特許第6774518号(P6774518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボシュ ヘルス アイルランド リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6774518-安定化エフィナコナゾール組成物 図000012
  • 特許6774518-安定化エフィナコナゾール組成物 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774518
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】安定化エフィナコナゾール組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/454 20060101AFI20201019BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   A61K31/454
   A61K9/08
   A61K9/06
   A61K47/18
   A61K47/10
   A61K47/12
   A61P31/10
   A61P17/00
【請求項の数】19
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-41262(P2019-41262)
(22)【出願日】2019年3月7日
(62)【分割の表示】特願2016-546886(P2016-546886)の分割
【原出願日】2014年10月2日
(65)【公開番号】特開2019-108388(P2019-108388A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2019年4月5日
(31)【優先権主張番号】61/886,569
(32)【優先日】2013年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/922,867
(32)【優先日】2014年1月1日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519363845
【氏名又は名称】ボシュ ヘルス アイルランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】バット バルシャ
(72)【発明者】
【氏名】デサイ ナヤン
(72)【発明者】
【氏名】ピッライ ラダクリシュナン
【審査官】 鶴見 秀紀
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−508774(JP,A)
【文献】 米国特許第05449715(US,A)
【文献】 特開2001−288090(JP,A)
【文献】 特表平10−510837(JP,A)
【文献】 特表2012−516889(JP,A)
【文献】 東ドイツ特許41306号,1965年,(abstract)[on line]STN,CAPLUS,AN1966:35016,DN.64:35016
【文献】 Chem.Pharm.Bull.,1999年,Vol.47,No.10,pp.1417-1425
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 9/00−9/72
A61K 47/00−47/69
A61P 17/00
A61P 31/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、10〜80重量%のエタノール、水、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩を含む、液体または半固体の組成物であって、BHTおよびEDTAの塩の量が、該組成物が(i)最初の製剤時に無色であること、および(ii)少なくとも約40℃の温度で少なくとも3週間の保存後に無色または淡黄色であることを確実にするのに十分な量である、前記組成物。
【請求項2】
約1%以下の量の水を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約65℃の温度で1ヶ月間の保存後に無色または淡黄色である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
エフィナコナゾールの量が約8%(w/w)〜約12%(w/w)の範囲内である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
エフィナコナゾールの量が約10%(w/w)である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
BHTの量が約0.01%(w/w)〜約2%(w/w)の範囲内である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
EDTAの塩の量が約0.0001%(w/w)〜約1.5%(w/w)の範囲内である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
EDTAの塩の量が約0.0001%(w/w)〜約0.0005%(w/w)の範囲内である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
溶液として製剤化される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
EDTAの塩の量が約0.00025%(w/w)であり、かつBHTの量が約0.1%(w/w)である、請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
EDTAの塩の量が約0.01%(w/w)〜約1%(w/w)の範囲内である、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
ゲルとして製剤化される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
EDTAの塩の量が約0.1%(w/w)であり、かつBHTの量が約0.1%(w/w)である、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
約0.01%(w/w)クエン酸〜約1%(w/w)クエン酸をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
約0.05%(w/w)クエン酸〜約0.25%(w/w)クエン酸を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
約0.075%(w/w)クエン酸〜約0.15%(w/w)クエン酸を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
酢酸、乳酸、酒石酸およびサリチル酸を欠いている、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
爪の治療において効果的に吸収される薬学的に許容される製剤である、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
真菌感染を治療または予防するための、請求項18に記載の組成物を含む医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年10月3日に出願された米国特許仮出願第61/886,569号、および2014年1月1日に出願された米国特許仮出願第61/922,867号に対する優先権を主張し、これらの出願はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ケトコナゾール、イトラコナゾールおよびフルコナゾールなどのトリアゾール系抗真菌化合物が知られており、科学的研究、医薬開発および医療用途の対象となっている。このクラスの化合物は抗真菌活性を示すことが多いが、異なる種類の医薬製剤および治療では有効性および有用性の点で異なる。エフィナコナゾール(CAS登録番号 164650-44-6)は、爪真菌症の治療において活性を示したトリアゾールである。爪真菌症の治療におけるエフィナコナゾールおよび他のトリアゾール系抗真菌薬の局所送達に有用な製剤は、例えば、米国特許第8,486,978号(特許文献1)に記載されている。トリアゾール系有効成分を含む一部の製剤は、保存時に様々な程度の不安定性を示す。ある種の製剤は、1日または2日という短い保存期間内に変色し、黄色から深紅色または茶色の範囲の組成物の色をもたらすことが知られている。このような変色は、変色した組成物を自己投与することに気が進まない患者による組成物の処方使用を妨げるおそれがある。そのため、エフィナコナゾールなどのトリアゾールの安定化製剤が必要とされる。本発明はこの必要性に応えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,486,978号
