれか1つに記載の化合物。
【0024】
1.8 Qが、5員の複素環であり、当該5員環の複素(heterocylic)環の窒素原子により隣接する6員環に連結している、実施形態1.1〜1.6のいずれか1つに記載の化合物。
【0025】
1.9 Qが、1ピロリル、2−イミダゾリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、及びそれらの互変異性体から選択される、実施形態1.1に記載の化合物。
【0026】
1.10 Qがピロール環である、実施形態1.6に記載の化合物。
【0027】
1.11 Qがイミダゾール環である、実施形態1.6に記載の化合物。
【0028】
1.12 Q がピラゾール環である、実施形態1.6に記載の化合物。
【0029】
1.13 Qが、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、5−ピラゾリル及びその互変異性体から選択される、実施形態1.6に記載の化合物。
【0030】
1.14 Qが、1つまたは複数の窒素原子を含有する6員環である、実施形態1.1に記載の化合物。
【0031】
1.15 Qが、ピリジル、ピラジルまたは0−2 C−C不飽和結合を含有する(contining)2−オキソ−3N(3−ピペリジン−2−オン)環である、実施形態1.14に記載の化合物。
【0032】
1.16 Qが、5、6または7員の不飽和複素環である、実施形態1.1に記載の化合物。
【0033】
1.17 Qが、5−ピロリジニル(pyrollidinyl)である、実施形態1.16に記載の化合物。
【0034】
1.18 Qが、二環式であり;Qに付着するさらなる環を有する、実施形態1.1に記載の化合物。
【0035】
1.19 Qが、1つまたは複数の置換基、例えば、1、2または3つの置換基を有し、それは1つのR及び/またはRから選択されてよく、R及びRは同じであるかまたは異なってよい。Qに対するさらなる置換基には、(L)−R10、(L)−R11及び(L)−R12が含まれてよく、ここでLは、結合であるかまたはCH基であり;R10、R11及びR12は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR15;NR1516;COR15;CSR15;COOR15;COSR15;OCOR15;NR17COR15;CONR1516;CSNR1516;NR17CONR1516;R17COOR15;OCONR1516;SR15;SOR15及びSO15;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から独立して選択され;
当該任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)からなる基Rから選択され;
15、R16及びR17は同じであるかまたは異なり、または1つに接合して環を形成してよく、それぞれは、水素、1つまたは複数のフッ素原子で任意選択的に置換されてい
る非芳香族C1−6炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);または式CHN(R)COORの基;または式(L)−R18の基(Lは、結合またはCH基であり、R18はO、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環である)から独立して選択され;
当該任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は基Rから選択される、実施形態1.1bに記載の化合物。
【0036】
1.20 Rが、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から選択され、
当該任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)からなる基Rから選択される、実施形態1.1〜1.19のいずれか1つに記載の化合物。
【0037】
1.21 Rが、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−5非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、または2個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から選択され;
当該任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は、フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)からなる基Rから選択される、実施形態1.20に記載の化合物。
【0038】
1.22 Rが、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及び
Sならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、または2個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員のアリールまたはヘテロアリール環から選択され;
当該任意選択的に置換されている5または6員のアリールまたはヘテロアリール環に対する随意の置換基は、フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)からなる基Rから選択される、実施形態1.21に記載の化合物。
【0039】
1.23 Rが、水素;フッ素;塩素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SO;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基、(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から選択され、当該任意選択的に置換されている5または6員のアリールまたはヘテロアリール環に対する随意の置換基は、フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)からなる基Rから選択される、実施形態1.1〜1.19のいずれか1つに記載の化合物。
【0040】
1.24 Rが、水素;フッ素;塩素;シアノ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)から選択される、実施形態1.23に記載の化合物。
【0041】
1.25 Rが、水素;フッ素;塩素;シアノ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;SO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基から選択される、実施形態1.24に記載の化合物。
【0042】
1.26 Rが、水素;フッ素;塩素;シアノ;NR;COR;COOR及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基から選択される、実施形態1.25に記載の化合物。
【0043】
1.27 Rが、水素;フッ素;塩素;シアノ;NH、COR;COOR及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4飽和非芳香族炭化水素基か
ら選択される、実施形態1.26に記載の化合物。
【0044】
1.28 Rが、水素;COR;COOR;CONR及びC1−4アルキル基から選択される、実施形態1.27に記載の化合物。
【0045】
1.29 Rが、水素;COR;COOR及びC1−3アルキル基から選択される、実施形態1.28に記載の化合物。
【0046】
1.30 Rが、水素;メチル;エチル及びCOORから選択される、実施形態1.29に記載の化合物。
【0047】
1.31 Rが、水素である、実施形態1.30に記載の化合物。
【0048】
1.32 Rが、メチルまたはエチルである、実施形態1.30に記載の化合物。
【0049】
1.33 Rが、COOMe;COOEt;COMe;COEt;CONH;CF;CONHMe;CON(Me);COCF;CO−シクロプロピル;CO−シクロブチル;CONHEt;COH;NH;OMeである、実施形態1.20〜1.30に記載の化合物。
【0050】
1.34 Rが、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;及びC1−6非芳香族炭化水素基から選択されるか;またはRと接合して6員の融合芳香族環を形成する、実施形態1.1〜1.33のいずれか1つに記載の化合物。
【0051】
1.35 Rが、水素;フッ素;ヒドロキシ;メトキシ;及びC1−6非芳香族炭化水素基から選択される、実施形態1.34に記載の化合物。
【0052】
1.36 Rが、水素;フッ素;メトキシ;及びC1−4飽和炭化水素基から選択される、実施形態1.35に記載の化合物。
【0053】
1.37 Rが、水素;フッ素;メトキシ;及びC1−4アルキル基から選択される、実施形態1.36に記載の化合物。
【0054】
1.38 Rが、水素及びC1−3アルキル基から選択される、実施形態1.37に記載の化合物。
【0055】
1.39 Rが、水素及びメチルから選択される、実施形態1.38に記載の化合物。
【0056】
1.40 Rが、Rと接合して6員の融合芳香族環を形成し、それがアリールまたはヘテロアリールであり得る、実施形態1.34に記載の化合物。
【0057】
1.41 点線が第二の炭素−炭素結合を表し、Rが存在しない、実施形態1.1〜1.40のいずれか1つに記載の化合物。
【0058】
1.42 Rが存在し、随意の第二の炭素−炭素結合が存在しない、実施形態1.1〜1.40のいずれか1つに記載の化合物。
【0059】
1.43 Rが、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、し
かし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)から選択される、実施形態1.42に記載の化合物。
【0060】
1.44 Rが、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1個の、しかし全部
ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)から選択される、実施形
態1.43に記載の化合物。
【0061】
1.45 Rが、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから選択され、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシはそれぞれ1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されている、実施形態1.44に記載の化合物。
【0062】
1.46 Rが、水素;フッ素;ヒドロキシ及びメトキシから選択される、実施形態1.45に記載の化合物。
【0063】
1.47 Rが、水素である、実施形態1.46に記載の化合物。
【0064】
1.48 Rが、水素または非環式C1−6炭化水素基である、実施形態1.1〜1.47のいずれか1つに記載の化合物。
【0065】
1.49 Rが、水素または非環式C1−3炭化水素基である、実施形態1.48に記載の化合物。
【0066】
1.50 Rが、水素またはC1−3アルキル基またはC2−3アルキニル基である、実施形態1.49に記載の化合物。
【0067】
1.51 Rが、水素、メチル、エチル、エチニル及び1−プロピニルから選択される、実施形態1.50に記載の化合物。
【0068】
1.52 Rが、水素及びメチルから選択される、実施形態1.51に記載の化合物。
【0069】
1.53 Rが、メチルである、実施形態1.52に記載の化合物。
【0070】
1.54 Rが、存在するとき、1つまたは複数のフッ素原子で任意選択的に置換されている非芳香族C1−4炭化水素基である;または式CHN(R)COORの基である、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0071】
1.55 非芳香族C1−4炭化水素基が、飽和C1−4炭化水素基である、実施形態1.54に記載の化合物。
【0072】
1.56 Rが、存在するとき、水素である、実施形態1.1〜1.53のいずれか1つに記載の化合物。
【0073】
1.57 Rが、存在するとき、水素及び飽和C1−4炭化水素基から選択される、実施形態1.1〜1.53のいずれか1つに記載の化合物。
【0074】
1.58 飽和C1−4炭化水素基が、C1−4アルキル基である、実施形態1.55または実施形態1.56に記載の化合物。
【0075】
1.59 飽和C1−4炭化水素基が、C1−3アルキル基である、実施形態1.58に記載の化合物。
【0076】
1.60 C1−3アルキル基が、メチル、エチル及びイソプロピルから選択される、実施形態1.59に記載の化合物。
【0077】
1.61 C1−3アルキル基が、エチルである、実施形態1.60に記載の化合物。
【0078】
1.62 Rが、存在するとき、非芳香族C1−4炭化水素基である、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0079】
1.63 非芳香族C1−4炭化水素基が、飽和C1−4炭化水素基である、実施形態1.62に記載の化合物。
【0080】
1.64 Rが、存在するとき、水素である、実施形態1.1〜1.61のいずれか1つに記載の化合物。
【0081】
1.65 飽和C1−4炭化水素基が、C1−3アルキル基である、実施形態1.63に記載の化合物。
【0082】
1.66 C1−3アルキル基が、メチル、エチル及びイソプロピルから選択される、実施形態1.65に記載の化合物。
【0083】
1.67 Rが、存在するとき、非芳香族C1−4炭化水素基である、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0084】
1.68 非芳香族C1−4炭化水素基が、飽和C1−4炭化水素基である、実施形態1.67に記載の化合物。
【0085】
1.69 Rが、存在するとき、水素である、実施形態1.1〜1.66のいずれか1つに記載の化合物。
【0086】
1.70 Rが、存在するとき、水素及び飽和C1−4炭化水素基から選択される、実施形態1.1〜1.66のいずれか1つに記載の化合物。
【0087】
1.71 飽和C1−4炭化水素基が、C1−4アルキル基である、実施形態1.68または実施形態1.70に記載の化合物。
【0088】
1.72 飽和C1−4炭化水素基が、C1−3アルキル基である、実施形態1.71に記載の化合物。
【0089】
1.73 C1−3アルキル基が、メチル、エチル及びイソプロピルから選択される、実施形態1.72に記載の化合物。
【0090】
1.74 Rが任意選択的に置換されている5または6員の環であるとき、それがO、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1または2または3個のヘテロ原子を含有する芳香族環から選択される、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0091】
1.75 芳香族環が、炭素環式である、実施形態1.74に記載の化合物。
【0092】
1.76 芳香族環が、複素環式である、実施形態1.74に記載の化合物。
【0093】
1.77 Rが任意選択的に置換されている5または6員の環であるとき、それがO、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1または2または3個のヘテロ原子を含有する非芳香族環から選択される、実施形態1.1〜1.73のいずれか1つに記載の化合物。
【0094】
1.78 非芳香族環が、炭素環式である、実施形態1.77に記載の化合物。
【0095】
1.79 非芳香族環が、複素環式である、実施形態1.77に記載の化合物。
【0096】
1.80 環が、5員環である、実施形態1.74〜1.79のいずれか1つに記載の化合物。
【0097】
1.81 環が、6員環である、実施形態1.74〜1.79のいずれか1つに記載の化合物。
【0098】
1.82 Rが任意選択的に置換されている5または6員の環であるとき、それが0、1、2または3個の置換基Rで置換されている、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0099】
1.83 0、1または2個の置換基Rが存在する、実施形態1.82に記載の化合物。
【0100】
1.84 0個の置換基Rが存在する、実施形態1.83に記載の化合物。
【0101】
1.85 1個の置換基Rが存在する、実施形態1.82に記載の化合物。
【0102】
1.86 2個の置換基Rが存在する、実施形態1.82に記載の化合物。
【0103】
1.87 Rが、存在するとき、フッ素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;SR;SOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)から選択される、実施形態1.81、1.82、1.83、1.85及び1.86のいずれか1つに記載の化合物。
【0104】
1.88 Rが、フッ素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)から選択される、実施形態1.87に記載の化合物。
【0105】
1.89 Rが、フッ素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基から選
択される、実施形態1.88に記載の化合物。
【0106】
1.90 Rが、シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;及びC1−4アルキルから選択される、実施形態1.89に記載の化合物。
【0107】
1.91 部分:
【化4】
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が、下記の基AAA〜ACB:
【化5】
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【化6】
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から選択される、実施形態1.1〜1.40及び1.42〜1.53のいずれか1つに記載の化合物。
【0108】
1.92 式(2):
【化7】
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式中、Qは、1個または複数の窒素原子を有する、任意選択的に置換されている5または6員の複素環式またはヘテロアリール(heteraryl)環であり、Rは実施形態1.48〜1.53のいずれか1つに定義される通りであり;
または式(2a)
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Qは、1個または複数の窒素原子を有する、任意選択的に置換されている5、6ま
たは7員の複素環式またはヘテロアリール(heteraryl)環であり、Rは実施形態1.48〜1.53のいずれか1つに定義される通りである、
に係る化合物。
【0109】
1.93 式(2)または式(2a)に係る化合物であって、式中、Qが、1つまたは複数の置換基、例えば、1、2または3つの置換基を有し、それは(L)−R10、(L)−R11及び(L)−R12から選択され、ここでLは、結合であるかまたはCH基であり;R10、R11及びR12は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR15;NR1516;COR15;CSR15;COOR15;COSR15;OCOR15;NR17COR15;CONR1516;CSNR1516;NR17CONR1516;R17COOR15;OCONR1516;SR15;SOR15及びSO15;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及びO、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から独立して選択され;
当該任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい)からなる基Rから選択され;
15、R16及びR17は同じであるかまたは異なり、または1つに接合して環を形成してよく、それぞれは、水素、1つまたは複数のフッ素原子で任意選択的に置換されている非芳香族C1−6炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、当該炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);または式CHN(R)COORの基;または式(L)−R18の基から独立して選択され、ここでLは、結合またはCH基であり、R18は、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環であり;
当該任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は、基Rから選択される、当該化合物。
【0110】
1.94 式(3):
【化9】
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を有し、式中、R、R及びRは実施形態1.1〜1.40及び1.42〜1.90のいずれか1つに定義される通りであり、環Aは1または2個の窒素環員を含有する5員の複素環式またはヘテロアリール環である、実施形態1.1〜1.93に記載の化合物。
【0111】
1.95 環Aが、2個の窒素環員を含有する5員のヘテロアリール環である、実施形
態に1.94記載の化合物。
【0112】
1.96 環Aが、イミダゾール環である、実施形態1.95に記載の化合物。
【0113】
1.97 式(4):
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、R、R及びRは、実施形態1.1〜1.40及び1.42〜1.90のいずれか1つに定義される通りである、実施形態1.96に記載の化合物。
【0114】
1.98 環Aがピラゾール環である、実施形態1.95に記載の化合物。
【0115】
1.99 式(5):
【化11】
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を有し、式中、R、R及びRは、実施形態1.1〜1.40及び1.42〜1.90のいずれか1つに定義される通りである、実施形態1.98に記載の化合物。
【0116】
1.100 式(6):
【化12】
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を有し、式中、R、R及びRは、実施形態1.1〜1.40及び1.42〜1.90のいずれか1つに定義される通りである、実施形態1.98に記載の化合物。
【0117】
1.101 環Aが、1個の窒素原子を含有する5員の複素環である、実施形態1.94に記載の化合物。
【0118】
1.102 式(7):
【化13】
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を有し、式中、R、R及びRは、実施形態1.1〜1.40及び1.42〜1.90のいずれか1つに定義される通りである、実施形態1.101に記載の化合物。
【0119】
1.103 部分:
【化14】
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が、下記の基BAA〜BCZ:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【化17】
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から選択される、実施形態1.101に記載の化合物。
【0120】
1.104 式(8):
【化18】
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を有し、式中、R、R及びRは、実施形態1.1〜1.40及び1.42〜1.90のいずれか1つに定義される通りである、実施形態1.101に記載の化合物。
【0121】
1.105 部分:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
が、下記の基CAA〜CBX:
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【化21】
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から選択される、実施形態1.101に記載の化合物。
【0122】
1.106 Qが、N、O及びSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を含有する6員の単環式複素環式の環である、実施形態1.1に記載の化合物。
【0123】
1.107 部分:
【化22】
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が、下記の基DAA〜DBG:
【化23】
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から選択される、実施形態1.106に記載の化合物。
【0124】
1.108 Qが、N、O及びSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を含有する7員の単環式複素環式の環である、実施形態1.1に記載の化合物。
【0125】
1.109 部分:
【化24】
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が、下記の基EAA〜EAB:
【化25】
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から選択される、実施形態1.108に記載の化合物。
【0126】
1.110 実施例1−1〜1−73、2−1〜2−138、3−1〜3−16、4−1〜4−20または5−1〜5−2のいずれか1つに定義される通りである、実施形態1.1に記載の化合物。
【0127】
1.111 550未満の分子量を有する、実施形態1.1〜1.110のいずれか1つに記載の化合物。
【0128】
1.112 500未満の分子量を有する、実施形態1.111に記載の化合物。
【0129】
1.113 450以下の分子量を有する、実施形態1.112に記載の化合物。
【0130】
1.114 塩の形態である、実施形態1.1〜1.113のいずれか1つに記載の化合物。
【0131】
1.115 塩が酸付加塩である、実施形態1.114に記載の化合物。
【0132】
1.116 塩が医薬的に許容され得る塩である、実施形態1.115または実施形態1.115に記載の化合物。
【0133】
定義
本出願では、別段の指示がない限り、以下の定義が適用される。
【0134】
式(1)、(1a)または(1b)の化合物の使用に関連する「処置」という用語は、問題の疾患若しくは障害に罹患している、または罹患する恐れがある、または罹患する恐れがある可能性がある対象に化合物が投与される、任意の形態の介入を説明するのに使用される。ゆえに、「処置」という用語は、予防(preventative)(予防(prophylactic))処置、及び疾患または障害の測定可能または検出可能な症状が示されている処置の両方を包含する。
【0135】
本明細書で(例えば、疾患または状態の処置の方法に関連して)用いるとき、「治療有効量」という用語は、所望の治療効果を生成するのに有効である、化合物の量を指す。例
えば、状態が疼痛である場合には、治療有効量は所望のレベルの疼痛緩和を提供するのに十分な量である。疼痛緩和の所望のレベルは、例えば、疼痛の完全な除去または疼痛の重症度における軽減であり得る。
【0136】
(「C1−10非芳香族炭化水素基」または「非環式C1−5非芳香族炭化水素基」におけるような)「非芳香族炭化水素基」という用語は、炭素原子及び水素原子からなり、芳香族環を含有しない基を指す。炭化水素基は完全に飽和していてもよく、または1つまたは複数の炭素−炭素二重結合若しくは炭素−炭素三重結合、または二重結合と三重結合との混合物を含んでいてよい。炭化水素基は直鎖基または分岐鎖基であってよく、または環式基からなっていても、環式基を含有していてもよい。ゆえに、非芳香族炭化水素という用語には、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキルなどが含まれる。
【0137】
「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「シクロアルキル」アリール、ヘテロアリール及び「シクロアルケニル」という用語は、別段の指示がない限り、それらの従来の意味(例えば、IUPAC Gold Bookに定義される通り)で使用される。
【0138】
「C1−4飽和炭化水素基」におけるような「飽和炭化水素基」という用語は、炭素−炭素二重結合または三重結合を含有しない炭化水素基を指す。飽和炭化水素基は、それゆえ、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキルアルキル基であることができる。C1−4飽和炭化水素基の例には、C1−4アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロプロピルメチルが含まれる。
【0139】
本明細書で用いるとき、「シクロアルキル」という用語は、指定した数の炭素原子が許容される場合、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどの単環式シクロアルキル基と、二環式基及び三環式基との両方を含む。二環式シクロアルキル基には、ビシクロヘプタン、ビシクロオクタン及びアダマンタンなどの架橋環系が含まれる。
【0140】
上のR、R、R及びRの定義において、記述する場合、1または2個の、しかし全部ではない、非芳香族炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびに(R及びRの場合には)その酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい。炭素原子がヘテロ原子で置き換えられる場合、炭素と比べてヘテロ原子の原子価が低いということは、置き換えられている炭素原子と結合していたであろう原子よりも少ない原子がヘテロ原子と結合し得ることを意味することが理解されるだろう。ゆえに、例えば、CH基の炭素原子(原子価4)を酸素(原子価2)で置き換えることは、結果として生じる分子が、2個少ない水素原子を含有し得ることを意味し、CH基の炭素原子(原子価4)を窒素(原子価3)で置き換えることは、結果として生じる分子が、1個少ない水素原子を含有し得ることを意味するだろう。
【0141】
炭素原子に対するヘテロ原子置換の例としては、エーテル−CH−O−CH−またはチオエーテル−CH−S−CH−を得るための酸素または硫黄による−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子の置換、ニトリル(シアノ)基CH−C≡Nを得るための窒素による基CH−C≡C−H中の炭素原子の置換、ケトン−CH−C(O)−CH−を得るためのC=Oによる基−CH−CH−CH−中の炭素原子の置換、スルホキシド−CH−S(O)−CH−またはスルホン−CH−S(O)−CH−を得るためのS=OまたはSOによる基−CH−CH−CH−中の炭素原子の置換、アミド−CH−CH−C(O)−NH−を得るためのC(O)NHによる−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子の置換、アミン−CH−NH−CH−を得る
ための窒素による−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子の置換、及び、エステル(またはカルボン酸)−CH−CH−C(O)−O−を得るためのC(O)Oによる−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子の置換が挙げられる。そのような各置換の場合、炭化水素基の少なくとも1つの炭素原子は残らなければならない。
【0142】

式(1)、(1a)または(1b)の多くの化合物は、塩の形態、例えば酸付加塩、または、ある特定の場合にはカルボン酸塩、スルホン酸塩及びリン酸塩などの有機及び無機塩基の塩で存在することができる。こうした塩はすべて、本発明の範囲内にあり、式(1)、(1a)または(1b)の化合物に関しては、実施形態1.114〜1.116に定義されるような化合物の塩形態を含む。
【0143】
塩は、典型的には酸付加塩である。
【0144】
本発明の塩は、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.Heinrich Stahl(編集),Camille G.Wermuth(編集),ISBN:3−90639−026−8,Hardcover,388頁,August 2002に記載される方法などの従来の化学的方法により、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態と適切な塩基または酸とを、水中若しくは有機溶媒中、またはこの2つの混合液中で反応させることにより調製することができ;一般には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水媒体が使用される。
【0145】
酸付加塩(実施形態1.120に定義される)は、多種多様な酸、無機酸及び有機酸の両方で形成してよい。実施形態1.120に包含される酸付加塩の例として、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、カンファー−スルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸及び吉草酸からなる群から選択される酸、ならびにアシル化アミノ酸及び陽イオン交換樹脂で形成されるモノ−またはジ−塩が挙げられる。
【0146】
式(1)、(1a)または(1b)の化合物がアミン官能基を含有する場合、これらは、第四級アンモニウム塩を、例えば、当業者に周知の方法にしたがって、アルキル化剤との反応により形成し得る。そのような第四級アンモニウム化合物は式(1)、(1a)または(1b)の範囲内にある。
【0147】
本発明の化合物は、塩が形成される酸のpKaに応じてモノ−またはジ−塩として存在してよい。
【0148】
本発明の化合物の塩形態は、典型的には医薬的に許容され得る塩であり、医薬的に許容され得る塩の例は、Bergeら、1977,「Pharmaceutically Acceptable Salts,」J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1−19で論じられている。しかし、医薬的に許容されない塩を中間体形態として調製してもよく、その後それを医薬的に許容され得る塩に変換してよい。そのような医薬的に許容されない塩形態は、例えば、本発明の化合物の精製または分離において有用である場合があり、これも本発明の一部を形成する。
【0149】
立体異性体
立体異性体は、同じ分子式及び結合原子の配列を有するが、空間におけるその原子の三次元的配置においてのみ異なる異性体分子である。立体異性体は、例えば、幾何異性体または光学異性体であることができる。
【0150】
幾何異性体
幾何異性体の場合、異性は、炭素−炭素二重結合のまわりのシス及びトランス(Z及びE)異性、またはアミド結合のまわりのシス及びトランス異性体、または(例えばオキシムにおける)炭素窒素二重結合のまわりのsyn及びanti異性、または回転の束縛が存在する結合のまわりの回転異性、またはシクロアルカン環などの環のまわりのシス及びトランス異性のように二重結合のまわりの原子または基の配置が異なることによる。
【0151】
したがって、別の実施形態(実施形態1.121)では、本発明は、実施形態1.1〜1.116のいずれか1つに記載の化合物の幾何異性体を提供する。
【0152】
光学異性体
式中の化合物が1つまたは複数のキラル中心を含有し、2つ以上の光学異性体の形態で存在することができる場合、本化合物への言及は、文脈により別途要されない限り、その全光学異性体形態(例えばエナンチオマー、エピマー及びジアステレオ異性体)を、個々の光学異性体、または混合物(例えばラセミ混合物)若しくは2つ以上の光学異性体のいずれかとして含む。
【0153】
したがって、別の実施形態(実施形態1.132)では、本発明は、キラル中心を含有する実施形態1.1〜1.121のいずれか1つに記載の化合物を提供する。
【0154】
光学異性体は、その光学活性を特徴とし、それにより特定されてよく(すなわち、+及び−異性体、またはd及びl異性体のように)、またはそれらは、Cahn、Ingold及びPrelogにより開発された「R及びS」命名法を用いてその絶対立体化学の点から特徴付けされてもよい。Advanced Organic Chemistry by Jerry March,第4版,John Wiley & Sons,New
York,1992,pages 109−114、さらにCahn,Ingold & Prelog,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1966,5,385−415を参照されたい。光学異性体は、キラルクロマトグラフィー(キラル支持体上でのクロマトグラフィー)を含むいくつかの技術により分離することができ、こうした技術は、当業者に周知である。キラルクロマトグラフィーに代わるものとして、(+)−酒石酸、(−)−ピログルタミン酸、(−)−ジ−トルオイル−L−酒石酸、(+)−マンデル酸、(−)−リンゴ酸及び(−)−カンファースルホン酸などのキラル酸でジアステレオ異性体の塩を形成し、優先晶出によりジアステレオ異性体を分離し、その後解塩して遊離塩基の個別のエナンチオマーを得ることにより、光学異性体を分離することがで
きる。
【0155】
本発明の化合物が2つ以上の光学異性体形態として存在する場合、一対のエナンチオマーの一方のエナンチオマーが、例えば生物活性の面で他方のエナンチオマーに対して利点を呈することがある。ゆえに、ある特定の環境では、一対のエナンチオマーの一方のみ、または複数のジアステレオ異性体の1つのみを治療剤として使用することが望ましくあり得る。
【0156】
したがって、別の実施形態(実施形態1.133)では、本発明は、1つまたは複数のキラル中心を有する、実施形態1.132に記載の化合物を含有する組成物であって、実施形態1.108の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%)が単一の光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体)として存在する、当該組成物を提供する。
【0157】
1つの一般的な実施形態(実施形態1.134)では、実施形態1.132の化合物(または使用のための化合物)の総量の99%以上(例えば、実質的に全て)が単一の光学異性体として存在する。
【0158】
例えば、一実施形態(実施形態1.135)では、化合物は、単一のエナンチオマーとして存在する。
【0159】
別の実施形態(実施形態1.136)では、化合物は、単一のジアステレオ異性体として存在する。
【0160】
本発明は、光学異性体の混合物も提供し、それはラセミまたは非ラセミであってよい。ゆえに、本発明は以下を提供する。
【0161】
1.137 光学異性体のラセミ混合物の形態である、実施形態1.132に記載の化合物。
【0162】
1.138 光学異性体の非ラセミ混合物の形態である、実施形態1.132に記載の化合物。
【0163】
同位体
実施形態1.1〜1.138のいずれか1つに定義される本発明の化合物は、1つまたは複数の同位体置換を含有してよく、特定の元素に関する言及は、その範囲内に元素の全ての同位体を含む。例えば、水素に関する言及は、その範囲内にH、H(D)、及びH(T)を含む。同様に、炭素及び酸素に関する言及は、それらの範囲内にそれぞれ12C、13C及び14Cと16Oと18Oを含む。
【0164】
同じように、特定の官能基に関する言及も、文脈により別段の指示がない限り、その範囲内に同位体変種を含む。例えば、エチル基などのアルキル基に関する言及は、基内の1つまたは複数の水素原子がジュウテリウム同位体またはトリチウム同位体の形態である、例えば、全5個の水素原子がジュウテリウム同位体であるエチル基(パージュウテロエチル基)のような変種も包含される。
【0165】
同位体は、放射性または非放射性であり得る。本発明の一実施形態(実施形態1.140)では、実施形態1.1〜1.138のいずれか1つの化合物は、放射性同位体を含有しない。そのような化合物は治療的使用に好ましい。しかし、別の実施形態(実施形態1.141)では、実施形態1.1〜1.138のいずれか1つの化合物は、1つまたは複
数の放射性同位体を含有し得る。そのような放射性同位体を含有する化合物は、診断の場面で有用であり得る。
【0166】
溶媒和物
実施形態1.1〜1.141のいずれか1つに定義される式(1)、(1a)または(1b)の化合物は、溶媒和物を形成し得る。好ましい溶媒和物は、本発明の化合物の固体状態構造(例えば、結晶構造)に、非毒性の医薬的に許容され得る溶媒(以下、溶媒和性溶媒と称する)の分子が取り込まれることにより形成される溶媒和物である。そのような溶媒の例には、水、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール及びブタノール)及びジメチルスルホキシドが含まれる。溶媒和物は、本発明の化合物を溶媒または溶媒和性溶媒を含有する溶媒の混合物で再結晶化することにより調製することができる。任意の所与の例において、溶媒和物が形成されているか否かは、熱重量分析(TGE)、示差走査熱量測定(DSC)及びX線結晶解析などの周知の標準的な技術を使用して化合物の結晶を解析に供することにより決定することができる。溶媒和物は、化学量論的溶媒和物または非化学量論的溶媒和物であり得る。特に好ましい溶媒和物は水和物であり、水和物の例には、半水和物、一水和物及び二水和物が含まれる。
【0167】
したがって、さらなる実施形態1.150及び1.151では、本発明は以下を提供する。
【0168】
1.151 溶媒和物の形態である、実施形態1.1〜1.141のいずれか1つに記載の化合物。
【0169】
1.152 溶媒和物が水和物である、実施形態1.151に記載の化合物。
【0170】
溶媒和物及びそれらを作製し特徴づけるために使用される方法のより詳細な記述については、Brynら、Solid−State Chemistry of Drugs,第2版、米国ウェストラファイエットのSSCI,Incにより出版、1999,ISBN 0−967−06710−3を参照されたい。
【0171】
あるいは、本発明の化合物は、水和物として存在するよりむしろ、無水であってよい。したがって、別の実施形態(実施形態1.153)では、本発明は、無水形態(例えば、無水結晶形態)の、実施形態1.1〜1.141のいずれか1つに定義される化合物を提供する。
【0172】
結晶形態及び非晶質形態
実施形態1.1〜1.153のいずれか1つの化合物は、結晶または非結晶(例えば、非晶質)状態で存在してよい。化合物が結晶状態で存在するか否かは、X線粉末回折(XRPD)などの標準的な技術により容易に決定することができる。結晶及びその結晶構造は、単結晶X線結晶解析、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)及び赤外分光法、例えば、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を含むいくつかの技術を使用して特徴付けることができる。水蒸気吸着重量測定試験、さらにXRPDにより、様々な湿度条件下での結晶の挙動を解析することができる。化合物の結晶構造の決定は、本明細書に記載の方法及びFundamentals of Crystallography,C.Giacovazzo,H.L.Monaco,D.Viterbo,F.Scordari,G.Gilli,G.Zanotti and M.Catti,(International Union of Crystallography/Oxford University Press,1992 ISBN 0−19−855578−4(p/b),0−19−85579−2(h/b))に記載されているような方法などの従来の方法に従い実施できるX線結晶解析により行うことができる。この技術は、
単結晶のX線回折の解析及び解釈を必然的に含む。非晶質固体では、結晶形態に通常存在する三次元構造が存在せず、非晶質形態の互いの分子の相対位置は本質的にランダムである。例えば、Hancockら、J.Pharm.Sci.(1997),86,1)を参照されたい。
【0173】
したがって、さらなる実施形態では、本発明は以下を提供する。
【0174】
1.160 結晶形態である、実施形態1.1〜1.153のいずれか1つに記載の化合物。
【0175】
1.161 (a)50%〜100%結晶であり、より具体的には少なくとも50%結晶、または少なくとも60%結晶、または少なくとも70%結晶、または少なくとも80%結晶、または少なくとも90%結晶、または少なくとも95%結晶、または少なくとも98%結晶、または少なくとも99%結晶、または少なくとも99.5%結晶、または少なくとも99.9%結晶、例えば、100%結晶である、実施形態1.1〜1.153のいずれか1つに記載の化合物。
【0176】
1.162 非晶質形態である、実施形態1.1〜1.153のいずれか1つに記載の化合物。
【0177】
プロドラッグ
実施形態1.1〜1.162のいずれか1つに定義される式(1)、(1a)または(1b)の化合物は、プロドラッグの形態で存在してよい。「プロドラッグ」とは、例えば、実施形態1.1〜1.162のいずれか1つに定義される式(1)、(1a)または(1b)の生物学的に活性な化合物にインビボで変換される任意の化合物を意味する。
【0178】
例えば、一部のプロドラッグは活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容され得る代謝的に不安定なエステル)である。代謝中、エステル基(−C(=O)OR)が切断されて活性薬が得られる。そのようなエステルは、例えば、親化合物に存在する任意のヒドロキシル基のエステル化により形成され得、適切な場合には、親化合物に存在する他の任意の反応基を事前に保護し、その後必要があれば脱保護する。
【0179】
また、いくつかのプロドラッグは酵素的に活性化されて活性化合物になる、またはさらなる化学反応の際に活性化合物になる化合物である(例えば、ADEPT、GDEPT、LIDEPT等において)。例えば、プロドラッグは糖誘導体または他のグリコシドコンジュゲートであってよく、またはアミノ酸エステル誘導体であってよい。
【0180】
したがって、別の実施形態(実施形態1.170)では、本発明は、実施形態1.1〜1.170のいずれか1つに定義される化合物のプロドラッグであって、当該化合物がヒドロキシル基またはアミノ基を形成するように生理条件下で変換可能である官能基を含有する、当該プロドラッグを提供する。
【0181】
錯体及びクラスレート
実施形態1.1〜1.170の式(1)、(1a)または(1b)には、実施形態1.1〜1.170の化合物の錯体(例えば、シクロデキストリンなどの化合物との包接錯体若しくはクラスレート、または金属との錯体)も包含される。
【0182】
したがって、別の実施形態(実施形態1.180)では、本発明は、錯体またはクラスレートの形態の、実施形態1.1〜1.170のいずれか1つに記載の化合物を提供する。
【0183】
生物活性及び治療用途
本発明の化合物は、ムスカリンM1受容体アゴニストとしての活性を有する。化合物のムスカリン活性は、下の実施例Aに記載のホスホ−ERK1/2アッセイを使用して決定することができる。
【0184】
本発明の化合物の大きな利点は、それらがM2及びM3受容体サブタイプと比較してM1受容体に対して高度に選択的であることである。本発明の化合物は、M2及びM3受容体サブタイプのアゴニストでない。例えば、本発明の化合物が、実施例Aに記載の機能アッセイにおいてM1受容体に対して少なくとも6(好ましくは少なくとも6.5)のpEC50値及び80を上回る(好ましくは95を上回る)Emax値を典型的に有するのに対し、実施例Aの機能アッセイにおいてM2及びM3サブタイプに対して試験した時、それらは5未満のpEC50値及び20%未満のEmax値を有し得る。
【0185】
本発明の化合物のいくつかはまた、M1受容体と比較してM4受容体に対して高度に選択的である。そのような化合物の例には、実施例1−6、1−9、1−21及び2−17の化合物を含む。
【0186】
本発明の他の化合物は、M1及びM4受容体の両方で活性を有する。そのような化合物の例には、実施例1−1〜1−4及び1−8〜1−10及び2−116の化合物を含む。
【0187】
したがって、実施形態2.1〜2.9では、本発明は下記を提供する。
【0188】
2.1 医薬品において使用するための実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0189】
2.2 ムスカリンM1及び/またはM4受容体アゴニストとして使用するための実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0190】
2.3 本明細書の実施例Aのアッセイまたはそれに実質的に類似するアッセイにおいてM1受容体に対して、6.0〜8.1の範囲のpEC50及び少なくとも90のEmaxを有するムスカリンM1受容体アゴニストである、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0191】
2.4 6.5〜7.5の範囲のpEC50を有するムスカリンM1受容体アゴニストである、実施形態2.3に記載の化合物。
【0192】
2.5 M1受容体に対して少なくとも95のEmaxを有する、実施形態2.3または実施形態2.4に記載の化合物。
【0193】
2.6 本明細書の実施例Aのアッセイまたはそれに実質的に類似するアッセイにおいてM4受容体に対して、6.0〜9.0の範囲のpEC50及び少なくとも90のEmaxを有するムスカリンM4受容体アゴニストである、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0194】
2.7 6.5〜9.0の範囲のpEC50を有するムスカリンM4受容体アゴニストである、実施形態2.6に記載の化合物。
【0195】
2.8 M4受容体に対して少なくとも95のEmaxを有する、実施形態2.6または実施形態2.7に記載の化合物。
【0196】
2.9 ムスカリンM2及びM3受容体と比較してM1及び/またはM4受容体に対して選択的である、実施形態2.3〜2.8のいずれか1つに記載の化合物。
【0197】
2.10 ムスカリンM2及びM3受容体と比較してM1受容体に対して選択的である、実施形態2.9に記載の化合物。
【0198】
2.11 ムスカリンM2及びM3受容体と比較してM4受容体に対して選択的である、実施形態2.9に記載の化合物。
【0199】
2.12 ムスカリンM2、M3及びM4受容体と比較してM1受容体に対して選択的である、実施形態2.3〜2.5のいずれか1つに記載の化合物。
【0200】
2.13 ムスカリンM1、M2及びM3受容体と比較してM4受容体に対して選択的である、実施形態2.6〜2.8のいずれか1つに記載の化合物。
【0201】
2.14 ムスカリンM2及びM3受容体と比較してM1及びM4受容体に対して選択的である、実施形態2.3〜2.8のいずれか1つに記載の化合物。
【0202】
2.15 ムスカリンM2及びM3受容体サブタイプに対して、5未満のpEC50及び50未満のEmaxを有する、実施形態2.3〜2.14のいずれか1つに記載の化合物。
【0203】