【発明の概要】
【0004】
第1の局面において、本発明は、約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩を含む、液体または半固体の組成物を提供する。BHTおよびEDTAの塩の量は、当該組成物が(i)最初の製剤時に無色であること、および(ii)少なくとも約40℃の温度で少なくとも3週間保存した後に無色または淡黄色であることを確実にするのに十分な量である。いくつかの態様において、当該組成物は、約65℃の温度で1ヶ月間保存した後に無色または淡黄色である。
【0005】
いくつかの態様において、エフィナコナゾールの量は約8%(w/w)〜約12%(w/w)の範囲内である。いくつかの態様において、エフィナコナゾールの量は約10%(w/w)である。いくつかの態様において、エフィナコナゾールの量は、約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)の範囲内である。いくつかの態様において、エフィナコナゾールの量は約2%(w/w)である。
【0006】
いくつかの態様において、BHTの量は約0.01%(w/w)〜約2%(w/w)の範囲内である。
【0007】
いくつかの態様において、EDTAまたはEDTA塩の量は、約0.0001%(w/w)〜約1.5%(w/w)の範囲内である。いくつかの態様において、EDTAまたはEDTA塩の量は、約0.0001%(w/w)〜約0.0005%(w/w)の範囲内である。いくつかの態様において、当該組成物は溶液として製剤化される。いくつかの態様において、EDTAまたはEDTA塩の量は約0.00025%(w/w)であり、かつBHTの量は約0.1%(w/w)である。
【0008】
いくつかの態様において、EDTAまたはEDTA塩の量は、約0.01%(w/w)〜約1%(w/w)の範囲内である。いくつかの態様において、当該組成物はゲルとして製剤化される。いくつかの態様において、EDTAまたはEDTA塩の量は約0.1%(w/w)であり、BHTの量は約0.1%(w/w)である。
【0009】
いくつかの態様において、当該組成物は、約0.01%(w/w)クエン酸〜約1%(w/w)クエン酸をさらに含む。いくつかの態様において、当該組成物は、約0.05%(w/w)クエン酸〜約0.25%(w/w)クエン酸を含む。いくつかの態様において、当該組成物は、約0.075%(w/w)クエン酸〜約0.15%(w/w)クエン酸を含む。
【0010】
いくつかの態様において、当該組成物の色は目視検査により判定される。いくつかの態様において、当該色は、UV-vis吸光度値を評価することにより判定される。
【0011】
いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月間保存した後、当該組成物は、400 nmで0.4 吸光度単位 (AU)以下、500 nmで0.1 AU以下、および/または600 nmで0.1 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月間保存した後、当該組成物は、400 nmで0.4 AU以下、500 nmで0.1 AU以下、および600 nmで0.1 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。
【0012】
いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月間保存した後、当該組成物は、400 nmで0.2 AU以下、500 nmで0.03 AU以下、および/または(iii)600 nmで0.03 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月間保存した後、当該組成物は、400 nmで0.2 AU以下、500 nmで0.03 AU以下、および600 nmで0.03 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。
【0013】
いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月間保存した後、当該組成物は、400 nmで0.1 AU以下、500 nmで0.01 AU以下、および/または(iii)600 nmで0.01 AU以下のUV-vis吸光度を示す。いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月間保存した後、当該組成物は、400 nmで0.1 AU以下、500 nmで0.01 AU以下、および(iii)600 nmで0.01 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。
【0014】
いくつかの態様において、当該組成物は、爪の治療において効果的に吸収される、薬学的に許容される製剤である。
【0015】
第2の局面において、本発明は、真菌感染を治療または予防する方法を提供する。当該方法には、治療的有効量の本発明の製剤をそのような治療を必要とする患者に投与する段階が含まれる。
[本発明1001]
約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩を含む、液体または半固体の組成物であって、BHTおよびEDTAの塩の量が、該組成物が(i)最初の製剤時に無色であること、および(ii)少なくとも約40℃の温度で少なくとも3週間の保存後に無色または淡黄色であることを確実にするのに十分な量である、前記組成物。
[本発明1002]
約65℃の温度で1ヶ月間の保存後に無色または淡黄色である、本発明1001の組成物。
[本発明1003]
エフィナコナゾールの量が約8%(w/w)〜約12%(w/w)の範囲内である、本発明1001または1002の組成物。
[本発明1004]
エフィナコナゾールの量が約10%(w/w)である、本発明1003の組成物。
[本発明1005]
エフィナコナゾールの量が約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)の範囲内である、本発明1001または1002の組成物。
[本発明1006]
エフィナコナゾールの量が約2%(w/w)である、本発明1005の組成物。
[本発明1007]
BHTの量が約0.01%(w/w)〜約2%(w/w)の範囲内である、本発明1001〜1006のいずれかの組成物。
[本発明1008]
EDTAの塩の量が約0.0001%(w/w)〜約1.5%(w/w)の範囲内である、本発明1001〜1007のいずれかの組成物。
[本発明1009]
EDTAの塩の量が約0.0001%(w/w)〜約0.0005%(w/w)の範囲内である、本発明1008の組成物。
[本発明1010]
溶液として製剤化される、本発明1009の組成物。
[本発明1011]
EDTAの塩の量が約0.00025%(w/w)であり、かつBHTの量が約0.1%(w/w)である、本発明1009または1010の組成物。
[本発明1012]
EDTAの塩の量が約0.01%(w/w)〜約1%(w/w)の範囲内である、本発明1008の組成物。
[本発明1013]
ゲルとして製剤化される、本発明1012の組成物。
[本発明1014]
EDTAの塩の量が約0.1%(w/w)であり、かつBHTの量が約0.1%(w/w)である、本発明1012または1013の組成物。
[本発明1015]
約0.01%(w/w)クエン酸〜約1%(w/w)クエン酸をさらに含む、本発明1001〜1014のいずれかの組成物。
[本発明1016]
約0.05%(w/w)クエン酸〜約0.25%(w/w)クエン酸を含む、本発明1015の組成物。