2.16 ムスカリンM2及びM3受容体サブタイプに対して、4.5未満のpEC50及び/または30未満のEmaxを有する、実施形態2.15に記載の化合物。
【0204】
2.17 ムスカリンM1受容体により媒介される疾患または状態を処置において使用するための、実施形態1.1〜1.180及び実施形態2.3〜2.16のいずれか1つに記載の化合物。
【0205】
そのムスカリンM1及び/またはM4受容体アゴニスト活性によって、本発明の化合物は、アルツハイマー病、統合失調症及び他の精神病性障害、認知障害及びムスカリンM1及び/またはM4受容体により媒介される他の疾患の処置において使用することができ、様々な種類の疼痛の処置においても使用することができる。
【0206】
したがって、実施形態2.18〜2.34において、本発明は以下を提供する。
【0207】
2.18 認知障害または精神病性障害の処置において使用するための実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0208】
2.19 認知障害または精神病性障害が、認知機能障害、軽度認知機能障害、前頭側頭型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、初老期認知症、老年認知症、フリーデリヒ運動失調症、ダウン症候群、ハンチントン舞踏病、運動過剰症、躁病、トゥレット症候群、アルツハイマー病、進行性球麻痺、注意、見当識、学習障害、記憶(すなわち記憶障害、健忘、健忘障害、一過性全健忘症候群及び加齢に伴う記憶障害)及び言語機能を含む認知機能の障害;脳卒中の結果としての認知機能障害、ハンチントン病、ピック病、エイズ関連認知症または、多発梗塞性認知症、アルコール性認知症、甲状腺機能(hypotiroidism)低下関連認知症などの他の認知症状態、及び小脳萎縮及び筋萎縮性(amyotropic)側索硬化症などの他の変性障害に関連した認知症;認知機能低下を引き起こし得る他の急性または亜急性状態、例えば、譫妄または鬱(仮性認知症状態
)外傷、頭部外傷、加齢に伴う認知機能低下、脳卒中、神経変性、薬剤誘発状態、神経毒性薬、加齢に伴う認知機能障害、自閉症関連認知機能障害、ダウン症候群、認知障害関連精神病、及び電撃治療後の関連する認知障害;ニコチン、大麻、アンフェタミン、コカインを含む薬物乱用または薬剤離脱に起因する認知障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び運動障害、例えば、パーキンソン病、神経遮断薬誘発パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジア、統合失調症、統合失調症様疾患、精神病性鬱病、躁病、急性躁病、妄想障害、幻覚障害及び妄想性障害、人格障害、強迫性障害、統合失調型障害、妄想性障害、悪性腫瘍による精神病、代謝障害、内分泌疾患またはナルコレプシー、薬物乱用または薬剤離脱に起因する精神病、双極性障害及び統合失調感情障害から選択される状態を含む、それから生じる、またはそれと関連する、実施形態2.18に従って使用するための化合物。
【0209】
2.20 アルツハイマー病の処置において使用するための、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0210】
2.21 統合失調症の処置において使用するための、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0211】
2.22 認知障害を対象(ヒトなどの哺乳動物の患者、例えばかかる処置を必要とするヒト)において処置する方法であって、当該方法は、治療有効量の実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物の投与を含む、当該方法。
【0212】
2.23 認知障害が、実施形態2.19に定義される状態を含む、それから生じる、またはそれと関連する、実施形態2.20に記載の方法。
【0213】
2.24 認知障害が、アルツハイマー病から生じるまたはそれと関連する、実施形態2.23に記載の方法。
【0214】
2.25 認知障害が、統合失調症である、実施形態2.24に記載の方法。
【0215】
2.26 認知障害の処置のための医薬品の製造するための実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【0216】
2.27 認知障害が、実施形態2.11に定義される状態を含む、それから生じるまたはそれと関連する、実施形態2.26に記載の使用。
【0217】
2.28 認知障害が、アルツハイマー病から生じるまたはそれと関連する、実施形態2.27に記載の使用。
【0218】
2.29 認知障害が、統合失調症である、実施形態2.29に記載の使用。
【0219】
2.30 急性、慢性、神経因性、または炎症性疼痛、関節炎、片頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身の神経痛、内臓痛、変形性関節症の疼痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部または頸部の疼痛、重度または難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、術後の疼痛または癌性疼痛を処置するまたはそれらの重症度を軽減するための、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0220】
2.31 急性、慢性、神経因性、または炎症性疼痛、関節炎、片頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身の神経痛、内臓痛、変形性関節症痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部または頸部の疼痛、重度
または難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、術後の疼痛または癌性疼痛を処置するまたはそれらの重症度を軽減する方法であって、治療有効量の実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物の投与を含む、当該方法。
【0221】
2.32 緑内障における眼圧の低下などの末梢性障害を処置する及びシェーグレン症候群を含むドライアイ及びドライマウスを処置するための、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物。
【0222】
2.33 緑内障における眼圧の低下などの末梢性障害を処置する及びシェーグレン症候群を含むドライアイ及びドライマウスを処置する方法であって、治療有効量の実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物の投与を含む、当該方法。
【0223】
2.34 急性、慢性、神経因性、または炎症性疼痛、関節炎、片頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身の神経痛、内臓痛、変形性関節症の疼痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部または頸部の疼痛、重度または難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、術後の疼痛または癌性疼痛を処置するまたはそれらの重症度を軽減するため、または緑内障における眼圧の低下などの末梢性障害を処置する及びシェーグレン症候群を含むドライアイ及びドライマウスを処置するための医薬品を製造するための、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【0224】
2.35 嗜癖(addicition)を処置するための実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【0225】
2.36 パーキンソン病、ADHD、ハンチントン病、トゥレット症候群及び疾患を誘発する根底的な病原的要因としてドーパミン作動性機能障害と関連する他の症候群などの運動障害を処置するための、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【0226】
式(1)、(1a)または(1b)の化合物を調製するための方法
式(1)、(1a)または(1b)の化合物は、当業者に周知である、及び本明細書に記載の合成方法にしたがって調製することができる。
【0227】
したがって、別の実施形態(実施形態3.1)では、本発明は、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに定義される化合物を調製するためのプロセスであって、
(A)式(10)
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(11):
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物との、還元的アミノ化条件下での反応;式中、R、R、R、R及びQは、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに定義される;または
(B)式(12):
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式Cl−C(=O)−CH−Rの化合物との、塩基の存在下での反応;または
(C)式(10)
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(13):
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物との、求核置換条件下での反応;式中、R、R、R、R及びQは、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに定義される;及び任意選択的に:
(D)式(1)、(1a)または(1b)のある化合物を式(1)、(1a)または(1b)の別の化合物に変換することを含む、当該プロセスを提供する。
【0228】
プロセス変形(A)では、ピペリジン複素環(10)を置換ケトン(11)と、還元的アミノ条件下で反応させる。還元的アミノ化反応は、酢酸を含有するジクロロメタンまたはジクロロエタンなどの溶媒、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドなどの水素化ホウ素還元剤を使用して周囲温度で典型的に実行される。
【0229】
プロセス変形(C)では、ピペリジン複素環(10)を、無溶媒(neat)、つまり溶媒無し、またはテトラヒドロフラン、アセトニトリル若しくはジメチルアセトアミドなどの好適な溶媒中のいずれかで、(例えば、約40℃から約70℃の温度への)穏やかな加温を伴って典型的に実行される求核置換反応においてスルホン酸エステル(13、R=メチル、トリフルオロメチルまたは4−メチルフェニル)と反応させる。
【0230】
式(12)の中間体化合物は、下記のスキーム1に示す一連の反応によって調製することができる。
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0231】
反応スキーム1では、ピペリジン複素環(10)をBoc保護スピロケトン(14)と、還元的アミノ化条件下で反応させる。還元的アミノ化反応は、酢酸を含有するジクロロメタンまたはジクロロエタンなどの溶媒中、塩化亜鉛と組み合わせたシアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはチタンイソプロポキシドと組み合わせた水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムのいずれかの存在下で(例えば、約40℃から約70℃の温度への)穏やかな加熱を伴って典型的に実行されて、中間体ピペリジン化合物(15)を得る。次いでこれを酸(例えば、トリフルオロ酢酸を含むジクロロメタン)を用いた処理によりBoc基の除去により脱保護して、化合物(12)を得る。
【0232】
式(12)の化合物は、下記のスキーム2に示す一連の反応によって調製することもできる。
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0233】
スキーム2では、Boc保護スピロケトン(14)をメタノール中、水素化ホウ素ナトリウムを用いてアルコール(16)に還元する。次いで、アルコール(16)を、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンの存在下で、ジクロロメタン中、対応する塩化スルホニルを使用してスルホン酸エステル(17、R=メチル、トリフルオロメチルまたは4−メチルフェニル)として活性化させる。スルホン酸エステル(17)をピペリジン複素環(10)と、無溶媒、つまり溶媒無し、またはテ
トラヒドロフラン、アセトニトリル若しくはジメチルアセトアミドなどの好適な溶媒中のいずれかで、(例えば、約40℃から約70℃の温度への)穏やかな加温を伴って典型的に実行される求核置換反応において反応させて、化合物(15)を得る。次いでこれを酸(例えば、トリフルオロ酢酸を含むジクロロメタン)を用いた処理によりBoc基の除去により脱保護して化合物(12)を得る。
【0234】
ひとたび形成されると、式(1)、(1a)または(1b)のある化合物、またはその保護された誘導体は、当業者に周知の方法により、式(1)、(1a)または(1b)の別の化合物へと変換されることができる。ある官能基を別の官能基へと変換させるための合成手法の例は、Advanced Organic Chemistry and Organic Syntheses(上記の参考文献を参照されたい)またはFiesers’ Reagents for Organic Synthesis,1−17巻,John Wiley,Mary Fieserにより編集(ISBN:0−471−58283−2)などの標準的な手引書に記載されている。これらの変換の例には、アミド結合形成、尿素形成、カルバメート形成、アルキル化反応、N−アリール化反応及びC−C結合カップリング反応が含まれる。
【0235】
上記の反応の多くでは、分子上の望ましくない位置で反応が起こるのを防ぐために1つまたは複数の基を保護する必要があり得る。保護基の例、ならびに官能基を保護及び脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Greene and P.Wuts;第3版;John Wiley
and Sons,1999)に見出すことができる。
【0236】
前述の方法により作成された化合物は、当業者に周知の様々な方法のいずれかにより単離及び精製されてよく、そのような方法の例には、再結晶技術及びクロマトグラフィー技術、例えばカラムクロマトグラフィー(例えば、フラッシュクロマトグラフィー)及びHPLCが含まれる。
【0237】
医薬製剤
活性化合物を単独投与することはできるが、医薬組成物(例えば、製剤)として提供する方が好ましい。
【0238】
したがって、本発明の別の実施形態(実施形態4.1)では、実施形態1.1〜1.180のいずれか1つに定義される式(1)、(1a)または(1b)の少なくとも1種の化合物を、少なくとも1種の医薬的に許容され得る賦形剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0239】
一実施形態(実施形態4.2)では、組成物は、錠剤組成物である。
【0240】
別の実施形態(実施形態4.3)では、組成物は、カプセル組成物である。
【0241】
医薬的に許容され得る賦形剤(複数可)は、例えば、担体(例えば、固体担体、液体担体または半固体担体)、補助剤、希釈剤(例えば、充填剤または増量剤などの固体希釈剤;及び溶媒及び共溶媒などの液体希釈剤)、造粒剤、バインダー、流れ助剤、コーティング剤、放出制御剤(例えば、放出遅延(retarding or delaying)ポリマーまたはワックス)、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、滑沢剤、防腐剤、抗真菌剤及び抗菌剤、抗酸化剤、緩衝剤、等張化剤、粘稠化剤、香味料、甘味料、色素、可塑剤、矯味剤、安定剤または医薬組成物において従来的に使用される任意の他の賦形剤から選択することができる。
【0242】
本明細書で使用するとき、「医薬的に許容され得る」という用語は、化合物、材料、組成物、及び/または剤形が、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題若しくは合併症を伴わずに、対象(例えば、ヒト対象)の組織との接触における使用に好適であり、妥当なベネフィット/リスク比と釣り合うことを意味する。各賦形剤はまた、製剤の他の成分との適合性という意味で「許容可能」でなければならない。
【0243】
式(1)、(1a)または(1b)の化合物を含有する医薬組成物は、既知の技術にしたがって製剤化されることができ、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PA,USAを参照されたい。
【0244】
医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻腔内、気管支内、舌下、点眼、点耳、直腸、膣内または経皮投与に好適な任意の形態であることができる。
【0245】
経口投与に好適な医薬品の剤形には、錠剤(コーティングまたは非コーティング)、カプセル剤(硬質または軟質シェル)、カプレット、丸剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、溶液剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤及び懸濁剤、舌下錠剤、ウエハース剤またはパッチ剤、例えば、口腔内パッチが含まれる。
【0246】
錠剤組成物は、単位投与量の活性化合物と共に不活性希釈剤または担体、例えば、糖または糖アルコール、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトールまたはマンニトール;及び/または非糖系の希釈剤、例えば、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム若しくはセルロースまたはその誘導体、例えば、微結晶性セルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ならびにデンプン、例えば、コーンスターチを含有することができる。錠剤は、結合剤及び造粒剤、例えば、ポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、膨潤性架橋ポリマー、例えば、架橋カルボキシメチルセルロース)、滑沢剤(例えば、ステアレート)、防腐剤(例えば、パラベン)、抗酸化剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸塩またはクエン酸塩緩衝剤)、及び発泡剤、例えば、シトレート/ビカルボネート混合物のような標準的な成分も含有してよい。こうした賦形剤は周知であり、ここで詳細に考察する必要はない。
【0247】
錠剤は、胃液との接触時に薬剤を放出するように設計しても(速放性錠剤)、または長時間にわたるまたは胃腸管の特定の領域で、制御様式で放出するように設計してもよい(制御放出錠剤)。
【0248】
医薬組成物は、典型的には、約1%(w/w)〜約95%、好ましくは%(w/w)活性成分と、99%(w/w)〜5%(w/w)の医薬的に許容され得る賦形剤(例えば、上記で定義したような)またはこうした賦形剤の組み合わせを含む。好ましくは、組成物は、約20%(w/w)〜約90%(w/w)活性成分と80%(w/w)〜10%の医薬的に賦形剤または賦形剤の組み合わせとを含む。医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性成分を含む。本発明に係る医薬組成物は、例えば、アンプル、バイアル、坐剤、プレフィルドシリンジ、糖衣錠、散剤、錠剤またはカプセル剤などの単位用量の形態であってよい。
【0249】
錠剤及びカプセル剤は、例えば、0〜20%の崩壊剤、0〜5%の滑沢剤、0〜5%の流れ助剤及び/または0〜99%(w/w)の充填剤/または増量剤を(薬物用量に応じて)含有してよい。それらは、0〜10%(w/w)のポリマー結合剤、0〜5%(w/w)の抗酸化剤、0〜5%(w/w)の色素も含有してよい。遅放性錠剤は、典型的には、0〜99%(w/w)の放出制御(例えば、遅延)ポリマーを(用量に応じて)さらに
含有するだろう。錠剤またはカプセル剤のフィルムコートは典型的には、0〜10%(w/w)のポリマー、0〜3%(w/w)の色素、及び/または0〜2%(w/w)の可塑剤を含有する。
【0250】
非経口製剤は、典型的には、0〜20%(w/w)の緩衝剤、0〜50%(w/w)の共溶媒及び/または0〜99%(w/w)の注射用水(WFI)を(用量に応じて、及び凍結乾燥されている場合)含有する。筋肉内デポー製剤用の製剤は0〜99%(w/w)の油も含有してよい。
【0251】
医薬製剤は、単一のパッケージ、通常ブリスターパックに処置の全経過を含有する「患者パック(patient pack)」として患者に提供してよい。
【0252】
式(1)、(1a)または(1b)の化合物は、一般に単位剤形として提供されるだろう。したがって、典型的には、所望の生物活性レベルを提供するのに十分な化合物を含有するだろう。例えば、製剤は、1ナノグラム〜2グラムの活性成分、例えば、1ナノグラム〜2ミリグラムの活性成分を含有してよい。これらの範囲内で、化合物の特定の部分範囲は、0.1ミリグラム〜2グラムの活性成分(より一般的には10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜500ミリグラム)、または1マイクログラム〜20ミリグラム(例えば、1マイクログラム〜10ミリグラム、例えば、0.1ミリグラム〜2ミリグラムの活性成分)である。
【0253】
経口組成物については、単位剤形は、1ミリグラム〜2グラム、より典型的には10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜1グラム、例えば、100ミリグラム〜1グラムの活性化合物を含有してよい。
【0254】
活性化合物は、それを必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物の患者)に所望の治療効果を達成するのに十分な量(有効量)で投与されるだろう。投与される化合物の正確な量は、標準的な手順にしたがって担当の医師により決定されてよい。
【実施例】
【0255】
以下の例に記載される特定の実施形態を参照して本発明を例証するが、これに限定されるものではない。
【0256】
実施例1−1〜5−2
下記の表1に示す実施例1−1〜5−2の化合物が調製された。そのNMR及びLCMSの特性及びそれらの調製に使用した方法を表3に記載する。
【表1-1】
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【表1-2】
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【表1-3】
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【表1-4】
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【表1-5】
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【表1-6】
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【表1-7】
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【表1-8】
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【表1-9】
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【表1-10】
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【表1-11】
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【0257】
一般的な手順
調製経路が含まれていない場合、当該中間体は市販されている。市販の試薬は、さらに精製することなく利用した。室温(rt)は、約20〜27℃を指す。H NMRスペクトルは、Bruker製またはJeol製のいずれかの機器を用いて400MHzで記録した。化学シフト値は、百万分率(ppm)単位、すなわち(δ: )値で表す。NM
Rシグナルの多重度には以下の略語を使用する:s=一重線、br=幅広、d=二重線、t=三重線、q=四重線、quint=五重線、td=二重線の三重線、tt=三重線の三重線、qd=二重線の四重線、ddd=二重線の二重線の二重線、ddt=三重線の二重線の二重線、m=多重線。結合定数は、Hzで測定したJ値として記載する。NMR分
析及び質量分析の結果は、バックグランドピークを考慮して補正を行った。クロマトグラフィーとは、60〜120メッシュシリカゲルを用いて行われ、窒素圧力(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で実行されるカラムクロマトグラフィーを指す。反応をモニタリングするためのTLCとは、所定の移動相と固定相としてシリカゲルF254(Merck)とを使用するTLC試験を指す。マイクロ波が媒介する反応は、Biotage Initiatorマイクロ波反応器またはCEM Discoverマイクロ波反応器にて行った。
【0258】
LCMS実験は、典型的に、各化合物に対して指定されるエレクトロスプレー条件を使用して次の条件下で実行された。
【0259】
LCMS方法A及びB
機器:Waters Alliance 2795、Waters 2996 PDA検出器、Micromass ZQ;カラム:Waters X−Bridge C−18、2.5ミクロン、2.1×20mmまたはPhenomenex Gemini−NX C−18、3ミクロン、2.0×30mm;勾配[時間(分)/溶媒C中D(%)]:方法A:0.00/2、0.10/2、2.50/95、3.50/95、3.55/2、4.00/2または方法B:0.00/2、0.10/2、8.40/95、9.40/95、9.50/2、10.00/2;溶媒:溶媒C=2.5L HO+2.5mLアンモニア溶液;溶媒D=2.5L MeCN+135mL HO+2.5mLアンモニア溶液);注入量3μL;UV検出230〜400nM;カラム温度45℃;流速1.5mL/分。
【0260】
LCMS方法C
機器:Agilent 1260 Infinity LCダイオードアレイ検出器、Agilent 6120Bシングル四重極MS(API−ESソース);カラム:Phenomenex Gemini−NX C−18、3ミクロン、2.0×30mm;勾配[時間(分)/溶媒A中B(%)]:方法:0.00/5、2.00/95、2.50/95、2.60/5、3.00/5;溶媒:溶媒A=2.5L HO+2.5mLの(HO中28%NH);溶媒B=2.5L MeCN+129mL HO+2.7mLの(HO中28%NH);注入量0.5μL;UV検出190〜400nM;カラム温度40℃;流速1.5mL/分。
【0261】
LCMS方法D及びE
機器:HP1100 G1315A DAD、Micromass ZQ;カラム:Waters X−Bridge C−18、2.5ミクロン、2.1×20mmまたはPhenomenex Gemini−NX C−18、3ミクロン、2.0×30mm;勾配[時間(分)/溶媒C中D(%)]:方法D:0.00/2、0.10/2、2.5
0/95、3.50/95、3.55/2、4.00/2または方法E:0.00/2、0.10/2、8.40/95、9.40/95、9.50/2、10.00/2;溶媒:溶媒C=2.5L HO+2.5mL HO中28%アンモニア溶液;溶媒D=2.5L MeCN+135mL HO+2.5mL HO中28%アンモニア溶液);注入量1μL;UV検出230〜400nM;質量検出130〜800AMU(+ve及び−veエレクトロスプレー);カラム温度45℃;流速1.5mL/分。
【0262】
LCMS方法F:
機器:Waters Acquity H Class、フォトダイオードアレイ、SQ検出器;カラム:BEH C18、1.7ミクロン、2.1×50mm;勾配[時間(
分)/溶媒A中B(%)]:0.00/5、0.40/5、0.8/35、1.20/55、2.50/100、3.30/100 4.00/5;溶媒:溶媒A=5mM酢酸ア
ンモニウム(mmmonium acetate)及びHO中0.1%ギ酸;溶媒B=MeCN中0.1%ギ酸;注入量2μL;UV検出200〜400nM;質量検出100〜1200AMU(+veエレクトロスプレー);カラム温度は周囲温度;流速0.5mL/分。
【0263】
LCMS方法G:
機器:Waters 2695、フォトダイオードアレイ、ZQ−2000検出器;カラム:X−Bridge C18、5ミクロン、150×4.6mm;勾配[時間(分)
/溶媒A中B(%)]:0.00/10、5.00/90、7.00/100、11.00/100、11.01/10 12.00/10;溶媒:溶媒A=HO中0.1%アンモニア;溶媒B=MeCN中0.1%アンモニア;注入量10μL;UV検出200〜400nM;質量検出60〜1000AMU(+veエレクトロスプレー);カラム温度は周囲温度;流速1.0mL/分。
【0264】
LCMS方法H:
機器:Waters 2695、フォトダイオードアレイ、ZQ−2000検出器;カラム:X−Bridge C18、5ミクロン、150×4.6mm;勾配[時間(分)
/溶媒A中B(%)]:0.00/100、7.00/50、9.00/0、11.00/0、11.01/100、12.00/100;溶媒:溶媒A=HO中0.1%アンモニア;溶媒B=MeCN中0.1%アンモニア;注入量10μL;UV検出200〜400nM;質量検出60〜1000AMU(+veエレクトロスプレー);カラム温度は周囲温度;流速1.0mL/分。
【0265】
LCMS方法I:
機器:Waters 2695、フォトダイオードアレイ、ZQ−2000検出器;カラム:X−Bridge C18、3.5ミクロン、150×4.6mm;勾配[時間(
分)/溶媒A中B(%)]:0.00/5、5.00/90、5.80/95、10/95;溶媒:溶媒A=HO中0.1%アンモニア;溶媒B=MeCN中0.1%アンモニア;注入量10μL;UV検出200〜400nM;質量検出60〜1000AMU(+veエレクトロスプレー);カラム温度は周囲温度;流速1.0mL/分。
【0266】
LCMS方法J:
機器:Waters 2695、フォトダイオードアレイ、ZQ−2000検出器;カラム:X−Bridge C18、5ミクロン、150×4.6mm;勾配[時間(分)
/溶媒A中B(%)]:0.01/10、5.00/90、7.00/100、11.00/100、11.01/10、12.00/10;溶媒:溶媒A=HO中20mM酢酸アンモニウム;溶媒B=MeOH;注入量10μL;UV検出200〜400nM;質量検出60〜1000AMU(+veエレクトロスプレー);カラム温度は周囲温度;流速1.0mL/分。
【0267】
LCMS方法K:
機器:Waters 2695、フォトダイオードアレイ、ZQ−2000検出器;カラム:X−Bridge C18、3.5ミクロン、50×4.6mm;勾配[時間(分
)/溶媒A中B(%)]:0.01/0、0.20/0、5.00/90、5.80/95、7.20/95、7.21/100、10.00/100;溶媒:溶媒A=HO中0.1%アンモニア;溶媒B=MeCN中0.1%アンモニア;注入量10μL;UV検出200〜400nM;質量検出60〜1000AMU(+veエレクトロスプレー);カラム温度は周囲温度;流速1.0mL/分。
【0268】
LCMS方法L
機器:Waters Acquity UPLC、Waters 3100 PDA検出器、SQD;カラム:Acquity BEH C−18、1.7ミクロン、2.1×100mm;勾配[時間(分)/溶媒A中B(%)]:0.00/2、2.00/2、7
.00/50、8.50/80、9.50/2、10.0/2;溶媒:溶媒A=水中5mM酢酸アンモニウム;溶媒B=アセトニトリル;注入量1μL;検出波長214nm;カラム温度30℃;流速0.3mL/分。
【0269】
LCMS方法M
機器:Agilent 1260 Infinity シリーズ UHPLC;ELSD:Agilent 1260 infinity;カラム:Acquity C−18、1.7ミクロン、2.1×50mm;勾配[時間(分)/溶媒A中B(%)]:0.0
0/10、1.00/10、2.00/15、4.50/55、6.00/90、8.00/90、9.00/10、10.00/10;溶媒:A=水中5mM酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル;注入量:1μL;ELSDによる検出;カラム温度:40℃;流速:0.6mL/分。
【0270】
LCMS方法N
機器:Waters Acquity UPLC、Waters 3100 PDA検出器、SQD;カラム:Acquity BEH C−18、1.7ミクロン、2.1×100mm;勾配[時間(分)/溶媒A中B(%)]:0.00/2、0.50/2、1
.50/20、4.00/92、5.00/92、5.50/50、6.00/2;溶媒:溶媒A=水中5mM酢酸アンモニウム;溶媒B=アセトニトリル;注入量1μL;検出波長214nm;カラム温度35℃;流速0.6mL/分。
【0271】
LCMS方法O
機器:Waters Acquity UPLC、Waters 3100 PDA検出器、SQD;カラム:Acquity HSS−T3、1.8ミクロン、2.1×100mm;勾配[時間(分)/溶媒A中B(%)]:0.00/10、1.00/10、2
.00/15、4.50/55、6.00/90、8.00/90、9.00/10、10.00/10;溶媒:溶媒A=水中0.1%トリフルオロ酢酸;溶媒B=アセトニトリル;注入量1μL;検出波長214nm;カラム温度30℃;流速0.3mL/分。
【0272】
実験項におけるLCMSデータは、質量イオン、保持時間、UV活性の形式で示す。
【0273】
略語
AcOH=酢酸
CDI=1,1’−カルボニルジイミダゾール
d=日(数)
DAST=ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド
DCE=ジクロロエタン
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DMF=ジメチルホルムアミド
DMP=デスマーチンペルヨージナン
DMSO=ジメチルスルホキシド
ES=エレクトロスプレーイオン化法
EtOAc=酢酸エチル
h=時間(数)
HATU=1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[
4,5−b]ピリジウム3−オキシドヘキサフルオロフォスフェート
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
LC=液体クロマトグラフィー
LiAlH/LAH=水素化アルミニウムリチウム
MeCN=アセトニトリル
MeOH=メタノール
min=分(数)
MS=質量分析
EtN=トリエチルアミン
NMR=核磁気共鳴
rt=室温
sat.=飽和
sol.=溶液
STAB=水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
接頭辞n−、s−、i−、t−及びtert−は、それらの通常の意味:ノルマル、第二級、イソ、及び第三級を有する。
【0274】
中間体の合成:
中間体2、エチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを調製するための手順
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
6−Boc−2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン(3.37g、15mmol)を、塩化水素(4Mジオキサン溶液、50mL、210mmol)に少量ずつ加えた。注意:発泡。24時間後、反応物を真空濃縮し、残存固体をEtN(4.18mL、30mmol)とDCM(66mL)の混合物中に溶解した。溶解が完了すると、溶液を0℃まで直ちに冷却し、次いで、クロロギ酸エチル(1.57mL、16.5mmol)を滴加した。18時間後、混合物をジクロロメタン(100mL)及びNaHCO(水溶液)(100mL)に注ぎ入れ、抽出した(2×100mL)。有機層を回収し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、次いで、蒸発後の残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 100g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:DCM中0%〜4%MeOH])によって精製して、中間体2、エチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを、無色の油状物質(2.47g、83%)として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0275】
中間体3、メチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを調製するための手順
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
6−Boc−2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン(5.00g、22.2mmol)をジクロロメタン(5mL)中で塩化水素(4Mジオキサン溶液、45mL、180mmol)に少量ずつ加えた。注意:発泡性。2時間後、反応物を真空濃縮し、1.29gの残存固体をトリエチルアミン(2.23mL、16.0mmol)とジクロロメタン(10mL)の混合物中に溶解した。溶解が完了すると、溶液を0℃まで直ちに冷却し、次いで、クロロギ酸メチル(0.68mL、8.83mmol)を滴加した。3時間後、混合物をジクロロメタン(50mL)に注ぎ入れ、NaHCO(水溶液)(2×50mL)で洗浄し、DCM(50mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通し、溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、40mL/分、勾配:DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して中間体3、メチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを橙色の油状物質(0.93g、66%)として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0276】
中間体4、2−フルオロエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを調製するための手順
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(5g、22.19mmol)を、1,4−ジオキサン中HCl溶液(25mL)中で、10時間室温で攪拌した。反応混合物を真空濃縮し、アセトン(3×50mL)で研和して、6−アザスピロ[3.4]オクタン−2−オン(2.77g、55.4%)を褐色ゴム質として得た。残渣を、脱水DCM(20mL)中に溶解し、EtN(0.7mL、4.8mmol)を加えた。反応混合物を0℃まで冷却し、2−フルオロエチルカルボノクロリダート(0.45g、3.6mmol)を加えた。反応混合物を30℃で5時間攪拌し、次いで、水(50mL)で希釈し、DCM(2×100mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、60〜120メッシュシリカ、ヘキサン中0〜10%EtOAc)によって精製して、中間体4、2−フルオロエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.2g、38.8%)を褐色ゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0277】
中間体20及び21、それぞれ4−(5−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジントリフルオロ酢酸塩及び4−(4,5−ジクロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジントリフルオロ酢酸塩を調製するための手順
【化36】
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4−(1−メチルイミダゾール−2−イル)ピペリジン塩酸塩(1g、4.96mmol)を、無水DCM(20mL)とEtN(2.1mL、15.1mmol)の混合物中に懸濁し、氷水浴にて冷却した。(BOC)O(1.19g、5.45mmol)を5分間かけて少量ずつ加え、混合物を室温まで加温し、48時間攪拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液(×2)及び飽和食塩水(×1)で洗浄し、次いで、フェーズセパレータに通し、真空濃縮して、tert−ブチル4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.34g、定量)を固体として得た。
LCMS(方法C):m/z 266(M+H)(ES)、1.43分時、UV活性。
【0278】
tert−ブチル4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.250g、0.942mmol)を、MeCN(7.5mL)に溶解し、NCS(0.314g、2.35mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、フラッシュシリカ(約15mL)で真空濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil
50g、40〜63μm、60Å、40mL/分、勾配:15カラム容量にわたってDCM中の2%〜10%溶媒A、ここで、溶媒AはMeOH中10%の(7M NH/MeOH)である])によって精製して、tert−ブチル4−(5−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート及びtert−ブチル4−(4,5−ジクロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート及びスクシンイミド(0.495g)を含有する混合物を得た。LCMS(方法C):モノクロロ:m/z 300/302(M+H)(ES)、1.68分時、UV活性;ジクロロ:m/z 334/336/338(M+H)(ES)、1.87分時、UV活性。モノクロロ;ジクロロの比率はLC−UVにより約16:1。
【0279】
tert−ブチル4−(5−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート及びtert−ブチル4−(4,5−ジクロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート及びスクシンイミド(0.495g)を含有する混合物をDCM(5mL)に溶解し、TFA(5mL)で処理し、室温で6時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をトルエンで共沸(×2)して、スクシンイミドと混合された中間体20、4−(5−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジントリフルオロ酢酸塩及び中間体21、4−(4,5−ジクロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジントリフルオロ酢酸塩の粗混合物を得た。定量的収率と想定。さらなる精製を行わずに使用された。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0280】
中間体22及び25、それぞれ4−(5−クロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジンジヒドロブロミド及び4−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジンジヒドロブロミドを調製するための手順
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
エチル4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.40g、1.79mmol)をMeCN(12mL)に溶解し、NCS(0.360g、2.70mmol)で処理し、室温で5.5時間撹拌した。反応混合物をフラッシュシリカ(約10mL)で真空濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、40mL/分、勾配:15カラム容量にわたってDCM中0%〜5%溶媒A)、次いで5カラム容量にわたってDCM中5%溶媒A、ここで、溶媒Aは、MeOH中10%の(7M NH/MeOH)である])によって精製して、両方ともスクシンイミドと混合された、分離されたエチル4−(5−クロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート及びエチル4−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを得た。それぞれを、DCMに溶解して、HO(×3)で洗浄し、フェーズセパレータに通して、真空濃縮してスクシンイミドを除去した。
エチル4−(5−クロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.12g、26%)、LCMS(方法C):m/z 258/260(M+H)(ES)、1.34分時、UV活性。
エチル4−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.24g、45%)、LCMS(方法C):m/z 292/294/296(M+H)(ES)、1.24分時、UV活性。
【0281】
エチル4−(5−クロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.12g、0.47mmol)をAcOH(2mL)に溶解し、48%HBr水溶液(2mL)で処理し、約120℃で2時間加熱還流した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をトルエンで共沸(×1)し、真空濃縮して固体を得た。定量的収率の中間体22、4−(5−クロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジンジヒドロブロミド塩であると想定した。直ちに使用した。
【0282】
エチル4−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.24g、0.82mmol)をAcOH(2mL)に溶解し、48%HBr水溶液(2mL)で処理し、約120℃で2時間加熱した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をトルエンで共沸(×1)し、真空濃縮して固体を得た。定量的収率の中間体25、4−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジンジヒドロブロミドであると想定した。直ちに使用した。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0283】
中間体46、tert−ブチル4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート及び中間体33、4−[4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジンを調製するための手順
【化38】
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tert−ブチル4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート(2.0g、9.4mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、その後7Mメタノール性アンモニアを0℃に冷却して30分間加え、その後3,3−ジブロモ−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オン(5.07g、18.5mmol)を少量ずつ加えた。結果得られた反応混合物を25℃で2時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をHO(80mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中0.5%MeOHでの塩基性活性化アルミナ)によって精製して、中間体46、tert−ブチル4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.80g、60%)を白色固体として得た。
標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0284】
tert−ブチル4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1g、3.13mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)に溶解し、その後1,4−ジオキサン中HCl(20mL、3M溶液)を滴加した。結果得られた反応混合物を30℃で16時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をジエチルエーテル(3×5mL)で研和することによって精製して、中間体33、4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン塩酸塩(650mg、95%)を白色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0285】
中間体37、4−[1−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン塩酸塩を調製するための手順
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(200mg、0.63mmol)をTHF(5mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(74mg、1.88mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いでヨウ化メチル(0.06mL、0.96mmol)を加え、結果得られた反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をHO(60mL)とEtOAc(45mL)に分配し、水層をEtOAc(2×45mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、メッシュサイズ:DCM中60〜120、0%〜2.0%〜3.5%MeOH)によって精製してtert−ブチル4−(1−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カ
ルボキシレート(190mg、91%)を黄色ゴム質として得た。