[本発明1017]
約0.075%(w/w)クエン酸〜約0.15%(w/w)クエン酸を含む、本発明1016の組成物。
[本発明1018]
前記組成物の色が目視検査により決定される、本発明1001〜1017のいずれかの組成物。
[本発明1019]
色がUV-vis吸光度値の評価により決定される、本発明1001〜1017のいずれかの組成物。
[本発明1020]
65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、400 nmで0.4吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.1 AU以下、および/または600 nmで0.1 AU以下のUV-vis吸光度値を示す、本発明1019の組成物。
[本発明1021]
65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、400 nmで0.4 AU以下、500 nmで0.1 AU以下、および600 nmで0.1 AU以下のUV-vis吸光度値を示す、本発明1020の組成物。
[本発明1022]
65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、400 nmで0.2 AU以下、500 nmで0.03 AU以下、および/または(iii)600 nmで0.03 AU以下のUV-vis吸光度値を示す、本発明1019の組成物。
[本発明1023]
65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、400 nmで0.2 AU以下、500 nmで0.03 AU以下、および600 nmで0.03 AU以下のUV-vis吸光度値を示す、本発明1022の組成物。
[本発明1024]
65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、400 nmで0.1 AU以下、500 nmで0.01 AU以下、および/または(iii)600 nmで0.01 AU以下のUV-vis吸光度を示す、本発明1019の組成物。
[本発明1025]
65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、400 nmで0.1 AU以下、500 nmで0.01 AU以下、および(iii)600 nmで0.01 AU以下のUV-vis吸光度値を示す、本発明1024の組成物。
[本発明1026]
爪の治療において効果的に吸収される薬学的に許容される製剤である、本発明1001〜1025のいずれかの組成物。
[本発明1027]
以下の段階を含む、真菌感染を治療または予防する方法:
本発明1026の製剤の治療的有効量をそのような治療を必要とする患者に投与する段階。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】保存時の不安定性のために様々なレベルの変色を示すエフィナコナゾール溶液を示す。
図2】(A) 400 nm、(B) 500 nm、および(C) 600 nmで測定した、様々なレベルの変色を示すエフィコナゾール溶液のUV-vis吸光度値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
I. 定義
本明細書で用いられる「薬学的組成物」という用語は、エフィナコナゾールなどの薬学的有効成分と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤(抗酸化剤、保存剤、担体等)とを含む混合物を指す。局所投与用の組成物は、溶液、スプレー、軟膏、ローション、ゲル、およびシャンプー等として製剤化される。「薬学的に許容される」組成物は、その中で担体、希釈剤および賦形剤などの置換成分が相互におよび有効成分と混合されている組成物である。薬学的に許容される組成物は、医薬品グレードの活性作用物質および賦形剤で作製されることが多い。薬学的に許容される組成物はその受容者に有害でないことが理解されよう。
【0018】
本明細書で用いられる「エフィナコナゾール」という用語は、KP-103としても知られる、(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-(4-メチレンピペリジン-1-イル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、およびその薬学的に許容される塩を指す。
【0019】
本明細書で用いられる「吸光度」という用語は、化合物または化合物の混合物により吸収される可視光または紫外線の量を指す。吸光度は、公知の技術によりUV可視光光度計を用いて決定することができる。
【0020】
本明細書で用いられる「保存」という用語は、制御されたまたは制御されていない条件下で数分から数ヶ月またはそれより長い範囲に及ぶ期間の組成物の保持を指す。制御できる保存条件には、例えば、温度、湿度および光のレベルが含まれる。多くの場合、薬学的製剤の保存は、工業的に許容される基準および/またはUS FDAなどの規制機関により命じられた基準に基づく。
【0021】
本明細書で用いられる「治療する」という用語は、症状を軽減、寛解、減少させること、または症状、病状もしくは病態を患者により許容できるものにすること;および症状または容態の頻度または期間を低下させることなどの、任意の客観的または主観的パラメータを含む、病態、病態または症状の治療または回復の成功の徴候を指す。症状の治療または回復は、例えば、理学的検査の結果を含む、任意の客観的または主観的パラメータに基づくことができる。疾患もしくは病態の「予防」または「防御」は、現在は疾患を有していないまたは病態を患っていない対象に組成物を投与することにより、病態または疾患の発症の確率を低下させること、疾患または病態の発症の時を遅らせること、続いて生じる徴候の期間を短縮すること、および/または続いて生じる病態の重症度を低下させることを意味する。予防には、これらに限定されないが、病態または疾患の将来の発生(または再発)の完全回避が含まれる。本発明は、ヒトにおける真菌状態を治療する方法および予防する方法のどちらも提供する。
【0022】
本明細書で用いられる「真菌感染」という用語は、ヒトまたは動物の皮膚または爪の上での真菌の望ましくない増殖を指す。真菌感染は典型的には、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、およびトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)等を含む真菌により引き起こされる。本発明の組成物は、例えば、爪真菌症、および頭部白癬および足白癬を含む種々の白癬タイプの真菌感染の治療で有用でありうる。
【0023】
数値を修飾するために本明細書で用いられる「約」および「およそ」という用語は、その明示値の周囲の近い範囲を示す。「X」が明示値であった場合、「約X」または「およそX」は、0.9Xから1.1Xまでの値、より好ましくは、0.95Xから1.05Xまでの値を示す。「約X」または「およそX」への任意の言及は、少なくとも値X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、および1.05Xを特に示す。よって、「約X」および「およそX」は、例えば、「0.98X」というクレーム限定に対する明細書のサポートを教示または提供することが意図される。
【0024】
II. 抗真菌組成物
第1の局面において、本発明は、約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩を含む組成物を提供する。当該組成物は、着色剤がない場合(通常このケースである)、最初の製剤時に無色であり、少なくとも3週間の保存期間の後、無色であるかまたは淡黄色を有する。本発明の文脈における組成物は典型的には、液体組成物(例えば、溶液)または半固体組成物(例えば、ゲル、軟膏、ローション、クリームまたは他の形態)である。
【0025】