LCMS(方法F):m/z 334(M+H)(ES)、2.31分時、UV活性
【0286】
tert−ブチル4−(1−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(200mg、0.6mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)に溶解し、その後1,4−ジオキサン中HCl(20mL、4M溶液)を滴加した。結果得られた反応混合物を30℃で16時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をジエチルエーテル(3×5mL)で研和することにより精製して、中間体37、4−[1−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン塩酸塩(140mg、86.8%)を白色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0287】
中間体43、4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジンを調製するための手順
【化40】
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エチルピペリジン−4−カルボキシレート(3.0g、19.1mmol)をTHF(15mL)に溶解し、CsCO(7.4g、22.9mmol)を0℃で加えた。結果得られた反応混合物を0〜5℃で10分間撹拌し、次いでクロロギ酸ベンジル(3.2g、19.1mmol)を滴加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を、HO(100mL)とEtOAc(200mL)に分配し、水層をEtOAc(2×200mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥し(NaSO)、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、メッシュサイズ:60〜120、ヘキサン中0%〜10%EtOAc)によって精製して、1−ベンジル4−エチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(4.2g、76.4%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 292(M+H)(ES)、2.35分時、UV活性
【0288】
1−ベンジル4−エチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(4.2g、14.43mmol)をEtOH(10mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(10mL、5.41mmol)を加え、結果得られた反応混合物を90℃で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、粗生成物をペンタン及びヘキサンで研和して、ベンジル4−(ヒドラジニルカルボニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(3.8g、95%)を白色固体として得た。
LCMS(方法H):m/z 278(M+H)(ES)、1.76分時、UV活性
【0289】
ベンジル4−(ヒドラジニルカルボニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.5
g、1.79mmol)をオルトギ酸トリエチル(8mL)に溶解し、次いでTFA(0.1mL)を加えた。結果得られた反応混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物をHO(50mL)とEtOAc(100mL)に分配し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥(NaSO)させ、溶媒を真空除去した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(順相シリカ、メッシュサイズ:60〜120、ヘキサン中50%〜60%EtOAc)によって精製して、ベンジル4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.19g、38%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法H):m/z 288(M+H)(ES)、2.03分時、UV活性
【0290】
ベンジル4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.15g、0.52mmol)をMeOH(10mL)に溶解した。乾燥10%パラジウム炭素触媒(20mg)を加え、反応混合物を、Hガスを用いて室温でパージした。反応混合物をH雰囲気下で、室温で12時間攪拌した。反応塊を、セライトを通して濾過し、溶媒を真空除去して、中間体43、4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン(0.078g、99%)を無色のゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0291】
中間体44、4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジンを調製するための手順
【化41】
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アセトニトリル(40.0mL)及び50%ヒドロキシルアミン水溶液(4.20mL)を90℃で24時間、加熱還流した。反応混合物を0℃まで冷却し、濾過した。残渣を乾燥させて、(Z)−N−ヒドロキシエタンイミドアミド(2.1g、100%超)を白色結晶固体として得た。
LCMS(方法H):m/z 74(M+H)(ES)、1.86分時、UV不活性
【0292】
(Z)−N−ヒドロキシエタンイミドアミド(0.50g、6.75mmol)及びメチルピペリジン−4−カルボキシレート(1.17g、7.42mmol)をエタノール(20mL)に溶解した。エタノール中21%ナトリウムエトキシド溶液(0.92mL、13.4mmol)を滴加し、反応混合物を30分間室温で攪拌し、次いで100℃で16時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、DCM中0〜12%メタノール)によって精製して、中間体44、4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン(380mg、34%)を黄色ゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0293】
中間体47、4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−4−オール塩酸塩を調製するための手順
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
1H−イミダゾール(8.0g、117.5mmol)をDMF(100mL)に溶解し、水素化ナトリウム(4.7g、117.5mmol、油中60%)を室温で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(20.5g、123.38mmol)を反応混合物に室温で滴加し、加えた後、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(1000mL)上へと注ぎ、EtOAc(500mL)で抽出し、水層をEtOAc(2×500mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥(NaSO)させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、DCM中0〜1%メタノール)によって精製して、1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール(16.2g、68.6%)を淡緑色ゴム質として得た。
LCMS(方法F):m/z 199(M+H)(ES)、1.73分時、UV活性
【0294】
1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール(5.0g、25.0mmol)をTHF(50mL)に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(19.0mL、30mmol、ヘキサン中1.6M)を−78℃で滴加し、次いで反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。THF(10mL)中のtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(5.53g、27mmol)の溶液を−78℃で反応混合物に滴加した。反応混合物を2時間にわたり室温まで放温した。反応混合物を飽和NHCl溶液(100mL)でクエンチし、EtOAc(50mL)で抽出し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥(NaSO)させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、ヘキサン中0〜20%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(8g、80.0%)を浅黄色ゴム質として得た。
LCMS(方法F):m/z 398(M+H)(ES)、2.16分時、UV活性
【0295】
tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.0g、5.0mmol)を、1,4−ジオキサン中4MのHCl(20mL)に溶解し、反応混合物を室温で10時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をアセトン(3×20mL)で研和して、中間体47、4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−4−オール(0.5g、60.2%)を褐色ゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0296】
中間体48、4−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシピペリジン塩酸塩を調製するための手順
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.0g、5.0mmol)をDMF(20mL)に溶解した。溶液をN下で0℃まで冷却し、NaH(0.24g、10.0mmol)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いでヨウ化メチル(1.07g、7.5mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、水(50mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層(aqeous layer)をEtOAc(3×100mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥(NaSO)させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、60〜120メッシュシリカ、ヘキサン中0〜10%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル4−メトキシ−4−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.5g、75.0%)を黄色ゴム質として得た。
【0297】
tert−ブチル4−メトキシ−4−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.5g、3.6mmol)を1,4−ジオキサン中4MのHCl(20mL)に溶解し、反応混合物を室温で10時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をアセトン(3×20mL)で研和して、中間体48、4−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシピペリジン(0.5g、76.0%)を褐色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0298】
中間体49、4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−4−オール塩酸塩を調製するための手順
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
1−メチルイミダゾール(6.0g、73.0mmol)をTHF(100mL)に室温で溶解し、反応混合物を−78℃まで窒素下で冷却し、ヘキサン中n−ブチルリチウム(45.4mL、73.0mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を40℃まで穏やかに加温し、4時間撹拌し、次いで−78℃まで冷却した。THF(100mL)中のtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(14.56g、73.0mmol)を加えた。反応混合物を40℃まで穏やかに加温し、10時間撹拌し、次いで水(50mL)でクエンチした。反応混合物を、EtOAc(200mL)と水(150mL)に分配し、水層をEtOAc(2×200mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥(NaSO)させた。溶媒を真空除去し、残渣をメタノールで洗浄して、tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(14.0g、68.1%)を固体として得た。これを粗製のままその後の反応に使用した。
LCMS(方法F):m/z 282(M+H)(ES)、2.05分時、UV活
【0299】
tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.5g、1.7mmol)を1,4ジオキサン(30mL)に室温で溶解し、反応混合物を窒素下で0℃まで冷却し、ジオキサン中HCl(15mL、4M溶液)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、溶媒を真空除去し、ペンタン(10mL)及びジエチルエーテル(10mL)から研和することによって残渣を精製して、中間体49、4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−4−オール(0.2g、62.5%)を褐色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0300】
中間体50、4−メトキシ−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン塩酸塩を調製するための手順
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(3.0g、10.6mmol)をDMF(50mL)に室温で溶解し、反応混合物を窒素下で0℃まで冷却し、NaH(0.64g、16.0mmol、60%油中分散)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでヨウ化メチル(1.8g、128mmol)を滴加した。反応混合物を室温に加温し、10時間撹拌し、次いで水(50mL)でクエンチした。反応混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥(NaSO)させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ、60〜120メッシュ、勾配:ヘキサン中0%〜50%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル4−メトキシ−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.3g、41.3%)を淡黄色固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 296(M+H)(ES)、2.36分時、UV活性
【0301】
tert−ブチル4−メトキシ−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.3g、3.3mmol)を1,4ジオキサン(30mL)に室温で溶解し、反応混合物を窒素下で0℃まで冷却し、ジオキサン中HCl(15mL、4M溶液)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、溶媒を真空除去し、ペンタン(10mL)及びジエチルエーテル(10mL)から研和することによって残渣を精製して、中間体50、4−メトキシ−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン(0.80g、94.1%)を灰白色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0302】
中間体111、ベンジル4−[(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化46】
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(2S,4R)−1−Boc−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル(25g、101.93mmol)及びイミダゾール(34.687g、509.5mmol)をDMF(100mL)に溶解し、反応物を0℃まで冷却した。次いで、tert−ブチルジメチルシリルクロリドを加え(36.86g、244.56mmol)、反応物を室温まで加温し、18時間撹拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去し、反応混合物(misture)をDCM(250mL)で希釈した。混合物をHO(2×250mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(250mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和NHCl(水溶液)(250mL)及び飽和食塩水(250mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、(2S,4R)−1−Boc−4−tert−ブチルジメチルシリルエーテル−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル(35.812g、99%)を得た。
LCMS(方法D):m/z 260(M+H−Boc)(ES+)、2.64分時、UV不活性
【0303】
(2S,4R)−1−Boc−4−tert−ブチルジメチルシリルエーテル−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル(42.7g、118.76mmol)をTHF(100mL)に溶解し、反応物を0℃まで冷却した。次いで、水素化アルミニウムリチウムを加え(THF中120mLの1.0M溶液、120.0mmol)、反応物を0℃で1時間撹拌した。反応物をHO(4.5mL)、15%NaOH溶液(4.5mL)及びHO(13.5mL)でクエンチし、セライトプラグを通して濾過した。揮発性物質を真空下で除去して、(2S,4R)−1−Boc−4−tert−ブチルジメチルシリルエーテル−ピロリジン−2−ヒドロキシメチル(30.320g、77%)を得た。
LCMS(方法D):m/z 232(M+H−Boc)(ES+)、2.00分時、UV不活性
【0304】
(2S,4R)−1−Boc−4−tert−ブチルジメチルシリルエーテル−ピロリジン−2−ヒドロキシメチル(10.050g、30.362mmol)をDCM(100mL)に溶解し、デスマーチンペルヨージナン(15.371g、36.253mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去して、粗生成物をBiotage SNAPカラム(100g)へと直接ロードして精製して(n−ヘキサン中10%〜50%EtOA勾配)、(2S,4R)−1−Boc−4−tert−ブチルジメチルシリルエーテル−ピロリジン−2−カルバルデヒド(2.150g、22%)を得た。
【0305】
0℃のTHF(8mL)中の水素化ナトリウム(135mgの60%油中分散、3.338mmol)の懸濁液にホスホノ酢酸トリエチル(0.665mL、3.338mmol)を加えた。10分後に、THF(2mL)中の(2S,4R)−1−Boc−4−tert−ブチルジメチルシリルエーテル−ピロリジン−2−カルバルデヒド(1.002g、3.034mmol)を加え、反応物を0℃で30分間撹拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去し、反応混合物をDCM(20mL)で希釈した。混合物をHO(2×20mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(20mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去し、粗混合物をBiotage SNAPカラム(100g)に充填し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル(2S,4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[(1E)−3−エトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]ピロリジン−1−カルボキシレートを無色の油状物質(545mg、45%)として得た。
LCMS(方法D):m/z 300(M+H−Boc)(ES+)、2.85分時、UV不活性。
【0306】
EtOH(5mL)中のカリウムtert−ブトキシド(421mg、3.753mmol)及びシアノ酢酸エチル(0.399mL、3.753mmol)の溶液に、tert−ブチル(2S,4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[(1E)−3−エトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]ピロリジン−1−カルボキシレート(500mg、1.251mmol)を加え、反応物を78℃で18時間撹拌した。AcOHを加え(0.200mL)、揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、HO(2×50mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(50mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去し、粗混合物をBiotage SNAPカラム(100g)に充填し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%EtOAc)によって精製して、ジエチル3−[(4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ピロリジン−2−イル]−2−シアノペンタンジオエート(cyanopentanedioate)を黄色油状物質(567mg、89%)として得た。
【0307】
O(3mL)中の塩化ナトリウム(71mg、1.212mmol)及びDMSO(0.040mL、2.204mmol)の溶液にジエチル3−[(4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ピロリジン−2−イル]−2−シアノペンタンジオエート(565mg、1.102mmol)を加え、反応物を145℃で2時間撹拌した。氷水を加え(50mL)、その後EtOAc(50mL)を加え、有機層をHO(2×50mL)で洗浄した。合一した有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去し、粗混合物をBiotage SNAPカラム(50g)に充填し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル(4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(1−シアノ−4−エトキシ−4−オキソブタン−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを黄色油状物質(351mg、72%)として得た。
LCMS(方法D):m/z 341(M+H−Boc)(ES+)、2.77分時、UV不活性
【0308】
NiEnCat(商標)(65g湿潤ビーズ、約0.25当量)を含有するフラスコに
、EtOH(75mL)中のtert−ブチル(4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(1−シアノ−4−エトキシ−4−オキソブタン−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(8.700g、19.7mmol)を加え、反応物を78℃、水素バルーン雰囲気下で96時間撹拌した。反応混合物をセライトプラグで濾過し、揮発性物質を真空下で除去し、粗混合物をBiotage SNAPカラム(340g)に充填し、カラムクロマトグラフィー(DCM中2.5〜10%MeOH)によって精製して、tert−ブチル(4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(2−オキソピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを黄色油状物質(4.665g、59%)として得た。
LCMS(方法D):m/z 399(M+H)(ES+)、1.90分時、UV不活性
【0309】
tert−ブチル(4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(2−オキソピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.850g、4.648mmol)THF(30mL)の溶液に、ボラン:テトラヒドロフラン(9.3mLのTHF中1.0M溶液、9.300mmol)を0℃で加え、反応物を60℃で30分間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、MeOH(10mL)でクエンチし、揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、1MのNaOH(水溶液)(2×100mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(100mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(250mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、tert−ブチル(2S,4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを黄色油状物質(1.830g、>99%)として得た。
LCMS(方法D):m/z 285(M+H−Boc)(ES+)、3.00分時、UV不活性
【0310】
DCM(20mL)中のtert−ブチル(2S,4R)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.830g、4.766mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.814mL、10.484mmol)及びクロロギ酸ベンジル(0.816mL、5.719mmol)を0℃で加えた。反応物を室温まで加温し、18時間撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、1MのNaOH(水溶液)(2×100mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(100mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(250mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去し、粗混合物をBiotage SNAPカラム(100g)に充填し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜40%EtOAc)によって精製して、ベンジル4−[(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートを無色の油状物質(700mg、28%)として得た。
【0311】
THF(5mL)中のベンジル4−[(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.780g、1.504mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.800mLの1.0M THF溶液、1.800mmol)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、HO(2×100mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(100mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(250mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、中間体111、ベンジル4−[(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジ
ン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートを、無色の油状物質(500mg、82%)として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0312】
中間体112、tert−ブチル(2S,4S)−4−フルオロ−2−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
ベンジル4−[(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(100mg、0.247mmol)をDCM(1mL)に−40℃で溶解し、DASTを加えた(0.049mL、0.371mmol)。反応物を室温まで加温し、2時間撹拌した。反応混合物をDCM(25mL)で希釈し、飽和NaHCO3(水溶液)(2×25mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(25mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、ベンジル4−[(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−フルオロピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.090g、90%)を得た。
LCMS(方法D):m/z 307(M+H−Boc)(ES+)、2.31分時、UV不活性
【0313】
EtOH(2mL)に溶解したベンジル4−[(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−フルオロピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.090g、0.221mmol)の溶液に、10%Pd/C(10mg)及び1,4シクロヘキサジエン(0.147mL、1.530mmol)を加え、反応物を70℃で1時間撹拌した。反応物を、セライトプラグを通して濾過し、揮発性物質を真空下で除去して、中間体112、tert−ブチル(2S,4S)−4−フルオロ−2−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(55mg、92%)を得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0314】
中間体113、tert−ブチル(2S)−4,4−ジフルオロ−2−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
塩化オキサリル(0.065mL、0.741mmol)をDCM(1mL)に−78℃で溶解し、DMSOを加えた(0.100mL)。5分後、−78℃で、ベンジル4−[(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン
−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(200mg、0.494mmol)をDCM(2mL)中に加え、その後トリエチルアミン(0.345mL、2.47mmol)をさらに5分後に−78℃で加えた。反応物を室温まで加温し、30分間撹拌した。反応混合物をDCM(25mL)で希釈し、飽和NaHCO3(水溶液)(2×25mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(25mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、ベンジル4−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−オキソピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.170g、85%)を得た。
LCMS(方法D):m/z 303(M+H−Boc)(ES+)、2.15分時、UV不活性
【0315】
ベンジル4−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−オキソピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(170mg、0.422mmol)をDCM(1mL)に−78℃で溶解し、DASTを加えた(0.167mL、1.267mmol)。反応物を室温まで加温し、18時間撹拌した。反応混合物をDCM(25mL)で希釈し、飽和NaHCO3(水溶液)(2×25mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(25mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、ベンジル4−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.070g、39%)を得た。
LCMS(方法D):m/z 325(M+H−Boc)(ES+)、2.41分時、UV不活性
【0316】
EtOH(2mL)中に溶解したベンジル4−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.067g、0.158mmol)の溶液に、10%Pd/C(10mg)及び1,4シクロヘキサジエン(0.105mL、1.105mmol)を加え、反応物を70℃で1時間撹拌した。反応物を、セライトプラグを通して濾過し、揮発性物質を真空下で除去して、中間体113、tert−ブチル(2S)−4,4−ジフルオロ−2−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(30mg、65%)を得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0317】
中間体125、tert−ブチル(2S)−4,4−ジフルオロ−2−メチルピロリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
THF(20mL)中の1−tert−ブチル2−メチル(2R)−4,4−ジフルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2g、7.5mmol)にTHF中の水素化ホウ素リチウム溶液(2.0M、7.5mL、15mmol)を0℃で加え、反応物を室温まで加温し、2時間撹拌した。反応物を、飽和NaHCO水溶液を少量ずつ加えることによってクエンチし、ひとたび発泡が終わったら、混合物を濃縮してTHFを除去した。水性混合物を飽和NaHCO水溶液とDCM(×2)に分配し、有機相をフェーズセパレータに通し、濃縮して、粗tert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.98g、100%超)を
油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 260(M+Na)(ES+)、1.09分時、UV不活性。
【0318】
0℃のDCM(10mL)中のtert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1g、4.2mmol)の溶液及びトリエチルアミン(1.5mL、11mmol)にMsCl(0.42mL、5.4mmol)を少量ずつ加えた。混合物を0℃で100分間撹拌し、次いで、氷冷飽和NaHCO水溶液と氷冷DCM(×2)に分配し、有機相をフェーズセパレータに通過させ、濃縮して粗tert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(1.55g、100%超)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 338(M+Na)(ES)、1.28分時、UV不活性。
【0319】
0℃のTHF(15mL)中のtert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(1.55g、4.9mmol)の溶液にTHF(1.0M、9.8mL、9.8mmol)中のLiBHEt溶液を、10分間にわたって少量ずつ加えた。次いで、混合物を3日間撹拌し、冷却浴を自然に終了させた。混合物を0℃にまで冷却し戻し、HOの添加によりクエンチし、次いで濃縮してTHFを除去した。水性混合物を飽和NaHCO水溶液とDCM(×2)に分配し、有機相をフェーズセパレータに通し、濃縮して、粗中間体125、tert−ブチル(2S)−4,4−ジフルオロ−2−メチルピロリジン−1−カルボキシレート(0.89g、82%)を油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0320】
中間体126、tert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−1−tert−ブチル2−メチル4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(1.00g、4.111mmol)をDCM(10mL)に−78℃で溶解し、DASTを加えた(1.629mL、12.332mmol)。反応物を室温まで加温し、2時間撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3(水溶液)(2×100mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(100mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。溶媒(Sovent)を真空除去して、橙色の油状物質(0.957g、90%)を得た。
【0321】
THF(5mL)中の(R)−1−tert−ブチル2−メチル4,4−ジフルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(500mg、1.885mmol)に、THF(1.90mL、3.80mmol)中の2.0M溶液として水素化ホウ素リチウムを0℃で加え、反応物を室温まで加温し、1時間撹拌した。溶媒を真空除去し、反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3(水溶液)(2×50mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(50mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(50mL)
で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、中間体126、tert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(452mg、92%)を得た。
【0322】
中間体132、3−(ピペリジン−4−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン塩酸塩を調製するための手順
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(0.796g、4.00mmol)及び3−アミノプロパン−1−オール(0.330g、4.4mmol)をCHCl(20mL)中に室温で混合し、AcOH(0.68mL、12.0mmol)を加えて3時間撹拌した。STAB(2.34g、10.0mmol)を加えて、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(40mL)の添加でクエンチしてCHCl(4×45mL)で抽出し、合一した有機層を飽和食塩水で洗浄し、次いでMgSOで乾燥させ濾過した。溶媒を真空除去して、粗tert−ブチル4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(1.03g、4.00mmol)を得た。これを精製せずに使用した。
LCMS(方法B):m/z 259(M+H)(ES+)、0.24分時、UV不活性。
【0323】
tert−ブチル4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(1.03g、4.00mmol)、CDI(1.36g、8.4mmol)及びDBU(0.24mL、1.60mmol)をTHF(40mL)に溶解し、混合物を加熱還流し、72時間維持した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:DCM中0%〜10%MeOH])により精製して、tert−ブチル4−(2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.60g、53%)を無色の油状物質として得た。
LCMS(方法B):m/z 307(M+Na)(ES+)、0.16分時、UV不活性。
【0324】
tert−ブチル4−(2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.60g、2.11mmol)をCHCl(21mL)に溶解し、ジオキサン中4M塩化水素(2.64mL、10.5mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。沈殿物を濾過により回収し、CHCl(2×20mL)で洗浄し、乾燥させて、中間体132、3−(ピペリジン−4−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン塩酸塩(0.352g、76%)を無色の固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0325】
中間体151、エチル2−(4−オキソピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩を調製するための手順
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.985g、5.00mmol)及び1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(0.715g、5.00mmol)を室温でCHCl(50mL)に混合し、AcOH(0.31mL、5.50mmol)を加え、3時間撹拌した。STAB(2.65g、12.5mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(40mL)の添加でクエンチし、CHCl(4×45mL)で抽出し、合一した有機層を飽和食塩水で洗浄し、次いでMgSOで乾燥させ濾過した。溶媒を真空除去して、粗エチル2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートをジアステレオマーの混合物として得た。これをさらなる精製を行わずに用いた。
LCMS(方法D):m/z 325(M+H)(ES+)、1.11分及び1.16分時、UV不活性。
【0326】
粗エチル2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(1.62g、5.00mmol)をTHF(10mL)に溶解し、水(10mL)及び濃塩酸(10mL)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をEtOから研和して、中間体151、エチル2−(4−オキソピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(1.30g、82%)を無色の固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0327】
中間体164、4−(1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン臭化水素酸を調製するための手順
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
炭酸ナトリウム水溶液(2M)及び1,4−ジオキサンを両方とも、フリットガラス管(fritted glass tube)を通して窒素流を該液体へと15分間通過させることによって脱気した。ベンジル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(250mg、0.73mmol)、4−ブロモ−1,3−チアゾール(119mg、0.73mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジク
ロロパラジウム(II)(32mg、0.044mmol)、脱気炭酸ナトリウム水溶液(2M、1.1mL、2.2mmol)及び脱気1,4−ジオキサン(3mL)を、窒素フラッシュした管内に配置し、密閉して圧力下、90℃で2.5時間加熱した。冷却した反応混合物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。有機相をフェーズセパレータに通過させ、フラッシュシリカ(15mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å]、40mL/分、イソヘキサン中65%EtO、アイソクラティック)によって精製して、ベンジル4−(1,3−チアゾール−4−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(173mg、79%)を得た。
LCMS(方法C):m/z 301(M+H)(ES)、1.46分時、UV活性。
【0328】
EtOAc(10mL)中のベンジル4−(1,3−チアゾール−4−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(150mg、0.50mmol)の溶液を10%パラジウム炭素触媒上、100バール圧、50℃、1mL/分の流速でH−Cube装置を用いて、水素化した。溶液を濃縮して、ベンジル4−(1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(143mg、95%)を得た。
LCMS(方法A):m/z 303(M+H)(ES)、1.92分時、UV活性。
【0329】
AcOH(1mL)及び48%HBr水溶液(1mL)中のベンジル4−(1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(127mg、0.42mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を濃縮し、残渣をトルエンで共沸して、中間体164、4−(1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン臭化水素酸(160mg、100%超)を得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0330】
中間体172、(1R,5S)−3−フェニル−2,4−ジオキサ−3−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−7−オンを調製するための手順
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
(1S,3S,5S)−シクロヘキサン−1,3,5−トリオール(1.0g、6.0mmol)及びフェニルボロン酸(0.72g、6.0mmol)をトルエン(35mL)に溶解し、120℃で16時間加熱還流した。反応混合物を濃縮して、粗(1R,5S,7R)−3−フェニル−2,4−ジオキサ−3−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−7−オール(1.43g、87%)を固体として得た。これを直ちに使用した。(1R,5S,7R)−3−フェニル−2,4−ジオキサ−3−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−7−オール(1.4g、6.4mmol)をDCM(50mL)に溶解した。酢酸ナトリウム(1.31g、16mmol)及びクロロクロム酸ピリジニウム(12.9g、11mmol)を加え、反応混合物を16時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、濾過物を濃縮して粗生成物を得た。これをDCM:ヘキサン(1:4)から再結晶化して、中間体172、(1R,5S)−3−フェニル−2,4−ジオキサ−3−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−7−オン(0.65g、38%)を固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0331】
中間体174、4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジントリフルオロ酢酸塩を調製するための手順
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
THF(5mL)中のtert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(150mg、0.63mmol)の溶液を氷水にて冷却し、鉱油(30mg、0.75mmol)中の60%水素化ナトリウム懸濁液で処理した。混合物を氷内で30分間撹拌し、次いで、室温で1.5時間撹拌し、その後ヨウ化メチル(0.118mL、1.9mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。混合物を一滴のHOでクエンチし、次いで濃縮してTHFを除去した。残渣を、飽和NaHCO水溶液とDCM(×2)に分配し、有機相をフェーズセパレータに通過させ、濃縮して、粗tert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(110mg、69%)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 274(M+Na)(ES)、1.35分時、UV不活性。