組成物の色は、任意の適切な方法または方法の組み合わせにより判定できる。当該組成物は無色であるか、または淡黄色、黄色、橙色、琥珀色もしくは茶色などの色を有しうることが理解されよう。往々にして、本発明の組成物は最初に、色に関しては無色、さらに組成物の可視物質に関しては透過的または透明であるように製剤化される。好ましい組成物は、比較的高温(例えば、約65℃など、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約55℃またはそれより高い温度)である期間保存した後、無色透明なままである。1つの局面において、色は目視検査により判定することができる。目視検査には、幾人かの医薬製剤科学者または他の個人(例えば、2人、3人、4人、5人、10人、20人、30人、50人、またはそれよりさらに多くの個人)による独立した検証が含まれうる。ヒトによる目視検査は、色の判定を助ける基準(参考)の色サンプルに対する比較により行われうる。別の局面において、色の検査は、比色計などの任意の適切な手段により色を測定する装置の使用により、またはコンピュータによる色評価法により行うことができる。特定の局面において、色の判定は、UV/可視光スペクトル吸光度の測定により行われ、特にここでは、UV-vis吸光度の測定は、透明、淡黄色(または別の淡色)および容認できない色(暗い橙色など)の良い見本であると判定されている組成物に対して標準化されている。より特定の局面において、本発明は、65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に組成物が、400 nmで0.4吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.1 AU以下、および600 nmで0.1 AU以下からなる群より選択される1つまたは複数のUV-vis吸光度値を示すような組成物を提供する。
【0026】
構成成分
好ましい態様において、当該組成物は、約0.5%(w/w)〜約15%(w/w)のエフィナコナゾール(すなわち、KP-103としても知られる、(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-(4-メチレンピペリジン-1-イル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール)を含む。
【0027】
いくつかの態様において、本発明の組成物は、約1〜約12.5重量%のエフィナコナゾールを含む。エフィナコナゾールの量は、当該組成物の目的に適した任意の量であることができる。典型的には、エフィナコナゾールの量は、ヒト患者において治療的または予防的抗真菌作用をもたらすことができる量である。エフィナコナゾールの量は、当該組成物が、極性成分、非極性成分もしくはその混合物で主に構成されているかどうか、および/またはエフィナコナゾールAPIが当該組成物に溶解する程度など、当該組成物の性質により変化しうる。当該組成物は、例えば、当該組成物が主に極性成分を含む場合および/またはエフィナコナゾールが当該組成物に比較的高い溶解性を有する場合など、約1%〜約5%のエフィナコナゾールを含みうる。当該組成物は、当該組成物が著しく多くの非極性成分を含んでいる場合および/またはエフィナコナゾールが当該組成物に比較的低い溶解性を有する場合、約5%〜約10%のエフィナコナゾールを含みうる。いくつかの態様において、本発明は、約7.5%〜約10.0%のエフィナコナゾール、約10%〜約15%、約2%〜約8%のエフィナコナゾール、または約4%〜約6%のエフィナコナゾールを含む組成物を提供する。約0.5%〜約15%の間の他の範囲のエフィナコナゾールは、当該組成物における他の構成成分の固有の性質および量に応じて、適切なものになりうる。いくつかの態様において、当該組成物は、重量で約0.5%、0.75%、0.8%、0.9%、1%、1.25%、1.5%、1.75%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9,5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、または約15%のエフィナコナゾールを含む。
【0028】
当該組成物の構成成分の極性または非極性としての分類は、製剤科学者により判定することができる。一般に、極性溶媒は水と混和でき、非極性溶媒とは混和できない。薬学的製剤および他の製剤において通常見られる極性成分の例には、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、水、およびイソプロピルアルコールが含まれる。非極性成分の例には、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、ミリスチル ラクタート、ジイソプロピル アジパート、イソプロピル ミリスタート、およびシクロメチコンが含まれる。
【0029】
本発明の組成物は、当該組成物中のEDTAの量と組み合わせて、比較的高温(例えば、約40℃、約50℃、約60℃、約65℃、またはそれより高温)でも3週間、1ヶ月間またはそれより長い期間の後に、目視検査、UV可視光スペクトルデータ、または他の適切な色測定法により判定される無色または淡黄色を当該組成物が維持するようにエフィナコナゾール組成物の色安定性を維持することができる量のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む。BHTの量は、存在するEDTAの量、エフィナコナゾールの量、および当該組成物の性質、および当該組成物の他の構成成分により変動しうる。当該組成物は、例えば、約0.01%〜約2%のBHT、約0.01%〜約1%のBHT、約1%〜約2%のBHT、約0.5%〜約1.5%のBHT、または約0.75%〜約1.25%のBHTを含みうる。いくつかの態様において、当該組成物は、重量で約0.01%、0.05%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1.00%、1.05%、1.10%、1.15%、1.20%、1.25%、1.30%、1.35%、1.40%、1.45%、1.50%、1.55%、1.60%、1.65%、1.70%、1.75%、1.80%、1.85%、1.90%、1.95%、または約2.00%のBHTを含む。
【0030】
好ましい組成物は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩を含む。エチレンジアミン四酢酸の塩は、任意の適当な塩であることができる。概して、当該塩は、薬学的製剤で許容されかつエフィナコナゾールと混合可能な塩である。使用頻度の高い塩は、エチレンジアミン四酢酸の二ナトリウム塩および四ナトリウム塩である。EDTAまたはその塩の量は、BHTの量と組み合わせて、最初の製剤時に無色の組成物を提供し、かつ比較的高温(例えば、少なくとも約40℃、少なくとも約50℃、または少なくとも約60℃)で少なくとも約3週(例えば、少なくとも約4週、少なくとも約6週、少なくとも約8週、少なくとも約10週、少なくとも約12週、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約6ヶ月、またはそれより長い)の期間、無色から淡黄色の製剤を維持する任意の量でありうる。本発明による典型的な組成物は、約0.0001%〜約1%のEDTAまたはその塩を含む。用いられるEDTAまたはEDTA塩の量は、エフィナコナゾールの量、BHTの量、および製剤の性質を含む要因に応じて変動する。例えば、ゲル製剤では、用いられるEDTAまたはEDTA塩の量は典型的には、溶液で用いられる量より多い。また、非水性製剤または低含水製剤で用いられるEDTAまたはEDTA塩の量は、高含水量の製剤で用いられるEDTAまたはEDTA塩の量より少ない可能性がある。よって、いくつかの態様において、本発明の組成物中のEDTAまたはEDTA塩の量は、約0.1〜約1重量%の間(例えば、0.15%、0.35%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、または0.9%などの約0.2%〜1%、約0.25〜0.75%、約0.3〜0.8%、または約0.4〜0.7%)である。そのような量は、例えば、ゲル組成物で有用である。いくつかの態様において、EDTAまたはEDTA塩の量は、約0.004%〜約0.2%の間、約0.175%、約0.15%、約0.125%、または約0.1%などである。
【0031】