【0332】
DCM(2mL)及びTFA(2mL)中の粗tert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(110mg、0.44mmol)の溶液を室温で40分間撹拌し、次いでトルエンで希釈して濃縮した。残渣をトルエンで共沸(×2)して、粗(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩を油状物質(172mg、100%超)として得た。
LCMS(方法C):m/z 152(M+H)(ES)、0.73分時、UV不活性。
【0333】
粗(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩(172mg、想定0.44mmol)をDMF(5mL)に溶解した。該溶液にDIPEA(0.38mL、2.2mmol)、AcOH(0.038mL、0.66mmol)、tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(0.087g、0.44mmol)及びSTAB(0.278g、1.3mmol)をこの順に加えた。混合物を室温で2日間撹拌し、次いで濃縮してDMFを除去した。残渣を飽和NaHCO水溶液とDCM(×2)に分配し、有機相をフェーズセパレータに通し、濃縮して、粗tert−ブチル4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.241g、100%超)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 335(M+H)(ES)、1.43分時、UV不
活性。
【0334】
DCM(2mL)及びTFA(2mL)中の粗tert−ブチル4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.241g、想定0.44mmol)の溶液を室温で45分間撹拌し、次いでトルエンで希釈し、濃縮した。残渣をトルエンで共沸(×2)して、粗中間体174、4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジントリフルオロ酢酸塩を油状物質として得た。
標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0335】
中間体179、1−[(2R)−4,4−ジフルオロ−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−イル]エタノールトリフルオロ酢酸塩を調製するための手順
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
DCM(5mL)中のtert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(150mg、0.63mmol)の溶液を氷水にて冷却し、デスマーチンペルヨージナン(402mg、0.95mmol)で処理した。冷却浴を除去して、混合物を室温で3時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液(5mL)、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)及びEtOAc(10mL)を加え、混合物を30分間勢いよく撹拌した。相を分離し、水相をEtOAcで再抽出した。合一した有機相をフェーズセパレータに通過させ、濃縮して、粗アルデヒドを得た。これをTHF(5mL)に直ちに溶解し、−78℃まで冷却し、エーテル(3M、0.42mL、1.3mmol)中のメチルマグネシウムブロミドで処理した。混合物を冷却浴から除去し、2.75時間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液の添加によりクエンチした。混合物を濃縮してTHFを除去し、次いで、飽和NHClとDCM(×2)に分配した。有機相をフェーズセパレータに通過させ、フラッシュシリカ(10mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、イソヘキサン中20〜50%EtOAc、によって精製して、tert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.106g、67%)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 152(M−BOC+H)、196(M−tBu+H)(ES)、1.24分時、UV不活性。
【0336】
DCM(2mL)及びTFA(2mL)中のtert−ブチル(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(102mg、0.41mmol)の溶液を室温で30分間撹拌し、次いで、トルエンで希釈し、濃縮
した。残渣をトルエンで共沸して、粗1−[(2R)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]エタノールトリフルオロ酢酸塩をゴム質として得た。直ちに使用した。
LCMS(方法C):m/z 152(M+H)(ES)、0.27分時、UV不活性。
【0337】
上記からの粗1−[(2R)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]エタノールトリフルオロ酢酸塩(想定0.41mmol)をDMF(5mL)に溶解した。該溶液に、DIPEA(0.38mL(mLm)、2.0mmol)、AcOH(0.035mL、0.61mmol)、tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(0.081g、0.41mmol)及びSTAB(0.258g、1.2mmol)をこの順に加えた。混合物を室温で3日間撹拌し、次いで、濃縮してDMFを除去した。残渣をトルエンで共沸し、MeOHに溶解し、フラッシュシリカ(5mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、DCM中0〜15%溶媒A、ここで、溶媒AはMeOH中10%の(7M NH3/MeOH)である)によって精製して、tert−ブチル4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.301g、100%超)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 335(M+H)(ES)、1.41分時、UV不活性。
【0338】
DCM(2mL)及びTFA(2mL)中のtert−ブチル4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.301g、想定0.41mmol)の溶液を室温で30分間撹拌し、次いでトルエンで希釈し、濃縮した。残渣をトルエンで共沸して、粗中間体179、1−[(2R)−4,4−ジフルオロ−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−イル]エタノールトリフルオロ酢酸塩を油状物質(0.553g、100%超)として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0339】
中間体215、4−(1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン塩酸塩を調製するための手順
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
オルトギ酸トリエチル(3.5g、23mmol)、tert−ブチル4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(0.80g、3.9mmol)及びアジ化ナトリウム(1.52g、23mmol)を酢酸(50mL)に溶解した。結果得られた反応混合物を100℃で6時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。揮発性物質を濃縮によって除去し、残渣をHO(100mL)と酢酸エチル(150mL)に分配した。水層を酢酸エチル(2×100mL)でさらに抽出し、合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、溶媒を濃縮により除去して、粗生成物を得た。これをジエチルエーテルで研和して、tert−ブチル4−(1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.51g、9%)を固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 254(M+H)(ES)、1.92分時、弱UV活性。
【0340】
tert−ブチル4−(1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.51g、2.0mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解した。
1,4−ジオキサン(4M、5mL、20mmol)中のHClの溶液を滴加し、結果得られた混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を濃縮により除去し、残渣をジエチルエーテル(3×10mL)で研和することにより精製して、中間体215、4−(1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン塩酸塩(0.30g、97%)を固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0341】
中間体218、4−(1−シクロプロピル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン塩酸塩を調製するための手順
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(2.0g、8.7mmol)及びシクロプロピルアミン(0.6mL、8.7mL)をDMF(45mL)に溶解した。HATU(3.3g、8.7mmol)を室温で加え、その後DIPEA(3.1mL、17mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、冷水(250mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(順相、中性シリカゲル、60〜120メッシュ、ヘキサン中0〜35%EtOAC)によって濃縮して、tert−ブチル4−(シクロプロピルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.5g、64%)を固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 269(M+H)(ES)、1.80分時、弱UV活性。
【0342】
tert−ブチル4−(シクロプロピルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.5g、5.6mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.9g、11mmol)をTHF(160mL)に溶解した。DIAD(2.26g、11mmol)を室温で15分かけて加えた。トリメチルシリルアジド(1.3g、11mmol)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を水(250mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(順相、中性シリカゲル、60〜120メッシュ、ヘキサン中0〜30%EtOAC)により精製して、tert−ブチル4−(1−シクロプロピル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(400mg、24%)を固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 294(M+H)(ES)、1.96分時、弱UV活性。
【0343】
tert−ブチル4−(1−シクロプロピル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(400mg、1.4mmol)をジオキサン(5mL)に溶解した。ジオキサン(4M、5mL、20mmol)中のHClの溶液を0℃で加え、混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を濃縮により除去し、残渣をジエチルエーテル(1
0mL)で研和して、中間体218、4−(1−シクロプロピル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン塩酸塩(260mg、98%)を固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0344】
中間体193、1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオントリフルオロ酢酸塩を調製するための手順
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
スクシンイミド(0.099g、1.0mmol)、tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(0.221g、1.10mmol及びトリフェニルホスフィン(0.314g、1.20mmol)をTHF(5mL)に溶解し、次いで、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.236mL、1.20mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。反応混合物をフラッシュシリカ(5mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、イソヘキサン中20%〜100%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.253g、90%)を固体として得た。
LCMS(方法C):m/z 305(M+Na)(ES)、1.11分時、UV不活性
【0345】
DCM(3mL)及びTFA(3mL)中のtert−ブチル4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.141g、0.50mmol)の溶液を室温で30分間撹拌し、次いで、トルエンで希釈し、濃縮した。残渣をトルエンで共沸して、中間体193、1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオントリフルオロ酢酸塩をゴム質として得た。直ちに使用した。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0346】
中間体229、エチル2−([2,4’−ビピペリジン]−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを調製するための手順
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
脱水THF(60mL)中の2−ブロモピリジン(10.0g、63.3mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(79.1mL、ヘキサン中2.5M、126mmol)を−78℃でゆっくりと加えた。この温度で30分間撹拌した後、THF(40mL)中のtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(13.8g、69.6mmol)をゆっくりと加えた。反応温度を徐々に室温まで持っていき、2時間撹拌した。0℃に冷却した後、反応混合物を氷冷水(50mL)で注意深くクエンチした。揮発性物質を除去した後、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:ヘキサン中0%〜30%酢酸エチル]によって精製して、tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(11.4g、65%)を黄色油状物質として得た。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.48(s, 9H), 1.56
− 1.63(m, 2H), 1.90 − 2.0(m, 2H), 3.25 − 3.46(
m, 2H), 4.05 − 4.22(m, 2H), 5.29(br.s., 1H), 7.20 − 7.25(m, 1H), 7.32(d, J = 8.0, Hz, 1H), 7.73(dt, J = 1.6, 8.4 Hz, 1H), 8.53(d, J = 4.8 Hz, 1H)。
【0347】
ピリジン(100mL)中のtert−ブチル4−ヒドロキシ−4−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(11.4g、41.0mmol)の溶液に、POCl(5.7mL、61.5mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。ピリジンを真空除去した後、反応混合物をNaOH水溶液(10%、30mL)でクエンチし、クロロホルム(2×30mL)で抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:ヘキサン中0%〜30%酢酸エチル]によって精製して、tert−ブチル3’,6’−ジヒドロ−[2,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−カルボキシレート(2.3g、21%)を黄色油状物質として得た。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.48(s, 9H), 2.61
− 2.70(m, 2H), 3.60 − 3.70(m, 2H), 4.10 − 4.19
(m, 2H), 6.58 − 6.62(m, 1H), 7.11 − 7.19(m, 1H), 7.36(d, J = 7.88 Hz, 1H), 7.62 − 7.66(m, 1H),
8.55(d, J = 4.4 Hz, 1H)。
【0348】
CHCl(20mL)中のtert−ブチル3’,6’−ジヒドロ−[2,4’−
ビピリジン]−1’(2’H)−カルボキシレート(2.3g、8.84mmol)の溶液に、PtO(200mg、0.88mmol)を加え、反応混合物を室温で2日間H雰囲気下にて攪拌した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、MeOHで洗浄し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:0.1%アンモニア水溶液を有するDCM中0%〜15%MeOH]によって精製して、tert−ブチル[2,4’−ビピペリジン]−1’−カルボキシレート(1.05g、44%)を無色の油状物質として得た。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.30 − 1.40(m,1H),1.48(s,9H),1.60 − 1.91(m,8H),2.45 − 2.55(m,2H),2.58 − 2.75(m,4H),3.24 − 3.31(m,1H),4.14 − 4.24(m,2H)。
【0349】
THF(5mL)中のtert−ブチル[2,4’−ビピペリジン]−1’−カルボキシレート(1.05g、3.91mmol)の溶液に、THF(5mL)中のCbz−OSu(975mg、3.91mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:ヘキサン中0%〜20%酢酸エチル]によって精製して、1−ベンジル1’−(tert−ブチル)[2,4’−ビピペリジン]−1,1’−ジカルボキシレート(840mg、53%)を無色の油状物質として得た。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.44(s, 9H), 1.50
− 1.63(m, 2H), 1.68 − 1.92(m, 4H), 1.95 − 2.14(m, 2H), 2.55 − 2.80(m, 2H), 2.81 − 2.95(m, 4H), 2.98 − 3.10(m, 1H), 3.75 − 4.24(m, 3H), 5.11(s, 2H), 7.34 − 7.37(m, 5H)]。
【0350】
CHCl(10mL)中の1−ベンジル1’−(tert−ブチル)[2,4’−ビピペリジン]−1,1’−ジカルボキシレート(840mg、2.1mmol)の溶液に、ジオキサン中HCl(10mL、4M)を0℃でゆっくりと加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO(20mL)でクエンチし、水層をCHCl(2×20mL)で抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:0.1%アンモニア水溶液を有するDCM中0%〜15%MeOH]により精製して、ベンジル[2,4’−ビピペリジン]−1−カルボキシレート(570mg、90%)を無色の粘着性の固体として得た。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.35 − 1.70(m, 6H), 1.71 − 1.98(m, 4H), 2.46 − 2.63(m, 2H), 2.68
− 2.73(m, 1H), 3.03 − 3.18(m, 1H), 3.65 − 3.80(m, 2H), 3.86 − 4.16(m, 2H), 5.11(s, 2H), 7.34
− 7.37(m, 5H)。
【0351】
CHCl(15mL)中のベンジル[2,4’−ビピペリジン]−1−カルボキシレート(520mg、1.72mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(305mg、1.55mmol)の溶液に、Ti(OPr)(1.6mL、5.16mmol)を加え、0℃で40分間撹拌した。この反応混合物にNaBH(1.1g、5.16mmol)を加え、この温度で2時間撹拌を続けた。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、水層をCHCl(2×20mL)で抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。残渣を分取HPLC(逆相、X BRIDGE、C−18、19×250mm、5μ、
勾配:0.1%NHOHを含有する水中68%〜90%ACN、214nm、室温:異性体−1については7.45分及び異性体−2については8.37分によって精製して、エチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート異性体1、(120mg、15%)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート異性体−2、(160mg、19%)を無色の粘着性の固体として得た。
異性体−1:
LCMS(方法L):m/z 484(M+H)(ES+)、5.70分時、UV活性。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.10 − 1.32(m, 6H), 1.36 − 1.95(m, 14H), 2.00 − 2.18(m, 2H), 2.52
− 3.05(m, 4H), 3.20 − 3.45(m, 4H), 3.87 − 4.18(m, 4H), 5.11(s, 2H), 7.30 − 7.35(m, 5H)。
異性体−2:
LCMS(方法L):m/z 484(M+H)(ES+)、5.81分時、UV活性。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.10 − 1.32(m, 6H), 1.35 − 1.53(m, 5H), 1.62 − 1.80(m, 5H), 1.81
− 1.97(m, 4H), 2.00 − 2.18(m, 2H), 2.52 − 3.00
(m, 4H), 3.18 − 3.52(m, 4H), 3.88 − 4.20(m, 4H), 5.11(s, 2H), 7.32 − 7.37(m, 5H)。
【0352】
MeOH(20mL)中のエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(1.0g、2.06mmol)の異性体の混合物の溶液に、10%パラジウム炭(320mg、50%湿潤)を加え、反応混合物を室温で16時間H雰囲気下にて攪拌した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、MeOHで洗浄し、真空濃縮し、ペンタンで研和して、中間体229、エチル2−([2,4’−ビピペリジン]−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(445mg、92%)を無色の液体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0353】
中間体243、tert−ブチル1−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレートを調製するための手順
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
メタノール(60mL)中のイソインドリン−1−カルボン酸塩酸塩(5.0g、25.0mmol)の溶液に、SOCl(2.7mL、37.5mmol)を0℃でゆっくりと加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を真空濃縮した。残渣をジエチルエーテルで研和して、メチルイソインドリン−1−カルボキシレート塩酸塩(4.9g、92%)を灰白色固体として得た。残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
H−NMR(400 MHz; DMSO−−d) δ: 3.81(s, 3H), 4.52 − 4.63(m, 2H), 5.70(s, 1H), 7.44 − 7.50(m, 4H), 9.77(br.s., 2H)。
【0354】
DCM(50mL)中のメチルイソインドリン−1−カルボキシレート塩酸塩(4.9g、23.0mmol)の溶液に、EtN(9.9mL、69.0mmol)及び(Boc)O(8.0mL、34.0mmol)を順次0℃で加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチした。有機層を分離した後、水層をCHCl(3×15mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:ヘキサン中10%〜30%酢酸エチル]によって精製して、2−(tert−ブチル)1−メチルイソインドリン−1,2−ジカルボキシレート(6.5g、90%)を無色の液体として得た。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.52(s, 9H), 3.75(s, 3H), 4.65 − 4.85(m, 2H), 5.45(s, 1H), 7.25 − 7.43(m, 4H)。
【0355】
THF(60mL)中の2−(tert−ブチル)1−メチルイソインドリン−1,2−ジカルボキシレート(6.5g、23.0mmol)の溶液に、LAH(2M、11.5mL、23.0mmol)を0℃でゆっくりと加え、30分間撹拌した。完了後、反応混合物を飽和NaSO水溶液(20mL)でクエンチした。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、酢酸エチル(100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮して、tert−ブチル1−(ヒドロキシメチル)イソインドリン−2−カルボキシレート(5.2g、91%)を灰白色固体として得た。粗残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.52(s, 9H), 3.70
− 3.78(m, 1H), 3.98 − 4.03(m, 1H), 4.60 − 4.69
(m, 1H), 4.70 − 4.85(m, 2H), 5.22(br.s., 1H), 7.25 − 7.40(m, 4H)。
【0356】
DCM(100mL)中のtert−ブチル1−(ヒドロキシメチル)イソインドリン−2−カルボキシレート(5.2g、20.0mmol)の溶液に、デスマーチンペルヨージナン(27g、62.0mmol)を0℃で少量ずつ加え、室温で48時間撹拌した。完了後、反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、ジエチルエーテル(3×20mL)で洗浄した。濾過物を飽和NaHCO水溶液、飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮して、tert−ブチル1−ホルミルイソインドリン−2−カルボキシレート(4.5g、88%)を褐色液体として得た。粗残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.48(s, 9H), 4.65
− 4.90(m, 2H), 5.29 − 5.35(s, 1H), 7.25 − 7.35
(m, 4H), 9.51(s, 1H)。
【0357】
THF中のNaH(874mg、18.2mmol)の溶液に、ホスホノ酢酸トリメチル(3.3mL、18.2mmol)を−78℃で加えた。−78℃で1時間撹拌した後、tert−ブチル1−ホルミルイソインドリン−2−カルボキシレート(4.5g、18.2mmol)をゆっくり加え、反応混合物を自然に0℃にした。完了後、反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)でクエンチし、水層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮して、tert−ブチル(E)−1−(3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(5.2g、92%)を褐色液体として得た。残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
MS(ESI+ve):304
【0358】
MeCN(20mL)中のtert−ブチル(E)−1−(3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(5.2g、17.2mmol)の溶液に、CsCO(11.1g、34.4mmol)を室温で少量ずつ加えた。20分間撹拌した後、シアノ酢酸メチル(3.0mL、34.4mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を70℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、ヘキサン(3×20mL)で徹底的に洗浄した。濾過物を真空濃縮して、ジメチル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)イソインドリン−1−イル)−2−シアノペンタンジオエート)(5.5g、粗(cr))を褐色の粘着性の固体として得た。粗残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
MS(ESI+ve):403
【0359】
DMSO(15mL)中のジメチル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)イソインドリン−1−イル)−2−シアノペンタンジオエート)(1.6g、粗)の溶液に、LiCl(500mg、11.7mmol)を加え、その後、水(0.1mL、触媒)を加え、反応混合物を135℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(20mL)でクエンチし、水層をジエチルエーテル(3×20mL)で抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮して、tert−ブチル1−(1−シアノ−4−メトキシ−4−オキソブタン−2−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(1.5g、粗)を褐色の半固体として得た。粗残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
MS(ESI+ve):345
【0360】
MeOH(30mL)中のtert−ブチル1−(1−シアノ−4−メトキシ−4−オキソブタン−2−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(300mg、0.8mmol)の溶液に、ラネーニッケル(0.30g、湿潤)を加え、反応混合物を50℃にH雰囲気下、50psiで2時間加熱した。次いで、反応温度を70℃まで上昇させ、3時間撹拌した。完了後、反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、MeOH(25mL)で洗浄し、真空濃縮した。残渣をジエチルエーテル(30mL)で研和して、tert−ブチル1−(2−オキソピペリジン−4−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(0.21g、76%)を褐色固体として得た。
MS(ESI+ve):317
【0361】
THF(5mL)中のtert−ブチル1−(2−オキソピペリジン−4−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(210mg、0.60mmol)の溶液に、BH−DMS(0.5mL、6.60mmol)を0℃でゆっくりと加え、反応混合物を78℃で8時間撹拌した。0℃で冷却した後、反応塊をメタノール(0.5mL)、その後、水(1mL)でクエンチした。粗反応塊に、5%MeOH/DCM(30mL)を加え、濾過した。濾過物を真空濃縮した。残渣をジエチルエーテル(20mL)で研和して、tert−ブチル1−(ピペリジン−4−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート、中間体243(200mg、99%)を褐色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0362】
中間体247、4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピペリジンを調製するための手順
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(0.500g、2.4mmol)をCHClに溶解し、次いでDMAP(0.302g、2.4mmol)及びメタンスルホニルクロリド(0.284g、2.48mmol)を0℃で滴加した。結果得られた反応混合物を室温で6時間撹拌し、次いで、HO(70mL)とCHCl(70mL)に分配し、水層をCHCl(2×70mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去して、粗tert−ブチル4−((メチルスルホニル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.520g、75.0%)を白色固体として得た。これをさらなる精製を行わずに直接使用した。
H−NMR(400 MHz; DMSO) δ: 1.23(d, J = 9.38 H
z, 2H)1.54 − 1.69(m, 4H)1.86 − 1.96(m, 2H)2.35(s, 1H)2.85 − 3.00(m, 2H)3.18(d, J = 5.42 Hz,
5H)3.54 − 3.67(m, 4H)4.83(s, 1H)。
【0363】
1H−1,2,3−トリアゾール(0.098g、1.4mmol)をDMF(5mL
)に溶解し、NaH(0.037g、1.5mmol)を加え、0℃で30分間撹拌した。tert−ブチル4−((メチルスルホニル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.400g、1.4mmol)を加え、150℃で1時間撹拌した。反応混合物をHO(50mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去して、粗tert−ブチル4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.350g、97.0%)を無色のゴム質として得た。これをさらなる精製を行わずに直接使用した。
LCMS(方法F):m/z 253(M+H)(ES+)、1.95分時、UV活性。
【0364】
tert−ブチル4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.500g、1.9mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解し、その後、1,4−ジオキサン中HCl(5mL、4M)を滴加した。結果得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をジエチルエーテル(3×10mL)で研和することによって精製して、4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピペリジン塩酸塩、中間体247、(0.290g、96.3%)を淡白色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0365】
中間体255、4−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン塩酸塩を調製するための手順
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
5−メチル−2H−テトラゾール(0.500g、5.9mmol)及びtert−ブチル4−ブロモピペリジン−1−カルボキシレート(1.29g、4.8mmol)をDMFに溶解した。KCO(1.64g、11.8mmol)を加え、結果得られた反応混合物を100℃で6時間撹拌し、次いでHO(100mL)と酢酸エチル(150mL)に分配した。水層を酢酸エチル(2×100mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去した。残渣をコンビフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、中性シリカゲル、60〜120メッシュ、ヘキサン中10〜20%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル4−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.280g、34.6%)を白色固体として得た。
H−NMR(400 MHz, DMSO) δ: 1.43(s, 9H), 1.73 −
1.88(m, 2H), 2.01(br.s., 2H), 2.68 − 2.75(m,
3H), 2.88 − 2.91(m, 2H), 4.03 − 4.10(m, 2H), 4.60 − 4.70(m, 1H)。
【0366】
tert−ブチル4−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.280g、1.04mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解し、その後1,4−ジオキサン中HCl(5mL、4M)を滴加した。結果得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をジエチルエーテル(3×10mL)で研和することによって精製して、4−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピペリジン塩酸塩、中間体255(0.170g、97.6%)を白
色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0367】
中間体258、(R)−2−(4,4−ジフルオロ−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−イル)プロパン−2−オール塩酸塩を得て調製するための手順
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
ジオキサン(15mL)中の1−(tert−ブチル)2−メチル(R)−4,4−ジフルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(500mg、1.89mmol)の溶液に、ジオキサン中HCl(4M、15mL)を0℃でゆっくりと加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して、残渣をヘキサン(10mL)で研和した。この残渣を飽和NaHCO水溶液(10mL)で塩基性化し、濃縮した。粗反応塊にCDM(30mL)を加え、濾過した。濾過物を真空濃縮して、メチル(R)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキシレート(2,320mg、84%)を褐色液体として得た。この粗残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
H−NMR(400 MHz, CDCl) δ: 1.40 − 1.51(m, 1H),
2.58 − 2.84(m, 3H), 3.52 − 3.62(m, 1H), 3.84(
s, 3H), 4.40 − 4.52(m, 1H)。
【0368】
メタノール(20mL)中のメチル(R)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキシレート(200mg、1.21mmol)及びtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(240mg、1.21mmol)の溶液に、10%パラジウム炭素(300mg、50%湿潤)を加え、反応混合物を、H(1気圧)下、室温で24時間撹拌した。完了後、反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、メタノールで徹底的に洗浄し、真空濃縮して、tert−ブチル(R)−4−(4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(400mg、95%)を無色の液体として得た。
H−NMR(400 MHz, CDCl) δ: 1.32 − 1.45(m, 1H
), 1.45(s, 9H), 1.61 − 1.80(m, 4H), 2.39 − 2.49(m, 1H), 2.50 − 2.83(m, 2H), 3.19(s, 3H), 3.35
− 3.49(m, 2H), 3.61 − 3.82(m, 3H), 3.94 − 4.05
(m, 1H)。
【0369】
THF(10mL)中のtert−ブチル(R)−4−(4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(375mg、1.07mmol)の溶液に、MeMgBr(3M、1.07mL、3.21mmol)を0℃でゆっくりと加え、室温で4時間撹拌した。完了後、反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)でクエンチし、水層を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配
:ヘキサン中10%〜30%酢酸エチル]によって精製して、tert−ブチル(R)−4−(4,4−ジフルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(240mg、64%)を無色の液体として得た。
H−NMR(400 MHz, CDCl) δ: 1.11(s, 3H), 1.21
(s, 3H), 1.21 − 1.40(m, 2H), 1.46(s, 9H), 1.61
− 1.80(m, 2H), 2.15 − 2.30(m, 3H), 2.50 − 2.83
(m, 3H), 3.02 − 3.23(m, 2H), 4.09 − 4.30(m, 2H)。O−H は観察されなかった。
【0370】
ジオキサン(10mL)中の(R)−4−(4,4−ジフルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(240mg、0.69mmol)の溶液に、ジオキサン中HCl(4M、10mL)を0℃でゆっくりと加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をヘキサン(10mL)で研和した。粗反応塊にCHCl(30mL)を加え、濾過した。濾過物を真空濃縮して、(R)−2−(4,4−ジフルオロ−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−イル)プロパン−2−オール塩酸塩、中間体258(150mg、87%)を褐色液体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0371】
中間体282、tert−ブチル(2R)−2−(ジメチルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−2−カルボン酸(0.500g、2.18mmol)を無水DCM(8mL)に溶解し、反応混合物を窒素下で0℃まで冷却した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドHCl(0.628g、3.275mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.334g、2.183mmol)、N−メチルモルフォリン(1.104g、10.915mmol)及びジメチルアミン塩酸塩(0.356g、4.36mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和NaHCO(水溶液)(20mL)及び飽和NaCl(水溶液)(20mL)で洗浄した。有機層をBiotageフェーズセパレータカートリッジに通し、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g 40〜63μm、60Å、25mL/分、勾配:0%〜10%MeOH/DCM])によって精製して、tert−ブチル(2R)−2−(ジメチルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート、中間体282、(0.241g、43%)を琥珀色の油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0372】
中間体295、tert−ブチル(2R)−2−(フルオロメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
(2R)−(+)−1−Boc−2−ピロリジンメタノール(0.300g、1.49mmol)をDCM(8mL)に溶解し、窒素下で−78℃まで冷却した。N,N−ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.360g 2.24mmol)を反応混合物に滴加し、反応混合物を窒素下、−78℃で4時間撹拌し、次いで、室温まで一晩加温した。反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)(20mL)の添加によってクエンチし、DCM(2×15mL)で抽出し、有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:0%〜4%MeOH/DCM])によって精製して、tert−ブチル(2R)−2−(フルオロメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート、中間体295、(0.104g、34%)を、琥珀色の油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0373】
中間体285、メチル(4S)−1,3−チアゾリジン−4−カルボキシレート塩酸塩を調製するための手順
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−3−Boc−チアゾリジン−4−カルボン酸(1.00g、4.29mmol)を無水DMF(4mL)に溶解し、炭酸カリウム(2.372g、17.16mmol)及びヨードメタン(0.730g、5.14mmol)を加えた。反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をEtOAc(40mL)に溶解し、水(3×20mL)及び飽和NaCl(水溶液)(20mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を真空除去して、3−tert−ブチル−4−メチル(4S)−1,3−チアゾリジン−3,4−ジカルボキシレート、中間体285、(0.812g、77%)を淡黄色油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0374】
中間体297、tert−ブチル(2R)−2−(ジフルオロメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを調製するための手順
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
DMSO(0.698g、8.94mmol)を無水DCM(12mL)中の塩化オキサリル(0.566g、2.93mmol)の溶液に窒素下、−78℃で滴加した。反応混合物を窒素下、−78℃で15分間撹拌し、次いで無水DCM(4mL)中の(2R)
−(+)−1−Boc−2−ピロリジンメタノール(0.600g、2.98mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を窒素下、−78℃で15分間撹拌し、次いでEtN(1.06g、11.92mmol)を加え、反応混合物を窒素下、0℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)(20mL)でクエンチし、DCM(2×20mL)で抽出し、有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:0%〜4%MeOH/DCM])によって精製して、tert−ブチル(2R)−2−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレート(0.435g、73%)を得た。
【0375】
tert−ブチル(2R)−2−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレート(0.435g、2.19mmol)を無水DCM(8mL)に溶解し、窒素下で−78℃まで冷却した。N,N−ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.528g、3.28mmol)を反応混合物に滴加し、反応混合物を窒素下、−78℃で3時間撹拌し、次いで、一晩室温まで加温した。反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)(20mL)の添加によりクエンチし、DCM(2×15mL)で抽出し、有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil
10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:0%〜4%MeOH/DCM])によって精製して、tert−ブチル(2R)−2−(ジフルオロメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート、中間体297、(0.217g、45%)を琥珀色の油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0376】
中間体の一般的な合成手順:
経路1
中間体30、5−(ピペリジン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾールの調製によって例示される鈴木反応、水素化及びBoc脱保護を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化69】
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2−5−ブロモ−1,2,4−チアジアゾール(108mg、0.65mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(200mg、0.65mmol)及びCsCO(632mg、1.94mmol)をジオキサン:水(10:2mL)に溶解した。反応混合物を30分間脱気し、その後PdCldppf(24mg、0.03mmol)を加え、次いで、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を、HO(80mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、メッシュサイズ:60〜120、ヘキサン中16%〜20%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル4−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(158mg、92.0%)を灰白色固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 212(M+H−56)(ES+)、2.37分時、UV活性
【0377】
tert−ブチル4−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(200mg、0.74mmol)をMeOH(15mL)に溶解し、10%Pd/C(20mg)を加えた。反応混合物をHガスでパージし、25℃で8時間、H圧下で攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、残渣をMeOHで洗浄し、溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、メッシュサイズ:60〜120、ヘキサン中20%〜24%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル4−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(150mg、74.6%)を暗緑色ゴム質として得た。
LCMS(方法F):m/z 214(M+H)(ES+)、2.14分時、UV活性
【0378】
tert−ブチル4−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(150mg、0.56mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)に溶解し、ジオキサン中HCl(10mL、3.0M溶液)を滴加し、反応物を30℃で16時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をジエチルエーテル(3×3mL)で研和することによって精製して、中間体30、5−(ピペリジン−4−イル)−1,2,4−チアジアゾール(102mg、89.5%)を暗緑色ゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0379】
経路2
中間体34、4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを調製するための手順
【化70】
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tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(2.0g、6.55mmol)、2−ブロモ−1,5−ジメチル−1H−イミダゾール(1.13g、6.45mmol)及びCsF(2.9g、1.85mmol)をDME:MeOH(2:1、30mL)に溶解した。反応混合物を5分間脱気し、次いでPd(PPh(73mg、0.064mmol)を加え、結果得られた反応混合物を100℃で5時間撹拌した。反応混合物を、HO(100mL)とEtOAc(100mL)に分配し、水層をEtOAc(2×100mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥(NaSO)させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、メッシュサイズ:60〜120、ヘキサン中13%〜17%酢酸エチル)によって精製して、tert−ブチル4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(1g、55%)を黄色ゴム質として得た。
LCMS(方法F):m/z 278(M+H)(ES)、1.70分時、UV活性
【0380】
tert−ブチル4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(1.0g、3.61mmol)を1,4−ジオキサン(20mL)に溶解し、その後、1,4−ジオキサン中HCl(20
mL、3M溶液)を滴加した。結果得られた反応混合物を30℃で16時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をジエチルエーテル(3×5mL)で研和することによって精製して、中間体34、4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(0.5g、65%)を白色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0381】
経路3
中間体65、3−(ピペリジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン塩酸塩の調製によって例示される鈴木反応、水素化及びBoc脱保護を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化71】
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tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(2.5g、10.0mmol)、3−ヨード−2−メトキシピリジン(8.21g、26.0mmol)及びKCO(4.3g、31.8mmol)を1−4ジオキサン(10mL)及び水(5mL)に溶解した。反応混合物を、Nを使用して15分間脱気し;Pd−132(0.376g、0.53mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(順相、60〜120メッシュシリカ、ヘキサン中0〜20%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル2−メトキシ−3’,6’−ジヒドロ−[3,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−カルボキシレート(2.0g、69.0%)を灰白色固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 291(M+H)(ES+)、2.39分時、UV活性
【0382】
tert−ブチル2−メトキシ−3’,6’−ジヒドロ−[3,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−カルボキシレート(1.89g、6.51mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、10%Pd/C(0.2g)を加えた。反応混合物をHガスでパージし、室温で12時間、H下で攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を真空除去して、tert−ブチル4−(2−メトキシピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.91g、47.9%)を無色のゴム質として得た。
LCMS(方法F):m/z 293(M+H)(ES+)、2.50分時、UV活性
【0383】
tert−ブチル4−(2−メトキシピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.200g、0.6mmol)を1,4−ジオキサン(4.0mL)及び水(2.0mL)に溶解し、濃塩酸を加え、反応混合物を100℃で10時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をアセトン(3×10mL)で研和して、中間体65、3−(ピペリジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン塩酸塩(0.100g、82.6%)を褐色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0384】
経路4
中間体66、2−メトキシ−3−(ピペリジン−4−イル)ピリジン塩酸塩の調製によっ
て例示される鈴木反応、水素化及びBoc脱保護を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化72】
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tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(2.5g、10.0mmol)、3−ヨード−2−メトキシピリジン(8.21g、26.0mmol)及びKCO(4.3g、31.8mmol)を1−4ジオキサン(10mL)及び水(5mL)に溶解した。反応混合物を、Nを使用して15分間脱気し;Pd−132(0.376g、0.53mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(順相、60〜120メッシュシリカ、ヘキサン中0〜20%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル2−メトキシ−3’,6’−ジヒドロ−[3,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−カルボキシレート(2.0g、69.0%)を灰白色固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 291(M+H)(ES+)、2.39分時、UV活性
【0385】
tert−ブチル2−メトキシ−3’,6’−ジヒドロ−[3,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−カルボキシレート(1.89g、6.51mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、10%Pd/C(0.2g)を加えた。反応混合物をHガスでパージし、室温で12時間、H下で攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を真空除去して、tert−ブチル4−(2−メトキシピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.91g、47.9%)を無色のゴム質として得た。
LCMS(方法F):m/z 293(M+H)(ES+)、2.50分時、UV活性
【0386】
tert−ブチル4−(2−メトキシピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.8g、2.7mmol)を、1,4−ジオキサン中HCl(4.0mL、4.0M溶液)中で、室温で10時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をアセトン(3×10mL)によって研和して、中間体66、2−メトキシ−3−(ピペリジン−4−イル)ピリジン塩酸塩(0.135g、25.7%)を白色固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0387】
経路5
中間体69、3,4’−ビピペリジン−2−オンの調製によって例示される水素化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化73】
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3−(ピペリジン−4−イル)−1,6−ジヒドロピリジン−2−オール(0.5g、2.8mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、PtO(0.2g)を加えた。反応混合物をHガスでパージし、室温で12時間、Hガス下で攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を真空除去して、中間体69、3,4’−ビピペリジン−2−オン(0.4g、78.3%)を褐色ゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0388】
経路6
中間体127、エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの混合物の調製によって例示される還元的アミノ化及びBoc脱保護を介してピロリジンを調製するための典型的な手順
【化74】
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(S)−tert−ブチル2−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.24g、6.29mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(1.60g、6.29mmol)をDMF(15mL)に室温で溶解し、酢酸(0.54mL、9.44mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、STAB(2.67g、12.6mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 340g、40〜63μm、60Å、80mL/分、勾配:DCM中、MeOH中の0%〜10%7N
NH])によって精製して、エチル2−{4−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(2.46g、90%)の異性体の分離不可能な混合物を黄色固体として得た。
LCMS(方法D):m/z 436(M+H)(ES)、2.36分時、UV不活性。
【0389】
エチル2−{4−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.6g、1.4mmol)のジアステレオマーの混合物を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解し、1,4−ジオキサン中HCl(4M、15mL、60mmol)で滴下処理した。結果得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌し、溶媒を除去し、残渣をジエチルエーテル(3×10mL)で研和することによって精製して、エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの混合物、中間体127を固
体(0.45g、97%)として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0390】
経路7
中間体137、1−(ピペリジン−4−イル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オンの調製によって例示される還元的アミノ化、Boc−脱保護、尿素形成、及び水素化分解を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
ベンジル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(0.932g、4.00mmol)及びtert−ブチル(3−アミノプロピル)カルバメート(0.766g、4.4mmol)をCHCl(20mL)に室温で混合し、AcOH(0.68mL、12.0mmol)を加え、3時間撹拌した。STAB(2.59g、12.0mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(40mL)の添加によりクエンチしてCHCl(4×45mL)で抽出し、合一した有機層を飽和食塩水で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、濾過した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、ベンジル4−({3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.54g、98%)を無色の油状物質として得た。
LCMS(方法B):m/z 392(M+H)(ES+)、1.73分時、UV活性。
【0391】
ベンジル4−({3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.54g、3.92mmol)をCHCl(19.5mL)に溶解し、ジオキサン中4M塩化水素(4.90mL、19.6mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をCHCl(2×20mL)で洗浄し、乾燥させて、粗ベンジル4−[(3−アミノプロピル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートジヒドロクロリド(1.41g、99%)を灰白色固体として得た。
LCMS(方法B):m/z 292(M+H)(ES+)、1.46分時、UV活性。
【0392】
粗ベンジル4−[(3−アミノプロピル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートジヒドロクロリド(1.41g、3.88mmol)、CDI(0.778g、4.80mmol)及びピリジン(0.24mL、12.0mmol)をTHF(39mL)に溶解し、混合物を加熱還流し、18時間維持した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、ベンジル4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.82g、65%)を無色の固体として得た。
LCMS(方法B):m/z 318(M+H)(ES+)、2.62分時、UV活性。
【0393】
ベンジル4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.82g、2.59mmol)をEtOH(100mL)に溶解し、50℃、1mL/分で40バールHに設定したH−Cubeを使用して10%Pd/Cカートリッジに通した。溶出した溶液を真空濃縮して、中間体137、1−(ピペリジン−4−イル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(0.470g、99%)を無色の固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0394】
経路8
中間体139、(2S)−N−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドの調製によって例示される還元的アミノ化、及びBoc脱保護を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド(0.5g、3.8mmol)、NEt(1.5mL、11.0mmol)、tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(0.38g、3.9mmol)及びZnCl(0.15g、4.5mmol)をMeOH(15mL)に窒素下で溶解し、50〜60℃で1時間攪拌した。NaCNBH(0.16g、0.67mmol)を0〜10℃で少量ずつ加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(2×100mL)と水(50mL)に分配し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(順相シリカ、ヘキサン中0〜20%EtOAc)によって精製して、tert−ブチル(S)−4−(2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.3g、25.0%)を淡褐色液体として得た。
TLC観察:RF値:0.5(EA:Hex、5:5)。
LCMS(方法G):m/z 312(M+H)(ES+)、1.61分時、UV不活性。
【0395】
tert−ブチル(S)−4−(2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.3g、0.96mmol)を、1,4−ジオキサン中HCl(5.00mL)溶液中で、室温で10時間攪拌した。反応混合物を、高真空(high vaccum)下で濃縮し、アセトン(3×10mL)によって研和して、中間体139、(S)−N−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドジヒドロクロリド(0.135g、67.16%)を無色の固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0396】
経路9
中間体181、4−[2−(1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−1−イル]ピペリジントリフルオロ酢酸塩の調製に例示される還元的アルキル化及び脱保護を介して4位でN結合型環状アミンを有するピペリジンを調製するための一般的な手順
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
5−(ピロリジン−2−イル)−1H−ピラゾールジヒドロクロリド(0.105g、0.50mmol)をDMF(5mL)に溶解した。該溶液にDIPEA(0.435mL、2.5mmol)、AcOH(0.043mL、0.75mmol)、tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(0.100g、0.50mmol)及びSTAB(0.318g、1.50mmol)をこの順に加えた。混合物を室温で2日間撹拌し、次いで、濃縮してDMFを除去した。残渣を飽和NaHCO水溶液とDCM(×2)に分配し、有機相をフェーズセパレータに通し、濃縮して、粗tert−ブチル4−[2−(1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.271g、100%超)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 321(M+H)(ES)、1.18分時、UV活性
【0397】
DCM(3mL)及びTFA(3mL)中の粗tert−ブチル4−[2−(1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.271g、想定0.50mmol)の溶液を室温で110分間撹拌し、次いで、トルエンで希釈し、濃縮した。残渣をトルエンで共沸して、粗中間体181、4−[2−(1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−1−イル]ピペリジントリフルオロ酢酸塩(0.598g、100%超)を油状物質として得た。直ちに使用した。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0398】
経路10
中間体184、5−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩の調製によって例示されるピリジンへの銅触媒カップリング、その後の水素化を介してピペリジンを含有するピロリジノンまたはオキサジアゾロンを調製するための一般的な手順
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
ジオキサン(2mL)中の5−メチルピロリジン−2−オン(0.050g、0.50mmol)、4−ヨードピリジン(0.103g、0.50mmol)、(トランス)−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.016mL、0.10mmol)、CuI(0.019g、0.10mmol)及びKCO(0.209g、1.5mmol)の混合物を窒素フラッシュしたガラス管に密閉し、150℃で一晩加熱しながら撹拌した。冷却した反応混合物をフラッシュシリカ(5mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、DCM中0〜5%溶媒A、ここで、溶媒AはMeOH中10%の(7M NH/MeOH)である)によって精製して、5−メチル−1−(ピリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン(0.088g、99%)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 177(M+H)(ES)、0.69分時、UV活性
【0399】
5−メチル−1−(ピリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン(0.080g、0.45mmol)をAcOH(8mL)に溶解し、H−Cubeを使用して、1mL/分の流速、100℃、80バール圧で、10%Pt/C触媒で水素化した。次いで、該溶液を濃縮し、残渣をトルエン(×2)で共沸して、粗中間体184、5−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩(0.166g、100%超)を油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0400】
経路11
中間体199、(5R)−5−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩、及び中間体200、(5R)−5−エチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩の調製によって例示されるピリジンへの銅触媒カップリング、その後の水素化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
中間体199、(5R)−5−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩:
DCM(24mL)中の(5S)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−2−オン(2.0g、17mmol)及び4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(5.3g、28mmol)の溶液に、トリエチルアミン(12mL、86mmol)を加えた。結果得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濃縮した。残渣をDCMに溶解し、1MのHCl水溶液(×3)及び飽和食塩水(×1)で洗浄し、次いで、フェーズセパレータに通し、濃縮して褐色固体を得た。該固体をDCM/イソヘキサンから再結晶化して、黄褐色の固体を得た。これを濾過により除去し、DCM/イソヘキサン混合物で洗浄し、空気乾燥させて、[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネート(3.13g、67%)を得た。
LCMS(方法C):m/z 270(M+H)(ES)、0.97分時、UV活性
【0401】
アセトン(5mL)中の[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネート(0.50g、1.9mmol)及び臭化リチウム(0.484g、5.6mmol)の混合物をN下で一晩加熱還流し、次いで放冷した。溶媒を濃縮により除去し、残渣をDCMとHOに分配し、相を分離した。水相をDCM(×3)で抽出し、次いで、有機相をフェーズセパレータに通し、濃縮して、(5S)−5−(ブロモメチル)ピロリジン−2−オン(0.284g、86%)をゴム質として得た。
LCMS(方法C):m/z 178/180(M+H)(ES)、0.37分時、弱UV活性
【0402】
トリエチルアミン(0.267mL、1.9mmol)及びエタノール(32mL)中の(5S)−5−(ブロモメチル)ピロリジン−2−オン(0.284g、1.6mmol)の溶液を、H−Cubeを使用して1mL/分の流速、室温、50バール圧で、10%Pd/C触媒で水素化した。該溶液を濃縮して、粗(5R)−5−メチルピロリジン−2−オン(0.445g、100%超)を粘着性の固体として得た。
LCMS(方法C):m/z 100(M+H)(ES)、0.34分時、弱UV活性
【0403】
粗(5R)−5−メチルピロリジン−2−オン(0.445g、想定1.5mmol)を、経路10(中間体183とカップリング)にしたがって反応させて、粗中間体199、(5R)−5−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩(0.125g、46%)を油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0404】
中間体200、(5R)−5−エチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩:
メチルリチウム(エーテル中1.5M、7.4mL、11mmol)をTHF(6mL)中のヨウ化銅(1.06g、5.6mmol)の懸濁液に撹拌しながら素早く加えて、氷水中N下で予冷却した。淡褐色の溶液を氷水中で45分間撹拌し、次いで、−20℃まで冷却した。THF(6mL)中の[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネート(0.50g、1.9mmol)の溶液を2分間かけて少量ずつ加え、結果得られた溶液を−20℃で45分間撹拌し、次いで、氷水中で一晩撹拌し、冷却浴をゆっくりと自然に終了させた。混合物をNHCl飽和水溶液(15mL)でクエンチし、数時間撹拌した。2相混合物をエーテル(×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、フェーズセパレータに通し、濃縮して、粗(5R)−5−エチルピロリジン−2−オン(0.124g、59%)を油状物質として得た。
LCMS(方法C):m/z 114(M+H)(ES)、0.50分時、弱UV活性
【0405】
粗(5R)−5−エチルピロリジン−2−オン(0.124g、1.10mmol)を経路10(中間体183とカップリング)にしたがって反応させて、粗中間体200、(5R)−5−エチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−オン酢酸塩(0.156g、72%)をゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0406】
経路12
中間体205、(4R)−4−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン酢酸塩の調製によって例示されるカルバメート形成、ピリジンへの銅触媒カップリング、その後の水素化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
DCM(5mL)中のトリホスゲン(0.297g、1.0mmol)の溶液を、DCM(5mL)中の(2R)−2−アミノプロパン−1−オール(0.156mL、2.0mmol)及びトリエチルアミン(0.56mL、4.0mmol)の溶液に1時間かけて少量ずつ加え、氷水中で予冷却した。混合物を氷水中でさらに2時間撹拌し、次いでエーテル(6mL)を加えた。濃厚懸濁液を、焼結物を通して濾過し、該固体をさらなるエーテル(6mL)で洗浄した。濾過物をフラッシュシリカ(5mL)で濃縮し、結果得ら
れた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、100%EtOAc)によって精製して、(4R)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン(192mg、95%)を固体として得た。
LCMS(方法C):m/z 102(M+H)(ES)、0.14分時、UV不活性
【0407】
(4R)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン(0.188g、1.9mmol)を、経路10(中間体183とカップリング)にしたがって反応させて、粗中間体205、(4R)−4−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン酢酸塩(0.343g、100%)を固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0408】
経路13
中間体159、tert−ブチル4−[(2R)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートの調製によって例示される還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
D−プロリンメチルエステル塩酸塩(0.200g、1.208mmol)及び1−Boc−4−ピペリジノン(0.24g、1.208mmol)をDMF(2mL)に室温で溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.209mL、1.208mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。次いで、STAB(0.512g、2.416mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をHO(15mL)とEtOAc(25mL)に分配し、水層をEtOAc(2×25mL)で抽出し、有機層を合一し、NaSO上で乾燥させ、溶媒を真空除去して、tert−ブチル4−[(2R)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート、中間体159、を白色固体として得た(393mg、>99%)。標記の化合物に関するデータは(ares)表2にある。
【0409】
経路14
中間体271、tert−ブチル3,3−ジフルオロ−1,4’−ビピペリジン−1’−カルボキシレートの調製によって例示される還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
3,3−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.30g、1.90mmol)及び1−Boc−4−ピペリジノン(0.379g、1.90mmol)をDMF(8mL)に室温で溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.246g、1.90mmol)を加えた。反応混合物を50℃、窒素下で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、氷
酢酸(0.114g、1.90mmol)及びSTAB(1.01g、4.76mmol)を加え、反応混合物を50℃、窒素下で一晩撹拌した。水(2mL)を冷却した反応混合物に加え、溶媒を真空除去した。残渣を飽和NaHCO(水溶液)(10mL)で希釈し、DCM(2×10mL)で抽出した。合一した有機層をBiotageフェーズセパレータカートリッジに通して乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g 40〜63μm、60Å、25mL/分、勾配:0%〜10%MeOH/DCM])によって精製して、tert−ブチル3,3−ジフルオロ−1,4’−ビピペリジン−1’−カルボキシレート、中間体271、(0.347g、60%)を琥珀色の油状物質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0410】
経路15
中間体195、4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン塩酸塩の調製によって例示されるテトラゾール形成、その後のアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル4−シアノピペリジン−1−カルボキシレート(2.1g、10mmol)、アジ化ナトリウム(1.95g、30mmol)及び塩化アンモニウム(1.6g、30mmol)をDMF(20mL)に溶解した。反応混合物を100℃で24時間攪拌し、次いで、水(250mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮して、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(順相、中性シリカゲル、60〜120メッシュ、DCM中0〜5%MeoH)によって精製して、tert−ブチル4−(1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.25g、50%)を固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 198(M−tBu+H)(ES)、1.69分時、UV不活性
【0411】
tert−ブチル4−(1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.2g、4.7mmol)、ヨードメタン(2.0g、14mmol)及びCsCO(9.6g、28mmol)を乾燥DMF(36mL)に溶解した。反応混合物を100℃で2時間攪拌し、次いで、水(250mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮して、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(順相、中性シリカゲル、60〜120メッシュ、ヘキサン中0〜35%EtOAc、次いで、ヘキサン中45〜60%EtOAcによって精製して、2つの位置異性体を分離した。必要な位置異性体、tert−ブチル4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.160g、13%)、をカラムから2番目に溶出し、固体として得た。
LCMS(方法F):m/z 212(M−tBu+H)(ES)、1.79分時、UV不活性
【0412】
tert−ブチル4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.160g、0.60mmol)をジオキサン(3mL)に溶解した。ジオキサン中HCl(4M、3mL、12mmol)を0℃で加え、混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を除去し、混合物をジエチルエーテル(5mL)で研和して、4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン塩酸塩、中間体195、(0.130g、100%超)を固体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0413】
経路16
中間体223、(2R)−N−メチル−1,4’−ビピペリジン−2−カルボキサミドの調製によって例示される還元的アミノ化、アミド形成及びBoc脱保護を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
MeOH(40mL)中のR−ピペコリン酸(1g、7.75mmol)及びtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(2.31g、11.6mmol)の溶液に、10%パラジウム炭(1g、50%湿潤)を加え、反応混合物を室温、H(1気圧)下で48時間撹拌した。反応混合物を、セライトベッドを通して濾過し、濾過物を真空蒸発させた。この粗残渣をDCM(50mL)にて研和して、(R)−1’−(tert−ブトキシカルボニル)−[1,4’−ビピペリジン]−2−カルボン酸(1.2g、50%)を白色固体として得た。この粗残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
H−NMR(400 MHz; CDCl) δ: 1.46(s, 9H), 1.50
− 1.59(m, 1H), 1.75 − 1.91(m, 4H), 1.93 − 2.05
(m, 2H), 2.10 − 2.19(m, 2H), 2.35 − 2.41(m, 1H), 2.51 − 2.69(m, 3H), 3.41 − 3.49(m, 1H), 3.55
− 3.61(m, 1H), 3.70 − 3.79(m, 1H), 4.25 − 4.36
(m, 2H)。
【0414】
DCM(20mL)中の(R)−1’−(tert−ブトキシカルボニル)−[1,4’−ビピペリジン]−2−カルボン酸(1.0g、3.20mmol)及びMeNH(THF中2M、3.2mL、6.41mmol)の溶液に、DIPEA(1.75mL、9.60mmol)を0℃で加えた。10分間撹拌した後、1−プロパンホスホン酸無水物[50%酢酸エチル溶液(4.07mL、6.41mmol)]を加え、室温で3時間撹拌した。完了後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、DCM(3×30mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮して、tert−ブチル(R)−2−(メチルカルバモイル)−[1,4’−ビピペリジン]−1’−カルボキシレート(4、1g、97%)を無色のねばねばした液体として得た。この粗残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに使用した。
H−NMR(400 MHz, DMSO) δ: 1.46(s, 9H), 1.61 −
1.80(m, 4H), 1.91 − 2.08(m, 4H), 2.25 − 2.33(m, 2H), 2.61 − 2.71(m, 4H), 2.82(d, J = 4.8 Hz, 3
H), 3.32 − 3.45(m, 2H), 4.25 − 4.36(m, 2H), 6.85(br.s., 1H)。
【0415】
ジオキサン(10mL)中のtert−ブチル(R)−2−(メチルカルバモイル)−[1,4’−ビピペリジン]−1’−カルボキシレート(700mg、2.15mmol)の溶液に、ジオキサン中HCl(4M、10mL)を0℃でゆっくりと加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮した。これを飽和NaHCO水溶液(10mL)で塩基性化し、濃縮した。粗反応塊に、5%MeOH/DCM(30mL)を加え、10分間撹拌し、濾過した。濾過物を真空濃縮して、中間体223、(R)−N−メチル−[1,4’−ビピペリジン]−2−カルボキサミド(400mg、83%)を褐色のねばねばした液体として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0416】
経路17
中間体250、4−エチル−5−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾールの調製によって例示されるザンドマイヤー反応を介してヨードピラゾールを調製するための典型的な手順
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
1−エチル4−メチル−1Hピラゾールアミン(0.5g、3.932mmol)を、ジヨードメタン(9.0mL)に0〜5℃、窒素雰囲気下で溶解し、その後亜硝酸イソアミルを滴加し、混合物を2時間80℃で、次いで2時間室温で攪拌した。反応混合物を、HO(100mL)とEtOAc(250mL)に分配し、水層をEtOAc(2×250mL)でさらに抽出し、合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、中性シリカゲル、60〜120メッシュ、ヘキサン中30〜50%酢酸エチル)によって精製して、4−エチル−5−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール、中間体250(0.5g、53.23%)を淡い黄色がかったゴム質として得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0417】
経路18
中間体(Intermediate Intermediate)302、tert−ブチル(2R)−2−(ジフルオロメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの調製によって例示される脱保護、カルバメート形成、その後還元的アミノ化を介して活性化カルバメートを調製するための典型的な手順
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
6−Boc−2−オキソ−6−アザ−スピロ[3.4]オクタン(4.00g、0.017mol)をジオキサン中4MのHCl(25mL)に溶解し、窒素下、室温で一晩撹
拌した。溶媒を真空除去して、灰白色固体を得た。これをDCM(40mL)に懸濁し、反応混合物を窒素下、0℃まで冷却した。EtN(3.60g、0.036mol)及び4−ニトロフェニルクロロギ酸(3.767g、0.0187mol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)(30mL)でクエンチし、DCM(3×20mL)で抽出した。有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil
50g 40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:0%〜6%MeOH/DCM])によって精製して、4−ニトロフェニル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを黄色固体(1.40g、27%)として得た。
LCMS(方法C):m/z 291(M+H)+(ES+)、1.167分時
【0418】
4−ニトロフェニル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.700g、2.41mmol)をDMF(15mL)に溶解した。4−(1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン(0.365g、2.41mmol)、氷酢酸(0.144g、2.41mmol)及びSTAB(1.535g、7.24mmol)を加え、反応混合物を窒素下、50℃で一晩撹拌した。反応混合物を水(2mL)でクエンチし、溶媒を真空除去した。残渣をDCM(20mL)と飽和NaHCO(水溶液)(20mL)に分配し、水層をDCM(2×20mL)で抽出し、有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g 40〜63μm、60Å、25mL/分、勾配:0%〜10%MeOH/DCM])によって精製して、4−ニトロフェニル2−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、中間体302、(0.738g、72%)を得た。標記の化合物に関するデータは表2にある。
【0419】
実施例の一般的な合成手順:
経路a
実施例1−1、エチル2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジンジヒドロクロリド(1.43g、7.1mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(1.60g、7.1mmol)をDCM(60mL)に室温で溶解し、チタンイソプロポキシド(2.31mL、7.81mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を−5℃まで冷却し、次いで、STAB(3.01g、14.2mmol)及び酢酸(350μL、4.26mmol)を加え、反応混合物を室温まで加温しながら、窒素下で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(10mL)の添加によってクエンチし、DCMで希釈し、次いで、セライトパッドを通して濾過した。層を分離し、水層をDCMで抽出した。合一したDCM層を飽和食塩水で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフ
ィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:0.5%NEtを伴うDCM中1%〜10%MeOH])によって精製して、エチル2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(2.645g、98.3%)のジアステレオマーの分離不可能な混合物を白色固体として得た。分取HPLCを使用して、ジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−N C18カラム、150×21mmを使用し、18mL/分で28〜38%MeCN/HOで溶出し、218nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、異性体1、エチル2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.338g、14%)を無色の固体として、異性体2、エチル2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.369g、16%)を無色の固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0420】
経路b