驚くべき事に、本発明者らは、ある種の製剤では、EDTAまたはEDTA塩の量が、約0.0001%〜約0.00025%、約0.00025%〜約0.00050%、または約0.0002%〜約0.0004%のEDTAまたはEDTA塩など、わずか約0.0001%〜約0.0005%の範囲内でありうることを発見した。特定の態様において、当該組成物は、重量で約0.00010%、0.00012%、0.00014%、0.00016%、0.00018%、0.00020%、0.00022%、0.00024%、0.00026%、0.00028%、0.00030%、0.00032%、0.00034%、0.00036%、0.00038%、0.00040%、0.00042%、0.00044%、0.00046%、0.00048%、または約0.00050%のEDTAまたはEDTA塩を含む。特定の態様において、当該組成物中に含まれるEDTAまたはEDTA塩の量は、約0.0001%(w/w)〜約0.0005%(w/w)の範囲内(例えば、0.0002%または0.0004%)であり、BHTの量は、約0.01%(w/w)〜約2%(w/w)の範囲内(例えば、0.02%、0.04%、0.05%、0.07%、0.08%、1.0%、1.2%、1.4%、1.5%、1.7%、または1.9%)である。
【0032】
いくつかの例示的態様において、本発明は、EDTAまたはEDTA塩の量が約0.0001%(w/w)〜約0.0005%(w/w)の範囲内であり、かつBHTの量が約0.01%(w/w)〜約2%(w/w)の範囲内である、組成物を提供する。
【0033】
いくつかの例示的態様において、本発明は、EDTAまたはEDTA塩の量が約0.0001%(w/w)〜約0.0003%(w/w)の範囲内であり、BHTの量が約0.05%(w/w)〜約0.15%の範囲内である、組成物を提供する。いくつかの例示的な態様において、本発明は、EDTAまたはEDTA塩の量が約0.1〜約1.0重量%の範囲内(例えば、約0.15%w/w〜約0.75%w/w)であり、BHTの量が約0.01%(w/w)〜約2%(w/w)の範囲内(例えば、約0.02%または0.025%〜約1.0%または1.5% w/w)であり、かつエフィナコナゾールの量が約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)の範囲(例えば、約1%、約2%、または約3%)である、組成物を提供する。
【0034】
いくつかの例示的態様において、本発明は、EDTAまたはEDTA塩の量が約0.00025%(w/w)であり、かつBHTの量が約0.1%(w/w)である、組成物を提供する。
【0035】
本発明の組成物は、極性溶媒、非極性溶媒、またはこれら2つの混合物を含むことができる。いくつかの態様において、当該組成物には、プロピレングリコール、グリセリン、およびエタノールを含む極性溶媒系が含まれる。いくつかの態様において、当該組成物には、C12-15アルキル ラクタート、ジイソプロピル アジパート、シクロメチコン、およびエタノールを含む非極性溶媒系が含まれる。
【0036】
本発明の組成物は、クエン酸を含むことができ、多くの場合、クエン酸を含む。特に、驚くべき事に、本発明者らは、クエン酸の存在は、色安定性を維持するのにクエン酸を求めることはできない非極性溶媒系を含む組成物と比べて(および極性溶媒系を含みかつクエン酸を含まない組成物と比べて)、極性溶媒系を含む組成物における色安定性を維持するのも助けることもさらに発見していることから、当該組成物に極性溶媒系が含まれている場合、クエン酸も存在する。非極性溶媒系を含む組成物でも、本発明者らは、安定剤、キレート剤(キレーター)、抗酸化剤、および/もしくはpH調整剤、または別のものとしてのクエン酸の存在は、非極性溶媒系を含む組成物における色安定性を著しく損なわないことを発見した。
【0037】
クエン酸の量は、EDTAおよびBHTのいずれかと組み合わせたときに、許容可能な色安定性をもたらす一方で、検出可能な抗酸化作用も通常与える任意の量、またはBHTおよびEDTAだけでの色安定作用より組成物の色安定性を好適に増強させる任意の量でありうる。本発明のそのような局面による組成物は、例えば、重量で約0.01%〜約1%のクエン酸を含むことができる。組成物は、約0.02%〜約0.5%のクエン酸、約0.05%〜約1.5%のクエン酸、約0.08%〜約0.8%のクエン酸、または約0.085%〜約0.5%、0.4%、0.3%、もしくは0.1%のクエン酸を含むことができる。いくつかの態様において、当該組成物は、重量で約0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.12%、0.15%、0.17%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、または約1.00%のクエン酸を含む。BHTおよびEDTAに関しては、通常の知識を有する製剤化学者は、色安定性について本明細書に提供されるガイダンスから、任意の特定のエフィナコナゾール組成物を含むのに適切な量のクエン酸を決定することができる。
【0038】
いくつかの態様において、当該組成物は、約0.75〜約12重量%のエフィナコナゾール(例えば、約1〜5重量%または約5〜10重量%のエフィナコナゾール)など、約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、約0.01〜約2重量%のBHT(例えば、約0.2〜約1.5重量%のBHT)、および約0.0001〜約1.5重量%のEDTAまたはEDTA塩(例えば、約0.0001〜約0.0005重量%のEDTAもしくはEDTA塩、または約0.1〜約1.25重量%のEDTAまたはEDTA塩)、および約0.1〜約1重量%のクエン酸を含む。
【0039】
いくつかの例示的態様において、当該組成物は、約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、約0.01〜約2重量%のBHT、約0.0001〜約0.0005重量%のEDTAまたはEDTA塩、および約0.1〜約1重量%のクエン酸を含む。
【0040】
いくつかの例示的態様において、当該組成物は、約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、約0.1重量%のBHT、および約0.00025重量%のEDTAまたはEDTA塩を含む。いくつかの態様において、当該組成物は、約0.1重量%のクエン酸をさらに含む。
【0041】
いくつかの例示的態様において、当該組成物は、約0.5〜約15重量%のエフィナコナゾール、約0.1重量%のBHT、約0.00025重量%のEDTAまたはEDTA塩、および約0.1重量%のクエン酸を含む。
【0042】
いくつかの態様において、当該組成物は、約10重量%のエフィナコナゾールを含む。いくつかの態様において、当該組成物は、約5重量%のエフィナコナゾールを含む。いくつかの態様において、当該組成物は、約2重量%のエフィナコナゾールを含む。
【0043】
組成物は、当該組成物の構成成分であるエフィナコナゾール、BHT、EDTA、および存在場合はクエン酸と混合可能であり、好ましくは、組成物の色安定性など本発明の組成物の基本的かつ新規な特性に実質的に影響を与えないさらなる構成成分を含むことができる。多くの場合、非極性もしくは極性および/または揮発性もしくは不揮発性でありうる共溶媒が組成物に含まれる。さらなる構成成分を以下に詳細に説明する。
【0044】
組成物の色
本発明の組成物は典型的には、長い保存期間にわたって色安定性を示す。当該組成物は、約2週間から数ヶ月間さらには数年続く期間(例えば、室温保存にて約1年、約2年、さらには約3年またはそれより長期間)、安定でありうる。当該組成物は、例えば、少なくとも1ヶ月間、または少なくとも3ヶ月間、または少なくとも6ヶ月間、または少なくとも9ヶ月間、または少なくとも1年間、少なくとも約35℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃またはそれを上回る温度など室温(RT)より高い温度で、保管可能でありうる。間組成物は、およそ室温(すなわち、25℃)、およそ40℃、およそ65℃、または他の適当な温度で保存することができる。
【0045】