実施例1−3、エチル2−(4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるシアノ水素化ホウ素ナトリウム及び塩化亜鉛還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン(100mg、0.46mmol)、エチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(89mg、0.46mmol)、ZnCl(2mg、0.01mmol)及びトリエチルアミン(0.3mL、2.28mmol)をMeOH(5mL)に溶解し、反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、NaBHCN(114mg、1.83mmol)を少量ずつ加えた。結果得られた反応混合物を25℃で7時間撹拌し、溶媒を真空除去した。残渣をHO(50mL)とEtOAc(35mL)に分配し、水層をEtOAc(2×35mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC[逆相(X−BRIDGE、C−18、250×19mm、5μm、18mL/分、勾配:MeCN/水中28.0%(40.0分間)、100%(3.0分間)次いで28.0%(5.0分間)、0.1%NH]によって精製して、エチル2−(4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−3異性体1、(15mg、8.24%)を黄色固体として、エチル2−(4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−3異性体2、(12mg、6.6%)を黄色固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0421】
経路c
実施例1−4、エチル2−[4−(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるトリフルオロメチル置換イミダゾールをシアノ置換イミダゾールに変換するための典型的な手順
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−(4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(200mg、0.50mmol)をNH溶液(20mL)に溶解し、60℃で8時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をHO(60mL)とEtOAc(40mL)に分配し、水層をEtOAc(2×40mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を真空除去及し、残渣を分取HPLC[逆相(DURASHELL、C−18、250×21.2mm、5μm、22mL/分、勾配:MeCN/水中25.0%(30.0分間)、100%(3.0分間)、次いで25.0%(7.0分間)、0.1%NH]によって精製して、エチル2−(4−(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−4異性体1、(26mg、14.6%)を黄色固体として、エチル2−[4−(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−4異性体2、(25mg、14.06%)を黄色固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0422】
経路d
実施例1−7、エチル2−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化、Boc脱保護及びエチルカルバメート形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
4−(1−メチルイミダゾール−2−イル)ピペリジン塩酸塩(0.244g、1.21mmol)及び6−Boc−2−オキソ−6−アザスピロ[3,4]オクタン(0.273g、1.21mmol)をDCM(10mL)に室温で溶解し、チタンイソプロポキシド(0.4mL、2.42mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を−5℃まで冷却し、次いで、STAB(0.513g、2.42mmol)及び酢酸(27μL、480μmol)を加え、反応混合物を室温まで加温しながら、窒素下で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(10mL)の添加でクエンチし、DCMで希釈し、次いでセライトパッドを通して濾過した。層を分離し、水層
をDCMで抽出した。合一したDCM層を飽和食塩水で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:DCM中1%〜10%MeOH])によって精製して、tert−ブチル2−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.330g、72%)の異性体の分離不可能な混合物を黄色ゴム質として得た。
LCMS(方法A):m/z 374(M+H)(ES)、1.68分時、UV不活性。
【0423】
Tert−ブチル2−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.326g、0.87mmol)を、ジオキサン中4M塩化水素(1.2mL、5.2mmol)に溶解した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、揮発性物質を真空除去し、残渣をDCM(17mL)及びトリエチルアミン(0.49mL、3.49mmol)に溶解した。クロロギ酸エチル(125μL、1.31mmol)を滴加し、該溶液を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物をNaHCO(水溶液)(75mL)及びDCM(75mL)に注ぎ入れ、抽出(2×75mL)し、合一したDCM抽出物を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、次いでMgSOで乾燥させた。濃縮後、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配:DCM中1%〜10%MeOH])によって精製して、エチル2−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを、褐色の油状物質として、ジアステレオマーの混合物(0.25g、83%)として提供した。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−N C18カラム、150×21mmを使用し、18mL/分で38〜48%MeCN/HOで抽出し、218nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、エチル2−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−7異性体1、(0.044g、15%)を無色の油状物質として、エチル2−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−7異性体2、(0.031g、10%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0424】
経路e
実施例1−9、メチル2−[4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるピペリジニルを含有する化合物を得るために、3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イルを含有する化合物を水素化するための典型的な手順
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
メチル2−(4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(102mg、0.29mmol)[経路d及び中間体3及び34を介して合成される]をMeOH(10mL)に溶解し、10%Pd/C(25mg)を加えた。反
応混合物をHガスでパージし、次いで、25℃で20時間、H風船下で撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、MeOHで洗浄し、濾過物からの溶媒を真空除去し、残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、150×30mm、5μm、40mL/分、勾配:アセトニトリル/水中30%(12.00分間)、100%(14.00分間)、次いで、30%(14.01分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、メチル2−[4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−9異性体1、(5.6mg、5.8%)を無色のゴム質として、メチル2−[4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−9異性体2、(11.6mg、11.7%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0425】
経路f
実施例1−36、エチル2−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化、Boc脱保護及びエチルカルバメート形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン(0.152g、1.0mmol)及び6−Boc−2−オキソ−6−アザスピロ[3,4]オクタン(0.222g、1.05mmol)をDCM(10mL)にN下、室温で溶解し、酢酸(0.13mL、2.22mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、STAB(0.53g、2.50mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(30mL)の添加でクエンチし、DCM(4×25mL)で抽出し、合一したDCM層をBiotageフェーズセパレータに通した。溶媒を真空除去して、tert−ブチル2−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの粗混合物を得て、これを精製せずに使用した。
LCMS(方法C):m/z 362(M+H)(ES)、1.58分及び1.61分時、UV不活性。
【0426】
粗tert−ブチル2−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(想定1.0mmol)を、ジオキサン中4M塩化水素(1.2mL、5.2mmol)に溶解し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空除去し、残渣をDCM(10mL)に溶解し、NEt(0.70mL、5.0mmol)を加えた。クロロギ酸エチル(0.14mL、1.5mmol)を滴加し、溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(水溶液)(40mL)に注ぎ入れ、DCM(4×40mL)で抽出し、合一した
DCM層をBiotageフェーズセパレータに通した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、40mL/分、勾配:DCM中0%〜10%MeOH)によって精製して、エチル2−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの分離不可能な混合物を得た。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−NX 5μm C18
110A Axiaカラム、100×30mmを使用し、30mL/分で14.4にわたり25〜55%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、エチル2−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−36異性体1、(0.026g、8%)を無色の固体として、エチル2−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−36異性体2、(0.026g、8%)を無色の固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0427】
経路g
実施例1−51、エチル2−{4−[1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるDMF中の水素化ナトリウムを使用してイミダゾール含有化合物をアルキル化するための典型的な手順
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(150mg、0.45mmol)のジアステレオマーの混合物を無水DMF(3mL)に溶解し、水素化ナトリウムの60%鉱油懸濁物(27mg、0.68mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。2−ブロモエチルメチルエーテル(0.051mL、0.54mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮してDMFを除去した。残渣をMeOHに溶解し、フラッシュシリカ(5mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、DCM中0〜20%溶媒A、ここで、溶媒AはMeOH中10%の(7M NH3/MeOH)である)によって精製して、エチル2−{4−[1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(159mg、90%)のジアステレオマーの混合物を得た。この混合物をMeOHに溶解し、溶液を分取逆相HPLCによって精製した。これには、Phenomenex Gemini−NX 5μm C18
110A Axiaカラム、100×30mmを使用し、30mL/分で14.4分にわたり15〜45%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、エチル2−{4−[1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−51異性体1、(54mg、31%)及びエチル2−{4−[1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−
アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−51異性体2、(27mg、15%)を得た。
異性体2に関するデータは表3にある。
【0428】
経路h
実施例1−52、エチル2−{4−[1−(シアノメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるDMF中の炭酸カリウムを使用してイミダゾール含有化合物をアルキル化するための典型的な手順
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(150mg、0.45mmol)のジアステレオマーの混合物を無水DMF(3mL)に溶解した。炭酸カリウム(187mg、1.4mmol)及びブロモアセトニトリル(0.114mL、1.6mmol)を加え、混合物を室温で二晩撹拌した。混合物を濃縮してDMFを除去した。残渣をMeOHに溶解し、フラッシュシリカ(5mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、DCM中0〜20%溶媒A、ここで、溶媒AはMeOH中10%の(7M NH3/MeOH)である)によって精製して、エチル2−{4−[1−(シアノメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(91mg、54%)のジアステレオマーの混合物を得た。この混合物をMeOHに溶解し、溶液を分取逆相HPLCによって精製した。これには、Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mmを使用し、30mL/分で14.4分間にわたって15〜45%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集して、エチル2−{4−[1−(シアノメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−52異性体1、(8mg、5%)及びエチル2−{4−[1−(シアノメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−52異性体2、(5mg、3%)を得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0429】
経路i
実施例1−53、(2−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸、及び実施例1−54、エチル2−(4−{1−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−1H−イミダゾール−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを調製するための手順
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(500mg、1.5mmol)のジアステレオマーの混合物を、DMF(10mL)中の水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(90mg、2.3mmol)及びブロモ酢酸メチル(0.171mL、1.8mmol)と、経路gの方法を使用して反応させて、エチル2−{4−[1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(393mg、65%)のジアステレオマーの混合物を得た。
LCMS(方法C):m/z 405(M+H)(ES)、1.12及び1.17分時、弱UV活性。
【0430】
エチル2−{4−[1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(180mg、0.45mmol)のジアステレオマーの混合物を、THF(4mL)及びHO(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(75mg、1.8mmol)と室温で5日間撹拌した。混合物を濃縮してTHFを除去し、1MのHCl水溶液で酸性化し、濃縮して、(2−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸(0.4g、100%超)のジアステレオマーの粗混合物を得た。おおよそ0.2gのこの混合物をMeOHに溶解し、溶液を分取逆相HPLCによって精製した。これには、Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mmを使用し、30mL/分で14.4分間にわたって5〜15%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、(2−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸、実施例1−53異性体1、(30mg、17%)及び(2−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸、実施例1−53異性体2、(22mg、13%)を得た。
異性体2に関するデータは表3にある。
【0431】
残りの(2−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸のジアステレオマーの粗混合物、実施例1−53、(0.2g、想定0.22mmol)をDMF(3mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.155mL、0.89mmol)
とメタノール(2M、0.33mL、0.66mmol)中のメチルアミンの溶液とで処理した。次いで、HATU(0.127g、0.33mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮してDMFを除去し、残渣をDCM及びMeOHの混合物に溶解し、フラッシュシリカ(10mL)で濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å]、30mL/分、DCM中0〜20%溶媒A、ここで、溶媒AはMeOH中10%の(7M NH/MeOH)である)によって精製して、エチル2−(4−{1−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−1H−イミダゾール−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの混合物を得た。この混合物をMeOHに溶解し、溶液を分取逆相HPLCによって精製した。これには、Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mmを使用し、30mL/分で14.4分間にわたって15〜45%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、エチル2−(4−{1−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−1H−イミダゾール−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−54異性体1、(9mg、4%)及びエチル2−(4−{1−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−1H−イミダゾール−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−54異性体2、(6mg、3%)を得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0432】
経路j
実施例1−70、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるカルバメート形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
4−ニトロフェニル2−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.125g、0.294mmol)を無水THF(4mL)に懸濁し、超音波処理して溶解を引き起こした。60%鉱油懸濁物の水素化ナトリウム(0.026g、0.647mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で10分間撹拌した。エタノール−1,1−2,2,2−d5(0.150g、2.94mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。水(1mL)を反応混合物に加え、溶媒を真空除去した。残渣をDCM(20mL)と飽和NaHCO(水溶液)(10mL)に分配し、水層をDCM(2×10mL)で抽出した。有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:0%〜10%MeOH/DCM])によって精製した。残渣を分取逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mm、30mL/分で14.4分間かけて20〜50%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)
である]、210nmでモニターすることによって画分を収集する)によってさらに精製して、()エチル2−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−70異性体1、(0.017g、17%)を白色固体として、()エチル2−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例1−70異性体2、(0.013g、13%)を白色固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0433】
経路k
実施例2−2、エチル2−[4−(1−ホルミルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるホルムアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
ギ酸(2mL)及び無水酢酸(0.1mL、1.43mmol)の混合物を60℃で1時間撹拌し、次いで、反応物を0℃まで冷却し、THF(2mL)中のエチル2−(4−(ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(100mg、0.30mmol)のジアステレオマーの混合物を滴加した。結果得られた反応混合物を60℃で8時間撹拌し、塩基性pHに調整し、次いで、反応混合物をHO(40mL)とEtOAc(25mL)に分配した。水層をEtOAc(2×25mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、150×30mm、5μm、40mL/分、勾配:アセトニトリル/水中30%(12.00分間)、100%(14.00分間)、次いで、30%(14.01分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、エチル2−[4−(1−ホルミルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−2異性体1(14.6mg、13.0%)を黄色ゴム質として、エチル2−[4−(1−ホルミルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−2異性体2(12.5mg、11.1%)を黄色ゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0434】
経路L
実施例2−4、エチル2−{4−[1−(トリフルオロアセチル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化98】
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エチル2−(4−(ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ
[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(50mg、0.15mmol)及びNEt(0.06mL、0.45mmol)をTHF(3mL)に室温で溶解した。エチル2,2,2−トリフルオロ酢酸(0.03mg、0.22mmol)を滴加し、結果得られた反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物をHO(40mL)とEtOAc(25mL)に分配し、水層をEtOAc(2×25mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させた(dried ove)。溶媒を真空除去し、残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、150×30mm、5μm、40mL/分、勾配:アセトニトリル/水中30%(12.00分間)、100%(14.00分間)、次いで30%(14.01分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、エチル2−{4−[1−(トリフルオロアセチル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−4異性体−1(5.5mg、8.0%)を黄色ゴム質として、エチル2−{4−[1−(トリフルオロアセチル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−4異性体−2(6.2mg、9.7%)を黄色ゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0435】
経路m
実施例2−17、エチル2−{4−[(2S)−1−(メチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアミド/カルバメート/尿素形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化99】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(2.10g、5.65mmol)のジアステレオマーの混合物をDCM(20mL)及びトリエチルアミン(1.54mL、11.1mmol)に溶解した。メチルアミノホルミルクロリド(Methylaminoformyl chloride)(620mg、6.63mmol)を加え、溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を1MのNaOH(水溶液)(50mL)に注ぎ入れ、DCM(2×50mL)で抽出し、合一したDCM抽出物を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、次いで、Biotageフェーズセパレータに通し、真空濃縮して、エチル2−{4−[(2S)−1−(メチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを黄色固体として、及びジアステレオマーの混合物(1.79g、82%)として提供した。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−NX C18カラム、100×30mmを使用し、18mL/分で、HO中25〜35%MeCN/0.2%アンモニア(v/v)で溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、実施例2−17異性体1、エチル2−{4−[(2S)−1−(メチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.78g、36%)を無色の油状物質として、実施例2−17異性体2、エチル2−{4−[(2S)−1−(メチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.67g、31%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0436】
経路n
実施例2−19、エチル2−{4−[1−(エチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される尿素/カルバメート形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化100】
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エチル2−(4−(ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(100mg、0.30mmol)のジアステレオマーの混合物、ジエチルアミン(0.3mL、0.60mmol)及びNEt(0.1mL、0.90mmol)をDCE(5mL)に室温で溶解した。CDI(145mg、0.60mmol)を加え、反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物をHO(40mL)とEtOAc(25mL)に分配し、水層をEtOAc(2×25mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空除去し、残渣を分取HPLC[逆相HPLC(X−BRIDGE、C−18、250×19mm、5μm、15mL/分、勾配:MeCN/水中30.0%〜38.0%(25.0分間)、100.0%(3.0分間)、次いで30.0%(2.0分間)、0.1%NH]によって精製して、エチル2−(4−(1−(エチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−19異性体−1(実施例219異性体−1)、(7.5mg、6.20%)を黄色ゴム質として、エチル2−(4−(1−(エチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−19異性体2、(8.1mg、6.60%)を黄色ゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0437】
経路o
実施例2−22、エチル2−[4−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートによって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化101】
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エチル2−(4−(ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(200mg、0.60mmol)のジアステレオマーの混合物及びホルムアルデヒド(40%溶液、1.01mL、3.60mmol)をHO(2mL)に25℃で溶解した。ギ酸(0.303mL、0.90mmol)を滴加し、結果得られた混合物を70℃で14時間撹拌した。反応混合物をNaHCO溶液(5mL)でクエンチし、次いで反応混合物をHO(50mL)とEtOAc(35mL)に分配した。水層をEtOAc(2×35mL)でさらに抽出し、有機
層を合一し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣を分取HPLC[逆相HPLC(X−Bridge、C−18、250×19.0mm、5μm、14mL/分、勾配:MeCN/水中37%(28.0分間)、100%(4.0分間)、次いで37%(3.0分間)、0.1%NH]によって精製して、エチル2−(4−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−22異性体1(12mg、5.80%)を黄色ゴム質として、エチル2−(4−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−22異性体2(11mg、5.30%)を黄色ゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0438】
経路p
実施例2−23、エチル2−{4−[1−(N−メチルグリシル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化102】
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N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N−メチルグリシン(73mg、0.33mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、その後HATU(170mg、0.45mmol)及びDIPEA(0.2mL、0.90mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、その後エチル2−(4−(ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(100mg、0.30mmol)のジアステレオマーの混合物を加え、結果得られた反応混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物をHO(50mL)とEtOAc(35mL)に分配し、水層をEtOAc(2×35mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去した。最後に、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、塩基性アルミナ(normal basic alumina)、活性、DCM中0.5%〜1.0%MeOH)によって精製して、エチル2−(4−(1−(N−((ベンジルオキシ)カルボニル)−N−メチルグリシル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(130mg、80.74%)を褐色ゴム質として得た。エチル2−(4−(1−(N−((ベンジルオキシ)カルボニル)−N−メチルグリシル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(130mg、0.24mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、その後、Pd/C(乾燥基準、13mg)を加えた。次いで、反応物をHガスでパージし、結果得られた反応混合物を25℃で10時間撹拌した。反応混合物をセライトプラグに通して濾過し、メタノールで洗浄し、次いで濾過物をNaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC[逆相HPLC(X−BRIDGE、C−18、250×19mm、5μm、15mL/分、勾配:MeCN/水中20.0%〜35.0%(30.0分間)、100.0%(3.0分間)、次いで20.0%(2.0分間)、0.1%NH]によって精製して、エチル2−(4−(1−(メチルグリシル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−23異性体1、(
9.0mg、9.27%)を黄色ゴム質として、エチル2−(4−(1−(エチルカルバモイル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−23異性体2、(8.0mg、8.50%)を黄色ゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0439】
経路q
実施例2−27、エチル2−{4−[(2S)−1−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される尿素形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化103】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(100mg、0.291mmol)のジアステレオマーの混合物をDCM(5mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.099mL、0.58mmol)に溶解した。トリホスゲン(88mg、0.291mmol)を0℃で加え、溶液を室温まで加温し1時間撹拌した。次いで、混合物をDCM(50mL)で希釈し、HO(70mL)で洗浄した。水層をDCM(2×50mL)で抽出し、合一したDCM抽出物をNaSOで乾燥させ、真空濃縮した。残渣をDCM(5mL)に溶解し、アゼチジン(0.020mL、0.291mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.256mL、1.48mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をDCM(50mL)で希釈し、HO(70mL)で洗浄した。水層をDCM(2×50mL)で抽出し、合一したDCM抽出物をNaSOで乾燥させ、真空濃縮して、エチル2−{4−[(2S)−1−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを黄色固体として、及びジアステレオマーの混合物として提供した。残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×20mm、5μm、18.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜50%(15.0分間)、0.1%アンモニア及びHO中0.1%アンモニアによって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(アゼチジン−1−カルボニル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−27異性体1(20mg、16.12%)を無色のゴム質として、実施例2−27異性体2(20mg、16.12%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0440】
経路r
実施例2−42、エチル2−(4−{(2S)−1−[エチル(プロパン−2−イル)カルバモイル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、及び実施例2−138、エチル2−{4−[(2S)−1−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される尿素形成及び脱水を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化104】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(164mg、0.403mmol)のジアステレオマーの混合物をDCM(2mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.209mL、1.21mmol)に溶解した。トリホスゲン(43mg、0.145mmol)を0℃で加え、溶液を室温まで加温し、18時間撹拌した。この混合物にカルバジン酸tert−ブチル(108mg、0.82mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.142mL、0.82mmol)を加え、反応物を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和NaHCO(水溶液)(2×20mL)で洗浄した。水層をDCM(20mL)で抽出し、合一したDCM抽出物を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、次いでBiotageフェーズセパレータに通し、真空濃縮して、エチル2−{4−[(2S)−1−(ブチルカルバゾイル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートを黄色油状物質として、及びジアステレオマーの混合物(192mg、97%)として提供した。
LCMS(方法D):m/z 494(M+H)(ES)、1.83及び1.87分時、UV不活性。
【0441】
粗生成物を、ジオキサン中4M塩化水素(2.0mL、8.0mmol)及びDCM(1mL)に溶解した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、揮発性物質を真空除去してから、反応混合物をDCM(2mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.142mL、0.82mmol)に再溶解した。塩化アセチル(0.031mL、0.428mmol)を0℃で加え、溶液を室温まで加温し、2時間撹拌した。揮発性物質を真空除去し、さらなる精製を行わずに次のステップに用いた。残渣をトルエン(2mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.135mL、0.78mmol)に溶解し、0℃まで冷却した。塩化ホスホリルを加え(0.182mL、1.945mmol)、反応物を110℃で30分間撹拌してから、反応物を室温まで冷却し、氷水(20mL)でクエンチした。次いで、混合物をDCM(20mL)で希釈し、1MのNaOH(水溶液)(2×20mL)で洗浄した。水層をDCM(3×20mL)で抽出し、合一したDCM抽出物を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、次いでBiotageフェーズセパレータに通し、真空濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製した。これには、Phenomenex Gemini−NX C18カラム、100×30mmを使用し、18mL/分でHO中25〜45%MeCN/0.2%アンモニア(v/v)で溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、実施例2−42異性体1、エチル2−(4−{(2S)−1−[エチル(プロパン−2−イル)カルバモイル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレー
ト(1.7mg、1%)を無色の油状物質として、実施例2−42異性体2、エチル2−(4−{(2S)−1−[エチル(プロパン−2−イル)カルバモイル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(1.6mg、1%)を無色の油状物質として、実施例2−138異性体1、エチル2−{4−[(2S)−1−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(3.9mg、2.5%)を無色の油状物質として、実施例2−138異性体2、エチル2−{4−[(2S)−1−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(3.0mg、2%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0442】
経路s
実施例2−47、エチル2−(4−{(2S)−1−[(2−フルオロエトキシ)カルボニル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるカルバメート形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化105】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.15g、0.44mmol)のジアステレオマーの混合物及びジイソプロピルエチルアミン(0.152mL、0.89mmol)をDCM(5mL)に溶解し、次いで、反応混合物を0℃まで冷却した。2−フルオロクロロギ酸エチル(0.062g、0.492mmol)を加え、結果得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とDCM(50mL)に分配し、水層をDCM(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×20mm、5μm、18.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜35%(52分間)、0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニアによって精製して、エチル2−(4−{(2S)−1−[(2−フルオロエトキシ)カルボニル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−47異性体−1(17mg、8.9%)を黄色ゴム質として、エチル2−(4−{(2S)−1−[(2−フルオロエトキシ)カルボニル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−47異性体−2(19mg、10%)を黄色ゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0443】
経路t
実施例2−52、エチル2−{4−[(2S)−1−(ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化106】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.2g、0.541mmol)のジアステレオマーの混合物及びトリエチルアミン(0.152mL、1.1mmol)をDCM(5mL)に溶解し、次いで反応混合物を0℃まで冷却し、塩化アセトキシアセチル(0.080g、0.591mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を真空除去し、次いで、残渣をアセトニトリル(25mL)及び20%NaOH水溶液(10mL)に溶解し、それを室温で1時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とDCM(50mL)に分配し、水層をDCM(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去し、残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×20mm、5μm、18.0mL/分、勾配:0%〜30%(35.0分間)、アセトニトリル中0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニアによって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(2−ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−52異性体1(8mg、8.3%)を無色のゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(2−ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−52異性体2(12mg、12.24%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0444】
経路u
実施例2−53、エチル2−{4−[(2S)−1−(3,3,3−トリフルオロプロパノイル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化107】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.12g、0.36mmol)のジアステレオマーの混合物及びジイソプロピルエチルアミン(0.123mL、0.71mmol)をDCM(10mL)に溶解し、その後トリフルオロプロパニオン酸(trifluoropropanioic acid)(0.045g、0.394mmol)を加えた。反応混合物を0℃まで冷却し、プロピルホスホン酸無水物を加え(0.140g、0.462mmol 50%EtOAc溶液)、結果得られた反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をHO(20mL)とDCM(50mL)に分
配し、水層をDCM(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×20mm、5μm、18.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜30%(27.0分間)、0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニアによって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(3,3,3−トリフルオロプロパノイル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−53異性体1(9mg、6.0%)を無色のゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(3,3,3−トリフルオロプロパノイル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−53異性体2(9mg、6.0%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0445】