組成物の安定性は目で容易に評価することができ、これは、薬学組成物などの製品の色安定性の評価において多くの場合用いられる方法であることを当業者なら理解するであろう。いくつかの態様において、変色は、色安定性のより定量的な測定をもたらす、組成物または組成物の希釈サンプルのUV-vis吸光度などの測定を記録することにより、定量化することができる。UV/可視光の吸光度が色安定性の評価に用いられる場合、当該吸光度は、任意の適切な波長で任意の適切なデバイスまたは方法を用いて記録されうる。エフィナコナゾール組成物に有用な吸光度測定は、400 nm、500 nm、または600 nmで記録されうる。他の波長は、分析される特定の組成物および組成物構成成分の濃度に応じて、測定のために用いられうる。変色を呈さない組成物は無色のままである。長期間にわたって無色のままの組成物は特に好ましい。典型的には、無色の組成物は、400 nmで0.1吸光度単位(AU)未満、500 nmで0.01 AU未満、および600 nmで0.01 AU未満のUV-vis吸光度値を有する。ある種の許容可能な組成物は、色のわずかな変化を呈する。そのような組成物は、保存中に淡黄色に変化しうる。典型的には、淡黄色の組成物は、400 nmで0.2 AU未満、500 nmで0.1 AU未満、および600 nmで0.1 AU未満のUV-vis吸光度値を有する。無色および淡黄色の組成物は、UV-vis測定を使用せずに目視検査により特定できることを当業者なら理解するであろう。
【0046】
上述のように、いくつかの態様において、色安定性の判定は、保存後の当該組成物の色を定量化することができるデバイスを用いて、当該組成物の最初の色と比較しておよび/または許容可能な色を反映する基準範囲に対して行われる(通常、対照と比較し、かつ2つ以上のサンプルにより実行される)。任意の適切なデバイスおよび測定系が用いられうる。典型的には、分光光度計または同様の装置により決定される紫外線-可視光(UV-vis)吸光度単位(AU)が、組成物に対して決定され、かつ組成物における許容可能な色安定性を反映していると見なされる範囲、数、および/またはカットオフを提供するAU値に対して評価されうる。範囲、カットオフ、および/または値は、測定が行われる波長など種々の要因により変化しうる。いくつかの局面において、異なる波長で複数の測定が実施される。いくつかの局面において、1つの波長で1回だけ測定が実施される。1つの例示的な態様において、65℃で少なくとも1ヶ月の保存の後、当該組成物は、400 nmで0.4吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.1 AU以下、および600 nmで0.1 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。
【0047】
当該組成物は、65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、ある特定のUV-vis吸光度値を示す。好ましい態様において、当該組成物は、400 nmで0.4 AU以下、500 nmで0.1 AU以下、および600 nmで0.1 AU以下から選択される1つまたは複数のUV-vis吸光度値を示す。いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月間の保存後に、当該組成物は、400 nmで0.4吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.1 AU以下、および600 nmで0.1 AUまたはそれも未満のUV-vis吸光度値を示す。
【0048】
組成物または組成物のサンプルの400 nmでのUV-vis吸光度は、例えば、約0.1 AU〜約0.2 AU、または約0.2 AU〜約0.4 AUでありうる。400 nmでのUV-vis吸光度は、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35または約0.4 AUでありうる。
【0049】
組成物または組成物のサンプルの500 nmでのUV-vis吸光度は、例えば、約0.01 AU〜約0.05 AU、または約0.05 AU〜約0.1 AUでありうる。500 nmでのUV-vis吸光度は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09または約0.1 AUでありうる。
【0050】
組成物または組成物のサンプルの600 nmでのUV-vis吸光度は、例えば、約0.01 AU〜約0.05 AU、または約0.05 AU〜約0.1 AUでありうる。600 nmでのUV-vis吸光度は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09または約0.1 AUでありうる。
【0051】
いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月保存の後、当該組成物は、400 nmで0.2吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.03 AU以下、および(iii) 600 nmで0.03 AU以下から選択される1つまたは複数のUV-vis吸光度値を示す。いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月保存の後、当該組成物は、400 nmで0.2吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.03 AU以下、および600 nmで0.03 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。
【0052】
いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月保存の後、当該組成物は、400 nmで0.1吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.01 AU以下、および(iii)600 nmで0.01 AU以下から選択される1つまたは複数のUV-vis吸光度値を示す。いくつかの態様において、65℃で少なくとも1ヶ月保存の後、当該組成物は、400 nmで0.1吸光度単位(AU)以下、500 nmで0.01 AU以下、および(iii)600 nmで0.01 AU以下のUV-vis吸光度値を示す。
【0053】
本明細書に記載の吸光度値はまた、6週間、または8週間、または3ヶ月間、または6ヶ月間、または1年間、またはそれより長い間の保存後にも示されうる。
【0054】
変色(またはその欠如)は、保存期間後の組成物のUV-vis吸光度値を保存期間前の当該組成物のUV-vis吸光度値と比較することによっても評価されうる。いくつかの態様において、例えば、設定期間保存後の400 nmでの組成物のサンプルの吸光度は、設定期間前の400 nmでの当該サンプルの吸光度の5倍以下である。いくつかの態様において、設定期間保存後の500 nmでの組成物のサンプルの吸光度は、設定期間前の500 nmでの当該サンプルの吸光度の10倍以下である。いくつかの態様において、設定期間保存後の600 nmでの組成物のサンプルの吸光度は、設定期間前の600 nmでの当該サンプルの吸光度の5倍以下である。いくつかの態様において、組成物のサンプルは、設定保存期間後に非常に明るい黄色に見える。いくつかの態様において、組成物のサンプルは、設定保存期間後に無色に見える。
【0055】
サンプルは、保存および/または分析が行われる組成物の任意の部分でありうる。当該サンプルは、本明細書に記載の本発明の組成物、または分析を容易にするために必要に応じて希釈または濃縮されている組成物からなることができる。保存期間は、組成物の物理的および/または化学的特性に対する保存の影響を評価するのに適した任意の時間の長さでありうる。いくつかの態様において、保存期間は少なくとも4週間である。いくつかの態様において、保存は約20℃〜約80℃の温度で実施される。いくつかの態様において、保存は約65℃の温度で実施される。
【0056】
製剤
概して、本発明の組成物は、局所に投与されるように製剤化される。当該組成物は、例えば、溶液、スプレー、軟膏、ローション、ゲル、およびシャンプー等として製剤化されうる。当該組成物はまた、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第8,486,978号ならびに米国特許出願第2009/0175810号および同第2014/0228403号にしたがって製剤化されうる。一方で、本発明の組成物は概して、公知の製剤と比較すると安定性の増強を示す。好ましい態様において、当該組成物は溶液として製剤化される。いくつかの態様において、好ましい構成成分には、揮発性溶媒、不揮発性溶媒、および湿潤剤が含まれる。