経路v
実施例2−58、エチル2−{4−[(2S)−1−プロパンチオイルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるローソン試薬を介してチオアミドを調製するための典型的な手順
【化108】
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エチル2−{4−[(2S)−1−プロパノイルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.341g、0.87mmol)をTHF(4mL)に溶解し、その後ローソン試薬(0.265g、0.65mmol)を加えた。反応混合物を70℃で24時間撹拌した。揮発性物質を真空除去し、反応混合物を1MのNaOH(水溶液)(50mL)とDCM(30mL)に分配し、水層をDCM(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、5%ピロ亜硫酸ナトリウム(水溶液)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLCによって精製した。これには、Phenomenex Gemini−NX C18カラム、100×30mmを使用し、18mL/分でHO中25〜45%MeCN/0.2%アンモニア(v/v)で抽出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、実施例2−58異性体1、エチル2−{4−[(2S)−1−プロパンチオイルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(14.1mg、4%)を黄色油状物質として、実施例2−58異性体2、エチル2−{4−[(2S)−1−プロパンチオイルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(7.6mg、2%)を黄色油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0446】
経路w
実施例2−61、エチル2−{4−[(2S)−1−エチルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化109】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.100g、0.29mmol)のジアステレオマーの混合物及び炭酸カリウム(0.123mg、0.89mmol)をDMF(5mL)に溶解し、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。次いで、ヨードエタンを加え(0.049g、0.31mmol、反応混合物を100℃で62時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、150×19mm、5μm、20mL/分、勾配:アセトニトリル/水中35%(0.01分間)、100%(25.01分間)、次いで35%(30.00分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−エチルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−61異性体1(43mg、38.8%)を無色のゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−エチルピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−61異性体2(26mg、23.1%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0447】
経路x
実施例2−62、エチル2−(4−{(2S)−1−[3−(ピリジン−2−イル)プロパノイル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートによって例示されるアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化110】
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0℃のDCM(2mL)中の塩化オキサリル(0.065mL、0.768mmol)の溶液に2−ピリジンプロピオン酸(106mg、0.704mmol)及びDMF(1滴)を加えた。エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(262mg、0.640mmol)のジアステレオマーの混合物をDCM(1mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.355mL、2.049mmol)に溶解し、上記溶液に加え、それを室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を1MのNaOH(水溶液)(50mL)に注ぎ入れ、DCM(2×50mL)で抽出し、合一したDCM抽出物を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、次いでBiotageフェーズセパレータに通し、真空濃縮して、エチル2−(4−{(2S)−1−[3−(ピリジン−2−イル)プロパノイル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カル
ボキシレートを黒色油状物質として、及びジアステレオマーの混合物(0.245g、82%)として提供した。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−NX C18カラム、100×30mmを使用し、18mL/分でHO中25〜45%MeCN/0.2%アンモニア(v/v)で溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、実施例2−62異性体1、エチル2−(4−{(2S)−1−[3−(ピリジン−2−イル)プロパノイル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.042g、14%)を無色の油状物質として、実施例2−62異性体2、エチル2−(4−{(2S)−1−[3−(ピリジン−2−イル)プロパノイル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.030g、10%)を無色の油状物質として得た。2に関するデータは表3にある。
【0448】
経路y
実施例2−65、エチル2−{4−[(2S)−1−{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−β−アラニル}ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、及び実施例2−66、エチル2−{4−[(2S)−1−(β−アラニル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアミド形成及びCBZ脱保護を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化111】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(100mg、0.298mmol)のジアステレオマーの混合物及びDIPEA(0.102mL、0.597mmol)をCHCl(5mL)に溶解し、0℃まで冷却し、Z−β−アラ−OH(0.066g、0.298mmol)を加え、その後プロパンホスホン酸無水物(0.123g、0.388mmol、50%酢酸エチル溶液)を加えた。結果得られた反応混合物を25℃で3時間撹拌し、HO(70mL)とCHCl(50mL)に分配し、水層をCHCl(2×50mL)でさらに抽出した。合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去して、エチル2−{4−[(2S)−1−{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−β−アラニル}ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(100mg、71.4%)を無色のゴム質として得た。これを実施例2−66の合成のために精製を行わずに直接使用した。
LCMS(方法I):m/z 541(M+H)(ES+)4.38及び4.51分時
、UV不活性。
【0449】
残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×20mm、5μm、18.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜50%(15.0分間)、0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニアによって精製することができ、エチル2−{4−[(2S)−1−{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−β−アラニル}ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−65異性体1(20mg、12.5%)を無色のゴム質として、エチル2−{4−[(2S)−1−{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−β−アラニル}ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−65異性体2(20mg、12.5%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0450】
エチル2−{4−[(2S)−1−{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−β−アラニル}ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(100mg、0.185mmol)のジアステレオマーの混合物をTFA(2.0mL)に溶解した。結果得られた溶液を80℃で3時間撹拌し、真空濃縮し、残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×19mm、5μm、13.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜30%(30.0分間)、0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニアによって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(3−アミノプロパノイル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−66異性体1(2mg、2.63%)を無色のゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(3−アミノプロパノイル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−66異性体2(3mg、4.0%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0451】
経路z
実施例2−68、エチル2−{4−[(2S)−1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化112】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(100mg、0.27mmol)のジアステレオマーの混合物をMeCN(5mL)に溶解し、CSCO(290mg、0.89mmol)を加え、その後2−ヨード−1−フルオロエタン(56mgg、0.32mmol)を加え、反応混合物を50℃で16時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)と酢酸エチル(50mL)に分配し、水層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×19mm、5μm、15.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜40%(19分間)、0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニア]によって精製して
、エチル(S)−2−(4−(1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−68異性体1(25mg、25%)を黄色がかったゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(2−フルオロエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−68異性体2(20mg、20.3%)を黄色がかったゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0452】
経路aa
実施例2−69、エチル2−{4−[(2S)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化113】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.100g、0.29mmol)のジアステレオマーの混合物及びDIPEA(0.112g、0.87mmol)をTHF(5mL)に溶解し、60℃で2時間撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.067g、0.29mmol)を0℃で滴加し、結果得られた反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、250×19mm、5μm、12mL/分、勾配:アセトニトリル/水中45%(0.01分間)、100%(30.00分間)、次いで45%(32.00分間)、0.1%アンモニアによって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−69異性体1(0.003g、2.4%)を無色のゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−69異性体2(0.002mg、1.6%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0453】
経路ab
実施例2−70、エチル2−{4−[(2S)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化114】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.100g、0.29mmol)のジアステレオマーの混合物及びKCO(0.123g、0.89mmol)をMeCN(5mL)に溶解し、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(0.066g、0.29mmol)を0℃で滴加し、結果得られた混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、250×19mm、5μm、15mL/分、勾配:アセトニトリル/水中60%(0.01分間)、100%(14.01分間)、次いで60%(23.00分間)、0.1%アンモニアによって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−70異性体1(0.005g、3.9%)を無色のゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−70異性体2(0.005mg、3.9%)を無色のゴム質として得た。異性体1及び異性体2に関するデータは表3にある。
【0454】
経路ac
実施例2−72、エチル(S)−2−(4−(1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化115】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.100g、0.29mmol)のジアステレオマーの混合物及びDIPEA(0.14mL、0.87mmol)をMeCN(5mL)に溶解し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。ブロモ酢酸メチル(0.044g、0.29mmol)を滴加し、結果得られた反応混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去した。残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、250×19mm、5μm、15mL/分、勾配:アセトニトリル/水中48%(0.01分間)、100%(11.1分間)、48%(48.00分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(2−メトキシ−2−オ
キソエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−72異性体1(0.012g、9.9%)を無色のゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−72異性体2(0.013mg、10.7%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0455】
経路ad
実施例2−72、エチル2−(4−{(2S)−1−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]ピロリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.100g、0.29mmol)のジアステレオマーの混合物及びNEt(0.087g、0.85mmol)をジオキサン(5mL)に溶解し、反応混合物を60℃で30分間撹拌した。2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド(0.036g、0.29mmol)を0℃で滴加し、結果得られた混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とEtOAc(50mL)に分配し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮した。残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、250×19mm、5μm、14mL/分、勾配:アセトニトリル/水中20%(0.01分間)、40%(36.00分間)、100%(44.00分間)、次いで20%(52.00分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、エチル(S)−2−(4−(1−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−72異性体1(0.002g、1.6%)を黄色ゴム質として、エチル(S)−2−(4−(1−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ピロリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−72異性体2(0.002mg、1.6%)を黄色ゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0456】
経路ae
実施例2−76、エチル2−{4−[2−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される還元的アミノ化、Boc脱保護及び尿素/アミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化117】
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DCM(5mL)中のtert−ブチル1−(ピペリジン−4−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(135mg、0.45mmol)及びエチル3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(88mg、0.890mmol)の溶液に、Ti(OPr)(0.40mL、1.34mmol)を0℃で加え、反応混合物を1時間撹拌した。Na(OAc)BH(283mg、1.34mmol)を反応混合物に少量ずつ加え、0℃で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、DCM(3×30mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:DCM中5%〜10%メタノール]によって精製して、tert−ブチル1−(1−(6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)ピペリジン−4−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(35mg、75%)を無色の液体として得た。
MS(ESI+ve):484
【0457】
1,4−ジオキサン(10mL)中のtert−ブチル1−(1−(6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)ピペリジン−4−イル)イソインドリン−2−カルボキシレート(290mg、0.61mmol)の溶液に、ジオキサン中HCl(4M、5mL)を0℃でゆっくりと加え、混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を真空蒸発させた。固体残渣をジエチルエーテルで研和して、エチル2−(4−(イソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(250mg、cr)を灰白色固体として得た。
MS(ESI+ve):384
H−NMR(400 MHz; DMSO−−d) δ: 1.15(t, J = 6.9
Hz, 3H), 1.16 − 1.26(m, 1H), 1.70 − 1.90(m, 5H
), 1.95 − 2.28(m, 5H), 3.49 − 3.72(m, 4H), 3.60
− 3.72(m, 4H), 3.98 − 4.15(m, 2H), 4.13(q, J = 6.9 Hz, 2H), 4.45 − 4.59(m, 2H), 7.37 − 7.49(m,
5H), 9.54, 10.19(2br.s., 2H)。
【0458】
DCM(5mL)中のエチル2−(4−(イソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(240mg、0.40mmol)の溶液に、DIPEA(0.43mL、2.38mmol)を0℃で加えた。この反応混合物に、メチルカルバミン酸クロリド(methylcarbamic chloride)(67mg、0.72mmol)を加え、室温で16時間撹
拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、水層をDCM(2×20mL)で抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[順相、シリカゲル(100〜200メッシュ)、勾配:DCM中5%〜10%メタノール]によって精製して、エチル2−(4−(2−(メチルカルバモイル)−イソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートをジアステレオマーの混合物(130mg、48%)として、ねばねばした液体として得た。
LCMS(方法M):m/z 441(M+H)(ES+)、1.97及び1.99分時、UV活性。
H−NMR(400 MHz; DMSO−d):δ: 1.15(t, J = 6.
9 Hz, 3H), 1.16 − 1.26(m, 4 H), 1.49 − 1.90(m, 5H), 1.91 − 2.01(m, 2H), 2.62(d, J = 3.9 Hz, 3 H), 2.70 −2.90(m, 2H), 3.09 − 3.25(m, 4H), 3.97(
q, J = 6.8 Hz, 2H), 4.45 − 4.59(m, 2H), 5.01 − 5
.09(m, 1H), 6.27(br.s., 1H), 7.22 − 7.32(m, 4H)。
【0459】
分取HPLC(73.0mg提出、Gilsonセミ分取HPLCシステム−デュアルピストンポンプ331及び332、171ダイオードアレイ検出器及びGX−271リキッドハンドラーを含む、溶媒:水性=水+0.2%アンモニア(28%アンモニア溶液)及び有機物=アセトニトリル、勾配:水中20〜50%有機物溶液、流速:30mL/分、カラム:Gemini−NX、C18、5μ、100×30mm)を使用したジアステレオマーの分離により、エチル2−(4−(2−(メチルカルバモイル)−イソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−76異性体1(8.99mg、12.3%)を無色のゴム質として、エチル2−(4−(2−(メチルカルバモイル)−イソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−76異性体2(10.9mg、14.9%)を無色のゴム質として得た。異性体1及び異性体2に関するデータは表3にある。
【0460】
経路af
実施例2−77、エチル2−{4−[(2S)−1−フェニルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるピロリジンをアリール化するための典型的な手順
【化118】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.100g、0.27mmol)のジアステレオマーの混合物をDCM(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(54mg、0.54mmol)を加え、その後(1R,5S)−3−フェニル−2,4−ジオキサ−3−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−7−オン(J.Luoら、Tetrahedron Letters 54(2013),4505−4508を参照、58mg、0.53mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、HO(70mL)とDCM(100mL)に分配した。水層をDCM(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を除去し、残渣を分取
HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×19mm、5μm、15.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜30%(21.0分間)、0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニアによって精製して、エチル2−{4−[(2S)−1−フェニルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−77異性体1(10mg、13%)をゴム質として、エチル2−{4−[(2S)−1−フェニルピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−77異性体2(10mg、13%)をゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0461】
経路ag
実施例2−78、メチル2−{4−[(2S)−1−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるDMF中の炭酸セシウム及びヨウ化銅を使用して複素環を有するピロリジン含有化合物をアリール化するための典型的な手順
【化119】
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メチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.120g、0.37mmol)のジアステレオマーの混合物、CsCO(0.361g、1.1mmol)及びCuI(0.105g、0.50mmol)をDMF(5mL)に溶解し、室温で30分間撹拌した。次いで、2−ブロモピリジン(0.058g、0.37mmol)を加え、結果得られた混合物を100℃で18時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とEtOAc(50mL)に分配した。水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を濃縮によって除去し、残渣を分取HPLC(X Bridge、C−18、150×19mm、5μm、13mL/分、勾配:アセトニトリル/水中40%〜100%(20分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、メチル2−{4−[(2S)−1−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−78異性体1(0.011g、2%)をゴム質として、メチル2−{4−[(2S)−1−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−2−yl]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−78異性体2(0.09mg、2%)をゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0462】
経路ah
実施例2−81、エチル2−{4−[(2S)−1−(ピリミジン−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるエタノール中の炭酸ナトリウムを使用して複素環を有するピロリジン含有化合物をアリール化するための典型的な手順
【化120】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.100g、0.29mmol)のジアステレオマーの混合物及びNaCO(0.092g、0.87mmol)をエタノール(10mL)に溶解し、室温で30分間撹拌した。次いで、2−クロロピリミジン(0.034g、0.29mmol)を0℃で加えた。結果得られた反応混合物を80℃で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、ジクロロメタンを加えた。混合物を濾過し、濾過物を濃縮し、分取HPLC(X Bridge、C−18、150×19mm、5μm、15mL/分、勾配:アセトニトリル/水中38%(0.01分間)、42%(15.00分間)、100%(19.00分間)、次いで38%(23.00分間)、0.1%アンモニア]によって精製して、エチル2−{4−[(2S)−1−(ピリミジン−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−81異性体1(0.031g、25%)をゴム質として、エチル2−{4−[(2S)−1−(ピリミジン−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−81異性体2(0.017mg、14%)をゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0463】
経路ai
実施例2−82、エチル2−{4−[(2S)−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるDMF中の炭酸セシウムを使用して複素環を有するピロリジン含有化合物をアリール化するための典型的な手順
【化121】
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エチル2−{4−[(2S)−ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩のジアステレオマーの混合物、中間体127、(100mg、0.27mmol)をDMF(5mL)に溶解し、CSCO(260mg、0.81mmol)をそれに加え、その後2−ブロモチアゾール(58mg、0.29mmol)を加えた。反応混合物を90℃で16時間撹拌した。反応混合物をHO(70mL)とEtOAc(50mL)に分配した。水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を濃縮によって除去し、残渣を分取HPLC[逆相HPLC(CHIRALPAK AD−H、C−18、250×19mm、5μm、15.0mL/分、勾配:アセトニトリル中0%〜30%(21.0分間)、0.1%アンモニア及び水中0.1%アンモニアによって精製して、エチル2−{4−[(2S)−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−
6−カルボキシレート、実施例2−82異性体1(20mg、18%)を無色のゴム質として、エチル2−{4−[(2S)−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−82異性体2(6mg、6%)を無色のゴム質として得た。異性体1及び異性体2に関するデータは表3にある。
【0464】
経路aj
実施例2−84、エチル2−{4−[(2R)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される脱保護及び還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化122】
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tert−ブチル4−[(2R)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.396g、1.26mmol)をDCM(1mL)に溶解し、その後ジオキサン中HCl(3mL、4.0M溶液)を滴加した。結果得られた反応混合物を室温で1時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに用いた。
【0465】
メチル1−ピペリジン−4−イル−D−プロリネート塩酸塩(0.358g、1.26mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.266g、1.26mmol)をDMF(4mL)に室温で溶解し、DIPEA(0.435mL、2.510mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、STAB(0.533g、2.518mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−NX C18カラム、100×30mmを使用し、18mL/分でHO中25〜45%MeCN/0.2%アンモニア(v/v)で溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、実施例2−84異性体1、エチル2−{4−[(2R)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(18.4mg、4%)を無色の油状物質として、実施例2−84異性体2、エチル2−{4−[(2R)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(13.9mg、3%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0466】
経路ak
実施例2−85、エチル2−{4−[(2S)−2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化123】
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(S)−N−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドジヒドロクロリド(0.2g、0.94mmol)、NEt(0.75mL、5.0mmol)、6−(エトキシカルボニル)−2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−8−イリウム(0.188g、0.93mmol)及びZnCl(30mg、0.02mmol)をMeOH(15.00mL)に窒素下で溶解し、50〜60℃で1時間撹拌した。NaCNBH(0.069g、1.0mmol)を0〜10℃で少量ずつ加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(2×50mL)と水(30mL)に分配し、有機層を合一し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を真空除去し、粗生成物を分取HPLC[逆相HPLC(X−Bridge PREP C18、250×19mm、5μm、15mL/分、勾配:アセトニトリル中30%〜100%(22分間)、次いで100%(2分間)、0.1%NHによって精製して、実施例2−85異性体1、エチル(S)−2−(4−(2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.09g、24.32%)を白色固体として、実施例2−85異性体2、エチル(S)−2−(4−(2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.089g、24.10%)を白色固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0467】
経路ap
実施例2−87、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される脱保護及び水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化124】
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tert−ブチル4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.36g、1.03mmol)をジオキサン中4.0MのHCl(10mL)に溶解し、反応混合物を室温で6時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をさらなる精製を行わずに次のステップで使用した。粗反応混合物及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.243g、1.233mmol)をDCE(10mL)に室温で溶解し、EtN(0.249g、2.47mmol)を加えた。反応混合物を50℃窒素下で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷酢酸(0.114g、1.90mmol)及びSTAB(0.784g、3.69mmol)を加え、反応混合物を50℃窒素
下で一晩撹拌した。水(2mL)を加えて反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去した。残渣をDCM(15mL)と飽和NaHCO(水溶液)(15mL)に分配し、水層をDCM(2×15mL)で洗浄した。有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:1%〜10%MeOH/DCM])によって精製した。残渣を分取逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mm、30mL/分で14.4分間にわたって20〜50%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集する)によってさらに精製して、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−87異性体1(0.020g、4.5%)、及びエチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−87異性体2(0.020g、4.5%)を得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0468】
経路am
実施例2−88、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される脱保護及びアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの混合物、実施例2−87、(0.400g、0.932mmol)をTHF(8mL)に溶解し、1MのLiOH(水溶液)(1.9mL)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を2.0MのHCl溶液を使用して中和し、溶媒を真空除去した。残渣をトルエンで共沸して、1−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−4,4−ジフルオロ−D−プロリン(0.440g、100%)を黄色ガラスとして得た。
LCMS(方法C):m/z 416(M+H)+(ES+)0.71分時、UV不活性
【0469】
1−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−4,4−ジフルオロ−D−プロリン(0.193g、0.466mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、HATU(0.533g、1.398mmol)、THF(2.3mL、2.33mmol)中の2.0Mメチルアミン溶液及びDIPEA(0.301g、2.33mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCM(20mL)と飽和NaHCO(水溶液)(20mL)に分配し、水層をDCM(2×15mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和
食塩水(20mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:0%〜10%MeOH/DCM])によって精製した。残渣を分取逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mm、30mL/分で14.4分間にわたって20〜50%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集する)によってさらに精製して、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−88異性体1、(0.038g、18%)を無色の油状物質として、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−88異性体2、(0.037g、18%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0470】
経路an
実施例2−90、エチル2−{4−[(2R)−2−カルバモイル−4,4−ジフルオロピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2−{4−[(2R)−2−メトキシカルボニル−4,4−ジフルオロピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(456mg、1.062mmol)のジアステレオマーの混合物をTHF(1mL)及び28%NH溶液(9mL)に60℃で混合し、反応物を18時間撹拌した。反応混合物を1MのHCl(水溶液)で中和し、DCM(25mL)で希釈し、HO(2×25mL)で洗浄し、合一した水層をDCM(25mL)で洗浄し、合一した有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して橙色の油状物質(0.290g、65%)を得た。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−NX C18カラム、100×30mmを使用し、18mL/分でHO中20〜45%MeCN/0.2%アンモニアを含む(v/v)で溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、実施例2−90異性体1、エチル2−{4−[(2R)−2−カルバモイル−4,4−ジフルオロピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(16.8mg、4%)を無色の油状物質として、実施例2−90異性体2、エチル2−{4−[(2R)−2−カルバモイル−4,4−ジフルオロピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(12.4mg、3%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0471】
経路ao
実施例2−91、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4
]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される、加水分解及びアミド形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化127】
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エチル2−{4−[(2R)−2−メトキシカルボニル−4,4−ジフルオロピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(230mg、0.536mmol)のジアステレオマーの混合物をTHF(6.5mL)及び1.0MのLiOH溶液(1.1mL、1.1mmol)に室温で溶解し、反応物を18時間撹拌した。揮発性物質を真空下で除去し、化合物をさらなる精製を行わずに通した。
【0472】
1−{1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−イル}−4,4−ジフルオロ−D−プロリン(125mg、0.300mmol)をDMF(1mL)に溶解し、その後HATU(228mg、0.60mmol)及びDIPEA(0.260mL、1.50mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、その後メトキシアミン塩酸塩(25mg、0.30mmol)を加え、結果得られた反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、次いで、飽和NaHCO3(水溶液)(50mL)とDCM(50mL)に分配し、水層をDCM(2×50mL)でさらに抽出し、有機層を合一し、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、Biotageフェーズセパレータに通した。揮発性物質を真空下で除去して、橙色の油状物質(0.102g、77%)を得た。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−NX C18カラム、100×30mmを使用し、18mL/分でHO中20〜50%MeCN/0.2%アンモニア(v/v)で溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、実施例2−91異性体1、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(12.2mg、4%)を無色の油状物質として、実施例2−91異性体2、エチル2−{4−[(2R)−4,4−ジフルオロ−2−(メトキシカルバモイル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(7.2mg、3%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0473】
経路ap
実施例2−111、エチル2−[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジン−
1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される脱保護及び水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
1−ピペリジン−4−イルピロリジン−2−オン(0.200g、1.19mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.212g、1.14mmol)をDMF(6mL)に室温で溶解し、反応混合物を40℃窒素下で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、STAB(0.630g、2.97mmol)及び氷酢酸(0.071g、1.189mmol)を加え、反応混合物を40℃窒素下で一晩撹拌した。水(2mL)を冷却した反応混合物に加え、溶媒を真空除去した。残渣をDCM(15mL)と飽和NaHCO(水溶液)(15mL)に分配し、水層をDCM(2×15mL)で洗浄した。有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil
10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:1%〜10%MeOH/DCM])によって精製した。残渣を分取逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mm、30mL/分で14.4分間にわたって20〜35%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒Bは、HO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集する)によってさらに精製して、エチル2−[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−111異性体1、(0.008g、2%)を無色の油状物質として、エチル2−[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−111異性体2、(0.009g、2%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0474】
還元的アミノ化において使用されたアミンが、(BOCまたはCbzなどの標準的なアミン保護基で)保護された第二のアミン基を含有する場合。ひとたび、還元的アミノ化が行われて標的のさらなる機能分化を可能にしたら、脱保護するための標準的な方法を使用してこれらの保護基を除去することができる。
【0475】
経路aq
実施例2−124、エチル2−[4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される還元的アミノ化、Boc脱保護及び尿素形成を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化129】
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エチル2−(4−オキソピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.316g、1.00mmol)及びtert−ブチル(2−アミノエチル)カルバメート(0.320g、2.00mmol)をDCM(10mL)にN下室温で溶解し、NEt(0.15mL、1.10mmol)を加え、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。酢酸(0.13mL、2.20mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し、STAB(0.530g、2.50mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(30mL)の添加でクエンチし、DCM(4×25mL)で抽出し、合一したDCM層をBiotageフェーズセパレータに通し、真空濃縮して、粗エチル2−[4−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートをジアステレオマーの混合物として得た。これをいかなるさらなる精製も行わずに使用した。
LCMS(方法D):m/z 425(M+H)(ES+)、1.30及び1.35分時、UV不活性。
【0476】
粗エチル2−[4−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.424g、1.00mmol)をCHCl(10mL)に溶解し、ジオキサン中4M塩化水素(1.25mL、5.0mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を真空除去し、残渣をEtOH(10mL)に溶解し、NEt(1.40mL、10.0mmol)及びCDI(0.244g、1.50mmol)を加え、混合物を加熱還流し一晩維持した。溶媒を真空除去し、残渣(resiude)をCHCl(20mL)と水(20mL)に分配し、水層をCHCl(4×20mL)で抽出した。合一した有機物を真空濃縮して、粗エチル2−[4−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートをジアステレオマーの混合物として得た。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−N C18カラム、150×21mmを使用し、18mL/分で0.2%NH/HO中25〜45%MeCNで溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、エチル2−[4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−124異性体1、(0.008g、2.3%)を無色の固体として、エチル2−[4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−124異性体2、(0.008g、2.3%)を無色の固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0477】
経路ar
実施例2−136、エチル2−{4−[(2R,4R)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるエステル還元を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化130】
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エチル2−{4−[(2R,4R)−4−フルオロ−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.140g、0.341mmol)のジアステレオマーの混合物を無水THF(10mL)に溶解し、0℃まで窒素下で冷却した。THF(1.02mL、1.023mmol)中の2.0M水素化ホウ素リチウム溶液を反応混合物に滴加し、次いで反応混合物を室温まで一晩自然に温めた。反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)(15mL)でクエンチし、次いでEtOAc(2×15mL)で抽出し、有機層を合一し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:0%〜10%MeOH/DCM])によって精製した。残渣を分取逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX 5μm C18
110A Axiaカラム、100×30mm、30mL/分で14.4分間にわたって20〜50%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒Bは0.2%の(HO中28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集する)によってさらに精製して、エチル2−{4−[(2R,4R)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−136異性体1、(2.99mg、0.23%)を白色固体として、エチル2−{4−[(2R,4R)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例2−136異性体2、(3.10mg、0.24%)を白色固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0478】
経路as
実施例3−4、エチル2−[4−(3−ヒドロキシピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるDMF中の水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化131】
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2−(ピペリジン−4−イル)ピリジン−3−オールジヒドロクロリド(0.20g、0.8mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.157g、0.8mmol)をDMF(8mL)に室温で混合した。DIPEA(0.28mL、1.6mmol)及びAcOH(0.07mL、1.2mmol)を加え、その後STAB(0.34g、1.6mmol)を加えた。反応混合物を
窒素下、室温で一晩撹拌し、次いで少量のMeOHの添加でクエンチし、真空濃縮してすべての溶媒を除去した。残渣をMeOH及びDCMの混合物に溶解し、フラッシュシリカ(約10mL)で真空濃縮した。結果得られた粉末をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、30mL/分、勾配:15カラム容量にわたってDCM中0%〜15%溶媒A、ここで、溶媒AはMeOH中10%の(7M NH/MeOH)である])によって精製して、ジアステレオマーの粗混合物を得た(0.258g)。この混合物をMeOHに溶解し、少量の28%NH/HOを加え(約0.1mL)、溶液を分取逆相HPLCによって精製した。これには、Phenomenex Gemini−NX 5μm C18
110A Axiaカラム、100×30mmを使用し、30mL/分で14.4分間にわたって15〜25%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、230nmでモニターすることによって画分を収集した。そしてエチル2−[4−(3−ヒドロキシピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例3−4異性体1、(0.034g、12%)、及びエチル2−[4−(3−ヒドロキシピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例3−4異性体2、(0.052g、18%)を得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0479】
経路at
実施例3−10、エチル2−[4−シアノ−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化132】
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4−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル塩酸塩(0.187g、1.0mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.197g、1.0mmol)をDCM(10mL)にN下室温で溶解し、NEt(0.15mL、1.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、酢酸(0.13mL、2.2mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。STAB(0.636g、3.0mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(30mL)の添加でクエンチし、DCM(4×25mL)で抽出し、合一したDCM層をBiotageフェーズセパレータに通した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、40mL/分、勾配:DCM中0%〜10%MeOH)によって精製して、エチル2−[4−シアノ−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの分離不可能な混合物を得た。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−N C18カラム、150×21mmを使用し、18mL/分で25〜65%MeOH/HOで溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、エチル2−[4−シアノ−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例3−10異性体1、(0.012g、3%)を無色の固体として、エチル2−[4−シアノ−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例3−
10異性体2、(0.014g、4%)を無色の固体として得た。両異性体に関するデータは表3にある。
【0480】
経路au
実施例4−5、エチル2−(1−エチル−2−オキソ−3,4’−ビピペリジン−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化133】
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エチル2−(2−オキソ−[3,4’−ビピペリジン]−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−1、(0.2g、0.55mmol)、をDMF(3mL)に溶解し、0〜5℃に冷却した。水素化ナトリウム(0.080g、1.6mmol)及びヨードエタン(0.139g、0.8mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(3×30mL)で抽出し、合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空濃縮して、粗エチル2−(1−エチル−2−オキソ−3,4’−ビピペリジン−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートをジアステレオマーの混合物として得た。粗生成物を分取HPLC[X−Bridge C18(150×19mm、5μm、17mL/分、勾配:アセトニトリル中27%〜100%(30分間)、次いで100%(4分間)、0.1%NHによって精製して、エチル2−(1−エチル−2−オキソ−[3,4’−ビピペリジン]−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−5異性体−1(0.011g、5.11%)を無色のゴム質として、エチル2−(1−エチル−2−オキソ−[3,4’−ビピペリジン]−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−5異性体−2(0.012g、5.80%)を無色のゴム質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0481】
経路av
実施例4−8、エチル2−[4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化134】
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1−(ピペリジン−4−イル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(0.183g、1.0mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.197g、1.0mmol)をDCM(10mL)にN下室温で溶解し、酢酸(0.13mL、2.2mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。STAB(0.530g、2.5mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)(30mL)の添加でクエンチし、DCM
(4×25mL)で抽出し、合一したDCM層をBiotageフェーズセパレータに通した。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、40mL/分、勾配:DCM中0%〜10%MeOH)によって精製して、エチル2−[4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートのジアステレオマーの分離不可能な混合物を得た。分取HPLCを使用してジアステレオマーを分離した。これには、Phenomenex Gemini−N C18カラム、150×21mmを使用し、18mL/分で0.2%NH/HO中15〜30%MeCNで溶出し、210nmでモニターすることによって画分を収集した。そして、エチル2−[4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−8異性体1、(0.028g、7.7%)を無色の固体として、エチル2−[4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−8異性体2、(0.025g、6.9%)を無色の固体として得た。
両異性体に関するデータは表3にある。
【0482】
経路aw
実施例4−13、エチル2−(3,3−ジフルオロ−1,4’−ビピペリジン−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される脱保護及び水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化135】
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tert−ブチル3,3−ジフルオロ−1,4’−ビピペリジン−1’−カルボキシレート(0.347g、1.14mmol)をジオキサン中4.0MのHCl(5mL)に溶解し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をさらなる精製を行わずに次のステップで使用した。粗反応混合物及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.212g、1.14mmol)をDMF(6mL)に室温で溶解し、DIPEA(0.295g、2.28mmol)を加えた。反応混合物を50℃窒素下で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷酢酸(0.068g、1.14mmol)及びSTAB(0.604g、2.85mmol)を加え、反応混合物を50℃窒素下で一晩撹拌した。水(2mL)を冷却した反応混合物に加え、溶媒を真空除去した。残渣をDCM(15mL)と飽和NaHCO(水溶液)(15mL)に分配し、水層をDCM(2×15mL)で洗浄した。有機層を合一し、Biotageフェーズセパレータカートリッジに通すことによって乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g 40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配:1%〜10%MeOH/DCM])によって精製した。残渣を分取逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mm、30mL/分で14.4分間にわたって30〜60%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集する)によってさらに精製して、エチル2−(3,3−ジフルオロ−1,4’−ビピペリジン−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オク
タン−6−カルボキシレート、実施例4−13異性体1、(0.011g、2.6%)を無色の油状物質として、エチル2−(3,3−ジフルオロ−1,4’−ビピペリジン−1’−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−13異性体2、(0.005g、1.3%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0483】
経路ax
実施例4−16、エチル2−[(2R)−2−(メチルカルバモイル)−1,4’−ビピペリジン−1’−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示される還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
DCM(7.5mL)中の(R)−N−メチル−[1,4’−ビピペリジン]−2−カルボキサミド(200mg、0.890mmol)及びエチル3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(175mg、0.890mmol)の溶液に、Ti(OiPr)(0.80mL、2.67mmol)を0℃で加え、反応混合物を1時間撹拌した。Na(OAc)BH(562mg、2.67mmol)を該反応混合物に少量ずつ加え、0℃で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、DCM(3×30mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。残渣を分取HPLC(逆相、X BRIDGE、C−18、19×250mm、5μ、勾配:5mM NHOAcを含有する水中10%〜90%ACN、によって精製して、25mg(7%)のエチル2−[(2R)−2−(メチルカルバモイル)−1,4’−ビピペリジン−1’−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−16異性体−1、及び25mg(7%)のエチル2−[(2R)−2−(メチルカルバモイル)−1,4’−ビピペリジン−1’−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例4−16異性体−2を無色の半固体として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【0484】
経路ay
実施例5−1、エチル2−[4−(2−オキソアゼパン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例示されるアルキル化、結晶化及び水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム還元的アミノ化を介してピペリジンを調製するための典型的な手順
【化137】
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THF(2mL)中の4−アミノ−1−Boc−ピペリジン(200mg、1.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.153mL、1.1mmol)及び6−ブロモヘキサノイルクロリド(0.168mL、1.098mmol)を加え、濁った懸濁液を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をHO(15mL)とEtOAc(25mL)に分配し、水層をEtOAc(2×25mL)で抽出し、有機層を合一し、NaSOで乾燥させ、溶媒を真空除去して、tert−ブチル4−[(6−ブロモヘキサノイル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(378mg、99%超)を橙色の油状物質として得た。
【0485】
tert−ブチル4−[(6−ブロモヘキサノイル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(378mg、1.0mmol)をDMF(25mL)に溶解し、水素化ナトリウムを加えた(48mg、1.2mmol)。反応混合物を80℃で1時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g、40〜63μm、60Å、25mL/分、DCM中1%〜10%MeOH])によって精製して、tert−ブチル4−(2−オキソアゼパン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(178mg、60%)を得た。残渣をDCM(1mL)に溶解し、その後、ジオキサン中HCl(3mL、4.0M溶液)を滴加した。結果得られた反応混合物を室温で1時間撹拌し、溶媒を真空除去し、残渣をさらなる精製を行わずに次のステップに用いた。1−(ピペリジン−4−イル)アゼパン−2−オン塩酸塩(0.182g、0.738mmol)及びエチル2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.155g、0.785mmol)をDMF(2mL)に室温で溶解し、DIPEA(0.136mL、0.790mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、STAB(0.332g、1.569mmol)を加え、反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を分取逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX 5μm C18 110A Axiaカラム、100×30mm、30mL/分で14.4分間にわたって25〜45%MeCN/溶媒Bで溶出し[ここで、溶媒BはHO中0.2%の(28%NH/HO)である]、210nmでモニターすることによって画分を収集する)によって精製して、エチル2−[4−(2−オキソアゼパン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例5−1異性体1(6.2mg、2%)を無色の油状物質として、エチル2−[4−(2−オキソアゼパン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、実施例5−1異性体2(3.9mg、1%)を無色の油状物質として得た。異性体2に関するデータは表3にある。
【表2-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
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【表2-5】
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【表2-6】
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【表2-7】
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【表2-8】
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【表2-9】
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【表2-10】
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【表2-11】
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【表2-12】
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【表2-13】
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【表2-14】
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【表2-15】
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【表2-16】
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【表2-17】
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【表2-18】
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【表2-19】
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【表2-20】
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【表2-21】
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【表2-22】
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【表2-23】
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【表3-1】
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【表3-2】
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【表3-3】
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【表3-4】
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【表3-5】
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【表3-6】
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【表3-7】
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【表3-8】
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【表3-9】
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【表3-10】
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【表3-11】
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【表3-12】
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【表3-13】
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【表3-14】
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【表3-15】
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【表3-16】
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【表3-17】
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【表3-18】
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【表3-19】
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【表3-20】
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【表3-21】
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【表3-22】
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【表3-23】
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【表3-24】
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【表3-25】
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【表3-26】
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【表3-27】
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【表3-28】
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【表3-29】
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【表3-30】
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【表3-31】
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【表3-32】
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【表3-33】
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【表3-34】
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【表3-35】
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【表3-36】
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【表3-37】
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【表3-38】
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【表3-39】
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【表3-40】
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【表3-41】
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【表3-42】
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【表3-43】
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【表3-44】
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【表3-45】
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【表3-46】
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【表3-47】
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【表3-48】
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【表3-49】
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【表3-50】
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【表3-51】
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【表3-52】
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【表3-53】
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【表3-54】
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【表3-55】
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【表3-56】
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【表3-57】
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【0486】
生物活性
実施例A
ホスホ−ERK1/2アッセイ
Alphascreen Surefire ホスホ−ERK1/2アッセイ(Crouch & Osmond,Comb.Chem.High Throughput Screen,2008)を用いて機能アッセイを行った。ERK1/2リン酸化は、Gq/11及びGi/oタンパク質共役型受容体の両方の活性化の結果として下流で起きるため、M、M(Gq/11結合)及びM、M受容体(Gi/o結合)の評価には、異なる受容体サブタイプに対する異なるアッセイ形式を使用するより非常に好適である。ヒトムスカリンM、M、MまたはM受容体を安定的に発現するCHO細胞を、MEM−アルファ+10%透析FBS中、96ウェル組織培養プレートに蒔いた(25K/ウェル)。ひとたび接着したら、細胞を一晩血清飢餓させた。アゴニスト刺激を5μLのアゴニストを細胞に5分間(37℃)添加することにより行った。培地を除去し、50μLの溶解緩衝液を加えた。15分後、4μLの試料を384ウェルプレートに移し、7μLの検出混合物を加えた。プレートを暗所で穏やかに撹拌しながら2時間インキュベートし、次いでPHERAstarプレートリーダーで読み取った。
【0487】
各受容体サブタイプについて得られたデータからpEC50及びEmaxの数字を算出した。
【0488】
結果を下記表4に示す。
【0489】
各実施例について、別段の記載がない限り、分離されている2つのジアステレオマーが存在し、LCMS分析結果上のそれらの保持時間に基づいて割り当てた。大半の実施例では、異性体1は活性でない。活性異性体に関する分析データは表3に報告している。いくつかの弱活性化合物に関するデータは表4に含まれて絶対立体化学の優先を強調する。
【表4-1】
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【表4-2】
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【表4-3】
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【表4-4】
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【表4-5】
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【表4-6】
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【表4-7】
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【0490】
実施例B
受動的回避
試験は、Foleyら、(2004)Neuropsychopharmacologyにより以前記載されたように実施した。受動的回避課題では訓練から6時間後にスコポラミンを投与(1mg/kg、腹腔内)して動物に本パラダイムの健忘を起こさせた。強制経口投与により訓練期間の90分前に3mg/kg、10mg/kg及び30mg/kg(経口)の用量範囲の遊離塩基を投与して調査した。
【0491】
実施例1−33異性体2は、本パラダイムのスコポラミン誘発性健忘症を用量依存様式で回復させ、おおよそのED50が約10mg/kg(経口)であることが見出された。30mg/kgの作用は、陽性対照としたコリンエステラーゼ阻害剤ドネペジル(0.1mg/kg、腹腔内)により生成された作用と同様であった(図1)。
【0492】
実施例C
ラットにおけるd−アンフェタミン誘発性運動亢進に及ぼす新規試験化合物及びキサノメリンの作用
本試験の目的は、ラットにおけるd−アンフェタミン誘発性運動亢進に及ぼす新規化合物の作用を検査することである。統合失調症は、複合的な多機能疾患であり、単一の実験手法によって完全に表すことはできない。抗精神病剤様行動を、d−アンフェタミンにより誘発される運動亢進(または自発運動の亢進)の阻害によりラットにおいて評価した。この手法は、臨床的に適切であるドーパミン受容体アンタゴニストに感受性であり、それゆえドーパミン作動性シグナル伝達に影響するムスカリンアゴニストと比較するのに適すると考えられる。d−アンフェタミン誘発性運動亢進を有意に低減させると事前に観察されたある用量のキサノメリンを陽性対照として採用した。典型的に、統計学的解析には、3元配置共分散分析またはロバスト回帰を必然的に含み、これは処置、日及びラックを因子として、処置の前30分間の活性を共変数とし、その後に適切な多重比較試験を含んだ。0.05未満のP値を統計学的に有意であるとみなし、それにしたがって全ての後続の数字に記す。
【0493】
実施例1−21異性体2、1−32異性体2、1−33異性体2、2−7異性体2及び
2−17異性体2に関するデータを図2に示す。
【0494】
実施例D
医薬製剤
(i)錠剤製剤
式(1)、(1a)または(1b)の化合物を含有する錠剤組成物は、50mgの本化合物を、希釈剤としての197mgのラクトース(BP)及び滑沢剤としての3mgのステアリン酸マグネシウムと混合し、既知の様式で圧縮して錠剤を形成することにより調製する。
【0495】
(ii)カプセル製剤
カプセル製剤は、100mgの式(1)、(1a)または(1b)の化合物を、100mgのラクトース及び任意選択的に1重量%のステアリン酸マグネシウムと混合し、結果得られた混合物を標準的な不透明硬質ゼラチンカプセルに充填することにより調製する。
【0496】
本明細書の開示は以下の発明の態様を包含する:
態様1
式(1b)の化合物:
【化138】
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またはその塩であって、
式中、Qは、N、O及びSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子環員を含有する任意選択的に置換されている5または6または7員の複素環であり;
は、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−9非芳香族炭化水素基から選択され、1、2、または3個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
は、水素、または1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基であり、1または2個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
点線は随意の第二の炭素−炭素結合を示すが、第二の炭素−炭素結合が存在するときにはRは存在しない、
前記化合物またはその塩。
態様2
式1
【化139】
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により表される態様1に記載の化合物またはその塩であり、
式中、Qは、N、O及びSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を含有する5または6員の単環式複素環式の環であり;
は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から選択され;
は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;及びC1−6非芳香族炭化水素基から選択されるか;またはR及びRは1つに接合して6員の融合芳香族環を形成することができ;
は、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;アミノ;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−9非芳香族炭化水素基から選択され、1、2、または3個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
は、水素、または1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基であり、1または2個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
、R及びRは、同じであるかまたは異なり、それぞれは、水素、1つまたは複数のフッ素原子で任意選択的に置換されている非芳香族C1−4炭化水素基、または式CHN(R)COORの基から独立して選択され;
は、水素及び非芳香族C1−4炭化水素基から選択され;
は、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換されている非芳香族C1−4炭化水素基であり;
点線は随意の第二の炭素−炭素結合を示すが、第二の炭素−炭素結合が存在するときにはRは存在しない、
前記化合物またはその塩。
態様3
Qが、芳香族複素環である、態様1または2に記載の化合物。
態様4
Qが、1または2個の窒素原子を含有する芳香族複素環である、態様3に記載の化合物。
態様5
Qが、(i)イミダゾール環または(ii)ピラゾール環である、態様4に記載の化合物。
態様6
Qが、(i)ピペリジン−2−オン環または(ii)ピロリジン環である、態様1または2に記載の化合物
態様7
Qが、5、6または7員の不飽和複素環である、態様1に記載の化合物。
態様8
部分:
【化140】
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が、基AAA〜ACB、BAA〜BCZ、CAA〜CBX、DAA〜DBGまたはEAB〜EABから選択される、態様1に記載の化合物。
態様9
Qは、二環式であるかまたは(L)−R10、(L)−R11及び(L)−R12から選択される1つまたは複数の基で置換されており、ここでLは、結合またはCH基であり;R10、R11及びR12は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR15;NR1516;COR15;CSR15;COOR15;COSR15;OCOR15;NR17COR15;CONR1516;CSNR1516;NR17CONR1516;R17COOR15;OCONR1516;SR15;SOR15;SO15;1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);及び、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環から独立して選択され;
前記任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は、水素;フッ素;塩素;臭素;シアノ;オキソ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;OCONR;SR;SOR及びSO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−6非芳香族炭化水素基からなる基Rから選択され、1または2個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子は、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよく;
15、R16及びR17は同じであるかまたは異なり、または1つに接合して環を形成してよく、それぞれは、水素、1つまたは複数のフッ素原子で任意選択的に置換されている非芳香族C1−6炭化水素基(1または2個の、しかし全部ではない、前記炭化水素基の炭素原子が、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択されるヘテロ原子によって任意選択的に置き換えられてよい);または式CHN(R)COORの基;または式(L)−R18の基、ここでLは、結合またはCH基であり、R18は、O、N及びSならびにそれらの酸化形態から選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換されている5または6員の環である、から独立して選択され;
前記任意選択的に置換されている5または6員の環に対する随意の置換基は基Rから選択される、態様1または7のいずれかに記載の化合物。
態様10
が、水素;フッ素;シアノ;ヒドロキシ;OR;NR;COR;COOR;OCOR;NRCOR;CONR;NRCONR;NRCOOR;SO;及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4非芳香族炭化水素基から選択される、態様2〜9のいずれか一項に記載の化合物。
態様11
が、水素;NH、COR;COOR及び1〜6個のフッ素原子で任意選択的に置換されているC1−4飽和非芳香族炭化水素基から選択され、RがC1−4アルキルから選択される、態様10に記載の化合物。
態様12
が、水素;メチル;エチル;COOMe;COOEt;COMe;COEt;CONH;CF;CONHMe;CON(Me);COCF;CO−シクロプロピル;CO−シクロブチル;CONHEt;COH;NH及びOMeから選択される、態様11に記載の化合物。
態様13
が水素である、態様2〜12のいずれか一項に記載の化合物。
態様14
が存在し、前記随意の第二の炭素−炭素結合が存在しない、態様1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
態様15
が、水素;フッ素;ヒドロキシル、メトキシ及びシアノから選択される、態様14に記載の化合物。
態様16
が水素である、態様15に記載の化合物。
態様17
が、水素及びメチルから選択される、態様1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
態様18
実施例1−21、1−32、1−33、1−47、1−61、2−7、2−16、2−12、2−87、2−109、2−113、2−114、2−115、2−116、2−127、2−135、2−136、3−10、4−1または5−2から選択される、態様1に記載の化合物。
態様19
下記:
【表5-1】
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【表5-2】
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【表5-3】
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【表5-4】
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【表5-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-10】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-11】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-12】
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【表5-13】
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【表5-14】
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から選択される、態様1に記載の化合物。
態様20
医薬品において使用するための、態様1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
態様21
態様1〜19のいずれか一項において定義する化合物を含む医薬組成物及び医薬的に許容され得る賦形剤。
態様22
ムスカリンM1受容体及び/またはM4受容体アゴニスト活性を有する、態様1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
態様23
本明細書内の実施形態1.1〜1.180、2.1〜2.36、3.1及び4.1〜4.3のいずれか一つに定義される発明。
態様24
認知障害または精神病性障害の処置において使用するため、または急性、慢性、神経因性、または炎症性疼痛を処置するまたはそれらの重症度を軽減するための、態様1〜19に記載の化合物。
態様25
アルツハイマー病、レビー小体型認知症及び他の認知障害の処置における使用について、または急性、慢性、神経因性、または炎症性疼痛の処置または重症度の軽減について、または処置嗜癖(treatment addicition)について、または運動障害の処置について、前記M2及びM3受容体サブタイプと比較して前記M1受容体及び/または前記M1及びM4受容体に対して選択性を呈する、態様1〜19に記載の化合物。
態様26
統合失調症または他の精神病性障害における使用について、または急性、慢性、神経因性、または炎症性疼痛の処置または重症度の軽減について、または処置嗜癖について、または運動障害の処置について、前記M1、M2及びM3受容体サブタイプと比較して前記M4受容体受容体に対して選択性を呈する、態様1〜19に記載の化合物。
等価物
前述の例は、本発明を説明するために示すものであり、本発明の範囲に何らかの限定を加えるものと解釈してはならない。本発明の根底にある原理を逸脱することなく、上述し、例に示した本発明の具体的な実施形態に多くの修正及び変更をなすことができることが容易に明らかであるだろう。こうした修正及び変更の全ては、本出願に包含されると意図される。
図1
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図2-1】
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図2-2】
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