【0057】
揮発性溶媒は、測定可能な蒸気圧を有する化合物であり、好ましくは、室温で約100 Paより大きな蒸気圧を有する化合物である。揮発性溶媒の例には、アセトン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-ブタノール、エタノール、酢酸エチル、n-ヘプタン、イソブタノール、イソプロピルアルコール、1-プロパノール、2-プロパノール、および水が含まれる。
【0058】
適切な不揮発性溶媒の例には、これらに限定されないが、スクアラン、ジブチル セバカート、イソプロピル ラウラート、イソプロピル ミリスタート、イソプロピル パルミタート、イソプロピル ステアラート、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、オレイン酸、ラウリル ラクタート、ミリスチル ラクタート、混合C12-15アルキル ラクタート、ジイソプロピル アジパート、オクチルドデカノール、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル ベンゾアート、ミリスチル ベンゾアート、混合C12-15アルキル ベンゾアート、ベンジル ベンゾアート、トリデシル ネオペンタノアート、ライトミネラルオイル、ミネラルオイル、α-テルピネオール、ジエチレングリコール モノエチル エーテル、n-メチルピロリドン、ジメチル スルホキシド、エチル ラクタート、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール(グリセリン)、ベンジルアルコールおよびグリセリン トリアセタートが含まれる。
【0059】
有用な湿潤剤は、液体組成物の表面張力を低下させ、かつ粘度を増加させない化学化合物である。皮膚科適用に適している任意の界面活性剤または界面活性剤のグループは、本発明に適している。そのような界面活性剤は、本発明の組成物において湿潤剤として、および乳化剤または溶解剤として機能しうる。界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、双性イオン性、両性(amphoteric)、または両性電解質(ampholytic)の界面活性剤であってもよい。
【0060】
いくつかの態様において、湿潤剤は揮発性シリコンである。このような揮発性シリコンには、式[RaSiORb]nの直鎖状または環状ポリオルガノシロキサン化合物が含まれ、式中、nは6以下であり、かつRaおよびRbは独立して選択されるアルキル基である。揮発性シリコンは、周囲条件下で測定可能な蒸気圧を有する。環状揮発性シリコンの例には、シクロメチコンとして一般に知られるポリジメチルシクロシロキサン(シクロペンタシロキサン、シクロテトラシロキサン、およびデシルメチルシクロペンタシロキサンなど)が含まれる。直鎖状揮発性シリコンの例には、直鎖状ポリシロキサン(ヘキサメチルジシロキサン、およびオクタメチルトリシロキサンなど)が含まれる。
【0061】
いくつかの態様において、本発明は、上記のようにエフィナコナゾール、EDTAまたはその塩、BHT、および任意でクエン酸を含み、かつアルコール、揮発性シリコン、および式RCO-OR'の1つまたは複数のエステルをさらに含む、爪または爪床の障害の治療のための薬学的組成物を提供し、ここで、式中、RおよびR'は、同じであってもまたは異なっていてもよく、RおよびR'のそれぞれは、1〜25個の炭素原子を有するアルキル基、アルケニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、またはアルコキシカルボニルオキシアルキル基の直鎖または分岐鎖を表す。いくつかの態様において、揮発性シリコンは、25%w/w未満の濃度で組成物中に存在する。いくつかの態様において、揮発性シリコンの濃度は15%未満である。いくつかの態様において、当該組成物中のアルコール対揮発性シリコンの比率%w/wは、少なくとも2:3である。いくつかの態様において、アルコール対揮発性シリコンの比率は、少なくとも3:1である。ある特定の態様において、当該組成物は、爪の表面に局所的に塗布されるときに膜を形成しない。ある特定の態様において、当該組成物は、高分子膜形成化合物を含まない。
【0062】
いくつかの態様において、本発明は、上記のようにエフィナコナゾール、EDTAまたはその塩、BHT、および任意でクエン酸を含み、かつ以下:
アルコール−10%から80%(w/w);
シクロメチコン−0.01%から25%(w/w)未満;および
C12-15アルキル ラクタートおよびイソプロピル ミリスタートのいずれかまたはその両方を加えたジイソプロピル アジパート−5%から90%(w/w)
をさらに含む、爪または爪床の障害の治療のための薬学的組成物を提供する。
【0063】
いくつかの態様において、本発明は、上記のようにエフィナコナゾール、EDTAまたはその塩、BHT、および任意でクエン酸を含み、かつ以下:
アルコール−50%から70%(w/w);
シクロメチコン−10%から15%(w/w);
ジイソプロピル アジパート−8%から15%(w/w);および
C12-15アルキル ラクタートおよびイソプロピル ミリスタートのいずれかまたはその両方−8%から15%(w/w)
をさらに含む、爪または爪床の障害の治療のための薬学的組成物を提供する。
【0064】
ある特定の態様において、本発明の組成物は、高分子膜形成化合物を含まず、爪の表面に塗布されたときに固体膜または硬いラッカーまたはシェル(shell)を形成しない。ラッカー、シェルまたは膜の形成は、高分子膜形成物を固体残留物として残す揮発性溶媒を、溶媒流延後に蒸発させる工程により生じる。高分子膜形成物を含有する爪ラッカーは、例えば、その特許の全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,957,730号、同第5,120,530号、同第5,264,206号、同第5,346,692号、および同第5,487,776号に記載されている。高分子膜形成化合物の例には、ポリビニル アセタート、ポリビニルピロリドン、メタクリル酸、ポリビニル ブチラール、ポリビニル アセタール、およびセルロース アセタート フタラート、セルロース アセタート ブチラート、セルロース アセタート プロピオナート、セルロース ニトラート、セルロース スルファート、エチルセルロースおよびセルロース アセタートなどのセルロース誘導体のポリマーおよびコポリマーが含まれる。高分子膜形成剤は、本発明の組成物中に存在しうるが、爪の表面への組成物の塗布後に膜またはラッカーの形成をもたらす量を下回る量で存在する。いくつかの態様において、当該薬学的組成物は、アクリレートクロスポリマー(例えば、アクリレート/ C10-30アルキル アクリレートクロスポリマー;CARBOPOL 1342を含む商品名で販売)などの増粘剤をさらに含む。本発明で用いられるアクリレートクロスポリマーは、皮膚および爪の表面に接触すると壊れ、膜、硬シェル、またはラッカーを形成しないことを当業者なら理解するであろう。
【0065】
本発明の組成物は、保存剤、潤滑剤、保水剤、湿度調整剤、発泡剤、結合剤、pH調整剤、浸透圧調節剤、乳化剤、着色剤、エアロゾル噴霧剤、芳香剤、または臭気マスキング剤など、他の構成成分も含むことができる。当業者なら、選択した製剤に有用な構成成分を知っている。そのような構成成分は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th ed., 2000などの典拠に記載されている。本発明の組成物に有用な組み合わせには、水/プロピレングリコール/グリセリン/エタノール、水/ C12-15アルキル ラクタート/ジイソプロピル アジパート/シクロメチコン/エタノール、および他の混合物が含まれる。
【0066】
したがって、本発明のいくつかの態様は、溶液として製剤化された組成物を提供する。いくつかの態様において、当該組成物は、揮発性溶媒、不揮発性溶媒、および湿潤剤から選択される1つまたは複数の構成成分を含む。いくつかの態様において、当該組成物は、水、プロピレングリコール、グリセリン、およびエタノールから選択される1つまたは複数の構成成分を含む。いくつかの態様において、当該組成物は、水、C12-15アルキル ラクタート、ジイソプロピル アジパート、シクロメチコン、およびエタノールから選択させる1つまたは複数の構成成分を含む。
【0067】
III. 治療方法
別の局面において、本発明は、皮膚または爪の病態を治療するための方法を提供する。当該方法には、本発明の組成物をそれを必要とする患者に局所的に投与する段階が含まれる。一般に、皮膚および爪の病態は、カンジダ・アルビカンス、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、アスペルギルス・フミガーツス、およびトリコフィトン・メンタグロフィテス等を含む真菌により引き起こされる。皮膚および爪の病態の例には、これらに限定されないが、足白癬(アスリートフット)、頭部白癬(頭皮白癬)、爪真菌症(爪白癬)、股部白癬(いんきん)、体部白癬(白癬)、およびイースト菌感染症が含まれる。
【0068】
足白癬は、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)またはトリコフィトン・メンタグロフィテスにより引き起こされる足の真菌感染である。足白癬は、踵の上、足裏の足底部の上、および足指の上またはそれらの間に生じうる。頭部白癬は、ミクロスポルム・オーズアニー(Microsporum audouinii)、ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)、トリコフィトン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)、トリコフィトン・ビオラセウム(Trichophyton violaceum)、およびトリコフィトン・シェーンライン(Trichophyton schoenlenii)などにより引き起こされる頭皮の感染である。爪真菌症は、トリコフィトン・ルブルム、トリコフィトン・インタージギターレ(Trichophyton interdigitale)(トリコフィトン・メンタグロフィテス)、エピデルモフィトン・フロッコースム(Epidermophyton floccosum)、トリコフィトン・ビオラセウム、ミクロスポルム・ギプセウム(Microsporum gypseum)、トリコフィトン・トンスランス、トリコフィトン・ソウダネンセ(Trichophyton soudanense)、およびカンジダ属種により引き起こされる爪または爪床の感染である。
【0069】
本発明の方法によれば、当該組成物は、約1週間〜約12週間の期間、または病態の消失まで、週に少なくとも3回、患部(足、頭皮、または手など)に局所的に塗布される。いくつかの態様において、当該組成物は、約1〜12週間1日1回塗布される。いくつかの態様において、当該組成物は約1〜12週間1日2回塗布される。病態を引き起こす真菌のタイプおよび病態の重症度に応じて、他の投薬レジメンが本発明の方法において用いられうる。
【0070】
以下の実施例は、上記の発明の局面を例示することを意図しており、限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0071】
IV. 実施例
エフィナコナゾールおよび種々の溶媒を混合して、以下に記載のように抗酸化剤、ヒドロキシ酸、およびキレート剤を添加した混合物をもたらすことにより、溶液を調製した。結果として生じた溶液は、全ての構成成分を最初に混合した時、透明かつ無色であった。当該溶液を65℃で保存した。保存期間にわたって、いくつかの溶液は淡黄色に変化するのを観察した。いくつかの溶液の色は、黄色、明るい橙色、暗い橙色、ピンク色、銅色、明るい赤色、および暗い赤色の色合へと深まった。種々の色を呈する溶液の写真を図1に示す。UV可視光吸光度スペクトルを、Varian Cary 50 Bio Spectrophotometerを用いて種々の時点で記録した。サンプルを300 nmから800 nmにわたってスキャンした。吸光度値を400、500および600 nmで記した。吸光度読み取りに基づき、400 nmで0.1407吸光度単位(AU)、500 nmで0.0290 AU、および600 nmで0.0290 AUのカットオフ値を用いて、「不良となるまでの時間」を決定した。
【0072】
実施例1〜6は、表1に示すように製剤化され、水/アルキル ラクタート/ジイソプロピル アジパート/シクロメチコン/エタノールの溶媒系中に10重量%のエフィナコナゾールおよび種々の抗酸化剤を含んだ。表2に要約した結果は、2週間以内(実施例1および5)、およびプロピル ガラートの場合はわずか4日以内(実施例3)で、UV吸光度値が許容限度を上回り、製剤において許容できないレベルの色の変化を表すことを示している。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
実施例7〜14は、表3に示すように製剤化され、水/アルキル ラクタート/ジイソプロピル アジパート/シクロメチコン/エタノールの溶媒系中に10重量%のエフィナコナゾールを含んだ。表4に要約した結果は、EDTA/BHTを含む組成物は、65℃で保存したときに1ヶ月にわたって色を有意に変化させなかった(実施例7および14)ことを示している。EDTA/BHT製剤における追加の構成成分としてクエン酸が含まれてもよい。まとめると、エフィナコナゾール製剤にとってBHTは特にEDTAおよびクエン酸と組み合わせた場合に特異的に有用な安定化剤であることが実施例7〜14により示されている。BHAおよびプロピル ガラートを含む製剤で観察された不安定性を考慮すると、BHTを含む製剤で観察された安定性は特に予想外であった。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
実施例15〜19は、表5に示すように製剤化され、水/アルキル ラクタート/ジイソプロピル アジパート/シクロメチコン/エタノールの溶媒系中に10重量%のエフィナコナゾールおよび種々の酸構成成分を含んだ。表6に要約した結果は、クエン酸/EDTA/BHT製剤は、65℃で保存したときに1ヶ月にわたって透明かつ無色のままであった(実施例19)ことを示している。他の酸構成成分について、吸光度値は、2または3週以内に許容限度を上回った。実施例19による製剤は、爪真菌症の治療に特に有用である。
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
実施例20〜26は、表7に示すように製剤化され、第2の溶媒系中に10重量%のエフィナコナゾールを含んだ。実施例27は5%エフィナコナゾールを含んだ。表8に示すように、実施例20を除く全てのサンプルの吸光度は、4日から3週以内に許容可能な吸光度レベルを上回った。クエン酸、EDTAおよびBHTを含む実施例20は、65℃で保存したときに1ヶ月にわたって透明かつ無色であった。
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
実施例28〜33は、表9に示すように、ゲル製剤中に2重量%のエフィナコナゾールを含んだ。表9に示すように、BHTおよびEDTAを含む大部分の製剤は、8週間透明かつ無色のままであった。クエン酸を含まない実施例9は、4から8週の間、非常に明るい色となっただけであった。
【0085】
【表9】
【0086】
実施例34〜39は、表10に示すように、さらなるゲル製剤中に2重量%のエフィナコナゾールを含んだ。いくつかの製剤の色を目視観察により評価し、結果を表11に示す。これらの製剤において記載した賦形剤は、本明細書で提供した他の製剤と同様に、同様の機能を有し、本発明によるさらなる適切な製剤を生じる他の公知の製剤と置き換えることができるが、典型的には、EDTAおよびクエン酸成分は、エフィナコナゾール APIと共に維持される。
【0087】
【表10】
【0088】
前記は、明確性および理解を目的として説明および例示としてかなり詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の範囲内で、ある特定の変更および修飾が実施できることを当業者なら理解するであろう。加えて、本明細書において提供される各引用文献は、各引用文献が参照により個別に組み入れられるのと同じ程度で、その全体が参照により組み入れられる。
図1
図2